説明

情報共有表示装置、端末装置、プログラムおよび情報共有表示システム

【課題】端末装置の認証において情報セキュリティを保ちつつ、入力操作が容易で、入力ミスを起こし難いこと
【解決手段】情報共有表示装置100は、端末装置201、202、203を認証し、認証した端末装置に情報共有用の画像を表示する。情報共有表示装置100の表示部は、色または図形の少なくとも一方による認証パターンを指定する画像を表示する。情報共有表示装置100の認証情報受信部は、端末装置から認証情報を受信する。情報共有表示装置100の認証照合部は、認証情報と認証パターンを表す情報とから、端末装置にて認証パターンが入力されたか否かを判定することで、端末装置の認証可否を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報共有表示装置、端末装置、プログラムおよび情報共有表示システム、特に会議における参加者間にて情報共有するための情報共有表示装置、端末装置、プログラムおよび情報共有表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、会議においてプロジェクタを用いてプレゼン資料や各種データを大画面表示し、出席者間で情報共有することが一般化している。そして、出席者間の意見や出席者に付加された情報を情報共有するために、プロジェクタに加えて、各出席者の画像端末で表示および書き込み情報を共有する情報共有表示システムもある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平4−154390号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような情報共有表示システムにおいては、情報セキュリティ上の課題がある。特に、会議内容を外部に漏洩させないための情報セキュリティとして、認証された機器の間だけで情報の共有を行えることが必要となる。例えば、情報セキュリティを保つために、機器の認証に認証パスワードを利用する方法が考えられる。しかしながら、上述の認証パスワードによる機器の認証にあっては、認証パスワードを構成する文字を入力する必要があるので、出席者によっては、慣れない言語の文字を入力する場合には入力操作が容易でなく、入力ミスを起こし易い場合があるという問題がある。
また、会議毎に参加者の構成は異なるために、会議毎に当該会議の参加者のみを認証するには、例えば、会議毎に認証パスワードを変更し、その認証パスワードを認証機器を使用する会議参加者に周知させるといった作業が必要となる。このため、認証パスワードの管理も容易ではなく煩雑な作業となる。この認証パスワード管理の困難さの低減のため認証パスワードを変更しないと情報セキュリティ上の問題があった。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、機器の認証において情報セキュリティを保ちつつ、入力操作が容易で、入力ミスを起こし難い情報共有表示装置、端末装置、プログラムおよび情報共有表示システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の情報共有表示装置は、端末装置を認証し、認証した前記端末装置に情報共有用の画像を表示させる情報共有表示装置において、色または図形の少なくとも一方による認証パターンを指定する画像を表示する表示手段と、前記端末装置から認証情報を受信する認証情報受信手段と、前記認証情報と前記認証パターンを表す情報とから、前記端末装置にて前記認証パターンが入力されたか否かを判定することで、前記端末装置の認証可否を判定する認証照合手段とを具備することを特徴とする。
【0006】
これにより情報共有表示装置は、認証パターンを色または図形の少なくとも一方としたので、認証パターンを容易に把握させ、端末装置における認証のための入力操作を容易にして、入力ミスを起こし難くすることができる。
【0007】
また、本発明の情報共有表示装置は、上述の情報共有表示装置であって、前記認証情報は、音声データであり、前記認証照合手段は、前記音声データを音声認識した結果と前記認証パターンを表す情報とから、前記端末装置にて前記認証パターンが入力されたか否かを判定することで、前記端末装置の認証可否を判定することを特徴とする。
【0008】
これにより情報共有表示装置は、端末装置における認証情報の入力を音声入力としたので、端末操作における認証のための入力操作を容易にし、入力ミスを起こし難くすることができる。
