患者生理学的情報において臨床的に重要な変化とアーティファクトとを区別するための方法及び装置
患者生理学的情報モニタリング用システムは、複数の患者モニタリング用装置(6)及び生理学的情報分析器(2)を有する。複数の患者モニタリング用装置(6)は、患者からの生理学的情報をモニタし、対応する生理学的信号を生成する。生理学的情報分析器(2)は、モニタされた生理学的情報を処理し、生理学的変化が臨床的に重要な事象であるか又はアーティファクトであるかを判定する。生理学的情報分析器は、患者モニタリング用装置から生理学的信号を受信する少なくとも1つの受信器(4)と、受信された生理学的信号の対からモルフォグラムを生成する信号相関器(10)と、各々のモルフォグラムについての標識を演算するように各々のモルフォグラムにウェーブレット分解を適用する標識生成器(12)と、サンプリング間隔内で又はサンプリング間隔に亘って前記モルフォグラムについての標識を比較し、そして生理学的変化が臨床的に重要な変化であるか又はアーティファクトであるかを判定する判定構成要素(14)と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者モニタリングに関する。本発明は、患者モニタリング装置により捕捉される生理学的変化が臨床的に重要であるかアーティファクトであるかの判定に対する特定のアプリケーションに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの集中治療/救命治療ユニット(ICU/CCU)における患者は変化する生理学的状態を有する。そのような患者は、臨床的に重要な生理学的変化が生じるときに、悪化する傾向にあり、迅速な介入を定期的に必要とする。それ故、生理学的変化を近くで正確にモニタリングすることにより全体の治療が改善される。そのようなモニタリングは、種々の患者モニタリング装置により達成される。患者モニタリング装置の警報を呼び出す生理学的変化を特に重要である。有効な警報がもたらされるとき、病院のスタッフ(例えば、医師、看護士等)は、患者を診断し且つ処置し始める。多くの場合、診断は、生理学的変化が臨床的に重要な変化を表していない(例えば、誤った警報である)、又は生理学的変化が実際には起こらない(例えば、アーティファクトである)結論を得る。そのような警報は、臨床を妨げ、真の臨床的事象を分かり難くし、集中治療/救命治療状況における人間の介入の回数を増加させる。
【0003】
全ての誤った警報に注意を払うことを減じるように、病院のスタッフは、明らかに誤った警報と、臨床的に重要な生理学的変化に関連する可能性が高い警報との間で解読する(例えば、警報を呼び出す信号又は値を調べることにより)ことを学習する。それ故、スタッフが音声を発する警報を無視することは異常ではない。しかしながら、スタッフは常に、音声を発する誤った警報が後に発生する臨床的事象を、いつ分かり難くするかを確実にすることができるとは限らない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一特徴においては、生理学的変化が、関連する標識全てにおける変化(臨床学的に重要な変化)と関連するかどうか、又は生理学的変化が、共通信号を有する標識の副集合(アーティファクト)のみと関連するかどうかを判定するように、患者モニタリング装置により取得された生理学的信号のモルフォグラム(morphogram)が、互いと比較される一意の標識を生成するようにウェーブレット分解により分解される。
【0005】
他の特徴においては、患者の生理学的情報モニタリングシステムは、複数の患者モニタリング装置及び生理学的情報分析器を有する。複数の患者モニタリング装置は、患者から生理学的情報をモニタし、対応する生理学的信号を生成する。生理学的情報分析器は、モニタされた生理学的情報を処理し、生理学的変化が臨床的に重要な事象であるか又はアーティファクトであるかを判定する。生理学的情報分析器は、患者モニタリング装置から生理学的信号を受信する少なくとも1つの受信器と、受信された生理学的信号の対からモルフォグラムを生成する信号相関器と、各々のモルフォグラムについて標識を演算するように各々のモルフォグラムにウェーブレット分解を適用する標識生成器と、サンプリング間隔において及びそれに亘ってモルフォグラム標識を比較し、生理学的変化が臨床的に重要な変化であるか又はアーティファクトであるかを判定する判定構成要素と、を有する。
【0006】
一有利点は、患者モニタリング装置により捕捉された生理学的変化が臨床的に重要な変化であるか又はアーティファクトであるかの判定することにある。
【0007】
他の有利点は、患者モニタリング装置の誤った警報を減じることにある。
【0008】
他の有利点は、同様な正確度を達成する他の方法に対してモニタリングコストを減少させることにある。
【0009】
他の有利点は、患者モニタリング分解能を向上させることにある。
【0010】
更なる有利点については、好適な実施形態の詳細説明を読んで、理解することにより、当業者は理解することができるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、患者モニタリング装置により捕捉された生理学的変化が臨床的に重要な変化であるときに、臨床スタッフに警報を出すための患者生理学的情報モニタリングシステムを示している。患者生理学的情報モニタリングシステムは、モニタリングされた患者生理学的情報を分析し、生理学的情報における何れかの特定の摂動が臨床的に重要な生理学的変化と関連しているかどうかの判定を表現する生理学的情報分析器(“分析器”)を有する。
【0012】
分析器2は、患者の生理学的状態を表す患者生理学的情報を受信する1つ又はそれ以上の受信器4を有する。そのような生理学的情報は、1つ又はそれ以上の患者モニタリング装置6(例えば、心臓モニタ、血行動態モニタ等)から及び/又は患者に設置された又は患者に近接しているセンサ(図示せず)から直接、得られる。例示として、胸痛を有する患者は、典型的には、患者の体に方策上、位置付けられている複数の心電計(ECG)リード(例えば、3つのリード、5つのリード)から心臓に関連する電気信号を収集する心電計(ECG)を有するヘルスケア施設においてモニタリングされる。収集された信号は、医師又は他の医療スタッフによる観測のために、処理され、視覚的に表示される(例えば、紙又はモニタに)。そのような信号は、1つ又はそれ以上の受信器4にECGにより(例えば、無線及び/又は有線接続を介して)供給されることが可能である。患者モニタリング装置6から標準的に捕捉され且つ処理された生理学的情報(例えば、ECG信号)を用いることにより、患者モニタリング装置へのソフトウェア、ハードウェア又は建築上の変化についての何れの必要性を伴うことなく、既存の患者モニタリング装置に分析器2の継ぎ目のない組み込みが可能である。他のモニタリング装置は、例えば、血圧、血中酸素、呼吸等の他の生理学的データをモニタし、モニタと通信し、受信器4に情報を与える。
【0013】
受信器の各々は、1つ又はそれ以上の患者モニタリング装置6から生理学的情報を収集するように独立して構成される。2つ以上の患者モニタリング装置6から生理学的情報を収集する受信器は、共有の又は少なくとも1つ以上の専用のチャネルを介して直列に若しくは並列チャネルを介して同時にそのような情報を収集することができる。2つ以上の受信器4が、2つ以上の患者モニタリング装置6から生理学的情報を収集する場合、受信器4の副集合は、同じモニタリング装置又は類似するモニタリング装置の群から生理学的情報を収集することが可能である。
【0014】
