情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
【課題】簡易的な処理によって、全ページのうちから印刷レイアウトが異常になっている可能性のあるページを抽出することで、処理効率を良くする。
【解決手段】 情報処理装置は、ユーザによる操作に基づき矩形の画像領域を複数のページに跨って配置した印刷レイアウトを取得し、その印刷レイアウトの縦方向および横方向のいずれか一方向に沿って1ページずつ順に、画像領域が所定値に満たない異常ページであるか否かを検出していき、異常ページが検出された後にはその異常ページから他方向に沿って位置する各ページを、画像領域が所定値に満たない可能性のある候補ページとして検出する。そして、情報処理装置は、異常ページが検出された場合に、その異常ページと候補ページとを表示手段に表示させる構成である。
【解決手段】 情報処理装置は、ユーザによる操作に基づき矩形の画像領域を複数のページに跨って配置した印刷レイアウトを取得し、その印刷レイアウトの縦方向および横方向のいずれか一方向に沿って1ページずつ順に、画像領域が所定値に満たない異常ページであるか否かを検出していき、異常ページが検出された後にはその異常ページから他方向に沿って位置する各ページを、画像領域が所定値に満たない可能性のある候補ページとして検出する。そして、情報処理装置は、異常ページが検出された場合に、その異常ページと候補ページとを表示手段に表示させる構成である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関し、特に、画像データに基づき印刷出力を行なう際に印刷レイアウトの異常を検出するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像データに基づき印刷出力を行なう際に印刷レイアウトの異常を検出する技術がある。例えば、特許文献1には、画像データの最終ページの印刷レイアウトの異常を検出する印刷装置が開示されている。この印刷装置は、印刷出力する前に最終ページの印字量を検出し、最終ページの印字量が所定量未満である場合に、ユーザに対してその最終ページを印刷するか否かを選択させる構成である。これにより、最終ページが不要である場合にその最終ページが印刷されないので1枚分の用紙を節約することができる。但し、特許文献1のように、最終ページのみ印刷レイアウトを検出する構成では、最終ページよりも前のページにおいて印刷レイアウトが異常になっていることを検出できないという問題がある。
【0003】
これに対し、特許文献2には、画像データの全ページについて1ページ毎に印刷レイアウトの異常を検出する画像処理装置が開示されている。この画像処理装置は、ページ毎の有効画像部分の占有比率を印字量に基づき算出し、有効画像部分の占有比率がページ閾値未満であるか否かをページ毎に判断する。そして、画像処理装置は、有効画像部分の占有比率がページ閾値未満であるページを検出すると、検出される全てのページをユーザに報知して、それらのページを印刷するか否かを選択させる構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−271335号公報
【特許文献2】特開2008−242935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2に開示された画像処理装置は、1ページ目から最終ページまで1ページ毎に印刷レイアウトに異常があるか否かを検出するので、ページ数が多いと、それに伴い時間もかかってしまい、処理効率が良くないという問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するため、簡易的な処理によって、全ページのうちから印刷レイアウトが異常になっている可能性のあるページを抽出することで、処理効率を良くすることができる情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、印刷ジョブを生成して出力する情報処理装置であって、各種情報を表示する表示手段と、印刷対象となる画像データを取得し、当該画像データに含まれる矩形の画像領域を複数のページに跨って配置した印刷レイアウトを設定し、該印刷レイアウトに基づいて印刷ジョブを生成する印刷ジョブ生成手段と、前記印刷ジョブに設定された印刷レイアウトを取得し、該印刷レイアウトの縦方向および横方向のいずれか一方向に沿って1ページずつ順に、画像領域が所定値に満たない異常ページであるか否かを検出していき、異常ページが検出された後にはその異常ページから他方向に沿って位置する各ページを、画像領域が所定値に満たない可能性のある候補ページとして検出する画像解析手段と、前記画像解析手段によって検出される異常ページと候補ページとを前記表示手段に表示させる表示制御手段と、を備えることを特徴とする構成である。
【0008】
このような構成によれば、情報処理装置は、異常ページが検出された後には、その異常ページから他方向に沿って位置する各ページを、画像領域が所定値に満たない可能性のある候補ページとして検出するので、全ページにおいて1ページ毎に異常ページであるか否かの判断を行なうよりも効率良く処理することができる。また、情報処理装置は、異常ページを検出した後には、画像解析を行うことなく候補ページを特定するので、画像解析によって異常ページを検出する処理よりも効率良く処理を進められる。
【0009】
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、前記画像解析手段は、前記印刷レイアウトの縦方向および横方向のいずれか一方向に沿って1ページ目からページ順序に従って異常ページであるか否かを検出していき、異常ページが検出された後にはその異常ページの倍数となる倍数ページを候補ページとして検出することを特徴とする構成である。
【0010】
このような構成によれば、1ページ目から順に異常の有無を判断していき、異常ページを検出した後は、その異常ページの倍数となるページを特定していけば良いので、情報処理装置は、全ページにおいて1ページ毎に異常ページであるか否かの判断を行なうよりも効率良く処理することができる。
【0011】
請求項3にかかる発明は、請求項1又は2に記載の情報処理装置において、1つのページにおいて、所定の基準位置から縦方向又は横方向に対して予め設定される閾値まで画像領域が満たないときに異常ページであるとして検出することを特徴とする構成である。
【0012】
このような構成によれば、異常ページを検出する処理が簡易になる。すなわち、情報処理装置は、ページの縦方向又は横方向に対して画像領域が閾値を超えるか否かを判断するだけで良いので、例えば、印字量などを算出するような複雑な処理を必要としないで済む。これにより、処理負担が軽減される。
【0013】
請求項4にかかる発明は、請求項2又は3に記載の情報処理装置において、前記画像解析手段は、最終ページの1つ前に倍数ページとして検出されるページから最終ページまでの間に含まれるページを更に候補ページとして検出することを特徴とする構成である。
【0014】
このような構成によれば、情報処理装置は、最終ページの1つ前に倍数ページとして検出されるページから、最終ページまでの間に含まれるページを特定すれば良いので、複雑な処理を必要とすることなく、簡易な処理によって、異常ページになっている可能性のある候補ページを検出することが可能である。
【0015】
請求項5にかかる発明は、請求項4に記載の情報処理装置において、前記画像解析手段は、更に、最終ページの1つ前となる倍数ページが存在しない場合、異常ページから最終ページまでの間に含まれるページを更に候補ページとして検出することを特徴とする構成である。
【0016】
このような構成によれば、情報処理装置は、最終ページの1つ前となる倍数ページが存在しない場合であっても、それに応じて候補ページを特定することが可能である。
【0017】
請求項6にかかる発明は、請求項1乃至5の何れかに記載の情報処理装置において、前記画像解析手段は、候補ページの印刷レイアウトに異常があるか否かを更に判断し、印刷レイアウトに異常のあるページを異常ページとして検出することを特徴とする構成である。
【0018】
このような構成によれば、情報処理装置は、候補ページの印刷レイアウトに異常があるか否かを更に判断するので、予想により検出される候補ページのうち実際に異常ページであると判断されるページのみを表示することが可能である。
【0019】
請求項7にかかる発明は、各種情報を表示する表示手段を備え、印刷ジョブを生成して出力する情報処理装置において実行される情報処理方法であって、印刷対象となる画像データを取得し、当該画像データに含まれる矩形の画像領域を複数のページに跨って配置した印刷レイアウトを設定し、該印刷レイアウトに基づいて印刷ジョブを生成する印刷ジョブ生成ステップと、前記印刷ジョブに設定された印刷レイアウトを取得し、該印刷レイアウトの縦方向および横方向のいずれか一方向に沿って1ページずつ順に、画像領域が所定値に満たない異常ページであるか否かを検出していき、異常ページが検出された後にはその異常ページから他方向に沿って位置する各ページを、画像領域が所定値に満たない可能性のある候補ページとして検出する画像解析ステップと、前記画像解析ステップによって検出される異常ページと候補ページとを前記表示手段に表示させる表示制御ステップと、を有することを特徴とする構成である。
【0020】
このような構成によれば、情報処理装置は、異常ページが検出された後にはその異常ページから他方向に沿って位置する各ページを、画像領域が所定値に満たない可能性のある候補ページとして検出するので、全ページにおいて1ページ毎に異常ページであるか否かの判断を行なうよりも効率良く処理することができる。また、情報処理装置は、異常ページを検出した後には、画像解析を行うことなく候補ページを特定するので、画像解析によって異常ページを検出する処理よりも効率良く処理を進められる。
【0021】
請求項8にかかる発明は、各種情報を表示する表示手段を備え、印刷ジョブを生成して出力する情報処理装置において実行されるプログラムであって、前記情報処理装置を、印刷対象となる画像データを取得し、当該画像データに含まれる矩形の画像領域を複数のページに跨って配置した印刷レイアウトを設定し、該印刷レイアウトに基づいて印刷ジョブを生成する印刷ジョブ生成手段、前記印刷ジョブに設定された印刷レイアウトを取得し、該印刷レイアウトの縦方向および横方向のいずれか一方向に沿って1ページずつ順に、画像領域が所定値に満たない異常ページであるか否かを検出していき、異常ページが検出された後にはその異常ページから他方向に沿って位置する各ページを、画像領域が所定値に満たない可能性のある候補ページとして検出する画像解析手段、前記画像解析手段によって検出される異常ページと候補ページとを前記表示手段に表示させる表示制御手段、として機能させることを特徴とする構成である。
【0022】
このような構成によれば、情報処理装置は、異常ページが検出された後にはその異常ページから他方向に沿って位置する各ページを、画像領域が所定値に満たない可能性のある候補ページとして検出するので、全ページにおいて1ページ毎に異常ページであるか否かの判断を行なうよりも効率良く処理することができる。また、情報処理装置は、異常ページを検出した後には、画像解析を行うことなく候補ページを特定するので、画像解析によって異常ページを検出する処理よりも効率良く処理を進められる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、簡易的な処理によって、全ページのうちから印刷レイアウトが異常になっている可能性のあるページを抽出することで、処理効率を良くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1の実施形態における情報処理システムの全体構成例を示す図である。
【図2】情報処理装置によって実行される処理の概略を模式的に示す図である。
【図3】中間ページに異常のある印刷レイアウトの一例を示す図である。
【図4】1ページ目に異常のある印刷レイアウトの一例を示す図である。
【図5】情報処理システムに含まれる情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図6】情報処理装置の機能ブロック図の一例を示す図である。
【図7】情報処理装置において生成される印刷レイアウトの一例を模式的に示す図である。
【図8】情報処理装置に表示される選択画面の一例を示す図である。
【図9】1ページ目の印刷レイアウトの一例を示す図である。
【図10】4ページ目の印刷レイアウトの一例を示す図である。
【図11】情報処理装置において実行される、候補ページを検出するための処理を模式的に示す図である。
【図12】情報処理装置に表示されるプレビュー画面の一例を示す図である。
【図13】最終ページに対して1つ前となる倍数ページが存在しない印刷レイアウトの一例を示す図である。
【図14】情報処理装置の制御部において実行される全体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図15】情報処理装置の制御部において実行される簡易検出処理の一例を示すフローチャートである。
【図16】第2の実施形態において、情報処理装置において生成される、13ページ目の印刷レイアウトの一例を模式的に示す図である。
【図17】第2の実施形態において、情報処理装置の制御部において実行される簡易検出処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0026】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態における情報処理システム1の全体構成の一例を示す図である。情報処理システム1は、パーソナルコンピュータなどによって構成される情報処理装置2と、印刷処理を実行する印刷装置5とが、ネットワーク7を介して通信可能に接続される構成である。
【0027】
情報処理装置2は、各種情報を表示する表示部3と、ユーザによる各種指示操作を入力する操作入力部4とを備えている。表示部3は、例えば液晶ディスプレイであり、また、操作入力部4は、例えばキーボードである。情報処理装置2には、印刷装置5に印刷出力を実行させるためのプリンタドライバが予めインストールされている。情報処理装置2は、そのプリンタドライバを実行することにより、ユーザの操作入力部4への操作に基づいて印刷装置5に対して印刷ジョブを送信するように構成される。
【0028】
印刷装置5は、情報処理装置2からの印刷ジョブを入力することで印刷処理を実行するように構成されている。印刷装置5は、図示しないが、例えば、用紙をストックする給紙カセットから用紙を1枚ずつ給紙する給紙部、給紙部から給紙された用紙に対して、印刷ジョブに含まれる画像データに基づき画像形成を行う画像形成部、画像形成部によって形成されるトナー像(画像)を用紙に転写させる転写部、用紙に転写されたトナー像を定着させる定着部、印刷された印刷物を排出口6まで搬送する印刷物搬送部、画像形成部にトナーを補充するトナーボトルなどを備えている。これにより、印刷装置5は、入力する印刷ジョブを実行することが可能である。
【0029】
次に、本実施形態の概略について説明する。情報処理装置2は、操作入力部4に対する指示操作に基づき印刷指示を入力すると上述したプリンタドライバを実行することにより印刷ジョブを生成する。このとき、情報処理装置2は、印刷すべき画像の画像領域が1ページにおいて描画することが可能な描画可能領域よりも大きい場合には、その画像を複数のページに分割した印刷レイアウトを生成する。そして、情報処理装置2は、ユーザによる指示操作に基づき印刷ジョブを実行する前に印刷レイアウトに異常があるか否かを検出する処理を開始する。例えば、情報処理装置2は、1ページ単位で画像領域と余白量とを比較し、画像領域が余白量に対して所定の閾値未満である場合に、そのページを異常ページであると判断する。すなわち、本実施形態における異常ページとは、そのページに印刷される画像領域(描画領域)が所定値よりも少なく余白部分がそのページの一定以上の割合を占めるレイアウト状態となったページをいう。情報処理装置2は、そのような印刷レイアウトに異常のある異常ページを簡易的に検出する簡易検出処理を実行する。
【0030】
図2は、全体的な印刷レイアウト49の例を用いて簡易検出処理の概略を模式的に示す図である。図2(a)は、印刷レイアウト49が適切な場合を示す図であり、図2(b)は、印刷レイアウト49に異常がある場合の一例をそれぞれ示している。図2(a)に示す例では、印刷レイアウト49は、全4ページに分割されており、分割された矩形の各画像領域が各ページに跨って配置されていることにより1つの画像が再現された状態である。また、印刷レイアウト49は、全4ページを合計した領域である全領域50に画像領域51が適切に収まっている。情報処理装置2は、印刷レイアウト49を解析して1ページ目からページ順序に従って異常ページであるか否かを判断していく。そして、情報処理装置2は、異常ページを検出しない場合には印刷処理を実行する。
