説明

微小構造体の製造方法、ドナー基板、レイアウト設計装置およびレイアウトプログラム

【課題】 ドナー基板の面積効率を向上させるように薄膜パターンを配置した微小構造体の製造方法、ドナー基板、レイアウト設計装置およびレイアウトプログラムを提供する。
【解決手段】 複数の薄膜パターン配置設計を各層のスタンプ領域に基づいて行う。1層目の薄膜パターン102−1は任意の位置に配置される。2層目の薄膜パターン102−2は1層目のスタンプ領域105−1に重ならない位置に配置される。3層目の薄膜パターン102−3は1層目および2層目のスタンプ領域105−1、105−2に重ならない位置に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微小構造体の製造方法とドナー基板に関し、特に、ドナー基板の面積効率を向上させるように薄膜パターンを配置した微小構造体の製造方法およびドナー基板に関する。
【背景技術】
【0002】
積層造形方法は、コンピュータで設計された複雑な形状の3次元物体を短時間で製造する方法として近年急速に普及している。積層造形方法により造形された3次元物体は、種々の装置の部品のモデル(プロトタイプ)として、部品の動作や形状の良否を調べるために利用される。最近では、積層造形方法を数センチ単位の比較的大きな部品だけでなく、微小ギアや微細光学部品等の微小部品の製造に適用する技術も報告されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この製造方法は、微小構造体の各断面に対応した複数の薄膜パターンを基板上に形成したドナー基板を作製し、ドナー基板に対向してターゲット基板を配置し、ドナー基板とターゲット基板の位置決め、圧接、離間を繰り返すことによりターゲット基板上に複数の薄膜パターンを転写積層した微小構造体を作製するというものである。
【特許文献1】特許第3161362号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の微小構造体の製造方法によると、図18に示すように、ドナー基板上に形成された各薄膜パターン602−1〜3を配置する領域が、薄膜パターンの形状や大きさに係わらず一定であるため、使用するドナー基板の面積が必要以上に大きくなってしまうという問題点がある。
【0005】
また、従来の微小構造体の製造方法によると、同一層の薄膜パターンの間に高低差が存在する場合に、高さの低い部分のターゲット基板への転写が失敗するおそれがあるという問題点がある。
【0006】
従って、本発明の目的は、ドナー基板の面積効率を向上させるように薄膜パターンを配置した微小構造体の製造方法、ドナー基板、レイアウト設計装置およびレイアウトプログラムを提供することである。
【0007】
また、本発明の他の目的は、同一層の薄膜パターンの間に高低差が存在する場合であっても、全ての薄膜パターンを失敗することなくターゲット基板へ転写することができる微小構造体の製造方法、ドナー基板、レイアウト設計装置およびレイアウトプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、上記目的を達成するため、複数の薄膜パターンを積層してなる微小構造体の製造方法において、前記複数の薄膜パターンの形状、大きさおよび積層位置に基づいて薄膜パターンの配置設計を行う第1の工程と、前記配置設計に基づいてドナー基板上に前記複数の薄膜パターンを形成する第2の工程と、前記ドナー基板にターゲット基板を対向して配置し、前記ドナー基板と前記ターゲット基板の相対位置の決定、圧接および離間を行い、前記ターゲット基板上に前記複数の薄膜パターンを順次積層する第3の工程とを含むことを特徴とする微小構造体の製造方法を提供する。
【0009】
また、本発明の一態様は、上記目的を達成するため、基板上に複数の薄膜パターンを有するドナー基板において、前記複数の薄膜パターンは、異なるピッチで形成されたことを特徴とするドナー基板を提供する。
【0010】
また、本発明の一態様は、上記目的を達成するため、微小構造体の断面形状に対応する複数の薄膜パターンの形状、大きさおよび積層位置を入力する入力手段と、薄膜パターンを一平面にレイアウトしたとき、前記平面上の占有面積が最小となるように前記複数の薄膜パターンの配置設計を行う処理手段とを備えたことを特徴とするレイアウト設計装置を提供する。
【0011】
また、本発明の一態様は、上記目的を達成するため、微小構造体の断面形状に対応する複数の薄膜パターンの形状、大きさおよび積層位置を入力情報として受け取る第1のステップと、前記入力情報に基づいて、薄膜パターンを一平面にレイアウトしたとき、前記平面上の占有面積が最小となるように前記複数の薄膜パターンの配置設計を行う第2のステップとを備えたことを特徴とするレイアウトプログラムを提供する。
【0012】
上記本発明の一態様に係る微小構造体の製造方法、レイアウト設計装置、およびレイアウトプログラムによれば、薄膜パターンの形状、大きさおよび積層位置に基づいて薄膜パターンの配置設計を行うことにより、ドナー基板の面積効率を向上させることができる。
【0013】
上記本発明の一態様に係るドナー基板によれば、面積効率の高いドナー基板を得ることができる。