受信器4の各々は、あるサンプリングレートのサンプリング間隔の間に生理学的情報を収集する(例えば、Y秒毎にX秒間、データを収集し、ここで、X及びYは正の実数であり、X≦Yである)何れかの一の受信器についてのサンプリング間隔及びサンプリングレートは、少なくとも一部が、生理学的情報をモニタしている患者モニタリング装置の警報、分析器2の分解能、処理パワー及びメモリサイズ、並びに主治医である臨床医の裁量に基づいている。例えば、典型的な患者モニタリング装置により、警報範囲にある生理学的状態が、安定に達し(そして、例えば、高い正確度で警報をもたらし)、患者の動き、誤った信号等のための誤った警報を減少させるように、関連警報が発せられる前に、ある時間の期間(待ち時間の期間)に亘ってモニタされる。例えば、一連の異常な血圧の読み取りは、血圧警報の呼び出しに先だって約12秒の分析期間(例えば、実際の時間は患者モニタリング装置/製造業者に依存している)の間にモニタされることが可能である。血圧値が待ち時間の期間の経過に先行して警報範囲を超える場合、血圧警報はもたらされない。しかし、血圧値が警報条件範囲内に留まる場合、血圧警報が、待ち時間の期間の経過時にもたらされる。
【0015】
特定の受信器のサンプリングレートは、患者モニタリング装置が警報の音声を発する前に又は発するときに、重要な生理学的変化が生じたかどうかに関する判定を分析器2が表すことが可能であるように、関連モニタリング装置の待ち時間の期間の一部である。他の実施形態においては、分析器2は、臨床的に重要な生理学的変化が生じたことを判定するときに、警報の音声を発する(例えば、分析器自体の警報は、中央モニタリングステーションに表示され、時期を早めて警報を発するようにモニタリング装置を呼び出す)。そのような警報条件は、モニタリング装置の待ち時間の期間が経過する前に、分析器2により十分に決定されることが可能であり、それにより、臨床的に重要な生理学的変化とその処置との間の時間を短縮させることが可能である。他の実施形態においては、分析器2は、生理学的変化がアーティファクトであることを分析器が判定するときに、警報を回避する又はオフに切り替えるように、患者モニタリング装置に信号を送信することが可能である。
【0016】
例示としての実施形態においては、受信器4は、記憶媒体8(例えば、RAM、キャッシュメモリ等)において受信された生理学的情報を記憶する又は更に処理するために、信号相関器10にその生理学的情報を搬送する。生理学的情報は、少なくとも一部がデータがモニタリング装置並びにサンプリング間隔及び時間に基づいて分離可能であるように、搬送される/記憶される。それ故、特定のモニタリング装置に関連する及び/又は特定のサンプリング間隔の間に収集される生理学的情報は、識別される及び検索されることが可能である。例えば、k番目(ここで、kは1以上の整数である)のサンプリング間隔について収集されたECGからの生理学的情報は、サンプリング間隔全てに亘って収集された生理学的情報全てにおいて識別されることが可能である。
【0017】
より具体的には、信号相関器10は、同時のサンプリング間隔の間に捕捉された生理学的情報を有する信号の対についてのモルフォグラムを生成する。それ故、生理学的情報がN個の異なるモニタ装置からの情報を有する場合に、そのサンプリング間隔について生成されたモルフォグラムの理論的最大数は
【数1】
であり、ここで、Xは加算される変数である。データがL個(ここで、Lは1以上の整数である)のサンプリング間隔について収集された場合、何れかの所定時間におけるモルフォグラムの理論的最大数は
【数2】
である。生成された及び/又は保存されたモルフォグラムの実際の数は、分解能及び処理パワー、記憶媒体8のサイズ並びにモニタする医師等の因子に依存する。生成されたモルフォグラムは、更なる処理、表示又は記憶媒体8における記憶のために、標識生成器12に搬送される。
【0018】
各々のモルフォグラムは、一の生理学的信号の他に対するマッピングである。各々のモルフォグラムは、それら2つの生理学的信号が共にどのように動くかを示す。一のタイプの生理学的信号が他のタイプの生理学的信号に追随する能力は、それら2つのタイプの生理学的信号間の相関性に依存する。患者モニタリング領域において、モルフォグラムは、ECG信号及び動脈血圧(ABP)信号のような生理学的データ間の関係を示す。この関係は、プロット又はグラフのようなツールを用いてマッピングされ、視覚的に表される。例えば、ECGデータは一つの軸に対してマッピングされることが可能であり、ABPデータは他の軸に対してマッピングされ、それ故、その関係は多次元グラフにより視覚的に表される。図2は、ECG−ABPモルフォグラム、即ち、特性標識を示していて、この図において、ECG信号は縦軸に対してマッピングされ、ABP信号は横軸に対してマッピングされている。生理学的信号間のこのマッピングはまた、ある式により象徴的に表されることが可能である。
【0019】
標識生成器12は、サンプリング間隔の各々における各々のモルフォグラムについての標識を演算し、記憶媒体8にそれらの標識を記憶する。それらの標識は、患者モニタリング装置及びサンプリング間隔に基づいて記憶される。例えば、i番目(ここでは、iは1以上の整数である)のサンプリング間隔からのECG信号及びABP信号を用いて生成されたECG−ABPモルフォグラムについての標識が、他の標識から特定されることが可能である。生理学的状態は全て、同じ周期の周期性を有しないため、一部のモルフォグラムは異なるサンプリング間隔に基づいていることが可能である。何れかの所定時間において記憶された標識の数は、少なくとも一部が、例えば、記憶媒体8のサイズ、分析器2の演算パワー及び患者をモニタする医師に基づいている。
【0020】
各々のモルフォグラムの標識は、変曲点、曲率等のようなモルフォグラムの形状の特徴を表す一意の形状記述子である。形状記述子を生成するための適切な変換はウェーブレット変換等を含む。好適な実施形態においては、モルフォグラムは二次元(2D)ウェーブレット変換(2Dウェーブレット分解)により処理される。図3はSymletウェーブレットを表し、そのSymletウェーブレットは、モルフォグラムが類似する形状特徴を有するために、モルフォグラムに基づくECG及びABPを用いる好適な2Dウェーブレットである。勿論、3Dウェーブレット変換が、3つの信号が相関関係付けられる場合に用いられることが可能であり、それ以上の高次についても同様に可能である。
【0021】
モルフォグラムの二次元ウェーブレット分解は、横方向、縦方向及び対角線方向(横方向及び縦方向成分両方を含む)における各々のモルフォグラムを詳細に表す係数の集合を表す。高い相関性の生理学的信号により、3つの係数の集合は2Dモルフォグラムを十分に特徴付けることができる。要求に応じて又は必要に応じて、より多くの係数を生成するように、詳細なレベルが多ければ多い程、演算資源の代償を払って、より正確に分析することができる。典型的には、より多い分解レベルは、より少ない信号から、生成されるモルフォグラムについての形状変化性を捕捉することを容易にする。例えば、正弦波を方形ウェーブレット(低相関度)で特徴付けることは、一般に、正弦を正弦ウェーブレット(高相関度)で特徴付けることより、より高い分解のレベルを必要とする。
【0022】
判定構成要素14は、サンプリング間隔内に及びサンプリング間隔に亘って、標識(係数)を比較する。そのような比較は、関連標識における摂動を検出し、それらの関連標識は生理学的変化を表す。例えば、心臓における生理学的変化は、モルフォグラムに対する変化及びそれらのモルフォグラムから生成される標識をもたらすECG信号及びABP信号の両方又はどちらかに対する変化をもたらす可能性がある。生理学的変化が臨床的に重要な事象であるか又はアーティファクトであるかを判定するための標識を用いるとき、その標識は保持される(例えば、更なる使用のために又は履歴記録として)又は破棄される(例えば、削除される、書き直す、等)ことが可能である。
