説明

微生物学的分析のためのサンプルを採取及び濃縮するための装置及びプロセス

本発明は微生物学的分析のための液体サンプルの採取及び濃縮のための手動装置、及びこれらそれぞれの使用方法に関する。手動装置は、サンプルを含む本体、取り外し可能な支持体、微小多孔性膜、及びプランジャを含む。本発明はまた、微生物学的分析のために、微小多孔性膜に液体サンプルを採取及び濃縮する方法も対象とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許仮出願第60/941,145号、及び同第60/941,150号(各々2007年5月31日出願)の利益を請求するものであり、各々の開示内容全体が本明細書に参照により組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
多くの国において、人による消費のための水の品質は、規則又は基準において定められるパラメーターによって決定され、これは、水が飲用に適している(即ち、人による消費のために適切である)とみなされるための、例えば有機、及び生物学的物質などの汚染物質の許容可能な限度を規定する。微生物学的基準では、大腸菌の不在又は存在の決定が基本的な分析であり、多くの目的に使用される水の衛生品質を決定する。人による消費のための食料品質もまた、いくつかの国においては、規範又は基準によって規制され、これは例えば全好気性菌、大腸菌、酵母菌、及びカビなどの微生物汚染物質の許容可能な限度を規定する。食料又は水における特定の微生物の存在は、汚染した食料又は飲料を消費する個人又は地域社会に対し、重大な健康上の危険を及ぼし得る。
【0003】
大腸菌の存在は、食料及び水の品質の重要な指標である。飲料水又は特定の食料、例えば乳製品において見出される大腸菌の許容される量は、多くの国及び/又は自治体において規制されている。大腸菌は、グラム陰性、オキシダーゼ陰性、条件的好気性菌であり、これは芽胞を形成せず、胆汁塩又はテンソアクティブ剤(tensoactive agents)の存在下で増殖することができ、ラクトースを発酵させて酸、ガス及びアルデヒドを生成する。大腸菌群の中には、糞便性大腸菌という特定の群が存在し、その主要な代表例がエシェリキア・コライである。サンプル内の糞便性大腸菌の存在は、サンプル水の最近の糞便汚染、及び可能な病原菌の存在の、主な指標である。
【0004】
水サンプル中の微生物を数えるための方法は、例えば、概論「水及び廃水の試験に関する標準法(Standard method for examination of water and wastewater)(SMEWW)」、21版に見出すことができ、これは、米国公衆衛生協会(the American Public Health Association)、米国水道協会(the American Water Works Association)及び水環境連盟(the Water Environment Federation)により共同刊行されている。SMEWWは、大量の水を含むサンプル中の微生物を直接的に数えるための、膜濾過技法を記載する。この技法は、再現可能であり、特定の炭水化物を含む肉汁培地の複数の管内での発酵を伴う別の手順よりも、一般的に速く計算結果を出すことができる。膜濾過技法は、飲料水を生成することを意図されたプロセスからのサンプル、加えて様々な天然の未処理水源からのサンプルの微生物学的質を観察するために有用である。
【0005】
食料サンプル中の微生物を数えるための方法は、食料の特性、及びサンプル中に見られる傾向のある有機体の種類によって異なることが多い。食料サンプルを試験するための方法のいくつかの概論には、ワシントンDCの米国公衆衛生協会(the American Public Health Association)によって刊行されている「乳製品の試験のための標準法(Standard Methods for the Examination of Dairy Products)」、27版、ワシントンDCの米国食品薬品管理局(U.S. Food and Drug Administration)によって刊行されている細菌学的分析マニュアル(Bacteriological Analytical Manual)(「BAM」)、及びマサチューセッツ州バーリントン(Burlington)のエルゼビア(Elsevier)社によって刊行されている、「エンサイクロペディア・オブ・フード・マイクロバイオロジー(The Encyclopedia of Food Microbiology)」が挙げられる。固体の食料は多くの場合、標準法緩衝液(Standard Methods Buffer)などの水性媒体中で懸濁され、混合及び/又は粉砕されて、食品材料の液体ホモジネートが得られる。液体ホモジネートは、食料サンプル及びその菌叢の比較的均一な懸濁液を提供し、このホモジネートは定量的な微生物分析のいくつかの方法に有用である。
【0006】
野外で採取される水サンプル中の微生物の濃縮を促進するために、装置及びプロセスが開発されてきた。典型的に、これらのサンプルは微生物学研究室に移送され、ここで、これらはサンプル中に存在していた微生物の数及び同一性を決定するために分析され得る。米国特許第4,871,662号に記載される1つのこのような装置は、安定剤を含み、野外実験場から実験室へと装置を移送する間の微生物の生存能力を維持する。
【0007】
ミリポアコーポレーション(Millipore Corporation)(マサチューセッツ州ビルリカ(Billerica))は、商標名SWINNEX(登録商標)でフィルターホルダーを市販している。微小多孔性の膜が、SWINNEXフィルターホルダーの内側に配置されてよく、殺菌の後に、装置は注射器又は管に接続されて、溶液にフィルターを通過させ、溶液の消毒又は殺菌効果をもたらすことができる。ミリポアコーポレーション(Millipore Corporation)はまた、容量測定のしるしを備えるハウジング、多孔性フィルター支持体を備える基部、ハウジングを基部に取り付けるためのバネクランプからなる、ガラスフィルターホルダーも製造している。ガラスフィルターホルダーは、液体サンプルから、細菌を含む粒子状物質を除去するために、無菌微小多孔性膜フィルターと共に使用される。フィルターホルダーは真空源に接続されて、膜フィルターを通じて液体サンプルを引き出す。
【0008】
現在入手可能な水サンプルの微生物学的分析のための装置は、一般的に高価であり、分析のための様々な段階、及び高度な実験室用基盤設備、加えて物質を取り扱うための高度な訓練を受けた作業者を必要とする。
【0009】
現在入手可能な装置のいくつかは、真空ポンプ及び/又は複雑な濾過装置を使用して操作され、それらのいくつかはサンプル中の微生物を濃縮するためのマニホールド及び/又は2つ以上のフィルターを伴う。これらの装置は、操作の複雑さ及び長さを助長し、分析を行うための訓練された作業者が対応可能であることを必要とし、結果的に費用の増大をもたらす。更に、装置のいくつかは、1つの場所又は容器から別の場所又は容器への、1度以上のサンプル移送を必要とし、これは元のサンプル中に存在しない微生物による、サンプルの汚染の危険を高める。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第4,871,662号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、液体サンプルの採取及び濃縮を単一の工程で実行することを可能にする、単純化された装置に対する技術的な必要性が存在する。更に、効果的で、単純で、経済的なプロセスでの液体サンプルの獲得及び濾過を提供する装置に対する技術的な必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は微生物学的分析のための液体サンプルの採取及び処理のための装置及びキットに関する。本発明はまた、上述の手動の装置及びキットを使用した、微生物学的分析のための液体サンプルの採取及び濃縮のためのプロセスにも関する。
【0013】
一態様では、本発明は、微生物学的分析のためのサンプルの採取及び濃縮のための装置を提供する。これらの実施形態では、装置は、本体内の、本質的な防水フィットをもたらすような寸法のプランジャと、流路に微小多孔性膜を位置付けるように構成された取り外し可能な支持体と、チャンバ壁、及び取り外し可能な支持体に取り付けられるように構成された基部を含む本体とを含む。取り外し可能な支持体は、多孔性支持構造体及び排出管を含む。これらの実施形態では、本体、多孔性支持構造体、及び排出管が、液体サンプルのための流路を画定する。これらの実施形態では、装置は、所定容量の液体サンプルを保持するように構成され、これは流路に微小多孔性膜を位置付けるように構成された取り外し可能な支持体によって、少なくとも部分的に境界される。
【0014】
別の態様では、本発明は、微生物学的分析のためのサンプルを採取及び濃縮するための装置を提供する。これらの実施形態では、装置は、本体内の、本質的な防水フィットをもたらすような寸法のプランジャと、微小多孔性膜と、流路に微小多孔性膜を位置付けるように構成された取り外し可能な支持体と、チャンバ壁、及び取り外し可能な支持体に取り付けられるように構成された基部を含む本体とを含む。取り外し可能な支持体は、多孔性支持構造体及び排出管を含む。これらの実施形態では、本体、微小多孔性膜、多孔性支持構造体、及び排出管が、液体サンプルのための流路を画定する。これらの実施形態では、装置は、所定容量の液体サンプルを保持するように構成され、これは流路に微小多孔性膜を位置付けるように構成された取り外し可能な支持体によって少なくとも部分的に境界される。
【0015】
別の態様では、本発明は、微生物学的分析のためのサンプルを採取及び濃縮するための装置を提供する。これらの実施形態では、装置は、本体内の、本質的な防水フィットをもたらすような寸法のプランジャと、微小多孔性膜と、流路に微小多孔性膜を位置付けるように構成された取り外し可能な支持体と、チャンバ壁、及び取り外し可能な支持体に取り付けられるように構成された基部を含む本体とを含む。取り外し可能な支持体は、多孔性支持構造体及び排出管を含む。これらの実施形態では、本体、微小多孔性膜、多孔性支持構造体、及び排出管が、液体サンプルのための流路を画定する。これらの実施形態では、装置は、所定容量の液体サンプルを保持するように構成され、これは流路に微小多孔性膜を位置付けるように構成された取り外し可能な支持体によって少なくとも部分的に境界され、充填線しるしによって更に画定される。