【0031】
これに対し、印刷設定が適切でない場合などには、図2(b)に示すように、例えば、印刷レイアウト49は、画像領域51が全4ページに収まりきらずに、全9ページとして生成される場合がある。以下の説明では、図例に示すX方向を右方向、Y方向を下方向とする。故に、画像領域51の境界を示すときには、上記の方向に従って、上端、下端、右端及び左端という。
【0032】
図2(b)に示す印刷レイアウト49は、全9ページ分の全領域50に対して画像領域51が左上に寄っている状態である。また、3,6〜9ページ目は、各ページに含まれる画像領域よりも余白量が多い状態になっている。通常、図例のような、画像領域よりも余白量の多い印刷レイアウトは好まれないものであると考えられる。すなわち、1つの画像を複数のページに分割して印刷出力する場合の用途としては,例えば、ポスターなど掲示用に使用されることが考えられる。余白量が多いと、掲示するための余分なスペースが必要になってしまうので、ユーザは、余白を切断するなどの後処理を施す必要に迫られることもある。このような場合、ユーザにとっては手間となる。また、余白量の多い印刷物は、余白がない場合に比べ一般的に画像が小さく見えるので見栄えが良くないものである。情報処理装置2は、そのような余白量の多い3,6〜9ページ目を簡易な処理によって検出し、印刷出力の事前に報知する構成である。
【0033】
ここで、本実施形態における画像は、例えば、表、グラフ及び写真などであり、印刷用紙などのシート材に印刷出力されるときに1つの纏まった矩形の描画領域を形成するものである。この矩形の描画領域のサイズは、個々の画像に応じて変わるものである。例えば、描画領域の横方向のサイズが1ページ分のシート材における横方向のサイズよりも大きい場合、その画像に基づいて印刷出力が行なわれると、その描画領域が横方向に対して複数ページ分のシート材に分割された状態でレイアウトされる。同様に、例えば、描画領域の縦方向のサイズが1ページ分のシート材における縦方向のサイズよりも大きい場合、その画像に基づいて印刷出力が行なわれると、その描画領域が縦方向に対して複数ページ分のシート材に分割された状態でレイアウトされる。従って、画像の描画領域が縦方向と横方向の双方について1ページ分のシート材のサイズよりも大きい場合、その描画領域は、複数ページ分のシート材を縦方向及び横方向に2次元配置した平面内にレイアウトされることとなる。このような画像は、複数のページに分割されて印刷された後、それら複数ページのシート材が適切な位置に配置されることによって1つの画像として再現される性質を有している。
【0034】
情報処理装置2は、図2(b)に示すような印刷レイアウト49を解析して、その印刷レイアウトの縦方向および横方向のいずれか一方向に沿って1ページずつ順に、異常ページであるか否かを検出していく。例えば、情報処理装置2は、1ページ目からページ順序に従って異常ページであるか否かを判断していく。情報処理装置2は、3ページ目において、画像領域51と余白量との関係に基づき3ページ目が異常ページであることを検出する。
【0035】
情報処理装置2は、異常ページを検出すると、その異常ページを基点として、それまでの検出方向と直交する他方向に沿って位置する各ページを、画像領域が所定値に満たない可能性のある候補ページとして検出する。すなわち、情報処理装置2は、1つの異常ページを検出した後には、1ページ毎に異常ページであるか否かの判断を行なわない。また、この場合、情報処理装置2は、以下に説明するように、最初に異常ページとして検出されるページ番号に基づき候補ページを特定していくことが可能である。
【0036】
一般的に、画像が表、グラフ及び写真などである場合には、画像領域51は、図2(b)に示すように矩形である。そのように画像領域51が矩形の場合、画像領域51の境界に対応する各ページのうち、何れかが異常ページになっている場合には、画像領域51の境界に対応する他のページも異常ページになっている。例えば図例に示すように、異常ページとして3ページ目が検出される場合には、全領域50に対する画像領域51の右方向への比率が適切でないことに要因があるので、3ページ目と同様に画像領域51の右端に対応する6,9ページ目も異常ページになる。
【0037】
上記のようにして特定される6,9ページ目は、ページ順序に従って最初に検出される異常ページの倍数として特定することが可能である。すなわち、6ページ目は、3ページ目の2倍のページ番号であり、9ページ目は、3ページ目の3倍のページ番号である。このように、画像領域51が矩形ある場合に、最初に異常ページが検出されると、その倍数に該当するページ(以下「倍数ページ」と称する)は、異常ページとなる可能性がある。そこで、情報処理装置2は、このような法則を用いて、最初に異常ページが検出される場合には、その異常ページを特定すると共に、その異常ページの倍数ページを異常ページになっている可能性のある候補ページとして特定する。
【0038】
また、全領域50に対する画像領域51の右端に対応するページに異常がある場合、図2(b)に示すように、画像領域51の右端と直交する下端に対応するページも同時に異常になっている可能性がある。情報処理装置2は、そのように、倍数ページ以外に異常ページになっている可能性があるページを候補ページとして更に特定する。ここで、画像領域51の下端に対応するページについても最初に異常ページとして検出されるページ番号に基づき特定することが可能である。
【0039】
すなわち、情報処理装置2は、最初に検出される異常ページの倍数ページを特定していき、最終ページを特定すると、その最終ページから1つ前に特定した倍数ページから、最終ページまでの間に含まれるページを候補ページとして更に特定する。例えば、図2(b)において、情報処理装置2は、最初に検出される異常ページとして3ページ目を特定すると、その3ページ目の倍数ページを特定していく。そして、情報処理装置2は、最終ページである9ページ目を特定すると、その9ページ目から1つ前に特定した倍数ページである6ページ目から、9ページ目までの間に含まれる7,8ページ目のそれぞれを候補ページとして更に特定する。
【0040】
このように情報処理装置2は、最初に検出される異常ページを検出すると、最初に検出される異常ページのページ番号に基づき他に異常ページとなっている可能性のある候補ページを特定する構成である。これにより、全ページについて1ページ毎に異常ページであるか否かを判断しなくて済むので処理の効率化が図られる。また、情報処理装置2は、最初に異常ページが検出された後には、画像解析によって異常ページであるか否かを判断するのではなく、最初に検出される異常ページのページ番号に基づき候補ページを特定するので更に効率良く処理を進めることができる。
【0041】
ところで、本実施形態では、2ページ目以降に最初に異常ページが検出されると、その最初の異常ページから、次の倍数ページまでの間に含まれるページ(以下「中間ページ」と称する)と、倍数ページから次の倍数ページまでの間に含まれるページ(以下、同様に「中間ページ」と称する)とのそれぞれについては、以下に説明するように、異常ページになっている可能性がないので、例外を除いて候補ページとして特定されることはない。尚、中間ページは、最終ページの1つ前の倍数ページから最終ページまでの間に含まれるページを含まないものとする。また、最終ページの1つ前となる倍数ページが存在しない場合には中間ページは、存在しないものとする。
【0042】
上述したように、本実施形態において画像は、表、グラフ及び写真などであり、それら表、グラフ及び写真などは、一般に、画像領域内において画像が連続して存在しているものである。例えば、図2(b)に示すように、画像領域51が矩形の場合には、少なくとも1ページ目と対角関係にある最終ページまでの斜線で示す範囲に、画像が連続して存在していると考えられる。そのため、斜線に含まれる、中間ページである4,5ページ目は、ページ全体に画像が連続して存在しているので例外を除いて異常ページである可能性はない。
【0043】
但し、例外として、4ページ目のように、中間ページのうち画像領域51の境界に対応するページは、異常ページに該当する場合がある。例えば、図3に示すように、全領域50に対して画像領域51が全体として右側に寄っているような場合である。しかし、中間ページのうち画像領域51の境界に対応する4ページ目が異常ページになっている場合には、図例に示すように必ず1ページ目も異常ページになる。
【0044】
すなわち、1ページ目が異常ページでない場合とは、例えば図2(b)に示すように、1ページ目において余白量が所定値未満であるので、画像領域51の左端は、余白が無いか、又は余白があっても許容範囲内で1ページ目の左側に寄っている状態である。そして、1ページ目が異常ページでない場合には、1ページ目と4ページ目とが画像領域51の左端に共通して対応しているため、4ページ目においても、画像領域51の左端は、少なくとも許容範囲内の余白を有して左側に寄っている状態である。このように1ページ目が異常ページでない場合には、図2(b)に示すように、それに伴い中間ページのうち画像領域51の境界に対応するページは、異常ページとならない。これに対し、1ページ目が異常ページである場合には、図3に示すように、それに伴い中間ページのうち画像領域51の境界に対応するページは、異常ページとなる。
【0045】
このような法則を用いて本実施形態では、1ページ目が異常ページでなければ、画像領域51の境界に対応するページを含めた全ての中間ページは、異常ページであるか否かの判断対象から除外される。情報処理装置2は、上記のように2ページ目以降に最初に異常ページが検出される場合には、そのような中間ページ以外のページを異常ページになっている可能性があるページとして特定する構成である。
【0046】
図4は、1ページ目に異常のある印刷レイアウト49の一例を示す図である。図例では、全6ページの合計領域である全領域50の中央に画像領域51が寄っており、1ページ目を含み全ページが異常ページになっている状態である。情報処理装置2は、1ページ目の印刷レイアウトに異常が検出される場合には、全ページについて1ページ毎に異常ページであるか否かを検出する。これは、図例のように、1ページ目が異常ページである場合、全ページが異常ページになっている可能性があるからである。情報処理装置2は、最初に特定される異常ページが1ページ目である場合には、その1ページ目の倍数ページを候補ページとして特定する。すなわち、1ページ目の倍数ページには全ページが該当するので、情報処理装置2は、1ページ目が異常ページである場合には、2ページ目から最終ページまでのページを全て候補ページとして特定する。
【0047】
情報処理装置2は、最初に検出される異常ページと、その後に検出される候補ページとを表示部3にプレビュー表示する。これにより、ユーザは、印刷出力の事前に印刷レイアウトに異常があることを把握できるので、印刷設定を変更することなどによって無駄な印刷出力を未然に防止することが可能である。以下、上記のような情報処理装置2について詳しく説明する。
【0048】
図5は、情報処理装置2のハードウェア構成の一例を示す図である。図例に示すように、情報処理装置2は、この情報処理装置2の動作を制御する制御部10と、印刷装置5などの外部機器と接続するためのネットワークインタフェース13と、各種情報を記憶する記憶装置20と、上述した表示部3及び操作入力部4とを有し、それぞれがバス14を介して接続される構成である。
【0049】
制御部10は、CPU11とメモリ12とを備えており、各部の動作を制御するものである。CPU11は、記憶装置20に記憶されている基本プログラム21及び印刷実行プログラム22を読み出して実行する。ここで、基本プログラム21は、情報処理装置2に電源が投入されることに伴ってCPU11によって実行される基本的なプログラムである。印刷実行プログラム22は、上述したプリンタドライバであり、制御部10を後述する各種処理部として機能させるためのプログラムである。すなわち、CPU11は、基本プログラム21を実行している状態でさらに印刷実行プログラム22を実行することにより、制御部10を各種処理部として機能させる。メモリ12は、CPU11がプログラムを実行することに伴う一時的なデータなどを記憶するものである。
【0050】
ネットワークインタフェース13は、情報処理装置2をネットワーク7に接続するためのものである。ネットワーク7は、例えば、LAN(Local Area Network)である。制御部10は、このネットワークインタフェース13を介してネットワーク7に接続される。このようにして制御部10は、印刷装置5と通信可能になっている。但し、情報処理装置2は、USBケーブルなどによって1対1で印刷装置5に接続されるものであっても良い。
【0051】
記憶装置20は、上述した基本プログラム21及び印刷実行プログラム22の他に、印刷ジョブ23を記憶する。印刷ジョブ23には、印刷レイアウトや各種印刷指示が含まれる。また、画像が複数ページに分割される場合、印刷レイアウトには、分割される各画像領域のそれぞれに対応するページが割り付けられている。
【0052】
図6は、制御部10の機能構成の一例を示す図である。制御部10は、上述したCPU11が印刷実行プログラム22を実行することにより、指示解析部30、印刷ジョブ生成部31、表示制御部32、画像解析部33及び印刷制御部34として機能する。これら各処理部は、操作入力部4を介してユーザによる各種指示操作を入力することによって連携した動作を行うように機能する。以下、各処理部について説明する。
【0053】
指示解析部30は、操作入力部4を介してユーザによる各種指示操作を入力して受付ける処理部である。また、指示解析部30は、入力した指示操作を解析して、解析結果に基づき各処理部に対して指示を出力する。指示解析部30は、例えば、印刷処理を実行すべき印刷指示を入力すると、印刷ジョブ生成部31に対して印刷ジョブ23を生成するように指示する。
【0054】
印刷ジョブ生成部31は、印刷ジョブ23を生成する処理部である。また、印刷ジョブ生成部31は、指示解析部30からの指示を受け取ることで機能する。印刷ジョブ生成部31は、指示解析部30からの指示を受け取ると、印刷対象となる画像データを取得し、その画像データに基づいて印刷ジョブ23を生成する。印刷ジョブ生成部31は、印刷出力すべき画像が、1ページにおいて描画することが可能な描画可能領域よりも大きい場合には、画像が複数ページになるように分割して印刷レイアウトを生成する。このとき、印刷ジョブ生成部31は、予め設定される分割態様に基づいて、分割される各画像領域に対応するページを割り付けて印刷レイアウトを生成する。
【0055】
分割態様は、画像領域51に対する複数ページの割り付け態様である。例えば、分割態様は、図2(a)に示す画像領域51の左上から右方向にページ番号を割り付ける態様、又は図4に示す画像領域51の右上から下方向にページ番号を割り付ける態様など、適宜設計が可能である。但し、分割態様は、必ず画像領域51の四隅の何れかに1ページ目が対応するように設定される。これによりページ番号に基づき候補ページが特定可能になるからである。
【0056】
制御部10は、予めユーザによる操作入力部4への操作指示に基づき上記のような分割態様に関する分割情報を記憶装置20の図示しない記憶領域に記憶させる。そして、印刷ジョブ生成部31は、印刷ジョブ23を生成する際に分割情報を読出し、その分割情報に基づき印刷レイアウト49を生成する。印刷ジョブ生成部31は、印刷ジョブ23を生成すると、その印刷ジョブ23を記憶装置20に記憶させる。
【0057】
図7は、印刷ジョブ生成部31によって作成される全体的な印刷レイアウト49の一例を示す図である。図例に示すように、印刷レイアウト49は、画像領域51が縦横に全16ページに分割されている。そして、画像領域51の左上に1ページ目が割り付けられ、1ページ目から下方向に沿って2ページ以降の各ページが複数の列をなして更に割り付けられている。
【0058】
図例に示す印刷レイアウト49は、全ページの領域を合計した全領域50に対する画像領域51の縦横の比率が適切でないため、画像領域51が全領域50の右端及び下端に余白を残して全体として左上に寄っている状態である。情報処理装置2は、図例のような印刷レイアウト49を検出した場合に、その画像領域51の境界に対応する4,8,12〜16ページ目を異常ページ又は候補ページとして検出し、印刷出力の事前に報知する構成である。
