説明

性交渉感染症を引き起こす細菌のプローブ、DNAチップ及び遺伝子型解析キット

淋菌、クラミジア・トラコマチス、ウレアプラズマ・ウレアリティカム、マイコプラズマ・ジェニタリウムのような性交渉感染症(STD)病原菌の内、最も頻繁に発症する4種との感染を素早く正確に診断するためのDNAチップ及び遺伝子型決定キット、及びそれに使用するオリゴヌクレオチドプローブを提供する。前記DNAチップ及び遺伝子型決定キットは、STDの診断において、感度、特異性及び再現性に優れており、そして様々なサンプルにおける細菌の4種の型の素早い自動分析に効果的である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、性交渉感染症(STD)の病原体の内、最も発病率の高い4種の細菌である淋菌、クラミジア・トラコマチス、ウレアプラズマ・ウレアリティカム、及びマイコプラズマ・ジェニタリウムの感染を迅速かつ正確に診断するためのDNAチップ、遺伝子型決定キット及びアッセイ、並びにそれを用いたオリゴヌクレオチドプローブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
性交渉感染症(STD)は、一般に、性行動によって伝染する疾患を指す。
【0003】
STDの疫学は、原因の95%以上が(1)淋病、(2)クラミジア感染症および(3)非淋菌性尿道炎(NGU)からなることを示す。非淋菌性尿道炎は、ここでは、尿道炎に罹った男性に淋菌が発見されない場合を示すものとする。非淋菌性尿道炎の最も一般的な病原菌は、クラミジア・トラコマチスと、その他ウレアプラズマ・ウレアリティカム及びマイコプラズマ・ジェニタリウムもまた主な病原菌として指摘される。つまり、4種の細菌、すなわち淋菌、クラミジア・トラコマチス、ウレアプラズマ・ウレアリティカム及びマイコプラズマ・ジェニタリウムは、STD原因の絶対多数である。これらの細菌は、前部尿道炎の共通する主な原因の全てであり、副睾丸炎および前立腺炎と合併するかもしれなく、不妊の重要な原因にもなる。これらはまた、女性の子宮頸管炎及び骨盤内炎症性疾患の主な原因であり、卵管閉塞を引き起こすことで不妊及び子宮外妊娠のような合併症を引き起こすかもしれない。
【0004】
今日では、西欧諸国ではクラミジア感染症が最も一般的であり、韓国においても淋病が減少すると共にクラミジア感染症及び非淋菌性尿道炎は近年増える傾向に有る。
【0005】
STDは、多くの場合いくつかの症状が引き起こされる他の疾病と異なり、症状が無い状態で潜伏し、そして再感染しやすいものである。そのため、その初期段階でSTD病原菌を検出する方法及び症状の無いキャリアーを効率的に診断する方法の開発もまた重要である。
【0006】
一部の患者に尿道炎が発見された際に、先ず淋菌性か非淋菌性かどうかを判別するべきである。なぜならば、それぞれによって疾病の治療及び進行度が異なるからである。しかしながら、抗生物質の濫用及び誤用による細菌の変異及び複合感染により、それらの間の区別が不明瞭になってきており、正確な診断に、本発明における分子遺伝学的検査を必要とする。
【0007】
淋菌性尿道炎を引き起こす淋菌は、ナイセリア属に属する。
【0008】
淋菌の診断は、主にグラム染色によって行われる。細胞中の特徴的なグラム陰性双球菌の存在を確認するグラム染色は、容易で、比較的高い精度を有するので、広く使用されている方法である。しかしながら、症状がない又はわずかである淋菌性尿道炎に対しては、グラム染色は多くの場合、不明瞭な識別又は偽陰性となるかもしれない。
【0009】
グラム染色を補うために、淋菌の培養が試みられている。前記淋菌の培養は、多くの観点から有益で、正確な分析であるが、分析結果がわかるまでに多くの時間とコストを消費するという欠点を有する。
【0010】
また、酵素免疫測定法(EIA)及び免疫蛍光法が、淋菌感染症の診断で抗原を検出する新しい方法として用いられる。これらは、培養試験より早く結果を得ることができると報告されており、より高い感度及び特異性を有するが、高コストであるという欠点を有する。
【0011】
非淋菌性尿道炎は発病率が減少しているが、一方で淋菌性尿道炎は、近年増加している。非淋菌性尿道炎は様々な微生物から引き起こされる一種の症候群であり単一の疾病ではない。非淋菌性尿道炎を引き起こす最も重要な微生物は、クラミジア・トラコマチスである。クラミジア・トラコマチスは、ゲノム上にDNA及びRNAの両方を有する細胞内に寄生するライフサイクルを有し、合計15血清型を有する。それらの内D−K型は、非淋菌性尿道炎を引き起こす。それらによって発病させられるヒト疾患は、尿道炎、子宮頸管炎、副睾丸炎および骨盤内炎症性疾患を含むトラコーマSTD、呼吸感染症及びSTDを含む。クラミジアが心筋炎を引き起こすことが、近年報告された。
【0012】
クラミジア・トラコマチスを同定するための方法として、(1)感染領域から集められた材料を培養、分離することにより細菌を同定する方法、(2)感染領域の上皮の直接塗抹標本染色により細菌を同定する方法及び(3)患者の血清から抗体を分離することにより細菌を同定する方法のようないくつかの方法が用いられており、そして近年(4)ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)及びハイブリダイゼーションを用いた方法のような分子遺伝学的技術を用いる方法が好まれる。
【0013】
サンプルを培養・分離する方法は、長い時間を要し、低診断感度であることなどから臨床診断の目的には適さない。感染領域の上皮の直接塗抹標本染色により細菌を同定する方法は、簡易であるという利点が有るが、低い診断感度を有する。また、モノクローナル抗体に結合する蛍光物質であるFITC(フルオロセインイソチオシアネート)(蛍光物質)のような試薬を用いた蛍光抗体法は、相対的に高い感度を有するが、高いコスト及び専用の装置を必要とするという短所が有り、結果としてその使用が制限される。
【0014】
ヒト及び様々な哺乳動物に広く存在し、泌尿生殖器に感染を引き起こすかもしれないマイコプラズマ属及びウレアプラズマ属に属するウレアプラズマ・ウレアリティカム及びマイコプラズマ・ジェニタリウムは、培養技術が非常に異なり、染色又は免疫学的方法によって検出することも困難である。従って、近年の診断傾向はPCRを基にした分子遺伝学的検査である。この場合、使用方法は、主に各細菌種に対する遺伝子特異的なDNA塩基配列をPCR増幅することによる細菌の同定、シークエンシング反応による同定、ハイブリダイゼーションなどの方法でできている。今までに同定された13種類のマイコプラズマおよび2種類のウレアプラズマは、16SリボソームRNA(16S rRNA)の5’方向のV3の隣接領域及び3’方向のV6の隣接領域に共通の塩基配列を有する。一方、V4及びV5領域の約250塩基の配列、又は16S〜23SリボソームRNA間の領域の塩基配列は、各種によって異なる。その為、これを分析する方法は有効であり、すなわち、ウレアプラズマ・ウレアリティカムの場合では、それに固有のウレアーゼサブユニットの塩基配列の分析の方法にもまた利用できる(例えば、非特許文献1、非特許文献2参照)。
【0015】
細菌感染症の病原菌の正確な同定は、正確な診断のためだけではなく、疾病の感染源及び条件の発見、疾病の進行と予後を予測し、治療プランを決め、そしてそのワクチンを開発するためにも欠かすことができない。この時、病原菌診断において、属及び種だけでなく亜種及び変種も同様に容易に検出することが重要である。
【0016】
細菌感染症における病原菌の正確な検出の為に、検査は100%近い感度、特異性及び再現性を有するべきである。前記培養試験又は免疫分析のような従来の細菌表現型分析は、このような条件を満足することはなかなかできない。これに反して、細菌ゲノムの遺伝子型、すなわちDNA及びRNAの塩基配列を分析する遺伝学的検査は、理論的には3つの条件全てを満たすことができ(例えば、非特許文献3参照)、PCR技術を用いて淋菌感染及びクラミジア感染を検査する診断キットはすでに市場に出され、用いられている(例えば、非特許文献4参照)。
【0017】
しかしながら、細菌検出用遺伝学的検査は、臨床試験及び治療、又は他の研究室で活発に用いられ、臨床試験及び治療に重要な助力を与えるためには、言及した条件に加えて満たすべき多くの条件を有する。具体的には、前記遺伝学的検査は、扱いやすく、容易に解釈され、かつ単純であり、すばやく結果が得られ、そして特別高価な設備を必要としないことが必要である。また、多くのサンプルのすばやい検査を可能とするために自動化されるべきであり、検査コストは高価であってはならない。その為、PCRは、可能であれば、対象となる細菌は一PCR反応を一体型チューブで検査するマルチプレックス型PCRとなることが必要である。検査される遺伝子及び塩基配列領域は、PCRにおいて変種レベルで正確に各対象細菌を判別するために適切に選択される必要が有り、これに従って、最適PCR条件が確立されなければならない。しかしながら、尿道炎及び子宮頸管炎に対する4種の主な病原菌、すなわち淋菌、クラミジア・トラコマチス、ウレアプラズマ・ウレアリティカム又はマイコプラズマ・ジェニタリウムを一度に調査するマルチプレックス型PCRに関しては、今まで報告されておらず、そして、そのようなPCRキットはまだ市場に出ていない。
【0018】
更にまた、PCR後の増幅された産物が所望の細菌の正確なDNAであるかどうかを正確に同定する検査が必要である。更に、遺伝学的検査は、正確に細菌の遺伝子型を読み込む必要があり、それにより正確に抗生物質に対する耐性、生物侵入率などを予測することが可能になる。それにより、一度に様々なSTD病原菌を検査し、更にまた、抗生物質に対する耐性のような情報を与えるDNAチップ(又はDNAマイクロアレイ)を開発することが急務である。
【非特許文献1】Jensen J.S. et al., J. Clin. Microbiol. 2003; 41: 261−6
【非特許文献2】Yoshida T. et al., J. Clin. Microbiol. 2002; 40: 105−110
【非特許文献3】Olive DM et al. Journal of Clinical Microbiology. 1999:37:1661−9
【非特許文献4】Shafer M. et al., J. Clin. Microbiol. 2003; 41: 4395−9
【非特許文献5】Olsen G.J. et al., Ribosomal RNA: a key to phylogeny.FASEB 1993; 7:113−123
