説明

情報処理装置、拡張現実感システム、情報処理方法、及び情報処理プログラム

【課題】物理オブジェクトとアノテーションとの関連性を保証することが可能な情報処理装置を提供する。
【解決手段】画像取得部302と、物理オブジェクト識別情報を検出する識別情報検出部303、305、306と、物理オブジェクト識別情報と、物理オブジェクトのアノテーションと、物理オブジェクトと前記アノテーションとの物理的な対応度を示す対応度情報と、を取得する通信部307と、識別情報検出部により検出された物理オブジェクト識別情報と、通信部307により取得された物理オブジェクト識別情報と、が略一致するか否かを判定する識別情報判定部309と、略一致すると判定された場合、物理オブジェクトのアノテーションの対応度情報が、所定の利用ポリシを満たすか否かを判定する利用ポリシ判定部310と、利用ポリシ判定部310により利用ポリシを満たすと判定された場合、アノテーションを提示する表示部312と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、拡張現実感システム、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。特に、現実環境の対象物(物理オブジェクト)に関する情報(アノテーション)をユーザに提供する拡張現実感(AR:Augmented Reality)システムで用いられる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、現実環境にコンピュータを用いて情報を付加提示する技術、及び情報を付加提示された環境そのものを示す言葉として、「拡張現実感(拡張現実ともいう)」が知られつつある。拡張現実感技術では、現実環境における特定の物体に関する説明や関連情報を含む電子情報(アノテーション)が、説明対象となる実物体(物理オブジェクト)に対応付けて提示される。
【0003】
拡張現実感に関する技術として、以下のような技術が知られている。例えば、撮影映像の部分映像から抽出された視覚的特徴情報と、記憶装置により記憶されている物理オブジェクトの視覚的特徴情報と、の類似度を算出し、算出された類似度により、物理オブジェクトが撮影映像に存在するか否かを判定する。そして、物理オブジェクトが撮影映像に存在しない場合には、アノテーションを表示しないようにする装置が知られている(例えば、特許文献1参照)
【0004】
また、実世界映像に映し出される物理オブジェクトと実世界映像の視点との距離し、取得された距離に応じて、アノテーションの表示を変更する装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
また、場所と情報との対応付けが特定の人間の主観や製作意図によらず、ユーザの現在、過去、未来の文脈情報が反映された情報をユーザに提供する装置が知られている(特許文献3参照)。この装置では、ユーザの履歴ベースで位置に関する情報を検索する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4488233号公報
【特許文献2】国際公開第2010/073616号パンフレット
【特許文献3】特開2001−306604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術では、上記のような特徴情報、距離情報、位置情報に基づいて、物理オブジェクトに対してアノテーションの表示等を行っているが、ユーザにとっては、どのように物理オブジェクトとアノテーションを認識しているか不明である。したがって、ユーザは、物理オブジェクトとアノテーションとの関連性を把握することができない。今後、拡張現実感システムが普及していくと考えられるが、物理オブジェクトとアノテーションとの関連性を十分に保証できなければ、安心して拡張現実感システムを使用することができないと考えられる。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、物理オブジェクトとアノテーションとの関連性を保証することが可能な情報処理装置、拡張現実感システム、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の情報処理装置は、画像を取得する画像取得部と、前記画像に含まれる物理オブジェクトを識別するための物理オブジェクト識別情報を検出する識別情報検出部と、所定の物理オブジェクトを識別するための物理オブジェクト識別情報と、前記物理オブジェクトのアノテーションと、前記物理オブジェクトと前記アノテーションとの物理的な対応度を示す対応度情報と、を取得する情報取得部と、前記識別情報検出部により検出された物理オブジェクト識別情報と、前記情報取得部により取得された物理オブジェクト識別情報と、が略一致するか否かを判定する識別情報判定部と、前記識別情報判定部により略一致すると判定された場合、前記物理オブジェクトの前記アノテーションの前記対応度情報が、所定の利用ポリシを満たすか否かを判定する利用ポリシ判定部と、前記利用ポリシ判定部により前記利用ポリシを満たすと判定された場合、前記アノテーションを提示するアノテーション提示部と、を備える。
【0010】
この構成により、物理オブジェクトとアノテーションとの関連性を保証することが可能である。すなわち、物理オブジェクトに対応するアノテーションのうち、信頼性の高いアノテーションが簡単に識別できるように、ユーザに提示することができる。したがって、ユーザは提示されたアノテーションを安心して利用することができる。
【0011】
また、本発明の情報処理装置は、前記情報取得部が、前記物理オブジェクトと前記アノテーションとの意味的な関連度を示す関連度情報を取得し、前記利用ポリシ判定部が、前記識別情報判定部により略一致すると判定された場合、前記物理オブジェクトの前記アノテーションの前記対応度情報と前記関連度情報とが、所定の利用ポリシを満たすか否かを判定する。
【0012】
この構成により、物理オブジェクトとアノテーションとの関連性を対応度及び関連度により保証することが可能である。対応度のみで信頼性を判断するよりも、更に信頼性が向上する。
【0013】
また、本発明の情報処理装置は、前記アノテーション提示部が、前記利用ポリシ判定部により前記利用ポリシを満たすと判定された場合、前記アノテーションと同時に、前記利用ポリシを満たしている旨を表示する。
【0014】
この構成により、例えば、利用ポリシを満たしていることを文字、アイコン色等により提示することで、ユーザはアノテーションが利用ポリシを満たしていることを確実に認識することができる。
【0015】
また、本発明の情報処理装置は、前記識別情報検出部が、当該情報処理装置の位置に係る位置情報を検出する位置情報検出部と、当該情報処理装置から前記画像に含まれる物理オブジェクトまでの距離に係る距離情報と、を検出する距離情報検出部と、を備え、前記情報取得部は、当該情報処理装置の位置に係る位置情報と前記物理オブジェクトまでの距離に係る距離情報に基づいて、前記物理オブジェクト識別情報として、所定の物理オブジェクトの位置に係る位置情報を取得し、前記識別情報判定部が、前記情報取得部により取得された位置情報と前記位置情報検出部により検出された位置情報とが略一致し、前記情報取得部により取得された距離情報と前記距離情報検出部により検出された距離情報とが略一致するか否かを判定する。
【0016】
この構成により、投稿者が所有する情報処理装置で検出された物理オブジェクト識別情報に係る物理オブジェクトと、閲覧者が現在表示している物理オブジェクトの一致を確認することができる。つまり、位置情報、距離情報に基づいて物理オブジェクトを識別することで、信頼性の高いアノテーションのみユーザに提示することができる。
【0017】
また、本発明の情報処理装置は、前記識別情報検出部が、前記画像に含まれる前記物理オブジェクトの特徴に係る特徴情報を抽出する特徴情報抽出部、を備え、前記情報取得部は、前記物理オブジェクト識別情報として、前記物理オブジェクトの特徴に係る特徴情報を取得し、前記識別情報判定部が、前記情報取得部により取得された特徴情報と前記特徴情報抽出部により抽出された特徴情報とが略一致するか否かを判定する。