【0059】
図6に示す指示解析部30は、操作入力部4から印刷指示を入力すると、上述したように印刷ジョブ生成部31に印刷ジョブ23を生成するように指示するその一方で、表示制御部32に対して、異常ページを検出するための検出方法を選択させる選択画面を作成するように指示する。
【0060】
表示制御部32は、表示部3に各種情報を表示させる処理部である。また、表示制御部32は、指示解析部30からの指示を入力することで機能する。表示制御部32は、指示解析部30からの指示を受け取ると選択画面を作成する。表示制御部32は、選択画面を作成すると表示部3に表示させる。
【0061】
図8は、表示制御部32によって作成される選択画面45の一例を示す図である。図例に示すように、選択画面45には、複数の検出方法を選択できるようになっている。簡易検出は、簡易的に異常ページであるか否かの判断を行なう検出方法であり、この簡易検出が選択されると、上述した簡易検出処理が実行される。また、最終ページ検出は、最終ページに対してのみ異常ページであるか否かを判断する検出方法であり、全ページ検出は、1ページ目から最終ページまで1ページ毎に異常ページであるか否かを判断する検出方法である。以下においては、簡易検出が選択されるものとして説明する。また、選択画面45には、選択結果を決定する検出実行ボタン45aと、異常ページの検出を行なわないことを決定するキャンセルボタン45bとが設けられている。
【0062】
検出実行ボタン45a又はキャンセルボタン45bが押下されることによる決定結果は、操作入力部4を介して指示解析部30に入力される。指示解析部30は、検出実行ボタン45aが押下されたことを示す決定結果を入力した場合には、画像解析部33に対して、決定結果に基づく検出方法で異常ページを検出するように指示する。一方、指示解析部30は、キャンセルボタン45bが押下されたことを示す決定結果を入力した場合には、印刷レイアウトが異常であるか否かの判断を行なうことなく印刷制御部34に対して印刷処理を実行するように指示する。
【0063】
図6に示す印刷制御部34は、印刷装置5に印刷ジョブ23を実行させる処理部である。印刷制御部34は、指示解析部30からの指示を受け取ることで機能する。印刷制御部34は、指示解析部30からの指示を受け取ると記憶装置20から印刷ジョブ23を読出して、印刷装置5に印刷出力を実行させる。これにより、印刷出力された印刷用紙が排出口6から排出される。
【0064】
画像解析部33は、印刷レイアウトを解析して異常ページを検出する処理部である。画像解析部33は、指示解析部30からの指示を受け取ることで機能する。画像解析部33は、指示解析部30から指示される検出方法に従って異常ページを検出する。例えば、画像解析部33は、指示解析部30から受け取った指示が簡易検出を実行すべき指示であった場合には、その指示に従って以下のように簡易検出処理を実行する。
【0065】
まず、画像解析部33は、簡易検出処理を開始すると、記憶装置20に記憶されている印刷ジョブ23から印刷レイアウト49を読出す。このようにして画像解析部33は、印刷レイアウト49を取得する。印刷レイアウト49を取得すると、画像解析部33は、その印刷レイアウト49を解析して、その印刷レイアウト49の縦方向および横方向のいずれか一方向に沿って1ページずつ順に、異常ページであるか否かを検出していく。以下においては、1ページ目からページ順序に従って下方向に異常ページであるか否かの判断を行なう処理を例示する。この場合、画像解析部33は、まず1ページ目の印刷レイアウトを特定する。
【0066】
図9は、1ページ目の印刷レイアウト49aの一例を示す図である。図例に示すように、1ページ目の全領域50aには、予め余白53aが設定されており、実際に画像が印刷される領域は、その余白53aに囲まれた描画可能領域52aである。画像解析部33は、描画可能領域52a上において左上端に基準点59を設定する。ここで、基準点59は、全体的な画像領域51に対する1ページ目の相対的な位置に基づいて決定される。例えば、図7に示す画像領域51に対して1ページ目が左上端に位置する場合には、基準点59は、図9に示すように、1ページ目の描画可能領域52aにおいて左上端に設定される。また、例えば、図4に示すように、画像領域51に対して1ページ目が右上端に位置する場合には、基準点59は、1ページ目の描画可能領域52において右上端に設定される(図示せず)。
【0067】
次に、画像解析部33は、ページ順序が何れの方向であるかを印刷レイアウト49に基づき検出する。図7の例では、ページ順序は下方向であるので、画像解析部33は、ページ順序が下方向であることを検出する。
【0068】
画像解析部33は、ページ順序が下方向であることを検出すると、図9に示すように、基準点59から、ページ順序に従った下方向に対して所定の位置に、異常ページであるか否かを判断するための基準となる閾値60を設定する。この閾値60が設定される位置は、例えば、基準点59から描画可能領域52aの下端61までの全距離のうち、基準点59から、その全距離の90%程度離れた位置である。但し、閾値60を何れの位置に設定するかは、適宜設計が可能である。なお、例えば、ページ順序が右方向である場合には、画像解析部33は、基準点59から、ページ順序に従った右方向に対して所定の位置に閾値60を設定する。
【0069】
次に、画像解析部33は、画像領域51が基準点59から閾値60を超えた位置まで存在しているか否かを検出する。画像解析部33は、基準点59に画像領域51が存在しない場合には、1ページ目を異常ページであると判断する。また、例えば、画像解析部33は、基準点59の座標を基点として、画像領域51の下方向における最大座標を検出する。そして、画像解析部33は、下方向における画像領域51の最大座標と、下方向における閾値60の座標とを比較することによって異常ページであるか否かを判断する。画像解析部33は、下方向における画像領域51の最大座標が、下方向における閾値60の座標と同一か、又は下方向における画像領域51の最大座標が、下方向における閾値60の座標を超えている場合には、そのページを異常ページでないと判断する。
【0070】
一方、画像解析部33は、下方向における画像領域51の最大座標が、下方向における閾値60の座標に満たない場合には、そのページを異常ページであると判断する。これにより、例えば、印字量などを算出して異常ページであるか否かを判断する方法よりも処理負担が軽減される。図例では、画像領域51が閾値60を超えているので、画像解析部33は、1ページ目を異常ページでないと判断する。
【0071】
また、1ページ目が異常ページでない場合、上述したように、中間ページは異常ページである可能性がない。従って、1ページ目が異常ページでなければ、そのような中間ページである5〜7,9〜11ページ目は、異常ページであるか否かの判断対象から除外される。
【0072】
画像解析部33は、1ページ目が異常ページでない場合には、2ページ以降についても上記と同様にして基準点59と閾値60とを設定し、画像領域51が閾値60を超えているか否かに基づき異常ページを検出していく。画像解析部33は、最初に異常ページが検出されるまで、上記と同様の処理をページ順序に従って各ページで実行する。一方、画像解析部33は、最終ページまで異常ページが検出されない場合には、印刷制御部34に、印刷ジョブ23を実行するように指示する。また、画像解析部33は、1ページ目を異常ページとして検出した場合には、1ページ目の倍数に該当する全ページを候補ページとして特定する。すなわちこの場合、候補ページには全ページが該当するので、異常ページである1ページ目に対してページ順序とは異なる右方向に沿って位置する5〜13ページ目のそれぞれが候補ページに含まれている。
【0073】
画像解析部33は、2ページ目以降で最初に異常ページが検出されると以下のように処理を行なう。図10は、4ページ目の印刷レイアウト49dを示す図である。画像解析部33は、例えば2,3ページ目のそれぞれについて異常ページでないと判断すると、4ページ目について異常ページであるか否かの判断を行なう。図例に示すように、4ページ目は、画像領域51が閾値60を超えていない状態になっている。この場合、画像解析部33は、4ページ目を異常ページとして検出する。
【0074】
図11は、最初に異常ページが検出された場合の処理を模式的に示す図である。図11(a)に示すように、画像解析部33は、最初に異常ページを検出すると、その異常ページを基点として、それまでの検出方向と直交する他方向に沿って位置する各ページを候補ページとして検出する。以下においては、それまでの検出方向と直交する他方向に沿って位置する各ページを検出するために、最初に検出される異常ページのページ番号に基づき候補ページを特定する処理を例示する。例えば、画像解析部33は、最初に異常ページとして4ページ目を検出すると、その4ページ目の倍数となる倍数ページを特定する。すなわち、画像解析部33は、4ページ目の2倍のページ番号である8ページ目、4ページ目の3倍のページ番号である12ページ目、4ページ目の4倍のページ番号である16ページ目を特定する。画像解析部33は、最終ページを特定すると、倍数ページを特定する処理を終了する。
【0075】
画像解析部33は、最初に検出される異常ページに基づき倍数ページを特定すると、次に、その倍数ページのページ番号に基づき候補ページを更に特定する。すなわち、画像解析部33は、最終ページの1つ前に倍数ページとして判断されるページから、最終ページまでの間に含まれるページを特定し、特定した各ページを候補ページとして更に特定する。例えば、図11(b)に示す12ページ目を最終ページの1つ前の倍数ページであるとすると、画像解析部33は、12ページ目から最終ページである16ページ目までの間に含まれる13〜15ページ目を候補ページとして更に特定する。
【0076】
これら候補ページは、上述したように印刷レイアウトが異常になっている可能性があると判断されるページである。そのため、本実施形態では、これら候補ページについては、異常ページであるか否かの判断を行なわずに全てユーザに報知する。これにより、情報処理装置2は、全ての候補ページについて異常ページであるか否かの判断を行なう場合に比べ効率よく処理を進めることができる。
【0077】
次に、画像解析部33は、このようにして検出される異常ページと候補ページとを検出結果として表示制御部32に出力する。表示制御部32は、画像解析部33からの検出結果を受け取ると、その検出結果に基づきプレビュー画面を作成して表示部3に表示させる。
【0078】
図12は、表示制御部32によって表示部3に表示されるプレビュー画面55の一例を示す図である。プレビュー画面55には、画像解析部33によって検出される異常ページと候補ページとが表示される。これにより、ユーザは、印刷レイアウトに異常があったことを知ることができる。また、図例に示すように、プレビュー画面55には、印刷処理を実行させるための印刷実行ボタン55aと、印刷処理を中止するための印刷中止ボタン55bとが設けられている。
【0079】
印刷実行ボタン55a又は印刷中止ボタン55bが押下されたことによる決定結果は、指示解析部30に入力される。指示解析部30は、印刷実行ボタン55aが押下されたことを示す決定結果を入力した場合には、印刷制御部34に対して印刷処理を実行するように指示する。印刷制御部34は、指示解析部30からの指示を受付けると、記憶装置20から印刷ジョブ23を読出し、読み出した印刷ジョブ23を印刷装置5に出力する。これにより、印刷装置5によって印刷ジョブ23が実行される。
【0080】
一方、指示解析部30は、印刷中止ボタン55bが押下されたことを示す決定結果を入力した場合には、印刷ジョブ生成部31に対してその決定結果を出力する。印刷ジョブ生成部31は、指示解析部30からの指示を受け取ると記憶装置20に記憶されている印刷ジョブ23を削除する。このとき、表示制御部32は、印刷ジョブ23が削除されたことを示す削除通知画面を作成して表示部3に表示させても良い。
【0081】
ところで、画像領域51に対するページの割当て態様によっては、最終ページの1つ前に倍数ページが存在しない場合がある。例えば、図13に示すように、画像領域51は、縦方向に2ページ分、横方向に3ページ分の合計6ページに分割されるとする。そして、1ページ目は、画像領域の右上端に位置し、1ページ目から左方向にページ番号が割り付けられ、最終ページである6ページ目は、画像領域の左下端に位置するものとする。
【0082】
このような印刷レイアウト49に対して画像解析部33は、1ページ目からページ順序に従って左方向に異常ページであるか否かの判断を行なっていき、例えば3ページ目が異常ページになっていることを検出する。この場合、3ページ目の倍数ページは、最終ページである6ページ目のみであるので、最終ページの1つ前となる倍数ページが存在しないことになる。
【0083】
そこで、画像解析部33は、最終ページの1つ前となる倍数ページが存在しない場合、最初に検出される異常ページである3ページ目から最終ページである6ページ目までの間に含まれる4,5ページ目を更に候補ページとして検出する。
【0084】
以上の説明は、選択画面45において簡易検出が選択される場合について例示するものであったが、選択画面45において、最終ページ検出又は全ページ検出が選択される場合は、以下のように処理を実行する。すなわち、画像解析部33は、最終ページ検出を行なうべき指示を指示解析部30から受け取った場合には、記憶装置20に記憶されている印刷ジョブ23から印刷レイアウト49を読出す。画像解析部33は、印刷レイアウト49を読み出すと印刷レイアウト49から最終ページのみを抽出し、その最終ページについてのみ異常ページであるか否かを判断する。そして、画像解析部33は、最終ページが異常ページでない場合には、印刷制御部34に印刷ジョブ23を実行するように指示する。一方、画像解析部33は、最終ページが異常ページである場合には、表示制御部32に対して検出結果を出力する。その後の処理は、上記と同様であるので説明を省略する。
【0085】
一方、画像解析部33は、全ページ検出を行なうべき指示を指示解析部30から受け取った場合には、記憶装置20に記憶されている印刷ジョブ23から印刷レイアウト49を読出す。そして、1ページ目から最終ページまで1ページ毎に異常ページであるか否かを判断する。この場合、画像解析部33は、ページ順序に従って異常ページであるか否かを判断しても良いし、他に設定される順序に従って異常ページであるか否かを判断しても良い。そして、画像解析部33は、異常ページが検出されると表示制御部32に検出結果を出力し、異常ページが検出されなければ印刷制御部34に印刷ジョブ23を実行するように指示する。その後の処理は、上記と同様であるので説明を省略する。
【0086】
図14は、制御部10において行われる主たる処理手順の一例を示すフローチャートである。以下、図14を参照しつつ制御部10における主たる処理手順について説明する。
【0087】
まず、操作入力部4を介して指示解析部30が印刷指示を入力すると(ステップS1のYES)、印刷ジョブ生成部31は、印刷ジョブ23を生成して記憶装置20に記憶させる(ステップS2)。一方、表示制御部32は、指示解析部30による指示に従って選択画面45を表示部3に表示させる(ステップS3)。選択画面45に対する選択結果が入力され検出実行ボタン45aが押下されると(ステップS4のYES)、画像解析部33は、簡易検出が選択されたことを条件として(ステップS5のYES)、簡易検出処理を実行する(ステップS6)。
【0088】
一方、画像解析部33は、最終ページ検出又は全ページ検出が選択された場合には(ステップS5のNO)、最終ページ又は全ページから異常ページを検出する処理を開始する(ステップS7)。このとき、画像解析部33は、最終ページ検出が選択された場合には、最終ページのみ異常ページであるか否を判断する。一方、画像解析部33は、全ページ検出が選択された場合には、全ページについて1ページ毎に異常ページであるか否を判断する。画像解析部33は、異常ページを検出しなかった場合には(ステップS8のNO)、印刷制御部34に印刷ジョブ23を実行するように指示する(ステップS11)。これにより、印刷装置5によって印刷ジョブ23が実行される。一方、画像解析部33は、異常ページを検出した場合には(ステップS8のYES)、表示制御部32にプレビュー画面55を作成させる(ステップS9)。キャンセルボタン45bが押下された場合には(ステップS4のNO)、制御部10は、ステップS5〜S12をスキップする。
【0089】
