説明

情報データ記憶媒体の読書装置

【課題】 ゲーミングマシンから排出されたICカードの取り忘れを低減できる情報データ記憶媒体の読書装置を提供する。
【解決手段】 情報データ記録媒体がイジェクト位置に存在すると判別され、かつ、プレーヤが存在しないと判別されたときに、搬送装置によって情報データ記録媒体をイジェクト位置から収納位置に搬送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーミングマシンで用いることができる情報データ記憶媒体の読書装置、特に、プレーヤトラッキングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
米国のカジノでは、コインレスで決済を行うEZ PAYと呼ばれる換金システムが導入されている(例えば、特許文献1参照)。従来、ゲームを行うためには、貨幣そのものがゲーム用のコインとして使用されたり、貨幣と交換されたトークンが使用されたりしてきた。これに対して、EZ PAYと称されるシステムは、コインやトークンの代わりにペーパーチケットを用いるものである。ペーパーチケットには、バーコードによってクレジット数が印刷される。一のゲーミングマシンでゲームを終了するときには、そのゲーミングマシンで、その時点のクレジット数をペーパーチケットに印字する。その後、別のゲーミングマシンに移動するときには、クレジット数が印字されたペーパーチケットを別のゲーミングマシンで読み取らせて、ゲームを開始する。このようにすることで、ゲーミングマシンを移動するときにおいても、他のゲーミングマシンでクレジット数を継続させることができる。また、換金するときには、クレジット数が印字されたペーパーチケットを、店に提示したり換金器に読み取らせたりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7118478号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、上述したEZ PAYシステムでは、クレジット数を記録する対象がペーパーチケットという紙媒体を用いていた。このため、カジノ内で移動したり飲食したりしているときに、ペーパーチケットを、紛失したり汚したり、あるいは、破損させたりする可能性があった。また、クレジット数をバーコードで印字していたために、セキュリティも十分でない可能性があった。
【0005】
一方、近年、ICカードの普及は目覚しく、当初は、電気的コンタクトの存在する接触型のICカードであったが、最近では、RFIDの低価格化もあいまって非接触型のICカードも普及するようになってきた。しかしながら、バーコードを印字したペーパーチケットの代わりに、ICカードをカジノで利用できるようにする場合には、ゲーミングマシンから排出されたICカードをプレーヤが取り忘れるといった問題が生じる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ゲーミングマシンから排出されたICカードの取り忘れを低減できる情報データ記憶媒体の読書装置を提供することにある。
【0007】
本発明は、下記構成を有する情報データ記憶媒体の読書装置を提供する。
(1) ゲーミングマシンでプレイするプレーヤの存在を検出するプレーヤ検出装置と、
着脱可能な情報データ記録媒体を収納位置又はイジェクト位置に搬送する搬送装置と、
前記情報データ記録媒体が前記イジェクト位置に存在することを検出する記録媒体検出装置と、
下記(A)〜(C)の処理を実行するようにプログラムされたコントローラと、を有する情報データ記憶媒体の読書装置。
(A)前記記録媒体検出装置によって、前記情報データ記録媒体がイジェクト位置に存在するか否かを判断する処理、
(B)前記プレーヤ検出装置によって、プレーヤが存在するか否かを判断する処理、及び、
(C)前記情報データ記録媒体がイジェクト位置に存在すると判別され、かつ、プレーヤが存在しないと判別されたときに、前記搬送装置によって前記情報データ記録媒体をイジェクト位置から収納位置に搬送する処理。
【0008】
このような構成にしたことにより、情報データ記録媒体がイジェクト位置に存在し、かつ、プレーヤが存在しない場合には、情報データ記録媒体を収納位置に搬送する。すなわち、情報データ記録媒体がイジェクト位置に存在し、かつ、プレーヤが存在しない場合には、情報データ記録媒体をイジェクト位置から除去することができる。このため、ICカードがゲーミングマシンに残された場合であっても、店員がゲーミングマシンに出向いてICカードを除去する作業が必要なくなり、店の作業の負担を軽くしたり、作業が煩雑になったりすることを防止することができる。さらに、取り忘れられたICカードを他の遊技者が入手して不正にクレジットを取得するという不正行為も防止することができる。
【0009】
また、本発明は、下記構成を有する情報データ記憶媒体の読書装置を提供する。
上記(1)に記載の情報データ記憶媒体の読書装置であって、
アラート情報を出力するアラート出力装置を有し、
前記コントローラは、
(D)前記情報データ記録媒体がイジェクト位置に存在すると判別され、かつ、プレーヤが存在しないと判別されたときに、前記アラート出力装置からホールアラート情報を出力する処理を実行するようにプログラムされた情報データ記憶媒体の読書装置。
【0010】
このような構成にしたことにより、情報データ記録媒体がイジェクト位置に存在し、かつ、プレーヤが存在しない場合には、ホールアラート情報が出力される。このため、ICカードがゲーミングマシンに残されたことを報知することができる。したがって、プレーヤが、未だゲーミングマシンから遠くに行っていない場合には、ICカードの取り忘れをプレーヤに認識させることができる。さらに、店員やホールに対しても、ICカードの取り忘れが発生したことを直ちに報知することができ、適切な作業を迅速にすることができる。
【0011】
また、本発明は、下記構成を有する情報データ記憶媒体の読書装置を提供する。
上記(1)又は(2)に記載の情報データ記憶媒体の読書装置であって、
ゲーミングマシンでゲームがプレイされるための現金に関する金額情報を前記情報データ記録媒体と読み込み又は書き込みさせるリーダ/ライタを有し、
前記コントローラは、
(E)ゲーミングマシンでゲームがプレイされるための現金に関する金額情報を前記情報データ記録媒体に書き込む処理、
(F)前記情報データ記録媒体に書き込まれた前記金額情報が示す金額が所定数未満であるときにミニゲームを実行し、ミニゲームの結果に応じて前記金額情報を変更する処理、及び、
(G)前記情報データ記録媒体に書き込まれた前記金額情報が示す金額が前記所定数以上であるときに、前記搬送装置によって前記情報データ記録媒体をイジェクト位置に搬送する処理、を実行するようにプログラムされた情報データ記憶媒体の読書装置。
【0012】
このような構成にしたことにより、ミニゲームによって、情報データ記録媒体に記憶させる金額を多くした場合には、ICカードの価値を高めて、情報データ記録媒体の存在をプレーヤに積極的に認識させて、取り忘れを防止することができる。
【0013】
さらに、本発明は、下記構成を有する情報データ記憶媒体の読書装置を提供する。
イベント管理サーバ及び放送送信サーバと通信する通信装置と、
プレーヤの操作に応じて情報が入力される入力装置と、
放送送信サーバから送信されたイベントの実況を示す放送データに基づいて実況を報知する報知装置と、
下記(M)〜(P)の処理を実行するようにプログラムされたコントローラと、を有する情報データ記憶媒体の読書装置。
(M)ベットの対象となるイベントの種類と、前記イベントの結果に対するベット額とが前記入力装置によって入力される処理、
(N)前記イベントの種類と前記ベット額とを前記通信装置を介して前記イベント管理サーバに送信する処理、
(O)前記イベントの種類に応じて放送データを放送送信サーバから受信して前記報知装置から実況を報知する処理、及び、
(P)イベントの結果に応じて前記イベント管理サーバが定めた配当結果を、前記イベント管理サーバから受信して前記報知装置から報知する処理。
【0014】
このような構成にしたことにより、プレーヤは、ゲーミングマシンでゲームをしつつ、スポーツブックなどのイベントにも参加することができ、ゲーミングマシンにおけるゲームの合間の時間を有効に活用することができるとともに、イベントに対するベットによる配当を得る可能性を高めることができる。また、ベットによる配当を得たときには、ゲーミングマシンでゲームを行うための資金を確保することもでき、ゲーミングマシンで長い時間にわたってゲームを楽しませることができる。
【発明の効果】
【0015】
ゲーミングマシンから排出されたICカードを、プレーヤが取り忘れることを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係るPTS端末の概略を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るPTS端末が搭載されるゲーミングマシンの機能フローを示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係るPTS端末が搭載されるゲーミングマシンを含むゲームシステムを示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係るPTS端末が搭載されるゲーミングマシンの全体構成を示す図である。
【図5】通常ゲーム用シンボルテーブルを示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係るPTS端末が搭載されるゲーミングマシンの内部構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施形態に係るPTS端末が搭載されるゲーミングマシンのシンボル組み合せを示すテーブルである。
【図8】本発明の実施形態に係るPTS端末が搭載されるゲーミングマシンのメイン制御処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態に係るPTS端末が搭載されるゲーミングマシンのコイン投入・スタートチェック処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態に係るPTS端末が搭載されるゲーミングマシンのジャックポット関連処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態に係るPTS端末が搭載されるゲーミングマシンのインシュランス関連処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態に係るPTS端末が搭載されるゲーミングマシンのシンボル抽籤処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施形態に係るPTS端末が搭載されるゲーミングマシンのシンボル表示制御処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施形態に係るPTS端末が搭載されるゲーミングマシンの払出数決定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図15】本発明の実施形態に係るPTS端末が搭載されるゲーミングマシンのインシュランスチェック処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図16】本発明の実施形態に係るPTS端末が搭載されるゲーミングマシンのボーナスゲーム処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図17】本発明の実施形態に係るPTS端末が搭載されるゲーミングマシンのインシュランス選択処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図18】本発明の実施形態に係るPTS端末の構成を示すブロック図である。
【図19】本発明の実施形態に係るPTS端末で用いられるICカード処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図20】本発明の実施形態に係るPTS端末で用いられるICカードの排出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図21】本発明の実施形態に係るPTS端末で行われるミニゲーム1の処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図22】PTS端末のハードディスクドライブに記憶されるプレーヤの人物画像の録画データの構成を示すテーブルである。
【図23】本発明の実施形態に係るPTS端末で用いられるICカード初期化・補充処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図24】本発明の実施形態に係るPTS端末で用いられるICカードに記憶される項目を示すテーブルである。
【図25】本発明の実施形態に係るPTS端末が搭載されるゲーミングマシンのコントロールパネルの構成を示す概略図である。
【図26】本発明の実施形態に係るPTS端末が搭載されるゲーミングマシンの紙幣識別器に投入された紙幣の金種に応じて、クレジット数に変換するためのサブルーチンを示すフローチャートである。
【図27】本発明の実施形態に係るPTS端末が搭載されるゲーミングマシンの紙幣識別器に紙幣を投入したときに、PTS端末のLCDに表示される画面の例を示す図である。
【図28】本発明の実施形態に係るPTS端末で行われるミニゲーム2の処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図29】本発明の実施形態に係るPTS端末で実行されるクレジット変換処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図30】本発明の実施形態に係る図30に示すカジノシステム1000の概略を示すブロック図である。
【図31】本発明の実施形態に係るPTS端末で実行されるスポーツブック処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の実施例について図面に基づいて説明する。
【0018】
本発明の実施形態に係る情報データ記憶媒体の読書装置(以下、プレーヤトラッキングシステム(PTS)と称する)は、プレーヤ検出装置と、搬送装置と記録媒体検出装置と、コントローラとを有する。なお、後述するPTS端末64が、「情報データ記憶媒体の読書装置」や「プレーヤトラッキングシステム」に相当し、CCDカメラ251や人体検出センサ252が、「プレーヤ検出装置」に相当し、モータ254が、「搬送装置」に相当し、イジェクト位置センサ255が、「記録媒体検出装置」に相当し、CPU241とROM242とRAM243とが、「コントローラ」に相当する。
【0019】
プレーヤ検出装置は、ゲーミングマシンでプレイするプレーヤの存在を検出するための装置である。プレーヤの像を光学的に検出するものでも、プレーヤを熱的又は機械的に検出するものでもよい。プレーヤの存在を検出したときには、検出信号を発するものが好ましい。したがって、プレーヤ検出装置は、ゲーミングマシンの前方に、人物が存在するか否かを検出できるものであればよい。
【0020】
搬送装置は、情報データ記録媒体を搬送する。搬送装置は、給電されて駆動されるものが好ましい。搬送装置によって、情報データ記録媒体が収納位置又はイジェクト位置に搬送されて位置づけられる。
【0021】
イジェクト位置は、搬送装置によって情報データ記録媒体が搬送されて、情報データ記録媒体の一部が露出したり突出したりして、情報データ記録媒体をプレーヤが把持して、プレーヤトラッキングシステムから取り出すことができる位置である。
【0022】
収納位置は、プレーヤトラッキングシステムの内部の所定の位置である。収納位置は、一つの位置には、限られず、複数の位置にすることができる。例えば、収納位置の一つとして、ロード位置がある。ロード位置は、後述するリーダ/ライタによって、プレーヤトラッキングシステムとの間で通信を行い、所定の情報やデータを、情報データ記録媒体に書き込んだり、情報データ記録媒体から読み出したりできる位置である。
【0023】
さらに、収納位置には、情報データ記録媒体を収容するためのスタッカーに搬送するスタッカー位置もある。スタッカー位置は、2つあるものが好ましい。一方は、通常スタッカーであり、他方は、アラートスタッカーである。いずれのスタッカーもICカードを所定の枚数だけ収容することができる。通常スタッカーは、初期化されたICカードを収容するためのものである。また、所定のアラート条件を満たして、アラートの対象となったICカードを収容するためのものである。
【0024】
このように、本発明の実施形態に係るプレーヤトラッキングシステムでは、収納位置として、ロード位置と、通常スタッカーの収容位置と、アラートスタッカーの収容位置とがあるものが好ましい。
【0025】
また、情報データ記録媒体は、プレーヤトラッキングシステムから着脱可能なものである。上述したように、情報データ記録媒体をイジェクト位置に位置づけたときには、プレーヤがプレーヤトラッキングシステムから情報データ記録媒体を取り出すことができる。さらに、プレーヤが、プレーヤトラッキングシステムの外側からプレーヤトラッキングシステムの内部に情報データ記録媒体を挿入することによって、情報データ記録媒体をイジェクト位置に位置づけることもできる。情報データ記録媒体がイジェクト位置に位置づけられたときには、搬送装置によって、収納位置のうちのいずれか1つの位置に情報データ記録媒体が搬送される。
【0026】
さらにまた、情報データ記録媒体は、接触型でも非接触型でもよい。情報データ記録媒体がロード位置に位置づけられたときに、プレーヤトラッキングシステムとの間で通信を行って、所定の情報やデータを、情報データ記録媒体に書き込んだり、情報データ記録媒体から読み出したりできればよい。例えば、情報データ記録媒体には、ICカードなどがある。
【0027】
上述したイジェクト位置には、記録媒体検出装置が設けられている。記録媒体検出装置は、情報データ記録媒体がイジェクト位置に位置づけられたときに、情報データ記録媒体がイジェクト位置に存在することを検出する。記録媒体検出装置は、情報データ記録媒体がイジェクト位置に存在することを検出したときには、検出信号を発するものが好ましい。情報データ記録媒体がイジェクト位置に位置づけられる場合は、搬送装置によって、イジェクト位置に搬送されて位置づけられる場合だけでなく、プレーヤが、プレーヤトラッキングシステムの外側からプレーヤトラッキングシステムの内部に情報データ記録媒体を挿入することによって、イジェクト位置に位置づけられる場合もある。
【0028】
コントローラは、中央処理装置(CPU)、リードオンリーメモリ(ROM)及びランダムアクセスメモリ(RAM)からなるものが好ましい。このコントローラは、以下の(A)〜(C)の処理を実行することができる。
【0029】
(A)の処理は、記録媒体検出装置によって、情報データ記録媒体がイジェクト位置に存在するか否かを判断する処理である。この(A)の判断処理は、記録媒体検出装置から発せられる検出信号に基づいて行うのが好ましい。後述する図20のステップS2013の処理が、(A)の処理に相当する。
【0030】
(B)の処理は、プレーヤ検出装置によって、プレーヤが存在するか否かを判断する処理である。この(B)判断処理は、プレーヤ検出装置から発せられる検出信号に基づいて行うのが好ましい。後述する図20のステップS2021の処理が、(B)の処理に相当する。
【0031】
(C)の処理は、情報データ記録媒体がイジェクト位置に存在すると判別し、かつ、プレーヤが存在しないと判別したときに、搬送装置によって情報データ記録媒体をイジェクト位置から収納位置に搬送する処理である。この(C)の処理では、情報データ記録媒体がイジェクト位置に存在すると判別し、かつ、プレーヤが存在しないと判別したときに、搬送装置に対して駆動制御信号を発することによって、搬送装置を駆動し、情報データ記録媒体をイジェクト位置から収納位置に搬送するのが好ましい。後述する図20のステップS2051の処理が、(C)の処理に相当する。