【非特許文献6】Lane DJB et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 1985; 92:6955−9
【非特許文献7】Yoshida T. et al. J. Clin. Microbiol. 2002; 40:105−110
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明の一態様によれば、尿道炎、子宮頸管炎及び骨盤内炎症性疾患の4種の主要な病原菌であり、STD原因の90%以上の絶対多数を占める淋菌、クラミジア・トラコマチス、ウレアプラズマ・ウレアリティカム、及びマイコプラズマ・ジェニタリウムの遺伝子を増幅することができるマルチプレックス型PCR法を提供する。
【0020】
本発明の別の態様によれば、4種の主な病原菌及びヒトβグロブリンのPCR増幅に効率的なプライマーを提供する。
【0021】
本発明の更に別の態様によれば、各前記4種の細菌、制御遺伝子、及び抗生物質耐性遺伝子に固有の塩基配列の遺伝子をより正確に検出することを可能にするオリゴヌクレオチドプローブを提供する。
【0022】
本発明の更に別の態様によれば、集められたプローブを含む、前記4種の主な病原菌の検出及び遺伝子型決定用のDNAチップを提供する。
【0023】
本発明の更に別の態様によれば、プローブを含む、前記4種の主な病原菌の検出及び遺伝子型決定用キットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明において、検査される前記4種の細菌及び検査されるヒトβグロブリンの遺伝子及びその領域、並びにそれらの増幅に必要なPCRプライマーを設計し(実施例1)、コントロール系統及び各系統の標的遺伝子のDNAクローンを固定し(実施例2)、サンプルを採取し、保存する方法を確立し(実施例3)、サンプルからDNAを分離する方法を確立し(実施例4)、細菌の標的遺伝子に対するシングルPCR条件を確立し(実施例5)、臨床サンプルにシングルPCR及びシークエンシングを行い、その結果からデータベースを作成し(実施例6及び7)、前記4種の細菌及びヒトβグロブリンの遺伝子に対するマルチプレックスPCR条件を確立し(実施例8)、そしてそのマルチプレックスアッセイをヒトサンプルで行い、それにより前記アッセイの品質管理を確認する(実施例9)。前記4種の細菌及びヒトβグロブリン遺伝子のハイブリダイゼーションアッセイ用プローブを設計し、これを用いたDNAチップを作成し(実施例10及び11)、人工サンプルを前記DNAチップで分析し、それにより分析条件を確立し(実施例12)、臨床サンプルを前記DNAチップで分析し(実施例13)、それにより前記4種の細菌が感染していることがわかり、同様に感染細菌の遺伝子型が判別される(実施例13)。これにより本発明は完成する。
【0025】
本発明は、以下に例示される。
【0026】
本発明のプライマーは、配列番号1又は2の塩基配列を有する淋菌の核酸増幅用プライマー、配列番号3又は4の塩基配列を有するクラミジア・トラコマチスの核酸増幅用プライマー、配列番号5又は6の塩基配列を有するウレアプラズマ・ウレアリティカムの核酸増幅用プライマー、配列番号7又は8の塩基配列を有するマイコプラズマ・ジェニタリウムの核酸増幅用プライマー、配列番号9又は10の塩基配列を有するヒトβグロブリンの核酸増幅用プライマーを含む。
【0027】
本発明のPCR増幅法は、少なくとも一つのプライマーを用いたシングル又はマルチプレックスPCR増幅法である。
【0028】
本発明のSTD病原菌の検出用プローブは、淋菌及びマイコプラズマ・ジェニタリウムの16S rRNA及びウレアプラズマ・ウレアリティカムの16S〜23Sの遺伝子間領域、又はクラミジア・トラコマチスのクリプティックプラスミド(cryptic plasmid)の一部を含むオリゴヌクレオチドを含む。より好ましくは、前記プローブは配列番号11〜配列番号33の塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、及びそれらオリゴヌクレオチドに相補的な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなる群から選択される。
【0029】
本発明のDNAチップは、配列番号11〜配列番号33の塩基配列を有するオリゴヌクレオチド及びそれらのオリゴヌクレオチドと相補的な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなる群から選択される一又はそれ以上の種類のプローブを含む。
【0030】
配列番号11〜16はウレアプラズマ・ウレアリティカムの検出用プローブであり、配列番号17〜21は淋菌の検出用プローブであり、配列番号11〜28はクラミジア・トラコマチスの検出用プローブであり、配列番号29〜33はマイコプラズマ・ジェニタリウムの検出用プローブである。
【0031】
本発明のもう一つの実施形態におけるSTD病原菌の検出用DNAチップは、リファレンスマーカー(reference marker)としてβグロブリン、アクチン又はグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼを更に含んでもよく、そして、リファレンスマーカーがβグロブリンである場合、それは配列番号40で表わされる塩基配列であることが好ましく、その増幅用プライマーは配列番号9及び配列番号10の塩基配列を有するβグロブリンDNA増幅用プライマーである。前記リファレンスマーカーの使用は前記DNAチップでのハイブリダイゼーション、並びに従来手順であるDNA分離手順及びPCR増幅手順に対する品質管理を評価し、偽陰性を検出することを可能にする。
【0032】
本発明のもう一つの実施形態におけるSTD病原菌の検出用DNAチップは、テトラサイクリン耐性遺伝子(TetC)の検出用の一つ又はそれ以上の種類のプローブを更に含んでもよい。テトラサイクリン抗生物質耐性遺伝子も分析することは、STD治療に最も広く用いられている抗生物質であるテトラサイクリン系抗生物質に対する耐性を前もって正確に検出することができ、治療プランの決定及び治療の助力となる。前記テトラサイクリン抗生物質耐性遺伝子のプローブは、好ましくは配列番号34〜39の塩基配列を有する。
【0033】
本発明のDNAチップを製造する方法は、STD病原菌の核酸に相補的に結合することができる塩基配列及び5’末端アミン結合を有するDNAプローブを生成する手順、アルデヒドが結合した固体の表面に結合された該生成したDNAプローブを備えさせる手順、およびDNAプローブが結合した固体表面に存在するアミンに結合しないアルデヒドを還元する手順を含む。
【0034】
前記プローブDNAと固体表面上のアルデヒドとの結合は、アミンとアルデヒドのシッフ塩基反応によって行われ、前記固体はガラス、二酸化ケイ素、プラスチック又はセラミックから選択される。
【0035】
本発明の性交渉感染症(STD)病原菌の検出用キットは、STD病原菌のDNAサンプルのPCR増幅用プライマーセット、STD病原菌検出用DNAチップ、並びに前記DNAチップの検出用マーカー及びハイブリダイゼーションするための増幅されたDNAを含む。
【0036】
本発明の性交渉感染症(STD)病原菌検出の方法は、(a)STD病原菌DNA増幅用プライマーを用いてSTD病原菌のDNAサンプルを増幅する工程、(b)配列番号11〜配列番号33の塩基配列を有するオリゴヌクレオチド及びそれらのオリゴヌクレオチドに相補的な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなる群から選択された一つ又はそれ以上の種類のプローブを含むDNAチップ上に増幅されたDNAをハイブリダイゼーションする工程、(c)前記プローブ及びハイブリダイゼーション反応物を検出する工程を含む。
【0037】
アッセイキット及びSTD病原菌を検出するための検出方法は、前記プライマー及び前記マーカーを含んでもよい。前記プライマーは、配列番号1〜配列番号8の塩基配列からなる群から選択されるSTD病原菌を増幅するためのプライマーであってもよく、そして塩基配列9及び10の塩基配列からなるβグロブリンプライマーを含んでもよい。
【0038】
前記マーカーとして、公知である様々な標識、例えば、Cy5、Cy3、ビオチン結合性物質、EDANS(5−(2’−アミノエチル)アミノ−1−ナフタレン硫酸)、テトラメチルローダミン(TMR)、テトラメチルローダミンイソシアネート(TMRITD)、x−ローダミン又はテキサスレッドを用いることができる。Cy5を標識として用いる場合、蛍光シグナルは、効率的で感度の高い結果を導く標識化された反応物の検出で、付加的な反応なしで、共焦点レーザースキャナのようなアナライザーを用いて直接分析することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
本発明が、以下の実施例により、更に詳しく記述される。しかしながら、以下の実施例は、本発明の構成と効果を示すことを目的とし、本発明を限定するものではない。
【実施例1】
【0040】
PCRプライマーの設計
分析する前記4種の細菌の遺伝子及びその領域を決定し、それらの増幅に必要なPCRプライマーが設計された。その上、ヒトβグロブリン遺伝子は、いくつかの内部基準遺伝子及びコントロール遺伝子であるハウスキーピング遺伝子として選択され、DNA分離及びPCR反応の制御品質を確認した。そしてそのPCR増幅のためのプライマーもまた設計された。
【0041】
分析する遺伝子領域は、16S rRNA若しくは23S rRNA、又はそれらの中間部から先ず選択され、その空間遺伝子間領域は、細菌の系統発生の発見に最も広く用いられている(例えば、非特許文献5、非特許文献6参照)。
【0042】
この時、PCR増幅領域のスタンダードとして、全ての細菌及び同属の細菌に共通の塩基配列、いわゆる高度保存領域は一方向に配列され、標的細菌の種(属)に固有の塩基配列、いわゆる超可変領域はもう一方向に配列された。あるいは、前記保存領域は両方向に配列され、前記可変領域はそれらの間に配列された。もし、16S rRNA若しくは23S rRNA又は16Sと23Sの間の領域上に適切な塩基配列が無かったなら、標的細菌の固有遺伝子及び固有塩基配列は、分析のため他の領域から選択される。例えば、淋菌の場合、シトシンメチルトランスフェラーゼ遺伝子もまた、16S rRNAの代わりに分析されてもよく、クラミジアの場合は、主要外膜タンパク質(MOMP)のomp1遺伝子もまた、分析されてよい。加えて、クラミジア・トラコマチスの場合、この系統に潜伏しているクリプティックプラスミドの塩基配列もまた、調査され得る(例えば、非特許文献7参照)。
【0043】
【表1】

