説明

微生物を防除するためのビフェニルカルボキサミド類

本発明は、式(I)


[式中、R、R、R、R10及びAは、本明細書中で挙げられている意味を有する]で表される新規ビフェニルカルボキサミド類に関する。本発明は、さらに、前記物質を調製するための複数の方法、望ましくない微生物を防除するためのこれらの使用、新規中間体生成物及びこれらの中間体生成物の調製にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規ビフェニルカルボキサミド類、それらを調製するための複数の方法、並びに、作物の保護及び材料物質の保護における有害な微生物を防除するためのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
特定のビフェニルカルボキサミド類が殺菌特性を有していることは既に知られている(cf. 例えば、WO 03/070705、及び、EP−A 0545099)。これらの刊行物に記載されている化合物の活性は良好である。しかしながら、それらの活性は、場合により不充分である。
【発明の開示】
【0003】
本発明は、式(I)
【化8】

[式中、
は、水素、C−C−アルキル、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル若しくはC−C−シクロアルキルを表し;又は、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−ハロアルキルスルフィニル、C−C−ハロアルキルスルホニル、ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル若しくはC−C−ハロシクロアルキル(ここで、これらは、いずれの場合も、1〜9個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表し;又は、ホルミル、ホルミル−C−C−アルキル、(C−C−アルキル)カルボニル−C−C−アルキル若しくは(C−C−アルコキシ)カルボニル−C−C−アルキルを表し;又は、ハロ−(C−C−アルキル)カルボニル−C−C−アルキル若しくはハロ−(C−C−アルコキシ)カルボニル−C−C−アルキル(ここで、これらは、いずれの場合も、1〜13個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表し;又は、(C−C−アルキル)カルボニル、(C−C−アルコキシ)カルボニル、(C−C−アルキルチオ)カルボニル、(C−C−アルコキシ−C−C−アルキル)カルボニル、(C−C−アルケニルオキシ)カルボニル、(C−C−アルキニルオキシ)カルボニル若しくは(C−C−シクロアルキル)カルボニルを表し;又は、(C−C−ハロアルキル)カルボニル、(C−C−ハロアルコキシ)カルボニル、(C−C−ハロアルキルチオ)カルボニル、(ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル)カルボニル、(C−C−ハロアルケニルオキシ)カルボニル、(C−C−ハロアルキニルオキシ)カルボニル若しくは(C−C−ハロシクロアルキル)カルボニル(ここで、これらは、いずれの場合も、1〜9個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している)を表し;又は、−CH−C≡C−R1−A、−CH−CH=CH−R1−A、−CH=C=CH−R1−A、−C(=O)C(=O)R、−CONR若しくは−CHNRを表し;
1−Aは、水素、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、(C−C−アルコキシ)カルボニル、(C−C−アルケニルオキシ)カルボニル、(C−C−アルキニルオキシ)カルボニル又はシアノを表し;
は、水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル若しくはC−C−シクロアルキルを表し;又は、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル若しくはC−C−ハロシクロアルキル(ここで、これらは、いずれの場合も、1〜9個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表し;
及びRは、互いに独立して、それぞれ、水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル若しくはC−C−シクロアルキルを表し;又は、C−C−ハロアルキル、ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル若しくはC−C−ハロシクロアルキル(ここで、これらは、いずれの場合も、1〜9個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表し;
とRは、さらにまた、これらが結合している窒素原子と一緒になって、飽和ヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、ハロゲン及びC−C−アルキルからなる群から選択される同一である又は異なっている置換基で場合により1置換又は多置換されていてもよく、また、該ヘテロ環は、5〜8個の環原子を有していて、酸素、硫黄及びNRからなる群から選択される1個又は2個の隣接していないさらなるヘテロ原子を含み得る。)も形成し;
及びRは、互いに独立して、水素、C−C−アルキル若しくはC−C−シクロアルキルを表し;又は、C−C−ハロアルキル若しくはC−C−ハロシクロアルキル(ここで、これらは、いずれの場合も、1〜9個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表し;
とRは、さらにまた、これらが結合している窒素原子と一緒になって、飽和ヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、ハロゲン及びC−C−アルキルからなる群から選択される同一である又は異なっている置換基で場合により1置換又は多置換されていてもよく、また、該ヘテロ環は、5〜8個の環原子を有していて、酸素、硫黄及びNRからなる群から選択される1個又は2個の隣接していないさらなるヘテロ原子を含み得る。)も形成し;
は、水素又はC−C−アルキルを表し;
は、水素又はフッ素を表し;
は、−SO11、−SONR1213、−C(=X)R14、−NR1213又は−CH−NR1213を表し;
10は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、メチル又はトリフルオロメチルを表し;
11は、C−C−アルキルを表し、又は、1〜13個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表し;
mは、1又は2を表し;
12は、水素、C−C−アルキル又は−C(=X)R14を表し;
13は、水素、C−C−アルキル又は−C(=X)R14を表し;
12とR13は、さらにまた、これらが結合している窒素原子と一緒になって、飽和ヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、ハロゲン及びC−C−アルキルからなる群から選択される同一である又は異なっている置換基で場合により1置換又は多置換されていてもよく、また、該ヘテロ環は、5〜8個の環原子を有していて、酸素、硫黄及びNRからなる群から選択される1個又は2個の隣接していないさらなるヘテロ原子を含み得る。)も形成し;
Xは、O(酸素)又はS(硫黄)を表し;
14は、水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ又は−NR1617を表し;
15は、水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−アルキルチオ−C−C−アルキル又はC−C−ハロアルキルを表し(ここで、3つのラジカルR15は、それぞれ、同一であっても又は異なっていてもよい。);
16は、水素又はC−C−アルキルを表し;
17は、水素又はC−C−アルキルを表し;
16とR17は、さらにまた、それらが結合している窒素原子と一緒になって、飽和ヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、ハロゲン及びC−C−アルキルからなる群から選択される同一である又は異なっている置換基で場合により1置換又は多置換されていてもよく、また、該ヘテロ環は、5〜8個の環原子を有していて、酸素、硫黄及びNRからなる群から選択される1個又は2個の隣接していないさらなるヘテロ原子を含み得る。)も形成し;
Aは、下記ラジカルA1からラジカルA19
【0004】
【化9】

のうちの1つを表し;
18は、水素、シアノ、ハロゲン、ニトロ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ若しくはC−C−シクロアルキルを表し、又は、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルコキシ若しくはC−C−ハロアルキルチオ(ここで、これらは、いずれの場合も1〜5個のハロゲン原子を有している。)を表し、又は、アミノカルボニル若しくはアミノカルボニル−C−C−アルキルを表し;
19は、水素、ハロゲン、シアノ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ又はC−C−アルキルチオを表し;
20は、水素、C−C−アルキル、ヒドロキシ−C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルキルチオ−C−C−アルキル若しくはC−C−アルコキシ−C−C−アルキルを表し、又は、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルキルチオ−C−C−アルキル若しくはC−C−ハロアルコキシ−C−C−アルキル(ここで、これらは、いずれの場合も1〜5個のハロゲン原子を有している。)を表し、又は、フェニルを表し;
21及びR22は、互いに独立して、水素、ハロゲン若しくはC−C−アルキルを表し、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表し;
23は、ハロゲン、シアノ若しくはC−C−アルキルを表し、又は、C−C−ハロアルキル若しくはC−C−ハロアルコキシ(ここで、これらは、いずれの場合も1〜5個のハロゲン原子を有している。)を表し;
24及びR25は、互いに独立して、水素、ハロゲン若しくはC−C−アルキルを表し、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表し;
26は、水素、ハロゲン若しくはC−C−アルキルを表し、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表し;
27は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ若しくはC−C−アルキルを表し、又は、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルコキシ若しくはC−C−ハロアルキルチオ(ここで、これらは、いずれの場合も1〜5個のハロゲン原子を有している。)を表し;
28は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ若しくはC−C−アルキルチオを表し、又は、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルキルチオ若しくはC−C−ハロアルコキシ(ここで、これらは、いずれの場合も1〜5個のハロゲン原子を有している。)を表し;
29は、水素、ハロゲン、シアノ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ若しくはC−C−アルキルチオを表し、又は、C−C−ハロアルキル若しくはC−C−ハロアルコキシ(ここで、これらは、いずれの場合も1〜5個のハロゲン原子を有している。)を表し、又は、C−C−アルキルスルフィニル若しくはC−C−アルキルスルホニルを表し;
30は、C−C−アルキルを表し、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表し;
31は、C−C−アルキルを表し;
は、S(硫黄)、SO、SO又はCHを表し;
pは、0、1又は2を表し(ここで、pが2を表す場合、R22は、同一のラジカルを表し又は異なったラジカルを表す。);
32は、C−C−アルキルを表し、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表し;
33は、C−C−アルキルを表し、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表し;
34及びR35は、互いに独立して、水素、ハロゲン、アミノ若しくはC−C−アルキルを表し、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表し;
36は、水素、ハロゲン若しくはC−C−アルキルを表し、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表し;
37及びR38は、互いに独立して、水素、ハロゲン、アミノ、ニトロ若しくはC−C−アルキルを表し、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表し;
39は、水素、ハロゲン若しくはC−C−アルキルを表し、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表し;
40は、水素、ハロゲン、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−(C−C−アルキル)アミノ、シアノ若しくはC−C−アルキルを表し、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表し;
41は、ハロゲン若しくはC−C−アルキルを表し、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表し;
42は、水素、ハロゲン、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−(C−C−アルキル)アミノ、シアノ若しくはC−C−アルキルを表し、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表し;
43は、ハロゲン若しくはC−C−アルキルを表し、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表し;
44は、ハロゲン若しくはC−C−アルキルを表し、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表し;
45は、水素又はC−C−アルキルを表し;
46は、ハロゲン又はC−C−アルキルを表し;
47は、C−C−アルキルを表し、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表し;
48は、水素、ハロゲン若しくはC−C−アルキルを表し、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表し;
49は、ハロゲン、ヒドロキシ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ若しくはC−C−アルキルチオを表し、又は、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルキルチオ若しくはC−C−ハロアルコキシ(ここで、これらは、いずれの場合も1〜5個のハロゲン原子を有している。)を表し;
50は、C−C−アルキルを表し;
51は、水素、シアノ若しくはC−C−アルキルを表し、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表し、又は、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、ヒドロキシ−C−C−アルキル、C−C−アルキルスルホニル、ジ(C−C−アルキル)アミノスルホニル若しくはC−C−アルキルカルボニルを表し、又は、いずれの場合も場合により置換されていてもよい、フェニルスルホニル若しくはベンゾイルを表し;
52は、水素、ハロゲン若しくはC−C−アルキルを表し、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表し;
53は、水素、ハロゲン、シアノ若しくはC−C−アルキルを表し、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表し;
54は、水素、ハロゲン若しくはC−C−アルキルを表し、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表す。]
で表されるビフェニルカルボキサミド類を提供する。
【0005】
さらに、式(I)で表されるビフェニルカルボキサミド類は、
(a) 式(II)
【0006】
【化10】

[式中、
Aは、上記で定義されているとおりであり;
は、ハロゲン又はヒドロキシルを表す。]
で表されるハロゲン化カルボニルを、適切な場合にはカップリング剤の存在下、適切な場合には酸結合剤の存在下、及び、適切な場合には希釈剤の存在下で、式(III)
【0007】
【化11】

[式中、R、R、R及びR10は、上記で定義されているとおりである。]
で表されるアミンと反応させれば;
又は、
(b) 式(I−a)
【0008】
【化12】

[式中、R、R及びR10及びAは、上記で定義されているとおりである。]
で表されるビフェニルカルボキサミドを、塩基の存在下、及び、希釈剤の存在下で、式(IV)
【0009】
【化13】

