説明

情報処理装置、プログラム及び商品情報提示システム

【課題】客に対して商品の入荷時刻情報や陳列時刻情報を適切に提示する。
【解決手段】商品Gに関する商品情報を表示する電子棚札端末48の表示を管理する電子棚札管理サーバ43において、情報送受信部430aが、商品Gの到着予定時刻情報を入力し、商品情報生成部430dが、情報送受信部430aで入力した到着予定時刻情報に従って商品Gの到着予定時刻情報及び陳列予定時刻情報の少なくとも一つを含む商品情報を生成し、情報送受信部430aが、商品情報生成部430dで生成した商品情報を電子棚札端末48に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、プログラム及び商品情報提示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの商品を販売する店舗においては、棚などに陳列される商品が品切れとなった場合、即ち、当該商品の陳列数及び在庫数が共にゼロとなった場合、「品切れ」や「入荷予定日」などの文字情報が記載された紙札などを、当該品切れとなった商品(以下、単に「品切れ商品」という場合がある。)が陳列されていた場所に設置することが一般的に良く知られている。
【0003】
また、従来では、前記したような店舗に設置され、商品名や値段などの一般的な商品情報以外にも、「売り切れ間近」や「次回入庫日○月○日」などのメッセージを表示することが可能な値札表示器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
即ち、従来では、前記した紙札の「入荷予定日」などの文字情報や、前記した値札表示器に表示される「次回入庫日」などのメッセージを見ることにより、客は品切れ商品の入庫(以下、「入荷」という。)日を確認することが可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記した従来の値札表示器にあっては、予め設定されている「次回入荷日」を示すメッセージが表示されるものの、品切れ商品が何時に入荷されるのかを示すメッセージや、何時に陳列されるのかを示すメッセージなどが表示されるものでないため、客は、次回入荷日の何時位に品切れ商品が陳列されて、実際に購入することが可能であるのかを知ることができないものである。
【0006】
このため、ほとんどの客は、入荷日を待たず、他の店舗に品切れ商品を探しに行ってしまうため、店舗側にとっては、販売機会を損失し、店舗の営業利益が減少するなどの不都合があった。
【0007】
そこで、本発明では、前記課題に鑑みてなされたものであり、客に対して商品の入荷時刻情報や陳列時刻情報を適切に提示することが可能な情報処理装置、プログラム及び商品情報提示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、商品の入荷時刻情報を入力する入力手段と、前記入力手段で入力した入荷時刻情報に従って前記商品の入荷時刻情報及び陳列時刻情報の少なくとも一つを含む前記商品情報を生成する生成手段と、前記生成手段で生成した商品情報を情報表示装置に送信する送信手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、商品を販売する店舗に設置される情報表示装置において、品切れ商品または陳列数の少ない商品の入荷時刻情報及び陳列時刻情報の少なくとも一つを表示するような構成にしたため、店員の作業負担を増加させること無く、客に対して商品の入荷時刻情報や陳列時刻情報を適切に提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本実施形態に係る商品情報提示システムの概略構成を説明するための概要図である。
【図2】図2は、電子棚札端末の外観構成を説明するための斜視図である。
【図3】図3は、本部サーバのハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
【図4】図4は、ストアサーバのハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
【図5】図5は、電子棚札管理サーバのハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
【図6】図6は、電子棚札端末のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
【図7】図7は、車両情報送信装置のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
【図8】図8は、商品情報提示システムにおける機能的構成を説明するためのブロック図である。
【図9】図9は、配送車両情報更新部で保持される配送車両管理テーブルの一構成例を説明するための図である。
【図10】図10は、陳列予定時刻算出部で保持される実績陳列時間管理テーブル、及び、陳列予定時刻更新部で保持される陳列予定時刻管理テーブルの一構成例を説明するための図である。
【図11】図11は、品切れ商品特定部で保持される品切れ商品管理テーブルの一構成例を説明するための図である。
【図12】図12は、商品情報提示システムにおける処理の流れを示すシーケンス図である。
【図13】図13は、図12のシーケンスにおいて、本部サーバの配送車両管理部で行われる処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】図14は、図12のシーケンスにおいて、ストアサーバの到着予定時刻中継部で行われる処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】図15は、図12のシーケンスにおいて、電子棚札管理サーバの陳列予定時刻管理部で行われる処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】図16は、図12のシーケンスにおいて、電子棚札端末の陳列時刻表示処理部で行われる処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0012】
なお、本発明は、商品に関する商品情報を表示する情報表示装置と、前記情報表示装置の表示を管理する情報処理装置とを備える商品情報提示システムに適用されるものであるが、以下の実施形態では、コンビニエンスストアなどの店舗において、対応付けられた商品に近設され、当該商品に関する情報を表示する電子棚札端末と、その電子棚札端末の表示を管理する電子棚札管理サーバとを備える商品情報提示システムに本発明を適用した場合について説明する。
【0013】
図1は、本実施形態に係る商品情報提示システム1の概略構成を説明するための概要図である。
【0014】
図1に示すように、この商品情報提示システム1は、本部ネットワーク2と、その本部ネットワーク2と外部ネットワーク3を介して通信接続される複数の店舗ネットワーク4−1〜4−N(N:任意の整数)とを主体に構成される。なお、外部ネットワーク3は、WAN(Wide Area Network:広域情報通信網)やVPN(Virtual Private Network:仮想プライベートネットワーク)などのネットワークで構成される。
