説明

情報再生装置

【課題】 情報記録媒体に記録されているアドレス情報を正確に再生できる情報再生装置を提供することにある。
【解決手段】 一実施形態に係る情報再生装置は、所定距離だけ離間して配置されたアドレスマークを有し、前記所定距離に応じたアドレス情報を保持するアドレスマーク列が形成されている情報記録媒体と、レーザ光を発生する光源と、前記レーザ光を分岐して第1及び第2の光ビームを生成し、当該第1及び第2の光ビームを異なる方向から前記アドレスマーク列に照射する照射部とを備える。この情報再生装置は、前記第1及び第2の光ビームによる前記アドレスマーク列からの第1及び第2の反射光ビームを受光して、画像情報を出力する光検出器と、前記画像情報に基づいて、前記アドレス情報を再生する演算部とをさらに備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報記録媒体に記録されているアドレス情報を再生する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
大容量のデータを記録可能な情報記録再生装置として、例えば、ホログラフィック記録再生装置がある。ホログラフィック記録再生装置は、情報記録媒体としてのホログラフィックストレージ媒体を備え、このホログラフィックストレージ媒体の内部で、記録情報が重畳された情報光ビームと参照光ビームとを干渉させることにより、ホログラフィックストレージ媒体に干渉縞が形成される。ホログラフィックストレージ媒体では、干渉縞(ホログラム)が記録情報として保持される。
【0003】
このような情報記録再生装置では、情報記録時及び情報再生時に、情報記録媒体に予め記録されているアドレス情報が再生され、情報記録媒体の目的位置に光ビームが照射されるように、アドレス情報に基づいて光ビームの照射位置が制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−192343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光ビームの照射位置の制御においては、情報記録媒体に記録されているアドレス情報を正確に再生する必要がある。本開示は、上記課題を解決するためになされたものであり、情報記録媒体に記録されているアドレス情報を正確に再生することができる情報再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る情報再生装置は、所定距離だけ離間して配置されたアドレスマークを有し、前記所定距離に応じたアドレス情報を保持するアドレスマーク列が形成されている情報記録媒体と、レーザ光を発生する光源と、前記レーザ光を分岐して第1及び第2の光ビームを生成し、当該第1及び第2の光ビームを異なる方向から前記アドレスマーク列に照射する照射部とを備える。この情報再生装置は、前記第1及び第2の光ビームによる前記アドレスマーク列からの第1及び第2の反射光ビームを受光して、画像情報を出力する光検出器と、前記画像情報に基づいて、前記アドレス情報を再生する演算部とをさらに備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施形態に係るホログラフィック記録再生装置であって、情報再生時の光ビームの軌跡を示す概略図である。
【図2】図1に示した情報記録媒体に関連する光ビームの軌跡を示す概略図である。
【図3】実施形態に係るホログラフィック記録再生装置であって、情報再生時の光ビームの軌跡を示す概略図である。
【図4】図3に示した情報記録媒体に関連する光ビームの軌跡を示す概略図である。
【図5】図1に示した情報記録媒体を概略的に示す断面図である。
【図6】図5のアドレスマーク列からの反射光ビームの軌跡を示す概略図である。
【図7】図5のアドレスマーク列に割り当てられるアドレス情報の一例を示す概略図である。
【図8】図5のアドレスマーク列に割り当てられるアドレス情報の他の例を示す概略図である。
【図9】図5のアドレスマーク列に割り当てられるアドレス情報のさらに他の例を示す概略図である。
【図10】図5に示した光検出器で取得されるアドレスマーク像を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、必要に応じて図面を参照しながら、実施形態に係る情報再生装置を説明する。本実施形態では、情報再生装置が、情報記録媒体としてのホログラフィックストレージ媒体を備えるホログラフィック記録再生装置である例を説明する。
【0009】
図1は、本実施形態に係るホログラフィック記録再生装置を概略的に示している。図1には、このホログラフィック記録再生装置が備える各種光学系のうちの情報記録時に利用される光学系が示されている。図1に示されるように、ホログラフィック記録再生装置は、情報記録媒体100としてのホログラフィックストレージ媒体を備え、このホログラフィックストレージ媒体は、例えば、ディスク状に形成されている。情報記録媒体100は、3次元方向に移動可能及び回転可能(例えば、y軸周りに回転可能)に駆動機構140によって支持されている。また、情報記録媒体100には、情報記録媒体100上の絶対位置(番地)を示すアドレス情報がアドレスマーク列150によって記録されている。図1において、1つのアドレスマーク列150が示されているが、実際には、情報記録媒体100上の所定領域の各々にアドレスマーク列が配置される。