【0018】
この構成により、位置情報、距離情報とともに特徴情報に基づいて物理オブジェクトを識別することで、信頼性の高いアノテーションのみユーザに提示することができる。
【0019】
また、本発明の情報処理装置は、前記識別情報検出部が、当該情報処理装置の位置に係る位置情報を検出する位置情報検出部と、当該情報処理装置から前記画像に含まれる物理オブジェクトまでの距離に係る距離情報を検出する距離情報検出部と、前記画像に含まれる前記物理オブジェクトの特徴に係る特徴情報を抽出する特徴情報抽出部と、を備え、前記情報取得部が、前記物理オブジェクト識別情報として、所定の物理オブジェクトの位置に係る位置情報と、前記物理オブジェクトまでの距離に係る距離情報と、前記物理オブジェクトの特徴に係る特徴情報と、を取得し、前記識別情報判定部が、前記情報取得部により取得された位置情報と前記位置情報検出部により検出された位置情報とが略一致し、前記情報取得部により取得された距離情報と前記距離情報検出部により検出された距離情報とが略一致し、かつ、前記情報取得部により取得された特徴情報と前記特徴情報抽出部により抽出された特徴情報とが略一致するか否かを判定する。
【0020】
この構成により、位置情報、距離情報、特徴情報に基づいて物理オブジェクトを識別することで、信頼性の高いアノテーションのみユーザに提示することができる。
【0021】
また、本発明の情報処理装置は、前記アノテーション提示部が、前記画像取得部により取得された画像に含まれる物理オブジェクトに対応付けて前記アノテーションを表示する。
【0022】
この構成により、アノテーションがどの物理オブジェクトに対して付加されたものであるかを容易に理解することができる。
【0023】
また、本発明の情報処理装置は、前記アノテーション提示部が、前記対応度または前記関連度が大きい順に、前記アノテーションを提示する情報処理装置。
【0024】
この構成により、1つの物理オブジェクトに複数のアノテーションが投稿されている場合には、信頼性の高いアノテーションを優先的に提示することができる。
【0025】
また、本発明の情報処理装置は、前記所定の利用ポリシが、前記対応度及び前記関連度のそれぞれ又は合計値が所定値以上であることである。
【0026】
この構成により、対応度及び関連度が所定値以上である場合に限り、アノテーションを提示させることができる。
【0027】
また、本発明の情報処理装置は、前記アノテーション提示部が、前記対応度及び前記関連度の少なくとも1つを前記アノテーションと同時に提示する情報処理装置。
【0028】
この構成により、ユーザは対応度又は関連度を認識することができる。
【0029】
また、本発明の情報処理装置は、画像を取得する画像取得部と、前記画像に含まれる物理オブジェクトを識別するための物理オブジェクト識別情報を検出する識別情報検出部と、前記物理オブジェクトのアノテーションを生成するアノテーション生成部と、前記物理オブジェクト毎に、前記アノテーション生成部により生成されたアノテーションと、前記識別情報検出部により検出された物理オブジェクト識別情報と、を送出する送出部と、を備える。
【0030】
この構成により、物理オブジェクト識別情報に基づいて対応度及び関連度を生成させることができ、生成されたアノテーションが信頼性の高いアノテーションであると判断させることができる。
【0031】
また、本発明の情報処理装置は、前記識別情報検出部が、当該情報処理装置の位置に係る位置情報を検出する位置情報検出部と、当該情報処理装置から前記画像に含まれる物理オブジェクトまでの距離に係る距離情報を検出する距離情報検出部と、前記画像に含まれる前記物理オブジェクトの特徴に係る特徴情報を抽出する特徴情報抽出部と、を備え、前記送出部が、前記物理オブジェクト識別情報として、前記位置情報と前記距離情報と前記特徴情報とを送出する。
【0032】
この構成により、位置情報、距離情報、特徴情報に基づいて物理オブジェクトを識別させることで、信頼性の高いアノテーションであると判断させることができる。
【0033】
また、本発明の情報処理装置は、物理オブジェクトを識別するための物理オブジェクト識別情報と、前記物理オブジェクトのアノテーションとを取得する情報取得部と、前記物理オブジェクト識別情報に基づいて、前記物理オブジェクトと当該物理オブジェクトのアノテーションとの物理的な対応度を算出する対応度算出部と、を備える。
【0034】
この構成により、物理オブジェクトとアノテーションとの対応度を算出することで、アノテーションの信頼度を例えば数値化して提供することができる。
【0035】
また、本発明の情報処理装置は、前記物理オブジェクトの識別情報とアノテーションに基づいて、前記物理オブジェクトと前記アノテーションとの意味的な関連度を算出する関連度算出部を備える。
【0036】
この構成により、物理オブジェクトとアノテーションとの関連度を更に算出することで、アノテーションの信頼度を例えば数値化して提供することができる。
【0037】
また、本発明の情報処理装置は、前記対応度算出部により算出された対応度に係る対応度情報と、前記関連度算出部により算出された関連度に係る関連度情報と、を送出する送出部を備える情報処理装置。
【0038】
この構成により、閲覧者へ詳細なアノテーションの情報を提供することができるので、閲覧者はアノテーションの信頼性を確認することができる。
【0039】
また、本発明の情報処理装置は、前記物理オブジェクト識別情報が、前記情報処理装置の位置に係る位置情報と、前記物理オブジェクトまでの距離に係る距離情報と、前記物理オブジェクトの特徴に係る特徴情報と、を含み、前記対応度算出部が、前記特徴情報及び前記距離情報に基づいて識別レベルを算出し、前記位置情報に基づいて測位レベルを算出し、前記識別レベル及び前記測位レベルに基づいて前記対応度を算出する。
【0040】
この構成により、識別レベルと測位レベルから、精度の高い対応度を算出できる。
【0041】
また、本発明の情報処理装置は、前記物理オブジェクト識別情報と、前記物理オブジェクト識別情報により識別される物理オブジェクトに係る語句情報を含む物理オブジェクト情報と、を対応付けて記憶する物理オブジェクト情報記憶部と、前記情報取得部により取得されたアノテーションから当該アノテーションに係るテキスト情報を取得するテキスト情報取得部と、を備え、前記関連度算出部が、前記情報取得部により取得されたアノテーションから前記テキスト情報取得部により取得された前記テキスト情報に含まれる語句情報のうち、前記情報取得部により取得され前記物理オブジェクト情報記憶部により記憶された物理オブジェクト識別情報に対応付けられた前記物理オブジェクト情報に含まれる語句情報に基づいて、前記関連度を算出する。
【0042】
この構成により、アノテーションに関連するテキスト情報から、精度の高い関連度を算出できる。
【0043】
また、本発明の情報処理装置は、前記語句情報が、前記物理オブジェクトの名称の情報と、前記物理オブジェクトに関連する語句である関連語の情報と、前記物理オブジェクトとは関連性の低い語句である非関連語の情報と、を含む。
【0044】
この構成により、アノテーションに関連する物理オブジェクトの名称、関連語、非関連語から、精度の高い関連度を算出できる。
【0045】
