情報処理装置、プログラム、および情報処理システム
【課題】設置場所の制限を受けることなく安価な構成で通信装置と通信を行うことが可能な、情報処理装置、プログラム、および情報処理システムを提供する。
【解決手段】通信アンテナを介して、自装置が提供するサービスを利用する通信装置であるか、または自装置の管理を行う通信装置であるかを識別するための識別情報を通信装置から取得し、前記識別情報に基づいて、前記通信装置が自装置が提供するサービスを利用する通信装置であるか、または自装置の管理を行う通信装置であるかを判別し、前記通信装置が自装置が提供するサービスを利用する通信装置である場合は、前記通信アンテナを介して前記通信装置から、自装置が提供するサービスの利用のためのデータを取得し、前記通信装置が自装置の管理を行う通信装置である場合は、前記通信アンテナを介して前記通信装置から、自装置の管理のためのデータを取得する。
【解決手段】通信アンテナを介して、自装置が提供するサービスを利用する通信装置であるか、または自装置の管理を行う通信装置であるかを識別するための識別情報を通信装置から取得し、前記識別情報に基づいて、前記通信装置が自装置が提供するサービスを利用する通信装置であるか、または自装置の管理を行う通信装置であるかを判別し、前記通信装置が自装置が提供するサービスを利用する通信装置である場合は、前記通信アンテナを介して前記通信装置から、自装置が提供するサービスの利用のためのデータを取得し、前記通信装置が自装置の管理を行う通信装置である場合は、前記通信アンテナを介して前記通信装置から、自装置の管理のためのデータを取得する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、プログラム、および情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、リーダ/ライタ(または、リーダ/ライタを搭載した情報処理装置。以下単に「リーダ/ライタ」という。)と非接触式に通信を行うことができる、非接触式IC(Integrated Circuit)カードや、RFID(Radio Frequency Identification)タグ、非接触式ICチップを搭載した携帯電話など(以下、「携帯電話など」という。)の通信装置が普及している。
【0003】
リーダ/ライタと携帯電話などの通信装置とは、例えば13.56MHzなどの特定の周波数の搬送波を非接触式の通信に使用している。具体的には、リーダ/ライタが搬送波信号をのせた搬送波を送信し、搬送波をアンテナで受信した携帯電話などの通信装置が負荷変調によって受信した搬送波信号に対する応答信号を返信することにより、リーダ/ライタと携帯電話などの通信装置とは非接触式の通信を行っている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−9417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述したリーダ/ライタを管理するためには、リーダ/ライタの管理者が、リーダ/ライタとネットワーク接続されたサーバや、リーダ/ライタとシリアル接続された端末装置を用いて、リーダ/ライタと通信する必要がある。リーダ/ライタの管理者は、リーダ/ライタの動作設定やその設定の変更、リーダ/ライタ内のログデータの取得などを行うことができる。すなわち、リーダ/ライタの管理者は、リーダ/ライタとネットワーク接続されたサーバや、リーダ/ライタとシリアル接続された端末装置を用いて、リーダ/ライタの動作設定やその設定の変更、リーダ/ライタ内のログデータの取得などを行っていた。
【0006】
上述したように管理者がリーダ/ライタの管理を行う場合には、リーダ/ライタにサーバとネットワーク接続するための機能や、端末装置とシリアル接続するための機能が必要となるため、これらの機能を備えた性能の高いリーダ/ライタが必要となる。このため、リーダ/ライタのコストが増大するという問題がある。
【0007】
また、ネットワーク接続が不可能な環境や、上述した端末装置の設置スペースを十分に取れない環境においては、リーダ/ライタを設置することが困難となるという問題がある。
【0008】
さらに、リーダ/ライタの管理者が、上述したサーバや端末装置を用いてリーダ/ライタの管理を行う際には、サーバや端末装置とリーダ/ライタとが通信を行っている。従来のリーダ/ライタでは、サーバや端末装置との通信中は、非接触式の通信を行えないという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、設置場所の制限を受けることなく安価な構成で通信装置と通信を行うことが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、プログラム、および情報処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、非接触式に通信装置と通信を行うための通信アンテナと、上記通信アンテナを介して、自装置が提供するサービスを利用する通信装置であるか、または自装置の管理を行う通信装置であるかを識別するための識別情報を上記通信装置から取得する識別情報取得部と、上記識別情報取得部が取得した上記識別情報に基づいて、上記通信装置が自装置が提供するサービスを利用する通信装置であるか、または自装置の管理を行う通信装置であるかを判別する判別部と、上記判別部による判別の結果、上記通信装置が自装置が提供するサービスを利用する通信装置である場合は、上記通信アンテナを介して上記通信装置から、自装置が提供するサービスの利用のためのデータを取得し、上記判別部による判別の結果、上記通信装置が自装置の管理を行う通信装置である場合は、上記通信アンテナを介して上記通信装置から、自装置の管理のためのデータを取得するデータ取得部と、上記データ取得部が取得した上記データに基づいて、自装置を制御する制御部とを備える情報処理装置が提供される。
【0011】
係る構成により、設置場所の制限を受けることなく安価な構成で通信装置と通信を行うことができる。
【0012】
また、自装置の管理を行う通信装置は、自装置の動作設定やその変更、および自装置内のログデータ取得の少なくとも一方が可能な通信装置であってもよい。
【0013】
また、自装置の管理のためのデータは、自装置の動作設定やその変更、および自装置内のログデータ取得の少なくとも一方のためのデータであってもよい。
【0014】
また、自装置の動作設定の変更のためのデータは、自装置が提供するサービスを変更するためのデータを含んでもよい。
【0015】
また、上記制御部による自装置の制御が完了した旨を通知する通知部を備えてもよい。
【0016】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、非接触式に通信装置と通信を行うための通信アンテナを介して、情報処理装置が提供するサービスを利用する通信装置であるか、または上記情報処理装置の管理を行う通信装置であるかを識別するための識別情報を上記通信装置から取得する識別情報取得部と、上記識別情報取得部が取得した上記識別情報に基づいて、上記通信装置が上記情報処理装置が提供するサービスを利用する通信装置であるか、または上記情報処理装置の管理を行う通信装置であるかを判別する判別部と、上記判別部による判別の結果、上記通信装置が上記情報処理装置が提供するサービスを利用する通信装置である場合は、上記通信アンテナを介して上記通信装置から、上記情報処理装置が提供するサービスの利用のためのデータを取得し、上記判別部による判別の結果、上記通信装置が上記情報処理装置の管理を行う通信装置である場合は、上記通信アンテナを介して上記通信装置から、上記情報処理装置の管理のためのデータを取得するデータ取得部と、上記データ取得部が取得した上記データに基づいて、上記情報処理装置を制御する制御部として機能させるためのプログラムが提供される。
【0017】
係るプログラムを用いることにより、情報処理装置が設置場所の制限を受けることなく安価な構成で通信装置と通信を行うことができる。
【0018】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、非接触式に第1の通信装置または第2の通信装置と通信を行うための通信アンテナと、上記通信アンテナを介して、自装置が提供するサービスを利用する通信装置であるか、または自装置の管理を行う通信装置であるかを識別するための識別情報を上記第1の通信装置または上記第2の通信装置から取得する識別情報取得部と、上記識別情報取得部が取得した上記識別情報に基づいて、上記第1の通信装置または上記第2の通信装置が自装置が提供するサービスを利用する通信装置であるか、または自装置の管理を行う通信装置であるかを判別する判別部と、上記判別部による判別の結果、上記第1の通信装置または上記第2の通信装置が自装置が提供するサービスを利用する通信装置である場合は、上記通信アンテナを介して上記第1の通信装置または上記第2の通信装置から、自装置が提供するサービスの利用のためのデータを取得し、上記判別部による判別の結果、上記第1の通信装置または上記第2の通信装置が自装置の管理を行う通信装置である場合は、上記通信アンテナを介して上記第1の通信装置または上記第2の通信装置から、自装置の管理のためのデータを取得するデータ取得部と、上記データ取得部が取得した上記データに基づいて、自装置を制御する制御部とを備える情報処理装置と、上記情報処理装置と非接触式の通信が可能な上記第1の通信装置と、上記情報処理装置と非接触式の通信が可能な上記第2の通信装置とを備える情報処理システムが提供される。
【0019】
係る構成により、情報処理装置が設置場所の制限を受けることなく安価な構成で通信装置と通信を行うことができる。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように本発明によれば、設置場所の制限を受けることなく安価な構成で通信装置と通信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】関連する情報処理システムの概略構成を説明するための説明図である。
【図2】本実施の形態に係る情報処理システムの概略構成を説明するための説明図である。
【図3】図2の情報処理システムにおけるリーダ/ライタおよび携帯電話の概略構成を示す回路図である。
【図4】ユーザデータの構成を説明するための説明図である。
【図5】ユーザデータの詳細を説明するための説明図である。
【図6】図2における利用者用携帯電話が実行するサービス利用のための準備処理のフローチャートである。
【図7】図2における管理者用携帯電話が実行するリーダ/ライタの管理のための準備処理のフローチャートである。
【図8】図2の情報処理システムにおけるリーダ/ライタおよび携帯電話が実行する通信処理のシーケンス図である。
【図9】図8の通信処理に続く、図2の情報処理システムにおけるリーダ/ライタおよび利用者用携帯電話が実行する通信処理のシーケンス図である。
【図10】図8の通信処理に続く、図2の情報処理システムにおけるリーダ/ライタおよび管理者用携帯電話が実行する通信処理のシーケンス図である。
【図11】図2の情報処理システムにおけるリーダ/ライタの概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0023】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.関連する情報処理システム
