情報入力装置
【課題】押圧操作による圧力が感圧センサに対して良好に伝達されて、押圧操作による情報入力が確実に行える情報入力装置を得る。
【解決手段】情報入力装置に、押圧操作による入力指示が可能なパネル部材4と、パネル部材4の周縁部を支持するよう装置本体に設けられた支持部2bと、パネル部4と支持部2bとの間に配置され、入力指示を検出可能な圧力検出部20とを備え、圧力検出部20が、パネル部材4の側に配置される第1基板21と、第1基板21に対向しつつ支持部2bの側に配置される第2基板22と、第1基板21と第2基板22との間に配置され、これら両基板の挟持圧により電位を生じる感圧センサ23と、感圧センサ23に対してパネル部材4の反中央側にのみ位置し、第1基板21および第2基板22を接続する接続部24とを備えた。
【解決手段】情報入力装置に、押圧操作による入力指示が可能なパネル部材4と、パネル部材4の周縁部を支持するよう装置本体に設けられた支持部2bと、パネル部4と支持部2bとの間に配置され、入力指示を検出可能な圧力検出部20とを備え、圧力検出部20が、パネル部材4の側に配置される第1基板21と、第1基板21に対向しつつ支持部2bの側に配置される第2基板22と、第1基板21と第2基板22との間に配置され、これら両基板の挟持圧により電位を生じる感圧センサ23と、感圧センサ23に対してパネル部材4の反中央側にのみ位置し、第1基板21および第2基板22を接続する接続部24とを備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザがパネル部材上を押圧操作することにより、その押圧力に応じた情報の入力を可能にした情報入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報入力機能を有するパネル部材を備えた情報入力装置として、液晶ディスプレイ上にタッチパネルを配置したものが広く使用されている。液晶モニタを有するデジタルカメラでは、液晶モニタの上面に、接触位置及び押圧力を検知できるパネル部材を設け、接触時の押圧の強さに応じて異なる指示を与えるようにしたものが存在する(例えば、特許文献1、図14参照)。
【0003】
また、カーナビゲーション装置の表示装置においては、液晶表示器の表面部にタッチパネルを備えて構成され、タッチパネルに対する押圧力を押圧時間、押圧回数等で検出し、異なる指示を与えるようにしたものが存在する(例えば、特許文献2参照)。タッチパネル以外においても、携帯端末の文字入力等を行う操作ボタンの下に圧力センサを配置し、当該操作ボタンが押下された場合の圧力を計測して、計測された圧力値に応じて入力される文字の大きさを変えるようにしたものが存在する(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−355617号公報
【特許文献2】特開2006−39745号公報
【特許文献3】特開2004−177994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
パネル部材の押圧力を検出する圧力検出部は通常、図15に示すように、上下の基板21、22の間に感圧センサとして、一対の電極21a、22aが設けられ電極21a、22aの間に感圧部材23aが配置されている。さらに、圧力検出部は、上下の基板21,22の間であって、感圧センサの周囲に接着層やスペーサを備えている。このため、パネル部材の押圧操作に対して感圧領域の周囲の接着層等の一部が感圧領域の支えとして機能し、感圧センサへの圧力伝達の妨げとなることがあった。
【0006】
本願に係る発明は、押圧操作による圧力が感圧センサに対して良好に伝達されて、押圧操作による情報入力が確実に行える情報入力装置を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る情報入力装置の第1の特徴構成は、押圧操作による入力指示が可能なパネル部材と、前記パネル部材の周縁部を支持するよう装置本体に設けられた支持部と、前記パネル部材と前記支持部との間に配置され、前記入力指示を検出可能な圧力検出部とを備え、前記圧力検出部が、前記パネル部材の側に配置される第1基板と、前記第1基板に対向しつつ前記支持部の側に配置される第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に配置され、これら両基板の挟持圧により電位を生じる感圧センサと、前記感圧センサに対して前記パネル部材の反中央側にのみ位置し、前記第1基板および前記第2基板を接続する接続部とを備えた点にある。
【0008】
圧力検出部は、感圧センサに対してパネル部材の反中央側にのみ第1基板と第2基板とを接続する接続部を備えるので、情報入力装置に圧力検出部が配設された状態において、圧力検出部は接続部が位置する片側がヒンジ状となり、接続部のないもう片側は自由端の状態となる。このとき、情報入力装置のパネル部材が押圧操作されると、圧力検出部はパネル部材の反中央側に位置する接続部を支点として接続部の存在しないパネル部材の反中央側の第1基板と第2基板との間が閉じる方向に作用する。こうして、圧力検出部においてパネル部材の中央側の第1基板と第2基板との間が閉じる方向に作用すると、感圧センサに対して荷重が付加される方向で伝達される。したがって、情報入力装置の圧力検出部において、感圧センサに例えば初期荷重が付与された状態であっても、パネル部材の押圧操作による圧力の感圧センサへの荷重伝達が妨げられず、押圧入力操作に対して安定的に応答性の良い情報入力装置となる。
【0009】
また、圧力検出部において、第1基板および第2基板を接続する接続部を感圧センサの両側のうち一方の側のみに備える構成であるので、圧力検出部に接続部が容易に配置でき、圧力検出部の製造が容易となる。よって、情報入力装置をより簡易に製造することができる。
【0010】
さらに、接続部を外側に設けることで、パネル部材と装置本体との隙間から埃や水分が侵入するのを防止することができる。よって、パネル部材と支持部との間に異物が挟まるおそれがなく、また、感圧センサや電極などの損傷機会も低減することができため装置の耐久性が大幅に向上する。
【0011】
本発明に係る情報入力装置の第2の特徴構成は、押圧操作による入力指示が可能なパネル部材と、前記パネル部材の周縁部を支持するよう装置本体に設けられた支持部と、前記パネル部材と前記支持部との間に配置され、前記入力指示を検出可能な圧力検出部とを備え、前記圧力検出部が、前記パネル部材の側に配置される第1基板と、前記第1基板に対向しつつ前記支持部の側に配置される第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に配置され、これら両基板の挟持圧により電位を生じる感圧センサと、前記感圧センサに対して前記パネル部材の中央側にのみ位置し、前記第1基板および前記第2基板を接続する接続部とを備えた点にある。
【0012】
圧力検出部は、感圧センサに対してパネル部材の中央側にのみ第1基板と第2基板とを接続する接続部を備えるので、情報入力装置に圧力検出部が配設された状態において、圧力検出部は接続部が位置する片側がヒンジ状となり、接続部のないもう片側は自由端の状態となる。このとき、情報入力装置のパネル部材が押圧操作されると、圧力検出部はパネル部材の中央側に位置する接続部を支点として接続部の存在しないパネル部材の反中央側の第1基板と第2基板との間が開く方向に作用する。こうして、圧力検出部においてパネル部材の反中央側の第1基板と第2基板との間が開く方向に作用すると、感圧センサに対して荷重が軽減される方向で伝達される。したがって、情報入力装置の圧力検出部において、感圧センサに例えば初期荷重が付与された状態であっても、パネル部材の押圧操作によって軽減される荷重を感圧センサで検出することで、押圧入力操作に対して安定的に応答性の良い情報入力装置となる。
【0013】
また、圧力検出部において、第1基板および第2基板を接続する接続部を感圧センサの両側のうち一方の側のみに備える構成であるので、圧力検出部に接続部が容易に配置でき、圧力検出部の製造が容易となる。よって、情報入力装置をより簡易に製造することができる。
【0014】
本発明に係る情報入力装置の第3の特徴構成は、前記第1基板と前記パネル部材との間、および、前記第2基板と前記支持部との間のうち少なくとも何れか一方であって、且つ、前記パネル部材の平面視において、前記接続部とは異なる位置に、前記パネル部材から前記支持部に至る荷重を伝達する荷重伝達部を備えている点にある。