【0016】
別の態様では、本発明は、微生物学的分析のためのサンプルを採取及び濃縮するための装置を提供する。これらの実施形態では、装置は、本体内の、本質的な防水フィットをもたらすような寸法のプランジャと、流路に微小多孔性膜を位置付けるように構成された取り外し可能な支持体と、チャンバ壁、取り外し可能な支持体に取り付けられるように構成された基部、プランジャ開口部、及びサンプル取り込みポートを含む本体とを含む。取り外し可能な支持体は、多孔性支持構造体及び排出管を含む。これらの実施形態では、サンプル取り込みポート、本体、多孔性支持構造体、及び排出管が液体サンプルのための流路を画定し、装置は、所定容量の液体サンプルを保持するように構成される。
【0017】
別の態様では、本発明は、微生物学的分析のためのサンプルを採取及び濃縮するための装置を提供する。これらの実施形態では、装置は、本体内の、本質的な防水フィットをもたらすような寸法のプランジャと、流路に微小多孔性膜を位置付けるように構成された取り外し可能な支持体と、バルブと、チャンバ壁、取り外し可能な支持体に取り付けられるように構成された基部、プランジャ開口部、及びサンプル取り込みポートを含む本体とを含む。取り外し可能な支持体は、多孔性支持構造体及び排出管を含む。これらの実施形態では、バルブ、サンプル取り込みポート、本体、多孔性支持構造体、及び排出管が液体サンプルのための流路を画定し、装置は、所定容量の液体サンプルを保持するように構成される。
【0018】
別の態様では、本発明は、微生物学的分析のためのサンプルを採取及び濃縮するための装置を提供する。これらの実施形態では、装置は、本体内の、本質的な防水フィットをもたらすような寸法のプランジャと、微小多孔性膜と、流路に微小多孔性膜を位置付けるように構成された取り外し可能な支持体と、バルブと、チャンバ壁、取り外し可能な支持体に取り付けられるように構成された基部、プランジャ開口部、及びサンプル取り込みポートを含む本体とを含む。取り外し可能な支持体は、多孔性支持構造体及び排出管を含む。これらの実施形態では、バルブ、サンプル取り込みポート、本体、微小多孔性膜、多孔性支持構造体、及び排出管が液体サンプルのための流路を画定し、装置は、所定容量の液体サンプルを保持するように構成される。
【0019】
別の態様では、本発明は、微生物学的分析のための液体サンプルを採取及び濃縮するためのプロセスを提供し、このプロセスは、分析される液体サンプルを準備する工程と、微生物学的分析のためのサンプルを採取及び濃縮するための装置を準備する工程と、液体サンプルを中間的なサンプルコレクターを使用せずに装置の内部に移送する工程と、プランジャに力を適用して、微小多孔性膜を通して液体サンプルを推進させる工程とを含む。これらの実施形態では、装置は、本体内の、本質的な防水フィットをもたらすような寸法のプランジャと、微小多孔性膜と、流路に微小多孔性膜を位置付けるように構成された取り外し可能な支持体と、チャンバ壁、及び取り外し可能な支持体に取り付けられるように構成された基部を含む本体とを含む。取り外し可能な支持体は、多孔性支持構造体及び排出管を含む。これらの実施形態では、本体、微小多孔性膜、多孔性支持構造体、及び排出管が、液体サンプルのための流路を画定する。これらの実施形態では、装置は、所定容量の液体サンプルを保持するように構成され、これは流路に微小多孔性膜を位置付けるように構成された取り外し可能な支持体によって少なくとも部分的に境界される。
【0020】
別の実施形態では、本発明は、分析される液体サンプルを準備する工程と、微生物学的分析のためのサンプルを採取及び濃縮するための装置を準備する工程と、液体サンプルを装置に移送する工程と、プランジャを使用して、微小多孔性膜を通して液体サンプルを推進させる工程と、膜を装置から取り除く工程と、膜を培地に設置する工程と、培地をインキュベートする工程と、培地の微生物のコロニーの数を数える工程とを含む、サンプル中の微生物を数えるためのプロセスを提供する。これらの実施形態では、装置は、本体内の、本質的な防水フィットをもたらすような寸法のプランジャと、微小多孔性膜と、流路に微小多孔性膜を位置付けるように構成された取り外し可能な支持体と、チャンバ壁、及び取り外し可能な支持体に取り付けられるように構成された基部を含む本体とを含む。取り外し可能な支持体は、多孔性支持構造体及び排出管を含む。これらの実施形態では、本体、微小多孔性膜、多孔性支持構造体、及び排出管が、液体サンプルのための流路を画定する。これらの実施形態では、装置は、所定容量の液体サンプルを保持するように構成され、これは流路に微小多孔性膜を位置付けるように構成された取り外し可能な支持体によって少なくとも部分的に境界される。
【0021】
「好ましい」及び「好ましくは」という語は、特定の状況下で特定の利点をもたらし得る本発明の実施形態を指す。しかしながら、同じ又は他の状況において、他の実施形態も好まれる可能性がある。更に、1つ以上の好ましい実施形態の詳細説明は、他の実施形態が有用でないことを示すものではなく、本発明の範囲内から他の実施形態を排除することを意図するものではない。
【0022】
用語「含む」及びこの変形は、これらの用語が現れる説明及び請求項において制限する意味を持たない。
【0023】
特定されるか、ないしは他の方法で制限されない限り、用語「結合される」、「取り付けられる」、「接続される」及びこれらの変形は幅広く使用され、直接的、及び間接的な結合の両方を含む。更に、用語「結合された」は、物理的、又は機械的な結合に限定されない。本明細書で使用するとき、用語「摺動自在に結合される」とは、結合される間に、互いに対して移動することのできる、2つ以上の結合された物体を表すために使用される。
【0024】
本明細書で使用するとき、「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」、「少なくとも1つの」及び「1つ以上の」は、同じ意味で使用される。したがって、例えば、「1つの(a)」バルブ機構を含む装置は、「1つ以上の」バルブ機構を含む装置を意味するものとして解釈され得る。
【0025】
用語「及び/又は」は、列挙した要素の1つ又はすべて、あるいは列挙した要素の任意の2つ以上の組み合わせを意味する。
【0026】
また本明細書において、端点による数の範囲の列挙には、その範囲内に包含される全ての数(例えば1〜5には、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5、など)が包含される。
【0027】
上述の本発明の「課題を解決するための手段」は、本発明の各開示される実施形態を記載することを意図するものではない。以下の説明により、例示的な実施形態をより具体的に例示する。本出願のいくつかの箇所で、実施例の一覧により説明を提供するが、実施例はさまざまな組み合わせにて使用することが可能である。いずれの場合にも、記載した一覧は、代表的な群としてのみ役立つものであり、排他的な一覧として解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本発明は、以下に列挙される添付図を参照して更に説明されており、いくつかの図面中で、類似構造は、類似番号で参照される。
【図1A】代表的な実施形態の分解平面図。
【図1B】代表的な実施形態の分解平面図。
【図2】サンプル取り込みポートを備えた代表的な装置の斜視分解図。
【図3A】サンプル取り込みポート及び充填線しるしを備える代表的な装置の本体の前額面図。
【図3B】図3Aの代表的な装置の本体の長手方向断面図。
【図3C】図3Aの代表的な装置の本体の斜視図。
【図3D】図3Cの代表的な装置の基部の斜視図。
【図4A】図1の代表的な装置の取り外し可能な支持体の前額面図。
【図4B】図1の代表的な装置の取り外し可能な支持体の長手方向断面図。
【図4C】図1の代表的な装置の取り外し可能な支持体の上部斜視図。
【図4D】図1の代表的な装置の取り外し可能な支持体の斜視図。
【図4E】取り外し可能な支持体を備える別の代表的な実施形態の長手方向断面図。
【図4F】図1の代表的な装置の取り外し可能な支持体の下部斜視図。
【図5】図1の代表的な装置のプランジャの斜視図。
【図6A】サンプル取り込みのために位置付けられたバルブ機構を備える、代表的な装置の長手方向断面図。
【図6B】サンプル濾過及び濾液排出のために位置付けられたバルブ機構を備える、図6Aの代表的な装置の長手方向断面図。
【図7A】プランジャに組み込まれた多孔性支持構造体及び出口ポートを備える代表的な装置の分解平面図。
【図7B】図7Aの装置の別の実施形態の分解平面図。
【図8】一体化された図7Aの多孔性支持構造体及び出口ポートを備える、プランジャの長手方向断面図。
【図9】本体に摺動自在に結合され得るプランジャを備える、装置の一実施形態の斜視分解図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、微生物学的分析のために、例えば水、又は他の液体飲料などの液体サンプル、及び食料などの固体サンプルの本質的に均質な液体懸濁液を、採取及び濃縮するための装置を含む。これらの設計、可搬性、及び操作する際の単純さのために、この装置は、ユーザーが電気、真空ポンプ、又は液体サンプルを処理するために典型的に使用される他の付属品の利用が制限されているか、又は不可能であり得る実験室外環境における使用に特に好適である。本発明はまた、本発明の装置を使用する、液体サンプルの採取及び処理の方法も含む。
【0030】