2.本発明の実施の形態に係る情報処理システム
3.リーダ/ライタおよび携帯電話の回路構成例
4.リーダ/ライタの構成例
5.サービス利用のための準備処理
6.リーダ/ライタの管理のための準備処理
7.通信処理
【0024】
[関連する情報処理システム]
本発明の実施の形態に係る情報処理システムについて説明する前に、まず、関連する情報処理システムについて説明する。図1は、関連する情報処理システムの概略構成を説明するための説明図である。
【0025】
図1において、関連する情報処理システム50は、リーダ/ライタ10と、ICチップ(図示せず)を搭載した携帯電話20と、サーバ30と、端末装置32と、ネットワーク40とから構成される。リーダ/ライタ10とサーバ30とは、ネットワーク40によってネットワーク接続されている。リーダ/ライタ10と端末装置32とは、例えば通信ケーブルによってシリアル接続されている。
【0026】
リーダ/ライタ10は、通信アンテナ(図示せず)を有し、携帯電話20と非接触式の通信を行う。リーダ/ライタ10は、リーダ/ライタ10の管理者によってリーダ/ライタ10が提供するサービス、例えばチケット認証サービスのための動作設定がされている。なお、チケット認証サービスとは、例えば、公演会場の入口に設置されたリーダ/ライタが提供するサービスであり、公演のチケットを有する利用者がそのチケット情報を携帯電話内に所持している場合において、その利用者が携帯電話をリーダ/ライタにかざすことによって、利用者による公演会場への入場を許可又は不許可するサービスである。
【0027】
利用者用携帯電話20は、リーダ/ライタ10が提供するサービスを利用する利用者が用いる携帯電話である。利用者は、携帯電話20を用いてリーダ/ライタ10と非接触式の通信を行うことにより、リーダ/ライタ10が提供するサービスを利用することができる。
【0028】
サーバ30は、リーダ/ライタ10の管理を行う管理者が用いるサーバである。端末装置32は、リーダ/ライタ10の管理を行う管理者が用いる端末装置である。管理者は、サーバ30や端末装置32を用いてリーダ/ライタ10と通信を行うことにより、リーダ/ライタ10の管理、例えばリーダ/ライタ10の動作設定やその設定の変更、リーダ/ライタ10内のログデータの取得などを行うことができる。
【0029】
[本発明の実施の形態に係る情報処理システム]
次に、本発明の実施の形態に係る情報処理システムについて説明する。図2は、本実施の形態に係る情報処理システムの概略構成を説明するための説明図である。
【0030】
図2において、情報処理システム500は、リーダ/ライタ100と、ICチップ(図示せず)を搭載した利用者用携帯電話200と、ICチップ(図示せず)を搭載した管理者用携帯電話300とから構成される。リーダ/ライタ100は、本発明の情報処理装置の一例である。携帯電話200,300は、本発明の通信装置の一例である。なお、本実施の形態では、リーダ/ライタ100は、情報処理装置に組み込まれてもよい。
【0031】
リーダ/ライタ100は、後述する通信アンテナ104を有し、携帯電話200,300と非接触式の通信を行う。リーダ/ライタ100は、リーダ/ライタ100の管理を行う管理者によってリーダ/ライタ100が提供するサービス、例えばチケット認証サービスの動作設定がされている。なお、リーダ/ライタ100は、情報処理装置に組み込まれていてもよい。リーダ/ライタ100は、後述する図8〜図10の通信処理を実行する。
【0032】
利用者用携帯電話200は、リーダ/ライタ100が提供するサービス、例えばチケット認証サービスを利用する利用者が用いる携帯電話である。なお、本実施の形態では、利用者は利用者用携帯電話200の代わりにICチップ(図示せず)を搭載したICカード(図示せず)などを用いてもよい。利用者用携帯電話200は、利用者の操作に基づいて、後述する図6のサービス利用のための準備処理、および後述する図8および図9の通信処理を実行する。利用者は、利用者用携帯電話200を用いてリーダ/ライタ100と非接触式の通信を行うことにより、リーダ/ライタ100が提供するサービスを利用することができる。
【0033】
管理者用携帯電話300は、リーダ/ライタ100の管理を行う管理者が用いる携帯電話である。なお、本実施の形態では、管理者は管理者用携帯電話300の代わりにICチップ(図示せず)を搭載したICカード(図示せず)などを用いてもよい。管理者用携帯電話300は、管理者の操作に基づいて、後述する図7のリーダ/ライタの管理のための準備処理、および後述する図8および図10の通信処理を実行する。管理者は、管理者用携帯電話300を用いてリーダ/ライタ100と非接触式の通信を行うことにより、リーダ/ライタ100の管理、例えばリーダ/ライタ100の動作設定やその変更、リーダ/ライタ100内のログデータの取得などを行うことができる。
【0034】
ところで、図1に示す、関連する情報処理システム50では、リーダ/ライタ10を管理するために、リーダ/ライタ10の管理者が、リーダ/ライタ10とネットワーク接続されたサーバ30や、リーダ/ライタ10とシリアル接続された端末装置32を用いて、リーダ/ライタ10と通信する必要がある。このため、リーダ/ライタ10にサーバ30とネットワーク接続するための機能や、端末装置32とシリアル接続するための機能が必要となるため、これらの機能を備えた性能の高いリーダ/ライタ10が必要となる。したがって、リーダ/ライタ10のコストが増大するという問題がある。
【0035】
また、関連する情報処理システム50では、ネットワーク接続が不可能な環境や、上述した端末装置32の設置スペースを十分に取れない環境においては、リーダ/ライタ10を設置することが困難となるという問題がある。
【0036】
さらに、関連する情報処理システム50では、リーダ/ライタ10の管理者が、上述したサーバ30や端末装置32を用いてリーダ/ライタ10の管理を行う際には、サーバ30や端末装置32とリーダ/ライタ10とが通信を行っている。リーダ/ライタ10では、サーバ30や端末装置32との通信中は、非接触式の通信を行えないという問題がある。
【0037】
そこで、図2に示す、本実施の形態に係る情報処理システム500では、リーダ/ライタ100が提供するサービスを利用する利用者が用いる利用者用携帯電話200が図6のサービス利用のための準備処理を実行する。また、リーダ/ライタ100の管理を行う管理者が用いる管理者用携帯電話300が図7のリーダ/ライタの管理のための準備処理を実行する。そして、リーダ/ライタ100、および携帯電話200,300が図8〜図10の通信処理を実行する。これにより、リーダ/ライタ100を安価な構成とすることができる。また、設置制限を受けることなくリーダ/ライタ100を設置することができる。さらに、管理者によるリーダ/ライタ100との通信中においても、利用者によるリーダ/ライタ100との通信を行うことができる。これらの詳細については後述する。
【0038】
[リーダ/ライタおよび携帯電話の回路構成例]
次に、図2の情報処理システム500におけるリーダ/ライタ100および携帯電話200,300の回路構成例について説明する。図3は、図2の情報処理システム500におけるリーダ/ライタ100および携帯電話200,300の概略構成を示す回路図である。
【0039】
図3において、リーダ/ライタ100は、変調部102と、通信アンテナ104とを備える。
【0040】
変調部102は、後述するリーダ/ライタモジュール110からの搬送波信号生成命令を受けて、搬送波信号生成命令に応じた搬送波信号を生成する。なお、搬送波信号には、例えば携帯電話200,300のICチップに対する各種処理命令や処理するデータを含めることができる。
【0041】
通信アンテナ104は、例えば所定のインダクタンスをもつコイル(インダクタ)を備え、変調部102が生成した搬送波信号をのせた搬送波を送信する。また、通信アンテナ104は、携帯電話200,300からの応答信号や後述する図4のユーザデータ401を受信することができる。なお、図3では、通信アンテナ104がコイルとキャパシタからなる共振回路で構成された例を示している。
【0042】
携帯電話200,300は、通信アンテナ204と、負荷Zとを備える。負荷Zは、携帯電話200,300に搭載されるICチップ(図示せず)を等価的に示したものである。
【0043】
通信アンテナ204は、例えば所定のインダクタンスをもつコイル(インダクタ)を備え、通信アンテナ104から送信された搬送波信号がのった搬送波を受信する。なお、通信アンテナ204は、上記コイルと、所定の静電容量をもつキャパシタとからなる共振回路で構成され、所定の同調周波数が設定される。通信アンテナ204における同調周波数は、例えば13.56MHzなどの搬送波の周波数に合わせて設定される。通信アンテナ204は、負荷変調により受信した搬送波信号がのった搬送波に対する応答を行うことができる。
【0044】
本実施の形態では、携帯電話200,300は、例えば、上述した負荷変調により図4のユーザデータをリーダ/ライタ100に送信する。以下、図4および図5を参照して、ユーザデータの詳細について説明する。
【0045】
図4は、ユーザデータの構成を説明するための説明図である。図5は、ユーザデータの詳細を説明するための説明図である。
【0046】
図4および図5において、ユーザデータ401は、データ識別情報402と、データ403とから構成される。本実施の形態では、利用者用携帯電話200が後述する図6のサービス利用のための準備処理を実行することにより、利用者用携帯電話200が作成するユーザデータ401を利用者用データとする。また、管理者用携帯電話300が後述する図7のリーダ/ライタの管理のための準備処理を実行することにより、管理者用携帯電話300が作成するユーザデータ401を管理者用データとする。
【0047】
データ識別情報402は、事業者固有番号404と、サービス固有番号405とから構成される。事業者固有番号404は、事業者を識別するために定義されたユニークな番号である。サービス固有番号405は、サービスを識別するために定義されたユニークな番号である。データ403は、リーダ/ライタ100が提供するサービスに応じて利用される情報であり、サービス毎にフォーマットやサイズが異なる。
【0048】
[リーダ/ライタ100の構成例]
次に、図2の情報処理システムにおけるリーダ/ライタ100の構成例について説明する。図11は、図2の情報処理システムにおけるリーダ/ライタ100の概略構成を示すブロック図である。
【0049】
図11において、リーダ/ライタ100は、通信アンテナ104と、RTC(Real Time Clock)106と、LED/ブザー108と、リーダ/ライタモジュール110とを備える。LED/ブザー108は、本発明の通知部の一例である。RTC106は、リーダ/ライタモジュール110にクロック信号を送信する。通信アンテナ104およびLED/ブザー108は、リーダ/ライタモジュール110によって制御される。
【0050】
リーダ/ライタモジュール110は、ユーザデータ取得・解析処理部112と、起動制御部114と、管理者用データ処理部116と、利用者用データ処理部118とを備える。ユーザデータ取得・解析処理部112は、本発明の識別情報取得部、判別部、データ取得部の一例である。管理者用データ処理部116、利用者用データ処理部118は、本発明の制御部の一例である。
【0051】