【0044】
遺伝子バンク登録番号:X07714
**遺伝子バンク登録番号:X07547
***遺伝子バンク登録番号:AF073455&X58561
****遺伝子バンク登録番号:X77334
*****遺伝子バンク登録番号:NG−000007
NG(淋菌)、CT(クラミジア・トラコマチス)、UU(ウレアプラズマ・ウレアリティカム)、MG(マイコプラズマ・ジェニタリウム)、HBB(ヒトβグロブリン)、F(正方向)、R(逆方向)
【実施例2】
【0045】
コントロール群系統並びにサンプル及びそのクローンの確保
分析する4種の細菌のそれぞれに対するスタンダードポジティブコントロール群の系統は、ATCC,USA(米国マナッサス,VA200108)で購入し、そして又、各細菌がすでに感染していると同定されたサンプルを得た。DNAをこれらから分離し、その後、分析する標的遺伝子領域を、各細菌に対してPCR増幅し、クローニング及びシークエンシングにより同定し、それによりそれらのそれぞれに対してプラスミドクローンが確保された。
【0046】
クローニング実験方法は、以下の公知の方法を用いて行われ、そして前記ポジティブコントロール群の細菌系統及び確保されたプラスミドクローンの特性を、表3に示す。PCRの方法は、後の実施例で繰り返されるので、その詳細はここでは省略する。
【0047】
1)淋菌及びマイコプラズマ・ジェニタリウムの16S rRNA、ウレアプラズマ・ウレアリティカムの16S〜23S遺伝子間領域並びにヒトβグロブリン遺伝子のPCRにより増幅されたPCR産物は、ゲルリカバリーキット(米国zymo research社製造)を用いたアガロースゲル上で分離され、その濃度を分光光度計又はアガロースゲルの濃度測定法により測定した。
【0048】
2)冷凍保管されていたpGEM(R)−T(米国Promega社製、A1360)及び2xラピッドライゲーションバッファーは、指の端部で軽くチューブを振盪して溶解、混合し、軽く遠心分離し、それによって、0.5mlチューブに、クローニングする挿入DNAと、表2に示す割合にし、ライゲーション反応の準備をした。
【0049】
【表2】

【0050】
3)各反応溶液を、ピペットでよく混合し、ライゲーション反応のため室温で1時間保持した。もし多量の形質転換細胞が必要であれば、4℃で一晩反応させるために保持してもよい。
【0051】
4)ライゲーションされたサンプルは、−70℃で保存されていた50μl JM109コンピテント細胞(=1×10cfu/μg DNA)を用いて形質転換させた。
【0052】
5)先ず、上記により得られた2μlのライゲーション反応産物(ライゲート)を1.5mlチューブに加えた。直ちに解凍された50μlのコンピテント細胞をそこに再度加え、該混合物をよく混合し、その後氷上で20分間反応させるために保持した。
【0053】
6)前記細胞は、42℃循環水浴中におき、40〜50秒の熱ショック処理をした。
【0054】
7)室温に調整した950μl SOC培地をそこに加え、約1時間半37℃で振盪恒温槽で培養した。
【0055】
8)約100μlの培養溶液をLB/アンピシリン/IPTG/X−Gal プレートに注ぎ、その後前記プレートを反転し、37℃に調節された恒温槽で16〜24時間培養した。その後、コロニー数を計数(コロニー計数)し、白色のコロニーのみを選択し、3ml LB/アンピシリン培養溶液で培養し、それからMini−Prep手順でプラスミドDNAを分離、精製した。その後、挿入DNAが制限酵素によるPCRおよび開裂反応を用いて適切に挿入されたかどうか同定し、こうして得られたクローンの塩基配列をオートシーケンサーを用いて分析した。
【0056】
【表3】