【0010】
図1のホログラフィック記録再生装置は、光ビームを発生する光源101を備え、この光源101で発生された光ビームは、コリメートレンズ102に向けられる。本実施形態では、光源101は、半導体レーザと外部の共振器とを組み合わせて使用してレーザ光を発生する外部共振器付レーザ(ECLD:External Cavity Laser Diode)であり、出力するレーザ光の発振波長及び強度等を変更可能である。
【0011】
光源101で発生されたレーザ光は、コリメートレンズ102によって平行光線に整形され(コリメートされ)、λ/2板(HWP:Half-Wave Plate)103を経由して偏光ビームスプリッタ104に入射する。λ/2板103は、入射したレーザ光の偏光方向を調整する。偏光ビームスプリッタ104は、入射したレーザ光を情報光ビーム及び参照光ビームに分岐する。より具体的には、λ/2板103を通過したレーザ光のS偏光成分は、偏光ビームスプリッタ104の反射面で反射され、情報光ビームとして偏光ビームスプリッタ105に向けられ、このレーザ光のP偏光成分は、偏光ビームスプリッタ104を透過し、参照光ビームとしてハーフミラー114に向けられる。
【0012】
偏光ビームスプリッタ104からの情報光ビームは、偏光ビームスプリッタ105の反射面で反射され、λ/4板(QWP:Quater-Wave Plate)106を経由して空間光変調器(SLM:Spatial Light Modulator)107に入射する。空間光変調器107は、入射した情報光ビームをページデータに変調するとともに、λ/4板106に向けて反射する。λ/4板106を通過した変調情報光ビームは、偏光ビームスプリッタ105への入射時とは直交する偏光を有する情報光ビームとなり、その結果、偏光ビームスプリッタ105を透過する。
【0013】
偏光ビームスプリッタ105を透過した変調情報光ビームは、レンズ108、開口109、ミラー110、レンズ111及び立ち上げミラー112を経由して、対物レンズ113に入射する。レンズ108は、偏光ビームスプリッタ105を透過した情報光ビームを集光する。開口109は、偏光ビームスプリッタ105により集光された情報光ビームの焦点付近での通過光サイズを制限することによって、情報記録媒体100上での情報光ビームのスポットサイズを制御する。開口109を通過した情報光ビームは、ミラー110によってレンズ111へ向けて反射され、レンズ111によってコリメートされ、立上げミラー112によって対物レンズ113に導かれる。対物レンズ113は、情報記録媒体100内の記録位置に焦点を合わせて情報光ビームを照射する。
【0014】
一方、偏光ビームスプリッタ104を透過した参照光ビームは、ハーフミラー114によって一定比率で分岐される。ハーフミラー114で反射された参照光ビームは、第1の参照光ビームとして情報記録媒体100内の前記情報光ビームと同じ位置に照射される。また、ハーフミラー114を透過した参照光ビームは、ミラー115によって反射されて、第2の参照光ビームとして情報記録媒体100の前記情報光ビームと同じ位置に照射される。ハーフミラー114及びミラー115は、入射した光ビームを分割して2つの分割光ビームを生成し、生成した2つの分割光ビームを情報記録媒体100に導く照射部116として機能する。第1及び第2の参照光ビームは、夫々、異なる角度を持って、情報光ビームが焦点を結ぶ情報記録媒体100内の略同一位置に照射される。
【0015】
照射部116と情報記録媒体100との間にはシャッター118が設けられ、このシャッター118は、情報記録時及び情報再生時において、第1及び第2の参照光ビームのいずれか一方を選択的に遮光する。
【0016】
本実施形態では、照射部116から情報記録媒体100に向けて照射される2つの光束(即ち、第1及び第2の参照光ビーム)を利用して、情報記録媒体100に記録されているアドレス情報が再生される。制御部130は、ページデータを情報記録媒体100に書き込む際には、ページデータを記録すべき情報記録媒体100の位置に情報光ビームと第1又は第2の参照光ビームとが照射されるように、アドレス情報に基づいて情報記録媒体100の位置を制御する。また、制御部130は、情報記録媒体100からページデータを読み出す際には、ページデータが記録されている情報記録媒体100の位置に第1又は第2の参照光ビームが照射されるように、アドレス情報に基づいて情報記録媒体100の位置を制御する。
【0017】
アドレス情報を再生する際には、シャッター118を使用せずに、第1及び第2の参照光ビームは、情報記録媒体100内に形成されている同一のアドレスマーク列150に同時に照射される。アドレスマーク列150は、互いに所定距離だけ離間して配置された複数の微小なアドレスマークを有し、各アドレスマークは、高い反射率で光ビームを反射する材料で作られている。従って、アドレスマーク列150に照射された第1及び第2の参照光ビームの一部が各アドレスマークで反射される。第1及び第2の参照光ビームによるアドレスマーク列150からの第1及び第2の反射光ビームは、夫々アドレスマークの数と同じ数の光束を持つ。アドレスマーク列150からの第1及び第2の反射光ビームは、光検出器117によって検出される。光検出器117は、例えば、CCDイメージセンサ及びCMOSイメージセンサ等の受光素子が2次元的に配列されているエリアセンサである。光検出器117は、第1及び第2の反射光ビームを検出し、検出信号としての画像情報を制御部130に送出する。
