説明

患者モニタリング装置を中央サーバーと同期させるシステムおよび方法

患者モニタリング装置(10)が患者データ・パケット(70)をサーバー(12)に送信する。サーバーが送信された患者データ・パケットを受信するのに応答して、サーバーは、サーバーからタイムスタンプ(74)を含む受け取り確認(ACK)メッセージを送る。患者モニタリング装置は、受信されたACKメッセージ中のタイムスタンプを、自らのクロック(28)の現在時刻と比較する。両者の時間が選択された量より大きく異なる場合、クロックはタイムスタンプに同期される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、患者の生理状態をモニタリングするための医療モニタリングおよび臨床データ装置に関する。患者モニタの日時の中央サーバーとの同期において格別の用途を見出し、それとの関連で記載される。
【背景技術】
【0002】
今日、中央集中された電子患者記録の必要性が高まるにつれ、患者記録およびデータはしばしば中央集中サーバーに送られる。典型的には、患者記録およびデータを生成する患者モニタリング装置はバッテリーから電力を受けるクロックを含む。記録およびデータが生成される際、記録またはファイルが生成された日付および/または時間を表すタイムスタンプが記録またはデータ・ファイルに含められる。しばしば、患者モニタリング装置のクロックは、長い期間、再較正されないままとなる。クロックが、一か月かそこらの期間を通じて5分以上も進んだり遅れたりすることもめずらしくない。正しくないタイムスタンプは、複数の装置によってシステムに入力されたデータの見掛け上の時系列を変えることがありうる。イベントの見掛け上のシーケンスまたはタイミングにおける誤りは、臨床担当者による患者の誤診につながったり、あるいは患者の治療を遅らせたりすることがありうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
典型的には、病院は、中央サーバーのクロックを標準化された時間に同期させるためにネットワーク時間プロトコル(NTP/SNTP)サーバーを使う。患者モニタリング装置とともにNTP/SNTPサーバーを使うことの一つの欠点は、モニタリング装置がNTP/SNTPサーバーに接続される必要があるということである。NTP/SNTPサーバーへの接続は、シリアル/RS232接続ではできない。NTP/SNTPサーバーを使うことに関するもう一つの欠点は、同期のタイミングが患者モニタリング装置によって制御されないということである。場合によっては、測定が行われているのと同時にNTP/SNTPサーバーがモニタリング装置を同期させようとする場合、患者モニタリング装置の測定が影響されることもある。
【0004】
本願は、患者モニタの日時を中央サーバーと同期させる新しい改善された方法であって、上記の問題等を克服するものを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ある側面によれば、患者モニタリング装置を同期させる方法が提供される。患者データ・パケットが患者モニタリング装置からサーバーに送信される。患者モニタリング装置において、サーバーが送信された患者データ・パケットを受信するのに応答して、サーバーから受け取り確認(ACK)メッセージが受信される。患者モニタリング装置のクロックはACKメッセージ中のタイムスタンプに従って同期される。
【0006】
もう一つの側面によれば、患者モニタリング装置が提供される。複数のセンサーが患者から生理データを収集する。コントローラが、収集された生理データから生成される患者データ・パケットをサーバーに送信し、患者データ・パケット受信に応答してのサーバーからの受け取り確認(ACK)メッセージを受信する。患者モニタのクロックをACKメッセージのタイムスタンプに同期させる同期ユニットが設けられる。
【0007】
もう一つの側面によれば、患者モニタリング・システムが提供される。複数のセンサーが患者から生理データを収集する。サーバーが、患者データ・パケットを受信するのに応答して受け取り確認(ACK)メッセージを送信する。ACKメッセージはタイムスタンプを有する。コントローラが、収集された生理データから生成される患者データ・パケットをサーバーに送信し、患者データ・パケットを受信するのに応答してのサーバーからのACKメッセージを受信する。患者モニタのクロックをACKメッセージのタイムスタンプに同期させる同期ユニットが設けられる。
【発明の効果】
【0008】
一つの利点は、患者治療の改善された効率および品質にある。