【0023】
その比較はまた、検出された生理学的変化が臨床的に重要な変化であるか又はアーティファクトであるかを判定するように用いられる。どちらのモニタ状態も警報閾値を超えて変化しない場合でさえ、標識における変化が臨床的に重要であることを理解する必要がある。このようにして、臨床的に重要な事象が早期に検出されることが可能である。判定構成要素14は、形状摂動が生理学的変化に関連する信号を伴う標識にあることに基づいて、生理学的変化は臨床的に重要な変化であることを判定し、その判定構成要素14は、形状摂動が少なくとも1つの共通信号を有する標識の副集合にある場合、生理学的変化はアーティファクトであることを判定する。図4は、N−Kサンプリング間隔に亘って生成されたモルフォグラムの標識が、判定を表すように比較される実施例について示している。
【0024】
ディスプレイ構成要素16は、臨床スタッフによる観測のための標識を視覚化する。そのようなディスプレイは、患者のベッドサイドに及び/又は離れたモニタリングステーションに(例えば、インターネットにおいてナースステーションに)あることが可能である。図5は、図2に示すECG−ABPモルフォグラムの2レベルの2D Symletウェーブレット分解についての係数を表示する例示としてのグラフィカルユーザインタフェースを示している。分解(L1)18の第1レベルは横方向の詳細20、縦方向の詳細22及び対角線方向の詳細24を示し、分解(L2)26の第2レベルは横方向の詳細28、縦方向の詳細30及び対角線方向の詳細32を示す。
【0025】
図5乃至15は、分析器2が患者モニタリング装置6から少なくともABP信号及び2つのECG信号を受信する特定の実施例を示している。図6は、呼吸不全の患者について時間経過に伴って捕捉された生理学的信号の典型的な集合の複数のプロットを示している。それらの信号の集合は、ECGリードII信号34、ECGリードV信号36及びABP信号38を有する。
【0026】
信号相関器10は、少なくともECGリードII信号30、ECGリードV信号36及びABP信号38についてのモルフォグラムを生成する。変化又はアーティファクトを伴わない信号34乃至38の対から生成された3つのモルフォグラムの例について図7乃至9に示している。特に、図7は、ECG信号II/ECG信号V対から生成されたモルフォグラムを示している。図8は、ECG信号II/ABP信号対から生成されたモルフォグラムを示している。図9は、ECG信号V/ABP信号対から生成されたモルフォグラムを示している。
【0027】
図7乃至9全てにおけるモルフォグラムは、アーティファクトが存在しない限り、各々について繰り返す良好な形状を有し、患者は生理学的変化を経験しない。ABP信号及び種々のECG信号は高い相関性を有するため、結果として得られるモルフォグラムは、サンプリングレートが心拍より大きいときに、1つの心拍について相関する信号を表す特徴的なモルフォロジを示す。多くの例において、ECG−ECG及びABP−ECGモルフォグラムは、患者において一般化されることが可能である特徴的な形状を有する。
【0028】
ABP波はQRS波形の後に遅れるため、図8及び9におけるABP−ECGモルフォグラムは特徴的な“L字”形状(又は、逆向きの“L字”形状)を有する。ABPが小さい値にあるとき、ECGは略最大値(又は、最小値)である。同様に、ECGが略中間値であるとき、ABPは略最大値である。ABP信号とECG信号との間のこの相関性は、特徴的な“L字”形状からなる。図7におけるECG−ECGモルフォグラムのパターンは、約45度又は135度の典型低な対角線方向に沿って現れている(例えば、バー又は長円として)。この形状は、両方の信号が同時に極限(例えば、QRS波形におけるある点)に達したために得られる。
【0029】
標識からのかなりの逸脱を示すモルフォグラムは容易に検出される。同様に、時間の経過につれて変化するモルフォグラム(例えば、“L字”の1つの足に沿った次第の短縮化)が検出されることが可能であり、その変化速度は、臨床的に重要である可能性がある。発見された基本的なことは、生理学的変化は信号全てに影響を与える可能性が高いことであり、それ故、全てのモルフォグラムにおいて摂動が存在し、アーティファクトは、単独の信号のみに影響を与える可能性が高く、それ故、その信号を含むモルフォグラムのみにおいて摂動が存在する。図10乃至12は、モルフォグラムが患者の状態における生理学的変化のために摂動されるグラフィカルな例を示している。それらのパターンにおける変化(図7乃至9において示している生理学的変化又はアーティファクトを有しないパターンに対比して)は、その信号から生成されるモルフォグラムにおいて明らかであり、モルフォグラムのモルフォロジの各々において摂動が存在する。図13乃至15は、アーティファクトがABP信号において生じる時間期間の間に肺水腫の患者についてのグラフィカルな例を示している。図示しているように、ABP信号(図14及び15)を有するモルフォグラムのみが摂動される。2つのECG信号についての図13におけるモルフォグラムは特徴的な対角線方向の長円形状を保持し、ABP信号及び2つのECG信号のどちらかを有する図14及び15における2つのモルフォグラムはかなり歪んでいる。この例における信号がかなり相関性を有する場合、図14及び15におけるモルフォグラムのみにおける変化はアーティファクト(例えば、その信号については、機械的問題)を表す。
【0030】
標識生成器12はECG−ECG及び2ECG−ABPモルフォグラムを特徴付ける標識又は一意の形状記述子を演算する。上記のように、好適な実施形態(この実施例)においては、2D Symletウェーブレットが、モルフォグラム標識を生成するように用いられる。判定構成要素14は、所定数のサンプリング間隔内に又は所定数のサンプリング間隔に亘って標識(係数)を比較する。そのような比較は、生理学的変化を検出するために、及びそれらの変化が臨床的に重要な生理学的変化であるか又はアーティファクトであるかを判定するために用いられる。判定構成要素14は、形状摂動が生理学的変化に関連する信号から生成された標識にある場合に、臨床的に重要な変化であると判定する。同様に、判定構成要素14は、形状摂動が少なくとも1つの共通信号を有する標識の副集合のみにある、そして異なるモニタからの関連信号の標識がそうではない場合に、生理学的変化はアーティファクトであると判定する。標識の1つ又はそれ以上が、医療スタッフによるモニタリングのためにインタフェースに表示される。
【0031】
本発明については、好適な実施形態に関連付けて説明している。上記の詳細説明を読んで理解することにより、当業者は、多くの修正及び変形が可能であることが理解できる。そのような修正及び変形の全ては、同時提出の特許請求の範囲における範囲内又はそれらと同等の範囲内に包含されるために、本発明はそれらの修正及び変形の全てを含むように意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】患者の生理学的情報において臨床的に重要な変化とアーティファクトとの間の区別を容易にするシステムを示す図である。
【図2】例示としてのECG−ABPモルフォグラムを示す図である。
【図3】例示としてのSymletウェーブレットを示す図である。
【図4】N−Kサンプリング間隔における標識の比較のルーチンを示す図である。
