説明

情報アクセス装置、情報アクセス方法およびプログラム

【課題】 情報の全体像を把握しつつ手間をかけずに簡単に所望の情報にアクセスする。
【解決手段】 自端末(6)を中心とした地図を表示する地図表示手段(16)、地図の範囲を設定する地図範囲設定手段(15)、地図の範囲内に位置する外部情報を抽出する外部情報抽出手段(10)、外部情報を示す指標を地図に合成して表示部(16)に表示させる第1の表示制御手段(12)、表示されている指標のいずれかが選択されたときに該選択指標に対応する外部情報にアクセスするアクセス手段(10、12)を備え、さらに、地図の範囲が所定の範囲になったときに内部情報をアクセスするためのメニュー画面を表示部に表示させる第2の表示制御手段(12)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、さまざまな情報へのアクセス(その情報を利用できる状態にすること)を支援するための情報アクセス装置、情報アクセス方法およびプログラムに関し、特に地図を活用してアクセスの容易化を図るようにした情報アクセス装置、情報アクセス方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光ファイバ等の有線通信インフラや携帯電話網および公衆無線アクセスポイント等の無線通信インフラの整備に伴い、それらの通信インフラを利用して世界中のさまざまな情報に自由にアクセスできる各種情報端末、たとえば、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、PDAおよびスマートフォンなどが広く用いられるようになってきた。
【0003】
しかしながら、「世界中のさまざまな情報に自由にアクセスできる」ことは、反面で、情報へのアクセスが複雑化することを意味しており、アクセスを容易化するための何らかの支援策が求められている。
【0004】
HTML(HyperText Markup Language)言語は、そのような支援策の一つということができる。HTMLドキュメントに埋め込まれたリンクをクリックするだけで他のドキュメントを開くことができ、リンクを辿ることによって重層的な情報アクセスを行うことができるからである。
【0005】
しかしながら、HTML方式の情報アクセスは、一つの情報から他の一つの情報へと辿っていくものであり、要するに点から点へとアクセスするものに過ぎないから、情報の全体像を把握できないという欠点がある。
【0006】
この点において、従来から用いられている情報アクセス用インターフェースの一つである「論理的ツリー構造」(たとえば、下記の特許文献1、2等を参照)は、大量の情報を階層化して管理するとともに、その階層構造に応じて上位層から下位層へと複数層に仕分けされたメニュー画面をユーザに提示することができるため、ユーザは、メニューの階層を上位から下位へと辿ることにより、情報の全体像を把握しつつ、所望の情報を探し出してその情報にアクセスすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−131434号公報
【特許文献2】特開2009−116486号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記の「論理的ツリー構造」は、情報の量に比例して階層が深くなるため、所望の情報にたどり着くまでに何段階も階層を辿る必要があり、手間が掛かって面倒である。
【0009】
そこで、本発明の目的は、情報の全体像を把握しつつ手間をかけずに簡単に所望の情報にアクセスできる情報アクセス装置、情報アクセス方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の発明は、自端末外に位置する外部情報と自端末内に位置する内部情報とのいずれにもアクセス可能なアクセス手段を具備する情報アクセス装置において、前記アクセス手段は、自端末を中心とした地図を表示する地図表示手段と、前記地図の範囲を設定する地図範囲設定手段と、前記地図範囲設定手段によって設定された地図の範囲内に位置する前記外部情報を抽出する外部情報抽出手段と、前記外部情報抽出手段によって抽出された外部情報を示す指標を前記地図範囲設定手段によって範囲が設定された地図に合成して表示部に表示させる第1の表示制御手段と、前記表示部に表示されている指標のいずれかが選択されたときに該選択指標に対応する外部情報にアクセスするアクセス手段とを備えるとともに、さらに、前記地図範囲設定手段によって設定された地図の範囲が所定の範囲になったときに前記内部情報をアクセスするためのメニュー画面を前記表示部に表示させる第2の表示制御手段を備えたことを特徴とする。
請求項7記載の発明は、自端末外に位置する外部情報と自端末内に位置する内部情報とのいずれにもアクセス可能なアクセス工程を含む情報アクセス方法において、前記アクセス工程は、自端末を中心とした地図を表示する地図表示工程と、前記地図の範囲を設定する地図範囲設定工程と、前記地図範囲設定工程によって設定された地図の範囲内に位置する前記外部情報を抽出する外部情報抽出工程と、前記外部情報抽出工程によって抽出された外部情報を示す指標を前記地図範囲設定工程によって範囲が設定された地図に合成して表示部に表示させる第1の表示制御工程と、前記表示部に表示されている指標のいずれかが選択されたときに該選択指標に対応する外部情報にアクセスするアクセス工程とを含むとともに、さらに、前記地図範囲設定工程によって設定された地図の範囲が所定の範囲になったときに前記内部情報をアクセスするためのメニュー画面を前記表示部に表示させる第2の表示制御工程を含むことを特徴とする。