【0009】
もう一つの利点は、患者モニタリング装置の、共通の時間への、より簡単でより信頼できる同期にある。
【0010】
もう一つの利点は、同期のタイミングの制御にある。
【0011】
本発明のさらなる利点は、以下の詳細な説明を読み、理解すれば当業者には理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明はさまざまなコンポーネントおよびコンポーネントの配置の形を、またさまざまなステップおよびステップの配置の形を取りうる。図面は単に好ましい実施形態を例解する目的のためであり、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。
【図1】本願に基づく患者モニタリング・システムの図解である。
【図2】患者モニタリング装置/中央サーバー関係の図解である。
【図3】本願に基づく、患者モニタリング装置インターフェースの例を示す図である。
【図4】患者モニタリング装置のコントローラの動作の流れ図である。
【図5】本願に基づく、患者モニタリング・システムの動作の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1を参照するに、複数の患者モニタ10が患者データ・パケットを中央サーバー12に送信する。患者モニタ10はたとえば、患者の寝台わきのモニタ〔ベッドサイド・モニタ〕、患者とともに移動するモニタ、たとえば歩行する患者が身につけるモニタリング・システムの送信機などであってもよい。患者モニタ10はより恒久的な設備、たとえば寝台または部屋に恒久的に付随している壁取り付け型のモニタであってもよい。患者モニタ10は、患者の生理パラメータを測定する一つまたは複数のセンサー16を有し、該生理パラメータを示す生理データを生成する。これらのセンサー16はECGセンサー、IV流体ポンプ、血圧センサー、SpO2センサー、脈センサー、温度計、呼吸センサー、呼気ガス・センサーなどを含む。もちろん、他のセンサー16が患者モニタ10に付随することもできるし、上記のセンサー16のすべてが所与の時点で患者に付随していなければならないわけではない。本稿での用法では、センサー16は患者の健康状態を示すデータ源を意味する。
【0014】
センサー16は生成された生理データを身体結合ネットワーク(body coupled network)、ブルートゥース線などを介して、対応する患者モニタ10のコントローラ18に送信する。患者モニタ10は受け取ったデータにタイムスタンプ付けし、タイムスタンプ付けされたデータをメモリ20に一時的に記憶する。対応する患者モニタ10のコントローラ18は患者データをパケットに編成する。コントローラ18は生成された患者データ・パケットを中央サーバー12に、無線ネットワーク、無線ネットワーク、有線および無線ネットワークの組み合わせなどを介して送信し、患者データ・パケットの受信を確認する中央サーバー12からの受け取り確認(ACK)メッセージを受信する。
【0015】
コントローラ18は、各センサー16から受信される測定された生理データを対応する患者モニタ・ディスプレイ22に表示するよう、患者モニタ10の諸ディスプレイ22をも制御する。患者モニタ10はまた、システム管理者などのユーザーがディスプレイ22上に表示されたデータを閲覧し、操作し、および/または該データと対話することができるようにする入力装置24をも含む。入力装置24は、別個のコンポーネントであってもよいし、タッチスクリーン・モニタの場合のようにディスプレイ22中に統合されていてもよい。
【0016】
コントローラ18は、下記で詳述する動作を実行するための患者モニタリング・ソフトウェアおよび時間同期ソフトウェアを実行するよう構成されたプロセッサ、たとえばマイクロプロセッサをも含む。典型的には、患者モニタリング・ソフトウェアは、プロセッサによる実行のために、他の有形のメモリまたはコンピュータ可読媒体20に記憶されるまたは担持される。コンピュータ可読媒体20の型は、ハードディスク・ドライブ、CD-ROM、DVD-ROMなどのメモリを含む。プロセッサの他の実装も考えられる。ディスプレイ・コントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC: Application Specific Integrated Circuit)およびマイクロコントローラが、プロセッサの機能を提供するために実装されうる他の型のコンポーネントの例示的な例である。諸実施形態は、プロセッサ、ハードウェアまたはそれらの何らかの組み合わせによる実行のためのソフトウェアを使って実装されてもよい。