【図5】標識係数を表示するための例示としてのグラフィカルユーザインタフェースを示す図である。
【図6】呼吸不全の患者について、時間経過につれて捕捉される生理学的信号の典型低な集合の複数のプロットを示す図である。
【図7】ABP信号及び2つのECG信号からの対により生成された例示としてのモルフォグラムを示す図である。
【図8】ABP信号及び2つのECG信号からの対により生成された例示としてのモルフォグラムを示す図である。
【図9】ABP信号及び2つのECG信号からの対により生成された例示としてのモルフォグラムを示す図である。
【図10】患者の状態における生理学的変化のために摂動されたモルフォグラムのグラフィカルな実施例を示す図である。
【図11】患者の状態における生理学的変化のために摂動されたモルフォグラムのグラフィカルな実施例を示す図である。
【図12】患者の状態における生理学的変化のために摂動されたモルフォグラムのグラフィカルな実施例を示す図である。
【図13】アーティファクトのために摂動されたモルフォグラムのグラフィカルな実施例を示す図である。
【図14】アーティファクトのために摂動されたモルフォグラムのグラフィカルな実施例を示す図である。
【図15】アーティファクトのために摂動されたモルフォグラムのグラフィカルな実施例を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者モニタリングに関する。本発明は、患者モニタリング装置により捕捉される生理学的変化が臨床的に重要であるかアーティファクトであるかの判定に対する特定のアプリケーションに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの集中治療/救命治療ユニット(ICU/CCU)における患者は変化する生理学的状態を有する。そのような患者は、臨床的に重要な生理学的変化が生じるときに、悪化する傾向にあり、迅速な介入を定期的に必要とする。それ故、生理学的変化を近くで正確にモニタリングすることにより全体の治療が改善される。そのようなモニタリングは、種々の患者モニタリング装置により達成される。患者モニタリング装置の警報を呼び出す生理学的変化を特に重要である。有効な警報がもたらされるとき、病院のスタッフ(例えば、医師、看護士等)は、患者を診断し且つ処置し始める。多くの場合、診断は、生理学的変化が臨床的に重要な変化を表していない(例えば、誤った警報である)、又は生理学的変化が実際には起こらない(例えば、アーティファクトである)結論を得る。そのような警報は、臨床を妨げ、真の臨床的事象を分かり難くし、集中治療/救命治療状況における人間の介入の回数を増加させる。
【0003】
全ての誤った警報に注意を払うことを減じるように、病院のスタッフは、明らかに誤った警報と、臨床的に重要な生理学的変化に関連する可能性が高い警報との間で解読する(例えば、警報を呼び出す信号又は値を調べることにより)ことを学習する。それ故、スタッフが音声を発する警報を無視することは異常ではない。しかしながら、スタッフは常に、音声を発する誤った警報が後に発生する臨床的事象を、いつ分かり難くするかを確実にすることができるとは限らない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一特徴においては、生理学的変化が、関連する標識全てにおける変化(臨床学的に重要な変化)と関連するかどうか、又は生理学的変化が、共通信号を有する標識の副集合(アーティファクト)のみと関連するかどうかを判定するように、患者モニタリング装置により取得された生理学的信号のモルフォグラム(morphogram)が、互いと比較される一意の標識を生成するようにウェーブレット分解により分解される。
【0005】
他の特徴においては、患者の生理学的情報モニタリングシステムは、複数の患者モニタリング装置及び生理学的情報分析器を有する。複数の患者モニタリング装置は、患者から生理学的情報をモニタし、対応する生理学的信号を生成する。生理学的情報分析器は、モニタされた生理学的情報を処理し、生理学的変化が臨床的に重要な事象であるか又はアーティファクトであるかを判定する。生理学的情報分析器は、患者モニタリング装置から生理学的信号を受信する少なくとも1つの受信器と、受信された生理学的信号の対からモルフォグラムを生成する信号相関器と、各々のモルフォグラムについて標識を演算するように各々のモルフォグラムにウェーブレット分解を適用する標識生成器と、サンプリング間隔において及びそれに亘ってモルフォグラム標識を比較し、生理学的変化が臨床的に重要な変化であるか又はアーティファクトであるかを判定する判定構成要素と、を有する。
【0006】
一有利点は、患者モニタリング装置により捕捉された生理学的変化が臨床的に重要な変化であるか又はアーティファクトであるかの判定することにある。
【0007】
他の有利点は、患者モニタリング装置の誤った警報を減じることにある。
【0008】
他の有利点は、同様な正確度を達成する他の方法に対してモニタリングコストを減少させることにある。
【0009】
他の有利点は、患者モニタリング分解能を向上させることにある。
【0010】
更なる有利点については、好適な実施形態の詳細説明を読んで、理解することにより、当業者は理解することができるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、患者モニタリング装置により捕捉された生理学的変化が臨床的に重要な変化であるときに、臨床スタッフに警報を出すための患者生理学的情報モニタリングシステムを示している。患者生理学的情報モニタリングシステムは、モニタリングされた患者生理学的情報を分析し、生理学的情報における何れかの特定の摂動が臨床的に重要な生理学的変化と関連しているかどうかの判定を表現する生理学的情報分析器(“分析器”)を有する。
【0012】
分析器2は、患者の生理学的状態を表す患者生理学的情報を受信する1つ又はそれ以上の受信器4を有する。そのような生理学的情報は、1つ又はそれ以上の患者モニタリング装置6(例えば、心臓モニタ、血行動態モニタ等)から及び/又は患者に設置された又は患者に近接しているセンサ(図示せず)から直接、得られる。例示として、胸痛を有する患者は、典型的には、患者の体に方策上、位置付けられている複数の心電計(ECG)リード(例えば、3つのリード、5つのリード)から心臓に関連する電気信号を収集する心電計(ECG)を有するヘルスケア施設においてモニタリングされる。収集された信号は、医師又は他の医療スタッフによる観測のために、処理され、視覚的に表示される(例えば、紙又はモニタに)。そのような信号は、1つ又はそれ以上の受信器4にECGにより(例えば、無線及び/又は有線接続を介して)供給されることが可能である。患者モニタリング装置6から標準的に捕捉され且つ処理された生理学的情報(例えば、ECG信号)を用いることにより、患者モニタリング装置へのソフトウェア、ハードウェア又は建築上の変化についての何れの必要性を伴うことなく、既存の患者モニタリング装置に分析器2の継ぎ目のない組み込みが可能である。他のモニタリング装置は、例えば、血圧、血中酸素、呼吸等の他の生理学的データをモニタし、モニタと通信し、受信器4に情報を与える。
【0013】
受信器の各々は、1つ又はそれ以上の患者モニタリング装置6から生理学的情報を収集するように独立して構成される。2つ以上の患者モニタリング装置6から生理学的情報を収集する受信器は、共有の又は少なくとも1つ以上の専用のチャネルを介して直列に若しくは並列チャネルを介して同時にそのような情報を収集することができる。2つ以上の受信器4が、2つ以上の患者モニタリング装置6から生理学的情報を収集する場合、受信器4の副集合は、同じモニタリング装置又は類似するモニタリング装置の群から生理学的情報を収集することが可能である。