【0015】
本部ネットワーク2は、本部サーバ21と、不図示のルータやプリンタなどの各種機器とが内部ネットワーク22を介して通信接続されている。なお、内部ネットワーク22は、LAN(Local Area Network)などのネットワークで構成される。
【0016】
ここで、本部サーバ21は、各店舗(1)〜(N)(N:任意の整数)を統括的に管理する本部などに設置され、各店舗(1)〜(N)に設置されるストアサーバ41の上位装置としてのサーバ装置である。
【0017】
各店舗ネットワーク4−1〜4−Nは、ストアサーバ41、複数のPOS端末42−1〜42−M(M:任意の整数)、電子棚札管理サーバ43、無線アクセスポイント44、無線中継機45等が内部ネットワーク46を介して通信接続されており、更に、無線アクセスポイント44を介してハンディターミナル47が、無線中継機45を介して電子棚札端末48(48L、48S)がそれぞれ内部ネットワーク46に通信接続されている。なお、内部ネットワーク46は、LANなどのネットワークで構成される。
【0018】
また、各POS端末42−1〜42−Mには、商品Gに付けられたバーコードなどのコードを読み取り、商品コードを取得するコード読取装置としてのスキャナ装置(不図示)がそれぞれ通信接続されている。
【0019】
ここで、ストアサーバ41は、コンビニエンスストアのバックヤードなどに設置され、POS端末42や電子棚札管理サーバ43などの上位装置としてのサーバ装置であり、主としてPOS端末42との間で客の購入する商品の登録処理及び決済処理を行うものであるが、電子棚札管理サーバ43を介して電子棚札端末48に表示内容の書き換え指示なども行うことが可能である。
【0020】
POS端末42は、店舗の決済場所に設置され、対となるスキャナ装置から受信した商品コードに基づいて、前記したストアサーバ41との間で客の購入する商品の登録処理及び決済処理を行うための端末である。
【0021】
電子棚札管理サーバ43は、複数の電子棚札端末48(48L、48S)の上位装置としてのサーバ装置であり、各電子棚札端末48で表示する情報を管理する。
【0022】
無線アクセスポイント44は、ストアサーバ41または電子棚札管理サーバ43と、ハンディターミナル47とを通信接続するための機器であり、無線LAN−有線LANのプロトコル変換を行う機器である。
【0023】
無線中継機45は、例えば、店舗の天井などに設置され、電子棚札管理サーバ43と、各電子棚札端末48(48L、48S)とを通信接続するための機器であり、無線LAN−有線LANのプロトコル変換を行う機器である。
【0024】
ハンディターミナル47は、店員が所持する携帯可能な小型情報端末であり、バックヤードでの商品の検品データの入力などに使用されるとともに、電子棚札端末48のIDバーコードと、商品Gのバーコードとを読み込み、その両者を紐付けする場合などに使用される。
【0025】
複数の電子棚札端末48(48L、48S)は、店舗に分散して配置されるものであり、具体的には、対応付けられた商品に近設され、客や店員に対して対応付けられた商品に関する情報(一般的な商品名、値段、内容量、バーコード等の商品情報や、本実施形態特有の陳列予定時刻など)を提示するための情報表示装置である。
【0026】
なお、本実施形態では、複数の電子棚札端末48として、画面サイズが大きい大型の電子棚札端末(通称:ESL端末)48Lと、画面サイズが小さい小型の電子棚札端末(通商:POP端末)48Sとが混在している。以下、特定しない電子棚札端末のことを、単に電子棚札端末48と称する。
【0027】
図2は、電子棚札端末48の外観構成を説明するための斜視図である。
【0028】
図2に示すように、電子棚札端末48は、例えば、棚SHの前方縁に設置されるものであり、符号E1の拡大図に示すように、外観構成として、薄板状、即ち、ラベル状のハウジング48Aを有し、そのハウジング48Aの正面側に、対応付けられた商品Gの情報を表示する表示部48cと、電子棚札端末48のIDバーコードを示す端末コード部48gとを有している。
【0029】
なお、本実施形態の電子棚札端末48は、表示部48cで、対応付けられた商品の商品名や値段等を示す一般的な商品情報を表示する以外にも、当該商品が次に陳列される時刻を示す情報(以下、「陳列予定時刻情報」という。)も表示する構成となっており、図2の例では、「幕の内弁当」という商品名情報と、「500円」という値段情報と、「次の陳列予定時刻 12:05」という陳列予定時刻情報とが表示されている様子を示している。
【0030】
また、本実施形態の商品情報提示システム1では、本部ネットワーク2に、所定の通信網5を介して各配送車両Tに搭載された車両情報送信装置6が通信接続される。なお、所定の通信網5は、無線基地局51や、交換機などの各種中継装置(不図示)と、それらを接続する有線回線または無線回線(不図示)などから構成されるネットワークである。
【0031】
ここで、配送車両Tとは、配送センタDCで積み込まれた商品Gを各店舗(1)〜(N)に配送するトラックなどの車両のことである。
【0032】
図3は、本部サーバ21のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
【0033】
図3に示すように、この本部サーバ21は、パーソナルコンピュータなどの一般的なコンピュータを利用したハードウェア構成となっており、例えば、CPU(Central Processing Unit)211と、このCPU211とバスラインBL1を介して接続されるROM(Read Only Memory)212、RAM(Random Access Memory)213、HDD(Hard Disk Drive:ハードディスク装置)214、外部記憶媒体処理部215、通信I/F216、LANI/F217、入力処理部218、表示コントローラ219、音声処理部220等と、電源装置221などを備えている。
【0034】
ここで、CPU211は、本部サーバ21全体の制御、即ち、各種演算や各構成要素部に対する各種処理を制御するものである。また、ROM212またはHDD214は、本部サーバ21における各種処理を実行するための制御プログラムなどの各種ファイルを記憶するものである。なお、本実施形態のHDD214は、後述の機能的構成としての配送車両管理部210(図8参照)を実行するための配送車両情報管理プログラムP1を記憶する。また、RAM213は、入力データや表示データなどの作業中のデータを一時的に記憶したり、本部サーバ21の起動時にROM212またはHDD214から読み出された制御プログラムなどの各種ファイルを一時的に記憶するものである。
【0035】
外部記憶媒体処理部215は、CD−RWなどの外部記録媒体に対する読み書き処理を行う装置である。
【0036】
通信I/F216は、外部ネットワーク3を介して接続された各店舗のストアサーバ41と各種データの送受信を行うものである。また、LANI/F217は、内部ネットワーク22を介して接続されたプリンタ(不図示)などの他の機器と各種データの送受信を行うものである。