[式中、
1−Bは、C−C−アルキル、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル若しくはC−C−シクロアルキルを表し;又は、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−ハロアルキルスルフィニル、C−C−ハロアルキルスルホニル、ハロゲン−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル若しくはC−C−ハロシクロアルキル(ここで、これらは、いずれの場合も、1〜9個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表し;又は、ホルミル、ホルミル−C−C−アルキル、(C−C−アルキル)カルボニル−C−C−アルキル若しくは(C−C−アルコキシ)カルボニル−C−C−アルキルを表し;又は、ハロ−(C−C−アルキル)カルボニル−C−C−アルキル若しくはハロ−(C−C−アルコキシ)カルボニル−C−C−アルキル(ここで、これらは、いずれの場合も、1〜13個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表し;又は、(C−C−アルキル)カルボニル、(C−C−アルコキシ)カルボニル、(C−C−アルキルチオ)カルボニル、(C−C−アルコキシ−C−C−アルキル)カルボニル、(C−C−アルケニルオキシ)カルボニル、(C−C−アルキニルオキシ)カルボニル若しくは(C−C−シクロアルキル)カルボニルを表し;又は、(C−C−ハロアルキル)カルボニル、(C−C−ハロアルコキシ)カルボニル、(C−C−ハロアルキルチオ)カルボニル、(ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル)カルボニル、(C−C−ハロアルケニルオキシ)カルボニル、(C−C−ハロアルキニルオキシ)カルボニル若しくは(C−C−ハロシクロアルキル)カルボニル(ここで、これらは、いずれの場合も、1〜9個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表し;又は、−CH−C≡C−R1−A、−CH−CH=CH−R1−A、−CH=C=CH−R1−A、−C(=O)C(=O)R、−CONR若しくは−CHNRを表し;
1−A、R、R、R、R及びRは、上記で定義されているとおりであり;
Halは、塩素、臭素又はヨウ素を表す。]
で表されるハロゲン化物と反応させれば、得られるということが分かった。
【0010】
最後に、式(I)で表される新規ビフェニルカルボキサミド類は、極めて優れた殺微生物特性を有していて、作物の保護及び材料物質の保護の両方において望ましくない微生物を防除するのに使用可能であるということが分かった。
【0011】
適切な場合には、本発明の化合物は、可能な種々の異性体形態の混合物として、特に、立体異性体(例えば、E及びZ、トレオ及びエリトロ)の混合物として存在することが可能であり、及び、光学異性体の混合物としても存在することが可能であり、さらにまた、適切な場合には、互変異性体の混合物としても存在することが可能である。特許請求されているのは、E異性体とZ異性体の両方であり、さらにまた、トレオとエリトロの両方、及び、光学異性体であり、また、これらの異性体の混合物、及び、可能な互変異性体形態である。
【0012】
本発明によるビフェニルカルボキサミド類の一般的な定義は、式(I)によって与えられる。上記及び下記で言及されている式の好ましいラジカルの定義について、以下に記載する。これらの定義は、式(I)で表される最終生成物に適用され、また、同様に、全ての中間体にも適用される。
【0013】
は、好ましくは、水素、C−C−アルキル、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル若しくはC−C−シクロアルキルを表し;又は、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−ハロアルキルスルフィニル、C−C−ハロアルキルスルホニル、ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル若しくはC−C−ハロシクロアルキル(ここで、これらは、いずれの場合も、1〜9個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表し;又は、ホルミル、ホルミル−C−C−アルキル、(C−C−アルキル)カルボニル−C−C−アルキル若しくは(C−C−アルコキシ)カルボニル−C−C−アルキルを表し;又は、ハロ−(C−C−アルキル)カルボニル−C−C−アルキル若しくはハロ−(C−C−アルコキシ)カルボニル−C−C−アルキル(ここで、これらは、いずれの場合も、1〜13個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表し;又は、(C−C−アルキル)カルボニル、(C−C−アルコキシ)カルボニル、(C−C−アルキルチオ)カルボニル、(C−C−アルコキシ−C−C−アルキル)カルボニル、(C−C−アルケニルオキシ)カルボニル、(C−C−アルキニルオキシ)カルボニル若しくは(C−C−シクロアルキル)カルボニルを表し;又は、(C−C−ハロアルキル)カルボニル、(C−C−ハロアルコキシ)カルボニル、(C−C−ハロアルキルチオ)カルボニル、(ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル)カルボニル、(C−C−ハロアルケニルオキシ)カルボニル、(C−C−ハロアルキニルオキシ)カルボニル若しくは(C−C−ハロシクロアルキル)カルボニル(ここで、これらは、いずれの場合も、1〜9個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表し;又は、−CH−C≡C−R1−A、−CH−CH=CH−R1−A、−CH=C=CH−R1−A、−C(=O)C(=O)R、−CONR若しくは−CHNRを表す。
【0014】
は、特に好ましくは、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、n−プロピルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル、n−ブチルスルフィニル、イソブチルスルフィニル、s−ブチルスルフィニル,t−ブチルスルフィニル、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n−プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、n−ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、s−ブチルスルホニル,t−ブチルスルホニル、メトキシメチル、メトキシエチル、エトキシメチル、エトキシエチル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロエチル、ジフルオロメチルチオ、ジフルオロクロロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルスルフィニル、トリフルオロメチルスルホニル、トリフルオロメトキシメチル、ホルミル、−CH−CHO、−(CH−CHO、−CH−CO−CH、−CH−CO−CHCH、−CH−CO−CH(CH、−(CH−CO−CH、−(CH−CO−CHCH、−(CH−CO−CH(CH、−CH−COCH、−CH−COCHCH、−CH−COCH(CH、−(CH−COCH、−(CH−COCHCH、−(CH−COCH(CH、−CH−CO−CF、−CH−CO−CCl、−CH−CO−CHCF、−CH−CO−CHCCl、−(CH−CO−CHCF、−(CH−CO−CHCCl、−CH−COCHCF、−CH−COCFCF、−CH−COCHCCl、−CH−COCClCCl、−(CH−COCHCF、−(CH−COCFCF、−(CH−COCHCCl、−(CH−COCClCCl、メチルカルボニル、エチルカルボニル、n−プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、t−ブチルカルボニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、メチルチオカルボニル、エチルチオカルボニル、イソプロピルチオカルボニル、t−ブチルチオカルボニル、メトキシメチルカルボニル、エトキシメチルカルボニル、シクロプロピルカルボニル、トリフルオロメチルカルボニル、トリフルオロメトキシカルボニル、トリフルオロメチルチオカルボニル、−CH−C≡C−R1−A、−CH−CH=CH−R1−A、−CH=C=CH−R1−A、−C(=O)C(=O)R、−CONR又は−CHNRを表す。
【0015】
は、極めて特に好ましくは、水素、メチル、メトキシメチル、メトキシメチルカルボニル、エトキシメチルカルボニル、ホルミル、−CH−C≡CH、−CH−CH=CH、−CH=C=CH、−CH−CHO、−(CH−CHO、−CH−CO−CH、−CH−CO−CHCH、−CH−CO−CH(CH、−C(=O)CHO、−C(=O)C(=O)CH、−C(=O)C(=O)CHOCH、−C(=O)COCH又は−C(=O)COCHCHを表す。
【0016】
1−Aは、好ましくは、水素、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、(C−C−アルコキシ)カルボニル又はシアノを表す。
1−Aは、特に好ましくは、水素、メチル又はエチルを表す。
は、好ましくは、水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル若しくはC−C−シクロアルキルを表し;又は、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル若しくはC−C−ハロシクロアルキル(ここで、これらは、いずれの場合も、1〜9個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している)を表す。
【0017】
は、特に好ましくは、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、メトキシメチル、シクロプロピル、トリフルオロメチル又はトリフルオロメトキシを表す。
【0018】
及びRは、互いに独立して、好ましくは、水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル若しくはC−C−シクロアルキルを表し;又は、C−C−ハロアルキル、ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル若しくはC−C−ハロシクロアルキル(ここで、これらは、いずれの場合も、1〜9個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している)を表す。
【0019】
とRは、さらにまた、これらが結合している窒素原子と一緒になって、好ましくは、飽和ヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、5個又は6個の環原子を有し、ハロゲン及びC−C−アルキルからなる群から選択される同一である又は異なっている置換基で、場合により1〜4置換されていてもよく、また、該ヘテロ環は、酸素、硫黄及びNRからなる群から選択される1個又は2個のさらなる非隣接ヘテロ原子を含み得る。)も形成する。
【0020】
及びRは、互いに独立して、特に好ましくは、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、メトキシメチル、メトキシエチル、エトキシメチル、エトキシエチル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロエチル又はトリフルオロメトキシメチルを表す。
【0021】
とRは、さらにまた、これらが結合している窒素原子と一緒になって、特に好ましくは、モルホリン、チオモルホリン及びピペラジンからなる群から選択される飽和ヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、フッ素、塩素、臭素及びメチルからなる群から選択される同一である又は異なっている置換基で、場合により1〜4置換されていてもよい。)も形成する(ここで、該ピペラジンは、第2の窒素原子において、Rで置換され得る。)。
【0022】
及びRは、互いに独立して、好ましくは、水素、C−C−アルキル若しくはC−C−シクロアルキルを表し;又は、C−C−ハロアルキル若しくはC−C−ハロシクロアルキル(ここで、これらは、いずれの場合も、1〜9個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表す。
【0023】
とRは、さらにまた、これらが結合している窒素原子と一緒になって、好ましくは、飽和ヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、5個又は6個の環原子を有し、ハロゲン及びC−C−アルキルからなる群から選択される同一である又は異なっている置換基で、場合により1置換又は多置換されていてもよく、また、該ヘテロ環は、酸素、硫黄及びNRからなる群から選択される1個又は2個のさらなる非隣接ヘテロ原子を含み得る。)も形成する。
【0024】
及びRは、互いに独立して、特に好ましくは、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、メトキシメチル、メトキシエチル、エトキシメチル、エトキシエチル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロエチル又はトリフルオロメトキシメチルを表す。
【0025】
とRは、さらにまた、これらが結合している窒素原子と一緒になって、特に好ましくは、モルホリン、チオモルホリン及びピペラジンからなる群から選択される飽和ヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、フッ素、塩素、臭素及びメチルからなる群から選択される同一である又は異なっている置換基で、場合により1〜4置換されていてもよい。)も形成する(ここで、該ピペラジンは、第2の窒素原子において、Rで置換され得る。)。
【0026】
は、好ましくは、水素又はC−C−アルキルを表す。
【0027】
は、特に好ましくは、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル又はt−ブチルを表す。
【0028】
は、好ましくは、水素を表す。
【0029】
は、特に好ましくは、フッ素を表す。
【0030】
は、好ましくは、−SO11を表す。
【0031】
は、さらにまた、好ましくは、−SONR1213を表す。
【0032】
は、さらにまた、好ましくは、−C(=X)R14を表す。
【0033】
は、さらにまた、好ましくは、−Si(R15を表す。
【0034】
は、さらにまた、好ましくは、−NR1213を表す。
【0035】
は、さらにまた、好ましくは、−CH−NR1213を表す。
【0036】
10は、好ましくは、フッ素、塩素又は臭素を表す。
【0037】
10は、さらにまた、好ましくは、メチル又はトリフルオロメチルを表す。
【0038】
10は、特に好ましくは、フッ素を表す。
【0039】
10は、さらにまた、特に好ましくは、塩素を表す。
【0040】
10は、さらにまた、特に好ましくは、メチルを表す。
【0041】
10は、さらにまた、特に好ましくは、トリフルオロメチルを表す。
【0042】
11は、好ましくは、C−C−アルキル又はC−C−ハロアルキル(ここで、これは、1〜9個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表す。
【0043】
11は、特に好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、トリフルオロメチル、−CHCF、−C又はトリクロロメチルを表す。
【0044】
11は、極めて特に好ましくは、メチル、トリフルオロメチル、−CHCF又は−Cを表す。
【0045】
mは、好ましくは、1を表す。
【0046】
mは、さらにまた、好ましくは、2を表す。
【0047】
mは、特に好ましくは、2を表す。
【0048】
12は、好ましくは、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル又は−C(=X)R14を表す。
【0049】
12は、特に好ましくは、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル又は−C(=X)R14を表す。
【0050】
12は、極めて特に好ましくは、水素又はメチルを表す。
【0051】
13は、好ましくは、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル又は−C(=X)R14を表す。
【0052】
13は、特に好ましくは、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、又は−C(=X)R14を表す。
【0053】
13は、極めて特に好ましくは、水素又はメチルを表す。
【0054】
12とR13は、さらにまた、これらが結合している窒素原子と一緒になって、好ましくは、飽和ヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、5個又は6個の環原子を有し、ハロゲン及びC−C−アルキルからなる群から選択される同一である又は異なっている置換基で、場合により1置換又は多置換されていてもよく、また、該ヘテロ環は、酸素、硫黄及びNRからなる群から選択される1個又は2個のさらなる非隣接ヘテロ原子を含み得る。)も形成する。
【0055】
12とR13は、さらにまた、これらが結合している窒素原子と一緒になって、特に好ましくは、モルホリン、チオモルホリン及びピペラジンからなる群から選択される飽和ヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、フッ素、塩素、臭素及びメチルからなる群から選択される同一である又は異なっている置換基で、場合により1〜4置換されていてもよい)も形成する(ここで、該ピペラジンは、第2の窒素原子において、Rで置換され得る。)。
【0056】
Xは、好ましくは、O(酸素)を表す。
【0057】
Xは、さらにまた、好ましくは、S(硫黄)を表す。
【0058】
14は、好ましくは、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ又は−NR1617を表す。
【0059】
14は、特に好ましくは、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ又は−NR1617を表す。
【0060】
14は、極めて特に好ましくは、水素、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ又は−NR1617を表す。
【0061】
15は、好ましくは、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル又はC−C−アルキルチオ−C−C−アルキルを表す(ここで、3つのラジカルR15は、それぞれ同一であっても又は異なっていてもよい。)。
【0062】
15は、特に好ましくは、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、メトキシメチル、エトキシメチル、メトキシエチル、エトキシエチル、メチルチオメチル、エチルチオメチル、メチルチオエチル又はエチルチオエチルを表す(ここで、3つのラジカルR15は、それぞれ同一であっても又は異なっていてもよい。)。
【0063】
15は、極めて特に好ましくは、メチル、メトキシ、メトキシメチル又はメチルチオメチルを表す(ここで、3つのラジカルR15は、それぞれ同一であっても又は異なっていてもよい。)。
【0064】
15は、とりわけ好ましくは、メチルを表す。
【0065】
16は、好ましくは、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル又はt−ブチルを表す。
【0066】
16は、特に好ましくは、水素、メチル、エチル、n−プロピル又はイソプロピルを表す。
【0067】
16は、極めて特に好ましくは、水素又はメチルを表す。
【0068】
17は、好ましくは、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル又はt−ブチルを表す。
【0069】
17は、特に好ましくは、水素、メチル、エチル、n−プロピル又はイソプロピルを表す。
【0070】
17は、極めて特に好ましくは、水素又はメチルを表す。
【0071】
16とR17は、さらにまた、これらが結合している窒素原子と一緒になって、好ましくは、飽和ヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、5個又は6個の環原子を有し、ハロゲン及びC−C−アルキルからなる群から選択される同一である又は異なっている置換基で、場合により1置換又は多置換されていてもよく、また、該ヘテロ環は、酸素、硫黄及びNRからなる群から選択される1個又は2個のさらなる非隣接ヘテロ原子を含み得る。)も形成する。
【0072】
16とR17は、さらにまた、これらが結合している窒素原子と一緒になって、特に好ましくは、モルホリン、チオモルホリン及びピペラジンからなる群から選択される飽和ヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、フッ素、塩素、臭素及びメチルからなる群から選択される同一である又は異なっている置換基で、場合により1〜4置換されていてもよい。)も形成する(ここで、該ピペラジンは、第2の窒素原子において、Rで置換され得る。)。
【0073】
Aは、好ましくは、ラジカルA1、ラジカルA2、ラジカルA3、ラジカルA4、ラジカルA5、ラジカルA6、ラジカルA9、ラジカルA10、ラジカルA11、ラジカルA12及びラジカルA17のうちの1つを表す。
【0074】
Aは、特に好ましくは、ラジカルA1、ラジカルA2、ラジカルA4、ラジカルA5、ラジカルA6、ラジカルA9、ラジカルA11、ラジカルA16及びラジカルA17のうちの1つを表す。
【0075】
Aは、極めて特に好ましくは、ラジカルA1を表す。
【0076】
Aは、さらにまた、極めて特に好ましくは、ラジカルA2を表す。
【0077】
Aは、さらにまた、極めて特に好ましくは、ラジカルA4を表す。
【0078】
Aは、さらにまた、極めて特に好ましくは、ラジカルA5を表す。
【0079】
Aは、さらにまた、極めて特に好ましくは、ラジカルA6を表す。
【0080】
Aは、さらにまた、極めて特に好ましくは、ラジカルA9を表す。
【0081】
Aは、さらにまた、極めて特に好ましくは、ラジカルA11を表す。
【0082】
Aは、さらにまた、極めて特に好ましくは、ラジカルA16を表す。
【0083】
Aは、さらにまた、極めて特に好ましくは、ラジカルA17を表す。
【0084】
18は、好ましくは、水素、シアノ、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、メチルチオ、エチルチオ若しくはシクロプロピルを表し、又は、C−C−ハロアルキル若しくはC−C−ハロアルコキシ(ここで、これらは、いずれの場合も1〜5個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表し、又は、トリフルオロメチルチオ、ジフルオロメチルチオ、アミノカルボニル、アミノカルボニルメチル若しくはアミノカルボニルエチルを表す。
【0085】
18は、特に好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、メチル、エチル、イソプロピル、モノフルオロメチル、モノフルオロエチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロクロロメチル、トリクロロメチル、ジクロロメチル、シクロプロピル、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメトキシ、トリクロロメトキシ、メチルチオ、エチルチオ、トリフルオロメチルチオ又はジフルオロメチルチオを表す。
【0086】
18は、極めて特に好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、メチル、イソプロピル、モノフルオロメチル、モノフルオロエチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロクロロメチル又はトリクロロメチルを表す。
【0087】
18は、とりわけ好ましくは、メチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル又は1−フルオロエチルを表す。
【0088】
19は、好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、メチルチオ又はエチルチオを表す。
【0089】
19は、特に好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素又はメチルを表す。
【0090】
19は、極めて特に好ましくは、水素、フッ素、塩素又はメチルを表す。
【0091】
20は、好ましくは、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、C−C−ハロアルキル(ここで、これは、1〜5個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はフェニルを表す。
【0092】
20は、特に好ましくは、水素、メチル、エチル、イソプロピル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル又はフェニルを表す。
【0093】
20は、極めて特に好ましくは、水素、メチル、トリフルオロメチル又はフェニルを表す。
【0094】
20は、とりわけ好ましくは、メチルを表す。
【0095】
21及びR22は、互いに独立して、好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、メチル、エチル又はC−C−ハロアルキル(ここで、これは、1〜5個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表す。
【0096】
21及びR22は、互いに独立して、特に好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、メチル、エチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロクロロメチル又はトリクロロメチルを表す。
【0097】
21及びR22は、互いに独立して、極めて特に好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、メチル、エチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル又はトリクロロメチルを表す。
【0098】
21及びR22は、とりわけ好ましくは、それぞれ、水素を表す。
【0099】
23は、好ましくは、フッ素、塩素、臭素、シアノ、メチル若しくはエチルを表し、又は、C−C−ハロアルキル若しくはC−C−ハロアルコキシ(ここで、これらは、いずれの場合も1〜5個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表す。
【0100】
23は、特に好ましくは、フッ素、塩素、臭素、シアノ、メチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、ジフルオロクロロメトキシ又はトリクロロメトキシを表す。
【0101】
23は、極めて特に好ましくは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、メチル、トリフルオロメチル又はトリフルオロメトキシを表す。
【0102】
23は、とりわけ好ましくは、メチル又はトリフルオロメチルを表す。
【0103】
24及びR25は、互いに独立して、好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、メチル、エチル又はC−C−ハロアルキル(ここで、これは、1〜5個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表す。
【0104】
24及びR25は、互いに独立して、特に好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、メチル、エチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロクロロメチル又はトリクロロメチルを表す。
【0105】
24及びR25は、互いに独立して、極めて特に好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、メチル、エチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル又はトリクロロメチルを表す。
【0106】
24及びR25は、とりわけ好ましくは、それぞれ、水素を表す。
【0107】
26は、好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、メチル、エチル又はC−C−ハロアルキル(ここで、これは、1〜5個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表す。
【0108】
26は、特に好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、メチル又はトリフルオロメチルを表す。
【0109】
26は、極めて特に好ましくは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、メチル又はトリフルオロメチルを表す。
【0110】
27は、好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシル、シアノ若しくはC−C−アルキルを表し、又は、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルコキシ若しくはC−C−ハロアルキルチオ(ここで、これらは、いずれの場合も1〜5個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表す。
【0111】
27は、特に好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシル、シアノ、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロクロロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、ジフルオロクロロメトキシ、トリクロロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、ジフルオロメチルチオ、ジフルオロクロロメチルチオ又はトリクロロメチルチオを表す。
【0112】
27は、極めて特に好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、メチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル又はトリクロロメチルを表す。
【0113】
27は、とりわけ好ましくは、ヨウ素、メチル、ジフルオロメチル又はトリフルオロメチルを表す。
【0114】
28は、好ましくは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシル、シアノ、C−C−アルキル、メトキシ、エトキシ、メチルチオ、エチルチオ、ジフルオロメチルチオ若しくはトリフルオロメチルチオを表し、又は、C−C−ハロアルキル若しくはC−C−ハロアルコキシ(ここで、これらは、いずれの場合も1〜5個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表す。
【0115】
28は、特に好ましくは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシル、シアノ、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ジフルオロクロロメチル、トリクロロメチル、メトキシ、エトキシ、メチルチオ、エチルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、ジフルオロクロロメトキシ又はトリクロロメトキシを表す。
【0116】
28は、極めて特に好ましくは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、メチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル又はトリクロロメチルを表す。
【0117】
29は、好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、C−C−アルキル、メトキシ、エトキシ、メチルチオ若しくはエチルチオを表し、又は、C−C−ハロアルキル若しくはC−C−ハロアルコキシ(ここで、これらは、いずれの場合も1〜5個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表し、又は、C−C−アルキルスルフィニル若しくはC−C−アルキルスルホニルを表す。
【0118】
29は、特に好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ジフルオロクロロメチル、トリクロロメチル、メトキシ、エトキシ、メチルチオ、エチルチオ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、ジフルオロクロロメトキシ、トリクロロメトキシ、メチルスルフィニル又はメチルスルホニルを表す。
【0119】
29は、極めて特に好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、メチルスルフィニル又はメチルスルホニルを表す。
【0120】
29は、とりわけ好ましくは、水素を表す。
【0121】
30は、好ましくは、メチル、エチル又はC−C−ハロアルキル(ここで、これは、1〜5個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表す。
【0122】
30は、特に好ましくは、メチル、エチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ジフルオロクロロメチル又はトリクロロメチルを表す。
【0123】
31は、好ましくは、メチル又はエチルを表す。
【0124】
31は、特に好ましくは、メチルを表す。
【0125】
は、好ましくは、S(硫黄)、SO又はCHを表す。
【0126】
は、特に好ましくは、S(硫黄)又はCHを表す。
【0127】
は、極めて特に好ましくは、S(硫黄)を表す。
【0128】
pは、好ましくは、0又は1を表す。
【0129】
pは、特に好ましくは、0を表す。
【0130】
32は、好ましくは、メチル、エチル又はC−C−ハロアルキル(ここで、これは、1〜5個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表す。
【0131】
32は、特に好ましくは、メチル、エチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ジフルオロクロロメチル又はトリクロロメチルを表す。
【0132】
32は、極めて特に好ましくは、メチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル又はトリクロロメチルを表す。
【0133】
33は、好ましくは、メチル、エチル又はC−C−ハロアルキル(ここで、これは、1〜5個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表す。
【0134】
33は、特に好ましくは、メチル、エチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ジフルオロクロロメチル又はトリクロロメチルを表す。
【0135】
33は、極めて特に好ましくは、メチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル又はトリクロロメチルを表す。
【0136】
34及びR35は、互いに独立して、好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、アミノ、メチル、エチル又はC−C−ハロアルキル(ここで、これは、1〜5個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表す。
【0137】
34及びR35は、互いに独立して、特に好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ジフルオロクロロメチル又はトリクロロメチルを表す。
【0138】
34及びR35は、互いに独立して、極めて特に好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、メチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル又はトリクロロメチルを表す。
【0139】
34及びR35は、とりわけ好ましくは、それぞれ、水素を表す。
【0140】
36は、好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、メチル、エチル又はC−C−ハロアルキル(ここで、これは、1〜5個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表す。
【0141】
36は、特に好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ジフルオロクロロメチル又はトリクロロメチルを表す。
【0142】
36は、極めて特に好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、メチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル又はトリクロロメチルを表す。
【0143】
36は、とりわけ好ましくは、メチルを表す。
【0144】
37及びR38は、互いに独立して、好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、アミノ、ニトロ、メチル、エチル又はC−C−ハロアルキル(ここで、これは、1〜5個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表す。
【0145】
37及びR38は、互いに独立して、特に好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、ニトロ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ジフルオロクロロメチル又はトリクロロメチルを表す。
【0146】
37及びR38は、互いに独立して、極めて特に好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、メチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル又はトリクロロメチルを表す。
【0147】
37及びR38は、とりわけ好ましくは、それぞれ、水素を表す。
【0148】
39は、好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、メチル、エチル又はC−C−ハロアルキル(ここで、これは、1〜5個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表す。
【0149】
39は、特に好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ジフルオロクロロメチル又はトリクロロメチルを表す。
【0150】
39は、極めて特に好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、メチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル又はトリクロロメチルを表す。
【0151】
39は、とりわけ好ましくは、メチルを表す。
【0152】
40は、好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ(C−C−アルキル)アミノ、シアノ、メチル、エチル又はC−C−ハロアルキル(ここで、これは、1〜5個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表す。
【0153】
40は、特に好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、シアノ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ジフルオロクロロメチル又はトリクロロメチルを表す。
【0154】
40は、極めて特に好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、メチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル又はトリクロロメチルを表す。
【0155】
40は、とりわけ好ましくは、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、メチル又はトリフルオロメチルを表す。
【0156】
41は、好ましくは、フッ素、塩素、臭素、メチル、エチル又はC−C−ハロアルキル(ここで、これは、1〜5個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表す。
【0157】
41は、特に好ましくは、フッ素、塩素、臭素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ジフルオロクロロメチル又はトリクロロメチルを表す。
【0158】
41は、極めて特に好ましくは、フッ素、塩素、臭素、メチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル又はトリクロロメチルを表す。
【0159】
41は、とりわけ好ましくは、メチル、トリフルオロメチル又はジフルオロメチルを表す。
【0160】
42は、好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ(C−C−アルキル)アミノ、シアノ、メチル、エチル又はC−C−ハロアルキル(ここで、これは、1〜5個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表す。
【0161】
42は、特に好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、シアノ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ジフルオロクロロメチル又はトリクロロメチルを表す。
【0162】
42は、極めて特に好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、メチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル又はトリクロロメチルを表す。
【0163】
42は、とりわけ好ましくは、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、メチル又は
トリフルオロメチルを表す。
【0164】
43は、好ましくは、フッ素、塩素、臭素、メチル、エチル又はC−C−ハロアルキル(ここで、これは、1〜5個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表す。
【0165】
43は、特に好ましくは、フッ素、塩素、臭素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ジフルオロクロロメチル又はトリクロロメチルを表す。
【0166】
43は、極めて特に好ましくは、フッ素、塩素、臭素、メチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル又はトリクロロメチルを表す。
【0167】
43は、とりわけ好ましくは、メチル、トリフルオロメチル又はジフルオロメチルを表す。
【0168】
44は、好ましくは、フッ素、塩素、臭素、メチル、エチル又はC−C−ハロアルキル(ここで、これは、1〜5個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表す。
【0169】
44は、特に好ましくは、フッ素、塩素、臭素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ジフルオロクロロメチル又はトリクロロメチルを表す。
【0170】
44は、極めて特に好ましくは、フッ素、塩素、臭素、メチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル又はトリクロロメチルを表す。
【0171】
45は、好ましくは、水素、メチル又はエチルを表す。
【0172】
45は、特に好ましくは、メチルを表す。
【0173】
46は、好ましくは、フッ素、塩素、臭素、メチル又はエチルを表す。
【0174】
46は、特に好ましくは、フッ素、塩素又はメチルを表す。
【0175】
47は、好ましくは、メチル、エチル又はC−C−ハロアルキル(ここで、これは、1〜5個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表す。
【0176】
47は、特に好ましくは、メチル、エチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ジフルオロクロロメチル又はトリクロロメチルを表す。
【0177】
47は、極めて特に好ましくは、メチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル又はトリクロロメチルを表す。
【0178】
47は、とりわけ好ましくは、メチル又はトリフルオロメチルを表す。
【0179】
48は、好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、メチル、エチル又はC−C−ハロアルキル(ここで、これは、1〜5個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表す。
【0180】
48は、特に好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、メチル又はトリフルオロメチルを表す。
【0181】
49は、好ましくは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシル、C−C−アルキル、メトキシ、エトキシ、メチルチオ、エチルチオ、ジフルオロメチルチオ若しくはトリフルオロメチルチオを表し、又は、C−C−ハロアルキル若しくはC−C−ハロアルコキシ(ここで、これらは、いずれの場合も1〜5個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表す。
【0182】
49は、特に好ましくは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ジフルオロクロロメチル又はトリクロロメチルを表す。
【0183】
49は、極めて特に好ましくは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、メチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル又はトリクロロメチルを表す。
【0184】
50は、好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル又はイソプロピルを表す。
【0185】
50は、特に好ましくは、メチル又はエチルを表す。
【0186】
51は、好ましくは、水素、メチル、エチル、C−C−ハロアルキル(ここで、これは、1〜5個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、メチルスルホニル又はジメチルアミノスルホニルを表す。
【0187】
51は、特に好ましくは、水素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、メトキシメチル、エトキシメチル、ヒドロキシメチル又はヒドロキシエチルを表す。
【0188】
51は、極めて特に好ましくは、メチル又はメトキシメチルを表す。
【0189】
52は、好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、メチル、エチル又はC−C−ハロアルキル(ここで、これは、1〜5個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表す。
【0190】
52は、特に好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル又はトリフルオロメチルを表す。
【0191】
52は、極めて特に好ましくは、水素又はメチルを表す。
【0192】
53は、好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、メチル、エチル、イソプロピル又はC−C−ハロアルキル(ここで、これは、1〜5個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表す。
【0193】
53は、特に好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、シアノ、メチル、エチル、イソプロピル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ジフルオロクロロメチル又はトリクロロメチルを表す。
【0194】
53は、極めて特に好ましくは、水素、メチル、ジフルオロメチル又はトリフルオロメチルを表す。
【0195】
54は、好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、メチル、エチル又はC−C−ハロアルキル(ここで、これは、1〜5個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表す。
【0196】
54は、特に好ましくは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、メチル又はトリフルオロメチルを表す。
【0197】
54は、極めて特に好ましくは、水素を表す。
【0198】
式中の全てのラジカルが、それぞれ、上記で挙げられている好ましい意味を有している式(I)の化合物が好ましい。
【0199】
式中の全てのラジカルが、それぞれ、上記で挙げられている特に好ましい意味を有している式(I)の化合物が特に好ましい。
【0200】
さらにまた、式(I−b)
【0201】
【化14】