ユーザデータ取得・解析処理部112は、通信アンテナ104が受信したユーザデータ401を取得して、取得したユーザデータ401の解析を行う。具体的には、取得したユーザデータ401におけるデータ識別情報402の内容に基づいて、ユーザデータ401を送信してきた携帯電話200または携帯電話300がリーダ/ライタ100が提供するサービスを利用する携帯電話であるか、またはリーダ/ライタ100の管理を行う携帯電話であるかを判別する。そして、携帯電話200または携帯電話300がリーダ/ライタ100が提供するサービスを利用する携帯電話である場合は、通信アンテナ104を介してその携帯電話から、リーダ/ライタ100が提供するサービスの利用のためのデータ403を取得する。一方、携帯電話200または携帯電話300がリーダ/ライタ100の管理を行う携帯電話である場合は、通信アンテナ104を介してその携帯電話から、リーダ/ライタ100の管理のためのデータ403を取得する。
【0052】
起動制御部114は、リーダ/ライタ100の起動時に動作させる業務ロジックの制御を行う。管理者用データ処理部116は、ユーザデータ取得、解析処理部112が取得したリーダ/ライタ100の管理のためのデータ403の内容に基づいて、操作種別に応じた処理などを行う。利用者用データ処理部118は、解析処理部112が取得したリーダ/ライタ100が提供するサービスを利用するためのデータ403の内容に基づいて、サービス、例えばチケット認証サービス、クーポンサービスに応じた処理などを行う。
【0053】
リーダ/ライタモジュール110のミドルウェア120は、アプリケーションライブラリ部122と、リーダ/ライタファイルシステム制御部124と、ドライバ制御部126と、コマンド処理部128とを備える。
【0054】
アプリケーションライブラリ部122は、アプリケーション内のデータを読み書きするためのAPI(Application Program Interface)を提供する。リーダ/ライタファイルシステム制御部124は、リーダ/ライタ100内のファイルシステムにアクセスするための処理を行う。ドライバ制御部126は、リーダ/ライタ100のLED/ブザー108の制御を行う。コマンド処理部128は、ICチップに対するコマンド単位の処理を行う。
【0055】
[サービス利用のための準備処理]
以下、図2における利用者用携帯電話200が実行するサービス利用のための準備処理について説明する。図6は、図2における利用者用携帯電話200が実行するサービス利用のための準備処理のフローチャートである。本処理は、利用者の操作に基づいて、利用者用携帯電話200の制御部(図示せず)が実行する処理である。
【0056】
図6において、まず、利用者用携帯電話200の制御部(図示せず)は、例えば、チケットの販売を行う事業者のWebページにアクセスする(ステップS602)。次いで、制御部は、ステップS602でアクセスしたWebページからコンテンツ、例えばチケットを取得する(ステップS604)。
【0057】
次いで、制御部は、事業者のサーバ(図示せず)から上述した図4の利用者用データ401を作成するために必要なデータを電子署名付きで取得する(ステップ606)。そして、制御部は、利用者用携帯電話200の利用者用アプリケーションを起動する(ステップS608)。
【0058】
次いで、制御部は、ステップS606で取得したデータに付与された電子署名の検証を行う(ステップS610)。ステップS610の検証の結果、ステップS606で取得したデータの正当性の確認が取れた場合は、制御部は、ステップS606で取得したデータに基づいて、利用者用データ401を作成する(ステップS612)。
【0059】
次いで、制御部は、ステップS612で作成した利用者用データ401をリーダ/ライタ100の運用を行うリーダ/ライタ運用サーバ(図示せず)に登録して、本処理を終了する。
【0060】
[リーダ/ライタの管理のための準備処理]
以下、図2における管理者用携帯電話300が実行するリーダ/ライタの管理のための準備処理について説明する。図7は、図2における管理者用携帯電話300が実行するリーダ/ライタの管理のための準備処理のフローチャートである。本処理は、管理者の操作に基づいて、管理者用携帯電話300の制御部(図示せず)が実行する処理である。
【0061】
図7において、まず、管理者用携帯電話300の制御部(図示せず)は、管理者用携帯電話300の管理者用アプリケーションを起動する(ステップS702)。管理者用アプリケーションが起動すると、管理者用携帯電話300の表示部(図示せず)には、管理機能を選択させるための画面が表示される。
【0062】
次いで、制御部は、管理機能を選択させるための画面から管理者による管理機能の選択を受け付ける(ステップS704)。管理機能の選択を受け付けると、管理者用携帯電話300の表示部には、選択された管理機能において操作可能な操作項目が表示される。
【0063】
次いで、制御部は、操作項目から管理者による操作項目の選択を受け付ける(ステップS706)。次いで、制御部は、ステップS704およびステップS706で選択された内容に対応する上述した図4の管理者用データ401が管理者用携帯電話300の記憶部(図示せず)に記憶されているか否かを判別する(ステップS708)。
【0064】
ステップS708の判別の結果、記憶部に管理者用データ401が記憶されているときは(ステップS708でYES)、制御部は、管理者用データ401におけるデータ403の内容がステップS704およびステップS706で選択された内容に対応するように、データ403の書き換えを行って、本処理を終了する。
【0065】
ステップS708の判別の結果、記憶部に管理者用データ401が記憶されていないときは(ステップS708でNO)、制御部は、ステップS704およびステップS706で選択された内容に対応する管理者用データ401を作成する(ステップS712)。そして、制御部は、ステップS712で作成した管理者用データ401をリーダ/ライタ100の運用を行うリーダ/ライタ運用サーバ(図示せず)に登録して、本処理を終了する。
【0066】
[通信処理]
以下、図8〜図10を参照して、図2の情報処理システム500が実行する通信処理について説明する。図8は、図2の情報処理システム500におけるリーダ/ライタ100および携帯電話200,300が実行する通信処理のシーケンス図である。なお、本処理は、利用者用携帯電話200が上述した図6のサービス利用のための準備処理を、管理者用携帯電話300が上述したリーダ/ライタの管理のための準備処理を実行した後に行われる。また、リーダ/ライタ100には、上述したリーダ/ライタ運用サーバによって利用者用データ401におけるデータ識別情報402の内容や管理者用データ401におけるデータ識別情報402の内容が予め登録されている。
【0067】
図8において、まず、リーダ/ライタ100の電源がオンにされると(ステップS802)、リーダ/ライタ100のリーダ/ライタモジュール110における起動制御部114は、サービス、例えばチケット認証サービスの提供のための業務ロジックを起動する(ステップS804)。
【0068】
次いで、リーダ/ライタモジュール110は、通信アンテナ104を介して、携帯電話200,300を探索するためのポーリングを開始する(ステップS806)。そして、リーダ/ライタモジュール110は、通信アンテナ104を介して、リクエスト信号を携帯電話200,300に送信する(ステップS808)。
【0069】
次いで、携帯電話200,300は、ステップS808で送信されたリクエスト信号を受信すると、リクエスト信号に応答する応答信号をリーダ/ライタ100に送信する(ステップS810)。
【0070】
次いで、リーダ/ライタモジュール110は、通信アンテナ104を介して、携帯電話200,300からの応答信号を受信して、携帯電話200,300のICチップを検出すると(ステップS812)、携帯電話200,300にユーザデータ401におけるデータ識別情報402の送信要求を行う(ステップS814)。
【0071】
次いで、携帯電話200,300は、ステップS814でのデータ識別情報402の送信要求を受信すると、データ識別情報402をリーダ/ライタ100に送信する(ステップS816)。
【0072】
次いで、リーダ/ライタモジュール110におけるユーザデータ取得・解析処理部112は、通信アンテナ104を介して、データ識別情報402を取得すると、取得したデータ識別情報402の解析を行う(ステップS818)。具体的には、データ識別情報402を送信してきた携帯電話200または携帯電話300がリーダ/ライタ100が提供するサービスを利用する利用者用の携帯電話であるか、またはリーダ/ライタ100の管理を行う管理者用の携帯電話であるかを判別する。ステップS818では、例えば、リーダ/ライタ100に予め登録されている利用者用データ401におけるデータ識別情報402の内容や管理者用データ401におけるデータ識別情報402の内容に基づいて、データ識別情報402における事業者固有番号404が利用者に割り振られた番号であるか、または管理者に割り振られた番号であるかを判別することにより、携帯電話200,300が利用者用の携帯電話であるか、または管理者用の携帯電話であるかの判別を行う。
【0073】
以下、図9を参照して、図8の通信処理に続く、リーダ/ライタ100と利用者用携帯電話200とが実行する通信処理について説明し、図10を参照して、図8の通信処理に続く、リーダ/ライタ100と管理者用携帯電話300とが実行する通信処理について説明する。
【0074】
図9は、図8の通信処理に続く、図2の情報処理システム500におけるリーダ/ライタ100および利用者用携帯電話200が実行する通信処理のシーケンス図である。
【0075】
図9において、まず、リーダ/ライタモジュール110は、通信アンテナ104を介して、利用者用携帯電話200にユーザデータ401におけるデータ403の送信要求を行う(ステップS902)。
【0076】
次いで、利用者用携帯電話200は、データ403の送信要求を受信すると、データ403をリーダ/ライタ100に送信する(ステップS904)。
【0077】
次いで、リーダ/ライタモジュール110におけるユーザデータ取得・解析処理部112は、通信アンテナ104を介して、データ403を取得する。そして、リーダ/ライタモジュール110における利用者用データ処理部118は、ユーザデータ取得・解析処理部112が取得したデータ403の内容に基づいて内部処理を行う(ステップS906)。例えば、リーダ/ライタ100が提供するサービスがチケット認証サービスである場合は、データ403はチケット情報に相当する。この場合、ステップS906での内部処理は、チケット情報の正当性の認証処理に相当する。なお、リーダ/ライタ100がチケット認証サービスを提供する場合、リーダ/ライタ100では、チケット認証サービスのための業務ロジックが起動されている。
【0078】
次いで、ステップS906での内部処理の結果、利用者用携帯電話200のデータ403の内容を書き換える必要がある場合は、リーダ/ライタモジュール110は、通信アンテナ104を介して、利用者用携帯電話200のデータ403の内容を書き換えるためのデータを送信する(ステップS908)。例えば、リーダ/ライタ100が提供するサービスがチケット認証サービスである場合は、ステップS906において、チケットの認証が完了しているため、チケットの使用有無を書き換えることに相当する。
【0079】