【0037】
入力処理部218は、キーボード21aまたはマウス21bからの操作信号を入力し、その入力した操作信号をCPU211に出力するものである。また、表示コントローラ219は、ディスプレイ21cの画面表示を制御するものである。また、音声処理部220は、スピーカ21dから警告音などの各種音を鳴動させる処理を行うものである。
【0038】
電源装置221は、コンセントなどの商用電源にプラグなどの差込み器具が接続されることで、商用電源からの電圧を本部サーバ21の内部回路に供給する直流電圧に変換して出力するものである。
【0039】
図4は、ストアサーバ41のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
【0040】
図4に示すように、このストアサーバ41は、パーソナルコンピュータなどの一般的なコンピュータを利用したハードウェア構成となっており、例えば、CPU411と、このCPU411とバスラインBL2を介して接続されるROM412、RAM413、HDD414、外部記憶媒体処理部415、通信I/F416、LANI/F417、入力処理部418、表示コントローラ419、音声処理部420等と、電源装置421などを備えている。
【0041】
なお、このストアサーバ41は、前記した本部サーバ21と同様のハードウェア構成を有しているため、ここでの詳細な説明は省略するが、ROM412、RAM413、HDD414等に記憶される制御プログラムなどの各種ファイルが異なる。
【0042】
具体的には、このストアサーバ41では、HDD414などに、商品情報ファイルを保持しており、各POS端末42からの問合せに応じて商品情報ファイルから必要な商品情報を返信する。なお、商品情報ファイルとは、商品の種別毎に固有に割り振られた商品を特定するための商品コードと、商品の名称(商品名)や単価などを含む商品情報とを対応付けて記憶するファイルのことである。
【0043】
また、このストアサーバ41では、後述の機能的構成としての到着予定時刻中継部410(図8参照)を実行するための配送車両情報中継プログラムP2をHDD414に記憶している。
【0044】
図5は、電子棚札管理サーバ43のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
【0045】
図5に示すように、この電子棚札管理サーバ43は、パーソナルコンピュータなどの一般的なコンピュータを利用したハードウェア構成となっており、例えば、CPU431と、このCPU431とバスラインBL3を介して接続されるROM432、RAM433、ハードディスク装置(HDD)434、外部記憶媒体処理部435、LANI/F436、入力処理部437、表示コントローラ438、音声処理部439等と、電源装置440などを備えている。
【0046】
なお、この電子棚札管理サーバ43は、前記した本部サーバ21やストアサーバ41と同様のハードウェア構成を有しているため、ここでの詳細な説明は省略するが、ROM432、RAM433、HDD434等に記憶される制御プログラムなどの各種ファイルが異なる。
【0047】
具体的には、この電子棚札管理サーバ43では、後述の機能的構成としての陳列予定時刻管理部430(図8参照)を実行するための陳列予定時刻管理プログラムP3をHDD434に記憶している。
【0048】
図6は、電子棚札端末48のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
【0049】
図6に示すように、この電子棚札端末48は、例えば、制御部48aと、この制御部48aとバスラインBL4を介して接続される記憶部48b、表示部48c、タイマ部48d、通信部48e等と、バッテリ48fなどを備えている。なお、制御部48a、記憶部48b、表示部48c、タイマ部48d、通信部48e等とは、集積回路などで実現され、表示部48cは、ドットマトリクス液晶などで実現される。
【0050】
ここで、制御部48aは、電子棚札端末48全体の制御、即ち、各種演算や各構成要素部に対する各種処理を制御する制御手段である。また、記憶部48bは、電子棚札端末48における各種処理を実行するための制御プログラムなどの各種ファイルを記憶する不揮発性の記憶手段である。
【0051】
なお、本実施形態の記憶部48bは、後述の機能的構成としての陳列時刻表示処理部480(図8参照)を実行するための陳列時刻表示プログラムP4を記憶している。
【0052】
表示部48cは、通信部48eで受信した商品情報に基づいて、商品名、値段、陳列予定時刻等の商品情報を表示する表示手段である。また、タイマ部48dは、通信制御時の同期や時間計測に用いられるものである。また、通信部48eは、無線中継機45と通信を行うものである。また、バッテリ48fは、前記した各回路部48a〜48eに直流電圧を供給する駆動源である。
【0053】
なお、大型の電子棚札端末48Lと小型の電子棚札端末48Sの両者共に、前記したハードウェア構成を有しているが、表示部48cの外形や画素数を含む画面サイズや記憶部48bの記憶容量などが異なるものである。
【0054】
図7は、車両情報送信装置6のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
【0055】
図7に示すように、この車両情報送信装置6は、例えば、CPU611と、このCPU611とバスラインBL5を介して接続されるROM612、RAM613、無線LANI/F614、I/F615、通信I/F617等と、ナビゲーション装置616と、電源装置618などを備えている。
【0056】
なお、CPU611、ROM612、RAM613等は、前記した本部サーバ21に実装されるCPU211、ROM212、RAM213等と同様のものである。
【0057】
また、無線LANI/F614は、無線LANを介して接続された配送センタDCにおける作業者や配送車両Tの運転手などが所持するハンディターミナル(不図示)と各種データの送受信を行うものであり、具体的には、ハンディターミナルから配送車両Tに積み込まれた商品Gに関する情報としての商品コードの情報を受信する。
【0058】
I/F615は、所定の信号線などを介して接続されたナビゲーション装置616と各種データの送受信を行うものである。具体的には、ナビゲーション装置616から配送車両Tの現在位置情報を受信する。
【0059】
通信I/F617は、所定の無線通信回線を介して通信接続された所定の通信網5との間で各種データの送受信を行うものである。具体的には、無線LANI/F614やI/F615で受信した商品Gの商品コードの情報や配送車両Tの現在位置情報などを本部サーバ21に向けて送信する。
【0060】
ナビゲーション装置616は、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)などの周知の衛星測位システム機能を有し、人工衛星からの電波を受信して自己の現在位置を特定することが可能な電子機器である。
【0061】
