説明

情報処理装置、情報処理方法およびプログラム

【課題】サーバからデータを取得するための通信のタイムアウト時間を、適切に決定することができる情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供する。
【解決手段】サーバから取得する取得対象のデータに基づき、当該データを取得するときに処理手段により実行される処理の内容を判定する。そして、その判定結果に応じて、当該データを取得するときのタイムアウト時間を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバからデータを取得するときのタイムアウト時間を決定する情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
Web上に存在する画像提供サーバ(以下、サーバという)から画像データを取得して、取得した画像データに基づいて印刷や表示等の画像処理を行うシステムが知られている。
【0003】
このようなシステムにおいて、情報処理装置がサーバからデータを取得する場合に、情報処理装置とサーバとの通信をタイムアウトするためのタイムアウト値が設定されることがある。ここで、タイムアウト値が不要に長く設定されていると、通信エラーが起きた場合に、余分に長くユーザを待たせることになってしまう。一方、タイムアウト値が不要に短く設定されていると、サーバで正常に処理が行われているにも関わらず、タイムアウトと判断され、通信が中断されてしまう。
【0004】
特許文献1には、関門中継処理装置が通信を行う相手が、セルラ端末であるか、もしくは衛星を介して通信を行う端末であるかを判断し、その判断結果に基づいて、各々異なるタイムアウト値を設定することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−197124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1によると、通信相手に応じてタイムアウト値を設定しているが、サーバからデータを取得する場合、サーバに要求するデータによって、データを取得するまでの時間が異なることがある。例えば、データ取得装置がサーバからデータを取得するときに、サーバにおいて、取得対象のデータのデータ形式を変換してから、データ取得装置にデータを送信する場合がある。この場合、データ形式の変換処理の有無により、データ取得装置がデータを取得するまでの時間が異なる。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑み、サーバからデータを取得するための通信のタイムアウト時間を、適切に決定することができる情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明に係る情報処理装置は、サーバからデータを取得するときのタイムアウト時間を決定する情報処理装置であって、前記サーバに記憶されているデータであって、当該サーバから取得される取得対象のデータを特定する特定手段と、前記特定手段により特定された取得対象のデータを前記サーバから取得するときの、タイムアウト時間を決定する決定手段と、前記特定手段により特定された取得対象のデータに基づき、当該データを取得するときに処理手段により当該データに実行される処理の内容を判定する判定手段とを有し、前記決定手段は、前記判定手段により判定された、前記取得対象のデータに実行される処理の内容に応じて、前記タイムアウト時間を決定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、サーバからデータを取得するための通信のタイムアウト時間を適切に決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】情報処理システムの全体の構成を示す図である。
【図2】管理サーバでのタイムアウト値設定処理の手順を示す図である。
【図3】画像取得装置での画像処理までの手順を示す図である。
【図4】変換処理が必要な場合のサーバ間の処理の流れを示す図である。
【図5】変換処理が必要でない場合のサーバ間の処理の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施例を詳しく説明する。尚、以下の実施例は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施例で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
【0012】
図1は、本発明に係る実施例における情報処理システムの全体の構成を示す図である。本情報処理システムは、管理サーバ101と画像取得装置102と、画像提供サーバ103と、画像変換サーバ104と、ユーザデバイス105とを含み、それぞれがネットワーク100を介して通信可能である。
