説明

患者の統合健康情報をシームレスに視覚表示するシステム及び方法

【課題】患者の統合健康情報をシームレスに視覚表示する。
【解決手段】患者の解剖構造及び医療履歴の集合グラフィックビューを提示する患者情報インタフェースシステム、画像及び患者医療履歴情報を記憶するデータ記憶装置と、ユーザインタフェース100を有し、複数の解剖構造グラフィック表現131〜134を提供するプロセッサとを具備する。各解剖構造グラフィック表現131〜134は人体システムの1つのビューを提供するもので、人体システムにおいて患者と関連してそれまでに起こった臨床事象に対応する1つ以上の標識135〜139を含む。この標識135〜139は、対応する臨床事象により影響を受けた解剖構造グラフィック表現131〜134上の1つの解剖学的場所に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者情報のグラフィック表示に関する。特に、本発明は、患者情報を1つのインタフェースに集合してグラフィック表示することに関する。
【背景技術】
【0002】
病院又は診療所などの医療環境は、病院情報システム(HIS)、放射線情報システム(RIS)、臨床情報システム(CIS)及び心臓血管情報システム(CVIS)などの情報システム並びに画像蓄積伝送システム(PACS)、ライブラリ情報システム(LIS)及び電子式医療記録(EMR)などの記憶システムを含む。記憶される情報は、例えば、患者の医療履歴、撮影データ、試験結果、診断情報、管理情報及び/又はスケジュール情報を含んでもよい。情報は、1箇所に集中して記憶されてもよいが、複数の場所に分散されてもよい。ヘルスケア実施者は、医療ワークフローの種々のポイントで患者情報又は他の情報をアクセスすることを望むと考えられる。例えば、外科手術中及び/又は外科手術後、医療スタッフは、医療情報システムに保存されている患者の解剖構造の画像などの患者情報をアクセスしてもよい。放射線医及び/又は他の臨床医は、例えば、記憶されている画像及び/又は他の情報を検討してもよい。
【0003】
臨床ワークフローを容易にするために、放射線医などの臨床医は、PACS及び/又は他のワークステーションを使用して画像読み取りなどの種々の活動を実行してもよい。放射線科又は循環器科における処置読み取りなどの読み取りは、放射線医又は心臓専門医などのヘルスケア実施者が患者のデジタル画像を閲覧するプロセスである。ヘルスケア実施者は、診断画像のコンテンツに基づいて診断を下し、その結果を電子的手段(例えば、ディクテーション又は他の手段)により又は紙面で報告する。放射線医又は心臓専門医などのヘルスケア実施者は、通常他のツールを使用して診断を下す。他のツールは、例えば、以前の検査及び関連する以前の検査(履歴)並びにその結果、検査結果(血液検査の結果など)、アレルギー、病理検査結果、投薬歴、警告、文書画像及び他のツールなどである。例えば、検査結果を読み取る場合、放射線医又は心臓専門医は、通常、検査室情報、電子式医療記録及び健康管理情報などの他のシステムを閲覧する。
【0004】
現在、医療用撮像装置はデジタル表現で診断画像を生成するのが一般的である。通常、デジタル表現はヘッダを添付された画像の2次元ラスタを含む。ヘッダは、画像自体に関する副次情報、患者の個人情報、撮像技術及び画像を適正に提示し且つ診断解釈するために重要な他のデータを含む。多くの場合、診断画像は連続する状態でグループ分けされる。各画像列は、共通するものを含むが、詳細では異なっている画像を示す。例えば、縦軸に対してほぼ垂直であるが、上下方向に垂直軸上の位置が異なる複数の解剖構造横断面を示す画像が1つの軸方向画像列としてグループ分けされる。「スタディ(study)」又は「イグザム(exam)」と呼ばれることも多い1回の医学的検査は、いくつかの画像列、例えば、造影剤の注入前に撮影された画像及び注入後の画像、あるいは撮影方向が異なるか又は撮像手順の他の任意の関連状況が異なる画像を含む場合が多い。
【0005】
診断解釈を不備なく実行するために必要とされる画像及び副次情報を安全に格納、検索、アクセス及び配信するために、デジタル画像は適正なハードウェア及び/又はソフトウェアを具備する専用アーカイブへ送信される。記憶装置を制御する情報システムは、同一の患者に関して実行された多数の現在の医学的検査及びそれまでの検査履歴、検査結果に基づいて提出された診断報告書を認識し、他の情報システムとの相互接続を経て、他の情報システムに格納されているか又はそこから収集される他の既存の臨床証拠の知識を得ることができる。そのような証拠は「副次臨床証拠」と呼ばれてもよい。
【0006】
更に、診断読み取りに際しての診断報告書の記載は、新たに収集された診断画像に基づくのみならず、以前の医学的撮像検査を含むが、それらに限定されない他の現在の臨床情報及び以前の臨床情報の解析をも含む。現時点では、読み取りを実行する場合、以前の1回〜3回のスタディ及び検査要求フォームに印刷された他の臨床証拠をおそらく含むと思われる若干の臨床データ源に医師の情報が限定されるのは当然である。
【0007】
しかし、医療関連企業にまで拡大して情報を展開させれば、種々の情報システムを介してほぼすべての臨床証拠を保存及び提示できる。そのような情報システムは場合によっては別個のシステムでアクセスされるが、システム間探索及び検索を実現するために情報システムの統合が進められている。そのような広範囲に及ぶ臨床履歴が利用可能になるということは、診断結果を大幅に変えてしまうか又は診断報告書の重要な詳細部に影響を及ぼす可能性がある臨床証拠の欠落又は見落としを招く重要な臨床証拠の入手ミスという危険を生じることなく診断読み取りの生産性を向上するために多様な臨床証拠の容易且つ有効な検索及びナビゲーションを可能にするように診断ワークステーションを人間工学に基づき設計するという重大且つ困難な課題が課せられることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第7,376,903号公報
【特許文献2】米国特許第4,760,851号公報
【特許文献3】米国特許第5,526,812号公報
【発明の概要】
【0009】
本発明のある特定の実施形態は、患者の解剖構造と関連させて臨床証拠をユーザに対して視覚表示するシステム及び方法を提供する。
【0010】
ある特定の実施例において、患者の解剖構造及び医療履歴の集合グラフィックビューを提示するための患者情報インタフェースシステムは、画像及び患者医療履歴情報を格納するデータ記憶装置と、ユーザ入力を受信するためにユーザインタフェースを実現するプロセッサとを含む。プロセッサは解剖構造の複数のグラフィック表現を提供する。各解剖構造グラフィック表現は人体システムの1つのビューを提供する。各解剖構造グラフィック表現は、解剖構造グラフィック表現を介して閲覧可能である人体システムの中でそれまでに患者に関連して起こった臨床事象に対応する1つ以上の標識を含む。1つ以上の標識の各々は、その標識に対応する臨床事象により影響を受けた解剖構造グラフィック表現上の解剖学的場所に配置される。