また、本発明の拡張現実感システムは、物理オブジェクトに対応するアノテーションを提供する情報提供装置と、前記アノテーションを管理する情報管理サーバと、前記アノテーションを提示する情報提示装置と、を備える拡張現実感システムであって、前記情報提供装置が、画像を取得する画像取得部と、前記画像に含まれる物理オブジェクトを識別するための物理オブジェクト識別情報を検出する識別情報検出部と、前記物理オブジェクトのアノテーションを生成するアノテーション生成部と、前記物理オブジェクト毎に、前記アノテーション生成部により生成されたアノテーションと、前記識別情報検出部により検出された物理オブジェクト識別情報と、を送出する送出部と、を備え、前記情報管理サーバが、前記情報提供装置からの前記物理オブジェクト識別情報と前記アノテーションとを取得する情報取得部と、前記物理オブジェクト識別情報に基づいて、前記物理オブジェクトと当該物理オブジェクトのアノテーションとの物理的な対応度を算出する対応度算出部と、前記物理オブジェクト識別情報と、前記アノテーションと、前記対応度情報と、を送出する送出部と、を備え、前記情報提示装置が、画像を取得する画像取得部と、前記画像に含まれる物理オブジェクトを識別するための物理オブジェクト識別情報を検出する識別情報検出部と、前記情報管理サーバからの所定の物理オブジェクトを識別するための前記物理オブジェクト識別情報と、前記物理オブジェクトのアノテーションと、前記対応度情報と、を取得する情報取得部と、前記識別情報検出部により検出された物理オブジェクト識別情報と、前記情報取得部により取得された物理オブジェクト識別情報と、が略一致するか否かを判定する識別情報判定部と、前記識別情報判定部により略一致すると判定された場合、前記物理オブジェクトの前記アノテーションの前記対応度情報が、所定の利用ポリシを満たすか否かを判定する利用ポリシ判定部と、前記利用ポリシ判定部により前記利用ポリシを満たすと判定された場合、前記アノテーションを提示するアノテーション提示部と、を備える。
【0046】
この構成により、物理オブジェクト識別情報に基づいて対応度を生成させることができ、生成されたアノテーションが信頼性の高いアノテーションであると判断させることができる。また、物理オブジェクトとアノテーションとの対応度を算出することで、アノテーションの信頼度を例えば数値化して提供することができる。さらに、物理オブジェクトとアノテーションとの関連性を保証することが可能である。すなわち、物理オブジェクトに対応するアノテーションのうち、信頼性の高いアノテーションが簡単に識別できるように、ユーザに提示することができる。したがって、ユーザは提示されたアノテーションを安心して利用することができる。
【0047】
また、本発明の第1の情報処理方法は、画像を取得するステップと、前記画像に含まれる物理オブジェクトを識別するための物理オブジェクト識別情報を検出するステップと、所定の物理オブジェクトを識別するための物理オブジェクト識別情報と、前記物理オブジェクトのアノテーションと、前記物理オブジェクトと前記アノテーションとの物理的な対応度を示す対応度情報と、を取得するステップと、前記検出された物理オブジェクト識別情報と、前記取得された物理オブジェクト識別情報と、が略一致するか否かを判定するステップと、前記略一致すると判定された場合、前記物理オブジェクトの前記アノテーションの前記対応度情報が、所定の利用ポリシを満たすか否かを判定するステップと、前記利用ポリシを満たすと判定された場合、前記アノテーションを提示するステップと、を有する。
【0048】
この方法により、物理オブジェクトとアノテーションとの関連性を保証することが可能である。すなわち、物理オブジェクトに対応するアノテーションのうち、信頼性の高いアノテーションが簡単に識別できるように、ユーザに提示することができる。したがって、ユーザは提示されたアノテーションを安心して利用することができる。
【0049】
また、本発明の第2の情報処理方法は、画像を取得するステップと、前記画像に含まれる物理オブジェクトを識別するための物理オブジェクト識別情報を検出するステップと、前記物理オブジェクトのアノテーションを生成するステップと、前記物理オブジェクト毎に、前記生成されたアノテーションと、前記検出された物理オブジェクト識別情報と、を送出するステップと、を有する。
【0050】
この方法により、物理オブジェクト識別情報に基づいて対応度及び関連度を生成させることができ、生成されたアノテーションが信頼性の高いアノテーションであると判断させることができる。
【0051】
また、本発明の第3の情報処理方法は、物理オブジェクトを識別するための物理オブジェクト識別情報と、前記物理オブジェクトのアノテーションとを取得するステップと、前記物理オブジェクト識別情報に基づいて、前記物理オブジェクトと当該物理オブジェクトのアノテーションとの物理的な対応度を算出するステップと、を有する。
【0052】
この方法により、物理オブジェクトとアノテーションとの対応度を算出することで、アノテーションの信頼度を例えば数値化して提供することができる。
【0053】
また、本発明の情報処理プログラムは、第1の情報処理方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0054】
このプログラムにより、物理オブジェクトとアノテーションとの関連性を保証することが可能である。すなわち、物理オブジェクトに対応するアノテーションのうち、信頼性の高いアノテーションが簡単に識別できるように、ユーザに提示することができる。したがって、ユーザは提示されたアノテーションを安心して利用することができる。
【0055】
また、本発明の情報処理プログラムは、第2の情報処理方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0056】
このプログラムにより、物理オブジェクト識別情報に基づいて対応度及び関連度を生成させることができ、生成されたアノテーションが信頼性の高いアノテーションであると判断させることができる。
【0057】
また、本発明の情報処理プログラムは、第3の情報処理方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0058】
このプログラムにより、物理オブジェクトとアノテーションとの対応度を算出することで、アノテーションの信頼度を例えば数値化して提供することができる。
【発明の効果】
【0059】
本発明によれば、物理オブジェクトとアノテーションとの関連性を保証することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施形態における対応度と関連度とを説明するためのイメージ図
【図2】本発明の実施形態における拡張現実感システムの構成例を示すブロック図
【図3】本発明の実施形態における情報提供装置の構成例を示すブロック図
【図4】本発明の実施形態における情報管理サーバの構成例を示すブロック図
【図5】本発明の実施形態における情報表示装置の構成例を示すブロック図
【図6】本発明の実施形態における物理オブジェクト識別情報の一例を示す図
【図7】本発明の実施形態における情報提供装置の動作例を示すフローチャート
【図8】本発明の実施形態における情報提供装置の動作例を示すフローチャート
【図9】本発明の実施形態における情報提供装置の動作例を示すフローチャート(図8の続き)
【図10】本発明の実施形態における情報提供装置の動作例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0061】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0062】
本実施形態では、物理オブジェクトとアノテーションとの関連性を認識するために、「対応度」及び「関連度」という概念を導入する。対応度とは、物理オブジェクトとアノテーションとの物理的な関係性(物理的な対応度)を示すものである。言い換えると、対応度はアノテーションが物理オブジェクトに対して正確に付加されている度合いを示している。関連度とは、物理オブジェクトとアノテーションとの意味的な関係性(意味的な関連度)を示すものである。言い換えると、関連度はアノテーションの内容が物理オブジェクトにどの程度関連しているかを示している。対応度及び関連度は、主に数値化して用いられる。
【0063】
なお、本実施形態での物理オブジェクトとしては、地物、移動体、場所等を想定する。地物とは、建物や記念碑など特定の位置に固定された建造物等である。移動体とは、人や車などの移動可能な物体である。場所とは、緯度経度により一意に特定され、所定の地点、公園、街路など、特定の名称により一意にされる地区である。また、アノテーションとしては、文字情報等のテキスト情報、2D/3Dグラフィックなどの画像情報、音声情報等を想定する。
【0064】