【0017】
患者モニタ10は、コントローラ18によって制御されるクロック28を含む。バッテリー30は患者モニタ10のクロック、コントローラおよび他のコンポーネントに電力を与える。クロック28はコントローラに、患者データにタイムスタンプ付けするために使用されるべき時刻および日付を提供する。コントローラ18はまた、患者モニタ10のクロック28の、中央サーバー12または時刻サーバー34のいずれかへの同期を制御する。ある実施形態では、患者モニタ10はタイムスタンプ付けされた患者データ・パケットを中央サーバー12に送る。患者データ・パケットを受信するのに応答して、中央サーバー12は患者モニタ10にACKメッセージを送信する。コントローラ18は情報、ダミー患者パケット、患者データ・パケット、ACKメッセージを、中央サーバー12および時刻サーバー34との間で、RS232、HL&LAN、NTPプロトコル、SNTPプロトコルなどを含む通信手段を通じて送受信してもよい。ACKメッセージは、対応する受け取り確認されたデータ・パケットを中央サーバー12が受信した日時を示すタイムスタンプを含む。コントローラはACKメッセージのタイムスタンプと患者モニタ10のクロック28の現在時刻を比較して、患者モニタ・クロック28が同期されるべきかどうか、たとえば患者モニタ・クロック28およびACKメッセージ・タイムスタンプが5秒より多く異なるかどうかを決定する。もう一つの実施形態では、患者モニタ10はダミー・データ・パケットを中央サーバー12または時間サーバー34のいずれかに定期的に送って、患者モニタ・クロック28を中央サーバー時間に同期させるためのACKメッセージの返信をさせる。患者モニタ10は好ましくは、患者モニタがオンになったときまたは所定の時間間隔で、たとえば毎時、ダミー・データ・パケットを送信する。ダミー・データ・パケットを受信するのに応答して、中央サーバー12または時間サーバー34は、中央サーバー12または時刻サーバー28のタイムスタンプを含むACKメッセージを患者モニタ10に送信する。次いで患者モニタ10のクロック28の時刻は同期の目的で患者モニタ10タイムスタンプと比較される。患者モニタ10の動作が同期の間に影響されるのを防ぐため、コントローラ18は患者モニタ・クロック28の同期を、何らかの進行中の動作が完了するまで遅らせる。たとえば、患者記録が開いている場合、コントローラ18は同期を、患者記録が閉じられるまで遅らせる;患者測定が行われている場合、コントローラは測定が終了し、タイムスタンプ付けされ、記録中にログされるまで同期を遅らせる;患者ストリップ(patient strip)が患者モニタ10から印刷されているときは、コントローラ18は印刷が完了するまで同期を遅らせる;などである。
【0018】
任意的に、同期ユニット32が患者モニタのクロック28の中央サーバーまたは時刻サーバー34への同期を制御する。たとえば、同期ユニット30は患者モニタ10の時刻を、中央サーバー12または時刻サーバー34のいずれかから送信されるACKメッセージのタイムスタンプと突き合わせてチェックする。患者モニタ10のクロックと中央サーバー12もしくは時刻サーバー34からのタイムスタンプとの間の差が、時間からの所定の量、たとえば5秒より大きい場合、同期ユニット30は患者モニタ・クロック28を中央サーバー12または時刻サーバー34のタイムスタンプに同期させる。同期ユニット30は、好適なプログラムされたコンピュータまたはプロセッサ、コントローラ・プロセッサによって適用されるソフトウェアなどを含んでいてもよい。
【0019】
患者モニタ10と中央ステーション12および時刻サーバー34との間の通信リンクは無線であってもよい。患者モニタ10がたとえばIVスタンドに取り付けられるまたは身につけられる局所モニタにおいて具現される場合、患者は、患者モニタ10を伴って直近を離れることができる。患者モニタ10と中央ステーション12および時刻サーバー34との間の無線通信は、患者データ・パケットを通信できつつ、患者にとってより大きな移動可能性を許す。患者モニタ10がより恒久的な設備において具現される場合には、患者モニタ10と中央ステーション12および時刻サーバー34との間の通信リンクは標準的なイーサネット(登録商標)ネットワーク・ケーブルのような有形の線であってもよい。
【0020】