【実施例3】
【0057】
臨床サンプルの採取
尿道、頸部又は口からの分泌物、消毒綿またはブラシで集めた細胞によって得られたスワブサンプル、尿、尿道洗浄溶液並びに前立腺溶液のような様々なサンプルを人体から採取する適切な方法を確立し、分析前にそれらを運搬及び保存した。ここで、男性尿の採取は、従来の三杯試験により、VB(排せつされた尿:voided bladder)1,VB2,VB3及び前立腺圧出液(EPS)に分割することにより行った。VB1は、排尿の始め(すなわち、早期尿流)に出される10から20mlを言う。VB2は、排尿の中間に出された中期尿流を言う。前立腺圧出液は、前立腺マッサージに続いて尿道に出てくる分泌物を言う。VB3は、前立腺マッサージの後の排尿で始めに出る10から20mlの尿を言う。ここで、VB1は尿道のサンプルを意味し、VB2は膀胱サンプルを意味し、そしてVB3は前立腺サンプルを意味する。
【0058】
サンプル採取の方法、そのために用いられた器具及びサンプルを運搬、保存する方法は、以下の通りである。
【0059】
このSTD分析において、男性のスタンダードサンプルは、尿道のスワブサンプル及び早期尿流(VB1)のサンプルであり、もし必要であれば、尿道分泌物又は前立腺マッサージ後の尿(VB3)をそこに加える。一方、女性のスタンダードサンプルは、頸部のスワブサンプル又は擦りとったサンプルであり、もし必要であればスワブサンプル若しくは膣の分泌物又は尿をそこに加える。ここで、同性愛者又は特定職業従事者の場合、サンプルを直腸又は肛門から更に得てもよい。
【0060】
男性の尿道のスワブサンプルの入手する時、先端に綿又はブラシを付随させた滅菌消毒綿を尿道口の内側2〜3cmに挿入し、左右に動かしそれにより集合したものとして尿道中の分泌物及び細胞を採取した。その上、女性から頸部のスワブサンプルを得る時、先端にブラシを付随させた滅菌消毒綿を頸部の内側に挿入し、左右に動かし、それにより集合したものとして分泌物及び細胞を採取した。ここで、採集するスワブ用器具として、COPAN(米国COPAN innovation社)が提供した消毒綿若しくはSang−A Medical社(韓国ソウル市)が提供したPapブラシ、又はその同等物を用いた。その後、消毒綿の綿部分又はブラシ部分は、滅菌したサンプル保存溶液を内側に有し、スクリューキャップを有するチューブ内に入れられ、移動及び保存された。
【0061】
尿又はスワブサンプルのような採取されたサンプルは、可能であれば48時間以内に研究室に運搬されるべきであり、移動中も冷凍する温度に維持するべきである。これは遺伝子増幅が差し迫った細菌の分離を助け、急速発育性細菌の異常増殖を阻止する。
【0062】
予め、滅菌したサンプル保存溶液をサンプル採集チューブに満たした。その組成物は、100mlの37〜40%ホルムアルデヒドと、15mlメタノール、6.5gのNaHPO及び4.0gのNaHPOを混合し、滅菌三重蒸留水(triple−distilled water)をそこに加え、最終体積を1Lにすることで作られた。
【0063】
尿サンプルの場合、スクリューキャップを有する体積30mlの滅菌チューブに、上記方法で採集された新鮮な尿10から20mlを加え、移動し、分析前に4℃で保存した。他の方法として、遠心分離して細胞沈殿層を得て、-70度で保存し、後でDNA分離を行った。
【実施例4】
【0064】
DNA分離
DNAを、実施例3の様々なヒトサンプルからDNAを分離するための市販キットを用いた方法及び手作業で用意した試薬を用いる方法によって、分離・精製した。
【0065】
市販キットとして、QIA amp DNA blood mini kit(米国カリフォルニア州ヴァレンシアQiagen社製、カタログNo.51106)を次のように用いた。
【0066】
尿又はスワブサンプルを、スイングローター遠心分離機を用いて30分間3000rpmで遠心分離した。その上澄みを注ぎだし、沈殿物は500μlPBSで再懸濁し、その後、懸濁液を1.5mlマイクロ遠心チューブに移した。前記懸濁液を2分間遠心分離し、再度上澄みを注ぎだした。200μlのリン酸バッファーナトリウム(PBS、pH7.4)及び20μlのプロテナーゼKをそこに加え、その後沈殿物が完全に懸濁されるまで約2分間ボルテックスで混合した。200μl ALバッファーをそこに加え、該混合物を更に2分間ボルテックスで混合し、その後20分間、56℃の恒温水浴で反応させた。次に、200μlの無水エタノールをそこに加え、ピペットで攪拌した。それにより処理した反応液を、スピンカラムに移し、2mlコレクションチューブを取り付け、その後1〜2分間8000rpmで遠心分離した。その後、新しい2mlコレクションチューブをスピンカラムに取り付け、500μlのAW2バッファーをスピンカラムに送り込み、その後1分間8000rpmで遠心分離した。再び新しい2mlコレクションチューブを取り付け、500μlのAW2バッファーをスピンカラムに送り込み、その後、3〜5分間12000rpmで遠心分離した。1.5mlマイクロ遠心チューブをそこに取り付け、60μl AEバッファー又は滅菌蒸留水をスピンカラムに送り込んだ。その後、該混合物を3〜5分間室温で反応させた。その後、該反応混合物は3分間12000rpmで遠心分離し、DNAを分離した。該分離DNAの濃度は、分光光度計又はアガロースゲルで測定された。約20ng/μlのDNA濃度が得られた場合、3μlの分離されたDNAがPCRで用いられ、1.5%アガロースゲル上にDNAバンドが示されない場合、6μlの分離されたDNAが用いられた。
【0067】
本発明の手作業で用意した試薬を用いる方法は、次の通りである。約1mlの尿サンプル又はスワブサンプルを30分間15000rpmで遠心分離し、上澄みを廃棄し、その後、残渣をPBS(pH7.4)で洗浄した。その後10mM Tris HCl(pH8.0)、1mM EDTA、0.5% Tween−50、0.5% ノニデットP−40及び200μg/ml プロテナーゼKで構成される細胞融解バッファー100μlをそこに加え、30分間55℃で反応させた。前述した組成物の代わりに融解バッファーは10mM Tris HCl(pH8.0)、50mM KCl、1.5mM MgCl、0.5% ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、0.5%Tween−50、0.5% ノニデットP−40及び700μg/ml プロテナーゼKで構成されてもよく、その500μlを処理に用いることができる。細胞融解手順後、前記反応結果物は、プロテナーゼKを不活性化するため、15分間94℃で熱し、その後、再び遠心分離し、濃縮された沈殿物を得た。続いて、前記沈殿物をフェノールクロロホルムで処理し、エタノールで沈殿させ、その後遠心分離することでDNAを得た。前記沈殿物を50μlの滅菌三重蒸留水又はTEバッファー(10mM Tris−HCl[pH8.0]及び1mM EDTA)で溶解し、その3〜6μlをPCRで用いた。
【実施例5】
【0068】
シングルPCRの条件を確立するためのPCR
人工サンプルは、10、100、1000及び10000毎の多重コピーである各細菌を検査するための、実施例2で得られた標的遺伝子のプラスミドクローンを、滅菌三重蒸留水、実施例3のサンプル保存溶液及び感染症状の無い正常男性の新鮮な尿に加えることによって作製した。その後、各細菌の標的遺伝子のシングルPCRを繰り返し行い、それによりシングルPCRに適切な条件を確立した。PCRを行っているとき、内部基準遺伝子であるヒトβグロブリンのPCRを、確実に一緒に行った。その上、その後マルチプレックスPCRを考慮して、各PCR産物の大きさがそれぞれ特徴的に異なり、そしてアニーリング温度が大きな違いを有さないように設計された。
【0069】
本発明のPCR方法において、反応溶液の構成と条件は、表4〜8に示す。本発明の方法が、本発明において設計されたプライマーを用いて行われる場合、1mlのサンプル溶液に10〜100コピーのプラスミドクローンが含まれている限りいつでも調査が可能である。前記方法によるPCRを行った後、その産物を、1.5〜2.0%アガロースゲル電気泳動にかけることによって確認し、その結果を図1〜5に例示する。
【0070】
【表4】

【0071】
【表5】



【0072】
【表6】

【0073】
【表7】

【0074】
【表8】

【実施例6】
【0075】
臨床サンプルのシングルPCR
STDの羅病の疑いで国内病院の泌尿器科及び産婦人科を訪れた541人の成人男性及び成人女性患者、及び性交感染の症状が無い103人の成人男性および成人女性から、新鮮な尿(VB1)又は尿道炎、子宮頸管炎等のスワブのような様々なサンプルを実施例3の方法によって集めた。その後、DNAをそれらから実施例4の方法により分離し、実施例5によるシングルPCRが行われた。
【実施例7】
【0076】
臨床サンプルについてのPCR産物のシークエンシング
実施例6のPCR産物は、ABI Prism BigDye Terminator Cycle Sequencing Ready Reactionキット(米国Perkin Elmer Biosystems社製)を用いてシークエンシング反応にかけて、その後、ABI Prism 377 Automated Base Sequencer(米国Perkin Elmer社製)を用いて塩基配列の分析を行った。これらの手順は、次の順序で行われた。
【0077】
(1)シークエンシング反応において主な材料として各サンプルから得られたPCR産物を用いるために、最も適切な濃度に調整した。例えば、100〜200bpの長さの産物を有する場合、1〜3ng/μlの濃度が必要であり、200〜500bpの場合は約3〜10ng/μlが必要である。
【0078】
(2)それぞれのPCR産物、並びに3.2pmolプライマー及び8μlのターミネーターレディリアクションミックスを薄壁マイクロ遠心チューブに送り込み、そこに滅菌蒸留水を加え、それによりチューブ内の最終体積が20μlなるようにし、その後、軽く攪拌した。
【0079】
(3)(2)の混合物を、Gene Amp 2700(米国PE Biosystems社製)を用いて、合計25サイクルにおける各サイクルが10秒間
96℃、5秒間50℃そして6分間60℃であるサイクルシークエンシング反応にかけた。
【0080】
(4)得られた反応物は、エタノールで沈殿させ、遠心分離することで、ターミネーターレディリアクションミックス中の遊離プライマー及び蛍光物質が付与されたジデオキシヌクレオチド(蛍光標識ddNTP)を除去し、その後乾燥させた。
【0081】
(5)(4)で得たDNAを、クロロホルムアミド:25mM EDTA(pH8.0):ブルーデキストラン及びローディングバッファーの混合物10μlと混合し、5分間沸騰水中で変性させ、その後、該サンプルは冷凍保存された。
【0082】
(6)(5)の変性DNAを、5.5%ロングレンジャーゲル(long ranger gel)(米国BMA社製、カタログNo.50611)に直ちに流し込まれるプレートの各ウェルに入れ、2〜4時間電気泳動にかけた後、シーケンサーを用いて塩基配列を分析した。
【0083】
本発明のシークエンシング分析から、STDを引き起こす4種の病原菌を調査するためのシングルPCR及びヒトβグロブリン遺伝子のシングルPCRの適切さが確認され、結果として分子疫学上のデータベース、及びSTDの4種の主な病原菌の遺伝子型が、韓国人について確立された。その為、STD感染及びその原因となる細菌の存在がPCR及びシークエンシングによって確認されたサンプルを、マルチプレックスPRC及びDNAチップの評価分析に、その後用いた。
【0084】
PCR及びシークエンシング反応分析の結果を表9に示す。STDの疑いのため病院を訪れた476人のうち387人は、淋菌、クラミジア・トラコマチス、ウレアプラズマ・ウレアリティカム及びマイコプラズマ・ジェニタリウムの少なくとも1種又はそれ以上を示したが、正常コントロール群の103人のうち4人のみにクラミジア・トラコマチス及びウレアプラズマ・ウレアリティカムを示した。細菌検出の頻度の観点から、クラミジアは45.2%で最も頻度が高かった。105サンプル(27.2%)では、2又はそれ以上の細菌の複合感染を示し、特に、淋菌感染の場合、複合感染は52.2%となり、より頻度が高かった。
【0085】
【表9】

【実施例8】
【0086】
マルチプレックスPCRに対する条件を確立する実験
人工サンプルは、10、100、1000及び10000毎の多重コピーである各細菌を検査するため、実施例2で得られた1〜4つの型からなる特定遺伝子のプラスミドクローンを、滅菌三重蒸留水、実施例3のサンプル保存溶液及びSTDの症状が無い正常成人男性の新鮮な尿(VB1)に加えることによって作製した。その後、一つのチューブに人工サンプルで細菌毎に対しての標的遺伝子の4つの型のプライマーを加えることによって同時にPCRを行うマルチプレックスPCRが行われた。更に、前記マルチプレックスPCRの時に、ハウスキーピング遺伝子であるヒトβグロブリン遺伝子もまたコントロール遺伝子として増幅した。
【0087】
マルチプレックスPCRの構成及び条件を表10に示す。マルチプレックスPCR後、その産物を1.5〜2.0%アガロースゲル電気泳動にかけることにより確認した(図6〜9)。前記PCR産物の電気泳動による画像を見ると、上から、それぞれウレアプラズマ・ウレアリティカムの産物は812bpで、淋菌の産物は386bpで、クラミジア・トラコマチスの産物は314bpで、マイコプラズマ・ジェニタリウムの産物は207bpで、ヒトβグロブリン遺伝子の増幅産物は110bpである。本発明の方法を用いる際、1種類から5種類の様々な混合物中に、淋菌、クラミジア・トラコマチス、ウレアプラズマ・ウレアリティカム、マイコプラズマ・ジェニタリウム、及びヒトβグロブリン遺伝子の様々なDNAを混合する場合、DNAにマルチプレックスPCRを用いることで一度に正確に調査できるかもしれない。この時に、それぞれと異なる細菌遺伝子の10〜100コピーのプラスミドクローンが1mlのサンプル中に含まれていれば、各DNAを常に区別することができる(図10)。
【0088】
【表10】