次いで、利用者用携帯電話200は、データ403の内容を書き換えた後に、応答信号をリーダ/ライタ100に送信する(ステップS910)。
【0080】
次いで、リーダ/ライタモジュール110は、ステップS906での内部処理の結果をログデータとしてリーダ/ライタ100の記憶部(図示せず)に保存する(ステップS912)。
【0081】
次いで、リーダ/ライタモジュール110におけるドライバ制御部126は、例えばLED/ブザー108のブザーを鳴らしたり、LEDを点滅させることにより、利用者にリーダ/ライタ100との処理が完了したことを通知する(ステップS914)。
【0082】
次いで、リーダ/ライタモジュール110は、通信アンテナ104を介して、携帯電話200,300を探索するためのポーリングを再開して(ステップS916)、本処理を終了する。
【0083】
図10は、図8の通信処理に続く、図2の情報処理システム500におけるリーダ/ライタ100および管理者用携帯電話300が実行する通信処理のシーケンス図である。
【0084】
図10において、まず、リーダ/ライタモジュール110は、通信アンテナ104を介して、管理者用携帯電話300にユーザデータ401におけるデータ403の送信要求を行う(ステップS1002)。
【0085】
次いで、管理者用携帯電話300は、データ403の送信要求を受信すると、データ403をリーダ/ライタ100に送信する(ステップS1004)。
【0086】
次いで、リーダ/ライタモジュール110におけるユーザデータ取得・解析処理部112は、通信アンテナ104を介して、データ403を取得する。そして、リーダ/ライタモジュール110における管理者用データ処理部116は、ユーザデータ取得・解析処理部112が取得したデータ403の内容に基づいてリーダ/ライタ100の管理のための操作の種類を判別する(ステップS1006)。リーダ/ライタ100の管理のための操作とは、リーダ/ライタ100の動作設定やその変更、またはリーダ/ライタ100内のログデータの管理者による取得や削除などである。
【0087】
ステップS1006の判別の結果、操作の種類がリーダ/ライタ100の動作設定やその変更、またはリーダ/ライタ100内のログデータの削除であったときは、管理者用データ処理部116は、データ403の内容に基づいて、リーダ/ライタ100の動作設定やその変更、またはリーダ/ライタ100内のログデータの削除を行う(ステップS1008)。操作の種類がリーダ/ライタ100の動作設定である場合は、データ403の内容に基づいて、例えばリーダ/ライタ100が提供するサービスの動作設定を変更する。例えば、チケット認証サービスにおける入場者カウント機能において、入場者のカウント間隔を例えば、5分おきから10分おきに変更する。また、操作の種類がリーダ/ライタ100の動作設定の変更である場合は、データ403の内容に基づいて、リーダ/ライタ100が提供するサービスを他のサービスに変更する。具体的には、リーダ/ライタ100において起動している業務ロジックに代えて他の業務ロジックを起動させる。また、操作の種類がリーダ/ライタ100内のログデータの削除である場合は、データ403の内容に基づいて、リーダ/ライタ100の記憶部に保存されているログデータの削除を行う。
【0088】
ステップS1006の判別の結果、操作の種類がリーダ/ライタ100内のログデータの取得であったときは、リーダ/ライタモジュール110は、通信アンテナ104を介して、リーダ/ライタ100内のログデータの内容を管理者用携帯電話300に送信する(ステップS1010)。次いで、管理者用携帯電話300は、リーダ/ライタ100内のログデータのコピーが完了すると、応答信号をリーダ/ライタ100に送信する(ステップS1012)。
【0089】
次いで、リーダ/ライタモジュール110におけるドライバ制御部126は、例えばLED/ブザー108のブザーを鳴らしたり、LEDを点滅させることにより、管理者にリーダ/ライタ100との処理が完了したことを通知する(ステップS1014)。
【0090】
次いで、リーダ/ライタモジュール110は、通信アンテナ104を介して、携帯電話200,300を探索するためのポーリングを再開する(ステップS1016)。
【0091】
一方、管理者用携帯電話300は、リーダ/ライタ100内のログデータのコピーデータの表示、または事業者のサーバ(図示せず)へコピーデータのアップデートを行って、本処理を終了する。
【0092】
図8〜図10の通信処理によれば、利用者が用いる利用者用携帯電話200と管理者が用いる管理者用携帯電話300とがリーダ/ライタ100における同一の通信処理口を用いて、すなわち、通信アンテナ104を介した非接触式の通信によって、リーダ/ライタ100と通信することができる。これにより、リーダ/ライタ100にサーバとネットワーク接続するための機能や、端末装置とシリアル接続するための機能が不必要となるため、リーダ/ライタ100を安価な構成とすることができる。
【0093】
また、ネットワーク接続が不可能な環境や、端末装置の設置スペースを十分に取れない環境においても、リーダ/ライタ100を設置することができるため、リーダ/ライタ100の設置制限をなくすことができる。
【0094】
さらに、利用者と管理者とがリーダ/ライタ100における同一の通信処理口を用いて、リーダ/ライタ100と通信を行うので、管理者によるリーダ/ライタ100との通信中においても、利用者によるリーダ/ライタ100との通信を行うことができる。
【0095】
また、本発明の目的は、前述した各実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても達成される。
【0096】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した各実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0097】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW等の光ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0098】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した各実施の形態の機能が実現されるだけではなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0099】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その拡張機能を拡張ボードや拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0100】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0101】
10,100 リーダ/ライタ
20,200 利用者用携帯電話
30 サーバ
32 端末装置
50,500 情報処理システム
300 管理者用携帯電話
401 ユーザデータ
402 データ識別情報
403 データ
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、プログラム、および情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、リーダ/ライタ(または、リーダ/ライタを搭載した情報処理装置。以下単に「リーダ/ライタ」という。)と非接触式に通信を行うことができる、非接触式IC(Integrated Circuit)カードや、RFID(Radio Frequency Identification)タグ、非接触式ICチップを搭載した携帯電話など(以下、「携帯電話など」という。)の通信装置が普及している。
【0003】
リーダ/ライタと携帯電話などの通信装置とは、例えば13.56MHzなどの特定の周波数の搬送波を非接触式の通信に使用している。具体的には、リーダ/ライタが搬送波信号をのせた搬送波を送信し、搬送波をアンテナで受信した携帯電話などの通信装置が負荷変調によって受信した搬送波信号に対する応答信号を返信することにより、リーダ/ライタと携帯電話などの通信装置とは非接触式の通信を行っている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−9417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述したリーダ/ライタを管理するためには、リーダ/ライタの管理者が、リーダ/ライタとネットワーク接続されたサーバや、リーダ/ライタとシリアル接続された端末装置を用いて、リーダ/ライタと通信する必要がある。リーダ/ライタの管理者は、リーダ/ライタの動作設定やその設定の変更、リーダ/ライタ内のログデータの取得などを行うことができる。すなわち、リーダ/ライタの管理者は、リーダ/ライタとネットワーク接続されたサーバや、リーダ/ライタとシリアル接続された端末装置を用いて、リーダ/ライタの動作設定やその設定の変更、リーダ/ライタ内のログデータの取得などを行っていた。
【0006】
上述したように管理者がリーダ/ライタの管理を行う場合には、リーダ/ライタにサーバとネットワーク接続するための機能や、端末装置とシリアル接続するための機能が必要となるため、これらの機能を備えた性能の高いリーダ/ライタが必要となる。このため、リーダ/ライタのコストが増大するという問題がある。
【0007】
また、ネットワーク接続が不可能な環境や、上述した端末装置の設置スペースを十分に取れない環境においては、リーダ/ライタを設置することが困難となるという問題がある。
【0008】
さらに、リーダ/ライタの管理者が、上述したサーバや端末装置を用いてリーダ/ライタの管理を行う際には、サーバや端末装置とリーダ/ライタとが通信を行っている。従来のリーダ/ライタでは、サーバや端末装置との通信中は、非接触式の通信を行えないという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、設置場所の制限を受けることなく安価な構成で通信装置と通信を行うことが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、プログラム、および情報処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、非接触式に通信装置と通信を行うための通信アンテナと、上記通信アンテナを介して、自装置が提供するサービスを利用する通信装置であるか、または自装置の管理を行う通信装置であるかを識別するための識別情報を上記通信装置から取得する識別情報取得部と、上記識別情報取得部が取得した上記識別情報に基づいて、上記通信装置が自装置が提供するサービスを利用する通信装置であるか、または自装置の管理を行う通信装置であるかを判別する判別部と、上記判別部による判別の結果、上記通信装置が自装置が提供するサービスを利用する通信装置である場合は、上記通信アンテナを介して上記通信装置から、自装置が提供するサービスの利用のためのデータを取得し、上記判別部による判別の結果、上記通信装置が自装置の管理を行う通信装置である場合は、上記通信アンテナを介して上記通信装置から、自装置の管理のためのデータを取得するデータ取得部と、上記データ取得部が取得した上記データに基づいて、自装置を制御する制御部とを備える情報処理装置が提供される。