【0013】
このシステムにおいて、画像処理の対象となる画像データが、画像提供サーバ103に格納されており、画像取得装置102が、その画像データを取得して、取得された画像データに対して印刷や表示等の画像処理を行う。
【0014】
画像取得装置102が画像データを取得するために、まずユーザがユーザデバイス105を操作して、画像提供サーバ103に格納されている画像データのうちの、画像処理の対象とする画像データを選択する。すると、ユーザにより選択された画像データを示し、その画像データに画像処理を行わせるための画像処理ジョブが、ユーザデバイス105から管理サーバ101に送信される。
【0015】
この画像処理ジョブを受信した管理サーバ101は、画像処理ジョブにおいて指定されている画像処理対象の画像データに関する情報や、画像提供サーバ103に関する情報、また画像変換サーバ104に関する情報を取得することができる。そして、管理サーバ101は、このように取得したサーバや画像データに関する情報に従って、画像取得装置102が画像提供サーバ103から画像データを取得するときのタイムアウト時間を決定する。このタイムアウト時間の決定処理の詳細については後述する。
【0016】
上記の画像変換サーバ104は、画像提供サーバ103から画像データを受信して、受信した画像データを、画像取得装置102が画像処理可能な形式に変換する。画像提供サーバが画像を保存しておくデータ形式には様々なものがあり、情報処理装置がそのままの形式では画像処理することができない形式も存在するため、この処理が実行される。この画像変換サーバ104における変換処理は、管理サーバ101や画像取得装置102による要求により実行される。管理サーバ101は、ユーザにより画像処理対象として指定された画像データが、画像変換が必要な形式あれば、画像変換サーバ104に画像変換を要求する。
【0017】
以上の処理が実行されると、画像取得装置102は、ユーザにより指定された画像処理対象の画像データを示す画像処理ジョブと、画像データを取得するときのタイムアウト時間を示す情報を、管理サーバ101から受信する。そして、画像処理ジョブで示されている画像データを、画像提供サーバ103に対して要求して、画像提供サーバ103から画像データを取得する。なお、この画像データは、画像変換サーバ104により画像形式の変換が行われている。
【0018】
また、上記のように画像取得装置102が画像データを要求してから、管理サーバ101から受信した情報が示すタイムアウト時間を経過しても未だ画像データが取得できない場合には、通信のタイムアウトを行う。このタイムアウト処理は、画像提供サーバ103から画像データを取得するための、画像提供サーバ103へのアクセスを中断することにより行われる。
【0019】
次に、図1に示した各装置の構成を、詳細に説明する。管理サーバ101におけるCPU110は、ROM111やRAM112、またはストレージ113から読みだされたプログラムに従って、内部のシステムバスを介して管理サーバ101全体を制御する。通信部114は、ネットワーク100に接続され、インターネットプロバイダへの接続や、画像取得装置102や画像提供サーバ103や画像変換サーバ104やユーザデバイス105との間でデータの送受信を行う。なお、管理サーバ101のネットワーク100への接続に関しては、公知の方法が用いられる。
【0020】
なお、この管理サーバ101では、上記のように、画像取得装置102が画像データを取得するときのタイムアウト時間を決定する。本実施例においては、ユーザが画像処理対象として指定した画像データや、画像提供サーバ、画像変換サーバの状態に応じて、タイムアウト時間を決定する。
【0021】
画像データに応じてタイムアウト時間を決定するときには、例えばユーザにより指定された画像データが、画像変換サーバ104による画像形式の変換が必要か否かに応じて、タイムアウト時間を決定する。なぜなら、この変換処理が行われる場合には、必然的に、画像取得装置102が画像データを取得するまでの取得時間は、変換処理が行われない場合に比べると長くなるからである。また、画像データ量が大きくなるにつれても、取得時間は長くなるため、画像データのデータ量も参照して、タイムアウト時間を決定する。
【0022】
また、画像提供サーバ、画像変換サーバの状態に応じてタイムアウト時間を決定する場合、サーバへのアクセス状況に応じてタイムアウト時間を決定する。なぜなら、サーバにアクセスが集中している場合には、処理待ち時間の発生により、取得時間は長くなるからである。
【0023】
このように、本実施例の管理サーバ101は、画像データのデータ形式やサーバの種類や画像データ量やサーバへのアクセス状況等によって、タイムアウト時間を決定する。