より具体的には、このナビゲーション装置616は、一般的なカーナビゲーション装置と同様のハードウェア構成を有しており、取得した現在位置情報に基づき、液晶ディスプレイなどの表示装置(不図示)及びスピーカなどの音響装置(不図示)により、配送車両Tに搭乗する搭乗者(運転者)に対して当該配送車両Tの現在位置を提示したり、目的地までの経路案内などを行う。
【0062】
図8は、商品情報提示システム1における機能的構成を説明するためのブロック図である。
【0063】
図8に示すように、本実施形態では、後述の図12乃至図16の処理を実行するための機能的構成として、本部サーバ21が配送車両管理部210を有し、ストアサーバ41が到着予定時刻中継部410を有し、電子棚札管理サーバ43が陳列予定時刻管理部430を有し、各電子棚札端末48が陳列時刻表示処理部480を有している。
【0064】
本部サーバ21の配送車両管理部210は、情報送受信部210a、配送車両情報更新部210b、到着予定時刻配信部210c等を有している。
【0065】
ここで、情報送受信部210aは、配送車両Tから送信された商品コードの情報及び現在位置情報を含む配送車両情報を受信したり、各店舗(1)〜(N)のストアサーバ41から到着予定時刻を示す到着予定時刻情報(特許請求の範囲の「入荷時刻情報」に相当する。)の送信を要求する要求信号を受信して配送車両情報更新部210bに出力する。また、この情報送受信部210aは、後述の到着予定時刻配信部210cから到着予定時刻情報を入力し、該入力した到着予定時刻情報を該当するストアサーバ41宛てに送信する。
【0066】
配送車両情報更新部210bは、店舗到着時刻算出部210b−1及び配送車両管理テーブルT1を有し、情報送受信部210aを介して取得した配送車両情報を基に、地図データなどの周知の技術を利用して店舗到着時刻算出部210b−1が、各店舗(1)〜(N)に配送車両Tが到着すると思われる時刻情報(以下、「到着予定時刻情報」という場合がある。)を算出し、該算出した到着予定時刻情報と当該取得した配送車両情報に基づいて配送車両管理テーブルT1の登録情報を更新する。
【0067】
より具体的には、店舗到着時刻算出部210b−1は、詳細な道路情報を含む地図データを有し、この地図データと、外部から取得した道路交通情報と、当該取得した配送車両情報に含まれる配送車両Tの現在位置情報などに基づいて、当該配送車両Tの店舗(1)〜(N)毎の到着予定時刻情報を算出する。
【0068】
図9は、配送車両情報更新部210bで保持される配送車両管理テーブルT1の一構成例を説明するための図である。
【0069】
図9に示すように、この配送車両管理テーブルT1は、配送車両Tの識別情報(ID)が登録される「配送車両ID」項目t1と、配送車両Tに積み込んだ商品Gのリストが登録される「積み込み商品リスト」項目t2と、配送車両Tが次に向かう次店舗の識別情報(ID)が登録される「次店舗ID」項目t3と、配送車両Tの現在の位置情報が登録される「現在位置」項目t4と、配送車両Tが各店舗に到着する到着予定時刻情報が登録される「各店舗到着予定時刻」項目t5と、このテーブルの更新日時が登録される「更新日時」項目t6とを有している。
【0070】
なお、図9の例では、例えば、配送車両IDが「A」の配送車両Tが、配送センタDC(図1参照)で、牛乳、卵、豆腐、・・・、幕の内弁当、鮭おにぎり等の商品Gを積み込み、現在居る場所が、店舗(1)で、次に向かう店舗が店舗ID「N」の店舗(N)で、店舗(N)に到着する到着予定時刻が「12:00」、店舗(2)に到着する到着予定時刻が「13:00」、・・・、店舗(6)に到着する到着予定時刻が「15:00」で、
更新日時が「2010/3/11」であることを示している。
【0071】
即ち、配送車両情報更新部210bは、当該取得した配送車両情報に含まれる車両ID、積み込み商品の情報、及び、現在位置の情報と、店舗到着時刻算出部210b−1で算出した店舗(1)〜(N)毎の到着予定時刻の情報などに基づいて配送車両管理テーブルT1の該当項目を更新する。
【0072】
また、配送車両情報更新部210bは、配送車両情報に含まれる現在位置の情報及び地図データにおける各店舗の位置情報と、各店舗のIDリストの情報などに基づいて、配送車両管理テーブルT1の次店舗IDの項目も更新する。
【0073】
図8に戻って、到着予定時刻配信部210cは、情報送受信部210aを介して各店舗(1)〜(N)のストアサーバ41からの要求信号を受信した場合に、当該要求信号に含まれる店舗ID及び商品コードなどに従って、配送車両管理テーブルT1から店舗の到着予定時刻情報を検索し、該検索した到着予定時刻情報を情報送受信部210aに出力する。これにより、情報送受信部210aを介して到着予定時刻情報が該当するストアサーバ41に送信される。
【0074】
ストアサーバ41の到着予定時刻中継部410は、電子棚札管理サーバ43からの要求信号を本部サーバ21に転送する。また、この到着予定時刻中継部410は、到着予定時刻配信部210cにより配信された到着予定時刻情報を受信して管理用として一時記憶するとともに、当該受信した到着予定時刻情報を電子棚札管理サーバ43に転送する。
【0075】
また、電子棚札管理サーバ43の陳列予定時刻管理部430は、情報送受信部430a、陳列予定時刻更新部430b、品切れ商品特定部430c、商品情報生成部430d等を有している。
【0076】
ここで、情報送受信部430aは、ストアサーバ41の到着予定時刻中継部410を介して本部サーバ21からの到着予定時刻情報を受信して、陳列予定時刻更新部430bに出力する。また、この情報送受信部430aは、後述の到着時刻要求部430b−1から要求信号を入力し、該入力した要求信号をストアサーバ41に送信するとともに、後述の品切れ商品特定部430cからの到着予定時刻情報及び棚札IDを含む送信情報を入力し、該入力した送信情報を該当する電子棚札端末48に送信する。
【0077】
陳列予定時刻更新部430bは、到着時刻要求部430b−1、陳列予定時刻算出部430b−2、陳列予定時刻管理テーブルT3等を有し、更に、陳列予定時刻算出部430b−2が実績陳列時間管理テーブルT2を有している。
【0078】
そして、この陳列予定時刻更新部430bは、情報送受信部430aを介して取得した到着予定時刻情報と実績陳列時間管理テーブルT2の登録情報を基に、陳列予定時刻算出部430b−2が陳列予定時刻情報を算出し、該算出した陳列予定時刻情報に基づいて陳列予定時刻管理テーブルT3の登録情報を更新する。
【0079】
より具体的には、陳列予定時刻算出部430b−2は、取得した到着予定時刻に、実績陳列時間管理テーブルT2に予め設定されている商品毎の準備時間を加算することで、商品毎の陳列予定時刻を算出する。
【0080】
なお、到着時刻要求部430b−1は、後述の品切れ商品特定部430cから品切れ商品の商品コードを含む要求指示信号を入力した場合、または、ストアサーバ41または電子棚札管理サーバ43において店舗側のオペレータによる陳列予定時刻情報の送信を要求する所定の要求操作があった場合などの所定の要求条件が成立した場合に、到着予定時刻情報の送信を要求する要求信号を生成して情報送受信部430aに出力する。なお、要求信号には、店舗IDや品切れ商品の商品コードなどの情報が含まれる。