図1は対応度と関連度とを説明するためのイメージ図である。図1に示す例では、対応度及び関連度の最高値を5、最低値を0とする。図1に示す例では、物理オブジェクトOとしての五重塔の画像が表示されている。この物理オブジェクトに対して、第1のアノテーションA1としての文字情報「五重塔」、第2のアノテーションA2としての文字情報「聖徳太子」が付加されている。
【0065】
図1に示す例では、物理オブジェクトOと第1のアノテーションA1との対応度が5、関連度が4となっている。したがって、対応度により、第1のアノテーションA1が物理オブジェクトOに対して正確に付加されていると認識することができる。つまり、第1のアノテーションA1としての文字情報「五重塔」を、本来は他の物理オブジェクトに付加しようとしたが、誤って物理オブジェクトOとしての「五重塔」に付加してしまったものではない、と理解することができ、アノテーションの信頼性が向上する。また、関連度により、物理オブジェクトOとしての「五重塔」と、第1のアノテーションA1としての文字情報「五重塔」と、が意味的にほぼ密接に関係していると認識することができる。つまり、「五重塔」という言葉が、物理オブジェクトOに関連する内容としてほぼ間違い、と理解することができ、アノテーションの信頼性が向上する。
【0066】
また、図1に示す例では、物理オブジェクトOと第2のアノテーションA2との対応度が4、関連度が2となっている。したがって、対応度により、第2のアノテーションA2が物理オブジェクトOに対してほぼ正確に付加されていると認識することができる。つまり、第2のアノテーションA2としての文字情報「取得太子」を、本来は他の物理オブジェクトに付加しようとしたが、誤って物理オブジェクトOとしての「五重塔」に付加してしまったものである可能性はかなり低い、と理解することができる。また、関連度により、物理オブジェクトOとしての「五重塔」と、第2のアノテーションA2としての文字情報「聖徳太子」と、が意味的にあまり関係していないと認識することができる。つまり、「聖徳太子」という言葉が、物理オブジェクトOに関連する内容としては間違えている可能性があると理解することができる。
【0067】
次に、本発明の拡張現実感システムの構成について説明する。
【0068】
図2は本発明の実施形態における拡張現実感システムの構成例を示すブロック図である。図2に示す拡張現実感システム1は、情報提供装置100、情報管理サーバ200、情報表示装置300を備える。情報提供装置100、情報管理サーバ200、情報表示装置300は、いずれも情報処理装置の一例である。
【0069】
情報提供装置100は、物理オブジェクトに対応するアノテーションを生成する1又は複数の装置であり、アノテーションを投稿する投稿者(Submitter)により所有される装置である。情報提供装置100としては、例えば、携帯電話、携帯情報端末、ノートパソコン等のモバイル機器、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、車載用カメラ等の撮影装置、が考えられる。情報提供装置100は、物理オブジェクトを撮影し、撮影された物理オブジェクトに対するアノテーションを生成して、生成されたアノテーションを情報管理サーバ200へ送信等する。
【0070】
情報管理サーバ200は、情報提供装置100からのアノテーションを取得して管理する1又は複数のサーバであり、拡張現実感システムのサービスを提供するサービス提供者(Service Provider)により所有されるサーバである。情報管理サーバ200は、物理オブジェクトを識別するための物理オブジェクト識別情報と、その物理オブジェクトに対して投稿されたアノテーションと、に基づいて、対応度及び関連度を生成する。そして、物理オブジェクトのアノテーションとともに、生成された対応度を含む対応度情報及び関連度を含む関連度情報を、情報表示装置300へ送信等する。
【0071】
情報表示装置300は、情報管理サーバ200からのアノテーション、対応度情報、及び関連度情報を取得して、対応度情報及び関連度情報に基づいてアノテーションを提示する1又は複数の装置であり、アノテーションを閲覧(使用)する閲覧者(使用者)(Viewer)により所有される装置である。情報表示装置300としては、情報提供装置100と同様に、例えば、携帯電話、携帯情報端末、ノートパソコン等のモバイル機器、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、車載用カメラ等の撮影装置、が考えられる。
【0072】
まず、情報提供装置100の構成について説明する。
図3は本発明の実施形態における情報提供装置100の構成例を示すブロック図である。
【0073】
情報提供装置100は、カメラ部101、画像取得部102、特徴抽出部103、領域指定部104、測距部105、測位部106、情報設定部107、操作部108、コンテンツ生成部109、送信部110、を備える。
【0074】
カメラ部101は、2D又は3Dの静止画像又は動画像を撮影する撮影装置であり、例えばCCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサである。
【0075】
画像取得部102は、カメラ部101からの画像(ビデオスルー画像)を取得する。
【0076】
特徴抽出部103は、画像取得部102により取得された画像の特徴を抽出する特徴抽出処理を行う。この特徴抽出処理には、特徴点抽出やエッジ抽出等の公知の特徴抽出方法を用いる。例えば、図1に示した五重塔が画像に含まれる場合、五重塔の輪郭(特徴パターン)や五重塔を忠実に表すパラメータ(特徴パラメータ)を抽出する。
【0077】
また、特徴抽出部103は、抽出された特徴から、物理オブジェクトを認識する認識処理を行ってもよい。この認識処理には、パターンマッチング等の公知の画像認識方法を用いる。例えば、抽出された五重塔の特徴パターン、特徴パラメータの集合から、五重塔という物理オブジェクトであると認識する。
【0078】
領域指定部104は、特徴抽出部103により特徴抽出又はオブジェクト認識された物理オブジェクトの中から、アノテーションを付加すべき物理オブジェクトの領域を指定する。このとき、例えば、操作部108としてのタッチパネルを介して、画面上で物理オブジェクトにタッチすることで、その物理オブジェクトの領域を指定する。このとき、複数の物理オブジェクトを選択してもかまわない。なお、領域指定部104により特別な指定がされない場合には、特徴抽出又はオブジェクト認識された全ての物理オブジェクトが指定されたものとしてもよい。
【0079】
測距部105は、カメラ部101から領域指定部104により指定された物理オブジェクトまでの距離を測定する。距離の測定方法としては、例えば光学式、レーダー式の測距センサによる距離の測定が考えられる。
【0080】
測位部106は、情報提供装置100の位置を測定する。位置の測定方法としては、例えばGPS(Global Positioning System)衛星を用いてGPS情報(緯度、経度、高度等)を取得すること、WLAN(無線LAN)を用いて位置情報を取得すること、が考えられる。
【0081】
情報設定部107は、カメラ部101により撮影された画像の付加情報として、物理オブジェクトを識別するための物理オブジェクト識別情報を設定する。例えば、画像のメタデータとしてオブジェクト識別情報を付加する。例えば、画像がJPEG方式の画像である場合、メタデータとしてのExif(Exchangeble Image File Format)情報にオブジェクト識別情報を付加する。なお、情報設定部107は、物理オブジェクト毎に、オブジェクト識別情報を付加する。
【0082】
ここで、物理オブジェクト識別情報には、特徴抽出部103により抽出された特徴に係る特徴情報又は領域指定部104により指定された物理オブジェクトの特徴情報、測距部105により測定された距離に係る距離情報、測位部106により測定された位置に係る位置情報、が含まれる。
【0083】
