情報処理装置、ウィンドウ表示方法及びプログラム
【課題】テキストがサブウィンドウにより隠れることがない情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置は、入力部2と、表示部3と、電子テキスト41を表示部3に表示するブラウザ部11aと、電子テキスト41が表示されたウィンドウ内にサブウィンドウを表示するポップアップ表示処理部11bを有する。ポップアップ表示処理部11bは、入力部2を通じて指定された文字列の上記ウィンドウ内における表示位置を検出し、該表示位置に隣接する領域に上記サブウィンドウを挿入する。ブラウザ部11aは、上記サブウィンドウが挿入されると、該挿入領域以外の領域に電子テキスト41を表示する。
【解決手段】情報処理装置は、入力部2と、表示部3と、電子テキスト41を表示部3に表示するブラウザ部11aと、電子テキスト41が表示されたウィンドウ内にサブウィンドウを表示するポップアップ表示処理部11bを有する。ポップアップ表示処理部11bは、入力部2を通じて指定された文字列の上記ウィンドウ内における表示位置を検出し、該表示位置に隣接する領域に上記サブウィンドウを挿入する。ブラウザ部11aは、上記サブウィンドウが挿入されると、該挿入領域以外の領域に電子テキスト41を表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子テキストを表示するとともに、その表示されたテキスト中のユーザにより指定された文字列(単語、句、文)に関連する情報(訳や意味、図や表などの関連情報)をサブウィンドウで表示する情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ブラウザが、画面上でカーソルによって指定された単語をキーワードとして抽出し、抽出した単語をサーチエンジンに転送し、サーチエンジンによる検索結果であるポップアップメニューを指定された単語の近傍に表示する装置が記載されている。
【0003】
特許文献2には、電子文書を表示し、予め指定された文字列についての関連情報を、その文字列を含む文全体の表示領域を指定するだけで、ポップアップ表示するポップアップ表示システムが開示されている。ポップアップウィンドウは、指定文字列を含む文が表示されている領域以外の領域に表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−348774号公報
【特許文献2】特開2003−256459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1、2に記載のものはいずれも、ポップアップ表示されたサブウィンドウにより、テキストの一部が隠れてしまうことがある。サブウィンドウにより隠れてしまった部分のテキストは、その状態のままでは読むことはできない。隠れてしまった部分のテキストを読むためには、ポップアップを終了する必要がある。ポップアップ表示された際に、サブウィンドウにより隠れてしまった部分を表示するために、ポップアップを終了する操作を行うことは、ユーザにとって、煩わしく感じる場合がある。
【0006】
また、ポップアップ表示された内容はテキスト本文の理解を深めるのに有効な情報であるにも係らず、テキスト本文を読み進めるためにはポップアップを終了する必要があり、結局、ポップアップ表示された情報を効果的に利用することができない。
【0007】
本発明の目的は、上記問題を解決し、テキストがサブウィンドウにより隠れることがない、情報処理装置、ウィンドウ表示方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の情報処理装置は、入力部と、表示部と、電子テキストを前記表示部に表示するブラウザ部と、前記電子テキストが表示されたウィンドウ内にサブウィンドウを表示するウィンドウ表示処理部を有し、前記ウィンドウ表示処理部が、前記入力部を通じて指定された文字列の前記ウィンドウ内における表示位置を検出し、該表示位置に隣接する領域に予め定められたサイズの前記サブウィンドウを挿入し、前記ブラウザ部が、前記サブウィンドウが挿入されると、該挿入領域以外の領域に前記電子テキストを表示する。
【0009】
本発明のウィンドウ表示方法は、電子テキストを表示部に表示するブラウザ部と、前記電子テキストが表示されたウィンドウ内にサブウィンドウを表示するウィンドウ表示処理部とを有する情報処理装置において行われるウィンドウ表示方法であって、前記ウィンドウ表示処理部が、入力部を通じて指定された文字列の前記ウィンドウ内における表示位置を検出し、該表示位置に隣接する領域に予め定められたサイズの前記サブウィンドウを挿入するステップと、前記ブラウザ部が、前記サブウィンドウが挿入された領域以外の領域に前記電子テキストを表示するステップを含む。
【0010】
本発明のプログラムは、電子テキストを表示部に表示し、該電子テキストが表示されたウィンドウ内にサブウィンドウを表示する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、入力部を通じて指定された文字列の前記ウィンドウ内における表示位置を検出する処理、該表示位置に隣接する領域に予め定められたサイズの前記サブウィンドウを挿入する処理、および該サブウィンドウが挿入された領域以外の領域に前記電子テキストを表示する処理を前記コンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、電子テキストがサブウィンドウにより隠れることはないので、サブウィンドウにより隠れてしまった部分を表示するためのポップアップ終了操作を行う必要がない。したがって、ポップアップ表示の際の、ユーザに強いられるポップアップ終了操作の煩わしさを解消することができる。
【0012】
また、サブウィンドウを表示した状態(ポップアップ表示状態)のままテキスト本文を読み進めたり、読み返したりすることができるので、ポップアップ表示された情報を効果的に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態である情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す情報処理装置の表示制御部によって実行されるポップアップ表示処理の一手順を示すフローチャートである。
【図3】テキスト表示の一例を示す模式図である。
【図4】図3に示すテキスト中の指定文字列に関する関連情報のポップアップ表示の一例を示す模式図である。
【図5】ポップアップ表示の別の例を示す模式図である。
【図6】本発明の第2の実施形態である情報処理装置の表示制御部によって実行されるポップアップ表示処理の一手順を示すフローチャートである。
【図7】テキスト表示領域の最下の位置にポップアップウィンドウを挿入した様子を示す模式図である。
【図8】本発明の第3の実施形態である情報処理装置の表示制御部によって実行されるポップアップ表示処理の一手順を示すフローチャートである。
【図9】リソースの種別に応じたサイズでポップアップウィンドウを表示した様子を示す模式図である。
【図10】2つのポップアップウィンドウが隣接して挿入する場合の表示の一例を示す模式図である。
【図11】2つのポップアップウィンドウが隣接して挿入する場合の表示の他の例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態である情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【0015】
図1に示す情報処理装置は、プログラムに従って動作するコンピュータシステムであって、制御部1、入力部2、表示部3、記憶部4および通信部5を有する。
【0016】
入力部2は、キーボードやマウスなどよりなる。表示部3は、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイに代表される表示装置よりなる。通信部5は、モデム等であって、インターネットに代表されるネットワークを介して外部装置との通信が可能である。
【0017】
記憶部4は、半導体メモリやハードディスク等に代表される記憶装置であって、情報処理装置を動作させるのに必要な各種プログラムやデータが格納されている。リソース情報40および電子テキスト41が記憶部4に格納されている。
【0018】
リソース情報40は、百科事典、科学辞典、英和辞典、和英辞典、Web辞典などの各種の辞書データを含む。Web辞典は、インターネット上で提供されている辞典、例えばフリー百科事典である。電子テキスト41は、小説や科学雑誌等の電子テキストである。なお、プログラムや電子テキスト41は、ネットワークを介して提供されてもよく、また、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)やDVDなどの記録媒体で提供されてもよい。記録媒体を用いる場合は、記録媒体から情報を読み出すためのドライバ装置を情報処理装置に搭載する必要がある。
【0019】
制御部1は、記憶部4に格納されている各種プログラムを実行するとともに、入力部2からの指示信号(ユーザによる入力操作に応じた信号)を受け付けて、必要な処理または制御を行う。制御部1は、情報検索部10および表示制御部11を有する。表示制御部11は、ブラウザ部11aおよびポップアップ表示処理部11bを有する。これら情報検索部10および表示制御部11(ブラウザ部11aおよびポップアップ表示処理部11b)は、プログラムにより実現される機能部である。
