説明

情報処理装置、タッチパネル振動制御方法及びプログラム

【課題】 入力操作に応答してタッチパネルを振動させる機能を持つタッチパネル入力装置において、ユーザーそれぞれに適した操作環境を提供できるようにすること
【解決手段】 ユーザーが操作を開始し、指先がタッチパネルに触れると、パネルを振動させる装置を最も低いレベルの振幅で振動する制御目標値の設定値でタッチパネルが振動を始める。その後、初期設定からタッチパネルの振動の振幅が大きくなる方向に設定値を変化させ、この過程で指先がタッチパネルの接触面から解離する時点で加えられていた振動の強さ(振幅)を当該ユーザーに適した操作感を与える振幅とみなす(S103〜105)。この設定値を保存し、保存した設定値を当該ユーザーの入力の操作が終わるまでタッチパネルの応答(振動)設定値に持続的に用いて振幅を制御する(S106〜108)ことにより、ユーザーに適した操作感を与えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル入力装置をユーザーインターフェースとして持つ情報処理機能を備えた装置や機器(以下、「情報処理装置」という)に関し、より詳しくは、入力操作への応答を操作者に伝えるためにタッチパネルを振動させる機能を備えた情報処理装置、タッチパネルの振動制御方法及びタッチパネルの振動制御手段を実現するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から情報処理装置において、ユーザーインターフェースとしてタッチパネル入力装置が広く利用されているが、近年、タッチパネルに振動機能を付加し、入力操作の際にタッチパネル面に触れる操作者の指などに対して適当な振動を伝えることで、メカスイッチのような操作感をユーザーに与えることができる入力装置が提案されている。
この振動機能によると、例えば、カーナビゲーション装置のように、操作中に画面を注視できないような装置では、タッチパネルの接触面の変化を指先で感じ取ることで入力操作が有効に行われているかを確認することが可能になり、利便性を高めることができる。また、視覚障害者にとっても、音声以外の方法でも入力の確認ができることで、より高い操作感を得ることができるようになる。
【0003】
このような振動機能を持った入力装置については、入力検出面上のボタンの押下位置の加圧力によって振動パターンを変更してボタンの操作感を変更するもの(特許文献1参照)や、機器の設定操作をタッチパネルで行う場合に、設定状態(操作位置)に対応して振動レベル(強度)を変えて、目視によらず設定値を伝達するもの(特許文献2参照)が提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の従来技術においては、タッチパネルからの振動がユーザーの指先等の操作部に伝わり、触覚により操作の有効性等を確認することが可能となる。
ただ、例示した従来技術においては、ユーザーそれぞれが持つ感覚の違いを考慮することなく、全てのユーザーに同じ振動を与える動作で対応しているため、指先の感覚が鈍感な人によって感じられる振動を鋭敏な人に対しても与えることになってしまう。その結果、振動が強すぎて不快を感じてしまうことや、鋭敏な人の不快感を除くために弱くすると逆に振動が弱すぎて鈍感な人が感知できず、操作を誤ってしまう可能性がある。
本発明は、上記従来技術の問題に鑑みてなされたもので、その目的は、当該振動機能を持つタッチパネル入力装置においてユーザーそれぞれに適した操作環境を提供できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、操作体の接触に応えて入力信号を発生させるための接触面を持つタッチパネル、該タッチパネルを振動させる振動手段、該振動手段の動作を制御する制御手段を有する入力装置を備えた情報処理装置であって、前記制御手段は、操作体の接触により入力信号が発生した時に初期設定値から増加させる方向に設定値を変化させてタッチパネルの振幅を制御し、接触の解離により入力信号が無くなった時の設定値を保存する初期制御動作を行い、同一操作者によって繰り返される操作の際に、前記初期制御動作で保存した前記設定値を持続的に用いて振動手段の動作を制御する手段であることを特徴とする。
本発明は、操作体の接触に応えて入力信号を発生させるための接触面を持つタッチパネル、該タッチパネルを振動させる振動手段を有する入力装置における振動手段を制御するタッチパネル振動制御方法であって、操作体の接触により入力信号が発生した時に初期設定値から増加させる方向に設定値を変化させてタッチパネルの振幅を制御し、接触の解離により入力信号が無くなった時の設定値を保存する初期制御工程と、同一操作者によって繰り返される操作の際に前記初期制御工程で保存した設定値を持続的に用いて振動手段の動作を制御する工程とを有することを特徴とする。
本発明は、操作体の接触に応えて入力信号を発生させるための接触面を持つタッチパネル、該タッチパネルを振動させる振動手段を有する入力装置の前記振動手段を制御する制御手段として、コンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記制御手段は、操作体の接触により入力信号が発生した時に初期設定値から増加させる方向に設定値を変化させてタッチパネルの振幅を制御し、接触の解離により入力信号が無くなった時の設定値を保存する初期制御動作を行い、同一操作者によって繰り返される操作の際に、前記初期制御動作で保存した前記設定値を持続的に用いて振動手段の動作を制御する手段であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によると、操作する人それぞれの感覚に応じた強度でタッチパネルを振動させて入力操作への応答を伝えることにより、快適な操作環境を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施形態に係る複合機を含む画像処理システムの構成を示す図である。