【0018】
制御部130では、光検出器117からの画像情報は、演算部131に入力される。演算部131は、光検出器117からの画像情報に基づいてアドレス情報を再生して駆動信号生成部132に送出する。駆動信号生成部132は、アドレス情報に基づいて駆動信号を生成して、駆動機構140に送出する。駆動機構140は、駆動信号に従って情報記録媒体100を変位させる。
【0019】
さらに、図1のホログラフィック記録再生装置は、他の光検出器119を備え、この光検出器119は、情報記録媒体100に記録されているページデータを再生する際に使用される。この光検出器119は、例えば、CCDイメージセンサ及びCMOSイメージセンサ等の受光素子が2次元的に配列されたエリアセンサである。
【0020】
次に、情報記録媒体100に情報(ページデータ)を記録する動作を説明する。
図1に示されるように、光源101から射出されたレーザ光は、コリメートレンズ102によってコリメートされる。コリメートされたレーザ光は、λ/2板103を透過し、偏光ビームスプリッタ104に入射する。この偏光ビームスプリッタ104に入射したレーザ光は、2系統に分岐される。より具体的には、レーザ光のP偏光成分は、偏光ビームスプリッタ104を透過し、そのS偏光成分は、偏光ビームスプリッタ104で反射される。
【0021】
偏光ビームスプリッタ104によって反射されたS偏光成分は、情報記録用の情報光ビームとなる。また、偏光ビームスプリッタ104を透過したP偏光成分は、情報記録用の参照光ビームとなる。この情報光ビームと参照光ビームとの光量比は、λ/2板103の回転角により調整することができる。
【0022】
偏光ビームスプリッタ104で反射された情報光ビーム(図1において下方向に分岐した光束)は、第2の偏光ビームスプリッタ105に入射する。偏光ビームスプリッタ105によって反射された情報光ビームは、λ/4板106を透過し、空間光変調器107に照射される。空間光変調器107は、入射された情報光ビームの波面に対して、ページデータに対応した変調を施した上で、この情報光ビームを反射する。一例として、空間光変調器107は、マトリクス状に配列された複数の画素を有する反射型空間光変調器である。この例では、図示しない処理装置において、情報記録媒体100に記録すべきユーザデータが符号化処理等によって2次元の画像データであるページデータに変換され、このページデータが空間光変調器107に入力されて表示される。空間光変調器107は、画素毎に反射光ビームの方向を変えることにより、或いは、画素毎に反射光ビームの偏光方向を変えることにより情報光ビームを空間的に変調する。このように、空間光変調器107において、情報光ビームには、記録すべき情報が2次元パターンとして付与される。
【0023】
空間光変調器107で変調された情報光ビームは、λ/4板106を介して偏光ビームスプリッタ105へ戻される。この変調情報光ビームは、再びλ/4板106を透過することで、偏光ビームスプリッタ105への入射時とは直交する偏光を有することとなり、その結果、偏光ビームスプリッタ105を透過する。偏光ビームスプリッタ105を透過した情報光ビームは、レンズ108によって集光され、その焦点付近に配置された開口109、及びミラー110を介してレンズ111に入射される。このレンズ111によって、情報光ビームは、再びコリメートされる。開口109は、情報光ビームの情報記録媒体100上でのスポットサイズを制限するための素子である。レンズ111を通過した情報光ビームは、立上げミラー112によって、図1において紙面垂直方向を上方として斜め上方に向けて、即ち、対物レンズ113に向けて反射される。対物レンズ113は、情報記録媒体100内の記録層(図5に示される)に焦点を結ぶように情報光ビームを照射する。
【0024】
一方、偏光ビームスプリッタ104を透過した参照光ビームは、ハーフミラー114で反射される第1の参照光ビーム、及びハーフミラー114を透過する第2の参照光ビームに分岐される。ハーフミラー114を透過した第2の参照光ビームは、さらにミラー115で反射され、情報記録媒体100に導かれる。シャッター118は、第1及び第2の参照光ビームのいずれか一方を遮光する。シャッター118によって遮光されない一方の参照光ビームは、情報記録媒体100内の情報光ビームと略同一位置に照射される。より詳細には、情報記録媒体100へのページデータの記録時には、第1及び第2の参照光ビームのいずれか一方は、シャッター118によって常に遮光される。従って、情報記録媒体100内では、第1の参照光ビーム及び情報光ビーム、若しくは、第2の参照光ビーム及び情報光ビームが同時に照射される。これにより、情報記録媒体100には、情報光ビームと第1の参照光ビームとの干渉縞若しくは情報光ビームと第2の参照光ビームとの干渉縞に応じた屈折率変化がページデータとして記録される。
【0025】