【0020】
ブラウザ部11aは、電子テキスト41を表示部3に表示させる。情報検索部10は、表示部3に表示された電子テキスト中のユーザにより指定された文字列(単語、句、文)に関連する情報(訳や意味、図や表などの関連情報)を、リソース情報40から取得する。情報検索部10は、ネットワークを通じて外部リソース源(サーバ等)から関連情報を取得してもよい。ポップアップ表示処理部11bは、情報検索部10で取得した関連情報を表示部3にてポップアップ表示する。なお、ブラウザ部11aが、ポップアップ表示処理部11bによるポップアップ表示処理を行う機能を有していてもよい。
【0021】
本実施形態の情報処理装置では、ブラウザ部11aが、入力部2からの指示信号に応じて、記憶部4(または記録媒体)から小説や科学雑誌等の電子テキスト41を読み出し、その電子テキストを表示部3にて表示させる。
【0022】
ユーザが、入力部2を通じて電子テキスト中の文字列を指定すると、情報検索部10が、その指定された文字列の関連情報をリソース情報40から取得する。そして、ポップアップ表示処理部11bが、指定された文字列の表示領域に隣接する領域にポップアップウィンドウを設定し、そのポップアップウィンドウ内に情報検索部10にて取得した関連情報を表示する。
【0023】
図2は、表示制御部11によって実行されるポップアップ表示処理の一手順を示すフローチャートである。
【0024】
図2を参照すると、ポップアップ表示処理部11bは、指定文字列の関連情報の検索が行われたか否かを判定する(ステップ100)。この判定は、情報検索部10から関連情報を受信したか否かにより行う。
【0025】
関連情報検索が行われた場合は、続いて、ポップアップ表示処理部11bは、指定文字列の表示位置を検出する(ステップ101)。指定文字列の表示位置は、テキストの表示ウィンドウ内における座標データに基づいて検出する。例えば、ブラウザ部11aは、ウィンドウ内における文字等の表示位置を座標データとして管理する。ポップアップ表示処理部11bは、指定文字列の表示位置を、ブラウザ部11aにて管理しているウィンドウ内の座標データに基づいて検出する。
【0026】
指定文字列の表示位置が検出されると、続いて、ポップアップ表示処理部11bは、予め設定されたポップアップウィンドウの表示条件に従ってテキストの表示領域を変更して、指定文字列の表示位置に隣接する領域に、所定サイズのポップアップウィンドウを挿入する(ステップ102)。
【0027】
ポップアップウィンドウの表示条件は、ウィンドウのサイズおよび表示位置、文字のサイズなどの情報を含む。これら情報は任意に設定可能である。ここでは、デフォルト状態として、ウィンドウサイズは表示テキストの数行程度の大きさとされ、ポップアップウィンドウの表示位置は指定文字列の直下とされている。文字のサイズは、テキストと同じ文字サイズとされている。このデフォルトの条件によれば、指定文字列の直下に、3行程度の大きさのポップアップウィンドウが挿入される。
【0028】
ポップアップウィンドウの挿入後、ポップアップ表示処理部11bは、ポップアップウィンドウにおいて指定文字列の関連情報を、テキストと同じ文字サイズで表示する(ステップ103)。この後、ブラウザ部11aは、ポップアップウィンドウが挿入された領域以外の領域に電子テキストを表示する。
【0029】
上述のポップアップ表示処理によれば、指定文字列の関連情報が、指定文字列の近傍にポップアップ表示される。指定文字列を見ながら関連情報を見る場合、ポップアップ表示位置と指定文字列の表示位置の間を視点が移動するが、この視点の移動距離が長いと、眼の疲労感が増大する。本実施形態によれば、関連情報は指定文字列の近傍にポップアップ表示されるので、目の疲労を抑えることができる。
【0030】
また、電子テキストはポップアップウィンドウが挿入された領域以外の領域に表示されるので、ポップアップウィンドウがテキストの表示領域と重なることはない。よって、ユーザは、ポップアップ表示した状態のまま、テキストを読み進めたり、読み返したりすることができる。
【0031】
図3に、テキスト表示の一例を示し、図4に、図3に示したテキスト中の指定文字列に関する関連情報のポップアップ表示の一例を示す。この例では、情報検索のリソース情報として百科事典が設定されている。ポップアップウィンドウのサイズは、表示テキストの5行程度の大きさとされ、ポップアップウィンドウの表示位置は指定文字列の直下とされている。
【0032】
図3および図4に示すように、段落20の上から9行目に位置する文字列21が指定されると、百科事典からその関連情報が検索される。段落20の上から10行目〜14行目の各行の先頭位置に折り返しを挿入することで、指定された文字列21の直下に、5行分のサイズに対応するウィンドウ表示領域が確保される。この確保した領域にポップアップウィンドウ22が表示され、このポップアップウィンドウ22に、検索結果である関連情報が表示される。通常、テキストを表示するプログラムに対して、折り返しを示すコマンドを挿入することで、ポップアップウィンドウの表示領域を確保することができる。
【0033】
図4に示した例によれば、段落20の上から9行目と10行目の間に、ポップアップウィンドウ22が挿入される。この場合、10行目以降のテキストは、ポップアップウィンドウ22の下方に表示される。したがって、テキストの一部がポップアップウィンドウ22により隠れる、といった問題は生じない。
【0034】
なお、ポップアップウィンドウの表示位置は、指定文字列の直下に限定されるものではない。ポップアップウィンドウは、指定文字列の直上、右隣、左隣といった領域に表示されてもよい。折り返しを挿入する位置を制御することによって、指定文字列の直上、直下、右隣、左隣の領域のうちの任意の領域に、ポップアップウィンドウを挿入することができる。
【0035】
また、図4に示したように、ポップアップウィンドウ22の一部にスクロール用のボタン22aを設けてもよい。ボタン22aを上下方向に移動することで、ポップアップウィンドウ内に表示されている関連情報を上下方向にスクロールさせることができる。検索結果である関連情報のデータサイズが大きな場合に、このスクロールによる表示は有効である。
【0036】
また、ポップアップウィンドウの挿入位置は、使用するリソース情報の種別に応じて変更してもよい。例えば、英文テキスト中の指定文字列についてその日本語訳を英和辞書から取得し、その取得した日本語訳をポップアップ表示する場合、図5に示すように、ポップアップウィンドウ22がテキストの表示ウィンドウの右上の位置に固定的に挿入されてもよい。この表示によれば、指定文字列の表示位置に関係なく、指定文字列の日本語訳が、常に、右上に表示される。したがって、英文テキストを読み進める場合に、あるページで指定した英単語の日本語訳を、別のページでも参照することができる。この場合も、電子テキストはポップアップウィンドウ22が挿入された領域以外の領域に表示される。したがって、テキスト表示領域の変更により、テキストの一部がポップアップウィンドウ22により隠れることはない。
【0037】
(第2の実施形態)
ポップアップウィンドウを指定文字列の隣接領域に挿入する場合、ポップアップウィンドウのサイズを大きくすると、テキストがポップアップウィンドウにより隔てられることにより、テキストが読み難くなる場合がある。例えば、図4に示した表示例において、ウィンドウサイズが20行程度のポップアップウィンドウ22が指定文字列21の直下に表示された場合、9行目の文と10行目の文の間が、20行程度のポップアップウィンドウ22によって隔てられることとなり、テキストが読み難くなる。テキストの読み易さを考慮すると、指定文字列の隣接領域に挿入されるポップアップウィンドウのサイズは小さくすることが望ましい。
【0038】
一方、関連情報を読み進めたり、読み返したりする場合、スクロールの操作回数は少ない方が好ましい。関連情報のデータサイズが大きい場合は、関連情報の大部分をスクロール操作によって表示することになり、スクロールの操作回数が増大する。このため、データサイズが大きな関連情報については、ポップアップウィンドウのサイズを大きくして、スクロールの操作範囲を小さくすることが望ましい。
【0039】
本発明の第2の実施形態である情報処理装置は、上記の相反する要望を実現するものであって、指定文字列の検索結果である関連情報のデータサイズに応じてポップアップウィンドウのサイズおよび表示位置を切り替えるように構成されている。
【0040】
本実施形態の情報処理装置は、図1に示した構成を有するが、関連情報のデータサイズに応じてポップアップウィンドウのサイズおよび表示位置を切り替える点が、第1の実施形態の情報処理装置と異なる。
【0041】
記憶部4は、データサイズが閾値未満の関連情報をポップアップ表示するために使用される第1のポップアップウィンドウの表示条件と、データサイズが閾値以上の関連情報をポップアップ表示するために使用される第2のポップアップウィンドウの表示条件を格納したテーブルを備える。
【0042】
関連情報のデータサイズの閾値は、テキストの表示ウィンドウにおいて、10行程度の文が表示されるようなデータサイズに対応する値とされている。
【0043】