さらに、自端末のコンピュータに対して、上述した請求項1記載の発明に示した主要機能を実現させるためのプログラムを提供する(請求項8記載の発明)。
なお、上述した請求項1記載の発明は次のようなものであってもよい。
前記所定の範囲は、前記地図を最大に拡大した範囲である(請求項2記載の発明)。
前記地図範囲設定手段は、自端末を一定の視野角で上空から俯瞰した際の様々な仮想高度に対応して前記地図の範囲を設定する(請求項3記載の発明)。
前記地図範囲設定手段は、自端末を一定の仮想高度で上空から俯瞰した際の様々な視野角に対応して前記地図の範囲を設定する(請求項4記載の発明)。
なお、上述した請求項3記載の発明は次のようなものであってもよい。
前記所定の範囲は、前記様々な仮想高度のうち最小高度に対応する範囲である(請求項5記載の発明)。
なお、上述した請求項4記載の発明は次のようなものであってもよい。
前記所定の範囲は、前記様々な視野角のうち最小視野角に対応する範囲である(請求項6記載の発明)。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、情報の全体像を把握しつつ手間をかけずに簡単に所望の情報にアクセスすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態の概念的な全体構成図である。
【図2】端末6〜8とサーバ2〜5の概念構成図である。
【図3】地図情報の概念図である。
【図4】位置情報テーブルおよびウェブドキュメントテーブルの概念図である。
【図5】実施形態の技術思想を概念化した図である。
【図6】実施形態の技術思想の別イメージを示す概念図である。
【図7】高度と情報の関係模式図である。
【図8】内外情報切り替えの模式図である。
【図9】自端末6の制御部12で実行される制御プログラムの概念フローを示す図(1/2)である。
【図10】自端末6の制御部12で実行される制御プログラムの概念フローを示す図(2/2)である。
【図11】広範囲地図画面45の一例を示す図である。
【図12】中範囲地図画面46の一例を示す図である。
【図13】小範囲地図画面47の一例を示す図である。
【図14】内部情報にアクセスするためのメニュー画面を示図である。
【図15】本実施形態の利用例を示す図である。
【図16】地図縮尺の変更手法(その1、2、3)を示す図である。
【図17】地図縮尺の変更手法(その4、5、6)を示す図である。
【図18】地図縮尺の変更手法(その7、8、9)を示す図である。
【図19】外部情報の取り込み変形例を示す図および地図上に表示されている各種の情報アイコンを非表示にする際に用いることができる一手法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
<構成>
まず、構成を説明する。
図1は、実施形態の概念的な全体構成図である。この図において、ネットワーク1は、サーバ2〜5と端末6〜8との間でやり取りされるデータを伝送する通信路である。このネットワーク1には、たとえば、パケット通信方式、つまり、データをパケットと呼ばれる単位に細分化し、各パケットに送信元と送信先のアドレスを付して通信する方式のものを使用することができる。また、ネットワーク1はさまざまなネットワークの集合体であってもよく、この場合、各ネットワークの接続箇所(ノード)に上記のパケットをアドレスで振り分けるためのルータと呼ばれるデータ振り分け装置を設けていてもよい。このような集合体形式のネットワーク1の代表は、今日においてはインターネットであることから、本実施形態においてもネットワーク1をインターネットであるものとして取り扱うことにする。
【0014】
サーバ2〜5は、ネットワーク1に接続された端末6〜8に対して各々所定のサービスを提供するものであり、たとえば、地図情報を提供したり、一の端末(端末6〜8の一つ)に他の端末の位置情報(たとえば、GPS衛星9を利用して取得されたもの)を提供したり、あるいは、文書や画像などのウエブドキュメントを提供したり、さらには、メールサービスやその他のサービスを提供したりするものである。なお、図では4つのサーバ2〜5しか示していないが、これは図面の輻輳を避けるための便宜に過ぎない。実際には大量(数え切れないほど)のサーバがネットワーク1に接続されている。
【0015】
以下、説明の便宜上、サーバ2を「地図情報」を提供するもの、サーバ3を「位置情報」を提供するもの、サーバ4、5を「ウェブドキュメント」を提供するものとし、それぞれ必要に応じて、地図情報サーバ2、位置情報サーバ3、ウェブドキュメントサーバ4、5と言い換えることにする。なお、上記のとおり、ネットワーク1に接続されているサーバの種類はこれだけではなく、メールサーバなど多種多様のものがあるから、上記のサーバの種類(地図情報を提供するもの、位置情報を提供するもの、ウェブドキュメントを提供するもの)は、あくまでも説明のための一例を示すものに過ぎない。
【0016】
ここで、図示の端末6〜8は、ネットワーク1に接続された多数の端末のうちのいくつかを代表するものであり、説明の便宜上、端末6を自ユーザが所持する「自端末」とし、それ以外の端末7、8を他ユーザが所持する「他端末」とする。この場合、自端末6のユーザは、必要に応じて、地図情報サーバ2や位置情報サーバ3およびウェブドキュメントサーバ4、5などに対して所望のサービスを要求することができる。すなわち、地図情報を取得したり、他端末7、8の位置情報を取得したり、あるいは、任意のウェブドキュメントを取得したりすることができる。
【0017】