【0011】
係る構成により、設置場所の制限を受けることなく安価な構成で通信装置と通信を行うことができる。
【0012】
また、自装置の管理を行う通信装置は、自装置の動作設定やその変更、および自装置内のログデータ取得の少なくとも一方が可能な通信装置であってもよい。
【0013】
また、自装置の管理のためのデータは、自装置の動作設定やその変更、および自装置内のログデータ取得の少なくとも一方のためのデータであってもよい。
【0014】
また、自装置の動作設定の変更のためのデータは、自装置が提供するサービスを変更するためのデータを含んでもよい。
【0015】
また、上記制御部による自装置の制御が完了した旨を通知する通知部を備えてもよい。
【0016】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、非接触式に通信装置と通信を行うための通信アンテナを介して、情報処理装置が提供するサービスを利用する通信装置であるか、または上記情報処理装置の管理を行う通信装置であるかを識別するための識別情報を上記通信装置から取得する識別情報取得部と、上記識別情報取得部が取得した上記識別情報に基づいて、上記通信装置が上記情報処理装置が提供するサービスを利用する通信装置であるか、または上記情報処理装置の管理を行う通信装置であるかを判別する判別部と、上記判別部による判別の結果、上記通信装置が上記情報処理装置が提供するサービスを利用する通信装置である場合は、上記通信アンテナを介して上記通信装置から、上記情報処理装置が提供するサービスの利用のためのデータを取得し、上記判別部による判別の結果、上記通信装置が上記情報処理装置の管理を行う通信装置である場合は、上記通信アンテナを介して上記通信装置から、上記情報処理装置の管理のためのデータを取得するデータ取得部と、上記データ取得部が取得した上記データに基づいて、上記情報処理装置を制御する制御部として機能させるためのプログラムが提供される。
【0017】
係るプログラムを用いることにより、情報処理装置が設置場所の制限を受けることなく安価な構成で通信装置と通信を行うことができる。
【0018】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、非接触式に第1の通信装置または第2の通信装置と通信を行うための通信アンテナと、上記通信アンテナを介して、自装置が提供するサービスを利用する通信装置であるか、または自装置の管理を行う通信装置であるかを識別するための識別情報を上記第1の通信装置または上記第2の通信装置から取得する識別情報取得部と、上記識別情報取得部が取得した上記識別情報に基づいて、上記第1の通信装置または上記第2の通信装置が自装置が提供するサービスを利用する通信装置であるか、または自装置の管理を行う通信装置であるかを判別する判別部と、上記判別部による判別の結果、上記第1の通信装置または上記第2の通信装置が自装置が提供するサービスを利用する通信装置である場合は、上記通信アンテナを介して上記第1の通信装置または上記第2の通信装置から、自装置が提供するサービスの利用のためのデータを取得し、上記判別部による判別の結果、上記第1の通信装置または上記第2の通信装置が自装置の管理を行う通信装置である場合は、上記通信アンテナを介して上記第1の通信装置または上記第2の通信装置から、自装置の管理のためのデータを取得するデータ取得部と、上記データ取得部が取得した上記データに基づいて、自装置を制御する制御部とを備える情報処理装置と、上記情報処理装置と非接触式の通信が可能な上記第1の通信装置と、上記情報処理装置と非接触式の通信が可能な上記第2の通信装置とを備える情報処理システムが提供される。
【0019】
係る構成により、情報処理装置が設置場所の制限を受けることなく安価な構成で通信装置と通信を行うことができる。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように本発明によれば、設置場所の制限を受けることなく安価な構成で通信装置と通信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】関連する情報処理システムの概略構成を説明するための説明図である。
【図2】本実施の形態に係る情報処理システムの概略構成を説明するための説明図である。
【図3】図2の情報処理システムにおけるリーダ/ライタおよび携帯電話の概略構成を示す回路図である。
【図4】ユーザデータの構成を説明するための説明図である。
【図5】ユーザデータの詳細を説明するための説明図である。
【図6】図2における利用者用携帯電話が実行するサービス利用のための準備処理のフローチャートである。
【図7】図2における管理者用携帯電話が実行するリーダ/ライタの管理のための準備処理のフローチャートである。
【図8】図2の情報処理システムにおけるリーダ/ライタおよび携帯電話が実行する通信処理のシーケンス図である。
【図9】図8の通信処理に続く、図2の情報処理システムにおけるリーダ/ライタおよび利用者用携帯電話が実行する通信処理のシーケンス図である。
【図10】図8の通信処理に続く、図2の情報処理システムにおけるリーダ/ライタおよび管理者用携帯電話が実行する通信処理のシーケンス図である。
【図11】図2の情報処理システムにおけるリーダ/ライタの概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0023】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.関連する情報処理システム
2.本発明の実施の形態に係る情報処理システム
3.リーダ/ライタおよび携帯電話の回路構成例
4.リーダ/ライタの構成例
5.サービス利用のための準備処理
6.リーダ/ライタの管理のための準備処理
7.通信処理
【0024】
[関連する情報処理システム]
本発明の実施の形態に係る情報処理システムについて説明する前に、まず、関連する情報処理システムについて説明する。図1は、関連する情報処理システムの概略構成を説明するための説明図である。
【0025】
図1において、関連する情報処理システム50は、リーダ/ライタ10と、ICチップ(図示せず)を搭載した携帯電話20と、サーバ30と、端末装置32と、ネットワーク40とから構成される。リーダ/ライタ10とサーバ30とは、ネットワーク40によってネットワーク接続されている。リーダ/ライタ10と端末装置32とは、例えば通信ケーブルによってシリアル接続されている。
【0026】
リーダ/ライタ10は、通信アンテナ(図示せず)を有し、携帯電話20と非接触式の通信を行う。リーダ/ライタ10は、リーダ/ライタ10の管理者によってリーダ/ライタ10が提供するサービス、例えばチケット認証サービスのための動作設定がされている。なお、チケット認証サービスとは、例えば、公演会場の入口に設置されたリーダ/ライタが提供するサービスであり、公演のチケットを有する利用者がそのチケット情報を携帯電話内に所持している場合において、その利用者が携帯電話をリーダ/ライタにかざすことによって、利用者による公演会場への入場を許可又は不許可するサービスである。
【0027】
利用者用携帯電話20は、リーダ/ライタ10が提供するサービスを利用する利用者が用いる携帯電話である。利用者は、携帯電話20を用いてリーダ/ライタ10と非接触式の通信を行うことにより、リーダ/ライタ10が提供するサービスを利用することができる。
【0028】
サーバ30は、リーダ/ライタ10の管理を行う管理者が用いるサーバである。端末装置32は、リーダ/ライタ10の管理を行う管理者が用いる端末装置である。管理者は、サーバ30や端末装置32を用いてリーダ/ライタ10と通信を行うことにより、リーダ/ライタ10の管理、例えばリーダ/ライタ10の動作設定やその設定の変更、リーダ/ライタ10内のログデータの取得などを行うことができる。
【0029】
[本発明の実施の形態に係る情報処理システム]
次に、本発明の実施の形態に係る情報処理システムについて説明する。図2は、本実施の形態に係る情報処理システムの概略構成を説明するための説明図である。
【0030】
図2において、情報処理システム500は、リーダ/ライタ100と、ICチップ(図示せず)を搭載した利用者用携帯電話200と、ICチップ(図示せず)を搭載した管理者用携帯電話300とから構成される。リーダ/ライタ100は、本発明の情報処理装置の一例である。携帯電話200,300は、本発明の通信装置の一例である。なお、本実施の形態では、リーダ/ライタ100は、情報処理装置に組み込まれてもよい。
【0031】
リーダ/ライタ100は、後述する通信アンテナ104を有し、携帯電話200,300と非接触式の通信を行う。リーダ/ライタ100は、リーダ/ライタ100の管理を行う管理者によってリーダ/ライタ100が提供するサービス、例えばチケット認証サービスの動作設定がされている。なお、リーダ/ライタ100は、情報処理装置に組み込まれていてもよい。リーダ/ライタ100は、後述する図8〜図10の通信処理を実行する。
【0032】
利用者用携帯電話200は、リーダ/ライタ100が提供するサービス、例えばチケット認証サービスを利用する利用者が用いる携帯電話である。なお、本実施の形態では、利用者は利用者用携帯電話200の代わりにICチップ(図示せず)を搭載したICカード(図示せず)などを用いてもよい。利用者用携帯電話200は、利用者の操作に基づいて、後述する図6のサービス利用のための準備処理、および後述する図8および図9の通信処理を実行する。利用者は、利用者用携帯電話200を用いてリーダ/ライタ100と非接触式の通信を行うことにより、リーダ/ライタ100が提供するサービスを利用することができる。
【0033】
管理者用携帯電話300は、リーダ/ライタ100の管理を行う管理者が用いる携帯電話である。なお、本実施の形態では、管理者は管理者用携帯電話300の代わりにICチップ(図示せず)を搭載したICカード(図示せず)などを用いてもよい。管理者用携帯電話300は、管理者の操作に基づいて、後述する図7のリーダ/ライタの管理のための準備処理、および後述する図8および図10の通信処理を実行する。管理者は、管理者用携帯電話300を用いてリーダ/ライタ100と非接触式の通信を行うことにより、リーダ/ライタ100の管理、例えばリーダ/ライタ100の動作設定やその変更、リーダ/ライタ100内のログデータの取得などを行うことができる。
【0034】
ところで、図1に示す、関連する情報処理システム50では、リーダ/ライタ10を管理するために、リーダ/ライタ10の管理者が、リーダ/ライタ10とネットワーク接続されたサーバ30や、リーダ/ライタ10とシリアル接続された端末装置32を用いて、リーダ/ライタ10と通信する必要がある。このため、リーダ/ライタ10にサーバ30とネットワーク接続するための機能や、端末装置32とシリアル接続するための機能が必要となるため、これらの機能を備えた性能の高いリーダ/ライタ10が必要となる。したがって、リーダ/ライタ10のコストが増大するという問題がある。
【0035】
また、関連する情報処理システム50では、ネットワーク接続が不可能な環境や、上述した端末装置32の設置スペースを十分に取れない環境においては、リーダ/ライタ10を設置することが困難となるという問題がある。
【0036】