【0014】
上記本発明の一態様に係る微小構造体の製造方法の第1の工程は、1層目の薄膜パターンをターゲット基板のスタンプ部に転写したときのそれらのドナー基板上に占める平面領域の和集合(nが1である場合)、もしくはn層目にn−1層目の薄膜パターンを転写したときのそれらのドナー基板上に占める平面領域の和集合(nが2以上の自然数である場合)に、パターニング誤差に対する所定のマージンMを加えたものであるn層目の薄膜パターンのスタンプ面積に基づいて薄膜パターンの配置設計を行うものである。
【0015】
n層目の薄膜パターンは、1〜n−1層目の薄膜パターンのスタンプ面積と重ならない位置に配置されるものである。
【0016】
マージンとは、アライメント顕微鏡の識別精度誤差、圧接軸の繰り返し精度誤差、ターゲット基板もしくはドナー基板の設置されたステージの位置決め精度誤差、フォトリソグラフィー等のパターニング精度誤差等の機械誤差と、積層時に発生する熱膨張や振動等により生じる環境誤差からなる誤差パラメータ群から定められるものである。
【0017】
上記本発明の一態様に係る微小構造体の製造方法の第2の工程において、離型層のドナー基板上への形成は、スパッタ法、分子線ビームエピタキシャル法、化学気相堆積法、真空蒸着法、スピン塗布法等の一般的な薄膜形成方法を用いることができる。
【0018】
離型層は、ターゲット基板のスタンプ部に転写する際、薄膜パターンが離型層から剥離し易いように離型層と薄膜パターンとの接着強度が調整されたものである。離型層は、例えば、ポリイミド、フッ化ポリイミド、酸化シリコン等の公知の材料を用いることができるが、第一の基板の熱酸化処理を行って形成される熱酸化膜を用いてもよい。
【0019】
薄膜パターンは、例えば、金属、半導体、セラミックス、プラスチック等の公知の材料を用いることができる。
【0020】
上記本発明の一態様に係る微小構造体の製造方法の第3の工程において、複数の薄膜パターンは、常温接合によって接合されるのが好ましい。「常温接合」とは、室温で原子同士を直接接合することをいう。常温接合によれば、常温接合される薄膜パターンの形状や厚みの変化が少なく、高精度な微小構造体が得られる。薄膜パターンを接合する前に、その表面に中性原子ビーム、イオンビーム等を照射して表面を清浄化するのが好ましい。清浄化により表面が活性化して強固な接合が得られる。
【0021】
上記本発明の一態様に係るレイアウト設計装置は、キーボード、マウス等の入力デバイスと、入力デバイスから入力されたパラメータに基づいてレイアウト設計を行うCPU、ROM、RAM、ハードディスク等を備えた処理デバイスと、レイアウト結果等を表示するディスプレイ、プリンタ等の出力デバイスを有して構成されている。
【0022】
入力デバイスは、微小構造体の断面形状に対応する複数の薄膜パターンの形状、大きさおよび積層位置を入力情報として受け取るものであり、処理デバイスのCPUは、薄膜パターンを一平面にレイアウトしたとき、前記平面上の占有面積が最小となるように前記複数の薄膜パターンの配置設計を行うものである。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、薄膜パターンを配置を所定のアルゴリズムに従って設計し、ドナー基板の面積効率を向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
〔第1の実施の形態〕
(微小構造体の構成)
図1(a)は、この第1の実施の形態において作製する微小構造体の上面図であり、図1(b)は、図1(a)中の一点鎖線A−A’における断面を矢印の指す方向から見た図である。
【0025】
ターゲット基板100上に設けられたスタンプ部101の上に1層目の薄膜パターン102−1、2層目の薄膜パターン102−2、および3層目の薄膜パターン102−3からなる微小構造体が形成されている。これらの薄膜パターンはそれぞれ異なる面積を有し、面積の大きなものから順に積層することで微小構造体が形成されている。
【0026】
(微小構造体の製造方法)
次に、図2〜4を参照して、微小構造体の製造方法について、薄膜パターンの配置設計、ドナー基板の作製、薄膜パターンの積層に分けて説明する。
【0027】
(薄膜パターンの配置設計)
図2(a)〜(c)は、レイアウト設計装置による薄膜パターンの配置設計の流れを示す上面図であり、図3はそのフローチャートである。図3のフローチャートに示すようなプログラムがレイアウト設計装置に含まれる処理デバイスのROMに格納されている。
【0028】
まず初めに、図2(a)に示すように、任意の場所に1層目の薄膜パターン102−1を配置し(図3ステップA1)、そのスタンプ領域105−1を求める(図3ステップA2)。
【0029】
ここで、各層のスタンプ領域は、1層目の薄膜パターン102−1のものと、2層目以降の薄膜パターン102−2のものとで次のように定義される。1層目の薄膜パターンのスタンプ領域105−1は、1層目の薄膜パターンをターゲット基板のスタンプ部に転写したときのそれらのドナー基板108上に占める平面領域の和集合にパターニング誤差に対する所定のマージン104を加えたもの、n層目(nは2以上の自然数)のスタンプ領域105−nは、n層目にn−1層目の薄膜パターンを転写したときのそれらのドナー基板108上に占める平面領域の和集合に、パターニング誤差に対する所定のマージン104を加えたものである。