【図2】入力操作に応答するタッチパネルの動作の制御フロー(実施形態1)を示す図である。
【図3】操作パネルの表示装置に表示する初期画面の1例を示す図である。
【図4】入力操作に応答するタッチパネルの動作(振動)を説明する線図である(実施形態1)。
【図5】操作パネルの表示装置に表示する処理条件設定画面を示す図である。
【図6】操作パネルの表示装置に表示する操作の確認画面を示す図である。
【図7】入力操作に応答するタッチパネルの動作(振動)を説明する線図である(実施形態2)。
【図8】入力操作に応答するタッチパネルの動作(振動)を説明する線図である(実施形態3)。
【図9】入力操作に応答するタッチパネルの動作の制御フロー(実施形態4)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、タッチパネル入力装置をユーザーインターフェースとして持つ本発明に係る情報処理装置及びタッチパネル振動制御方法を複合機(デジタル複写機)に適用した実施形態について、添付した図面を参照して説明する。
本実施形態に係る複合機は、複写、ドキュメントボックス(蓄積画像を再出力に利用する機能)、ファクシミリ(以下、「FAX」ともいう)、プリンタ及びスキャナ等の複合機能を有する。これらの複合機能を利用する際、ユーザーの操作によって使用する機能が選択され、動作条件、処理条件等を指示する入力が行われる。この実施形態において、ユーザーの入力操作は、操作パネルに設けたタッチパネル入力装置を通して行う方法が採用される。
本実施形態のタッチパネル入力装置は、入力操作の際にタッチパネル面に触れる操作者の指などに入力操作に対する応答として振動を伝える手段を有し、この手段によってメカスイッチのような操作感をユーザーに与える機能(以下、「操作応答機能」という)を持ち、この操作応答機能に本実施形態の特徴がある。
【0009】
タッチパネル入力装置における操作応答機能を詳細に説明する前に、先ず、当該操作応答機能を適用する複合機の概要を図1に示す画像処理システムを参照して説明する。なお、図1は、複合機の画像データ処理システム25の構成を中心に示すもので、ハードウェア構成そのものは、基本的には、既存の構成を採用することにより実施できるので、省略している。
図1に示す複合機1は、複写、ドキュメントボックス、ファクシミリ、プリンタ及びスキャナ等の複合機能を有し、これらの機能を用いて、画像を入力(画像読取装置17による原稿読取やネットワーク、外部記憶装置14等からの入力)し、入力された画像或いは蓄積画像(再利用するためにデータの保存が可能な記憶装置9に蓄積された入力画像)をもとに、複合機内の印刷装置16でのプリント出力、ネットワークへの配信、FAX送信等の出力を行う。
【0010】
図1において、スキャナ等の画像読取装置17は、原稿画像を読取り、画像読取制御ユニット11を介して、生成した原稿のデジタル画像データを画像処理制御ユニット8に出力する。
画像処理制御ユニット8は、原稿の画像データを各種出力に利用可能な汎用データに変換・処理し、処理後の画像データは、メモリユニット3或いは記憶装置9に格納される。なお、記憶装置9は、HDD(Hard Disk Drive)等のデータ保存(蓄積)が可能な記憶装置で記憶装置制御ユニット7を介してデータがアクセスされる。
また、画像処理制御ユニット8は、複合機内に装備された印刷装置16や表示装置18においてそれぞれの出力に用いる画像データを変換・処理し、印刷制御ユニット10、表示制御ユニット13を介して印刷装置16、表示装置18それぞれにデータ出力を行う。画像処理制御ユニット8が出力用に処理するデータは、原稿読取入力を含む各種の入力パスを経てメモリユニット3或いは記憶装置9に記憶されたデータをもとにする。
【0011】
上記の画像処理制御ユニット8の処理は、操作入力装置19(後述)から指示される場合、ユーザーの操作により、カラー/モノクロのモードの選択や解像度等の原稿読取入力における処理条件並びに画質や画像サイズ等の各種出力処理条件の設定がなされる。
画像処理制御ユニット8の処理を経て、印刷制御ユニット10を介して出力用画像データが送り込まれる印刷装置16は、レーザービームを用いた電子写真プロセスなどにより、記録媒体としての転写紙に受取った出力用画像データ(CMYKのデジタル画像データ)によるカラー、両面等の印刷出力をする。モノクロ出力を行う際にはKだけ受け取れば出力できるように構成する。
もちろん、出力に使用するプロセスは任意に選択可能であり、例えば、インクジェットエンジンでも構わない。その場合には6色や7色といった多色インクの対応も必要に応じて構成することが出来る。
【0012】
複合機1が外部に対するデータの入出力を行うために備えた手段の1つは、LAN(Local Area Network)を用いるもので、LAN制御部5を介してLANに接続されたPC(Personal computer)35やサーバー34との間でデータ交換を行う。複合機1からLANを用いて配信する際には、ユーザーの操作によって配信先(PC35等)及び送信するファイル(ドキュメントボックス機能等における蓄積画像の利用時)が指定され、配信が指示される。また、複合機1に対し、PC35がホストとなって、印刷コマンドや複合機1内に蓄積された画像の転送要求が発行される。なお、図1に示すように、複合機1とPC35がLANに接続されている場合、処理対象の画像ファイル等のデータがサーバー34の管理下にあれば、サーバー34を介してデータが提供される。
