説明

心臓弁及び当該心臓弁を体管に挿入する方法

心臓弁は、体管に心臓弁を固定するためのステント及び弁を通した血流を一方向に制限するためのステントレス弁部分を含む。当該弁部分は、弁部分とステントとの間のギャップを橋渡しするコネクターを介して、又はアンカー部分との直接的な末端同士の接続により支えられそして吊り下げられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、心臓弁及び体管に当該心臓弁を挿入する方法に関する。
【0002】
2004年12月16日に出願され、そして「Prosthetic Valve」という表題の米国特許出願第60/593,173号は、その全てを明示的に本明細書に援用される。本出願と同日に米国特許商標庁に出願された代理人整理番号第13430/3号を有する「A Separable Seath and Method for Insertion of a Medical Device into a Bodily vessel Using a Separable Sheath」という表題の米国特許出願第 号は、その全てを本明細書に明示的に援用される。
【背景技術】
【0003】
心臓弁などの機械弁又は生体弁は、先天性又は後天性疾患の結果として異常組織及び/又は異常機能を示す生来の弁を置換するために、体管(bodily vessel)中にインプラントすることができる。利用可能なプロステーシスは、機械及び生体を含む2個のカテゴリーの弁を含む。機械弁は、例えば、ケージ付きボール弁(caged-ball valve)、二葉弁、又は傾斜ディスク弁を含む。生体弁には、ヒト死体から回収される同種弁、並びにブタ大動脈弁、心膜組織弁(ブタ、ウマなど)などの生体組織弁、及び小腸粘膜下組織弁などの他の生体組織弁といった二つのタイプの弁がある。これらの弁は、ステントなどの堅いか又は少し柔軟性のあるアンカーに取り付けられてもよく、当該ステントはDACRON(登録商標)などのクロスでカバーされる。ステント又はアンカーは、患者の生来の組織に固定するために縫合環(sewing ring)に取り付けられてもよい。
【0004】
人工弁は、開及び閉により2個のチャンバー間の流れを可能にするように、並びに容易なインプラントを保証するように主に設計される。Coxに対する米国特許第6,736,846号は、疾患のある弁を置換するためにチューブ状開始物質、例えば4つの心臓弁のいずれかの使用を記載する。当該文献はその全てを本明細書に援用される。Coxは、チューブ状弁であって、適切な大きさにされかつ適切な物質特性を有する場合に生来の弁が果たすのと同様に機能する弁を使用することの重要性を強調した。
【0005】
人工弁は、2個のチャンバー又はコンパートメントの間の血流を単に可能にすることにより機能する。しかしながら、未熟者には容易に理解できるものではないが、これは生来の弁により生理的及び機能的に行われる多くの機能のうちの一つに過ぎない。弁内又は弁上に配置されたステントは、当該弁に構造的な支えを提供することができ、並びに、体管中への弁の取り付けを可能にする。ステントは、弁の機械的な性質を変更させない一方、心臓の機械的及び生理的性質に有意に影響しうる。こうして、ステントを伴う弁は、生来の弁と正確に同様には機能しないことがある。しかしながら、ステントレスの弁は、生来の弁の生理的機能をより同じ様に反映しうる。その結果、生来の弁を生理的により近似させるために、外科的及び/又は経皮的に体管にインプラントするための弁であって、体管内に固定されうる弁に対する必要性があると信じられている。
【発明の開示】
【0006】
要約
本発明の例示的実施態様に従って、体管内に配置するための弁は、以下の:アンカー部分;アンカー部分からはなれた弁部分;及びアンカー部分を接続し、そして体管内に弁を支えるように適用された少なくとも1のコネクターを含む。
【0007】
弁部分及びアンカー部分は、低プロファイルで体管中にデリバリーされ、そして大プロファイルに拡張する様に構成され、そしてアンカー部分は、体管内の適所に弁を固定するために適用されうる。
【0008】
アンカー部分は、機械的に(例えば、バルーン膨張、レンチにより、電気的に、磁気的に)拡張可能であってもよく、自己拡張可能であり、及び/又は形状記憶合金から作られてもよく、そして吸収又は非吸収性物質から構成されてもよい。コネクターは、弁部分の実質的に全長に沿って、弁のレベルで円周状に長手軸方向及び/又は垂直方向のいずれかの方向に伸張しているストラットを含んでもよい。
【0009】
弁部分は、実質的にチューブ状であってもよく、そして1の方向にのみ液体が流れることを許容するように構成された複数のフラップを含んでもよい。
【0010】
弁部分は、(a)小腸粘膜下層、(b)大管血管構造(large tubular vascular structure)、(c)心嚢組織、(d)大腿筋膜、又は(e)ナノ合成物質、例えば伸縮性ニチノールなどの生体物質から作られてもよい。弁部分は、他の生物適合性物質、例えばePTFE、絹、Elast-Eon(登録商標)などから作成されてもよい。
【0011】
弁部分は、陥入チューブから作られてもよい。陥入チューブの内壁は、少なくとも2個の位置に切れ込みを入れられて、フラップ又は弁尖を形成してもよく、これらは一方向の血液の流れを可能にする。
【0012】
アンカー部分は、ステントを含んでもよく、そして弁部分に対して、例えば円筒状又は切り詰め円錐形状に先細りになっていてもよい。
【0013】
コネクターは、組織弁の半径方向の拡張(radial expansion)を支えるためにアンカーの近位に存在するC型終結末端を有してもよい。
【0014】
コネクターは、陥入チューブ(invaginated tube)の外側部分のチューブ状組織を各コネクターに保持するT型固定器具(retainer)を含んでもよい。
【0015】
T型固定器具は、コネクター内のスロットに配置されてもよく、そして弁部分は、各T型固定器具及びコネクターとの間に配置されてもよい。
【0016】
弁部分は、作成され、例えば接着剤(glue)、リベット、留め金などのうちの1以上を用いてコネクターに保持されてもよい。
【0017】
コネクターは、アンカー機器の一部として構築されてもよいし、又は、例えば、化学的又は物理的に接着させる技術、縫合、留め金、リベットなどのうちの1以上を利用して当該アンカーに結合されてもよい。
【0018】
弁部分と接触されたコネクター部分は、リブで支えられうる(ribbed)。
【0019】
弁部分と接触されたコネクター部分は、穴(bore)を含んでもよい。
【0020】
コネクターは、弁部分が低プロファイル状態のままである一方、アンカー部分が完全に広がることを可能にするように十分な長さでありうる。
【0021】
弁部分自体は、ステントを含むか、又はステントレスであってもよい。
【0022】
本発明の例示的実施態様に従うと、弁を体管にインプラントする方法であって、当該弁がアンカー部分を含み、弁部分がアンカー部分からはなれて配置され、そして少なくとも1のコネクターストラットがアンカー部分と弁部分を接続する、方法は、以下:
(a) 近位末端上に第一バルーン(近位)及び第二バルーン(遠位)を有するバルーンカテーテルを、ガイドワイヤーに沿って体管を逆行させて通し、ここで当該アンカー部分が低プロファイル構成中の遠位バルーン上に搭載され、そして当該弁部分が低プロファイル構成中の近意バルーン上に搭載され;
(b) 近位バルーンを膨張させて弁部分を大プロファイルに拡張させ;
(c) 近位バルーンを萎ませ;
(d) 遠位バルーンを膨張させてアンカー部分を大プロファイルに拡張させ;
(e) 遠位バルーンを萎ませ;そして
(f) カテーテルを体管から引き抜く
を含む。弁部分は、コネクター・ストラットにより体管中で支えられる。近位バルーンの膨張は、固定する前に弁部分の位置調節を可能にする。しかしながら、遠位バルーンが最初に膨張されて、弁部分の拡張の前にアンカー部分を拡張させてもよい。弁はステントレスであってもよい。
【0023】