【0032】
このような構成にしたことにより、情報データ記録媒体がイジェクト位置に存在し、かつ、ゲーミングマシンにプレーヤが存在しない場合には、情報データ記録媒体を収納位置に搬送する。すなわち、情報データ記録媒体がイジェクト位置に存在し、かつ、プレーヤが存在しない場合には、情報データ記録媒体をイジェクト位置から除去することができる。さらに、イジェクト位置から除去された情報データ記録媒体は、プレーヤトラッキングシステムの内部に収容される。
【0033】
このため、情報データ記録媒体がゲーミングマシンに残された場合であっても、店員がゲーミングマシンに出向いて情報データ記録媒体を除去するという煩雑な作業を不要にでき、店の作業の負担を軽くしたり、作業が煩雑になったりすることを防止することができる。さらに、取り忘れられた情報データ記録媒体を他の遊技者が入手して不正にクレジットを取得するなどの不正行為も防止することができる。
【0034】
また、本発明の実施形態に係るプレーヤトラッキングシステム(PTS)は、アラート情報を出力するアラート出力装置を有するものが好ましい。この場合には、上述したコントローラは、以下の(D)の処理を実行するのが好ましい。
【0035】
(D)の処理は、情報データ記録媒体がイジェクト位置に存在すると判別され、かつ、プレーヤが存在しないと判別されたときに、アラート出力装置からホールアラート情報を出力する処理を実行する処理である。この(D)の処理では、情報データ記録媒体がイジェクト位置に存在すると判別され、かつ、プレーヤが存在しないと判別されたときには、アラートを示すためのホールアラート情報をアラート出力装置に供給することによって、アラート出力装置からホールアラート情報を出力するのが好ましい。後述する図20のステップS2045、S2047又はS2049の処理が、(D)の処理に相当する。
【0036】
このホールアラート情報の出力は、プレーヤや店員に認識できるものが好ましい。また、プレーヤや店員のみならず、ホールコンピュータなどの制御装置が識別できる情報やデータをホールアラート情報に含めるのが好ましい。ホールコンピュータなどの制御装置で記録することができ、店で生じたことを的確に管理することができる。
【0037】
このような構成にしたことにより、情報データ記録媒体がイジェクト位置に存在し、かつ、プレーヤが存在しない場合には、ホールアラート情報が出力される。このため、ICカードがゲーミングマシンに残されたことを報知することができる。したがって、プレーヤが、未だゲーミングマシンから遠くに行っていない場合には、ICカードの取り忘れをプレーヤに認識させることができる。さらに、店員やホールに対しても、ICカードの取り忘れが発生したことを直ちに報知することができ、適切な作業を迅速にすることができる。
【0038】
さらに、本発明の実施形態に係るプレーヤトラッキングシステム(PTS)は、リーダ/ライタを有するものが好ましい。このリーダ/ライタは、所定の情報を、情報データ記録媒体に書き込んだり、情報データ記録媒体から読み出したりするものである。この所定の情報には、ゲーミングマシンでゲームがプレイされるための現金に関する金額情報が含まれる。金額情報は、プレーヤがゲーミングマシンでゲームをプレイするたに、プレーヤが所有したり管理したりしていた現金をゲーミングマシンに投入して、投入した現金の金額を示す情報に変換したものである。この金額情報は、プレーヤが、ゲーミングマシンでゲームをプレイすることによって、金額情報の内容(例えば、数値)が変化する。なお、後述するように、プレーヤがゲーミングマシンでゲームをプレイするときには、金額情報が変換されたクレジット数が用いられる。したがって、プレーヤがゲーミングマシンでゲームをプレイするたびに、クレジット数を変更するが、金額情報を変更する必要なない。プレイを終了したときなどの、所定のタイミングで、クレジット数を金額情報に変換して、金額情報を変更すればよい。
【0039】
金額情報が示す金額に応じたクレジット数に変換することができる。クレジットは、ゲーミングマシンに投入することによって、ゲームの賭け金として使用できる仮想的な遊技媒体や、ゲーミングマシンに記憶されて現金化されるまで、引き続き賭け金として使用することができる仮想的な遊技媒体である。
【0040】
また、コントローラは、以下の(E)〜(G)の処理を実行することができる。
【0041】
(E)の処理は、ゲーミングマシンでゲームがプレイされるための現金に関する金額情報を情報データ記録媒体に書き込む処理である。上述したように、金額情報はクレジット数に変換される。クレジットは、ゲームの賭け金として使用されるものであり、ゲームが進行するに従ってクレジット数は変化する。なお、金額情報を情報データ記録媒体に書き込むタイミングは、ゲーミングマシンでのプレイが終了したときでも、ゲーミングマシンでゲームがプレイされる毎でもよい。いずれにしても、ゲーミングマシンからプレーヤトラッキングシステムにクレジット数が送信され、そのクレジット数が金額情報に変換されて、変換された金額情報が情報データ記録媒体に書き込まれる。後述する図19のステップS1939の処理が、(E)の処理に相当する。
【0042】
(F)の処理は、情報データ記録媒体に書き込まれた金額情報が所定数未満であるときにミニゲームを実行し、ミニゲームの結果に応じて金額情報が示す金額を変更する処理である。ミニゲームは、ゲーミングマシンでプレイされるゲームよりも短時間で終了するものが好ましい。ミニゲームは、ゲーミングマシンでのゲームが終了した後に、情報データ記録媒体の金額情報が示す金額を調整するために実行されるものである。短時間で終了できるゲームにすることで、直ちに次のプレーヤがゲーミングマシンでプレイすることができ、ゲーミングマシンの稼動率を維持することができる。後述する図21のステップS2113〜S2121の処理が、(F)の処理に相当する。
【0043】
(G)の処理は、情報データ記録媒体に書き込まれた金額情報が示す金額が所定数以上であるときに、搬送装置によって情報データ記録媒体をイジェクト位置に搬送する処理である。金額情報が示す金額が所定数以上であるときには、情報データ記録媒体の価値が未だ高いため、プレーヤが取り忘れる可能性が低いので、プレーヤが情報データ記録媒体を取り出すことができるように、イジェクト位置に情報データ記録媒体を搬送するのが好ましい。後述する図21のステップS2119及び図20のステップS2011の処理が、(G)の処理に相当する。
【0044】
このような構成にしたことにより、ミニゲームによって、金額情報が示す金額を多くした場合には、情報データ記録媒体の価値を高めて、情報データ記録媒体の存在をプレーヤに積極的に認識させて、取り忘れを防止することができる。
【0045】
さらにコントローラは、以下の(H)の処理を実行することができる。
【0046】
(H)の処理は、ゲーミングマシンに投入された現金を、金種に対応したレートに応じて金額情報が示す金額に変換する処理である。後述する図26のサブルーチンの処理が、(G)の処理に相当する。
【0047】
このような構成にしたことにより、プレーヤが所有する現金を、所定の金種に応じたレートで金額情報に変換するので、金額情報が示す金額に端数が生ずる場合でも、その端数を含めて現金の額を的確に変換でき、プレーヤに不利益を与えることがなく、金額情報を変換することができる。
【0048】
さらにコントローラは、以下の(I)の処理を実行することができる。
【0049】
(I)の処理は、情報データ記録媒体に書き込まれた金額情報が示す金額が所定数未満であるときに、搬送装置によって情報データ記録媒体を収納位置に搬送する処理である。すなわち、ミニゲームを実行したことによって、ミニゲームに負けた場合には、情報データ記録媒体を没収するということにして、情報データ記録媒体を収納位置に搬送する。このようにしても、情報データ記録媒体に書き込まれた金額情報が示す金額が所定数未満であるので、情報データ記録媒体の価値は高くなく、プレーヤに不満を与えることはない。後述する図21のステップS2117及びS2129の処理が、(I)の処理に相当する。
【0050】
このように情報データ記録媒体をプレーヤトラッキングシステムの内部に収納するようにしたことで、情報データ記録媒体がプレーヤトラッキングシステムに残されないようにして、店員の手間や労力を軽くすることができる。また、情報データ記録媒体がプレーヤトラッキングシステムの内部に収容されるので、次のプレーヤは、待つことなく、直ちに、そのゲーミングマシンでゲームを開始することができ、ゲーミングマシンの稼働率を高めることができる。さらに、情報データ記録媒体がプレーヤトラッキングシステムの内部に収容することで、情報データ記録媒体を店が的確に回収することができ、回収した情報データ記録媒体を再び店内で使用することができるので、情報データ記録媒体に要する費用を低減させることもできる。
【0051】
さらにコントローラは、以下の(J)の処理を実行することができる。
【0052】
(J)の処理は、前記情報データ記録媒体がイジェクト位置に存在すると判別され、かつ、プレーヤが存在すると判別されたときには、前記アラート出力装置からプレーヤアラート情報を出力する処理である。後述する図20のステップS2023又はS2025の処理が、(J)の処理に相当する。
【0053】
上述した(D)の処理では、情報データ記録媒体がイジェクト位置に存在すると判別され、かつ、プレーヤが存在しないと判別されたときに、アラート出力装置からホールアラート情報を出力する。このホールアラート情報は、プレーヤが存在しないと判別されたときに、出力されるものである。したがって、ホールアラート情報を出力しても、ゲーミングマシンから足早に立ち去るプレーヤは、ホールアラート情報を認識できない場合も想定される。このため、まず、(J)の処理を実行することによって、プレーヤが存在するときに、プレーヤに対するプレーヤアラート情報を出力するものが好ましい。このようにすることで、情報データ記録媒体を取り忘れている可能性があることをプレーヤに対して、報知することができる。
【0054】
さらにコントローラは、以下の(K)の処理を実行することができる。
【0055】
(K)の処理は、アラート出力装置からプレーヤアラート情報を出力した後に、プレーヤが存在しないと判別されたときに、アラート出力装置からホールアラート情報を出力する処理である。後述する図20のステップS2023又はS2025及びステップS2045、S2047又はS2049の処理が、(K)の処理に相当する。
【0056】
すなわち、プレーヤが存在するときに、プレーヤアラート情報を出力したにも拘わらず、そのプレーヤアラート情報に気がつかずに、プレーヤがゲーミングマシンから離れた場合には、ホールアラート情報に切り替えてホールアラート情報を出力する。このように、アラート情報の出力を2段階にすることで、報知の対象を、プレーヤから店(店員やホールコンピュータ)に変更することにより、情報データ記録媒体が取り忘れられたときの作業を的確かつ迅速に行うことができる。
【0057】
さらにコントローラは、以下の(L)の処理を実行することができる。
【0058】
(L)の処理は、上述した(C)や(I)の処理によって、収納位置に搬送した情報データ記録媒体を、所定の期間の経過後に、情報データ記録媒体を初期化し、通常スタッカーに搬送して情報データ記録媒体を補充する処理である。後述する図23のステップS2315、S2317及びS2319の処理が、(L)の処理に相当する。
【0059】
このようにすることで、店は、情報データ記録媒体を新規に購入することなく、情報データ記録媒体を補充することができるので、情報データ記録媒体に要する費用を低減させることもできる。また、ゲーミングマシンを開放することなく、情報データ記録媒体を補充することができるので、ゲームの公平性や安全性を維持することができるとともに、情報データ記録媒体の補充作業が煩雑になることを防止することができる。
【0060】
上では、本発明の実施形態に係るプレーヤトラッキングシステムのみを記載したが、本発明の実施形態に係るプレーヤトラッキングシステムを有するゲーミングマシンや、本発明の実施形態に係るプレーヤトラッキングシステムにおいて、上述した処理(A)〜(L)を実行する方法でもよい。
【0061】
さらに、本発明の実施形態に係るプレーヤトラッキングシステムは、通信装置と入力装置と報知装置とコントローラとを有する。通信インターフェイス245が「通信装置」に相当し、タッチパネル259が「入力装置」に相当し、LCD253やスピーカ257が「報知装置」に相当する。
【0062】
通信装置は、イベント管理サーバ及び放送送信サーバと通信することができる。入力装置は、プレーヤの操作に応じて各種情報やコマンドが入力される。プレーヤトラッキングシステムは、放送送信サーバから送信されたイベントの実況を示す放送データを受信し、
報知装置は、受信した放送データに基づいて実況を報知する。
【0063】
コントローラは、以下の(M)〜(P)の処理を実行する。
【0064】
(M)の処理は、ベットの対象となるイベントの種類と、前記イベントの結果に対するベット額とが前記入力装置によって入力される処理である。(N)の処理は、前記イベントの種類と前記ベット額とを前記通信装置を介して前記イベント管理サーバに送信する処理である。(O)の処理は、前記イベントの種類に応じて放送データを放送送信サーバから受信して前記報知装置から実況を報知する処理である。(P)の処理は、イベントの結果に応じて前記イベント管理サーバが定めた配当結果を、前記イベント管理サーバから受信して前記報知装置から報知する処理である。
【0065】
このような構成にしつつ処理を実行することによって、プレーヤはゲーミングマシンでゲームをしつつ、スポーツブックなどのイベントにも参加することができ、ゲーミングマシンにおけるゲームの合間の時間を有効に活用することができるとともに、イベントに対するベットによる配当を得る可能性を高めることができる。また、ベットによる配当を得たときには、ゲーミングマシンでゲームを行うための資金を確保することもでき、ゲーミングマシンで長い時間にわたってゲームを楽しませることができる。
【0066】
[機能フロー図の説明]
図2を参照して、本実施形態に係るゲーミングマシンの基本的な機能について説明する。
図2は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンの機能フローを示す図である。
【0067】
〈コイン投入・スタートチェック〉
まず、ゲーミングマシンは、BETボタンが遊技者により押されたか否かをチェックし、続いて、スピンボタンが遊技者により押されたか否かをチェックする。
【0068】
〈シンボル決定〉
次に、ゲーミングマシンは、スピンボタンが遊技者により押されると、シンボル決定用乱数値を抽出し、ディスプレイ上に表示する複数のビデオリールのそれぞれに応じて、シンボル列のスクロールを停止させたときに遊技者に表示するシンボルを決定する。
【0069】
〈シンボル表示〉
次に、ゲーミングマシンは、各ビデオリールのシンボル列のスクロールを開始させ、決定されたシンボルが遊技者に表示されるようにスクロールを停止させる。
【0070】
〈入賞判定〉
次に、ゲーミングマシンは、各ビデオリールのシンボル列のスクロールが停止されると、遊技者に表示されたシンボルの組合せが入賞に係るものであるか否かを判定する。
【0071】
〈払い出し〉
次に、ゲーミングマシンは、遊技者に表示されたシンボルの組合せが入賞に係るものであるとき、そのシンボルの組合せの種類に応じた特典を遊技者に与える。
例えば、ゲーミングマシンは、コインの払い出しに係るシンボルの組合せが表示されたとき、そのシンボルの組合せに応じた数のコインを遊技者に払い出す。
【0072】
また、ゲーミングマシンは、ボーナスゲームトリガーに係るシンボルの組合せが表示されたとき、ボーナスゲームを開始する。なお、本実施形態では、ボーナスゲームとして、コインを消費することなく、前述の停止予定シンボルの決定に係る抽籤が所定回数にわたって行われるゲーム(フリーゲーム)が行われる。
【0073】
また、ゲーミングマシンは、ジャックポットトリガーに係るシンボルの組合せが表示されたとき、ジャックポット額のコインを遊技者に払い出す。ジャックポットは、各ゲーミングマシンにおいて遊技者が消費したコインの一部をジャックポット額として累積していき、ジャックポットトリガーが成立したゲーミングマシンがあったとき、そのゲーミングマシンに対して、累積したジャックポット額のコインを払い出す機能をいう。
ゲーミングマシンは、1回の遊技ごとに、ジャックポット額に蓄積する額(累積額)を算出し、外部制御装置へ送信する。外部制御装置は、各ゲーミングマシンから送信されてきた累積額をジャックポット額に累積していく。
【0074】
また、ゲーミングマシンには、上記特典のほか、ミステリーボーナスや、インシュランスといった特典が設けられている。
ミステリーボーナスは、専用の抽籤に当籤することによって、予め定められた額のコインの払い出しが行われるものである。ゲーミングマシンは、スピンボタンが押されると、ミステリーボーナス用乱数値を抽出し、ミステリーボーナストリガーを成立させるか否かを抽籤により決定する。
【0075】
インシュランスは、ボーナスゲームが長期間行われていない状況から遊技者を救済することを目的として設けられる機能である。本実施形態では、インシュランスを有効とするか否かは、遊技者が任意に選択可能となっている。インシュランスを有効にする場合、所定のインシュランス加入額と引き換えになる。
ゲーミングマシンは、インシュランスが有効とされた場合、遊技回数のカウントを開始する。そして、ゲーミングマシンは、ボーナスゲームなどによる多額の払い出しが行われることなく、カウントした遊技回数が予め定められた回数に達したとき、インシュランス用に設定された額のコインの払い出しを行う。
【0076】
〈演出の決定〉
ゲーミングマシンは、ディスプレイによる画像の表示、ランプによる光の出力、及びスピーカによる音の出力によって演出を行う。ゲーミングマシンは、演出用乱数値を抽出し、抽籤により決定されたシンボルなどに基づいて、演出の内容を決定する。
【0077】
[ゲームシステムの全体]
ゲーミングマシンの基本的な機能についての説明は以上である。次に、図3を参照して、ゲーミングマシンを含むゲームシステムについて説明する。
図3は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンを含むゲームシステムを示す図である。
【0078】
ゲームシステム300は、複数のゲーミングマシン1と、各ゲーミングマシン1と通信回線301を介して接続された外部制御装置200とを備えている。
【0079】
外部制御装置200は、複数のゲーミングマシン1を制御するものである。本実施形態において、外部制御装置200は、複数のゲーミングマシン1を有する遊技施設に設置されているいわゆるホールサーバである。各ゲーミングマシン1にはそれぞれ固有の識別番号が付されており、外部制御装置200は、識別番号により、各ゲーミングマシン1から送られてくるデータの出所を判別している。また、外部制御装置200からゲーミングマシン1にデータを送信する場合にも、識別番号を用いて送信先を指定している。
【0080】
なお、ゲームシステム300は、カジノ等の様々な遊技を行うことが可能な1つの遊技施設内に構築されてもよいし、複数の遊技施設間に構築されてもよい。また、1つの遊技施設内に構築される場合には、遊技施設のフロアやセクションごとにゲームシステム300が構築されてもよい。通信回線301は、有線であっても無線であってもよく、専用回線又は交換回線等を採用することが可能である。
【0081】
[ゲーミングマシンの全体構造]