【0011】
ある特定の実施形態において、患者の解剖構造及び医療履歴のグラフィックビューを集合し且つ表示するコンピュータ実現方法は、複数の臨床情報源からの患者情報をコンパイルすることと、患者情報に基づいて患者に関連する臨床事象を識別することとを含む。方法は、解剖構造の複数のグラフィック表現を使用して、コンパイルされた患者情報をグラフィック表示することを更に含む。各解剖構造グラフィック表現は人体システムの1つのビューを提供する。各解剖構造グラフィック表現は、そのビューに示される人体システムに関して患者と関連してそれまでに起こった臨床事象を識別する対応する1つ以上の標識を含む。1つ以上の標識の各々は、その標識に対応する臨床事象により影響を受けたグラフィック表現上の解剖学的場所に配置される。方法は、各解剖構造グラフィック表現に表示された患者の臨床事象標識とユーザが対話するのを容易にすることを更に含む。
【0012】
ある特定の実施例において、計算装置において実行される命令セットを有する機械可読記憶媒体が提供される。計算装置において実行された場合、命令セットは、患者の解剖構造及び医療履歴のグラフィックビューを集合し且つ表示する方法を計算装置に実行させる。方法は、複数の臨床情報源からの患者情報をコンパイルすることと、患者情報に基づいて患者に関連する臨床事象を識別することとを含む。方法は、解剖構造の複数のグラフィック表現を使用して、コンパイルされた患者情報をグラフィック表示することを更に含む。各解剖構造グラフィック表現は人体システムの1つのビューを提供する。各解剖構造グラフィック表現は、そのビューに示される人体システムに関して患者と関連してそれまでに起こった臨床事象を識別する対応する1つ以上の標識を含む。1つ以上の標識の各々は、その標識に対応する臨床事象により影響を受けたグラフィック表現上の解剖学的場所に配置される。方法は、各解剖構造グラフィック表現に表示された患者の臨床事象標識とユーザが対話するのを容易にすることを更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、グラフィックワークフローマネージャの一実施例を示した図である。
【図2】図2は、グラフィックワークフローマネージャを実現するための情報システムの一実施例を示した図である。
【図3】図3は、視覚解剖構造表現を介して患者臨床情報を表示し且つ患者臨床情報と対話する方法の一実施例を示したフローチャートである。
【図4】図4は、先に説明されたシステム及び方法の実施例を実現するために使用可能且つ/又はプログラム可能であるプロセッサプラットフォームの一実施例を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
先に示した本発明の概要並びに以下の本発明のある特定の実施形態の詳細な説明は、添付の図面と関連させて読むことにより更によく理解されるだろう。本発明の例示の便宜上、ある特定の実施形態が図面に示される。しかし、本発明が添付の図面に示される配置及び機器構成に限定されないことを理解すべきである。
【0015】
以下の説明は、特に、ハードウェアにおいて実行されるソフトウェアを含む方法、システム、製造物品及び装置の実施例を開示するが、以下に説明される方法及び装置は単なる例であり、本発明を限定すると考えられてはならない。例えば、それらのハードウェアコンポーネント及びソフトウェアコンポーネントは、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、ファームウェアのみ、又はハードウェア、ソフトウェア及び/又はファームウェアの任意の組み合わせで実現可能だろう。従って、以下に方法、システム、製造物品及び装置の実施例を説明するが、提供される実施例は、そのような方法、システム、製造物品及び装置を実現する唯一の方法ではない。
【0016】
添付の特許請求の範囲のうち任意の請求項が真にソフトウェア及び/又はファームウェアによる実現形態を含むと読み取れる場合、少なくとも1つの実施例における要素のうち少なくとも1つの要素は、そのソフトウェア及び/又はファームウェアを格納するメモリ、DVD、CDなどの有形媒体を含むと明示して定義される。
【0017】
ある特定の実施形態は、複数の専門分野に及ぶ患者の全医療記録の単一のビューを集合グラフィックフォーマットで提供する。そのため、ユーザは、更なる情報を求めてドリルダウン(drill down)し、時間の経過に伴う患者の解剖構造中の重症度を判定することができる。
【0018】
従来のシステムにおいて、すべてのデータが存在している場合であっても、ユーザが患者の記録を閲覧するのは困難であった。患者の慢性疾患の重症度を判定する機能は存在しない。複数の専門分野に及ぶ患者の全健康状態記録を1つのビューの中で閲覧することは容易ではなかった。患者の臨床データが提供されても、多くの電子式医療記録(「EMR」)又は電子健康記録(「EHR」)は放射線科、循環器科、検査室などの個別のセクションのデータを提供し、それらのデータは1つのビューに集合されていないので、その患者に何が起こっているのかを直ちに知ることはできない。例えば、患者の解剖構造の中で起こっている事態の重症度を従来のシステムにより適正な時点で判定することは不可能であった。
【0019】
患者の側から、治療、投薬、試験などを含む自身の健康状態及び医療履歴を1つのビューの中で閲覧することを望む場合もあるだろう。医師の側からは、患者の医療履歴のあらゆる検査結果を1つのビューで閲覧できれば、種々の領域に及ぶ報告の不連続性を回避し且つ報告書の種々のチャネルを統合することにより問題点に対する医学的解決方法を見出せるという点で有用である。ある特定の実施例は、種々の人体システムが陰影表示、強調表示又はハイライト表示される状態で全身の3次元(3D)ビューを表示するシステム及び方法を提供する。ビューは1人の患者の全人体システムの複合陰影表示ビューを提供し、患者が種々の段階を経て病院にとどまっている期間を通して治療日程に沿ってそのビューが使用されてもよい。複合ビューは、例えば、その構成要素である複数の解剖構造システムビュー(例えば、循環システム、骨格システム、器官システムなど)に分割されてもよい。解剖構造システムビューは、患者の現在の健康状態、以前の医療履歴及び診断はされたが、治療は行われていない未決の健康問題を理解するために患者とトリアージナースとの間などの種々のエンドユーザ間で解決方法として使用されてもよいし、外科医が多数の医療処置を患者3Dビューに可視化して利用するための方法であってもよく、あるいは患者に対して今後実施される関連医療処置を説明するために外科医と患者との間で使用されてもよい。ビューは、例えば、Enterprise Clinical Information Solutionの1つの視覚表示部分を形成してもよい。
【0020】