【0014】
受信器4の各々は、あるサンプリングレートのサンプリング間隔の間に生理学的情報を収集する(例えば、Y秒毎にX秒間、データを収集し、ここで、X及びYは正の実数であり、X≦Yである)何れかの一の受信器についてのサンプリング間隔及びサンプリングレートは、少なくとも一部が、生理学的情報をモニタしている患者モニタリング装置の警報、分析器2の分解能、処理パワー及びメモリサイズ、並びに主治医である臨床医の裁量に基づいている。例えば、典型的な患者モニタリング装置により、警報範囲にある生理学的状態が、安定に達し(そして、例えば、高い正確度で警報をもたらし)、患者の動き、誤った信号等のための誤った警報を減少させるように、関連警報が発せられる前に、ある時間の期間(待ち時間の期間)に亘ってモニタされる。例えば、一連の異常な血圧の読み取りは、血圧警報の呼び出しに先だって約12秒の分析期間(例えば、実際の時間は患者モニタリング装置/製造業者に依存している)の間にモニタされることが可能である。血圧値が待ち時間の期間の経過に先行して警報範囲を超える場合、血圧警報はもたらされない。しかし、血圧値が警報条件範囲内に留まる場合、血圧警報が、待ち時間の期間の経過時にもたらされる。
【0015】
特定の受信器のサンプリングレートは、患者モニタリング装置が警報の音声を発する前に又は発するときに、重要な生理学的変化が生じたかどうかに関する判定を分析器2が表すことが可能であるように、関連モニタリング装置の待ち時間の期間の一部である。他の実施形態においては、分析器2は、臨床的に重要な生理学的変化が生じたことを判定するときに、警報の音声を発する(例えば、分析器自体の警報は、中央モニタリングステーションに表示され、時期を早めて警報を発するようにモニタリング装置を呼び出す)。そのような警報条件は、モニタリング装置の待ち時間の期間が経過する前に、分析器2により十分に決定されることが可能であり、それにより、臨床的に重要な生理学的変化とその処置との間の時間を短縮させることが可能である。他の実施形態においては、分析器2は、生理学的変化がアーティファクトであることを分析器が判定するときに、警報を回避する又はオフに切り替えるように、患者モニタリング装置に信号を送信することが可能である。
【0016】
例示としての実施形態においては、受信器4は、記憶媒体8(例えば、RAM、キャッシュメモリ等)において受信された生理学的情報を記憶する又は更に処理するために、信号相関器10にその生理学的情報を搬送する。生理学的情報は、少なくとも一部がデータがモニタリング装置並びにサンプリング間隔及び時間に基づいて分離可能であるように、搬送される/記憶される。それ故、特定のモニタリング装置に関連する及び/又は特定のサンプリング間隔の間に収集される生理学的情報は、識別される及び検索されることが可能である。例えば、k番目(ここで、kは1以上の整数である)のサンプリング間隔について収集されたECGからの生理学的情報は、サンプリング間隔全てに亘って収集された生理学的情報全てにおいて識別されることが可能である。
【0017】
より具体的には、信号相関器10は、同時のサンプリング間隔の間に捕捉された生理学的情報を有する信号の対についてのモルフォグラムを生成する。それ故、生理学的情報がN個の異なるモニタ装置からの情報を有する場合に、そのサンプリング間隔について生成されたモルフォグラムの理論的最大数は
【数1】
であり、ここで、Xは加算される変数である。データがL個(ここで、Lは1以上の整数である)のサンプリング間隔について収集された場合、何れかの所定時間におけるモルフォグラムの理論的最大数は
【数2】
である。生成された及び/又は保存されたモルフォグラムの実際の数は、分解能及び処理パワー、記憶媒体8のサイズ並びにモニタする医師等の因子に依存する。生成されたモルフォグラムは、更なる処理、表示又は記憶媒体8における記憶のために、標識生成器12に搬送される。
【0018】
各々のモルフォグラムは、一の生理学的信号の他に対するマッピングである。各々のモルフォグラムは、それら2つの生理学的信号が共にどのように動くかを示す。一のタイプの生理学的信号が他のタイプの生理学的信号に追随する能力は、それら2つのタイプの生理学的信号間の相関性に依存する。患者モニタリング領域において、モルフォグラムは、ECG信号及び動脈血圧(ABP)信号のような生理学的データ間の関係を示す。この関係は、プロット又はグラフのようなツールを用いてマッピングされ、視覚的に表される。例えば、ECGデータは一つの軸に対してマッピングされることが可能であり、ABPデータは他の軸に対してマッピングされ、それ故、その関係は多次元グラフにより視覚的に表される。図2は、ECG−ABPモルフォグラム、即ち、特性標識を示していて、この図において、ECG信号は縦軸に対してマッピングされ、ABP信号は横軸に対してマッピングされている。生理学的信号間のこのマッピングはまた、ある式により象徴的に表されることが可能である。
【0019】
標識生成器12は、サンプリング間隔の各々における各々のモルフォグラムについての標識を演算し、記憶媒体8にそれらの標識を記憶する。それらの標識は、患者モニタリング装置及びサンプリング間隔に基づいて記憶される。例えば、i番目(ここでは、iは1以上の整数である)のサンプリング間隔からのECG信号及びABP信号を用いて生成されたECG−ABPモルフォグラムについての標識が、他の標識から特定されることが可能である。生理学的状態は全て、同じ周期の周期性を有しないため、一部のモルフォグラムは異なるサンプリング間隔に基づいていることが可能である。何れかの所定時間において記憶された標識の数は、少なくとも一部が、例えば、記憶媒体8のサイズ、分析器2の演算パワー及び患者をモニタする医師に基づいている。
【0020】
各々のモルフォグラムの標識は、変曲点、曲率等のようなモルフォグラムの形状の特徴を表す一意の形状記述子である。形状記述子を生成するための適切な変換はウェーブレット変換等を含む。好適な実施形態においては、モルフォグラムは二次元(2D)ウェーブレット変換(2Dウェーブレット分解)により処理される。図3はSymletウェーブレットを表し、そのSymletウェーブレットは、モルフォグラムが類似する形状特徴を有するために、モルフォグラムに基づくECG及びABPを用いる好適な2Dウェーブレットである。勿論、3Dウェーブレット変換が、3つの信号が相関関係付けられる場合に用いられることが可能であり、それ以上の高次についても同様に可能である。
【0021】
モルフォグラムの二次元ウェーブレット分解は、横方向、縦方向及び対角線方向(横方向及び縦方向成分両方を含む)における各々のモルフォグラムを詳細に表す係数の集合を表す。高い相関性の生理学的信号により、3つの係数の集合は2Dモルフォグラムを十分に特徴付けることができる。要求に応じて又は必要に応じて、より多くの係数を生成するように、詳細なレベルが多ければ多い程、演算資源の代償を払って、より正確に分析することができる。典型的には、より多い分解レベルは、より少ない信号から、生成されるモルフォグラムについての形状変化性を捕捉することを容易にする。例えば、正弦波を方形ウェーブレット(低相関度)で特徴付けることは、一般に、正弦を正弦ウェーブレット(高相関度)で特徴付けることより、より高い分解のレベルを必要とする。
【0022】