本実施形態に係るゲームシステムについての説明は以上である。次に、図4を参照して、ゲーミングマシン1の全体構造について説明する。図4は、本実施の形態のゲーミングマシンの外観を示す斜視図である。
【0082】
ゲーミングマシン1では、遊技媒体として、コイン、紙幣又はこれらに相当する電子的な有価情報が用いられる。特に、本実施形態では、後述するICカードも用いられる。例えば、ゲーム結果に応じてプレーヤに配当が付与される場合、コインを付与することに代えて、ICカードに金額情報(現地通貨)を書き込んでこれをプレーヤに付与することもできる。なお、遊技媒体はこれらに限定されるものではなく、例えば、メダル、トークン、電子マネーなどを採用することもできる。
【0083】
ゲーミングマシン1は、キャビネット11と、キャビネット11の上部に設けられた画像表示パネル141と、キャビネット11の下部前面に設けられたメインドア13とを備えている。
【0084】
メインドア13の中央には、画像表示パネル141が設けられている。画像表示パネル141は、液晶パネルからなり、ディスプレイを構成する。画像表示パネル141は、シンボル表示領域4を有する。シンボル表示領域4には、5つのビデオリール3(3a,3b,3c,3d,3e)が表示される。
【0085】
本実施形態において、ビデオリールとは、複数のシンボルがその周面に描かれた機械式リールの回転及び停止の動作を映像により表現するものである。各ビデオリール3には、予め定められた複数(本実施形態では22個)のシンボルからなるシンボル列が割り当てられている(後述の図5を参照)。
【0086】
シンボル表示領域4では、各ビデオリール3に割り当てられたシンボル列がそれぞれスクロールされ、所定時間の経過後、停止する。その結果、それぞれのシンボル列の一部(本実施形態では連続する4個のシンボル)が遊技者に表示される。
シンボル表示領域4には、各ビデオリール3に応じて、上段、中央上段、中央下段及び下段の4つの領域にそれぞれ1個のシンボルが表示される。つまり、シンボル表示領域4には、5列×4個の20個のシンボルが表示される。
【0087】
本実施形態では、上記4つの領域の何れかを各ビデオリール3に応じて選択し、それぞれを結んで形成されるラインを、入賞ラインとしている。
なお、入賞ラインの具体的な態様は任意に採用することができるが、例えば各ビデオリール3に応じた中央上段の領域をそれぞれ結んでなる直線状のラインのほか、V字状や屈曲状のラインなどを採用することができる。また、入賞ラインの数についても、例えば30本など、任意に採用することができる。
【0088】
また、画像表示パネル141には、クレジット数表示領域142及びペイアウト数表示領域143が設定されている。クレジット数表示領域142には、クレジットされたコインの枚数が画像によって表示される。ペイアウト数表示領域143には、払い出されるコインの数が画像によって表示される。なお、コインの代わりに後述するカードスロットからICカードが挿入された場合には、この挿入されたICカードから読み取られたクレジット情報がクレジット数表示領域142に表示され、このクレジット数がコインとして使用される。また、コインを払い出す代わりにICカードに金額情報を書き込む場合には、このICカードに書き込まれる金額情報がペイアウト数表示領域143に表示される。
【0089】
さらに、画像表示パネル141の前面には、タッチパネル114(図6参照)が設けられている。プレーヤはこのタッチパネル114を操作して各種の指示を入力することができる。
【0090】
画像表示パネル141の下方には、プレーヤによって遊技進行に係る指示が入力される複数のボタン31〜35からなるコントロールパネル30と、コインをキャビネット11内に受け入れるコイン受入口36と、紙幣識別器115とが設けられている。
【0091】
図25に示すように、コントロールパネル30には、スピンボタン31と、GAMABLE ボタン32Aと、BETボタン(1−BETボタン34A〜10−BETボタン34E)と、ライン選択ボタン(2ライン選択ボタン35A〜50ライン選択ボタン35E)と、RESERVEボタン32Bと、TAKE WIN/COLLECTボタン33と、GAME RULESボタン32Cとが設けられている。これらのボタンの各々には、スイッチ(図示せず)が設けられており、スイッチの各々は、対応するボタンが遊技者によって押されたことを検出し、メインCPU71に対して、ボタンが操作されたことを示す信号を出力する。
【0092】
スピンボタン31は、各ビデオリール3のシンボル列のスクロールを開始させる指示を入力するためのものである。TAKE WIN/COLLECTボタン33は、クレジットされているコインをコイントレイ15に払い出す指示又はクレジットされているコインに相当するクレジット情報をICカードに書き込む指示を入力するためのものである。TAKE WIN/COLLECTボタン33が操作されたことを示す信号は、後述するマザーボード70のCPU71に供給される。TAKE WIN/COLLECTボタン33が操作されたことを示す信号は、PTS端末64のCPU241にも供給される。このようにすることで、PTS端末64は、クレジットされているコインに相当するクレジット情報をICカードに書き込むことができる。なお、TAKE WIN/COLLECTボタン33が操作されたことを示す信号は、マザーボード70を介してPTS端末64に供給されるようにしてもよい。
【0093】
1−BETボタン34Aは、クレジットされているコインのうち、1枚のコインを遊技に賭ける指示を入力するためのものであり、2−BETボタン34Bは、クレジットされているコインのうち、2枚のコインを遊技に賭ける指示を入力するためのものであり、3−BETボタン34Cは、クレジットされているコインのうち、3枚のコインを遊技に賭ける指示を入力するためのものであり、5−BETボタン34Dは、クレジットされているコインのうち、5枚のコインを遊技に賭ける指示を入力するためのものであり、10−BETボタン34Eは、クレジットされているコインのうち、10枚のコインを遊技に賭ける指示を入力するためのものである。
【0094】
ライン選択ボタン35A〜35Eは、画像表示パネル141におけるシンボル表示領域4に表示されたシンボル列をBET対象として指定するものである。2ライン選択ボタン35Aは、2列のシンボル列を選択するためのボタンであり、10ライン選択ボタン35Bは、10列のシンボル列を選択するためのボタンであり、20ライン選択ボタン35Cは、20列のシンボル列を選択するためのボタンであり、40ライン選択ボタン35Dは、40列のシンボル列を選択するためのボタンであり、50ライン選択ボタン35Eは、50列のシンボル列を選択するためのボタンである。
【0095】
コイン受入口36は、コインを受け入れるために設けられている。紙幣識別器115は、紙幣を受け入れるために設けられている。紙幣識別器115は、紙幣が適正であるか否かを選別し、適正な紙幣をキャビネット11内に受け入れる。また、この紙幣識別器115には、基本通貨以外の複数の国の紙幣を受け入れることもでき、受け入れた紙幣の適否、種類、枚数を読み取り可能となっている。なお、紙幣識別器115は、バーコード付チケット175を読み取ることができるように構成されていてもよい。
【0096】
図4に示すように、画像表示パネル141とコントロールパネル30との間には、PTS(プレーヤトラッキングシステム(個人追跡装置))端末用の領域(PTS端末領域260)が設けられており、このPTS端末領域260には、PTS端末64が配設されている。
【0097】
PTS端末64は、外部制御装置200(図2参照)から送信された種々の情報を受信し、これを特定のプレーヤに提供する装置である。PTS端末64の前面部には、液晶ディスプレイ253(以下、LCD253と称する。)と、カードスロット262と、プレーヤ識別部(第1のカメラ251a、第2のカメラ251b、第1のマイクロホン273、第2のマイクロホン274、人体検出センサ252)と、ダクト151とが設けられている。
【0098】
LCD253には、外部制御装置200から受信した各種の情報が表示される。カードスロット262は、ICカードを挿入及び排出するための開口である。プレーヤ識別部(第1のカメラ251a、第2のカメラ251b、第1のマイクロホン273、第2のマイクロホン274、人体検出センサ252)は、ゲーミングマシンの前方でゲームをするプレーヤを検出するためのものである。ダクト151は、スピーカ257(図18参照)から出力された効果音等を発するための開口である。
【0099】
カードスロット262は、LCD253の側方(本実施形態の場合、右側)に設けられている。これにより、プレーヤがLCD253を見ながら、姿勢を変えることなく、片手(本実施の形態の場合、右手)でICカードをカードスロット262へ挿入し、又はカードスロット262から排出されたICカードを受け取ることができる。
【0100】
また、PTS端末64の内部には、ICカードR/W258(読取/書込装置)と、カードスタッカー(図示せず)と、ICカード搬送用モータ254(図示せず)と、スピーカ257と、コントローラとが設けられている。
【0101】
ICカードR/W258(以下、リーダ/ライタ258と称する。)(図18参照)は、PTS端末64の内部のロード位置に搬送されたICカードからのデータの読み取り及びICカードへのデータの書き込みを行う。スタッカーは、複数のICカードをストックするためのもので、後述するように、通常スタッカーとアラートスタッカーとの2種類がある。ICカード搬送用モータ254(以下、モータ254と称する(図18参照))は、カードスロット262と、リーダ/ライタ258とカードスタッカーとの間でICカードを搬送する。スピーカ257は、上述したダクト151を介してPTS端末64の前面部から発する音声や効果音を出力する。コントローラは、PTS端末64に設けられた上記各ユニットを制御するためのもので、後述するCPU241とROM242とRAM243とからなる。
【0102】
モータ254は、回転駆動されるローラを有する。カードスロット262に挿入されたICカードを、ローラの引込方向への回転によって内部の所定位置(後述するロード位置やスタッカー位置など)に搬送する。また、PTS端末64の内部にあるICカードを、ローラの排出方向への回転によって、カードスロット262に搬送する。ICカードがカードスロット262に位置づけられた位置をイジェクト位置と称する。
【0103】
リーダ/ライタ258は、RFID(Radio Frequency Identification)によって、ICカードからのデータの読み取り及びICカードへのデータの書き込みを行う。リーダ/ライタ258は、カードスロット262から挿入されたICカードに記憶されているクレジット情報を非接触で読み取り、又は、ゲームの結果に応じてプレーヤに付与されるクレジットを、非接触でICカードに書き込む。
【0104】
上述したように、ICカードには、金額情報を書き込むことができる。また、金額情報を書き込むだけでなく、ICカードから金額情報を読み出すこともできる。この金額情報の読み書きは、リーダ/ライタ258によって行われる。
【0105】
ゲーミングマシン1で、各種の金種を取り扱うことができる場合には、PTS端末64は、その時点のレートに応じて、所定の金種の金額に、例えば、現地の通貨の金額に変換し、その変換した金額を金額情報としてICカードに書き込む。
【0106】
さらに、ICカードには、ICカードを識別するためのシリアル番号などの識別情報(以下、カードIDと称する。)も記憶されている。カードIDは、読み出すだけで、書き換えできないように、ICカードに予め記憶されているものが好ましい。
【0107】
プレーヤ識別部において、第1のカメラ251aは、LCD253の上方に設けられており、LCD253を見るプレーヤの顔を正面から撮像する。第2のカメラ251bは、カードスロット262の上方に設けられており、プレーヤの顔を斜めから撮像する。なお、プレーヤの顔を撮像可能に設置されたカメラとしては、特に限定されるものではなく、例えば、CCDカメラや、CMOSセンサカメラ等を挙げることができる。第1のマイクロホン273は、LCD253の上方に設けられており、プレーヤの声を正面から集音する。第2のマイクロホン274は、カードスロット262の上方に設けられており、プレーヤの声を斜めから集音する。人体検出センサ252は、カードスロット262の上方に設けられており、プレーヤの位置を検知する。人体検出センサ252としては、赤外線測距センサ等を用いることができるが、特に限定されるものではない。プレーヤ識別部では、第1のカメラ251a、第2のカメラ251b、第1のマイクロホン273及び第2のマイクロホン274に加えて、人体検出センサ252によってもプレーヤの存在を検知する。
【0108】
また、上述したLCD253に重畳するように、タッチパネル259が設けられている。タッチパネル259は透明フィルムから構成されており、タッチパネル259をプレーヤが押圧したときには、押圧されたタッチパネル259上の位置を示す信号がタッチパネル259から発せられる。このタッチパネル259からの信号を検出することによって、プレーヤの操作に応じてPTS端末64を制御することができる。
【0109】
LCD253、カードスロット262、プレーヤ識別部、スピーカ257及びダクト151は、PTSパネル265に一体に設けられている。このPTSパネル265は、キャビネット11に対してブラケットを介して固定されている。すなわち、ゲーミングマシン1では、画像表示パネル141とコントロールパネル30との間のPTS端末領域260において、液晶ディスプレイ253(LCD253)、カードスロット262、プレーヤ識別部、スピーカ257及びダクト151等のPTS端末64を構成する各ユニットが一体に設けられたPTSパネル265がブラケットによって固定されている。
【0110】
また、LCD253、第1のカメラ251a、第1のマイクロホン273、ダクト151は、ベゼル266に一体に設けられている。
【0111】
上述した例では、第1のカメラ251aと第2のカメラ251bとの2つのカメラを設けたが、いずれか一方のみを搭載してもよい。同様に、第1のマイクロホン273と第2のマイクロホン274とのうちのいずれか一方のみを搭載してもよい。
【0112】
[ビデオリールのシンボル列]
ゲーミングマシン1の全体構造についての説明は以上である。次に、図5を参照して、ゲーミングマシン1のビデオリール3が有するシンボル列の構成について説明する。
図5は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのリールの周面に描かれたシンボルの配列を示す図である。
【0113】
第1ビデオリール3a、第2ビデオリール3b、第3ビデオリール3c、第4ビデオリール3d及び第5ビデオリール3eにはそれぞれ、コードナンバー「00」〜「21」に対応する22個のシンボルから構成されるシンボル列が割り当てられている。
【0114】
シンボルの種類には、「JACKPOT 7」、「BLUE 7」、「BELL」、「CHERRY」、「STRAWBERRY」、「PLUM」、「ORANGE」及び「APPLE」が設けられている。
【0115】
[ゲーミングマシンが備える回路の構成]
ゲーミングマシン1のビデオリール3が有するシンボル列の構成についての説明は以上である。次に、図6を参照して、ゲーミングマシン1が備える回路の構成について説明する。
図6は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンの内部構成を示すブロック図である。
【0116】
ゲーミングボード50は、内部バスによって互いに接続されたCPU51、ROM52及びブートROM53と、メモリカード54に対応したカードスロット55と、GAL(Generic Array Logic)56に対応したICソケット57とを備えている。
【0117】
メモリカード54は、不揮発性メモリからなり、ゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを記憶している。ゲームプログラムには、遊技進行に係るプログラム、抽籤プログラム、画像や音による演出を実行するためのプログラムが含まれている(例えば後述の図8〜図17を参照)。また、上記ゲームプログラムには、各ビデオリール3に割り当てられたシンボル列の構成を規定するデータ(図5を参照)が含まれている。
【0118】
抽籤プログラムは、各ビデオリール3の停止予定シンボルを抽籤により決定するためのプログラムである。停止予定シンボルは、シンボル列を構成する22個のシンボルのうち、シンボル表示領域4により表示する4個のシンボルを決定するためのデータである。本実施形態のゲーミングマシン1は、シンボル表示領域4の各ビデオリール3に応じた4つの領域のうち、所定の領域(例えば、上段の領域)に表示するシンボルを、停止予定シンボルとして決定する。
【0119】
上記抽籤プログラムには、シンボル決定データが含まれている。シンボル決定データは、各ビデオリール3に応じて、シンボル列を構成する22個のシンボル(コードナンバー「00」〜「21」)のそれぞれが均等の確率(つまり、1/22)で決定されるように乱数値を規定するデータである。
22個のシンボルのそれぞれが決定される確率は基本的に均等である。ただし、22個のシンボルの中に含まれる各種シンボルの個数が異なるので、各種シンボルが決定される確率は異なる(つまり、重みが生じる)。例えば、図5を参照すると、第1ビデオリール3aのシンボル列には、シンボル「JACKPOT7」は1個含まれているのに対して、シンボル「ORANGE」は7個含まれている。したがって、前者は「1/22」の確率で決定されるのに対して、後者は「7/22」の確率で決定されることになる。
【0120】
なお、本実施の形態では、各ビデオリール3のシンボル列を構成するシンボルの個数が同じとなるようにデータが規定されているが、各ビデオリール3に応じて、シンボル列を構成するシンボルの個数が異なるようにしても良い。例えば、第1ビデオリール3aのシンボル列は22個のシンボルから構成される一方で、第2ビデオリール3bのシンボル列は30個のシンボルから構成されるようにしても良い。これにより、各ビデオリール3に応じて各種シンボルが決定される確率を設定する際の自由度が増す。
【0121】
また、カードスロット55は、メモリカード54を挿抜可能なように構成されており、IDEバスによってマザーボード70に接続されている。
【0122】
GAL56は、OR固定型アレイ構造を有するPLD(Programmable Logic Device)の一種である。GAL56は、複数の入力ポートと出力ポートとを備えており、入力ポートに所定の入力があると、対応するデータを出力ポートから出力する。
【0123】
また、ICソケット57は、GAL56を着脱可能なように構成されており、PCIバスによってマザーボード70に接続されている。メモリカード54を別のプログラムが書き込まれたものに差し替えるか、又は、メモリカード54に書き込まれたプログラムを別のものに書き換えることによって、ゲーミングマシン1で行われる遊技の内容を変更することができる。
【0124】
内部バスによって互いに接続されたCPU51、ROM52及びブートROM53は、PCIバスによってマザーボード70に接続されている。PCIバスは、マザーボード70とゲーミングボード50との間の信号伝達を行うとともに、マザーボード70からゲーミングボード50への電力供給を行う。
【0125】
ROM52には、認証プログラムが記憶される。ブートROM53には、予備認証プログラム及びCPU51が予備認証プログラムを起動するためのプログラム(ブートコード)等が記憶されている。
認証プログラムは、ゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを認証するためのプログラム(改竄チェックプログラム)である。予備認証プログラムは、上記認証プログラムを認証するためのプログラムである。認証プログラム及び予備認証プログラムは、対象となるプログラムが改竄されていないことの認証を行う手順(認証手順)に沿って記述されている。