【0081】
また、本実施形態では、到着時刻要求部430b−1は、前記のような所定の要求条件が成立した場合に、当該品切れ商品が無くなる、即ち、当該品切れ商品が棚SHなどに陳列されるまで、一定周期毎に前記要求信号を送信する。
【0082】
図10(a)は、陳列予定時刻算出部430b−2で保持される実績陳列時間管理テーブルT2の一構成例を説明するための図である。
【0083】
図10(a)に示すように、この実績陳列時間管理テーブルT2は、配送車両Tが店舗に到着してから棚SHなどの陳列場所に各商品Gが陳列されるまでに要する商品毎の準備時間を管理するものであり、商品の種別を示す「商品種別」項目t7、準備時間を示す「準備時間」項目t8等を有している。なお、「商品種別」項目t7は、商品の名称を示す「商品名」項目t71と商品コードを示す「商品コード」項目t72とから構成されている。
【0084】
なお、図10(a)の例では、例えば、商品名が「幕の内弁当」で、商品コードが「dddd」の商品Gに対応付けて、準備時間「5分」が対応付けられており、これは、「幕の内弁当」という商品Gが店舗に到着してから棚SH(図2参照)などの陳列場所に陳列されるまでに準備時間として5分必要であることを示している。
【0085】
なお、前記した実施形態では、商品の種別毎に、到着予定時刻に加算する準備時間を複数用意する形態について説明したが、これ以外にも、例えば、全種類の商品Gに共通の準備時間を用意するような形態とすることも可能である。
【0086】
また、前記した準備時間として、到着した商品Gを包装用の段ボールのまま陳列するような陳列形態の商品Gの準備時間としては、例えば、「0(分)」などを設定するものとする。
【0087】
図10(b)は、陳列予定時刻更新部430bで保持される陳列予定時刻管理テーブルT3の一構成例を説明するための図である。
【0088】
図10(b)に示すように、この陳列予定時刻管理テーブルT3は、陳列予定時刻算出部430b−2で算出された商品毎の陳列予定時刻を登録管理するものであり、商品の種別を示す「商品種別」項目t9、商品の到着予定時刻を示す「到着予定時刻」項目t10、商品の陳列予定時刻を示す「陳列予定時刻」項目t11等を有している。なお、「商品種別」項目t9は、商品の名称を示す「商品名」項目t91と商品コードを示す「商品コード」項目t92とから構成されている。
【0089】
なお、図10(b)の例では、例えば、商品名が「幕の内弁当」で、商品コードが「dddd」の商品に対応付けて、到着予定時刻「12:00」及び、陳列予定時刻「12:05」が対応付けられており、これは、「幕の内弁当」という商品Gが、12時00分に店舗に到着する予定であり、12時05分に棚SH(図2参照)などの所定の陳列場所に陳列される予定であることを示している。
【0090】
なお、陳列予定時刻更新部430bは、配送車両Tが店舗に到着し、店舗側のオペレータなどによって、ストアサーバ41または電子棚札管理サーバ43で管理される商品の在庫数及び陳列数が更新され、後述の品切れ商品特定部430cで保持される品切れ商品管理テーブルT4における在庫数及び陳列数がゼロ(0)で無くなった場合などに、陳列予定時刻管理テーブルT3の到着予定時刻及び陳列予定時刻をリセットする。なお、このようにリセットが行われた場合には、陳列予定時刻管理部430が、陳列数がゼロでなくなった商品Gに対応付けられた電子棚札端末48に対して陳列予定時刻情報の表示をキャンセルさせるための処理を実行する。
【0091】
図8に戻って、品切れ商品特定部430cは、品切れ商品管理テーブルT4を有しており、当該品切れ商品管理テーブルT4から在庫数及び陳列数ともにゼロ(0)である品切れ商品が発生したか否かを監視し、この監視の結果、品切れ商品が発生した場合に、当該品切れ商品の商品コードを含む要求指示信号を到着時刻要求部430b−1に出力する。
【0092】
また、この品切れ商品特定部430cは、陳列予定時刻更新部430bで陳列予定時刻が更新された場合に、該当する商品Gに対応付けられた電子棚札端末48の棚札IDを検索し、該検索した棚札IDの電子棚札端末48に送信する陳列予定時刻情報を、陳列予定時刻管理テーブルT3から検索して、該検索した陳列予定時刻情報と棚札IDを商品情報生成部430dに出力する。
【0093】
なお、本実施形態のストアサーバ41またはPOS端末42では、当該店舗で扱われる全種類の商品Gの在庫数を示す在庫数の情報、及び、各商品Gの陳列数を示す陳列数の情報を管理しており、前記した品切れ商品特定部430cは、ストアサーバ41またはPOS端末42から在庫数の情報及び陳列数の情報を受信して商品管理テーブルT4の登録情報を更新する。
【0094】
図11は、品切れ商品特定部430cで保持される品切れ商品管理テーブルT4の一構成例を説明するための図である。
【0095】
図11に示すように、この品切れ商品管理テーブルT4は、当該店舗で扱われる全種類の商品Gの在庫数及び陳列数を管理するものであり、商品Gの種別を示す「商品種別」項目t12と、電子棚札端末48のIDを示す「棚札ID」項目t13、各商品の店舗のバックヤードなどに保管される商品Gの在庫数を示す「在庫数」項目t14、売り場において、棚SH(図2参照)などの陳列場所に陳列されている商品Gの陳列数を示す「陳列数」項目t15等から構成されている。
【0096】
なお、図11の例では、例えば、商品名が「幕の内弁当」で、商品コードが「dddd」の商品に対応付けて、棚札ID「20」、在庫数「0(個)」、陳列数「0(個)」等が対応付けられており、これは、「幕の内弁当」という商品Gが、棚札ID「20」の電子棚札端末48に対応付けられており、その商品Gの在庫数及び陳列数が共に「0(個)」であることを示している。
【0097】
商品情報生成部430dは、品切れ商品特定部430cから入力した陳列予定時刻情報
を含む商品情報を生成し、該生成した商品情報と棚札IDとを情報送受信部430aに出力する。これにより、情報送受信部430aが、入力した商品情報を、同じく入力した棚札IDに対応する電子棚札端末48に対して送信する。
【0098】
また、電子棚札端末48の陳列時刻表示処理部480は、情報受信部480a、陳列時刻表示部480b等を有している。
【0099】
ここで、情報受信部480aは、電子棚札管理サーバ43から送信された陳列予定時刻情報を受信するものである。
【0100】
陳列時刻表示部480bは、情報受信部480aで受信した陳列予定時刻情報に基づいて自己に対応付けられた商品Gの陳列予定時刻を表示部48cに表示するものである(例えば、図2参照)。
【0101】
なお、図8で説明した各機能構成(配送車両管理部210、到着予定時刻中継部410、陳列予定時刻管理部430、陳列時刻表示処理部480等)は、各装置(本部サーバ21、ストアサーバ41、電子棚札管理サーバ43、電子棚札端末48等)の各制御手段(CPU211、411及び431や、制御部48a)が各記憶手段(HDD214、414及び434や、記憶部48bなど)に記憶されているプログラムP1〜P4をRAM213、413及び433や、記憶部48b上に展開して実行することにより実現されるものである。
【0102】