【0030】
ここで、パターニング誤差に対する所定のマージン104とは、具体的には、アライメント顕微鏡の識別精度誤差、圧接軸の繰り返し精度誤差、ターゲット基板もしくはドナー基板の設置されたステージの位置決め精度誤差、フォトリソグラフィー等のパターニング精度誤差等の機械誤差と、積層時の熱や振動等により生じる環境誤差からなる誤差パラメータ群から定められるものである。
【0031】
図1(a)、(b)に示したように、1層目の薄膜パターン102−1は、ターゲット基板100のスタンプ部101に転写される際に、それらの中心を合わせて転写される。転写後の1層目の薄膜パターン102−1とスタンプ部転写領域103との位置関係は図2(a)に示される通りである。この場合、1層目の薄膜パターン102−1はスタンプ部転写領域103の中に完全に収まるため、転写時に1層目の薄膜パターン102−1とスタンプ部101のドナー基板108上に占める平面領域の和集合は、スタンプ部転写領域103の占める平面領域と等しくなる。
【0032】
この転写時に1層目の薄膜パターン102−1とスタンプ部101がドナー基板上に占める平面領域の和集合(スタンプ部転写領域103)に、パターニング誤差に対する所定のマージン104を付加して、1層目のスタンプ領域105−1が求まる。
【0033】
次に、図2(b)に示すように、2層目の薄膜パターン102−2の配置を決める(図3ステップA3)。このとき、2層目の薄膜パターン102−2を1層目のスタンプ領域105−1に重なる位置に配置すると、1層目の薄膜パターン102−1をスタンプ部101に転写する際に、2層目の薄膜パターン102−2も同時に転写されてしまう。そのため、1層目のスタンプ領域105−1に重ならずに、かつなるべくドナー基板108上に占める平面領域を少なくするために、2層目の薄膜パターン102−2を1層目のスタンプ領域105−1に接するように配置する。
【0034】
図1(a)、(b)に示したように、2層目の薄膜パターン102−2は、1層目の薄膜パターン102−1に転写される際に、それらの中心を合わせて転写される。転写後の2層目の薄膜パターン102−2と1層目の薄膜パターン転写領域106−1との位置関係は図2(b)に示される通りである。この場合、2層目の薄膜パターン102−2は1層目の薄膜パターン転写領域106−1の中に完全に収まるため、転写時に2層目の薄膜パターン102−2と1層目の薄膜パターン102−1のドナー基板108上に占める平面領域の和集合は、1層目の薄膜パターン102−1の占める平面領域と等しくなる。
【0035】
この転写時に2層目の薄膜パターン102−2と1層目の薄膜パターン102−1がドナー基板上に占める平面領域の和集合(スタンプ部転写領域103)に、パターニング誤差に対する所定のマージン104を付加して、2層目のスタンプ領域105−2が求まる(図3ステップA4)。
【0036】
次に、図2(c)に示すように、3層目の薄膜パターン102−3の配置を決める。このとき、3層目の薄膜パターン102−3を1層目のスタンプ領域105−1、および2層目のスタンプ領域105−2に重ならない位置、すなわち2層目までのスタンプ領域の和集合107−2に重ならない位置に配置する必要がある。そのため、ドナー基板108上に占める平面領域を少なくすることも考慮して、3層目の薄膜パターン102−3を図2(c)に示すように2層目までのスタンプ領域の和集合107−2に2点で接するように配置する(図3ステップA5)。
【0037】
図4に、最終的に決定した各薄膜パターン102−1〜3の配置を示す上面図を示す。
【0038】
(ドナー基板の作製)
まず、ドナー基板108の上に、例えばポリイミドからなる離型層109をスピン塗布により形成する。
【0039】
次に、離型層109の上に、薄膜を形成し、これをパターニングして、上記のようにして決定した配置の1〜3層目の薄膜パターン102−1〜3を作製する。
【0040】
(薄膜パターンの積層)
図5A(a)〜(d)、5B(e)〜(h)は、微小構造体の製造工程を示す側面図である。作製した1〜3層目の薄膜パターン102−1〜3を積層することで微小構造体を作製する。
【0041】
ドナー基板108を真空槽内の図示しない下部ステージ上に配置し、スタンプ部101を備えるターゲット基板100を真空層内の図示しない上部ステージ上に配置する。続いて、真空槽内を排気して高真空状態あるいは超高真空状態にする。次に、図5A(a)に示すように、下部ステージおよび上部ステージを相対的にx、y、z方向、およびz軸周りの回転角度θの方向に移動させてターゲット基板100をドナー基板108の1層目の薄膜パターン102−1上に位置させる。続いて、スタンプ部101の表面および1層目の薄膜パターン102−1表面にアルゴン原子ビームを照射して清浄化する。
【0042】
次に、図5A(b)に示すように、上部ステージを下降させ、所定の荷重力(例えば、10kgf/mm)でドナー基板108とターゲット基板100とを所定の時間(例えば、5分間)押圧し、スタンプ部101と1層目の薄膜パターン102−1とを常温接合する。