【0015】
接続部が前記感圧センサに対してパネル部材の中央側あるいは反中央側にあると同時に、平面視においてこの接続部とは異なる位置に荷重伝達部を設けることで、パネル部材を押圧した際に、感圧センサにより大きな力を作用させることが可能となる。即ち、パネル部材からの押圧力は、あたかも接続部を支点にして第1基板と第2基板とを押圧する。このとき、パネル部材の平面視において、接続部から荷重伝達部に至る距離は、支点である接続部に対して感圧センサに荷重を加える際の作用点までのアーム長さとなる。よって、例えば、前記平面視において、部材の並び配置が、接続部・感圧センサ・荷重伝達部の順になっている場合には、第1基板あるいは第2基板を梃子のように利用して感圧センサに大きな荷重を作用させ得る構成となる。その結果、第1基板又は第2基板に曲がり難い素材を用いても荷重を感圧センサに容易に伝達することができる。
【0016】
本発明に係る情報入力装置の第4の特徴構成は、前記感圧センサを挟んで前記接続部とは反対側に、前記接続部よりも弾性係数の小さい軟質材で構成され、前記第1基板と前記第2基板とを接続する第2接続部を備えている点にある。
【0017】
感圧センサの両側に接続部を設けることで、感圧センサの防汚機能がさらに高まる。
しかも、第2接続部は、他方の接続部に係る構成部材に比べて弾性係数の小さい軟質材で構成してある。ここで、弾性係数の小さい軟質材とは、他方の接続部に係る構成部材と比べてたわみ易く、感圧センサへの荷重伝達の妨げとならない素材のことをいう。つまり、パネル部材の押圧に際して、第2接続部は第1基板と第2基板との動作を特段阻害するものではない。よって、感圧センサの出力感度などは維持したまま、装置の耐久性を更に向上させることができる。
【0018】
本発明に係る情報入力装置の第5の特徴構成は、前記パネル部材が押圧操作されていない場合に、予め設定した圧力を前記感圧センサに付与する初期荷重付与機構を備えた点にある。
【0019】
本構成のごとく、予め設定した圧力を感圧センサに付与しておけば、パネル部材に情報入力荷重が作用していない状態でも感圧センサは、幾分かの信号出力を発することとなる。つまり、感圧センサが荷重を受けて検出信号を発するようになった直後の状態を避けることで、低出力時に有りがちな出力のバラつきを排除することができる。このように出力が安定する領域を用いるように感圧センサを設置することで、信頼性の高い情報入力装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る情報入力装置の斜視図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】本発明に係る情報入力装置の圧力検出部の配置を示す図である。
【図4】図2の圧力検出部近傍の拡大断面図である。
【図5】情報入力装置の他の形態を示す断面図である。
【図6】実施形態2における圧力検出部近傍の拡大断面図である。
【図7】実施形態2における圧力検出部の動作状態を示す拡大断面図である。
【図8】実施形態4における圧力検出部近傍の拡大断面図である。
【図9】別実施形態における圧力検出部近傍の拡大断面図であって、(a)はバンプを接続部寄りに配置し、(b)はバンプを接続部から離して配置した圧力検出部を示す。
【図10】別実施形態における圧力検出部近傍の拡大断面図である。
【図11】別実施形態における圧力検出部近傍の拡大断面図である。
【図12】別実施形態における圧力検出部近傍の拡大断面図である。
【図13】本発明に係る情報入力装置の別実施形態における圧力検出部の配置を示す図である。
【図14】従来技術に係る情報入力装置の断面図である。
【図15】従来技術に係る圧力検出部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る情報入力装置1の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
〔実施形態1〕
図1、図2に示すように、情報入力装置1は、前面に開口部2Aなどが形成された筐体2に、液晶又は有機ELなどの表示部3Aを有する表示装置3、接触式の情報入力機能を有するパネル部材4を備えて構成されている。
【0023】
本発明において、筐体2の開口部2Aは、図2に示すように、パネル部材4の嵌め込みを許容する段差を有するように筐体2の上面を切り抜いて形成され、その底面に、筐体2の内部に装備された表示装置3の表示部3Aを外部に臨ませる表示装置用開口部2aと、パネル部材4の周縁部4Aを支持する枠状の支持部2bとを有している。
【0024】
開口部2Aの形状や大きさは、パネル部材4の形状や大きさに応じて種々の変更が可能である。又、開口部2Aの実装深さは、パネル部材4の厚みなどに応じて種々の変更が可能である。更に、開口部2Aにおける表示装置用開口部2aの形状や大きさは、表示部3Aの形状や大きさなどに応じて種々の変更が可能である。ここでは、開口部2A、表示装置用開口部2a、表示部3A、及びパネル部材4の形状を矩形状又は略矩形状とする。ただし、パネル部材4等の形状は特に限定されず、例えば円形であってもよい。開口部2Aの実装深さは、筐体2の表面とパネル部材4の表面とがほぼ同じ高さになるように設定されていればよい。
【0025】
図3に示すように、情報入力装置1には、パネル部材4に対する押圧操作による入力指示を検出可能な圧力検出部20が設けられている。圧力検出部20は、パネル部材4と筐体2の支持部2bとの間に配置されており、圧力検出部20からの出力信号を処理する図示しない信号処理回路等から構成されている。圧力検出部20の構成は押圧力を検出できるものであれば特に限定されない。図1及び図3に示すように、圧力検出部20はパネル部材4の周縁部4Aに少なくとも1つ以上配置されている。圧力検出部20は、パネル部材4に対するタッチ操作に基づいて、その操作位置となるX−Y座標を検知する所謂タッチ入力機能を備えるものであってもよい。又、タッチ入力機能を備えるものにおいては、抵抗膜方式、静電容量方式、及び電磁誘導方式などから選択できる。
【0026】
具体的には、圧力検出部20は、図4に示すように、パネル部材4の側に配置される枠状の第1基板21と、第1基板21に対向しつつ支持部2bの側に配置される枠状の第2基板22と、第1基板21と第2基板22との間に配置される感圧センサ23とを備える。感圧センサ23は、第1基板21に設けられた上部電極21aと、第2基板22に設けられた上部電極22aと、感圧インク23a,23bとで構成されており、第1基板21及び第2基板22の挟持圧により電位を生じる。第1基板21と第2基板22とは、感圧センサ23に対してパネル部材4の反中央側に位置する接続部24で接続されている。
【0027】
図3、図4に示すように、枠状の第1基板21、第2基板22の内径は開口部2Aの寸法に合わせ、外径は別途備えるXY座標検出装置(図示せず)に合わせる。第1基板21の第2基板22との対向面には、上部電極21aが枠状に配置されている。第2基板22の第1基板21との対向面には、下部電極22aが上部電極21aと対向するように枠状に配置されている。第1基板21のコーナー部分や周縁部分には、上部電極21aを被覆するようにドット状の上部感圧インク23aが配置されている。第2基板22のコーナー部分や、その周縁部分には、下部電極22aを被覆し且つ上部感圧インク23aと対向するようにドット状の下部感圧インク23bが配置されている。感圧インク部分の電極は、感圧インク印刷寸法より若干小さくなるように設計してある。しかし、電極部分が対向する基板に配置された電極に直接接触しないよう配慮してあるのであれば、寸法サイズ等は特に限定されない。圧力検出部20は、第2基板22が支持部2bの上に、例えば粘着剤(図示せず)により貼着されることで開口部2Aに取り付けられる。なお、図3では円形状の下部感圧インク23bが示されているが、感圧インク23a,23bは円形状に限られない。
【0028】
接続部24は、例えば、非弾性のスペーサ(基板21、22との接着層を含む、接着剤単体でも可)であり、自由状態ではその厚みが感圧センサ23の厚みより薄くなるように構成されている。接続部24は、情報入力装置1のパネル部材4と支持部2bとの間に圧力検出部20が配置された段階において、接続部24には当初の厚みを保持しようとする力が働き、この力が第1基板21と第2基板22とを互いに近接させる方向に作用する。すなわち、情報入力装置1は、感圧センサ23に予め設定した圧力を付与する初期荷重付与機構を備える。こうして、第1基板21と第2基板22との間の距離を狭め、上部感圧インク23a,下部感圧インク23bの無加圧な状態における厚みを小さくして、結果的に上部感圧インク23a,下部感圧インク23bに予め設定した圧力を初期荷重として付与している。