次に、前記説明した構成の商品情報提示システム1における各種処理動作の詳細について説明する。
【0103】
図12は、商品情報提示システム1における処理の流れを示すシーケンス図である。
【0104】
図12に示すように、このシーケンスでは、配送センタDCにおける配送車両Tへの商品Gの積み込み時(ステップS1)や、一定周期経過する毎(ステップS2など)に、配送車両Tに搭載された車両情報送信装置6が、本部サーバ21に対して積み込んだ商品Gの商品コードや現在位置を含む配送車両情報を送信する(ステップS3、S4など)。
【0105】
なお、ステップS1においては、配送車両Tに商品Gを積み込む際、作業者などによりハンディターミナル(不図示)で積み込んだ商品Gの商品コードが入力される。これにより、車両情報送信装置6が、ハンディターミナルから商品コードを取得し、その取得した商品コードを含む配送車両情報を本部サーバ21に送信する。
【0106】
一方、本部サーバ21では、配送車両Tの車両情報送信装置6から送信された配送車両情報を受信する毎に、当該配送車両Tが各店舗に到着する到着予定時刻を算出して配送車両管理テーブルT1の登録情報の更新を行う(ステップS5、S6)。
【0107】
また、一方、各店舗(1)〜(N)においては、電子棚札管理サーバ43が、品切れ商品が発生した場合や店舗側のオペレータによる要求操作があった場合などに、ストアサーバ41を介して本部サーバ21に対して到着予定時刻情報の要求信号を送信する(ステップS7)。
【0108】
この要求信号を受信した本部サーバ21では、当該要求信号に含まれる店舗ID及び商品コードに基づいて、当該商品コードに対応する商品Gを配送する配送車両Tの要求のあった店舗に対応した到着予定時刻情報を検索し、該検索した到着予定時刻情報を該当する店舗のストアサーバ41に送信する(ステップS8)。
【0109】
すると、ストアサーバ41を介して電子棚札管理サーバ43が、到着予定時刻情報を受信し、該受信した到着予定時刻情報から当該品切れ商品の陳列予定時刻情報を算出するとともに(ステップS9)、当該品切れ商品に対応付けられた電子棚札端末48を検索する(ステップS10)。そして、その検索した電子棚札端末48に対して陳列予定時刻情報を送信する(ステップS11)。
【0110】
すると、該当する電子棚札端末48では、受信した到着予定時刻情報に基づいて表示部48cに品切れ商品の陳列予定時刻を表示する(ステップS12)。
【0111】
図13は、図12のシーケンスにおいて、本部サーバ21の配送車両管理部210で行われる処理の流れを示すフローチャートである。
【0112】
図13に示すように、この処理では、ステップS11及びステップS12において、配送車両管理部210では、車両情報送信装置6からの配送車両情報の受信、及び、ストアサーバ41または電子棚札管理サーバ43からの到着予定時刻情報の要求信号の受信を監視しており、この監視の結果、情報送受信部210aが、車両情報送信装置6からの配送車両情報を受信すると(ステップS11:YES)、続いて、ステップS13において、配送車両情報更新部210bによる配送車両管理テーブルT1の更新処理が実行される。
【0113】
具体的には、ステップS13の処理では、店舗到着時刻算出部210b−1が、ステップS11で受信した配送車両情報に含まれる現在位置情報と、道路情報を含む地図データと、外部から取得した道路交通情報などに基づいて、当該配送車両Tの各店舗(1)〜(N)における到着予定時刻情報を算出し、受信した配送車両情報及び前記算出した到着予定時刻とに基づいて配送車両管理テーブルT1の登録情報を更新する。その後、処理をステップS11及びステップS12の監視処理に戻す。
【0114】
一方、前記監視の結果、情報送受信部210aが、ストアサーバ41から到着予定時刻の要求信号を受信すると(ステップS12:YES)、続いて、ステップS14において、到着予定時刻配信部210cが、当該受信した要求信号に含まれる店舗IDと商品コードに基づいて、配送車両管理テーブルT1から該当する店舗の到着予定時刻情報を検索し、該検索した到着予定時刻情報を情報送受信部210aに出力する。これにより、情報送受信部210aが、ストアサーバ41に到着予定時刻情報を送信する。
【0115】
図14は、図12のシーケンスにおいて、ストアサーバ41の到着予定時刻中継部410で行われる処理の流れを示すフローチャートである。
【0116】
図14に示すように、この処理では、ステップS21及びステップS22において、到着予定時刻中継部410では、電子棚札管理サーバ43からの到着予定時刻情報の送信を要求する要求信号の受信、及び、本部サーバ21からの到着予定時刻情報の受信を監視しており、この監視の結果、電子棚札管理サーバ43からの到着予定時刻の要求信号を受信すると(ステップS21:YES)、続いて、ステップS23において、受信した要求信号を本部サーバ21に転送する。
【0117】
一方、前記監視の結果、本部サーバ21から到着予定時刻情報を受信した場合には(ステップS22:YES)、続いて、ステップS24において、受信した到着予定時刻情報を電子棚札管理サーバ43に転送する。
【0118】
図15は、図12のシーケンスにおいて、電子棚札管理サーバ43の陳列予定時刻管理部430で行われる処理の流れを示すフローチャートである。
【0119】
図15に示すように、この処理では、ステップS31及びステップS32において、陳列予定時刻管理部430では、到着予定時刻情報の要求条件の成立、及び、ストアサーバ41からの到着予定時刻情報の受信を監視しており、この監視の結果、到着予定時刻情報の要求条件が成立した場合(ステップS31:YES)、続いて、ステップS33において、到着時刻要求部430b−1が、到着予定時刻の要求信号を生成して情報送受信部430aに出力する。これにより、情報送受信部430aが、到着予定時刻の要求信号をストアサーバ41に送信する。
【0120】
一方、前記監視の結果、ストアサーバ41から到着予定時刻情報を受信した場合(ステップS32:YES)、続いて、ステップS34において、陳列予定時刻算出部430b−2が、受信した到着予定時刻情報に実績陳列時間管理テーブルT2から検索した該当する準備時間を加算して陳列予定時刻を算出する。
【0121】
続いて、ステップS35において、陳列予定時刻更新部430bが、ステップS34で算出した陳列予定時刻の情報、及び、当該受信した到着予定時刻情報を陳列予定時刻管理テーブルT4に更新登録する。
【0122】
続いて、ステップS36において、品切れ商品特定部430cが、品切れ商品管理テーブルT4から品切れ商品に対応付けられた電子棚札端末48を検索し、続いて、ステップS37において、商品情報生成部430dが、ステップS36で検索した電子棚札端末48に送信する陳列予定時刻情報を含む商品情報を生成して情報送受信部430aに出力する。これにより、情報送受信部430aが、該当する電子棚札端末48に陳列予定時刻情報を含む商品情報を送信する。
【0123】
図16は、図12のシーケンスにおいて、電子棚札端末48の陳列時刻表示処理部480で行われる処理の流れを示すフローチャートである。
【0124】