本発明の例示的実施態様に従うと、弁を体管にインプラントする方法であって、当該弁が自己拡張性アンカー部分を含み、そしてバルーン弁部分が、アンカー部分と弁部分とを結合させる少なくとも1のコネクターストラットによりアンカー部分から離される方法は、以下の:
(a) デリバリー装置シースを逆行させて挿入し、
(b) 弁の拡張を可能にするためにデリバリー装置のシースを引き、そして
(c) デリバリー装置のバルーンカテーテルを用いて弁を拡張させること
を含む。弁部分が、コネクターストラットにより体管内に支えられてもよく、そしてステントレスであってもよい。
【0024】
本発明の例示的実施態様に従って、方法は、弁のアンカー部分を、体管につながる枝(a branch leading into the bodily vessel)の一の側の体管内に配置し、そして弁の弁部分を、アンカー部分と反対にある枝のもう一方の側の体管に配置することを含み、ここで少なくとも1の弁のコネクターがアンカー部分を弁部分に接続し、そして枝を橋渡しし、当該コネクターは枝と体管との間を通して液体が流れることを許容するように配置される。
【0025】
本発明の例示的実施態様に従って、体管に配置するための弁は、ステントレス弁部分及び当該弁部分と末端同士で配置されるアンカー部分を含む。拡張された両構成要素は、円筒状又は卵形構造を形成するように取り付けられてもよく、そのアンカー部分は体管の壁に取り付けられるために自己拡張性である。ステントレス弁は、アンカー部分に末端同士で直接接着していてもよく、それによりアンカー部分と弁との間のストラット・アタッチメントなどのコネクターの必要性を除去する。
【0026】
本発明の例示的実施態様に従うと、体管に配置するための弁は、ステントレス弁部分;並びに本体部分及び当該本体部分の近位末端を超えて伸張している少なくとも1のコネクター部分を含むアンカー部分を含み、当該弁部分は各コネクター部分の近位部に繋がれ、当該弁部分はアンカー部分の本体部分から離され、当該弁部分はステントのコネクター部分により支えられる。
【0027】
当該弁部分及びアンカー部分は、自己拡張性であってもよいし及び/又は引き込み装置(retractable device)を用いて拡張可能であってもよい。例えば、弁部分及びアンカー部分は、例えばバルーンカテーテル上のバルーンを用いて拡張されてもよいし、又は引き込み可能な自己拡張性ステント又は弁部分及び/又はアンカー部分を拡張できる他の引き込み可能な機器を使用して拡張されてもよい。
【0028】
本発明の例示的実施態様に従うと、方法は、以下の:
a)大腿静脈、下大静脈(IVC)、右心房(RA)、左心房(LA)、そして次に左心室(LV)、上行及び下行大動脈(AO)、腹大動脈、腸骨動脈を通してガイドワイヤーを挿入し、そして大腿動脈でガイドワイヤーを露出させ;
b)挿入シース、例えば、近位部と遠位部に分割可能なシース(例えば、円周方向に分割可能)又は開放可能なように接続できる近位部及び遠位部を有するシースであって、その中に弁を搭載したシースをガイドワイヤーに沿って逆行させて、シースの遠位部を大腿動脈を通して露出させ;
c)弁を生来の大動脈弁の解剖学的位置の近くの配置位置に移動させ、ここで、弁カテーテルが使用される場合、弁機器のアンカー部分が遠位バルーン上に配置され、そしてステントレス弁部分がバルーンカテーテルの近位部上に配置され、そしてシースの遠位部の近位末端がアンカー部分に沿って配置され、そしてシースの近位部分の遠位末端が弁機器の弁部分上うに配置され、
d)大腿静脈を介して患者からシースの近位部を引き;
e)バルーン・カテーテルの近位バルーンを膨張させて、弁機器の弁部分を拡張させ、当該弁機器を完全に配置し;
f)バルーンカテーテルの近位バルーンを萎ませ、弁が完全に拡張されそして機能することを可能にし;そして
g)(場合により、シース装置を含む)大腿動脈挿管部位を通してシースの遠位部分を少なくとも部分的に引いて、アンカー部分を露出させ、ここで、弁部分がシースの近位部によりカバーされたままにし、シースの遠位末端をバルーンカテーテルの末端を越えて伸張させ、そしてガイドワイヤーにそった自由な通過及び移動を可能にする大きさに先細りにされてもよく;
h)遠位バルーンを膨張させて、アンカー部分を拡張させ;
i)遠位バルーン又は他の非バルーン拡張性メカニズムを萎ませ;そして
j)バルーンカテーテル又は他の挿入機器を患者から取り除く
を含む。或いは、挿入シースは、最初に患者に通過させ、そしてバルーンカテーテル及び弁を、既に挿入された挿入シースを通して通過させてもよい。
【0029】
例示的実施態様では、バルーンカテーテルの遠位バルーンは、近位バルーンを萎ませる前又は後に萎ませてもよい。
【0030】
ガイドワイヤーは、任意のガイドワイヤー挿入方法を用いてステップ(a)で配置されてもよい。例えば、ガイドワイヤーは、経中隔カテーテル法の技術を用いて配置されてもよい。当該方法は、左心房、左心室を通して、そして大動脈へと血流の方向にバルーンカテーテルを浮動させ、次に逆側から捕捉される(retrogradely snared)ことに関する。慣用技術のバージョンでは、挿入シースは、独自のディレイター(dilator)を用いて左心房(LA)に進められる。ディレイターは引き抜かれ、そして次にシースを通して進行させ、そして左心房(LA)において露出される。左心房(LA)に至ると、バルーン・カテーテルのバルーンを膨張させ、そして左心室(LV)から、大動脈弁を通して下行大動脈へと浮動させ、大動脈弓を通してそして下行大動脈へと浮動させる。次にワイヤーを、浮動バルーンカテーテルを通過させ、そして下行大動脈で露出させる。バルーンカテーテルが露出されると、逆行捕捉機器(retrograde advanced snare device)は、大腿動脈を通して逆行され、ワイヤの先端を捕捉し、そして大腿動脈を通してワイヤーを露出させ、それにより、大腿静脈から心臓を介して大腿動脈へと続くループが完成する。例えば、Babicら、Percutaneous Mitral Valvuloplasty: Retrograde, Transarterial Double-Balloon Technique Utilizing the Transseptal Approach, Catheterization and Cardiovascular Diagnosis, 14: 229-237 (1998)を参照のこと。当該文献は、その全てを本明細書中に援用される。別の実施態様では、経中隔シースは、ガイドワイヤー及び分割可能な2部分のシースが当該経中隔シースを通して下行大動脈へと通過することを可能にするために十分な大きさである。
【0031】
アンカー部分は、自己拡張性であってもよい。バルーンカテーテルが使用される場合、バルーンカテーテルは、弁機器の弁部分膨張用の1個のバルーンを有することのみが必要とされる。或いは、遠位バルーンは、例えば、アンカー部分の完全な拡張を保証するために、自己拡張可能なアンカー部分と組み合わせて使用されてもよい。
【0032】
挿入シースは、互いに開放可能なように接続される近位部と遠位部とを含んでもよい。
【0033】
近位部及び遠位部は、ねじ式連結(threaded connection)により開放可能なように接続されてもよく、そして近位部と遠位部の分離が、互いに対してシースの長手方向軸に対して近位部と遠位部を回転させることにより達成されるように構成されてもよい。
【0034】
シースの近位部及び遠位部の末端は、磁力により開放可能なように繋がれてもよい。例えば、近位部及び遠位部のうちの少なくとも1は、磁石、例えば電磁石を含み、そして近位部及び遠位部のうちのもう一方は、磁気的に誘引可能な部材、永久磁石、電磁石などを含んでもよい。
【0035】