第1のポップアップウィンドウの表示条件は、ウィンドウのサイズおよび表示位置、文字のサイズなどの項目からなり、各項目は任意に設定可能である。ここでは、第1のポップアップウィンドウの表示条件は、第1の実施形態で説明したポップアップウィンドウの表示条件と同じとする。
【0044】
第2のポップアップウィンドウの表示条件も、ウィンドウのサイズおよび表示位置、文字のサイズなどの項目からなり、各項目は任意に設定可能である。ここでは、デフォルト状態として、ウィンドウサイズは表示テキストの10行程度の大きさ(第1のポップアップウィンドウの表示条件で規定されたサイズよりも大きなサイズ)とされ、ポップアップウィンドウの表示位置はテキスト表示領域の最下の位置とされている。文字のサイズは、テキストと同じ文字サイズとされている。この第2のポップアップウィンドウの表示条件によれば、テキスト表示領域の最下の領域に、10行程度の大きさのポップアップウィンドウが挿入されるように、テキスト表示領域が変更される。
【0045】
図6は、本実施形態の情報処理装置の表示制御部11によって実行されるポップアップ表示処理の一手順を示すフローチャートである。以下、図1および図6を参照してポップアップ表示処理を説明する。
【0046】
ポップアップ表示処理部11bは、指定文字列の関連情報の検索が行われたか否かを判定する(ステップ200)。このステップ200の処理は、図2のステップ100の処理と同じである。
【0047】
関連情報検索が行われた場合は、続いて、ポップアップ表示処理部11bは、検索結果として得られた関連情報のデータサイズが閾値以上であるか否かを判定する(ステップ201)。
【0048】
関連情報のデータサイズが閾値未満である場合は、ポップアップ表示処理部11bは、指定文字列の表示位置を検出し(ステップ202)、第1のポップアップウィンドウの表示条件に従ってテキスト表示領域を変更して、その指定文字列の表示位置に隣接する領域にポップアップウィンドウを挿入する(ステップ203)。そして、ポップアップ表示処理部11bは、その挿入したポップアップウィンドウにおいて、指定文字列の関連情報を、テキストと同じ文字サイズで表示する(ステップ204)。このステップ202〜204の処理は、図2のステップ101〜103の処理と同じである。
【0049】
関連情報のデータサイズが閾値以上である場合は、ポップアップ表示処理部11bは、第2のポップアップウィンドウの表示条件に従ってテキスト表示領域を変更して、最下の位置にポップアップウィンドウを挿入する(ステップ205)。その後、ステップ204で、その挿入したポップアップウィンドウにおいて、指定文字列の関連情報がテキストと同じ文字サイズで表示される。そして、ブラウザ部11aによって、電子テキストが、ポップアップウィンドウが挿入された領域以外の領域に表示される。
【0050】
上記のポップアップ表示処理によれば、関連情報のデータサイズが閾値未満である場合は、第1の実施形態と同様のポップアップ表示処理が行われる。これにより、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0051】
また、関連情報のデータサイズが閾値以上である場合は、第2のポップアップウィンドウの表示条件に従ってポップアップ表示が行われる。この場合、第1のポップアップウィンドウの表示条件で規定されたサイズよりも大きなサイズで、ポップアップウィンドウを表示することができる。これにより、関連情報を読み進めたり、読み返したりする場合における、スクロールの操作回数を削減することが可能である。
【0052】
図7は、テキスト表示領域の最下の位置にポップアップウィンドウを挿入した様子を示す模式図である。この例では、テキスト表示領域の下から数行程度の領域において、各行の先頭に折り返しが挿入されており、この折り返しが挿入された領域に、ポップアップウィンドウ22が挿入されている。したがって、ポップアップウィンドウ22は、テキスト表示領域と重なることはない。また、ポップアップウィンドウ22を最下の位置に挿入する場合、ポップアップウィンドウ22によってテキストが分断されることはないので、ポップアップウィンドウ22のサイズを大きくすることが可能である。
【0053】
なお、第2のポップアップウィンドウの表示条件に基づくポップアップ表示において、テキストを分断することがないのであれば、ポップアップウィンドウ22はどのような位置に挿入されてもよい。
【0054】
(第3の実施形態)
関連情報のデータサイズはリソースの種類によって異なる。したがって、ポップアップウィンドウの表示条件は、リソース毎に設定することが望ましい。本発明の第3の実施形態である情報処理装置は、そのようなリソースの種別に応じたポップアップウィンドウの表示条件の設定が可能な構成とされている。
【0055】
本実施形態の情報処理装置は、図1に示した構成を有するが、リソースの種類に応じてポップアップウィンドウの表示条件を変更する点が、第1の実施形態の情報処理装置と異なる。
【0056】
記憶部4は、リソース毎にポップアップウィンドウの表示条件を規定したテーブルを備える。テーブルには、情報検索部10による情報検索で使用可能なリソース(リソース情報40やサーバ等の外部装置により提供されるWeb情報等)のそれぞれについて、ポップアップウィンドウの表示条件が格納されている。ポップアップウィンドウの表示条件は、ウィンドウのサイズおよび表示位置、文字のサイズなどの情報を含む。
【0057】
例えば、英和辞典、英英辞典、百科事典、Web辞典(翻訳用)、Web情報(新聞記事)をリソースとして使用可能な場合は、それらリソースのそれぞれについて、ポップアップウィンドウの表示条件が設定される。ここでは、各リソースにおいて、ウィンドウの表示位置と文字のサイズは同じ値が設定されており、ウィンドウのサイズのみが異なる。具体的には、英和辞典は2行分のウィンドウサイズとされ、英英辞典は3行分のウィンドウサイズとされ、百科事典は5行分のウィンドウサイズとされ、翻訳は5行分のウィンドウサイズとされ、新聞記事は8行分のウィンドウサイズとされている。
【0058】
記憶部4には、上記テーブルとは別に、その他のリソースの表示条件として、所定のポップアップウィンドウ表示条件が格納されている。ここで、その他のリソースは、ポップアップウィンドウの表示条件がテーブルに登録されていないリソースを示す。所定のポップアップウィンドウ表示条件の内容は、任意に設定可能である。
【0059】
図8は、本実施形態の情報処理装置のポップアップ表示処理部11bによって実行されるポップアップ表示処理の一手順を示すフローチャートである。以下、図1および図8を参照してポップアップ表示処理を説明する。
【0060】
ポップアップ表示処理部11bは、指定文字列の関連情報の検索が行われたか否かを判定する(ステップ300)。このステップ300の処理は、図2のステップ100の処理と同じである。
【0061】
関連情報検索が行われた場合は、続いて、ポップアップ表示処理部11bは、情報検索部10が情報検索に使用したリソースを特定し(ステップ301)、その特定したリソースのポップアップウィンドウの表示条件が記憶部のテーブルに登録されているか否かを調べる(ステップ302)。情報検索に使用したリソースを特定するための情報は、情報検索部10からポップアップ表示処理部11bに供給される。
【0062】
ポップアップウィンドウの表示条件がテーブルに登録されている場合は、ポップアップ表示処理部11bは、その登録されているポップアップウィンドウの表示条件に従ってテキスト表示領域を変更してポップアップウィンドウを挿入する(ステップ303)。そして、ポップアップ表示処理部11bは、その設定したポップアップウィンドウにおいて、指定文字列の関連情報を、テキストと同じ文字サイズで表示する(ステップ304)。
【0063】
ポップアップウィンドウの表示条件がテーブルに登録されていない場合は、ポップアップ表示処理部11bは、記憶部4から所定のポップアップウィンドウ表示条件(その他のリソースの表示条件)を取得し、このポップアップウィンドウ表示条件に従ってテキスト表示領域を変更してポップアップウィンドウを挿入する(ステップ305)。この後、ステップ304に移行して、指定文字列の関連情報がポップアップウィンドウ内に表示される。
【0064】
ステップ304にてポップアップ表示がなされた後、ブラウザ部11aは、ポップアップウィンドウが挿入された領域以外の領域に電子テキストを表示する。
【0065】
ポップアップウィンドウを固定とした場合、ウィンドウサイズが、関連情報のデータサイズに対して無駄に大きかったり、スクロール範囲が必要以上に大きくなったりする。上記のポップアップ表示処理によれば、リソースに最適なサイズのポップアップウィンドウを表示することができる。
【0066】
図9は、リソースの種別に応じたサイズでポップアップウィンドウを表示した様子を示す模式図である。この例では、指定文字列(英語)21aの直下に2行分のサイズのポップアップウィンドウ220aが挿入され、指定文字列21aの訳(日本語)として英和辞典で引いた関連情報が、ポップアップウィンドウ220a内に表示されている。また、指定文字列(日本語)21bの直下に5行分のサイズのポップアップウィンドウ220bが挿入され、百科事典から取得した指定文字列21bの関連情報が、ポップアップウィンドウ220b内に表示されている。このように、リソースに最適なサイズでポップアップウィンドウを表示することで、ウィンドウサイズが関連情報のデータサイズに対して無駄に大きかったり、スクロール範囲が必要以上に大きくなったりする問題を解決することができる。