【0126】
マザーボード70は、メインCPU71と、ROM72と、RAM73と、通信インターフェイス82とを備えている。
【0127】
ROM72は、フラッシュメモリ等のメモリデバイスからなり、メインCPU71により実行されるBIOS等のプログラムと、恒久的なデータが記憶されている。メインCPU71によってBIOSが実行されると、所定の周辺装置の初期化処理が行われる。また、ゲーミングボード50を介して、メモリカード54に記憶されているゲームプログラム及びゲームシステムプログラムの取込処理が開始される。
【0128】
RAM73には、メインCPU71が動作する際に用いられるデータやプログラムが記憶される。例えば、前述のゲームプログラム及びゲームシステムプログラムや認証プログラムの取込処理を行った際、これらを記憶することができる。また、RAM73には、上記プログラムを実行する際の作業用の領域が設けられている。例えば、遊技回数、BET数、払出数、クレジット数などを記憶する領域や、抽籤により決定したシンボル(コードナンバー)を記憶する領域などが設けられている。
【0129】
通信インターフェイス82は、通信回線301を介して、サーバ等の外部制御装置200との通信を行うためのものである。また、マザーボード70には、後述するドアPCB(Printed Circuit Board)90及び本体PCB110が、それぞれUSBによって接続されている。さらに、マザーボード70には、電源ユニット81が接続されている。
電源ユニット81からマザーボード70に電力が供給されると、マザーボード70のメインCPU71が起動するとともに、PCIバスを介してゲーミングボード50に電力が供給されてCPU51が起動される。
【0130】
ドアPCB90及び本体PCB110には、スイッチやセンサなどの入力装置や、メインCPU71により動作が制御される周辺装置が接続されている。
ドアPCB90には、コントロールパネル30、リバータ91、コインカウンタ92C及び冷陰極管93が接続されている。
【0131】
コインカウンタ92Cは、コイン受入口36に入れられたコインが材質や形状等が適正であるか否かを選別し、適正なコインを検出したとき、メインCPU71に対して信号を出力する。また、適正でないコインは、コイン払出口15Aから排出される。
【0132】
リバータ91は、メインCPU71から出力される制御信号に基づいて動作するものであり、コインカウンタ92Cによって選別された適正なコインを、ホッパー113又はキャッシュボックス(図示せず)に振り分ける。ホッパー113がコインで満たされていない場合はホッパー113に、ホッパー113がコインで満たされている場合はキャッシュボックスに振り分けられる。
【0133】
冷陰極管93は、画像表示パネル141の背面側に設置されるバックライトとして機能するものであり、メインCPU71から出力される制御信号に基づいて点灯する。
【0134】
本体PCB110には、スピーカ112、ホッパー113、コイン検出部113S、タッチパネル114、紙幣識別器115、グラフィックボード130、が接続されている。
【0135】
スピーカ112は、メインCPU71から出力される制御信号に基づいてBGM等の音を出力する。
【0136】
ホッパー113は、メインCPU71から出力される制御信号に基づいて動作し、指定された払出数のコインをコイン払出口15Aからコイントレイ15に払い出す。コイン検出部113Sは、ホッパー113により払い出されるコインを検出し、メインCPU71に対して信号を出力する。
【0137】
タッチパネル114は、遊技者の指などが触れた位置を検出し、その検出した位置に対応した信号をメインCPU71に対して出力する。紙幣識別器115は、適正な紙幣を受け入れたとき、その紙幣の額に応じた信号をメインCPU71に対して出力する。また、紙幣の額に応じた信号は、PTS端末64にも供給される。なお、紙幣の額に応じた信号は、マザーボード70を介してPTS端末64に供給されるようにしてもよい。このようにすることでは、受け付けた紙幣の額に応じたレートで金額情報に変換することができる。
【0138】
グラフィックボード130は、メインCPU71から出力される制御信号に基づいて、画像表示パネル141のそれぞれにより行う画像の表示を制御する。画像表示パネル141のシンボル表示領域4には、5つのビデオリール3が表示され、各ビデオリール3が有するシンボル列のスクロール及びその停止の動作が表示される。グラフィックボード130は、画像データを生成するVDPや、VDPによって生成される画像データを記憶するビデオRAM等を備えている。画像表示パネル141のクレジット数表示領域142には、RAM73に記憶されているクレジット数が表示される。画像表示パネル141のペイアウト数表示領域143には、コインの払出数が表示される。
【0139】
また、グラフィックボード130は、メインCPU71から出力される制御信号に基づいて、画像データを生成するVDP(Video Display Processor)や、VDPによって生成される画像データを一時的に記憶するビデオRAM等を備えている。なお、VDPによって画像データを生成する際に用いられる画像データは、メモリカード54から読み出されてRAM73に記憶されたゲームプログラム内に含まれている。
【0140】
[シンボル組合せテーブルの構成]
ゲーミングマシン1の回路構成についての説明は以上である。次に、図7を参照して、シンボル組合せテーブルについて説明する。
図7は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのシンボル組合せテーブルを示す図である。
【0141】
シンボル組合せテーブルは、入賞に係るシンボルの組合せと払出数とを規定している。ゲーミングマシン1では、各ビデオリール3のシンボル列のスクロールが停止され、入賞ライン上に表示されるシンボルの組合せが、シンボル組合せテーブルにより規定されているシンボルの組合せと一致する場合に、入賞が成立する。そして、入賞役に応じて、コインの払い出しやボーナスゲームの開始といった特典が遊技者に与えられる。なお、入賞ライン上に表示されたシンボルの組合せが、シンボル組合せテーブルにより規定されているシンボルの組合せの何れとも一致しない場合には、入賞が不成立(いわゆるハズレ)となる。
【0142】
基本的に、それぞれのビデオリール3により入賞ライン上に表示されるシンボルが全て、「JACKPOT 7」、「APPLE」、「BLUE 7」、「BELL」、「CHERRY」、「STRAWBERRY」、「PLUM」及び「ORANGE」のうちの1種類のシンボルである場合、入賞が成立する。ただし、「CHERRY」及び「ORANGE」の各種類のシンボルについては、一方の種類のシンボルが1つ又は3つ、ビデオリール3により入賞ライン上に表示された場合にも、入賞が成立する。
例えば、全てのビデオリール3によりシンボル「BLUE 7」が入賞ライン上に揃って表示された場合、入賞役は「BLUE」となり、払出数として「10」が決定される。そして、決定された払出数に基づいてコインの払い出しが行われる。コインの払い出しは、コイン払出口15Aから実際にコインを排出するか、クレジット数に加算するか、又はバーコードチケットを発行することによって行われる。
【0143】
「JACKPOT 7」は、ジャックポットトリガーに係るシンボルである。全てのビデオリール3によりシンボル「JACKPOT 7」が入賞ライン上に揃って表示された場合、入賞役は「ジャックポット」となり、払出数としてジャックポット額が決定される。
「APPLE」は、ボーナスゲームトリガーに係るシンボルである。全てのビデオリール3によりシンボル「APPLE」が入賞ライン上に揃って表示された場合、入賞役は「ボーナスゲームトリガー」となり、次回の遊技からボーナスゲームが開始される。
【0144】
[プログラムの内容]
シンボル組合せテーブルについての説明は以上である。次に、図8〜図17を参照して、ゲーミングマシン1により実行されるプログラムについて説明する。
【0145】
〈メイン制御処理〉
まず、図8を参照して、メイン制御処理について説明する。
図8は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのメイン制御処理のフローチャートを示す図である。
【0146】
はじめに、ゲーミングマシン1に電源が投入されると、メインCPU71は、ゲーミングボード50を介して、メモリカード54から認証したゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを読み出し、RAM73に書き込む(ステップS11)。
【0147】
次に、メインCPU71は、1ゲーム終了時初期化処理を行う(ステップS12)。例えば、BET数や抽籤により決定されたシンボルなど、RAM73の作業領域において1回の遊技ごとに不要となるデータがクリアされる。
【0148】
次に、メインCPU71は、後で図9を参照して説明するコイン投入・スタートチェック処理を行う(ステップS13)。この処理では、BETスイッチやスピンスイッチの入力のチェックなどが行われる。
【0149】
次に、メインCPU71は、後で図12を参照して説明するシンボル抽籤処理を行う(ステップS14)。この処理では、シンボル決定用乱数値に基づいて停止予定シンボルが決定される。
【0150】
次に、メインCPU71は、ミステリーボーナス抽籤処理を行う(ステップS15)。この処理では、ミステリーボーナストリガーを成立させるか否かを決定する抽籤が行われる。例えば、メインCPU71は、「0〜99」の範囲からミステリーボーナス用乱数値を抽出し、抽出された乱数値が「0」である場合に、ミステリーボーナストリガーを成立させる。
【0151】
次に、メインCPU71は、演出内容決定処理を行う(ステップS16)。メインCPU71は、演出用乱数値を抽出し、予め定められた複数の演出内容の何れかを抽籤により決定する。
【0152】
次に、メインCPU71は、後で図13を参照して説明するシンボル表示制御処理を行う(ステップS17)。この処理では、各ビデオリール3のシンボル列のスクロールが開始され、ステップS14のシンボル抽籤処理において決定された停止予定シンボルが所定の位置(例えば、シンボル表示領域4における上段の領域)に停止される。つまり、停止予定シンボルを含む4つのシンボルがシンボル表示領域4内に表示される。例えば、停止予定シンボルがコードナンバー「10」のシンボルであり、これを上段の領域に表示する場合であれば、コードナンバー「11」、「12」及び「13」の各シンボルがシンボル表示領域4内の中上段、中下段及び下段のそれぞれに表示される。
【0153】
次に、メインCPU71は、後で図14を参照して説明する払出数決定処理を行う(ステップS18)。この処理では、入賞ライン上に表示されたシンボルの組合せに基づいて払出数が決定され、RAM73に設けられた払出数記憶領域に格納される。
【0154】
次に、メインCPU71は、ボーナスゲームトリガーが成立したか否かを判別する(ステップS19)。メインCPU71は、ボーナスゲームトリガーが成立したと判別したときには、後で図16を参照して説明するボーナスゲーム処理を行う(ステップS20)。
【0155】
次に、メインCPU71は、ステップS20の処理の後、又はステップS19においてボーナスゲームトリガーが成立していないと判別したときには、ミステリーボーナストリガーが成立したか否かを判別する(ステップS21)。メインCPU71は、ミステリーボーナストリガーが成立したと判別したときには、ミステリーボーナス処理を行う(ステップS22)。この処理では、ミステリーボーナス用に設定された払出数(例えば300)がRAM73に設けられた払出数記憶領域に格納される。
【0156】
メインCPU71は、ステップS22の処理の後、又はステップS21においてミステリーボーナストリガーが成立していないと判別したときには、後で図15を参照して説明するインシュランスチェック処理を行う(ステップS23)。この処理では、インシュランスによる払い出しを行うか否かがチェックされる。
【0157】
次に、メインCPU71は、払出処理を行う(ステップS24)。メインCPU71は、払出数記憶領域に格納されている値を、RAM73に設けられているクレジット数記憶領域に格納されている値に加算する。なお、TAKE WIN/COLLECTボタン33の操作に基づいてホッパー113の駆動を制御し、払出数記憶領域に格納されている値に応じたコインをコイン払出口15Aから排出するようにしても良い。この処理が行われた後、ステップS12に移る。
【0158】
〈コイン投入・スタートチェック処理〉
次に、図9を参照して、コイン投入・スタートチェック処理について説明する。
図9は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのコイン投入・スタートチェック処理のフローチャートを示す図である。
【0159】
はじめに、メインCPU71は、コインカウンタ92Cによりコインの投入を検出したか否かを判別する(ステップS41)。メインCPU71は、コインの投入を検出したと判別したときには、クレジット数記憶領域に格納されている値を加算する(ステップS42)。なお、コインの投入に加えて、紙幣識別器115により紙幣の投入を検出したか否かを判別し、紙幣の投入を検出したと判別したときに、紙幣に応じた値をクレジット数記憶領域に格納されている値に加算するようにしても良い。
【0160】
メインCPU71は、ステップS42の後、又はステップS41においてコインの投入を検出していないと判別したときには、クレジット数記憶領域に格納されている値は0であるか否かを判別する(ステップS43)。メインCPU71は、クレジット数記憶領域に格納されている値は0ではないと判別したときには、BETボタンの操作受付を許可する(ステップS44)。
【0161】
次に、メインCPU71は、BETボタンの操作を検出したか否かを判別する(ステップS45)。メインCPU71は、BETボタンが遊技者によって押されたことをBETスイッチにより検出したときは、BETボタンの種別に基づいて、RAM73に設けられているBET数記憶領域に格納されている値を加算し、クレジット数記憶領域に格納されている値を減算する(ステップS46)。
【0162】
次に、メインCPU71は、BET数記憶領域に格納されている値は最大であるか否かを判別する(ステップS47)。メインCPU71は、BET数記憶領域に格納されている値は最大であると判別したときには、BET数記憶領域に格納されている値の更新を禁止する(ステップS48)。メインCPU71は、ステップS48の後、又はステップS47においてBET数記憶領域に格納されている値は最大ではないと判別したときには、スピンボタンの操作受付を許可する(ステップS49)。
【0163】
メインCPU71は、ステップS49の後、ステップS45においてBETボタンの操作を検出していないと判別したとき、又はステップS43においてクレジット数記憶領域に格納されている値は0であると判別したときには、スピンボタンの操作を検出したか否かを判別する(ステップS50)。メインCPU71は、スピンボタンの操作を検出していないと判別したときには、ステップS41に移る。
【0164】
メインCPU71は、スピンボタンの操作を検出したと判別したときには、後で図10を参照して説明するジャックポット関連処理を行う(ステップS51)。この処理では、ジャックポット額に累積する額が算出され、外部制御装置200に送信される。
【0165】
次に、メインCPU71は、後で図11を参照して説明するインシュランス関連処理を行う(ステップS52)。この処理では、インシュランスによる払い出しが行われる契機となる遊技回数のカウントが行われる。この処理が行われると、コイン投入・スタートチェック処理を終了する。
【0166】
〈ジャックポット関連処理〉
次に、図10を参照して、ジャックポット関連処理について説明する。
図10は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのジャックポット関連処理のフローチャートを示す図である。
【0167】
はじめに、メインCPU71は、累積額を算出する(ステップS71)。メインCPU71は、BET数記憶領域に格納されている値と予め設定された累積割合との積をもとめ、ジャックポット額への累積額を算出する。
【0168】
次に、メインCPU71は、算出された累積額を外部制御装置200に対して送信する(ステップS72)。外部制御装置200は、累積額を受信すると、ジャックポット額を更新する。この処理が行われると、ジャックポット関連処理を終了する。
【0169】
〈インシュランス関連処理〉
次に、図11を参照して、インシュランス関連処理について説明する。
図11は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのインシュランス関連処理のフローチャートを示す図である。
【0170】
はじめに、メインCPU71は、インシュランス有効フラグはオンであるか否かを判別する(ステップS91)。インシュランス有効フラグは、後で図17を参照して説明するインシュランス選択処理において、遊技者によりインシュランスを有効にする指示が入力されたときにオンにセットされる。
【0171】
メインCPU71は、インシュランス有効フラグはオンではないと判別したときには、インシュランス関連処理を終了する。一方で、メインCPU71は、インシュランス有効フラグはオンであると判別したときには、RAM73に設けられているインシュランス用遊技回数記憶領域に格納されている値を更新する(ステップS92)。インシュランス用遊技回数記憶領域は、インシュランスによる払い出しが行われるまでの遊技回数を記憶する領域である。ステップS92の処理において、メインCPU71は、インシュランス用遊技回数記憶領域に格納されている値に1を加算する。この処理が行われると、インシュランス関連処理を終了する。
【0172】
〈シンボル抽籤処理〉
次に、図12を参照して、シンボル抽籤処理について説明する。
図12は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのシンボル抽籤処理のフローチャートを示す図である。
【0173】
はじめに、メインCPU71は、シンボル決定用の乱数値を抽出する(ステップS111)。次に、メインCPU71は、各ビデオリール3の停止予定シンボルを抽籤により決定する(ステップS112)。メインCPU71は、各ビデオリール3に応じて抽籤を行い、22個のシンボル(コードナンバー「00」〜「21」)の何れかを停止予定シンボルとして決定する。このとき、22個のシンボル(コードナンバー「00」〜「21」)のそれぞれは均等の確率(つまり、1/22)で決定される。
【0174】
次に、メインCPU71は、決定した各ビデオリール3の停止予定シンボルをRAM73に設けられているシンボル格納領域に格納する(ステップS113)。次に、メインCPU71は、シンボル組合せテーブル(図7)を参照し、シンボル格納領域に基づいて入賞役を判定する(ステップS114)。メインCPU71は、各ビデオリール3により入賞ライン上に表示されるシンボルの組合せと、シンボル組合せテーブルに規定されているシンボルの組合せとが一致するか否かを判定し、入賞役を決定する。この処理が行われると、シンボル抽籤処理を終了する。
【0175】
〈シンボル表示制御処理〉
次に、図13を参照して、シンボル表示制御処理について説明する。
図13は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのシンボル表示制御処理のフローチャートを示す図である。
【0176】
はじめに、メインCPU71は、画像表示パネル141のシンボル表示領域4に表示した各ビデオリール3のシンボル列のスクロールを開始する(ステップS131)。次に、メインCPU71は、前述のシンボル格納領域に基づいて、各ビデオリール3のシンボル列のスクロールを停止する(ステップS132)。この処理が行われると、シンボル表示制御処理を終了する。