なお、図示の端末6〜8は、ネットワーク1に接続されている無線基地局1a〜1cとの間でワイヤレスの通信を行う情報端末(たとえば、携帯電話機やスマートフォン等)を示しているが、これに限定されない。たとえば、有線接続方式のパーソナルコンピュータなどの情報端末であってもよい。この場合、パーソナルコンピュータとネットワーク1との間は、光ファイバ等の通信路や有線接続装置(交換機やルータなど)を介して接続されることになる。
【0018】
図2は、端末6〜8とサーバ2〜5の概念構成図である。(a)に示すように、端末6〜8は、少なくともネットワーク1とのデータ通信を行う通信部10と、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)等の位置検出部11と、端末6〜8の全体動作を統括制御するコンピュータおよびその周辺回路で構成されたプログラム制御方式の制御部12と、この制御部12で実行される制御プログラムを記憶するプログラム記憶部13と、任意のデータを記憶するデータ記憶部14と、各種の操作キーを備えた操作部15と、液晶ディスプレイ等からなる好ましくはタッチパネル付の表示部16と、バッテリを備えた電源部17とを含んで構成されている。
【0019】
また、(b)に示すように、サーバ2〜5は、少なくともネットワーク1とのデータ通信を行う通信部20と、サーバ2〜5の全体動作を統括制御するコンピュータおよびその周辺回路で構成されたプログラム制御方式の制御部21と、この制御部21で実行される制御プログラムを記憶するプログラム記憶部22と、サービス内容に応じたデータ(サーバ2にあっては地図情報、サーバ3にあっては位置情報、サーバ4、5にあってはウェブドキュメント)を記憶するデータ記憶部23と、各種の操作キーを備えた操作部24と、液晶ディスプレイ等からなる表示部25とを含んで構成されている。
【0020】
図3は、サーバ2に保持されている地図情報の概念図である。この地図情報30は、世界地図等の広範囲地図から市街地図等の狭範囲地図までの各縮尺範囲の地図情報を重層網羅したものである。この地図情報30は、各縮尺範囲を段階的に変化させるものであってもよく、あるいは、連続的に変化させるものであってもよい。また、この地図情報30は、国や地方などの行政区分や道路および主要な地物などを線で表したいわゆる線図情報であってもよいが、航空写真や衛星写真等を使用した実景図、あるいは、それらを組み合わせたもの、たとえば、線図と実景の合成図であってもよい。
【0021】
なお、地図情報30の上に記した複数の星印記号31〜37は、説明の一例として示す位置情報指標である。これらの位置情報指標は、たとえば、黒く塗りつぶされた星印記号31を自端末6の現在位置とし、白抜き星印記号32〜37を他端末7,8やその他の端末の現在位置としてもよく、あるいは、これらの星印記号31〜37で示された位置情報指標をウェブドキュメントの位置(ドメイン所在地)としてもよい。
【0022】
図4は、サーバ3に保持されている位置情報テーブルおよびサーバ4、5に保持されているウェブドキュメントテーブルの概念図である。まず、(a)に示すように、位置情報テーブル38は、端末IDフィールド38aと位置情報フィールド38bとを含み、端末IDフィールド38aに各端末6〜8の固有識別情報(端末番号等)を格納するとともに、位置情報フィールド38bに、各々の端末6〜8から定期的または不定期に通知された位置情報(位置検出部11によって検出されたもの:ここでは緯度経度等のGPS情報)を格納する。
【0023】
また、(b)に示すように、ウェブドキュメントテーブル39は、情報IDフィールド39aと、情報種別フィールド39bと、位置情報フィールド39cとを含み、情報IDフィールド39aにウェブドキュメントの固有識別情報(URL等の統一資源位置指定子)を格納し、情報種別フィールド39bにそのウェブドキュメントの種別(文書や画像等の種別)を格納し、位置情報フィールド39cにそのウェブドキュメントの位置情報を格納する。
【0024】
ここで、ウェブドキュメントの“位置情報”とは、URL等の統一資源位置指定子から割り出された物理的な位置情報のことをいう。すなわち、一般的にURL等の統一資源位置指定子は「スキーム」+「ドメイン」+「パス名」の文字列構成になっており、ドメイン(たとえば“aaa.co.jp”のような文字列で実在のコンピュータ名を表す)の所在地は公的団体(我が国ではJPNIC)によって管理・公開されているから、このドメイン所在地を「ウェブドキュメントの位置情報」として利用することができる。
【0025】
さて、この実施形態における技術的課題は、我々の周りに広く散在する多種多様で且つ大量の情報を取捨選択して利用するに際して、その情報の全体像を把握しつつ、手間をかけずに簡単に所望の情報にアクセスできるようにすることにある。すなわち、既存の情報アクセス手法の一つである「論理的ツリー構造」は、メニューの階層を上位から下位へと辿ることにより、情報の全体像を把握しつつ、所望の情報を探し出してその情報にアクセスすることができる点でこの課題に叶うものであるが、一方で「論理的ツリー構造」は、情報の量に比例して階層が深くなる欠点があり、所望の情報にたどり着くまでに何段階も階層を辿る必要があることから、手間が掛かって面倒であるという問題点があった。
【0026】
本実施形態はこの問題点の解消を意図したものであり、要するに、上記二つの課題(情報の全体像の把握と所望の情報へのアクセス)に加えて、「手間の軽減」を図ることを課題としたものである。
【0027】