【0029】
接続部24は、弾性を有する粘着性接着剤や両面粘着材であってもよいし、引張り力を発揮する状態に設定されているゴム、引っ張りコイルばね、板ばね等の各種の弾性部材であってもよい。尚、図4では圧力検出部20と接続部24とが離間しているが、電極及び感圧インクと接続部24とは一部接触していてもよい。
【0030】
以下、情報入力装置1に装着された圧力検出部20の動作について説明する。情報入力装置1の内部において、上部電極21a及び下部電極22aはコネクタ(図示せず)に接続されており、コネクタは情報入力装置1に内蔵された荷重検出部(図示せず)に接続されている。
【0031】
パネル部材4が押圧操作された時の圧力検出部20の上部感圧インク23a及び下部感圧インク23bにかかる抵抗の変化を検出する。この抵抗の変化の検出によって、両感圧インク23a,23bに加えられる外力を検出することができ、パネル部材4への荷重を検出することができる。
【0032】
前述の通り、接続部24によって、パネル部材4が押圧操作される前に、感圧センサ23に初期荷重が付与されることとなる。よって、無荷重から安定検出荷重までの検出ばらつきの大きい荷重範囲を打ち消すことができ、その後パネル部材4が押圧操作される際には感圧センサ23が検出した値を、そのまま情報入力の制御に用いることができる。
【0033】
さらに、感圧センサ23に対して接続部24がパネル部材4の反中央側にのみ位置するので、情報入力装置1に圧力検出部20が配設された状態において、圧力検出部20は接続部24が位置する反中央側がヒンジ状となり、接続部24のない中央側は自由端の状態となる。このとき、情報入力装置1のパネル部材4が押圧操作されると、圧力検出部20はパネル部材の反中央側に位置する接続部24を支点として接続部の存在しないパネル部材の中央側の第1基板21と第2基板22との間が閉じる方向に作用される。こうして、圧力検出部20においてパネル部材の中央側の第1基板21と第2基板22との間が閉じる方向に作用されると、感圧センサ23に対して荷重が付加される方向で伝達される。したがって、情報入力装置1の圧力検出部20において、感圧センサ23に初期荷重が付与された状態であっても、パネル部材4の押圧操作による圧力の感圧センサ23への伝達が妨げられない。
【0034】
また、接続部24をパネル部材4の外側に設けることで、パネル部材4と装置本体との隙間から埃や水分が侵入するのを防止することができる。よって、パネル部材4と支持部2bとの間に異物が挟まるおそれがなく、また、感圧センサ23や電極21a,21bなどの損傷機会も低減することができため装置の耐久性が大幅に向上する。
【0035】
圧力検出部20の第1基板21及び第2基板22は、例えばフィルム等であって、材質としては、フレキシブル基板に使用可能な材質、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル系樹脂、AN樹脂などの汎用樹脂を挙げることができる。また、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、超高分子量ポリエチレン樹脂などの汎用エンジニアリング樹脂や、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリアリル系耐熱樹脂などのスーパーエンジニアリング樹脂を用いることもできる。
【0036】
圧力検出部20の上部電極21a及び下部電極22aの材料としては、金、銀、銅、若しくはニッケルなどの金属、あるいはカーボン又はこれら材料を複数含む混合物等の導電性を有するペーストを用いることができる。これらの形成方法としては、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、若しくはフレキソ印刷などの印刷法、フォトレジスト法などが挙げられる。また、上部電極21a及び下部電極22aは、銅や金などの金属箔を貼り付けて形成することもできる。さらに、上部電極21a及び下部電極22aは、銅などの金属をメッキしたFPCの上にレジストで電極パターンを形成し、レジストで保護されていない部分の金属箔をエッチング処理することによって形成することもできる。電極はここに挙げた形成方法や材料を組合せたり積層してもよい。
【0037】
圧力検出部20の上部感圧インク23a及び下部感圧インク23bを構成する組成物は、外力に応じて電気抵抗値などの電気特性が変化する素材で構成されている。組成物としては、例えば、英国のPeratech社製の量子トンネル現象複合材料(商品名「QTC」)を用いることができる。上部感圧インク23a及び下部感圧インク23bは、塗布により第1基板21及び第2基板22に配置することができる。上部感圧インク23a及び下部感圧インク23bの塗布方法としては、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、又はフレキソ印刷などの印刷法を用いることができる。感圧インクは第1基板21あるいは第2基板22のいずれか片面だけに塗布してもよい。
【0038】
圧力検出部20は、情報入力装置1のパネル部材4の下面に、例えば糊等の接着剤、両面粘着テープなどの粘着層によって貼着され、パネル部材4の周縁部4Aの加飾部に隠蔽されるように少なくとも一つに配置されている。したがって、圧力検出部20を構成する各部材は、透明な材質で構成されることに限定されず、有色の材質で構成されていてもよい。
【0039】
なお、情報入力装置1の筐体2は、図5に示すように、パネル部材4の上方にベゼル2cを備える形状であってもよい。筐体2にベゼル2cが備えてあると、パネル部材4の周縁部4A及び周縁部4Aに配置される圧力検出部20を筐体2の支持部2bとベゼル2cとによって挟持して固定することができる。
【0040】
〔実施形態2〕
図6に示すように、第2基板22と筐体の支持部2bとの間に、パネル部材4から支持部2bに至る荷重を伝達する荷重伝達部25として、パネル部材4の平面視において、接続部24とは異なる位置にバンプ25aを設けてもよい。こうすると、圧力検出部20にパネル部材4から荷重が加わったとき、バンプ25aが圧力検出部20を下方から支持し、当該荷重を集中して圧力検出部20に伝達する(図7)。
【0041】
接続部24が感圧センサ23に対してパネル部材4の反中央側にあると同時に、平面視においてこの接続部とは異なる位置に荷重伝達部25を設けることで、パネル部材4を押圧した際に、感圧センサ23により大きな力を作用させることが可能となる。即ち、パネル部材4からの押圧力は、あたかも接続部24を支点にして第1基板21と第2基板22とを押圧する。このとき、パネル部材4の平面視において、接続部24から荷重伝達部25に至る距離は、支点である接続部24に対して感圧センサ23に荷重を加える際の作用点までのアーム長さとなる。よって、例えば、前記平面視において、部材の並び配置が、接続部24・感圧センサ23・荷重伝達部25の順になっている場合には、第1基板21あるいは第2基板22を梃子のように利用して感圧センサ23に大きな荷重を作用させ得る構成となる。
【0042】
バンプ25aの構成として、熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂を印刷や塗布などで配置して硬化させたもの、圧力検出部に寸法を合わせて裁断し貼合したフィルムや樹脂板、PEフォームやウレタンフォームなどの発泡体、粘着性接着剤や両面粘着材、両面テープなどがある。バンプ25aは第1基板21とパネル部材4との間に設けられていてもよいし、第1基板21とパネル部材4との間と、第2基板22と筐体の支持部2bとの間の両方に設けられていてもよい。ここで、バンプ25aの高さ寸法は、例えば50μm〜200μm(第2基板22に接着するための接着層の厚みを含む)である。バンプ25aは、パネル部材4の平面視において、接続部24とは異なる位置に配置されていることが好ましい。こうすると、上部感圧インク23aと下部感圧インク23bとを互いに確実に押し付けることができ、感圧インク23の圧力の測定精度を向上させることができる。