[式中、R、R、R、R10及びAは、上記で定義されているとおりである。]
で表される化合物が、好ましい。
【0202】
さらにまた、式(I−c)
【0203】
【化15】

[式中、R、R、R、R10及びAは、上記で定義されているとおりである。]
で表される化合物が、好ましい。
【0204】
さらにまた、式(I−d)
【0205】
【化16】

[式中、R、R、R、R10及びAは、上記で定義されているとおりである。]
で表される化合物が、好ましい。
【0206】
さらにまた、式(I−e)
【0207】
【化17】

[式中、R、R、R、R10及びAは、上記で定義されているとおりである。]
で表される化合物が、好ましい。
【0208】
さらにまた、式(I−f)
【0209】
【化18】

[式中、R、R、R、R10及びAは、上記で定義されているとおりである。]
で表される化合物が、好ましい。
【0210】
さらにまた、Rが水素を表している式(I)及び式(I−b)〜式(I−f)の化合物も好ましい。
【0211】
さらにまた、Rが水素を表している式(I)及び式(I−b)〜式(I−f)の化合物も好ましい。
【0212】
さらにまた、Rがフッ素を表している式(I)及び式(I−b)〜式(I−f)の化合物も好ましい。
【0213】
しかしながら、ラジカルについて上記で挙げた一般的な又は好ましい定義又は実例は、必要に応じて互いに組み合わせることも可能である(即ち、これには、それぞれの範囲と好ましい範囲の間で組み合わせることも包含される。)。これらは、最終生成物にも適用されるし、また、同様に、前駆物質及び中間体にも適用される。
【0214】
例えば、出発物質としての1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボニルクロリド及び2’−アミノ−3,5’−ジフルオロビフェニル−4−カルボン酸メチル並びに塩基を使用する場合、本発明による調製方法(a)の経過は、下記反応式によって例示することができる。
【0215】
【化19】

【0216】
本発明による調製方法(a)を実施するための出発物質として必要とされるハロゲン化カルボニルの一般的な定義は、式(II)によって与えられる。この式(II)において、Aは、好ましくは、特に好ましくは、極めて特に好ましくは、及び、とりわけ好ましくは、本発明の式(I)で表される化合物についての記述に関連して、該ラジカルついて、好ましいもの、特に好ましいものなどとして既に挙げられている意味を有する。Xは、好ましくは、フッ素、塩素又はヒドロキシルを表し、特に好ましくは、塩素又はヒドロキシルを表す。
【0217】
式(II)で表されるハロゲン化カルボニル類は、既知である、及び/又は、既知調製方法によって調製することができる(cf. 例えば、EP−A 0545099、JP−A 01−290662、及び、US 5,093,347)。
【0218】
本発明による調製方法(a)を実施するための出発物質としてさらに必要とされるアミン類の一般的な定義は、式(III)によって与えられる。この式(III)において、R、R、R及びR10は、好ましくは、特に好ましくは、極めて特に好ましくは、及び、とりわけ好ましくは、本発明の式(I)で表される化合物についての記述に関連して、これらのラジカルついて、好ましいもの、特に好ましいものなどとして既に挙げられている意味を有する。
【0219】
式(III−1)、式(III−2)及び式(III−3)
【0220】
【化20】

で表されるアミン類は新規である。
【0221】
式(III−1)、式(III−2)及び式(III−3)で表されるアミン類は、既知調製方法によって調製することができる(cf. 例えば、WO 01/53259、及び、WO 01/49664; 調整実施例も参照されたい。)。
【0222】
例えば、出発物質として3,5’−ジフルオロ−2’−({[1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−イル]カルボニル}アミノ)ビフェニル−4−カルボン酸メチル及び塩化アセチルを使用する場合、本発明による調製方法(b)の経過は、下記式スキームによって例示することができる。
【0223】
【化21】