図1A及び図1Bは、代表的な装置(10)の構成要素部分の分解図を図示する。装置(10)は、中空の細長い本体(20)を含み、これは取り外し可能な支持体(30)に取り付けられる。プランジャ(40)は、本体(20)の内部にフィットし、これを通して長手方向に移動するように、成形され、調整される。その上に微小多孔性の濾過膜(50)が設置され得る、取り外し可能な支持体(30)は、本体(20)に取り外し可能に取り付けられる。プランジャ(40)の下端部には、シールリング(60)が存在する。本体(20)の下端部には、シールガスケット(70)が存在する。シールリング(60)及びシールガスケット(70)は、装置(10)を封止された状態に保ってその使用中の漏れを防ぎ、適切な場合、エラストマー材料、例えば、アドバンスト・エラストマー・システムズ(Advanced Elastomer Systems)(米国オハイオ州アクロン(Akron)を本拠地とする)により商標名サントプレン(Santoprene)(商標)で市販される熱可塑性エラストマー;グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニー(GOODYEAR TIRE & RUBBER CO.)(米国オハイオ州アクロン(Akron)を本拠地とする)により商標名ケミガム(CHEMIGUM)(商標)で市販され、ブナNとしても知られる、アクリルニトリル及びブタジエンコポリマー;又はダウ・コーニング(DOW CORNING)(米国ミシガン州ミッドランド(Midland)を本拠地とする)によって市販されるゴムなどのシリコンゴムから製造され得る。
【0031】
ある実施形態では、図1Aに図示されるプレフィルター(90)は、微小多孔性膜(50)に関して、流路の上流である位置で、装置(10)内に位置付けられ得る。微小多孔性膜(50)は、多孔性であり、例えば、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、セルロースエステル、及びアセテートから作製されるべきである。適切な膜は、3M社(米国ミネソタ州セントポール(St. Paul)を本拠地とする)により、特に、商標名ゼータポール(Zetapor)、スターアシュア(SterASSURE)、バイオアシュア(BioASSURE)で製造される。微小多孔性膜(50)は、いくつかの標準的な大きさ及び多孔率で入手可能である。一般的に、微小多孔性膜は、サンプル材料と適合するものが選択される。例えば、サンプルは微小多孔性膜を著しく劣化させるべきではなく、微小多孔性膜は、分析される微生物の回復に著しく影響する抗菌性化学物質又は界面活性剤を含有するべきではない。微小多孔性膜(50)の多孔率は、分析される液体サンプル及び微生物に合わせて選択されるべきである。好ましくは、微小多孔性膜(50)は、1.0μm以下の多孔率を有する。より好ましくは、微小多孔性膜(50)は、約0.45μmの多孔率を有する。
【0032】
図2は、装置(10)の、別の組み立てられていない実施形態を例示しており、本体(20)がキャップ(23)を更に含む。ある実施形態では、キャップ(23)は、本体(20)に取り外し可能に取り付けられる。プランジャ(40)は、ハンドル(42)及び下方基部(46)を含む。この実施形態では、いずれかの下方基部(46)が取り外し可能にプランジャロッド(45)に取り付けられる。組立中、プランジャロッドが、プランジャ開口部(21)を通って本体(20)の内部へと入る間、プランジャ(40)の下方基部(46)は取り外すことができる。その後、下方基部(46)を、本体(20)の内側でプランジャロッド(45)に取り付けることができる。微小多孔性膜(図示されない)は、使用のために装置(10)を組み立てる間に本体(20)に取り付けられる、取り外し可能な支持体(30)の内部に設置され得る。この実施形態では、プランジャ(40)のハンドル(42)は、本体(20)の外側に位置する。例示される実施形態では、プランジャ開口部(21)は、プランジャロッド(45)の形状を補完するように成形される。図2では「X」の形状で図示されるが、開口部(21)の形状は、円形、矩形、六角形など、プランジャロッド(45)の形状を補完する任意の形状であり得る。あるいは、以下の図3B〜3Cに図示されるように、プランジャ開口部は、組み立てられたプランジャ(40)が通って本体(20)に挿入される開口部を含む。また、以下に詳細に記載されるサンプル取り込みポート(27)及び取り外し可能な支持体(30)が図2に図示される。
【0033】
図3A〜Dは、本体(20)の一実施形態の構造的詳細を図示する。本体(20)は、基部(24)に接続される、少なくとも1つのチャンバ壁(22)によって画定されるチャンバを含む。図3A〜Dにおいて、本体(20)の一端に図示されているが、取り外し可能な支持体(図3A〜Dでは図示されない)のための取り付け点として機能する基部(24)は、本体(20)に沿った他の位置に位置してもよいことに留意するべきである。いくつかの実施形態では、チャンバ壁(22)は円筒形で細長く、任意の好適な高分子材料、特に、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステルなどから作製され得る。特定の実施形態では、本体(20)のチャンバ壁(22)は、流路に微小多孔性膜(図3A〜Dでは図示されない)を位置付ける取り外し可能な支持体(30)に取り付けられた場合、液体サンプルの所定容量を画定する。図3B及び3Dに図示されるように、突出クランプ(28)及びシールリム(29)は、基部(24)の内部に位置する。シールリム(29)はチャンバ壁(22)の下端部の周囲を画定する。この実施形態では、シールリム(29)は、取り外し可能な支持体(30)及びシールガスケット(70)と共に、使用中の防水シールを形成する。
【0034】
図3A〜Cは、充填線しるし(25)を表し、これは本体(20)内における、液体の少なくとも1つの所定容量を示す。充填線しるし(25)は、チャンバ壁(22)の内側表面、外側表面、又は内側及び外側表面の両方に位置し得る。充填線しるし(25)は、例えば、チャンバ壁(22)と同じ材料の隆起部又はくぼみとして形成され得る。あるいは、例えば、充填線しるし(25)は、チャンバ壁(22)に取り付けられるか、印刷されるか、又はエッチングされることができる。ある実施形態では、本体(20)の少なくとも一部が、透明又は半透明の材料を使用して形成され、本体(20)の内部に保持される液体のメニスカスを、操作者に見えるようにする。
【0035】
図3A〜Cは、サンプル取り込みポート(27)を更に表し、これを通して液体サンプルが、装置(10)の本体(20)内に移送され得る。これらの例示される実施形態では、サンプル取り込みポート(27)は、本体(20)の基部(24)の近くに位置する。例えば図2に図示されるものなど、他の実施形態では、サンプル取り込みポート(27)は、基部(24)から遠くに配置されている本体(20)の端部の近くに位置してもよい。図2及び3A〜Cに図示されるサンプル取り込みポート(27)は、チャンバ壁(22)から外側に延びるように図示される。いくつかの実施形態(図示されない)では、サンプル取り込みポート(27)は、チャンバ壁(22)の開口部から本質的になる。サンプル取り込みポート(27)はチャンバ壁(22)と同じ材料から、かつその一体部分として、形成されてもよい。あるいは、サンプル取り込みポート(27)は、別個に形成され、続いて、チャンバ壁(22)の、適切な大きさにされて位置付けられた開口部に取り付けられてもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、サンプル取り込みポート(27)は、ホース、パイプ、管などを含み、液体サンプルが通って移送され得る通路を提供する。他の実施形態では、サンプル取り込みポート(27)は、例えば、ボールバルブ、チェックバルブ、又は栓などのバルブを更に含んで、液体の流れの速度、量、及び/若しくは方向を調節するか、又は更に液体の流れを完全に止める。ある実施形態では、サンプル取り込みポート(27)は、プレフィルターを更に含んで、サンプル材料中のより大きな粒子状物質の数を減らす。好適なプレフィルターは、例えば、分析される目標の微生物が通過することができる、適切な多孔率を有する微小多孔性膜及び/又はカートリッジフィルターを含む。
【0037】
図3B〜Cは、本体(20)の一端を図示しており、プランジャ開口部(21)が存在してもよく、ここに組み立てられたプランジャ(図示されない)が挿入され得る。本体(20)の他方の端部には、基部(24)が存在する。図3Dに図示されるように、代表的な基部(24)は、突出クランプ(28)、及び突出スロット(26)を有する。突出クランプ(28)は、本体(20)が取り外し可能な支持体(30)に固着されることを可能にする。代表的な装置(10)を組み立てるとき、図4C〜Dに図示される取り外し可能な支持体(30)の突出部(32)が、突出スロット(26)と揃えられて、これに挿入され、基部(24)又は取り外し可能な支持体(30)のいずれかが回転されて突出部(32)を、図3Cに図示される突出クランプ(28)の上に位置付けられる狭い開口部へと移動させる。
【0038】
図4A〜Dは、代表的な取り外し可能な支持体(30)の詳細を図示する。取り外し可能な支持体(30)は、装置(10)の本体(20)に、それから取り外すことができる方法で取り付けられる。取り外し可能な取り付け及び取り外しのために使用される構造又は方法は、一般的に機械的であり、例えば、針及び球、フック・アンド・ループの類の機械的固定システム、ねじ及びボルトシステムなどによる、様々な構造(図示されない)を有し得る。本体(20)及び取り外し可能な支持体(30)が取り外し可能に互いに固着されることを可能にするための他の好適な構造は、当該技術分野において既知であり、本発明で使用され得る。いくつかの実施形態では、取り外し可能な支持体(30)は突出部(32)を有し、これは本体(20)の基部(24)の突出クランプ(28)に収まることができる。取り外し可能な支持体(30)はまた、微小多孔性膜(50)を通過した後の、濾過された物質の排出のための、濾液排出管(31)を示す。図4A、4B、及び4Dに図示されるいくつかの実施形態では、取り外し可能な支持体は、排出管ハウジング(33)、並びに排出管ハウジング(33)からの液体及び/又は空気の通過を促進する任意の排出孔(34)を含む。この排出孔(34)は、様々な形状、数、及び大きさを有するように構成され得る。排出孔(34)は、図4Aに図示されるものと同様の取り外し可能な支持体(30)が、装置(10)の使用中に、本質的に平滑で平坦な表面上に設置された場合に、濾液のための出口を提供する。
【0039】