図16に示すように、ステップS31において、陳列時刻表示処理部480では、情報受信部480aにおいて電子棚札管理サーバ43からの陳列予定時刻情報を含む商品情報の受信を監視しており、この監視の結果、情報受信部480aが、陳列予定時刻情報を含む商品情報を受信すると(ステップS31:YES)、続いて、ステップS32において、陳列時刻表示部480bが、ステップS31で受信した商品情報に基づいて、表示部48cに陳列予定時刻を含む商品情報を表示する。
【0125】
以上説明した実施形態によれば、店舗に設置される電子棚札端末48において、品切れ商品の次回陳列予定時刻を表示するような構成としたため、客に対して品切れ商品が次に陳列される時刻を適切に提示することができる。
【0126】
また、それにより、従来のように、客が、入荷日を待たず、他の店舗に品切れ商品を探しに行ってしまうような事態を防ぐことができるので、販売機会の損失を軽減して店舗の営業利益の減少を抑制することができるとともに、本実施形態の商品情報提示システム1を導入しない店舗に比べ、利便性の点で、販売機会が増え、店舗の営業利益の増加を期待し得るという効果を奏する。
【0127】
より具体的には、品切れ商品の次回陳列予定時刻を客に提示することにより、客によっては、来店時刻と電子棚札端末48に表示された次回陳列予定時刻を考慮して、他の陳列されている商品Gを見て回ったり、一旦自宅や会社に戻ったり、他店舗などを見て回るなどの時間調整をして、次回陳列予定時刻に達した場合に当該品切れ商品を購入して貰うことが期待し得るので、従来に比べ、販売機会の損失を軽減し、店舗の営業利益の減少を抑制することができる。
【0128】
また、本実施形態によれば、従来のように、品切れ商品の次回陳列予定時刻をわざわざ店員などに聞く必要が無くなるため、客にとっては、利便性が良いものである。
【0129】
以上、例示的な実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は前記した実施形態により限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載により表される技術的思想の範囲内において種々の変更、改変を行うことが可能である。
【0130】
例えば、前記した実施形態では、電子棚札端末48において、到着予定時刻に予め設定されている準備時間を加算した陳列予定時刻を表示するような形態について説明したが、これ以外にも、前記のような準備時間を加算せずに到着予定時刻をそのまま電子棚札端末48に表示するような形態や、到着予定時刻及び陳列予定時刻の両方を電子棚札端末48で表示するような形態とすることも可能である。
【0131】
即ち、電子棚札端末48において、到着予定時刻及び陳列予定時刻の少なくとも一つを表示する形態とすることが可能である。
【0132】
また、前記した実施形態では、在庫数及び陳列数がともにゼロ(0)である商品を品切れ商品とし、その品切れ商品の陳列予定時刻を電子棚札端末48で表示するような形態について説明したが、これ以外にも、例えば、在庫数がゼロ(0)で、陳列数が所定数(例えば、5など)を下回った商品を品切れ商品として、その品切れ商品の陳列予定時刻を電子棚札端末48で表示するような形態とすることも可能である。
【0133】
このような構成によれば、客にとっては、消費または賞味期限の短い商品(例えば、牛乳など)を購入する場合、その商品が次に陳列される時刻を待ってその商品を購入するようなこともできるので、利便性が良いものである。
【0134】
また、前記した以外にも、例えば、在庫数がゼロ(0)ではなく、陳列数のみがゼロ(0)である商品を品切れ商品として、その品切れ商品の陳列予定時刻を電子棚札端末48で表示するような形態とすることも可能である。具体的には、例えば、陳列数がゼロ(0)となった旨を店員などにストアサーバ41や電子棚札管理サーバ43で報知し、陳列数がゼロ(0)となった時刻に前記したような予め設定されている準備時間を加算した時刻を陳列予定時刻として電子棚札端末48で表示するような形態とすることも可能である。
【0135】
このような構成によれば、在庫があって、陳列数が無くなった商品が発生して、店員による商品の陳列補充がされていない間に店舗へ訪れた客が、棚SHなどに所望の商品が陳列されていないのを見て、他店舗へ探しに行ってしまうような販売機会を損失する事態が発生するのを未然に防ぐことができる。
【0136】
また、前記した実施形態では、品切れ商品が発生した場合や、オペレータによる要求操作が行われた場合などに、ストアサーバ41または電子棚札管理サーバ43から本部サーバ21に対して到着予定時刻情報の送信を要求する場合について説明したが、これ以外にも、例えば、一定周期が経過する毎に本部サーバ21に対して到着予定時刻情報の送信を要求するような形態とすることも可能である。
【0137】
また、前記した実施形態では、配送車両Tが、衛星測位システム機能を用いて自己の現在位置を特定するナビゲーション装置616を備えた車両情報送信装置6を搭載する形態について説明したが、これ以外にも、例えば、三角測量などのその他の周知の技術を用いて自己の現在位置を特定する機能を有する通信装置を配送車両Tに搭載したような形態とすることも可能である。
【0138】
また、前記した実施形態では、本部サーバ21が、配送車両Tに搭載された車両情報送信装置6から当該配送車両Tの現在位置情報及び当該配送車両Tに積み込まれた商品Gに関する情報(商品コード)を取得するような形態について説明したが、これ以外にも、例えば、本部サーバ21が、配送車両Tに搭乗する搭乗者が携帯可能な情報通信端末であって、商品Gの商品コードを取得するコード読取機能及び自己の現在位置情報を取得する測位システム機能、及び、それらの機能で取得した情報を送信する機能を有する携帯電話機やハンディターミナルなどの情報通信端末から、前記した各情報を取得するような形態とすることも可能である。なお、この場合には、通信事業者が提供する位置取得サービスなどを利用することも可能である。
【0139】
また、前記した以外にも、例えば、搭乗者が、配送車両Tに搭載されたナビゲーション装置616で報知される現在位置情報と、当該配送車両Tに積み込んだ商品Gの商品コードや商品名などの商品種別情報とを携帯電話機などの通話により、本部のオペレータに通知し、そのオペレータが、手入力などで本部サーバ21に配送車両Tの現在位置情報及び商品種別情報を入力するような形態とすることも可能である。
【0140】
また、前記した実施形態では、在庫数及び陳列数が共にゼロ(0)の商品Gが発生した場合(ケース1)、または、オペレータによる要求操作があった場合(ケース2)に、本部サーバ21に対して到着予定時刻情報の送信を要求するような形態について説明をしたが、これ以外にも、例えば、前記したケース1及びケース2のいずれか一方の場合にのみ、到着予定時刻の送信を要求するような形態とすることも可能である。
【0141】