【0009】
また、本発明の情報共有表示装置は、上述のいずれかの情報共有表示装置であって、前記認証パターンを表す情報を生成する認証パターン生成手段を具備することを特徴とする。
【0010】
これにより情報共有表示装置は、認証を必要とする度に認証パターンを変更することができるので、優れたセキュリティを得ることができる。
【0011】
また、本発明の情報共有表示装置は、上述の情報共有表示装置であって、認証情報を入力するための認証入力パターンを表す情報を、前記認証パターンを表す情報に基づき生成し、該認証入力パターンを表す情報を前記端末装置に送信する認証入力パターン送信手段を具備することを特徴とする。
【0012】
また、本発明のプログラムは、端末装置を認証し、認証した前記端末装置に情報共有用の画像を表示させる情報共有表示装置が具備するコンピュータを、色または図形の少なくとも一方による認証パターンの入力を促す画像を表示する表示手段、前記端末装置から認証情報を受信する認証情報受信手段、前記認証情報と前記認証パターンを表す情報とから、前記端末装置にて前記認証パターンが入力されたか否かを判定することで、前記端末装置の認証可否を判定する認証照合手段として機能させる。
【0013】
また、本発明の端末装置は、情報共有表示装置により認証されることにより、前記情報共有表示装置から受信した情報に基づき情報共有用の画像を表示する端末装置において、認証情報を入力するための画像である色または図形による認証入力パターンを表示する表示手段と、前記表示した認証入力パターンの部分の指定の入力を順次受け付け、受け付けた内容に応じた認証情報を生成する認証情報入力手段と、前記認証情報入力手段が生成した認証情報を、前記情報共有表示装置に送信する認証情報送信手段とを具備することを特徴とする。
【0014】
これにより本発明の端末装置は、認証入力パターンの部分の指定を順次受け付けることで認証情報を生成するので、認証のための入力操作が容易になり、入力ミスを起こし難くすることができる。
【0015】
また、本発明の端末装置は、上述の端末装置であって、前記認証入力パターンを表す情報を前記情報共有表示装置から受信する認証入力パターン受信手段を具備し、前記表示手段は、前記認証入力パターンを表す情報に基づき、前記認証入力パターンを表示することを特徴とする。
【0016】
これにより端末装置は、認証の度に異なる認証パターンを表示することができ、優れたセキュリティを得ることができる。
【0017】
また、本発明の端末装置は、上述のいずれかの端末装置であって、前記認証情報入力手段は、前記表示手段が認証入力パターンを表示する領域を検出領域に含むタッチパネルインターフェースを具備し、前記表示手段が表示させた認証入力パターンの表示領域のうち触れられた領域を順次検出し、この検出内容に基づき認証情報を生成することを特徴とする。
【0018】
これにより本発明の端末装置は、認証入力パターンの部分の指定をタッチパネルにより順次受け付けることで認証情報を生成するので、認証のための入力操作が容易になり、入力ミスを起こし難くすることができる。
【0019】
また、本発明の端末装置は、情報共有表示装置により認証されることにより前記情報共有表示装置から受信した情報に基づき情報共有用の画像を表示する端末装置において、前記情報共有表示装置が表示した色または図形による認証パターンに基づく音声の入力を受け付け、該受け付けた音声を音声認識して認証情報を生成する認証情報入力手段と、前記認証情報入力手段が生成した認証情報を、前記情報共有表示装置に送信する認証情報送信手段とを具備することを特徴とする。
【0020】
これにより本発明の端末装置は、音声入力を受け付けることで認証情報を生成するので、認証のための入力操作が容易になり、入力ミスを起こし難くすることができる。
【0021】
また、本発明のプログラムは、情報共有表示装置により認証されることにより前記情報共有表示装置から受信した情報に基づき情報共有用の画像を表示する端末装置が具備するコンピュータを、認証情報を入力するための画像である色または図形による認証入力パターンを表示する表示手段、前記表示された認証入力パターンの部分の指定の入力を順次受け付け、受け付けた内容に応じた認証情報を生成する認証情報入力手段、前記認証情報入力手段が生成した認証情報を、前記情報共有表示装置に送信する認証情報送信手段として機能させる。