また、複合機1を接続したLANは、通信制御ユニット32を介してインターネット31に接続されているので、PC35と同様にインターネット31に接続された各種の情報処理装置との間でもデータ交換が可能となる。
【0013】
複合機1は、FAX送受信機能を備え、FAX回線33に接続された外部FAX機に対してFAX制御部4を介してデータの入出力を行い、これが外部に対するデータの入出力を行うためのもう1つの手段となる。複合機1からFAX回線33を用いてFAX送信する際、ユーザーの操作によって、送信先及び送信するファイル(ドキュメントボックスに蓄積された画像ファイルの場合)が指定され、FAX送信が指示される。
さらに、複合機1は、周辺機器としての外部記憶装置14及び外部メディア入出力装置15を利用してデータの入出力を可能とする。これらの記憶メディアに対するデータの入出力は、入出力デバイス制御ユニット6を介して画像ファイル等のデータファイルの転送を本体のデータ処理システム内のメモリユニット3或いは記憶装置9との間で行う。なお、外部メディア入出力装置15からデータが入出力できるメディアは、マルチメディアカード、スマートメディア、メモリスティック(登録商標)、SD(Secure Digital)メモリカード、CD(Compact Disc)−ROM、フロッピー(登録商標)ディスク、USB(Universal Serial Bus)メモリ、非接触ICカードなどがある。
【0014】
複合機1においては、上記のように、ユーザーによって使用する機能が選択され、動作条件、処理条件等の設定条件が指示される。こうしたユーザーの指示は、複合機の操作パネルに装備した、ユーザーインターフェースとしての機能を提供する表示装置付きのタッチパネル入力装置を通して行われる。
このタッチパネル入力装置は、情報処理機能を備えた装置に広く利用されている対話形式のインターフェースを実現するための手段である。ここでいう対話形式とは、各設定項目について、設定内容や設定操作方法の説明を加えながら、逐次に設定を行っていく形式で、設定漏れや説明不足を回避するために有効な方式である(例えば、ATM:現金自動預け払い機、乗車券の自動券売機等において広く用いられている)。
本実施形態における対話形式のユーザーインターフェースは、表示装置18と操作入力装置19を基本的な構成要素として、これらを複合機1のメインコントローラ(後述)のCPU2の管理下で動作させる。即ち、LCD、CRT等の表示装置18の画面に、設定項目に関する内容の説明や操作を案内するメッセージとともに、ボタン(キー)等の入力操作要素を表示し、表示された入力操作要素に対するユーザーの操作を操作入力装置19のタッチパネルの検出面への接触検出(例えば、表示された設定項目ボタンの画面位置が押下されたか否かの検出)によって検知し、ユーザーの求める設定条件やユーザーの指示等を認識する。
【0015】
また、この実施形態のタッチパネル入力装置は、操作応答機能として、入力操作の際にタッチパネル面に触れる操作者の指などに入力操作に対する応答として振動を伝える手段を備え、この手段によって、メカスイッチのような操作感をユーザーに与える。
入力操作に応答してタッチパネルを振動させるための手段として、本実施形態では、CPU2の管理下で動作し、振動制御ユニット20を介して振動が制御できる振動装置21を備える。
この振動装置21は、例えば、タッチパネルと表示装置の表示画面の間に圧電素子よりなる振動板を設置することで構成できる。振動装置21に用いる振動板は、後述する振動装置21の動作に示すように、単調増加特性で振幅を制御できることが必要条件となるので、この条件に適うものであれば、圧電素子以外のものでも適用できる。
なお、タッチパネル操作時の操作応答機能による振動装置21の動作の制御については、本実施形態の特徴点であり、後記で詳述する。
【0016】
複合機1の画像データ処理システム25の上記した各制御ユニット、各制御部は、メインコントローラの制御下で動作する。
画像データ処理システム25のメインコントローラは、CPU(Central Processing Unit)2と、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等よりなるメモリユニット3を構成要素とする。CPU2は、メモリユニット3に格納された制御プログラムに従って制御ユニット等を介して制御対象となる各種のデバイス(装置)を動作させ、画像データ処理システム25全体を制御する。メモリユニット3のROMに格納するプログラムの中に、後述する操作応答機能を実現するためのタッチパネル振動制御(図2,9の制御フロー)を実行するプログラムを記録(記憶)しておくことで、CPU2が、この記録媒体に記録した制御・処理プログラムや制御データ等をRAMに読込み、処理の実行時にこのプログラムを駆動することによって、CPU2(コンピュータ)をこの制御の実行手段として機能させることができる。
なお、上記プログラムを記録する媒体としては、上記ROMに限らず、HDD、CD−ROM、MO(Magnet Optical Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体を用いることができる。また、プログラムを、インターネット等のネットワーク(図示せず)に接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するようにしても良い。
【0017】
次に、タッチパネルの操作応答機能について、詳細に説明する。