図5は、実施形態の技術思想を概念化した図である。この図において、地球上のある地点P1に自端末6を携帯したユーザ40が位置しているものとする。このユーザ40の上空のいくつかの異なる高度(一例として低高度H1、中高度H2、高高度H3とする)から一定の視野角αで俯瞰した(見下ろした)場合を想定すると、低高度H1からの視野(見える範囲の大きさ)はユーザ40の現在位置(地点P1)を中心とした半径R1の円内となり、中高度H2からの視野は半径R1より大きい半径R2の円内となり、高高度H3からの視野は半径R2より大きい半径R3の円内となり、結局、各高度からの視野は、H1の場合に「π(R1)2 」、H2の場合に「π(R2)2 」、H3の場合に「π(R3)2 」の大きさになる。ただし、πは円周率。
【0028】
したがって、「π(R1)2 」<「π(R2)2 」<「π(R3)2 」の関係になるから、低高度H1からの視野(便宜的に低高度視野という)よりも中高度H2からの視野(便宜的に中高度視野という)が大きくなり、また、高高度H3からの視野(便宜的に高高度視野という)はさらに大きくなるので、これらの視野(低高度視野、中高度視野、高高度視野)に含まれる情報の量も、低高度視野よりも中高度視野が多く、さらに、中高度視野よりも高高度視野が多くなる。
【0029】
このような高度と視野の関係は日常生活においてよく実感しているところであり、その典型例は地図を見る際の脳内イメージにある。すなわち、多くの人は広域地図を見る際に上空の高い位置から見下ろしたイメージを持ち、市街図等の詳細図を見る際には視点高度を下げたイメージを持つからであり、そのようなイメージに従って広域地図から詳細地図へとを縮尺を変えながら目標物を見つけ出す作業を日常的に行っているからである。
【0030】
本件発明者らは、かかるイメージは特別な訓練を受けなくても老若男女だれでも抱く点に着目し、このイメージを利用することによって、誰でも容易にしかも直感的に操作できる使い勝手のよい情報アクセス用のインターフェースを提供できることに想到した。
【0031】
なお、以上の説明では、一定の視野角αで、いくつかの高度(H1、H2、H3)から見下ろした例を示したが、これに限らない。地図の縮尺を変える際のイメージは、たとえば、「一定の高度のまま視野角を変える」という別のイメージ(いわゆるカメラのズームレンズのようなイメージ)もあるからである。
【0032】
図6は、別のイメージを示す概念図である。この図においても、地球上のある地点P1に自端末6を携帯したユーザ40が位置しているものとする。図5との相違は、ユーザ40の上空の一定の高度H4からいくつかの視野角(画角ともいう。一例として小視野角α1、中視野角α2、大視野角α3とする)で俯瞰する点にある。
【0033】
ここで、小視野角α1の視野(見える範囲の大きさ)をユーザ40の現在位置(地点P1)を中心とした半径R1の円内とし、中視野角α2の視野を半径R1より大きい半径R2の円内とし、大視野角α3の視野を半径R2より大きい半径R3の円内とすると、高度H4からの視野は、小視野角α1の場合に「π(R1)2 」、中視野角α2の場合に「π(R2)2 」、大視野角α3の場合に「π(R3)2 」の大きさになるから、図5と同様に「π(R1)2 」<「π(R2)2 」<「π(R3)2 」の関係が得られる。
【0034】
したがって、この図6のように「一定の高度H4のまま視野角をα1〜α3に変える」という別のイメージを持つ場合であっても前記の図5のもの、すなわち、一定の視野角αでいくつかの高度(H1、H2、H3)から見下ろした場合と同様の感覚を持つことができるから、いずれのイメージ(図5、図6)に従って、情報アクセス用インターフェースの設計を行ってもかまわない。
【0035】
なお、この実施形態では、説明の便宜上、図5のイメージを利用した設計例を開示する。
【0036】
図7は、高度と情報の関係模式図である。この図において、図面左側の両端矢印付線41は高度軸を表しており、この両端矢印付線41は、上に行くほど高高度、下に行くほど低高度になるが、下端付近の所定箇所は最小高度(H0)を表している。ここで、この“最小高度”は厳密な値(海抜高度0)を意味しない。“最小高度”は、両端矢印付線41の右側に位置する地図範囲軸(両端矢印付線42で上に行くほど広範囲、下に行くほど狭範囲になるもの)の最下端部に対応している。つまり、最小高度(H0)は、最も詳細な地図の縮尺に対応していればよく、要するに、地図の縮尺を最大(最も詳細な地図)にしたときに、両端矢印付線41の高度指標が「H0」になればよい。なお、図6の別イメージの場合、最小高度(H0)は最も狭い範囲が見える視野角、つまり、最小視野角と読み替えられる。
【0037】
ここで、両端矢印付線41の高度指標(H0)は、内部情報と外部情報の切り替え境界として用いられる。内部情報とは自端末6の内部に位置(存在)する情報のことをいい、外部情報とは自端末6の外部に位置(存在)する情報のことをいう。たとえば、外部情報はサーバ2のデータ記憶部23に保持されている地図情報や、サーバ3のデータ記憶部23に保持されている位置情報、あるいは、サーバ4、5のデータ記憶部23に保持されているウェブドキュメントなどであり、内部情報は自端末6のデータ記憶部14に保持されているさまざまな情報(ドキュメントや画像、音楽等のファイルまたは電話帳や住所録等の情報‥‥‥等々)である。
【0038】
この図から理解されるように、視点高度を変えることにより、地図範囲を段階的または無段階に変更することができ、それらの地図範囲に含まれる情報を一覧表示しつつ、所望の情報にアクセスすることができる。加えて、この模式図によれば、外部情報へのアクセスのみならず、所定の高度(H0)を境にして自端末6の内部情報にもアクセスできるので、外部情報と内部情報との間の壁をなくし、両情報へのアクセスをシームレスに行うことができるという格別の効果を得ることができる。