中央サーバー12は、複数の患者モニタ10から患者データ・パケットを受信する。中央サーバー12は、医療オフィスもしくは診療所、病院、ヘルスケア・ネットワークなどのための中央患者データベース・サーバーのように、諸患者モニタ10に関してしばしば中央的に位置される。患者モニタ10は患者データ・パケットを中央サーバー12のコントローラ36に送信する。患者データ・パケットを受信するのに応答して、コントローラ36はACKメッセージを生成する。コントローラ36は生成されたACKメッセージを、患者データ・パケットを送信した患者モニタ10に送信する。コントローラ36は情報、ダミー患者パケット、患者データ・パケット、ACKメッセージ、拒否メッセージなどを患者モニタ10に、RS232、HL&LAN、NTPプロトコル、SNTPプロトコルなどを含む通信手段を通じて送受信してもよい。中央サーバー12は、患者データ・パケットおよび患者モニタ10から受信される他の患者情報のためのメモリ38における記憶をも提供する。典型的には、データは患者ごとに分類されるが、データ・マイニングを助けるために診断、治療などによってインデックス付けされてもよい。
【0021】
中央サーバー12のコントローラ36は、患者モニタ10から受信された患者情報を表示するために中央サーバー12のディスプレイ40をも制御する。中央サーバー12は、システム管理者などのユーザーがディスプレイ40上に表示されたデータを閲覧し、操作し、および/または該データと対話したり、あるいは特定の患者モニタ10または中央サーバー12を手動で同期させたりすることができるようにする入力装置42をも含む。入力装置42は、別個のコンポーネントであってもよいし、タッチスクリーン・モニタの場合のようにディスプレイ30中に統合されていてもよい。メモリは、レポートを生成する、診断を実行する、最善の治療について解析するなどのために、臨床担当者によってリモートにもアクセス可能である。
【0022】
コントローラは、下記で詳述する動作を実行するための患者データ処理、記憶および検索ソフトウェアおよび任意的に時間同期ソフトウェアを実行するよう構成されたプロセッサ、たとえばマイクロプロセッサをも含む。典型的には、制御ソフトウェアは、メモリまたはコンピュータ可読媒体38に記憶され、プロセッサ44により実行される。コンピュータ可読媒体38の型は、ハードディスク・ドライブ、CD-ROM、DVD-ROMなどのメモリを含む。プロセッサ44の他の実装も考えられる。ディスプレイ・コントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC: Application Specific Integrated Circuit)およびマイクロコントローラが、プロセッサ38の機能を提供するために実装されうる他の型のコンポーネントの例示的な例である。諸実施形態は、プロセッサ、ハードウェアまたはそれらの何らかの組み合わせによる実行のためのソフトウェアを使って実装されてもよい。
【0023】
クロック46も中央サーバー12に含められ、コントローラ36によって制御される。クロック46は中央サーバーの時刻および日付を追跡する。クロック46は中央サーバー12の時刻および日付を、中央サーバーのコントローラ36によって生成されるACKメッセージ上のタイムスタンプのためにも供給する。任意的に、コントローラ36は中央サーバー12のクロック46の、時刻サーバー34への同期を制御する。任意的に、同期ユニット48が中央サーバー・クロック46の時刻サーバー34への同期を制御する。同期ユニット48は、好適なプログラムされたコンピュータもしくはプロセッサ、プロセッサによって適用されるソフトウェアなどを含んでいてもよい。
【0024】
時刻サーバー34は、基準クロック50から病院のための基準時刻を維持する。時刻サーバー34はしばしば、中央時刻サーバーなどのように、中央サーバー12および患者モニタ14に関して中央的に位置される。基準クロック50は、病院の基準日時を追跡する。ある実施形態における基準クロック50は、コンピュータ、研究者などが使用する、政府が維持する標準的な国家のまたは世界の基準クロックである。もう一つの実施形態では、基準クロック50は国家または世界の基準クロックと、NTPまたはSNTPプロトコルを使って同期される。
【0025】
ある実施形態では、タイマー・サーバー34はダミーまたは本物のデータ・パケットを複数の患者モニタ10から受信する。データ・パケットを受信するのに応答して、コントローラ52は、クロック50によって追跡される基準日時を示すタイムスタンプを有するACKメッセージを生成する。コントローラ52は生成されたACKメッセージを、患者データ・パケットを送信した患者モニタ10に送信する。コントローラ52は、情報、ダミー患者パケット、患者データ・パケット、ACKメッセージを中央サーバー12および患者モニタ10に、RS232、HL&LAN、NTPプロトコル、SNTPプロトコルなどを含む通信手段を通じて送受信してもよい。