1つが図4Eに図示される別の実施形態では、取り外し可能な支持体(30)は、排出管ハウジング(33)の半径方向外辺部に位置する出口ポート(35)を含み、チャンバ壁(22)内部の流路と本質的に垂直であり得る液体流路をつくる。これらの実施形態において、出口ポート(35)は、取り外し可能な支持体(30)の半径方向外辺部の開口部を含んでもよく、又は別の方法として、出口ポート(35)は、図4Eに図示されるように、延長部を更に含んでもよい。出口ポート(35)は、ホース、パイプ、管などを任意に含み、液体サンプルが通って移送され得る通路を提供する。いくつかの実施形態では、出口ポート(35)は、ボールバルブ、チェックバルブ、又は栓などのバルブを更に含んで、液体の流れの速度、量、及び/若しくは方向を調節するか、又は液体の流れを完全に止める。
【0040】
いくつかの実施形態では、出口ポート(35)は、任意のバリアシールを更に含む。代表的なバリアシールは、濾過液排出管(31)、又は取り外し可能な支持体(30)上に存在する場合は出口ポート(35)に、接着剤で接着されるか、取り外し可能に結合される、防水フィルム又はシートを含む。あるいは、バリアシールはプラグであってもよく、これは、濾過液排出管(31)又は出口ポート(35)に取り外し可能に固定されるように好適に調整される。プラグは、プラスチック又はゴムなどの、多くの好適な材料から作製することができる。バリアシールは、装置(10)内の液体サンプルを濾過する前に取り除かれる。バリアシールは、取り扱い又は移送中に、液体サンプルが時期尚早に微小多孔性膜(50)を通過し、濾過液排出管(31)又は出口ポート(35)から外に出ることを防ぐために使用される。加えて、バリアシールは、物質が出口ポート(35)及び/又は濾過液排出管(31)を通って入り込み、微小多孔性膜(50)の化学的汚染又は微生物汚染を生じさせることを防ぐのを助ける。
【0041】
装置(10)を使用して液体サンプルを濃縮する前に、微小多孔性膜(50)が、取り外し可能な支持体(30)の上、又は好ましくは内部に設置される(図1A〜Bに図示される)。微小多孔性膜(50)は、好ましくは、取り外し可能な支持体(30)の内壁上に形成される棚(36)及びクロスバー(38)によって、液体の流れと本質的に垂直に支持されるが、膜を通過するように液体を方向付けることができる任意の好適な構成が使用され得る。棚(36)及びクロスバー(38)は、本質的に多孔性支持構造体を形成して、微小多孔性膜を液体流路に位置付ける。多孔性膜(50)の厚さ及び直径は、取り外し可能な支持体(30)の棚(36)の直径及びシールガスケット(70)の直径と適合するべきである。組み立てられた装置(10)においてシールガスケット(70)は、好ましくは、微小多孔性膜(50)の外側リムの上部に位置付けられて、微小多孔性膜(50)とシールリム(29)との間に本質的な防水シールを形成する。
【0042】
例示される実施形態では、取り外し可能な支持体(30)がクロスバー(38)を含み、これが、取り外し可能な支持体(30)の上方端部から床部(37)へと長手方向下方に突出し、棚(36)から半径方向内側に延びる。図4Cに図示されるように、この実施形態では、床部(37)が中央開口部、濾液排出管(31)を有し、これは液体の流れを取り外し可能な支持体(30)の外側へと方向付けるのを助ける。図4C〜Dに図示されるように、棚(36)は取り外し可能な支持体(30)の内側で硬いリングの形状を有し、棚(36)はシールガスケット(70)及び本体(20)のシールリム(29)と共に、防水シールを形成するのを補助する。
【0043】
クロスバー(38)は、装置(10)の使用中に、微小多孔性膜(50)に多孔性支持構造体を提供する。図1A〜Bにおいて、クロスバー(38)として図示されているが、多孔性支持構造体は、他の様々な構成を有し得る。別の設計(図示されない)は、表面にわたって離間し、液体の流れが取り外し可能な支持体から出るための通路を提供する複数の開口部を備える、本質的に硬い、好ましくは平面的な表面からなる単一の支持部材を含み得る。多孔性支持構造は、静水圧が微小多孔性膜(50)に加えられるプロセス中に、膜が破断したり、又は多孔性支持構造体の開口部を通過することがないように、微小多孔性膜(50)に十分な支持を提供する。
【0044】
図4Fは、取り外し可能な支持体(30)の下部斜視図を図示する。突出部(32)は、取り外し可能な支持体(30)を本体(20)に取り付けるのに使用され得る。使用中、液体濾液は、微小多孔性膜(50)を通過してクロスバー(38)の間の空間に入り、その後濾液は床部(37)によって排出管開口部(31)に向けられる。排出管開口部(31)、排出管ハウジング(33)、及び排出孔(34)は、サンプル濾液が取り外し可能な支持体(30)から出るための液体流路を提供する。
【0045】
取り外し可能な支持体(30)及びその構成要素は、高分子材料から、適切な形状で、製造され得る。このような材料の非限定的な例には、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、及びポリカーボネートが挙げられる。
【0046】
図5は、プランジャ(40)の代表的な実施形態を図示し、これは、本体(20)の空洞の内部にフィットするように適合される構造を含む。図6Bに図示されるように、プランジャ(40)が下方に動かされると、プランジャ(40)が、採取されたサンプルに圧力を加え、サンプルに、装置(10)の取り外し可能な支持体(30)の内側に位置付けられた微小多孔性膜(50)を通過させる。
【0047】
プランジャ(40)は、プランジャロッド(45)、ハンドル(42)、及び下方基部(46)をそれぞれ含む。下方基部(46)は、好ましくはスロット(48)を有し、ここにシールリング(60)が設置される。シールリング(60)は、エラストマー材から形成され、スロット(48)に収まりその内部に保持されるように適合される。シールリング(60)がスロット(48)の中に位置付けられる場合、プランジャ(40)の下方基部(46)が、本体(20)の空洞の内部にフィットして、プランジャ(40)が、本体(20)の内側を通って長手方向に移動する際に、本質的な防水シールを提供する。プランジャ(40)のハンドル(42)は、力が加えられてプランジャ(40)を本体(20)を通してどちらかの方向で長手方向に推進させるための表面として機能する。プランジャ(40)の形状は消費者の必要又は所望によって変化してよく、例えば、硬い本体から形成されるか、又は実質的に開いた構造、例えば、図1、2、及び5に図示されるような、長手方向のフィン(44)を含むプランジャロッド(45)を有してもよい。実質的に開いた構造の1つの利点は、より少ない材料がその製造に使用されるため、部品の製作費用が比較的に少ないことである。プランジャ(40)は、強度、重量、及び製造プロセスへの適応性など、好適な特性を有する高分子材料を使用して製造され得る。好適な特性を有するこのような材料の非限定的な例としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、及びポリエステルが挙げられる。
【0048】
プランジャ(40)は、任意の充填線しるし(図示されない)を含んでもよい。プランジャ充填線しるしは、例えば、隆起部又はへこみの形状で、プランジャロッド(45)と同じ材料で形成されてもよい。あるいは、例えば、プランジャの充填線しるしは、プランジャロッド(45)に取り付けられるか、印刷されるか、又はエッチングされ得る。以下に記載されるようにプランジャを使用してサンプルが装置(10)に引き込まれる場合、プランジャの充填線しるしと、例えばキャップ(23)との一致は、既知の容量のサンプル液体が本体(20)内に存在することの目安である。
【0049】
ある実施形態では、装置は濾過のプロセスを促進するように適合され得る。これらの実施形態では、プランジャ及び本体は摺動自在に結合されることができ、微小多孔性膜を通して液体サンプルを推進するために使用され得る構造的要素を含む。諸実施形態は、濾過工程に機械的利点をもたらすことができ、操作者が、濾過中にプランジャに圧力を適用することを、より容易にする。これは、粘稠なサンプル、又は比較的多量の粒子を含むサンプルを濾過する場合に、特に有利であり得る。図9は、結合区域990を含む本体920を図示する。この実施形態では、結合区域990は連続的ならせん状の溝992を含み、これは、結合区域990の長さに及ぶ。結合区域990の長さは、これがサンプルの所定容量に対応するように選択され得る。図9はまた、本体920の内部にフィットするように調整された外径を有するプランジャ940を図示する。プランジャはスロット948を含み、この中にシールリング960が位置付けられる。シールリング960は、様々な材料、例えばブチル又はシリコンゴムから作製することができ、これは、本体920を通るプランジャ940の動きを可能にする一方で、本体920の内部表面とプランジャ940の外径との間の実質的な耐液性シールを維持する。プランジャ940はまた、浮き彫りトラック995、及び凹面947を有するハンドル942を含む。トラック995は、ハンドル940から延び、溝992にフィットするように調整され、したがって、プランジャ940は、本体920の結合区域990に摺動自在に結合され得る。凹面947は、ユーザーが、使用中にハンドル942を把持し回転させるための、便利な表面を提供する。充填線しるし925もまた図9に図示される。使用のために完全に組み立てられた場合(図示されない)、本体920は、サンプルが通過する微小多孔性膜を含む、取り外し可能な支持体に結合される。
【0050】
使用中、操作者は本体920に液体サンプルを加えることができる。任意に、操作者は、本体920を充填線しるし925まで充填することにより、所定容量のサンプルを加えることができる。プランジャ940は、トラック995が結合区域990の上縁部991に接触するまで、本体920に挿入される。次にハンドル942を矢印Aの方向に回転させて、トラック995を溝992の中に摺動自在に移動させる。操作者は、全サンプル(例えば、所定容量)が微小多孔性膜(図示されない)を通過するまで、ハンドル942を回転させ続けることができる。
【0051】
当業者は、図9に図示される構造と同じ機能を達成するために、様々な別の構造が使用され得ることを認識するであろう。例えば、1つのみのトラック995、又は多くのトラック995を使用することができ、これらは、これらがプランジャ940が結合区域990の本体920に摺動自在に結合されることを可能にするように調整され、位置合わせされる。加えて、トラック995は、らせん状の隆起部(図示されない)と交換することができ、その結果、隆起部はナット及びボルトと同様の構成で、溝992に摺動自在に結合することができる。
