説明

微粒子スラリー

【課題】
スクリーン印刷法等で塗膜を形成した場合であっても、平滑性に優れた塗膜を提供することである。
【解決手段】
アルミナ微粒子(A1)及びシリカ微粒子(A2)からなる無機微粒子(A)、バインダー樹脂(B)、水(C)及び炭素数3〜6の脂肪族アルコール(D)を含み、炭素数3〜6の脂肪族アルコール(D)と水(C)との重量比(D/C)が0.01〜0.9であることを特徴とする微粒子スラリーを用いる。さらに、カルボン酸(塩)(共)重合体(E)を含むことが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は微粒子スラリーに関する。さらに詳しくは支持体にスクリーン印刷法塗布するのに適した微粒子スラリーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無機微粒子{沈降法シリカ及び/又は気相法シリカ}、水溶性有機溶剤、並びにポリビニルアルコール等のバインダー{水溶性樹脂}を含有した微粒子スラリーが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−098657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の微粒子スラリーは、スクリーン印刷法等で塗膜を形成した場合、曳糸性による凹凸、泡かみによる泡痕、印刷時のメッシュ痕等により塗膜の平滑性が損なわれるという問題がある。
本発明の目的は、スクリーン印刷法等で塗膜を形成した場合であっても、平滑性に優れた塗膜を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の微粒子スラリーの特徴は、アルミナ微粒子(A1)及びシリカ微粒子(A2)からなる無機微粒子(A)、バインダー樹脂(B)、水(C)並びに炭素数3〜6の脂肪族アルコール(D)を含み、炭素数3〜6の脂肪族アルコール(D)と水(C)との重量比(D/C)が0.01〜0.9である点を要旨とする。
【0006】
本発明の微粒子スラリーの製造方法の特徴は、アルミナ微粒子(A1)及びシリカ微粒子(A2)からなる無機微粒子(A)の水分散体を得た後、バインダー樹脂(B)の水溶液、水(C)及び炭素数3〜6の脂肪族アルコール(D)、並びに必要に応じてカルボン酸(塩)(共)重合体(E)及び/又は添加剤と、無機微粒子(A)の水分散体とを均一混合分散する工程を含み、
炭素数3〜6の脂肪族アルコール(D)と水(C)との重量比(D/C)が0.01〜0.9である点を要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の微粒子スラリーは、平滑性に著しく優れた塗膜を容易に形成できる。すなわち、本発明の微粒子スラリーを用いれば、スクリーン印刷法等で塗膜を形成した場合であっても、曳糸性による凹凸及び泡かみが発生しにくく、平滑性に優れた塗膜が容易に得られる。したがって、本発明の塗膜を用いると、さまざまな印刷方法で支持体に印刷しても高い平滑性を有することが可能となる。
【0008】
本発明の微粒子スラリーの製造方法を用いれば、平滑性に著しく優れた塗膜を容易に形成できる微粒子スラリーを得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
アルミナ微粒子(A1)としては、公知の気相法{(1)真空中で金属アルミニウムを溶融、気化させ、酸化性雰囲気に導入して、アルミナ微粒子を得る方法;(2)金属アルミニウム粉末を、酸素を含む火炎の中で蒸発・酸化させて、アルミナ微粒子を得る方法;及び(3)塩化アルミニウムを気化し、バーナー火炎中に噴出、酸化して、アルミナ微粒子を得る方法(特表2005−506269号公報等)等}、又は公知の液相法{(4)アルキルアルミニウム又はアルコキシアルミニウムの加水分解法(化学総説No48,1985、超微粒子(日本化学会編)173頁〜175頁、株式会社学会出版センター、1985年発行);(5)アンモニウムミョウバン熱分解法;(6)アンモニウムアルミニウム炭酸塩熱分解法;(7)アルミニウム塩をアルカリ中和する方法;及び(8)アルミン酸塩を加水分解する方法等}等によって得られるアルミナ微粒子が含まれる。
【0010】
アルミナ微粒子は市場から容易に入手でき、たとえば、Aeroxideシリーズ{Alu−c及びAl−65等、デグサ社、「Aeroxide」は同社の登録商標である。}、SpctrAlシリーズ{51、81、100等、キャボット社}、CAB−O−SPERSEシリーズ{SpctrAlシリーズの水分散体、キャボット社、AKPシリーズ{住友化学(株)製、「AKP」は同社の登録商標である。}、タイミクロンシリーズ{大明化学(株)製}、DISPERALシリーズ{Sasol社、「DISPERAL」は同社の登録商標である。}及びDISPALシリーズ{Sasol社、「DISPAL」は同社の登録商標である。}等}等が挙げられる。
【0011】
アルミナ微粒子(A1)は公知の分散剤(酢酸、乳酸、ぎ酸、硝酸等)によって分散された分散液の形態(たとえば、アルミナゾル)で使用することもできる。
【0012】
アルミナ微粒子分散液(アルミナゾル)は市場から容易に入手でき、たとえば、カタロイド−Aシリーズ{触媒化成工業(株)製}及びアルミナゾルシリーズ{日産化学工業(株)製}等が挙げられる。
【0013】
シリカ微粒子(A2)としては、公知の方法{(1)真空中で金属シリコンを溶融、気化させ、酸化性雰囲気に導入して、シリカ微粒子を得る方法;(2)金属シリコン粉末を、酸素を含む火炎の中で蒸発・酸化させて、シリカ微粒子を得る方法;(3)テトラクロロシランを気化し、バーナー火炎中に噴出、酸化して、シリカ微粒子を得る方法(特公昭47−46274号公報等);(4)ケイ酸アルカリ金属塩(ケイ酸ナトリウム等)を原料とする水ガラス法;及び(5)アルコキシシラン(テトラエトキシシラン等)を原料とするアルコキシシラン法等等}によって得られるシリカ微粒子が含まれる。
【0014】
シリカ微粒子(A2)は市場から容易に入手でき、たとえば、アエロジルシリーズ{日本アエロジル(株)、「アエロジル」はデグサ アクチエンゲゼルシャフトの登録商標である。}、レオロシールシリーズ{(株)トクヤマ、「レオロシール」は同社の登録商標である。}、WACKER HDKシリーズ{旭化成ワッカー(株)、「WACKER」はワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフトの登録商標である。}及びCab−O−Silシリーズ{Cabot Corporation、「Cab−O−Sil」は同社の登録商標である。}等が挙げられる。
【0015】
シリカ微粒子(A2)は公知の分散剤(酢酸、乳酸、ぎ酸、硝酸等)によって分散された分散液の形態(たとえば、シリカゾル)で使用することもでき、たとえば、アデライトシリーズ{(株)ADEKA、「アデライト」は同社の登録商標である。}、カタロイド−Sシリーズ{触媒化成工業(株)、「カタロイド」は同社の登録商標である。}、クォートロンシリーズ{扶桑化学工業(株)、「クォートロン」は同社の登録商標である。}及びスノーテックスシリーズ{日産化学工業(株)}等が挙げられる。