シースの近位部と遠位部との末端は、ラッチ(latch)により繋がれていてもよい。当該ラッチは、近位部及び遠位部のうちの一つと一体となるか又は接続されていてもよいし、そしてシースの近位部及び遠位部のうちのもう一方のくぼみ(recess)と適合して、シースの近位部と遠位部とを接続してもよい。ラッチは、シースの長さに沿っているラインを手動で引くことにより引き金を引かれてもよく、これはその対合するくぼみからラッチを旋回させる。ラッチは、シースに接続されたモーター又はサーボにより制御されてもよい。シースの長さに沿って接続されたラインは、コントローラーからモーター又はサーボへのコントロールシグナルを伝送して、ラッチの開閉を引き起こしてもよい。
【0036】
挿入シースは、シースの反対側の末端に引張力を適用する際、又は互いに対して近位部と遠位部とをひねる際に、挿入シース上の所定の位置で近位部と遠位部へと例えば円周方向に分割するように構成されてもよい。シースの二つの部分への分離を促進するため、そして所定の位置でシースの分離が生じることを保証するために、シースは、シースに沿った他の位置に対して所定の位置で弱められてもよい。例えば、シースを二つの部分へと分離し、そして所定の位置で分離が生じることを保証するために、所定の位置で薄くされた壁厚を有してもよいし又は部分的に切断されていてもよい。
【0037】
本発明の具体的な弁装置は、弁の挿入用の大きさにされた弁及びシースを含む。弁は、アンカー部分、当該アンカー部分から離された弁部分、当該アンカー部分と弁部分とを接続し、そして体管内で弁を支えるように適用される少なくとも1のコネクターを含んでもよい。弁は、拡張可能で有り、そして低プロファイル状態で挿入シースを通して体管にデリバリーされるように構成されうる。挿入シースは、弁を配置するために2つの部分に分離又は分割するように構成されてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
図1は、アンカー部分12、コネクター14、及びアンカー部分12から離れて配置される弁部分16を含む本発明の例示的実施態様の弁10を示す。コネクター14は、遠位末端18上でアンカー12の近位末端20に繋がれる。コネクター14は、アンカー部分12の長さに少なくとも部分的に沿って伸張してもよい。コネクター14は、例えば溶接、縫合、接着、クリッピング、リベットなどによりアンカー部分12に接続されてもよい。コネクター14は、アンカー部分12と一体になってもよい。
【0039】
コネクター14は、十分な長さで弁部分16の交連線(comissural lines)に沿って伸張させて、弁部分16との強力な接続を保証する。コネクター14は、その周囲に沿って異なる位置で弁部分16に結合されてもよい。弁部分16は、例えば、DACRON(登録商標)製のクロス24によりカバーされてもよいが、その様なカバーを有さずに使用されてもよい。弁部分16に接続されるコネクター14の部分は、クロス24と弁部分16との間に存在してもよいし、アンカー部分16の内表面又は外表面に接続されてもよい。コネクター14は、点線で示されるT型リブ22などのリブを含んでもよく、弁部分16の近位末端26に対するさらなる支えを提供して、弁部分16へのコネクター14の接続をさらに確保する。さらに、コネクター14は、弁部分16へ接続用の縫合の通過のための穴15を含んでもよい。コネクター14は、ナノ合成金属などを用いて射出成形、機械加工により製造されうる。
【0040】
弁部分16は、コネクター14へのその接続を単に介して支えられ、そして事実上、アンカー部分12により吊り下げられうる。弁部分16は、チューブ部分28内又は上に配置された更なるステントを有さず、上で記載される様に、当該ステントは、弁10の能力に悪影響を与えうる。従って、チューブ部分28及びクロス24はステントレスである。或いは、弁部分16は、拡張された位置に弁部分16を維持するためにステントを含んでもよい。
【0041】
弁部分16は、(a)小腸粘膜下層(SIS)、(b)大血管構造(large tubular vascular structure)、例えば、IVC、上大静脈(SVC)、大動脈など、(c)心膜組織(pericardial tissue)、(d)大腿筋膜、(e)ニチノールなどのナノ合成物質、又は(f)他の生物適合性物質、例えば、ウレタン、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、延伸PTFE、絹、レーヨン、DACRON(登録商標)などから作られてもよい。弁部分16は、例えばElast-Eon(登録商標)などの適切なプラスチック、金属、合金などから作成されてもよい。
【0042】
図2A〜図2Dに記載される様に、オプションのクロス24を伴わないで示された弁部分16は、チューブ部分28及びフラップ30を含む。図2A〜2Dは、開及び閉状態の弁部分を示す。チューブ部分28のある部分は、フラップ30を露出するために図2A及び2Dにおいて取り除かれている。弁部分16は、三尖弁状の形状を有するように示されるが、二尖弁状の形状を有していてもよい。さらに、フラップ30は、長方形を有するように示されるが、任意の適切な大きさ及び形状、例えば三角形などを有していてもよい。フラップ30について選択されたフラップの具体的な数及び大きさ及び形状は、弁10をインプラントする血管の大きさ、形状、及び/又は性質に依存するであろう。フラップ30は、図2C及び2Dに示されるように、チューブ部分28と実質的に平行に伸張し、そうして矢印34Aに沿って血液が流れることを可能にする開位置から、図2A及び2Bに示されるように、フラップ30が互いに接触して弁部分16を横断して矢印34Bに沿った向きの流れを阻止する閉位置に動く。弁部分16は、例えば、チューブ構造を陥入させることにより、1以上の縫合点32で末端部を共に縫合することにより、そして陥入させたチューブ構造の内壁を少なくとも2個の位置で切開してリーフレット又はフラップ30を形成することにより形成され、これらが一方向の血液の流れを許容する。
【0043】
フラップ30の各々は、ポーチ孔(pouch cavity)を形成するように構成されてもよく、当該ポーチ孔は、弁10が閉じられている際に血液で満たされる。この構造は、水中翼に類似するメカニズムにより弁傍の漏出(paravalvular leak)を最小限にしうる。
【0044】
アンカー部分12は、折り畳み可能であり、そして半径方向に再膨張可能な支持体、例えば、ニチノール、ステンレス鋼、例えばNP-35N合金などから作成されたステントなどであってもよい。アンカー部分12は、重金属マーカーなどのマーカーを含んで、体内への設置を容易にしてもよい。アンカー部分12は、例えば、金、白金、イリジウム・タンタル、又は同様の金属などをマーカーとして含んでもよい。アンカー部分12の直径は、4mm〜50mmであってもよい。アンカー部分12は、円筒状であってもよいし、又は弁部分16に対して先細になっている切り詰め型の円錐形を有してもよい。アンカー部分12は、挿入の後の血管内でのその位置を維持することを手助けするかえし(barb)などの構造的な特徴を含んでもよい。
【0045】
アンカー部分12は、正弦構造(sinusoid configuration)を有するものとして図1に示されるが、例えば、ジグザグエレメント、環部材、編み上げた紐(braided strand)、螺旋まきの紐(Helically wound strand)、連続して取り付けられた環部材、チューブ部材、固体チューブから切断されたフレームなどを含む。さらに、アンカー部分12は、弁10の血管内での維持を容易にするために、インプラントされる血管の内腔よりも直径の点で大きくてもよい。
【0046】
弁10と共に使用するために適したアンカー部分の更なる例は、「Multiple-sided Intraluminal Medical Device」という表題のPavcnikらに対する米国特許第6,508,833号、「Radially Expandable Stent」という表題のBoatmanらに対する米国特許第6,464,720号、「Radially Expandable Stent」という表題のBerryらに対する米国特許第6,231,598号、「Radially Expandable Non-Axially Contracting Surgical Stent」という表題のFrantzenに対する米国特許第6,299,635号、「Percutaneous Endovascular Stent and Method for Insertion Thereof」という表題のGianturcoに対する米国特許第4,580,568号、並びに「Implantable Vascular Device」という表題のPavcnikらに対する米国特許出願公開第2001/0039450号に開示されるアンカー部分を含む。これら特許文献の各々は、その全てを明示的に本明細書に援用される。