【0177】
〈払出数決定処理〉
次に、図14を参照して、払出数決定処理について説明する。
図14は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンの払出数決定処理のフローチャートを示す図である。
【0178】
はじめに、メインCPU71は、入賞役はジャックポットであるか否かを判別する(ステップS151)。メインCPU71は、入賞役はジャックポットではないと判別したときには、入賞役に対応する払出数を決定する(ステップS152)。例えば、入賞役が「BELL」であるとき、払出数として「8」が決定される(図7を参照)。なお、ハズレのときは払出数として「0」が決定される。次に、メインCPU71は、決定した払出数を払出数記憶領域に格納する(ステップS153)。この処理が行われると、払出数決定処理を終了する。
【0179】
メインCPU71は、入賞役はジャックポットであると判別したときには、ジャックポットの入賞があった旨を外部制御装置200に対して通知する(ステップS154)。なお、外部制御装置200は、通知を受けると、それまでに更新してきたジャックポット額をゲーミングマシン1に対して送信する。このとき、ジャックポット額の一部(例えば80パーセント)を払い出しの対象とし、残り(例えば20パーセント)を次回のジャックポットトリガー成立時に備えて繰り越すようにしても良い。
【0180】
次に、メインCPU71は、外部制御装置200よりジャックポット額を受信する(ステップS155)。次に、メインCPU71は、受信したジャックポット額を払出数記憶領域に格納する(ステップS156)。この処理が行われると、払出数決定処理を終了する。
【0181】
〈インシュランスチェック処理〉
次に、図15を参照して、インシュランスチェック処理について説明する。
図15は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのインシュランスチェック処理のフローチャートを示す図である。
【0182】
はじめに、メインCPU71は、インシュランス有効フラグはオンであるか否かを判別する(ステップS171)。メインCPU71は、インシュランス有効フラグはオンではないと判別したときには、インシュランスチェック処理を終了する。
【0183】
メインCPU71は、インシュランス有効フラグはオンであると判別したときには、所定の入賞役が成立したか否かを判別する(ステップS172)。本実施形態では、所定の入賞役として「ボーナスゲームトリガー」、「ジャックポット」及び「ミステリーボーナス」を対象としている。
【0184】
メインCPU71は、所定の入賞役が成立していないと判別したときには、インシュランス用遊技回数記憶領域に格納されている値が所定回数(例えば300)に達したか否かを判別する(ステップS173)。メインCPU71は、インシュランス用遊技回数記憶領域に格納されている値が所定回数に達していないと判別したときには、インシュランスチェック処理を終了する。
【0185】
メインCPU71は、インシュランス用遊技回数記憶領域に格納されている値が所定回数に達したと判別したときには、インシュランス額に基づいて払出処理を行う(ステップS174)。メインCPU71は、インシュランス額として予め定められた額(例えば200)をクレジット数記憶領域に格納されている値に加算する。
【0186】
メインCPU71は、ステップS174の後、又はステップS172において所定の入賞役が成立したと判別したときには、インシュランス用遊技回数記憶領域に格納されている値をリセットする(ステップS175)。次に、メインCPU71は、インシュランス有効フラグをオフにする(ステップS176)。この処理が行われると、インシュランスチェック処理を終了する。
【0187】
〈ボーナスゲーム処理〉
次に、図16を参照して、ボーナスゲーム処理について説明する。
図16は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのボーナスゲーム処理のフローチャートを示す図である。
【0188】
はじめに、メインCPU71は、ボーナスゲーム数を決定する(ステップS191)。メインCPU71は、ボーナスゲーム数決定用乱数値を抽出し、例えば「50」、「70」及び「100」といった複数種類のボーナスゲーム数の何れかを抽籤により決定する。
【0189】
次に、メインCPU71は、決定したボーナスゲーム数をRAM73に設けられているボーナスゲーム数記憶領域に格納する(ステップS192)。
【0190】
次に、メインCPU71は、図8を参照して説明したステップS12の処理と同様に、1ゲーム終了時初期化処理を行う(ステップS193)。次に、メインCPU71は、図12を参照して説明したシンボル抽籤処理を行う(ステップS194)。次に、メインCPU71は、図8を参照して説明したステップS16の処理と同様に、演出内容決定処理を行う(ステップS195)。次に、メインCPU71は、図13を参照して説明したシンボル表示制御処理を行う(ステップS196)。次に、メインCPU71は、図14を参照して説明した払出数決定処理を行う(ステップS197)。
【0191】
次に、メインCPU71は、ボーナスゲームトリガーが成立したか否かを判別する(ステップS198)。メインCPU71は、ボーナスゲームトリガーが成立したと判別したときには、追加するボーナスゲーム数を決定する(ステップS199)。前述のステップS191の処理と同様に、ボーナスゲーム数の決定が行われる。次に、メインCPU71は、決定したボーナスゲーム数をボーナスゲーム数記憶領域に格納されている値に加算する(ステップS200)。
【0192】
メインCPU71は、ステップS200の処理の後、又はステップS198においてボーナスゲームトリガーが成立していないと判別したときには、払出処理を行う(ステップS201)。この払出処理では、メインCPU71は、前述のステップS197の払出数決定処理にて払出数記憶領域に格納された値を、ボーナス用払出数記憶領域に格納されている値に加算する。ボーナス用払出数記憶領域は、ボーナスゲーム中に決定された払出数の合計を記憶する領域である。
そして、ボーナスゲーム処理が終了すると、メインCPU71は、図8を参照して説明したステップS24の払出処理にて、ボーナス用払出数記憶領域に格納されている値をRAM73に設けられているクレジット数記憶領域に格納されている値に加算する。つまり、ボーナスゲームにおいて決定された払出数の合計がまとめて払い出されることになる。なお、コイン払出口15Aからコインを排出するようにしても良いし、バーコード付チケットを発行するようにしても良い。
【0193】
次に、メインCPU71は、ボーナスゲーム数記憶領域に格納されている値を1減算する(ステップS202)。次に、メインCPU71は、ボーナスゲーム数記憶領域に格納されている値は0であるか否かを判別する(ステップS203)。メインCPU71は、ボーナスゲーム数記憶領域に格納されている値は0ではないと判別したときには、ステップS193の処理に移る。一方で、ボーナスゲーム数記憶領域に格納されている値は0であると判別したときには、ボーナスゲーム処理を終了する。ボーナスゲーム処理が終了すると、図8を参照して説明したステップS21の処理に移る。
【0194】
〈インシュランス選択処理〉
次に、図17を参照して、インシュランス選択処理について説明する。
図17は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのインシュランス選択処理のフローチャートを示す図である。
【0195】
はじめに、メインCPU71は、インシュランス有効フラグはオンであるか否かを判別する(ステップS221)。メインCPU71は、インシュランス有効フラグはオンではないと判別したときには、インシュランス無効画像を表示する(ステップS222)。メインCPU71は、インシュランス無効画像を表示する指令をグラフィックボード130に対して送信する。グラフィックボード130は、その指令に基づいて、インシュランス無効画像を生成し、画像表示パネル141に表示する。
【0196】
インシュランス無効画像としては、例えば、「INSURANCE BET $1.00 TOUCH TO BET」を示す画像が表示される。この画像は、インシュランスを有効にするか否かの選択を遊技者に促すとともに、インシュランスを有効にするために必要な額を遊技者に知らせるための画像である。遊技者は、タッチパネル114上の所定箇所に触れることによって、インシュランスを有効にする旨の指示を入力することができる。
【0197】
続いて、メインCPU71は、インシュランス有効指示入力が有るか否かを判別する(ステップS223)。メインCPU71は、インシュランス有効指示入力がないと判別したときには、インシュランス有効フラグはオフのまま、ステップS221に移る。その一方で、メインCPU71は、インシュランス有効指示入力が有ると判別したときには、インシュランス有効フラグをオンにする(ステップS224)。
【0198】
次に、メインCPU71は、クレジット数記憶領域に格納されている値からインシュランス加入値を減算する(ステップS225)。本実施形態では、例えば1ドルに相当する値がクレジット数記憶領域に格納されている値から減算される。メインCPU71は、ステップS225の後、又はステップS221においてインシュランス有効フラグはオンであると判別したときには、インシュランス有効画像を表示する(ステップS226)。
インシュランス有効画像としては、例えば、「INSURANCE継続中 WIN 200 CREDIT」を示す画像が表示される。この画像は、インシュランスが有効である旨、及びインシュランスの条件が満たされると「200」の値がクレジット数記憶領域に格納されている値に加算される旨を遊技者に知らせる画像である。この処理が行われると、ステップS221に移る。
【0199】
図18は、ゲーミングマシン1を構成するPTS端末64の内部構成を示すブロック図である。このPTS端末64が、「プレーヤトラッキングシステム」に相当する。
【0200】
PTS端末64は、CPU241と、ROM242と、RAM243と、接続部244と、通信インターフェイス245と、ハードディスクドライブ246とを有する。CPU241、ROM242、及び、RAM243から構成されるコントローラは、本発明における「コントローラ」に相当する。
【0201】
通信インターフェイス245は、通信回線を介して、このPTS端末64と対応関係にある一のスロットマシン1の通信インターフェイス82に接続されている。また、通信インターフェイス245は、通信回線を介して、外部制御装置200とも接続されている。後述するように、PTS端末64は、カードIDや金額情報が外部制御装置200に送信される。また、外部制御装置200からは、カードIDに対応した金額情報が、PTS端末64に送信される。
【0202】
ROM242は、PTS端末64の動作を制御するためのシステムプログラムや後述する図19、図20、図21及び図23に示すプログラムや、恒久的なデータ等が記憶されている。また、RAM243は、これらのプログラムで使用する変数などの値を一時的に記憶する。
【0203】
ハードディスクドライブ246には、CCDカメラ251により撮像されたプレーヤの人物画像の画像データが記憶される。
【0204】
さらに、PTS端末64は、時計機能を備えており、所定の期間が経過するごとに、時刻合わせを行っている。時刻合わせは、外部制御装置200(管理サーバ)が有する時計から、又は、インターネットを介して外部から、時刻のデータを取得することにより行われている。このようにすることで、PTS端末64は、日時の情報を取得することができる。
【0205】
また、PTS端末64は、タイマ機能を有しており、所定のタイミングでタイマを起動して、タイマ値を計時することによって、起動したときから経過した時間を計測することができる。CPU241に計時したタイマ値が供給される。タイマは、ハードウエアによって構成されたものでも、ソフトウエアによって構成されたものでもよい。
【0206】
接続部244には、通信回線を介して、紙幣識別器115と、コインカウンタ92Cと、が接続されている。
【0207】
紙幣識別器115は、基本通貨以外の複数の国の紙幣の種別及び適否を識別するとともに正規の紙幣を受け入れる。紙幣識別器115は、正規の紙幣を受け入れたとき、その紙幣の種別及び額に基づいてCPU241に対して入力信号を出力する。入力信号には、識別された通貨の種類を示す通貨種類データと、該通貨の量を示す通貨量データとが含まれる。すなわち、入力信号には、受け入れた紙幣の種別及び額についての情報が含まれる。
【0208】
コインカウンタ92Cは、コイン受入口36の内部に設けられていて、プレーヤによってコイン受入口36に投入されたコインの適否を識別する。正規のコイン以外のものは、コイン払出口15Aから排出される。また、コインカウンタ92Cは、正規のコインを検出したときにCPU241に対して入力信号を出力する。
【0209】
PTS端末64は、CCDカメラ251を有する。CCDカメラ251は、ゲーミングマシン1でゲームを行ったプレーヤの人物を撮像し、CCDカメラ251によって撮像された画像データがCPU241に供給される。上述したように、ハードディスクドライブ246には、CCDカメラ251によって撮像された画像データが記憶される。このようにすることで、ゲーミングマシン1でゲームを行ったプレーヤの人物を録画することができる。このCCDカメラ251が、「プレーヤ検出装置」に相当する。
【0210】
さらに、PTS端末64には、CCDカメラ251のほかに、人体検出センサ252を設けてもよい。人体検出センサ252は、ゲーミングマシン1にプレーヤが存在しているか否かを検出するためのものである。人体検出センサ252は、プレーヤの有無を検出できればよく、光センサによる反射型のフォトインタラプタや、赤外線などを用いたセンサでもよい。また、CCDカメラ251を人体検出センサとして用いてもよい。
【0211】
PTS端末64は、液晶ディスプレイ253(以下、LCD253と称する。)を有する。LCD253には、プレーヤや店員に対してアラートの表示がされる。
【0212】
PTS端末64は、モータ254を有する。モータ254は、ICカードをカードスロット262からPTS端末64の内部に搬送したり、PTS端末64の内部からカードスロット262に搬送したりする。ICカードがカードスロット262に位置するときの位置を、イジェクト位置と称する。ICカードが、PTS端末64の内部に収納されて、後述するICカードリーダ/ライタ258(以下、リーダ/ライタ258と称する。)と読み出しや書き込みができる位置にあるときの位置を、ロード位置と称する。
【0213】
さらに、モータ254は、ICカードを通常スタッカーとアラートスタッカーとにも搬送することができる。後述するように、通常スタッカーは、初期化されたICカードを収容するためのものである。アラートスタッカーは、所定のアラート条件を満たすことによって、アラートの対象となったICカードを収容するためのものである。このように、モータ254を駆動することによって、ICカードを、カードスロット262に搬送して位置づけたり(イジェクト位置)、PTS端末64の内部のロード位置に搬送して位置づけたり、ICカードを通常スタッカーやアラートスタッカーに搬送して、ICカードを通常スタッカーやアラートスタッカーに収納することができる。
【0214】
PTS端末64は、イジェクト位置センサ255を有する。イジェクト位置センサ255は、ICカードがカードスロット262(イジェクト位置)に位置するか否かを検出するセンサである。
【0215】
具体的には、カードスロット262の開口部には、ICカードの追加投入防止用のシャッタ(図示せず)が設けられている。ICカードがロード位置にある場合には、追加してICカードを投入できないように、シャッタが閉じられる。一方、ICカードがロード位置にない場合には、ICカードをロード位置に搬送できるように、シャッタが開けられる。ICカードがカードスロット262(イジェクト位置)に位置するときには、シャッタが開けられた状態である。
【0216】
イジェクト位置センサ255は、このシャッタの近くに配置されている。イジェクト位置センサ255は、ICカードがカードスロット262(イジェクト位置)に位置するか否かを検出する。ICカードがカードスロット262に位置するときには、ICカードがカードスロット262に位置することを示す信号を発する。この信号の有無によって、後述する図20のステップS2013やS2027において、ICカードを検出したか否かの判断がされる。
【0217】
PTS端末64は、ロード位置センサ256を有する。ロード位置センサ256は、ICカードが、リーダ/ライタ258と読み書きできる位置(ロード位置)に位置するか否かを検出するセンサである。
【0218】
PTS端末64は、スピーカ257を有する。スピーカ257からアラート音が出力される。
【0219】
PTS端末64は、ICカードR/W258(リーダ/ライタ258)を有する。リーダ/ライタ258は、ICカードからのデータを読み取ってCPU241へ送信したり、CPU241からの制御信号に基づいてICカードへのデータの書き込みを行ったりする。
【0220】
上述したように、ICカードには、金額情報を書き込むことができる。また、金額情報を書き込むだけでなく、ICカードから金額情報を読み出すこともできる。この金額情報の読み書きは、リーダ/ライタ258によって行われる。
【0221】
ゲーミングマシン1で、各種の金種を取り扱うことができる場合には、PTS端末64は、その時点のレートに応じて現地の通貨の金額に変換し、その変換した金額を金額情報としてICカードに書き込む。
【0222】
さらに、ICカードには、ICカードを識別するためのシリアル番号などの識別情報(カードID)も記憶されている。カードIDは、読み出すだけで、書き換えできないように、ICカードに予め記憶されているものが好ましい。このカードIDもリーダ/ライタ258によって読み出すことができる。
【0223】
<<ICカード処理>>
図19は、ICカードに関する処理を実行するサブルーチンである。
ICカードは、プレーヤの操作によってカードスロット262から挿入される。カードスロット262に挿入されたICカードは、モータ254(ICカード搬送用モータ254)が駆動されることによって、ICカードの読み書きができる位置(以下、ロード位置と称する。)にまでロードされる。また、このモータ254の駆動によって、ICカードをスタッカー(図示せず)の位置に搬送することもできる。スタッカーは、2種類あり、通常スタッカー(図示せず)とアラートスタッカー(図示せず)とがある。いずれのスタッカーもICカードを所定の枚数だけ収容することができる。
【0224】
通常スタッカーは、初期化されたICカードを収容するためのものである。PTS端末64は、ゲーミングマシン1と電気的に接続されており、プレーヤがゲーミングマシン1のTAKE WIN/COLLECTボタン33を操作したときには、操作されたことを示す信号がPTS端末64に供給される。PTS端末64が、この信号を受信したときには、1枚のICカードを、通常スタッカーからロード位置まで引き込み用モータによって搬送する。ロード位置までICカードが搬送されたときには、そのプレーヤが、それまでにゲームをした結果として残ったクレジット数に対応した金額を示す金額情報を記憶させ、イジェクト位置まで搬送する。イジェクト位置は、ICカードの一部が、カードスロット262から露出したり突出したりした状態の位置である。このようにすることで、プレーヤは、カードスロット262から露出したり突出したりした箇所をつまんで、ICカードを取り出すことできる。
【0225】