簡易検出処理が終了すると、印刷制御部34は、印刷実行ボタン55aが押下されることを条件として(ステップS10のYES)、印刷装置5に印刷出力を実行するように指示する(ステップS11)。一方、印刷ジョブ生成部31は、印刷中止ボタン55bが押下されると(ステップS10のNO)、記憶装置20に記憶されている印刷ジョブ23を削除する(ステップS12)。以上のようにして、制御部10によって実行される主たる処理は終了する。
【0090】
図15は、制御部10によって実行される簡易検出処理の一例を示すフローチャートである。図例に示すように、この処理が開始されると、画像解析部33は、1ページ目から順に異常ページを検出する処理を開始し、最初に異常ページを検出した場合には(ステップS21のYES)、倍数ページを特定する(ステップS22)。一方、画像解析部33は、全ページを解析して異常ページを検出できなかった場合には(ステップS21のNO)、印刷制御部34に印刷ジョブ23を実行するように指示する。印刷制御部34は、画像解析部33から指示を受け取った場合には、印刷ジョブ23を記憶装置20から読出すと共に、印刷装置5に印刷ジョブ23を実行するように指示する(図14のステップS11に進む)。
【0091】
次に、画像解析部33は、最終ページを倍数ページとして特定すると(ステップS23のYES)、倍数ページ以外の候補ページを更に特定する(ステップS24)。すなわち、画像解析部33は、最終ページの1つ前に倍数ページとして判断されるページから、最終ページまでの間に含まれるページを特定し、特定した各ページを候補ページとして更に特定する。そして、画像解析部33は、検出結果を表示制御部32に出力する。表示制御部32は、画像解析部33から検出結果を受け取るとプレビュー画面55を作成して表示部3に表示させる(ステップS25)。以上のようにして簡易検出処理は終了する。
【0092】
以上のように、本実施形態では、画像解析部33は、異常ページが検出された後には、印刷レイアウト49の縦方向及び横方向の何れか一方向に沿って1ページずつ順に異常ページであるか否かを検出していき、異常ページが検出された後にはその異常ページから他方向に沿って位置する各ページを、候補ページとして検出する構成である。
【0093】
このような構成によれば、情報処理装置2は、異常ページが検出された後にはその異常ページから他方向に沿って位置する各ページを候補ページとして検出するので、全ページにおいて1ページ毎に異常ページであるか否かの判断を行なうよりも効率良く処理することができる。また、情報処理装置は、異常ページを検出した後には、画像解析を行うことなく候補ページを特定するので、画像解析によって異常ページを検出する処理よりも効率良く処理を進められる。
【0094】
また、本実施形態では、画像解析部33は、印刷ジョブ23に含まれる印刷レイアウト49を解析して、1ページ目から順に印刷レイアウト49に異常があるか否かを判断し、異常ページを検出した場合に、その異常ページの倍数となるページを倍数ページとして検出する。情報処理装置2は、上記のようにして画像解析部33によって検出される異常ページと倍数ページとに基づきプレビュー画面55を作成して表示部3に表示する構成である。
【0095】
このような構成によれば、異常ページを検出した後は、その異常ページの倍数となるページを特定すれば良いので、情報処理装置2は、全ページについて1ページ毎に異常ページであるか否を判断する場合に比べて効率よく処理することができる。また、情報処理装置2は、最初に異常ページを検出した後には、画像解析を行うことなく倍数ページを特定するので、画像解析によって異常ページを検出する処理よりも効率良く処理を進められる。
【0096】
また、本実施形態では、画像解析部33は、1つのページにおいて縦方向又は横方向に対して予め設定される閾値60に画像領域51が満たないときに異常ページであると判断する構成である。このような構成によれば、情報処理装置2は、1つのページにおいて縦方向又は横方向に対して画像領域51が閾値60を超えるか否かを判断するだけで良いので処理が簡易であり、例えば、印字量などを算出するような複雑な処理を必要としないで済む。これにより処理負担が軽減される。
【0097】
また、本実施形態では、画像解析部33は、更に、最終ページの1つ前に倍数ページとして検出されるページから最終ページまでの間に含まれるページを候補ページとして更に特定する構成である。このような構成によれば、情報処理装置2は、倍数ページに基づいて更なるページを特定するだけで良いので、1ページ毎に異常ページであるか否かを判断するよりも効率よく処理することができる。
【0098】
また、本実施形態では、画像解析部33は、更に、最終ページの1つ前となる倍数ページが存在しない場合、異常ページから最終ページまでの間に含まれるページを更に候補ページとして検出する構成である。このような構成によれば、最終ページの1つ前に候補ページとして検出される倍数ページが存在しない場合であっても候補ページを特定することが可能である。
【0099】
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、候補ページについては異常ページであるか否かの判断は行なわれなかったが、第2の実施形態では、候補ページについても異常ページであるか否かが判断される。第2の実施形態において情報処理装置2が備える構成は、上述した第1の実施形態と同様であるので重複する説明を省略する。また、以下においては、図7に示した印刷レイアウト49に基づく簡易検出処理において、倍数ページである4,8,12及び16ページが既に候補ページとして特定されており、更に倍数ページ以外の候補ページとして13,14及び15ページ目が特定されているものとする。
【0100】
画像解析部33は、候補ページのうち倍数ページについては、最初に異常ページを検出するときの処理(図9,図10)と同様に、描画可能領域52において基準点59から下方向に対して閾値60を設定することによって、異常ページであるか否かを判断する。そして、画像解析部33は、例えば、倍数ページである4,8,12及び16を異常ページであるとして検出する。
【0101】
図16は、候補ページとして13ページ目の印刷レイアウト49の一例を示す図である。画像解析部33は、簡易検出処理を実行して倍数ページ以外の候補ページを特定すると、例えば13ページ目において、上記と同様にして基準点59を設定する。そして、画像解析部33は、基準点59を基点として、最初に異常ページを検出するために用いた検出方向とは別の方向に閾値60を設定する。例えば、最初に異常ページを検出するために下方向において閾値60を設定した場合には、画像解析部33は、基準点59を基点として、描画可能領域52mの右方向における所定位置に閾値60を設定する。この閾値60が設定される位置は、例えば、基準点59から描画可能領域52mの右端62までの全距離のうち、基準点59から、その全距離の90%程度離れた位置である。但し、閾値60を何れの位置に設定するかは、適宜設計が可能である。
【0102】
次に、画像解析部33は、候補ページに含まれる画像領域51が閾値60を超えるか否かを判断する。画像解析部33は、画像領域51が閾値60を含むか又は超える場合には、その画像領域51に対応するページを異常ページでないと判断する。一方、画像解析部33は、画像領域51が閾値60に満たない場合には、その画像領域51に対応するページを異常ページである判断する。図例では、13ページ目に含まれる画像領域51は、閾値60を超えていない。この場合、画像解析部33は、13ページ目が異常ページであると判断する。
【0103】
画像解析部33は、14,15ページ目についても13ページ目と同様の処理を実行し、例えば、14,15ページ目のそれぞれが異常ページであると判断する。画像解析部33は、このようにして候補ページのうちから異常ページを検出する。そして、画像解析部33は、検出される全ての異常ページを検出結果として表示制御部32に出力する。表示制御部32は、検出結果を受け取ると上記と同様にしてプレビュー画面55を作成して表示部3に表示させる。その後の処理については、上記と同様であるので説明を省略する。
【0104】
図17は、第2の実施形態において、制御部10によって実行される簡易検出処理の一例を示すフローチャートである。図例に示すように、この処理が開始されると、画像解析部33は、1ページ目から順に異常ページを検出する処理を開始し、最初に異常ページを検出した場合には(ステップS31のYES)、倍数ページを特定する(ステップS32)。一方、画像解析部33は、全ページを解析して異常ページを検出できなかった場合には(ステップS31のNO)、印刷制御部34に対して印刷ジョブ23を実行するように指示する。印刷制御部34は、画像解析部33からの指示を受け取った場合には、印刷ジョブ23を記憶装置20から読出すと共に、印刷装置5に印刷ジョブ23を実行させる(図14のステップS11に進む)。
【0105】
次に、画像解析部33は、最終ページを倍数ページとして特定した場合には(ステップS33のYES)、倍数ページ以外の候補ページを更に特定する(ステップS34)。すなわち、画像解析部33は、最終ページの1つ前に倍数ページとして判断されるページから、最終ページまでの間に含まれるページを特定し、特定した各ページを候補ページとして更に特定する。そして、画像解析部33は、特定した候補ページについてのみ異常ページであるか否かを判断する(ステップS35)。画像解析部33は、全ての候補ページについて異常ページであるか否かの判断が終了すると(ステップS36のYES)、検出結果を表示制御部32に出力する。表示制御部32は、画像解析部33から検出結果を受け取るとプレビュー画面55を作成して表示部3に表示させる(ステップS37)。以上のようにして簡易検出処理は終了する。
【0106】
以上のように、本実施形態では、画像解析部33は、候補ページの印刷レイアウトに異常があるか否かを更に判断し、印刷レイアウトに異常のあるページを異常ページとして検出する構成である。このような構成によれば、情報処理装置2は、候補ページの印刷レイアウトに異常があるか否かを更に判断するので、予想に基づき候補ページを検出する場合とは異なり、異常ページと判断されるページのみを表示することが可能である。
【0107】
(変形例)
以上、本発明に関する一実施形態について説明したが、本発明は上述した内容に限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
【0108】
上述した実施形態では、異常ページ及び候補ページを検出した場合には、単にそれらのページを報知するように構成されていたがこれに限られない。例えば、情報処理装置2は、自動で印刷レイアウトを適切に調節するように構成されても良い。例えば、制御部10には、更に、レイアウト修正部を備える。そして、レイアウト修正部は、画像解析部33によって異常ページ及び候補ページが検出されると、その検出結果を受け取る。レイアウト修正部は、検出結果を受け取ると、記憶装置20に記憶されている印刷ジョブ23から印刷レイアウト49を読出し、画像領域51と全領域50との比率が適正になるように画像領域51を拡大又は縮小する。例えば、図7の例では、レイアウト修正部は、予め設定される条件に基づき画像領域51を縮小して全9ページに適正に収まるように印刷レイアウトを修正するか、又は画像領域51を拡大して全16ページに適正に収まるように印刷レイアウトを修正する。そして、表示制御部32は、レイアウト修正部から修正結果を受け取ると、修正後の印刷レイアウトを表示部3にプレビュー表示させる。これにより自動で印刷レイアウトが修正されるので、ユーザにとっては、印刷レイアウトを修正する手間が省ける。
【0109】
また、上述した実施形態では、印刷実行プログラム22がプリンタドライバである構成を例示したが、印刷実行プログラム22は、例えば、プリンタドライバとは別に用意されるアプリケーションソフトウエアであっても良い。そして、そのアプリケーションソフトウエアは、プリンタドライバから出力される印刷ジョブを受け取って上記と同様にして印刷レイアウトの異常を検出するように構成しても良い。
【0110】
すなわち、この場合、制御部10において、印刷ジョブ生成部31の代わりに印刷ジョブ入力部を設ける。そして、印刷ジョブ入力部は、プリンタドライバから印刷ジョブを入力すると、印刷ジョブを記憶装置20に記憶させると共に、指示解析部30に対して印刷ジョブを入力したことを通知する。指示解析部30は、その通知を受け取ると表示制御部32に選択画面45を表示させる。その他の構成は上記と同様であるので説明を省略する。
【符号の説明】
【0111】
1 情報処理システム
2 情報処理装置
3 表示部(表示手段)
5 印刷装置
7 ネットワーク
10 制御部
20 記憶装置
23 印刷ジョブ
31 印刷ジョブ生成部(印刷ジョブ生成手段)
32 表示制御部(表示制御手段)
33 画像解析部(画像解析手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関し、特に、画像データに基づき印刷出力を行なう際に印刷レイアウトの異常を検出するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像データに基づき印刷出力を行なう際に印刷レイアウトの異常を検出する技術がある。例えば、特許文献1には、画像データの最終ページの印刷レイアウトの異常を検出する印刷装置が開示されている。この印刷装置は、印刷出力する前に最終ページの印字量を検出し、最終ページの印字量が所定量未満である場合に、ユーザに対してその最終ページを印刷するか否かを選択させる構成である。これにより、最終ページが不要である場合にその最終ページが印刷されないので1枚分の用紙を節約することができる。但し、特許文献1のように、最終ページのみ印刷レイアウトを検出する構成では、最終ページよりも前のページにおいて印刷レイアウトが異常になっていることを検出できないという問題がある。
【0003】
これに対し、特許文献2には、画像データの全ページについて1ページ毎に印刷レイアウトの異常を検出する画像処理装置が開示されている。この画像処理装置は、ページ毎の有効画像部分の占有比率を印字量に基づき算出し、有効画像部分の占有比率がページ閾値未満であるか否かをページ毎に判断する。そして、画像処理装置は、有効画像部分の占有比率がページ閾値未満であるページを検出すると、検出される全てのページをユーザに報知して、それらのページを印刷するか否かを選択させる構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−271335号公報
【特許文献2】特開2008−242935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2に開示された画像処理装置は、1ページ目から最終ページまで1ページ毎に印刷レイアウトに異常があるか否かを検出するので、ページ数が多いと、それに伴い時間もかかってしまい、処理効率が良くないという問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するため、簡易的な処理によって、全ページのうちから印刷レイアウトが異常になっている可能性のあるページを抽出することで、処理効率を良くすることができる情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、印刷ジョブを生成して出力する情報処理装置であって、各種情報を表示する表示手段と、印刷対象となる画像データを取得し、当該画像データに含まれる矩形の画像領域を複数のページに跨って配置した印刷レイアウトを設定し、該印刷レイアウトに基づいて印刷ジョブを生成する印刷ジョブ生成手段と、前記印刷ジョブに設定された印刷レイアウトを取得し、該印刷レイアウトの縦方向および横方向のいずれか一方向に沿って1ページずつ順に、画像領域が所定値に満たない異常ページであるか否かを検出していき、異常ページが検出された後にはその異常ページから他方向に沿って位置する各ページを、画像領域が所定値に満たない可能性のある候補ページとして検出する画像解析手段と、前記画像解析手段によって検出される異常ページと候補ページとを前記表示手段に表示させる表示制御手段と、を備えることを特徴とする構成である。
【0008】
このような構成によれば、情報処理装置は、異常ページが検出された後には、その異常ページから他方向に沿って位置する各ページを、画像領域が所定値に満たない可能性のある候補ページとして検出するので、全ページにおいて1ページ毎に異常ページであるか否かの判断を行なうよりも効率良く処理することができる。また、情報処理装置は、異常ページを検出した後には、画像解析を行うことなく候補ページを特定するので、画像解析によって異常ページを検出する処理よりも効率良く処理を進められる。
【0009】