【0067】
なお、上記の説明では、各リソースにおいて、ウィンドウの表示位置と文字のサイズは同じとされ、ウィンドウのサイズのみが異なるような表示条件を設定しているが、これに限定されるものではない。リソース毎に、最適なウィンドウ表示位置や最適な文字サイズを設定してもよい。
【0068】
リソース毎に最適なウィンドウ表示位置を設定する場合は、例えば、英和辞典については、テキスト表示領域の右上の位置にポップアップウィンドウを挿入したり、百科事典については、テキスト表示領域の最下の位置にポップアップウィンドウを挿入したりする、といった表示処理が可能となる。
【0069】
リソース毎に最適な文字サイズを設定する場合は、関連情報のデータサイズが大きなリソース(例えば、新聞記事)については、文字サイズを小さくすることで、一度にウィンドウ内に表示される情報量を多くすることができ、また、スクロール範囲も小さくすることが可能となる。
【0070】
以上説明した各実施形態の情報処理装置は本発明の一例であり、その構成および動作は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更することができる。
【0071】
例えば、各実施形態において、ポップアップウィンドウには、ポップアップ表示を終了するためのボタンが設けられてもよい。このボタンにカーソルを合わせて所定の入力操作(例えばマウスによるクリック操作)を行うと、制御部が、ポップアップ表示を終了するための処理を実行する。ユーザは自由にポップアップ表示を終了することができる。
【0072】
また、各実施形態において、テキストを表示するウィンドウにスクロールボタンを設けても良い。この場合、テキストの表示をスクロールボタンにより上下方向に移動させた場合、指定文字列に隣接して表示されたポップアップウィンドウも、そのスクロールによる移動に同期して上下に移動する。
【0073】
また、第2の実施形態においては、関連情報のデータサイズに応じてポップアップウィンドウのサイズを変更しているが、関連情報のデータサイズに応じて、ポップアップウィンドウの表示位置や文字サイズを変更してもよい。
【0074】
また、複数の異なる指定文字列のそれぞれについて、個別に、対応するリソースから関連情報を取得し、その取得した関連情報を別々のポップアップウィンドウにて表示する場合に、複数のポップアップウィンドウを隣接させて挿入していてもよい。
【0075】
図10に、2つのポップアップウィンドウが隣接して挿入される一例を示す。この例では、6行分のサイズのポップアップウィンドウ322aおよび8行分のサイズのポップアップウィンドウ322bがテキストの表示ウィンドウの右上の領域に隣接して表示されている。指定文字列(英語)321aの訳文がポップアップウィンドウ322aに表示され、指定文字列(日本語)321bの意味がポップアップウィンドウ322bに表示される。ポップアップウィンドウ322aには、原文(指定文字列(英語)321a自体)も表示されている。
【0076】
図11に、2つのポップアップウィンドウが隣接して挿入される他の例を示す。この例では、8行分のサイズのポップアップウィンドウ422aおよび5行分のサイズのポップアップウィンドウ422bがテキストの表示ウィンドウの最下の位置に隣接して表示されている。指定文字列421aに関する新聞記事がポップアップウィンドウ422aに表示される。指定文字列421bについては、ユーザにリソースを選択させるために、ポップアップメニューがポップアップウィンドウ322bに表示される。ポップアップメニューは、英和辞典、英英辞典、百科事典、翻訳、新聞記事の各リソースの項目を含む。ポップアップメニューとして表示された項目のいずれかの項目にカーソルを合わせて所定の入力操作(例えばマウスによるクリック操作)を行うと、制御部は、カーソルで指定された項目に対応する処理を実行する。ユーザは自由にポップアップメニューを選択することができる。
【0077】
本発明の一態様によれば、情報処理装置は、入力部と、表示部と、電子テキストを上記表示部に表示するブラウザ部と、上記電子テキストが表示されたウィンドウ内にサブウィンドウを表示するウィンドウ表示処理部を有し、上記ウィンドウ表示処理部は、上記入力部を通じて指定された文字列の上記ウィンドウ内における表示位置を検出し、該表示位置に隣接する領域に上記サブウィンドウを挿入し、上記ブラウザ部は、上記サブウィンドウが挿入されると、該挿入領域以外の領域に上記電子テキストを表示する。ここで、ウィンドウ表示処理部は、図1に示したポップアップ表示処理部11bに対応し、サブウィンドウはポップアップウィンドウに対応する。
【0078】
上記の情報処理装置において、上記入力部を通じて指定された文字列を検索用キーワードとして用いてデータ群から関連情報を検索する情報検索部をさらに有し、上記ウィンドウ表示処理部が、上記関連情報を上記サブウィンドウに表示してもよい。ここで、データ群は、図1に示した情報検索部10による情報検索で使用可能なリソース(リソース情報40やサーバ等の外部装置により提供されるWeb情報等)である。
【0079】
さらに、上記の情報処理装置において、ウィンドウ表示処理部は、上記関連情報のデータサイズを検出し、該データサイズが閾値未満の場合に、上記サブウィンドウを上記文字列の表示位置に隣接する領域に挿入してもよい。また、上記データサイズが閾値以上の場合に、上記ウィンドウ表示処理部が、上記ウィンドウ内の予め定められた位置に上記サブウィンドウを挿入してもよい。
【0080】
また、上記の情報処理装置において、上記データ群は、複数の辞書データからなり、上記サブウィンドウを表示するためのウィンドウ表示条件として、少なくともウィンドウのサイズおよび表示位置を規定した情報が、上記辞書データ毎に格納されたテーブルをさらに備え、上記情報検索部が、上記複数の辞書データのうちから上記入力部を通じて指定された辞書データを用いて、上記文字列の関連情報を取得し、上記ウィンドウ表示処理部が、上記テーブルを参照して、上記情報検索部にて使用した辞書データについてのウィンドウ表示条件を取得し、該ウィンドウ表示条件に従って上記サブウィンドウを表示してもよい。この場合、上記ウィンドウ表示条件が、サブウィンドウに表示される文字のサイズを規定する情報を含み、上記ウィンドウ表示処理部が、上記ウィンドウ表示条件により規定された文字のサイズで上記サブウィンドウに上記関連情報を表示してもよい。
【0081】
以上説明した本発明は、複数の辞書データを備え、これら辞書データを利用して情報検索を行うことが可能な情報処理装置全般に適用することができる。また、本発明は、デスクトップ型のパーソナルコンピュータだけでなく、ノート型のパーソナルコンピュータにも適用することができる。さらに、本発明は、携帯電話機等に代表される携帯情報端末に適用することができる。
【符号の説明】
【0082】
1 制御部
2 入力部
3 表示部
4 記憶部
5 通信部
10 情報検索部
11 表示制御部
11a ブラウザ部
11b ポップアップ表示処理部
40 リソース情報
41 電子テキスト
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子テキストを表示するとともに、その表示されたテキスト中のユーザにより指定された文字列(単語、句、文)に関連する情報(訳や意味、図や表などの関連情報)をサブウィンドウで表示する情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ブラウザが、画面上でカーソルによって指定された単語をキーワードとして抽出し、抽出した単語をサーチエンジンに転送し、サーチエンジンによる検索結果であるポップアップメニューを指定された単語の近傍に表示する装置が記載されている。
【0003】
特許文献2には、電子文書を表示し、予め指定された文字列についての関連情報を、その文字列を含む文全体の表示領域を指定するだけで、ポップアップ表示するポップアップ表示システムが開示されている。ポップアップウィンドウは、指定文字列を含む文が表示されている領域以外の領域に表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−348774号公報
【特許文献2】特開2003−256459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1、2に記載のものはいずれも、ポップアップ表示されたサブウィンドウにより、テキストの一部が隠れてしまうことがある。サブウィンドウにより隠れてしまった部分のテキストは、その状態のままでは読むことはできない。隠れてしまった部分のテキストを読むためには、ポップアップを終了する必要がある。ポップアップ表示された際に、サブウィンドウにより隠れてしまった部分を表示するために、ポップアップを終了する操作を行うことは、ユーザにとって、煩わしく感じる場合がある。
【0006】
また、ポップアップ表示された内容はテキスト本文の理解を深めるのに有効な情報であるにも係らず、テキスト本文を読み進めるためにはポップアップを終了する必要があり、結局、ポップアップ表示された情報を効果的に利用することができない。
【0007】