【0026】
時刻サーバー34のコントローラ52は、病院時間情報を表示するために時刻サーバー34のディスプレイ54をも制御する。時刻サーバー24は、システム管理者などのユーザーがディスプレイ54上に表示されたデータを閲覧し、操作し、および/または該データと対話したり、あるいは特定の患者モニタ10または中央サーバー12を手動で同期させたりすることができるようにする入力装置56をも含む。入力装置56は、別個のコンポーネントであってもよいし、タッチスクリーン・モニタの場合のようにディスプレイ54中に統合されていてもよい。
【0027】
コントローラは、時間維持および同期ソフトウェアを実行するよう構成されたプロセッサ58、たとえばマイクロプロセッサをも含む。
【0028】
図2に示されるように、患者モニタ10は患者データ・パケット70を中央サーバー12に送信する。患者モニタ10から患者データ・パケット70を受信するのに応答して、中央サーバー12は、ACKメッセージ72を送信側の患者モニタ10に送信して、患者モニタ10に患者データ・パケット70が中央サーバー12受信されたことを通知する。ACKメッセージ72は、中央サーバー12の日時を示すキャラクタのシーケンスを含むタイムスタンプ74を含む。ある実施形態では、ACKメッセージ72は、患者データ・パケットが中央サーバー12によって拒否される場合にさえ送られる。もう一つの実施形態では、患者モニタ10はダミー・データ・パケット70を中央12または時刻サーバー34に送ることによって同期される。ダミー・データ・パケットを受信するのに応答して、中央12または時刻34サーバーは、中央12または時刻34サーバーの日時を示すタイムスタンプ74を含むACKメッセージ72を送信する。
【0029】
図3を参照するに、患者モニタ10のディスプレイ22が示されている。患者モニタに関連付けられる患者の生理データおよび情報がディスプレイ22内に表示される。ディスプレイ22は、患者IDサブディスプレイ80、ECGサブディスプレイ82、SpO2サブディスプレイ84、脈サブディスプレイ86などを示しうる。患者モニタ10は、10の時間的な変化が所定量より大きいかどうか、たとえば患者モニタ時間が30秒変化することを示すアラームを含む。患者モニタ10の時間的変化が所定量より大きい場合には、アラームが作動して、患者モニタ10がタイミング問題に遭遇したことがありうることを、保守および医療人員に警告する。アラームは、患者データがタイミング問題に遭遇したことがありうることを示す、音響アラーム・スピーカーまたは視覚アラーム88、たとえば患者記録およびサブディスプレイに加えられる同期ラインを含む。もう一つの実施形態では、同期ライン88は、前記所定の時間より大きい同期または時刻調整が発生するたびに患者記録およびサブディスプレイに加えられる。
【0030】
ある実施形態では、患者モニタ10のディスプレイ22におけるユーザー・インターフェースまたはドロップダウン・メニュー90は、システム管理者が、患者モニタ10の同期の個別的な諸側面を定義できるようにする。インターフェースまたはメニュー90はシステム管理者が手動で患者モニタ10の日時を同期92させることを許容する。インターフェースまたはメニュー90はまた、システム管理者が、患者モニタ10の日時が正確であることを保証するために患者モニタ10が定期的にダミー・データ・パケットを送信する同期時間94を調整することをも許容する。ある実施形態では、すべての患者モニタ10が同時に、中央12または時刻34サーバーのいずれかにダミー・データ・パケットを送る。もう一つの実施形態では、諸患者モニタ10は、中央サーバー12の過負荷を防ぐため、1時間のうちの異なる時刻にダミー・データ・パケットを送る。もう一つの実施形態では、ダミー・パケットが送られるのは、最後のデータ送信以降の時間が所定の条件を超える場合にのみである。同期時間94とともに、ダミー・データ・パケットが送られる位置96も設定されることができる。中央サーバー12がダミー・データ・パケットで過負荷になるのを防ぐためである。ある実施形態では、ダミー・データ・パケットは中央サーバー12に送られる。もう一つの実施形態では、ダミー・データ・パケットは時刻サーバー34に送られる。患者モニタ10の時間的な変化が所定量より大きいかどうかを示すために、アラーム98または警告が追加的に含められる。前記所定量もシステム管理者によって決定されることができる。インターフェースまたはメニュー90は、システム管理者が、患者モニタ10を同期させるのに必要とされる、患者モニタ・クロック28とタイムスタンプの間の時間の量100をも調整できるようにする。