【0047】
吸収性物質は、アンカー部分12に使用されてもよい。多くの吸収性物質は、慣用されていると信じられており、そして任意の適切な吸収性物質が使用されてもよい。吸収性物質の適切なタイプの例として、吸収性ホモポリマー、コポリマー、吸収性ポリマーの混合物などが挙げられる。適切な吸収性物質の具体的な例として、ポリ-αヒドロキシ酸、例えばポリ乳酸、ポリラクチド、ポリグリコール酸(PGA)、及びポリグリコリド、トリメチレンカーボネート、ポリカプロラクトン、ポリ-βヒドロキシ酸、例えばポリヒドロキシブチラート又はポリヒドロキシバレレート、及び他のポリマー、例えばポリホスファジン類(polyphosphazines)、ポリオルガノホスファジン類(polyorganophosphazines)、ポリ無水物、ポリエステルアミド類、ポリオルトエステル類、ポリエチレンオキシド、ポリエステル-エーテル類(例えば、ポリジオキサノン(polydioxanone))、ポリアミノ酸類(例えば、ポリ-L-グルタミン酸又は-L-リジン)などが挙げられる。適しているであろう多くの天然由来吸収性ポリマーが存在し、例えば、改変多糖類、例えばセルロース、キチン、及びデキストラン、及び改変タンパク質、例えばフィブリン及びカゼインなどが挙げられる。
【0048】
図3は、図1の線3-3に沿って切られた弁10の断面図である。図3に示されるように、コネクター14は、スロット36を有する大まかにC型の断面図を有する。
【0049】
コネクター14は、例えば縫合、留め金、リベット、及び化学的接着などにより、弁部分16に接続されてもよい。コネクター14は、図4に示されるように機械的に弁部分16に接続されてもよい。図4は、図1の線4-4にそって切られた断面図である。図4に示されるように、T型部材38は、チューブ部分28を伴ってスロット36にはまり、それによりチューブ部分28を経てコネクター14を弁部分16に格納させる。T型部材38は、スロット36内にとまりばめ(snug fit)を保証するような大きさ及び形にされてもよい。上に記載されるように、コネクター14は、縫合、留め金、リベット、化学接着を用いて弁部分16に接続されてもよく、この場合、コネクター14の断面図は、スロット36を有する必要はなくてもよく、そして他の任意の形を有してもよい。
【0050】
図5Aは、例えば縫合、留め金、リベット、化学接着などを介して、その遠位末端40上でアンカー部分12の近位末端20に直接接続されるということを除いて、図1に示される弁に類似する弁を示す。弁部分16は、アンカー部分12の遠位末端40上でその接続のみを介して支えられており、そして実際、アンカー部分12により吊り下げられている。図1に示される例示の実施態様の場合と同様に、弁部分16は、チューブ状部分28内又は上に配置される更なるステントであって、上で記載される様に、弁10の能力に悪影響を及ぼすステントを有さない。つまり、チューブ状部分28はステントレスである。或いは、そして上で記載される様に、チューブ状部分28は、その拡張位置を維持するためにステントを含んでもよい。
【0051】
図5Bは、アンカー部分12が水平正弦構造(horisontal sinusoidal configuration)を有し、そしてコネクター14がステントと一体となることを除いて、図1に示される実施態様に類似した例示的実施態様を示す。アンカー部分12は、本体部分12a、並びにステントと一体となりそして当該本体部分12aの近位末端を越えて伸張するコネクター14を有する。弁部分16は、本体12aと弁部分16との間にギャップが存在するようにコネクター14に接続される。ギャップが長くなり、そしてコネクターの数が少なくなればなるほど、本体部分68の拡張は、弁部分16の機能に影響を与えなくなる。上記のことは、図1及び5に記載される例示的実施態様にも同様に適用される。さらに、図5Bに示される例示的実施態様に関して、本体部分12aにおける正弦(sinusoid)の数が多くなればなるほど、本体部分12aの拡張が弁部分16の機能に影響を及ぼさなくなりうる。
【0052】
弁が心臓弁プロステーシスとして大動脈又は肺動脈内において使用される場合、生来の心臓弁内の(生来の弁をステントして又はステントせずに)生来の弁の近くか、又は生来の弁の遠く、例えば、上行大動脈(AO)、下行大動脈、又は肺動脈に当該弁を設置することができる。当該弁は、三尖弁、僧帽弁の代わりに使用されてもよいし、そして人工又は生体の導管であって、例えば、心血管系における異なる心室、例えば右心室(RV)を肺動脈血管へと繋ぐ導管、心臓内又は心臓外フォンタン連結(Fontan connection)、左心室(LV)を上行大動脈(AO)へと繋ぐ導管において使用されてもよい。
【0053】
弁10は、体管内に外科的にインプラントされてもよいし、又はカテーテル法を介して経皮的に挿入されてもよく、当該方法は切開手術よりも侵襲性が有意に低いであろう。図6〜9は、バルーンカテーテルを用いた拡張性弁の挿入用の挿入ステップを示す。図10及び11は、引き込み可能なシースを有するカテーテルを用いて自己拡張性の弁を挿入する挿入ステップを示す。図12a-12dは、2つの分離したシースに分割可能か又は分離可能であるシースを用いて拡張性弁を挿入する挿入ステップを示す。
【0054】
図6〜11において示される方法では、弁10は、逆行アプローチを用いたインプラント、例えば、下行大動脈から心臓弁へのアプローチが示されるが、順行アプローチ、例えば、経中核穿刺を行った後の左心室(LV)から大動脈弁へのアプローチを用いてデリバリーされてもよい。
【0055】
図6は、シース45を通して大動脈44に挿入され、そして第一バルーン46が、生来の大動脈弁(当該大動脈弁は、石灰沈着性大動脈狭窄の場合取り除かれてもよい)の解剖学的位置において又は位置の付近で心臓47に近接し、そして独立して膨張可能な第二バルーン48は、冠動脈50の小孔の少し下流に存在するように配置される。ガイドワイヤー49などのガイドツールは、バルーンカテーテル42を図6に示される位置に案内するように使用されてもよい。さらにX線監視(supervision)、X線造影液(traceable liquid)の注射、血管内又は心臓内超音波、超音波計測などは、弁10の配置を助けるために使用されてもよい。心臓47、大動脈44、及び冠動脈50は、長手軸方向の断面図で示される。図6の線6A-6Aに沿って切られたバルーンカテーテル42の横断面図を記載する図6に示されるように、バルーンカテーテル42は、第一バルーン46と繋がっている第一内腔2、第二バルーン56の膨張のための第二内腔54、及びガイドワイヤーの内腔55を有してもよい。弁部分16は、容第一バルーン46上で半径方向に圧縮されるか及び/又は折りたたまれ、そしてアンカー部分12は、第二バルーン56上に半径方向に圧縮されるか及び/又は折りたたまれる。こうして、アンカー部分12及び弁部分16は、低プロファイル形態で大動脈44にデリバリーされる。
【0056】
弁10は、折りたたまれてもよく、そして、例えば、典型的な一眼レフ(SLR)カメラ可変絞り(variable restrictor)に似た複数の調節可能プレートを含む圧着装置を用いて、半径方向に圧縮されてもよい。各プレートは、中心の開口を通る線に沿って動き、そして全てのプレートは、中心開口部から等距離にある。プレートは、レバー及びトランスミッションにより同時に動かされるように適用させてもよい。
【0057】