【0016】
アルミナ微粒子(A1)とシリカ微粒子(A2)との重量比(A1/A2)は、0.05〜2.0が好ましく、さらに好ましくは0.1〜1.5、特に好ましくは0.15〜1.0、最も好ましくは0.2〜0.5である。この範囲であると、塗布適性(特にスクリーン印刷適性)がさらに良好となり、塗膜の平滑性がさらに良好となる。
【0017】
無機微粒子(A)としては、アルミナ微粒子(A1)及びシリカ微粒子(A2)の他に、公知の無機微粒子(たとえば、二酸化チタン、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、ゼオライト、カオリナイト、ハロイサイト、雲母、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化ランタン又は酸化イットリウムの微粒子等)を含有してもよい。
アルミナ微粒子(A1)及びシリカ微粒子(A2)以外の無機微粒子は2種以上を使用することができる。
【0018】
公知の無機微粒子を含有する場合、アルミナ微粒子(A1)及びシリカ微粒子(A2)以外の無機微粒子の含有量(重量%)としては、塗布適性(スクリーン印刷適性)の観点から、アルミナ微粒子(A1)及びシリカ微粒子(A2)の混合物の重量に基づいて、0.1〜30が好ましく、さらに好ましくは0.5〜15、特に好ましくは1〜10である。
【0019】
アルミナ微粒子(A1)及びシリカ微粒子(A2)のそれぞれの平均一次粒子径(nm)は、7〜40が好ましく、さらに好ましくは9〜30、特に好ましくは12〜20である。この範囲であると、塗膜の平滑性がさらに良好となる。
【0020】
アルミナ微粒子(A1)及びシリカ微粒子(A2)以外の公知の無機微粒子を含有する場合、この無機微粒子の平均一次粒径(nm)は、7〜5000が好ましく、さらに好ましくは10〜1000、特に好ましくは20〜500である。この範囲であると、塗膜の平滑性がさらに良好となる。
【0021】
なお、平均一次粒子径は、JIS Z8901−2006「試験用粉体及び試験用粒子」5.44粒子経分布(c)顕微鏡法に準拠し、振掛け法によって準備した試料を透過型電子顕微鏡で5万〜100万倍に拡大して観察した画像から200個以上の粒子を観察して算出される円相当径の個数平均値である。
【0022】
アルミナ微粒子(A1)及びシリカ微粒子(A2)のそれぞれのBET比表面積(m/g)は、50〜400が好ましく、さらに好ましくは90〜300である。この範囲であると塗布適性(特にスクリーン印刷適性)がさらに良好となる。
【0023】
アルミナ微粒子(A1)及びシリカ微粒子(A2)以外の公知の無機微粒子を含有する場合、この無機微粒子のBET比表面積(m/g)としては、5〜200が好ましく、さらに好ましくは10〜100である。この範囲であると塗布適性(特にスクリーン印刷適性)がさらに良好となる。
【0024】
なお、BET比表面積は、JIS Z8830−2001「気体吸着による粉体(固体)の比表面積測定方法」及びJIS R1626−1996「ファインセラミックス粉体の気体吸着BET法による比表面積の測定方法」に準拠し、乾燥した状態の無機微粒子を気体吸着法(流動法)にて測定する。キャリアガスとしては窒素−ヘリウムの混合ガスを用いた。そして脱着ピークの値からBET比表面積を算出することができる。
【0025】
バインダー樹脂(B)としては、ポリビニルアルコールが使用できる。
ポリビニルアルコールとしては、完全ケン化型ポリビニルアルコール、部分ケン化型ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、ノニオン変性ポリビニルアルコール及び架橋ポリビニルアルコールが含まれる。
【0026】
完全ケン化型ポリビニルアルコールとは、ケン化度が98モル%を超えて100モル%以下のポリビニルアルコールを意味する。部分ケン化ポリビニルアルコールとは、ケン化度が70〜98モル%のポリビニルアルコールを意味する。カチオン変性ポリビニルアルコールとは、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニオ基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体を必要によりケン化して得られる構造のポリマーを意味する。アニオン変性ポリビニルアルコールとは、カルボキシ基やスルホ基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体を必要によりケン化して得られる構造のポリマーを意味する。ノニオン変性ポリビニルアルコールとは、メルカプト基やケト基(カルボニル基)を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体を必要によりケン化して得られる構造のポリマーを意味する。架橋ポリビニルアルコールとは、完全ケン化型ポリビニルアルコール、部分ケン化型ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール又はノニオン変性ポリビニルアルコールを分子内及び/又は分子間で架橋させた構造のポリマーを意味する。
【0027】
完全ケン化型ポリビニルアルコール及び部分ケン化型ポリビニルアルコールとしては、公知のもの(たとえば、特開2006−28233号公報)等が使用できる。カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、公知のもの(たとえば、特開平10−119423号公報)等が使用できる。アニオン変性ポリビニルアルコールとしては、公知のもの(たとえば、特開平1−206088号公報、特開昭61−237681号、特開昭63−307979号公報及び特開平7−285265号公報)等が使用できる。ノニオン変性ポリビニルアルコールとしては、公知のもの(たとえば、特開平7−9758号公報及び特開平8−25795号公報)等が使用できる。
【0028】
架橋ポリビニルアルコールとしては、電離放射線等によって架橋されたポリビニルアルコール(特開平1−286886号公報、特開昭60−129742号公報又は特開2000−181062号)等が使用できる。
【0029】
これらのポリビニルアルコールのうち、形成される乾燥塗膜の塗膜強度の観点から、部分ケン化型ポリビニルアルコール及び完全ケン化型ポリビニルアルコールが好ましく、さらに好ましくは部分ケン化型ポリビニルアルコール、特に好ましくはケン化度が72〜96{好ましくは77〜95、特に好ましくは78〜90}モル%の部分ケン化型ポリビニルアルコールである。
【0030】
なお、ケン化度は、JIS K6726−1994「ポリビニルアルコール試験法 3.5ケン化度」に準拠して測定される。
【0031】
ポリビニルアルコールの平均重合度は、1000〜6000が好ましく、さらに好ましくは2000〜5500、特に好ましくは2500〜5000である。この範囲であると、形成される乾燥塗膜の寸法安定性がさらに良好となる。