【0043】
〔実施形態3〕
バンプ25aは、図6及び図7に示すように、設置された第2基板22の外面から遠ざかるほど断面積が小さくなるよう形成されている方が好ましい。こうすると、圧力検出部20と、圧力検出部20を押圧する外部部材(例えばパネル部材等)との姿勢変化をある程度許容する。したがって、圧力検出部20と外部部材との姿勢変化が小さい場合には、バンプ25aにより外部からの荷重の圧力検出部20以外への分散が抑えられる。なお、バンプ25aは非弾性部材、弾性部材のいずれであってもよい。
【0044】
〔実施形態4〕
図8に示すように、情報入力装置1の圧力検出部20は、感圧センサ23を挟んで接続部24とは反対側に、接続部24よりも弾性係数の小さい軟質材で構成されて第1基板21と第2基板とを接続する第2接続部26を備えるようにしてもよい。
【0045】
このように、感圧センサ23の両側に接続部24と第2接続部26とを設けることで、感圧センサ23の防汚機能がさらに高まる。しかも、第2接続部26は、他方の接続部24に係る構成部材に比べて弾性係数の小さい軟質材で構成してある。ここで、弾性係数の小さい軟質材とは、他方の接続部24に係る構成部材と比べてたわみ易く、感圧センサ23への荷重伝達の妨げとならない素材のことをいう。つまり、パネル部材4の押圧に際して、第2接続部26は第1基板21と第2基板22との動作を特段阻害するものではない。よって、感圧センサ23の出力感度などは維持したまま、情報入力装置1の耐久性を更に向上させることができる。
【0046】
〔別実施形態〕
(1)上記の実施形態では、初期荷重付与機構によって、予め設定した圧力を感圧センサに付与したが、本発明に係る情報入力装置1は、初期荷重付与機構を備えていなくてもよい。また、上記の実施形態では、初期荷重付与機構として、接続部24の厚みを感圧センサ23の無加圧な状態における厚みよりも薄くし、感圧センサ23に初期荷重を付与したが、接続部の材料等により、その厚みを通常の感圧センサ23の厚みより薄くできない場合には、反対に感圧センサ23の厚みを増して接続部24の厚みより大きくなるよう構成して、圧力検出部5に初期荷重を付与してもよい。なお、感圧センサ23の厚みを増すためには、上部電極21a,下部電極22aまたは、感圧インク23a,23bを通常より厚めに塗付や印刷等する、または重ね塗りを行う等する。
【0047】
(2)上記の実施形態では、第1基板21と第2基板22との間に配置された一対の電極21a、22aと、当該一対の電極間に感圧インク23a,23bを配置した圧力検出部20を用いて説明したが、圧力検出部20は、第1基板21あるいは第2基板22の何れか一方に配置された一対の電極と、第1基板21あるいは第2基板22の他方に当該一対の電極を覆うように配置する構成であってもよい。こうすると、電極層が1層になるので圧力検出部20の厚さがさらに薄くなり、結果として情報入力装置1の薄型化を図ることができる。この場合、一対の電極を櫛歯状、渦巻状等に形成して感圧インク部材との接触面積を制御することで、望ましい検出範囲の信号を得る事ができる。
【0048】
(3)情報入力装置1に配置される荷重伝達部25は、パネル部材4の平面視において、接続部24とは異なる位置に配置されていればよく、例えば、図9(a)にように、荷重伝達部25の一部が接続部24と重なる位置に配置してもよいし、図9(b)に示すように、感圧センサ23とは重ならない位置に配置してもよい。荷重伝達部25は、第1基板21とパネル部材4との間に形成されていてもよい。
【0049】
(4)上記の実施形態では、圧力検出部20の接続部24を感圧センサ23に対してパネル部材4の反中央側にのみ設ける構成を示したが、接続部24は、図10に示すように、感圧センサ23に対してパネル部材4の中央側にのみ設ける構成であってもよい。パネル部材4が押圧されると、周縁部4Aに配置された圧力検出部20によってパネル部材4の中央部が下方向に凹み、周縁部4Aが上方向に浮き上がって、全体的にたわんだ状態となる。一方、圧力検出部20は、パネル部材4のこの動きに連動してパネル部材4の中央側の接続部24を支点として第1基板21が上方向に浮き上がる。なお、第2基板22は荷重伝達部25を介して筐体の支持部2bに固定されたままである。その結果、パネル部材4が押圧されて上述のようにたわむと、パネル部材4の反中央側の第1基板21と第2基板22との間が開く方向に作用し、初期荷重が付与された感圧センサ23に対し荷重が軽減される方向で伝達される。よって、軽減された荷重を感圧センサ23で検出することで、パネル部材4の押圧力を検知することができる。
【0050】
また、図11に示すように、接続部24を感圧センサ23に対してパネル部材4の中央側に設け、この感圧センサ23を挟んで接続部24とは反対側の反中央側に、接続部24よりも弾性係数の小さい軟質材で構成されて第1基板21と第2基板22とを接続する第2接続部26を備えるようにしてもよい。
【0051】
(5)圧力検出部20に銀電極を用いる場合には、図12に示すように、例えば第1基板21と第2基板22の間に、銀電極21a、感圧インク23a、カーボン印刷22b、銀電極22aの順で配置するのが好ましい。銀電極22aがカーボン印刷22bで保護されるので、圧力検出部20の耐久性が向上する。
【0052】
(6)感圧センサ23は、パネル部材4の周縁部4Aの少なくとも一部に設けられていればよく、接続部24は、図13に示すように、感圧センサ23の近傍にのみ配置されていてもよい。このように、接続部24をパネル部材4の周縁部4Aの一部に設けるようにすると、接続部24を必要な箇所のみに設けることができ、パネル部材4に配置される圧力検出部20が少ない場合等には、情報入力装置1を製造する上で好都合となる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明に係る情報入力装置は、携帯電話機、スマートフォン、PDA、カーナビゲーション装置、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、遊技機、及びタブレットなどの電子機器に有効利用され、電子機器の多機能化及び操作性の向上を図るために利用できる。
【符号の説明】
【0054】
1 情報入力装置
2 筐体
2b 支持部
3 表示装置
4 パネル部材
4A 周縁部
20 圧力検出部
21 第1基板
22 第2基板
23 感圧センサ
24 接続部
25 荷重伝達部
26 第2接続部(軟質材)
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザがパネル部材上を押圧操作することにより、その押圧力に応じた情報の入力を可能にした情報入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報入力機能を有するパネル部材を備えた情報入力装置として、液晶ディスプレイ上にタッチパネルを配置したものが広く使用されている。液晶モニタを有するデジタルカメラでは、液晶モニタの上面に、接触位置及び押圧力を検知できるパネル部材を設け、接触時の押圧の強さに応じて異なる指示を与えるようにしたものが存在する(例えば、特許文献1、図14参照)。
【0003】
また、カーナビゲーション装置の表示装置においては、液晶表示器の表面部にタッチパネルを備えて構成され、タッチパネルに対する押圧力を押圧時間、押圧回数等で検出し、異なる指示を与えるようにしたものが存在する(例えば、特許文献2参照)。タッチパネル以外においても、携帯端末の文字入力等を行う操作ボタンの下に圧力センサを配置し、当該操作ボタンが押下された場合の圧力を計測して、計測された圧力値に応じて入力される文字の大きさを変えるようにしたものが存在する(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−355617号公報
【特許文献2】特開2006−39745号公報
【特許文献3】特開2004−177994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
パネル部材の押圧力を検出する圧力検出部は通常、図15に示すように、上下の基板21、22の間に感圧センサとして、一対の電極21a、22aが設けられ電極21a、22aの間に感圧部材23aが配置されている。さらに、圧力検出部は、上下の基板21,22の間であって、感圧センサの周囲に接着層やスペーサを備えている。このため、パネル部材の押圧操作に対して感圧領域の周囲の接着層等の一部が感圧領域の支えとして機能し、感圧センサへの圧力伝達の妨げとなることがあった。