さらに、特徴情報には、特徴抽出方式情報、オブジェクト特徴情報、特徴抽出精度情報が含まれる。特徴抽出方式情報は、特徴抽出部103による特徴抽出の方式(顔認証、画像認証等)を示す情報である。オブジェクト特徴情報は、画像の特徴点の情報、物理オブジェクトに含まれるマーカー、RFID(Radio Frequency Identification)、QRコード(Quick Response code)、カーナンバー、表札、名札等の情報、等の物理オブジェクトの特徴を示す情報である。また、オブジェクト特徴情報により、テキスト(文字)情報、画像情報、音声情報等の物理オブジェクトの種別(属性)を識別することができる。また、オブジェクト特徴情報により、車、人、地物、場所などの物理オブジェクトの種別(属性)を識別することができる。特徴抽出精度情報は、電波強度、明るさ等の、特徴抽出に影響を与え得る状態を示す情報である。なお、特徴抽出精度情報は、精度を示す具体的な数値の情報であってもよい。
【0084】
また、距離情報には、測距方式情報、オブジェクト距離情報、測距精度情報が含まれる。測距方式情報は、測距部105による測距の方式(光学式測距方式、レーダー式測距方式等)を示す情報である。オブジェクト距離情報は、情報提供装置100から領域指定部104により指定された物理オブジェクトまでの距離を示す情報である。測距精度情報は、電波強度、明るさ等の、測距に影響を与え得る状態を示す情報である。なお、測距精度情報は、精度を示す具体的な数値の情報であってもよい。
【0085】
また、位置情報には、測位方式情報、情報提供装置位置情報、測位精度情報が含まれる。測位方式情報は、測位部106による測位の方式(GPS方式、WLAN方式等)を示す情報である。オブジェクト位置情報は、情報提供装置100の位置(緯度、経度等)を示す情報である。測位精度情報は、電波強度、明るさ等の、測距に影響を与え得る状態を示す情報である。なお、測位精度情報は、精度を示す具体的な数値の情報であってもよい。なお、オブジェクト位置情報は、情報提供装置100のカメラ部101が向いている方角を示すオブジェクト方角情報を含んでもよい。オブジェクト方角情報に係る方角は、例えば測位部106に含まれる地磁気センサにより測定される。
【0086】
物理オブジェクト識別情報の更に詳細な説明については、後述する。
【0087】
操作部108は、ユーザによる入力操作を受け付けるものであり、例えばテンキー、十字キー、タッチパネル等である。例えば、操作部108は、複数の物理オブジェクトのうち、アノテーションを付加すべき物理オブジェクトを選択する。
【0088】
コンテンツ生成部109は、アノテーションを付加すべき物理オブジェクトに対して、アノテーションとしてのコンテンツ情報を生成する。コンテンツ情報としては、テキスト情報、静止画像や動画像などの画像情報、各種音、音声、音楽などの音声情報、等がある。コンテンツ情報は、操作部108等を介して生成してもよいし、コンテンツサーバからダウンロードしてもよいし、情報提供装置100が備える図示しないメモリにあらかじめ記憶させておいてもよい。
【0089】
送信部110は、物理オブジェクト識別情報及びコンテンツ情報を情報管理サーバ200へ送信する。物理オブジェクト識別情報は、先に説明したように、画像のメタデータとして送信されてもよい。また、送信部110は、情報提供装置100を識別するための情報提供装置識別情報を、情報管理サーバ200へ送信してもよい。情報提供装置識別情報には、情報提供装置識別IDや情報提供装置100の名称を示す情報が含まれる。なお、通信により情報管理サーバ200へ送出する代わりに、例えば記憶媒体(CD−R、SDカード等)を介して情報管理サーバ200へ送出するようにしてもよい。
【0090】
次に、情報管理サーバ200の構成について説明する。
図4は本発明の実施形態における情報管理サーバ200の構成例を示すブロック図である。
【0091】
情報管理サーバ200は、受信部201、識別レベル算出部202、測位レベル算出部203、対応度算出部204、物理オブジェクト情報取得部205、テキスト変換部206、語数算出部207、関連度算出部208、署名生成部209、送信部210、物理オブジェクトデータベース(物理オブジェクトDB)211、記憶部212、を備える。
【0092】
受信部201は、情報提供装置100の送信部110からの物理オブジェクト識別情報、コンテンツ情報等を受信する。なお、通信により情報提供装置100からこれらの情報を取得する代わりに、例えば記憶媒体(CD−R、SDカード等)を介して情報提供装置100から取得してもよい。
【0093】
識別レベル算出部202は、識別レベル算出機能を有し、対応度算出部204により対応度を算出する際に用いられる識別レベルを算出する。また、識別レベル算出機能は、物理オブジェクト識別情報の特徴抽出方式情報及び特徴抽出精度情報と測距方式情報及び測距精度情報とを入力とし、これらの情報に対応する識別レベルを出力する関数を有している。この関数は、例えば下記の(式1)により表される。
【0094】
識別レベル=特徴抽出方式レベル×抽出精度係数+測距方式レベル×測距精度係数・・・(式1)
【0095】
ここで、特徴抽出方式レベルは、特徴抽出方式情報に係る特徴抽出方式(顔認証、画像認証等)が、その特徴抽出方式の性能毎に分類されて、例えば5段階のレベルが割り当てられたものである。例えば、特徴抽出方式が画像認識の場合にはレベル4、バーコード認識の場合にはレベル5、などが割り当てられる。抽出精度係数は、抽出精度情報に係る抽出精度(電波状況、明るさの状況等)が、その状況(電波強い状態、電波弱い状態、昼間、夜間、晴れ、曇り、雨等)に応じて分類されて、例えば0%〜100%の数値が割り当てられたものである。
【0096】
また、測距方式レベルは、測距方式情報に係る測距方式(光学式、レーダー式、オートフォーカス(AF:Autofocus)等)が、その測距方式の性能毎に分類されて、例えば5段階のレベルが割り当てられたものである。例えば、測距方式がAFの場合にはレベル3、ミリ波レーダーの場合にはレベル5、などが割り当てられる。測距精度係数は、測距精度自応報に係る測距精度(電波状況、明るさの状況等)が、その状況(電波強い状態、電波弱い状態、昼間、夜間、晴れ、曇り、雨等)に応じて分類されて、例えば0%〜100%の数値が割り当てられたものである。
【0097】
したがって、識別レベル算出部202は、識別レベルを、例えば、レベル4×70%+レベル3×80%=5.2、のように算出する。ここでの識別レベルの最大値は、10である。
【0098】
測位レベル算出部203は、測位レベル算出機能を有し、対応度算出部204により対応度を算出する際に用いられる測位レベルを算出する。また、測位レベル算出機能は、物理オブジェクト識別情報の測位方式情報及び測位精度情報を入力とし、これらの情報に対応する測位レベルを出力する関数を有している。この関数は、例えば下記の(式2)により表される。
【0099】
測位レベル=測位方式レベル×測位精度係数・・・(式2)
【0100】
ここで、測位方式レベルは、測位方式情報に係る測位方式(GPS、WLAN、地磁気センサ等)が、その測位方式の性能毎に分類されて、例えば5段階のレベルが割り当てられたものである。例えば、測位方式がGPSの場合にはレベル4、などが割り当てられる。測位精度係数は、測位精度情報に係る測位精度(電波状況、明るさの状況等)が、その状況(電波強い状態、電波弱い状態、昼間、夜間、晴れ、曇り、雨等)に応じて分類されて、例えば0%〜100%の数値が割り当てられたものである。
【0101】
したがって、測位レベル算出部203は、測位レベルを、例えば、レベル5×60%=3.0、のように算出する。ここでの測位レベルの最大値は、5である。
【0102】
対応度算出部204は、識別レベル算出部202により算出された識別レベル及び測位レベル算出部203により算出された測位レベルに基づいて、対応度を算出する。対応度の算出式は、例えば下記の(式3)により表される。
【0103】
対応度=識別レベル×識別重み係数+測位レベル×測位重み係数・・・(式3)
【0104】