【0032】
なお、平均重合度は、JIS K6726−1994「ポリビニルアルコール試験法」3.7平均重合度に準拠して測定される。なお、カチオン変性ポリビニルアルコールの平均重合度は、特許第3434055号公報に記載された方法によって測定される。
【0033】
バインダー樹脂(B)として、ポリビニルアルコール以外に、公知の親水性高分子が使用できる。
公知の親水性高分子としては、特開2003−063131号公報等に記載の親水性重合体等を使用することができる。
【0034】
バインダー樹脂(B)の含有量(重量%)は、無機微粒子(A)の重量に基づいて、5〜50が好ましく、さらに好ましくは10〜40、特に好ましくは15〜35、最も好ましくは18〜30である。この範囲であると、塗膜強度及び平滑性(塗膜強度とスクリーン印刷適性のバランス)がさらに良好となる。
【0035】
水(C)は、イオン交換水、蒸留水、超純水、水道水及び工業用水等が使用できる。
【0036】
炭素数3〜6の脂肪族アルコール(D)としては、脂肪族モノアルコール、脂肪族多価アルコール及びポリオキシアルキレン化合物が含まれる。
【0037】
脂肪族モノアルコールとしては、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−2−ペンタノール及び4−メチル−2−ペンタノール等が挙げられる。
【0038】
脂肪族多価アルコールとしては、ジオール{たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール及び1,6−ヘキサンジオール等}、3〜4価の多価アルコール{グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、1,2,6−ヘキサントリオール及びジグリセリン等}が挙げられる。
【0039】
ポリオキシアルキレン化合物としては、ポリオキシアルキレングリコール{たとえば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール及びトリエチレングリコール等}、アルキレングリコールモノアルキルエーテル{たとえば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル及びプロピレングリコールモノメチルエーテル(メトキシプロパノール)等}が挙げられる。
【0040】
脂肪族アルコール(D)は、1種でもよいし、2種以上の混合物でもよいが、形成される塗膜の平滑性の観点から、少なくとも二種を含むことが好ましく、さらに好ましくは脂肪族モノアルコールを少なくとも二種含むこと、特に好ましくは1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール及び3−メチル−2−ブタノールからなる群より選ばれる少なくとも二種を含むこと、つぎに好ましくは1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、1−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール及び3−メチル−1−ブタノールからなる群より選ばれる少なくとも二種を含むこと、最も好ましくは1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール及び1−ペンタノールからなる群より選ばれる少なくとも二種を含むことである。
【0041】
脂肪族アルコール(D)の含有量(重量%)は、無機微粒子(A)、バインダー樹脂(B)及び水(C)の重量に基づいて、0.7〜55が好ましく、さらに好ましくは1.5〜45、特に好ましくは3.0〜30、最も好ましくは4.0〜16である。この範囲であると、塗布適性(特にスクリーン印刷性)がさらに良好となり、形成される塗膜の平滑性がさらに良好となる。
【0042】
炭素数3〜6の脂肪族アルコール(D)と水(C)との重量比(D/C)は、0.01〜0.9が好ましく、さらに好ましくは0.02〜0.75、特に好ましくは0.03〜0.5、最も好ましくは0.05〜0.3である。この範囲であると、どんな塗布方法であっても、たとえば、スクリーン印刷法であっても、泡かみが少なく、形成される塗膜の平滑性がさらに良好となる。
【0043】
本発明の微粒子スラリーには、さらに、カルボン酸(塩)(共)重合体(E)を含むことが好ましい。カルボン酸(塩)(共)重合体(E)を含むと、形成される塗膜の平滑性がさらに良好となる。
【0044】
カルボン酸(塩)(共)重合体(E)としては、ビニル基含有カルボン酸(塩)を必須構成単量体とするポリマーであれば、ビニル基含有カルボン酸(塩)のホモポリマーであってもよいし、ビニル基含有カルボン酸(塩)と、他の単量体{(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、ビニル基含有アミド、ビニル基含有スルホン酸、ビニル基含有ニトリル及びスチレン等}との共重合体であってもよい。
【0045】
本発明において、「・・カルボン酸(塩)」とは、「・・カルボン酸」、「・・カルボン酸の完全中和塩」又は「・・カルボン酸の部分中和塩」を意味する。
塩としては特に限定されるものではなく、公知のものを使用できる。これらのうち、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム及びカリウム等)塩及びアンモニウム塩が好ましい。
【0046】
カルボン酸(塩)(共)重合体(E)としては、ビニル基含有カルボン酸塩を必須構成単量体として重合して得てもよく、ビニル基含有カルボン酸塩及びビニル基含有カルボン酸を必須構成単量体として重合して得てもよく、ビニル基含有カルボン酸を必須構成単量体として重合した後、中和塩としてもよい。
【0047】
ビニル基含有カルボン酸(塩)としては、脂肪族モノカルボン酸(塩)、脂環式モノカルボン酸(塩)及び芳香族モノカルボン酸(塩)等が含まれ、たとえば、特開2004−315359号公報に記載のもの等が使用できる。これらのうち、脂肪族モノカルボン酸(塩)が好ましく、さらに好ましくはアクリル酸(塩)及びメタクリル酸(塩)、特に好ましくはアクリル酸(塩)である。
【0048】
他の単量体のうち、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、公知のものが使用でき、たとえば、特開2006−045549号公報に記載のもの等が挙げられる。これらのうち、入手のし易さの観点から、1官能脂肪族(メタ)アクリレートが好ましく、さらに好ましくはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−又はiso−プロピル(メタ)アクリレート、n−、iso−又はt−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートである。
【0049】