【0052】
装置(10)の特定の実施形態は、装置(10)を出入りする液体の流れを調節するためのバルブ構造を含む。装置(10)内の流体の流れを調節するバルブ構造の一実施例は、図6A〜Bに図示される。図6Aでは、装置(10)は、バルブ調節器(80)の構成、及び充填プロセス中の流体流路と共に図示されている。液体サンプルがチャンバ(22)に引き込まれる充填プロセスの前に、第1バルブ開口部(84)がサンプル取り込みポート(27)と位置合わせされて、本体(20)への流路を提供する。加えて、プランジャ(40)及びバルブ作動装置(87)は、これらそれぞれの第1位置にある。充填プロセス中、ハンドル(42)に力が適用されて、プランジャ(40)を取り外し可能な支持体(30)から離れる方向に引き、液体サンプルが、サンプル取り込みポート(27)を通って本体(20)に引き込まれる。この手順の間、出口ポート(35)は、好ましくはバルブ調節器(80)によって塞がれる。プランジャ(40)の下方基部(46)がバルブ作動装置(87)に接触するとき、バルブ作動装置(87)は、プランジャ(40)の動きに同伴する。好ましくはチャンバを所定容量の液体サンプルで充填した後、プランジャ(40)は、バルブ作動装置(87)が第2位置に到達するまで動き続け、このとき、これは、本体(20)のキャップ(23)と接触する。この実施形態では、本体(20)の所定容量が、プランジャ(40)の第1及び第2位置によって本質的に画定される。
【0053】
充填プロセスが完了した後、装置は空にするプロセスを実行するために使用され得る。図6Bを参照すると、プランジャ(40)が、第2位置にある場合、バルブ調節器(80)は、第2バルブ開口部(86)が取り外し可能な支持体(30)の出口ポート(35)と実質的に揃うように位置付けられ、液体が出口ポート(35)を通って装置(10)から出ることを可能にする流体流路をつくる。このプロセスの間、ハンドル(42)に圧力が加えられ、プランジャ(40)を、取り外し可能な支持体(30)に向かって移動させる。この動きによって、液体サンプルは、好ましくは微小多孔性膜(図6Bに図示されない)を通過し、出口ポート(35)を通って支持体(30)の外に出る。微小多孔性膜を介する液体サンプルの通路は、微小多孔性膜上への、液体サンプルからの微生物の採取及び濃縮を促進する。
【0054】
例示される実施形態では、プランジャ(40)が、下方基部(46)がバルブ作動装置(87)に接触するまでバルブ調節器(80)を有意に移動させることなく、充填プロセス中に本体(20)の内部において移動する一方で本質的な防水シールを維持することができるように、チャンバ壁(22)、バルブ調節器(80)、下方基部(46)、及びシールリング(図6A〜Bに図示されない)が形成される。同様に、空にするプロセスの間、プランジャ(40)は、バルブ調節器(80)を有意に移動させることなく、本体(20)の内部を移動し、本質的な防水シールを維持することができる。
【0055】
図7A〜Bに図示される、例示される実施形態では、取り外し可能な支持体(30)が、プランジャ(40)に組み込まれ得る。これらの実施形態では、本体(20)は、好ましくはキャップ(23)で一端を封止される。本体(20)はまた、プランジャ(40)を挿入し圧迫する間に把持するためのハンドル(43)を含んでもよい。プランジャ(40)の一端はハンドル(42)であり、プランジャ(40)の他方は、多孔性支持構造体を含む取り外し可能な支持体(30)である。
【0056】
図7Aは、プランジャ(40)と一体化された取り外し可能な支持体(30)を例示しており、これによりプランジャロッド(45)は、好ましくは液体サンプル濾液のための中空の通路を形成する。この実施形態では、プランジャロッド(45)の外径は、本体(20)の内径よりも僅かに小さい。取り外し可能な支持体(30)を囲むシールリング(60)は、プランジャ(40)が本体(20)に挿入される際に、本質的な防水シールを提供する。この実施形態の利点は、プランジャ(40)が、排出管(31)(図8に図示される)から、液体サンプル濾液が装置(10)を通じて出ることができるサンプル出口ポート(35)までの大きな通路を提供することである。サンプル出口ポート(35)への大きな通路は、装置(10)から出る液体に関する高い処理容量、及び低い逆圧を提供し得る。加えて、本体(20)よりも長いプランジャロッド(45)は、サンプル濾液の所定容量全体を保持するのに十分な大きさである内部容量を含み得る。これらの実施形態において濾過が完了するとき、装置は濾液を処分するのに都合の良い場所に移動されてもよい。
【0057】
図7Bは、プランジャ(40)と一体化される取り外し可能な支持体(30)を例示し、これにより、プランジャロッド(45)は、好ましくは、液体サンプル濾液のための、排出管(31)(図8に図示される)からサンプル出口ポート(35)までの中空の通路を形成する。この実施形態では、プランジャハンドル(40)の外径は、本体(20)の内径よりも著しく小さい。取り外し可能な支持体(30)を囲むシールリング(60)は、プランジャ(40)が本体(20)に挿入されると、本質的な防水シールを提供する。この実施形態の利点は、図7Aの装置(10)よりも少ない材料を使用して構成され得ることと、サンプル出口ポート(35)を液体濾液を排出管又は適切な容器に運ぶための、適切な大きさの管に取り付け得ることである。
【0058】
別の実施形態(図示されない)では、排出管はサンプル出口ポートであり得る。更に別の実施形態(図示されない)では、排出管は、プランジャロッドとは別の中空の通路(例えば、中空の管)によってサンプル出口ポートへと接続され得る。この実施形態では、液体サンプル濾液は、取り外し可能な支持体上の排出管を通って出るので、プランジャロッドは、中空の通路であっても、なくてもよい。
【0059】
使用の前に、微小多孔性膜(50)が、取り外し可能な支持体(30)上に設置され、シールガスケット(70)又は他の好適な固定手段で適所に保持される。図8は、プランジャハンドル(42)と、微小多孔性膜(50)を固定するように適合される、改善された取り外し可能な支持体(30)とを備えるプランジャ(40)を図示する。微小多孔性膜(50)は、取り外し可能な支持体(30)の表面上に設置され、シールガスケット(70)は、棚(36)(図7Aに図示される)の上に突き出る出っ張り(100)の下に位置付けられる。したがって、シールガスケット(70)及び微小多孔性膜(50)は適所に保持されて、微小多孔性膜(50)が流路に位置付けられ、その結果液体サンプルは微小多孔性膜(50)、排出管(31)、プランジャロッド(45)を通過し、サンプル出口ポート(35)から出ることができる。シールリング(60)もまた図8に図示され、これは、プランジャ(40)が本体(20)に挿入されると、本質的な防水シールを形成する。
【0060】
上述のように、本発明の要素は所定容量の液体サンプルの境界の少なくとも一部を形成してもよい。要素の様々な組み合わせが、所与の所定容量の全体的な境界を形成する。これらの要素は、チャンバ壁(22)、プランジャ(40)の下方基部(46)、取り外し可能な支持体(30)、プランジャ開口部(21)、充填線しるし(25)、及びバルブ(80)を含み得る。装置(10)に存在する場合、微小多孔性膜(50)は、取り外し可能な支持体(30)と共に機能して所定容量の液体サンプルの境界の少なくとも一部を形成してもよい。
【0061】
サンプル採取及び濃縮
本発明を例示するため、以下で提示される方法の個々の工程が、特定の順序に従って示される。以下の記載によって明らかになるように、特定の装置に応じて、ある個々の工程が異なる順序で実行され得ることが理解されるべきである。
【0062】
本発明の特定の実施形態は、分析されるサンプルを本体(20)の空洞に設置することから始まる。サンプルは、上記の方法で本体のチャンバに引き込まれてもよく、又はプランジャ(40)が装置(10)から取り除かれてからサンプルが本体(20)内に設置されてもよい。特定の好ましい実施形態では、存在する場合はバリアシールが、サンプルが本体(20)内に移送され、操作者が濾過プロセスを開始する準備ができるまで適所に留まる。サンプルは、中間的なサンプルコレクターを使用せずに、装置(10)に直接設置されてもよい。これは、例えば、プランジャ(40)を取り除いて、装置(10)を、サンプル源、例えば、湖、池、小川、川、海、タンク、樽、ポット、カーボイ、貯水池、水槽、バケツ、又は他の任意の液体源に直接浸漬することによって行われ得る。浸漬によってサンプルを得る場合、バリアシールは、微小多孔性膜が、装置(10)の所定容量内に含まれないサンプル材料に暴露されるのを防ぐのを助ける。あるいは、サンプルは、装置を栓、ホース、パイプなどの下に設置し、重力、又はポンプなどの他の手段によって生じる圧力を用いて、サンプルを本体(20)内に流すことによって装置(10)に直接移送され得る。
【0063】
あるいは、サンプルは、中間的なサンプルコレクターを使用して装置内に移送され得る。中間的なサンプルコレクターは、装置(10)の本体(20)内に堆積させ前に、サンプルを採取し、一時的に保持するために使用される装置である。中間的なサンプルコレクターの非限定的な例としては、試験管、フラスコ、ビーカー、バケツ、ボトル、注射器、及びピペットが挙げられる。これらの実施形態では、サンプルは、中間的なサンプルコレクター内に設置されるか、又はその中に直接採取され、その後、装置(10)へと注がれるか、ポンプで送り込まれるか、又は排出される。
【0064】
液体サンプルで本体(20)を充填した後、超過の液体を、サンプルが充填線しるし(25)の1つと同じ高さになるまで注ぎ出すことができる。特定の実施形態では、本体(20)の空洞全体が所定容量を画定し、超過の液体を注ぎ出す必要がない。
【0065】