また、前記した実施形態では、車両情報送信装置6が、配送車両Tの現在位置情報及び商品種別情報を含む配送車両情報を本部サーバ21に送信する形態について説明したが、これ以外にも、例えば、ナビゲーション装置616が、各店舗に到着する時刻情報(店舗毎の到着予定時刻情報)を算出する機能を有し、車両情報送信装置6が、配送車両Tの現在位置情報及び商品種別情報に、そのナビゲーション装置616から取得した店舗毎の到着予定時刻情報を含む配送車両情報を本部サーバ21に送信するような形態とすることも可能である。
【0142】
また、前記した実施形態では、電子棚札管理サーバ43が、本部サーバ21及びストアサーバ41を介して配送車両Tの車両情報送信装置6から送信された配送車両情報を取得する形態について説明したが、これ以外にも、例えば、電子棚札管理サーバ43が、本部サーバ21及びストアサーバ41の両方、または、いずれか一方を介さずに配送車両情報を取得するような形態とすることも可能である。
【0143】
前記した実施形態では、配送車両Tに積み込まれた商品Gを特定する情報として商品コードの場合について説明したが、これ以外にも、例えば、商品名など商品を特定できる情報であれば良いものとする。
【0144】
また、前記した実施形態では、電子棚札端末サーバ43が、各店舗を統括的に管理する本部サーバ21で算出された店舗毎の到着予定時刻情報を取得する形態について説明したが、これ以外にも、例えば、電子棚札端末サーバ43が、通信事業者側に設置されたサーバ装置で算出された店舗毎の到着予定時刻情報を取得するような形態とすることも可能である。
【0145】
また、前記した実施形態では、ストアサーバ41及び電子棚札端末管理サーバ43において各商品Gの在庫数及び陳列数を手入力などで入力する場合について説明したが、これ以外にも、例えば、陳列数などを検出するセンサを設け、そのセンサからの信号により陳列数の値を更新するような形態とすることも可能である。
【0146】
また、前記した実施形態の本部サーバ21、ストアサーバ41、電子棚札管理サーバ43及び電子棚札端末48で実行される各種プログラムP1〜P4は、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよいし、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成しても良い。
【0147】
その他、前記した実施形態における装置構成及び機能構成、または、各種テーブルに設定される設定値などは単なる例として記載したものであり、本発明はこれらにより限定されない。
【符号の説明】
【0148】
1 商品情報提示システム
2 本部ネットワーク
21 本部サーバ
22 内部ネットワーク
3 外部ネットワーク
4−1〜4−N 店舗ネットワーク
41 ストアサーバ
42 POS端末
43 電子棚札管理サーバ(情報処理装置)
44 無線アクセスポイント
45 無線中継機
46 内部ネットワーク
47 ハンディターミナル
48 電子棚札端末(情報表示装置)
5 無線通信網
6 車両情報送信装置
T 配送車両
G 商品
DC 配送センタ
210 配送車両管理部
410 到着予定時刻中継部
430 陳列予定時刻管理部
430a 情報送受信部(入力手段、送信手段)
430b 陳列予定時刻更新部
430b−1 到着時刻要求部
430b−2 陳列予定時刻算出部
T2 実績陳列時間管理テーブル
T3 陳列予定時刻管理テーブル
430c 品切れ商品特定部
T4 品切れ商品管理テーブル
430d 商品情報生成部(生成手段)
480 陳列時刻表示処理部
480a 情報受信部
480b 陳列時刻表示部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0149】
【特許文献1】特開平5−134635号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品に関する商品情報を表示する情報表示装置の表示を管理する情報処理装置であって、
前記商品の入荷時刻情報を入力する入力手段と、
前記入力手段で入力した入荷時刻情報に従って前記商品の入荷時刻情報及び陳列時刻情報の少なくとも一つを含む商品情報を生成する生成手段と、
前記生成手段で生成した商品情報を前記情報表示装置に送信する送信手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記商品が店舗に入荷されてから所定の陳列場所に陳列されるまでの準備時間を示す準備時間情報を記憶する記憶手段を更に有し、
前記生成手段は、前記入荷時刻情報及び前記準備時間情報から前記陳列時刻情報を算出することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記入力手段は、前記商品を配送する配送車両に搭載された情報送信装置から送信された前記入荷時刻情報を受信することを特徴とする請求項1または2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報表示装置が店舗に複数設置されており、
前記生成手段は、在庫数及び陳列数が共にゼロとなった品切れ商品の前記商品情報を生成し、
前記送信手段は、前記生成手段で生成した前記商品情報を、前記品切れ商品に対応付けられた前記情報表示装置に送信することを特徴とする請求項2または3記載の情報処理装置。
【請求項5】
商品に関する商品情報を表示する情報表示装置の表示を管理する情報処理装置に実装されたコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
入力手段が、前記商品の入荷時刻情報を入力する入力ステップと、
生成手段が、前記入力ステップで入力した入荷時刻情報に従って前記商品の入荷時刻情報及び陳列時刻情報の少なくとも一つを含む前記商品情報を生成する生成ステップと、
送信手段が、前記生成ステップで生成した商品情報を前記情報表示装置に送信する送信ステップと、
を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項6】
商品に関する商品情報を表示する情報表示装置と、前記情報表示装置の表示を管理する情報処理装置とを備える商品情報提示システムであって、
前記情報処理装置は、
前記商品の入荷時刻情報を入力する入力手段と、
前記入力手段で入力した入荷時刻情報に従って前記商品の入荷時刻情報及び陳列時刻情報の少なくとも一つを含む前記商品情報を生成する生成手段と、
前記生成手段で生成した商品情報を前記情報表示装置に送信する送信手段と、
を有し、
前記情報表示装置は、
前記送信手段で送信された前記商品情報を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した前記商品情報に従って、前記商品の入荷時刻情報及び陳列時刻情報の少なくとも一つを含む商品情報を表示する表示手段と、
を有することを特徴とする商品情報提示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−186955(P2011−186955A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−53828(P2010−53828)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】