判定構成要素14は、サンプリング間隔内に及びサンプリング間隔に亘って、標識(係数)を比較する。そのような比較は、関連標識における摂動を検出し、それらの関連標識は生理学的変化を表す。例えば、心臓における生理学的変化は、モルフォグラムに対する変化及びそれらのモルフォグラムから生成される標識をもたらすECG信号及びABP信号の両方又はどちらかに対する変化をもたらす可能性がある。生理学的変化が臨床的に重要な事象であるか又はアーティファクトであるかを判定するための標識を用いるとき、その標識は保持される(例えば、更なる使用のために又は履歴記録として)又は破棄される(例えば、削除される、書き直す、等)ことが可能である。
【0023】
その比較はまた、検出された生理学的変化が臨床的に重要な変化であるか又はアーティファクトであるかを判定するように用いられる。どちらのモニタ状態も警報閾値を超えて変化しない場合でさえ、標識における変化が臨床的に重要であることを理解する必要がある。このようにして、臨床的に重要な事象が早期に検出されることが可能である。判定構成要素14は、形状摂動が生理学的変化に関連する信号を伴う標識にあることに基づいて、生理学的変化は臨床的に重要な変化であることを判定し、その判定構成要素14は、形状摂動が少なくとも1つの共通信号を有する標識の副集合にある場合、生理学的変化はアーティファクトであることを判定する。図4は、N−Kサンプリング間隔に亘って生成されたモルフォグラムの標識が、判定を表すように比較される実施例について示している。
【0024】
ディスプレイ構成要素16は、臨床スタッフによる観測のための標識を視覚化する。そのようなディスプレイは、患者のベッドサイドに及び/又は離れたモニタリングステーションに(例えば、インターネットにおいてナースステーションに)あることが可能である。図5は、図2に示すECG−ABPモルフォグラムの2レベルの2D Symletウェーブレット分解についての係数を表示する例示としてのグラフィカルユーザインタフェースを示している。分解(L1)18の第1レベルは横方向の詳細20、縦方向の詳細22及び対角線方向の詳細24を示し、分解(L2)26の第2レベルは横方向の詳細28、縦方向の詳細30及び対角線方向の詳細32を示す。
【0025】
図5乃至15は、分析器2が患者モニタリング装置6から少なくともABP信号及び2つのECG信号を受信する特定の実施例を示している。図6は、呼吸不全の患者について時間経過に伴って捕捉された生理学的信号の典型的な集合の複数のプロットを示している。それらの信号の集合は、ECGリードII信号34、ECGリードV信号36及びABP信号38を有する。
【0026】
信号相関器10は、少なくともECGリードII信号30、ECGリードV信号36及びABP信号38についてのモルフォグラムを生成する。変化又はアーティファクトを伴わない信号34乃至38の対から生成された3つのモルフォグラムの例について図7乃至9に示している。特に、図7は、ECG信号II/ECG信号V対から生成されたモルフォグラムを示している。図8は、ECG信号II/ABP信号対から生成されたモルフォグラムを示している。図9は、ECG信号V/ABP信号対から生成されたモルフォグラムを示している。
【0027】
図7乃至9全てにおけるモルフォグラムは、アーティファクトが存在しない限り、各々について繰り返す良好な形状を有し、患者は生理学的変化を経験しない。ABP信号及び種々のECG信号は高い相関性を有するため、結果として得られるモルフォグラムは、サンプリングレートが心拍より大きいときに、1つの心拍について相関する信号を表す特徴的なモルフォロジを示す。多くの例において、ECG−ECG及びABP−ECGモルフォグラムは、患者において一般化されることが可能である特徴的な形状を有する。
【0028】
ABP波はQRS波形の後に遅れるため、図8及び9におけるABP−ECGモルフォグラムは特徴的な“L字”形状(又は、逆向きの“L字”形状)を有する。ABPが小さい値にあるとき、ECGは略最大値(又は、最小値)である。同様に、ECGが略中間値であるとき、ABPは略最大値である。ABP信号とECG信号との間のこの相関性は、特徴的な“L字”形状からなる。図7におけるECG−ECGモルフォグラムのパターンは、約45度又は135度の典型低な対角線方向に沿って現れている(例えば、バー又は長円として)。この形状は、両方の信号が同時に極限(例えば、QRS波形におけるある点)に達したために得られる。
【0029】
標識からのかなりの逸脱を示すモルフォグラムは容易に検出される。同様に、時間の経過につれて変化するモルフォグラム(例えば、“L字”の1つの足に沿った次第の短縮化)が検出されることが可能であり、その変化速度は、臨床的に重要である可能性がある。発見された基本的なことは、生理学的変化は信号全てに影響を与える可能性が高いことであり、それ故、全てのモルフォグラムにおいて摂動が存在し、アーティファクトは、単独の信号のみに影響を与える可能性が高く、それ故、その信号を含むモルフォグラムのみにおいて摂動が存在する。図10乃至12は、モルフォグラムが患者の状態における生理学的変化のために摂動されるグラフィカルな例を示している。それらのパターンにおける変化(図7乃至9において示している生理学的変化又はアーティファクトを有しないパターンに対比して)は、その信号から生成されるモルフォグラムにおいて明らかであり、モルフォグラムのモルフォロジの各々において摂動が存在する。図13乃至15は、アーティファクトがABP信号において生じる時間期間の間に肺水腫の患者についてのグラフィカルな例を示している。図示しているように、ABP信号(図14及び15)を有するモルフォグラムのみが摂動される。2つのECG信号についての図13におけるモルフォグラムは特徴的な対角線方向の長円形状を保持し、ABP信号及び2つのECG信号のどちらかを有する図14及び15における2つのモルフォグラムはかなり歪んでいる。この例における信号がかなり相関性を有する場合、図14及び15におけるモルフォグラムのみにおける変化はアーティファクト(例えば、その信号については、機械的問題)を表す。
【0030】
標識生成器12はECG−ECG及び2ECG−ABPモルフォグラムを特徴付ける標識又は一意の形状記述子を演算する。上記のように、好適な実施形態(この実施例)においては、2D Symletウェーブレットが、モルフォグラム標識を生成するように用いられる。判定構成要素14は、所定数のサンプリング間隔内に又は所定数のサンプリング間隔に亘って標識(係数)を比較する。そのような比較は、生理学的変化を検出するために、及びそれらの変化が臨床的に重要な生理学的変化であるか又はアーティファクトであるかを判定するために用いられる。判定構成要素14は、形状摂動が生理学的変化に関連する信号から生成された標識にある場合に、臨床的に重要な変化であると判定する。同様に、判定構成要素14は、形状摂動が少なくとも1つの共通信号を有する標識の副集合のみにある、そして異なるモニタからの関連信号の標識がそうではない場合に、生理学的変化はアーティファクトであると判定する。標識の1つ又はそれ以上が、医療スタッフによるモニタリングのためにインタフェースに表示される。
【0031】
本発明については、好適な実施形態に関連付けて説明している。上記の詳細説明を読んで理解することにより、当業者は、多くの修正及び変形が可能であることが理解できる。そのような修正及び変形の全ては、同時提出の特許請求の範囲における範囲内又はそれらと同等の範囲内に包含されるために、本発明はそれらの修正及び変形の全てを含むように意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】患者の生理学的情報において臨床的に重要な変化とアーティファクトとの間の区別を容易にするシステムを示す図である。