本発明の目的は、上記問題を解決し、テキストがサブウィンドウにより隠れることがない、情報処理装置、ウィンドウ表示方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の情報処理装置は、入力部と、表示部と、電子テキストを前記表示部に表示するブラウザ部と、前記電子テキストが表示されたウィンドウ内にサブウィンドウを表示するウィンドウ表示処理部を有し、前記ウィンドウ表示処理部が、前記入力部を通じて指定された文字列の前記ウィンドウ内における表示位置を検出し、該表示位置に隣接する領域に予め定められたサイズの前記サブウィンドウを挿入し、前記ブラウザ部が、前記サブウィンドウが挿入されると、該挿入領域以外の領域に前記電子テキストを表示する。
【0009】
本発明のウィンドウ表示方法は、電子テキストを表示部に表示するブラウザ部と、前記電子テキストが表示されたウィンドウ内にサブウィンドウを表示するウィンドウ表示処理部とを有する情報処理装置において行われるウィンドウ表示方法であって、前記ウィンドウ表示処理部が、入力部を通じて指定された文字列の前記ウィンドウ内における表示位置を検出し、該表示位置に隣接する領域に予め定められたサイズの前記サブウィンドウを挿入するステップと、前記ブラウザ部が、前記サブウィンドウが挿入された領域以外の領域に前記電子テキストを表示するステップを含む。
【0010】
本発明のプログラムは、電子テキストを表示部に表示し、該電子テキストが表示されたウィンドウ内にサブウィンドウを表示する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、入力部を通じて指定された文字列の前記ウィンドウ内における表示位置を検出する処理、該表示位置に隣接する領域に予め定められたサイズの前記サブウィンドウを挿入する処理、および該サブウィンドウが挿入された領域以外の領域に前記電子テキストを表示する処理を前記コンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、電子テキストがサブウィンドウにより隠れることはないので、サブウィンドウにより隠れてしまった部分を表示するためのポップアップ終了操作を行う必要がない。したがって、ポップアップ表示の際の、ユーザに強いられるポップアップ終了操作の煩わしさを解消することができる。
【0012】
また、サブウィンドウを表示した状態(ポップアップ表示状態)のままテキスト本文を読み進めたり、読み返したりすることができるので、ポップアップ表示された情報を効果的に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態である情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す情報処理装置の表示制御部によって実行されるポップアップ表示処理の一手順を示すフローチャートである。
【図3】テキスト表示の一例を示す模式図である。
【図4】図3に示すテキスト中の指定文字列に関する関連情報のポップアップ表示の一例を示す模式図である。
【図5】ポップアップ表示の別の例を示す模式図である。
【図6】本発明の第2の実施形態である情報処理装置の表示制御部によって実行されるポップアップ表示処理の一手順を示すフローチャートである。
【図7】テキスト表示領域の最下の位置にポップアップウィンドウを挿入した様子を示す模式図である。
【図8】本発明の第3の実施形態である情報処理装置の表示制御部によって実行されるポップアップ表示処理の一手順を示すフローチャートである。
【図9】リソースの種別に応じたサイズでポップアップウィンドウを表示した様子を示す模式図である。
【図10】2つのポップアップウィンドウが隣接して挿入する場合の表示の一例を示す模式図である。
【図11】2つのポップアップウィンドウが隣接して挿入する場合の表示の他の例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態である情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【0015】
図1に示す情報処理装置は、プログラムに従って動作するコンピュータシステムであって、制御部1、入力部2、表示部3、記憶部4および通信部5を有する。
【0016】
入力部2は、キーボードやマウスなどよりなる。表示部3は、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイに代表される表示装置よりなる。通信部5は、モデム等であって、インターネットに代表されるネットワークを介して外部装置との通信が可能である。
【0017】
記憶部4は、半導体メモリやハードディスク等に代表される記憶装置であって、情報処理装置を動作させるのに必要な各種プログラムやデータが格納されている。リソース情報40および電子テキスト41が記憶部4に格納されている。
【0018】
リソース情報40は、百科事典、科学辞典、英和辞典、和英辞典、Web辞典などの各種の辞書データを含む。Web辞典は、インターネット上で提供されている辞典、例えばフリー百科事典である。電子テキスト41は、小説や科学雑誌等の電子テキストである。なお、プログラムや電子テキスト41は、ネットワークを介して提供されてもよく、また、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)やDVDなどの記録媒体で提供されてもよい。記録媒体を用いる場合は、記録媒体から情報を読み出すためのドライバ装置を情報処理装置に搭載する必要がある。
【0019】
制御部1は、記憶部4に格納されている各種プログラムを実行するとともに、入力部2からの指示信号(ユーザによる入力操作に応じた信号)を受け付けて、必要な処理または制御を行う。制御部1は、情報検索部10および表示制御部11を有する。表示制御部11は、ブラウザ部11aおよびポップアップ表示処理部11bを有する。これら情報検索部10および表示制御部11(ブラウザ部11aおよびポップアップ表示処理部11b)は、プログラムにより実現される機能部である。
【0020】
ブラウザ部11aは、電子テキスト41を表示部3に表示させる。情報検索部10は、表示部3に表示された電子テキスト中のユーザにより指定された文字列(単語、句、文)に関連する情報(訳や意味、図や表などの関連情報)を、リソース情報40から取得する。情報検索部10は、ネットワークを通じて外部リソース源(サーバ等)から関連情報を取得してもよい。ポップアップ表示処理部11bは、情報検索部10で取得した関連情報を表示部3にてポップアップ表示する。なお、ブラウザ部11aが、ポップアップ表示処理部11bによるポップアップ表示処理を行う機能を有していてもよい。
【0021】
本実施形態の情報処理装置では、ブラウザ部11aが、入力部2からの指示信号に応じて、記憶部4(または記録媒体)から小説や科学雑誌等の電子テキスト41を読み出し、その電子テキストを表示部3にて表示させる。
【0022】
ユーザが、入力部2を通じて電子テキスト中の文字列を指定すると、情報検索部10が、その指定された文字列の関連情報をリソース情報40から取得する。そして、ポップアップ表示処理部11bが、指定された文字列の表示領域に隣接する領域にポップアップウィンドウを設定し、そのポップアップウィンドウ内に情報検索部10にて取得した関連情報を表示する。
【0023】
図2は、表示制御部11によって実行されるポップアップ表示処理の一手順を示すフローチャートである。
【0024】
図2を参照すると、ポップアップ表示処理部11bは、指定文字列の関連情報の検索が行われたか否かを判定する(ステップ100)。この判定は、情報検索部10から関連情報を受信したか否かにより行う。
【0025】
関連情報検索が行われた場合は、続いて、ポップアップ表示処理部11bは、指定文字列の表示位置を検出する(ステップ101)。指定文字列の表示位置は、テキストの表示ウィンドウ内における座標データに基づいて検出する。例えば、ブラウザ部11aは、ウィンドウ内における文字等の表示位置を座標データとして管理する。ポップアップ表示処理部11bは、指定文字列の表示位置を、ブラウザ部11aにて管理しているウィンドウ内の座標データに基づいて検出する。
【0026】
指定文字列の表示位置が検出されると、続いて、ポップアップ表示処理部11bは、予め設定されたポップアップウィンドウの表示条件に従ってテキストの表示領域を変更して、指定文字列の表示位置に隣接する領域に、所定サイズのポップアップウィンドウを挿入する(ステップ102)。
【0027】
ポップアップウィンドウの表示条件は、ウィンドウのサイズおよび表示位置、文字のサイズなどの情報を含む。これら情報は任意に設定可能である。ここでは、デフォルト状態として、ウィンドウサイズは表示テキストの数行程度の大きさとされ、ポップアップウィンドウの表示位置は指定文字列の直下とされている。文字のサイズは、テキストと同じ文字サイズとされている。このデフォルトの条件によれば、指定文字列の直下に、3行程度の大きさのポップアップウィンドウが挿入される。
【0028】
ポップアップウィンドウの挿入後、ポップアップ表示処理部11bは、ポップアップウィンドウにおいて指定文字列の関連情報を、テキストと同じ文字サイズで表示する(ステップ103)。この後、ブラウザ部11aは、ポップアップウィンドウが挿入された領域以外の領域に電子テキストを表示する。
【0029】