さらに、関連する情報処理システム50では、リーダ/ライタ10の管理者が、上述したサーバ30や端末装置32を用いてリーダ/ライタ10の管理を行う際には、サーバ30や端末装置32とリーダ/ライタ10とが通信を行っている。リーダ/ライタ10では、サーバ30や端末装置32との通信中は、非接触式の通信を行えないという問題がある。
【0037】
そこで、図2に示す、本実施の形態に係る情報処理システム500では、リーダ/ライタ100が提供するサービスを利用する利用者が用いる利用者用携帯電話200が図6のサービス利用のための準備処理を実行する。また、リーダ/ライタ100の管理を行う管理者が用いる管理者用携帯電話300が図7のリーダ/ライタの管理のための準備処理を実行する。そして、リーダ/ライタ100、および携帯電話200,300が図8〜図10の通信処理を実行する。これにより、リーダ/ライタ100を安価な構成とすることができる。また、設置制限を受けることなくリーダ/ライタ100を設置することができる。さらに、管理者によるリーダ/ライタ100との通信中においても、利用者によるリーダ/ライタ100との通信を行うことができる。これらの詳細については後述する。
【0038】
[リーダ/ライタおよび携帯電話の回路構成例]
次に、図2の情報処理システム500におけるリーダ/ライタ100および携帯電話200,300の回路構成例について説明する。図3は、図2の情報処理システム500におけるリーダ/ライタ100および携帯電話200,300の概略構成を示す回路図である。
【0039】
図3において、リーダ/ライタ100は、変調部102と、通信アンテナ104とを備える。
【0040】
変調部102は、後述するリーダ/ライタモジュール110からの搬送波信号生成命令を受けて、搬送波信号生成命令に応じた搬送波信号を生成する。なお、搬送波信号には、例えば携帯電話200,300のICチップに対する各種処理命令や処理するデータを含めることができる。
【0041】
通信アンテナ104は、例えば所定のインダクタンスをもつコイル(インダクタ)を備え、変調部102が生成した搬送波信号をのせた搬送波を送信する。また、通信アンテナ104は、携帯電話200,300からの応答信号や後述する図4のユーザデータ401を受信することができる。なお、図3では、通信アンテナ104がコイルとキャパシタからなる共振回路で構成された例を示している。
【0042】
携帯電話200,300は、通信アンテナ204と、負荷Zとを備える。負荷Zは、携帯電話200,300に搭載されるICチップ(図示せず)を等価的に示したものである。
【0043】
通信アンテナ204は、例えば所定のインダクタンスをもつコイル(インダクタ)を備え、通信アンテナ104から送信された搬送波信号がのった搬送波を受信する。なお、通信アンテナ204は、上記コイルと、所定の静電容量をもつキャパシタとからなる共振回路で構成され、所定の同調周波数が設定される。通信アンテナ204における同調周波数は、例えば13.56MHzなどの搬送波の周波数に合わせて設定される。通信アンテナ204は、負荷変調により受信した搬送波信号がのった搬送波に対する応答を行うことができる。
【0044】
本実施の形態では、携帯電話200,300は、例えば、上述した負荷変調により図4のユーザデータをリーダ/ライタ100に送信する。以下、図4および図5を参照して、ユーザデータの詳細について説明する。
【0045】
図4は、ユーザデータの構成を説明するための説明図である。図5は、ユーザデータの詳細を説明するための説明図である。
【0046】
図4および図5において、ユーザデータ401は、データ識別情報402と、データ403とから構成される。本実施の形態では、利用者用携帯電話200が後述する図6のサービス利用のための準備処理を実行することにより、利用者用携帯電話200が作成するユーザデータ401を利用者用データとする。また、管理者用携帯電話300が後述する図7のリーダ/ライタの管理のための準備処理を実行することにより、管理者用携帯電話300が作成するユーザデータ401を管理者用データとする。
【0047】
データ識別情報402は、事業者固有番号404と、サービス固有番号405とから構成される。事業者固有番号404は、事業者を識別するために定義されたユニークな番号である。サービス固有番号405は、サービスを識別するために定義されたユニークな番号である。データ403は、リーダ/ライタ100が提供するサービスに応じて利用される情報であり、サービス毎にフォーマットやサイズが異なる。
【0048】
[リーダ/ライタ100の構成例]
次に、図2の情報処理システムにおけるリーダ/ライタ100の構成例について説明する。図11は、図2の情報処理システムにおけるリーダ/ライタ100の概略構成を示すブロック図である。
【0049】
図11において、リーダ/ライタ100は、通信アンテナ104と、RTC(Real Time Clock)106と、LED/ブザー108と、リーダ/ライタモジュール110とを備える。LED/ブザー108は、本発明の通知部の一例である。RTC106は、リーダ/ライタモジュール110にクロック信号を送信する。通信アンテナ104およびLED/ブザー108は、リーダ/ライタモジュール110によって制御される。
【0050】
リーダ/ライタモジュール110は、ユーザデータ取得・解析処理部112と、起動制御部114と、管理者用データ処理部116と、利用者用データ処理部118とを備える。ユーザデータ取得・解析処理部112は、本発明の識別情報取得部、判別部、データ取得部の一例である。管理者用データ処理部116、利用者用データ処理部118は、本発明の制御部の一例である。
【0051】
ユーザデータ取得・解析処理部112は、通信アンテナ104が受信したユーザデータ401を取得して、取得したユーザデータ401の解析を行う。具体的には、取得したユーザデータ401におけるデータ識別情報402の内容に基づいて、ユーザデータ401を送信してきた携帯電話200または携帯電話300がリーダ/ライタ100が提供するサービスを利用する携帯電話であるか、またはリーダ/ライタ100の管理を行う携帯電話であるかを判別する。そして、携帯電話200または携帯電話300がリーダ/ライタ100が提供するサービスを利用する携帯電話である場合は、通信アンテナ104を介してその携帯電話から、リーダ/ライタ100が提供するサービスの利用のためのデータ403を取得する。一方、携帯電話200または携帯電話300がリーダ/ライタ100の管理を行う携帯電話である場合は、通信アンテナ104を介してその携帯電話から、リーダ/ライタ100の管理のためのデータ403を取得する。
【0052】
起動制御部114は、リーダ/ライタ100の起動時に動作させる業務ロジックの制御を行う。管理者用データ処理部116は、ユーザデータ取得、解析処理部112が取得したリーダ/ライタ100の管理のためのデータ403の内容に基づいて、操作種別に応じた処理などを行う。利用者用データ処理部118は、解析処理部112が取得したリーダ/ライタ100が提供するサービスを利用するためのデータ403の内容に基づいて、サービス、例えばチケット認証サービス、クーポンサービスに応じた処理などを行う。
【0053】
リーダ/ライタモジュール110のミドルウェア120は、アプリケーションライブラリ部122と、リーダ/ライタファイルシステム制御部124と、ドライバ制御部126と、コマンド処理部128とを備える。
【0054】
アプリケーションライブラリ部122は、アプリケーション内のデータを読み書きするためのAPI(Application Program Interface)を提供する。リーダ/ライタファイルシステム制御部124は、リーダ/ライタ100内のファイルシステムにアクセスするための処理を行う。ドライバ制御部126は、リーダ/ライタ100のLED/ブザー108の制御を行う。コマンド処理部128は、ICチップに対するコマンド単位の処理を行う。
【0055】
[サービス利用のための準備処理]
以下、図2における利用者用携帯電話200が実行するサービス利用のための準備処理について説明する。図6は、図2における利用者用携帯電話200が実行するサービス利用のための準備処理のフローチャートである。本処理は、利用者の操作に基づいて、利用者用携帯電話200の制御部(図示せず)が実行する処理である。
【0056】
図6において、まず、利用者用携帯電話200の制御部(図示せず)は、例えば、チケットの販売を行う事業者のWebページにアクセスする(ステップS602)。次いで、制御部は、ステップS602でアクセスしたWebページからコンテンツ、例えばチケットを取得する(ステップS604)。
【0057】
次いで、制御部は、事業者のサーバ(図示せず)から上述した図4の利用者用データ401を作成するために必要なデータを電子署名付きで取得する(ステップ606)。そして、制御部は、利用者用携帯電話200の利用者用アプリケーションを起動する(ステップS608)。
【0058】
次いで、制御部は、ステップS606で取得したデータに付与された電子署名の検証を行う(ステップS610)。ステップS610の検証の結果、ステップS606で取得したデータの正当性の確認が取れた場合は、制御部は、ステップS606で取得したデータに基づいて、利用者用データ401を作成する(ステップS612)。
【0059】
次いで、制御部は、ステップS612で作成した利用者用データ401をリーダ/ライタ100の運用を行うリーダ/ライタ運用サーバ(図示せず)に登録して、本処理を終了する。
【0060】
[リーダ/ライタの管理のための準備処理]
以下、図2における管理者用携帯電話300が実行するリーダ/ライタの管理のための準備処理について説明する。図7は、図2における管理者用携帯電話300が実行するリーダ/ライタの管理のための準備処理のフローチャートである。本処理は、管理者の操作に基づいて、管理者用携帯電話300の制御部(図示せず)が実行する処理である。
【0061】
図7において、まず、管理者用携帯電話300の制御部(図示せず)は、管理者用携帯電話300の管理者用アプリケーションを起動する(ステップS702)。管理者用アプリケーションが起動すると、管理者用携帯電話300の表示部(図示せず)には、管理機能を選択させるための画面が表示される。
【0062】
次いで、制御部は、管理機能を選択させるための画面から管理者による管理機能の選択を受け付ける(ステップS704)。管理機能の選択を受け付けると、管理者用携帯電話300の表示部には、選択された管理機能において操作可能な操作項目が表示される。
【0063】
次いで、制御部は、操作項目から管理者による操作項目の選択を受け付ける(ステップS706)。次いで、制御部は、ステップS704およびステップS706で選択された内容に対応する上述した図4の管理者用データ401が管理者用携帯電話300の記憶部(図示せず)に記憶されているか否かを判別する(ステップS708)。
【0064】
ステップS708の判別の結果、記憶部に管理者用データ401が記憶されているときは(ステップS708でYES)、制御部は、管理者用データ401におけるデータ403の内容がステップS704およびステップS706で選択された内容に対応するように、データ403の書き換えを行って、本処理を終了する。
【0065】
ステップS708の判別の結果、記憶部に管理者用データ401が記憶されていないときは(ステップS708でNO)、制御部は、ステップS704およびステップS706で選択された内容に対応する管理者用データ401を作成する(ステップS712)。そして、制御部は、ステップS712で作成した管理者用データ401をリーダ/ライタ100の運用を行うリーダ/ライタ運用サーバ(図示せず)に登録して、本処理を終了する。