いくつかの実施例において、解剖構造ビューは医療処置期間中の立体表示として更に使用されてもよい。同僚外科医と情報交換する中で医学的解決策に到達するのを助けるため、患者の視点から患者の不安を軽減するように患者に対して説明するため及び/又は医師が医学的処置/治療を検討/説明するための医師用スケッチボードを提供するために解剖構造ビューは使用されてもよい。
【0021】
ある特定の実施例において、種々の人体システムが陰影表示、強調表示、分割表示及び/又はハイライト表示される状態で患者の全身の1つ以上のビュー(例えば、2D及び/又は3Dビュー)を表示するシステム及び方法が提供される。解剖構造ビュー及び関連標識は、例えば、Enterprise Clinical Information Solutionの視覚表示部分を形成する。
【0022】
例えば、患者がコンピュータ支援診断(CAD)を受けている場合、色分け、テキスト及び/又は他の強調/ハイライト表示でブロック領域がマーキングされた人体の中に患者の循環システムが示される。患者が数年前に骨折もしていた場合、骨折の位置が指示された状態で骨格システムが示される。その位置をクリックし且つ/又は他の方法によりその位置を選択すると、詳細を閲覧できる。例えば、患者が白内障の手術を受けていた場合、そのことは図(例えば、器官システムビュー)の中でマーキングされる。いくつかの実施例において、種々の人体システムビューは、複数の異なる患者解剖構造ビュー及び報告ビューに組み合わされてもよいし、分離されてもよい。1つのビュー及び/又は1つのビューの中のデータの標識を選択することにより、診断、治療、投薬、専門医、時間枠などに関する情報を搬送するための詳細なビューが生成される。
【0023】
ある特定の実施例において、システムの種々のエンドユーザが診断及び/又は治療の内容を説明する場合(例えば、2度目に病院を訪れた患者と看護師との間、内科医/外科医と患者との間などで)、医療処置の方法を診査する場合(例えば、医療処置の方法を決定する際に2人の外科医の間で)、患者の健康状態の視覚履歴を維持する場合(例えば、病院内システムにおいて)などに補助手段を提供するために、患者の詳細情報は視覚解剖構造表現と関連してユーザインタフェースを介してテキスト形態で表示される。
【0024】
2度目以降に患者が病院を訪れた場合、患者の健康状態履歴に関する詳細なファイル(物理的ファイル又は仮想ファイル)が患者に手渡されてもよい。画像表現と関連して文字データを提供することにより、人体内部の複数の健康状態システムをより理解しやすくしてもよい。例えば、画像表現及び/又はグラフィック表現は、専門知識を持たない人が冠状動脈の構造、機能及び状態を理解するのを助ける。例えば、視覚表現によって現在の状態がどのようなものであるか及びどのような治療が実施されるのかを示すことができれば、内科医、看護師又は外科医などの医療従事者は仕事を進めやすくなる。いくつかの実施例において、3D視覚診査を介して2人以上の内科医/外科医はある健康問題に対して採用可能な種々の方法を診査してもよい。
【0025】
内科医が注目する必要がある患者及びその種々の人体システムの視覚表現は多くの利点を有する。視覚表現は、患者及びトリアージナースがその患者の健康状態の履歴を理解するのに有用である。視覚表現は、内科医が患者に医療履歴を1つのビューの中で知ってもらうのに役立つ。その場合、内科医は更に多くの情報を得るために個別の治療情報を閲覧できる。内科医は、患者の健康状態、継続中の/過去の投薬記録、健康パターンなどを網羅した1つの画像を閲覧できるので、2人の内科医/外科医が協力、連携して健康問題に対処する作業が容易になる。内科医は、同じ画像を利用して、患者に健康状態及び治療の方法として医師が提案する処置を説明することもできる。必要に応じて外科医同士で種々の医療処置を診査し、その後、最終案として決定された処置方法を患者の不安を軽減するように患者に説明する際にも、同じ画像が使用されてよい。
【0026】
視覚表現及び患者ビューを誰が、どのような理由で、いつ検討するかに応じて、視覚表現及び患者ビューは、それに合った形で種々の詳細レベルで提示されてもよい。例えば、トリアージ段階では簡略ビューが提示されてもよいが、外科手術中には更に詳細なビューが表示されてもよい。ビュー及び関連データを更新するために、情報が入力されてもよい。例えば、識別された種々の人体システムと共に患者の全身の3Dビューを表示するために、3Dディジタイザからの3D骨格解析情報が入力されてもよい。更に、いくつかの実施例において、臨床決定を支援し且つ/又は処置を実行するために、情報が出力されてもよい。
【0027】
種々の情報源に及ぶ患者の記録情報をグラフィック表示し且つそのような情報に対する集合的なアクセスを容易にするために、ある特定の実施形態は、患者の全身又は一部の解剖構造のグラフィック表現を日程表と共に提示する。ある特定の実施形態は、複数のシステムを検索する必要なく、ユーザが患者の現在の健康状態及び過去の健康状態のすべてを把握することを可能にする。表現は、例えば、解剖構造及び医療履歴の双方にわたる患者の健康状態記録を複数の専門分野に及ぶグラフィックで表現する。
【0028】
例えば、患者がこれまでにどのような処置を受けてきたか、その処置がどの部位に適用されたか及びどのような病理学的所見が得られたかを示すために、人体の表現は提供される。そのような情報は、複数の情報源から集合され且つ1つの解剖構造表現に示されてもよい。ある特定の実施形態において、解剖構造図上の1つのデータポイントを指示するためにドット、アイコン、ハイライトなどの視覚標識が使用されてもよい。
【0029】
例えば、表現は、解剖構造に関連してデータポイントを指示するためにドットを使用してもよい。各ドットは、人体のその場所において実行された処置を示し、ドットを色分けすることにより処置の結果又は診断(例えば、良、不良、不明など)が示される。そこで、ユーザは更に詳細な情報を得るために各ドットをドリルダウンしてもよい。
【0030】
ある特定の実施形態において、ユーザは、ホバリング(hover over)又はクリックを実行することにより報告書、画像などを閲覧してもよい。また、時間の経過に伴うドット/結果を閲覧するために、患者に関するEHR日程表を閲覧してもよい。すなわち、解剖構造上に表示されるドット及び/又は他の標識は、ユーザの解析を助けるためにEHR日程表ビューに提示されてもよい。全身表現及びEHR日程表は、共に検査分析用ダッシュボードとして利用されてもよい。必要に応じて、表現は、全身、心臓、肺などであってもよい。表現は、患者の全身、ある特定の部分、ある特定の人体領域などの3次元(「3D」)表現であってもよい。ユーザが1つのドットの上にカーソルを合わせると、それに応じて日程表が上下にスクロールされてもよい。例えば、ユーザが全身又は人体部分自体の時システム列を閲覧できるように、日程表は全身図と組み合わされても(例えば、全身図に重ね合わされても)よい。
【0031】