操作応答機能は、入力操作に応答してタッチパネルを振動させ、ユーザーに操作感を与える機能である。つまり、操作に応えてタッチパネルを振動させると、振動がユーザーの指先等の操作部位に伝わり、この触覚により操作が有効になされた、という操作感を与える機能である。この機能は、ユーザーの感覚(触覚)に訴えるものであるから、どのユーザーの操作に対しても均一な振動で応えると、ユーザー個々の感覚は異なるので、上記[発明が解決しようとする課題]で述べたような不適合が生じる。
そこで、本実施形態では、ユーザー個々の感度(感覚の違い)に応じ適度な操作感を与えることが可能な強度で振動装置21を振動させて入力操作に応答できるようにする。
【0018】
この操作応答機能を実現するための手段として、ユーザー個々の感覚の違いに応じた適度な操作感を与える振幅で振動装置21を動作させるための制御を行う。また、この制御を行うには、ユーザー個々の感度に適した条件で振動装置21を動作させるための制御目標値を設定するが、この設定値を得る際に、ユーザーに特別な負担をかけることなく、通常の操作のみを行えば、この機能が働くような方法によって実施できるようにする。
以下には、この操作応答機能を実現するための振動装置21の制御に係る実施形態として、実施形態1〜4を示す。
実施形態1は、複合機にジョブを要求するときに、操作を行うユーザーに適した操作応答を行う制御方法の基本形態を示すものである。
実施形態2,3は、上記実施形態1をベースに、より適正な動作を補償するための改良を加えた実施形態を示すものである。
実施形態4は、ユーザーに適した操作応答を行うために、これまでに行った操作応答の設定値をユーザーごとに管理することにより、ユーザーに適応する制御動作をより迅速かつ的確に行えるようにする実施形態を示すものである。
【0019】
「実施形態1」
この実施形態は、ユーザーに適した操作感を与える振幅で振動装置21を動作させる操作応答機能を実現するための制御方法の基本形態を示す。
この実施形態では、ユーザーが入力の操作を開始し、制御動作を行う際に、操作への応答としてタッチパネルに加える振動の強さ(振幅)を変化させ、この過程におけるユーザーの動作(タッチパネルへの操作)に基づいてユーザーに適した操作感を与える振幅を判断し、判断した振幅をユーザーに適した操作感を与える振幅の設定値として取得する動作(以下、「初期制御動作」という)を行う。
具体的には、ユーザーが操作を開始し、指先(操作体)がタッチパネルの接触面に触れて入力信号が発生すると、振動装置21の制御手段には、初期設定で最も低いレベルの振幅で振動する制御目標値が設定されており、この設定値に従いタッチパネルが振動を始める。その後、初期設定から増加させる方向に設定値を変化させることにより、タッチパネルの振動の振幅が大きくなっていく。この過程において、指先(操作体)がタッチパネルの接触面から解離すると、この時点で加えられていた振動の強さ(振幅)を当該ユーザーに適した操作感を与える振幅とみなす。つまり、指先を接触面から解離したときには、ユーザーが指先の触覚でタッチパネルからの応答(振動)を感じ、この触覚により操作が有効になされた、という操作感を得たときである、という判断に基づく。
この判断に従って取得した振幅の設定値を保存し、保存した設定値を当該ユーザーの入力の操作が終わるまでタッチパネルの応答(振動)設定値に持続的に用いて振幅を制御することにより、ユーザーに適した操作感を与えることができる。
【0020】
以下、入力操作に対して応答するタッチパネルの動作の制御フローを示す図2を参照して、この実施形態における入力操作に応答するタッチパネルの動作を説明する。
図2の制御フローは、電源オフ或いは低消費電力モード等におけるシャットダウン状態からシステムが立ち上げられたときに起動される。
制御フローが起動されると、先ず、操作パネルの表示装置18に初期画面を表示するとともに、タッチパネルの振動装置21を制御する振動制御ユニット20の設定値Vnを初期化(Vn←Vs)する(ステップS101)。
図3は、表示装置18に表示される初期画面の1例を示す図である。同図は、コピー(複写)機能を利用するための操作画面を初期画面としている場合の例を示すものである。図3の画面18dには「カラーコピー」のボタンB1と「モノクロコピー」のボタンB2を表示し、各ボタンの表示部分をユーザーの接触に応じ入力信号を発生させるための検知面としている。この検知面への操作(接触)、即ちボタンの押下によって発生する入力信号から、「カラーコピー」「モノクロコピー」いずれかの選択した動作モードを認識する。
また、初期画面の表示と同時に、画面表示後に行われるユーザーの操作の際に操作応答機能が働くように、振動制御ユニット20を初期化する。初期化時の設定は、どのような感度を持つユーザーであるか分からず、この後ユーザーに適した設定値を探す初期制御動作を行うので、設定値Vnには最も低いレベルの振幅で振動する制御目標値Vsを設定する。
【0021】
次に、初期画面(図3、参照)を表示した状態でユーザーの操作を待つ(ステップS102)。図3に示した画面18dを例にすると、画面に表示されたボタンB1/B2が押下されない間(ステップS102-NO)、操作を待ち続け、ユーザーによってボタンB1/B2が押下されると(ステップS102-YES)、次のステップS103に移行する。
ユーザーがボタンを押下すると、ボタン押下により発生する入力信号に応えて、即時に振動制御ユニット20を介してタッチパネルの振動装置21を動作させる(ステップS103)。このとき、振動制御ユニット20には、設定値Vnには初期設定値Vsが設定されているので、この値で振動装置21を動作させ、タッチパネルが振動を始める。この振動は、ユーザーの指先等の操作部位に伝わり、触覚により操作が有効になされた、という操作感をユーザーに与える。