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、前記画像解析手段は、前記印刷レイアウトの縦方向および横方向のいずれか一方向に沿って1ページ目からページ順序に従って異常ページであるか否かを検出していき、異常ページが検出された後にはその異常ページの倍数となる倍数ページを候補ページとして検出することを特徴とする構成である。
【0010】
このような構成によれば、1ページ目から順に異常の有無を判断していき、異常ページを検出した後は、その異常ページの倍数となるページを特定していけば良いので、情報処理装置は、全ページにおいて1ページ毎に異常ページであるか否かの判断を行なうよりも効率良く処理することができる。
【0011】
請求項3にかかる発明は、請求項1又は2に記載の情報処理装置において、1つのページにおいて、所定の基準位置から縦方向又は横方向に対して予め設定される閾値まで画像領域が満たないときに異常ページであるとして検出することを特徴とする構成である。
【0012】
このような構成によれば、異常ページを検出する処理が簡易になる。すなわち、情報処理装置は、ページの縦方向又は横方向に対して画像領域が閾値を超えるか否かを判断するだけで良いので、例えば、印字量などを算出するような複雑な処理を必要としないで済む。これにより、処理負担が軽減される。
【0013】
請求項4にかかる発明は、請求項2又は3に記載の情報処理装置において、前記画像解析手段は、最終ページの1つ前に倍数ページとして検出されるページから最終ページまでの間に含まれるページを更に候補ページとして検出することを特徴とする構成である。
【0014】
このような構成によれば、情報処理装置は、最終ページの1つ前に倍数ページとして検出されるページから、最終ページまでの間に含まれるページを特定すれば良いので、複雑な処理を必要とすることなく、簡易な処理によって、異常ページになっている可能性のある候補ページを検出することが可能である。
【0015】
請求項5にかかる発明は、請求項4に記載の情報処理装置において、前記画像解析手段は、更に、最終ページの1つ前となる倍数ページが存在しない場合、異常ページから最終ページまでの間に含まれるページを更に候補ページとして検出することを特徴とする構成である。
【0016】
このような構成によれば、情報処理装置は、最終ページの1つ前となる倍数ページが存在しない場合であっても、それに応じて候補ページを特定することが可能である。
【0017】
請求項6にかかる発明は、請求項1乃至5の何れかに記載の情報処理装置において、前記画像解析手段は、候補ページの印刷レイアウトに異常があるか否かを更に判断し、印刷レイアウトに異常のあるページを異常ページとして検出することを特徴とする構成である。
【0018】
このような構成によれば、情報処理装置は、候補ページの印刷レイアウトに異常があるか否かを更に判断するので、予想により検出される候補ページのうち実際に異常ページであると判断されるページのみを表示することが可能である。
【0019】
請求項7にかかる発明は、各種情報を表示する表示手段を備え、印刷ジョブを生成して出力する情報処理装置において実行される情報処理方法であって、印刷対象となる画像データを取得し、当該画像データに含まれる矩形の画像領域を複数のページに跨って配置した印刷レイアウトを設定し、該印刷レイアウトに基づいて印刷ジョブを生成する印刷ジョブ生成ステップと、前記印刷ジョブに設定された印刷レイアウトを取得し、該印刷レイアウトの縦方向および横方向のいずれか一方向に沿って1ページずつ順に、画像領域が所定値に満たない異常ページであるか否かを検出していき、異常ページが検出された後にはその異常ページから他方向に沿って位置する各ページを、画像領域が所定値に満たない可能性のある候補ページとして検出する画像解析ステップと、前記画像解析ステップによって検出される異常ページと候補ページとを前記表示手段に表示させる表示制御ステップと、を有することを特徴とする構成である。
【0020】
このような構成によれば、情報処理装置は、異常ページが検出された後にはその異常ページから他方向に沿って位置する各ページを、画像領域が所定値に満たない可能性のある候補ページとして検出するので、全ページにおいて1ページ毎に異常ページであるか否かの判断を行なうよりも効率良く処理することができる。また、情報処理装置は、異常ページを検出した後には、画像解析を行うことなく候補ページを特定するので、画像解析によって異常ページを検出する処理よりも効率良く処理を進められる。
【0021】
請求項8にかかる発明は、各種情報を表示する表示手段を備え、印刷ジョブを生成して出力する情報処理装置において実行されるプログラムであって、前記情報処理装置を、印刷対象となる画像データを取得し、当該画像データに含まれる矩形の画像領域を複数のページに跨って配置した印刷レイアウトを設定し、該印刷レイアウトに基づいて印刷ジョブを生成する印刷ジョブ生成手段、前記印刷ジョブに設定された印刷レイアウトを取得し、該印刷レイアウトの縦方向および横方向のいずれか一方向に沿って1ページずつ順に、画像領域が所定値に満たない異常ページであるか否かを検出していき、異常ページが検出された後にはその異常ページから他方向に沿って位置する各ページを、画像領域が所定値に満たない可能性のある候補ページとして検出する画像解析手段、前記画像解析手段によって検出される異常ページと候補ページとを前記表示手段に表示させる表示制御手段、として機能させることを特徴とする構成である。
【0022】
このような構成によれば、情報処理装置は、異常ページが検出された後にはその異常ページから他方向に沿って位置する各ページを、画像領域が所定値に満たない可能性のある候補ページとして検出するので、全ページにおいて1ページ毎に異常ページであるか否かの判断を行なうよりも効率良く処理することができる。また、情報処理装置は、異常ページを検出した後には、画像解析を行うことなく候補ページを特定するので、画像解析によって異常ページを検出する処理よりも効率良く処理を進められる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、簡易的な処理によって、全ページのうちから印刷レイアウトが異常になっている可能性のあるページを抽出することで、処理効率を良くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1の実施形態における情報処理システムの全体構成例を示す図である。
【図2】情報処理装置によって実行される処理の概略を模式的に示す図である。
【図3】中間ページに異常のある印刷レイアウトの一例を示す図である。
【図4】1ページ目に異常のある印刷レイアウトの一例を示す図である。
【図5】情報処理システムに含まれる情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図6】情報処理装置の機能ブロック図の一例を示す図である。
【図7】情報処理装置において生成される印刷レイアウトの一例を模式的に示す図である。
【図8】情報処理装置に表示される選択画面の一例を示す図である。
【図9】1ページ目の印刷レイアウトの一例を示す図である。
【図10】4ページ目の印刷レイアウトの一例を示す図である。
【図11】情報処理装置において実行される、候補ページを検出するための処理を模式的に示す図である。
【図12】情報処理装置に表示されるプレビュー画面の一例を示す図である。
【図13】最終ページに対して1つ前となる倍数ページが存在しない印刷レイアウトの一例を示す図である。
【図14】情報処理装置の制御部において実行される全体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図15】情報処理装置の制御部において実行される簡易検出処理の一例を示すフローチャートである。
【図16】第2の実施形態において、情報処理装置において生成される、13ページ目の印刷レイアウトの一例を模式的に示す図である。
【図17】第2の実施形態において、情報処理装置の制御部において実行される簡易検出処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0026】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態における情報処理システム1の全体構成の一例を示す図である。情報処理システム1は、パーソナルコンピュータなどによって構成される情報処理装置2と、印刷処理を実行する印刷装置5とが、ネットワーク7を介して通信可能に接続される構成である。
【0027】
情報処理装置2は、各種情報を表示する表示部3と、ユーザによる各種指示操作を入力する操作入力部4とを備えている。表示部3は、例えば液晶ディスプレイであり、また、操作入力部4は、例えばキーボードである。情報処理装置2には、印刷装置5に印刷出力を実行させるためのプリンタドライバが予めインストールされている。情報処理装置2は、そのプリンタドライバを実行することにより、ユーザの操作入力部4への操作に基づいて印刷装置5に対して印刷ジョブを送信するように構成される。
【0028】
印刷装置5は、情報処理装置2からの印刷ジョブを入力することで印刷処理を実行するように構成されている。印刷装置5は、図示しないが、例えば、用紙をストックする給紙カセットから用紙を1枚ずつ給紙する給紙部、給紙部から給紙された用紙に対して、印刷ジョブに含まれる画像データに基づき画像形成を行う画像形成部、画像形成部によって形成されるトナー像(画像)を用紙に転写させる転写部、用紙に転写されたトナー像を定着させる定着部、印刷された印刷物を排出口6まで搬送する印刷物搬送部、画像形成部にトナーを補充するトナーボトルなどを備えている。これにより、印刷装置5は、入力する印刷ジョブを実行することが可能である。
【0029】
次に、本実施形態の概略について説明する。情報処理装置2は、操作入力部4に対する指示操作に基づき印刷指示を入力すると上述したプリンタドライバを実行することにより印刷ジョブを生成する。このとき、情報処理装置2は、印刷すべき画像の画像領域が1ページにおいて描画することが可能な描画可能領域よりも大きい場合には、その画像を複数のページに分割した印刷レイアウトを生成する。そして、情報処理装置2は、ユーザによる指示操作に基づき印刷ジョブを実行する前に印刷レイアウトに異常があるか否かを検出する処理を開始する。例えば、情報処理装置2は、1ページ単位で画像領域と余白量とを比較し、画像領域が余白量に対して所定の閾値未満である場合に、そのページを異常ページであると判断する。すなわち、本実施形態における異常ページとは、そのページに印刷される画像領域(描画領域)が所定値よりも少なく余白部分がそのページの一定以上の割合を占めるレイアウト状態となったページをいう。情報処理装置2は、そのような印刷レイアウトに異常のある異常ページを簡易的に検出する簡易検出処理を実行する。
【0030】
図2は、全体的な印刷レイアウト49の例を用いて簡易検出処理の概略を模式的に示す図である。図2(a)は、印刷レイアウト49が適切な場合を示す図であり、図2(b)は、印刷レイアウト49に異常がある場合の一例をそれぞれ示している。図2(a)に示す例では、印刷レイアウト49は、全4ページに分割されており、分割された矩形の各画像領域が各ページに跨って配置されていることにより1つの画像が再現された状態である。また、印刷レイアウト49は、全4ページを合計した領域である全領域50に画像領域51が適切に収まっている。情報処理装置2は、印刷レイアウト49を解析して1ページ目からページ順序に従って異常ページであるか否かを判断していく。そして、情報処理装置2は、異常ページを検出しない場合には印刷処理を実行する。
【0031】
これに対し、印刷設定が適切でない場合などには、図2(b)に示すように、例えば、印刷レイアウト49は、画像領域51が全4ページに収まりきらずに、全9ページとして生成される場合がある。以下の説明では、図例に示すX方向を右方向、Y方向を下方向とする。故に、画像領域51の境界を示すときには、上記の方向に従って、上端、下端、右端及び左端という。
【0032】
図2(b)に示す印刷レイアウト49は、全9ページ分の全領域50に対して画像領域51が左上に寄っている状態である。また、3,6〜9ページ目は、各ページに含まれる画像領域よりも余白量が多い状態になっている。通常、図例のような、画像領域よりも余白量の多い印刷レイアウトは好まれないものであると考えられる。すなわち、1つの画像を複数のページに分割して印刷出力する場合の用途としては,例えば、ポスターなど掲示用に使用されることが考えられる。余白量が多いと、掲示するための余分なスペースが必要になってしまうので、ユーザは、余白を切断するなどの後処理を施す必要に迫られることもある。このような場合、ユーザにとっては手間となる。また、余白量の多い印刷物は、余白がない場合に比べ一般的に画像が小さく見えるので見栄えが良くないものである。情報処理装置2は、そのような余白量の多い3,6〜9ページ目を簡易な処理によって検出し、印刷出力の事前に報知する構成である。
【0033】
ここで、本実施形態における画像は、例えば、表、グラフ及び写真などであり、印刷用紙などのシート材に印刷出力されるときに1つの纏まった矩形の描画領域を形成するものである。この矩形の描画領域のサイズは、個々の画像に応じて変わるものである。例えば、描画領域の横方向のサイズが1ページ分のシート材における横方向のサイズよりも大きい場合、その画像に基づいて印刷出力が行なわれると、その描画領域が横方向に対して複数ページ分のシート材に分割された状態でレイアウトされる。同様に、例えば、描画領域の縦方向のサイズが1ページ分のシート材における縦方向のサイズよりも大きい場合、その画像に基づいて印刷出力が行なわれると、その描画領域が縦方向に対して複数ページ分のシート材に分割された状態でレイアウトされる。従って、画像の描画領域が縦方向と横方向の双方について1ページ分のシート材のサイズよりも大きい場合、その描画領域は、複数ページ分のシート材を縦方向及び横方向に2次元配置した平面内にレイアウトされることとなる。このような画像は、複数のページに分割されて印刷された後、それら複数ページのシート材が適切な位置に配置されることによって1つの画像として再現される性質を有している。
【0034】
情報処理装置2は、図2(b)に示すような印刷レイアウト49を解析して、その印刷レイアウトの縦方向および横方向のいずれか一方向に沿って1ページずつ順に、異常ページであるか否かを検出していく。例えば、情報処理装置2は、1ページ目からページ順序に従って異常ページであるか否かを判断していく。情報処理装置2は、3ページ目において、画像領域51と余白量との関係に基づき3ページ目が異常ページであることを検出する。
【0035】
情報処理装置2は、異常ページを検出すると、その異常ページを基点として、それまでの検出方向と直交する他方向に沿って位置する各ページを、画像領域が所定値に満たない可能性のある候補ページとして検出する。すなわち、情報処理装置2は、1つの異常ページを検出した後には、1ページ毎に異常ページであるか否かの判断を行なわない。また、この場合、情報処理装置2は、以下に説明するように、最初に異常ページとして検出されるページ番号に基づき候補ページを特定していくことが可能である。
【0036】
一般的に、画像が表、グラフ及び写真などである場合には、画像領域51は、図2(b)に示すように矩形である。そのように画像領域51が矩形の場合、画像領域51の境界に対応する各ページのうち、何れかが異常ページになっている場合には、画像領域51の境界に対応する他のページも異常ページになっている。例えば図例に示すように、異常ページとして3ページ目が検出される場合には、全領域50に対する画像領域51の右方向への比率が適切でないことに要因があるので、3ページ目と同様に画像領域51の右端に対応する6,9ページ目も異常ページになる。
【0037】
上記のようにして特定される6,9ページ目は、ページ順序に従って最初に検出される異常ページの倍数として特定することが可能である。すなわち、6ページ目は、3ページ目の2倍のページ番号であり、9ページ目は、3ページ目の3倍のページ番号である。このように、画像領域51が矩形ある場合に、最初に異常ページが検出されると、その倍数に該当するページ(以下「倍数ページ」と称する)は、異常ページとなる可能性がある。そこで、情報処理装置2は、このような法則を用いて、最初に異常ページが検出される場合には、その異常ページを特定すると共に、その異常ページの倍数ページを異常ページになっている可能性のある候補ページとして特定する。
【0038】