【0066】
[通信処理]
以下、図8〜図10を参照して、図2の情報処理システム500が実行する通信処理について説明する。図8は、図2の情報処理システム500におけるリーダ/ライタ100および携帯電話200,300が実行する通信処理のシーケンス図である。なお、本処理は、利用者用携帯電話200が上述した図6のサービス利用のための準備処理を、管理者用携帯電話300が上述したリーダ/ライタの管理のための準備処理を実行した後に行われる。また、リーダ/ライタ100には、上述したリーダ/ライタ運用サーバによって利用者用データ401におけるデータ識別情報402の内容や管理者用データ401におけるデータ識別情報402の内容が予め登録されている。
【0067】
図8において、まず、リーダ/ライタ100の電源がオンにされると(ステップS802)、リーダ/ライタ100のリーダ/ライタモジュール110における起動制御部114は、サービス、例えばチケット認証サービスの提供のための業務ロジックを起動する(ステップS804)。
【0068】
次いで、リーダ/ライタモジュール110は、通信アンテナ104を介して、携帯電話200,300を探索するためのポーリングを開始する(ステップS806)。そして、リーダ/ライタモジュール110は、通信アンテナ104を介して、リクエスト信号を携帯電話200,300に送信する(ステップS808)。
【0069】
次いで、携帯電話200,300は、ステップS808で送信されたリクエスト信号を受信すると、リクエスト信号に応答する応答信号をリーダ/ライタ100に送信する(ステップS810)。
【0070】
次いで、リーダ/ライタモジュール110は、通信アンテナ104を介して、携帯電話200,300からの応答信号を受信して、携帯電話200,300のICチップを検出すると(ステップS812)、携帯電話200,300にユーザデータ401におけるデータ識別情報402の送信要求を行う(ステップS814)。
【0071】
次いで、携帯電話200,300は、ステップS814でのデータ識別情報402の送信要求を受信すると、データ識別情報402をリーダ/ライタ100に送信する(ステップS816)。
【0072】
次いで、リーダ/ライタモジュール110におけるユーザデータ取得・解析処理部112は、通信アンテナ104を介して、データ識別情報402を取得すると、取得したデータ識別情報402の解析を行う(ステップS818)。具体的には、データ識別情報402を送信してきた携帯電話200または携帯電話300がリーダ/ライタ100が提供するサービスを利用する利用者用の携帯電話であるか、またはリーダ/ライタ100の管理を行う管理者用の携帯電話であるかを判別する。ステップS818では、例えば、リーダ/ライタ100に予め登録されている利用者用データ401におけるデータ識別情報402の内容や管理者用データ401におけるデータ識別情報402の内容に基づいて、データ識別情報402における事業者固有番号404が利用者に割り振られた番号であるか、または管理者に割り振られた番号であるかを判別することにより、携帯電話200,300が利用者用の携帯電話であるか、または管理者用の携帯電話であるかの判別を行う。
【0073】
以下、図9を参照して、図8の通信処理に続く、リーダ/ライタ100と利用者用携帯電話200とが実行する通信処理について説明し、図10を参照して、図8の通信処理に続く、リーダ/ライタ100と管理者用携帯電話300とが実行する通信処理について説明する。
【0074】
図9は、図8の通信処理に続く、図2の情報処理システム500におけるリーダ/ライタ100および利用者用携帯電話200が実行する通信処理のシーケンス図である。
【0075】
図9において、まず、リーダ/ライタモジュール110は、通信アンテナ104を介して、利用者用携帯電話200にユーザデータ401におけるデータ403の送信要求を行う(ステップS902)。
【0076】
次いで、利用者用携帯電話200は、データ403の送信要求を受信すると、データ403をリーダ/ライタ100に送信する(ステップS904)。
【0077】
次いで、リーダ/ライタモジュール110におけるユーザデータ取得・解析処理部112は、通信アンテナ104を介して、データ403を取得する。そして、リーダ/ライタモジュール110における利用者用データ処理部118は、ユーザデータ取得・解析処理部112が取得したデータ403の内容に基づいて内部処理を行う(ステップS906)。例えば、リーダ/ライタ100が提供するサービスがチケット認証サービスである場合は、データ403はチケット情報に相当する。この場合、ステップS906での内部処理は、チケット情報の正当性の認証処理に相当する。なお、リーダ/ライタ100がチケット認証サービスを提供する場合、リーダ/ライタ100では、チケット認証サービスのための業務ロジックが起動されている。
【0078】
次いで、ステップS906での内部処理の結果、利用者用携帯電話200のデータ403の内容を書き換える必要がある場合は、リーダ/ライタモジュール110は、通信アンテナ104を介して、利用者用携帯電話200のデータ403の内容を書き換えるためのデータを送信する(ステップS908)。例えば、リーダ/ライタ100が提供するサービスがチケット認証サービスである場合は、ステップS906において、チケットの認証が完了しているため、チケットの使用有無を書き換えることに相当する。
【0079】
次いで、利用者用携帯電話200は、データ403の内容を書き換えた後に、応答信号をリーダ/ライタ100に送信する(ステップS910)。
【0080】
次いで、リーダ/ライタモジュール110は、ステップS906での内部処理の結果をログデータとしてリーダ/ライタ100の記憶部(図示せず)に保存する(ステップS912)。
【0081】
次いで、リーダ/ライタモジュール110におけるドライバ制御部126は、例えばLED/ブザー108のブザーを鳴らしたり、LEDを点滅させることにより、利用者にリーダ/ライタ100との処理が完了したことを通知する(ステップS914)。
【0082】
次いで、リーダ/ライタモジュール110は、通信アンテナ104を介して、携帯電話200,300を探索するためのポーリングを再開して(ステップS916)、本処理を終了する。
【0083】
図10は、図8の通信処理に続く、図2の情報処理システム500におけるリーダ/ライタ100および管理者用携帯電話300が実行する通信処理のシーケンス図である。
【0084】
図10において、まず、リーダ/ライタモジュール110は、通信アンテナ104を介して、管理者用携帯電話300にユーザデータ401におけるデータ403の送信要求を行う(ステップS1002)。
【0085】
次いで、管理者用携帯電話300は、データ403の送信要求を受信すると、データ403をリーダ/ライタ100に送信する(ステップS1004)。
【0086】
次いで、リーダ/ライタモジュール110におけるユーザデータ取得・解析処理部112は、通信アンテナ104を介して、データ403を取得する。そして、リーダ/ライタモジュール110における管理者用データ処理部116は、ユーザデータ取得・解析処理部112が取得したデータ403の内容に基づいてリーダ/ライタ100の管理のための操作の種類を判別する(ステップS1006)。リーダ/ライタ100の管理のための操作とは、リーダ/ライタ100の動作設定やその変更、またはリーダ/ライタ100内のログデータの管理者による取得や削除などである。
【0087】
ステップS1006の判別の結果、操作の種類がリーダ/ライタ100の動作設定やその変更、またはリーダ/ライタ100内のログデータの削除であったときは、管理者用データ処理部116は、データ403の内容に基づいて、リーダ/ライタ100の動作設定やその変更、またはリーダ/ライタ100内のログデータの削除を行う(ステップS1008)。操作の種類がリーダ/ライタ100の動作設定である場合は、データ403の内容に基づいて、例えばリーダ/ライタ100が提供するサービスの動作設定を変更する。例えば、チケット認証サービスにおける入場者カウント機能において、入場者のカウント間隔を例えば、5分おきから10分おきに変更する。また、操作の種類がリーダ/ライタ100の動作設定の変更である場合は、データ403の内容に基づいて、リーダ/ライタ100が提供するサービスを他のサービスに変更する。具体的には、リーダ/ライタ100において起動している業務ロジックに代えて他の業務ロジックを起動させる。また、操作の種類がリーダ/ライタ100内のログデータの削除である場合は、データ403の内容に基づいて、リーダ/ライタ100の記憶部に保存されているログデータの削除を行う。
【0088】
ステップS1006の判別の結果、操作の種類がリーダ/ライタ100内のログデータの取得であったときは、リーダ/ライタモジュール110は、通信アンテナ104を介して、リーダ/ライタ100内のログデータの内容を管理者用携帯電話300に送信する(ステップS1010)。次いで、管理者用携帯電話300は、リーダ/ライタ100内のログデータのコピーが完了すると、応答信号をリーダ/ライタ100に送信する(ステップS1012)。
【0089】
次いで、リーダ/ライタモジュール110におけるドライバ制御部126は、例えばLED/ブザー108のブザーを鳴らしたり、LEDを点滅させることにより、管理者にリーダ/ライタ100との処理が完了したことを通知する(ステップS1014)。
【0090】
次いで、リーダ/ライタモジュール110は、通信アンテナ104を介して、携帯電話200,300を探索するためのポーリングを再開する(ステップS1016)。
【0091】
一方、管理者用携帯電話300は、リーダ/ライタ100内のログデータのコピーデータの表示、または事業者のサーバ(図示せず)へコピーデータのアップデートを行って、本処理を終了する。
【0092】
図8〜図10の通信処理によれば、利用者が用いる利用者用携帯電話200と管理者が用いる管理者用携帯電話300とがリーダ/ライタ100における同一の通信処理口を用いて、すなわち、通信アンテナ104を介した非接触式の通信によって、リーダ/ライタ100と通信することができる。これにより、リーダ/ライタ100にサーバとネットワーク接続するための機能や、端末装置とシリアル接続するための機能が不必要となるため、リーダ/ライタ100を安価な構成とすることができる。
【0093】
また、ネットワーク接続が不可能な環境や、端末装置の設置スペースを十分に取れない環境においても、リーダ/ライタ100を設置することができるため、リーダ/ライタ100の設置制限をなくすことができる。
【0094】
さらに、利用者と管理者とがリーダ/ライタ100における同一の通信処理口を用いて、リーダ/ライタ100と通信を行うので、管理者によるリーダ/ライタ100との通信中においても、利用者によるリーダ/ライタ100との通信を行うことができる。
【0095】
また、本発明の目的は、前述した各実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても達成される。