タッチパネルの振動開始後、初期設定から増加させる方向に設定値を変化(Vn←Vn+α)させる(ステップS104)。この時の設定値の変化は、タッチパネルに生じる振動の振幅を単調に増加させ、押下する時間につれて振動を強め、感覚の鈍いユーザーでも知覚できるレベルに達するようにする。図4は、入力操作に応答して振動させるタッチパネルの動作例を示す線図である。図4の線図は、縦軸に振幅、横軸に押下時間をとっている。同図中の線L1は、振幅の初期値をVsとして押下時間につれて傾きα/tで振幅を変化させる動作特性を表している。
【0022】
上記のように振幅を変化させてタッチパネルを振動させながら、ユーザーによるボタンの押下の終了を待つ(ステップS105)。即ち、ボタンが押下されて操作が終了していない間(ステップS105-NO)、終了を待ち続け、ユーザーによってボタンの押下が解離されて操作が終了すると(ステップS105-YES)、次のステップS106に移行する。
ユーザーがボタンから指を離し(ボタンの押下を解離し)、操作が終了したときには、ユーザーが指先の触覚でタッチパネルからの応答(振動)を感じ、この触覚により操作が有効になされた、という操作感を得たときである。
よって、この時点で加えられていた振動の強さ(振幅)を当該ユーザーに対して用いる最適条件とみなし、この振幅の設定値Vnを保存する。振幅の設定値Vnは、図4に示したように、制御条件によって動作特性が予め決められているので、ボタンの押下が解離されて操作が終了した時点の設定値Vnとして取得することができる。
上記のようにして保存した設定値Vnを当該ユーザーの入力の操作が終わるまでタッチパネルの応答に用いる最適振幅の設定値として設定(Vfit←Vn)する(ステップS106)。
【0023】
この後、引き続いて切替わる操作画面でこのユーザー(当該ジョブを要求するユーザー)によって行われる入力操作を待つ(ステップS107)。図5は、初期画面の後に、切替わる操作画面を例示する。同図は、コピー機能の初期画面(図3)に引き続いて切替わる画面の例を示すものである。図5の画面18dには「コピー部数」を設定するための数字キーB4を表示し、各キーの表示部分をユーザーの接触に応じ入力信号を発生させるための検知面としている。
ステップS107の入力操作待ちは、要求されたジョブを完了しシステムの利用が終了するまで行う。即ち、要求したジョブの処理が未完了(システムの利用が終了していない)であり連続して操作が行われる間(ステップS108-NO)、入力操作を待ち続け、要求したジョブの処理が完了しシステムの利用が終了すると(ステップS108-YES)、次のステップS109に移行する。なお、システムの利用が終了するまで、当該ユーザーの入力の操作に対して、ステップS106で設定した最適振幅の設定値を適用する。
【0024】
また、同一のユーザーが別のジョブを連続して行う場合を想定して、ステップS108の判断を行うようにすることができる。手順としては、要求したジョブの一連の処理が終了したところで、さらに新たなジョブを続けて行うか否かをユーザーに問い、ユーザーの意思で引き続いて操作画面への入力操作を行うようにする。図6は、連続操作を確認するためにユーザーに示す確認画面を示す図である。同図に示す操作画面18dの例は、「連続操作」ボタンB5と「操作終了」ボタンB6のいずれかを選択する操作画面を示す。「連続操作」を選択した場合、先に設定した最適振幅の設定値Vfitが適用できるので、最適振幅を取得する初期制御動作が不要になるというメリットが生じる。
ステップS108の後、システムのシャットダウンが指示されているか否かを確認する(ステップS109)。ここで、シャットダウンが指示されていなければ(ステップS109-NO)、ステップS101に戻り、新たなジョブの処理要求に応える。
他方、シャットダウンが指示されていれば(ステップS109-YES)、この制御フローを終了する。
【0025】
この実施形態によると、操作する人それぞれの感覚に応じた強度でタッチパネルを振動させて入力操作への応答を伝えることによって快適な操作環境を提供することができ、また、同一のユーザーが連続してジョブを要求する場合には、ユーザーに適した振動の強度の設定値を取得する初期制御動作が不要になるので、処理を迅速化することができる。
【0026】
「実施形態2」
この実施形態は、上記実施形態1に改良を加えたもので、実施形態1で操作応答をユーザーの感度に応じて制御するための設定値として得た最適振幅値Vfitに基づいて、さらに適切な動作を補償するための設定値を求める手段を付加した実施形態を示すものである。
実施形態1では、ユーザーがタッチパネルへ行う一度目の入力操作過程で最適振幅値Vfitを得て(図2、ステップS101〜106、参照)、それ以降に当該ユーザーがタッチパネルへ行う操作においては、最適振幅値Vfitの設定でタッチパネルを振動させることによって操作応答を行う(図2、ステップS107〜108、参照)方法によって実施していた。
ただ、この方法は、タッチパネルの操作に慣れている人や操作応答機能の働きを知っている人がユーザーである場合には、一度目の入力操作過程でユーザーに適した設定値をVfitとして得ることができるが、逆に不慣れで操作応答機能を全く知らないユーザーである場合には、一度目の入力操作過程でユーザーに適した設定値が得られない、という状況になることが想定される。つまり、ユーザーの操作の習熟度等によって最適値が設定できないケースが起きる可能性がある。
【0027】
そこで、この実施形態では、こうしたケースをそのままにしておくことなく、再度入力操作過程において上記実施形態1で行ったと同様の手順で最適振幅値を得るようにし、この手順を行うことでこの問題の解決を図る。