図1に示されるホログラフィック記録再生装置においては、第1及び第2の参照光ビームを2つの光路を通って異なる角度で情報記録媒体100に照射することにより、この2つの角度で情報記録媒体100内の略同一位置にページデータを多重記録することができる。なお、これとは別に、情報記録媒体100を図1に示されるy軸周りに回転(θy回転)させることにより、角度多重記録することもできる。さらに、情報記録媒体100を図1に示されるx及びy軸方向に並進移動させてページデータを記録するシフト記録を行なうこともできる。このようにして、情報記録媒体100内の所定位置にページデータが記録される。
【0026】
次に、情報記録媒体100からアドレス情報を取得する動作を説明する。
【0027】
光源101から放射されたレーザ光は、コリメートレンズ102に向けられる。このレーザ光は、例えば、中心波長が405nmの光ビームである。上述したように、コリメートされたレーザ光は、λ/2板103を経由して、偏光ビームスプリッタ104に入射する。偏光ビームスプリッタ104では、レーザ光は2系統に分岐される。より具体的には、レーザ光のP偏光成分は、偏光ビームスプリッタ104を透過し、そのS偏光成分は、偏光ビームスプリッタ104で反射される。偏光ビームスプリッタ104を透過したP偏光成分は、アドレス情報再生用の参照光ビームとなる。偏光ビームスプリッタ104によって反射されたS偏光成分は、アドレス情報再生時には使用されない。
【0028】
偏光ビームスプリッタ104を透過した参照光ビームは、照射部116に向けられる。照射部116は、入射した参照光ビームを2つの光束、即ち、第1及び第2の参照光ビームに分岐する。照射部116からの第1及び第2の参照光ビームは、互いに異なる角度を持って情報記録媒体100に入射し、情報記録媒体100内のアドレスマーク列150によって夫々反射される。このため、第1及び第2の参照光ビームの各々から異なる第1及び第2の反射光ビームが生成される。アドレスマーク列150からの反射光ビームは、図2に示されるように、対物レンズ113付近に配置された光検出器117に照射される。情報記録媒体100で反射された第1及び第2の参照光ビームは、情報光ビームとは異なる光路を通って光検出器117に入射されることになる。図2において、第1及び第2の参照光ビームは、重なって表示されている。
【0029】
光検出器117は、アドレスマーク列150からの第1及び第2の反射光ビームを受光し、複数のアドレスマーク像を取得する。アドレスマーク像の画像情報は、演算部131に送出される。
【0030】
演算部131は、受け取った画像情報からアドレス情報を再生する。演算部131によって再生されたアドレス情報は、駆動信号生成部132に送られる。駆動信号生成部132は、アドレス情報を適宜処理する。例えば、再生されたアドレス情報に示されるアドレス(現アドレス)と異なるアドレス(目的アドレス)に情報記録媒体100を移動させる場合、駆動信号生成部132は、現アドレスと目的アドレスとの差異に応じた駆動信号を生成し、駆動機構140へ送出する。
【0031】
駆動機構140は、情報記録媒体100の任意の位置に第1及び第2の参照光ビームを照射するために、情報記録媒体100の位置制御が可能なように情報記録媒体100に物理的に接続されている。駆動機構140は、駆動信号に従って情報記録媒体100を変位させ、情報記録媒体100を所望のアドレス位置に位置決めする。位置決め後に、さらにアドレス情報が再生されたときは、上述した動作が繰り返される。演算部131が光検出器117からの画像情報に基づいてアドレス情報を再生する仕組みについては後述する。
【0032】
なお、本実施形態では、情報記録媒体100にページデータを記録及び再生するための光源101及び光学系を利用して、アドレス情報を再生する例を説明したが、これに限らず、アドレス情報を再生するための専用の光源及び光学系が用意されてもよい。また、光源101からのレーザ光を照射部116で分岐して2つの光束を生成し、これらの2つの光束を異なる角度から情報記録媒体100に照射する例を説明したが、これに限定されず、2つの光源(例えば、半導体レーザ)を用意し、これら2つの光源で発生した光ビームを、互いに異なる角度を持って情報記録媒体100の略同一位置に照射するようにしてもよい。
【0033】
さらに、アドレス情報を取得する際には、シャッター118が第1及び第2の参照光ビームのいずれも遮光しない状態、即ち、第1及び第2の参照光ビームが情報記録媒体100に同時に照射されてもよく、或いは、情報の記録時と同様に第1及び第2の参照光ビームいずれか一方をシャッター118で常に遮光してもよい。ただし、遮光する場合には、演算部131は、第1及び第2の参照光ビームの光検出器117上での反射光像から得られる位置情報を、その内部のメモリ(図示せず)に記憶しておき、アドレス情報の算出時に使用する。
【0034】
次に、図3及び図4を参照して、情報記録媒体100からページデータを再生する動作を説明する。
図3は、本実施形態に係るホログラフィック記録再生装置が備える各種光学系のうちの情報再生時に利用される光学系を概略的に示している。図4は、図3に示した情報記録媒体100に関連する光ビームの軌跡を模式的に示している。図3及び図4において、図1及び図2に示した符号と同様の符号を同一部分、同一箇所に付してその説明を省略する。
【0035】