上述のポップアップ表示処理によれば、指定文字列の関連情報が、指定文字列の近傍にポップアップ表示される。指定文字列を見ながら関連情報を見る場合、ポップアップ表示位置と指定文字列の表示位置の間を視点が移動するが、この視点の移動距離が長いと、眼の疲労感が増大する。本実施形態によれば、関連情報は指定文字列の近傍にポップアップ表示されるので、目の疲労を抑えることができる。
【0030】
また、電子テキストはポップアップウィンドウが挿入された領域以外の領域に表示されるので、ポップアップウィンドウがテキストの表示領域と重なることはない。よって、ユーザは、ポップアップ表示した状態のまま、テキストを読み進めたり、読み返したりすることができる。
【0031】
図3に、テキスト表示の一例を示し、図4に、図3に示したテキスト中の指定文字列に関する関連情報のポップアップ表示の一例を示す。この例では、情報検索のリソース情報として百科事典が設定されている。ポップアップウィンドウのサイズは、表示テキストの5行程度の大きさとされ、ポップアップウィンドウの表示位置は指定文字列の直下とされている。
【0032】
図3および図4に示すように、段落20の上から9行目に位置する文字列21が指定されると、百科事典からその関連情報が検索される。段落20の上から10行目〜14行目の各行の先頭位置に折り返しを挿入することで、指定された文字列21の直下に、5行分のサイズに対応するウィンドウ表示領域が確保される。この確保した領域にポップアップウィンドウ22が表示され、このポップアップウィンドウ22に、検索結果である関連情報が表示される。通常、テキストを表示するプログラムに対して、折り返しを示すコマンドを挿入することで、ポップアップウィンドウの表示領域を確保することができる。
【0033】
図4に示した例によれば、段落20の上から9行目と10行目の間に、ポップアップウィンドウ22が挿入される。この場合、10行目以降のテキストは、ポップアップウィンドウ22の下方に表示される。したがって、テキストの一部がポップアップウィンドウ22により隠れる、といった問題は生じない。
【0034】
なお、ポップアップウィンドウの表示位置は、指定文字列の直下に限定されるものではない。ポップアップウィンドウは、指定文字列の直上、右隣、左隣といった領域に表示されてもよい。折り返しを挿入する位置を制御することによって、指定文字列の直上、直下、右隣、左隣の領域のうちの任意の領域に、ポップアップウィンドウを挿入することができる。
【0035】
また、図4に示したように、ポップアップウィンドウ22の一部にスクロール用のボタン22aを設けてもよい。ボタン22aを上下方向に移動することで、ポップアップウィンドウ内に表示されている関連情報を上下方向にスクロールさせることができる。検索結果である関連情報のデータサイズが大きな場合に、このスクロールによる表示は有効である。
【0036】
また、ポップアップウィンドウの挿入位置は、使用するリソース情報の種別に応じて変更してもよい。例えば、英文テキスト中の指定文字列についてその日本語訳を英和辞書から取得し、その取得した日本語訳をポップアップ表示する場合、図5に示すように、ポップアップウィンドウ22がテキストの表示ウィンドウの右上の位置に固定的に挿入されてもよい。この表示によれば、指定文字列の表示位置に関係なく、指定文字列の日本語訳が、常に、右上に表示される。したがって、英文テキストを読み進める場合に、あるページで指定した英単語の日本語訳を、別のページでも参照することができる。この場合も、電子テキストはポップアップウィンドウ22が挿入された領域以外の領域に表示される。したがって、テキスト表示領域の変更により、テキストの一部がポップアップウィンドウ22により隠れることはない。
【0037】
(第2の実施形態)
ポップアップウィンドウを指定文字列の隣接領域に挿入する場合、ポップアップウィンドウのサイズを大きくすると、テキストがポップアップウィンドウにより隔てられることにより、テキストが読み難くなる場合がある。例えば、図4に示した表示例において、ウィンドウサイズが20行程度のポップアップウィンドウ22が指定文字列21の直下に表示された場合、9行目の文と10行目の文の間が、20行程度のポップアップウィンドウ22によって隔てられることとなり、テキストが読み難くなる。テキストの読み易さを考慮すると、指定文字列の隣接領域に挿入されるポップアップウィンドウのサイズは小さくすることが望ましい。
【0038】
一方、関連情報を読み進めたり、読み返したりする場合、スクロールの操作回数は少ない方が好ましい。関連情報のデータサイズが大きい場合は、関連情報の大部分をスクロール操作によって表示することになり、スクロールの操作回数が増大する。このため、データサイズが大きな関連情報については、ポップアップウィンドウのサイズを大きくして、スクロールの操作範囲を小さくすることが望ましい。
【0039】
本発明の第2の実施形態である情報処理装置は、上記の相反する要望を実現するものであって、指定文字列の検索結果である関連情報のデータサイズに応じてポップアップウィンドウのサイズおよび表示位置を切り替えるように構成されている。
【0040】
本実施形態の情報処理装置は、図1に示した構成を有するが、関連情報のデータサイズに応じてポップアップウィンドウのサイズおよび表示位置を切り替える点が、第1の実施形態の情報処理装置と異なる。
【0041】
記憶部4は、データサイズが閾値未満の関連情報をポップアップ表示するために使用される第1のポップアップウィンドウの表示条件と、データサイズが閾値以上の関連情報をポップアップ表示するために使用される第2のポップアップウィンドウの表示条件を格納したテーブルを備える。
【0042】
関連情報のデータサイズの閾値は、テキストの表示ウィンドウにおいて、10行程度の文が表示されるようなデータサイズに対応する値とされている。
【0043】
第1のポップアップウィンドウの表示条件は、ウィンドウのサイズおよび表示位置、文字のサイズなどの項目からなり、各項目は任意に設定可能である。ここでは、第1のポップアップウィンドウの表示条件は、第1の実施形態で説明したポップアップウィンドウの表示条件と同じとする。
【0044】
第2のポップアップウィンドウの表示条件も、ウィンドウのサイズおよび表示位置、文字のサイズなどの項目からなり、各項目は任意に設定可能である。ここでは、デフォルト状態として、ウィンドウサイズは表示テキストの10行程度の大きさ(第1のポップアップウィンドウの表示条件で規定されたサイズよりも大きなサイズ)とされ、ポップアップウィンドウの表示位置はテキスト表示領域の最下の位置とされている。文字のサイズは、テキストと同じ文字サイズとされている。この第2のポップアップウィンドウの表示条件によれば、テキスト表示領域の最下の領域に、10行程度の大きさのポップアップウィンドウが挿入されるように、テキスト表示領域が変更される。
【0045】
図6は、本実施形態の情報処理装置の表示制御部11によって実行されるポップアップ表示処理の一手順を示すフローチャートである。以下、図1および図6を参照してポップアップ表示処理を説明する。
【0046】
ポップアップ表示処理部11bは、指定文字列の関連情報の検索が行われたか否かを判定する(ステップ200)。このステップ200の処理は、図2のステップ100の処理と同じである。
【0047】
関連情報検索が行われた場合は、続いて、ポップアップ表示処理部11bは、検索結果として得られた関連情報のデータサイズが閾値以上であるか否かを判定する(ステップ201)。
【0048】
関連情報のデータサイズが閾値未満である場合は、ポップアップ表示処理部11bは、指定文字列の表示位置を検出し(ステップ202)、第1のポップアップウィンドウの表示条件に従ってテキスト表示領域を変更して、その指定文字列の表示位置に隣接する領域にポップアップウィンドウを挿入する(ステップ203)。そして、ポップアップ表示処理部11bは、その挿入したポップアップウィンドウにおいて、指定文字列の関連情報を、テキストと同じ文字サイズで表示する(ステップ204)。このステップ202〜204の処理は、図2のステップ101〜103の処理と同じである。
【0049】
関連情報のデータサイズが閾値以上である場合は、ポップアップ表示処理部11bは、第2のポップアップウィンドウの表示条件に従ってテキスト表示領域を変更して、最下の位置にポップアップウィンドウを挿入する(ステップ205)。その後、ステップ204で、その挿入したポップアップウィンドウにおいて、指定文字列の関連情報がテキストと同じ文字サイズで表示される。そして、ブラウザ部11aによって、電子テキストが、ポップアップウィンドウが挿入された領域以外の領域に表示される。
【0050】
上記のポップアップ表示処理によれば、関連情報のデータサイズが閾値未満である場合は、第1の実施形態と同様のポップアップ表示処理が行われる。これにより、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0051】
また、関連情報のデータサイズが閾値以上である場合は、第2のポップアップウィンドウの表示条件に従ってポップアップ表示が行われる。この場合、第1のポップアップウィンドウの表示条件で規定されたサイズよりも大きなサイズで、ポップアップウィンドウを表示することができる。これにより、関連情報を読み進めたり、読み返したりする場合における、スクロールの操作回数を削減することが可能である。