最適振幅値を得る手順を再度行う際、次に示す方法を実施することによって、より適切な値を求めることができる。即ち、一度目の入力操作過程においてユーザーの入力操作で得られた最適振幅値Vfit近辺の所定範囲の値を一度目の初期設定値に当たる設定値として用いて、この設定値から増加させる方向に設定値を変化させる。この時の設定値の変化は、タッチパネルに生じる振動の振幅を単調に増加させ、押下する時間につれて振動を強める。
図7は、入力操作に応答して振動させるタッチパネルの動作例を示す線図である。図7の線図は、縦軸に振幅、横軸に押下時間をとっている。同図中の線L2は、振幅の初期値をVs2として押下時間につれて傾きα/t1で振幅を変化させる動作特性を表している。例えば、前回(例えば一度目)の最適振幅をVfit1、押下終了までの時間をt1とし、次画面においてはVfit1固定値ではなく、Vfit1−αを初期値とし、傾きα/t1 で変化させることによって、前回操作時よりも微妙な強度設定ができるようになる。
この実施形態によると、振動を細かく調整することで、操作する人それぞれの感覚に応じた強度でタッチパネルを振動させて入力操作への応答を伝えることによって快適な操作環境を提供することができ、また、振動を細かく調整することで、より快適な操作環境を提供することが可能となる。
【0028】
「実施形態3」
この実施形態は、上記実施形態1に改良を加えたもので、実施形態1で操作応答をユーザーの感度に応じて制御するための設定値として得た最適振幅値Vfitに基づいて適切な動作を補償する手段を付加した実施形態を示すものである。
実施形態1では、ユーザーがタッチパネルへ行う一度目の入力操作過程で最適振幅値Vfitを得て(図2、ステップS101〜106、参照)、それ以降に当該ユーザーがタッチパネルへ行う操作においては、最適振幅値Vfitの設定でタッチパネルを振動させることによって操作応答を行う(図2、ステップS107〜108、参照)方法によって実施していた。
ただ、上記の手順によると、最適振幅値Vfitを得る一度目の入力操作過程でユーザーが早めに操作を終えてしまい、ユーザーに適した本来の強さよりも小さな振幅で最適振幅値Vfitが設定されてしまう、という状況になることが想定される。つまり、操作応答機能が十分に働かないケースが起きる可能性がある。
【0029】
そこで、この実施形態では、こうしたケースをそのままにしておくことなく、最適振幅値Vfitの設定でタッチパネルを振動させる際の動作において、以下に示す動作を行わせることで操作応答機能の働きを補償する。
即ち、ユーザーの指先がタッチパネルに触れ入力信号が発生した時から所定時間にわたり初期制御動作で得た最適振幅値Vfitの設定で制御し、所定時間経過した後最適振幅値Vfitから増加させる方向に変化させる設定値を用いて制御する動作を行う。この時の設定値の変化は、タッチパネルに生じる振動の振幅を単調に増加させ、押下する時間につれて振動を強める。
この動作を行うことにより、最適振幅値Vfitが小さくユーザーに操作感がなくても、所定時間経過後からさらに振幅を上昇させることによって、ユーザーが感じるレベルに達するので、確実に操作感を与えることができる。
【0030】
図8は、本実施形態における入力操作に応答して振動させるタッチパネルの動作例を示す線図である。図8の線図は、縦軸に振幅、横軸に押下時間をとっている。同図中の線L3は、押下開始からt1までの間の振幅値を一度目の入力操作で得た最適振幅値Vfit1として、時間t1経過後は押下時間につれて傾きα/tで振幅を変化させる動作特性を表している。
この実施形態によると、図8の動作例に示すように、所定時間t1経過後から振幅を上昇させ、この動作によって確実にユーザーに振動を伝えることができ、所定時間t1における最適振幅値Vfitの設定が不十分であった場合にも、この動作を補完することができる。
【0031】
「実施形態4」
この実施形態は、ユーザーに適した操作応答を行うために、これまでに行った操作応答の設定値をユーザーごとに管理することにより、ユーザーに適応する制御動作をより迅速かつ的確に行えるようにする実施形態を示すものである。
上記実施形態1の方法は、図2の制御フローを参照して説明したように、不特定のユーザーがシステムを利用するときに対応して、ユーザーに適した操作応答の制御を行う。このため、システムの利用が終了すると、次のユーザーに対しては、初期化からの動作となる。
従って、次に利用するユーザーが、前に利用したユーザーであっても、再利用する場合には、毎回、初期化から始まる手順のなかで最適振幅値を得るための初期制御動作を行ってユーザーに適応する必要があり、パフォーマンスを低下させる。
【0032】
そこで、この実施形態では、システムを利用する際にユーザーに適応する操作応答の制御を、初期制御動作を含めて行った場合には、初期制御動作で得た最適振幅値をユーザーごとに管理し、ユーザーが次にシステムを利用するときに管理された最適振幅値を制御に用いることによって、直ちにユーザーに適応する操作応答が行えるようにする。
近年、複合機には、利用者(ユーザー)登録を行うことで、登録されたユーザー独自の情報(権限、使用機能、アドレス帳などの情報、以下「ユーザー情報」という)を保持し、利用時にユーザーの認証を行い、認証されたユーザーに関連付けて保持されているユーザー情報をもとに、ユーザー個々にカスタマイズされた環境を提供する管理機能が搭載されている。また、ユーザー認証の方法についても、従来はユーザー名とパスワード入力のように手間のかかる方法が用いられていたが、非接触ICカードや指紋認証といった属人性が高く、入力の手間が少ない認証方法が採用され、ユーザー登録の導入も進んでいる。