【実施例9】
【0089】
臨床サンプルのマルチプレックスPCR
上記実施例7でシングルPCR及びシークエンシング分析によって、STD感染及び原因となる細菌の存在が直ちに確認されたヒトサンプルのDNAを、上記実施例8で確立された方法であるマルチプレックスPCRにかけた。
【0090】
試験対象に含まれるDNAサンプルは、淋菌に感染したサンプルの50例、クラミジア・トラコマチスに感染したサンプルの50例、ウレアプラズマ・ウレアリティカムに感染したサンプルの50例、マイコプラズマ・ジェニタリウムに感染したサンプルの50例及び非感染サンプルの50例である。マルチプレックスPCRとそのシークエンシング間の比較分析によって、STD原因となる細菌の検出の感度と特異性が研究された。それにより、マルチプレックスPCRを、臨床的にSTD原因となる4種の主な病原菌の選択及び調査に用いてもよいかどうか、分析が行われた。
【0091】
シングルPCR及びシークエンシング分析の結果と比較したマルチプレックスPCRの分析の結果を、表11に示し、その実施形態を図11及び12に示す。シングルPCR後、マルチプレックスPCRの感度は、前記シークエンシング分析に基づく場合、94〜96%、平均95%であり、特異性は96%であった。複合感染の検出感度は、87.5%であり、シングルPCRより低かった。
【0092】
【表11】

【0093】
図6〜9は、本発明のマルチプレックスPCR法を用いて、淋菌、クラミジア・トラコマチス、ウレアプラズマ・ウレアリティカム及びマイコプラズマ・ジェニタリウムの遺伝子を増幅した後、オートシーケンサーによって確認したシークエンシングの結果である。非常に高い選択性を有するPCR産物は、本発明で設計された4種の細菌、ヒトβグロブリン遺伝子のプライマー及びPCR法を用いることによって精製することができる。
【実施例10】
【0094】
ハイブリダイゼーションアッセイのために設計したプローブ
STDを引き起こす4種の主な病原菌の遺伝子及び一チップ上でハイブリダイゼーション反応によって同時にコントロール遺伝子のPCR産物を分析するためのDNAチップを製造するために、先ず、適切な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドプローブの組み合わせを設計した。
【0095】
これは、本発明のDNAチップを開発する基本的な段階であり、すなわち、これはDNAチップと結合するオリゴヌクレオチドプローブを確立し準備する手順である。米国の全米バイオテクノロジー情報センターの遺伝子バンクのデータベース及び実施例7で得たSTDを引き起こす4種の病原菌及び韓国人において検出されたヒトβグロブリン遺伝子のデータベースが分析され、各遺伝子型塩基配列が得られた。得られたDNA配列は、コンピュータープログラムのDNASTAR(MegAlignTM 5、DNASTAR社製)を用いてClustalWによって、ペアワイズアライメント(pairwise alignment)及びマルチプル塩基アライメントにかけられ、その後、系統樹が書かれ、各群の型特異性塩基配列が選択された。次に型特異性プローブが、再びコンピュータープログラムPrimer Primer 5(PREMIER Biosoft International社製)を用いて設計された。この時、プローブに、長さが20±2及び18±2bpを有するオリゴヌクレオチドがセットされ、合計30タイプの遺伝子型特異性プローブが設計された。その名称、配列番号及びこれらプローブの遺伝子型を表12に示す。
【0096】
【表12】