図3に示される情報格納装置は、図1に示される要素に加えて、情報再生用として、シャッター120、λ/4板121、再生用ミラー123、λ/4板122及び再生用ミラー124をさらに備えている。シャッター120は、偏光ビームスプリッタ104からの情報光ビームを遮光する。光検出器119は、偏光ビームスプリッタ105で反射される再生信号としての再生光ビームを検出する。λ/4板121及び再生用ミラー123は、図4に示されるように、一体的に形成され、情報記録媒体100を透過した第1の参照光ビームを反射して情報記録媒体100に導くように配置される。同様に、λ/4板122及び再生用ミラー124は、一体的に形成され、情報記録媒体100を透過した第2の参照光ビームを反射して情報記録媒体100に導くように配置される。
【0036】
図3に示されるように、光源101からのレーザ光は、偏光ビームスプリッタ104によって2系統に分岐される。再生時には、偏光ビームスプリッタ104で反射された情報光ビームは、使用されないため、シャッター120によって遮光される。
【0037】
一方、偏光ビームスプリッタ104を透過した参照光ビームは、記録時と同様にして、情報再生用光ビームとして第1及び第2の参照光ビームに分岐される。ハーフミラー114で反射された第1の参照光ビームは、図4に示されるように、情報記録媒体100を透過し、λ/4板121をさらに透過して再生用ミラー123で反射される。再生用ミラー123で反射された第1の情報光ビームは、再度λ/4板121を逆方向に透過し、読み出し対象の情報が記録された情報記録媒体100内の所定位置に照射される。同様に、ミラー115で反射された第2の参照光ビームは、情報記録媒体100を透過し、λ/4板122をさらに透過して再生用ミラー124で反射され、再度λ/4板122を逆方向に透過し、読み出し対象の情報が記録された情報記録媒体100内の所定位置に照射される。アドレス情報の生成に使用される第1及び第2の参照光ビームの光路は、図2を参照して説明した記録時と全く同じである。
【0038】
本実施形態は、いわゆる位相共役再生方式を利用したホログラフィックストレージ装置である。図4に示されるように、再生用ミラー123又は再生用ミラー124で反射された反射光ビームが情報記録媒体100に照射される。これにより、情報記録媒体100に記録されたページデータに基づく情報光ビーム(以下、再生光ビームと称する)が読み出されて、対物レンズ113へ入射される。具体的には、情報記録媒体100に記録された干渉パターンに参照光ビーム(第1の参照光ビーム又は第2の参照光ビーム)が照射され、干渉パターンからの回折像が再生光ビームとして取り出される。
【0039】
対物レンズ113を透過した再生光ビームは、立上げミラー112を記録時とは逆方向に反射され、図3に示されるように、レンズ111、ミラー110、開口109、レンズ108を順に通過する。レンズ108を透過して平行光線となった再生光ビームは、偏光ビームスプリッタ105で反射され、光検出器119に照射される。光検出器119は、情報記録媒体100から読み出された再生光ビームを受光して、ページデータ画像を取得する。ページデータ画像は、図示しない処理部へ送出され、この処理部でページデータ画像からページデータが再生される。
【0040】
なお、情報再生時には、第1及び第2の参照光ビームのいずれか一方がシャッター118によって常に遮光される。情報記録媒体100上では、第1の参照光ビーム又は第2の参照光ビームが読み出し対象の情報(ページデータ)が記録された情報記録媒体100内の位置に照射される。即ち、第1の参照光ビームの照射により、第1の参照光ビーム及び情報光ビームによって記録されたページデータが再生され、第2の参照光ビームの照射により、第2の参照光ビーム及び情報光ビームによって記録されたページデータが再生される。
【0041】
上述したように、本実施形態では、2つの異なる方向から情報記録媒体100内の略同一位置に2つの光束を照射し、情報記録媒体100内のアドレスマーク列150からの反射光ビームを検出することで、アドレス情報を取得することができる。
【0042】
図5は、アドレスマーク列150が形成されている情報記録媒体100の断面図である。情報記録媒体100は、図5に示されるように、情報を記録する記録媒体(記録層ともいう)500が透明基板510及び透明基板520によって上下から挟まれた積層構造を有している。これらの各々の厚さは、特に制限されるものではないが、一例として、透明基板510及び透明基板520の厚さは、夫々0.5mmであり、記録媒体500の厚さは、1.5mmである。情報記録媒体100の平面形状、即ち、図5の矢印A方向から見た情報記録媒体100の形状は、図1及び図3に示したように、例えば、直径12cmの円形である。
【0043】
記録媒体500及び透明基板520の境界面には、アドレスマーク層530が形成されている。このアドレスマーク層530には、光ビームを反射する複数のアドレスマークを有するアドレスマーク列150が形成されている。
【0044】
なお、アドレスマーク層530は、透明基板510及び記録媒体500の境界面に形成されてもよく、記録媒体500の内部に形成されてもよい。或いは、アドレスマーク層530は、情報記録媒体100の外周面に、即ち、透明基板510の表面又は透明基板520の表面に形成されてもよい。いずれの場合にも、同一の効果を得ることができる。