図7に示されるように、シース45は、第一バルーン46の遠位に部分的に引かれ、そして第一バルーン46は弁部分16を拡張するために膨張されて、その大プロファイルへと弁部分16を拡張させ、その結果その外形は、大動脈44の外形に適合する。
【0058】
図8に示されるように、シース45は、第二バルーン48の遠位側にさらに引かれ、そして該第二バルーン48は、アンカー部分16を拡張させるために膨張され、その結果、大動脈44の外形より少し大きくなる。アンカー部分12は、弁10を適切な位置に固定する。第一バルーン46は、血流の妨害を最小限にするため第二バルーン48を膨張させる前に萎まされてもよい。
【0059】
図9は、バルーンカテーテル42を大動脈44から取り除いた後の状態を指し、そして弁10は十分に拡張されそして適所に固定されている。
【0060】
大動脈44中への弁10の設置は、大動脈44から分岐している冠動脈50の開口部の遮断を避けるために正確であることが必要とされることがある。アンカー部分12と弁部分16の分離は、短い弁部分の使用を可能にし、そして弁部分16又はアンカー部分12により冠動脈50を遮断することなく大動脈44に弁部分16を設置することを容易にすることができる。弁内又は弁上に配置されたステントを有する従来の弁では、当該弁は弁の固定及び支えを保証するために十分な長さのステントを収容するために十分長いことが必要とされてもよい。本発明の例示的実施態様に従って、弁とステントの分離は、より短い弁の使用を可能にし、そうして弁の設置の際に外科医に余裕を与える。なぜなら、コネクター14は、遮断の危険性を示すことなく冠動脈の開口部の近くに設置できるからである。
【0061】
或いは、シース45は、第一バルーン46と第二バルーン48の両方の遠位側に最初に引かれ、そしてバルーン46、48は、同時に膨張されてもよいし、又は第二バルーン56が第一バルーン46の前に膨張されてもよい。本発明の方法の例示的実施態様では、バルーンカテーテル42は、一つのバルーンしか有していなくてもよい。弁部分16は、バルーンにより拡張されることを必要とすることがなくてもよい。なぜなら大動脈44の血流により弁部分16が完全に拡張されるからである。アンカー部分12は、自己拡張性であってもよいし、そしてその結果、バルーンにより拡張される必要はないこともある。
【0062】
図10は、引き込み可能なシース45の近位部に梱包された自己拡張性の弁10を有するカテーテル58を記載する。プランジャー64に対してシース45の引き込むと、大動脈44内に弁10が露出される。弁部分16は、自己拡張性であってもよく、そうしてシース45の引き込みの際に大動脈44のプロファイルに適合する大きなプロファイルへと拡張してもよい。図11は、シース45がアンカー部分16から部分的にひかれた後の状態を示す。アンカー部分16は、自己拡張性であってもよく、そうして図11に示されるように、シース45が引かれるにつれて拡張されてもよい。バルーン・カテーテル58の近位末端上のバルーン66が、アンカー部分12に沿ってシース45を完全に引き込んだ後に膨張されて、大動脈44のプロファイルよりも少し大きいプロファイルにアンカー部分12の完全な拡張を保証しうる。弁10の完全な拡張の際に、バルーンカテーテル58、シース45、及びガイドワイヤー66は、患者から取り除かれて大動脈44に固定された弁を残す。
【0063】
弁10は、2個の部分に分離可能か又は分割可能であるシース70を用いてインプラントされてもよい。図12a〜図12dは、分割可能又は分離可能なシース70を用いた弁10の例示的挿入ステップを示す。
【0064】
図12aは、ガイドワイヤー72に沿って患者に挿入されたシース70を示す。患者の心臓及び血管系は、断面図で示される。ガイドワイヤーは、任意のガイドワイヤー挿入法を用いて配置されうる。例えば、ガイドワイヤーは、経中隔カテーテル法の技術を用いて配置されてもよく、当該方法は、左心房(LA)、左心室(LV)を通り、そして大動脈44への血流の方向にバルーンカテーテルを浮動させることを含み、当該カテーテルは次に逆側から捕捉される。慣用技術のバージョンでは、挿入シースは、それ自身のディレイターを用いて左心房(LA)に進められる。ディレイターは、引き抜かれ、そしてバルーンカテーテルは次に、シースを通して進められ、そして左心房において露出される。左心房(LA)中に入ると、バルーンカテーテル上のバルーンを膨張させ、そして大動脈弁を通して左心室(LV)から下行大動脈へと浮動させ、大動脈弓を通して下行大動脈へと浮動される。ワイヤーは次に、浮動バルーンカテーテルを通して移動され、そして下行大動脈で露出される。バルーンカテーテルが露出すると、逆行捕捉機器を大腿動脈を通して逆行させてワイヤーの先端を捕捉し、そして大腿動脈を通してワイヤーを露出させ、それにより大腿静脈から心臓を通して大腿動脈へと通すループを完成させる。例えば、Babicら、Percutaneous Mitral Valvuloplasty: Retrograde, Transarterial Double-Balloon Technique Utilizing the Transseptal Approach, Catheterization and Cardiovascular Diagnosis, 14: 229-237 (1988)を参照のこと。当該文献は、参照によりその全てを本明細書に援用される。経中隔シースは、ガイドワイヤー72の通過を可能にし、そして当該シースを通して分割可能であるか又は開放可能なシース70の遠位部を上行大動脈44から取り除ために十分大きくてもよい。
【0065】
シース70は、遠位部76と近位部74へと分離可能であってもよい。近位部74の遠位末端及び遠位部76の近位部は、開放可能なように接続されてもよい。例えば、近位部74及び遠位部76は、図13に示されるようにねじ式接続78を介して接続されてもよい。シース70は、シース70の長手方向軸80について反対方向にこれらの部分を回転させることにより近位部74及び遠位部76に分離されうる。
【0066】
図14は、ねじ式接続78を有するシース70を示す。シース70は、医療機器、例えば弁10、又は薬剤84を患者本体にデリバリーするためのポケット82を含んでもよい。ポケット82は、シースの遠位部74と近位部76を切り離す際に開けられる。ポケット82は、ねじが刻まれている近位部74の末端を受容するために内側にねじが刻まれていてもよい。
【0067】
近位部74と遠位部76は、図15に示される様に磁石により繋がれていてもよい。コイル86は、例えば、近位部74の末端に接続されていてもよいし、そして永久磁石88は、遠位部76の末端に繋がれていてもよい。近位部74と遠位部76の末端をまとめるために、コイル86に電流が流されて、永久磁石88により産生された磁界に誘引される磁界を発生させる。コントローラー90は、ライン92を介してコイル86に供給された電流を制御するために使用されうる。永久磁石88は、第二コイル及びコントローラーにより置換されてもよく、その結果シース70の両方の部位は、電磁石を含むことになる。コイル86及びライン92は、シース70の外表面に接続されるように記載されるが、それらはシース70の内表面に接続されてもよいし、シース70内に埋め込まれてもよいし、又はシース70の壁の内腔を通して伸張していてもよい。
【0068】
図16に示されるように、ライン92は、ラッチ96をコントロールするために使用されるモーター又はサーボ94に繋がれてもよい。ラッチ96は、ラッチ96がスロット98に位置する図16に示される連結位置と、ラッチ96がモーター又はサーボ94によりスロット98から旋回して外された切断位置との間で、矢印の方向101に動かされてもよい。コントローラー90は、モーター又はサーボ94に電力を供給し、そうしてラッチ96が開閉するために使用されてもよい。
【0069】