【0224】
本発明による調製方法(b)を実施するための出発物質として必要とされるビフェニルカルボキサミド類の一般的な定義は、式(I−a)によって与えられる。この式(I−a)において、R、R、R10及びAは、好ましくは、特に好ましくは、極めて特に好ましくは、及び、とりわけ好ましくは、本発明の式(I)で表される化合物についての記述に関連して、これらラジカルついて、好ましいもの、特に好ましいものなどとして既に挙げられている意味を有する。
【0225】
式(I−a)で表される化合物は、本発明による化合物であり、調製方法(a)で調製することができる。
【0226】
本発明による調製方法(b)を実施するための出発物質としてさらに必要とされるハロゲン化物の一般的な定義は、式(IV)によって与えられる。この式(IV)において、、R1−Bは、好ましくは、特に好ましくは、極めて特に好ましくは、及び、とりわけ好ましくは、ラジカルRついて、好ましいもの、特に好ましいものなどとして上記で既に挙げられている意味を有する(ここで、R1−Bは、水素を表すことはない)。Halは、塩素、臭素又はヨウ素を表す。
【0227】
式(IV)で表されるハロゲン化物は、既知である。
【0228】
本発明による調製方法(a)を実施するのに適した希釈剤は、全ての不活性有機溶媒である。そのようなものとしては、好ましくは、以下のものを挙げることができる:脂肪族、脂環式又は芳香族の炭化水素類、例えば、石油エーテル、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はデカリン;ハロゲン化炭化水素類、例えば、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン又はトリクロロエタン;エーテル類、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、メチルt−アミルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン又はアニソール;ケトン類、例えば、アセトン、ブタノン、メチルイソブチルケトン又はシクロヘキサノン;ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、n−ブチロニトリル、イソブチロニトリル又はベンゾニトリル;アミド類、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルピロリドン又はヘキサメチルリン酸トリアミド;上記のものと水の混合物、又は、純粋な水。
【0229】
本発明による調製方法(a)は、適切な場合には、適切な酸受容体の存在下で実施する。適切な酸受容体は、無機又は有機の慣習的な全ての塩基である。そのようなものとしては、好ましくは、以下のものを挙げることができる:アルカリ土類金属又はアルカリ金属の水素化物、水酸化物、アミド、アルコキシド、酢酸塩、炭酸塩又は重炭酸塩、例えば、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム又は炭酸アンモニウム、さらに、第三級アミン、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ピリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、ジアザビシクロノネン(DBN)又はジアザビシクロウンデセン(DBU)。
【0230】
適切な場合(Xがヒドロキシルを表す場合)には、本発明による調製方法(a)は、適切なカップリング剤の存在下で実施する。適切なカップリング剤は、慣習的な全てのカルボニル活性化剤である。そのようなものとしては、好ましくは、以下のものを挙げることができる:N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N’−エチカルボジイミド塩酸塩、N,N’−ジ−s−ブチルカルボジイミド、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、1−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)−3−エチルカルボジイミドメチオジド、2−ブロモ−3−エチル−4−メチルチアゾリウムテトラフルオロボレート、N,N−ビス[2−オキソ−3−オキサゾリジニル]ホスホロジアミディッククロリド、クロロトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、ブロモトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、O−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、O−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、O−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−ビス(テトラメチレン)ウロニウムヘキサフルオロホスフェート、O−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−ビス(テトラメチレン)ウロニウムテトラフルオロボレート、N,N,N’,N’−ビス(テトラメチレン)クロロウロニウムテトラフルオロボレート、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N,N−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、及び、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール。これらの試薬は、単独で使用可能であるが、組み合わせても使用することが可能である。
【0231】
本発明による調製方法(a)を実施する場合、その反応温度は、比較的広い範囲内でさまざまであることができる。一般に、該調製方法は、0℃〜150℃の温度、好ましくは、20℃〜110℃の温度で実施する。
【0232】
式(I)で表される化合物を調製するために本発明による調製方法(a)を実施するためには、式(II)で表されるハロゲン化カルボニルの1モル当たり、一般に、0.2〜5モル、好ましくは、0.5〜2モルの式(III)のアニリン誘導体を使用する。後処理は、慣習的な方法で行う。
【0233】
本発明による調製方法(b)を実施するのに適した希釈剤は、全ての不活性有機溶媒である。そのようなものとしては、好ましくは、以下のものを挙げることができる:脂肪族、脂環式又は芳香族の炭化水素類、例えば、石油エーテル、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はデカリン;ハロゲン化炭化水素類、例えば、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン又はトリクロロエタン;エーテル類、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、メチルt−アミルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン又はアニソール;又は、アミド類、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルピロリドン又はヘキサメチルリン酸トリアミド。
【0234】
本発明による調製方法(b)は、塩基の存在下で実施する。適切な塩基は、無機又は有機の慣習的な全ての塩基である。そのようなものとしては、好ましくは、以下のものを挙げることができる:アルカリ土類金属又はアルカリ金属の水素化物、水酸化物、アミド、アルコキシド、酢酸塩、炭酸塩又は重炭酸塩、例えば、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム又は炭酸セシウム、さらに、第三級アミン、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ピリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、ジアザビシクロノネン(DBN)又はジアザビシクロウンデセン(DBU)。
【0235】
本発明による調製方法(b)を実施する場合、その反応温度は、比較的広い範囲内でさまざまであることができる。一般に、該調製方法は、0℃〜150℃の温度、好ましくは、20℃〜110℃の温度で実施する。
【0236】
式(I)で表される化合物を調製するために本発明による調製方法(b)を実施するためには、式(I−a)で表されるビフェニルカルボキサミドの1モル当たり、一般に、0.2〜5モル、好ましくは、0.5〜2モルの式(IV)のハロゲン化物を使用する。
【0237】
本発明による調製方法(a)及び調製方法(b)は、一般に、大気圧下で実施する。しかしながら、高圧下又は減圧下(一般に、0.1バール〜10バール)で実施することも可能である。
【0238】
本発明の化合物は、強力な殺微生物活性(microbicidal activity)を示し、作物の保護及び材料物質(materials)の保護において望ましくない微生物(例えば、菌類及び細菌類)を防除するために用いることができる。
【0239】
作物保護において、殺菌剤(fungicide)は、ネコブカビ類(Plasmodiophoromycetes)、卵菌類(Oomycetes)、ツボカビ類(Chytridiomycetes)、接合菌類(Zygomycetes)、子嚢菌類(Ascomycetes)、担子菌類(Basidiomycetes)及び不完全菌類(Deuteromycetes)を防除するために使用することができる。
【0240】
作物保護において、殺細菌剤(bactericide)は、シュードモナス科(Pseudomonadaceae)、リゾビウム科(Rhizobiaceae)、腸内細菌科(Enterobacteriaceae)、コリネバクテリウム科(Corynebacteriaceae)及びストレプトミセス科(Streptomycetaceae)を防除するために使用することができる。
【0241】
上記で挙げた総称名に属する、菌類病及び細菌病の何種類かの病原体の非限定的に挙げることができる例は、以下のとおりである:
・ 例えば以下のようなうどんこ病(powdery mildew)病原体に起因する、病害:
ブルメリア属各種(Blumeria species)、例えば、ブルメリア・グラミニス(Blumeria graminis);
ポドスファエラ属各種(Podosphaera species)、例えば、ポドスファエラ・レウコトリカ(Podosphaera leucotricha);
スファエロテカ属各種(Sphaerotheca species)、例えば、スファエロテカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea);
ウンシヌラ属各種(Uncinula species)、例えば、ウンシヌラ・ネカトル(Uncinula necator);
・ 例えば以下のようなさび病(rust)病原体に起因する、病害:
ギムノスポランギウム属各種(Gymnosporangium species)、例えば、ギムノスポランギウム・サビナエ(Gymnosporangium sabinae);
ヘミレイア属各種(Hemileia species)、例えば、ヘミレイア・バスタトリクス(Hemileia vastatrix);
ファコプソラ属各種(Phakopsora species)、例えば、ファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi)及びファコプソラ・メイボミアエ(Phakopsora meibomiae);
プッシニア属各種(Puccinia species)、例えば、プッシニア・レコンジタ(Puccinia recondita)又はプッシニア・グラミニス(Puccinia graminis);
ウロミセス属各種(Uromyces species)、例えば、ウロミセス・アペンジクラツス(Uromyces appendiculatus);
・ 例えば以下のような卵菌類(Oomycetene)の群に属する病原体に起因する病害:
ブレミア属各種(Bremia species)、例えば、ブレミア・ラクツカエ(Bremia lactucae);
ペロノスポラ属各種(Peronospora species)、例えば、ペロノスポラ・ピシ(Peronospora pisi)又はペロノスポラ・ブラシカエ(P. brassicae);
フィトフトラ属各種(Phytophthora species)、例えば、フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans);
プラスモパラ属各種(Plasmopara species)、例えば、プラスモパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola);
プセウドペロノスポラ属各種(Pseudoperonospora species)、例えば、プセウドペロノスポラ・フムリ(Pseudoperonospora humuli)又はプセウドペロノスポラ・クベンシス(Pseudoperonospora cubensis);
ピシウム属各種(Pythium species)、例えば、ピシウム・ウルチムム(Pythium ultimum);
・ 例えば以下のものに起因する、斑点病(leaf spot disease)及び萎凋病(leaf wilts):
アルテルナリア属各種(Alternaria species)、例えば、アルテルナリア・ソラニ(Alternaria solani);
セルコスポラ属各種(Cercospora species)、例えば、セルコスポラ・ベチコラ(Cercospora beticola);
クラドスポリウム属各種(Cladosporum species)、例えば、クラドスポリウム・ククメリヌム(Cladosporium cucumerinum);
コクリオボルス属各種(Cochliobolus species)、例えば、コクリオボルス・サチブス(Cochliobolus sativus)(分生子形態:Drechslera, 異名:Helminthosporium);
コレトトリクム属各種(Colletotrichum species)、例えば、コレトトリクム・リンデムタニウム(Colletotrichum lindemuthanium);
シクロコニウム属各種(Cycloconium species)、例えば、シクロコニウム・オレアギヌム(Cycloconium oleaginum);
ジアポルテ属各種(Diaporthe species)、例えば、ジアポルテ・シトリ(Diaporthe citri);
エルシノエ属各種(Elsinoe species)、例えば、エルシノエ・ファウセッチイ(Elsinoe fawcettii);
グロエオスポリウム属各種(Gloeosporium species)、例えば、グロエオスポリウム・ラエチコロル(Gloeosporium laeticolor);
グロメレラ属各種(Glomerella species)、例えば、グロメレラ・シングラタ(Glomerella cingulata);
グイグナルジア属各種(Guignardia species)、例えば、グイグナルジア・ビドウェリ(Guignardia bidwelli);
レプトスファエリア属各種(Leptosphaeria species)、例えば、レプトスファエリア・マクランス(Leptosphaeria maculans);
マグナポルテ属各種(Magnaporthe species)、例えば、マグナポルテ・グリセア(Magnaporthe grisea);
ミコスファエレラ属各種(Mycosphaerella species)、例えば、ミコスファエレラ・グラミニコラ(Mycosphaerella graminicola)及びミコスファエレラ・フィジエンシス(Mycosphaerella fijiensis);
ファエオスファエリア属各種(Phaeosphaeria species)、例えば、ファエオスファエリア・ノドルム(Phaeosphaeria nodorum);
ピレノホラ属各種(Pyrenophora species)、例えば、ピレノホラ・テレス(Pyrenophora teres);
ラムラリア属各種(Ramularia species)、例えば、ラムラリア・コロ−シグニ(Ramularia collo−cygni);
リンコスポリウム属各種(Rhynchosporium species)、例えば、リンコスポリウム・セカリス(Rhynchosporium secalis);
セプトリア属各種(Septoria species)、例えば、セプトリア・アピイ(Septoria apii);
チフラ属各種(Typhula species)、例えば、チフラ・インカルナタ(Typhula incarnata);
ベンツリア属各種(Venturia species)、例えば、ベンツリア・イナエクアリス(Venturia inaequalis);
・ 例えば以下のものに起因する、根及び茎の病害(root and stem diseases):
コルチシウム属各種(Corticium species)、例えば、コルチシウム・グラミネアルム(Corticium graminearum);
フザリウム属各種(Fusarium species)、例えば、フザリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum);
ガエウマンノミセス属各種(Gaeumannomyces species)、例えば、ガエウマンノミセス・グラミニス(Gaeumannomyces graminis);
リゾクトニア属各種(Rhizoctonia species)、例えば、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani);
タペシア属各種(Tapesia species)、例えば、タペシア・アクホルミス(Tapesia acuformis)又はタペシア・ヤルンダエ(Tapesia yallundae);
チエラビオプシス属各種(Thielaviopsis species)、例えば、チエラビオプシス・バシコラ(Thielaviopsis basicola);
・ 例えば以下のものに起因する、穂の病害(ear and panicle disease)(トウモロコシの穂軸を包含する):
アルテルナリア属各種(Alternaria species)、例えば、アルテルナリア属種(Alternaria spp.);
アスペルギルス属各種(Aspergillus species)、例えば、アスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus);
クラドスポリウム属各種(Cladosporium species)、例えば、クラドスポリウム・クラドスポリオイデス(Cladosporium cladosporioides);
クラビセプス属各種(Claviceps species)、例えば、クラビセプス・プルプレア(Claviceps purpurea);
フザリウム属各種(Fusarium species)、例えば、フザリウム・クルモルム(Fusarium culmorum);
ジベレラ属各種(Gibberella species)、例えば、ジベレラ・ゼアエ(Gibberella zeae);
モノグラフェラ属各種(Monographella species)、例えば、モノグラフェラ・ニバリス(Monographella nivalis);
・ 例えば以下のものなどの黒穂病菌類(smuts)に起因する、病害:
スファセロテカ属各種(Sphacelotheca species)、例えば、スファセロテカ・レイリアナ(Sphacelotheca reiliana);
チレチア属各種(Tilletia species)、例えば、チレチア・カリエス(Tilletia caries);
ウロシスチス属各種(Urocystis species)、例えば、ウロシスチス・オクルタ(Urocystis occulta);
ウスチラゴ属各種(Ustilago species)、例えば、ウスチラゴ・ヌダ(Ustilago nuda);
・ 例えば以下のものなどに起因する、果実の腐敗(fruit rot):
アスペルギルス属各種(Aspergillus species)、例えば、アスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus);
ボトリチス属各種(Botrytis species)、例えば、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea);
ペニシリウム属各種(Penicillium species)、例えば、ペニシリウム・エクスパンスム(Penicillium expansum)及びペニシリウム・プルプロゲヌム(Penicillium purpurogenum);
スクレロチニア属各種(Sclerotinia species)、例えば、スクレロチニア・スクレロチオルム(Sclerotinia sclerotiorum);
ベルチシリウム属各種(Verticilium species)、例えば、ベルチシリウム・アルボアトルム(Verticilium alboatrum);
・ 例えば以下のものなどに起因する、種子及び土壌によって媒介される腐敗病及び萎凋病(seed− and soil−borne rots and wilts)並びに実生の病害:
フザリウム属各種(Fusarium species)、例えば、フザリウム・クルモルム(Fusarium culmorum);
フィトフトラ属各種(Phytophthora species)、例えば、フィトフトラ・カクトルム(Phytophthora cactorum);
ピシウム属各種(Pythium species)、例えば、ピシウム・ウルチムム(Pythium ultimum);
リゾクトニア属各種(Rhizoctonia species)、例えば、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani);
スクレロチウム属各種(Sclerotium species)、例えば、スクレロチウム・ロルフシイ(Sclerotium rolfsii);
・ 例えば以下のものなどに起因する、癌腫病(canker)、こぶ(gall)及び天狗巣病(witches’ broom):
ネクトリア属各種(Nectria species)、例えば、ネクトリア・ガリゲナ(Nectria galligena);
・ 例えば以下のものなどに起因する、萎凋病(wilt):
モニリニア属各種(Monilinia species)、例えば、モニリニア・ラキサ(Monilinia laxa);
・ 例えば以下のものなどに起因する、葉、花及び果実の奇形:
タフリナ属各種(Taphrina species)、例えば、タフリナ・デホルマンス(Taphrina deformans);
・ 例えば以下のものなどに起因する、木本類の衰退性病害(degenerative disease):
エスカ属各種(Esca species)、例えば、ファエオモニエラ・クラミドスポラ(Phaeomoniella clamydospora)及びファエオアクレモニウム・アレオフィリウム(Phaeoacremonium aleophilium)及びフォミチポリア・メジテラネア(Fomitiporia mediterranea);
・ 例えば以下のものなどに起因する、花及び種子の病害:
ボトリチス属各種(Botrytis species)、例えば、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea);
・ 例えば以下のものなどに起因する、植物塊茎の病害:
リゾクトニア属各種(Rhizoctonia species)、例えば、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani);
ヘルミントスポリウム属各種(Helminthosporium species)、例えば、ヘルミントスポリウム・ソラニ(Helminthosporium solani);
・ 例えば以下のものなどの細菌性病原体に起因する病害:
キサントモナス属各種(Xanthomonas species)、例えば、キサントモナス・カムペストリス pv.オリザエ(Xanthomonas campestris pv. oryzae);
シュードモナス属各種(Pseudomonas species)、例えば、シュードモナス・シリンガエ pv.ラクリマンス(Pseudomonas syringae pv. lachrymans);
エルビニア属各種(Erwinia species)、例えば、エルビニア・アミロボラ(Erwinia amylovora)。
【0242】
好ましくは、ダイズの以下の病害を防除することができる:
・ 例えば以下のものなどに起因する、葉、茎、鞘及び種子の菌類病:
アルタナリア斑点病(alternaria leaf spot)(Alternaria spec. atrans tenuissima)、炭疽病(Colletotrichum gloeosporoides dematium var. truncatum)、褐紋病(brown spot)(Septoria glycines)、紫斑病(cercospora leaf spot and blight)(Cercospora kikuchii)、コアネホラ葉枯病(choanephora leaf blight)(Choanephora infundibulifera trispora(syn.))、ダクツリオホラ斑点病(dactuliophora leaf spot)(Dactuliophora glycines)、べと病(Peronospora manshurica)、ドレクスレラ胴枯病(drechslera blight)(Drechslera glycini)、斑点病(frogeye leaf spot)(Cercospora sojina)、そばかす病(leptosphaerulina leaf spot)(Leptosphaerulina trifolii)、灰星病(phyllostica leaf spot)(Phyllosticta sojaecola)、黒点病(pod and stem blight)(Phomopsis sojae)、うどんこ病(Microsphaera diffusa)、ピレノカエタ斑点病(pyrenochaeta leaf spot)(Pyrenochaeta glycines)、葉腐病(rhizoctonia aerial, foliage, and web blight)(Rhizoctonia solani)、さび病(Phakopsora pachyrhizi)、黒とう病(Sphaceloma glycines)、ステムフィリウム葉枯病(stemphylium leaf blight)(Stemphylium botryosum)、褐色輪紋病(Corynespora cassiicola);
・ 例えば以下のものなどに起因する、根及び茎基部の菌類病:
黒根腐病(Calonectria crotalariae)、炭腐病(Macrophomina phaseolina)、赤かび病(fusarium blight or wilt, root rot, and pod and collar rot)(Fusarium oxysporum、Fusarium orthoceras、Fusarium semitectum、Fusarium equiseti)、ミコレプトジスクス根腐病(mycoleptodiscus root rot)(Mycoleptodiscus terrestris)、根腐病(neocosmospora)(Neocosmopspora vasinfecta)、黒点病(Diaporthe phaseolorum)、茎腐爛病(stem canker)(Diaporthe phaseolorum var. caulivora)、茎疫病(phytophthora rot)(Phytophthora megasperma)、落葉病(brown stem rot)(Phialophora gregata)、根茎腐敗病(pythium rot)(Pythium aphanidermatum、Pythium irregulare、Pythium debaryanum、Pythium myriotylum、Pythium ultimum)、リゾクトニア根腐病(rhizoctonia root rot, stem decay, and damping−off)(Rhizoctonia solani)、菌核病(sclerotinia stem decay)(Sclerotinia sclerotiorum)、スクレロチニアサウザンブライト病(sclerotinia southern blight)(Sclerotinia rolfsii)、チエラビオプシス根腐病(thielaviopsis root rot)(Thielaviopsis basicola)。
【0243】
本発明の活性化合物は、さらに、植物における強力な強化効果(strengthening effect)も有している。従って、本発明の活性化合物は、望ましくない微生物による攻撃に対して植物の防御を動員させるのに適している。
【0244】
本発明に関連して、植物を強化する(抵抗性を誘導する)物質は、処理された植物が、その後で望ましくない微生物を接種されたときに、その微生物に対して実質的な程度の抵抗性を示すように、植物の防御システムを刺激することができる物質を意味するものと理解される。
【0245】
この場合、望ましくない微生物は、植物病原性の菌類、細菌類及びウイルス類を意味するものと理解される。従って、処理後ある一定の期間、上記病原体による攻撃から植物を保護するために、本発明の化合物を用いることができる。それらの保護が達成される期間は、植物が該活性化合物で処理されてから、一般に、1〜28日間、好ましくは、1〜14日間、特に好ましくは、1〜7日間である。
【0246】
植物病害を防除するために必要とされる濃度の該活性化合物に対して、植物は充分な耐性を有しているという事実により、植物の地上部の処理、栄養繁殖器官(vegetative propagation material)及び種子の処理、並びに、土壌の処理が可能である。
【0247】
これに関連して、本発明の活性化合物は、穀類の病害を防除するために、例えば、プッシニア属各種(Puccinnia species)に対して使用して、並びに、ブドウ栽培及び果実生産及び野菜生産における病害を防除するために、例えば、ボトリチス属各種(Botrytis species)、ベンツリア属各種(Venturia species)又はアルテルナリア属各種(Alternaria species)に対して使用して、特に良好な結果を得ることができる。
【0248】
本発明の活性化合物は、さらにまた、収穫量を増大させるのにも適している。さらに、本発明の活性化合物は、毒性が低く、植物も充分な耐性を示す。
【0249】
適切な場合には、本発明の活性化合物は、特定の濃度及び施用量において、除草剤として使用することもできるし、植物の生長に影響を及ぼすために使用することもできるし、また、害虫(animal pest)を防除するために使用することもできる。適切な場合には、それらは、さらに、別の活性化合物を合成するための中間体及び前駆物質として使用することもできる。
【0250】
本発明に従って、全ての植物及び植物の部分を処理することができる。本発明に関連して、植物というのは、望ましい及び望ましくない野生植物又は作物植物(自然発生した作物植物を包含する)のような全ての植物及び植物群を意味するものと理解される。作物植物は、慣習的な育種法及び最適化法により、又は、生物工学的方法及び遺伝子工学的方法により、又は、それら方法を組み合わせたものにより得ることが可能な植物であることができる。そのような作物植物には、トランスジェニック植物や、植物育種家の権利により保護することができるか又は保護できない植物品種などが包含される。植物の部分は、植物の地上及び地下の全ての部分及び全ての器官、例えば、枝条、葉、花及び根などを意味するものと理解され、挙げることができる例は、葉、針状葉、茎、幹、花、果実体(fruiting body)、果実及び種子などであり、また、根、塊茎及び根茎なども挙げることができる。植物の部分には、さらに、収穫物(harvested material)、並びに、栄養繁殖器官及び生殖繁殖器官(vegetative and generative propagation material)、例えば、挿木(cutting)、塊茎、根茎、接ぎ穂(slip)及び種子なども包含される。
【0251】
上記活性化合物を用いた植物及び植物の部分の本発明による処理は、慣習的な処理方法で、例えば、浸漬、噴霧、気化、煙霧、ばらまき(broadcasting)若しくは塗布(painting on)により、直接的に行うか、又は、植物若しくは植物の部分の周囲、生息環境若しくは貯蔵場所に作用させることにより行い、また、繁殖器官(propagation material)の場合、特に種子の場合は、さらに、1層以上のコーティングを施すことにより行う。
【0252】
材料物質の保護においては、望ましくない微生物による攻撃及び破壊から工業材料を保護するするために、本発明の化合物を用いることができる。
【0253】
本発明に関連して、工業材料とは、工業技術において使用するために製造された非生体材料を意味するものと理解される。例えば、本発明の活性化合物で微生物による変形又は破壊から保護することが意図されている工業材料は、接着剤、サイズ、紙及び板紙、織物、皮革、木材、塗料及びプラスチック製品、冷却用潤滑油、並びに、微生物によって攻撃又は破壊され得る別の材料などであり得る。微生物の増殖により悪影響を受け得る製造プラントの部品、例えば、冷却水循環路なども、保護すべき材料の範囲内のものとして挙げることができる。本発明の目的に関連して挙げることができる工業材料は、接着剤、サイズ、紙及び板紙、皮革、木材、塗料、冷却用潤滑油及び熱媒液であり、特に好ましくは、木材である。
【0254】
工業材料を劣化又は変性させることができる微生物として挙げることができるものは、例えば、細菌、菌類、酵母、藻類及び粘菌(slime organism)などである。本発明の活性化合物は、好ましくは、菌類、特に、カビ、材木を脱色及び破壊する菌類(担子菌類(Basidiomycetes))、並びに、粘菌(slime organism)及び藻類に対して活性を示す。
【0255】
以下の属の微生物を例として挙げることができる:
アルテルナリア(Alternaria)、例えば、アルテルナリア・テヌイス(Alternaria tenuis);
アスペルギルス(Aspergillus)、例えば、アスペルギルス・ニゲル(Aspergillus niger);
カエトミウム(Chaetomium)、例えば、カエトミウム・グロボスム(Chaetomium globosum);
コニオホラ(Coniophora)、例えば、コニオホラ・プエタナ(Coniophora puetana);
レンチヌス(Lentinus)、例えば、レンチヌス・チグリヌス(Lentinus tigrinus);
ペニシリウム(Penicillium)、例えば、ペニシリウム・グラウクム(Penicillium glaucum);
ポリポルス(Polyporus)、例えば、ポリポルス・ベルシコロル(Polyporus versicolor);
アウレオバシジウム(Aureobasidium)、例えば、アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans);
スクレロホマ(Sclerophoma)、例えば、スクレロホマ・ピチオフィラ(Sclerophoma pityophila);
トリコデルマ(Trichoderma)、例えば、トリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride);
エシェリキア(Escherichia)、例えば、エシェリキア・コリ(Escherichia coli);
シュードモナス(Pseudomonas)、例えば、シュードモナス・アエルギノサ(Pseudomonas aeruginosa);
スタフィロコッカス(Staphylococcus)、例えば、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)。
【0256】
本発明の活性化合物は、それらのそれぞれの物理的及び/又は化学的特性に応じて、慣習的な製剤、例えば、溶液剤、エマルション剤、懸濁液剤、粉末剤、泡剤、ペースト剤、粒剤、エーロゾル剤及びポリマー物質中の微細カプセル剤、並びに、種使用のコーティング組成物、並びに、ULV冷煙霧用製剤及びULV温煙霧用製剤などに変換することができる。
【0257】
これらの製剤は、既知方法で、例えば、場合により界面活性剤(即ち、乳化剤及び/又は分散剤及び/又は泡形成剤)を使用して、該活性化合物を増量剤(即ち、液体溶媒、加圧下の液化ガス及び/又は固体担体)と混合させることにより製造する。使用する増量剤が水である場合、例えば有機溶媒を補助溶媒として使用することもできる。適する液体溶媒は、本質的に、芳香族化合物、例えば、キシレン、トルエン若しくはアルキルナフタレン類、塩素化芳香族化合物又は塩素化脂肪族炭化水素、例えば、クロロベンゼン類、クロロエチレン類若しくは塩化メチレン、脂肪族炭化水素、例えば、シクロヘキサン若しくはパラフィン類、例えば、鉱油留分、アルコール類、例えば、ブタノール若しくはグリコール、及びそれらのエーテル及びエステル、ケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン若しくはシクロヘキサノン、強極性溶媒、例えば、ジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシドなどであり、さらに、水も適している。液化ガス増量剤又は担体は、周囲温度及び大気圧下では気体である液体、例えば、エーロゾル噴射剤、例えば、ハロゲン化炭化水素類、さらに、ブタン、プロパン、窒素及び二酸化炭素などである。固体担体としては、例えば、粉砕された天然鉱物、例えば、カオリン、クレー、タルク、チョーク、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイト又は珪藻土、並びに、粉砕された合成鉱物、例えば、微粉砕されたシリカ、アルミナ及びシリケートなどが適している。粒剤用の固体担体としては、例えば、粉砕及び分別された天然岩石、例えば、方解石、軽石、大理石、海泡石及び苦灰岩、さらに、無機粗挽き粉及び有機粗挽き粉からなる合成顆粒、並びに、有機材料(例えば、おがくず、ココナッツの殻、トウモロコシの穂軸及びタバコの茎など)からなる顆粒などが適している。乳化剤及び/又は泡形成剤としては、例えば、非イオン性及びアニオン性の乳化剤、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル類、例えば、アルキルアリールポリグリコールエーテル類、アルキルスルホネート類、アルキルスルフェート類、アリールスルホネート類、及び、タンパク質加水分解産物などが適している。分散剤としては、例えば、リグノスルファイト廃液及びメチルセルロースなどが適している。
【0258】
上記製剤において、粘着付与剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、並びに、粉末又は顆粒又はラテックスの形態にある天然ポリマー及び合成ポリマー、例えば、アラビアゴム、ポリビニルアルコール及びポリ酢酸ビニル、並びに、天然リン脂質、例えば、セファリン及びレシチン、並びに、合成リン脂質などを使用することができる。使用することが可能な別の添加剤は、鉱油及び植物油である。
【0259】
着色剤、例えば、無機顔料、例えば、酸化鉄、酸化チタン及びPrussian Blue、並びに、有機染料、例えば、アリザリン染料、アゾ染料及び金属フタロシアニン染料、並びに、微量栄養素、例えば、鉄塩、マンガン塩、ホウ素塩、銅塩、コバルト塩、モリブデン塩及び亜鉛塩などを使用することができる。
【0260】
上記製剤は、一般に、0.1〜95重量%の活性化合物、好ましくは、0.5〜90重量%の活性化合物を含有する。
【0261】
本発明の活性化合物は、該活性化合物自体として、又は、その製剤において、既知の殺菌剤、殺細菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤又は殺虫剤との混合物として使用することも可能であり、それにより、例えば、活性スペクトルを拡大したり、又は、抵抗性の発達を防止したりすることができる。多くの場合、相乗効果が得られる。即ち、該混合物の活性は、個々の成分の活性よりも大きい。
【0262】
混合物における共成分の例は、以下の化合物である:
殺菌剤
(1) 核酸合成阻害薬: 例えば、ベナラキシル、ベナラキシル−M、ブピリメート、クロジラコン、ジメチリモール、エチリモール、フララキシル、ヒメキサゾール、メフェノキサム、メタラキシル、メタラキシル−M、オフラセ、オキサジキシル、オキソリン酸;
(2) 有糸分裂及び細胞分裂の阻害薬: 例えば、ベノミル、カルベンダジム、ジエトフェンカルブ、エタボキサム、フベリダゾール、ペンシクロン、チアベンダゾール、チオファネート−メチル、ゾキサミド;
(3) 呼吸阻害薬(呼吸鎖の阻害薬)
(3.1) 呼吸鎖の複合体Iに作用する阻害薬: 例えば、ジフルメトリム;
(3.2) 呼吸鎖の複合体IIに作用する阻害薬: 例えば、ボスカリド/ニコビフェン、カルボキシン、フェンフラム、フルトラニル、フラメトピル、フルメシクロックス、メプロニル、オキシカルボキシン、ペンチオピラド、チフルザミド;
(3.3) 呼吸鎖の複合体IIIに作用する阻害薬: 例えば、アミスルブロム、アゾキシストロビン、シアゾファミド、ジモキシストロビン、エネストロビン(enestrobin)、ファモキサドン、フェンアミドン、フルオキサストロビン、クレソキシム−メチル、メトミノストロビン、オリサストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン、トリフロキシストロビン;
(4) 脱共役剤: 例えば、ジノカップ、フルアジナム、メプチルジノカップ(meptyldinocap);
(5) ATP産生阻害薬: 例えば、酢酸トリフェニルスズ、塩化トリフェニルスズ、水酸化トリフェニルスズ、シルチオファム;
(6) アミノ酸及びタンパク質の生合成阻害薬: 例えば、アンドプリム(andoprim)、ブラストサイジン−S、シプロジニル、カスガマイシン、カスガマイシン塩酸塩水和物、メパニピリム、ピリメタニル;
(7) シグナル伝達阻害薬: 例えば、フェンピクロニル、フルジオキソニル、キノキシフェン;
(8) 脂質及び膜の合成阻害薬: 例えば、ビフェニル、クロゾリネート、エジフェンホス、ヨードカルブ(iodocarb)、イプロベンホス、イプロジオン、イソプロチオラン、プロシミドン、プロパモカルブ、プロパモカルブ塩酸塩、ピラゾホス、トルクロホス−メチル、ビンクロゾリン;
(9) エルゴステロール生合成阻害薬: 例えば、アルジモルフ、アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジクロブトラゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、ジニコナゾール−M、ドデモルフ、酢酸ドデモルフ、エポキシコナゾール、エタコナゾール、フェナリモール、フェンブコナゾール、フェンヘキサミド、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フルキンコナゾール、フルルプリミドール、フルシラゾール、フルトリアホール、フルコナゾール、フルコナゾール−シス、ヘキサコナゾール、イマザリル、硫酸イマザリル、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ナフチフィン、ヌアリモール、オキシポコナゾール、パクロブトラゾール、ペフラゾエート、ペンコナゾール、プロクロラズ、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、ピリブチカルブ、ピリフェノックス、シメコナゾール、スピロキサミン、テブコナゾール、テルビナフィン、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリデモルフ、トリフルミゾール、トリホリン、トリチコナゾール、ウニコナゾール、ビニコナゾール、ボリコナゾール;
(10) 細胞壁合成阻害薬: 例えば、ベンチアバリカルブ、ジメトモルフ、フルモルフ(flumorph)、イプロバリカルブ、ポリオキシン、ポリオキソリム、バリダマイシンA;
(11) メラニン生合成阻害薬: 例えば、カルプロパミド、ジクロシメット、フェノキサニル、フタリド、ピロキロン、トリシクラゾール;
(12) 抵抗性誘導物質: 例えば、アシベンゾラル−S−メチル、プロベナゾール、チアジニル;
(13) 多部位に作用する化合物: 例えば、ボルドー液、カプタホール、キャプタン、クロロタロニル、ナフテン酸銅、酸化銅、塩基性塩化銅、銅剤、例えば、水酸化銅、硫酸銅、ジクロフルアニド、ジチアノン、ドジン、ドジン遊離塩基、ファーバム、フルオロホルペット、ホルペット、グアザチン、酢酸グアザチン、イミノクタジン、イミノクタジンアルベシル酸塩、イミノクタジン三酢酸塩、マンカッパー、マンゼブ、マンネブ、メチラム、メチラム亜鉛(metiram zinc)、オキシン銅、プロピネブ、硫黄及び硫黄剤、例えば、多硫化カルシウム、チウラム、トリルフルアニド、ジネブ、ジラム;
(14) 以下のリストから選択される化合物: N−メチル−(2E)−2−(2−{[6−(3−クロロ−2−メチルフェノキシ)−5−フルオロピリミジン−4−イル]オキシ}フェニル)−2−(メトキシイミノ)アセトアミド、N−メチル−(2E)−2−{2−[({[(1E)−1−(3−{[(E)−1−フルオロ−2−フェニルビニル]オキシ}フェニル)エチリデン]アミノ}オキシ)メチル]フェニル}−2−(メトキシイミノ)アセトアミド、1−(4−クロロフェニル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)シクロヘプタノール、1−[(4−メトキシフェノキシ)メチル]−2,2−ジメチルプロピル−1H−イミダゾール−1−カルボキシレート、2−(4−クロロフェニル)−N−{2−[3−メトキシ−4−(プロプ−2−イン−1−イルオキシ)フェニル]エチル}−2−(プロプ−2−イン−1−イルオキシ)アセトアミド、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)ピリジン、2−ブトキシ−6−ヨード−3−プロピル−4H−クロメン−4−オン、2−クロロ−N−(1,1,3−トリメチル−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−4−イル)ニコチンアミド、2−フェニルフェノール及びその塩、3,4,5−トリクロロピリジン−2,6−ジカルボニトリル、3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)イソチアゾール−5−カルボキサミド、3−[5−(4−クロロフェニル)−2,3−ジメチルイソオキサゾリジン−3−イル]ピリジン、5−クロロ−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−N−[(1R)−1,2,2−トリメチルプロピル][1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−アミン、5−クロロ−7−(4−メチルピペリジン−1−イル)−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、5−クロロ−N−[(1R)−1,2−ジメチルプロピル]−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−アミン、8−ヒドロキシキノリンスルフェート、ベンチアゾール、ベトキサジン、カプシマイシン(capsimycin)、カルボン、キノメチオネート、クフラネブ、シフルフェナミド、シモキサニル、ダゾメット、デバカルブ(debacarb)、ジクロロフェン、ジクロメジン、ジクロラン、ジフェンゾコート、ジフェンゾコートメチル硫酸塩、ジフェニルアミン、フェリムゾン、フルメトベル、フルオピコリド、フルオルイミド、フルスルファミド、ホセチル−アルミニウム、ホセチル−カルシウム、ホセチル−ナトリウム、ヘキサクロロベンゼン、イルママイシン、メタスルホカルブ、(2−クロロ−5−{(1E)−N−[(6−メチルピリジン−2−イル)メトキシ]エタンイミドイル}ベンジル)カルバミン酸メチル、(2E)−2−{2−[({シクロプロピル[(4−メトキシフェニル)イミノ]メチル}チオ)メチル]フェニル}−3−メトキシアクリル酸メチル、1−(2,2−ジメチル−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−1H−イミダゾール−5−カルボン酸メチル、3−(4−クロロフェニル)−3−{[N−(イソプロポキシカルボニル)バリル]アミノ}プロパン酸メチル、イソチオシアン酸メチル、メトラフェノン、ミルディオマイシン、N−(3’,4’−ジクロロ−5−フルオロビフェニル−2−イル)−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、N−(3−エチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシル)−3−(ホルミルアミノ)−2−ヒドロキシベンズアミド、N−(4−クロロ−2−ニトロフェニル)−N−エチル−4−メチルベンゼンスルホンアミド、N−[(5−ブロモ−3−クロロピリジン−2−イル)メチル]−2,4−ジクロロニコチンアミド、N−[1−(5−ブロモ−3−クロロピリジン−2−イル)エチル]−2,4−ジクロロニコチンアミド、N−[1−(5−ブロモ−3−クロロピリジン−2−イル)エチル]−2−フルオロ−4−ヨードニコチンアミド、N−[2−(4−{[3−(4−クロロフェニル)プロプ−2−イン−1−イル]オキシ}−3−メトキシフェニル)エチル]−N−(メチルスルホニル)バリンアミド、N−{(Z)−[(シクロプロピルメトキシ)イミノ][6−(ジフルオロメトキシ)−2,3−ジフルオロフェニル]メチル}−2−フェニルアセトアミド、N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]エチル}−2−(トリフルオロメチル)ベンズアミド、ナタマイシン、ジメチルジチオカルバミン酸ニッケル、ニトロタル−イソプロピル、O−{1−[(4−メトキシフェノキシ)メチル]−2,2−ジメチルプロピル} 1H−イミダゾール−1−カルボチオエート、オクチリノン、オキサモカルブ(oxamocarb)、オキシフェンチイン(oxyfenthiin)、ペンタクロロフェノール及び塩、リン酸及びその塩、ピペラリン、プロパモカルブホセチレート(propamocarb fosetylate)、プロパノシン−ナトリウム(propanosine−sodium)、プロキナジド、ピロールニトリン、キントゼン、テクロフタラム、テクナゼン、トリアゾキシド、トリクラミド、ザリラミド。