アラートスタッカーは、所定のアラート条件を満たした場合には、アラートの対象となったICカードを収容するためのものである。このアラート条件は、ICカードをイジェクト位置に搬送して位置づけてから所定時間経過しても、プレーヤがそのICカードをカードスロット262から取り出さなかったことである。このアラート条件を満たした場合には、モータ254を駆動することによって、イジェクト位置からアラートスタッカーまでICカードを搬送して、アラートスタッカーに収容する。
【0226】
最初に、CPU241は、ICカードがロード位置に存在するか否かを判断する(ステップS1911)。この判断処理は、ICカードのロード位置に設けられたセンサから検出信号が発せられたか否かで判断する。センサは、光学式のものや機械式のものなど、ICカードの存在を検出して、検出信号を出力することができるものであればよい。検出信号の有無により、ICカードが読み書き可能にロード位置にセットされているか否かを判断することができる。
【0227】
上述したロード位置には、ICカードと読み書きするためのリーダ/ライタ258が配置されている。ロード位置にICカードを配置することによって、リーダ/ライタ258を介して、ICカードに情報を書き込んだり、ICカードから情報を読み出したりできる。ICカードがロード位置に存在しないと判別したとき(NO)には、直ちに本サブルーチンを終了する。
【0228】
CPU241は、ICカードがロード位置に存在すると判別したとき(YES)には、認証できたか否かを判断する(ステップS1913)。認証は、ICカードの固有の情報を読み出して、PTS端末64によって処理できるカードであるかを判断するための処理である。このようにすることで、PTS端末64とは、関係のないカードがセットされていないことを確認することができる。また、ユーザIDをICカードに記憶させた場合には、そのユーザIDの内容を判断することによって、その店で発行した正規なICカードであるか否かを判断することもできる。認証できなかったと判別したとき(NO)には、直ちに本サブルーチンを終了する。
【0229】
CPU241は、認証できたと判別したときには、ICカードに記憶されているカードIDを読み出す(ステップS1915)。カードIDは、ICカードを識別するための情報であり、シリアル番号などを用いることができる。次に、CPU241は、後述する図29に示すクレジット変換処理のサブルーチンを呼び出して実行する(ステップS1917)。
【0230】
次に、CPU241は、プレーヤが、ゲーミングマシン1のTAKE WIN/COLLECTボタン33を操作したか否かを判断する(ステップS1925)。プレーヤが、ゲーミングマシン1のTAKE WIN/COLLECTボタン33を操作していないと判別したとき(NO)には、ステップS1925に処理を戻す。このように、ステップS1925の判断処理が繰り返し行われているときに、ゲーミングマシン1では、プレーヤの操作に応じてゲームが進められる。この間に、ゲーミングマシン1では、ゲームの進行に応じてクレジット数が変更される。
【0231】
CPU241は、ステップS1925の判断処理で、ゲーミングマシン1のTAKE WIN/COLLECTボタン33を操作したと判別したとき(YES)には、PTS端末64のタイマ(図示せず)を起動する(ステップS1927)。このタイマは、ハードウエアによって構成されたものでも、ソフトウエアによって構成されたものでもよい。
【0232】
次いで、CPU241は、PTS端末64に設けられているCCDカメラ251によって、プレーヤの人物画像を撮像して、そのデータ画像データをPTS端末64のハードディスクドライブ246に記憶させる(ステップS1929)。このようにすることで、プレーヤの人物画像を録画することができる。
【0233】
次に、CPU241は、ゲーミングマシン1から送信されたクレジット数を受信し(ステップS1933)、受信したクレジット数を金額情報に変換し(ステップS1935)、変換した金額情報を、ICカードのカードIDとともに外部制御装置200に送信する(ステップS1937)。外部制御装置200では、送信された金額情報を、カードIDに対応づけて、外部制御装置200の記憶装置に記憶させる。
【0234】
上述したステップS1919〜S1935の処理を実行することによって、ゲーミングマシン1のTAKE WIN/COLLECTボタン33が、プレーヤによって操作されたときには、その時点においてゲーミングマシン1のRAM243に記憶されているクレジット数が、PTS端末64に送信されて、クレジット数に対応する金額情報を外部制御装置200の記憶装置に記憶させることができる。このようにすることで、外部制御装置200で管理する金額情報を、最新のものに更新することができる。なお、ゲーミングマシン1のゲームが進行するたびに、ゲーミングマシン1からPTS端末64にクレジット数が送信されるようにしてもよい。
【0235】
次に、CPU241は、ステップS1935の処理で、変換された金額情報をICカードに記憶させ(ステップS1939)、ICカードの表面に金額情報を印字する(ステップS1941)。ICカードの表面は、E−INK、メモリ性液晶又は電子ペーパーを利用することで、文字情報が変更可能に印字できるようにされている。上述したICカードのロード位置には、ICカードの内部の記憶領域とのリーダ/ライタ258のみならず、このICカードの表面に印字するための印字機構も設けられている。
【0236】
次に、CPU241は、後述する図21に示すミニゲーム1を実行するためのサブルーチン、又は図28に示すミニゲーム2を実行するためのサブルーチンを読み出して実行し(ステップS1943)、後述する図22に示すICカードを排出するためのサブルーチンを読み出して実行し(ステップS1945)、本サブルーチンを終了する。
【0237】
この図19に示したサブルーチンを実行することによって、ゲーミングマシン1でゲームがされたときの結果の金額情報を、ICカードの内部の記憶領域に記憶させることができるとともに、ICカードの表面に金額情報を印字することができる。このようにすることで、プレーヤは、ICカードのリーダを用いることなく、ICカードの表面に印字された金額情報によって、その時点で自己が所有する金額情報を認識することができる。
【0238】
なお、上述したステップS1943の処理で、ミニゲーム1とミニゲーム2とのうちのいずれか一方のみを常に実行するように定めても、選択的に一方を実行できるようにしてもよい。選択的に実行させる場合には、抽籤処理によって一方のゲームを呼び出すように定めればよい。
【0239】
<<ICカード排出処理>>
図20は、ICカードをロード位置からイジェクト位置にまで搬送して排出するときの処理を実行するためのサブルーチンである。
【0240】
最初に、CPU241は、ICカードを搬送するためのモータ254を駆動する(ステップS2011)。次に、CPU241は、カードスロット262にICカードが存在するか、すなわち、イジェクト位置にICカードが存在するか否かを判断する(ステップS2013)。カードスロット262には、ICカードを検出するためのセンサが設けられている。ステップS2013の判断処理は、このセンサから検出信号が発せられたか否かで判断する。センサは、光学式のものや機械式のものなど、ICカードの存在を検出して、検出信号を出力することができるものであればよい。検出信号の有無により、ICカードがカードスロット262(イジェクト位置)にセットされているか否かを判断することができる。
【0241】
次に、CPU241は、カードスロット262にICカードが存在すると判別したとき(YES)には、上述したステップS1927の処理で起動したタイマ値が、所定時間以上、例えば、5秒以上になったか否かを判断する(ステップS2015)。所定時間は、カードスロット262にICカードが搬送されてから、プレーヤが、そのICカードを取り出すまでに要する時間に基づいて定めればよい。タイマ値が、所定時間未満であると判別したとき(YES)には、ステップS2013に処理を戻す。
【0242】
一方、CPU241は、ステップS2015の判断処理で、タイマ値が所定時間以上であると判別したときには、タイマを停止し(ステップS2017)、アラート信号を外部制御装置200(いわゆるホールサーバ)に送信する(ステップS2019)。このようにすることで、ゲーミングマシン1でICカードの取り忘れが生じた可能性があることを、外部制御装置200に報知することができる。なお、ステップS2019の処理で、ゲーミングマシン1に割り当てられている固有の識別番号とともにアラート信号を外部制御装置200に送信するのが好ましい。このようにすることで、外部制御装置200は、ICカードがカードスロット262から取り出されていないことと、ICカードが取り出されていないゲーミングマシン1を特定することができる。
【0243】
次に、CPU241は、人体検出センサ252から出力信号が発せられているか否かを判断する(ステップS2021)。人体検出センサ252は、ゲーミングマシン1の前にプレーヤが存在しているか否かを判断するためのものである。人体検出センサ252は、上述したCCDカメラ251のほか、光センサによる反射型のフォトインタラプタや、一般的にゲーミングマシン1の前方に人が存在するか否かを検出できるものであればよい。人体検出センサ252は、人体が存在すると検出したときには、検出信号を発する。
【0244】
CPU241は、ステップS2021の判断処理で、人体検出センサ252から出力信号が発せられていると判別したとき(YES)、すなわち、ゲーミングマシン1の前にプレーヤが存在していると判別したときには、PTS端末64のLCD253にアラートを表示し(ステップS2023)、PTS端末64のスピーカ257からアラート音を出力する(ステップS2025)。このアラートの表示やアラート音の出力は、ゲーミングマシン1でゲームを行っていたプレーヤに対して行うものであり、ICカードを取り忘れている可能性があることをプレーヤに認識させて、ICカードを取り出すべきことをプレーヤに促すためのものである。
【0245】
次に、CPU241は、カードスロット262にICカードが存在するか、すなわち、イジェクト位置にICカードが存在するか否かを判断する(ステップS2027)。この判断は、上述したステップS2013の判断処理と同様のものである。カードスロット262に設けられているセンサから検出信号が発せられたか否かで判断する。
【0246】
CPU241は、カードスロット262にICカードが存在すると判別したとき(YES)には、人体検出センサから検出信号が発せられているか否かを判断する(ステップS2029)。このステップS2029の判断処理は、上述したステップS2021と同様の処理である。人体検出センサから検出信号が発せられていると判別したとき(YES)には、ステップS2027に処理を戻す。すなわち、ゲーミングマシン1の前方には、プレーヤが存在しているので、そのプレーヤに対して、アラートを表示したりアラート音を出力したりすることで、ICカードを取り忘れている可能性があることをプレーヤに認識させて、ICカードを取り出すべきことをプレーヤに促すことができる。
【0247】
CPU241は、上述したステップS2027の判断処理で、カードスロット262にICカードが存在しない、すなわち、イジェクト位置にICカードが存在しないと判別したとき(NO)には、アラートが解消されたことを示すアラート解消信号を外部制御装置200に送信する(ステップS2035)。上述したステップS2023のアラートの表示や、ステップS2025のアラート音の出力によって、ICカードを取り忘れていたことをプレーヤが認識し、プレーヤがICカードをカードスロット262から取り出したことによって、アラート条件が解消されたことを、アラート解消信号を外部制御装置200に送信することで、外部制御装置200に報知することができる。
【0248】
CPU241は、ステップS2035の処理を実行した後、ステップS2023の処理で表示したアラート表示を消去する(ステップS2037)とともに、ステップS2025の処理で発したアラート音を停止する(ステップS2039)。次に、CPU241は、図19のステップS1929の処理で開始したプレーヤの人物画像の録画を終了し(ステップS2041)、本サブルーチンを終了する。
【0249】
また、CPU241は、上述したステップS2013の判断処理で、カードスロット262にICカードが存在しないと判別したとき(NO)、すなわち、アラート表示やアラート音が出力されることなく、プレーヤがICカードをカードスロット262から取り出した場合には、ステップS1927の処理で起動したタイマを停止し(ステップS2043)、上述したステップS2041に処理を移す。
【0250】
このように、アラート表示やアラート音が出力されることなく、プレーヤがICカードをカードスロットから取り出した場合や、アラート表示やアラート音が出力されたことによって、ICカードを取り忘れていることを認識して、プレーヤがICカードをカードスロット262から取り出した場合などは、上述したような手順で処理が実行される。
【0251】
一方、CPU241は、ステップS2029の判断処理で、人体検出センサから検出信号が発せられていないと判別したとき(NO)には、ステップS2023の処理で表示したアラート表示を消去する(ステップS2031)とともに、ステップS2025の処理で発したアラート音を停止する(ステップS2033)。すなわち、ゲーミングマシン1の前方には、プレーヤが既に、存在していないので、そのプレーヤに対して、アラートを表示したりアラート音を出力したりする必要がなく、アラート表示を停止して、アラート音の出力を停止する。
【0252】
CPU241は、上述したステップS2021の判断処理で、人体検出センサ252から出力信号が発せられていないと判別したとき(NO)、すなわち、ゲーミングマシン1の前にプレーヤが存在していないと判別したとき、又は、上述したステップS2033の処理を実行したときには、PTS端末64のLCD253にアラートを表示し(ステップS2045)、PTS端末64のスピーカ257からアラート音を出力し(ステップS2047)、アラート信号を外部制御装置200(いわゆるホールサーバ)に送信する(ステップS2049)。
【0253】
これらのステップS2045、S2047及びS2049の処理は、ステップS2021やS2029の判断処理で、ゲーミングマシン1の前にプレーヤが存在していないと判別したときに実行される処理である。すなわち、ステップS2045、S2047及びS2049の処理は、プレーヤに対して、ICカードを取り忘れていることを認識させるためのものではなく、ゲーミングマシン1が設置されている店のための処理である。したがって、アラート表示やアラート音などは、ステップS2023やS2025の処理のものは異なるものが好ましい。このようにすることで、ICカードが取り忘れられたゲーミングマシン1が存在することを店員に的確に報知することができる。これらのアラート表示やアラート音によって、そのゲーミングマシン1に店員が直ちに急行することができる。迅速に対応することができる。
【0254】
また、ステップS2049の処理のアラート信号が発せられた日時やゲーミングマシン1の識別情報などを外部制御装置200に記憶させておくことによって、ICカードが取り忘れられた事実を管理することができる。後日、プレーヤから店に連絡があったときに、的確に応答することができる。
【0255】
次に、CPU241は、ICカードの引き込み用のモータを駆動することによって、ICカードをイジェクト位置からPTS端末64の内部に収納する(ステップS2051)。特に、ICカードをアラートスタッカーに収容するのが好ましい。アラートスタッカーは、所定のアラート条件を満たした場合には、アラートの対象となったICカードを収容するためのものである。このアラート条件は、ICカードをイジェクト位置に搬送して位置づけて(ステップS2011)から所定時間経過しても(ステップS2015)、プレーヤがそのICカードをカードスロット262から取り出さなかった(ステップS2021又はS2025)ことである。このアラート条件を満たした場合には、ステップS2051の処理によって、モータ254を駆動することにより、イジェクト位置からアラートスタッカーまでICカードを搬送して、アラートスタッカーに収容する。なお、後述するように、アラート発生情報をICカードに書き込んだり、ICカードのカードIDを読み取ったりする処理を実行するために、アラートスタッカーに収容する前に、一旦、ICカードをロード位置に搬送し、これらの処理を実行した後に、アラートスタッカーにICカードを収容するのが好ましい。
【0256】
ICカードが取り忘れられたときには、上述したように店員が急行して適切な処置をすることが好ましい。しかしながら、他のサービスなどで店員が忙しい場合には、直ちに急行することができないことも十分に想定される。このような場合に、他のプレーヤが、取り忘れられたICカードを入手することで、不正にクレジットを獲得する可能性もある。このように、取り忘れられたICカードをアラートスタッカーに収容することによって、店員が急行できないような場合であっても、不正行為を未然に防止することができる。
【0257】
CPU241は、ステップS2051の処理を実行した後、図19のステップS1929の処理で開始したプレーヤの人物画像の録画を終了し(ステップS2053)、一旦、ICカードをロード位置に搬送して、アラート条件を満たしたことを示すアラート発生情報をICカードに書き込む(ステップS2055)。このようにすることで、そのICカードが、取り忘れられたものであることを識別することができる。
【0258】
次に、CPU241は、ICカードのカードIDを読み出し(ステップS2057)、読み出したカードIDと、録画した人物画像の録画データとを対応付けて、PTS端末64のハードディスクドライブ246に記憶させ(ステップS2059)、本サブルーチンを終了する。
【0259】
ステップS2059の処理によって、PTS端末64のハードディスクドライブ246に記憶されたカードIDと人物画像の録画データとのテーブルを図22に示す。図22に示したテーブルは、PTS端末64のハードディスクドライブ246に記憶されたデータを概念的に示すものである。図22に示した例では、カードIDは、「001245」であり、カードIDを識別できる情報であればよい。例えば、カードIDのシリアル番号や、その店で割り当てた識別番号などを用いればよい。また、録画データは、例えば、動画データなどであり、ハードディスクドライブ246に記憶させることができる動画データのための各種のフォーマットを用いることができる。図22に示した例では、録画データは、「090715-131213-0012.avi」であり、ハードディスクドライブ246に記憶させるためのファイル名である。
【0260】
この読み出したカードIDと録画した人物画像の録画データとをハードディスクドライブ246に保管しておくことによって、後日、プレーヤから店に、ICカードの取り忘れについて問い合わせがあった場合に、カードIDと人物画像の録画データと参照することにより、迅速かつ的確に、本来のプレーヤにICカード返却することができる。
【0261】
図20のステップS2021の判断処理で、人体検出センサ252によってプレーヤが存在する場合には、まず、第1段階のアラートとして、プレーヤに対するアラート表示をしたりアラート音を発したりする。そのようなアラート表示やアラート音によっても、プレーヤがICカードの取り忘れについて認識せず、ICカードを取り出すことなくゲーミングマシン1から立ち去った場合には、第2段階のアラートとして、店用のアラート表示をしたりアラート音を発したりする。
【0262】
このようにすることで、ICカードの取り忘れについて、プレーヤに対して積極的に認識させるようにするとともに、プレーヤが認識しなかったときには、店に対するアラートに切り替えることで、他のプレーヤがそのクレジットを入手するような不正行為を未然に防止することができる。
【0263】