【0043】
次に、図5A(c)に示すように、上部ステージを上昇させると、1層目の薄膜パターン102−1が離型層109から剥離し、ターゲット基板100側に転写される。これは、1層目の薄膜パターン102−1とスタンプ部101との密着力が1層目の薄膜パターン102−1と離型層109との密着力よりも大きいからである。このとき、2層目の薄膜パターン102−2は1層目のスタンプ領域105−1の外側に位置しているため、同時に転写されることはない。
【0044】
次に、図5A(d)に示すように、下部ステージおよび上部ステージを相対的に移動させ、ターゲット基板100を2層目の薄膜パターン102−2上に位置させる。ターゲット基板100側に転写された1層目の薄膜パターン102−1の表面(離型層109に接触していた面)および2層目の薄膜パターン102−2の表面を前述したように清浄化する。
【0045】
次に、図5B(e)に示すように、上部ステージを下降させ、1層目の薄膜パターン102−1と2層目の薄膜パターン102−2とを接合させ、上部ステージを上昇させると、2層目の薄膜パターン102−2が離型層109から剥離し、ターゲット基板100側に転写される。
【0046】
次に、図5B(f)に示すように、下部ステージおよび上部ステージを相対的に移動させ、ターゲット基板100を3層目の薄膜パターン102−3上に位置させる。ターゲット基板100側に転写された2層目の薄膜パターン102−2の表面および3層目の薄膜パターン102−3表面を前述したように清浄化する。
【0047】
次に、図5B(g)に示すように、上部ステージを下降させ、2層目の薄膜パターン102−2と3層目の薄膜パターン102−3とを接合させ、図5B(h)に示すように、上部ステージを上昇させると、3層目の薄膜パターン102−3が離型層109から剥離し、ターゲット基板100側に転写される。
【0048】
以上の工程により、図1(a)、(b)に示す微小構造体が作製される。
【0049】
(第1の実施の形態の効果)
この第1の実施の形態によれば、薄膜パターンの配置を上記のアルゴリズムに従って設計することにより、面積効率のよいドナー基板108を製造することができる。
【0050】
〔第2の実施の形態〕
本発明の第2の実施の形態では、微小構造体の断面形状に対応する薄膜パターンにおいて、同一層の薄膜パターンの間に高低差が存在する場合の薄膜パターンのターゲット基板への転写方法について説明する。
【0051】
以下に、図6、7を参照して、薄膜パターンの転写方法について、薄膜パターンの配置設計、薄膜パターンの転写に分けて説明する。ドナー基板の作製方法については第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
【0052】
(薄膜パターンの配置設計)
電鋳等の成膜法によると、同一基板内においても薄膜パターン成長面が平坦にならず、パターンのレイアウトによっては、同一層の薄膜パターンの間に高低差ができてしまう場合がある。
【0053】
図6(a)、(b)は、同一層の薄膜パターンの間に高低差が存在する場合のレイアウトの一例であり、それぞれ上面図、上面図A−A’における断面図を示す。
【0054】
薄膜パターンa112−1と薄膜パターンb112−2は微小構造体の同一層を形成する薄膜パターンであるが、図6(b)に示されるように、薄膜パターンa112−1の高さhと薄膜パターンb112−2の高さhは異なり、h<hという関係にある。
【0055】
この場合は、薄膜パターンa112−1と薄膜パターンb112−2を別の層であるとして、第1の実施の形態に係る薄膜パターンの配置設計方法に従って図5に示すような配置設計を行う。
【0056】
ここで、第1のスタンプ領域115−1は、転写時に薄膜パターンa112−1とスタンプ部101がドナー基板上に占める平面領域の和集合(スタンプ部転写領域103)に、パターニング誤差に対する所定のマージン104を付加したものである。
【0057】
(薄膜パターンの転写)
図7A(a)〜(d)、7B(e)〜(f)は、微小構造体の製造工程を示す側面図である。作製した薄膜パターンa111−1と薄膜パターンb111−2を高さの低い順にターゲット基板に転写する。使用する装置は第1の実施の形態と同様であるので、重複する部分については説明を省略する。
【0058】
まず、図7A(a)に示すように、ターゲット基板100をドナー基板108の薄膜パターンb112−2よりも高さの低い薄膜パターンa112−1上に位置させる。続いて、スタンプ部101の表面および薄膜パターンa112−1表面にアルゴン原子ビームを照射して清浄化する。
【0059】
次に、図7A(b)に示すように、上部ステージを下降させ、所定の荷重力(例えば、10kgf/mm)でドナー基板108とターゲット基板100とを所定の時間(例えば、5分間)押圧し、スタンプ部101と薄膜パターンa112−1とを常温接合する。
【0060】
次に、図7A(c)に示すように、上部ステージを上昇させると、薄膜パターンa112−1が離型層109から剥離し、ターゲット基板100側に転写される。これは、薄膜パターンa112−1とスタンプ部101との密着力が薄膜パターンa112−1と離型層109との密着力よりも大きいからである。このとき、薄膜パターンb111−2は第1のスタンプ領域115−1の外側に位置しているため、同時に転写されることはない。