【0263】
殺細菌剤
ブロノポール、ジクロロフェン、ニトラピリン、ジメチルジチオカルバミン酸ニッケル、カスガマイシン、オクチリノン、フランカルボン酸、オキシテトラサイクリン、プロベナゾール、ストレプトマイシン、テクロフタラム、硫酸銅及び別の銅剤。
【0264】
殺虫剤/殺ダニ剤/殺線虫剤
1. アセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害薬
1.1 カーバメート系(例えば、アラニカルブ、アルジカルブ、アルドキシカルブ、アリキシカルブ、アミノカルブ、アザメチホス、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、ブフェンカルブ、ブタカルブ、ブトカルボキシム、ブトキシカルボキシム、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、クロエトカルブ、クマホス、シアノフェンホス、シアノホス、ジメチラン、エチオフェンカルブ、フェノブカルブ、フェノチオカルブ、ホルメタネート、フラチオカルブ、イソプロカルブ、メタム−ナトリウム、メチオカルブ、メソミル、メトルカルブ、オキサミル、ピリミカーブ、プロメカルブ、プロポクスル、チオジカルブ、チオファノックス、トリアザメート、トリメタカルブ、XMC、キシリルカルブ);
1.2 有機リン酸エステル系(例えば、アセフェート、アザメチホス、アジンホス(−メチル,−エチル)、ブロモホス−エチル、ブロムフェンビンホス(−メチル)、ブタチオホス、カズサホス、カルボフェノチオン、クロルエトキシホス、クロルフェンビンホス、クロルメホス、クロルピリホス(−メチル/−エチル)、クマホス、シアノフェンホス、シアノホス、クロルフェンビンホス、ジメトン−S−メチル、ジメトン−S−メチルスルホン、ジアリホス、ダイアジノン、ジクロフェンチオン、ジクロルボス/DDVP、ジクロトホス、ジメトエート、ジメチルビンホス、ジオキサベンゾホス、ダイスルホトン、EPN、エチオン、エトプロホス、エトリムホス、ファムフール、フェナミホス、フェニトロチオン、フェンスルホチオン、フェンチオン、フルピラゾホス、ホノホス、ホルモチオン、ホスメチラン、ホスチアゼート、ヘプテノホス、ヨードフェンホス、イプロベンホス、イサゾホス、イソフェンホス、O−サリチル酸イソプロピル、イソキサチオン、マラチオン、メカルバム、メタクリホス、メタミドホス、メチダチオン、メビンホス、モノクロトホス、ナレド、オメトエート、オキシジメトン−メチル、パラチオン(−メチル/−エチル)、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホスホカルブ、ホキシム、ピリミホス(−メチル/−エチル)、プロフェノホス、プロパホス、プロペタムホス、プロチオホス、プロトエート、ピラクロホス、ピリダフェンチオン、ピリダチオン(pyridathion)、キナルホス、セブホス(sebufos)、スルホテップ、スルプロホス、テブピリムホス、テメホス、テルブホス、テトラクロロビンホス、チオメトン、トリアゾホス、トリクロルホン、バミドチオン);
2. ナトリウムチャンネルモジュレーター/電位依存性ナトリウムチャンネル遮断薬
2.1 ピレスロイド系(例えば、アクリナトリン、アレスリン(d−シス−トランス,d−トランス)、ベータ−シフルトリン、ビフェントリン、ビオアレスリン、ビオアレスリン−S−シクロペンチル異性体、ビオエタノメトリン(bioethanomethrin)、ビオペルメトリン、ビオレスメトリン、クロバポルトリン(chlovaporthrin)、シス−シペルメトリン、シス−レスメトリン、シス−ペルメトリン、クロシトリン(clocythrin)、シクロプロトリン、シフルトリン、シハロトリン、シペルメトリン(アルファ−,ベータ−,シータ−,ゼータ−)、シフェノトリン、DDT、デルタメトリン、エムペントリン(1R異性体)、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンフルトリン(fenfluthrin)、フェンプロパトリン、フェンピリトリン、フェンバレレート、フルブロシトリネート(flubrocythrinate)、フルシトリネート、フルフェンプロックス、フルメトリン、フルバリネート、フブフェンプロックス(fubfenprox)、ガンマ−シハロトリン、イミプロトリン、カデトリン、ラムダ−シハロトリン、メトフルトリン、ペルメトリン(シス−,トランス−)、フェノトリン(1Rトランス異性体)、プラレトリン、プロフルトリン、プロトリフェンブト(protrifenbute)、ピレスメトリン、レスメトリン、RU 15525、シラフルオフェン、タウ−フルバリネート、テフルトリン、テラレトリン、テトラメトリン(1R異性体)、トラロメトリン、トランスフルトリン、ZXI 8901、ピレトリン類(除虫菊(pyrethrum)));
2.2 オキサジアジン系(例えば、インドキサカルブ);
3. アセチルコリン受容体作動薬/拮抗薬
3.1 クロロニコチニル系/ネオニコチノイド系(例えば、アセタミプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、ニテンピラム、ニチアジン、チアクロプリド、チアメトキサム);
3.2 ニコチン、ベンスルタップ、カルタップ;
4. アセチルコリン受容体モジュレーター
4.1 スピノシン系(例えば、スピノサド);
5. GABA制御塩化物チャンネル拮抗薬
5.1 シクロジエン有機塩素系(例えば、カンフェクロル、クロルダン、エンドスルファン、ガンマ−HCH、HCH、ヘプタクロル、リンダン、メトキシクロル);
5.2 フィプロール系(例えば、アセトプロール、エチプロール、フィプロニル、バニリプロール);
6. 塩化物チャンネル活性化剤
6.1 メクチン系(例えば、アバメクチン、アベルメクチン、エマメクチン、エマメクチン安息香酸塩、イベルメクチン、ミルベメクチン、ミルベマイシン);
7. 幼若ホルモンミメティクス
(例えば、ジオフェノラン、エポフェノナン、フェノキシカルブ、ハイドロプレン、キノプレン、メトプレン、ピリプロキシフェン、トリプレン(triprene));
8. エクジソン作動薬/ディスラプター
8.1 ジアシルヒドラジン系(例えば、クロマフェノジド、ハロフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド);
9. キチン生合成阻害薬
9.1 ベンゾイル尿素系(例えば、ビストリフルロン、クロルフルアズロン、ジフルベンズロン、フルアズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、ノビフルムロン、ペンフルロン(penfluron)、テフルベンズロン、トリフルムロン);
9.2 ブプロフェジン;
9.3 シロマジン;
10. 酸化的リン酸化阻害薬、ATPディスラプター
10.1 ジアフェンチウロン;
10.2 有機スズ系(例えば、アゾシクロチン、シヘキサチン、酸化フェンブタスズ);
11. H−プロトン勾配を遮断することによる酸化的リン酸化のアンカップラー
11.1 ピロール系(例えば、クロルフェナピル);
11.2 ジニトロフェノール系(例えば、ビナパクリル、ジノブトン、ジノカップ、DNOC);
12. Site−I 電子伝達阻害薬
12.1 METI系(例えば、フェナザキン、フェンピロキシメート、ピリミジフェン、ピリダベン、テブフェンピラド、トルフェンピラド);
12.2 ヒドラメチルノン;
12.3 ジコホル;
13. Site−II 電子伝達阻害薬
13.1 ロテノン;
14. Site−III 電子伝達阻害薬
14.1 アセキノシル、フルアクリピリム;
15. 昆虫消化管膜の微生物ディスラプター
バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)株
16. 脂肪合成阻害薬
16.1 テトロン酸系(例えば、スピロジクロフェン、スピロメシフェン);
16.2 テトラミン酸系[例えば、3−(2,5−ジメチルフェニル)−8−メトキシ−2−オキソ−1−アザスピロ[4.5]デク−3−エン−4−イルエチルカルボナート(以下の名称でも知られている:炭酸,3−(2,5−ジメチルフェニル)−8−メトキシ−2−オキソ−1−アザスピロ[4.5]デク−3−エン−4−イルエチルエステル、CAS Reg.No.:382608−10−8)、及び、炭酸,シス−3−(2,5−ジメチルフェニル)−8−メトキシ−2−オキソ−1−アザスピロ[4.5]デク−3−エン−4−イルエチルエステル(CAS Reg.No.:203313−25−1)];
17. カルボキサミド系
(例えば、フロニカミド);
18. オクトパミン作用薬
(例えば、アミトラズ);
19. マグネシウム刺激ATPアーゼの阻害薬
(例えば、プロパルギット);
20. リアノジン受容体作用薬
20.1 安息香酸ジカルボキサミド系[例えば、N−[1,1−ジメチル−2−(メチルスルホニル)エチル]−3−ヨード−N−[2−メチル−4−[1,2,2,2−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]フェニル]−1,2−ベンゼンジカルボキサミド(CAS−Reg.No.:272451−65−7)、フルベンジアミド]
20.2 アントラニルアミド系(例えば、DPX E2Y45=3−ブロモ−N−{4−クロロ−2−メチル−6−[(メチルアミノ)−カルボニル]フェニル}−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド);
21. ネライストキシン類似体
(例えば、チオシクラムシュウ酸水素塩(thiocyclam hydrogen oxalate)、チオスルタップナトリウム(thiosultap sodium));
22. 生物学的薬剤、ホルモン又はフェロモン
(例えば、アザジラクチン、バシルス属種(Bacillus spec.)、ベアウベリア属種(Beauveria spec.)、コドレモン(codlemone)、メタリジウム属種(Metarrhizium spec.)、パエシロマイセス属種(Paecilomyces spec.)、チューリンギエンシン(thuringiensin)、ベルチシリウム属種(Verticillium spec.));
23. 作用機序が知られていないか又は特定されていない活性化合物
23.1 燻蒸剤(例えば、リン化アルミニウム、臭化メチル、フッ化スルフリル);
23.2 選択的摂食阻害薬(例えば、氷晶石(cryolite)、フロニカミド、ピメトロジン);
23.3 ダニ成長阻害薬(例えば、クロフェンテジン、エトキサゾール、ヘキシチアゾクス);
23.4 アミドフルメト、ベンクロチアズ、ベンゾキシメート、ビフェナゼート、ブロモプロピレート、ブプロフェジン、キノメチオネート、クロルジメホルム、クロロベンジレート、クロロピクリン、クロチアゾベン(clothiazoben)、シクロプレン(cycloprene)、シフルメトフェン、ジシクラニル、フェノキサクリム、フェントリファニル(fentrifanil)、フルベンジミン、フルフェネリム、フルテンジン(flutenzin)、ゴシプルレ(gossyplure)、ヒドラメチルノン、ジャポニルレ(japonilure)、メトキサジアゾン、石油、ピペロニルブトキシド、オレイン酸カリウム、ピラフルプロール、ピリダリル、ピリプロール、スルフルラミド、テトラジホン、テトラスル、トリアラセン、ベルブチン(verbutin)、さらに、化合物「プロピルカルバミン酸3−メチルフェニル」(ツマサイドZ)、化合物「3−(5−クロロ−3−ピリジニル)−8−(2,2,2−トリフルオロエチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボニトリル」(CAS Reg.No.185982−80−3)及び対応する3−エンド異性体(CAS Reg.No.185984−60−5)(cf. WO 96/37494、WO 98/25923)、並びに、殺虫活性を有する植物抽出物、線虫類、菌類又はウイルス類を含んでいる調製物。
【0265】
除草剤などの別の既知活性化合物との混合物、又は、肥料及び生長調節剤、薬害軽減剤若しくは情報化学物質との混合物も可能である。
【0266】
さらに、本発明の式(I)で表される化合物は、極めて優れた抗真菌活性も有している。それらは、非常に広い抗真菌活性スペクトルを有しており、特に、皮膚糸状菌、並びに、発芽している糸状菌、カビ及び二相性菌類に対して(例えば、カンジダ類(Candida species)、例えば、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・グラブラタ(Candida glabrata)に対して)、並びに、エピデルモフィトン・フロコスム(Epidermophyton floccosum)、アスペルギルス類(Aspergillus species)、例えば、アスペルギルス・ニゲル(Aspergillus niger)及びアスペルギルス・フミガツス(Aspergillus fumigatus)、トリコフィトン類(Trichophyton species)、例えば、トリコフィトン・メンタグロフィテス(Trichophyton mentagrophytes)、ミクロスポロン類(Microsporon species)、例えば、ミクロスポロン・カニス(Microsporon canis)及びミクロスポロン・アウドウイニイ(Microsporon audouinii)などに対して、非常に広い抗真菌活性スペクトルを有している。これら菌類のリストは、決してその防除可能な真菌のスペクトルを限定するものではなく、例示のためにのみ提供されている。
【0267】
本発明の活性化合物は、そのままでも使用することができるし、その製剤の形態又はそれから調製される使用形態、例えば、即時使用可能な(ready−to−use)溶液剤、懸濁液剤、水和剤、ペースト剤、可溶性粉末剤、粉剤及び顆粒剤などの形態でも使用することができる。それらは、慣習的な方法で、例えば、流し込み(pouring)、散布、噴霧、ばらまき(broadcasting)、散粉、泡状散布(foaming)、塗布(painting on)などにより施用する。さらに、本発明の活性化合物は、微量散布法(ultra−low−volume method)により施用することも可能であり、又は、該活性化合物の調製物若しくは活性化合物自体を土壌に注入することも可能である。植物の種子を処理することも可能である。
【0268】
本発明の活性化合物を殺菌剤として使用する場合、その施用量は、施用のタイプに応じて、実質的な範囲内でさまざまであり得る。植物の部分への処理においては、該活性化合物の施用量は、一般に、0.1〜10000g/ha、好ましくは、10〜1000g/haである。種子の処理に関しては、該活性化合物の施用量は、一般に、種子1kg当たり0.001〜50g、好ましくは、種子1kg当たり0.01〜10gである。土壌の処理に関しては、該活性化合物の施用量は、一般に、0.1〜10000g/ha、好ましくは、1〜5000g/haである。
【0269】
既に上記で述べたように、本発明に従って、全ての植物及びその部分を処理することができる。好ましい実施形態では、野生で見られる植物種及び植物品種及びそれらの部分、又は、交雑育種若しくはプロトプラスト融合のような慣習的な生物学的育種法により得られた植物種及び植物品種及びそれらの部分を処理する。好ましいさらに別の実施形態では、適切な場合には慣習的な方法と組み合わせた、組み換え法により得られたトランスジェニック植物及び植物品種(遺伝子組換え生物(genetically modified organisms))及びそれらの部分を処理する。用語「部分(parts)」又は「植物の部分(parts of plants)」又は「植物の部分(plant parts)」については、上記で説明した。
【0270】
特に好ましくは、いずれの場合も市販されているか又は使用されている植物品種の植物を本発明により処理する。植物品種は、慣習的な栽培により得られたか、突然変異誘発により得られたか、又は、組換えDNA技術により得られた、新しい特性(「形質」)を有している植物を意味するものと理解される。それらは、栽培品種、品種、生物型又は遺伝子型であり得る。
【0271】
植物種又は植物品種、それらの生育場所及び生育条件(土壌、気候、生育期、養分)に応じて、本発明により処理したときに相加効果を超える効果(「相乗効果」)が得られることもあり得る。従って、例えば、施用量の低減、及び/又は、活性スペクトルの拡大、及び/又は、本発明により使用可能な物質及び組成物の活性の増大、植物のより良好な生育、より発達した根系、植物品種の抵抗性の向上、地上部(shoot)の生育の増大、植物の活力の向上、高温又は低温に対する耐性の向上、渇水又は水中若しくは土壌中の塩分に対する耐性の向上、開花能力の向上、収穫の容易性の向上、成熟の促進、収穫量の増加、より大きな果実、植物の大きさの増大、葉の色の緑化の向上、より早い開花、収穫された生産物の品質の向上及び/又は栄養価の増加、果実における糖度の増大、収穫された生産物の貯蔵安定性の向上及び/又は加工性の向上などが可能であり、これらは、実際に予期された効果を超えるものである。
【0272】
本発明により処理するのが好ましいトランスジェニック植物又は植物品種(即ち、遺伝子工学により得られた植物品種)には、特に有利で有益な特性(「形質」)を植物に付与する遺伝物質を遺伝子修飾の結果として受け取った全ての植物が包含される。そのような特性の例は、植物のより良好な生育、高温又は低温に対する向上した耐性、渇水又は水中若しくは土壌中の塩分に対する向上した耐性、向上した開花能力、向上した収穫の容易性、促進された成熟、増加した収穫量、収穫された生産物の向上した品質及び/又は向上した栄養価、収穫された生産物の向上した貯蔵安定性及び/又は向上した加工性などである。そのような特性の特に強調すべきさらなる例は、害虫(animal pest)及び有害な微生物(microbial pest)に対する植物の向上した防御力、例えば、昆虫類、ダニ類、植物病原性菌類、細菌類及び/又はウイルス類に対する植物の向上した防御力である。また、特定の除草活性化合物に対する植物の向上した耐性も特に強調すべき例である。挙げることができるトランスジェニック植物の例は、重要な作物植物、例えば、禾穀類(コムギ、イネ)、トウモロコシ、ダイズ、ジャガイモ、ワタ、タバコ、ナタネ、及び、果実植物(果実のリンゴ、ナシ、柑橘類及びブドウを有する植物)などであり、トウモロコシ、ダイズ、ジャガイモ、ワタ、タバコ及びナタネは特に重要である。特に重要な形質は、植物体内で形成された毒素の結果としての植物の昆虫類、クモ形類動物、線虫類、ナメクジ類及びカタツムリ類に対する向上した防御力であり、特に、バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)に由来する遺伝物質(例えば、遺伝子CryIA(a)、CryIA(b)、CryIA(c)、CryIIA、CryIIIA、CryIIIB2、Cry9c、Cry2Ab、Cry3Bb及びCryIF並びにそれらの組合せ)によって植物体内で形成された毒素の結果としての植物の昆虫類、クモ形類動物、線虫類、ナメクジ類及びカタツムリ類に対する向上した防御力である(以下、「Bt植物」と称する)。同様に特に重要な形質は、全身獲得抵抗性(SAR)、システミン(systemin)、フィトアレキシン、エリシター、並びに、抵抗性遺伝子及び対応して発現されるタンパク質及び毒素による、植物の菌類、細菌類及びウイルス類に対する向上した防御力である。さらに特に重要な形質は、特定の除草活性化合物(例えば、イミダゾリノン系、スルホニル尿素系、グリホセート又はホスフィノトリシンなど)に対する植物の向上した耐性である(例えば、「PAT」遺伝子)。望ましい該形質を付与する遺伝子は、トランスジェニック植物体内において、相互に組み合わせて存在させることも可能である。挙げることができる「Bt植物」の例は、トウモロコシ品種、ワタ品種、ダイズ品種及びジャガイモ品種であり、これらは、YIELD GARD(登録商標)(例えば、トウモロコシ、ワタ、ダイズ)、KnockOut(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、StarLink(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、Bollgard(登録商標)(ワタ)、Nucoton(登録商標)(ワタ)、及び、NewLeaf(登録商標)(ジャガイモ)の商品名で販売されている。挙げることができる除草剤耐性植物の例は、トウモロコシ品種、ワタ品種及びダイズ品種であり、これらは、Roundup Ready(登録商標)(グリホセートに対する耐性、例えば、トウモロコシ、ワタ、ダイズ)、Liberty Link(登録商標)(ホスフィノトリシンに対する耐性、例えば、ナタネ)、IMI(登録商標)(イミダゾリノン系に対する耐性)、及び、STS(登録商標)(スルホニル尿素系に対する耐性、例えば、トウモロコシ)の商品名で販売されている。挙げることができる除草剤抵抗性植物(除草剤耐性に関して慣習的な方法で品種改良された植物)には、さらに、Clearfield(登録商標)(例えば、トウモロコシ)の名称で販売されている品種などがある。もちろん、ここで述べたことは、これらの遺伝形質を有するか又はこれから開発される遺伝形質を有し、将来において開発及び/又は販売される植物品種にも適用される。
【0273】
上記で挙げた植物は、一般式(I)で表される化合物又は本発明による活性化合物混合物を用いて、本発明により、特に有利に処理することができる。該活性化合物又は混合物について上記で述べた好ましい範囲は、これらの植物の処理にも同様に適用される。特に重要なのは、本明細書内で具体的に言及されている化合物又は混合物による植物の処理である。
【0274】
本発明の活性化合物の調製及び使用について、下記実施例によって例示する。
【実施例】
【0275】
調製実施例
実施例1
【0276】
【化22】