この実施形態では、上記ユーザー情報の一部に操作応答の制御に用いる最適振幅値を加えて管理し、上記した再利用時のユーザーの操作応答の制御に用いることにより、実施化を容易にする。
【0033】
以下、入力操作に対して応答するタッチパネルの動作の制御フローを示す図9を参照して、この実施形態における入力操作に応答するタッチパネルの動作を説明する。
図9の制御フローは、電源オフ或いは低消費電カモード等におけるシャットダウン状態からシステムが立ち上げられたときに起動される。
制御フローが起動されると、先ず、ユーザー(利用者)認証を行う(ステップS201)。ここでは、例えば、外部メディア入出力装置15を通して、ユーザーが所有する非接触ICカードに書込まれたユーザー認証用のデータ(例えば、ユーザーID)を読取り、予め登録されたユーザー認証用のデータ(例えば、ユーザーID)と照合し、認証が成立するか否かを確認する(ステップS202)。
【0034】
ユーザー認証を行った結果、認証が成立しない場合には(ステップS202-NO)、ユーザに適した操作応答は、上記実施形態1に示した制御動作をそのまま用いることにより実施することができる。即ち、不特定のユーザーがシステムを利用することを前提にして、各ユーザーに適した操作応答の制御を行う実施形態1の制御フロー(図2のステップS101〜S108)を実行する(ステップS203)。なお、図2の制御フローは、不特定のユーザーへの対応であるから、ユーザーがシステムの利用を終了した後には、何の履歴も残さない。この点は、後述する特定のユーザー(認証されたユーザー)において、操作応答動作の履歴(振幅情報)が保存される場合と異なる。
ステップS203を実行した後、この制御フローの最終段で行うシステムのシャットダウンの指示を確認するステップを行い、シャットダウンが指示されていなければ(ステップS213-NO)、ステップS101に戻り、新たなジョブの処理要求に応える。他方、シャットダウンが指示されていれば(ステップS213-YES)、この制御フローを終了する。
【0035】
他方、ユーザー認証が成立した場合には(ステップS202-YES)、次に、管理されているユーザー情報に認証ユーザーの振幅情報(Vreg)が保管されているか否かを確認する(ステップS204)。
この確認を行った結果、当該ユーザーの振幅情報(Vreg)が保管されている場合には(ステップS204-YES)、この振幅情報(Vreg)をタッチパネルの応答に用いる最適振幅の設定値として設定(Vfit←Vreg)し(ステップS205)、当該ユーザーの振幅情報(Vreg)が保管されていない場合には(ステップS204-NO)、何もしないで次のステップS206に進む。
この後、最適振幅値Vfitが設定されたか否かによって処理手順を分岐するので、Vfitが設定済みか否かを確認する(ステップS206)。
【0036】
最適振幅値Vfitが設定済みであれば(ステップS206-YES)、操作パネルの表示装置18に初期画面(図3、参照)を表示する(ステップS207)。
また、表示した初期画面には、直ぐに入力操作が行われる。図3に示した画面18dを例にすると、選択操作として画面に表示されたボタンB1/B2が押下されるが、その際に操作への応答として、ステップS205で設定した最適振幅の設定値Vfitによってタッチパネルを振動させる制御を実行する(ステップS208)。
他方、最適振幅値Vfitが設定済みではなければ(ステップS206-NO)、最適振幅Vfitを求め、タッチパネルの操作の応答制御に用いる設定値として、このVfitを設定する動作、即ち、上記実施形態1に示した初期制御動作と同じ動作(図2のステップS101〜S106)を実行する(ステップS209)。
【0037】
ステップS208或いはステップS209を行った後、引き続いて切替わる操作画面でこのユーザー(当該ジョブを要求する認証ユーザー)によって行われる入力操作を待つ(ステップS210)。初期画面の後に、切替わる操作画面(図5、参照)へのユーザーの入力操作待ちは、要求されたジョブを完了しシステムの利用が終了するまで行う。即ち、要求したジョブの処理が未完了(システムの利用が終了していない)であり連続して操作が行われる間(ステップS211-NO)、入力操作を待ち続け、要求したジョブの処理が完了しシステムの利用が終了すると(ステップS211-YES)、次のステップS212に移行する。なお、システムの利用が終了するまで、当該ユーザーの入力の操作に対して、ステップS205或いはステップS209で設定した最適振幅の設定値Vfitを、タッチパネルの操作の応答制御に適用する。
【0038】
また、同一のユーザーが別のジョブを連続して行う場合を想定して、ステップS211の判断を行うようにすることができる。手順としては、要求したジョブの一連の処理が終了したところで、さらに新たなジョブを続けて行うか否かをユーザーに問い、ユーザーの意思で引き続いて操作画面への入力操作を行うようにする。図6は、連続操作を確認するためにユーザーに示す確認画面を示す図である。同図に示す操作画面18dの例は、「連続操作」ボタンB5と「操作終了」ボタンB6のいずれかを選択する操作画面を示す。「連続操作」を選択した場合、先にステップS205或いはステップS209で設定した最適振幅の設定値Vfitが適用できるので、最適振幅を取得する動作が不要になるというメリットが生じる。
【0039】
ステップS211でシステムの利用終了を確認した後、特定のユーザー(認証されたユーザー)に適応する最適振幅設定値として、この制御フローの操作応答の制御に用いた振幅設定値Vfitをユーザー情報の1つとして保存し(Vreg←Vfit)、次回に当該ユーザーに適用できるように管理する(ステップS212)。