また、全領域50に対する画像領域51の右端に対応するページに異常がある場合、図2(b)に示すように、画像領域51の右端と直交する下端に対応するページも同時に異常になっている可能性がある。情報処理装置2は、そのように、倍数ページ以外に異常ページになっている可能性があるページを候補ページとして更に特定する。ここで、画像領域51の下端に対応するページについても最初に異常ページとして検出されるページ番号に基づき特定することが可能である。
【0039】
すなわち、情報処理装置2は、最初に検出される異常ページの倍数ページを特定していき、最終ページを特定すると、その最終ページから1つ前に特定した倍数ページから、最終ページまでの間に含まれるページを候補ページとして更に特定する。例えば、図2(b)において、情報処理装置2は、最初に検出される異常ページとして3ページ目を特定すると、その3ページ目の倍数ページを特定していく。そして、情報処理装置2は、最終ページである9ページ目を特定すると、その9ページ目から1つ前に特定した倍数ページである6ページ目から、9ページ目までの間に含まれる7,8ページ目のそれぞれを候補ページとして更に特定する。
【0040】
このように情報処理装置2は、最初に検出される異常ページを検出すると、最初に検出される異常ページのページ番号に基づき他に異常ページとなっている可能性のある候補ページを特定する構成である。これにより、全ページについて1ページ毎に異常ページであるか否かを判断しなくて済むので処理の効率化が図られる。また、情報処理装置2は、最初に異常ページが検出された後には、画像解析によって異常ページであるか否かを判断するのではなく、最初に検出される異常ページのページ番号に基づき候補ページを特定するので更に効率良く処理を進めることができる。
【0041】
ところで、本実施形態では、2ページ目以降に最初に異常ページが検出されると、その最初の異常ページから、次の倍数ページまでの間に含まれるページ(以下「中間ページ」と称する)と、倍数ページから次の倍数ページまでの間に含まれるページ(以下、同様に「中間ページ」と称する)とのそれぞれについては、以下に説明するように、異常ページになっている可能性がないので、例外を除いて候補ページとして特定されることはない。尚、中間ページは、最終ページの1つ前の倍数ページから最終ページまでの間に含まれるページを含まないものとする。また、最終ページの1つ前となる倍数ページが存在しない場合には中間ページは、存在しないものとする。
【0042】
上述したように、本実施形態において画像は、表、グラフ及び写真などであり、それら表、グラフ及び写真などは、一般に、画像領域内において画像が連続して存在しているものである。例えば、図2(b)に示すように、画像領域51が矩形の場合には、少なくとも1ページ目と対角関係にある最終ページまでの斜線で示す範囲に、画像が連続して存在していると考えられる。そのため、斜線に含まれる、中間ページである4,5ページ目は、ページ全体に画像が連続して存在しているので例外を除いて異常ページである可能性はない。
【0043】
但し、例外として、4ページ目のように、中間ページのうち画像領域51の境界に対応するページは、異常ページに該当する場合がある。例えば、図3に示すように、全領域50に対して画像領域51が全体として右側に寄っているような場合である。しかし、中間ページのうち画像領域51の境界に対応する4ページ目が異常ページになっている場合には、図例に示すように必ず1ページ目も異常ページになる。
【0044】
すなわち、1ページ目が異常ページでない場合とは、例えば図2(b)に示すように、1ページ目において余白量が所定値未満であるので、画像領域51の左端は、余白が無いか、又は余白があっても許容範囲内で1ページ目の左側に寄っている状態である。そして、1ページ目が異常ページでない場合には、1ページ目と4ページ目とが画像領域51の左端に共通して対応しているため、4ページ目においても、画像領域51の左端は、少なくとも許容範囲内の余白を有して左側に寄っている状態である。このように1ページ目が異常ページでない場合には、図2(b)に示すように、それに伴い中間ページのうち画像領域51の境界に対応するページは、異常ページとならない。これに対し、1ページ目が異常ページである場合には、図3に示すように、それに伴い中間ページのうち画像領域51の境界に対応するページは、異常ページとなる。
【0045】
このような法則を用いて本実施形態では、1ページ目が異常ページでなければ、画像領域51の境界に対応するページを含めた全ての中間ページは、異常ページであるか否かの判断対象から除外される。情報処理装置2は、上記のように2ページ目以降に最初に異常ページが検出される場合には、そのような中間ページ以外のページを異常ページになっている可能性があるページとして特定する構成である。
【0046】
図4は、1ページ目に異常のある印刷レイアウト49の一例を示す図である。図例では、全6ページの合計領域である全領域50の中央に画像領域51が寄っており、1ページ目を含み全ページが異常ページになっている状態である。情報処理装置2は、1ページ目の印刷レイアウトに異常が検出される場合には、全ページについて1ページ毎に異常ページであるか否かを検出する。これは、図例のように、1ページ目が異常ページである場合、全ページが異常ページになっている可能性があるからである。情報処理装置2は、最初に特定される異常ページが1ページ目である場合には、その1ページ目の倍数ページを候補ページとして特定する。すなわち、1ページ目の倍数ページには全ページが該当するので、情報処理装置2は、1ページ目が異常ページである場合には、2ページ目から最終ページまでのページを全て候補ページとして特定する。
【0047】
情報処理装置2は、最初に検出される異常ページと、その後に検出される候補ページとを表示部3にプレビュー表示する。これにより、ユーザは、印刷出力の事前に印刷レイアウトに異常があることを把握できるので、印刷設定を変更することなどによって無駄な印刷出力を未然に防止することが可能である。以下、上記のような情報処理装置2について詳しく説明する。
【0048】
図5は、情報処理装置2のハードウェア構成の一例を示す図である。図例に示すように、情報処理装置2は、この情報処理装置2の動作を制御する制御部10と、印刷装置5などの外部機器と接続するためのネットワークインタフェース13と、各種情報を記憶する記憶装置20と、上述した表示部3及び操作入力部4とを有し、それぞれがバス14を介して接続される構成である。
【0049】
制御部10は、CPU11とメモリ12とを備えており、各部の動作を制御するものである。CPU11は、記憶装置20に記憶されている基本プログラム21及び印刷実行プログラム22を読み出して実行する。ここで、基本プログラム21は、情報処理装置2に電源が投入されることに伴ってCPU11によって実行される基本的なプログラムである。印刷実行プログラム22は、上述したプリンタドライバであり、制御部10を後述する各種処理部として機能させるためのプログラムである。すなわち、CPU11は、基本プログラム21を実行している状態でさらに印刷実行プログラム22を実行することにより、制御部10を各種処理部として機能させる。メモリ12は、CPU11がプログラムを実行することに伴う一時的なデータなどを記憶するものである。
【0050】
ネットワークインタフェース13は、情報処理装置2をネットワーク7に接続するためのものである。ネットワーク7は、例えば、LAN(Local Area Network)である。制御部10は、このネットワークインタフェース13を介してネットワーク7に接続される。このようにして制御部10は、印刷装置5と通信可能になっている。但し、情報処理装置2は、USBケーブルなどによって1対1で印刷装置5に接続されるものであっても良い。
【0051】
記憶装置20は、上述した基本プログラム21及び印刷実行プログラム22の他に、印刷ジョブ23を記憶する。印刷ジョブ23には、印刷レイアウトや各種印刷指示が含まれる。また、画像が複数ページに分割される場合、印刷レイアウトには、分割される各画像領域のそれぞれに対応するページが割り付けられている。
【0052】
図6は、制御部10の機能構成の一例を示す図である。制御部10は、上述したCPU11が印刷実行プログラム22を実行することにより、指示解析部30、印刷ジョブ生成部31、表示制御部32、画像解析部33及び印刷制御部34として機能する。これら各処理部は、操作入力部4を介してユーザによる各種指示操作を入力することによって連携した動作を行うように機能する。以下、各処理部について説明する。
【0053】
指示解析部30は、操作入力部4を介してユーザによる各種指示操作を入力して受付ける処理部である。また、指示解析部30は、入力した指示操作を解析して、解析結果に基づき各処理部に対して指示を出力する。指示解析部30は、例えば、印刷処理を実行すべき印刷指示を入力すると、印刷ジョブ生成部31に対して印刷ジョブ23を生成するように指示する。
【0054】
印刷ジョブ生成部31は、印刷ジョブ23を生成する処理部である。また、印刷ジョブ生成部31は、指示解析部30からの指示を受け取ることで機能する。印刷ジョブ生成部31は、指示解析部30からの指示を受け取ると、印刷対象となる画像データを取得し、その画像データに基づいて印刷ジョブ23を生成する。印刷ジョブ生成部31は、印刷出力すべき画像が、1ページにおいて描画することが可能な描画可能領域よりも大きい場合には、画像が複数ページになるように分割して印刷レイアウトを生成する。このとき、印刷ジョブ生成部31は、予め設定される分割態様に基づいて、分割される各画像領域に対応するページを割り付けて印刷レイアウトを生成する。
【0055】
分割態様は、画像領域51に対する複数ページの割り付け態様である。例えば、分割態様は、図2(a)に示す画像領域51の左上から右方向にページ番号を割り付ける態様、又は図4に示す画像領域51の右上から下方向にページ番号を割り付ける態様など、適宜設計が可能である。但し、分割態様は、必ず画像領域51の四隅の何れかに1ページ目が対応するように設定される。これによりページ番号に基づき候補ページが特定可能になるからである。
【0056】
制御部10は、予めユーザによる操作入力部4への操作指示に基づき上記のような分割態様に関する分割情報を記憶装置20の図示しない記憶領域に記憶させる。そして、印刷ジョブ生成部31は、印刷ジョブ23を生成する際に分割情報を読出し、その分割情報に基づき印刷レイアウト49を生成する。印刷ジョブ生成部31は、印刷ジョブ23を生成すると、その印刷ジョブ23を記憶装置20に記憶させる。
【0057】
図7は、印刷ジョブ生成部31によって作成される全体的な印刷レイアウト49の一例を示す図である。図例に示すように、印刷レイアウト49は、画像領域51が縦横に全16ページに分割されている。そして、画像領域51の左上に1ページ目が割り付けられ、1ページ目から下方向に沿って2ページ以降の各ページが複数の列をなして更に割り付けられている。
【0058】
図例に示す印刷レイアウト49は、全ページの領域を合計した全領域50に対する画像領域51の縦横の比率が適切でないため、画像領域51が全領域50の右端及び下端に余白を残して全体として左上に寄っている状態である。情報処理装置2は、図例のような印刷レイアウト49を検出した場合に、その画像領域51の境界に対応する4,8,12〜16ページ目を異常ページ又は候補ページとして検出し、印刷出力の事前に報知する構成である。
【0059】
図6に示す指示解析部30は、操作入力部4から印刷指示を入力すると、上述したように印刷ジョブ生成部31に印刷ジョブ23を生成するように指示するその一方で、表示制御部32に対して、異常ページを検出するための検出方法を選択させる選択画面を作成するように指示する。
【0060】
表示制御部32は、表示部3に各種情報を表示させる処理部である。また、表示制御部32は、指示解析部30からの指示を入力することで機能する。表示制御部32は、指示解析部30からの指示を受け取ると選択画面を作成する。表示制御部32は、選択画面を作成すると表示部3に表示させる。
【0061】
図8は、表示制御部32によって作成される選択画面45の一例を示す図である。図例に示すように、選択画面45には、複数の検出方法を選択できるようになっている。簡易検出は、簡易的に異常ページであるか否かの判断を行なう検出方法であり、この簡易検出が選択されると、上述した簡易検出処理が実行される。また、最終ページ検出は、最終ページに対してのみ異常ページであるか否かを判断する検出方法であり、全ページ検出は、1ページ目から最終ページまで1ページ毎に異常ページであるか否かを判断する検出方法である。以下においては、簡易検出が選択されるものとして説明する。また、選択画面45には、選択結果を決定する検出実行ボタン45aと、異常ページの検出を行なわないことを決定するキャンセルボタン45bとが設けられている。
【0062】
検出実行ボタン45a又はキャンセルボタン45bが押下されることによる決定結果は、操作入力部4を介して指示解析部30に入力される。指示解析部30は、検出実行ボタン45aが押下されたことを示す決定結果を入力した場合には、画像解析部33に対して、決定結果に基づく検出方法で異常ページを検出するように指示する。一方、指示解析部30は、キャンセルボタン45bが押下されたことを示す決定結果を入力した場合には、印刷レイアウトが異常であるか否かの判断を行なうことなく印刷制御部34に対して印刷処理を実行するように指示する。
【0063】
図6に示す印刷制御部34は、印刷装置5に印刷ジョブ23を実行させる処理部である。印刷制御部34は、指示解析部30からの指示を受け取ることで機能する。印刷制御部34は、指示解析部30からの指示を受け取ると記憶装置20から印刷ジョブ23を読出して、印刷装置5に印刷出力を実行させる。これにより、印刷出力された印刷用紙が排出口6から排出される。
【0064】
画像解析部33は、印刷レイアウトを解析して異常ページを検出する処理部である。画像解析部33は、指示解析部30からの指示を受け取ることで機能する。画像解析部33は、指示解析部30から指示される検出方法に従って異常ページを検出する。例えば、画像解析部33は、指示解析部30から受け取った指示が簡易検出を実行すべき指示であった場合には、その指示に従って以下のように簡易検出処理を実行する。
【0065】
まず、画像解析部33は、簡易検出処理を開始すると、記憶装置20に記憶されている印刷ジョブ23から印刷レイアウト49を読出す。このようにして画像解析部33は、印刷レイアウト49を取得する。印刷レイアウト49を取得すると、画像解析部33は、その印刷レイアウト49を解析して、その印刷レイアウト49の縦方向および横方向のいずれか一方向に沿って1ページずつ順に、異常ページであるか否かを検出していく。以下においては、1ページ目からページ順序に従って下方向に異常ページであるか否かの判断を行なう処理を例示する。この場合、画像解析部33は、まず1ページ目の印刷レイアウトを特定する。
【0066】
図9は、1ページ目の印刷レイアウト49aの一例を示す図である。図例に示すように、1ページ目の全領域50aには、予め余白53aが設定されており、実際に画像が印刷される領域は、その余白53aに囲まれた描画可能領域52aである。画像解析部33は、描画可能領域52a上において左上端に基準点59を設定する。ここで、基準点59は、全体的な画像領域51に対する1ページ目の相対的な位置に基づいて決定される。例えば、図7に示す画像領域51に対して1ページ目が左上端に位置する場合には、基準点59は、図9に示すように、1ページ目の描画可能領域52aにおいて左上端に設定される。また、例えば、図4に示すように、画像領域51に対して1ページ目が右上端に位置する場合には、基準点59は、1ページ目の描画可能領域52において右上端に設定される(図示せず)。
【0067】
次に、画像解析部33は、ページ順序が何れの方向であるかを印刷レイアウト49に基づき検出する。図7の例では、ページ順序は下方向であるので、画像解析部33は、ページ順序が下方向であることを検出する。
【0068】
画像解析部33は、ページ順序が下方向であることを検出すると、図9に示すように、基準点59から、ページ順序に従った下方向に対して所定の位置に、異常ページであるか否かを判断するための基準となる閾値60を設定する。この閾値60が設定される位置は、例えば、基準点59から描画可能領域52aの下端61までの全距離のうち、基準点59から、その全距離の90%程度離れた位置である。但し、閾値60を何れの位置に設定するかは、適宜設計が可能である。なお、例えば、ページ順序が右方向である場合には、画像解析部33は、基準点59から、ページ順序に従った右方向に対して所定の位置に閾値60を設定する。
【0069】