患者データは、ヘルスレベルセブン(「HL7」)メッセージ、デジタルイメージングコミュニケーションズインメディシン(「DICOM」)データ、構造化報告書及び集合形態などを含む複数のフォーマットで提供されてもよい。データは、放射線情報システム(「RIS」)、画像蓄積伝送システム(「PACS」)、心臓血管情報システム(「CVIS」)、EMR、検査室、物理的検査などの複数の臨床情報システムから受信されてもよい。例えば、HL7メッセージの中で、1つのメッセージは、処置コード、最新専門用語集(「CPT」)コードなどを含む。例えば、側性(左、右など)を指示するために、CPTコードは解剖構造によりグループ分けされてもよい。
【0032】
例えば、マンモグラフィにおいて、ユーザは、乳腺画像報告データシステムコードを使用して診断を判定可能であってもよい。別の実施例において、決定支援システムが存在するか否かに応じて、患者が処置1を過去に受け、その後に処置2を受けたと仮定する。決定支援システムがある場合、決定支援システムは、処置1で陽性の診断結果が出た後にユーザに処置2を指示できるので、ユーザは、例えば、処置1が陽性の診断であったと推定できる。例えば、処置2が処置1と無関係である場合、処置2は異なる方向性を持っているため、ユーザはおそらく処置1が陰性であったと推論できるだろう。例えば、処置2が外科的処置であり且つ処置1は陽電子放射断層撮影(「PET」)‐コンピュータ断層撮影(「CT」)又はPET‐CT画像であると仮定すると、その外科手術は、処置1における陽性の診断から識別された癌を切除するためのものであるとユーザは推定できる。例えば、処置2は処置1と同一であるが、6ヵ月後である場合、処置2はおそらくは処置1における診断の追跡である。
【0033】
ある特定の実施形態において、全身の表現は、例えば、陽性又は陰性の結果を示すドット及び/又は他のグラフィック標識を含む。ドットは実際の処置の表現(例えば、心電図(「EKG」)波形、X線画像及び/又は他の画像のサムネール、報告書、図表など)であってもよい。ユーザは、1つの標識にカーソルを合わせることにより、その標識に対応するコンテンツを示すことができ、全身図にドリルダウンする(例えば、特定の解剖構造に基づいて、表示されたカーソルをドラッグして、1つの領域をハイライト表示するか又はボックスで囲み、その領域に対してドリルイン又はドリルアウトを実行する)ことができる。
【0034】
ある特定の実施形態は、種々の型、性質及び/又は期間の臨床情報の提示、探索、発見、ドリルダウン、検索及び/又は検査を実行するための方法及びシステムを提供する。尚、この証拠は、PACS環境においてその固有記憶サブシステム、あるいは放射線情報システム(RIS)、電子式医療記録(EMR)、検査室情報システム(LIS)、病院情報システム(HIS)、保険会社情報システム及び/又は他のアーカイブ及び情報システムを含むが、それらに限定されない外部臨床情報システムへのリンクを介して利用可能である。
【0035】
ある特定の実施形態によれば、例えば、ワークステーションの同一の画面又は別の画面のいずれかに欠けるところなく提示し且つ解析するために容易に探索、発見、ドリルダウン及び検索が可能な利用可能主臨床証拠及び副次臨床証拠を提示する多数のグラフィック形態及びテキスト形態を支援するために1つのワークステーション画面を専用画面にしてもよい。専用画面は「ワークフロー画面」と呼ばれてもよい。ワークフロー画面は複数の「提示ペイン」を含んでもよく、各ペインは、例えば、医療履歴、解剖学的所見、個人情報、管理データ、細分化専門分野、他の視点及び又は選択された基本視点の専門別組み合わせを含むが、それらには限定されない種々の視点から見た利用可能な臨床証拠の専門別ビューを示す。
【0036】
ある特定の実施形態によれば、例えば、1つの企業、管理グループ及び/又は細分化専門分野グループ、あるいは個人レベルなどの複数のレベルで提示ペインの組み合わせが事前に構成され且つ/又は個別化されてもよい。例えば、患者の個人情報、症例の性質及び現在のワークフロー全体などを含むが、それらに限定されない多様な要因に対する関連性を考慮して、提示ペインの組み合わせ及び/又は個々のペインの挙動が設定されてもよい。例えば、ワークフロー全体の中で現在のステップに1つ以上のペインが調整されてもよい。
【0037】
任意の2つ以上のペインの間で、例えば、カスタマイジングパターンの一部として及び/又は操作員の明示した選択により、提示ペインのコンテンツが同期化されてもよい。単なる一例として、解剖構造提示ペインの1つの解剖構造領域(例えば、腹部領域)を選択したと考えると、それにより、検査履歴のリストは選択された人体部分に目標を絞った以前の検査のみに自動的に縮小される。別の例として、検査型リストから「腫瘍」を選択すると、主に腫瘍に関して収集された臨床証拠に焦点が絞られるが、他の情報もごく近接する場所に残される。他の情報の詳細はおそらく腫瘍関連情報より目立たない状態で表示され且つ/又は最終的にたどり着く/ドリルダウンされる一連のアクション(例えば、複数回のマウスクリック)を含む。
【0038】
本発明において開示されるすべての実施形態は、次の2つの特徴を任意に有してもよい。1.各提示ペインは、例えば、マウス動作モード、ツールバー、右クリックメニュー、他の方式及び/又はそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない異なる状況依存グラフィカルユーザインタフェース(「GUI」)コントロールを有してもよい。2.各提示ペインのグラフィック要素及び/又はオーバレイ要素は、クリック可能且つ/他の方法により選択可能であり、1つの要素をクリック又は選択すると、ある特定のアクションが実行される。従って、これは特殊な種類の対話コントロールである。
【0039】
本発明のある特定の実施形態が以下に開示される多数の実施形態のみに限定されてはならないことは当業者には明らかなはずである。あるいは、情報システムのそれらの実施形態及び/又は性質は、特許取得を目的とする本発明のある特定の実施形態の基本原理、新規性の概念及び発明的過程を提示する好都合な方法であると考えられるべきである。
【0040】
図面中のグラフィック表現に関連して本発明のある特定の実施形態を説明する。本発明自体は例示的な実施形態に限定されてはならない。例示的な実施形態は、人間の生産性及び解釈の品質を向上するのを助け且つ/又は副次証拠の重要な部分が欠落する危険を低減するのを助けるように被検媒体を解釈するための複合臨床情報又は情報群を詳細に検査するために有効な探索、発見、データ発掘、ドリルダウン、検索及び/又は表示を実行する対話型システム及び方法の特定の実施形態であるとみなされるべきである。
【0041】
例えば、図1に示されるように、ワークフローマネージャ100は患者チャート101を含む。患者チャート101は、患者の写真又はイラスト111、患者名112、誕生日113などの患者識別情報110、並びに年齢、性別、電話番号、身長、体重、識別番号などの他の個人情報114を含む。患者チャート101は、情報タブ121、アレルギー122、問題点123、投薬歴124、医療履歴125、X線写真126、検査結果127、臨床記録128、オーダ129などを含む複数のアクセスタブ120を含む。アクセスタブに含まれる情報をマネージャインタフェース100を介して検討し且つアクセスするために、ユーザは1つのタブ120を選択できる。