【0039】
すなわち、従来の情報アクセス用インターフェース、たとえば、冒頭で説明した「論理的ツリー構造」にあっては、外部情報アクセス用と内部情報アクセス用のインターフェース(メニュー)を別々に設ける必要があり、外部情報から内部情報への切り替え、または、その逆の切り替えを行う際には、いちいちメニューを変更しなければならず、手間が掛かって面倒であった。
【0040】
これに対して、この実施形態では、視点高度がH0よりも高くなれば外部情報に切り替え、また、H0よりも低くなれば内部情報に切り替えることができるので、ユーザは、情報の存在場所(外部であるか内部であるか)をことさら意識することなく、内部情報と外部情報にシームレスにアクセスすることができるようになり、結局、従来のようなメニュー切り替えの操作を要しないから、手間を軽減して使い勝手の改善を図ることができる。
【0041】
図8は、内外情報切り替えの模式図である。この図において、円43は高高度H3の視野範囲を示し、その円43の中心付近に位置する同心状のハッチング付小円44は内部情報を表している。円43の面積のうち小円44を除く部分は地図範囲を表し、視点高度が下がるほど(H3→H2、H2→H1)地図範囲が狭くなる。また、視点高度がH0以下になると円43から小円44の内部に移るようになっており、これにより、情報のアクセス先が外部情報から自端末6の内部情報へと切り替わるようになっている。
【0042】
<作用>
次に、作用を説明する。
図9、図10は、自端末6の制御部12で実行される制御プログラムの概念フローを示す図である。この図において、制御プログラムを開始すると、まず、自端末6の表示部16に表示する地図の表示範囲(縮尺)を決定する(ステップS1)。プログラムの開始直後における地図の表示範囲は所定の初期値であり、この初期値は、たとえば、システム設定値(固定の縮尺またはユーザによってあらかじめ設定された縮尺)であってもよく、あるいは、前回のプログラム終了時点における縮尺であってもよい。
【0043】
地図の表示範囲を決定すると、次に、その表示範囲の地図情報をサーバ2から読み込み(ステップS2)、さらに、当該地図範囲に位置する各種情報の抽出を行う(ステップS3)。ここで、“各種情報の抽出”とは、ネットワーク1上で提供されている各種サービスのうち自端末6のユーザ40が利用できるサービスから所要の情報を得ることをいう。“所要の情報”とは、ステップS1で決定された地図範囲に含まれる情報のことをいい、具体的には、抽出対象の情報が、たとえば、他端末7〜8の位置情報である場合は前記の地図範囲内に位置する他端末7〜8の位置情報(図4の位置情報テーブル38の位置情報)を指し、または、抽出対象の情報が、たとえば、ウェブドキュメントである場合は前記の地図範囲内にドメイン所在地が含まれるウェブドキュメントの位置情報(図4のウェブドキュメントテーブル39の位置情報)を指す。なお、各種情報はこれらの例(他端末7〜8の位置情報やウェブドキュメントの位置情報)に限定されない。たとえば、不図示のメールサーバに登録された送信先メールアドレスの住所等から割り出された知人等の位置情報などであってもよい。
【0044】
各種情報の抽出を行うと、次に、ステップS2で読み込まれた地図情報と、ステップS3で抽出された各種情報とを合成し(ステップS4)、その合成画像を表示部16に表示する(ステップS5)。
【0045】
次いで、ユーザ40によって画面上の情報選択が行われたか(ステップS6)、地図の縮尺が変更されたか(ステップS7)、制御プログラムの終了操作が行われたか(ステップS8)を順次にループ状に繰り返しながら判定する。
【0046】
そして、制御プログラムの終了操作が行われた場合は直ちにプログラムを終了し、または、情報選択が行われた場合は選択された情報へのアクセスを実行(ステップS9)した後、プログラムを終了し、あるいは、地図の縮尺が変更された場合は、まず、最も狭範囲の縮尺(前記のH0に相当)に変更されたか否かを判定し(ステップS10)、その判定結果がNOであれば、ステップS1以降を再実行する一方、その判定結果がYESであれば、すなわち、地図の縮尺が前記のH0に相当する最も狭範囲の縮尺に変更された場合には、自端末6の内部情報にアクセスするための所定のメニュー画面を表示(ステップS11)した後、プログラムを終了する。
【0047】
図11〜図13は、異なる縮尺のいくつかの地図表示画面を示す図である。たとえば、図11は広範囲地図画面45の一例であり、この広範囲地図画面45では、地球を模した地図45aの上にいくつかの情報アイコン45b〜45fを重畳表示している。画面中央の情報アイコン45bは自端末6の位置を示し、また、他の情報アイコン45c〜45fはニュース等のウェブドキュメントの位置を示している。
【0048】
また、図12は中範囲地図画面46の一例であり、この中範囲地図画面46では、当該範囲の地図46aの上にいくつかの情報アイコン46b〜46uを重畳表示している。画面中央の情報アイコン46bは自端末6の位置を示し、また、他の情報アイコン46c〜46uは、たとえば、掲示板等への書き込みメッセージ、電話帳やメールアドレスリストの登録者などの位置を示している。
【0049】
また、図13は小範囲地図画面47の一例であり、この小範囲地図画面47では、当該範囲の地図47aの上にいくつかの情報アイコン47b〜47gを重畳表示している。画面中央の情報アイコン47bは自端末6の位置を示し、また、他の情報アイコン47c〜47gは、たとえば、掲示板等への書き込みメッセージ、電話帳やメールアドレスリストの登録者、景観地等の位置を示している。
【0050】