【0006】
本願に係る発明は、押圧操作による圧力が感圧センサに対して良好に伝達されて、押圧操作による情報入力が確実に行える情報入力装置を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る情報入力装置の第1の特徴構成は、押圧操作による入力指示が可能なパネル部材と、前記パネル部材の周縁部を支持するよう装置本体に設けられた支持部と、前記パネル部材と前記支持部との間に配置され、前記入力指示を検出可能な圧力検出部とを備え、前記圧力検出部が、前記パネル部材の側に配置される第1基板と、前記第1基板に対向しつつ前記支持部の側に配置される第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に配置され、これら両基板の挟持圧により電位を生じる感圧センサと、前記感圧センサに対して前記パネル部材の反中央側にのみ位置し、前記第1基板および前記第2基板を接続する接続部とを備えた点にある。
【0008】
圧力検出部は、感圧センサに対してパネル部材の反中央側にのみ第1基板と第2基板とを接続する接続部を備えるので、情報入力装置に圧力検出部が配設された状態において、圧力検出部は接続部が位置する片側がヒンジ状となり、接続部のないもう片側は自由端の状態となる。このとき、情報入力装置のパネル部材が押圧操作されると、圧力検出部はパネル部材の反中央側に位置する接続部を支点として接続部の存在しないパネル部材の反中央側の第1基板と第2基板との間が閉じる方向に作用する。こうして、圧力検出部においてパネル部材の中央側の第1基板と第2基板との間が閉じる方向に作用すると、感圧センサに対して荷重が付加される方向で伝達される。したがって、情報入力装置の圧力検出部において、感圧センサに例えば初期荷重が付与された状態であっても、パネル部材の押圧操作による圧力の感圧センサへの荷重伝達が妨げられず、押圧入力操作に対して安定的に応答性の良い情報入力装置となる。
【0009】
また、圧力検出部において、第1基板および第2基板を接続する接続部を感圧センサの両側のうち一方の側のみに備える構成であるので、圧力検出部に接続部が容易に配置でき、圧力検出部の製造が容易となる。よって、情報入力装置をより簡易に製造することができる。
【0010】
さらに、接続部を外側に設けることで、パネル部材と装置本体との隙間から埃や水分が侵入するのを防止することができる。よって、パネル部材と支持部との間に異物が挟まるおそれがなく、また、感圧センサや電極などの損傷機会も低減することができため装置の耐久性が大幅に向上する。
【0011】
本発明に係る情報入力装置の第2の特徴構成は、押圧操作による入力指示が可能なパネル部材と、前記パネル部材の周縁部を支持するよう装置本体に設けられた支持部と、前記パネル部材と前記支持部との間に配置され、前記入力指示を検出可能な圧力検出部とを備え、前記圧力検出部が、前記パネル部材の側に配置される第1基板と、前記第1基板に対向しつつ前記支持部の側に配置される第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に配置され、これら両基板の挟持圧により電位を生じる感圧センサと、前記感圧センサに対して前記パネル部材の中央側にのみ位置し、前記第1基板および前記第2基板を接続する接続部とを備えた点にある。
【0012】
圧力検出部は、感圧センサに対してパネル部材の中央側にのみ第1基板と第2基板とを接続する接続部を備えるので、情報入力装置に圧力検出部が配設された状態において、圧力検出部は接続部が位置する片側がヒンジ状となり、接続部のないもう片側は自由端の状態となる。このとき、情報入力装置のパネル部材が押圧操作されると、圧力検出部はパネル部材の中央側に位置する接続部を支点として接続部の存在しないパネル部材の反中央側の第1基板と第2基板との間が開く方向に作用する。こうして、圧力検出部においてパネル部材の反中央側の第1基板と第2基板との間が開く方向に作用すると、感圧センサに対して荷重が軽減される方向で伝達される。したがって、情報入力装置の圧力検出部において、感圧センサに例えば初期荷重が付与された状態であっても、パネル部材の押圧操作によって軽減される荷重を感圧センサで検出することで、押圧入力操作に対して安定的に応答性の良い情報入力装置となる。
【0013】
また、圧力検出部において、第1基板および第2基板を接続する接続部を感圧センサの両側のうち一方の側のみに備える構成であるので、圧力検出部に接続部が容易に配置でき、圧力検出部の製造が容易となる。よって、情報入力装置をより簡易に製造することができる。
【0014】
本発明に係る情報入力装置の第3の特徴構成は、前記第1基板と前記パネル部材との間、および、前記第2基板と前記支持部との間のうち少なくとも何れか一方であって、且つ、前記パネル部材の平面視において、前記接続部とは異なる位置に、前記パネル部材から前記支持部に至る荷重を伝達する荷重伝達部を備えている点にある。
【0015】
接続部が前記感圧センサに対してパネル部材の中央側あるいは反中央側にあると同時に、平面視においてこの接続部とは異なる位置に荷重伝達部を設けることで、パネル部材を押圧した際に、感圧センサにより大きな力を作用させることが可能となる。即ち、パネル部材からの押圧力は、あたかも接続部を支点にして第1基板と第2基板とを押圧する。このとき、パネル部材の平面視において、接続部から荷重伝達部に至る距離は、支点である接続部に対して感圧センサに荷重を加える際の作用点までのアーム長さとなる。よって、例えば、前記平面視において、部材の並び配置が、接続部・感圧センサ・荷重伝達部の順になっている場合には、第1基板あるいは第2基板を梃子のように利用して感圧センサに大きな荷重を作用させ得る構成となる。その結果、第1基板又は第2基板に曲がり難い素材を用いても荷重を感圧センサに容易に伝達することができる。
【0016】
本発明に係る情報入力装置の第4の特徴構成は、前記感圧センサを挟んで前記接続部とは反対側に、前記接続部よりも弾性係数の小さい軟質材で構成され、前記第1基板と前記第2基板とを接続する第2接続部を備えている点にある。
【0017】
感圧センサの両側に接続部を設けることで、感圧センサの防汚機能がさらに高まる。
しかも、第2接続部は、他方の接続部に係る構成部材に比べて弾性係数の小さい軟質材で構成してある。ここで、弾性係数の小さい軟質材とは、他方の接続部に係る構成部材と比べてたわみ易く、感圧センサへの荷重伝達の妨げとならない素材のことをいう。つまり、パネル部材の押圧に際して、第2接続部は第1基板と第2基板との動作を特段阻害するものではない。よって、感圧センサの出力感度などは維持したまま、装置の耐久性を更に向上させることができる。
【0018】
本発明に係る情報入力装置の第5の特徴構成は、前記パネル部材が押圧操作されていない場合に、予め設定した圧力を前記感圧センサに付与する初期荷重付与機構を備えた点にある。
【0019】
本構成のごとく、予め設定した圧力を感圧センサに付与しておけば、パネル部材に情報入力荷重が作用していない状態でも感圧センサは、幾分かの信号出力を発することとなる。つまり、感圧センサが荷重を受けて検出信号を発するようになった直後の状態を避けることで、低出力時に有りがちな出力のバラつきを排除することができる。このように出力が安定する領域を用いるように感圧センサを設置することで、信頼性の高い情報入力装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る情報入力装置の斜視図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】本発明に係る情報入力装置の圧力検出部の配置を示す図である。
【図4】図2の圧力検出部近傍の拡大断面図である。
【図5】情報入力装置の他の形態を示す断面図である。
【図6】実施形態2における圧力検出部近傍の拡大断面図である。
【図7】実施形態2における圧力検出部の動作状態を示す拡大断面図である。
【図8】実施形態4における圧力検出部近傍の拡大断面図である。
【図9】別実施形態における圧力検出部近傍の拡大断面図であって、(a)はバンプを接続部寄りに配置し、(b)はバンプを接続部から離して配置した圧力検出部を示す。
【図10】別実施形態における圧力検出部近傍の拡大断面図である。