【0042】
情報タブ121は、患者の1つ以上の解剖構造グラフィック表現131〜134を含む医療履歴図130を含む。図には示されていないが、解剖構造ビュー131〜134を1つの複合ビューに組み合わせることも可能であり、例えば、複合ビューから個別の人体システムビュー131〜134を分離して閲覧してもよい。解剖構造ビューは、例えば、筋組織ビュー131、骨格システムビュー132、循環システムビュー133及び器官システムビュー134を含む。例えば、実際の画像及び/又は理想化解剖構造表現に基づいて、ビューは2D解剖構造ビュー及び/又は3D解剖構造ビューを提供してもよい。
【0043】
各ビュー131〜134(及び/又は複合ビュー)の中に、患者と関連する医療データを示す1つ以上の標識135〜139が表示されてもよい。例えば、解剖構造グラフィック表現131〜134は、患者に関する所見及び/又は他の事象/状態、患者の画像データの領域及び/又は他の情報などのグラフィック標識を含む。例えば、そのようなグラフィック標識は、追加情報へのリンクを含んでもよく、別のペインにおける情報の表示を起動してもよく且つ/又は手動操作により追加情報を受信することをユーザに促してもよい。
【0044】
例えば、医療データは、患者の特定の人体システム及び人体の場所と関連する診断、治療、検査、結果などを示してもよい。例えば、筋組織システムビュー131は白内障標識135及び肩筋肉標識136を含んでもよい。骨格システム表現132は鎖骨骨折標識137及び変形性関節症標識138を含んでもよい。循環システムビュー133は、例えば、冠状動脈閉塞標識139を含んでもよい。1つのシステムのビュー131〜134及び/又は1つの標識135〜139を選択することにより、例えば、ユーザは追加情報及び/又は追加ビューをドリルダウンするか又は検索することができる。
【0045】
情報タブ121は、医療履歴解剖構造図130に加えて、詳細治療歴140を含んでもよい。治療歴140は、例えば、ユーザが検索及び検討するための1つ以上の検討用画像141〜142及び/又は関連文書を含んでもよい。いくつかの実施例において、1つのビュー131〜134及び1つの標識135〜139を選択することにより、詳細治療歴140に適用可能なコンテンツ141〜142が記入される。
【0046】
ワークフローマネージャ100は、ユーザがマネージャ100のコンテンツ、間隔及び/又は対話レベルを構成し且つ制御することを可能にするためのワークスペースズーム機能150を更に含む。マネージャ100は、例えば、アレルギー160、検査結果161、X線写真162、個人情報163、投薬歴164、問題点165、オーダ166、警告ビュー167などのうち1つ以上を含む1つ以上の拡大可能なウィンドウを更に含む。個別の検査結果168、一連の検査画像169などの詳細を見るためにユーザは1つのウィンドウを選択できる。
【0047】
ある特定の実施例において、ワークフローマネージャ100のセクションにおいて、患者医療履歴、ダッシュボード情報などの追加情報及び/又は追加機能に対するアクセスを実行可能である。ある特定の実施形態は、放射線システム及び/又は他の細分化専門システムのPACSを含む保健医療関連企業の情報システムと関連して実現可能である。ワークフローマネージャ100の構成要素は、例えば、ハードウェア、ソフトウェア及び/又はファームウェアを介して別個に実現されてもよく且つ/又は種々の形態で統合されてもよい。
【0048】
いくつかの実施例において、情報タブ121は、例えば、1つ以上のオリエンテーション/閲覧ツール及び/又は1つ以上の画像ビューセレクタを含む。ユーザは、例えば、検討用画像、検査結果、患者報告書などの関連事象文書を更に閲覧するために、標識135〜139及び/又はソース文書情報141〜142を使用して文書を検索できる。ある特定の実施例において、マウスを使用して標識135〜139の1つにカーソルを合わせると、対応する文書のサムネールが表示される。
【0049】
例えば、患者がこれまでにどのような処置及び/又は検査を受けてきたか、どのような解剖学的部分に対して処置及び/又は検査が適用されたか及びどのような所見結果(例えば、病理診断)が得られたかを示すために、人体のグラフィック表現131〜134と組み合わせて標識135〜139が使用されてもよい。解剖構造グラフィック表現131〜134の上の標識135〜139を介して複数の臨床情報源からのデータが集合され、表示されてもよい。ある特定の実施例において、各標識135〜139は、処置/検査を示し、その処置/検査診断の結果(例えば、良、不良、不明など)を視覚的に示すために標識が色分けされてもよい。そこで、更に詳細な情報を検索し且つ検討するために、ユーザは各標識135〜139を更にドリルダウンすることが可能である。例えば、ユーザは、標識135〜139の上でホバリングするか又は標識135〜139をクリックして、対応する報告書、画像などを閲覧できる。解剖構造グラフィック表現131〜134は全身又は人体の一部の2次元(「2D」)輪郭として示されてもよいが、グラフィック表現131〜134は全身、人体のある特定の部分などの3D表現であってもよい。
【0050】
ある特定の実施形態において、例えば、患者データメッセージなどの情報から画像検討及び検査などの患者事象間の関係が提供され且つ/又は推定されてもよい。事象関係情報は、事象のグラフィック表現に加えて臨床的決定を支援するために使用されてもよい。従って、インタフェース100を介して時間的順序、疾患を抱えている場所及び事象間の関係が提供されてもよい。
【0051】
患者データは、HL7メッセージ、DICOM情報、構造化報告書及び/又は他の単一フォーマット及び/又は集合フォーマットで得られてもよい。データは、RIS、PACS、CVIS、EMR、検査室、物理的検査などを含む多様な臨床情報システムから受信される。HL7メッセージデータなどのメッセージデータから解剖学的構造及び側性が抽出されてもよい。関係情報は、例えば、ある特定の指針/規則に従って処置タイミング及び予後の解析から抽出され且つ/又は推定されてもよい。例えば、処置1及び処置2に関して、処置1の陽性の結果に続いて処置2が実施されることが決定支援規則で示される場合、システム500は処置1が陽性の診断であったことを推定してもよい。しかし、処置1に続く処置2が関連性のない処置である場合、処置2は処置パターンに当てはまらないので、処置1の結果は陰性であったことが示されてもよい。別の例として、処置2が外科手術であり且つ処置1が一連のPET CT画像であった場合、処置1の陽性の診断で発見された癌を切除するために外科的処置が実行されたとシステムは推定してもよい。例えば、処置2は処置1と同一であるが、6ヵ月後に実施される場合、おそらく処置2は処置1で下された診断の追跡だろうとシステムは推定してもよい。1つ以上の臨床情報源から抽出され且つ推定された患者情報及び処置情報は、例えば、図1に示されるインタフェース100を構成するために使用されてもよい。