【0022】
また、本発明のプログラムは、情報共有表示装置により認証されることにより前記情報共有表示装置から受信した情報に基づき情報共有用の画像を表示する端末装置が具備するコンピュータを、前記情報共有表示装置が表示した色または図形による認証パターンに基づく音声の入力を受け付け、該受け付けた音声を音声認識して認証情報を生成する認証情報入力手段、前記認証情報入力手段が生成した認証情報を、前記情報共有表示装置に送信する認証情報送信手段として機能させる。
【0023】
また、本発明の情報共有表示システムは、端末装置を認証し、認証した前記端末装置に情報共有用の画像を表示する情報共有表示装置と、前記端末装置とを具備する情報共有表示システムにおいて、前記情報共有表示装置は、色または図形の少なくとも一方による認証パターンを指定する画像を表示する表示手段と、前記端末装置から認証情報を受信する認証情報受信手段と、前記認証情報と前記認証パターンを表す情報とから、前記端末装置にて前記認証パターンが入力されたか否かを判定することで、前記他の情報共有表示装置の認証可否を判定する認証照合手段とを具備し、前記端末装置は、認証情報の入力を受け付ける認証情報入力手段と、前記認証情報入力手段が受け付けた認証情報を、前記情報共有表示装置に送信する認証情報送信手段とを具備することを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、この発明の一実施形態による情報共有表示システムの構成を説明する図である。本実施形態における情報共有表示システムは、会議における参加者間にて情報共有するためのシステムであり、情報共有表示装置100と端末装置201、202、203とを具備する。情報共有表示装置100は、会議の参加者全員から見ることができるように、情報共有のための画像をスクリーンに投写する。端末装置201、202、203は、情報共有表示装置100から受信したデータに基づき、情報共有表示装置100と同じ画像を表示する機能を備えており、会議の各参加者に1つずつ配布される。
【0025】
図2は、情報共有表示装置100と端末装置201との構成を示す概略ブロック図である。なお、端末装置202、203は、端末装置201と同じ構成であるため、図示および説明を省略する。情報共有表示装置100は、認証パターン生成部110、表示データ生成部120、表示部130、認証入力パターン送信部140、認証情報受信部150、認証照合部160、無線通信部170を具備する。認証パターン生成部(認証パターン生成手段)110は、色または図形による認証パターンを表す情報を生成する。認証パターンについては、図4にて説明する。表示データ生成部(表示手段)120は、認証パターン生成部110が生成した認証パターンを会議の参加者に通知するための画像を生成し、表示部130に表示させる。表示部130は、表示データ生成部120の指示に従い、画像を表示させる。
【0026】
認証入力パターン送信部(認証入力パターン送信手段)140は、認証情報を入力するための認証入力パターンを表す情報を、認証パターン生成部110が生成した認証パターンを表す情報に基づき生成し、該認証入力パターンを表す情報を、無線通信部170を介して端末装置201、202、203に送信する。認証情報受信部150は、無線通信部170を介して、端末装置201、202、203から認証情報を受信する。認証照合部160は、認証情報受信部150が受信した認証情報と認証パターン生成部110が生成した認証パターンを表す情報とから、認証情報の送信元の端末装置に認証可否を判定する。ここで、認証可否の判定は、受信した認証情報が、認証パターン通りの入力に基づくものであるか否か、すなわち認証情報と認証パターンを表す情報とが一致するか否かにより判定する。無線通信部170は、無線LAN(Local Area Network)により、端末装置201、202、203と無線通信をする。
【0027】