ライン92は、ロックされた及び未ロック位置との間でラッチ96を手動により旋回されるために使用されてもよい。図17に示されるように、ライン92は、内腔100内にスライドするように配置されてもよく、そしてラッチ96に対する位置の末端で接続されてもよい。矢印102の方向に線92を引き込むと、ラッチ96が旋回し、そしてシース70の近位部74と遠位部76とを切り離してもよい。
【0070】
シース70は、接触点104、つまり近位部74と遠位部76の接続末端が一緒になっている位置が、患者の体内で弁10の所望の設置部位、例えば生来の大動脈弁の解剖学的位置の近くに配置されるように配置されてもよい。図12b及び12cに示される様にバルーンカテーテル42などの挿入機器は、シース70を通してガイドワイヤー72に沿って進められてもよく、その結果遠位バルーン46が接触点104の位置の側に位置し、そして近位バルーン48が接触点104の反対側に配置される。弁10の弁部分16は、近位バルーン48に沿って配置されてもよく、そしてアンカー部分12は、遠位バルーン46に沿って配置されてもよい。シース70を配置し、次にシース70内のある位置にバルーンカテーテル42を進行させる方法の代わりとして、バルーンカテーテル42は、シース70内に配置され、そしてシース70と一緒にガイドワイヤー72に添ってある位置に進行されてもよい。
【0071】
シース70の近位部74は、大腿動脈挿管部位に対して遠位部76から離す方向にシフトされてもよく、そうして図12bに示される様に弁10の弁部分16を露出させる。近位バルーン48は、大動脈44において弁部分16を拡張させるために膨張されてもよい。コネクター14は、アンカー部分12がシース70内で低プロファイル状態のままである一方、弁部分16を完全に拡張させることを可能にするために十分な長さであってもよい。
【0072】
近位バルーン48は萎ませてもよく、そしてシース70の遠位部76は、例えば静脈系を通して患者から引き抜かれてもよく、そうして弁10のアンカー部分12を露出させる。遠位バルーン46は、図12cに示される様にアンカー部分12を拡張させるために膨張させてもよい。遠位バルーン46は、萎まされてもよく、次に例えば静脈系を通して患者から取り除かれてもよい。アンカー部分12は、自己拡張性であってもよく、その場合、遠位バルーン46は必要でなくてもよいが、アンカー部分12を完全に拡張させることを保証するように使用されてもよい。こうして、自己拡張性のアンカー部分12が使用される場合、バルーンカテーテル42は、単一のバルーンを有していてもよい。図12dは、シース70、バルーンカテーテル42、及びガイドワイヤー72が患者から完全に取り除かれた後のインプラントされた弁10を示す。
【0073】
弁部分16を露出させるために、シース70の近位部74を完全に取り除くよりは、近位部74は(弁部分16を完全に露出させるために十分なだけ)部分的に取り除かれてもよく、そうして弁10が完全にインプラントされた後にバルーンカテーテル42と供に取り除かれてもよい。
【0074】
大動脈部分にインプラントされる心臓弁に関して説明されてきたが、弁10は、同様の技術を用いて、他の非心臓系の血管又は他の体内の管、例えば、静脈、食道、胃、尿管、膀胱、尿道、胆汁道、リンパ系、小腸、CNS脇道(CNS shunt)及び卵管又は他の生殖器官の他の部分に、インプラントされてもよい。弁プロステーシスは、本来の弁を置き換えるために、又は本来は弁を含まない体内の管のうちの一つに新たな弁機能を確立するために使用されうる。弁は、血液などの体液が、弁を通して一の方向にのみ流れるようにする。拡張蛇行静脈(varicose vein)を有するヒトでは、血液は誤った方向に流れる。本明細書の弁は、例えば、拡張蛇行静脈に配置されて、血液が誤った方向に流れるのを妨げる。
【0075】
上の記載及び例示的実施態様は、例示の目的のみのために記載され、そして制限することを意図しない。開示された態様の各々及び例示的実施態様は、個別に考慮されるか、又は他の態様、実施態様、及び変化と組み合わせてもよい。記載された例示的実施態様の改変は、その本質と範囲から逸脱することなくなされうる。
【0076】
本発明の例示的実施態様は、添付の図面を参照して以下により詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】図1は、本発明の例示的実施態様に従った弁の側面図である。
【図2A】図2Aは、オプションのクロスカバー(optional cloth covering)及びコネクターを伴わず、そして弁壁部分を取り除いて示された閉鎖状態における、図1の斜視図である。
【図2B】図2Bは、開状態における図2Aの弁部分の斜視図である。
【図2C】図2Cは、オプションのクロスカバー及びコネクターを伴わずに示された開状態における図1の弁の弁部分の斜視図である。
【図2D】図2Dは、閉状態における図2Cの弁の弁部分の斜視図である。
【図3】図3は、図1の線3-3に沿って切られた弁の断面図であり、コネクターの例示的実施態様の断面形を示す。
【図4】図4は、図1の線4-4に沿って切られた弁の断面図であり、コネクターと弁部分との間の例示的な接続を示す。
【図5A】図5Aは、本発明の例示的実施態様に従った弁の側面図である。
【図5B】図5Bは、本発明の例示的実施態様に従った弁の側面図である。
【図6−6A】図6は、大動脈内に挿入され、そして弁の設置のために配置されたバルーンカテーテル上に搭載された弁を示す。図6Aは、図6の線6A-6Aに沿って切られたバルーンカテーテルの横断断面図である。
【図7】図7は、大動脈中に挿入されたバルーンカテーテル上に搭載された弁であって、一のバルーンが膨張され、そしてステントを拡張させている弁を示す。
【図8】図8は、大動脈中に挿入されたバルーンカテーテル上に搭載された弁であって、両方のバルーンが膨張し、ステント及び弁部分の両方を拡張させている弁を示す。
【図9】図9は、完全に拡張されそして大動脈中に固定された弁を示す。
【図10】図10は、大動脈中に挿入されたカテーテルの近位末端に搭載され、そして弁の設置のために配置された自己拡張性の弁を示す。
【図10A】図10Aは、図10の線10A-10Aに沿って切られたカテーテルの横断断面図である。
【図11】図11は、図10のカテーテルであって、シースが部分的に引かれ、そして弁が大動脈中で部分的に拡張されているカテーテルを示す。
【図12a−b】図12aは、心臓及び血管構造、並びにガイドワイヤーに沿って心臓内に挿入された挿入シースの断面図である。 図12bは、図12aの挿入シースであって、近位部が部分的に引かれ、そしてシースを通して伸張しているバルーンカテーテルの近位バルーンが膨張され、そして弁の弁部分を拡張している、前記シースを示す。
【図12c−d】図12cは、図12bのバルーンカテーテルであって、挿入シース全体が取り除かれ、そして膨張された遠意バルーンが弁のアンカー部分を拡張している、前記カテーテルを示す。
【図13】図13は、挿入シースの近位部と遠位部とを接続するねじ式接続の長手軸方向の断面図である。
【図14】図14は、挿入シースの別のねじ式接続の長手軸方向の断面図である。
【図15】図15は、挿入シースの近位部及び遠位部を接続する磁性コネクター装置を含む挿入シースの斜視図である。
【図16】図16は、挿入シースの近位部と遠位部とを接続するラッチ接続の長手方向の断面図である。
【図17】図17は、挿入シースの近位部と遠位部とを接続する別の例示的なラッチ接続の長手方向の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
体管に設置するための弁であって、以下の:
アンカー部分;
上記アンカー部分から離されている弁部分;及び
上記アンカー部分と上記弁部分とを接続し、そして上記体管内に上記弁を支えるように適合された少なくとも1のコネクター
を含む、前記弁。
【請求項2】
前記弁部分及び前記アンカー部分が、低プロファイルで前記体管にデリバリーされ、そして大プロファイルに拡張されるように構成され、ここで当該アンカー部分が前記弁を当該体管に固定するように構成される、請求項1に記載の弁。
【請求項3】
前記アンカー部分がステントを含む、請求項1に記載の弁。
【請求項4】