【0061】
次に、図7A(d)に示すように、下部ステージおよび上部ステージを相対的に移動させ、ターゲット基板100を薄膜パターンb111−2上に位置させる。ターゲット基板100側に転写された薄膜パターンa112−1の表面(離型層109に接触していた面)および薄膜パターンb111−2の表面を前述したように清浄化する。
【0062】
次に、図7B(e)に示すように、上部ステージを下降させ、薄膜パターンa111−1と薄膜パターンb111−2とを接合させる。
【0063】
次に、図7B(f)に示すように、上部ステージを上昇させると、薄膜パターンb111−2が離型層109から剥離し、ターゲット基板100側に転写される。
【0064】
(第2の実施の形態の効果)
この第2の実施の形態によれば、同一層の薄膜パターンの間に高低差が存在する場合であっても、高さの異なる薄膜パターン毎に分けて配置し、高さの低い薄膜パターンから順に転写することで、全ての薄膜パターンを失敗することなくターゲット基板へ転写することができる。
【0065】
以下に本発明の実施の形態を具体的に説明するが、本発明はそれらによって限定されるものではない。
【実施例1】
【0066】
(微小構造体の構成)
図8(a)は、この実施例1において作製する微小構造体の上面図である。また、図8(b)は、図8(a)中の一点鎖線A−A’における断面を矢印の指す方向から見た図であり、図8(c)は、図8(a)中の一点鎖線B−B’における断面を矢印の指す方向から見た図である。
【0067】
ターゲット基板100上に設けられたスタンプ部101の上に1層目の薄膜パターン202−1、2層目の薄膜パターン202−2、3層目の薄膜パターン202−3、および4層目の薄膜パターン202−4からなる微小構造体が形成されている。これらの薄膜パターンはそれぞれ異なる向き、位置で積層され、オーバーハング構造を形成する。
【0068】
(薄膜パターンの配置設計)
図9(a)〜(d)は、薄膜パターンの配置設計の流れを示す上面図である。
【0069】
まず初めに、図9(a)に示すように、任意の場所に1層目の薄膜パターン202−1を配置し、そのスタンプ領域205−1を求める。
【0070】
図9(a)、(b)に示したように、1層目の薄膜パターン202−1は、ターゲット基板100のスタンプ部101に転写される際に、それらの中心を合わせて転写される。転写後の1層目の薄膜パターン202−1とスタンプ部転写領域103との位置関係は図9(a)に示される通りである。この場合、1層目の薄膜パターン202−1はスタンプ部転写領域103の中に完全に収まるため、転写時に1層目の薄膜パターン202−1とスタンプ部101のドナー基板108上に占める平面領域の和集合は、スタンプ部転写領域103の占める平面領域と等しくなる。
【0071】
この転写時に1層目の薄膜パターン202−1とスタンプ部101がドナー基板上に占める平面領域の和集合(スタンプ部転写領域103)に、パターニング誤差に対する所定のマージン104を付加して、1層目のスタンプ領域205−1が求まる。
【0072】
次に、図9(b)に示すように、2層目の薄膜パターン202−2の配置を決める。このとき、2層目の薄膜パターン202−2を1層目のスタンプ領域205−1に重なる位置に配置すると、1層目の薄膜パターン202−1をスタンプ部101に転写する際に、2層目の薄膜パターン202−2も同時に転写されてしまう。そのため、1層目のスタンプ領域105−1に重ならずに、かつなるべくドナー基板108上に占める平面領域を少なくするために、2層目の薄膜パターン202−2を1層目のスタンプ領域205−1に接するように配置する。
【0073】
図8(a)、(b)に示したように、2層目の薄膜パターン202−2と1層目の薄膜パターン202−1は、オーバーハング構造を形成するように転写される。転写後の2層目の薄膜パターン202−2と1層目の薄膜パターン転写領域206−1との位置関係は図9(b)に示される通りである。転写時に2層目の薄膜パターン202−2と1層目の薄膜パターン202−1がドナー基板上に占める平面領域の和集合に、パターニング誤差に対する所定のマージン104を付加して、2層目のスタンプ領域205−2が求まる。
【0074】
次に、図9(c)に示すように、3層目の薄膜パターン202−3の配置を決める。このとき、3層目の薄膜パターン202−3を1層目のスタンプ領域205−1、および2層目のスタンプ領域205−2に重ならない位置、すなわち2層目までのスタンプ領域の和集合207−2に重ならない位置に配置する必要がある。そのため、ドナー基板108上に占める平面領域を少なくすることも考慮して、3層目の薄膜パターン202−3を2層目までのスタンプ領域の和集合207−2に接するように配置する。
【0075】
次に、図9(d)に示すように、4層目の薄膜パターン202−4の配置を決める。このとき、4層目の薄膜パターン202−4を1層目のスタンプ領域205−1、2層目のスタンプ領域205−2、および3層目の薄膜パターン202−3に重ならない位置、すなわち3層目までのスタンプ領域の和集合207−3に重ならない位置に配置する必要がある。そのため、ドナー基板108上に占める平面領域を少なくすることも考慮して、4層目の薄膜パターン202−4を3層目までのスタンプ領域の和集合207−3に接するように配置する。