端末装置201は、認証入力パターン受信部210、表示データ生成部220、表示部230、認証情報入力部240、認証情報送信部250、無線通信部260を具備する。認証入力パターン受信部210は、認証情報を入力するための画像である認証入力パターンを表す情報を、無線通信部260を介して情報共有表示装置100から受信する。表示データ生成部220は、認証入力パターン受信部210が受信した認証入力パターンを表す情報に基づき、認証入力パターンを表示部230に表示させる。表示部230は、表示データ生成部220からの指示に従い、画像を表示する。認証情報入力部240は、表示された認証入力パターンの部分の指定の入力を順次受け付け、受け付けた内容に応じた認証情報を生成する。本実施形態では、認証情報入力部240は、表示データ生成部220が表示部230に認証入力パターンを表示させる領域を検出領域に含むタッチパネルインターフェースを具備し、表示された認証入力パターンの表示領域のうち触れられた領域を順次検出し、この検出内容に基づき認証情報を生成する。認証情報入力部240による具体的な認証情報の生成方法は、図4にて説明する。認証情報送信部250は、認証情報入力部240が生成した認証情報を、無線通信部260を介して、情報共有表示装置100に送信する。無線通信部260は、無線LANにより情報共有表示装置100と無線通信をする。
【0028】
図3は、情報共有表示装置100および端末装置201のハード構成を示す概略ブロック図である。情報共有表示装置100は、CPU(Central Processing Unit)191とCPU191にてそれぞれを制御可能なようにメインバス197にて接続されたFlashROM(Read Only Memory)192、RAM(Random Access Memory)193、無線通信部194、投写表示部195、操作入力制御部196を具備する。CPU191は、FlashROM192に格納されたプログラムに従い動作して、情報共有表示装置100全体を制御する。FlashROM192は、CPU191を動作させるプログラムおよびデータを格納する。RAM193は、CPU191が動作するためのワークメモリである。無線通信部194は、無線LANにより、端末装置201、202、203と無線通信する。投写表示部195は、CPU191の指示に従った画像を、本情報共有表示装置100の前方に設置されたスクリーン等に投写する。操作入力制御部196は、操作ボタンおよびその制御部であり、本情報共有表示装置100を操作するための入力装置である。
【0029】
端末装置201は、CPU291とCPU291にてそれぞれを制御可能なようにメインバス298にて接続されたFlashROM292、RAM293、無線通信部294、LCD(Liquid Crystal Display)表示部295、タッチパネル入力部296、音声入力部297を具備する。CPU291は、FlashROM292に格納されたプログラムに従い動作して、端末装置201全体を制御する。FlashROM292は、CPU291を動作させるプログラムおよびデータを格納する。RAM293は、CPU291が動作するためのワークメモリである。無線通信部294は、無線LANにより、情報共有表示装置100と無線通信する。LCD表示部295は、CPU291の指示に従った画像を表示する。タッチパネル入力部296は、LCD表示部295の表示領域を検出範囲とするタッチパネルとその制御部であり、本端末装置201を操作するための入力装置である。音声入力部297は、音声を電気信号に変換するマイクとその制御部であり、本端末装置201を操作するための入力装置である。
【0030】
本実施形態の情報共有表示装置100は、CPU191がFlashROM192に記録されているプログラムを読み取って、図2に示した認証パターン生成部110、表示データ生成部120、表示部130、認証入力パターン送信部140、認証情報受信部150、認証照合部160、無線通信部170の各部の処理を行う。本実施形態の端末装置201は、CPU291がFlashROM292に記録されているプログラムを読み取って、図2に示した認証入力パターン受信部210、表示データ生成部220、表示部230、認証情報入力部240、認証情報送信部250、無線通信部260の各部の処理を行う。
【0031】
なお、本実施形態において、認証情報入力部240における認証情報の入力の受け付けは、タッチパネル入力部296が具備するタッチパネルを用いるとして説明しているが、このタッチパネルに替えて、音声入力部297が具備するマイクにより音声の入力を受け付け、これを認証情報入力部240が音声認識して認証情報を生成するようにしてもよい。また、認証情報入力部240では音声認識せずに、音声入力部297が生成した音声データを認証情報送信部250が無線通信部260を介して、情報共有表示装置100に送信し、これを受信した情報共有表示装置100の認証情報受信部150が音声認識をして認証情報を生成するようにしてもよい。