ここで、識別重み係数及び測位重み係数の各重み係数は、物理オブジェクトの種別に応じて設定されるものであり、例えば0%〜100%の数値が割り当てられたものである。例えば。例えば、移動体などの位置との関係性が小さい物理オブジェクトである場合には、識別重み係数として大きな値に設定され、測位重み係数として小さな値に設定される。一方、場所などの位置との関係性が大きい物理オブジェクトである場合には、識別重み係数として小さな値が設定され、測位重み係数として大きな値が設定される。
【0105】
したがって、対応度算出部204は、対応度として、5.2×80%+3.0×30%=5.06、のように算出する。ここでの対応度の最大値は、15である。
【0106】
物理オブジェクトDB211は、物理オブジェクト識別情報に含まれる位置情報及び特徴情報を入力とし、これらの情報に対応する物理オブジェクト情報を出力するデータベースである。ここで、物理オブジェクト情報には、物理オブジェクトID、名称情報、一般識別情報、属性情報、キーワード情報、が含まれる。
【0107】
物理オブジェクトIDは、物理オブジェクトを識別するためのIDであり、物理オブジェクトDB211のキーとなる情報である。
【0108】
名称情報は、物理オブジェクトIDにより識別される物理オブジェクトの名前、名称等の固有名詞であり、テキスト情報であっても、テキスト情報以外の画像情報や音声情報であってもよい。
【0109】
一般識別情報は、物理オブジェクトIDにより識別される物理オブジェクトの住所、IPアドレス、URL、電話番号等の情報である。
【0110】
属性情報は、物理オブジェクトIDにより識別される物理オブジェクトの属性(種別)を示す情報であり、例えば、人などの移動体、固定物や建物などの地物、場所等のいずれかを示す情報である。
【0111】
キーワード情報は、物理オブジェクトIDにより識別される物理オブジェクトに関連する関連語(キーワード)の情報を含む。また、キーワード情報は、物理オブジェクトIDにより識別される物理オブジェクトとの関連性の低い非関連語の情報を含んでもよい。なお、キーワード情報は、物理オブジェクトのコンテキストに依存して変化するため、定期的に更新されることが好ましい。
【0112】
物理オブジェクト情報取得部205は、物理オブジェクトIDを検索し、受信部201により受信された物理オブジェクト識別情報から、これらの情報に対応する物理オブジェクト情報を取得する。
【0113】
テキスト変換部206は、受信部201により受信されたコンテンツ情報がテキスト情報以外(音声情報、画像情報等)である場合には、その情報をテキスト情報に変換する。この場合、画像情報は、例えば画像情報からその画像情報に対応するテキスト情報を得るWeb画像検索技術により、テキスト情報に変換される。また、音声情報は、所定の音声認識処理により、テキスト情報に変換される。
【0114】
例えば、コンテンツ情報として五重塔の画像情報を取得した場合には、Web画像検索技術により、テキスト情報としての「五重塔」を得る。また、コンテンツ情報として五重塔の音声情報を取得した場合には、音声認識処理により、テキスト情報としての「五重塔」を得る。
【0115】
語数算出部207は、物理オブジェクト情報取得部205により取得された物理オブジェクト情報に含まれる物理オブジェクトの名称等の固有名詞、関連語、及び非関連語の各情報が、必要に応じてコンテンツ情報から変換されたテキスト情報に含まれる語数を算出する。なお、物理オブジェクトDB211が保持するキーワード情報に非関連語の情報が含まれない場合には、語数算出部207は、関連語に基づいて非関連語を推測してもよい。
【0116】
例えば、物理オブジェクトの固有名詞が「五重塔」である場合には、テキスト情報としての「五重塔」が、テキスト情報にいくつ含まれているかカウントされる。また、例えば、テキスト情報としての「木造」、「日本最古」、「1000年」などの五重塔と関連性の高い語句が、テキスト情報に関連語としていくつ含まれているかカウントされる。また、例えば、テキスト情報としての「コンクリート」などの五重塔とは関連性が低い語句が、テキスト情報に非関連語としていくつ含まれているかカウントされる。
【0117】
関連度算出部208は、語数算出部207に算出された物理オブジェクトの固有名詞数、関連語数、及び非関連語数に基づいて、関連度を算出する。関連度は、例えば下記の(式4)により表わされる。
【0118】
関連度=(固有名詞数×固有名詞重み係数+関連語数×関連重み係数−非関連語×非関連重み係数)/総ワード数・・・(式4)
【0119】
ここで、固有名詞重み係数は、固有名詞の重要度に応じて設定される重み係数である。関連重み係数は、関連語の重要度に応じて設定される重み係数である。非関連重み係数は、非関連語の重要度に応じて設定される重み係数である。各重み係数は、0%〜100%の間で設定される。総ワード数は、テキスト情報に含まれる語句の総数である。なお、各重み係数は、物理オブジェクトの属性に基づいて設定される。
【0120】
例えば、一意に特定可能な固有名詞を持つ物理オブジェクトであれば、固有名詞重み係数を大きい値に設定する。また、一意に特定可能な固有名詞を持たない物理オブジェクトであれば、関連重み係数を大きい値に設定する。また、物理オブジェクトの類似情報が多いことが想定される場合には、非関連重み係数を小さい値に設定する。
【0121】
したがって、関連度算出部208は、関連度を、例えば、(24個×80%+46個×40%−13個×80%)/254個≒11%、のように算出する。ここでの識別レベルの最大値は、10である。ここでの関連度は、0%〜100%の値である。
【0122】
また、関連度算出部208は、受信部201により複数の物理オブジェクト識別情報を受信した場合には、各物理オブジェクトについて関連度を算出し、さらに全体の物理オブジェクトについても関連度を算出する。
【0123】
また、上記のように、関連度の算出の際に非関連語を考慮することで、物理オブジェクトの固有名詞と関連語とだけでは誤検出し易い類似情報をフィルタリングすることが可能である。
【0124】
署名生成部209は、物理オブジェクトに対するコンテンツ情報の正当性を保証するため、署名情報を生成する。このとき、少なくとも情報管理サーバ200を識別するための情報管理サーバ識別情報に基づいて署名情報を生成する。また、他の情報として、例えば、物理オブジェクト識別情報、物理オブジェクト情報、コンテンツ情報、対応度情報、関連度情報等にも基づいて、署名情報を生成してもよい。この署名情報は、情報管理サーバ200のアノテーション発行許可承認を意味するディジタル署名である。署名生成の方式としては、RSAなどの一般的なディジタル署名方式などがある。
【0125】
記憶部212は、各種情報を記憶する。例えば、所定の発行ポリシを記憶する。発行ポリシは、アノテーションの発行許可を行うための判定基準が記載された情報であり、コンテンツ情報、対応度情報、関連度情報等が公衆良識やサービス内容に反しないことを保証するものである。発行ポリシは、必要に応じて更新されてもよい。
【0126】
送信部210は、物理オブジェクト識別情報、コンテンツ情報、対応度情報、及び関連度情報を、情報表示装置300へ送信する。また、署名生成部209により生成された署名を含む署名情報を、これらの情報とともに送信してもよい。なお、通信により情報表示装置300へ送出する代わりに、例えば記憶媒体(CD−R、SDカード等)を介して情報表示装置300へ送出するようにしてもよい。
【0127】
また、送信部210は、記憶部212により記憶されている所定の発行ポリシを満たしている場合に限り、情報表示装置300への情報を送信するようにしてもよい。例えば、送信部210は、対応度算出部204により算出された対応度、関連度算出部208により算出された関連度の少なくとも一方が各閾値以上であったり、両方が各閾値以上であったりする場合に、発行ポリシを満たすものと判定し、各情報を送信する。
【0128】
情報管理サーバ200において、対応度情報、関連度情報、物理オブジェクト情報、コンテンツ情報を確認して、ディジタル署名により発行確認する例について説明した。このような構成によれば、情報管理サーバ200が一元的に確認できるため、構成が簡単になるというメリットがある。
【0129】