サンプルが本体(20)内に採取された後、存在する場合は、バリアシールを開く及び/又は取り除くことができる。次にプランジャ(40)が、装置(10)の本体(20)の上方端部に設置され、圧力がプランジャ(40)のハンドル(42)に適用されて、本体(20)の内部を通してプランジャ(40)が長手方向に推進される。手動、又は適切な強さの圧力を付与するように設計された適切な機械の使用のいずれかにより、圧力がハンドル(42)に適用されて、微小多孔性膜(50)を通してサンプルを推進させ、プランジャ(40)を、本体(20)の長さにわたって移動させてもよい。ハンドルに適用される圧力の強さは、液体サンプルを、微小多孔性膜を通して許容可能な速度で移動させるのに十分であるべきだが、微小多孔性膜(50)を破裂させるか、又はシールリング(60)若しくはシールガスケット(70)からの著しい漏れを生じさせるほど大きな圧力であってはならないことを、当業者は理解するであろう。圧力下で液体サンプルが微小多孔性膜(50)を通過し、したがって濾過される。サンプルに含まれる微生物は、濃縮された形態で微小多孔性膜(50)に保持される。次に取り外し可能な支持体(30)が本体(20)から取り外され、微小多孔性膜(50)が微生物学的分析のために取り除かれてもよい。微小多孔性膜(50)は、装置(10)から直ちに取り除くことができ、又はこれは、後に微生物学的分析が行われるまで装置(10)内に一時的に保管することができる。
【0066】
装置(10)がサンプル取り込みポート(27)を含む実施形態では、サンプル取り込みポート(27)は、例えばサンプル取り込みポートを、サンプルが取られる液体源に浸漬することにより、サンプルと流体連通するように設置され得る。あるいは、サンプル取り込みポート(27)は、通路、例えば管、パイプ、バルブなどと接続されることができ、サンプルはこれを通って、本体(20)に引き込まれるか、ポンプで注ぎ込まれ得る。図3Cに図示されるように、サンプル取り込みポートが本体(20)の基部(24)の近位に位置付けられる特定の実施形態では、プランジャ(40)は、サンプルの採取の前に、本体(20)内に完全に挿入される。サンプル取り込みポート(27)が液体サンプル源と流体連通するように設置された後、プランジャ(40)は、液体サンプルが、チャンバ壁(22)又はプランジャ(40)上の適切な充填線しるし(25)まで本体(20)を充填するまで、本体(20)から引き抜かれる。次にバルブが手動又は自動のいずれかにより作動されて、サンプル取り込みポート(27)を通って流体が流れるのを防ぐ。プランジャ(40)に力が適用されて、液体サンプルを、微小多孔性膜(50)を通して流れさせる。液体サンプルが濾過された後、取り外し可能な支持体(30)がチャンバ基部(24)から取り外され、微小多孔性膜(50)が、微生物学的分析のために取り除かれる。
【0067】
装置(10)が、装置(10)を出入りする液体サンプルの流れを調節するバルブ構造を含む実施形態では、プロセスは、好ましくは、プランジャ(40)が本体(20)に完全に挿入されることから始まる。プランジャ(40)が、本体(20)を通って取り外し可能な支持体(30)から離れる方向に移動すると、サンプル容量が充填線しるしに達するまで、サンプルが本体(20)に引き込まれる。手動又は自動のいずれかによりバルブが閉じ、プランジャ(40)に圧力が適用されて、これを取り外し可能な支持体(30)に向かって推進させる。全サンプルが微小多孔性膜(50)を通過した後、取り外し可能な支持体(30)は、本体(20)から取り外され、微小多孔性膜(50)が、微生物学的分析のために取り除かれる。
【0068】
サンプル
いくつかの実施形態では、採取され、分析されるサンプルは、水源からのサンプルである。このような水源の非限定的な実施例としては、地表水、ヒト又は動物のための飲用水、及び工業プロセスに使用される水が挙げられる。地表水は、海、湖、川、運河、池、貯水池、小川などを含む。プロセス水は、市政又は工業目的、例えば、清浄化、洗浄、すすぎ、冷却塔、水処理貯蔵タンクなどに使用される水を含む。代表的な清浄化プロセスは、食品加工プロセス、例えば、ヒト又は動物による消費のための食肉又は農産物の洗浄、すすぎ、及び殺菌を含む。
【0069】
他の実施形態では、本発明の装置及び方法は、濾過することのできる任意の液体サンプル、例えば、食品、飲料及び医薬品の溶液、混合液、ホモジネート又は液体懸濁液を採取及び分析するために使用されるが、ただし、液体サンプルは微小多孔性膜(50)の不適切な目詰まり又は劣化を生じさせないことを条件とする。ある実施形態では、液体サンプルは、砂糖、塩、又はタンパク質などの1つ以上の溶解溶質を含む。他の実施形態では、液体サンプルは、アルコール又は界面活性剤などの、1つ以上の溶媒を含む。溶媒又は界面活性剤を含むサンプルは本発明にしたがって使用され得るが、ただし、溶媒又は界面活性剤が微小多孔性膜(50)の濾過特性を著しく損なう、又は装置(10)を構成する材料を劣化若しくは腐食させることがないことを条件とする。好ましくは、サンプルは、微小多孔性膜(50)を目詰まりさせ得る粒子状物質を本質的に含まない。
【0070】
本発明の別の特徴は、試験され得る様々な所定のサンプル容量である。好ましくは、サンプルの容量は、微小多孔性膜(50)の表面全体にわたって分配されるのに十分な大きさである。装置(10)の本体(20)は、様々な最大容量で設計され得る。好ましくは、本体(20)は、およそ50〜250ミリリットルを保持するように設計される。より好ましくは、本体(20)は、およそ100ミリリットルを保持するように設計される。装置(10)の本体(20)の最大容量を超える液体サンプル容量を試験することが望ましい場合、使用方法により、サンプルの2つ以上のアリコートが、本体(20)に続けて充填され、微小多孔性膜(50)を通して濾過され得るが、ただし、ユーザーは、サンプル液体の追加的なアリコートを取り込む際に、外来の微生物の導入を最小限にするか、又は避けるために、注意を払う。非常に少量の液体サンプル容量を試験することが望ましい場合、使用方法により、任意の少量の液体サンプルを好適な希釈剤に加えることができる。好ましくは、希釈剤は、サンプル液体を追加する前に、殺菌されている。このような希釈剤の非限定的な例としては、蒸留水、脱イオン水、逆浸透(RO)水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、標準法緩衝液(Standard Methods Buffer)、バターフィールド緩衝液などが挙げられる。
【0071】
個々の液体サンプルは、ほとんどあらゆる数及び種類の微生物を含み得る。液体サンプルの中の微生物の数は、殺菌状態に晒されたサンプル中、1ミリリットル当たり0の微生物から、高度に汚染されたサンプル中、1ミリリットル当たりおよそ10以上の微生物までの範囲に及ぶことができる。本発明の装置及び方法は、広範な細菌濃度を含む、液体サンプルの濃縮及び分析を提供する。これらの方法の検出感度の主要な決定要因の1つは、微小多孔性膜(50)を通過する液体サンプルの容量である。上述のように、本発明の特定の実施形態は、複数の容量の液体サンプルの濾過を提供する。この態様は、ユーザーが、例えば、100ミリリットル、250ミリリットル、500ミリリットル、1リットル、又はそれを超えるサンプル液体中の、単一の細菌の、感度の高い検出を得ることを可能にする。比較的高い濃度の細菌を含む液体サンプルは、サンプル中の細菌の数が、濾過プロセスを顕著に阻害することがないように、適切に希釈され得る。
【0072】
特定の実施形態では、流体サンプルは、食料又は飲料を含む。微生物学的分析のための食料サンプルの調製の方法は周知である。食料サンプルのためのサンプル調製方法のいくつかは、比較的大容量の希釈剤(例えば、225ミリリットル)中に既知の量の食品材料(例えば、25グラム)を懸濁することを伴う。サンプルは、激しい混合プロセス、例えば、ブレンド、又はストマッキングなどに晒されて、比較的に均質な液体懸濁液をつくる。本発明の装置は、食料及び飲料液体サンプルを濃縮及び分析する方法を提供するが、ただし、懸濁された粒子状物質の量又はサンプルの粘度は、濾過プロセスを顕著に阻害するほど高い水準にないことが条件である。
【0073】
微生物学的分析
本発明の一実施形態では、サンプルが採取及び濃縮された直後に微生物学的分析が行われ得る。装置(10)内でサンプルが採取及び濃縮された後、微生物学的分析のために、微小多孔性膜(50)が取り除かれる。好ましくは、微小多孔性膜が、半固体の微生物学的培地を備える装置の中に設置される。このような装置の非限定的な例としては、様々な寒天培地を含むペトリ皿、イージーゲル(Easygel)(登録商標)培地(米国インディアナ州ゴーシェン(Goshen)、マイクロロジー・ラボラトリーズ(Micrology Laboratories))を含むペトリ皿、並びにいくつかの種類の乾燥した再水和可能な培地、例えば3M(商標)ペトリフィルム(PETRIFILM)(商標)エアロビック・カウント・プレーツ(Aerobic Count Plates)(ミネソタ州セントポール(St. Paul)、3M社)、3Mペトリフィルム・コリフォーム・カウント・プレーツ(3M PETRIFILM Coliform Count Plates)、3Mペトリフィルム・コリフォーム/E.コリ・カウント・プレーツ(3M PETRIFILM Coliform/E.coli Count Plates)、コンパクトドライ・トータル・カウント・プレーツ(ニッスイ・ファーマシューティカル(NISSUI PHARMACEUTICAL)社、日本、東京)、サニ太くん(Sanita-kun)(登録商標)コリフォーム・プレート(Coliforms Plate)(チッソ・コーポレーション、日本、東京)、及びサニ太くん(Sanita-kun)(登録商標)トータル・エアロビック・カウント・プレート(Sanita-kun Total Aerobic Count Plate)が挙げられる。好ましくは、乾燥した、再水和可能な培地は、装置(10)からの微小多孔性膜(50)を挿入する前に、再水和される。本発明の利点は、持ち運び可能な、使用の容易な装置(10)を、使用の容易な再水和可能な培地と共に使用して、最小限の実験用設備、例えば、微小多孔性膜(50)を培地に無菌移送するための小さな領域又はグローブボックスなどがある野外地で微生物学的分析を実行できることである。加えて、小さなインキュベーターが、野外地での培地のインキュベーションのための温度調節を提供し得る。
【0074】