【0024】
画像取得装置102におけるCPU120は、ROM121またはRAM122から読みだされたプログラムに従って、内部のシステムバスを介して画像取得装置102全体を制御する。通信部123は、通信環境を考慮したデフォルトのタイムアウト値を保持している。また、上記のように、管理サーバ101で決定されたタイムアウト時間が指定されると、そのタイムアウト時間が通信部123に保持される。そして、画像データを取得するときにCPU120は、タイムアウト時間に従って、通信のタイムアウトを実行する。
【0025】
また、通信部123は、ネットワーク100に接続され、インターネットプロバイダへの接続や、管理サーバ101や画像提供サーバ103や画像変換サーバ104との間でデータの送受信を行う。なお、画像取得装置102のネットワーク100への接続に関しては、公知の方法が用いられる。画像処理部124は、取得した画像データに対して様々な画像処理を行う。画像処理部124は、画像を記録媒体に印刷する印刷部や、画像をディスプレイ上に表示する画像表示部等を含む。
【0026】
画像提供サーバ103におけるCPU130は、ROM131やRAM132、またはストレージ133から読みだされたプログラムに従って、内部のシステムバスを介して画像提供サーバ103全体を制御する。ROM131は、CPU130により用いられる制御プログラム等を格納している。画像取得装置102に提供するための画像データは、ストレージ133中の画像メモリ134に蓄積されている。通信部135は、ネットワーク100に接続され、インターネットプロバイダへの接続や、管理サーバ101や画像取得装置102や画像変換サーバ104やユーザデバイス105との間でデータの送受信を行う。なお、画像提供サーバ103のネットワーク100への接続に関しては、公知の方法が用いられる。
【0027】
画像変換サーバ104におけるCPU140は、ROM141やRAM142、またはストレージ144から読みだされたプログラムに従って、内部のシステムバスを介して画像変換サーバ104全体を制御する。ROM141は、CPU140により用いられる制御プログラム等を格納している。通信部143は、ネットワーク100に接続され、インターネットプロバイダへの接続や、管理サーバ101や画像取得装置102や画像提供サーバ103やユーザデバイス105との間でデータの送受信を行う。なお、画像変換サーバ104のネットワーク100への接続に関しては、公知の方法が用いられる。ストレージ144中にある画像メモリ145は、画像提供サーバ103から取得した画像データや、フォーマット(例えば、保存形式)を変換するための変換処理後の画像データを蓄積する。画像変換部146は、画像メモリ145に蓄積された画像データのフォーマットを、画像取得装置102が処理可能なフォーマットに変換する。画像データのフォーマットとして、例えば1枚の画像を格納するファイル形式(JPEG形式等)や、複数の画像を格納可能なファイル形式(PDF形式等)がある。画像取得装置102がJPEG形式に対応しているものの、PDF形式に対応していない場合に、画像変換部146において、PDF形式の画像ファイルを、JPEG形式の画像ファイルに変換する。仮にPDF形式の画像ファイルに複数の画像が含まれている場合には、その複数の画像を、JPEG形式の複数のファイルとして個別に生成する。
【0028】
ユーザデバイス105は、携帯電話やPC等のネットワーク機能を備えた装置であり、不図示の操作部がユーザにより操作されることで、ユーザによる指示を入力することができる。そして、画像提供サーバ103に格納されている画像データに画像処理を行わせるための、ユーザによる指示を入力すると、管理サーバ101に画像データに画像処理を行うための画像処理ジョブを送信する。この画像処理ジョブには、ユーザが選択した画像データの、画像提供サーバ103における格納場所を示す、URLが含まれる。画像取得装置102は、このURLに従って画像提供サーバにアクセスすることにより、ユーザが画像処理対象として選択した画像データを取得することができる。
【0029】
なお、本実施例における画像取得装置102とは、例えば、Webサーバである画像提供サーバ103と端末とを中継可能な中継装置である。なお、この中継装置では、アクセス先のWebサーバごとにAPI構成が異なることがある。よって、写真共有サービスを提供する複数のWebサーバのそれぞれから写真データ等の画像データを取得しようとする場合には、各WebサーバのAPI構成に基づいた通信を行う必要がある。そのような場合に、API構成を変換する機能を有する中継装置を配置して通信構成を簡略化することが多く行われる。
【0030】