一方、別の構成として、物理オブジェクトを実際に所有している所有者が所持または運用する物理オブジェクト管理サーバにおいて、所有者のポリシに基づき対応度情報、関連度情報、物理オブジェクト情報、コンテンツ情報を確認して、ディジタル署名により承認確認し、更に情報管理サーバにおいてディジタル署名により発行確認する構成としてもよい。このような構成により、物理オブジェクトの所有者の意図が的確に反映できるというメリットがある。
【0130】
また、所有者のポリシ情報を情報管理サーバに備えておき、発行ポリシと所有者ポリシの両方に基づき発行確認する構成としてもよい。このような構成により、所有者の意図を反映しつつ、構成を簡単にできるというメリットがある。
【0131】
次に、情報表示装置300の構成について説明する。
図5は本発明の実施形態における情報表示装置300の構成例を示すブロック図である。
【0132】
情報表示装置300は、カメラ部301、画像取得部302、特徴抽出部303、測距部305、測位部306、通信部307、検証解析部308、識別情報判定部309、利用ポリシ判定部310、合成部311、表示部312、記憶部313、を備える。
【0133】
カメラ部301は、2D又は3Dの静止画像又は動画像を撮影する撮影装置であり、例えばCCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサである。
【0134】
画像取得部302は、カメラ部301からの画像(ビデオスルー画像)を取得する。
【0135】
特徴抽出部303は、画像取得部302により取得された画像の特徴を抽出する特徴抽出処理を行う。この特徴抽出処理には、特徴点抽出やエッジ抽出等の公知の特徴抽出方法を用いる。
【0136】
また、特徴抽出部303は、抽出された特徴から、物理オブジェクトを認識する認識処理を行ってもよい。この認識処理には、パターンマッチング等の公知の画像認識方法を用いる。
【0137】
測距部305は、カメラ部301から特徴抽出部により抽出された特徴又はオブジェクト認識された物理オブジェクトまでの距離を測定する。距離の測定方法としては、例えば光学式、レーダー式の測距センサによる距離の測定が考えられる。
【0138】
測位部306は、情報表示装置300の位置を測定する。位置の測定方法としては、例えばGPS衛星を用いてGPS情報(緯度、経度、高度等)を取得すること、WLANを用いて位置情報を取得すること、が考えられる。また、測位部306は、所定の物理オブジェクトの位置を測定してもよい。このとき、測位部306は、情報表示装置300の位置をまず測定し、測距部305により物理オブジェクトまでの距離を測定し、図示しないセンサ(地磁気センサ)により情報表示装置300から見た物理オブジェクトの向きを測定する。そして、これらの測定結果に基づいて、測位部306又は通信部307は、物理オブジェトの位置を測定する。なお、この物理オブジェクトの位置の測定の計算は、情報管理サーバ200側で行われてもよい。
【0139】
通信部307は、情報管理サーバ200の送信部210からの物理オブジェクト識別情報、コンテンツ情報(物理オブジェクトのアノテーション)、対応度情報、関連度情報、署名情報等を受信する。なお、通信により情報管理サーバ200からこれらの情報を取得する代わりに、例えば記憶媒体(CD−R、SDカード等)を介して情報管理サーバ200から取得してもよい。関連度情報の受信は省略可能である。
【0140】
検証解析部308は、通信部307により受信された署名情報を検証、解析する。例えば、検証解析の方式としては、RSAなどの一般的なディジタル署名方式の検証アルゴリズムなどがある。そして、検証解析部308は、通信部307により受信された情報の生成元が情報管理サーバ200であり、かつ、受信された情報の内容の完全性が確認された場合には、通信部307により受信された情報は正当であると判定する。
【0141】
識別情報判定部309は、通信部307により受信された物理オブジェクト識別情報と、情報表示装置300により測定された物理オブジェクト識別情報と、を比較し、両者が略一致しているか否かを判定する。略一致とは、一致する場合を含み、情報提供装置100のユーザと情報表示装置300のユーザとの立ち位置、向き、身長の相違等を考慮し、ほぼ一致する場合には両方の物理オブジェクト識別情報を同一視する意図である。誤差をどの程度許容するかについては、予め利用ポリシに記載しておくことも可能である。
【0142】
情報表示装置300により測定された物理オブジェクト識別情報には、測位部306により測定された情報表示装置300又は物理オブジェクトの位置に係る位置情報、特徴抽出部303により抽出された特徴に係る特徴情報、測距部305により測定された距離情報、が含まれる。これらの位置情報、特徴情報、及び距離情報は、情報提供装置100が測定等により得た位置情報、特徴情報、及び距離情報と同種のものである。
【0143】
記憶部313は、各種情報を記憶する。例えば、所定の利用ポリシを記憶する。利用ポリシは、アノテーションの利用判定基準が記載された情報であり、コンテンツ情報に係るコンテンツ、対応度情報に係る対応度、関連度情報に係る関連度等が、ユーザの嗜好や所属団体等の基準に反していないことを保証するものである。利用ポリシは、必要に応じて更新されてもよい。記憶部313は、例えば、利用ポリシとして、対応度及び関連度が所定値以上であるという情報を記憶する。
【0144】
また、記憶部313は、アノテーションの重要度を示す重要度情報を記憶する。例えば、対応度、関連度が大きいものが重要であるという重要度情報が記憶されている場合には、この情報に基づいてアノテーションの提示順序を決定することができる。
【0145】
利用ポリシ判定部310は、通信部307により受信された対応度情報及び関連度情報が、記憶部313に記憶されている所定の利用ポリシを満たしているか否かを判定する。例えば、対応度及び関連度の少なくとも一方が各閾値以上であったり、両方が各閾値以上であったりする場合に、利用ポリシを満たすものと判定する。なお、関連度情報の比較を省略し、対応度情報が所定の利用ポリシを満たしているか否かを判定してもよい。
【0146】
合成部311は、カメラ部301により撮影された画像に含まれる物理オブジェクトであって、通信部307により受信された物理オブジェクト識別情報により識別される物理オブジェクトと、通信部307により受信されたアノテーションとしてのコンテンツ情報とを、対応付けて合成する。
【0147】
表示部312は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)やヘッドマウントディスプレイ(HMD:Head Mounted Display)であり、合成部311により対応付けて合成された物理オブジェクトとアノテーションとを表示する。表示部312による表示では、例えば物理オブジェクトにアノテーションがオーバーレイ表示(重畳表示)される。また、表示部312は、他にプロジェクタを用いて物理オブジェクトにアノテーションを投影して表示するようにしてもよい。
【0148】
なお、アノテーションが画像情報やテキスト情報である場合には、表示部312により物理オブジェクトとアノテーションとを対応付けて表示するがアノテーションが音声情報である場合には、表示部312の代わりに、物理オブジェクトに対応付けられたアノテーションを、図示しないスピーカ等を介して音声情報に基づく音声により提示してもよい。
【0149】
次に、物理オブジェクト識別情報の具体例について説明する。
図6は、物理オブジェクト識別情報の一例を示す図である。
【0150】
本実施形態では、情報提供装置100は、カメラ部101により撮影された画像の情報を利用して、物理オブジェクトに対応するアノテーションの信頼性を確認することができるようにする。画像から、特徴抽出部103、測距部105、及び測位部106により、地物、移動体、場所を識別可能である。したがって、画像に認証を強化するための情報を付加した形でアノテーションに付加することで、物理オブジェクトとアノテーションとの関係性を明確化することができる。基本的な概念としては、情報設定部107により、特徴抽出時のビデオスルー画像を物理オブジェクト単位で分割し、単位毎に特徴情報を管理する。