【図11】別実施形態における圧力検出部近傍の拡大断面図である。
【図12】別実施形態における圧力検出部近傍の拡大断面図である。
【図13】本発明に係る情報入力装置の別実施形態における圧力検出部の配置を示す図である。
【図14】従来技術に係る情報入力装置の断面図である。
【図15】従来技術に係る圧力検出部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る情報入力装置1の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
〔実施形態1〕
図1、図2に示すように、情報入力装置1は、前面に開口部2Aなどが形成された筐体2に、液晶又は有機ELなどの表示部3Aを有する表示装置3、接触式の情報入力機能を有するパネル部材4を備えて構成されている。
【0023】
本発明において、筐体2の開口部2Aは、図2に示すように、パネル部材4の嵌め込みを許容する段差を有するように筐体2の上面を切り抜いて形成され、その底面に、筐体2の内部に装備された表示装置3の表示部3Aを外部に臨ませる表示装置用開口部2aと、パネル部材4の周縁部4Aを支持する枠状の支持部2bとを有している。
【0024】
開口部2Aの形状や大きさは、パネル部材4の形状や大きさに応じて種々の変更が可能である。又、開口部2Aの実装深さは、パネル部材4の厚みなどに応じて種々の変更が可能である。更に、開口部2Aにおける表示装置用開口部2aの形状や大きさは、表示部3Aの形状や大きさなどに応じて種々の変更が可能である。ここでは、開口部2A、表示装置用開口部2a、表示部3A、及びパネル部材4の形状を矩形状又は略矩形状とする。ただし、パネル部材4等の形状は特に限定されず、例えば円形であってもよい。開口部2Aの実装深さは、筐体2の表面とパネル部材4の表面とがほぼ同じ高さになるように設定されていればよい。
【0025】
図3に示すように、情報入力装置1には、パネル部材4に対する押圧操作による入力指示を検出可能な圧力検出部20が設けられている。圧力検出部20は、パネル部材4と筐体2の支持部2bとの間に配置されており、圧力検出部20からの出力信号を処理する図示しない信号処理回路等から構成されている。圧力検出部20の構成は押圧力を検出できるものであれば特に限定されない。図1及び図3に示すように、圧力検出部20はパネル部材4の周縁部4Aに少なくとも1つ以上配置されている。圧力検出部20は、パネル部材4に対するタッチ操作に基づいて、その操作位置となるX−Y座標を検知する所謂タッチ入力機能を備えるものであってもよい。又、タッチ入力機能を備えるものにおいては、抵抗膜方式、静電容量方式、及び電磁誘導方式などから選択できる。
【0026】
具体的には、圧力検出部20は、図4に示すように、パネル部材4の側に配置される枠状の第1基板21と、第1基板21に対向しつつ支持部2bの側に配置される枠状の第2基板22と、第1基板21と第2基板22との間に配置される感圧センサ23とを備える。感圧センサ23は、第1基板21に設けられた上部電極21aと、第2基板22に設けられた上部電極22aと、感圧インク23a,23bとで構成されており、第1基板21及び第2基板22の挟持圧により電位を生じる。第1基板21と第2基板22とは、感圧センサ23に対してパネル部材4の反中央側に位置する接続部24で接続されている。
【0027】
図3、図4に示すように、枠状の第1基板21、第2基板22の内径は開口部2Aの寸法に合わせ、外径は別途備えるXY座標検出装置(図示せず)に合わせる。第1基板21の第2基板22との対向面には、上部電極21aが枠状に配置されている。第2基板22の第1基板21との対向面には、下部電極22aが上部電極21aと対向するように枠状に配置されている。第1基板21のコーナー部分や周縁部分には、上部電極21aを被覆するようにドット状の上部感圧インク23aが配置されている。第2基板22のコーナー部分や、その周縁部分には、下部電極22aを被覆し且つ上部感圧インク23aと対向するようにドット状の下部感圧インク23bが配置されている。感圧インク部分の電極は、感圧インク印刷寸法より若干小さくなるように設計してある。しかし、電極部分が対向する基板に配置された電極に直接接触しないよう配慮してあるのであれば、寸法サイズ等は特に限定されない。圧力検出部20は、第2基板22が支持部2bの上に、例えば粘着剤(図示せず)により貼着されることで開口部2Aに取り付けられる。なお、図3では円形状の下部感圧インク23bが示されているが、感圧インク23a,23bは円形状に限られない。
【0028】
接続部24は、例えば、非弾性のスペーサ(基板21、22との接着層を含む、接着剤単体でも可)であり、自由状態ではその厚みが感圧センサ23の厚みより薄くなるように構成されている。接続部24は、情報入力装置1のパネル部材4と支持部2bとの間に圧力検出部20が配置された段階において、接続部24には当初の厚みを保持しようとする力が働き、この力が第1基板21と第2基板22とを互いに近接させる方向に作用する。すなわち、情報入力装置1は、感圧センサ23に予め設定した圧力を付与する初期荷重付与機構を備える。こうして、第1基板21と第2基板22との間の距離を狭め、上部感圧インク23a,下部感圧インク23bの無加圧な状態における厚みを小さくして、結果的に上部感圧インク23a,下部感圧インク23bに予め設定した圧力を初期荷重として付与している。
【0029】
接続部24は、弾性を有する粘着性接着剤や両面粘着材であってもよいし、引張り力を発揮する状態に設定されているゴム、引っ張りコイルばね、板ばね等の各種の弾性部材であってもよい。尚、図4では圧力検出部20と接続部24とが離間しているが、電極及び感圧インクと接続部24とは一部接触していてもよい。
【0030】
以下、情報入力装置1に装着された圧力検出部20の動作について説明する。情報入力装置1の内部において、上部電極21a及び下部電極22aはコネクタ(図示せず)に接続されており、コネクタは情報入力装置1に内蔵された荷重検出部(図示せず)に接続されている。
【0031】
パネル部材4が押圧操作された時の圧力検出部20の上部感圧インク23a及び下部感圧インク23bにかかる抵抗の変化を検出する。この抵抗の変化の検出によって、両感圧インク23a,23bに加えられる外力を検出することができ、パネル部材4への荷重を検出することができる。
【0032】
前述の通り、接続部24によって、パネル部材4が押圧操作される前に、感圧センサ23に初期荷重が付与されることとなる。よって、無荷重から安定検出荷重までの検出ばらつきの大きい荷重範囲を打ち消すことができ、その後パネル部材4が押圧操作される際には感圧センサ23が検出した値を、そのまま情報入力の制御に用いることができる。
【0033】
さらに、感圧センサ23に対して接続部24がパネル部材4の反中央側にのみ位置するので、情報入力装置1に圧力検出部20が配設された状態において、圧力検出部20は接続部24が位置する反中央側がヒンジ状となり、接続部24のない中央側は自由端の状態となる。このとき、情報入力装置1のパネル部材4が押圧操作されると、圧力検出部20はパネル部材の反中央側に位置する接続部24を支点として接続部の存在しないパネル部材の中央側の第1基板21と第2基板22との間が閉じる方向に作用される。こうして、圧力検出部20においてパネル部材の中央側の第1基板21と第2基板22との間が閉じる方向に作用されると、感圧センサ23に対して荷重が付加される方向で伝達される。したがって、情報入力装置1の圧力検出部20において、感圧センサ23に初期荷重が付与された状態であっても、パネル部材4の押圧操作による圧力の感圧センサ23への伝達が妨げられない。
【0034】
また、接続部24をパネル部材4の外側に設けることで、パネル部材4と装置本体との隙間から埃や水分が侵入するのを防止することができる。よって、パネル部材4と支持部2bとの間に異物が挟まるおそれがなく、また、感圧センサ23や電極21a,21bなどの損傷機会も低減することができため装置の耐久性が大幅に向上する。
【0035】
圧力検出部20の第1基板21及び第2基板22は、例えばフィルム等であって、材質としては、フレキシブル基板に使用可能な材質、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル系樹脂、AN樹脂などの汎用樹脂を挙げることができる。また、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、超高分子量ポリエチレン樹脂などの汎用エンジニアリング樹脂や、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリアリル系耐熱樹脂などのスーパーエンジニアリング樹脂を用いることもできる。