(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルとしては、アルキル基の炭素数1〜6の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル等が使用でき、たとえば、特開2006−045549号公報に記載のもの等が挙げられる。これらのうち、入手のし易さの観点から、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート及び6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0050】
ビニル基含有アミド、ビニル基含有スルホン酸及びビニル基含有ニトリルとしては、公知のものが使用でき、たとえば、特開2004−315359号公報に記載のもの等が挙げられる。これらのうち、入手のし易さの観点から、ビニル基含有アミドが好ましく、さらに好ましくは(メタ)アクリルアミドが好ましく、さらに好ましくはジメチル(メタ)アクリルアミド及びジエチル(メタ)アクリルアミドである。
【0051】
他の単量体を構成単量体として含む場合、カルボン酸(塩)(共)重合体(E)は、ブロック状、ランダム状及びこれらの組合せのいずれでもよいが、生産性の観点等から、ランダム状及びブロック状とランダム状との組合せが好ましく、さらに好ましくはランダム状である。
【0052】
他の単量体を構成単量体とする場合、他の単量体単位の含有量(モル%)は、ビニル基含有カルボン酸(塩)単位のモル数に基づいて、5〜100が好ましく、さらに好ましくは10〜95、特に好ましくは30〜90である。
【0053】
カルボン酸(塩)(共)重合体(E)は、公知の重合方法{溶液重合法、パール重合法及び逆相乳化重合法等;たとえば、特開2004−315359号公報等}を用いて得ることができるが、特に限定されるものではない。
【0054】
カルボン酸(塩)(共)重合体(E)を含有する場合、カルボン酸(塩)(共)重合体(E)は、1種でもよいし、2種以上の混合物でもよい。
また、この場合、カルボン酸(塩)(共)重合体(E)の含有量(重量%)は、無機微粒子(A)、バインダー樹脂(B)、水(C)及び炭素数3〜6の脂肪族アルコール(D)の重量に基づいて、0.01〜5.0が好ましく、さらに好ましくは0.02〜4、特に好ましくは0.05〜3、最も好ましくは0.1〜2である。この範囲であると、形成される塗膜の平滑性がさらに良好となる(スクリーン印刷法を適用しても、メッシュ痕等が残らず、平滑性が高い塗膜を得ることができる。)。
【0055】
本発明の微粒子スラリーには、必要に応じて、添加剤{分散剤(F)、有機微粒子(G)、酸化防止剤(H)、紫外線吸収剤(I)、架橋剤(J)及び染料固着剤(K)等}を添加できる。添加剤は、それぞれ、2種以上を混合しても使用できる。
【0056】
分散剤(F)としては、公知のもの(たとえば、特開2006−231596号公報に記載されたカチオン性ポリマー、水溶性多価金属化合物及び界面活性剤等、特開2006−169321号公報に記載された低分子カチオン性分子、並びに特開2003−251918号公報に記載された有機酸及び無機酸等)等が使用できる。
【0057】
これらのうち、カチオン性ポリマー、水溶性多価金属化合物、低分子カチオン性分子、有機酸及び無機酸が好ましく、さらに好ましくはカチオン性ポリマー、低分子カチオン性分子、乳酸、ギ酸、酢酸、塩酸及び硝酸、特に好ましくはカチオン性ポリマー、低分子カチオン性分子、乳酸、酢酸及び硝酸である。
【0058】
塗膜の耐擦傷性向上の観点から、有機微粒子(G)を添加することが好ましい。
【0059】
有機微粒子(G)としては、公知のもの(たとえば、特開2006−192634号公報及び特開2004−082729号公報に記載された有機微粒子)等が使用できる。これらのうち、架橋ポリビニルピロリドン粒子、アクリル重合体、スチレン−アクリル共重合体及び酢酸ビニル−アクリル共重合体が好ましい。
【0060】
酸化防止剤(H)としては、公知のもの{たとえば、特開2001−26178号公報}等が使用できる。これらのうち、乾燥塗膜の耐候性の観点から、ヒンダードアミン系酸化防止剤が好ましい。
【0061】
紫外線吸収剤(I)としては、公知のもの{たとえば、特開2000−42614号公報に記載された紫外線吸収剤、及び特開2004−42614号公報に記載された高分子型紫外線吸収剤等}等が使用できる。これらのうち、乾燥塗膜の耐候性の観点から、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましい。
【0062】
架橋剤(J)としては、バインダー樹脂(B)を架橋できる化合物であれば制限なく使用でき、公知のもの(たとえば、特開2000−335087号公報)等が使用できる。これらのうち、乾燥塗膜の着色の観点から、ホウ素化合物及び金属含有化合物が好ましく、さらに好ましくは硼砂、ホウ酸、ホウ酸塩、酢酸ジルコニウム及び硝酸ジルコニウム、特に好ましくは硼砂、ホウ酸、酢酸ジルコニウム及び硝酸ジルコニウムである。
【0063】
微粒子スラリーをインクジェット受容層形成用組成物として用いる場合、形成されるインクジェット受容層の印刷画像の発色性向上の観点から、染料固着剤(K)を添加することが好ましい。
【0064】
染料固着剤(K)としては、公知のもの(たとえば、特開平10−264511号公報及び特許2000261号公報)等が使用できる。これらのうち、印刷画像の発色性の観点から、アリルアミン及びこの重合体塩、特許2000261号公報に記載のジアリルアミン塩及び/又はアルキルジアリルアミン塩と非イオン性ビニルモノマー(アクリルアミド等)とを構成単位とする重合体、ジアリルアミン及びこの重合体塩、ジアリルジアルキルアンモニウム及びこの重合体塩、並びにジアリルアルキルアミン及びこの重合体塩が好ましく、さらに好ましくはジアリルアミン重合体塩、ジアリルジアルキルアンモニウム重合体塩、ジアリルアルキルアミン重合体塩及びジアリルアミン塩及び/又はアルキルジアリルアミン塩と非イオン性ビニルモノマーとを構成単位とする重合体、特に好ましくはジアリルアミン重合体塩酸塩、ジアリルジアルキルアンモニウム重合体塩酸塩、ジアリルアルキルアミン重合体塩酸塩及びジアリルアミン塩及び/又はアルキルジアリルアミン塩と非イオン性ビニルモノマーとを構成単位とする重合体、最も好ましくはジアリルアミン重合体塩酸塩、ジアリルアルキルアミン重合体塩酸塩及びジアリルアミン塩及び/又はアルキルジアリルアミン塩と非イオン性ビニルモノマーとを構成単位とする重合体である。
【0065】
分散剤(F)を含有する場合、この含有量(重量%)は、無機微粒子(A)、バインダー樹脂(B)、水(C)及び炭素数3〜6の脂肪族アルコール(D)の重量に基づいて、0.002〜2が好ましく、さらに好ましくは0.02〜1、特に好ましくは0.1〜0.5である。
【0066】
有機微粒子(G)を含有する場合、この含有量(重量%)は、無機微粒子(A)、バインダー樹脂(B)、水(C)及び炭素数3〜6の脂肪族アルコール(D)の重量に基づいて、0.002〜2が好ましく、さらに好ましくは0.02〜1、特に好ましくは0.1〜0.5である。