【0096】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した各実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0097】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW等の光ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0098】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した各実施の形態の機能が実現されるだけではなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0099】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その拡張機能を拡張ボードや拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0100】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0101】
10,100 リーダ/ライタ
20,200 利用者用携帯電話
30 サーバ
32 端末装置
50,500 情報処理システム
300 管理者用携帯電話
401 ユーザデータ
402 データ識別情報
403 データ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非接触式に通信装置と通信を行うための通信アンテナと、
前記通信アンテナを介して、自装置が提供するサービスを利用する通信装置であるか、または自装置の管理を行う通信装置であるかを識別するための識別情報を前記通信装置から取得する識別情報取得部と、
前記識別情報取得部が取得した前記識別情報に基づいて、前記通信装置が自装置が提供するサービスを利用する通信装置であるか、または自装置の管理を行う通信装置であるかを判別する判別部と、
前記判別部による判別の結果、前記通信装置が自装置が提供するサービスを利用する通信装置である場合は、前記通信アンテナを介して前記通信装置から、自装置が提供するサービスの利用のためのデータを取得し、
前記判別部による判別の結果、前記通信装置が自装置の管理を行う通信装置である場合は、前記通信アンテナを介して前記通信装置から、自装置の管理のためのデータを取得するデータ取得部と、
前記データ取得部が取得した前記データに基づいて、自装置を制御する制御部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
自装置の管理を行う通信装置は、自装置の動作設定やその変更、および自装置内のログデータ取得の少なくとも一方が可能な通信装置である、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
自装置の管理のためのデータは、自装置の動作設定やその変更、および自装置内のログデータ取得の少なくとも一方のためのデータである、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
自装置の動作設定の変更のためのデータは、自装置が提供するサービスを変更するためのデータを含む、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部による自装置の制御が完了した旨を通知する通知部を備える、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータを、
非接触式に通信装置と通信を行うための通信アンテナを介して、情報処理装置が提供するサービスを利用する通信装置であるか、または前記情報処理装置の管理を行う通信装置であるかを識別するための識別情報を前記通信装置から取得する識別情報取得部と、
前記識別情報取得部が取得した前記識別情報に基づいて、前記通信装置が前記情報処理装置が提供するサービスを利用する通信装置であるか、または前記情報処理装置の管理を行う通信装置であるかを判別する判別部と、
前記判別部による判別の結果、前記通信装置が前記情報処理装置が提供するサービスを利用する通信装置である場合は、前記通信アンテナを介して前記通信装置から、前記情報処理装置が提供するサービスの利用のためのデータを取得し、
前記判別部による判別の結果、前記通信装置が前記情報処理装置の管理を行う通信装置である場合は、前記通信アンテナを介して前記通信装置から、前記情報処理装置の管理のためのデータを取得するデータ取得部と、
前記データ取得部が取得した前記データに基づいて、前記情報処理装置を制御する制御部
として機能させるためのプログラム。
【請求項7】
非接触式に第1の通信装置または第2の通信装置と通信を行うための通信アンテナと、前記通信アンテナを介して、自装置が提供するサービスを利用する通信装置であるか、または自装置の管理を行う通信装置であるかを識別するための識別情報を前記第1の通信装置または前記第2の通信装置から取得する識別情報取得部と、前記識別情報取得部が取得した前記識別情報に基づいて、前記第1の通信装置または前記第2の通信装置が自装置が提供するサービスを利用する通信装置であるか、または自装置の管理を行う通信装置であるかを判別する判別部と、前記判別部による判別の結果、前記第1の通信装置または前記第2の通信装置が自装置が提供するサービスを利用する通信装置である場合は、前記通信アンテナを介して前記第1の通信装置または前記第2の通信装置から、自装置が提供するサービスの利用のためのデータを取得し、前記判別部による判別の結果、前記第1の通信装置または前記第2の通信装置が自装置の管理を行う通信装置である場合は、前記通信アンテナを介して前記第1の通信装置または前記第2の通信装置から、自装置の管理のためのデータを取得するデータ取得部と、前記データ取得部が取得した前記データに基づいて、自装置を制御する制御部とを備える情報処理装置と、
前記情報処理装置と非接触式の通信が可能な前記第1の通信装置と、
前記情報処理装置と非接触式の通信が可能な前記第2の通信装置と、
を備える、情報処理システム。
【請求項1】
非接触式に通信装置と通信を行うための通信アンテナと、
前記通信アンテナを介して、自装置が提供するサービスを利用する通信装置であるか、または自装置の管理を行う通信装置であるかを識別するための識別情報を前記通信装置から取得する識別情報取得部と、
前記識別情報取得部が取得した前記識別情報に基づいて、前記通信装置が自装置が提供するサービスを利用する通信装置であるか、または自装置の管理を行う通信装置であるかを判別する判別部と、
前記判別部による判別の結果、前記通信装置が自装置が提供するサービスを利用する通信装置である場合は、前記通信アンテナを介して前記通信装置から、自装置が提供するサービスの利用のためのデータを取得し、
前記判別部による判別の結果、前記通信装置が自装置の管理を行う通信装置である場合は、前記通信アンテナを介して前記通信装置から、自装置の管理のためのデータを取得するデータ取得部と、
前記データ取得部が取得した前記データに基づいて、自装置を制御する制御部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
自装置の管理を行う通信装置は、自装置の動作設定やその変更、および自装置内のログデータ取得の少なくとも一方が可能な通信装置である、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
自装置の管理のためのデータは、自装置の動作設定やその変更、および自装置内のログデータ取得の少なくとも一方のためのデータである、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
自装置の動作設定の変更のためのデータは、自装置が提供するサービスを変更するためのデータを含む、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部による自装置の制御が完了した旨を通知する通知部を備える、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータを、
非接触式に通信装置と通信を行うための通信アンテナを介して、情報処理装置が提供するサービスを利用する通信装置であるか、または前記情報処理装置の管理を行う通信装置であるかを識別するための識別情報を前記通信装置から取得する識別情報取得部と、
前記識別情報取得部が取得した前記識別情報に基づいて、前記通信装置が前記情報処理装置が提供するサービスを利用する通信装置であるか、または前記情報処理装置の管理を行う通信装置であるかを判別する判別部と、
前記判別部による判別の結果、前記通信装置が前記情報処理装置が提供するサービスを利用する通信装置である場合は、前記通信アンテナを介して前記通信装置から、前記情報処理装置が提供するサービスの利用のためのデータを取得し、
前記判別部による判別の結果、前記通信装置が前記情報処理装置の管理を行う通信装置である場合は、前記通信アンテナを介して前記通信装置から、前記情報処理装置の管理のためのデータを取得するデータ取得部と、
前記データ取得部が取得した前記データに基づいて、前記情報処理装置を制御する制御部
として機能させるためのプログラム。
【請求項7】
非接触式に第1の通信装置または第2の通信装置と通信を行うための通信アンテナと、前記通信アンテナを介して、自装置が提供するサービスを利用する通信装置であるか、または自装置の管理を行う通信装置であるかを識別するための識別情報を前記第1の通信装置または前記第2の通信装置から取得する識別情報取得部と、前記識別情報取得部が取得した前記識別情報に基づいて、前記第1の通信装置または前記第2の通信装置が自装置が提供するサービスを利用する通信装置であるか、または自装置の管理を行う通信装置であるかを判別する判別部と、前記判別部による判別の結果、前記第1の通信装置または前記第2の通信装置が自装置が提供するサービスを利用する通信装置である場合は、前記通信アンテナを介して前記第1の通信装置または前記第2の通信装置から、自装置が提供するサービスの利用のためのデータを取得し、前記判別部による判別の結果、前記第1の通信装置または前記第2の通信装置が自装置の管理を行う通信装置である場合は、前記通信アンテナを介して前記第1の通信装置または前記第2の通信装置から、自装置の管理のためのデータを取得するデータ取得部と、前記データ取得部が取得した前記データに基づいて、自装置を制御する制御部とを備える情報処理装置と、
前記情報処理装置と非接触式の通信が可能な前記第1の通信装置と、
前記情報処理装置と非接触式の通信が可能な前記第2の通信装置と、
を備える、情報処理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図6】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−59963(P2011−59963A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−208640(P2009−208640)
【出願日】平成21年9月9日(2009.9.9)
【出願人】(504134520)フェリカネットワークス株式会社 (129)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月9日(2009.9.9)
【出願人】(504134520)フェリカネットワークス株式会社 (129)
【Fターム(参考)】
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