【0045】
また、情報記録媒体100は、図1及び図3に示される円形状に限らず、正方形、長方形、楕円、多角形等の任意の形状に形成されてもよい。
【0046】
図6は、情報記録媒体100内のアドレスマーク列150によって反射された光ビームの軌跡を概略的に示している。図6では、第1及び第2の参照光ビームは、下側の透明基板510の表面から入射し、記録媒体500を透過し、アドレスマーク層530の略同一位置に照射される。そして、第1及び第2の参照光ビームの一部がアドレスマーク層530に形成されているアドレスマーク150a、150bにおいて反射される。アドレスマーク150a、150bからの反射光ビームは、記録媒体500、透明基板510の順に透過し、光検出器117のセンサ面に入射する。
【0047】
アドレスマーク150a、150bは、例えば、アルミニウム薄膜又は銀合金薄膜によって構成された微小なマークである。アドレスマーク150a、150bは、反射率が高い材料、例えば、光ビームを反射率80%以上で反射する材料で作られる。アドレスマーク層530には、このようなアドレスマーク150a、150bから構成されるアドレスマーク列150が設けられ、アドレスマーク列150では、アドレスマーク150a、150bが互いに所定の距離だけ離間して配置されている。アドレスマーク列150は、アドレスマーク150a、150bの配置に応じたアドレス情報を保持している。
【0048】
図6では、2つの円形のアドレスマーク150a、150bがある間隔dだけ離間している。アドレスマーク150a,150bの直径は、例えば、50μmであり、間隔dは、例えば、0.5mmである。第1及び第2の参照光ビームの各々は、略同一の断面径を有し、アドレスマーク層530において2つのアドレスマーク150a、150bを照射光束中に捕捉する。第1及び第2の参照光ビームが同時に2つのアドレスマーク150a、110bをその照射光束中に捕捉した場合、アドレスマーク150a、150bからの反射光ビームは、第1の参照光ビームから2個、第2の参照光ビームから2個、合わせて4個の反射光ビームとなり、光検出器117のセンサ面に入射されることになる。
【0049】
次に、情報記録媒体100内のアドレスマーク列150からの反射光ビームから得られる画像情報に基づいて、アドレス情報を算出する方法を具体的に説明する。
【0050】
図7は、アドレス情報をアドレスマーク列150に割り当てる一例を示している。図7では、2つのアドレスマーク150a、150bを有するアドレスマーク列150に対して2ビットのアドレス情報を付与する例が示されている。アドレス情報は、アドレスマーク150aの中心とアドレスマーク150bの中心との間の距離dに付与される。一例として、2つのアドレスマーク150a、150bの間の距離dがDであるアドレスマーク列には、アドレス情報として“00”が割り当てられる。即ち、2つのアドレスマーク150a、150bの間の距離dがDであるアドレスマーク列は、アドレス情報“00”を保持する。本実施形態では、距離Dを基準として距離dが一定値Δだけ増大するごとに、アドレス情報が1インクリメントされる。即ち、2つのアドレスマーク150a、150b間の距離dがD+Δであるアドレスマーク列は、アドレス情報“01”を保持し、2つのアドレスマーク150a、150bの間の距離dがD+2×Δであるアドレスマーク列は、アドレス情報“10”を保持し、2つのアドレスマーク150a、150bの間の距離dがD+3×Δであるアドレスマーク列は、アドレス情報“11”を保持する。
【0051】
このように、アドレスマーク間の距離に応じたアドレス情報がアドレスマーク列150に割り当てられる。従って、アドレスマーク列150からの反射光ビームを検出して、アドレスマーク間の距離dを計測することで、アドレス情報を取得することができる。
【0052】
なお、アドレス情報は、2ビットの情報である例に限らず、3ビット以上の情報であってもよい。一例では、4ビットのアドレス情報がアドレスマーク列に付与されてもよい。この場合、アドレスマーク間の距離dが16段階に設定される。他の例では、アドレスマーク間の距離dを1024段階に設定することにより、アドレスマーク列に10ビットのアドレス情報が付与されてもよい。
【0053】
また、アドレス情報は、情報記録媒体100上の位置を識別するための番地情報以外の情報を含んでもよい。一例として、10ビットのアドレス情報では、先頭の6ビットが番地情報に使用され、残りの4ビットがエラー訂正用のパリティデータに使用されてもよい。
【0054】
さらに、図7では2つのアドレスマーク150a、150bを有するアドレスマーク列150にアドレス情報を付与する例が示されているが、これに限らず、3つ以上のアドレスマークを有するアドレスマーク列にアドレス情報が付与されてもよい。図8には、3つのアドレスマーク150a、150b、150cにアドレス情報を割り当てる一例が示されている。この例では、アドレス情報は、アドレスマーク150aの中心とアドレスマーク150bの中心との間の距離d1、及びアドレスマーク150bの中心とアドレスマーク150cの中心との間の距離d2に付与される。これらの距離d1、d2の各々に対して、図6に示した方法で、2ビットのアドレス情報を独立に付与することにより、アドレスマーク列150に4ビットのアドレス情報を保持させることができる。図8では、d1=Dであり、d2=D+3×Δであるので、アドレスマーク列150は、アドレス情報“0011”を保持している。