【0097】
注釈)オリゴプローブの塩濃度は50mMに統一される。
【0098】
TetC:テトラサイクリン耐性型C
*PCR産物の塩基配列中のプローブ配列の位置(正及び逆方向でのプライマー配列を除く。)
【実施例11】
【0099】
DNAチップの製造
実施例10で設計されたオリゴヌクレオチドプローブは、適切な試薬と混合され、その後、アレイヤー(arrayer)を用いて顕微鏡用スライドガラスに結合させることで、オリゴヌクレオチドマイクロアレイ、又はSTDを引き起こす病原菌の遺伝子型検出用オリゴDNAチップを次の順序、方法によって製造した。更に、チップ上に8つの格子を有し、その上に8種の異なるサンプルを同時分析するために結合させてもよい改良チップもまた製造された(図13及び14)。
【0100】
1.各STD遺伝子型プローブをDNAチップ上に結合させる順の格子の書き込み
本発明において、チップでのハイブリダイゼーション反応後のような群に格子を書き込むことで、特定の細菌を、そのSTD遺伝子型により示される蛍光シグナルによって容易に検出することができる。格子配列の模擬図を図13に示す。最も左側に、ウレアプラズマ・ウレアリティカムの16S〜23Sリボソームに対する6つのプローブの境界スペーサを結合し、その右側に、マイコプラズマ・ジェニタリウムの16S rRNAに対する5つのプローブを結合させた。更に、最も右側に、テトラサイクリン抗体の耐性遺伝子に対する6つのプローブを結合させた。加えて、コントロール遺伝子であるヒトβグロブリン遺伝子に特異的なオリゴヌクレオチドプローブをコーナーマーカーとして、その2組が、左及び右側上部に位置し、そして各一つが左及び右側下部に位置するように結合させた。
【0101】
各オリゴヌクレオチドプローブは、スポットされ、又はアレイヤーを用いて結合された。この時、同じプローブを、細菌の各遺伝子型が少なくても2回、多くて4回示されるよう設計するために、2通りに結合した。
【0102】
本発明のDNAチップの最も重要な改良の一つは、分割カバーを用いて、一つのチップ上を6〜8の区画に等しく分割する格子を有することである。それにより、6〜8のそれぞれ異なるサンプルを一つのチップ上で調査することができ、そしてこれは、時間、人的資源及びコストを減らすことに非常に有益である(図13)。
【0103】
2.チップ上にオリゴヌクレオチドプローブをスポットするための溶液の準備及びマスタープレート上への分配。
【0104】
C6位にアミンが付与されることにより合成された実施例10により設計されたオリゴヌクレオチドプローブを、高速液体クロマトグラフィーを用いて精製し、その後、最終濃度が200pMになるよう滅菌三重蒸留水に溶解した。従って、準備したオリゴプローブは、スポッティング溶液であるマイクロスポッティング溶液プラス(米国Telechem社製、TC−MSP)と4.3倍の比率で混合し、そのため最終濃度が38pMとなった。例えば、200pMの濃度のオリゴプローブ7.6μlに32.4μlのスポッティング溶液を混合し、合計40μlとした。従って、準備された混合物を、順にそれぞれ96ウェルマスタープレートに分配した。
【0105】
3.オリゴヌクレオチドプローブの固定
アレイヤーを用いて、オリゴプローブを含むスポッティング溶液を、マスタープレートから、明確にコーティングされたスライドガラスに移し、ダブルヒット(double hit)でそこに結合した。平均約0.005μlの体積が、1スポットで結合される。チップの基板にするスライドガラスとして、BMTアルデヒドスライドガラス(韓国Biometrix technology社製)又は7.5×2.5cmのサイズを有するそれに対応する生成物で、スーパーアルデヒドによるコーティングを有するものが好ましい。アレイヤーとして、GMS 417 アレイヤー(米国Affymetrix社製)、MGII(米国Biorobotics社製、MA01801)又はそれに対応する装置が好ましい。
【0106】
上記説明したようにスライドガラスにプローブを結合することによって準備したDNAチップを、湿度80%で維持されたガラスジャー中に室温で15分間反応させた。
【0107】
4.後処理手順
前記反応終了後、固定されたスライドガラスは、乾燥機で1時間30分、120℃で焼かれた。その後、前記スライドガラスを0.2%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)で2回、2分間洗浄し、その後、三重蒸留水に移し、2回、2分間洗浄した。それから後、前記スライドガラスを95℃に熱した三重蒸留水に3分間浸し、それによりスライドガラスに結合させたオリゴヌクレオチドプローブを変性させ、その後、三重蒸留水に移し、1分間洗浄した。洗浄後スライドガラスを15分間ブロッキング溶液(1gのNaBH、300mlのPBS及び100mlのエタノール)中で低減させ、0.2% SDS溶液で2回、2分間洗浄し、その後三重蒸留水に移し、2回、2分間洗浄した。スライドガラス上の水は、1分30秒間800rpmで遠心分離することにより取り除き、その後、室温のデシケーター中のスライドボックスで保存した。
【0108】
上記手順で準備した本発明のチップの条件及び品質は以下の実施例12で説明する方法を用いて観察及び管理した。
【実施例12】
【0109】
DNAチップ上のハイブリダイゼーション反応の分析及び結果
各細菌のプラスミドクローンとヒトβグロブリン遺伝子のプラスミドクローンを様々な組み合わせ及び濃度で混合することにより作製された人工サンプルを、マルチプレックスPCRにかけ、その産物を実施例11で準備したSTD DNAチップ上に結合させ、複数回ハイブリダイゼーション反応させ、その後、前記DNAチップを蛍光スキャナを用いて分析した。その方法は、次の通りであり、その実施形態を図15〜23に示す。
【0110】
1.マルチプレックスPCR
淋菌及びマイコプラズマ・ジェニタリウムの16S rRNA及びウレアプラズマ・ウレアリティカムの16S〜23S遺伝子間領域、クラミジア・トラコマチスのクリプティックプラスミド並びにヒトβグロブリンのコントロール遺伝子のマルチプレックスPCRは、実施例8及び9に従って行われ、逆方向にプライマーを有するプライマーの組み合わせの内、すなわち、NGR、CTR、UUR、MGR及びHBBRの場合、Cy5蛍光で標識されたオリゴヌクレオチドプライマーを用いた。
【0111】
2.ハイブリダイゼーション反応
スライドガラスチップ上に、30種の型のオリゴヌクレオチドプローブをスポットし、淋菌及びマイコプラズマ・ジェニタリウムの16S rRNA、ウレアプラズマ・ウレアリティカムの16S〜23S遺伝子間領域、クラミジア・トラコマチスのクリプティックプラスミド並びにヒトβグロブリンのコントロール遺伝子がPCRで増幅された産物を、主な材料としてサンプルのDNAを有することによって結合し、ハイブリダイゼーション反応が行われた。この時、100μlの能力を有する灌流8ウェルチャンバー(独国Scheicher & Schuell BioScience社製)をハイブリダイゼーション反応チャンバーに用いた。
【0112】
淋菌及びマイコプラズマ・ジェニタリウムの16S rRNA、ウレアプラズマ・ウレアリティカムの16S〜23S遺伝子間領域、クラミジア・トラコマチスのクリプティックプラスミド並びにヒトβグロブリンのコントロール遺伝子が増幅された各々10μlの産物を混合し、50μlの最終体積にし、該混合物を5分間95℃で変性し、その後直ちに氷上に3分間立たせて放置した。その後、50μlのハイブリダイゼーション反応溶液をそこに加え、最終体積を100μlに調整し、その後前記混合物を、45℃でスライドガラス上に固定したプローブと30分間反応させた。この時、前記ハイブリダイゼーション反応溶液は、2mlの20x SSC、1.7mlの90%グリセロール及び6.3mlの50mMリン酸バッファー溶液を混合し、最終体積を10mlにすることにより構成された。
【0113】
3.洗浄
前記ハイブリダイゼーション反応終了後、ウェルカバーを前記DNAチップから取り除き、前記スライドガラスを3x SSPE(NaCl(26.195g)、NaHPO−1HO(4.14g)、蒸留水1Lに溶解したNaEDTA(1.11g)、及び10N NaOHでpHを7.4に調整した。)溶液に浸し、室温で2分間洗浄した。前記スライドガラスを1x SSPE(NaCl(8.765g)、NaHPO−1HO(1.38g)、蒸留水1Lに溶解したNaEDTA(0.37g)、及び10N NaOHでpHを7.4に調整した。)溶液で更に2分間室温で洗浄し、1分30秒間800rpmで遠心分離することで乾燥させた。
【0114】
4.スキャン分析
ハイブリダイゼーションし、洗浄により非特異性シグナルを取り除きその後乾燥したスライドガラスを、共焦点レーザー蛍光スキャナを用いて、その蛍光シグナル及び画像を分析した。この時、スキャナとして、Affimetrix 428 Array Scanner(米国Affrymetrix社製)、Scan Array Lite(米国Packard Bioscience社製)又はそれに対応する装置が好ましい。
【実施例13】
【0115】
本発明によるDNAチップの確認実験
実施例7でPCR後のシークエンシング反応によりSTD及びその原因となる細菌の存在が確認され、実施例9でマルチプレックスPCRの正確な分析を受けた様々なヒトサンプルのDNAを、再びマルチプレックスPCRにかけ、そのPCR産物を実施例11及び12で製造されたSTD DNAチップ上に結合させ、実施例12で説明されたものと同様の手順でハイブリダイゼーション反応にかけ、その後蛍光スキャナで分析した。試験対象に含まれるDNAサンプルは、淋菌に感染したサンプルの50例、クラミジア・トラコマチスに感染したサンプルの50例、ウレアプラズマ・ウレアリティカムに感染したサンプルの50例、マイコプラズマ・ジェニタリウムに感染したサンプルの50例及び非感染サンプルの50例である。感染サンプルの200例の内には、複合感染の40例も含まれていた。
【0116】
前記DNAチップ分析の感度、特異性及び再現性は、異なる観察者によって、間に時間間隔を置いて二回の同じ試験を繰り返すことによって研究された。それにより本発明のDNAチップが、臨床において正確に4種の主なSTDの病原菌を検出することができるかどうか、特に、前記DNAチップが、同様に複合感染を検出することができるかどうか分析した。
【0117】
STD DNAチップ分析並びにシングルPCR及びシークエンシング分析の比較の結果を、表13に示す。
【0118】
シングルPCR後、シークエンシング分析に基づく時、マルチプレックスPCRの感度は98〜100%、平均99%となり、特異性は100%となり、再現性は99%となった。これらの結果は、DNAチップの特異性は、マルチプレックスPCRと比較してより優れており、そして複合感染検出感度は、より優れていることを示している。
【0119】
本発明を、ある特定の実施形態に関して説明するが、本発明の思想から離れることなく、当業者にとって多くの改良及び変更をすることができるであろう。その為、添付した特許請求の範囲は、本発明の真の思想及び目的の中でそのような改良及び変更を全て保護することを目的とする。
【0120】
【表13】