【0277】
0.08mL(0.88mmol)の塩化オキサリルを、5mLのジクロロメタン及び30μLのジメチルホルムアミド中の155.3mg(0.8mmol)の1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸からなる懸濁液に添加する。その反応混合物を室温で2時間撹拌し、次いで、5mLのジクロロメタン中の210.6mg(0.8mmol)の2’−アミノ−3,5’−ジフルオロビフェニル−4−カルボン酸メチルと0.16mL(1.1mmol)のトリエチルアミンからなる溶液を、滴下して加える。その反応混合物を室温で16時間撹拌し、4mLの水の中に入れる。有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に濃縮する。これにより、308mg(0.7mmol、理論値の87%)3,5’−ジフルオロ−2’−({[1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−イル]カルボニル}アミノ)ビフェニル−4−カルボン酸メチル(logP(pH2.3)2.64)が得られる。
【0278】
実施例1と同様にして、また、本発明の調製方法についての一般的な記述に従って、下記表1に記載されている式(I)の化合物を得ることができる。
【0279】
【表1】



【0280】
式(III)で表される出発物質の調製
実施例(III−1)
【0281】
【化23】

【0282】
不活性ガス(アルゴン)雰囲気下、4.5mLの飽和炭酸ナトリウム溶液及び0.1g(0.1mmol)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を、5mLのトルエンと0.5mLのエタノール中の0.9g(4.8mmol)の2−ブロモ−4−フルオロアニリン及び1.0g(5.1mmol)の[3−フルオロ−4−(メトキシカルボニル)フェニル]ボロン酸からなる懸濁液に添加する。その反応混合物を80℃で16時間撹拌し、次いで、10mLの水に注ぎ入れ、20mLのトルエンで抽出する。有機相を合して硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮する。カラムクロマトグラフィー(勾配 シクロヘキサン/酢酸エチル)に付すことにより、0.5g(1.76mmol、理論値の37%)の2’−アミノ−3,5’−ジフルオロビフェニル−4−カルボン酸メチル[logP(pH2.3)2.73]が得られる。
【0283】
実施例(III−1)と同様にして、また、本発明の調製方法についての一般的な記述に従って、下記表2に記載されている式(III)の化合物を得ることができる。
【0284】
【表2】

【0285】
上記表及び調製実施例に記載されているlogP値は、EEC Directive 79/831 Annex V.A8に従い、逆相カラム(C18)でのHPLC(高性能液体クロマトグラフィー)により測定する。温度:43℃。
【0286】
酸性範囲での測定は、pH2.3で、移動相として0.1%水性リン酸及びアセトニトリル(10%アセトニトリルから90%アセトニトリルまでの直線勾配)を用いて実施する。
【0287】
校正は、logP値が知られている非分枝鎖アルカン−2−オン(炭素原子数3〜16)を用いて行う(logP値は、連続する2種類のアルカノンの間の線形補間を用いて、保持時間により決定)。
【0288】
ラムダマックス値は、200nm〜400nmの紫外線スペクトルを用いて、クロマトグラフシグナルの最大値で決定した。
【0289】
使用実施例
実施例A
ベンツリア(Venturia)試験(リンゴ)/保護
溶媒: 24.5重量部のアセトン
24.5重量部のジメチルアセトアミド
乳化剤: 1重量部のアルキルアリールポリグリコールエーテル
活性化合物の適切な調製物を調製するために、1重量部の活性化合物を上記量の溶媒及び乳化剤と混合し、得られた濃厚物を水で希釈して、所望の濃度とする。
【0290】
保護活性について試験するために、幼植物に、活性化合物の該調製物を記載されている施用量で噴霧する。噴霧による被膜が乾燥した後、該植物に、リンゴ黒星病の病原菌であるベンツリア・イナエクアリス(Venturia inaequalis)の分生子の水性懸濁液を用いて接種し、次いで、その植物を、約20℃で相対大気湿度100%のインキュベーション室内に1日間維持する。次いで、その植物を、約21℃で相対大気湿度約90%の温室内に置く。
【0291】
評価は、上記接種の10日後に行う。0%は、対照に相当する効力を意味し、100%の効力は、感染が観察されないことを意味する。
【0292】
【表3】


【0293】
実施例B
ボトリチス(Botrytis)試験(インゲンマメ)/保護
溶媒: 24.5重量部のアセトン
24.5重量部のジメチルアセトアミド
乳化剤: 1重量部のアルキルアリールポリグリコールエーテル
活性化合物の適切な調製物を調製するために、1重量部の活性化合物を上記量の溶媒及び乳化剤と混合し、得られた濃厚物を水で希釈して、所望の濃度とする。
【0294】
保護活性について試験するために、幼植物に、活性化合物の該調製物を記載されている施用量で噴霧する。噴霧による被膜が乾燥した後、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)がコロニーを形成している寒天の小片2個を各葉の上に置く。その接種された植物を、約20℃で相対大気湿度100%の暗室内に置く。
【0295】
上記接種の2日後、当該葉の表面の感染部分の寸法について評価する。0%は、対照に相当する効力を意味し、100%の効力は、感染が観察されないことを意味する。
【0296】
【表4】