なお、プレーヤに対するアラート表示やアラート音を、予め複数種類定めておき、金額情報が示す金額に応じてアラート表示やアラート音の種類を変更するのが望ましい。例えば、金額情報が示す金額に応じてアラートの種類を予め定めたアラート決定テーブルをPTS端末64のROM242に記憶させておく。アラートの種類は、LCD253に表示するアラートの種類として、メッセージの内容や文字の大きさや色や点滅の態様などがある。また、スピーカ257から出力する音声のアラートの種類として、音楽や警告音や、音の大きさや高さなどがある。
【0264】
ICカードに記憶されている金額情報が示す金額を使ってアラート決定テーブルを検索して、金額情報が示す金額に応じてアラートの種類を決定する。金額情報が示す金額が大きいにもかかわらず、カードスロット262にICカードを残した場合には、ICカードを単に置き忘れた可能性があるので、プレーヤが認識させやすい目立つアラートにするのが望ましい。なお、この処理は、金額情報が示す金額ではなく、クレジット数を用いて処理をしてもよい。
【0265】
ステップS2021やS2029の判断処理において、人体検出センサによってプレーヤが存在するか否かの判断は、1回だけでなく、複数回行ったり、所定の時間に亘って行ったりしてもよい。プレーヤが帰り支度や、ゲーミングマシン1の移動の準備をしているため、かがんだり、姿勢を変えたりしている可能性があり、プレーヤが存在するか否かの判断を複数回行ったり、所定の時間に亘って行ったりすることで、プレーヤが存在するか否かを的確に判断することができる。
【0266】
<<ミニゲーム1実行処理>>
図21は、上述した図19のステップS1943の処理で呼び出されて実行されるミニゲーム1を実行するためのサブルーチンである。したがって、本実施の形態では、ミニゲーム1は、PTS端末64において実行される。
【0267】
本実施の形態のPTS端末64では、金種の異なる紙幣をゲーム用クレジットに交換できる。すなわち、ゲーミングマシン1の紙幣識別器115に紙幣を投入することで、PTS端末64で、その紙幣が示す額をクレジット数に交換することができる。
【0268】
具体的には、以下のような処理によって、クレジット数に交換される。
まず、ゲーミングマシン1の紙幣識別器115に紙幣が投入されたときには、紙幣の金種を判断する。例えば、投入された紙幣が、香港ドルであるか否かを判断する。上述したように、ゲーミングマシン1の紙幣識別器115は、金種の異なる紙幣を投入できるように構成されている。投入された紙幣の金種が特定のものであったときには、直ちに、所定の換算基準によって(換算式などを用いて)、投入された紙幣の金額に応じたクレジット数に交換される。例えば、投入された紙幣が、香港ドルである場合には、そのまま、その紙幣に定められた金額に応じたクレジット数に交換される。
【0269】
一方、投入された紙幣の金種が特定のものでなかったときには、その時点におけるレートに応じて、投入された紙幣の金額は、一旦、特定の金種の金額に変換される。例えば、USドルや円から香港ドルに変換される。その時点におけるレートを、金種ごとに、PTS端末64のRAM243に記憶させておくことで、特定の金種の金額に変換することができる。
【0270】
次に、特定の金種に変換された金額を、上述した所定の換算基準によって(換算式などを用いて)、クレジット数に交換する。例えば、投入された紙幣の金種がUSドルや円であった場合には、まず、その紙幣に定められた金額は、香港ドルに変換される。次いで、変換した金額をクレジット数に交換する。
【0271】
上述したように、異なる金種に金額を変換したときには、レートによって、変換後の金額に端数が生ずる場合がある。このように、変換後の金額に端数が生じても、変換によってプレーヤに不利益を与えないようにするために、変換後の金額は、ICカードに記憶される。
【0272】
図26は、PTS端末64で実行される処理であり、ゲーミングマシン1の紙幣識別器115に投入された紙幣の金種に応じて、異なる金種の金額やクレジット数に変換するためのサブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンは、紙幣識別器115に紙幣が投入されたことを検出したときに呼び出されて実行される。
【0273】
最初に、CPU241は、ゲーミングマシン1の紙幣識別器115に投入された紙幣の金種を決定する(ステップS2611)。次に、CPU241は、投入された紙幣が特定の金種であるか否かを判断する(ステップS2613)。CPU241は、投入された紙幣が特定の金種でないと判別したとき(NO)には、PTS端末64のRAM243に記憶されているレートを金種に応じて読み出す(ステップS2615)。次に、CPU241は、投入された紙幣の金額を、読み出したレートを用いて、特定の金種の金額に変換する(ステップS2617)。
【0274】
CPU241は、上述したステップS2613の判断処理で、投入された紙幣が特定の金種でないと判別したとき(NO)、又はステップS2617の処理を実行したときには、投入された紙幣が示す金額又はステップS2617の処理で変換された金額と、金種に応じたレートとからクレジット数を決定する(ステップS2619)。最後に、CPU241は、金額をICカードに書き込み(ステップS2621)、本サブルーチンを終了する。
【0275】
なお、レートは、漸次変化するので、例えば、一定の時間ごとや一定の期間ごとに最新のものに更新できるように、PTS端末64のRAM243に記憶させるものが好ましい。最新のレートの値は、外部制御装置200からPTS端末64に送信するようにするのが好ましい。
【0276】
図27は、ゲーミングマシン1の紙幣識別器115に紙幣を投入したときに、PTS端末64のLCD253に表示される画面の例を示す。図26(a)は、紙幣を投入する前に表示される画面であり、画面の上側には中国語のメッセージが表示されている。また、画面の下側には、香港ドルに交換した場合の、金種の各々のレートが表示されている。このように、金種の変換でプレーヤに不利益にならないように、レートの各々は、少数点以下4桁まで定められている。また、図26(b)は、米国紙幣を投入したときに表示される画面である。米国紙幣が紙幣識別器115に投入されたことを判別し、画面の上側には英語のメッセージが表示されている。
【0277】
上述したように、金種に対応したレートの各々は、少数点以下4桁まで定められている。このため、PTS端末64のCPU241の演算処理によって変換すると、正確に交換できるのでプレーヤに不利益や与えないが、金種の変換で金額に端数が生ずる場合がある。なお、生じた端数も含めて、LCD253に表示するものが好ましい。特に、後述するステップS2115の処理によってミニゲームが実行されるときに、LCD253に表示するのが好ましい。このようにすることで、端数が生じたことによって、ミニゲームを実行することをプレーヤに認識させることができる。
【0278】
このように、ICカードに残っている金額が、金種の変換によって生じた端数のように、極めて小さい場合には、精算が面倒であるため、ICカードをゲーミングマシン1に故意に残していくプレーヤが現れる可能性がある。しかし、このような場合に、ICカードの取り忘れによるアラートを発生させる構成にすると、頻繁にアラートが発生してしまう可能性がある。このため、後述するように、ミニゲームを実行することによって、ICカードに記憶されている金額を意図的に変更するものが好ましい。
【0279】
図21に示したミニゲームのサブルーチンにおいて、最初に、CPU241は、ロード位置にセットされているICカードから金額情報を読み出す(ステップS2111)。次に、CPU241は、読み出した金額情報が示す金額が所定数以下、例えば、最低精算単位1ドルに相当する数以下であるか否かを判断する(ステップS2113)。読み出した金額情報が示す金額が所定数より大きいと判別したとき(NO)には、直ちに、本サブルーチンを終了する。
【0280】
一方、CPU241は、読み出した金額情報が示す金額が所定数以下である場合(YES)には、PTS端末64においてミニゲームを実行する(ステップS2115)。ミニゲームは、PTS端末64のLCD253を用いたものが好ましい。例えば、2枚のカードから1枚のカードを選択させるミニゲームを行う。プレーヤが、2枚のカードのうち、大きい数字のカードを選択した場合には、勝ったとして、後述するように、読み出した金額情報が示す金額×120%の金額を新たな金額情報とし、プレーヤが、小さい数字のカードを選択した場合には、負けたとする。後述するように、ミニゲームで負けた場合には、ICカードは、カードスロット262から排出されずに、PTS端末64の内部に収容される。なお、カードの選択は、プレーヤがタッチパネル259を押動することによって、タッチパネル259から発せられる信号を用いて処理することができる。
【0281】
次に、CPU241は、ステップS2115で実行したミニゲームに勝ったか否かを判断する(ステップS2117)。CPU241は、ミニゲームに負けたと判別したとき(NO)には、上述したように、ICカードをPTS端末64の内部に収容し(ステップS2129)、本サブルーチンを終了する。このようにすることで、金額情報が示す金額が所定数以下である場合には、カードスロット262から排出されない。
【0282】
一方、CPU241は、ステップS2117の判断処理で、ミニゲームに勝ったと判別したとき(YES)には、(読み出した金額情報が示す金額)×120%という演算処理をして、金額を増やす(ステップS2119)。
【0283】
次に、CPU241は、増やした金額に対応した金額情報をICカードに書き込み(ステップS2121)、増やした金額に対応した金額情報を、ICカードのカードIDとともに外部制御装置200に送信する(ステップS2123)。外部制御装置200では、送信された金額情報を、カードIDに対応づけて、外部制御装置200の記憶装置に記憶させる。
【0284】
次に、CPU241は、金額情報をクレジット数に変換し(ステップS2125)、変換したクレジット数をゲーミングマシン1に送信し(ステップS2127)、本サブルーチンを終了する。このようにすることで、ミニゲームをしてクレジット数を増やすことができたプレーヤは、継続してゲームをすることができる。また、ミニゲームをしてクレジット数を増やしてもゲームを続けない場合には、ゲーミングマシン1のTAKE WIN/COLLECTボタン33を操作することで、終了することができる。
【0285】
このように、ICカードにある程度大きい金額に対応した金額情報が残っている場合には、よっぽどのことが無い限り、プレーヤがICカードを取り忘れることは少ないとは想像できる。しかしながら、ICカードに残っている金額が極めて小さいような場合には、精算するのが面倒であるなどの理由により、ICカードをゲーミングマシン1に故意に残していくプレーヤが現れることも想定される。このため、ICカードの取り忘れによるアラートを発生させる構成とした場合には、頻繁にアラートが発生してしまう可能性がある。
【0286】
しかしながら、上述した図21に示したミニゲームを実行して、負けた場合には、PTS端末64の内部にICカードが収容されることを認めさせる。このようにすることで、ICカードがカードスロット262に残されないようにして、店員の手間や労力を軽くすることができる。また、ICカードがPTS端末64の内部に収容されるので、次のプレーヤは、待つことなく、直ちに、そのゲーミングマシン1で遊技を開始することができ、ゲーミングマシン1の稼働率を高めることができる。
【0287】
さらに、小さい金額しかICカードに残っていないにも拘わらず、ICカードをPTS端末64から排出して、プレーヤがそのICカードを取り出した場合には、小さい金額しか残されていないので、プレーヤは、そのICカードに価値を感じられず、廃棄する可能性もある。このように、プレーヤによってICカードが廃棄されたときには、店で使用できるICカードの数が減ってしまう。このため、店では、ICカードを補充するために、ICカードを新たに購入する必要があった。しかしながら、ミニゲームを実行して、負けた場合には、PTS端末64の内部にICカードを収容することによって、使用できるICカードを店が的確に回収することができる。このように、回収したICカードを再び店で使用することで、ICカードに要する費用を低減させることもできる。
【0288】
一方、ミニゲームによって、ICカードの金額を多くした場合には、ICカードの価値を高めて、ICカードの存在をプレーヤに積極的に認識させて、取り忘れを防止することができる。
【0289】
<<ICカード初期化・補充処理>>
図23は、アラートの対象になったICカードを初期化して、新たに通常スタッカーに補充するためのサブルーチンである。この処理は、ゲーミングマシン1において、所定の時間以上、例えば、10分以上ゲームがされていないときに、呼び出されて実行される。このようにすることで、ゲーミングマシン1において行われるゲームを妨げることなく、ICカードの初期化や補充の処理を実行することができる。
【0290】
最初に、CPU241は、アラートスタッカーに収容されているICカードをロード位置に搬送し、ICカードからアラートの種類及びアラートの対象となった日時を読み出す(ステップS2311)。上述したように、アラートスタッカーに収容されているICカードは、アラートの対象になったものである。
【0291】
CPU241は、ICカードがアラートの対象となったアラートの種類が、ICカードの取り忘れによるものであるか否かを判断する(ステップS2313)。アラートの種類が、ICカードの取り忘れによるものでないとき(NO)には、直ちに本サブルーチンを終了する。ICカードに関するアラートは、他の理由によるものもあるが、このICカード初期化・補充処理では、プレーヤがICカードをカードスロット262に残したもののみを対象にする。他のアラートでは、ICカードを初期化して再利用するには不適切な場合もあり得るからである。例えば、ICカードがハードウエア的に故障している可能性がある場合などを排除するためである。
【0292】
一方、CPU241は、アラートの種類が、ICカードの取り忘れによるものであるとき(YES)には、アラートの対象となった日時から、所定の期間、例えば、1ヶ月経過したか否かを判断する(ステップS2315)。アラートの対象となった日時から、所定の期間、経過していないと判別したとき(NO)には、直ちに本サブルーチンを終了する。所定の期間、経過していない場合には、プレーヤが、取り忘れたICカードについて問い合わせをする可能性もあるので、所定の期間、経過してから、ICカードの初期化の対象とするのが好ましい。
【0293】
一方、CPU241は、アラートの対象となった日時から、所定の期間、経過したと判別したとき(YES)には、ロード位置にあるICカードを初期化する(ステップS2317)。ICカードの所定の記憶領域には、図24は、ICカードの所定の記憶領域に記憶されている情報の例を示すテーブルである。図24に示した例では、ICカードは、カードID(上述した識別情報)、金額情報、アラートの種類、アラートの日時、ゲーミングマシンの識別番号などが記憶されている。これらのうちの、カードID以外の情報を消去することによって、ICカードの初期化をすることができる。このようにして、ICカードを初期化することによって、その店でICカードを再利用することができる。
【0294】
次いで、CPU241は、ICカードをロード位置から通常スタッカーに搬送して、新たなICカードとして通常スタッカーに補充する(ステップS2319)。このようにすることで、店は、ICカードを新規に購入することなく、ICカードを補充することができるので、ICカードに要する費用を低減させることもできる。また、ゲーミングマシン1を開放することなく、ICカードを補充することができるので、安全性を高めることができるとともに、ICカードの補充作業が煩雑になることを防止することができる。
【0295】
<<ミニゲーム2実行処理>>
図28は、上述した図19のステップS1943の処理で呼び出されて実行されるミニゲーム2を実行するためのサブルーチンである。このミニゲーム2、ミニゲーム1と同様に、PTS端末64において実行される。なお、図21に示したミニゲーム1と同様の処理をするステップには、同一の符号を付した。
【0296】
最初に、CPU241は、プレーヤが、ゲーミングマシン1のTAKE WIN/COLLECTボタン33を操作したか否かを判断する(ステップS2811)。プレーヤが、ゲーミングマシン1のTAKE WIN/COLLECTボタン33を操作していないと判別したとき(NO)には、直ちに本サブルーチンを終了する。
【0297】
CPU241は、ステップS1925の判断処理で、ゲーミングマシン1のTAKE WIN/COLLECTボタン33を操作したと判別したとき(YES)には、ゲーミングマシン1から送信されたクレジット数を受信する(ステップS2813)。次に、CPU241は、受信したクレジット数が所定値未満であるか否かを判断する(ステップS2815)。CPU241は、受信したクレジット数が所定値以上であると判別したとき(NO)には、直ちに本サブルーチンを終了する。
【0298】
一方、CPU241は、受信したクレジット数が所定値未満であると判別したとき(YES)には、ミニゲームを実行するか否かのメッセージをLCD253に表示する(ステップS2817)。次に、CPU241は、プレーヤがミニゲームを選択したか否かを判断する(ステップS2819)。CPU241は、プレーヤがミニゲームを選択したと判別したとき(YES)には、ステップS2115に処理を移す。図28に示したステップS2115〜ステップS2129の処理は、図21に示したミニゲーム1と同様の処理である。なお、このステップS2819の判断処理は、プレーヤがタッチパネル259を押動することによって、タッチパネル259から発せられる信号を用いて処理することができる。
【0299】
CPU241は、プレーヤがミニゲームを選択しなかったと判別したとき(NO)には、ステップS2813の処理で、ゲーミングマシン1から送信されたクレジット数を金額に変換して金額情報を生成する(ステップS2821)。次に、CPU241は、ICカードにICカードに金額情報を書き込み(ステップS2823)、金額情報をカードIDとともに外部制御装置200に送信し(ステップS2825)、ICカードの搬送用モータ254駆動してICカードをイジェクト位置に搬送し(ステップS2827)、本サブルーチンを終了する。
【0300】
このようにすることで、ミニゲームをしなかったプレーヤに対しては、クレジット数が所定値未満であった場合でも、ICカードに金額情報を記憶させて、プレーヤに返却する。このようにすることで、小額であってもプレーヤに現金を返すので、プレーヤに不利益を与えることがない。
【0301】
なお、上述したステップS2815の判断処理で用いた所定値は、ゲーミングマシン1ごとに設定できるようにするのが好ましい。例えば、PTS端末64の接続部244に、所定値設定変更スイッチを接続した構成にするのが好ましい。このようにすることで、所定値設定変更スイッチを操作することで、所定値を変更して決定することができる。
【0302】
ゲーミングマシン1ごとに所定値を設定できるようにすることで、ゲーミングマシン1のプレーヤの好みに対応させることができる。例えば、ハイローラ向けのゲーミングマシンの場合には、この所定値を高く設定する。このようにすることで、ICカードの残額をある程度大きくできるので、ハイローラ向けのゲーミングマシンのプレーヤであっても、ICカードを棄てる可能性を低くすることができる。
【0303】
<<クレジット変換処理>>
図29は、上述した図19のステップS1917の処理で呼び出されて実行されるクレジット変換処理のサブルーチンである。
【0304】
最初に、CPU241は、ICカードから読み出したカードIDを外部制御装置200に送信する(ステップS2911)。外部制御装置200は、カードIDを受信し、カードIDに対応する金額情報を読み出して、カードIDを送信したPTS端末64に送信する。