【図2】例示としてのECG−ABPモルフォグラムを示す図である。
【図3】例示としてのSymletウェーブレットを示す図である。
【図4】N−Kサンプリング間隔における標識の比較のルーチンを示す図である。
【図5】標識係数を表示するための例示としてのグラフィカルユーザインタフェースを示す図である。
【図6】呼吸不全の患者について、時間経過につれて捕捉される生理学的信号の典型低な集合の複数のプロットを示す図である。
【図7】ABP信号及び2つのECG信号からの対により生成された例示としてのモルフォグラムを示す図である。
【図8】ABP信号及び2つのECG信号からの対により生成された例示としてのモルフォグラムを示す図である。
【図9】ABP信号及び2つのECG信号からの対により生成された例示としてのモルフォグラムを示す図である。
【図10】患者の状態における生理学的変化のために摂動されたモルフォグラムのグラフィカルな実施例を示す図である。
【図11】患者の状態における生理学的変化のために摂動されたモルフォグラムのグラフィカルな実施例を示す図である。
【図12】患者の状態における生理学的変化のために摂動されたモルフォグラムのグラフィカルな実施例を示す図である。
【図13】アーティファクトのために摂動されたモルフォグラムのグラフィカルな実施例を示す図である。
【図14】アーティファクトのために摂動されたモルフォグラムのグラフィカルな実施例を示す図である。
【図15】アーティファクトのために摂動されたモルフォグラムのグラフィカルな実施例を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者からの生理学的情報をモニタし、対応する生理学的信号を生成する複数の患者モニタリング用装置;及び
前記モニタされた生理学的情報を処理し、生理学的変化が臨床的に重要な事象であるかアーティファクトであるかを判定する生理学的情報分析器であって、
前記患者モニタリング用装置から前記生理学的信号を受信する少なくとも1つの受信器と、
前記受信された生理学的信号の対からモルフォグラムを生成する信号相関器と、
各々のモルフォグラムについての標識を演算するように各々のモルフォグラムにウェーブレット分解を適用する標識生成器と、
サンプリング間隔内で又はサンプリング間隔に亘って前記モルフォグラムについての標識を比較し、そして生理学的変化が臨床的に重要な変化であるか又はアーティファクトであるかを判定する判定構成要素と、
を有する、生理学的情報分析器;
を有する患者生理学的情報モニタリング用システム。
【請求項2】
請求項1に記載の患者生理学的情報モニタリング用システムであって、前記判定構成要素は、形状摂動が少なくとも1つの共通信号を有する標識の副集合のみにある場合に、前記生理学的変化がアーティファクトであると判定する、患者生理学的情報モニタリング用システム。
【請求項3】
請求項1に記載の患者生理学的情報モニタリング用システムであって、前記判定構成要素は、形状摂動が生理学的変化に関連する信号を有する標識において存在している場合に、警報は有効であると判定する、患者生理学的情報モニタリング用システム。
【請求項4】
請求項1に記載の患者生理学的情報モニタリング用システムであって、臨床スタッフによる観測のために前記標識の少なくとも一部を視覚的に与えるディスプレイ構成要素を更に有する、患者生理学的情報モニタリング用システム。
【請求項5】
請求項1に記載の患者生理学的情報モニタリング用システムであって、前記分析器は、アーティファクトを有する標識を廃棄し、記憶構成要素における臨床的に重要な生理学的変化を有する標識を記憶する、患者生理学的情報モニタリング用システム。
【請求項6】
請求項1に記載の患者生理学的情報モニタリング用システムであって、前記ウェーブレットはSymletウェーブレットである、患者生理学的情報モニタリング用システム。
【請求項7】
請求項1に記載の患者生理学的情報モニタリング用システムであって、モルフォグラムの前記標識は、モルフォグラム形状変化性を表す1つ又はそれ以上の係数により表される、患者生理学的情報モニタリング用システム。
【請求項8】
請求項7に記載の患者生理学的情報モニタリング用システムであって、前記1つ又はそれ以上の係数は、横方向成分及び縦方向成分の両方を有する、横方向の詳細、縦方向の詳細及び対角線方向の詳細を有する、患者生理学的情報モニタリング用システム。
【請求項9】
請求項1に記載の患者生理学的情報モニタリング用システムであって、前記ウェーブレット分解は1つ又はそれ以上の分解を有する、患者生理学的情報モニタリング用システム。
【請求項10】
請求項1に記載の患者生理学的情報モニタリング用システムであって、前記サンプリング間隔は、前記対応する患者モニタ装置の警報待ち時間の期間より短い又は等しいサンプリングレートで存在し、前記の警報待ち時間の期間は、高い相関度を有する警報をもたらすように警報状態から抜け出る時間に対応する、患者生理学的情報モニタリング用システム。
【請求項11】
請求項1に記載の患者生理学的情報モニタリング用システムであって、前記生理学的情報は、少なくとも1つ又はそれ以上のECG信号と、動脈血圧信号と、を有する、患者生理学的情報モニタリング用システム。
【請求項12】
請求項1に記載の患者生理学的情報モニタリング用システムであって、前記生理学的情報分析器は、臨床的に重要な生理学的変化が生じたと判定したときに、警報の音声を発する、及び/又は警報を発するように、時期を早めてモニタリング装置を呼び出す、患者生理学的情報モニタリング用システム。
【請求項13】
請求項1に記載の患者生理学的情報モニタリング用システムであって、前記生理学的情報分析器は、モニタされた生理学的変化がアーティファクトであると前記生理学的情報分析器が判定したときに、患者モニタリング用装置の警報を回避する又はオフに切り替える、患者生理学的情報モニタリング用システム。
【請求項14】
患者モニタリング用装置により捕捉された生理学的変化が臨床的に重要な変化であるか又はアーティファクトであるかを判定するための方法であって:
患者からモニタリングされた生理的情報を表す生理学的信号を受信する段階;
各々のサンプリング間隔について前記生理学的情報が受信されたときに、前記生理学的信号の対についてモルフォグラムを生成する段階;
各々のモルフォグラムについて標識を生成するように、各々のモルフォグラムにおいてウェーブレット分解を適用する段階;
サンプリング間隔内で及びサンプリング間隔に亘って、前記標識を比較する段階;及び
標識摂動が臨床的に重要な変化であるか又はアーティファクトであるかを判定する段階;
を有する方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、前記ウェーブレットはSymletウェーブレットである、方法。
【請求項16】
請求項14に記載の方法であって、各々の前記標識は、モルフォグラム形状変化性を表す係数として表される一意の記述子である、方法。
【請求項17】
請求項15に記載の方法であって、患者モニタリング用装置関連警報を呼び出す又は無効にするように前記判定の結果を用いる段階であって、前記患者モニタリング用装置関連警報は、前記摂動が臨床的に重要な生理学的変化のためであるように判定されたときに、呼び出される、段階を更に有する、方法。
【請求項18】
請求項15に記載の方法であって、臨床スタッフによる観測のために少なくとも前記標識を表示する段階を更に有する、方法。
【請求項19】
請求項14に記載の方法を実行するようにプログラムされたコンピュータ。
【請求項20】
関連患者モニタリング用信号からモルフォグラムを生成する段階;