図2は、管理サーバ101において実行されるタイムアウト制御処理の手順を示すフローチャートである。図2に示す処理は、例えば、CPU110により実行される。まず、S201において、CPU110は、ユーザデバイス105から画像処理対象の画像データのURLが指定された画像処理ジョブを受信する。S202において、CPU110は、画像処理ジョブ内でURLで指定された画像データのフォーマットやデータ量等の画像データ情報を画像提供サーバ103から取得する。これは、画像提供サーバ103に情報の要求コマンドを送信すると、その要求コマンドに応じて画像提供サーバ103が画像データ情報を返信することによって行われる。S203において、CPU110は、S202で取得した画像データ情報に基づき、画像データを画像処理可能なようにフォーマット変換する変換処理が必要であるか否かを判定する。
【0031】
ここで、変換処理が必要と判断された場合には、S204に進み、CPU110は、画像提供サーバ103から、画像提供サーバ103の処理性能やアクセス状況等のサーバ情報を取得する。これは、画像提供サーバ103に情報の要求コマンドを送信すると、その要求コマンドに応じて画像提供サーバ103がサーバ情報を返信することによって行われる。S205において、CPU110は、画像変換サーバ104から、画像変換サーバ104の処理性能やアクセス状況等のサーバ情報を取得する。これは、画像変換サーバ104に情報の要求コマンドを送信すると、その要求コマンドに応じて画像提供サーバ103がサーバ情報を返信することによって行われる。なお、S204とS205の処理の順序は逆でも良い。S206において、CPU110は、画像変換サーバ104に対して、画像処理ジョブ内でURLで指定された画像データの変換処理要求コマンドを、画像変換サーバ104に送信する。S207において、CPU110は、画像変換サーバ104から、変換処理後の画像データの保存先を取得する。これは、画像変換サーバ104に情報の要求コマンドを送信することによって行われる。
【0032】
S208において、CPU110は、画像取得装置102が画像変換サーバ104と通信を行う際のタイムアウト値を設定する。ここで、画像取得装置102が画像変換サーバ104から画像データを取得するための通信において設定されるタイムアウト値について説明する。画像取得装置102が画像変換サーバ104から画像データを取得するまでの通信時間は、上記の変換処理が必要でない画像データを取得するまでの時間に比べると、変換処理を必要とする画像データを取得するまでの時間の方が長い。また、画像提供サーバ103や画像変換サーバ104に他の装置からの要求が集中した場合、各サーバにおいて処理するまでの待ち時間が発生してしまう。従って、そのような場合にも、画像取得装置102が画像変換サーバ104から画像データを取得するまでの時間は長くなる傾向にある。
【0033】
つまり、ユーザデバイス105から受信した画像処理ジョブ毎に、画像取得装置102が画像データを取得するまでの時間は異なっている。ここで、デフォルトのタイムアウト値が上記の時間より長い場合には、通信エラー等が起きた場合に余分に長くユーザを待たせてしまうことになる。一方、デフォルトのタイムアウト値が上記の時間より短い場合には、正常に通信が行われているにも関わらず、タイムアウトと判断されて接続が中断されてしまうことになる。従って、画像取得装置102が画像データを取得する通信を行う際には、画像データについての情報やサーバ情報等に基づき、最適なタイムアウト値を設定する必要がある。
【0034】
本実施例におけるタイムアウト値の設定方法は、画像データのフォーマットの変換処理が必要である場合と必要でない場合とでタイムアウト値を予め設定しておき、画像処理対象の画像データに応じて選択する。しかしながら、S202で取得された画像データ情報とS204及びS205で取得されたサーバ情報とに基づき、画像データのフォーマットの変換処理にかかる処理速度と処理待ち時間を見積もり、それらを加算することによって動的にタイムアウト値を設定するようにしても良い。その際には、例えば、処理速度および処理待ち時間が長いほど、タイムアウト値は長くなるように設定される。
【0035】
次に、S209において、CPU110は、S208で設定されたタイムアウト値が、画像取得装置102が保持しているデフォルトのタイムアウト値より小さいか否かを判定する。ここで、設定されたタイムアウト値がデフォルトのタイムアウト値より小さくないと判定された場合にはS210に進み、S208で設定されたタイムアウト値を画像取得装置102への画像処理要求コマンド(画像処理ジョブ)に付加する。S211において、S207で取得された画像データの保存先とS210で設定されたタイムアウト値とが付加された画像処理要求コマンドを画像取得装置102に送信する。一方、S209において、設定されたタイムアウト値がデフォルトのタイムアウト値より小さいと判定された場合には、デフォルトのタイムアウト値を優先する。これは、デフォルトのタイムアウト値は、通信環境を考慮した値であり、もし、デフォルト値より小さいタイムアウト値が実現された場合に、正常に通信が行われているにも関わらず、タイムアウトと判断されて接続が中断されるおそれがあるからである。従って、S209で設定されたタイムアウト値がデフォルトのタイムアウト値より小さいと判定された場合には、タイムアウト値を画像処理要求コマンドに付加することなく、S211に進む。本実施例においては、タイムアウト値を設定しないことによって、画像取得装置102は、デフォルトのタイムアウト値を用いて画像データ取得のための通信を行う。