次のステップでは、システムのシャットダウンが指示されているか否かを確認する(ステップS213)。ここで、シャットダウンが指示されていなければ(ステップS213-NO)、ステップS101に戻り、新たなジョブの処理要求に応える。
他方、シャットダウンが指示されていれば(ステップS213-YES)、この制御フローを終了する。
【0040】
この実施形態によると、特定のユーザー(認証されたユーザー)に適応する操作応答に用いた最適振幅設定値をユーザー情報として管理し、ユーザー認証のみで最適振幅設定値を取得することができる、つまり不特定のユーザーに対応する実施形態1で初期制御動作として行ったシステム使用時に毎回最適振幅を模索する動作を省略することができるので、最適振幅の設定にかかる時間を短縮し、的確な動作が可能になる。
【符号の説明】
【0041】
1・・複合機、2・・CPU、3・・メモリユニット、18・・表示装置、19・・操作入力装置、20・・振動制御ユニット、21・・振動装置、25・・画像データ処理システム。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0042】
【特許文献1】特開2005−332063号公報
【特許文献2】特開2004−362428号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作体の接触に応えて入力信号を発生させるための接触面を持つタッチパネル、該タッチパネルを振動させる振動手段、該振動手段の動作を制御する制御手段を有する入力装置を備えた情報処理装置であって、
前記制御手段は、操作体の接触により入力信号が発生した時に初期設定値から増加させる方向に設定値を変化させてタッチパネルの振幅を制御し、接触の解離により入力信号が無くなった時の設定値を保存する初期制御動作を行い、同一操作者によって繰り返される操作の際に、前記初期制御動作で保存した前記設定値を持続的に用いて振動手段の動作を制御する手段であることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載された情報処理装置において、
前記制御手段は、前記初期制御動作を行う際、前回の初期制御動作で保存された設定値を含む近辺の所定範囲の値を初期設定値に用いて制御を行い、この動作によって得られる設定値により、保存された前記設定値を更新する動作を行うことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載された情報処理装置において、
前記制御手段は、前記初期制御動作で保存した前記設定値を持続的に用いて振動手段の動作を制御する際、操作体の接触により入力信号が発生した時から所定時間にわたり初期制御動作で保存された設定値を用いて制御し、所定時間経過した後前記設定値から増加させる方向に変化させる設定値を用いて制御する動作を行うことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載された情報処理装置において、
情報処理装置の利用者を登録し、操作者が登録された利用者であることを認証する利用者登録・認証手段と、登録された利用者に関連付けて利用者情報を管理する利用者情報管理手段を備え、
前記利用者情報管理手段は、前記制御手段が前記初期制御動作を行う際に得られた振幅の設定値を利用者情報として前記利用者登録・認証手段によって認証された利用者に関連付けて保存し管理するとともに、前記制御手段が前記初期制御動作で得た設定値を用いて振動手段の動作を制御する際、前記利用者登録・認証手段によって認証された利用者に関連付けて保存し管理された振幅の設定値から該当する利用者に適用する設定値を提供する手段であることを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
操作体の接触に応えて入力信号を発生させるための接触面を持つタッチパネル、該タッチパネルを振動させる振動手段を有する入力装置における振動手段を制御するタッチパネル振動制御方法であって、
操作体の接触により入力信号が発生した時に初期設定値から増加させる方向に設定値を変化させてタッチパネルの振幅を制御し、接触の解離により入力信号が無くなった時の設定値を保存する初期制御工程と、
同一操作者によって繰り返される操作の際に前記初期制御工程で保存した設定値を持続的に用いて振動手段の動作を制御する工程と
を有することを特徴とするタッチパネル振動制御方法。
【請求項6】
操作体の接触に応えて入力信号を発生させるための接触面を持つタッチパネル、該タッチパネルを振動させる振動手段を有する入力装置の前記振動手段を制御する制御手段として、コンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記制御手段は、操作体の接触により入力信号が発生した時に初期設定値から増加させる方向に設定値を変化させてタッチパネルの振幅を制御し、接触の解離により入力信号が無くなった時の設定値を保存する初期制御動作を行い、同一操作者によって繰り返される操作の際に、前記初期制御動作で保存した前記設定値を持続的に用いて振動手段の動作を制御する手段であることを特徴とするプログラム。
【請求項7】
請求項6に記載されたプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−282346(P2010−282346A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−134049(P2009−134049)
【出願日】平成21年6月3日(2009.6.3)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】