【0052】
ワークフローマネージャ100は、図2に示される患者情報システム200のような情報システムを使用して実現されてもよい。システム200は、プロセッサ210、データ記憶装置220及びユーザインタフェース230を含む。データ記憶装置220は、画像222(例えば、患者画像及び/又は基準画像)、医療履歴データ224(例えば、報告書、検査結果、電子式医療記録/健康状態記録データなど)等を含む。システム200の構成要素は、個別に実現されてもよく且つ/又はハードウェア、ソフトウェア及び/又はファームウェアなどの種々の組み合わせで実現されてもよい。ユーザインタフェース230を介して表示する1つ以上の人体システム表現を生成するために、プロセッサ210は、データ記憶装置220から情報222、224を検索する。人体システム表現は、ユーザにより操作される2D/3D複合ビューとして組み合わされてもよく、複合ビューは、患者医療履歴(例えば、検査、検査結果、健康状態など)を示す1つ以上の標識を含む1つ以上の個別の人体システム(例えば、筋組織システム、骨格システム、循環システム、器官システムなど)に分離されてもよい。各標識と関連する更なる情報を表示するために、ユーザは標識を選択可能である。いくつかの実施例において、ユーザはユーザインタフェース230を介して情報を変更してもよく、変更後の情報はデータ記憶装置220に格納される。いくつかの実施例において、データ記憶装置220の情報は、電子式医療記録/健康状態記録システム、画像蓄積伝送システム、放射線情報システム、請求/オーダシステムなどの別の臨床システムへ送信されてもよい。
【0053】
図3は、視覚解剖構造表現を介して患者の臨床情報を表示し且つ臨床情報と対話する方法330の一実施例を示したフローチャートである。ステップ310において、種々の臨床情報源からの特定の患者に関する患者情報がコンパイルされる。例えば、患者の検討用画像及び/又は他のデータを含む患者情報は、送信されている臨床情報システムメッセージから抽出され且つ/又は推定されてもよい。
【0054】
ブロック320において、コンパイルされた患者情報は、支援データ/文書と関連して少なくとも1つの解剖構造表現(例えば、全身の2D画像及び/又は3D画像、表現又はビュー)にグラフィック表示される。例えば、複合人体システムグラフィック表現及び/又は個別の人体システムグラフィック表現(例えば、図1のグラフィック表現131〜134)に対応する標識(例えば、図1に示される標識135〜139)が示されてもよく、ユーザは対話のためにそれらの標識を利用可能である。
【0055】
ブロック330において、ユーザはグラフィック解剖構造ビューに示された情報と対話してもよい。例えば、画像、報告書、オーダなどの対応する文書のサムネールバージョンを表示するために、ユーザは全身ビューの上の1つの標識にカーソルを合わせてもよい。例えば、ユーザは文書のフルバージョンを検索するために1つの標識を選択してもよい。別の例として、ユーザはある特定の種類の撮像検査を選択し且つその種類の検査に対応するすべての標識をハイライト表示させてもよい。
【0056】
ブロック340において、解剖構造グラフィック表現を介して臨床証拠及び/又は他のデータが変更されてもよい。例えば、画像、所見などがハイライト表示、注釈付けなどされてもよい。検討用画像に関する報告書及び/又は注を作成することなどにより、臨床証拠及び/又は関連所見が変更されてもよい。ブロック350において、すべての変更がセーブされ且つ/又は他のシステムへ伝播されてもよい。
【0057】
方法300のブロックのうち1つ以上は、ハードウェアにおいて、ファームウェアにおいて及び/又はソフトウェアの命令セットとして単独で又は組み合わせて実現されてもよい。ある特定の実施形態は、汎用コンピュータ又は他の処理装置において実行するためにメモリ、ハードディスク、DVD又はCDなどのコンピュータ可読媒体に常駐する命令セットとして提供されてもよい。
【0058】
本発明のある特定の実施形態は、1つ以上のブロックを省略してもよく且つ/又は図示される順序とは異なる順序でブロックを実行してもよい。例えば、本発明のある特定の実施形態において、いくつかのブロックは実行されなくてもよい。更なる例として、ある特定のブロックは、同時実行を含めて、図示される順序とは異なる時間的順序で実行されてもよい。
【0059】
図4は、以上説明した実施例のシステム及び方法を実現するために使用及び/又はプログラムされてもよいプロセッサプラットフォームP100の一実施例を示した概略図である。例えば、プロセッサプラットフォームP100は、1つ以上の汎用プロセッサ、プロセッサコア、マイクロコントローラなどにより実現されてもよい。
【0060】
図4の実施例のプロセッサプラットフォームP100は、少なくとも1つの汎用プログラマブルプロセッサP105を含む。プロセッサP105は、プロセッサP105の主メモリ(例えば、RAM P115及び/又はROM P120)に格納されている符号化命令P110及び/又はP112を実行する。プロセッサP105は、プロセッサコア、プロセッサ及び/又はマイクロコントローラなどの任意の種類の処理装置であってもよい。本明細書において説明される実施例の方法及び装置を実現するために、プロセッサP105は特に図3の実施例の処理のような処理を実行してもよい。
【0061】
プロセッサP105はバスP125を介して主メモリ(ROM P120及び/又はRAM P115)と通信する。RAM P115は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)及び/又は他の種類のRAM装置により実現されてもよく、ROMはフラッシュメモリ及び/又は他の所望の種類のメモリ装置により実現されてもよい。メモリP115及びメモリP120に対するアクセスは、メモリコントローラ(図示せず)により制御されてもよい。実施例のメモリP115は、本明細書において説明される実施例のデータベースを実現するために使用されてもよい。
【0062】
プロセッサプラットフォームP100はインタフェース回路P130を更に含む。インタフェース回路P130は、外部メモリインタフェース、シリアルポート、汎用入出力装置などの任意の種類の規格インタフェースにより実現されてもよい。インタフェース回路P130に1つ以上の入力装置P135及び1つ以上の出力装置P140が接続される。入力装置P135は、例えば、遠隔サーバ及び/又はデータベースから患者文書を受信するために使用されてもよい。実施例の出力装置P140は、例えば、検討用の患者文書及び/又は遠隔サーバ及び/又はデータベースに格納する患者文書を提供するために使用されてもよい。