【0121】
[産業上の利用可能性]
本発明により、マルチプレックス型PCR法及びDNAチップは、STD原因の90%以上の絶対多数であり、尿道炎、子宮頸管炎、及び骨盤内炎症疾患の4種の主な病原菌として存在する、淋菌、クラミジア・トラコマチス、ウレアプラズマ・ウレアリティカム、及びマイコプラズマ・ジェニタリウムを、正確に素早く同時に検出できるかもしれない。更に本発明のDNAチップは、STD診断において、ほぼ100%の感度、特異性、及び再現性を示す点で優れている。前記DNAチップは、正確に複合感染を検出し、試験方法が使いやすく、そして結果の分析が容易であるかもしれない。素早く正確に短時間で様々なサンプルの自動分析を考慮する観点から、前記DNAチップは、従来の方法と比較して、より優れており、経済的である。その為、本発明は、STDの最初の検出及び診断のため、そして治療方針の決定のために広く用いられてもよい。その上、本発明は、培養又は染色、及びシングルPCRのような従来のDNA試験キットを置き換え、医薬産業上の観点から非常に効果的である。
[配列表のテキスト]
【0122】
配列番号1〜10は、核酸を増幅するためのプライマーの塩基配列からなっており、配列番号11〜40は、核酸と相補的に結合するプローブの塩基配列からなり、それらをここに添付する。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】特定の塩基配列のプライマーセットを用いた淋菌の16SリボソームRNA(16S rRNA)遺伝子に対するPCR増幅によって得られた生成物の2%アガロースゲル電気泳動写真(レーン1及び9:100bp DNAサイズマーカー、レーン2:ネガティブコントロール群,レーン3:正常者の尿と、淋菌の16s RNAのプラスミドクローン10コピーとを混合することによって作られた人工サンプルであるポジティブコントロール群,レーン4:正常者の尿と、淋菌の16s RNAのプラスミドクローン100コピーとを混合することによって作られた人工サンプルであるポジティブコントロール群,レーン5:淋菌に感染した男性の尿道分泌物,レーン6:殺菌綿で淋菌に感染した男性の尿道を擦ることによって得られたサンプル,レーン7:ブラシで淋菌に感染した女性の子宮頸管を擦ることによって得られたサンプル,及びレーン8:淋菌に感染した男性の尿)。
【図2】特定の塩基配列のプライマーセットを用いたクラミジア・トラコマチスのクリプティックプラスミドDNAに対するPCR増幅によって得られた生成物の2%アガロースゲル電気泳動写真(レーン1:100bp DNAサイズマーカー,レーン2:ネガティブコントロール群,レーン3:正常者の尿とクラミジア・トラコマチスを挿入されたクリプティックプラスミドクローンが入ったプラスミド100コピーとを混合することによって作られた人工サンプルであるポジティブコントロール,レーン4:正常者の尿とクラミジア・トラコマチスを挿入されたクリプティックプラスミドクローンが入ったプラスミド100コピーとを混合することによって作られた人工サンプルであるポジティブコントロール,レーン5:クラミジア・トラコマチスに感染した男性の尿道分泌物,レーン6:殺菌綿でクラミジア・トラコマチスに感染した男性の尿道を擦ることによって得られたサンプル,レーン7:ブラシでクラミジア・トラコマチスに感染した女性の子宮頸管を擦ることによって得られたサンプル,レーン8:クラミジア・トラコマチスに感染した男性の尿)。
【図3】特定の塩基配列のプライマーセットを用いたウレアプラズマ・ウレアリティカムの16SリボソームRNA及び23SリボソームRNAの遺伝子間空間領域(16S〜23S RNA 遺伝子間空間領域)に対するPCR増幅後の1.5%アガロースゲル電気泳動写真(レーン1及び9:100bp、1kbDNAサイズマーカー,レーン2:ネガティブコントロール群,レーン3:正常者の尿とウレアプラズマ・ウレアリティカムの16S〜23SリボソームRNA遺伝子間空間領域のプラスミド10コピーとを混合することによって作られた人工サンプルであるポジティブコントロール,レーン4:正常者の尿とウレアプラズマ・ウレアリティカムの16S〜23SリボソームRNA遺伝子間空間領域のプラスミド10コピーとを混合することによって作られた人工サンプルであるポジティブコントロール,レーン5:ウレアプラズマ・ウレアリティカムに感染した男性の尿道分泌物,レーン6:滅菌綿でウレアプラズマ・ウレアリティカムに感染した男性の尿道を擦ることによって得られたサンプル,レーン7:ブラシでウレアプラズマ・ウレアリティカムに感染した女性の子宮頸管を擦ることによって得られたサンプル,レーン8:ウレアプラズマ・ウレアリティカムに感染した男性の尿)。
【図4】特定の塩基配列のプライマーセットを用いたマイコプラズマ・ジェニタリウムの16SリボソームRNA(16S rRNA)遺伝子に対するPCR増幅後の2%アガロースゲル電気泳動写真(レーン1及び9:100bp DNAサイズマーカー,レーン2:ネガティブコントロール群,レーン3:正常者の尿とマイコプラズマ・ジェニタリウムの16S rRNAプラスミドクローン10コピーとを混合することによって作られた人工サンプルであるポジティブコントロール群,レーン4:正常者の尿と、マイコプラズマ・ジェニタリウムの16S rRNAプラスミドクローン100コピーとを混合することによって作られた人工サンプルであるポジティブコントロール群,レーン5:マイコプラズマ・ジェニタリウムに感染した男性の尿道分泌物,レーン6:滅菌綿でマイコプラズマ・ジェニタリウムに感染した男性の尿道を擦ることによって得られたサンプル,レーン7:ブラシでマイコプラズマ・ジェニタリウムに感染した女性の子宮頸管を擦ることによって得られたサンプル,レーン8マイコプラズマ・ジェニタリウムに感染した男性の尿)。
【図5】STD感染していない正常者及びSTD感染患者の尿サンプルからDNAを分離し、該ヒトサンプルにおけるDNA分離手順及びPCR増幅手順の品質管理(QC)を確認するために58℃でハウスキーピング遺伝子であるヒトβグロブリン(HBB)のPCR増幅によって得られ、1.8%アガロースゲルで分析された生成物の電気泳動写真(レーン1:100bp DNAサイズマーカー,レーン2:正常者の尿サンプル,レーン3及び4:STD感染患者の尿サンプル)。
【図6】本発明のマルチプレックスPCRを用いて臨床サンプル中の淋菌、クラミジア・トラコマチス、ウレアプラズマ・ウレアリティカム及びマイコプラズマ・ジェニタリウムの遺伝子を増幅した後、オートシーケンサーで検出された結果の内、淋菌の16S rRNA遺伝子に対してのシークエンシングのグラフ。
【図7】本発明のマルチプレックスPCRを用いて臨床サンプル中の淋菌、クラミジア・トラコマチス、ウレアプラズマ・ウレアリティカム及びマイコプラズマ・ジェニタリウムの遺伝子を増幅した後、オートシーケンサーで検出された結果の内、クラミジアのクリプティックプラスミドに対するシークエンシングのグラフ。
【図8】本発明のマルチプレックスPCRを用いて臨床サンプル中の淋菌、クラミジア・トラコマチス、ウレアプラズマ・ウレアリティカム及びマイコプラズマ・ジェニタリウムの遺伝子を増幅した後、オートシーケンサーで検出された結果の内、ウレアプラズマ・ウレアリティカムの16S〜23S rRNA遺伝子間空間領域に対するシークエンシングのグラフ。
【図9】本発明のマルチプレックスPCRを用いて臨床サンプル中の淋菌、クラミジア・トラコマチス、ウレアプラズマ・ウレアリティカム及びマイコプラズマ・ジェニタリウムの遺伝子を増幅した後、オートシーケンサーで検出された結果の内、マイコプラズマ・ジェニタリウムの16S rRNAに対するシークエンシングのグラフ。
【図10】淋菌、マイコプラズマ・ジェニタリウム、ウレアプラズマ・ウレアリティカム、及びクラミジア・トラコマチス、並びにヒトβグロブリン遺伝子のDNAの各標的遺伝子のDNAが挿入された各プラスミドクローン10コピー及び100コピーのそれぞれと、サンプル保存試薬とを混和し、一つのチューブにDNAと特異的に結合するプライマーセットと共に混合物を加え、その後、56℃でマルチプレックスPCRを行うことによって得られた1.8%アガロースゲル電気泳動写真(レーン1及び6:100bp及び1kb DNAラダー,レーン2:ネガティブコントロール群(βグロブリン),レーン3:プライマーセットの濃度が全て10pmol/μlで同じ場合,レーン4:プライマーセットの濃度が、ウレアプラズマ・ウレアリティカムで10pmol/μl、淋菌、クラミジア・トラコマチス及びマイコプラズマ・ジェニタリウムの全てで5pmol/μlの場合,レーン5:プライマーの濃度がウレアプラズマ・ウレアリティカムで20pmol/μl、及び残りのものは10pmol/μlである場合)。(a)は10コピーを加えた場合。(b)は100コピーを加えた場合。
【図11】STD感染及び病原菌であるとすでに同定されている臨床サンプルから抽出されたDNAサンプル4μlに対して、58℃で、本発明のSTDマルチプレックスPCRを行った後の、1.8%アガロースゲル電気泳動写真(レーン1及び8:100bp及び1kb DNAラダー,レーン2:ネガティブコントロール群(ヒトβグロブリン),レーン3:ポジティブコントロール群(4種の病原菌及びヒトβグロブリン遺伝子のDNAの各標的遺伝子のDNAが挿入された各プラスミドクローン10コピー及び100コピーのそれぞれと、サンプル保存試薬とを混和することによって得られた人工サンプル),レーン4:マイコプラズマ・ジェニタリウムの感染であると検出された男性の尿サンプル,レーン5:クラミジア・トラコマチスの感染であると検出された男性の尿サンプル,レーン6:淋菌の感染であると検出された男性の尿サンプル,レーン7:ウレアプラズマ・ウレアリティカムの感染であると検出された男性の尿サンプル)。
【図12】2種又はそれ以上の細菌による過剰感染であると既に検出されている患者のDNAサンプル4μlに対して、本発明のSTDマルチプレックスPCRを行うことによって得られた生成物の1.8%アガロースゲル電気泳動写真(レーン1及び10:100bp DNAラダー,レーン2:ネガティブコントロール群(HBB),レーン3:ポジティブコントロール群(ポジティブコントロール群(4種の病原菌及びヒトβグロブリン遺伝子のDNAの各標的遺伝子のDNAが挿入された各プラスミドクローン100コピーと、サンプル保存試薬とを混和することによって得られた人工サンプル),レーン4:クラミジア・トラコマチス及びウレアプラズマ・ウレアリティカムの複合感染であると検出された男性の尿サンプル,レーン5:ウレアプラズマ・ウレアリティカム及び淋菌の複合感染であると検出された男性の尿サンプル,レーン6:ウレアプラズマ・ウレアリティカム及びマイコプラズマ・ジェニタリウムの複合感染であると検出された男性の尿サンプル,レーン7:マイコプラズマ・ジェニタリウム及びクラミジア・トラコマチスの複合感染であると検出された男性の尿サンプル,レーン8:淋菌、クラミジア・トラコマチス及びウレアプラズマ・ウレアリティカムの複合感染であると検出された男性の尿サンプル)。
【図13】マルチプレックスPCR後生成物が配置された、同定のためにハイブリダイゼーション反応を行うDNAチップ(STD遺伝子型決定オリゴヌクレオチドマイクロアレイ)の概略図。
【図14】本発明のSTD DNAチップの一種であり、8つの格子を有するDNAチップの写真。
【図15】本発明のSTD遺伝子型診断用DNAチップで分析された、淋菌に感染した臨床サンプルの蛍光スキャナイメージ。
【図16】本発明のSTD遺伝子型診断用DNAチップで分析された、クラミジア・トラコマチスに感染した臨床サンプルの蛍光スキャナイメージ。