【0032】
図4の(a)は、本実施形態における情報共有表示装置100が投写して表示させる認証パターンを指定する画像の例である。表示データ生成部120は、認証パターン生成部110が生成した認証パターン(図4(a)では、「赤い四角形P1、白い三角形P2、白い星形P3、白い円形P4、黒い四角形P5」)を表す情報に基づき、図4(a)に例示する、「赤い四角形P1、白い三角形P2、白い星形P3、白い円形P4、黒い四角形P5」からなる認証パターンと、認証パターンの入力を促す文「下記の認証パターンを順に指示して下さい」とからなる画像D1のような、認証パターンを指定する画像を生成し、表示部130に表示させる。ここで、認証パターンは、端末装置201〜203を使用するユーザが、認証のための入力情報を色または図形にて指定した画像であり、本実施形態では、図4(a)に示した「赤い四角形P1、白い三角形P2、白い星形P3、白い円形P4、黒い四角形P5」のような5つの色付きの図形からなり、この認証パターンを表す情報は、「赤い四角形、白い三角形、白い星形、白い円形、黒い四角形」である。
【0033】
図4の(b)は、本実施形態における端末装置201が表示する認証入力パターンの例である。認証入力パターン受信部210が受信した認証入力パターン(図4(b)では、「青い四角形P6、茶色い四角形P7、赤い四角形P8、白い四角形P9、黒い四角形P10、白い円形P11、ばつ形P12、白い三角形P13、黄色い四角形P14、白い星形P15」)を表す情報に基づき、表示データ生成部220は、認証入力パターン(画像D2)と認証情報の入力領域D3とを表示部230に表示させる。図4(a)に例示した認証パターンを指定する画像を参照して、ユーザがタッチペン300を用いて、認証入力パターンの画像D2の中から、認証パターンに一致する画像を順に指示すると、認証情報入力部240が、これを順次受け付けて、認証情報を生成する。図4(b)に例示した画像では、認証パターンのうち、赤い四角形と白い三角形との指示を認証情報入力部240が受け付けて生成した認証情報「赤い四角形、白い三角形」を表す画像(赤い四角形P16、白い三角形P17)を認証情報の入力領域D3に、表示データ生成部220が表示部230に表示させている。ここで、認証情報とは、認証のためのユーザによる入力内容を表す情報であり、図4(b)の例では「赤い四角形、白い三角形」である。
【0034】
図5は、本実施形態における情報共有表示装置100の動作を説明するフローチャートである。まず、認証パターン生成部110が認証パターンを表す情報を生成し、これを受けて認証入力パターン送信部140が認証入力パターンを表す情報を生成する(Sa1)。認証入力パターン送信部140は、生成した認証入力パターンを表す情報を、無線通信部170を介して、端末装置201、202、203に送信する(Sa2)。次に、表示データ生成部120が、認証パターン生成部110が生成した認証パターンを指定する画像を生成し、表示部130に表示させる(Sa3)。認証情報受信部150は、端末装置201、202、203からの認証情報を受信すると(Sa4)、認証照合部160は、受信した認証情報と認証パターン生成部110が生成した認証パターンとが一致するか否かを判定する(Sa5)。
【0035】
このステップSa5の判定にて一致しない端末装置が存在したときは、ステップSa1に遷移して、上述の動作を繰り返す。一方、このステップSa5の判定にて全ての端末装置について一致したときは、認証照合部160は、認証した旨を各端末装置に送信し、情報共有のための処理であるステップSa6に遷移する。ステップSa6では、情報共有する画像の表示データを端末装置201、202、203と互いに送受信する(Sa6)。表示データ生成部120は、ステップSa6にて各端末装置から受信した表示データと送信した表示データとを合成した表示データを生成する(Sa7)。表示部130は、ステップSa7にて生成した表示データを投写して表示させる(Sa8)。次に、表示データ生成部120は、情報共有のための処理の終了判定を行い、終了指示がなければ、ステップSa6に戻って、情報共有のための処理を繰り返し(Sa9)、終了指示があれば終了する(Sa9)。
【0036】