標識を生成するようにウェーブレット分解を介して前記モルフォグラムを分解する段階;
互いに対して又は時間の経過と共に前記標識における変化を比較する段階;及び
前記標識の比較に基づいて、臨床的に重要な事象が生じたか又はアーティファクトが生じたかを判定する段階;
を有する患者モニタリング用方法。
【請求項1】
患者からの生理学的情報をモニタし、対応する生理学的信号を生成する複数の患者モニタリング用装置;及び
前記モニタされた生理学的情報を処理し、生理学的変化が臨床的に重要な事象であるかアーティファクトであるかを判定する生理学的情報分析器であって、
前記患者モニタリング用装置から前記生理学的信号を受信する少なくとも1つの受信器と、
前記受信された生理学的信号の対からモルフォグラムを生成する信号相関器と、
各々のモルフォグラムについての標識を演算するように各々のモルフォグラムにウェーブレット分解を適用する標識生成器と、
サンプリング間隔内で又はサンプリング間隔に亘って前記モルフォグラムについての標識を比較し、そして生理学的変化が臨床的に重要な変化であるか又はアーティファクトであるかを判定する判定構成要素と、
を有する、生理学的情報分析器;
を有する患者生理学的情報モニタリング用システム。
【請求項2】
請求項1に記載の患者生理学的情報モニタリング用システムであって、前記判定構成要素は、形状摂動が少なくとも1つの共通信号を有する標識の副集合のみにある場合に、前記生理学的変化がアーティファクトであると判定する、患者生理学的情報モニタリング用システム。
【請求項3】
請求項1に記載の患者生理学的情報モニタリング用システムであって、前記判定構成要素は、形状摂動が生理学的変化に関連する信号を有する標識において存在している場合に、警報は有効であると判定する、患者生理学的情報モニタリング用システム。
【請求項4】
請求項1に記載の患者生理学的情報モニタリング用システムであって、臨床スタッフによる観測のために前記標識の少なくとも一部を視覚的に与えるディスプレイ構成要素を更に有する、患者生理学的情報モニタリング用システム。
【請求項5】
請求項1に記載の患者生理学的情報モニタリング用システムであって、前記分析器は、アーティファクトを有する標識を廃棄し、記憶構成要素における臨床的に重要な生理学的変化を有する標識を記憶する、患者生理学的情報モニタリング用システム。
【請求項6】
請求項1に記載の患者生理学的情報モニタリング用システムであって、前記ウェーブレットはSymletウェーブレットである、患者生理学的情報モニタリング用システム。
【請求項7】
請求項1に記載の患者生理学的情報モニタリング用システムであって、モルフォグラムの前記標識は、モルフォグラム形状変化性を表す1つ又はそれ以上の係数により表される、患者生理学的情報モニタリング用システム。
【請求項8】
請求項7に記載の患者生理学的情報モニタリング用システムであって、前記1つ又はそれ以上の係数は、横方向成分及び縦方向成分の両方を有する、横方向の詳細、縦方向の詳細及び対角線方向の詳細を有する、患者生理学的情報モニタリング用システム。
【請求項9】
請求項1に記載の患者生理学的情報モニタリング用システムであって、前記ウェーブレット分解は1つ又はそれ以上の分解を有する、患者生理学的情報モニタリング用システム。
【請求項10】
請求項1に記載の患者生理学的情報モニタリング用システムであって、前記サンプリング間隔は、前記対応する患者モニタ装置の警報待ち時間の期間より短い又は等しいサンプリングレートで存在し、前記の警報待ち時間の期間は、高い相関度を有する警報をもたらすように警報状態から抜け出る時間に対応する、患者生理学的情報モニタリング用システム。
【請求項11】
請求項1に記載の患者生理学的情報モニタリング用システムであって、前記生理学的情報は、少なくとも1つ又はそれ以上のECG信号と、動脈血圧信号と、を有する、患者生理学的情報モニタリング用システム。
【請求項12】
請求項1に記載の患者生理学的情報モニタリング用システムであって、前記生理学的情報分析器は、臨床的に重要な生理学的変化が生じたと判定したときに、警報の音声を発する、及び/又は警報を発するように、時期を早めてモニタリング装置を呼び出す、患者生理学的情報モニタリング用システム。
【請求項13】
請求項1に記載の患者生理学的情報モニタリング用システムであって、前記生理学的情報分析器は、モニタされた生理学的変化がアーティファクトであると前記生理学的情報分析器が判定したときに、患者モニタリング用装置の警報を回避する又はオフに切り替える、患者生理学的情報モニタリング用システム。
【請求項14】
患者モニタリング用装置により捕捉された生理学的変化が臨床的に重要な変化であるか又はアーティファクトであるかを判定するための方法であって:
患者からモニタリングされた生理的情報を表す生理学的信号を受信する段階;
各々のサンプリング間隔について前記生理学的情報が受信されたときに、前記生理学的信号の対についてモルフォグラムを生成する段階;
各々のモルフォグラムについて標識を生成するように、各々のモルフォグラムにおいてウェーブレット分解を適用する段階;
サンプリング間隔内で及びサンプリング間隔に亘って、前記標識を比較する段階;及び
標識摂動が臨床的に重要な変化であるか又はアーティファクトであるかを判定する段階;
を有する方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、前記ウェーブレットはSymletウェーブレットである、方法。
【請求項16】
請求項14に記載の方法であって、各々の前記標識は、モルフォグラム形状変化性を表す係数として表される一意の記述子である、方法。
【請求項17】
請求項15に記載の方法であって、患者モニタリング用装置関連警報を呼び出す又は無効にするように前記判定の結果を用いる段階であって、前記患者モニタリング用装置関連警報は、前記摂動が臨床的に重要な生理学的変化のためであるように判定されたときに、呼び出される、段階を更に有する、方法。
【請求項18】
請求項15に記載の方法であって、臨床スタッフによる観測のために少なくとも前記標識を表示する段階を更に有する、方法。
【請求項19】
請求項14に記載の方法を実行するようにプログラムされたコンピュータ。
【請求項20】
関連患者モニタリング用信号からモルフォグラムを生成する段階;
標識を生成するようにウェーブレット分解を介して前記モルフォグラムを分解する段階;
互いに対して又は時間の経過と共に前記標識における変化を比較する段階;及び
前記標識の比較に基づいて、臨床的に重要な事象が生じたか又はアーティファクトが生じたかを判定する段階;
を有する患者モニタリング用方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2008−541976(P2008−541976A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−515336(P2008−515336)
【出願日】平成18年5月31日(2006.5.31)
【国際出願番号】PCT/IB2006/051743
【国際公開番号】WO2006/131850
【国際公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月31日(2006.5.31)
【国際出願番号】PCT/IB2006/051743
【国際公開番号】WO2006/131850
【国際公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
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