【0063】
従って、ある特定の実施形態は、時間の経過に伴って特定の解剖構造に関する患者健康情報をグラフィックによって提示するという技術的効果を有する。ある特定の実施形態は、解剖構造及び医療履歴の双方の観点から患者の健康状態記録を多様な専門分野にまたがってグラフィック表現する。従来の方法では、利用可能なすべてのデータがそろっている場合であっても患者の記録を閲覧するのは困難であり、患者の慢性疾患の重症度を判定する機能はなかったが、ある特定の実施形態は、複数のシステムを介して手動操作により検索する必要なく、ユーザが患者の現在の健康状態及び過去の健康状態を完璧に把握するのを助ける。
【0064】
本明細書において、発明的要素、発明的範例及び発明的方法がある特定の例示的な実施形態のみにより表現されていることを当業者は理解すべきである。しかし、本発明及びその発明的要素の実際の範囲は、選択された実施形態をはるかに越えており、高負荷及び/又は高スループット及び/又は高性能及び/又は分散型及び/又は連合型及び/又は多専門分野型の精巧なシステムに特に重点をおいた多種多様な情報システム及びコンピュータ処理システムの開発、技術、販売、サービス及び支援という広範囲にわたる視点から別個に考慮されるべきである。
【0065】
ある特定の実施形態は、先に説明した機能性を実現するために、方法、システム及び任意の機械可読媒体に格納されたコンピュータプログラム製品を意図する。ある特定の実施形態は、既存のコンピュータプロセッサを使用して実現されてもよいが、例えば、その目的のために又は別の目的のために組み込まれている特定目的コンピュータプロセッサにより又はハードワイヤードシステム及び/又はファームウェアシステムにより実現されてもよい。
【0066】
先に説明したシステムの構成要素及び/又は方法のステップのうち1つ以上は、例えば、ハードウェアにおいて、ファームウェアにおいて及び/又はソフトウェアの命令セットとして単独で又は組み合わせて実現されてもよい。ある特定の実施形態は、汎用コンピュータ又は他の処理装置において実行されるようにメモリ、ハードディスク、DVD又はCDなどのコンピュータ可読媒体に常駐する命令セットとして提供されてもよい。本発明のある特定の実施形態は、方法ステップのうち1つ以上のステップを省略してもよく且つ/又は先に挙げた順序とは異なる順序でステップを実行してもよい。例えば、本発明のある特定の実施形態において、いくつかのステップは実行されなくてもよい。更なる例として、ある特定のステップは、同時実行を含めて、先に挙げた順序とは異なる時間的順序で実行されてもよい。
【0067】
ある特定の実施形態は、コンピュータ実行可能命令又はデータ構造を搬送するか又は格納しているコンピュータ可読媒体を含む。そのようなコンピュータ可読媒体は、汎用コンピュータ又は特定目的コンピュータ、あるいはプロセッサを有する他の機械によりアクセス可能な任意の利用可能媒体であってもよい。例えば、コンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、CD‐ROM又は他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置又は他の磁気記憶装置、あるいはコンピュータ実行可能命令の形態又はデータ構造の所望のプログラムコードを搬送又は格納するために使用可能であり且つ汎用コンピュータ、特定目的コンピュータ又はプロセッサを有する他の機械によりアクセス可能である任意の他の媒体を含んでもよい。上記の媒体の組み合わせもコンピュータ可読媒体の範囲内に含まれる。コンピュータ実行可能命令は、例えば、汎用コンピュータ、特定目的コンピュータ又は特定目的処理機械にある特定の機能又は機能群を実行させる命令及びデータを含む。
【0068】
一般に、コンピュータ実行可能命令は、特定のタスクを実行するか又は特定の抽象データ型を実現するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。コンピュータ実行可能命令、関連データ構造及びプログラムモジュールは、本明細書において開示されるある特定の方法及びシステムのステップを実行するためのプログラムコードの例を示す。そのような実行可能命令又は関連データ構造の特定のシーケンスは、そのようなステップにおいて説明される機能を実現するための対応する動作の例を示す。
【0069】
実施例は、プロセッサを有する1つ以上の遠隔コンピュータへの論理接続を使用するネットワーク化環境において実施されてもよい。論理接続はローカルエリアネットワーク(LAN)及びワイドエリアネットワーク(WAN)を含んでもよいが、これらのネットワークは単なる例として提示されており、本発明を限定しない。そのようなネットワーク化環境は、オフィス内コンピュータネットワーク又は企業内コンピュータネットワーク、イントラネット及びインターネットにおいては日常的なことであり、多様な異なる通信プロトコルを使用してもよい。そのようなネットワーク計算環境は、パーソナルコンピュータ、ハンドヘルド装置、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサ利用家電又はプログラム可能家電、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータなどを含む多くの種類のコンピュータシステム構成を通常含むことが当業者には理解されるだろう。実施例は分散型計算環境において実施されてもよい。その場合、通信ネットワークを介してリンク(ハードワイヤードリンク、無線リンク、又はハードワイヤードリンク又は無線リンクの組み合わせのいずれかにより)されたローカル処理装置及び遠隔処理装置によりタスクが実行される。分散型計算環境において、プログラムモジュールはローカルメモリ装置及び遠隔記憶装置の双方に配置されてもよい。
【0070】
本発明の実施形態の全システム又はその一部を実現するシステムの一例は、処理装置、システムメモリ及びシステムメモリを含む種々のシステム構成要素を処理装置に結合するシステムバスを含むコンピュータの形態の汎用計算装置を含んでもよいだろう。システムメモリは読み取り専用メモリ(ROM)及びランダムアクセスメモリ(RAM)を含んでもよい。コンピュータは、磁気ハードディスクに対して読み取り及び書き込みを実行する磁気ハードディスクドライブ、取り出し可能磁気ディスクに対して読み取り又は書き込みを実行する磁気ディスクドライブ、及びCD‐ROM又は他の光媒体などの取り出し可能光ディスクに対して読み取り又は書き込みを実行する光ディスクドライブを更に含んでもよい。ドライブ及び関連するコンピュータ可読媒体は、コンピュータ実行可能命令、データ構造、プログラムモジュール及び他のコンピュータデータの不揮発性記憶装置を構成する。
【0071】