【0076】
図10に、最終的に決定した各薄膜パターンの配置を示す上面図を示す。
【0077】
(実施例1の効果)
この実施例1によれば、オーバーハング構造を持つ微小構造体を形成する薄膜パターンであっても、第1の実施の形態に係るアルゴリズムに従って配置設計することにより、面積効率を向上させるができる。
【実施例2】
【0078】
(微小構造体の構成)
図11(a)は、この実施例2において作製する微小構造体の上面図であり、図11(b)は、図11(a)中の一点鎖線A−A’における断面を矢印の指す方向から見た図である。
【0079】
ターゲット基板100上に設けられたスタンプ部101の上に1層目の薄膜パターン3202−1、2層目の薄膜パターン302−2、3層目の薄膜パターン302−3、4層目の薄膜パターン302−4、および5層目の薄膜パターン302−5からなる微小構造体が形成されている。これらの薄膜パターンは孔を有する形状であり、径の大きなものから順に積層することで微小構造体が形成されている。
【0080】
(薄膜パターンの配置設計)
図12A(a)〜(c)および図12B(d)〜(e)およびは、薄膜パターンの配置設計の流れを示す上面図である。
【0081】
まず初めに、図12A(a)に示すように、任意の場所に1層目の薄膜パターン302−1を配置し、そのスタンプ領域305−1を求める。
【0082】
図11(a)、(b)に示したように、1層目の薄膜パターン302−1は、ターゲット基板100のスタンプ部101に転写される際に、それらの中心を合わせて転写される。転写後の1層目の薄膜パターン302−1とスタンプ部転写領域103との位置関係は図12A(a)に示される通りである。この場合、1層目の薄膜パターン302−1はスタンプ部転写領域103の中に完全に収まるため、転写時に1層目の薄膜パターン302−1とスタンプ部101のドナー基板108上に占める平面領域の和集合は、スタンプ部転写領域103の占める平面領域と等しくなる。
【0083】
この転写時に1層目の薄膜パターン302−1とスタンプ部101がドナー基板上に占める平面領域の和集合(スタンプ部転写領域103)に、パターニング誤差に対する所定のマージン104を付加して、1層目のスタンプ領域305−1が求まる。
【0084】
次に、図12A(b)に示すように、2層目の薄膜パターン302−2の配置を決める。このとき、2層目の薄膜パターン302−2を1層目のスタンプ領域305−1に重なる位置に配置すると、1層目の薄膜パターン302−1をスタンプ部101に転写する際に、2層目の薄膜パターン302−2も同時に転写されてしまう。そのため、1層目のスタンプ領域305−1に重ならずに、かつなるべくドナー基板108上に占める平面領域を少なくするために、2層目の薄膜パターン302−2を1層目のスタンプ領域305−1に接するように配置する。
【0085】
転写後の2層目の薄膜パターン302−2と1層目の薄膜パターン転写領域306−1との位置関係は図12A(b)に示される通りである。転写時に2層目の薄膜パターン302−2と1層目の薄膜パターン302−1がドナー基板上に占める平面領域の和集合に、パターニング誤差に対する所定のマージン104を付加して、2層目のスタンプ領域305−2が求まる。
【0086】
次に、図12A(c)に示すように、3層目の薄膜パターン302−3の配置を決める。このとき、1層目のスタンプ領域305−1、および2層目のスタンプ領域305−2に重ならない位置、すなわち2層目までのスタンプ領域の和集合307−2に重ならない位置であって、ドナー基板108上に占める平面領域を少なくすることのできる位置として、図12A(c)に示すような2層目までのスタンプ領域の和集合307−2に2点で接する位置を選択する。
【0087】
次に、図12B(d)に示すように、4層目の薄膜パターン302−4の配置を決める。このとき、1層目のスタンプ領域305−1、2層目のスタンプ領域305−2および3層目のスタンプ領域305−3に重ならない位置、すなわち3層目までのスタンプ領域の和集合307−3に重ならない位置であって、ドナー基板108上に占める平面領域を少なくすることのできる位置として、2層目のスタンプ領域305−2の孔の内側を選択することができる。
【0088】
次に、図12B(e)に示すように、5層目の薄膜パターン302−5の配置を決める。このとき、1層目のスタンプ領域305−1、2層目のスタンプ領域305−2、3層目のスタンプ領域305−3、および4層目のスタンプ領域305−4に重ならない位置、すなわち4層目までのスタンプ領域の和集合307−4に重ならない位置であって、ドナー基板108上に占める平面領域を少なくすることのできる位置として、3層目のスタンプ領域305−3の孔の内側を選択することができる。
【0089】
図13に、最終的に決定した各薄膜パターンの配置を示す上面図を示す。
【0090】
(実施例2の効果)