【0067】
酸化防止剤(H)を含有する場合、この含有量(重量%)は、無機微粒子(A)、バインダー樹脂(B)、水(C)及び炭素数3〜6の脂肪族アルコール(D)の重量に基づいて、0.002〜2が好ましく、さらに好ましくは0.02〜1、特に好ましくは0.1〜0.5である。
【0068】
紫外線吸収剤(I)を含有する場合、この含有量(重量%)は、無機微粒子(A)、バインダー樹脂(B)、水(C)及び炭素数3〜6の脂肪族アルコール(D)の重量に基づいて、0.002〜2が好ましく、さらに好ましくは0.02〜1、特に好ましくは0.1〜0.5である。
【0069】
架橋剤(J)を含有する場合、この含有量(重量%)は、無機微粒子(A)、バインダー樹脂(B)、水(C)及び炭素数3〜6の脂肪族アルコール(D)の重量に基づいて、0.002〜2が好ましく、さらに好ましくは0.02〜1、特に好ましくは0.05〜0.5である。
【0070】
染料固着剤(K)を含有する場合、この含有量(重量%)は、無機微粒子(A)、バインダー樹脂(B)、水(C)及び炭素数3〜6の脂肪族アルコール(D)の重量に基づいて、0.002〜10が好ましく、さらに好ましくは0.02〜5.0、特に好ましくは0.05〜2.0である。
【0071】
添加剤を含有する場合、添加剤は任意の段階で添加混合することができる。
【0072】
本発明の微粒子スラリーは、以下の<方法1>〜<方法3>の製造方法等によって容易に得られる。
【0073】
<方法1>
アルミナ微粒子(A1)及びシリカ微粒子(A2)からなる無機微粒子(A)の水分散体を得た後、バインダー樹脂(B)の水溶液、水(C)及び炭素数3〜6の脂肪族アルコール(D)、並びに必要に応じてカルボン酸(塩)(共)重合体(E)及び/又は添加剤と、無機微粒子(A)の水分散体とを均一混合分散する工程を含む製造方法。
【0074】
<方法2>
バインダー樹脂(B)の水溶液中にを含有してなる水溶液に、 アルミナ微粒子(A1)及びシリカ微粒子(A2)からなる無機微粒子(A)、炭素数3〜6の脂肪族アルコール(D)、水(C)並びに必要に応じてカルボン酸(塩)(共)重合体(E)及び/又は添加剤を均一混合分散する工程を含む製造方法。
【0075】
<方法3>
アルミナ微粒子(A1)及びシリカ微粒子(A2)からなる無機微粒子(A)、バインダー樹脂(B)、水(C)及び炭素数3〜6の脂肪族アルコール(D)、並びに必要に応じてカルボン酸(塩)(共)重合体(E)及び/又は添加剤を均一混合分散する工程を含む製造方法。
【0076】
これらのうち、得られる乾燥塗膜の平滑性の観点から、<方法1>及び<方法2>が好ましく、さらに好ましくは<方法1>である。
【0077】
均一混合分散には、公知の分散機{たとえば、圧力式分散機(高圧ホモジナイザー等)、ボールミル、サンドミル、ロールミル、遊星型混分散機及び3軸遊星型ミキサー等}等が使用できる。これらの分散機のうち、遊星型混合分散機及び3軸遊星型ミキサーが好ましく、さらに好ましくは3軸遊星型ミキサーである。なお、3軸遊星型ミキサーは、遊星運動を行う2枚のブレードと高速回転翼の3軸から構成される。2枚のブレードは自転及び公転し、この自公転に同期しながら高速回転翼は自転する構造をとる分散機である(たとえば、登録実用新案第3026043号)。
【0078】
分散温度は特に制限ないが、10〜50℃が好ましく、さらに好ましくは20〜45℃、特に好ましくは25〜35℃である。この範囲であると保存安定性がさらに良好となる。また、分散時間は特に制限ないが、30分〜24時間が好ましく、さらに好ましくは1〜12時間である。この範囲であると得られる塗膜の平滑性がさらに良好となる。
【0079】
本発明の微粒子スラリーはインク受容層、酸化防止被膜、絶縁被膜、放熱材料、蛍光体の光拡散層、触媒担持層として用いることができる。適用できる支持体としては、紙{サイジングが施された紙、無サイズ紙、上質紙、中質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、紙の片面あるいは両面が樹脂(ポリオレフィン等)で被覆された樹脂被覆紙等}、樹脂フィルム(シートを含む意味である){ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ乳酸、ポリスチレン、ポリアセテート、ポリシクロオレフィン、ポリ塩化ビニル、酢酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート又はポリカーボネート等からなるフィルム、及びこれらの金属蒸着フィルム、無機物の充填又は微細な発泡により不透明化されたフィルムからなる合成紙等}、ディスク状の光記録メディア、ガラス基板、金属基板、布及び皮革等が挙げられる。これらのうち、樹脂フィルム、ディスク状の光記録メディア、ガラス基板及び金属基板に好適である。
【0080】
本発明の微粒子スラリーを、支持体に塗布して塗布層を形成する工程の前に、支持体の微粒子スラリーを塗布する面に、支持体と塗膜との密着性を向上させる目的で、予め密着処理する工程、又は接着処理する工程を追加してもよい。特に、支持体として樹脂被覆紙、樹脂フィルム、又は合成紙を用いる場合、その表面にコロナ放電処理すること、あるいはゼラチン等によるアンダーコート層を設けることが好ましい。
【0081】
本発明の微粒子スラリーを支持体に塗布して塗布層を形成する工程において、スクリーン印刷法、ダイコーター法、ロールコーター法、ブレードコーター法、ロッドコーター法、バーコーター法又はスピンコーター法等を用いて塗布できる。
【0082】
本発明の微粒子スラリーを用いれば、スクリーン印刷法で塗膜を形成した場合であっても、曳糸性による凹凸及びメッシュ痕等の発生を防止でき、平滑な塗膜が得られる。スクリーン法を用いると、他の印刷法でできなかった塗膜のパターン形成や模様の形成をすることができる。
【0083】
スクリーン印刷法に用いるスキージとしては、シリコーンゴム及びポリウレタンゴム等の樹脂製スキージやメタル製スキージのいずれもが使用できる。
スキージ硬度は、55〜95度が好ましく、さらに好ましくは60〜90度、特に好ましくは70〜80度である。
なお、スキージ硬度はJIS K6253−1997「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法 5.デュロメーター硬さ試験(タイプA)」に準拠して測定される。
スキージのヘッド形状は特に限定はされないが、特開2004−042644号公報に記載された形状等が使用でき、平形、剣形、角形及び平形をカットした形状等のいずれでもよい。
【0084】
スクリーン印刷法に用いるスクリーンメッシュマスクの材質としては、特に制限はなく、ステンレスメッシュ又はポリエステルメッシュを感光性乳剤で開口部を形成したもの等が挙げられる。
メッシュの目開き(μm)は30〜400が好ましく、さらに好ましくは、40〜300、特に好ましくは50〜250である。
なお、メッシュの目開きはJIS G3556−2002「工業用織金網 7.2試験方法 目開き」に準拠して測定される。