前記アンカー部分が自己拡張性である、請求項1に記載の弁。
【請求項5】
前記コネクターが前記弁部分の全長に実質的にそって伸張する、請求項1に記載の弁。
【請求項6】
前記弁部分が実質的にチューブ状であり、そして液体が一の方向にのみ通過することを可能にするように構成された複数のフラップを含む、請求項1に記載の弁。
【請求項7】
前記弁部分が、以下の:(a)小腸粘膜下層、(b)大チューブ状静脈構造、(c)心膜組織、(d)大腿筋膜、(e)ナノ合成物質、(f)絹、及び(g)発泡ポリテトラフルオロエチレンのうちの少なくとも1から作成される、請求項1に記載の弁。
【請求項8】
前記弁部分が、陥入チューブから作成され、ここで当該陥入チューブの内壁が少なくとも2個の位置で切られてフラップを形成する、請求項6に記載の弁。
【請求項9】
前記アンカー部分が、前記弁部分に対して先細りになっている、請求項1に記載の弁。
【請求項10】
前記コネクターがC型断面を有する、請求項1に記載の弁。
【請求項11】
前記弁部分を各コネクターに保持するT型固定器具をさらに含む、請求項10に記載の弁。
【請求項12】
前記T型固定器具が、前記コネクター内のスロット内に配置され、ここで前記弁部分が各T型固定器具とコネクターとの間に配置される、請求項11に記載の弁。
【請求項13】
前記弁部分が、前記コネクターに(a)接着され、(b)縫合され、(c)リベット付けされ、及び(d)留められる、のうちの少なくとも1である、請求項1に記載の弁。
【請求項14】
前記コネクターが、アンカー部分と(a)一体となっている、(b)化学的に接着している、(c)縫合している、(d)リベット付けされている、及び(e)留められている、のうちの少なくとも1である、請求項1に記載の弁。
【請求項15】
前記弁部分と接触されるコネクターの一部が補強される、請求項1に記載の弁。
【請求項16】
前記弁部分と接触されるコネクターの一部が穴を含む、請求項1に記載の弁。
【請求項17】
前記弁部分がステントレスである、請求項1に記載の弁。
【請求項18】
体管に配置用の弁であって、以下の:
アンカー部分;及び
上記アンカー部分と末端同士で接続され、そして当該アンカー部分への少なくとも1の接続により支えられるステントレス弁部分
を含む、前記弁。
【請求項19】
体管に弁を設置することを含む方法であって、当該弁を当該体管に挿入し、そして当該弁のアンカー部分を当該体管に固定することを含み、ここで当該弁が、当該アンカー部分を当該弁の弁部分に接続する少なくとも1のコネクターを含み、当該弁部分が当該アンカー部分から離れている、前記方法。
【請求項20】
前記設置が、以下の:
前記体管につながる枝の1の側の体管に前記弁のアンカー部分を配置し;そして
当該アンカー部分の反対にある上記枝の側の体管に弁の弁部分を配置すること
を含み、ここで、当該弁の少なくとも1のコネクターが当該枝を橋渡しし、当該少なくとも1のコネクターが当該枝と当該体管との間での液体の流れを可能にするように配置される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
弁を体管にインプラントする方法であって、以下の:
(a) 近位末端上に第一バルーンを有するバルーンカテーテルを体管に通し、ここで、当該弁の弁部分が低プロファイル状態で当該第一バルーン上に搭載されており;
(b) 上記第一バルーンを膨張させて上記弁部分を大プロファイルに拡張させ;
(c) 上記第一バルーンを萎ませ;
(d) 上記体管内に当該弁のアンカー部分を固定し、ここで当該アンカー部分が離れており、そして少なくとも1のコネクターにより上記弁部分に接続されており;そして
(e) 上記体管から上記バルーンカテーテルを引き抜くこと
を含む、前記方法。
【請求項22】
前記アンカー部分が自己拡張性であり、そして低プロファイル状態から大プロファイル状態へと拡張させることにより、前記固定ステップ(d)で前記体管内に固定される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記バルーンカテーテルが第二バルーンを含み、前記アンカー部分が当該第二バルーン付近に配置され、そして当該第二バルーンを膨張させることにより前記固定ステップ(d)で固定される、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記弁部分が、前記コネクターにより前記体管内に支えられる、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記第二バルーンを膨張させる前に、前記膨張ステップ(b)で前記第一バルーンを膨張させることをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記弁部分がステントレスである、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
ガイドワイヤーを前記体管に挿入することをさらに含み、ここで当該バルーンカテーテルが当該ガイドワイヤーに沿って通される、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
体管に弁をインプラントする方法であって、当該弁が、自己拡張性アンカー部分、当該アンカー部分から離れた弁部分を含み、そして少なくとも1のコネクターが、当該アンカー部分と当該弁部分を接続し、以下の:
(a) 当該体管にカテーテルを通し、ここで当該カテーテルは、プランジャー及び当該プランジャー上に配置されたシースを含み、当該シースは、当該プランジャーの近位末端を越えて伸張し、当該弁が低プロファイル状態で当該シースの近位末端部分内に配置され;
(b) 上記プランジャーに対して当該シースを引いて、上記弁から当該シースを引いて、上記体管内にアンカー部分を大プロファイルへと拡張させ;そして
(c) 上記体管から上記カテーテルを回収する
を含む、前記方法。
【請求項29】
前記弁部分が、前記コネクターにより前記体管内に支えられる、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記弁部分がステントレスである、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
ガイドワイヤーを前記体管に挿入することをさらに含み、前記カテーテルが当該ガイドワイヤーに沿って通っている、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
患者に弁をインプラントする方法であって、以下の:
(a) 上記患者にシースを挿入し、ここで当該シースは近位部及び遠位部を含み、当該弁の弁部分が、当該近位部及び遠位部のうちの最初の一つの外表面内に少なくとも部分的に配置され、当該弁のアンカー部分が当該近位部と遠位部のうちの第二の外表面内に少なくとも部分的に配置され;そして
(b) 上記近位部と上記遠位部を分離させて上記弁を露出させる
を含む、前記方法。
【請求項33】
以下の:
挿入機器を前記患者に通し、ここで前記弁機器が当該挿入機器に搭載され、前記分離ステップ(b)が以下の:
(i)前記シースの遠位部から当該シースの近位部を離すようにシフトさせて、上記弁の弁部分を露出させ、そして
(ii)上記シースの遠位部を上記弁部分から離すようにシフトさせて、当該弁のアンカー部分を露出させることを含み
当該挿入シース及び当該挿入機器を上記患者から取り除く
をさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
ガイドワイヤーを前記患者に通すことをさらに含み、前記シースが当該ガイドワイヤーにそって当該患者に挿入される、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記ガイドワイヤーが、大腿静脈、下大静脈、右心房、左心房、左心室、上行及び下行大動脈44、腹大動脈、及び腸骨動脈を通して挿入され、そして大腿動脈を通して露出される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記分離ステップ(b)で分離する前に、前記シースが前記患者内に配置され、その結果当該シースの近位部の遠位末端及び遠位部の近位末端が、前記弁の設置部位に隣接する、請求項32に記載の方法。