なお、本実施形態においては、ステップSa5の認証照合部160による判定にて、全ての端末装置の認証情報が認証パターンと一致したときは、ステップSa6に遷移するとして説明したが、一致しない端末装置があった場合でも、ステップSa6に遷移して、ステップSa5にて一致したと判定された端末装置についてのみ、ステップSa6の表示データの送受信を行うようにしてもよい。さらに、ステップSa5の判定にて一致しないと判定された端末装置について、ステップSa1からステップSa5の処理を繰返して、ステップSa5の判定にて一致したときに、該端末装置をステップSa6における送受信の対象とするようにしてもよい。
【0037】
図6は、本実施形態における端末装置201の動作を説明するフローチャートである。まず、認証入力パターン受信部210が情報共有表示装置100からの認証入力パターンを表す情報を受信すると(Sb1)、表示データ生成部220がこの認証入力パターンを表す情報に基づき、認証入力パターンを表示部230に表示させる(Sb2)。ユーザがタッチペン300で表示部230が表示した認証入力パターンの中の画像を選択指示すると、この選択指示を認証情報入力部240が順次受け付け、受け付けた内容に応じた認証情報を生成する(Sb3)。認証情報送信部250は、認証情報入力部240が生成した認証情報を情報共有表示装置100に送信する(Sb4)。表示データ生成部220は、認証した旨を情報共有表示装置100から受信すると、認証されたと判定して(Sb5)、情報共有のための処理であるステップSb6に遷移する。一方、一定時間、認証した旨を情報共有表示装置100から受信しなかったときは、認証されなかったと判定して(Sb5)、ステップSb1に戻って、上述の処理を繰り返す。
【0038】
ステップSb6では、表示データ生成部220が無線通信部260を介して、情報共有表示装置100と情報共有する画像の表示データの送受信を行う(Sb6)。次に、表示データ生成部220は、受信した表示データと送信した表示データとを合成して、表示する画像の表示データを生成し(Sb7)、この表示データを表示部230に表示させる(Sb8)。次に、表示データ生成部220は、情報共有のための処理の終了判定を行い、終了指示がなければ、ステップSb6に戻って、情報共有のための処理を繰り返し(Sb9)、終了指示があれば終了する(Sb9)。
このように、認証パターンを色または図形にすることで、ユーザにとって直感的に操作可能となり、またキーボードのような操作に慣れが必要な入力装置を使用せずに済むため、ユーザにとって入力操作が容易であり、入力ミスを起こし難いという効果が得られる。
【0039】
図7は、上述の実施形態による情報共有表示システムの変形例1である。本変形例1では、上記実施形態における情報共有表示装置100の機能を、ノートPC700にてプログラムを動作させることで実現する。ただし、情報共有表示装置100の投写表示部195が投写して表示させていた内容は、ノートPC700の液晶画面に表示させる、あるいは、ノートPC700に接続したプロジェクタに投写して表示させるようにしている。また、端末装置201、202、203の機能は、PDA(Personal Digital Assistance)などの携帯型端末装置701、702、703にてプログラムを動作させることで実現する。
【0040】
図8は、上述の実施形態による情報共有表示システムの変形例2である。本変形例2では、上記実施形態における端末装置201の機能を、携帯型端末装置701にてプログラムを動作させることで実現し、端末装置202の機能を、LCD表示部295に替えてヘッドマウントディスプレイを備えた頭部装着型端末装置801にてプログラムを動作せることで実現する。このとき、頭部装着型端末装置801は、タッチパネル入力部296を具備せず、音声入力部297を具備し、認証情報入力部240は、タッチパネル入力部296によるタッチパネルを用いた認証情報の入力に替えて、音声入力部297によるマイクを用いた音声の入力と該音声を音声認識することによる認証情報の入力を行なう。
なお、全ての端末装置において、認証情報の入力を音声入力部297にて行う場合は、端末装置において認証入力パターンの受信および表示を省略し、情報共有表示装置100において認証入力パターンの生成および送信を省略することができる。
【0041】
図9は、上述の実施形態による情報共有表示システムの変形例3である。本変形例3では、上記実施形態における情報共有表示装置100の機能を、PDAなどの携帯型情報共有表示装置900にてプログラムを動作させることで実現する。ただし、情報共有表示装置100の投写表示部195が投写して表示させていた内容は、携帯型情報共有表示装置900の液晶画面に表示させる。