【0052】
図7は、テキスト表示領域の最下の位置にポップアップウィンドウを挿入した様子を示す模式図である。この例では、テキスト表示領域の下から数行程度の領域において、各行の先頭に折り返しが挿入されており、この折り返しが挿入された領域に、ポップアップウィンドウ22が挿入されている。したがって、ポップアップウィンドウ22は、テキスト表示領域と重なることはない。また、ポップアップウィンドウ22を最下の位置に挿入する場合、ポップアップウィンドウ22によってテキストが分断されることはないので、ポップアップウィンドウ22のサイズを大きくすることが可能である。
【0053】
なお、第2のポップアップウィンドウの表示条件に基づくポップアップ表示において、テキストを分断することがないのであれば、ポップアップウィンドウ22はどのような位置に挿入されてもよい。
【0054】
(第3の実施形態)
関連情報のデータサイズはリソースの種類によって異なる。したがって、ポップアップウィンドウの表示条件は、リソース毎に設定することが望ましい。本発明の第3の実施形態である情報処理装置は、そのようなリソースの種別に応じたポップアップウィンドウの表示条件の設定が可能な構成とされている。
【0055】
本実施形態の情報処理装置は、図1に示した構成を有するが、リソースの種類に応じてポップアップウィンドウの表示条件を変更する点が、第1の実施形態の情報処理装置と異なる。
【0056】
記憶部4は、リソース毎にポップアップウィンドウの表示条件を規定したテーブルを備える。テーブルには、情報検索部10による情報検索で使用可能なリソース(リソース情報40やサーバ等の外部装置により提供されるWeb情報等)のそれぞれについて、ポップアップウィンドウの表示条件が格納されている。ポップアップウィンドウの表示条件は、ウィンドウのサイズおよび表示位置、文字のサイズなどの情報を含む。
【0057】
例えば、英和辞典、英英辞典、百科事典、Web辞典(翻訳用)、Web情報(新聞記事)をリソースとして使用可能な場合は、それらリソースのそれぞれについて、ポップアップウィンドウの表示条件が設定される。ここでは、各リソースにおいて、ウィンドウの表示位置と文字のサイズは同じ値が設定されており、ウィンドウのサイズのみが異なる。具体的には、英和辞典は2行分のウィンドウサイズとされ、英英辞典は3行分のウィンドウサイズとされ、百科事典は5行分のウィンドウサイズとされ、翻訳は5行分のウィンドウサイズとされ、新聞記事は8行分のウィンドウサイズとされている。
【0058】
記憶部4には、上記テーブルとは別に、その他のリソースの表示条件として、所定のポップアップウィンドウ表示条件が格納されている。ここで、その他のリソースは、ポップアップウィンドウの表示条件がテーブルに登録されていないリソースを示す。所定のポップアップウィンドウ表示条件の内容は、任意に設定可能である。
【0059】
図8は、本実施形態の情報処理装置のポップアップ表示処理部11bによって実行されるポップアップ表示処理の一手順を示すフローチャートである。以下、図1および図8を参照してポップアップ表示処理を説明する。
【0060】
ポップアップ表示処理部11bは、指定文字列の関連情報の検索が行われたか否かを判定する(ステップ300)。このステップ300の処理は、図2のステップ100の処理と同じである。
【0061】
関連情報検索が行われた場合は、続いて、ポップアップ表示処理部11bは、情報検索部10が情報検索に使用したリソースを特定し(ステップ301)、その特定したリソースのポップアップウィンドウの表示条件が記憶部のテーブルに登録されているか否かを調べる(ステップ302)。情報検索に使用したリソースを特定するための情報は、情報検索部10からポップアップ表示処理部11bに供給される。
【0062】
ポップアップウィンドウの表示条件がテーブルに登録されている場合は、ポップアップ表示処理部11bは、その登録されているポップアップウィンドウの表示条件に従ってテキスト表示領域を変更してポップアップウィンドウを挿入する(ステップ303)。そして、ポップアップ表示処理部11bは、その設定したポップアップウィンドウにおいて、指定文字列の関連情報を、テキストと同じ文字サイズで表示する(ステップ304)。
【0063】
ポップアップウィンドウの表示条件がテーブルに登録されていない場合は、ポップアップ表示処理部11bは、記憶部4から所定のポップアップウィンドウ表示条件(その他のリソースの表示条件)を取得し、このポップアップウィンドウ表示条件に従ってテキスト表示領域を変更してポップアップウィンドウを挿入する(ステップ305)。この後、ステップ304に移行して、指定文字列の関連情報がポップアップウィンドウ内に表示される。
【0064】
ステップ304にてポップアップ表示がなされた後、ブラウザ部11aは、ポップアップウィンドウが挿入された領域以外の領域に電子テキストを表示する。
【0065】
ポップアップウィンドウを固定とした場合、ウィンドウサイズが、関連情報のデータサイズに対して無駄に大きかったり、スクロール範囲が必要以上に大きくなったりする。上記のポップアップ表示処理によれば、リソースに最適なサイズのポップアップウィンドウを表示することができる。
【0066】
図9は、リソースの種別に応じたサイズでポップアップウィンドウを表示した様子を示す模式図である。この例では、指定文字列(英語)21aの直下に2行分のサイズのポップアップウィンドウ220aが挿入され、指定文字列21aの訳(日本語)として英和辞典で引いた関連情報が、ポップアップウィンドウ220a内に表示されている。また、指定文字列(日本語)21bの直下に5行分のサイズのポップアップウィンドウ220bが挿入され、百科事典から取得した指定文字列21bの関連情報が、ポップアップウィンドウ220b内に表示されている。このように、リソースに最適なサイズでポップアップウィンドウを表示することで、ウィンドウサイズが関連情報のデータサイズに対して無駄に大きかったり、スクロール範囲が必要以上に大きくなったりする問題を解決することができる。
【0067】
なお、上記の説明では、各リソースにおいて、ウィンドウの表示位置と文字のサイズは同じとされ、ウィンドウのサイズのみが異なるような表示条件を設定しているが、これに限定されるものではない。リソース毎に、最適なウィンドウ表示位置や最適な文字サイズを設定してもよい。
【0068】
リソース毎に最適なウィンドウ表示位置を設定する場合は、例えば、英和辞典については、テキスト表示領域の右上の位置にポップアップウィンドウを挿入したり、百科事典については、テキスト表示領域の最下の位置にポップアップウィンドウを挿入したりする、といった表示処理が可能となる。
【0069】
リソース毎に最適な文字サイズを設定する場合は、関連情報のデータサイズが大きなリソース(例えば、新聞記事)については、文字サイズを小さくすることで、一度にウィンドウ内に表示される情報量を多くすることができ、また、スクロール範囲も小さくすることが可能となる。
【0070】
以上説明した各実施形態の情報処理装置は本発明の一例であり、その構成および動作は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更することができる。
【0071】
例えば、各実施形態において、ポップアップウィンドウには、ポップアップ表示を終了するためのボタンが設けられてもよい。このボタンにカーソルを合わせて所定の入力操作(例えばマウスによるクリック操作)を行うと、制御部が、ポップアップ表示を終了するための処理を実行する。ユーザは自由にポップアップ表示を終了することができる。
【0072】
また、各実施形態において、テキストを表示するウィンドウにスクロールボタンを設けても良い。この場合、テキストの表示をスクロールボタンにより上下方向に移動させた場合、指定文字列に隣接して表示されたポップアップウィンドウも、そのスクロールによる移動に同期して上下に移動する。
【0073】
また、第2の実施形態においては、関連情報のデータサイズに応じてポップアップウィンドウのサイズを変更しているが、関連情報のデータサイズに応じて、ポップアップウィンドウの表示位置や文字サイズを変更してもよい。
【0074】
また、複数の異なる指定文字列のそれぞれについて、個別に、対応するリソースから関連情報を取得し、その取得した関連情報を別々のポップアップウィンドウにて表示する場合に、複数のポップアップウィンドウを隣接させて挿入していてもよい。
【0075】
図10に、2つのポップアップウィンドウが隣接して挿入される一例を示す。この例では、6行分のサイズのポップアップウィンドウ322aおよび8行分のサイズのポップアップウィンドウ322bがテキストの表示ウィンドウの右上の領域に隣接して表示されている。指定文字列(英語)321aの訳文がポップアップウィンドウ322aに表示され、指定文字列(日本語)321bの意味がポップアップウィンドウ322bに表示される。ポップアップウィンドウ322aには、原文(指定文字列(英語)321a自体)も表示されている。
【0076】