【0036】
再び、S203を参照する。S203において画像データに変換処理が必要でないと判定された場合には、S212に進み、CPU110は、画像提供サーバ103の処理性能やアクセス状況等のサーバ情報を取得する。これは、S204における処理と同じである。S213において、CPU110は、画像提供サーバ103に接続するための接続先と、画像処理ジョブ内でURLで指定された画像提供サーバ103に蓄積された画像データの保存先とが付加された画像処理要求コマンドを画像取得装置102に送信する。なお、このS213において、S212で取得したサーバ情報に応じてタイムアウト時間を決定し、画像処理要求コマンドに付加してもよい。
【0037】
図3は、画像取得装置102において実行される画像処理までの手順を示すフローチャートである。図3に示す処理は、例えば、CPU120により実行される。まず、S301において、CPU120は、管理サーバ101に画像処理要求コマンド(画像処理リクエスト)の有無をチェックする。これは、管理サーバ101にリクエストチェックコマンドを送信して、管理サーバ101から返信される内容を確認することによって行われる。管理サーバ101は、画像取得装置102からリクエストチェックコマンドを受信した際に、ユーザデバイス105から画像処理ジョブを受信していたならば、画像処理要求コマンドを画像取得装置102に送信する。
【0038】
S302において、CPU120は、管理サーバ101から画像処理要求コマンドを受信する。S303において、CPU120は、S302で受信された画像処理要求コマンドにタイムアウト値が付加されているか否かを判定する。ここで、タイムアウト値が付加されていると判定された場合には、S304に進み、付加されたタイムアウト値を取得して、そのタイムアウト値を、画像提供サーバ103から画像データを取得するための通信のタイムアウト値として設定する。一方、タイムアウト値が付加されていないと判定された場合には、S305に進み、画像取得装置102が保持しているデフォルトのタイムアウト値を、画像データを取得するための通信のタイムアウト値として設定する。
【0039】
次に、S306において、CPU110は、上記設定されたタイムアウト値に基づき、画像処理ジョブで指定された画像データを取得する。後述するが、画像取得装置102は、画像変換サーバ104による画像変換を行わずに画像提供サーバ103から画像データを取得する場合と、画像変換サーバ104により画像形式が変換された画像データを取得する場合とがある。S307において、CPU110は、S306で取得した画像データに対して、印刷や表示といった様々な画像処理を行う。
【0040】
図4は、画像処理対象の画像データに変換処理が必要な場合の各サーバ間の処理の流れを示す図である。図4に示す処理は、図2に示す管理サーバ101のフローチャートについて、図2のS203の判定でS204に進み、S209の判定でS210に進む場合に相当する。そして、図3に示す画像取得装置102のフローチャートについて、S303の判定でS304に進む場合に相当する。即ち、ユーザが指定した画像データが、画像変換サーバ104による画像形式の変換が必要な画像データである場合について説明する。
【0041】
まず、S401において、ユーザデバイス105は、画像処理対象の画像データをURLで指定した画像処理ジョブを管理サーバ101に送信する。S402において、管理サーバ101は、URLで指定された画像データのフォーマットやデータ量等の画像データ情報を画像提供サーバ103に要求して取得する。管理サーバ101は、その取得した画像データ情報により画像処理対象の画像データについて変換処理を必要とするか否かを判定する。ここで、管理サーバ101は、例えば、画像取得装置102が処理可能、あるいは、画像取得装置102に保存可能な画像データのフォーマットの情報に基づいて、上述の判定処理を行っても良い。このフォーマット情報は、ユーザが管理サーバ101に入力してもよいし、管理サーバ101が画像取得装置102から受信してもよい。
【0042】