スクリーンメッシュマスクの厚み(メッシュと感光性乳剤との合計厚み )(μm)は、30〜200が好ましく、さらに好ましくは70〜150、特に好ましくは90〜120である。
【0085】
本発明の微粒子スラリーをスクリーン印刷インキとして用いる場合、25℃において周波数1Hzにおける損失正接が0.4〜4.5であることが好ましく、さらに好ましくは0.6〜4.0、特に好ましくは1.0〜3.6である。これらの範囲であるとスクリーン印刷特性が良好となり、平滑性の高い塗膜が得られる。
【0086】
損失正接は、「レオロジー工学とその応用技術」(株)フジ・テクノシステム、2001年1月12日 初版第1刷発行、第204〜206頁に記載の応力制御方式で測定可能な粘弾性測定装置(たとえば、商品名「レオストレスRS75」(HAAKE社製)を用いて求められ、たとえば、特開2006−241449号公報に記載の方法等で測定できる。
【0087】
本発明の微粒子スラリーをスクリーン印刷インキとして用いる場合、25℃におけるコーン・プレート型の回転粘度(E型粘度)において、10rpmでの粘度(V10、mPa・s)は、2000〜15000が好ましく、さらに好ましくは3000〜12000、特に好ましくは4000〜10000である。また同様に、100rpmでの粘度(V100、mPa・s)は、300〜4500が好ましく、さらに好ましくは500〜4000、特に好ましくは600〜3000である。また、10rpmでの粘度(V10)と100rpmでの粘度(V100)との比(V10/V100)は、1.1〜4.0が好ましく、さらに好ましくは1.2〜3.5、特に好ましくは1.5〜3.0である。これらの範囲であるとスクリーン印刷特性が良好となり、平滑性の高い塗膜が得られる。
【0088】
コーン・プレート型の回転粘度(E型粘度)は、JIS K7117−2「プラスチック−液状、乳濁状又は分散状の樹脂−回転粘度計による定せん断速度での粘度の測定方法」に準拠して測定され、たとえば東機産業(株)製「RE−80U」等で測定できる。
【0089】
本発明の微粒子スラリーを塗布した後、形成された塗布層を乾燥することによって乾燥塗膜が形成される。
塗布層を乾燥して乾燥塗膜を形成する工程において、乾燥は、30〜150℃、0.5〜30分間の条件が好ましく、さらに好ましくは40〜125℃、1〜20分間、特に好ましくは45〜100℃、3〜15分間、最も好ましくは50〜95℃、4〜10分間の条件である。
【0090】
乾燥塗膜の厚さは、塗膜上への印刷方法、印刷に用いられるインクやそのインクに使用される溶剤の種類、そのインク量等によって適宜選択することができるが、1〜100μmが好ましく、さらに好ましくは5〜70μm、特に好ましくは10〜50μm、最も好ましくは12〜45μmである。
【0091】
形成された塗膜をインク受容層として用いる場合の画像形成は、インクジェットプリンター、熱転写プリンター、レーザープリンター、オフセット印刷及び筆記用具(フェルトペン等)等により行うことができる。
【実施例】
【0092】
以下、本発明を実施例により更に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、特に言及しない限り、部は重量部を、%は重量%を意味する。
【0093】
<製造例1>
温度計、攪拌機、コンデンサー、滴下ポンプ(2本)を備えた重合用ステンレス反応容器に、無水マレイン酸81.4部(0.83モル)及びイオン交換水293.9部を投入し、還流・攪拌下95℃に加熱した。その後還流(95℃)下で、80%アクリル酸水溶液260.0部(2.89モル)、48.5%水酸化ナトリウム水溶液173.6部及びイオン交換水156.0部を予め混合した単量体水溶液を180分間かけて滴下ポンプから滴下し、同時にもう一方の滴下ポンプから混合触媒溶液(過硫酸ナトリウム11.6部、35%過酸化水素水47.0部及びイオン交換水11.0の混合物)を同じく180分間かけて一定速度で滴下しながら重合させた。滴下終了後、さらに120分間、還流(95℃)を維持し、重合反応を完結させた。次いで、40℃以下に冷却した後、40℃以下を保ちながら48.5%水酸化ナトリウム水溶液152.4部で中和して共重合体(1)の水溶液を得た。さらにエバポレータにて共重合体(1)の水溶液から水を留去し、カルボン酸塩共重合体(e1)を得た。
【0094】
<製造例2>
「無水マレイン酸81.4部(0.83モル)」を「ヒドロキシエチルアクリレート18.6部(0.16モル)」に変更したこと以外、製造例1と同様にして、カルボン酸塩共重合体(e2)を得た。
【0095】
<製造例3>
「無水マレイン酸81.4部(0.83モル)」を「2−エチルヘキシルモノアクリレート239.6部(1.3モル)及びn−ブチルアクリレート166.7部(1.3モル)」に変更したこと、及び「80%アクリル酸水溶液260.0部(2.89モル)」を「80%アクリル酸水溶液26.0(0.29モル)」に変更したこと以外、製造例1と同様にして、カルボン酸塩共重合体(e3)を得た。
【0096】
<製造例4>
「無水マレイン酸81.4部(0.83モル)」を「スチレン270.9部(2.6モル)」に変更したこと、「80%アクリル酸水溶液260.0部(2.89モル)」を「80%アクリル酸水溶液26.0(0.29モル)」に変更したこと、及び「48.5%水酸化ナトリウム水溶液173.6部」を「25%アンモニア水150.0部」に変更したこと以外、製造例1と同様にして、カルボン酸塩共重合体(e4)を得た。
【0097】
<実施例1>
水(c1){イオン交換水}40部に、ポリビニルアルコール(b1){J−POVAL JP−50、日本酢ビポバール(株)製、ケン化度89モル%、重合度5000}4部を空気雰囲気下、15℃で分散した後、大気圧(約1013hPa)下で45分かけて90℃まで昇温し、90℃で6時間撹拌してポリビニルアルコール(b1)水溶液44部を得た。
【0098】
3軸遊星型ミキサ(浅田鉄工(株)製、プラネタリDESPA)に水(c2){イオン交換水}23部、分散剤(f1){乳酸、東京化成(株)製、試薬1級}2.4部、染料固着剤(k1){メチルジアリルアミンポリマー塩酸塩50重量%水溶液、PAS−M−1、日東紡績(株)製}2.0部及びシリカ微粒子(a5){シリカ微粒子、アエロジル200、日本アエロジル(株)製、気相法シリカ、一次粒径7nm、BET比表面積200m/g}18部を仕込み、25〜30℃に保持し、分散機の攪拌機の出力を80パーセントに固定して1時間攪拌したのち、アルミナ微粒子(a1){アルミナ微粒子、Aeroxide Alu−c、デグサ社製、一次粒子径13nm}4部を仕込み、同様に分散機の攪拌機の出力を80パーセントに固定して1時間攪拌してから、ポリビニルアルコール(b1)水溶液44部を仕込み、再び分散機の攪拌機の出力を80パーセントに固定して1時間攪拌した後、脂肪族アルコール(d1){1−ブタノール、NBO、チッソ(株)製}5部、脂肪族アルコール(d3){2−メチル−1−プロパノール、イソブタノール、協和発酵ケミカル(株)製}5部、脂肪族アルコール(d5){1−ペンタノール、和光純薬(株)製、試薬1級}1部及びカルボン酸塩共重合体(e1)0.1部を仕込みさらに同条件にて1時間攪拌して、本発明の微粒子スラリー(1)を得た。