微小多孔性膜(50)を培地に設置することに続き、当業者に既知であるように、かつ標準方法に従って、培地が微生物のコロニーの増殖のために適切な時間にわたり適切な温度でインキュベートされる。本装置(10)は、典型的に水又は食品サンプル中に見出される微生物を濃縮するために使用され得る。水サンプル内の特に関心のある微生物としては、例えば、とりわけ、大腸菌、糞便性大腸菌、エシェリキア・コライ、並びにシュードモナス、エアロモナス、エンテロコッカス、レジオネラ、及びミコバクテリア属の特定の種類が挙げられる。食品サンプル中の特に関心のある微生物としては、例えば、好気性菌、大腸菌、酵母菌、カビ、乳酸菌、大きな腸内細菌科のメンバー、エシェリキア・コライ、腸管病原性大腸菌、毒素原性大腸菌、大腸菌O157H7、並びにサルモネラ、赤痢、ビブリオ、リステリア、ブドウ球菌、シュードモナス、クロストリジウム、連鎖球菌、エルシニア、バチルス、及びカンピロバクター属の特定の種類が挙げられる。
【0075】
大腸菌の試験は、例えば、典型的に、24〜48時間にわたる、およそ35℃の温度でのインキュベーションを必要とする。糞便性大腸菌のための試験は、およそ45℃の温度でインキュベートされる。インキュベーションの期間の後、微小多孔性膜(50)が細菌コロニーの存在について観察され、各コロニーの数及び種類が記録される。いくつかの微生物培地、例えば、バイオレット・レッド・バイル(Violet Red Bile)(VRB)寒天は、特定の細菌、例えば、乳糖発酵性菌を、他から区別する指標を含む。
【0076】
典型的には、コロニーは手で数えられる。入手可能な場合、例えば、拡大鏡及び/又は暗視野拡大装置、例えばケベック・コロニー・カウンター(Quebec Colony Counter)が使用されてコロニーを数えることを補助し得る。あるいは、プレートは、自動プレートカウンター、例えば、シンビオシス(Synbiosis)(メリーランド州フレデリック(Frederick))からのプロトコル(ProtoCOL)SR若しくはHRコロニーカウントシステム、又は3M社(ミネソタ州セントポール(St.Paul))からのペトリフィルムプレートリーダー(Petrifilm Plate Reader)を使用して数えることができるが、ただし、処理において使用される微小多孔性膜(50)及び増殖培地が、自動コロニーカウントシステムと適合することを条件とする。
【0077】
本発明の他の実施形態では、サンプルは、装置(10)内で採取及び濃縮されることができ、装置(10)は、実験室に移送され、ここで微小多孔性膜(50)が、続く微生物学的分析のために取り除かれる。
【0078】
本発明における更に別の実施形態では、サンプルが装置(10)内で採取及び濃縮され、微小多孔性膜(50)が取り除かれて、続く試験のために実験室に移送するために、無菌容器内に設置される。好ましくは、容器は、微生物の生存能力が損なわれることを避けるために、移送中に微小多孔性膜(50)を湿った状態に保つように設計される。所望により、保存料が容器に加えられて、移送中の微生物の生存能力を維持することができる。
【0079】
キット
液体サンプルのサンプリング、処理、及び/又は微生物学的評価のための、装置(10)を含むキットも、想到される。キットは、装置(10)、並びにサンプル採取、濃縮、及び/又は微生物学的分析の方法において有用な多くの付属品のうちの任意の1つを提供してよい。このような付属品としては、例えば、手袋、ラベル、袋、中間的なサンプルコレクター、消毒剤、ピンセット、培地、微小多孔性膜、プレフィルター、培地キャリア、インキュベーター、及び試薬を挙げることができる。中間的なサンプルコレクターは、例えば、試験管、フラスコ、ビーカー、バケツ、ボトル、注射器、又はピペットを含んでもよい。キットは、照射、エチレンオキシド、及び熱など、当該技術分野において既知の適切な方法によって予め殺菌されてもよい。
【0080】
実施形態
1.微生物学的分析のためのサンプルを採取及び濃縮するための装置であって、装置は、
本体内の、本質的な防水フィットをもたらすような寸法のプランジャと、
流路に微小多孔性膜を位置付けるように構成された取り外し可能な支持体であって、
多孔性支持構造体、及び
排出管を含む、取り外し可能な支持体と、
チャンバ壁、及び
取り外し可能な支持体に取り付けられるように構成された基部を含む、本体と、
を含み、
本体、多孔性支持構造体表面、及び排出管は液体サンプルのための流路を画定し、
装置は、所定容量の液体サンプルを保持するように構成され、
所定容量は、流路に微小多孔性膜を位置付けるように構成された取り外し可能な支持体によって、少なくとも部分的に境界される、装置。
【0081】
2.微生物学的分析のためのサンプルを採取及び濃縮するための装置であって、装置は、
本体内の、本質的な防水フィットをもたらすような寸法のプランジャと、
流路に微小多孔性膜を位置付けるように構成された取り外し可能な支持体であって、
多孔性支持構造体、及び
排出管を含む、取り外し可能な支持体と、
チャンバ壁、
取り外し可能な支持体に取り付けられるように構成された基部、
プランジャ開口部、及び
サンプル取り込みポートを含む、本体と、
を含み、
サンプル取り込みポート、本体、多孔性支持構造体表面、及び排出管は液体サンプルのための流路を画定し、
装置は、所定容量の液体サンプルを保持するように構成される、装置。
【0082】
3.取り外し可能な支持体が、出口ポートを更に含む、実施形態1又は2に記載の装置。
【0083】
4.排出管がバリアシールを更に含む、実施形態1又は2に記載の装置。
【0084】
5.所定容量が、流路に微小多孔性膜を位置付けるように構成された取り外し可能な支持体によって、少なくとも部分的に境界される、実施形態2に記載の装置。
【0085】
6.所定容量が、チャンバ壁によって更に境界される、実施形態1又は2に記載の装置。
【0086】
7.所定容量が、充填線しるしによって画定される、実施形態1又は2に記載の装置。
【0087】
8.サンプル取り込みポートが、取り外し可能な支持体の近位の、本体の区域上に位置付けられる、実施形態2に記載の装置。
【0088】
9.サンプル取り込みポートが、取り外し可能な支持体から離れた、本体の区域上に位置付けられる、実施形態2に記載の装置。
【0089】
10.サンプル取り込みポートが、バルブを更に含む、実施形態2〜9のいずれか1つに記載の装置。
【0090】
11.バルブが、プランジャによって作動される、実施形態10に記載の装置。
【0091】
12.装置が、液体流路に位置付けられる微小多孔性膜を更に含む、実施形態1〜11のいずれか1つに記載の装置。
【0092】
13.装置が、プレフィルターを更に含む、実施形態1〜12のいずれか1つに記載の装置。
【0093】
14.本体が、少なくとも1つの充填線しるしを含む、実施形態1〜13のいずれか1つに記載の装置。
【0094】
15.プランジャが、少なくとも1つの充填線しるしを含む、実施形態2〜14のいずれか1つに記載の装置。
【0095】
16.少なくとも1つの充填線しるしが、装置の所定容量を画定する、実施形態14又は15に記載の装置。
【0096】
17.出口ポートがバリアシールを含む、実施形態1〜16のいずれか1つに記載の装置。
【0097】
18.多孔性支持構造体が複数のクロスバーを含む、実施形態1〜17のいずれか1つに記載の装置。
【0098】
19.複数のクロスバーが、半径方向に配置される、実施形態1〜18のいずれか1つに記載の装置。
【0099】
20.本体がガスケットシールを更に含む、実施形態1〜19のいずれか1つに記載の装置。
【0100】
21.装置が予め殺菌されている、実施形態1〜20のいずれか1つに記載の装置。
【0101】
22.プランジャが、本体に摺動自在に結合される、実施形態1〜21のいずれか1つに記載の装置。
【0102】
23.微生物学的分析のためのサンプルを採取及び濃縮するためのプロセスであって、プロセスは、
分析される液体サンプルを準備する工程と、
実施形態12〜22のいずれか1つに記載の装置を準備する工程と、
所定容量の液体サンプルを装置の本体に移送する工程と、
プランジャに力を適用して、微小多孔性膜を通して液体サンプルを推進させる工程と、
を含む、プロセス。
【0103】
24.サンプル中の微生物を数えるためのプロセスであって、
分析される液体サンプルを準備する工程と、
実施形態12〜22のいずれか1つに記載の装置を準備する工程と、
所定容量の液体サンプルを装置の本体に移送する工程と、
存在する任意のバリアシールを取り除く工程と、
プランジャに力を適用して、微小多孔性膜を通して液体サンプルを推進させる工程と、
微小多孔性膜を装置から取り除く工程と、
微小多孔性膜を培地上に設置する工程と、
培地をインキュベートする工程と
多孔性膜に伴う微生物のコロニーの数を数える工程と、
を含む、プロセス。
【0104】
25.所定容量が、中間的なサンプルコレクターを使用せずに、チャンバに移送される、実施形態23又は24に記載のプロセス。
【0105】
26.サンプルが装置の本体に移送された後に、液体サンプルを所定容量に調節する工程を更に含む、実施形態23〜25のいずれか1つに記載のプロセス。
【0106】
27.液体サンプルが水のサンプルを含む、実施形態23〜26のいずれか1つに記載のプロセス。
【0107】
28.水のサンプルが、地表水、ヒト又は動物のための飲用水、及びプロセス水からなる群から選択される、実施形態27に記載のプロセス。
【0108】
29.プロセス水が、食品加工水を含む、実施形態28に記載のプロセス。
【0109】
30.培地が、乾燥した、再水和可能な培地を含む、実施形態23〜29のいずれか1つに記載のプロセス。
【0110】
31.微生物学的分析のためのサンプルの採取及び濃縮のためのキットであって、実施形態1〜22のいずれか1つに記載の装置を含む、キット。
【0111】
32.手袋、ラベル、袋、中間的なサンプルコレクター、サンプル採取導管、消毒剤、ピンセット、培地、微小多孔性膜、プレフィルター、培地キャリア、インキュベーター、及び試薬からなる群からの少なくとも1つの要素を更に含む、実施形態31に記載のキット。
【0112】
33.キットの少なくとも1つの構成要素が、予め殺菌されている、実施形態31又は32のいずれか1つに記載のキット。
【0113】
34.キットの少なくとも1つの構成要素が、照射によって予め殺菌されている、実施形態33に記載のキット。
【0114】
35.微生物学的分析のためのサンプルを採取及び濃縮するための装置であって、装置は、
キャップ及び、
チャンバ壁を含む、本体と、
多孔性支持構造体、及び
排出管を含む、取り外し可能な支持体を含む、プランジャと、
を含み、
プランジャは、本体内の、本質的な防水フィットをもたらすような寸法であり、