この実施例2によれば、各薄膜パターンが孔を有するドナー基板108であっても、薄膜パターンの配置を第1の実施の形態に係るアルゴリズムに従って設計することにより、孔を利用して面積効率を向上させるができる。
【実施例3】
【0091】
図14(a)は、この実施例3において作製する微小構造体の上面図であり、図14(b)は、図14(a)中の一点鎖線A−A’における断面を矢印の指す方向から見た図である。
【0092】
図15に、最終的に決定した各薄膜パターンの配置を表す上面図を示す。この第3の実施例に係る微小構造体の構造上の特徴は、各薄膜パターンが凹凸を有する形状であることであり、これらの配置設計は、互いの凹凸部分が入り組んだ形となる。
【0093】
(実施例3の効果)
この実施例3によれば、各薄膜パターンが凹凸を有するドナー基板108であっても、薄膜パターンの配置を第1の実施の形態に係るアルゴリズムに従って設計することにより、面積効率を向上させるができる。
【実施例4】
【0094】
図16(a)、(b)は、この実施例4において作製する微小構造体の上面図および斜視図を示す。
【0095】
図17に、最終的に決定した各薄膜パターンの配置を表す上面図を示す。この第4の実施例に係る微小構造体は、各薄膜パターンが異なる形状を有し、複雑な立体構造を持つ。
【0096】
なお、この実施例4のように、同一層に複数の薄膜パターンが存在する場合、製造方法によってはこれらの間に高低差が生じる場合があるが、このような場合には、高低差のある薄膜パターンを分けて配置し、低い薄膜パターンから順に積層していくことにより、同一層の全薄膜パターンを失敗することなく積層することができる。
【0097】
(実施例4の効果)
この実施例4によれば、複雑な立体構造を持つ微小構造体のドナー基板108であっても、薄膜パターンの配置を第1の実施の形態に係るアルゴリズムに従って設計することにより、面積効率を向上させるができる。
【0098】
なお、上記各実施の形態に係る薄膜パターンの配置はそれぞれドナー基板108の面積効率を向上させることを目的として設計されたものの一例であり、これらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。例えば、薄膜パターンは、ドナー基板もしくはターゲット基板のθ方向の回転を考慮して、さらに面積効率のよい配置設計を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】(a)、(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る微小構造体の上面図および断面図である。
【図2】(a)〜(c)は、本発明の第1の実施の形態に係る薄膜パターンの配置設計の流れを示す上面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜パターンの配置設計のフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る各薄膜パターンの配置を示す上面図である。
【図5A】(a)〜(d)は、本発明の第1の実施の形態に係る微小構造体の製造工程を示す側面図である。
【図5B】(e)〜(h)は、本発明の第1の実施の形態に係る微小構造体の製造工程を示す側面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る各薄膜パターンの配置を示す上面図および断面図である。
【図7A】(a)〜(d)は、本発明の第2の実施の形態に係る微小構造体の製造工程を示す側面図である。
【図7B】(e)〜(f)は、本発明の第2の実施の形態に係る微小構造体の製造工程を示す側面図である。
【図8】(a)〜(c)は、本発明の実施例1に係る微小構造体の上面図および断面図である。
【図9】(a)〜(d)は、本発明の実施例1に係る薄膜パターンの配置設計の流れを示す上面図である。
【図10】本発明の実施例1に係る各薄膜パターンの配置を示す上面図である。
【図11】(a)、(b)は、本発明の実施例2に係る微小構造体の上面図および断面図である。
【図12A】(a)〜(c)は、本発明の実施例2に係る薄膜パターンの配置設計の流れを示す上面図である。
【図12B】(d)〜(e)は、本発明の実施例2に係る薄膜パターンの配置設計の流れを示す上面図である。
【図13】本発明の実施例2に係る各薄膜パターンの配置を示す上面図である。
【図14】(a)、(b)は、本発明の実施例3に係る微小構造体の上面図および断面図である。
【図15】本発明の実施例3に係る各薄膜パターンの配置を示す上面図である。
【図16】(a)、(b)は、本発明の実施例4に係る微小構造体の上面図および斜視図である。
【図17】本発明の実施例4に係る各薄膜パターンの配置を示す上面図である。
【図18】従来の製造方法に係る各薄膜パターンの配置を示す上面図である。
【符号の説明】
【0100】
100 ターゲット基板
101 スタンプ部
102−1、202−1、302−1、402−1、502−1、602−1 1層目の薄膜パターン
102−2、202−2、302−2、402−2、502−2、602−2 2層目の薄膜パターン
102−3、202−3、302−3、402−3、502−3、602−3 3層目の薄膜パターン