【0042】
また、図2における認証パターン生成部110、表示データ生成部120、表示部130、認証入力パターン送信部140、認証情報受信部150、認証照合部160、無線通信部170、認証入力パターン受信部210、表示データ生成部220、表示部230、認証情報入力部240、認証情報送信部250、無線通信部260の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによりこれらの各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0043】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0044】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、会議における参加者間にて情報共有するために、プロジェクタなどの大型画面と各参加者の端末とに共有する情報を表示する情報共有表示システムに用いて好適である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】この発明の一実施形態による情報共有表示システムの構成を説明する図である。
【図2】同実施形態における情報共有表示装置100と端末装置201との構成を示す概略ブロック図である。
【図3】同実施形態における情報共有表示装置100および端末装置201のハード構成を示す概略ブロック図である。
【図4】同実施形態における認証パターンを指定する画像の例および認証入力パターンの例である。
【図5】同実施形態における情報共有表示装置100の動作を説明するフローチャートである。
【図6】同実施形態における端末装置201の動作を説明するフローチャートである。
【図7】同実施形態による情報共有表示システムの変形例1である。
【図8】同実施形態による情報共有表示システムの変形例2である。
【図9】同実施形態による情報共有表示システムの変形例3である。
【符号の説明】
【0047】
100…情報共有表示装置 110…認証パターン生成部 120、220…表示データ生成部 130、230…表示部 140…認証入力パターン送信部 150…認証情報受信部 160…認証照合部 170、260…無線通信部 191、291…CPU 192、292…FlashROM 193、293…RAM 194、294…無線通信部 195…投写表示部 196…操作入力制御部 197、298…メインバス 201、202、203…端末装置 210…認証入力パターン受信部 240…認証情報入力部 250…認証情報送信部 295…LCD表示部 296…タッチパネル入力部 297…音声入力部 300…タッチペン 700…ノートPC 701、702、703…携帯型端末装置 801…頭部装着型端末装置 900…携帯型情報共有表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置を認証し、認証した前記端末装置に情報共有用の画像を表示させる情報共有表示装置において、
色または図形の少なくとも一方による認証パターンを指定する画像を表示する表示手段と、
前記端末装置から認証情報を受信する認証情報受信手段と、
前記認証情報と前記認証パターンを表す情報とから、前記端末装置にて前記認証パターンが入力されたか否かを判定することで、前記端末装置の認証可否を判定する認証照合手段と
を具備することを特徴とする情報共有表示装置。
【請求項2】
前記認証情報は、音声データであり、
前記認証照合手段は、前記音声データを音声認識した結果と前記認証パターンを表す情報とから、前記端末装置にて前記認証パターンが入力されたか否かを判定することで、前記端末装置の認証可否を判定すること
を特徴とする請求項1に記載の情報共有表示装置。
【請求項3】
前記認証パターンを表す情報を生成する認証パターン生成手段を具備することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかの項に記載の情報共有表示装置。
【請求項4】
認証情報を入力するための認証入力パターンを表す情報を、前記認証パターンを表す情報に基づき生成し、該認証入力パターンを表す情報を前記端末装置に送信する認証入力パターン送信手段を具備することを特徴とする請求項3に記載の情報共有表示装置。