【図17】本発明のSTD遺伝子型診断用DNAチップで分析された、ウレアプラズマ・ウレアリティカムに感染した臨床サンプルの蛍光スキャナイメージ。
【図18】本発明のSTD遺伝子型診断用DNAチップで分析された、マイコプラズマ・ジェニタリウムに感染した臨床サンプルの蛍光スキャナイメージ。
【図19】本発明のSTD遺伝子型診断用DNAチップで分析された淋菌及びクラミジア・トラコマチスにより複合感染した臨床サンプルの蛍光スキャナイメージ。
【図20】本発明のSTD遺伝子型診断用DNAチップで分析された淋菌及びウレアプラズマ・ウレアリティカムにより複合感染した臨床サンプルの蛍光スキャナイメージ。
【図21】本発明のSTD遺伝子型診断用DNAチップで分析された淋菌及びマイコプラズマ・ジェニタリウムにより複合感染した臨床サンプルの蛍光スキャナイメージ。
【図22】本発明のSTD遺伝子型診断用DNAチップで分析されたクラミジア・トラコマチス及びウレアプラズマ・ウレアリティカムにより複合感染した臨床サンプルの蛍光スキャナイメージ。
【図23】本発明のSTD遺伝子型診断用DNAチップで分析され、ヒトβグロブリンの信号だけが見える、STDに感染していないネガティブコントロール群の蛍光スキャナイメージ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1〜配列番号8のいずれか一つから選択された塩基配列を有する性交渉感染症(STD)病原菌の核酸増幅用プライマー。
【請求項2】
配列番号9又は配列番号10の塩基配列を有するヒトβグロブリンの核酸増幅用プライマー。
【請求項3】
PCR増幅のための方法において、請求項1又は請求項2記載のプライマーの少なくとも一つを用いることを特徴とする方法。
【請求項4】
(a)配列番号1及び配列番号2の塩基配列を有する淋菌増幅用プライマーセット、配列番号3及び配列番号4の塩基配列を有するクラミジア・トラコマチス増幅用プライマーセット、配列番号5及び配列番号6の塩基配列を有するウレアプラズマ・ウレアリティカム増幅用プライマーセット、配列番号7及び配列番号8の塩基配列を有するマイコプラズマ・ジェニタリウム増幅用プライマーセットからなる群から選択されたプライマーセットと、Taq DNA ポリメラーゼ、dNTP(デオキシヌクレオチド三リン酸)、蒸留水、及びPCRバッファーとを混合する工程;
(b)95℃で15分間、反応器中で該混合物を前変性させる工程;
(c)95℃で30秒間変性させ、56℃で40秒間プライマーと結合させ、72℃で45秒間伸張させる手順を35サイクル繰り返す工程;
(d)72℃で最終延長反応を行う工程;を含む請求項3記載のPCR増幅のための方法。
【請求項5】
(a)配列番号1及び配列番号2と、配列番号3及び配列番号4と、配列番号5及び配列番号6と、配列番号7及び配列番号8とを有するSTD病原菌増幅用プライマーセット、並びに配列番号9及び配列番号10を有するヒトβグロブリン増幅用プライマーセットと、鋳型DNA、Taq DNA ポリメラーゼ、dNTP、蒸留水、及びPCRバッファーとを混合する工程;
(b)95℃で5分間、反応器中で該混合物を前変性させる工程;
(c)95℃で30秒間変性させ、56〜58℃で40秒間プライマーと結合させ、72℃で45秒間伸長(extending)させる手順を35サイクル繰り返す工程;
(d)72℃で最終伸長反応を行う工程;を含むマルチプレックスPCR増幅のための方法。
【請求項6】
前記マルチプレックスPCR増幅のための方法において、配列番号1及び配列番号2の塩基配列を有するSTD病原菌増幅用プライマーセット、配列番号3及び配列番号4の塩基配列を有するSTD病原菌増幅用プライマーセット、配列番号5及び配列番号6の塩基配列を有するSTD病原菌増幅用プライマーセット、配列番号7及び配列番号8の塩基配列を有するSTD病原菌増幅用プライマーセット、並びに配列番号9及び配列番号10を有するヒトβグロブリン増幅用プライマーセットの割合が、1:1:1:1:2であることを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記マルチプレックスPCR増幅のための方法において、ウレアプラズマ・ウレアリティカムのPCR産物の大きさは、812bpであり、淋菌のPCR産物の大きさは、386bpであり、クラミジア・トラコマチスのPCR産物の大きさは、314bpであり、そして、マイコプラズマ・ジェニタリウムのPCR産物の大きさは110bpであることを特徴とする請求項5又は6記載の方法。
【請求項8】
配列番号11〜配列番号16の塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、及びウレアプラズマ・ウレアリティカムの核酸と相補的に結合する前記オリゴヌクレオチドに相補的な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなる群から選択されるプローブ。
【請求項9】
配列番号17〜配列番号21の塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、及び淋菌の核酸と相補的に結合する前記オリゴヌクレオチドに相補的な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなる群から選択されるプローブ。
【請求項10】
配列番号22〜配列番号28の塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、及びクラミジア・トラコマチスの核酸と相補的に結合する前記オリゴヌクレオチドに相補的な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなる群から選択されるプローブ。
【請求項11】
配列番号29〜配列番号33の塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、及びマイコプラズマ・ジェニタリウムの核酸と相補的に結合する前記オリゴヌクレオチドに相補的な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなる群から選択されるプローブ。
【請求項12】
配列番号34〜配列番号39の塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、及びテトラサイクリン耐性遺伝子の核酸と相補的に結合する前記オリゴヌクレオチドに相補的な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなる群から選択されるプローブ。
【請求項13】
配列番号40の塩基配列を有するヒトβグロブリン遺伝子と相補的に結合するプローブ。
【請求項14】
請求項8〜11のいずれか一項に記載のプローブを含む性交渉感染症(STD)病原菌検出用DNAチップ。
【請求項15】
前記DNAチップにおいて、前記DNAチップ上に結合されるプローブ溶液の濃度は、少なくとも38pmol/μlであることを特徴とする請求項14記載のDNAチップ。
【請求項16】
前記DNAチップにおいて、DNAプローブの5’末端のアミン基は、シッフ塩基反応を介して前記チップの固体表面上のアルデヒド基と固定されることを特徴とする請求項14記載のDNAチップ。
【請求項17】
性交渉感染症(STD)病原菌検出用DNAチップにおいて、前記DNAチップは、各々一つの試薬と結合するために6〜8区画に分割されることを特徴とするDNAチップ。
【請求項18】
請求項8〜11のいずれか一項から選択されるプローブの少なくとも一つ、ヒトβグロブリン遺伝子検出用プローブ、ヒトβグロブリン遺伝子検出用プローブ、及びテトラサイクリン耐性遺伝子検出用プローブ又はそれらのうちいずれか少なくとも一つのプローブからなることを特徴とする性交渉感染症(STD)病原菌検出用DNAキット。
【請求項19】
前記性交渉感染症(STD)病原菌検出用DNAチップにおいて、ヒトβグロブリン遺伝子検出用プローブは、配列番号40の塩基配列を有することを特徴とする請求項18記載のDNAキット。
【請求項20】
配列番号11〜配列番号40で示される塩基配列を有するプローブを含む性交渉感染症(STD)病原菌検出用DNAチップ。
【請求項21】
請求項14記載のSTD病原菌検出用DANチップ、ウレアプラズマ・ウレアリティカム、クラミジア・トラコマチス及びマイコプラズマ・ジェニタリウムからなる群から選択される一つ以上のDNAサンプル増幅用プライマーセット、並びに前記DNAチップとハイブリダイゼーションされた増幅されたDNA検出用マーカーを含む性交渉感染症(STD)病原菌検出用キット。
【請求項22】
前記性交渉感染症(STD)病原菌検出用キットにおいて、前記マーカーはCy5であることを特徴とする請求項21記載のキット。
【請求項23】
配列番号1及び配列番号2の塩基配列を有する淋菌DNA増幅用プライマーセット、配列番号3および配列番号4の塩基配列を有するクラミジア・トラコマチスDNA増幅用プライマーセット、配列番号5又は配列番号6の塩基配列を有するウレアプラズマ・ウレアリティカムDNA増幅用プライマーセット、配列番号7又は配列番号8の塩基配列を有するマイコプラズマ・ジェニタリウム増幅用プライマーセットからなる群から選択されたプライマーセットを含む請求項21記載の性交渉感染症(STD)病原菌検出用キット。
【請求項24】
前記性交渉感染症(STD)病原菌検出用キットにおいて、前記プライマーセットは、配列番号9及び配列番号10の塩基配列を有するβグロブリンDNA増幅用プライマーペアを更に含むことを特徴とする請求項21〜23のいずれか一項に記載のキット。
【請求項25】
(a)性交渉感染症病原菌のDNA増幅用プライマーを用いてDNAサンプルをPCR増幅する工程;
(b)請求項14記載のDNAチップ上に、上述した増幅したDNAをハイブリダイゼーションさせる工程;
(c)プローブを用いて、ハイブリダイゼーション反応産物を検出する工程;を含む性交渉感染症(STD)病原菌検出のための方法。
【請求項26】
前記性交渉感染症(STD)病原菌検出のための方法において、配列番号1〜配列番号10から選択される一つ以上の塩基配列を有するプライマーは、前記マルチプレックスPCR増幅に用いられることを特徴とする請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記性交渉感染症(STD)病原菌検出のための方法において、前記検出は、遺伝子がCy5で標識されている場合、共焦点レーザースキャナを用いて蛍光シグナルを分析することによって行われることを特徴とする請求項25又は26記載の方法。
【請求項28】
前記性交渉感染症(STD)病原菌検出のための方法において、前記Cy5蛍光物質は、逆方向プライマーに含まれることを特徴とする請求項27記載の方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公表番号】特表2008−515423(P2008−515423A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−535593(P2007−535593)
【出願日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【国際出願番号】PCT/KR2005/000773
【国際公開番号】WO2006/038752
【国際公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願人】(507073354)グッジェン インク (4)
【氏名又は名称原語表記】GOODGENE INC.
【Fターム(参考)】