次に、画像解析部33は、画像領域51が基準点59から閾値60を超えた位置まで存在しているか否かを検出する。画像解析部33は、基準点59に画像領域51が存在しない場合には、1ページ目を異常ページであると判断する。また、例えば、画像解析部33は、基準点59の座標を基点として、画像領域51の下方向における最大座標を検出する。そして、画像解析部33は、下方向における画像領域51の最大座標と、下方向における閾値60の座標とを比較することによって異常ページであるか否かを判断する。画像解析部33は、下方向における画像領域51の最大座標が、下方向における閾値60の座標と同一か、又は下方向における画像領域51の最大座標が、下方向における閾値60の座標を超えている場合には、そのページを異常ページでないと判断する。
【0070】
一方、画像解析部33は、下方向における画像領域51の最大座標が、下方向における閾値60の座標に満たない場合には、そのページを異常ページであると判断する。これにより、例えば、印字量などを算出して異常ページであるか否かを判断する方法よりも処理負担が軽減される。図例では、画像領域51が閾値60を超えているので、画像解析部33は、1ページ目を異常ページでないと判断する。
【0071】
また、1ページ目が異常ページでない場合、上述したように、中間ページは異常ページである可能性がない。従って、1ページ目が異常ページでなければ、そのような中間ページである5〜7,9〜11ページ目は、異常ページであるか否かの判断対象から除外される。
【0072】
画像解析部33は、1ページ目が異常ページでない場合には、2ページ以降についても上記と同様にして基準点59と閾値60とを設定し、画像領域51が閾値60を超えているか否かに基づき異常ページを検出していく。画像解析部33は、最初に異常ページが検出されるまで、上記と同様の処理をページ順序に従って各ページで実行する。一方、画像解析部33は、最終ページまで異常ページが検出されない場合には、印刷制御部34に、印刷ジョブ23を実行するように指示する。また、画像解析部33は、1ページ目を異常ページとして検出した場合には、1ページ目の倍数に該当する全ページを候補ページとして特定する。すなわちこの場合、候補ページには全ページが該当するので、異常ページである1ページ目に対してページ順序とは異なる右方向に沿って位置する5〜13ページ目のそれぞれが候補ページに含まれている。
【0073】
画像解析部33は、2ページ目以降で最初に異常ページが検出されると以下のように処理を行なう。図10は、4ページ目の印刷レイアウト49dを示す図である。画像解析部33は、例えば2,3ページ目のそれぞれについて異常ページでないと判断すると、4ページ目について異常ページであるか否かの判断を行なう。図例に示すように、4ページ目は、画像領域51が閾値60を超えていない状態になっている。この場合、画像解析部33は、4ページ目を異常ページとして検出する。
【0074】
図11は、最初に異常ページが検出された場合の処理を模式的に示す図である。図11(a)に示すように、画像解析部33は、最初に異常ページを検出すると、その異常ページを基点として、それまでの検出方向と直交する他方向に沿って位置する各ページを候補ページとして検出する。以下においては、それまでの検出方向と直交する他方向に沿って位置する各ページを検出するために、最初に検出される異常ページのページ番号に基づき候補ページを特定する処理を例示する。例えば、画像解析部33は、最初に異常ページとして4ページ目を検出すると、その4ページ目の倍数となる倍数ページを特定する。すなわち、画像解析部33は、4ページ目の2倍のページ番号である8ページ目、4ページ目の3倍のページ番号である12ページ目、4ページ目の4倍のページ番号である16ページ目を特定する。画像解析部33は、最終ページを特定すると、倍数ページを特定する処理を終了する。
【0075】
画像解析部33は、最初に検出される異常ページに基づき倍数ページを特定すると、次に、その倍数ページのページ番号に基づき候補ページを更に特定する。すなわち、画像解析部33は、最終ページの1つ前に倍数ページとして判断されるページから、最終ページまでの間に含まれるページを特定し、特定した各ページを候補ページとして更に特定する。例えば、図11(b)に示す12ページ目を最終ページの1つ前の倍数ページであるとすると、画像解析部33は、12ページ目から最終ページである16ページ目までの間に含まれる13〜15ページ目を候補ページとして更に特定する。
【0076】
これら候補ページは、上述したように印刷レイアウトが異常になっている可能性があると判断されるページである。そのため、本実施形態では、これら候補ページについては、異常ページであるか否かの判断を行なわずに全てユーザに報知する。これにより、情報処理装置2は、全ての候補ページについて異常ページであるか否かの判断を行なう場合に比べ効率よく処理を進めることができる。
【0077】
次に、画像解析部33は、このようにして検出される異常ページと候補ページとを検出結果として表示制御部32に出力する。表示制御部32は、画像解析部33からの検出結果を受け取ると、その検出結果に基づきプレビュー画面を作成して表示部3に表示させる。
【0078】
図12は、表示制御部32によって表示部3に表示されるプレビュー画面55の一例を示す図である。プレビュー画面55には、画像解析部33によって検出される異常ページと候補ページとが表示される。これにより、ユーザは、印刷レイアウトに異常があったことを知ることができる。また、図例に示すように、プレビュー画面55には、印刷処理を実行させるための印刷実行ボタン55aと、印刷処理を中止するための印刷中止ボタン55bとが設けられている。
【0079】
印刷実行ボタン55a又は印刷中止ボタン55bが押下されたことによる決定結果は、指示解析部30に入力される。指示解析部30は、印刷実行ボタン55aが押下されたことを示す決定結果を入力した場合には、印刷制御部34に対して印刷処理を実行するように指示する。印刷制御部34は、指示解析部30からの指示を受付けると、記憶装置20から印刷ジョブ23を読出し、読み出した印刷ジョブ23を印刷装置5に出力する。これにより、印刷装置5によって印刷ジョブ23が実行される。
【0080】
一方、指示解析部30は、印刷中止ボタン55bが押下されたことを示す決定結果を入力した場合には、印刷ジョブ生成部31に対してその決定結果を出力する。印刷ジョブ生成部31は、指示解析部30からの指示を受け取ると記憶装置20に記憶されている印刷ジョブ23を削除する。このとき、表示制御部32は、印刷ジョブ23が削除されたことを示す削除通知画面を作成して表示部3に表示させても良い。
【0081】
ところで、画像領域51に対するページの割当て態様によっては、最終ページの1つ前に倍数ページが存在しない場合がある。例えば、図13に示すように、画像領域51は、縦方向に2ページ分、横方向に3ページ分の合計6ページに分割されるとする。そして、1ページ目は、画像領域の右上端に位置し、1ページ目から左方向にページ番号が割り付けられ、最終ページである6ページ目は、画像領域の左下端に位置するものとする。
【0082】
このような印刷レイアウト49に対して画像解析部33は、1ページ目からページ順序に従って左方向に異常ページであるか否かの判断を行なっていき、例えば3ページ目が異常ページになっていることを検出する。この場合、3ページ目の倍数ページは、最終ページである6ページ目のみであるので、最終ページの1つ前となる倍数ページが存在しないことになる。
【0083】
そこで、画像解析部33は、最終ページの1つ前となる倍数ページが存在しない場合、最初に検出される異常ページである3ページ目から最終ページである6ページ目までの間に含まれる4,5ページ目を更に候補ページとして検出する。
【0084】
以上の説明は、選択画面45において簡易検出が選択される場合について例示するものであったが、選択画面45において、最終ページ検出又は全ページ検出が選択される場合は、以下のように処理を実行する。すなわち、画像解析部33は、最終ページ検出を行なうべき指示を指示解析部30から受け取った場合には、記憶装置20に記憶されている印刷ジョブ23から印刷レイアウト49を読出す。画像解析部33は、印刷レイアウト49を読み出すと印刷レイアウト49から最終ページのみを抽出し、その最終ページについてのみ異常ページであるか否かを判断する。そして、画像解析部33は、最終ページが異常ページでない場合には、印刷制御部34に印刷ジョブ23を実行するように指示する。一方、画像解析部33は、最終ページが異常ページである場合には、表示制御部32に対して検出結果を出力する。その後の処理は、上記と同様であるので説明を省略する。
【0085】
一方、画像解析部33は、全ページ検出を行なうべき指示を指示解析部30から受け取った場合には、記憶装置20に記憶されている印刷ジョブ23から印刷レイアウト49を読出す。そして、1ページ目から最終ページまで1ページ毎に異常ページであるか否かを判断する。この場合、画像解析部33は、ページ順序に従って異常ページであるか否かを判断しても良いし、他に設定される順序に従って異常ページであるか否かを判断しても良い。そして、画像解析部33は、異常ページが検出されると表示制御部32に検出結果を出力し、異常ページが検出されなければ印刷制御部34に印刷ジョブ23を実行するように指示する。その後の処理は、上記と同様であるので説明を省略する。
【0086】
図14は、制御部10において行われる主たる処理手順の一例を示すフローチャートである。以下、図14を参照しつつ制御部10における主たる処理手順について説明する。
【0087】
まず、操作入力部4を介して指示解析部30が印刷指示を入力すると(ステップS1のYES)、印刷ジョブ生成部31は、印刷ジョブ23を生成して記憶装置20に記憶させる(ステップS2)。一方、表示制御部32は、指示解析部30による指示に従って選択画面45を表示部3に表示させる(ステップS3)。選択画面45に対する選択結果が入力され検出実行ボタン45aが押下されると(ステップS4のYES)、画像解析部33は、簡易検出が選択されたことを条件として(ステップS5のYES)、簡易検出処理を実行する(ステップS6)。
【0088】
一方、画像解析部33は、最終ページ検出又は全ページ検出が選択された場合には(ステップS5のNO)、最終ページ又は全ページから異常ページを検出する処理を開始する(ステップS7)。このとき、画像解析部33は、最終ページ検出が選択された場合には、最終ページのみ異常ページであるか否を判断する。一方、画像解析部33は、全ページ検出が選択された場合には、全ページについて1ページ毎に異常ページであるか否を判断する。画像解析部33は、異常ページを検出しなかった場合には(ステップS8のNO)、印刷制御部34に印刷ジョブ23を実行するように指示する(ステップS11)。これにより、印刷装置5によって印刷ジョブ23が実行される。一方、画像解析部33は、異常ページを検出した場合には(ステップS8のYES)、表示制御部32にプレビュー画面55を作成させる(ステップS9)。キャンセルボタン45bが押下された場合には(ステップS4のNO)、制御部10は、ステップS5〜S12をスキップする。
【0089】
簡易検出処理が終了すると、印刷制御部34は、印刷実行ボタン55aが押下されることを条件として(ステップS10のYES)、印刷装置5に印刷出力を実行するように指示する(ステップS11)。一方、印刷ジョブ生成部31は、印刷中止ボタン55bが押下されると(ステップS10のNO)、記憶装置20に記憶されている印刷ジョブ23を削除する(ステップS12)。以上のようにして、制御部10によって実行される主たる処理は終了する。
【0090】
図15は、制御部10によって実行される簡易検出処理の一例を示すフローチャートである。図例に示すように、この処理が開始されると、画像解析部33は、1ページ目から順に異常ページを検出する処理を開始し、最初に異常ページを検出した場合には(ステップS21のYES)、倍数ページを特定する(ステップS22)。一方、画像解析部33は、全ページを解析して異常ページを検出できなかった場合には(ステップS21のNO)、印刷制御部34に印刷ジョブ23を実行するように指示する。印刷制御部34は、画像解析部33から指示を受け取った場合には、印刷ジョブ23を記憶装置20から読出すと共に、印刷装置5に印刷ジョブ23を実行するように指示する(図14のステップS11に進む)。
【0091】
次に、画像解析部33は、最終ページを倍数ページとして特定すると(ステップS23のYES)、倍数ページ以外の候補ページを更に特定する(ステップS24)。すなわち、画像解析部33は、最終ページの1つ前に倍数ページとして判断されるページから、最終ページまでの間に含まれるページを特定し、特定した各ページを候補ページとして更に特定する。そして、画像解析部33は、検出結果を表示制御部32に出力する。表示制御部32は、画像解析部33から検出結果を受け取るとプレビュー画面55を作成して表示部3に表示させる(ステップS25)。以上のようにして簡易検出処理は終了する。
【0092】
以上のように、本実施形態では、画像解析部33は、異常ページが検出された後には、印刷レイアウト49の縦方向及び横方向の何れか一方向に沿って1ページずつ順に異常ページであるか否かを検出していき、異常ページが検出された後にはその異常ページから他方向に沿って位置する各ページを、候補ページとして検出する構成である。
【0093】
このような構成によれば、情報処理装置2は、異常ページが検出された後にはその異常ページから他方向に沿って位置する各ページを候補ページとして検出するので、全ページにおいて1ページ毎に異常ページであるか否かの判断を行なうよりも効率良く処理することができる。また、情報処理装置は、異常ページを検出した後には、画像解析を行うことなく候補ページを特定するので、画像解析によって異常ページを検出する処理よりも効率良く処理を進められる。
【0094】
また、本実施形態では、画像解析部33は、印刷ジョブ23に含まれる印刷レイアウト49を解析して、1ページ目から順に印刷レイアウト49に異常があるか否かを判断し、異常ページを検出した場合に、その異常ページの倍数となるページを倍数ページとして検出する。情報処理装置2は、上記のようにして画像解析部33によって検出される異常ページと倍数ページとに基づきプレビュー画面55を作成して表示部3に表示する構成である。
【0095】
このような構成によれば、異常ページを検出した後は、その異常ページの倍数となるページを特定すれば良いので、情報処理装置2は、全ページについて1ページ毎に異常ページであるか否を判断する場合に比べて効率よく処理することができる。また、情報処理装置2は、最初に異常ページを検出した後には、画像解析を行うことなく倍数ページを特定するので、画像解析によって異常ページを検出する処理よりも効率良く処理を進められる。
【0096】
また、本実施形態では、画像解析部33は、1つのページにおいて縦方向又は横方向に対して予め設定される閾値60に画像領域51が満たないときに異常ページであると判断する構成である。このような構成によれば、情報処理装置2は、1つのページにおいて縦方向又は横方向に対して画像領域51が閾値60を超えるか否かを判断するだけで良いので処理が簡易であり、例えば、印字量などを算出するような複雑な処理を必要としないで済む。これにより処理負担が軽減される。
【0097】
また、本実施形態では、画像解析部33は、更に、最終ページの1つ前に倍数ページとして検出されるページから最終ページまでの間に含まれるページを候補ページとして更に特定する構成である。このような構成によれば、情報処理装置2は、倍数ページに基づいて更なるページを特定するだけで良いので、1ページ毎に異常ページであるか否かを判断するよりも効率よく処理することができる。
【0098】
また、本実施形態では、画像解析部33は、更に、最終ページの1つ前となる倍数ページが存在しない場合、異常ページから最終ページまでの間に含まれるページを更に候補ページとして検出する構成である。このような構成によれば、最終ページの1つ前に候補ページとして検出される倍数ページが存在しない場合であっても候補ページを特定することが可能である。
【0099】
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、候補ページについては異常ページであるか否かの判断は行なわれなかったが、第2の実施形態では、候補ページについても異常ページであるか否かが判断される。第2の実施形態において情報処理装置2が備える構成は、上述した第1の実施形態と同様であるので重複する説明を省略する。また、以下においては、図7に示した印刷レイアウト49に基づく簡易検出処理において、倍数ページである4,8,12及び16ページが既に候補ページとして特定されており、更に倍数ページ以外の候補ページとして13,14及び15ページ目が特定されているものとする。