図11に、2つのポップアップウィンドウが隣接して挿入される他の例を示す。この例では、8行分のサイズのポップアップウィンドウ422aおよび5行分のサイズのポップアップウィンドウ422bがテキストの表示ウィンドウの最下の位置に隣接して表示されている。指定文字列421aに関する新聞記事がポップアップウィンドウ422aに表示される。指定文字列421bについては、ユーザにリソースを選択させるために、ポップアップメニューがポップアップウィンドウ322bに表示される。ポップアップメニューは、英和辞典、英英辞典、百科事典、翻訳、新聞記事の各リソースの項目を含む。ポップアップメニューとして表示された項目のいずれかの項目にカーソルを合わせて所定の入力操作(例えばマウスによるクリック操作)を行うと、制御部は、カーソルで指定された項目に対応する処理を実行する。ユーザは自由にポップアップメニューを選択することができる。
【0077】
本発明の一態様によれば、情報処理装置は、入力部と、表示部と、電子テキストを上記表示部に表示するブラウザ部と、上記電子テキストが表示されたウィンドウ内にサブウィンドウを表示するウィンドウ表示処理部を有し、上記ウィンドウ表示処理部は、上記入力部を通じて指定された文字列の上記ウィンドウ内における表示位置を検出し、該表示位置に隣接する領域に上記サブウィンドウを挿入し、上記ブラウザ部は、上記サブウィンドウが挿入されると、該挿入領域以外の領域に上記電子テキストを表示する。ここで、ウィンドウ表示処理部は、図1に示したポップアップ表示処理部11bに対応し、サブウィンドウはポップアップウィンドウに対応する。
【0078】
上記の情報処理装置において、上記入力部を通じて指定された文字列を検索用キーワードとして用いてデータ群から関連情報を検索する情報検索部をさらに有し、上記ウィンドウ表示処理部が、上記関連情報を上記サブウィンドウに表示してもよい。ここで、データ群は、図1に示した情報検索部10による情報検索で使用可能なリソース(リソース情報40やサーバ等の外部装置により提供されるWeb情報等)である。
【0079】
さらに、上記の情報処理装置において、ウィンドウ表示処理部は、上記関連情報のデータサイズを検出し、該データサイズが閾値未満の場合に、上記サブウィンドウを上記文字列の表示位置に隣接する領域に挿入してもよい。また、上記データサイズが閾値以上の場合に、上記ウィンドウ表示処理部が、上記ウィンドウ内の予め定められた位置に上記サブウィンドウを挿入してもよい。
【0080】
また、上記の情報処理装置において、上記データ群は、複数の辞書データからなり、上記サブウィンドウを表示するためのウィンドウ表示条件として、少なくともウィンドウのサイズおよび表示位置を規定した情報が、上記辞書データ毎に格納されたテーブルをさらに備え、上記情報検索部が、上記複数の辞書データのうちから上記入力部を通じて指定された辞書データを用いて、上記文字列の関連情報を取得し、上記ウィンドウ表示処理部が、上記テーブルを参照して、上記情報検索部にて使用した辞書データについてのウィンドウ表示条件を取得し、該ウィンドウ表示条件に従って上記サブウィンドウを表示してもよい。この場合、上記ウィンドウ表示条件が、サブウィンドウに表示される文字のサイズを規定する情報を含み、上記ウィンドウ表示処理部が、上記ウィンドウ表示条件により規定された文字のサイズで上記サブウィンドウに上記関連情報を表示してもよい。
【0081】
以上説明した本発明は、複数の辞書データを備え、これら辞書データを利用して情報検索を行うことが可能な情報処理装置全般に適用することができる。また、本発明は、デスクトップ型のパーソナルコンピュータだけでなく、ノート型のパーソナルコンピュータにも適用することができる。さらに、本発明は、携帯電話機等に代表される携帯情報端末に適用することができる。
【符号の説明】
【0082】
1 制御部
2 入力部
3 表示部
4 記憶部
5 通信部
10 情報検索部
11 表示制御部
11a ブラウザ部
11b ポップアップ表示処理部
40 リソース情報
41 電子テキスト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力部と、
表示部と、
電子テキストを前記表示部に表示するブラウザ部と、
前記電子テキストが表示されたウィンドウ内にサブウィンドウを表示するウィンドウ表示処理部を有し、
前記ウィンドウ表示処理部は、前記入力部を通じて指定された文字列の前記ウィンドウ内における表示位置を検出し、該表示位置に隣接する領域に予め定められたサイズの前記サブウィンドウを挿入し、
前記ブラウザ部は、前記サブウィンドウが挿入されると、該挿入領域以外の領域に前記電子テキストを表示する、情報処理装置。
【請求項2】
前記入力部を通じて指定された文字列を検索用キーワードとして用いてデータ群から関連情報を検索する情報検索部をさらに有し、
前記ウィンドウ表示処理部は、前記関連情報を前記サブウィンドウに表示する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ウィンドウ表示処理部は、前記関連情報のデータサイズが前記予め定められたサブウィンドウのサイズよりも大きい場合に、該サブウィンドウにスクロール用のボタンを設定する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
電子テキストを表示部に表示するブラウザ部と、前記電子テキストが表示されたウィンドウ内にサブウィンドウを表示するウィンドウ表示処理部とを有する情報処理装置において行われるウィンドウ表示方法であって、
前記ウィンドウ表示処理部が、入力部を通じて指定された文字列の前記ウィンドウ内における表示位置を検出し、該表示位置に隣接する領域に予め定められたサイズの前記サブウィンドウを挿入するステップと、
前記ブラウザ部が、前記サブウィンドウが挿入された領域以外の領域に前記電子テキストを表示するステップを含む、ウィンドウ表示方法。
【請求項5】
電子テキストを表示部に表示し、該電子テキストが表示されたウィンドウ内にサブウィンドウを表示する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
入力部を通じて指定された文字列の前記ウィンドウ内における表示位置を検出する処理、該表示位置に隣接する領域に予め定められたサイズの前記サブウィンドウを挿入する処理、および該サブウィンドウが挿入された領域以外の領域に前記電子テキストを表示する処理を前記コンピュータに実行させるプログラム。
【請求項1】
入力部と、
表示部と、
電子テキストを前記表示部に表示するブラウザ部と、
前記電子テキストが表示されたウィンドウ内にサブウィンドウを表示するウィンドウ表示処理部を有し、
前記ウィンドウ表示処理部は、前記入力部を通じて指定された文字列の前記ウィンドウ内における表示位置を検出し、該表示位置に隣接する領域に予め定められたサイズの前記サブウィンドウを挿入し、
前記ブラウザ部は、前記サブウィンドウが挿入されると、該挿入領域以外の領域に前記電子テキストを表示する、情報処理装置。
【請求項2】
前記入力部を通じて指定された文字列を検索用キーワードとして用いてデータ群から関連情報を検索する情報検索部をさらに有し、
前記ウィンドウ表示処理部は、前記関連情報を前記サブウィンドウに表示する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ウィンドウ表示処理部は、前記関連情報のデータサイズが前記予め定められたサブウィンドウのサイズよりも大きい場合に、該サブウィンドウにスクロール用のボタンを設定する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
電子テキストを表示部に表示するブラウザ部と、前記電子テキストが表示されたウィンドウ内にサブウィンドウを表示するウィンドウ表示処理部とを有する情報処理装置において行われるウィンドウ表示方法であって、
前記ウィンドウ表示処理部が、入力部を通じて指定された文字列の前記ウィンドウ内における表示位置を検出し、該表示位置に隣接する領域に予め定められたサイズの前記サブウィンドウを挿入するステップと、
前記ブラウザ部が、前記サブウィンドウが挿入された領域以外の領域に前記電子テキストを表示するステップを含む、ウィンドウ表示方法。
【請求項5】
電子テキストを表示部に表示し、該電子テキストが表示されたウィンドウ内にサブウィンドウを表示する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
入力部を通じて指定された文字列の前記ウィンドウ内における表示位置を検出する処理、該表示位置に隣接する領域に予め定められたサイズの前記サブウィンドウを挿入する処理、および該サブウィンドウが挿入された領域以外の領域に前記電子テキストを表示する処理を前記コンピュータに実行させるプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−99116(P2012−99116A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−246520(P2011−246520)
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【分割の表示】特願2008−221507(P2008−221507)の分割
【原出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【分割の表示】特願2008−221507(P2008−221507)の分割
【原出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]