【請求項37】
前記設置部位が大動脈内である、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記分離ステップ(b)において分離が、前記遠位部と近位部にシースを分割することを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項39】
前記分離ステップ(b)の前に、前記シースの近位部の遠位末端と、当該シースの遠位部の近位末端とを切り離すことをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項40】
前記挿入機器が、バルーンカテーテルを含み、そして当該弁機器のアンカー部分が、当該バルーンカテーテルの遠位バルーンに沿って配置され、当該方法がさらに以下の:
前記分離ステップ(b)において前記シースの遠位部をシフトさせる前に前記近位バルーンを膨張させ;そして
当該近位バルーンを萎ませることを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項41】
前記近位バルーンを、前記分離ステップ(b)において前記シースの遠位部をシフトさせる前に萎ませる、請求項34に記載の方法。
【請求項42】
前記バルーンカテーテルの遠位バルーンを膨張させて、前記分離ステップ(b)において前記シースの遠位部をシフトさせた後に、前記弁機器のアンカー部分を拡張させることをさらに含む、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
前記分離ステップ(b)において前記シースの近位部をシフトさせることが、前記患者から近位部を取り除くことを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項44】
前記分離ステップ(b)において前記挿入シースの遠位部をシフトさせることが、前記患者から遠位部を取り除くことを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項45】
前記アンカー部分が自己拡張性である、請求項32に記載の方法。
【請求項46】
前記アンカー部分及び弁部分が、(i)末端同士で接続される、及び(ii)コネクター・ストラットにより離されて接続される、のうちの一つである、請求項32に記載の方法。
【請求項47】
アンカー部分と弁部分とを含む弁、ここで当該弁部分が、(i)当該アンカー部分から離され、そして体管内に当該弁を支えるように適用された少なくとも1のコネクターにより当該アンカー部分に接続されるか、並びに(ii)当該アンカー部分と末端同士で接続される、のうちの一つであり;そして
当該弁を体管に挿入するための大きさにされたシース、ここで当該弁が当該シース内に配置することができ、当該弁は拡張性であり、そして低プロファイル状態で(i)当該シースを通して及び(ii)当該シース内のうちの1の様式で当該体管内にデリバリーされるように適用され、当該シースが、当該弁を露出させるために分離可能である近位部及び遠位部を含む、
を含む弁装置。
【請求項48】
前記シースは、互いに開放可能なように接続される近位部と遠位部とを含む、請求項47に記載の弁装置。
【請求項49】
前記近位部と遠位部が、ねじ式接続により開放可能なように接続される、請求項48に記載の弁装置。
【請求項50】
前記近位部と遠位部とが、磁性接続により開放可能なように接続される、請求項48に記載の弁装置。
【請求項51】
前記近位部及び前記遠位部のうちの一つの末端が第一磁場を生成するように構成された第一コイルを含み、そして当該近位部及び当該遠位部のうちのもう一方の末端が、(i)第二磁場を生成するように構成される第二コイル及び(ii)永久磁石のうちの一つを含む、請求項50に記載の弁装置。
【請求項52】
前記近位部と遠位部とが、ラッチにより開放可能なように接続されている、請求項48に記載の弁装置。
【請求項53】
前記ラッチが、(i) 前記近位部と遠位部のうちの一つに旋回可能なように接続される、並びに(ii) 当該近位部と遠位部のうちの一つと一体となる、のうちの一つであり、そして、当該近位部と遠位部のうちのもう一方が、当該ラッチの一部を受容するように構成されたくぼみを含む、請求項52に記載の弁装置。
【請求項54】
前記近位部と遠位部とを切り離すために前記ラッチを旋回させるように構成される当該ラッチに接続された当該近位部と遠位部のうちの一つの長さに沿って伸張しているラインをさらに含む、請求項53に記載の弁装置。
【請求項55】
前記ラインが、前記シースに対してスライド可能であり、そして前記近位部と遠位部とを切り離すために前記くぼみから前記ラッチを旋回させるために引くことができる、請求項54に記載の弁装置。
【請求項56】
前記シースが、ロック位置と未ロック位置との間で前記ラッチを旋回するように適合される(i)サーボと(ii)モーターのうちの少なくとも1を含み、前記ラインが、(i)当該サーボと(ii)当該モーターのうちの少なくとも1に電気制御シグナルを伝達するように適合される、請求項54に記載の弁装置。
【請求項57】
前記シースが、(i)前記近位部と遠位部とを互いに離れるように引く所定の力及び(ii)当該近位部と遠位部を互いに対して回転させる所定の力のうちの少なくとも1を適用する際に、当該シース上の所定の位置で当該近位部と遠位部へと分割するように適用される、請求項47に記載の弁装置。
【請求項58】
前記シースが、所定の位置で薄くされた壁厚を含む、請求項57に記載の弁装置。
【請求項59】
前記シースが、所定の位置で部分的に切られている、請求項57に記載の弁装置。
【請求項60】
前記弁部分が1以上のフラップを含み、ここで各フラップが、当該弁が閉じている際に血液で満たされるポーチ孔を形成するように構成される、請求項47に記載の弁装置。
【請求項61】
前記弁部分が1以上のフラップを含み、ここで各フラップが、当該弁が閉じている際に血液で満たされるポーチ孔を形成するように構成される、請求項1に記載の弁。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図6A】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図10A】
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【図11】
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【図12a】
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【図12b】
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【図12c】
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【図12d】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2008−523922(P2008−523922A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−546974(P2007−546974)
【出願日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【国際出願番号】PCT/US2005/045809
【国際公開番号】WO2006/066148
【国際公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(507200606)
【出願人】(307047014)
【Fターム(参考)】