【0031】
図4を参照するに、患者モニタリング装置のコントローラの動作の流れ図が示されている。ステップ110では、患者データが患者モニタから中央サーバーに送信される。ステップ112では、ACKメッセージが患者モニタによって、患者データを受信するのに応答して中央サーバーから、受信される。ステップ114では、患者モニタのクロックがACKメッセージのタイムスタンプと比較される。ステップ116では、患者モニタのクロックがACKメッセージのタイムスタンプから第一の所定量より多く外れているかどうかが判定される。患者モニタ・クロックがACKメッセージのタイムスタンプから前記第一の所定量より多く外れていることに応答して、ステップ118で、患者モニタのクロックとACKメッセージのタイムスタンプの間の差が第二の所定量より大きいかどうかが判定される。患者モニタのクロックとACKメッセージのタイムスタンプの間の差が前記第二の所定の値より大きくない場合、ステップ120で、患者モニタのクロックはACKメッセージのタイムスタンプに同期させられる。患者モニタのクロックとACKメッセージのタイムスタンプの間の差が前記第二の所定の値より大きい場合、ステップ122で患者モニタがACKメッセージのタイムスタンプに同期させられ、ステップ124で時間の食い違いおよび警告が患者記録上でマークされ、ステップ126でエラー・メッセージが適切な人員に送られる。
【0032】
図5を参照するに、患者モニタリング・システムの動作の流れ図が示されている。ステップ140で、患者モニタのクロックが、最後に同期が検査されて以降第三の所定量の時間内に同期されたかどうかが判定される。クロックが前記第三の所定量の時間内に同期されていない場合には、ステップ142で、ダミー患者データが患者モニタから中央サーバーまたは時刻サーバーに送信される。ステップ144で、ACKメッセージが患者モニタによって、患者データを受信するのに応答して中央サーバーまたは時刻サーバーから受信される。ステップ146では、患者モニタのクロックがACKメッセージのタイムスタンプと比較される。ステップ148では、患者モニタのクロックが、ACKメッセージのタイムスタンプから前記第一の所定量より大きく外れているかどうかが判定される。患者モニタ・クロックがACKメッセージのタイムスタンプから前記第一の所定量より大きく外れているのに応答して、ステップ150で、患者モニタのクロックとACKメッセージのタイムスタンプの間の差が前記第二の所定量より大きいかどうかが判定される。患者モニタのクロックとACKメッセージのタイムスタンプの間の差が前記第二の所定の値より大きくない場合、ステップ152で、患者モニタのクロックはACKメッセージのタイムスタンプに同期させられる。患者モニタのクロックとACKメッセージのタイムスタンプの間の差が前記第二の所定の値より大きい場合、ステップ154で患者モニタがACKメッセージのタイムスタンプに同期させられ、ステップ156で時間の食い違いおよび警告が患者記録上でマークされ、ステップ158でエラー・メッセージが適切な人員に送られる。
【0033】
本発明について好ましい実施形態を参照しつつ述べてきた。以上の記述を読み、理解すれば他の者にも修正および変更が思いつくことがありうる。本発明は、付属の請求項またはその等価物の範囲内にはいる限り、そのようなすべての修正および変更を含むと解釈されることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者モニタリング装置を同期させる方法であって:
前記患者モニタリング装置から患者データ・パケットをサーバーに送信する段階と;
前記患者モニタリング装置において、前記サーバーが送信された患者データ・パケットを受信するのに応答して受け取り確認(ACK)メッセージを前記サーバーから受信する段階と;
前記患者モニタリング装置のクロックを前記ACKメッセージ中のタイムスタンプに従って同期させる段階とを含む、
方法。
【請求項2】
請求項1記載の患者モニタリング装置を同期させる方法であって、さらに:
受信された前記ACKメッセージ中の前記タイムスタンプと前記患者モニタリング装置の前記クロックとの間の差が第一の所定の時間より大きいことに応答して前記患者モニタリング装置のクロックを同期させることを含む、
方法。
【請求項3】
請求項1または2記載の患者モニタリング装置を同期させる方法であって、さらに:
前記同期が前記クロックの時間を第二の所定の時間より大きく変化させることに応答して同期警告を生成する段階を含む、
方法。
【請求項4】
請求項1または2記載の患者モニタリング装置を同期させる方法であって、さらに:
第三の所定の時間内に前記患者モニタリング装置の前記クロックが同期されなかったことに応答して、前記サーバーにダミー・データ・パケットを送信する段階を含む、
方法。
【請求項5】
請求項1ないし4のうちいずれか一項記載の患者モニタリング装置を同期させる方法であって、さらに:
1)患者記録が開いている、2)患者測定が行われている、3)患者記録が印刷中であるまたは4)患者データが送信中であるのうちの少なくとも一つに応答して前記患者モニタリング装置の同期を遅らせることをさらに含む、
方法。
【請求項6】
請求項1ないし5のうちいずれか一項記載のメッセージを実行するようプロセッサを制御するソフトウェアを担持するコンピュータ可読媒体。
【請求項7】
患者についての生理データを検知する複数のセンサーと;
請求項1ないし5のうちいずれか一項記載の方法を実行するようプログラムされたプロセッサとを有する、
患者モニタリング装置。
【請求項8】
患者モニタリング装置であって:
患者から生理データを収集する複数のセンサーと;
収集された生理データから生成される患者データ・パケットをサーバーに送信し、前記患者データ・パケットを受信するのに応答しての前記サーバーからの受け取り確認(ACK)メッセージを受信するコントローラと;
当該患者モニタリング装置のクロックを前記ACKメッセージのタイムスタンプに同期させる同期ユニットとを有する、
患者モニタリング装置。
【請求項9】
前記同期ユニットが、前記ACKメッセージ中の前記タイムスタンプと当該患者モニタリング装置の前記クロックとの間の差が第一の所定の時間より大きいことに応答して前記患者モニタリング装置の前記クロックを同期させる、
請求項6記載の患者モニタリング装置。
【請求項10】
前記同期の際の当該患者モニタリング装置の時間変化が第二の所定の時間より大きいことに応答して前記患者の生理データ上に同期警告を表示するディスプレイをさらに有する、
請求項8または9記載の患者モニタリング装置。
【請求項11】
前記コントローラが、第三の所定の時間内に当該患者モニタリング装置の前記クロックが同期されなかったことに応答して、前記サーバーにダミー・データ・パケットを送信する、請求項8ないし10のうちいずれか一項記載の患者モニタリング装置。
【請求項12】
前記コントローラが、前記ACKメッセージ中の前記タイムスタンプとの間の差が第一の所定の時間より大きいことに応答して、前記クロックの時間変化が第二の所定量より大きいことを示すデータ・パケットを生成し、送信する、請求項8ないし11のうちいずれか一項記載の患者モニタリング装置。
【請求項13】
請求項8ないし12のうちいずれか一項記載の患者モニタリング装置を複数有し;
患者データ・パケットを受信するのに応答して、タイムスタンプを有する受け取り確認(ACK)メッセージを送信するサーバーを有する、
患者モニタリング・システム。
【請求項14】
請求項13記載の患者モニタリング・システムであって、前記サーバーは:
患者記録メモリと;
前記患者データ・パケットを受信し、前記ACKメッセージを送り、前記患者記録メモリ中に、前記患者データ・パケットからの患者データおよび同期の際の患者モニタリング装置のクロック時間における変化に関するメッセージを記憶するコントローラとを有する、
患者モニタリング・システム。
【請求項15】
請求項13または14記載の患者モニタリング・システムであって、前記サーバーが、前記ACKメッセージの前記タイムスタンプのための時間情報を供給するクロックを含み、
前記サーバーの前記クロックを定期的に調整する時刻サーバーをさらに含む、
患者モニタリング・システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−502632(P2013−502632A)
【公表日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−525225(P2012−525225)
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【国際出願番号】PCT/IB2010/053154
【国際公開番号】WO2011/021115
【国際公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】