【0036】
圧力検出部20の上部電極21a及び下部電極22aの材料としては、金、銀、銅、若しくはニッケルなどの金属、あるいはカーボン又はこれら材料を複数含む混合物等の導電性を有するペーストを用いることができる。これらの形成方法としては、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、若しくはフレキソ印刷などの印刷法、フォトレジスト法などが挙げられる。また、上部電極21a及び下部電極22aは、銅や金などの金属箔を貼り付けて形成することもできる。さらに、上部電極21a及び下部電極22aは、銅などの金属をメッキしたFPCの上にレジストで電極パターンを形成し、レジストで保護されていない部分の金属箔をエッチング処理することによって形成することもできる。電極はここに挙げた形成方法や材料を組合せたり積層してもよい。
【0037】
圧力検出部20の上部感圧インク23a及び下部感圧インク23bを構成する組成物は、外力に応じて電気抵抗値などの電気特性が変化する素材で構成されている。組成物としては、例えば、英国のPeratech社製の量子トンネル現象複合材料(商品名「QTC」)を用いることができる。上部感圧インク23a及び下部感圧インク23bは、塗布により第1基板21及び第2基板22に配置することができる。上部感圧インク23a及び下部感圧インク23bの塗布方法としては、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、又はフレキソ印刷などの印刷法を用いることができる。感圧インクは第1基板21あるいは第2基板22のいずれか片面だけに塗布してもよい。
【0038】
圧力検出部20は、情報入力装置1のパネル部材4の下面に、例えば糊等の接着剤、両面粘着テープなどの粘着層によって貼着され、パネル部材4の周縁部4Aの加飾部に隠蔽されるように少なくとも一つに配置されている。したがって、圧力検出部20を構成する各部材は、透明な材質で構成されることに限定されず、有色の材質で構成されていてもよい。
【0039】
なお、情報入力装置1の筐体2は、図5に示すように、パネル部材4の上方にベゼル2cを備える形状であってもよい。筐体2にベゼル2cが備えてあると、パネル部材4の周縁部4A及び周縁部4Aに配置される圧力検出部20を筐体2の支持部2bとベゼル2cとによって挟持して固定することができる。
【0040】
〔実施形態2〕
図6に示すように、第2基板22と筐体の支持部2bとの間に、パネル部材4から支持部2bに至る荷重を伝達する荷重伝達部25として、パネル部材4の平面視において、接続部24とは異なる位置にバンプ25aを設けてもよい。こうすると、圧力検出部20にパネル部材4から荷重が加わったとき、バンプ25aが圧力検出部20を下方から支持し、当該荷重を集中して圧力検出部20に伝達する(図7)。
【0041】
接続部24が感圧センサ23に対してパネル部材4の反中央側にあると同時に、平面視においてこの接続部とは異なる位置に荷重伝達部25を設けることで、パネル部材4を押圧した際に、感圧センサ23により大きな力を作用させることが可能となる。即ち、パネル部材4からの押圧力は、あたかも接続部24を支点にして第1基板21と第2基板22とを押圧する。このとき、パネル部材4の平面視において、接続部24から荷重伝達部25に至る距離は、支点である接続部24に対して感圧センサ23に荷重を加える際の作用点までのアーム長さとなる。よって、例えば、前記平面視において、部材の並び配置が、接続部24・感圧センサ23・荷重伝達部25の順になっている場合には、第1基板21あるいは第2基板22を梃子のように利用して感圧センサ23に大きな荷重を作用させ得る構成となる。
【0042】
バンプ25aの構成として、熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂を印刷や塗布などで配置して硬化させたもの、圧力検出部に寸法を合わせて裁断し貼合したフィルムや樹脂板、PEフォームやウレタンフォームなどの発泡体、粘着性接着剤や両面粘着材、両面テープなどがある。バンプ25aは第1基板21とパネル部材4との間に設けられていてもよいし、第1基板21とパネル部材4との間と、第2基板22と筐体の支持部2bとの間の両方に設けられていてもよい。ここで、バンプ25aの高さ寸法は、例えば50μm〜200μm(第2基板22に接着するための接着層の厚みを含む)である。バンプ25aは、パネル部材4の平面視において、接続部24とは異なる位置に配置されていることが好ましい。こうすると、上部感圧インク23aと下部感圧インク23bとを互いに確実に押し付けることができ、感圧インク23の圧力の測定精度を向上させることができる。
【0043】
〔実施形態3〕
バンプ25aは、図6及び図7に示すように、設置された第2基板22の外面から遠ざかるほど断面積が小さくなるよう形成されている方が好ましい。こうすると、圧力検出部20と、圧力検出部20を押圧する外部部材(例えばパネル部材等)との姿勢変化をある程度許容する。したがって、圧力検出部20と外部部材との姿勢変化が小さい場合には、バンプ25aにより外部からの荷重の圧力検出部20以外への分散が抑えられる。なお、バンプ25aは非弾性部材、弾性部材のいずれであってもよい。
【0044】
〔実施形態4〕
図8に示すように、情報入力装置1の圧力検出部20は、感圧センサ23を挟んで接続部24とは反対側に、接続部24よりも弾性係数の小さい軟質材で構成されて第1基板21と第2基板とを接続する第2接続部26を備えるようにしてもよい。
【0045】
このように、感圧センサ23の両側に接続部24と第2接続部26とを設けることで、感圧センサ23の防汚機能がさらに高まる。しかも、第2接続部26は、他方の接続部24に係る構成部材に比べて弾性係数の小さい軟質材で構成してある。ここで、弾性係数の小さい軟質材とは、他方の接続部24に係る構成部材と比べてたわみ易く、感圧センサ23への荷重伝達の妨げとならない素材のことをいう。つまり、パネル部材4の押圧に際して、第2接続部26は第1基板21と第2基板22との動作を特段阻害するものではない。よって、感圧センサ23の出力感度などは維持したまま、情報入力装置1の耐久性を更に向上させることができる。
【0046】
〔別実施形態〕
(1)上記の実施形態では、初期荷重付与機構によって、予め設定した圧力を感圧センサに付与したが、本発明に係る情報入力装置1は、初期荷重付与機構を備えていなくてもよい。また、上記の実施形態では、初期荷重付与機構として、接続部24の厚みを感圧センサ23の無加圧な状態における厚みよりも薄くし、感圧センサ23に初期荷重を付与したが、接続部の材料等により、その厚みを通常の感圧センサ23の厚みより薄くできない場合には、反対に感圧センサ23の厚みを増して接続部24の厚みより大きくなるよう構成して、圧力検出部5に初期荷重を付与してもよい。なお、感圧センサ23の厚みを増すためには、上部電極21a,下部電極22aまたは、感圧インク23a,23bを通常より厚めに塗付や印刷等する、または重ね塗りを行う等する。
【0047】
(2)上記の実施形態では、第1基板21と第2基板22との間に配置された一対の電極21a、22aと、当該一対の電極間に感圧インク23a,23bを配置した圧力検出部20を用いて説明したが、圧力検出部20は、第1基板21あるいは第2基板22の何れか一方に配置された一対の電極と、第1基板21あるいは第2基板22の他方に当該一対の電極を覆うように配置する構成であってもよい。こうすると、電極層が1層になるので圧力検出部20の厚さがさらに薄くなり、結果として情報入力装置1の薄型化を図ることができる。この場合、一対の電極を櫛歯状、渦巻状等に形成して感圧インク部材との接触面積を制御することで、望ましい検出範囲の信号を得る事ができる。
【0048】
(3)情報入力装置1に配置される荷重伝達部25は、パネル部材4の平面視において、接続部24とは異なる位置に配置されていればよく、例えば、図9(a)にように、荷重伝達部25の一部が接続部24と重なる位置に配置してもよいし、図9(b)に示すように、感圧センサ23とは重ならない位置に配置してもよい。荷重伝達部25は、第1基板21とパネル部材4との間に形成されていてもよい。