【0297】
実施例C
ウロミセス(Uromyces)試験(インゲンマメ)/保護
溶媒: 24.5重量部のアセトン
24.5重量部のジメチルアセトアミド
乳化剤: 1重量部のアルキルアリールポリグリコールエーテル
活性化合物の適切な調製物を調製するために、1重量部の活性化合物を上記量の溶媒及び乳化剤と混合し、得られた濃厚物を水で希釈して、所望の濃度とする。
【0298】
保護活性について試験するために、幼植物に、活性化合物の該調製物を記載されている施用量で噴霧する。噴霧による被膜が乾燥した後、該植物に、インゲン豆さび病の病原菌であるウロミセス・アペンジクラツス(Uromyces appendiculatus)の胞子の水性懸濁液を用いて接種し、次いで、その植物を、約20℃で相対大気湿度100%のインキュベーション室内に1日間維持する。次いで、その植物を、約21℃で相対大気湿度約90%の温室内に置く。
【0299】
評価は、上記接種の10日後に行う。0%は、対照に相当する効力を意味し、100%の効力は、感染が観察されないことを意味する。
【0300】
【表5】




【0301】
実施例D
プッシニア(Puccinia)試験(コムギ)/保護
溶媒: 50重量部のN,N−ジメチルアセトアミド
乳化剤: 1重量部のアルキルアリールポリグリコールエーテル
活性化合物の適切な調製物を調製するために、1重量部の活性化合物を上記量の溶媒及び乳化剤と混合し、得られた濃厚物を水で希釈して、所望の濃度とする。
【0302】
保護活性について試験するために、幼植物に、活性化合物の該調製物を記載されている施用量で噴霧する。噴霧による被膜が乾燥した後、該植物に、プッシニア・レコンジタ(Puccinia recondita)の分生子の懸濁液を噴霧する。その植物を、20℃で相対大気湿度100%のインキュベーション室内に48時間維持する。
【0303】
次いで、その植物を、約20℃の温度で相対大気湿度80%の温室内に置いて、さび病によるいぼ状突起(pustule)の発生を促進する。
【0304】
評価は、上記接種の10日後に行う。0%は、対照に相当する効力を意味し、100%の効力は、感染が観察されないことを意味する。
【0305】
【表6】





【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

[式中、
は、水素、C−C−アルキル、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル若しくはC−C−シクロアルキルを表し;又は、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−ハロアルキルスルフィニル、C−C−ハロアルキルスルホニル、ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル若しくはC−C−ハロシクロアルキル(ここで、これらは、いずれの場合も、1〜9個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表し;又は、ホルミル、ホルミル−C−C−アルキル、(C−C−アルキル)カルボニル−C−C−アルキル若しくは(C−C−アルコキシ)カルボニル−C−C−アルキルを表し;又は、ハロ−(C−C−アルキル)カルボニル−C−C−アルキル若しくはハロ−(C−C−アルコキシ)カルボニル−C−C−アルキル(ここで、これらは、いずれの場合も、1〜13個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表し;又は、(C−C−アルキル)カルボニル、(C−C−アルコキシ)カルボニル、(C−C−アルキルチオ)カルボニル、(C−C−アルコキシ−C−C−アルキル)カルボニル、(C−C−アルケニルオキシ)カルボニル、(C−C−アルキニルオキシ)カルボニル若しくは(C−C−シクロアルキル)カルボニルを表し;又は、(C−C−ハロアルキル)カルボニル、(C−C−ハロアルコキシ)カルボニル、(C−C−ハロアルキルチオ)カルボニル、(ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル)カルボニル、(C−C−ハロアルケニルオキシ)カルボニル、(C−C−ハロアルキニルオキシ)カルボニル若しくは(C−C−ハロシクロアルキル)カルボニル(ここで、これらは、いずれの場合も、1〜9個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表し;又は、−CH−C≡C−R1−A、−CH−CH=CH−R1−A、−CH=C=CH−R1−A、−C(=O)C(=O)R、−CONR若しくは−CHNRを表し;
1−Aは、水素、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、(C−C−アルコキシ)カルボニル、(C−C−アルケニルオキシ)カルボニル、(C−C−アルキニルオキシ)カルボニル又はシアノを表し;
は、水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル若しくはC−C−シクロアルキルを表し;又は、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル若しくはC−C−ハロシクロアルキル(ここで、これらは、いずれの場合も、1〜9個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表し;
及びRは、互いに独立して、それぞれ、水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル若しくはC−C−シクロアルキルを表し;又は、C−C−ハロアルキル、ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル若しくはC−C−ハロシクロアルキル(ここで、これらは、いずれの場合も、1〜9個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表し;
とRは、さらにまた、それらが結合している窒素原子と一緒になって、飽和ヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、ハロゲン及びC−C−アルキルからなる群から選択される同一である又は異なっている置換基で場合により1置換又は多置換されていてもよく、また、該ヘテロ環は、5〜8個の環原子を有していて、酸素、硫黄及びNRからなる群から選択される1個又は2個の隣接していないさらなるヘテロ原子を含み得る。)も形成し;
及びRは、互いに独立して、水素、C−C−アルキル若しくはC−C−シクロアルキルを表し;又は、C−C−ハロアルキル若しくはC−C−ハロシクロアルキル(ここで、これらは、いずれの場合も、1〜9個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表し;
とRは、さらにまた、これらが結合している窒素原子と一緒になって、飽和ヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、ハロゲン及びC−C−アルキルからなる群から選択される同一である又は異なっている置換基で場合により1置換又は多置換されていてもよく、また、該ヘテロ環は、5〜8個の環原子を有していて、酸素、硫黄及びNRからなる群から選択される1個又は2個の隣接していないさらなるヘテロ原子を含み得る。)も形成し;
は、水素又はC−C−アルキルを表し;
は、水素又はフッ素を表し;
は、−SO11、−SONR1213、−C(=X)R14、−NR1213又は−CH−NR1213を表し;
10は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、メチル又はトリフルオロメチルを表し;
11は、C−C−アルキルを表し、又は、1〜13個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表し;
mは、1又は2を表し;
12は、水素、C−C−アルキル又は−C(=X)R14を表し;
13は、水素、C−C−アルキル又は−C(=X)R14を表し;
12とR13は、さらにまた、これらが結合している窒素原子と一緒になって、飽和ヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、ハロゲン及びC−C−アルキルからなる群から選択される同一である又は異なっている置換基で場合により1置換又は多置換されていてもよく、また、該ヘテロ環は、5〜8個の環原子を有していて、酸素、硫黄及びNRからなる群から選択される1個又は2個の隣接していないさらなるヘテロ原子を含み得る。)も形成し;
Xは、O(酸素)又はS(硫黄)を表し;
14は、水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ又は−NR1617を表し;
15は、水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−アルキルチオ−C−C−アルキル又はC−C−ハロアルキルを表し(ここで、3つのラジカルR15は、それぞれ、同一であっても又は異なっていてもよい。);
16は、水素又はC−C−アルキルを表し;
17は、水素又はC−C−アルキルを表し;
16とR17は、さらにまた、これらが結合している窒素原子と一緒になって、飽和ヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、ハロゲン及びC−C−アルキルからなる群から選択される同一である又は異なっている置換基で場合により1置換又は多置換されていてもよく、また、該ヘテロ環は、5〜8個の環原子を有していて、酸素、硫黄及びNRからなる群から選択される1個又は2個の隣接していないさらなるヘテロ原子を含み得る。)も形成し;
Aは、下記ラジカルA1からラジカルA19
【化2】

のうちの1つを表し;
18は、水素、シアノ、ハロゲン、ニトロ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ若しくはC−C−シクロアルキルを表し、又は、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルコキシ若しくはC−C−ハロアルキルチオ(ここで、これらは、いずれの場合も1〜5個のハロゲン原子を有している。)を表し、又は、アミノカルボニル若しくはアミノカルボニル−C−C−アルキルを表し;
19は、水素、ハロゲン、シアノ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ又はC−C−アルキルチオを表し;
20は、水素、C−C−アルキル、ヒドロキシ−C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルキルチオ−C−C−アルキル若しくはC−C−アルコキシ−C−C−アルキルを表し、又は、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルキルチオ−C−C−アルキル若しくはC−C−ハロアルコキシ−C−C−アルキル(ここで、これらは、いずれの場合も1〜5個のハロゲン原子を有している。)を表し、又は、フェニルを表し;
21及びR22は、互いに独立して、水素、ハロゲン若しくはC−C−アルキルを表し、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表し;
23は、ハロゲン、シアノ若しくはC−C−アルキルを表し、又は、C−C−ハロアルキル若しくはC−C−ハロアルコキシ(ここで、これらは、いずれの場合も1〜5個のハロゲン原子を有している。)を表し;
24及びR25は、互いに独立して、水素、ハロゲン若しくはC−C−アルキルを表し、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表し;
26は、水素、ハロゲン若しくはC−C−アルキルを表し、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表し;
27は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ若しくはC−C−アルキルを表し、又は、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルコキシ若しくはC−C−ハロアルキルチオ(ここで、これらは、いずれの場合も1〜5個のハロゲン原子を有している。)を表し;
28は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ若しくはC−C−アルキルチオを表し、又は、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルキルチオ若しくはC−C−ハロアルコキシ(ここで、これらは、いずれの場合も1〜5個のハロゲン原子を有している。)を表し;
29は、水素、ハロゲン、シアノ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ若しくはC−C−アルキルチオを表し、又は、C−C−ハロアルキル若しくはC−C−ハロアルコキシ(ここで、これらは、いずれの場合も1〜5個のハロゲン原子を有している。)を表し、又は、C−C−アルキルスルフィニル若しくはC−C−アルキルスルホニルを表し;
30は、C−C−アルキルを表し、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表し;
31は、C−C−アルキルを表し;
は、S(硫黄)、SO、SO又はCHを表し;
pは、0、1又は2を表し(ここで、pが2を表す場合、R22は、同一のラジカルを表す又は異なったラジカルを表す。);
32は、C−C−アルキルを表し、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表し;
33は、C−C−アルキルを表し、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表し;
34及びR35は、互いに独立して、水素、ハロゲン、アミノ若しくはC−C−アルキルを表し、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表し;
36は、水素、ハロゲン若しくはC−C−アルキルを表し、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表し;
37及びR38は、互いに独立して、水素、ハロゲン、アミノ、ニトロ若しくはC−C−アルキルを表し、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表し;
39は、水素、ハロゲン若しくはC−C−アルキルを表し、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表し;
40は、水素、ハロゲン、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−(C−C−アルキル)アミノ、シアノ若しくはC−C−アルキルを表し、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表し;
41は、ハロゲン若しくはC−C−アルキルを表し、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表し;
42は、水素、ハロゲン、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−(C−C−アルキル)アミノ、シアノ若しくはC−C−アルキルを表し、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表し;
43は、ハロゲン若しくはC−C−アルキルを表し、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表し;
44は、ハロゲン若しくはC−C−アルキルを表し、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表し;
45は、水素又はC−C−アルキルを表し;
46は、ハロゲン又はC−C−アルキルを表し;
47は、C−C−アルキルを表し、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表し;
48は、水素、ハロゲン若しくはC−C−アルキルを表し、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表し;
49は、ハロゲン、ヒドロキシ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ若しくはC−C−アルキルチオを表し、又は、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルキルチオ若しくはC−C−ハロアルコキシ(ここで、これらは、いずれの場合も1〜5個のハロゲン原子を有している。)を表し;
50は、C−C−アルキルを表し;
51は、水素、シアノ若しくはC−C−アルキルを表し、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表し、又は、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、ヒドロキシ−C−C−アルキル、C−C−アルキルスルホニル、ジ(C−C−アルキル)アミノスルホニル若しくはC−C−アルキルカルボニルを表し、又は、いずれの場合も場合により置換されていてもよい、フェニルスルホニル若しくはベンゾイルを表し;
52は、水素、ハロゲン若しくはC−C−アルキルを表し、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表し;
53は、水素、ハロゲン、シアノ若しくはC−C−アルキルを表し、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表し;
54は、水素、ハロゲン若しくはC−C−アルキルを表し、又は、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロアルキルを表す。]
で表されるビフェニルカルボキサミド類。
【請求項2】
請求項1に記載の式(I)で表されるビフェニルカルボキサミド類を調製する方法であって、
(a) 式(II)
【化3】

[式中、
Aは、請求項1で定義されているとおりであり;
は、ハロゲン又はヒドロキシルを表す。]
で表されるハロゲン化カルボニルを、適切な場合にはカップリング剤の存在下、適切な場合には酸結合剤の存在下、及び、適切な場合には希釈剤の存在下で、式(III)
【化4】

[式中、R、R、R及びR10は、請求項1で定義されているとおりである。]
で表されるアミンと反応させること;
又は、
(b) 式(I−a)
【化5】

[式中、R、R及びR10及びAは、請求項1で定義されているとおりである。]
で表されるビフェニルカルボキサミドを、塩基の存在下、及び、希釈剤の存在下で、式(IV)
【化6】

[式中、
1−Bは、C−C−アルキル、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル若しくはC−C−シクロアルキルを表し;又は、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−ハロアルキルスルフィニル、C−C−ハロアルキルスルホニル、ハロゲン−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル若しくはC−C−ハロシクロアルキル(ここで、これらは、いずれの場合も、1〜9個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表し;又は、ホルミル、ホルミル−C−C−アルキル、(C−C−アルキル)カルボニル−C−C−アルキル若しくは(C−C−アルコキシ)カルボニル−C−C−アルキルを表し;又は、ハロ−(C−C−アルキル)カルボニル−C−C−アルキル若しくはハロ−(C−C−アルコキシ)カルボニル−C−C−アルキル(ここで、これらは、いずれの場合も、1〜13個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表し;又は、(C−C−アルキル)カルボニル、(C−C−アルコキシ)カルボニル、(C−C−アルキルチオ)カルボニル、(C−C−アルコキシ−C−C−アルキル)カルボニル、(C−C−アルケニルオキシ)カルボニル、(C−C−アルキニルオキシ)カルボニル若しくは(C−C−シクロアルキル)カルボニルを表し;又は、(C−C−ハロアルキル)カルボニル、(C−C−ハロアルコキシ)カルボニル、(C−C−ハロアルキルチオ)カルボニル、(ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル)カルボニル、(C−C−ハロアルケニルオキシ)カルボニル、(C−C−ハロアルキニルオキシ)カルボニル若しくは(C−C−ハロシクロアルキル)カルボニル(ここで、これらは、いずれの場合も、1〜9個のフッ素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有している。)を表し;又は、−CH−C≡C−R1−A、−CH−CH=CH−R1−A、−CH=C=CH−R1−A、−C(=O)C(=O)R、−CONR若しくは−CHNRを表し;
1−A、R、R、R、R及びRは、請求項1で定義されているとおりであり;
Halは、塩素、臭素又はヨウ素を表す。]
で表されるハロゲン化物と反応させること;
を特徴とする、前記方法。
【請求項3】
望ましくない微生物を防除するための組成物であって、増量剤及び/又は界面活性剤に加えて請求項1に記載の式(I)で表される少なくとも1種類のビフェニルカルボキサミドを含んでいることを特徴とする、前記組成物。
【請求項4】
望ましくない微生物を防除するための、請求項1に記載の式(I)で表されるビフェニルカルボキサミドの使用。
【請求項5】
望ましくない微生物を防除する方法であって、当該微生物及び/又はそれらの生息環境に、請求項1に記載の式(I)で表されるビフェニルカルボキサミドを施用することを特徴とする、前記方法。
【請求項6】
望ましくない微生物を防除するための組成物を調製する方法であって、請求項1に記載の式(I)で表されるビフェニルカルボキサミドを増量剤及び/又は界面活性剤と混合させることを特徴とする、前記方法。
【請求項7】
種子を処理するための、請求項1に記載の式(I)で表されるビフェニルカルボキサミドの使用。
【請求項8】
トランスジェニック植物を処理するための、請求項1に記載の式(I)で表されるビフェニルカルボキサミドの使用。
【請求項9】
トランスジェニック植物の種子を処理するための、請求項1に記載の式(I)で表されるビフェニルカルボキサミドの使用。
【請求項10】
式(III−1)、式(III−2)及び式(III−3)
【化7】

で表されるアミン類。

【公表番号】特表2009−519913(P2009−519913A)
【公表日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−544817(P2008−544817)
【出願日】平成18年12月5日(2006.12.5)
【国際出願番号】PCT/EP2006/011652
【国際公開番号】WO2007/068376
【国際公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】