【0305】
外部制御装置200は、カードIDが送信されたときには、カードIDを用いてカードIDに対応づけられた金額情報を検索して、カードIDに対応づけられた金額情報が外部制御装置200の記憶装置に記憶されているか否かを判断する。カードIDに対応づけられた金額情報が記憶されているときには、金額情報をPTS端末64に送信する。一方、金額情報が記憶されていないときには、記憶されていないことを示す情報をPTS端末64に送信する。
【0306】
店内には、複数のゲーミングマシン1が設置されている。プレーヤは、ゲーミングマシン1を変えつつゲームをして、複数のゲーミングマシン1のうち、気に入りそうなものを探すことが多い。このため、一のゲーミングマシン1でゲームをした後、他のゲーミングマシン1でゲームをするような場合には、一のゲーミングマシン1でゲームをしたときに、そのときの金額情報は、外部制御装置200の記憶装置に既に記憶されている。このため、他のゲーミングマシン1でゲームをする場合には、外部制御装置200の記憶装置に記憶されている金額情報を、他のゲーミングマシン1で呼び出すことで、外部制御装置200で金額情報を的確に管理することができ、不正行為を未然に防止することができる。
【0307】
次に、CPU241は、外部制御装置200に金額情報が存在するか否かを判断する(ステップS2913)。CPU241は、外部制御装置200に金額情報が存在すると判別したとき(YES)には、外部制御装置200から送信された金額情報を受信し(ステップS2915)。一方、CPU241は、外部制御装置200に金額情報が存在しないと判別したとき(NO)には、ICカードに記憶された金額情報を読み出す(ステップS2917)。
【0308】
次に、CPU241は、ゲーミングマシン1のRAM73に記憶されているデノミネーションを読み出す(ステップS2919)。デノミネーションは、1回のゲームに対するベットの最小単位を意味する。なお、本実施の形態におけるデノミネーションは、通貨価値のデノミネーションが好ましい。通貨価値のデノミネーションとしては、例えば、そのゲーミングマシンでの1クレジットを、0.001香港ドル、0.01香港ドル、0.1香港ドル等とすることができる。ゲーミングマシンごとにデノミネーションを定めることによって、ゲーミングマシンごとに異なる最低賭金やゲーム単価を設定できる。これにより、プレーヤは、少ない賭金で長時間にわたってゲームを楽しんだり、多くの賭金で一攫千金を狙ったりするように、プレーヤの所持金額等に応じて、ゲーミングマシンを選択してゲームを楽しむことができる。
【0309】
なお、デノミネーションは、外部制御装置200によって決定され、決定されたデノミネーションが、外部制御装置200からゲーミングマシン1に送信され、ゲーミングマシン1のRAM73に記憶させるのが好ましい。
【0310】
次に、CPU241は、ステップS2915の処理で受信した金額情報が示す金額の全て、又は、ステップS2917の処理でカードIDから読み出した金額情報が示す金額の全てを、クレジットに変換できるか否かを判断する(ステップS2921)。クレジットに変換できない金額が含まれている場合(NO)には、すなわち、クレジット単位で端数が生じてしまう場合には、クレジットに変換できる最大の金額を決定する(ステップS2923)。
【0311】
次に、CPU241は、クレジットに変換できない金額が含まれていない場合(YES)、又はステップS2923の処理を実行したときには、ステップS2919の処理で読み出したデノミネーションに応じて、クレジットに変換できる金額をクレジットに変換し(ステップS2925)、変換したクレジット数をゲーミングマシン1に送信する(ステップS2927)。さらに、CPU241は、クレジットに変換できなかった金額、すなわち、クレジットに変換した金額の残りの金額をICカードに書き込み(ステップS2929)、本サブルーチンを終了する。
【0312】
<<<スポーツブック機能>>>
PTS端末64はスポーツブックを行う機能も有する。スポーツブックは、主にスポーツ(たとえば、野球、サッカー、バスケットボール、テニス等)の勝敗の結果を当てることを目的にしてベットするゲームである。本明細書においては、ベットの対象は、スポーツに限られず勝敗や順位を明確にできる各種のイベントでよい。
【0313】
上述したように、PTS端末64は、通信インターフェイス245を有している。PTS端末64は、スポーツブック管理サーバ1300及び放送送信サーバ1310と図30に示すカジノシステム1000のネットワークを介して通信可能に接続されている。このスポーツブック管理サーバ1300が、「イベント管理サーバ」に相当し、放送送信サーバ1310が「放送送信サーバ」に相当し、通信インターフェイス245が「通信装置」に相当する。
【0314】
カジノシステム1000は、管理サーバブロック1220と、顧客端末ブロック1221と、スタッフ端末ブロック1222とを備えている。
【0315】
管理サーバブロック1220は、カジノホールサーバ1261と、為替サーバ1262と、カジノ・ホテルスタッフ管理サーバ1260と、会員管理サーバ1264と、ICカード・金銭管理サーバ1265と、メガバックスサーバ1266と、画像サーバ1267とを備えている。
【0316】
カジノホールサーバ1261は、カジノ内の金銭の流れを集計し、賃借表等を作成するとともに、管理サーバブロック1220内の各サーバを管理するためのサーバである。為替サーバ1262は、為替情報を通信回線1223を介して外部(ネットワーク回線1015)から取得するためのサーバである。カジノ・ホテルスタッフ管理サーバ1260は、カジノ・ホテルで働くスタッフの勤怠管理やカジノ内におけるスタッフの現在位置の把握等を行うためのサーバである。会員管理サーバ1264は、会員の個人情報や過去の遊技結果等の会員情報の管理を行うためのサーバである。ICカード・金銭管理サーバ1265は、キャッシュレスのICカードによる売り上げを集計するためのサーバである。メガバックスサーバ1266は、プログレッシブ付与のための蓄積値の管理やプログレッシブ付与の決定を行うためのサーバである。画像サーバ1267は、カジノ内に設けられたカメラにより撮影されたスタッフやプレーヤの顔の画像を保存し、管理するためのサーバである。
【0317】
顧客端末ブロック1221は、プレーヤトラッキングシステム(PTS)端末64を搭載したゲーミングマシン1と、精算機1268とを備えている。ゲーミングマシン1は、PTS端末64を介して管理サーバブロック1220とネットワークにより接続されている。本実施形態では、1つのゲーミングマシン1に対して、その筐体の一部に1つのPTS端末64が設けられている。
【0318】
スタッフ端末ブロック1222は、スタッフ管理端末1269と、会員カード発券端末1270とを備えている。スタッフ管理端末1269は、カジノ・ホテルスタッフ管理サーバ1260により制御される。スタッフ管理端末1269は、カジノ・ホテルスタッフ管理サーバ1260から受信した信号に基づき、スタッフが携帯するPersonal Digital Assistant(PDA)(図示せず)等に情報を送信したり、スタッフが携帯する携帯電話機との通信を開始させたりする。
【0319】
会員カード発券端末1270は、カメラを備えており、会員カード(ICカード)の発券時に、ICカードの発券を受けるプレーヤの顔の撮影を行う。撮影した画像は、顧客IDと対応付けて画像サーバ1267に保存される。また、会員カードの発券時や会員登録時に入力された会員の個人情報は、会員管理サーバ1264に顧客IDと対応付けて保存される。
【0320】
上述したネットワーク回線1015には、スポーツブック管理サーバ1300が接続されている。スポーツブック管理サーバ1300は、ネットワーク回線1015に接続されている端末装置、たとえば、プレーヤによって選択されたイベントやその予想結果やベット額などを管理するとともに、イベントの結果に対する配当倍率(いわゆるオッズ)を記憶し、プレーヤから送信されたベット額に基づいて配当金を演算する。なお、ネットワーク回線1015に接続されている端末装置は、PTS端末64に限られず、パーソナルコンピュータや携帯電話などの汎用の装置にすることができる。
【0321】
また、スポーツブック管理サーバ1300は、ベット額を示すデータが送信されたときには、金銭管理サーバ1265にアクセスして、ベット額に応じた金額を減算する旨の情報を金銭管理サーバ1265に送信する。また、プレーヤの予想結果が当りの場合には、配当金に応じた配当金額を加算する旨の情報を金銭管理サーバ1265に送信する。なお、配当金額に関する情報は、金銭管理サーバ1265ではなく、各種の金融機関が管理したり所有したりする管理サーバに送信するようにしてもよい。
【0322】
なお、図30に示した図では、スポーツブック管理サーバ1300をネットワーク回線1015に接続されたものを示したが、管理サーバブロック1220内にスポーツブック管理サーバ1300を設けて、カジノがスポーツブック管理サーバ1300を直接管理したり所有したりする構成でもよい。いずれにしても、PTS端末64の通信機能を用いてスポーツブック管理サーバ1300と通信できるものであればよい。
【0323】
また、上述したネットワーク回線1015には、放送送信サーバ1310が接続されている。放送送信サーバ1310は、プレーヤが選択したイベントの実況放送のデータをPTS端末64に送信する。この実況放送のデータは、映像データや音声データや文字データなどから構成されている。実況放送のデータは、PTS端末64において、プレーヤが選択したイベントの実況をプレーヤが知徳できるデータであればよい。
【0324】
図31は、PTS端末64において実行されるスポーツブック処理のサブルーチンである。
【0325】
最初に、CPU241は、PTS端末64のタッチパネル259をプレーヤが操作することによって、スポーツブックの機能を選択したか否かを判断する(ステップS3111)。上述したように、タッチパネル259はLCD253に重畳するように配置されている。タッチパネル259をプレーヤが指で押圧すると、押圧された位置を示す位置情報をタッチパネル259は出力する。この位置情報によって、タッチパネル259の押圧された位置を取得することができる。タッチパネル259が「入力装置」に相当する。
【0326】
PTS端末64のLCD253には、各種の処理を選択するためのメニュー画像が表示される。メニュー画像が表示されているときに、メニュー画像のうちのスポーツブックを示す領域をプレーヤが指で押圧することによってスポーツブックを選択することができる。プレーヤがスポーツブックを選択しなかったと判別したとき(NO)には、直ちに本サブルーチンを終了する。
【0327】
一方、スポーツブックをプレーヤが選択したと判別したとき(YES)には、CPU241は、ネットワーク回線1015を介して、所定のデータを送信してスポーツブック管理サーバ1300にアクセスをする(ステップS3113)。これは、PTS端末64がスポーツブック管理サーバ1300との間で通信をすることができるか確認をするためのものである。
【0328】
次に、CPU241は、スポーツブック管理サーバ1300から、その時点でベットの対象とすることができるイベントデータが送信されたか否かを判断する(ステップS3115)。ベットの対象とすることができるイベントデータが送信されなかったと判別したとき(NO)、すなわち、スポーツブック管理サーバ1300との間で通信をすることができなかったときには、直ちに本サブルーチンを終了する。
【0329】
一方、ベットの対象とすることができるイベントデータが送信されたと判別したとき(YES)には、CPU241は、送信されたイベントデータを受信し、ベットの対象とすることができるイベントの一覧をLCD253に表示する(ステップS3117)。次いで、CPU241は、タッチパネル259をプレーヤが操作して、イベントとその予想結果とを入力したか否かを判断する(ステップS3119)。プレーヤがイベントと予想結果とを入力していないと判別したとき(NO)には、ステップS3119に処理を戻す。
【0330】
一方、プレーヤがイベントと予想結果とを入力したと判別したとき(YES)には、CPU241は、タッチパネル259をプレーヤが操作して、ベット額を入力したか否かを判断する(ステップS3121)。ベット額を入力していないと判別したとき(NO)には、ステップS3121に処理を戻す。
【0331】
CPU241は、ベット額をプレーヤが入力したと判別したとき(YES)には、プレーヤが選択したイベントとその予想結果とベット額とを、プレーヤを識別するための識別情報とともにスポーツブック管理サーバ1300に送信する(ステップS3123)。スポーツブック管理サーバ1300は、PTS端末64からPTS端末64されたイベントの種類とその予想結果とベット額とを、プレーヤの識別情報に対応付けてデータベース(図示せず)に記憶する。
【0332】
次いで、ネットワーク回線1015を介して、プレーヤが選択したイベントの実況放送のデータを放送送信サーバ1310から受信し、その実況放送をLCD253に表示したりスピーカ257から出力する。たとえば、プレーヤがイベントとして野球を選択したときには、放送送信サーバ1310は、野球の実況放送データをPTS端末64に送信する。CPU241は、放送送信サーバ1310から送信された実況放送データをLCD253に表示したりスピーカ257から出力したりする(ステップS3125)。LCD253やスピーカ257が「報知装置」に相当する。
【0333】
放送送信サーバ1310が送信する実況放送データは、映像データや音声データのほか文字データでもよい。放送送信サーバ1310は、PTS端末64によって、プレーヤが選択したイベントの実況をプレーヤが知徳できるデータを送信すればよい。このようにすることで、プレーヤは、PTS端末64を使って、プレーヤが選択した対象の実況を視聴することができ、ゲーミングマシン1でゲームをしつつ、自分が選択したイベントを状況を把握することができる。この放送送信サーバ1310から実況放送データが送信されている間、プレーヤが選択したイベントが進行する。
【0334】
その後、プレーヤが選択したイベントが終了したときには、スポーツブック管理サーバ1300は、プレーヤの予想結果が当たったか否かを判断する(ステップS3127)。この判断は、プレーヤの予想結果とイベントの実際の結果とが一致したか否かの判断をする処理である。プレーヤの予想結果が当たったとき(YES)には、スポーツブック管理サーバ1300はベット額に応じた配当金額を送信し、CPU241は、スポーツブック管理サーバ1300から送信された配当金額をLCD253に表示し(ステップS3129)、本サブルーチンを終了する。プレーヤの予想結果が当らなかったとき(NO)には、直ちに本サブルーチンを終了する。
【0335】
上述した例では、配当金額に関する情報を金銭管理サーバ1265や金融機関が管理したり所有したりする管理サーバに送信する場合を示したが、スポーツブック管理サーバ1300からPTS端末64に送信された配当金額に関する情報を、PTS端末64のICカードR/W258を介して、ICカードに記憶させるようにしてもよい。ICカードに記憶させることによって、プレーヤがゲーミングマシン1で行うゲームを行うために、スポーツブックで獲得した配当金を投入することができ、ゲーミングマシン1において長い時間に亘ってゲームを行わせることができる。
【符号の説明】
【0336】
1 ゲーミングマシン
64 PTS端末(情報データ記憶媒体の読書装置)
245 通信インターフェイス(アラート出力装置)
251 CCDカメラ(プレーヤ検出装置)
254 モータ(ICカード搬送用モータ)(搬送装置)
255 イジェクト位置センサ(記録媒体検出装置)
241 CPU(コントローラ)
242 ROM(コントローラ)
243 RAM(コントローラ)
253 液晶ディスプレイ(LCD)(アラート出力装置)
257 スピーカ(アラート出力装置)
258 ICカードR/W(リーダ/ライタ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記構成を有する情報データ記憶媒体の読書装置であり、
ゲーミングマシンでプレイするプレーヤの存在を検出するプレーヤ検出装置と、
着脱可能な情報データ記録媒体を収納位置又はイジェクト位置に搬送する搬送装置と、
前記情報データ記録媒体が前記イジェクト位置に存在することを検出する記録媒体検出装置と、
下記(A)〜(C)の処理を実行するようにプログラムされたコントローラと、を有する情報データ記憶媒体の読書装置。
(A)前記記録媒体検出装置によって、前記情報データ記録媒体がイジェクト位置に存在するか否かを判断する処理、
(B)前記プレーヤ検出装置によって、プレーヤが存在するか否かを判断する処理、及び、
(C)前記情報データ記録媒体がイジェクト位置に存在すると判別され、かつ、プレーヤが存在しないと判別されたときに、前記搬送装置によって前記情報データ記録媒体をイジェクト位置から収納位置に搬送する処理。
【請求項2】
請求項1に記載の情報データ記憶媒体の読書装置であって、
アラート情報を出力するアラート出力装置を有し、
前記コントローラは、
(D)前記情報データ記録媒体がイジェクト位置に存在すると判別され、かつ、プレーヤが存在しないと判別されたときに、前記アラート出力装置からアラート情報を出力する処理を実行するようにプログラムされた情報データ記憶媒体の読書装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報データ記憶媒体の読書装置であって、
ゲーミングマシンでゲームがプレイされるための現金に関する金額情報を前記情報データ記録媒体と読み込み又は書き込みさせるリーダ/ライタを有し、
前記コントローラは、
(E)ゲーミングマシンでゲームがプレイされるための現金に関する金額情報を前記情報データ記録媒体に書き込む処理、
(F)前記情報データ記録媒体に書き込まれた前記金額情報が示す金額が所定数未満であるときにミニゲームを実行し、ミニゲームの結果に応じて前記金額情報を変更する処理、及び、
(G)前記情報データ記録媒体に書き込まれた前記金額情報が示す金額が前記所定数以上であるときに、前記搬送装置によって前記情報データ記録媒体をイジェクト位置に搬送する処理、を実行するようにプログラムされた情報データ記憶媒体の読書装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報データ記憶媒体の読書装置であって、
前記コントローラは、
(H)ゲーミングマシンに投入された現金を、所定の金種に対応したレートに応じて金額情報に変換する処理を実行するようにプログラムされた情報データ記憶媒体の読書装置。
【請求項5】
下記構成を有する情報データ記憶媒体の読書装置であり、
イベント管理サーバ及び放送送信サーバと通信する通信装置と、
プレーヤの操作に応じて情報が入力される入力装置と、
放送送信サーバから送信されたイベントの実況を示す放送データに基づいて実況を報知する報知装置と、
下記(M)〜(P)の処理を実行するようにプログラムされたコントローラと、を有する情報データ記憶媒体の読書装置。
(M)ベットの対象となるイベントの種類と、前記イベントの結果に対するベット額とが前記入力装置によって入力される処理、
(N)前記イベントの種類と前記ベット額とを前記通信装置を介して前記イベント管理サーバに送信する処理、
(O)前記イベントの種類に応じて放送データを放送送信サーバから受信して前記報知装置から実況を報知する処理、及び、
(P)イベントの結果に応じて前記イベント管理サーバが定めた配当結果を、前記イベント管理サーバから受信して前記報知装置から報知する処理。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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