S403において、管理サーバ101は、画像提供サーバ103の処理性能やアクセス状況等のサーバ情報を画像提供サーバ103に要求して取得する。S404において、管理サーバ101は、画像変換サーバ104の処理性能やアクセス状況等のサーバ情報を画像変換サーバ104に要求して取得する。なお、S403とS404の処理の順序は逆でもよい。
【0043】
S405において、管理サーバ101は、画像変換サーバ104に対して、画像処理ジョブでURLで指定された画像データの変換処理要求コマンドを送信する。S406において、管理サーバ101は、画像変換サーバ104から、変換処理後の画像データの保存先を画像変換サーバ104に要求して取得する。S407において、管理サーバ101は、画像取得装置102が画像変換サーバ104と画像データを取得するための通信を行う際のタイムアウト値を設定する。ここでの設定方法は、図2のS208における説明と同じである。
【0044】
S408において、画像取得装置102は、管理サーバ101に画像処理要求コマンドの有無をチェックするためのリクエストチェックコマンドを管理サーバ101に送信する。S409において、管理サーバ101は、画像処理ジョブで指定された画像データのURLと、画像提供サーバ103及び画像変換サーバ104に接続するための接続先を示す情報と、S406で取得された画像データの保存先を示す情報と、S407で設定されたタイムアウト値とが付加された画像処理要求コマンドを画像取得装置102に送信する。画像取得装置102は、S409で受信した画像処理要求コマンドから、URL、タイムアウト値、接続先及び保存先を取得する。そしてS410において、画像取得装置102は、画像変換サーバ104に画像データ要求コマンドを送信する。ここで、画像データ要求コマンドには、画像提供サーバ103に接続するための接続先と、画像データのURLと、S406で取得された画像データの保存先とが付加される。また、画像取得装置102は、この画像データ要求コマンドを送信した後のタイムアウト値に、S407で設定されたタイムアウト値を用いて、画像提供サーバ103との通信制御を行う。
【0045】
S411において、画像変換サーバ104は、S410で受信した画像要求コマンドに付加されている、画像提供サーバ103に接続するための接続先と、上記のURLとに従って、画像提供サーバ103に画像データを要求して取得する。S412において、画像変換サーバ104は、S411で取得した画像データを画像取得装置102が処理可能なフォーマットに変換するための変換処理を行う。S413において、画像変換サーバ104は、S412で変換処理された画像データを画像取得装置102に送信する。S414において、画像取得装置102は、S413で取得した画像データに対して画像処理を行う。この画像処理は、画像データに基づく画像を印刷装置に印刷させる印刷制御処理や、表示装置に画像を表示させる表示制御処理などの各種の出力処理を適用できる。なお、画像変換サーバ104は、S410において画像データ要求コマンドを受信してから、画像データの取得及び変換処理を実行しているが、S405において画像変換処理要求コマンドを受信したときに開始しても良い。
【0046】
図5は、画像処理対象の画像データに変換処理が必要でない場合の各サーバ間の処理の流れを示す図である。図5に示す処理は、図2に示す管理サーバ101のフローチャートについて、図2のS203の判定でS212に進む場合に相当する。また、図3に示す画像取得装置102のフローチャートについて、S303の判定でS305に進む場合に相当する。
【0047】
まず、S501において、ユーザデバイス105は、画像処理対象の画像データをURLで指定した画像処理ジョブを管理サーバ101に送信する。S502において、管理サーバ101は、そのURLで指定された画像データの保存形式やデータ量等の画像データ情報を画像提供サーバ103に要求して取得する。管理サーバ101は、その取得した画像データ情報により画像処理対象の画像データについて変換処理を必要とするか否かを判定する。ここで、管理サーバ101は、例えば、画像取得装置102が処理可能、あるいは、画像取得装置102に保存可能な画像データのフォーマットの情報に基づいて、上述の判定処理を行っても良い。図5に示す例では、変換処理を必要でないと判定されたとする。
【0048】
S503において、管理サーバ101は、画像提供サーバ103の処理性能やアクセス状況等のサーバ情報を画像提供サーバ103に要求して取得する。S504において、画像取得装置102は、管理サーバ101に画像処理要求コマンドの有無をチェックためのリクエストチェックコマンドを管理サーバ101に送信する。S505において、管理サーバ101は、画像提供サーバ103に接続するための接続先と、画像処理ジョブで指定されたURLとが付加された画像処理要求コマンドを画像取得装置102に送信する。画像取得装置102は、画像処理要求コマンドから、上記の接続先とURLとを取得する。S506において、画像取得装置102は、取得した接続先である画像提供サーバ103に、URLで指定された画像データを要求して取得する。また、画像取得装置102は、この画像データ要求コマンドを送信した後のタイムアウト値に、デフォルトのタイムアウト値を用いる。S507において、画像取得装置102は、取得した画像データに対して、印刷や表示等の様々な画像処理を行う。