なお、以上の情報アイコン(自端末6の位置以外のもの)は一例にすぎない。また、ここでは大中小三段階の縮尺の地図画面(大範囲地図画面45、中範囲地図画面46および小範囲地図画面47)を示したが、これも一例に過ぎない。より多段階の縮尺の地図であってもよく、あるいは、縮尺を連続的に変化させる地図であってもよい。
【0051】
ステップS9の「選択された情報へのアクセス」は、これらの広範囲地図画面45、中範囲地図画面46または小範囲地図画面47に重畳表示されている各種情報アイコン(自端末6の位置以外のもの)の一つを選択することをいう。たとえば、広範囲地図画面45の情報アイコン45c〜45fのいずれかを選択すると、そのアイコンに関連づけられた所定の情報にアクセスすることができ、たとえば、その情報がニュース等のウェブドキュメントであればニュースを読むことができる。または、中範囲地図画面46の情報アイコン46c〜46uのいずれかを選択すると、そのアイコンに関連づけられた所定の情報にアクセスすることができ、たとえば、その情報が掲示板への書き込みメッセージであればメッセージを読むことができる。あるいは、小範囲地図画面47の情報アイコン47c〜47gのいずれかを選択すると、そのアイコンに関連づけられた所定の情報にアクセスすることができ、たとえば、その情報が景観地の情報あれば景観地の詳しい説明を読むことができる。
【0052】
このように、本実施形態では、仮想的な視点高度に対応して設定された各縮尺の地図上にさまざまな情報アイコンを重畳表示するとともに、任意の情報アイコンが選択された場合には、そのアイコンに関連づけられた情報にアクセスできるようにしたので、各種情報の位置の把握と、それら情報へのアクセスとを効率よく直感的に行うことができるようになり、その結果、情報の全体像を把握しつつ、手間をかけずに簡単に所望の情報にアクセスできる有益な技術を提供することができる。
【0053】
加えて、本実施形態では、地図の縮尺を最も詳細にしたとき、つまり、視点高度をH0以下にしたときに、自端末6の内部情報にアクセスするためのメニュー画面を開くようにした(図10のステップS11参照)ので、ネットワーク1の上に位置(存在)する外部情報と、自端末6の内部に位置(存在)する内部情報とをシームレスに切り替えることができるから、この点においても、手間をかけずに簡単に所望の情報にアクセスできる有益な技術を提供することができる。
【0054】
図14は、内部情報にアクセスするためのメニュー画面を示す図である。この図において、メニュー画面48にはさまざまな情報アイコン48b〜48kが表示されている。たとえば、情報アイコン48bは画像フォルダアイコン、情報アイコン48cは音楽フォルダアイコン、情報アイコン48dはメモフォルダアイコン、情報アイコン48eは予定表アプリケーションショートカットアイコン、情報アイコン48fはタイマーアプリケーションショートカットアイコン、情報アイコン48gは設定フォルダアイコン、情報アイコン48hは計算機アプリケーションショートカットアイコン、情報アイコン48jはカメラアプリケーションショートカットアイコン、情報アイコン48kはToDoリストアプリケーションショートカットアイコンである。
【0055】
これらの情報アイコン48b〜48kは、いうまでもなく一例に過ぎないが、いずれのアイコンも自端末6の内部に位置(存在)するフォルダやアプリケーションなどの内部情報に関連づけられたものであるから、結局のところ、本実施形態によれば、視点高度をH0以下にするだけで内部情報に簡単にアクセスすることができるようになり、従来技術のように意図的なメニューの切り替えを行う必要がなく、使い勝手のよいユーザインターフェースを提供することができる。
【0056】
図15は、本実施形態の利用例を示す図である。この図において、上段はユーザ40の上空の仮想的な視点高度を示しており、右側に行くほど高高度、左側に行くほど低高度になる。下段は視点高度に対応した地図範囲を示し、高高度になるほど地図範囲が広くなり、低高度になるほど地図範囲が狭くなる。さらに、所定の高度(H0)を境にしてその右側では外部(ネットワーク1の上)に位置(存在)する外部情報を地図上に重畳表示し、その左側では自端末6の内部に位置(存在)する内部情報にアクセスするためのメニュー画面54(図14のメユー画面48に相当)を表示している。この図からも理解されるとおり、ユーザ40は、仮想的な視点高度を変えるだけで、さまざまな縮尺の地図55〜61を適宜に表示することができ、それらの地図上に重畳表示された各種情報アイコンを選択して所望の情報に自在にアクセスできるとともに、視点高度をH0以下にするだけで、自端末6の内部情報にもシームレスにアクセスすることができるから、結局、外部情報から内部情報への切り替えやその逆方向の切り替えを意識せずに行うことができるようになり、情報の存在場所(外部であるか内部であるか)にかかわらず、多種多様な情報のアクセスを容易に且つ手間をかけずに行うことができるという格別特有の効果を奏することができる。
【0057】
なお、実施形態は以上の説明に限定されず、さまざまな変形例や発展例を包含する。たとえば、以下のようにしてもよい。
【0058】
<地図縮尺の変更/その1>
図16(a)は、地図縮尺の変更手法(その1)を示す図である。この図に示すように、自端末6の筐体を握る力の大きさに応じて地図の縮尺を変化させるようにしてもよい。力の検出は、たとえば、筐体に設けた圧力センサ62で行うことができる。筐体の側面に圧力センサ62を設けておけば、図示のような筐体に対する横方向の把握力に応じて地図の縮尺を変更することができる。あるいは、筐体の底面や上面に圧力センサを設けておいてもよい。この場合、筐体に対する縦方向の把握力に応じて地図の縮尺を変更することができる。