【0055】
このように、アドレスマーク列150が3以上のアドレスマークを有する場合、より多くのビット数のアドレス情報がアドレスマーク列150に割り当てられることができる。この場合、アドレスマーク列150からの反射光ビームを検出して、3つのアドレスマークから2つの距離d1、d2を計測することで、アドレス情報を取得することができる。
【0056】
なお、アドレスマーク列150が3以上のアドレスマーク150a、150b、150cを有する場合にも、距離d1、d2の各々に対して付与されるアドレス情報のビット数は2に限らず、3ビット以上であってもよい。
【0057】
アドレスマーク列が3つのアドレスマークを有する他の例では、アドレスマークが2次元的に配置される。図9は、2次元的に配置されているアドレスマーク150a、150b、150cを有するアドレスマーク列が保持するアドレス情報の一例を示している。図9では、アドレスマーク150b及びアドレスマーク150cは、アドレスマーク150aから見て、アドレスマーク層530の面内で異なる方向に配置されている。この例では、アドレス情報は、アドレスマーク150aの中心とアドレスマーク150bの中心との間の距離d1、及びアドレスマーク150aの中心とアドレスマーク150cの中心との間の距離d3に付与される。これらの距離d1、d3の各々に対して、図6に示した方法で、2ビットのアドレス情報を独立に付与することにより、アドレスマーク列150に4ビットのアドレス情報を持たせることができる。図9では、d1=Dであり、d3=D+3×Δであるので、アドレスマーク列150は、アドレス情報“0011”を保持している。
【0058】
このように、アドレスマーク列150は、アドレスマークの配置に応じたアドレス情報を保持しており、アドレスマーク列150からの反射光ビームを検出して、3つのアドレスマークから2つの距離d1、d3を計測することで、アドレス情報を取得することができる。
【0059】
なお、アドレスマーク列150が3以上のアドレスマーク150a、150b、150cを有し、これらのアドレスマーク150a、150b、150cがアドレスマーク層530の面内に2次元的に配置されている場合にも、距離d1、d2の各々に対して付与されるアドレス情報のビット数は2に限らず、3ビット以上であってもよい。
【0060】
また、アドレスマーク150aとアドレスマーク150bとを結ぶ第1ベクトルと、アドレスマーク150aとアドレスマーク150cとを結ぶ第2ベクトルとがなす角度が略90度である例が示されているが、これに限定されず、例えば、第1ベクトルと第2ベクトルがなす角度が45度又は60度等となるように、アドレスマーク150a、150b、150cが配置されてもよい。
【0061】
図10は、光検出器117で取得されたアドレスマーク像を概略的に示している。図10では、第1及び第2の参照光ビームの光束中に2つのアドレスマーク150a、150bが捕捉された例が示されている。アドレスマーク像910a、910bは、夫々、第1の参照光ビームによるアドレスマーク150a、150bの反射光像であり、アドレスマーク像920a、920bは、夫々、第2の参照光ビームによるアドレスマーク150a、150bの反射光像である。このように、情報記録媒体100上の2つのアドレスマーク150a、150bは、光検出器117において、各々2つのアドレスマーク像として検出される。演算部131は、アドレスマーク像の画像情報から、アドレスマーク像910aの中心とアドレスマーク像910bの中心との間の距離e1、及びアドレスマーク像920aの中心とアドレスマーク像920bの中心との間の距離e2を検出する。このように、光検出器117で取得された画像情報からは、測定対象である2つのアドレスマーク150a、150bに対して、2つの距離e1、e2が検出される。
【0062】
演算部131は、まず、光検出器117からの出力画像から2つの距離e1、e2を計測し、数式(1)のように、その平均値eaveを距離測定結果eとして算出する。
【数1】

【0063】
情報記録媒体100でのアドレスマーク150a、150b間の距離dと、演算部131で算出された距離測定結果eは、理論的に必ずしも一致するものではなく、光検出器117のセンサ面と情報記録媒体100のアドレスマーク層530の相対角度に応じて変化する。即ち、変換係数をkとすると、アドレスマーク間の距離dと距離測定結果eの関係は、数式(2)で表される。
d=k×e (2)
次に、演算部131は、算出した距離測定結果eに対して数式(2)の演算を適用して、アドレスマーク150a、150b間の距離dを算出する。演算部は、算出したアドレスマーク150a、150b間の距離dに基づいて、アドレスマーク列150が保持しているアドレス情報を取得する。演算部131は、アドレスマーク150a、150b間の距離dが、値D、D+Δ、D+2×Δ、D+3×Δのうちのいずれに最も近いかを判定する。演算部131は、算出された距離dが値Dに最も近ければ、アドレス情報“00”を出力し、値D+Δに最も近ければ、アドレス情報“01”を出力し、値D+2×Δに最も近ければ、アドレス情報“10”を出力し、値D+3×Δに最も近ければ、アドレス情報“11”を出力する。