【0049】
なお、図5に示した例のように画像データに変換処理を必要としない場合においても、管理サーバ101は、画像データ情報とサーバ情報に基づきタイムアウト値を設定し、その設定したタイムアウト値を画像処理要求コマンドに付加して画像取得装置102に送信するようにしても良い。
【0050】
また、管理サーバ101と画像提供サーバ103と画像変換サーバ104は、それぞれ独立した構成である必要はなく、2つあるいは3つのサーバを1つのサーバとして構成するようにしても良い。例えば管理サーバ101と画像変換サーバ104を1つのサーバとした場合、そのサーバは、画像取得装置が画像提供サーバ103から取得する画像データの変換処理を行うとともに、画像取得装置と画像提供サーバ103のタイムアウト時間を決定する。
【0051】
なお、画像取得装置に管理サーバ101の機能を持たせてもよい。つまり、画像取得装置が取得する画像データに応じて、画像取得装置自身が、その画像データに画像形式の変換が必要か判断する。そして、サーバからその画像データを取得するときのタイムアウト時間を決定する。
【0052】
また、画像取得装置102は、画像データ要求コマンドを、図4においては、画像変換サーバ104に送信し、また、図5においては、画像提供サーバ103に送信している。しかしながら、画像取得装置102は、画像処理要求コマンドに設定された接続先に基づいて画像データ要求を送信するので、画像データの取得先については、画像取得装置102に依存しなくとも、管理サーバ101から自由に指定することができる。従って、画像取得装置102は、管理サーバ101を介して画像提供サーバ103から画像データを取得するように構成することもできる。
【0053】
以上の実施例によれば、ユーザが画像処理対象として指定した画像データに応じて、その画像データを取得するときのタイムアウト時間が決定される。そのため、画像データに応じた時間で適切な時間でタイムアウトを行うことができる。
【0054】
例えば、上記の実施例のように、画像変換サーバにおける画像変換処理が必要な画像データの場合には、その画像データを取得するときには、タイムアウト時間として、デフォルトの時間よりも長い時間が設定される。これにより、画像変換処理を行う時間を考慮してタイムアウトを実行することができる。
【0055】
また、他にも、画像データのデータサイズに応じて、データサイズが大きいときには、デフォルトの時間よりも長い時間をタイムアウト時間として設定してもよい。
【0056】
さらに、以上の実施例では、サーバの処理能力やアクセス状況に従って、タイムアウト時間を設定することもできる。その場合、管理サーバ101は、サーバからサーバ情報を受信して、そのサーバ情報に従ってタイムアウト時間を設定してもよいが、予めサーバの処理能力を保持するようにしてもよい。そして、画像処理ジョブを受信して、データを取得するためのアクセス先が特定されると、そのアクセス先の処理能力に応じて、タイムアウト時間を設定してもよい。
【0057】
なお、以上の実施例では、サーバに画像データが記憶されており、画像取得装置102がサーバから取得した画像データに対し、表示や印刷といった処理を実行する場合について説明した。しかし、サーバに記憶させるデータは画像データに限らず、テキストデータ等の様々な種類のデータであってもよい。さらに、画像取得装置102がデータに対して行う処理は、印刷や表示に限らず、メモリへの記憶などの各種の出力処理を行うことできる。
【0058】
また、以上の実施例では、画像提供サーバから取得した画像データ情報に応じて、画像取得装置による取得対象の画像のフォーマットを確認していた。しかし、画像を取得するときのアクセス先に応じて、そのアクセス先に格納されている画像データのフォーマットが決まっている場合には、管理サーバ101は、アクセス先に応じて、画像形式の変更の有無など、データに対する処理の内容を判断してもよい。この場合、管理サーバ101は、各アクセス先に対応する画像データのフォーマットを示す情報を記憶しておく。そして、その情報を参照して、ユーザデバイスから受信した画像処理ジョブに含まれるURLが示すアクセス先に対応する画像データのフォーマットを特定し、画像形式の変更が必要か判断する。
【0059】