【0059】
<地図縮尺の変更/その2>
図16(b)は、地図縮尺の変更手法(その2)を示す図である。この図に示すように、自端末6をユーザ40の方向に近づけたり遠ざけたりする操作に応じて地図の縮尺を変化させてもよい。このような自端末6の位置変化は、たとえば、自端末6の内部に設けた三次元加速度センサ63で行うことができる。三次元加速度センサ63はXYZの3軸加速度を個別に検出することができるので、その検出値に基づいて自端末6の動き(ユーザ40の方向に近づいたり遠ざかったりする動き)をリアルタイムに把握できるからである。あるいは、自端末6がカメラ付である場合は、そのカメラでユーザ40の顔を撮影し、顔の大きさの変化から上記の動き(ユーザ40の方向に近づいたり遠ざかったりする動き)を把握するようにしてもよい。
【0060】
<地図縮尺の変更/その3>
図16(c)は、地図縮尺の変更手法(その3)を示す図である。この図に示すように、ユーザ40の手首の動きに応じて地図の縮尺を変化させてもよい。このような動きも自端末6の内部に設けた三次元加速度センサ63で検出することができる。
【0061】
<地図縮尺の変更/その4>
図17(a)は、地図縮尺の変更手法(その4)を示す図である。この図の左側に示すように、自端末6の上下動を検出して地図の縮尺を変化させてもよく、または、この図の中央に示すように、手首のスナップに応じて地図の縮尺を変化させてもよく、あるいは、この図の右側に示すように、自端末6の上にかざした手の動きに応じて地図の縮尺を変化させてもよい。自端末6の上下動や手首のスナップも自端末6の内部に設けた三次元加速度センサ63で検出することができ、また、自端末6の上にかざした手の動きは自端末6のカメラ64で検出することができる。
【0062】
<地図縮尺の変更/その5>
図17(b)は、地図縮尺の変更手法(その5)を示す図である。この図の左側に示すように、自端末6の画面上で2本の指を開いたり閉じたりする操作に合せて地図の縮尺を変化させてもよく、または、この図の中央に示すように、画面上に設けられているスライダーコントロール65の操作に応じて地図の縮尺を変化させてもよく、あるいは、この図の右側に示すように、画面上に設けられている「−」ボタン66や「+」ボタン67の操作に応じて地図の縮尺を変化させてもよい。2本の指の動きは表示部16のタッチパネル68の検出信号から捕捉することができ、また、スライダーコントロール65や「−」ボタン66および「+」ボタン67は、一般的な基本プログラム(オペレーティングシステム)の標準ソフト部品であるので、それらの部品を使ってインターフェース画面を適宜に設計すればよい。
【0063】
<地図縮尺の変更/その6>
図17(c)は、地図縮尺の変更手法(その6)を示す図である。上記の地図縮尺の変更手法(その1)では、自端末6の筐体を握る力の大きさに応じて地図の縮尺を変化させているが、この変更手法(その6)では、自端末6の筐体の握る部分に応じて地図の縮尺を変化させるようにしている。たとえば、筐体の上部を握ると地図拡大、下部を握ると地図縮小するという具合である。なお、この図では筐体の上部と下部の2カ所にしているが、これに限定されない。3カ所以上であっても当然かまわない。
【0064】
<地図縮尺の変更/その7>
図18(a)は、地図縮尺の変更手法(その7)を示す図である。この図の左側に示すように、自端末6の画面のタッチ回数に応じて地図の縮尺を変化させるようにしてもよい。たとえば、タッチするたびに所定量ずつ拡大(または縮小)していき、拡大の上限値(縮小の下限値)に至ったときに反転(拡大→縮小/縮小→拡大)させるようにしてもよい。あるいは、この図の右側に示すように、自端末6に与えた衝撃の回数に応じて地図の縮尺を変化させるようにしてもよく、この場合も衝撃を与えるたびに所定量ずつ拡大(または縮小)していき、拡大の上限値(縮小の下限値)に至ったときに反転(拡大→縮小/縮小→拡大)させるようにしてもよい。または、タッチや衝撃のリズムに合せて地図の拡大や縮小を行ってもよい。
【0065】
<地図縮尺の変更/その8>
図18(b)は、地図縮尺の変更手法(その8)を示す図である。この図の左側に示すように、自端末6の側面に設けられたスライド方式のメカニカルボタン(スライドボタン69)の動きに応じて地図の縮尺を変化させるようにしてもよく、あるいは、この図の右側に示すように、自端末6の側面に設けられた二つの押しボタン(「+」ボタン70と「−」ボタン71)の押圧操作に応じて地図の縮尺を変化させるようにしてもよい。
【0066】
<地図縮尺の変更/その9>
図18(c)は、地図縮尺の変更手法(その9)を示す図である。この図に示すように、自端末6が音声認識機能を有している場合は、ユーザ40の音声指示に従って地図の縮尺を変化させるようにしてもよい。
【0067】
<外部情報の取り込み>
図19(a)および(b)は、外部情報の取り込み変形例を示す図である。先の実施形態ではネットワーク1を介して外部情報を取り込むとしていたが、自端末6にカメラが付いていた場合はそのカメラを利用して周囲の外部情報を取り込むことが可能である。たとえば、QRコードを表示した看板等が近くにあった場合には、その看板をカメラで撮影することにより、QRコードに含まれている外部情報を自端末6に取り込むことができる。あるいは、OCR技術を利用してカメラ画像から文字情報を取出し、その文字情報を外部情報として取り込むこともできる。(a)は外部情報を取り込む前の通常の使用状態、(b)は外部情報を取り込む際のカメラの起動状態図である。(a)から(b)のように自端末6の姿勢を変化させることによってカメラが起動し、QRコードや文字の撮影が可能になる。