【0099】
<実施例2〜12>
「脂肪族アルコール(d1)5部」、「脂肪族アルコール(d3)5部」、「脂肪族アルコール(d5)1部」、「水(c2)23部」及び「カルボン酸塩共重合体(e1)0.1部」を表1に記載した物質及び使用量に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の微粒子スラリー(2)〜(12)を得た。
【0100】
<実施例13〜21>
「カルボン酸塩共重合体(e1)0.1部」を表2に記載した物質及び使用量に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の微粒子スラリー(13)〜(21)を得た。
【0101】
<実施例22〜26>
「シリカ微粒子(a5)18部」及び「アルミナ微粒子(a1)4部」を表3に記載した物質及び使用量に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の微粒子スラリー(22)〜(26)を得た。
【0102】
<実施例27〜33>
「シリカ微粒子(a5)18部」、「アルミナ微粒子(a1)4部」及び「ポリビニルアルコール(b1)水溶液44部」を表4に記載した物質及び使用量に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の微粒子スラリー(27)〜(33)を得た。
【0103】
<実施例34〜40>
「シリカ微粒子(a5)18部」及び「アルミナ微粒子(a1)4部」を表5に記載した物質及び使用量に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の微粒子スラリー(34)〜(40)を得た。
【0104】
【表1】



【0105】
【表2】



【0106】
【表3】



【0107】
【表4】



【0108】
【表5】



【0109】
なお、表1〜表4中の各含有成分(a1)〜(a7)、(b1)、(c1)、(c2)、(d1)〜(d13)に対応する数値は重量部を表し、これら以外の各略号の意味は以下の通りである。
「e1」、「e2」、「e3」、「e4」は無機微粒子(A)、バインダー樹脂(B)、水(C)及び脂肪族アルコール(D)の重量に基づいたカルボン酸(塩)(共)重合体(e1)〜(e4)の添加量(重量%)を、「f1」は無機微粒子(A)、バインダー樹脂(B)、水(C)及び脂肪族アルコール(D)の重量に基づいた分散剤(f1)の添加量(重量%)を、「k1」は無機微粒子(A)、バインダー樹脂(B)及び水(C)の重量に基づいた染料固着剤(k1)の添加量(重量%)、「D/C」は、炭素数3〜6の脂肪族アルコール(D)と水(C)との重量比{(D)/(C)}を、「BET」は用いた無機微粒子(A)のBET比表面積(それぞれ順に上下の欄に記載した)を、粒子径は用いた無機微粒子(A)の平均一次粒子径(それぞれ順に上下の欄に記載した)を、「A1/A2」はアルミナ微粒子(A1)とシリカ微粒子(A2)との重量比を、「B/A」は無機微粒子(A)の重量に基づいたバインダー樹脂(B)の含有量(重量%)を、「粒子径」は(A1)及び(A2)の平均一次粒子径(nm)を示す。
【0110】
a1;Aeroxide Alu−c{アルミナ微粒子、デグサ社製、気相法アルミナ、一次粒子径13nm、BET比表面積100m/g}
a2;アエロジル380{シリカ微粒子、日本アエロジル(株)製、気相法シリカ、一次粒子径7nm、BET比表面積380m/g}
a3;アエロジルTT600{シリカ微粒子、日本アエロジル(株)製、気相法シリカ、一次粒子径40nm、BET比表面積50m/g}
a4;アエロジル90G{シリカ微粒子、日本アエロジル(株)製、気相法シリカ、一次粒子径20nm、BET比表面積90m/g}
a5;アエロジル200{シリカ微粒子、日本アエロジル(株)製、気相法シリカ、一次粒径7nm、BET比表面積200m/g}
a6;アエロジル300{シリカ微粒子、日本アエロジル(株)製、気相法シリカ、一次粒径7nm、BET比表面積300m/g}
a7;NanoTek TiO{二酸化チタン微粒子、シーアイ化成(株)製、二酸化チタン、一次粒径36nm、BET比表面積50m/g}
【0111】
b1;{J−POVAL JP−35、日本酢ビポバール(株)製、ケン化度89モル%、重合度3500}
c1、c2;イオン交換水
【0112】
d1;1−ブタノール{NBO、チッソ(株)製}
d2;2−ブタノール{和光純薬工業(株)製、試薬1級}
d3;2−メチル−1−プロパノール{イソブタノール、協和発酵ケミカル(株)製}
d4;2−メチル−2−プロパノール{和光純薬工業(株)製、試薬1級}
d5;1−ペンタノール{和光純薬工業(株)製、試薬1級}
d6;2−ペンタノール{和光純薬工業(株)製、試薬1級}
d7;3−ペンタノール{和光純薬工業(株)製、試薬1級}
d8;2−メチル−1−ブタノール{和光純薬工業(株)製、試薬1級}
d9;3−メチル−1−ブタノール{和光純薬工業(株)製、試薬1級}
d10;2−メチル−2−ブタノール{和光純薬工業(株)製、試薬1級}
d11;3−メチル−2−ブタノール{東京化成工業(株)製、試薬1級}
d12;1−プロパノール{和光純薬工業(株)製、試薬1級}
d13;1−ヘキサノール{和光純薬工業(株)製、試薬1級}
【0113】
e1;製造例1で製造したカルボン酸(塩)(共)重合体
e2;製造例2で製造したカルボン酸(塩)(共)重合体
e3;製造例3で製造したカルボン酸(塩)(共)重合体
e4;製造例4で製造したカルボン酸(塩)(共)重合体
【0114】
f1;乳酸、東京化成(株)製、試薬1級
k1;メチルジアリルアミンポリマー塩酸塩50重量%水溶液、PAS−M−1、日東紡績(株)製
【0115】
<比較例1>
「脂肪族アルコール(d1)5部」、「脂肪族アルコール(d3)5部」、「脂肪族アルコール(d5)1部」及び「水(c2)23部」を「水(c2)35部」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、比較用の微粒子スラリー(H1)を得た。
【0116】
<比較例2>
水(c1)26.6部に、バインダー樹脂(b2){PVA235、(株)クラレ製、ケン化度88モル%、重合度3500}2部を空気雰囲気下、15℃で分散した後、大気圧(約1013hPa)下で45分かけて90℃まで昇温し、90℃で6時間撹拌してバインダー樹脂(b2)水溶液28.6部を得た。
【0117】