【0049】
(4)上記の実施形態では、圧力検出部20の接続部24を感圧センサ23に対してパネル部材4の反中央側にのみ設ける構成を示したが、接続部24は、図10に示すように、感圧センサ23に対してパネル部材4の中央側にのみ設ける構成であってもよい。パネル部材4が押圧されると、周縁部4Aに配置された圧力検出部20によってパネル部材4の中央部が下方向に凹み、周縁部4Aが上方向に浮き上がって、全体的にたわんだ状態となる。一方、圧力検出部20は、パネル部材4のこの動きに連動してパネル部材4の中央側の接続部24を支点として第1基板21が上方向に浮き上がる。なお、第2基板22は荷重伝達部25を介して筐体の支持部2bに固定されたままである。その結果、パネル部材4が押圧されて上述のようにたわむと、パネル部材4の反中央側の第1基板21と第2基板22との間が開く方向に作用し、初期荷重が付与された感圧センサ23に対し荷重が軽減される方向で伝達される。よって、軽減された荷重を感圧センサ23で検出することで、パネル部材4の押圧力を検知することができる。
【0050】
また、図11に示すように、接続部24を感圧センサ23に対してパネル部材4の中央側に設け、この感圧センサ23を挟んで接続部24とは反対側の反中央側に、接続部24よりも弾性係数の小さい軟質材で構成されて第1基板21と第2基板22とを接続する第2接続部26を備えるようにしてもよい。
【0051】
(5)圧力検出部20に銀電極を用いる場合には、図12に示すように、例えば第1基板21と第2基板22の間に、銀電極21a、感圧インク23a、カーボン印刷22b、銀電極22aの順で配置するのが好ましい。銀電極22aがカーボン印刷22bで保護されるので、圧力検出部20の耐久性が向上する。
【0052】
(6)感圧センサ23は、パネル部材4の周縁部4Aの少なくとも一部に設けられていればよく、接続部24は、図13に示すように、感圧センサ23の近傍にのみ配置されていてもよい。このように、接続部24をパネル部材4の周縁部4Aの一部に設けるようにすると、接続部24を必要な箇所のみに設けることができ、パネル部材4に配置される圧力検出部20が少ない場合等には、情報入力装置1を製造する上で好都合となる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明に係る情報入力装置は、携帯電話機、スマートフォン、PDA、カーナビゲーション装置、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、遊技機、及びタブレットなどの電子機器に有効利用され、電子機器の多機能化及び操作性の向上を図るために利用できる。
【符号の説明】
【0054】
1 情報入力装置
2 筐体
2b 支持部
3 表示装置
4 パネル部材
4A 周縁部
20 圧力検出部
21 第1基板
22 第2基板
23 感圧センサ
24 接続部
25 荷重伝達部
26 第2接続部(軟質材)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
押圧操作による入力指示が可能なパネル部材と、
前記パネル部材の周縁部を支持するよう装置本体に設けられた支持部と、
前記パネル部材と前記支持部との間に配置され、前記入力指示を検出可能な圧力検出部とを備え、
前記圧力検出部が、
前記パネル部材の側に配置される第1基板と、
前記第1基板に対向しつつ前記支持部の側に配置される第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に配置され、これら両基板の挟持圧により電位を生じる感圧センサと、
前記感圧センサに対して前記パネル部材の反中央側にのみ位置し、前記第1基板および前記第2基板を接続する接続部とを備えた情報入力装置。
【請求項2】
押圧操作による入力指示が可能なパネル部材と、
前記パネル部材の周縁部を支持するよう装置本体に設けられた支持部と、
前記パネル部材と前記支持部との間に配置され、前記入力指示を検出可能な圧力検出部とを備え、
前記圧力検出部が、
前記パネル部材の側に配置される第1基板と、
前記第1基板に対向しつつ前記支持部の側に配置される第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に配置され、これら両基板の挟持圧により電位を生じる感圧センサと、
前記感圧センサに対して前記パネル部材の中央側にのみ位置し、前記第1基板および前記第2基板を接続する接続部とを備えた情報入力装置。
【請求項3】
前記第1基板と前記パネル部材との間、および、前記第2基板と前記支持部との間のうち少なくとも何れか一方であって、且つ、前記パネル部材の平面視において、前記接続部とは異なる位置に、前記パネル部材から前記支持部に至る荷重を伝達する荷重伝達部を備えている請求項1または2に記載の情報入力装置。
【請求項4】
前記感圧センサを挟んで前記接続部とは反対側に、前記接続部よりも弾性係数の小さい軟質材で構成され、前記第1基板と前記第2基板とを接続する第2接続部を備えている請求項1から3の何れか一項に記載の情報入力装置。
【請求項5】
前記パネル部材が押圧操作されていない場合に、予め設定した圧力を前記感圧センサに付与する初期荷重付与機構を備えた請求項1から4の何れか一項に記載の情報入力装置。
【請求項1】
押圧操作による入力指示が可能なパネル部材と、
前記パネル部材の周縁部を支持するよう装置本体に設けられた支持部と、
前記パネル部材と前記支持部との間に配置され、前記入力指示を検出可能な圧力検出部とを備え、
前記圧力検出部が、
前記パネル部材の側に配置される第1基板と、
前記第1基板に対向しつつ前記支持部の側に配置される第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に配置され、これら両基板の挟持圧により電位を生じる感圧センサと、
前記感圧センサに対して前記パネル部材の反中央側にのみ位置し、前記第1基板および前記第2基板を接続する接続部とを備えた情報入力装置。
【請求項2】
押圧操作による入力指示が可能なパネル部材と、
前記パネル部材の周縁部を支持するよう装置本体に設けられた支持部と、
前記パネル部材と前記支持部との間に配置され、前記入力指示を検出可能な圧力検出部とを備え、
前記圧力検出部が、
前記パネル部材の側に配置される第1基板と、
前記第1基板に対向しつつ前記支持部の側に配置される第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に配置され、これら両基板の挟持圧により電位を生じる感圧センサと、
前記感圧センサに対して前記パネル部材の中央側にのみ位置し、前記第1基板および前記第2基板を接続する接続部とを備えた情報入力装置。
【請求項3】
前記第1基板と前記パネル部材との間、および、前記第2基板と前記支持部との間のうち少なくとも何れか一方であって、且つ、前記パネル部材の平面視において、前記接続部とは異なる位置に、前記パネル部材から前記支持部に至る荷重を伝達する荷重伝達部を備えている請求項1または2に記載の情報入力装置。
【請求項4】
前記感圧センサを挟んで前記接続部とは反対側に、前記接続部よりも弾性係数の小さい軟質材で構成され、前記第1基板と前記第2基板とを接続する第2接続部を備えている請求項1から3の何れか一項に記載の情報入力装置。
【請求項5】
前記パネル部材が押圧操作されていない場合に、予め設定した圧力を前記感圧センサに付与する初期荷重付与機構を備えた請求項1から4の何れか一項に記載の情報入力装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−221856(P2011−221856A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−91546(P2010−91546)
【出願日】平成22年4月12日(2010.4.12)
【出願人】(000231361)日本写真印刷株式会社 (477)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月12日(2010.4.12)
【出願人】(000231361)日本写真印刷株式会社 (477)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]