ある特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく種々の変更が実施されてもよく且つ同等のもので代替されてもよいことが当業者には理解されるだろう。更に、本発明の範囲から逸脱することなく特定の状況又は材料を本発明の教示に適合させるために多くの変形が実施されてもよい。従って、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されてはならず、本発明は、添付の特許請求の範囲の範囲内に入るすべての実施形態を含むことを意図する。
【符号の説明】
【0072】
100 ワークフローマネージャ
101 患者チャート
110 患者識別情報
111 患者の写真又はイラスト
112 患者名
113 誕生日
114 個人情報
120 アクセスタブ
121 情報タブ
122 アレルギー
123 問題点
124 投薬歴
125 医療履歴
126 X線写真
127 検査結果
128 臨床記録
129 オーダ
130 医療履歴図
131〜134 解剖構造グラフィック表現
131 筋組織ビュー
132 骨格システムビュー
133 循環システムビュー
134 器官システムビュー
135〜139 標識
135 白内障標識
136 肩筋肉標識
137 鎖骨骨折標識
138 変形性関節症標識
139 冠状動脈閉塞標識
140 詳細治療歴
141、142 検討用画像
150 ワークスペースズーム機能
160 アレルギー
161 検査結果
162 X線写真
163 個人情報
164 投薬歴
165 問題点
166 オーダ
167 警告ビュー
168 検査結果
200 患者情報システム
210 プロセッサ
220 データ記憶装置
222 画像
224 医療履歴データ
230 ユーザインタフェース
300 方法
310〜350 ブロック
P100 プロセッサプラットフォーム
P105 汎用プログラマブルプロセッサ
P110、P112 符号化命令
P115 RAM
P120 ROM
P125 バス
P130 インタフェース回路
P135 入力装置
P140 出力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の解剖構造及び医療履歴の集合グラフィックビューを提示する患者情報インタフェースシステム(100、200)において、
画像及び患者医療履歴情報を記憶するデータ記憶装置(220、P115、120)と;
ユーザ入力を受信するユーザインタフェース(100、230)を実現し、且つ、複数の解剖構造グラフィック表現(131〜134)を提供するプロセッサ(210、P105)とを具備し、
前記複数の解剖構造グラフィック表現(131〜134)の各々は、人体システムの1つのビューを提供し、且つ、人体システムにおいて患者に関連して起こった臨床事象に対応する1つ以上の標識(135〜138)であって、この解剖構造グラフィック表現(131〜134)を介して視覚可能である1つ以上の標識(135〜138)を含むものであり、前記1つ以上の標識(135〜139)の各々は、前記標識(135〜139)に対応する前記臨床事象により影響を受けた前記グラフィック表現(131〜134)上の解剖学的場所に配置されるシステム(100、200)。
【請求項2】
各解剖構造グラフィック表現(131〜134)は解剖構造の3次元表現であることを特徴とする請求項1記載のシステム(100、200)。
【請求項3】
前記複数の解剖構造グラフィック表現(131〜134)は、1つの複合解剖構造グラフィック表現(131〜134)に結合され、前記複数の解剖構造グラフィック表現(131〜134)の各々は、個別の全身システムビュー(131〜134)を提供するために前記複合グラフィック表現から分離可能であることを特徴とする請求項1記載のシステム(100、200)。
【請求項4】
前記1つ以上の標識(135〜139)は、前記複数の臨床情報源(220、P115、P120)のうち1つ以上から提供され且つ前記複数の臨床情報源(220、P115,P120)のうち1つ以上からの臨床データメッセージの中の情報から推定されることを特徴とする請求項1記載のシステム(100、200)。
【請求項5】
前記解剖構造グラフィック表現(131〜134)上の前記1つ以上の標識(135〜139)のうち1つを選択することにより、前記患者の前記臨床事象に対応する文書が表示されることを特徴とする請求項1記載のシステム(100、200)。
【請求項6】
前記解剖構造グラフィック表現(131〜134)上の前記1つ以上の標識(135〜139)の上にカーソルを合わせることにより、前記患者の前記臨床事象に対応する文書のサムネールビューが表示されることを特徴とする請求項1記載のシステム(100、200)。
【請求項7】
前記1つ以上の標識(135〜139)の特性は、前記標識(135〜139)に対応する前記臨床事象の種類、状態及び重症度のうち少なくとも1つを示すことを特徴とする請求項1記載のシステム(100、200)。
【請求項8】
ユーザによる前記解剖構造グラフィック表現(131〜134)の操作を可能にするためのコントローラを更に具備することを特徴とする請求項1記載のシステム(100、200)。
【請求項9】
前記全身システムは、筋組織システム、骨格システム、循環システム及び器官システムのうち少なくとも1つを含み、各システムはそれぞれ別の解剖構造グラフィック表現(131〜134)と関連することを特徴とする請求項1記載のシステム(100、200)。
【請求項10】
患者の解剖構造及び医療履歴のグラフィックビューを集合し且つ表示するコンピュータ実現方法(300)において、
複数の臨床情報源(220、P115、P120)からの患者情報をコンパイルし、前記患者情報に基づいて前記患者に関連する臨床事象を識別する工程(310)と;
複数の解剖構造グラフィック表現(131〜134)を使用して前記コンパイルされた患者情報をグラフィック表示する工程(320)であって、前記解剖構造グラフィック表現(131〜134)の各々が人体システムの1つのビューを提供し且つ前記ビューに示される前記人体システムに関して前記患者と関連して起こった臨床事象を識別する1つ以上の標識(135〜139)から成る対応する標識をそれぞれ含むものであって、前記標識(135〜139)に対応する前記臨床事象により影響を受ける前記解剖構造グラフィック表現(131〜134)上の1つの解剖学的場所に各1つ以上の標識(135〜139)が配置されている、前記グラフィック表示工程と;
前記解剖構造グラフィック表現(131〜134)の各々に表示された前記患者臨床情報標識(135〜139)とユーザとの対話を容易にする工程(330)、とを備える方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−138513(P2011−138513A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−289964(P2010−289964)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】