【0064】
なお、演算部131は、上述した単純な平均値演算によって距離e1、e2から距離測定結果eを算出する例に限定されず、他の数学演算式を使用して距離測定結果eを算出してもよい。例えば、演算部131は、数式(3)に示す重み付け平均値ewa或いは数式(4)に示す二乗和平方根erssを距離測定結果eとして算出してもよい。
【数2】

【0065】
【数3】

【0066】
また、上述したように、アドレスマーク150a、150b間の距離dとアドレスマーク像間の距離e1、e2の関係は、光検出器117のセンサ面と情報記録媒体100内のアドレスマーク層530の相対角度に依存することから、アドレス情報を再生するときには、光検出器117のセンサ面と情報記録媒体100が常に所定の角度に保たれることが望ましい。
【0067】
発明者らは、本実施形態に従って2つのレーザ光を使用してアドレスマーク間の距離を測定するとともに、比較として、単一のレーザ光を使用してアドレスマーク間の距離を測定している。測定は、2つのレーザ光を使用した場合と単一のレーザ光を使用した場合に対して夫々900回行い、距離測定結果のばらつき(標準偏差)を算出している。この測定結果は、表1に示されている。ここで、情報記録媒体100上でのアドレスマーク間の距離は、1.0mmに設定されている。また、2つのレーザ光を使用する場合の距離測定結果は、数式(1)に従ってアドレスマーク像間の距離の平均値を算出したものである。
【表1】

【0068】
表1から明らかなように、2つの光ビームを使用してアドレスマーク間の距離を推定する方が、単一の光ビームを使用してアドレスマーク間の距離を推定するよりも、距離測定結果のばらつきが小さく、即ち、高精度な測定が可能となっている。
【0069】
以上のように、本実施形態に係る情報再生装置は、互いに異なる方向から情報記録媒体に形成されているアドレスマーク列に2つの光ビームを照射し、アドレスマーク列からの反射光ビームを検出してアドレスマーク間の距離を算出することで、アドレスマーク列が保持しているアドレス情報を正確に再生することができる。
【0070】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0071】
100…情報記録媒体、101…光源、102…コリメートレンズ、103…λ/2板、104,105…偏光ビームスプリッタ、106…λ/4板、107…空間光変調器、108…レンズ、109…開口、110…ミラー、111…レンズ、112…ミラー、113…対物レンズ、114…ハーフミラー、115…ミラー、116…照射部、117…光検出器、118…シャッター、119…光検出器、120…シャッター、121,122…λ/4板、123,124…再生用ミラー、130…制御部、131…演算部、132…駆動信号生成部、140…駆動機構、150…アドレスマーク列、150a,150b…アドレスマーク、500…記録媒体(記録層)、510,520…透明基板、530…アドレスマーク層、910a,910b,920a,920b…アドレスマーク像。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定距離だけ離間して配置されたアドレスマークを有し、前記所定距離に応じたアドレス情報を保持するアドレスマーク列が形成されている情報記録媒体と、
レーザ光を発生する光源と、
前記レーザ光を分岐して第1及び第2の光ビームを生成し、当該第1及び第2の光ビームを異なる方向から前記アドレスマーク列に照射する照射部と、
前記第1及び第2の光ビームによる前記アドレスマーク列からの第1及び第2の反射光ビームを受光して、画像情報を出力する光検出器と、
前記画像情報に基づいて、前記アドレス情報を再生する演算部と、
を具記することを特徴とする情報再生装置。
【請求項2】
前記光検出器は、前記第1及び第2の反射光ビームから夫々取得された第1及び第2アドレスマーク像を前記画像情報として出力し、
前記演算部は、前記第1アドレスマーク像間の第1距離及び前記第2アドレスマーク像間の第2距離を計測し、前記第1及び第2距離に基づいて前記アドレスマーク間の距離を算出し、当該算出したアドレスマーク間の距離から前記アドレス情報を再生することを特徴とする請求項1に記載の情報再生装置。
【請求項3】
前記演算部は、前記第1及び第2距離の平均値を前記アドレスマーク間の距離として算出することを特徴とする請求項2に記載の情報再生装置。
【請求項4】
前記第1及び第2の光ビームは、前記情報記録媒体に情報を書き込むために、且つ、前記情報記録媒体から情報を読み出すために使用されることを特徴とする請求項1に記載の情報再生装置。
【請求項5】
前記情報記録媒体は、ホログラフィックストレージ媒体であることを特徴とする請求項4に記載の情報再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−48799(P2012−48799A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−192600(P2010−192600)
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】