さらに、ユーザデバイスから受信する画像処理ジョブに、取得対象のデータのファイル拡張子を示す情報が含まれている場合には、このファイル拡張子によって、画像形式の変更の有無を判断してもよい。例えば、画像処理ジョブに含まれるURLが、取得対象のデータが格納しているサーバやフォルダと、そのデータのファイル名で構成されている場合に、そのファイル名のファイル拡張子に従って、変更処理の有無を判断できる。
【0060】
なお、以上の実施例では、画像変換サーバ104が、画像の形式を変換するための処理を実行しており、その変換処理の有無によってタイムアウト時間を決定していた。しかし、画像変換サーバ104が、画像の色調整や、変倍や回転、トリミングといった画像に対する各種の画像処理を実行し、その処理の有無によってタイムアウト時間を決定してもよい。
【0061】
さらに、サーバに記憶されているデータが、画像データではなく、テキストデータ等の各種のデータである場合に、サーバにおいて、そのデータに処理を実行する場合であってもよい。この場合もサーバにおける処理の内容に応じて、そのデータを取得するまでのタイムアウト時間を決定する。例えばサーバ(画像提供サーバに相当)に記憶されているデータが、HTML等のWebページを表示するためのテキストデータであった場合、サーバ(画像変換サーバに相当)において、HTMLデータを解析して、Webページを示す画像を生成してもよい。この場合、上記の生成処理の内容に応じて、タイムアウト時間を決定することができる。
【0062】
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。また、上記の処理を1つのプロセッサにより実行する場合に限らず、複数のプロセッサにより実行する場合であってもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバからデータを取得するときのタイムアウト時間を決定する情報処理装置であって、
前記サーバに記憶されているデータであって、当該サーバから取得される取得対象のデータを特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された取得対象のデータを前記サーバから取得するときの、タイムアウト時間を決定する決定手段と、
前記特定手段により特定された取得対象のデータに基づき、当該データを取得するときに処理手段により当該データに実行される処理の内容を判定する判定手段と、を有し、
前記決定手段は、前記判定手段により判定された、前記取得対象のデータに実行される処理の内容に応じて、前記タイムアウト時間を決定することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記決定手段は、データ取得装置が前記サーバに記憶されているデータを取得するときの、当該データ取得装置と当該サーバにおけるタイムアウト時間を決定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記特定手段は、前記取得対象のデータと、さらに当該データを取得するために前記データ取得装置がアクセスするアクセス先を特定し、前記判定手段は、前記特定手段により特定されたアクセス先に応じて、当該データに実行される処理の内容を判定することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記処理手段は、前記取得対象のデータのデータ形式を変換する変換処理を実行し、前記判定手段は、前記処理手段による前記変換処理の有無を判定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
サーバからデータを取得するときのタイムアウト時間を決定する情報処理装置において実行される情報処理方法であって、
前記情報処理装置の特定手段が、前記サーバに記憶されているデータであって、当該サーバから取得される取得対象のデータを特定する特定工程と、
前記情報処理装置の決定手段が、前記特定工程において特定された取得対象のデータを前記サーバから取得するときの、タイムアウト時間を決定する決定工程と、
前記情報処理装置の判定手段が、前記特定工程において特定された取得対象のデータに基づき、当該データを取得するときに処理手段により当該データに実行される処理の内容を判定する判定工程と、を有し、
前記決定工程では、前記判定工程において判定された、前記取得対象のデータに実行される処理の内容に応じて、前記タイムアウト時間を決定することを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−42466(P2013−42466A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−179914(P2011−179914)
【出願日】平成23年8月19日(2011.8.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】