202−4、302−4、402−4、502−4 4層目の薄膜パターン
302−5、402−5、502−5 5層目の薄膜パターン
502−6 6層目の薄膜パターン
103 スタンプ部転写領域
104 マージン
105−1、205−1、305−1 1層目のスタンプ領域
105−2、205−2、305−2 2層目のスタンプ領域
205−3、305−3 3層目のスタンプ領域
305−4 4層目のスタンプ領域
106−1、206−1、306−1 1層目の薄膜パターン転写領域
206−2、306−2 2層目の薄膜パターン転写領域
306−3 3層目の薄膜パターン転写領域
107−2、207−2、307−2 2層目までのスタンプ領域の和集合
207−3、307−3 3層目までのスタンプ領域の和集合
307−4 4層目までのスタンプ領域の和集合
407−5、507−5 5層目までのスタンプ領域の和集合
108 ドナー基板
109 離型層
112−1 薄膜パターンa
112−2 薄膜パターンb
115−1 第1のスタンプ領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の薄膜パターンを積層してなる微小構造体の製造方法において、
前記複数の薄膜パターンの形状、大きさおよび積層位置に基づいて薄膜パターンの配置設計を行う第1の工程と、
前記配置設計に基づいてドナー基板上に前記複数の薄膜パターンを形成する第2の工程と、
前記ドナー基板にターゲット基板を対向して配置し、前記ドナー基板と前記ターゲット基板の位置決め、圧接および離間を行い、前記ターゲット基板上に前記複数の薄膜パターンを順次積層する第3の工程とを含むことを特徴とする微小構造体の製造方法。
【請求項2】
前記第1の工程は、1層目の薄膜パターンをターゲット基板のスタンプ部に転写したときのそれらのドナー基板上に占める平面領域の和集合に、パターニング誤差に対する所定のマージンを加えたものである1層目の薄膜パターンのスタンプ面積と、n(nは2以上の自然数)層目にn−1層目の薄膜パターンを転写したときのそれらのドナー基板上に占める平面領域の和集合に、パターニング誤差に対する所定のマージンを加えたものであるn層目の薄膜パターンのスタンプ面積とに基づいて薄膜パターンの配置設計を行うことを特徴とする請求項1に記載の微小構造体の製造方法。
【請求項3】
前記n層目の薄膜パターンは、1〜n−1層目の薄膜パターンのスタンプ面積と重ならない位置に配置されることを特徴とする請求項2に記載の微小構造体の製造方法。
【請求項4】
前記所定のマージンは、アライメント顕微鏡の識別精度誤差、圧接軸の繰り返し精度誤差、ターゲット基板もしくはドナー基板の設置されたステージの位置決め精度誤差、フォトリソグラフィー等のパターニング精度誤差等の機械誤差と、積層時の熱や振動等により生じる環境誤差とからなる誤差パラメータ群から定められるものである請求項2又は3に記載の微小構造体の製造方法。
【請求項5】
前記第1の工程は、同一層の薄膜パターンの間に高低差が存在する場合は、それらを分けて配置し、
前記第3の工程は、前記同一層の薄膜パターンの低い薄膜パターンから順に積層していくことを特徴とする請求項1に記載の微小構造体の製造方法。
【請求項6】
基板上に複数の薄膜パターンを有するドナー基板において、
前記複数の薄膜パターンは、異なるピッチで形成されたことを特徴とするドナー基板。
【請求項7】
前記異なるピッチは、前記複数の薄膜パターンの形状、大きさおよび積層位置に基づいてドナー基板の面積効率を向上させる配置により決められることを特徴とする請求項6に記載のドナー基板。
【請求項8】
微小構造体の断面形状に対応する複数の薄膜パターンの形状、大きさおよび積層位置を入力する入力手段と、
薄膜パターンを一平面にレイアウトしたとき、前記平面上の占有面積が最小となるように前記複数の薄膜パターンの配置設計を行う処理手段とを備えたことを特徴とするレイアウト設計装置。
【請求項9】
微小構造体の断面形状に対応する複数の薄膜パターンの形状、大きさおよび積層位置を入力情報として受け取る第1のステップと、
前記入力情報に基づいて、薄膜パターンを一平面にレイアウトしたとき、前記平面上の占有面積が最小となるように前記複数の薄膜パターンの配置設計を行う第2のステップとをコンピュータに実行させるためのレイアウトプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2007−15191(P2007−15191A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−198108(P2005−198108)
【出願日】平成17年7月6日(2005.7.6)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成13年度新エネルギー・産業技術総合開発機構「基盤技術研究促進事業(民間基盤技術研究支援制度)常温接合を用いた3次元ナノ構造・システム形成技術の研究開発」委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受けるもの)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】