本体、取り外し可能な支持体、及び排出管が液体サンプルのための流路を画定する、装置。
【0115】
36.出口ポートを更に含み、出口ポートがプランジャ外部の通路を通じて排出管と流体連通している、実施形態35に記載の装置。
【0116】
37.出口ポートを更に含み、出口ポートがプランジャ内の通路を通じて排出管と流体連通している、実施形態35に記載の装置。
【0117】
38.微小多孔性膜を更に含む、実施形態35〜37のいずれか1つに記載の装置。
【0118】
39.装置が、取り外し可能な支持体によって少なくとも部分的に境界される所定容量の液体サンプルを保持するように構成される、実施形態35〜38のいずれか1つに記載の装置。
【0119】
本発明が好ましい実施形態に関して記載され、上記で特定された図が本発明の代表的な実施形態を説明したが、他の実施形態もまた本発明の範囲内である。いかなる場合も、本開示は、本発明を、限定するのではなく代表して提示するものである。本発明の原理の範囲及び趣旨に含まれる多数の他の修正形態及び実施形態が、当業者によって考案され得ることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微生物学的分析のためのサンプルを採取及び濃縮するための装置であって、前記装置は、
本体内の、本質的な防水フィットをもたらすような寸法のプランジャと、
流路に微小多孔性膜を位置付けるように構成された取り外し可能な支持体であって、
多孔性支持構造体、及び
排出管を含む、取り外し可能な支持体と、
チャンバ壁、及び
前記取り外し可能な支持体に取り付けられるように構成された基部を含む、本体と、
を含み、
前記本体、前記多孔性支持構造体表面、及び前記排出管は液体サンプルのための流路を画定し、
前記装置は、所定容量の液体サンプルを保持するように構成され、
前記所定容量は、流路に微小多孔性膜を位置付けるように構成された前記取り外し可能な支持体によって、少なくとも部分的に境界される、装置。
【請求項2】
微生物学的分析のためのサンプルを採取及び濃縮するための装置であって、前記装置は、
本体内の、本質的な防水フィットをもたらすような寸法のプランジャと、
流路に微小多孔性膜を位置付けるように構成された取り外し可能な支持体であって、
多孔性支持構造体、及び
排出管を含む、取り外し可能な支持体と、
チャンバ壁、
前記取り外し可能な支持体に取り付けられるように構成された基部、
プランジャ開口部、及び
サンプル取り込みポートを含む、本体と、
を含み、
前記サンプル取り込みポート、前記本体、前記多孔性支持構造体表面、及び前記排出管は液体サンプルのための流路を画定し、
前記装置は、所定容量の液体サンプルを保持するように構成される、装置。
【請求項3】
前記取り外し可能な支持体が、出口ポートを更に含む、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記排出管がバリアシールを更に含む、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項5】
前記所定容量が、流路に微小多孔性膜を位置付けるように構成された前記取り外し可能な支持体によって、少なくとも部分的に境界される、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記所定容量が、チャンバ壁によって更に境界される、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項7】
前記所定容量が、充填線しるしによって画定される、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項8】
前記サンプル取り込みポートが、前記取り外し可能な支持体の近位の、前記本体の区域上に位置付けられる、請求項2に記載の装置。
【請求項9】
前記サンプル取り込みポートが、前記取り外し可能な支持体から離れた、前記本体の区域上に位置付けられる、請求項2に記載の装置。
【請求項10】
前記サンプル取り込みポートが、バルブを更に含む、請求項2〜9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記バルブが、前記プランジャによって作動される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記装置が、液体流路に位置付けられる微小多孔性膜を更に含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記装置が、プレフィルターを更に含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記本体が、少なくとも1つの充填線しるしを含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記プランジャが、少なくとも1つの充填線しるしを含む、請求項2〜14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記少なくとも1つの充填線しるしが、前記装置の所定容量を画定する、請求項14又は15に記載の装置。
【請求項17】
前記出口ポートがバリアシールを含む、請求項1〜16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記多孔性支持構造体が複数のクロスバーを含む、請求項1〜17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記複数のクロスバーが、半径方向に配置される、請求項1〜18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
前記本体がガスケットシールを更に含む、請求項1〜19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
前記装置が予め殺菌されている、請求項1〜20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
前記プランジャが、前記本体に摺動自在に結合される、請求項1〜21のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
微生物学的分析のためのサンプルを採取及び濃縮するためのプロセスであって、
分析される液体サンプルを準備する工程と、
請求項12〜22のいずれか一項に記載の装置を準備する工程と、
所定容量の前記液体サンプルを前記装置の前記本体に移送する工程と、
前記プランジャに力を適用して、前記微小多孔性膜を通して前記液体サンプルを推進させる工程と、
を含む、プロセス。
【請求項24】
サンプル中の微生物を数えるためのプロセスであって、
分析される液体サンプルを準備する工程と、
請求項12〜22のいずれか一項に記載の装置を準備する工程と、
所定容量の前記液体サンプルを前記装置の前記本体に移送する工程と、
存在する任意のバリアシールを取り除く工程と、
前記プランジャに力を適用して、前記微小多孔性膜を通して前記液体サンプルを推進させる工程と、
前記微小多孔性膜を前記装置から取り除く工程と、
前記微小多孔性膜を培地上に設置する工程と、
前記培地をインキュベートする工程と、
前記多孔性膜に伴う微生物のコロニーの数を数える工程と、
を含む、プロセス。
【請求項25】
前記所定容量が、中間的なサンプルコレクターを使用せずに、前記チャンバに移送される、請求項23又は24に記載のプロセス。
【請求項26】
前記サンプルが前記装置の前記本体に移送された後に、前記液体サンプルを所定容量に調節する工程を更に含む、請求項23〜25のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項27】
前記液体サンプルが水のサンプルを含む、請求項23〜26のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項28】
前記水のサンプルが、地表水、ヒト又は動物のための飲用水、及びプロセス水からなる群から選択される、請求項27に記載のプロセス。
【請求項29】
前記プロセス水が、食品加工水を含む、請求項28に記載のプロセス。
【請求項30】
前記培地が、乾燥した、再水和可能な培地を含む、請求項23〜29のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項31】
前記微生物学的分析のためのサンプルの採取及び濃縮のためのキットであって、請求項1〜22のいずれか一項に記載の装置を含む、キット。
【請求項32】
手袋、ラベル、袋、中間的なサンプルコレクター、サンプル採取導管、消毒剤、ピンセット、培地、微小多孔性膜、プレフィルター、培地キャリア、インキュベーター、及び試薬からなる群からの少なくとも1つの要素を更に含む、請求項31に記載のキット。
【請求項33】
前記キットの少なくとも1つの構成要素が、予め殺菌されている、請求項31又は32のいずれか一項に記載のキット。
【請求項34】
前記キットの少なくとも1つの構成要素が、照射によって予め殺菌されている、請求項33に記載のキット。
【請求項35】
微生物学的分析のためのサンプルを採取及び濃縮するための装置であって、前記装置は、
キャップ及び
チャンバ壁を含む、本体と、
多孔性支持構造体及び
排出管を含む、取り外し可能な支持体を含む、プランジャと、
を含み、
前記プランジャは、前記本体内の、本質的な防水フィットをもたらすような寸法であり、
前記本体、前記取り外し可能な支持体、及び前記排出管が液体サンプルのための流路を画定する、装置。
【請求項36】
微小多孔性膜を更に含む、請求項35に記載の装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−528611(P2010−528611A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−510459(P2010−510459)
【出願日】平成20年5月28日(2008.5.28)
【国際出願番号】PCT/US2008/064939
【国際公開番号】WO2008/150779
【国際公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】