3軸遊星型ミキサ(浅田鉄工社製、プラネタリDESPA)に水(c2)64.8部、分散剤{シャロールDC−902P、第一工業製薬(株)製}0.9部及び無機微粒子(a5){アエロジル300CF、日本アエロジル(株)製}10部を仕込み、25〜30℃に保持し、分散機の攪拌機の出力を80パーセントに固定して1時間攪拌してから、ポリビニルアルコール(b2)水溶液28.6部を仕込み、再び分散機の攪拌機の出力を80パーセントに固定して1時間攪拌した後、硝酸ジルコニル{ZA−30、第一稀元素化学工業(株)製}0.5部、架橋剤{ホウ酸、和光純薬工業(株)製、試薬特級}0.4部、水溶性樹脂(バインダー){スーパーフレックス600、第一工業製薬(株)製}1部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル{エマルゲン109P、花王(株)製}0.5部及びエタノール{和光純薬工業(株)製、試薬特級}2.5部を仕込みさらに同条件にて1時間攪拌して、比較用の微粒子スラリー(H2)を得た。
【0118】
実施例及び比較例で得た微粒子スラリーは、以下のようにして評価し、これらの結果を表6及び7に示した。
<塗工フィルムの作製>
70枚のコクヨ(株)製OHPフィルム(品番VF−1)上に、スクリーンメッシュマスク(乳剤厚みが120μm、大きさが30cm×30cmのポリエステル製目開き173μmメッシュ版)を配置(印刷ギャップ:1.5mm)し、25℃の環境下に6時間密封保管した評価試料{微粒子スラリー}を硬度70°、長さ20cm、厚さ2cmの角形スキージにてマスク印刷{スキージ角度15°、移動速度150mm/sec、スキージ圧(スキージ押しつけ荷重)40kg)}して、70枚の塗工フィルムを得た。引き続き、塗工フィルムを70±5℃の熱風乾燥機中で10分間乾燥させて、70枚の乾燥後のフィルムを得た。
【0119】
<光沢度(平滑性)>
乾燥後のフィルムを20℃、65%RHの環境下で24時間調湿した後、JIS K5600−4−7:1999、塗料一般試験方法、第4部:塗膜の視覚特性、第7節:鏡面光沢度に準拠して、グロスチェッカIG−320{(株)堀場製作所社製}を用いて、黒フエルトの上に置いた乾燥後のフィルム表面の60度鏡面光沢度を測定し、70枚の算術平均値を光沢度とした。
【0120】
<泡かみ>
塗工フィルムの作製において、11〜60枚目にマスク印刷した乾燥後のフィルムについて、気泡痕を目視で数えて、1枚あたりの算術平均値を泡かみ数とした。
【0121】
<損失正接>
「レオストレスRS75」(HAAKE社製)を用いて25℃、1Hzにおける損失正接を測定した。
【0122】
<E型粘度>
「RE−80U」(東機産業社製)を用いて25℃における10rpmでの粘度(V10、mPa・s)及び100rpmでの粘度(V100、mPa・s)を測定し、10rpmでの粘度(V10)と100rpmでの粘度(V100)との比(V10/V100)を算出した。
【0123】
【表6】



【0124】
【表7】



【0125】
本発明の微粒子スラリー(実施例1〜40)は、比較用の微粒子スラリー(比較例1〜2)に比較して、光沢性(平滑性)及び泡かみについて著しく優れていた。
【産業上の利用可能性】
【0126】
本発明の微粒子スラリーは、インク受容層、酸化防止被膜、絶縁被膜、放熱材料、蛍光体の光拡散層又は触媒担持層を形成するための材料等として好適である。本発明の微粒子スラリーは、種々の支持体に塗布(塗工)でき、そして、乾燥して塗膜を形成することにより、この支持体に水性インキによる印刷適性を付与することができる。形成された塗膜は平滑性に優れ、塗膜をインク受容層として用いる場合、光沢感のある外観となり好ましい。支持体としては、皮、布、樹脂成形体、紙、金属、段ボール及び陶磁器が含まれ、本発明の微粒子スラリーが適用された支持体は、インクジェット印刷対応紙、インクジェット印刷対応産業用広告フィルム、プリペイドカード、光記録メディア(CD−R、CD−RW、DVD、BD等)、ICカード、磁気カード、放熱基板、LED等の蛍光体、触媒が担持された電極、電気機器用アクリル樹脂シート、建材用ポリカーボネート板、看板、表示パネル、表札、銘板、包装容器及び袋等として利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミナ微粒子(A1)及びシリカ微粒子(A2)からなる無機微粒子(A)、バインダー樹脂(B)、水(C)並びに炭素数3〜6の脂肪族アルコール(D)を含み、炭素数3〜6の脂肪族アルコール(D)と水(C)との重量比(D/C)が0.01〜0.9であることを特徴とする微粒子スラリー。
【請求項2】
さらに、カルボン酸(塩)(共)重合体(E)を含む請求項1に記載の微粒子スラリー。
【請求項3】
アルミナ微粒子(A1)とシリカ微粒子(A2)との重量比(A1/A2)が0.05〜2.0である請求項1又は2に記載の微粒子スラリー。
【請求項4】
アルミナ微粒子(A1)及びシリカ微粒子(A2)の平均一次粒径が7〜40nmである請求項1〜3のいずれかに記載の微粒子スラリー。
【請求項5】
脂肪族アルコール(D)が脂肪族モノアルコールである請求項1〜4のいずれかに記載の微粒子スラリー。
【請求項6】
脂肪族アルコール(D)が1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール及び3−メチル−2−ブタノールからなる群より選ばれる少なくとも二種を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の微粒子スラリー。
【請求項7】
バインダー樹脂(B)がポリビニルアルコールである請求項1〜6のいずれかに記載の微粒子スラリー。
【請求項8】
バインダー樹脂(B)の含有量が、無機微粒子(A)の重量に基づいて、5〜50重量%である請求項1〜7のいずれかに記載の微粒子スラリー。
【請求項9】
カルボン酸(塩)(共)重合体(E)の含有量が、アルミナ微粒子(A1)及びシリカ微粒子(A2)、バインダー樹脂(B)、水(C)及び炭素数3〜6の1価脂肪族アルコール(D)の重量に基づいて、0.01〜5.0重量%である請求項2〜8のいずれかに記載の微粒子スラリー。
【請求項10】
無機微粒子(A)のBET比表面積が50〜400m/gである請求項1〜9のいずれかに記載の微粒子スラリー。
【請求項11】
支持体にスクリーン印刷法で塗布するための請求項1〜10のいずれかに記載の微粒子スラリー。
【請求項12】
アルミナ微粒子(A1)及びシリカ微粒子(A2)からなる無機微粒子(A)の水分散体を得た後、バインダー樹脂(B)の水溶液、水(C)及び炭素数3〜6の脂肪族アルコール(D)、並びに必要に応じてカルボン酸(塩)(共)重合体(E)及び/又は添加剤と、無機微粒子(A)の水分散体とを均一混合分散する工程を含み、
炭素数3〜6の脂肪族アルコール(D)と水(C)との重量比(D/C)が0.01〜0.9であることを特徴とする微粒子スラリーの製造方法。

【公開番号】特開2010−202715(P2010−202715A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−47369(P2009−47369)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(000106438)サンノプコ株式会社 (124)
【Fターム(参考)】