【0068】
<情報アイコンの非表示>
図19(b)は、地図上に表示されている各種の情報アイコンを非表示にする際に用いることができる一手法を示す図である。この図に示すように、自端末6を軽く振ったときに情報アイコンを非表示にするようにしてもよい。自端末6を軽く振る操作は、あたかも情報アイコンを捨て去るようなイメージであるので、直感的な操作とすることができる。なお、図では情報アイコン72が自端末6から飛び出しているように描かれているが、これは図示の便宜であって、上記のイメージ(捨て去る)を概念的に示しているに過ぎない。
【0069】
なお、前記の実施形態の説明では、地図情報をネットワーク1上のサーバ2から取得するとしているが、これに限らない。たとえば、あらかじめ自端末6のデータ記憶部14に保持されていたものを使用してもよい。
【符号の説明】
【0070】
6 自端末
10 通信部(外部情報抽出手段、アクセス手段)
12 制御部(アクセス手段、コンピュータ、第1の表示制御手段、第2の表示制御手段)
15 操作部(地図範囲設定手段)
16 表示部(地図表示手段)
α、α1、α2、α3 視野角
H0 最小高度
H1、H2、H3、H4 仮想高度
S1 ステップ(地図範囲設定工程)
S3 ステップ(外部情報抽出工程)
S4 ステップ(第1の表示制御工程)
S5 ステップ(地図表示工程)
S9 ステップ(アクセス工程)
S11 ステップ(第2の表示制御工程)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
自端末外に位置する外部情報と自端末内に位置する内部情報とのいずれにもアクセス可能なアクセス手段を具備する情報アクセス装置において、
前記アクセス手段は、
自端末を中心とした地図を表示する地図表示手段と、
前記地図の範囲を設定する地図範囲設定手段と、
前記地図範囲設定手段によって設定された地図の範囲内に位置する前記外部情報を抽出する外部情報抽出手段と、
前記外部情報抽出手段によって抽出された外部情報を示す指標を前記地図範囲設定手段によって範囲が設定された地図に合成して表示部に表示させる第1の表示制御手段と、
前記表示部に表示されている指標のいずれかが選択されたときに該選択指標に対応する外部情報にアクセスするアクセス手段とを備えるとともに、
さらに、前記地図範囲設定手段によって設定された地図の範囲が所定の範囲になったときに前記内部情報をアクセスするためのメニュー画面を前記表示部に表示させる第2の表示制御手段を備えたことを特徴とする情報アクセス装置。
【請求項2】
前記所定の範囲は、前記地図を最大に拡大した範囲であることを特徴とする請求項1に記載の情報アクセス装置。
【請求項3】
前記地図範囲設定手段は、自端末を一定の視野角で上空から俯瞰した際の様々な仮想高度に対応して前記地図の範囲を設定することを特徴とする請求項1に記載の情報アクセス装置。
【請求項4】
前記地図範囲設定手段は、自端末を一定の仮想高度で上空から俯瞰した際の様々な視野角に対応して前記地図の範囲を設定することを特徴とする請求項1に記載の情報アクセス装置。
【請求項5】
前記所定の範囲は、前記様々な仮想高度のうち最小高度に対応する範囲であることを特徴とする請求項3に記載の情報アクセス装置。
【請求項6】
前記所定の範囲は、前記様々な視野角のうち最小視野角に対応する範囲であることを特徴とする請求項4に記載の情報アクセス装置。
【請求項7】
自端末外に位置する外部情報と自端末内に位置する内部情報とのいずれにもアクセス可能なアクセス工程を含む情報アクセス方法において、
前記アクセス工程は、
自端末を中心とした地図を表示する地図表示工程と、
前記地図の範囲を設定する地図範囲設定工程と、
前記地図範囲設定工程によって設定された地図の範囲内に位置する前記外部情報を抽出する外部情報抽出工程と、
前記外部情報抽出工程によって抽出された外部情報を示す指標を前記地図範囲設定工程によって範囲が設定された地図に合成して表示部に表示させる第1の表示制御工程と、
前記表示部に表示されている指標のいずれかが選択されたときに該選択指標に対応する外部情報にアクセスするアクセス工程とを含むとともに、
さらに、前記地図範囲設定工程によって設定された地図の範囲が所定の範囲になったときに前記内部情報をアクセスするためのメニュー画面を前記表示部に表示させる第2の表示制御工程を含むことを特徴とする情報アクセス方法。
【請求項8】
自端末のコンピュータに、
自端末を中心とした地図を表示する地図表示手段と、
前記地図の範囲を設定する地図範囲設定手段と、
前記地図範囲設定手段によって設定された地図の範囲内に位置する前記外部情報を抽出する外部情報抽出手段と、
前記外部情報抽出手段によって抽出された外部情報を示す指標を前記地図範囲設定手段によって範囲が設定された地図に合成して表示部に表示させる第1の表示制御手段と、
前記表示部に表示されている指標のいずれかが選択されたときに該選択指標に対応する外部情報にアクセスするアクセス手段と、
前記地図範囲設定手段によって設定された地図の範囲が所定の範囲になったときに前記内部情報をアクセスするためのメニュー画面を前記表示部に表示させる第2の表示制御手段としての機能を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−244290(P2011−244290A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−115904(P2010−115904)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】