【請求項5】
端末装置を認証し、認証した前記端末装置に情報共有用の画像を表示させる情報共有表示装置が具備するコンピュータを、
色または図形の少なくとも一方による認証パターンの入力を促す画像を表示する表示手段、
前記端末装置から認証情報を受信する認証情報受信手段、
前記認証情報と前記認証パターンを表す情報とから、前記端末装置にて前記認証パターンが入力されたか否かを判定することで、前記端末装置の認証可否を判定する認証照合手段
として機能させるプログラム。
【請求項6】
情報共有表示装置により認証されることにより、前記情報共有表示装置から受信した情報に基づき情報共有用の画像を表示する端末装置において、
認証情報を入力するための画像である色または図形による認証入力パターンを表示する表示手段と、
前記表示した認証入力パターンの部分の指定の入力を順次受け付け、受け付けた内容に応じた認証情報を生成する認証情報入力手段と、
前記認証情報入力手段が生成した認証情報を、前記情報共有表示装置に送信する認証情報送信手段と
を具備することを特徴とする端末装置。
【請求項7】
前記認証入力パターンを表す情報を前記情報共有表示装置から受信する認証入力パターン受信手段を具備し、
前記表示手段は、前記認証入力パターンを表す情報に基づき、前記認証入力パターンを表示することを特徴とする請求項6に記載の端末装置。
【請求項8】
前記認証情報入力手段は、前記表示手段が認証入力パターンを表示する領域を検出領域に含むタッチパネルインターフェースを具備し、前記表示手段が表示させた認証入力パターンの表示領域のうち触れられた領域を順次検出し、この検出内容に基づき認証情報を生成することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の端末装置。
【請求項9】
情報共有表示装置により認証されることにより前記情報共有表示装置から受信した情報に基づき情報共有用の画像を表示する端末装置において、
前記情報共有表示装置が表示した色または図形による認証パターンに基づく音声の入力を受け付け、該受け付けた音声を音声認識して認証情報を生成する認証情報入力手段と、
前記認証情報入力手段が生成した認証情報を、前記情報共有表示装置に送信する認証情報送信手段と
を具備することを特徴とする端末装置。
【請求項10】
情報共有表示装置により認証されることにより前記情報共有表示装置から受信した情報に基づき情報共有用の画像を表示する端末装置が具備するコンピュータを、
認証情報を入力するための画像である色または図形による認証入力パターンを表示する表示手段、
前記表示された認証入力パターンの部分の指定の入力を順次受け付け、受け付けた内容に応じた認証情報を生成する認証情報入力手段、
前記認証情報入力手段が生成した認証情報を、前記情報共有表示装置に送信する認証情報送信手段
として機能させるプログラム。
【請求項11】
情報共有表示装置により認証されることにより前記情報共有表示装置から受信した情報に基づき情報共有用の画像を表示する端末装置が具備するコンピュータを、
前記情報共有表示装置が表示した色または図形による認証パターンに基づく音声の入力を受け付け、該受け付けた音声を音声認識して認証情報を生成する認証情報入力手段、
前記認証情報入力手段が生成した認証情報を、前記情報共有表示装置に送信する認証情報送信手段
として機能させるプログラム。
【請求項12】
端末装置を認証し、認証した前記端末装置に情報共有用の画像を表示する情報共有表示装置と、前記端末装置とを具備する情報共有表示システムにおいて、
前記情報共有表示装置は、
色または図形の少なくとも一方による認証パターンを指定する画像を表示する表示手段と、
前記端末装置から認証情報を受信する認証情報受信手段と、
前記認証情報と前記認証パターンを表す情報とから、前記端末装置にて前記認証パターンが入力されたか否かを判定することで、前記他の情報共有表示装置の認証可否を判定する認証照合手段と
を具備し、
前記端末装置は、
認証情報の入力を受け付ける認証情報入力手段と、
前記認証情報入力手段が受け付けた認証情報を、前記情報共有表示装置に送信する認証情報送信手段と
を具備することを特徴とする情報共有表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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