【0100】
画像解析部33は、候補ページのうち倍数ページについては、最初に異常ページを検出するときの処理(図9,図10)と同様に、描画可能領域52において基準点59から下方向に対して閾値60を設定することによって、異常ページであるか否かを判断する。そして、画像解析部33は、例えば、倍数ページである4,8,12及び16を異常ページであるとして検出する。
【0101】
図16は、候補ページとして13ページ目の印刷レイアウト49の一例を示す図である。画像解析部33は、簡易検出処理を実行して倍数ページ以外の候補ページを特定すると、例えば13ページ目において、上記と同様にして基準点59を設定する。そして、画像解析部33は、基準点59を基点として、最初に異常ページを検出するために用いた検出方向とは別の方向に閾値60を設定する。例えば、最初に異常ページを検出するために下方向において閾値60を設定した場合には、画像解析部33は、基準点59を基点として、描画可能領域52mの右方向における所定位置に閾値60を設定する。この閾値60が設定される位置は、例えば、基準点59から描画可能領域52mの右端62までの全距離のうち、基準点59から、その全距離の90%程度離れた位置である。但し、閾値60を何れの位置に設定するかは、適宜設計が可能である。
【0102】
次に、画像解析部33は、候補ページに含まれる画像領域51が閾値60を超えるか否かを判断する。画像解析部33は、画像領域51が閾値60を含むか又は超える場合には、その画像領域51に対応するページを異常ページでないと判断する。一方、画像解析部33は、画像領域51が閾値60に満たない場合には、その画像領域51に対応するページを異常ページである判断する。図例では、13ページ目に含まれる画像領域51は、閾値60を超えていない。この場合、画像解析部33は、13ページ目が異常ページであると判断する。
【0103】
画像解析部33は、14,15ページ目についても13ページ目と同様の処理を実行し、例えば、14,15ページ目のそれぞれが異常ページであると判断する。画像解析部33は、このようにして候補ページのうちから異常ページを検出する。そして、画像解析部33は、検出される全ての異常ページを検出結果として表示制御部32に出力する。表示制御部32は、検出結果を受け取ると上記と同様にしてプレビュー画面55を作成して表示部3に表示させる。その後の処理については、上記と同様であるので説明を省略する。
【0104】
図17は、第2の実施形態において、制御部10によって実行される簡易検出処理の一例を示すフローチャートである。図例に示すように、この処理が開始されると、画像解析部33は、1ページ目から順に異常ページを検出する処理を開始し、最初に異常ページを検出した場合には(ステップS31のYES)、倍数ページを特定する(ステップS32)。一方、画像解析部33は、全ページを解析して異常ページを検出できなかった場合には(ステップS31のNO)、印刷制御部34に対して印刷ジョブ23を実行するように指示する。印刷制御部34は、画像解析部33からの指示を受け取った場合には、印刷ジョブ23を記憶装置20から読出すと共に、印刷装置5に印刷ジョブ23を実行させる(図14のステップS11に進む)。
【0105】
次に、画像解析部33は、最終ページを倍数ページとして特定した場合には(ステップS33のYES)、倍数ページ以外の候補ページを更に特定する(ステップS34)。すなわち、画像解析部33は、最終ページの1つ前に倍数ページとして判断されるページから、最終ページまでの間に含まれるページを特定し、特定した各ページを候補ページとして更に特定する。そして、画像解析部33は、特定した候補ページについてのみ異常ページであるか否かを判断する(ステップS35)。画像解析部33は、全ての候補ページについて異常ページであるか否かの判断が終了すると(ステップS36のYES)、検出結果を表示制御部32に出力する。表示制御部32は、画像解析部33から検出結果を受け取るとプレビュー画面55を作成して表示部3に表示させる(ステップS37)。以上のようにして簡易検出処理は終了する。
【0106】
以上のように、本実施形態では、画像解析部33は、候補ページの印刷レイアウトに異常があるか否かを更に判断し、印刷レイアウトに異常のあるページを異常ページとして検出する構成である。このような構成によれば、情報処理装置2は、候補ページの印刷レイアウトに異常があるか否かを更に判断するので、予想に基づき候補ページを検出する場合とは異なり、異常ページと判断されるページのみを表示することが可能である。
【0107】
(変形例)
以上、本発明に関する一実施形態について説明したが、本発明は上述した内容に限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
【0108】
上述した実施形態では、異常ページ及び候補ページを検出した場合には、単にそれらのページを報知するように構成されていたがこれに限られない。例えば、情報処理装置2は、自動で印刷レイアウトを適切に調節するように構成されても良い。例えば、制御部10には、更に、レイアウト修正部を備える。そして、レイアウト修正部は、画像解析部33によって異常ページ及び候補ページが検出されると、その検出結果を受け取る。レイアウト修正部は、検出結果を受け取ると、記憶装置20に記憶されている印刷ジョブ23から印刷レイアウト49を読出し、画像領域51と全領域50との比率が適正になるように画像領域51を拡大又は縮小する。例えば、図7の例では、レイアウト修正部は、予め設定される条件に基づき画像領域51を縮小して全9ページに適正に収まるように印刷レイアウトを修正するか、又は画像領域51を拡大して全16ページに適正に収まるように印刷レイアウトを修正する。そして、表示制御部32は、レイアウト修正部から修正結果を受け取ると、修正後の印刷レイアウトを表示部3にプレビュー表示させる。これにより自動で印刷レイアウトが修正されるので、ユーザにとっては、印刷レイアウトを修正する手間が省ける。
【0109】
また、上述した実施形態では、印刷実行プログラム22がプリンタドライバである構成を例示したが、印刷実行プログラム22は、例えば、プリンタドライバとは別に用意されるアプリケーションソフトウエアであっても良い。そして、そのアプリケーションソフトウエアは、プリンタドライバから出力される印刷ジョブを受け取って上記と同様にして印刷レイアウトの異常を検出するように構成しても良い。
【0110】
すなわち、この場合、制御部10において、印刷ジョブ生成部31の代わりに印刷ジョブ入力部を設ける。そして、印刷ジョブ入力部は、プリンタドライバから印刷ジョブを入力すると、印刷ジョブを記憶装置20に記憶させると共に、指示解析部30に対して印刷ジョブを入力したことを通知する。指示解析部30は、その通知を受け取ると表示制御部32に選択画面45を表示させる。その他の構成は上記と同様であるので説明を省略する。
【符号の説明】
【0111】
1 情報処理システム
2 情報処理装置
3 表示部(表示手段)
5 印刷装置
7 ネットワーク
10 制御部
20 記憶装置
23 印刷ジョブ
31 印刷ジョブ生成部(印刷ジョブ生成手段)
32 表示制御部(表示制御手段)
33 画像解析部(画像解析手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ジョブを生成して出力する情報処理装置であって、
各種情報を表示する表示手段と、
印刷対象となる画像データを取得し、当該画像データに含まれる矩形の画像領域を複数のページに跨って配置した印刷レイアウトを設定し、該印刷レイアウトに基づいて印刷ジョブを生成する印刷ジョブ生成手段と、
前記印刷ジョブに設定された印刷レイアウトを取得し、該印刷レイアウトの縦方向および横方向のいずれか一方向に沿って1ページずつ順に、画像領域が所定値に満たない異常ページであるか否かを検出していき、異常ページが検出された後にはその異常ページから他方向に沿って位置する各ページを、画像領域が所定値に満たない可能性のある候補ページとして検出する画像解析手段と、
前記画像解析手段によって検出される異常ページと候補ページとを前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記画像解析手段は、前記印刷レイアウトの縦方向および横方向のいずれか一方向に沿って1ページ目からページ順序に従って異常ページであるか否かを検出していき、異常ページが検出された後にはその異常ページの倍数となる倍数ページを候補ページとして検出することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記画像解析手段は、1つのページにおいて、所定の基準位置から縦方向又は横方向に対して予め設定される閾値まで画像領域が満たないときに異常ページであるとして検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記画像解析手段は、最終ページの1つ前に倍数ページとして検出されるページから最終ページまでの間に含まれるページを更に候補ページとして検出することを特徴とする請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記画像解析手段は、更に、最終ページの1つ前となる倍数ページが存在しない場合、異常ページから最終ページまでの間に含まれるページを更に候補ページとして検出することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記画像解析手段は、候補ページの印刷レイアウトに異常があるか否かを更に判断し、印刷レイアウトに異常のあるページを異常ページとして検出することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
各種情報を表示する表示手段を備え、印刷ジョブを生成して出力する情報処理装置において実行される情報処理方法であって、
印刷対象となる画像データを取得し、当該画像データに含まれる矩形の画像領域を複数のページに跨って配置した印刷レイアウトを設定し、該印刷レイアウトに基づいて印刷ジョブを生成する印刷ジョブ生成ステップと、
前記印刷ジョブに設定された印刷レイアウトを取得し、該印刷レイアウトの縦方向および横方向のいずれか一方向に沿って1ページずつ順に、画像領域が所定値に満たない異常ページであるか否かを検出していき、異常ページが検出された後にはその異常ページから他方向に沿って位置する各ページを、画像領域が所定値に満たない可能性のある候補ページとして検出する画像解析ステップと、
前記画像解析ステップによって検出される異常ページと候補ページとを前記表示手段に表示させる表示制御ステップと、
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
各種情報を表示する表示手段を備え、印刷ジョブを生成して出力する情報処理装置において実行されるプログラムであって、前記情報処理装置を、
印刷対象となる画像データを取得し、当該画像データに含まれる矩形の画像領域を複数のページに跨って配置した印刷レイアウトを設定し、該印刷レイアウトに基づいて印刷ジョブを生成する印刷ジョブ生成手段、
前記印刷ジョブに設定された印刷レイアウトを取得し、該印刷レイアウトの縦方向および横方向のいずれか一方向に沿って1ページずつ順に、画像領域が所定値に満たない異常ページであるか否かを検出していき、異常ページが検出された後にはその異常ページから他方向に沿って位置する各ページを、画像領域が所定値に満たない可能性のある候補ページとして検出する画像解析手段、
前記画像解析手段によって検出される異常ページと候補ページとを前記表示手段に表示させる表示制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
印刷ジョブを生成して出力する情報処理装置であって、
各種情報を表示する表示手段と、
印刷対象となる画像データを取得し、当該画像データに含まれる矩形の画像領域を複数のページに跨って配置した印刷レイアウトを設定し、該印刷レイアウトに基づいて印刷ジョブを生成する印刷ジョブ生成手段と、
前記印刷ジョブに設定された印刷レイアウトを取得し、該印刷レイアウトの縦方向および横方向のいずれか一方向に沿って1ページずつ順に、画像領域が所定値に満たない異常ページであるか否かを検出していき、異常ページが検出された後にはその異常ページから他方向に沿って位置する各ページを、画像領域が所定値に満たない可能性のある候補ページとして検出する画像解析手段と、
前記画像解析手段によって検出される異常ページと候補ページとを前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記画像解析手段は、前記印刷レイアウトの縦方向および横方向のいずれか一方向に沿って1ページ目からページ順序に従って異常ページであるか否かを検出していき、異常ページが検出された後にはその異常ページの倍数となる倍数ページを候補ページとして検出することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記画像解析手段は、1つのページにおいて、所定の基準位置から縦方向又は横方向に対して予め設定される閾値まで画像領域が満たないときに異常ページであるとして検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記画像解析手段は、最終ページの1つ前に倍数ページとして検出されるページから最終ページまでの間に含まれるページを更に候補ページとして検出することを特徴とする請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記画像解析手段は、更に、最終ページの1つ前となる倍数ページが存在しない場合、異常ページから最終ページまでの間に含まれるページを更に候補ページとして検出することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記画像解析手段は、候補ページの印刷レイアウトに異常があるか否かを更に判断し、印刷レイアウトに異常のあるページを異常ページとして検出することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
各種情報を表示する表示手段を備え、印刷ジョブを生成して出力する情報処理装置において実行される情報処理方法であって、
印刷対象となる画像データを取得し、当該画像データに含まれる矩形の画像領域を複数のページに跨って配置した印刷レイアウトを設定し、該印刷レイアウトに基づいて印刷ジョブを生成する印刷ジョブ生成ステップと、
前記印刷ジョブに設定された印刷レイアウトを取得し、該印刷レイアウトの縦方向および横方向のいずれか一方向に沿って1ページずつ順に、画像領域が所定値に満たない異常ページであるか否かを検出していき、異常ページが検出された後にはその異常ページから他方向に沿って位置する各ページを、画像領域が所定値に満たない可能性のある候補ページとして検出する画像解析ステップと、
前記画像解析ステップによって検出される異常ページと候補ページとを前記表示手段に表示させる表示制御ステップと、
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
各種情報を表示する表示手段を備え、印刷ジョブを生成して出力する情報処理装置において実行されるプログラムであって、前記情報処理装置を、
印刷対象となる画像データを取得し、当該画像データに含まれる矩形の画像領域を複数のページに跨って配置した印刷レイアウトを設定し、該印刷レイアウトに基づいて印刷ジョブを生成する印刷ジョブ生成手段、
前記印刷ジョブに設定された印刷レイアウトを取得し、該印刷レイアウトの縦方向および横方向のいずれか一方向に沿って1ページずつ順に、画像領域が所定値に満たない異常ページであるか否かを検出していき、異常ページが検出された後にはその異常ページから他方向に沿って位置する各ページを、画像領域が所定値に満たない可能性のある候補ページとして検出する画像解析手段、
前記画像解析手段によって検出される異常ページと候補ページとを前記表示手段に表示させる表示制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−230450(P2012−230450A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−96727(P2011−96727)
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]