【0151】
情報提供装置100から情報管理サーバ200へアノテーションを提供するときの物理オブジェクト識別情報の実装方法としては、情報設定部107により、Exif情報を拡張する方法、独自のヘッダ情報を付加する方法、画像自体に電子透かし等の情報隠蔽技術(Information hiding)を使って埋め込む方法、などが考えられる。
【0152】
ここで、Exif情報を拡張する方法について説明する。物理オブジェクト単位毎に管理する特徴情報として、画像から取得可能な情報である、マーカー、QRコード、物理オブジェクトの輪郭となるエッジ部分の特徴点情報に加えて、物理オブジェクトを識別するための基準点となる識別位置、識別位置から物理オブジェクトまでの距離を想定する。識別位置については、GPS Infoタグの緯度、経度、向きの情報をそのまま利用することができる。また、Exif情報は、距離情報として、被写体距離の情報(Subject Distance)を有している。情報設定部107は、この情報を物理オブジェクト毎に拡張情報として設定する。
【0153】
アノテーションの正当性の検証は、情報表示装置300が行う。この検証時には、携帯電話等の多くのモバイル機器が有するカメラの基本機能であるオートフォーカス(AF)の測距機能を利用する。このとき、識別情報判定部309が、物理オブジェクトの付加情報として設定された距離情報に係る距離と、情報表示装置300により実際に測距された距離と、を比較する。識別情報判定部309は、画像や特徴点の比較に加えて、基準点からの複数距離を比較することで、実際の物理オブジェクトとその物理オブジェクトの映像などを区別することが可能となる。
【0154】
また、情報提供装置100は、同一の物理オブジェクト群であっても、異なる基準点から測位してコンテンツを設定することで、同一の物理オブジェクト群の異なる観察面に関して、異なるコンテンツを設定することができる。
【0155】
図6に示すように、物理オブジェクト識別情報として、移動体、地物、場所等の属性を示す属性情報、特徴抽出方式を示す特徴抽出方式情報、物理オブジェクトの特徴を示すオブジェクト特徴情報、特徴抽出の精度を示す特徴抽出精度情報、測距方式を示す測距方式情報、測距精度を示す測距精度情報、基準点(例えばカメラ部101が存在する点)から物理オブジェクトまでの距離を示すオブジェクト距離情報、カメラ部101による撮影方向と物理オブジェクトとの成す角度を示す物理オブジェクト角度情報、の各情報を含むことができる。物理オブジェクト角度情報に係る角度のマイナス符号(−)は、カメラ部101による撮影方向を基準として、プラス符号の角度とは反対側の角度であることを示している。これらの情報は、物理オブジェクト毎に設定される。
【0156】
また、図6に示すように、物理オブジェクト識別情報の基本情報として、測位方式を示す測位方式情報、物理オブジェクトの位置を示すオブジェクト位置情報、測位精度を示す測位精度情報、の各情報を含むことができる。これらの情報は、物理オブジェクト毎に設定されるものではなく、1又は複数の物理オブジェクトを含む撮影画像毎に設定される。
【0157】
次に、情報提供装置100の動作について説明する。
図7は、情報提供装置100の動作例を示すフローチャートである。
【0158】
まず、画像取得部102は、カメラ部101により撮影された画像を取得し(ステップS101)、特徴抽出部103は、取得した画像の特徴を抽出する(ステップS102)。
【0159】
ここでは、画像の特徴が場所を示す場合には、番地表示やストリート名等を文字認識する。また、画像の特徴が人を示す場合には、人が身に付けている名札等を文字認識する、又は、その特徴点を抽出する。また、画像の特徴が車を示す場合には、車のナンバープレート等を文字認識する、又は、その特徴点を抽出する。また、画像の特徴が地物を示す場合には、ビル名、銅像名等を文字認識、又は、その特徴点を抽出する。
【0160】
続いて、領域指定部104は、特徴抽出部103により特徴点抽出又はオブジェクト認識された物理オブジェクトから、アノテーションを付加すべき物理オブジェクトの領域を指定する。このとき、例えば、操作部108としてのタッチパネルを介して、画面上で物理オブジェクトにタッチすることで、物理オブジェクトの領域を指定する(ステップS103)。
【0161】
続いて、測距部105は、情報提供装置100から領域指定部104により指定された物理オブジェクトまでの距離を測定する(ステップS104)。
【0162】
続いて、測位部106は、GPS等を用いて情報提供装置100の位置を測定する(ステップS105)。
【0163】
続いて、情報設定部107は、オブジェクト識別情報を画像のメタデータに設定する。例えば、Exif情報に、物理オブジェクト毎に、特徴情報及び距離情報を設定(付加)し、更に共通情報として位置情報を設定する(ステップS106)。
【0164】
続いて、コンテンツ生成部109は、操作部108等を介して、領域指定部104により指定された物理オブジェクトに対応するアノテーションとしてのコンテンツ情報を生成する(ステップS107)。
【0165】
続いて、送信部110は、情報設定部107により設定されたオブジェクト識別情報を含む画像の情報と、コンテンツ生成部109により生成されたコンテンツ情報と、を情報管理サーバ200へ送信する(ステップS108)。
【0166】
このような情報提供装置100によれば、物理オブジェクト識別情報に基づいて対応度及び関連度を生成させることができ、生成されたアノテーションが信頼性の高いアノテーションであると判断させることができる。
【0167】
次に、情報管理サーバ200の動作について説明する。
図8及び図9は、情報管理サーバ200の動作例を示すフローチャートである。
【0168】
まず、受信部201は、情報提供装置100からのオブジェクト識別情報を含む画像の情報と、コンテンツ情報と、を受信する(ステップS201)。
【0169】
続いて、物理オブジェクト情報取得部205は、物理オブジェクトDB211を参照し、受信部201により受信された物理オブジェクト特徴情報に対応する物理オブジェクト情報を取得する(ステップS202)。
【0170】
続いて、識別レベル算出部202は、オブジェクト識別情報に含まれる特徴情報に含まれる特徴抽出方式情報から特徴抽出方式レベルを割り当て、距離情報に含まれる測距方式情報から測距方式レベルを割り当てる。また、識別レベル算出部202は、特徴情報に含まれる特徴抽出精度情報から抽出精度係数を割り当て、距離情報に含まれる測距精度情報から測距精度係数を割り当てる(ステップS203)。例えば、情報管理サーバ200は、特許抽出方式情報等と特徴抽出方式レベル等とを対応付ける変換テーブル等を有することで、上記割当が可能となる。
【0171】
続いて、識別レベル算出部202は、特徴抽出方式レベル、測距方式レベル、抽出精度係数、測距精度係数に基づいて、識別レベルを算出する(ステップS204)。例えば、先に説明した(式1)に示した演算式により、識別レベルを算出する。
【0172】
続いて、測位レベル算出部203は、オブジェクト識別情報に含まれる位置情報に含まれる測位方式情報から測位方式レベルを割り当て、位置情報に含まれる測位精度情報から測位精度係数を割り当てる(ステップS205)。例えば、情報管理サーバ200は、測位方式情報等と測位方式レベル等とを対応付ける変換テーブル等を有することで、上記割当が可能となる。
【0173】
続いて、測位レベル算出部203は、測位方式レベル及び測位精度係数に基づいて、測位レベルを算出する。例えば、先に説明した(式2)に示した演算式により、測位レベルを算出する(ステップS206)。
【0174】
続いて、対応度算出部204は、物理オブジェクト情報取得部205により取得された物理オブジェクト情報に含まれる属性情報(車、人、場所等)に応じて、識別重み係数と測位重み係数とを割り当てる(ステップS207)。
【0175】
続いて、対応度算出部204は、識別レベル、測位レベル、識別重み係数、測位重み係数に基づいて、対応度を算出する(ステップS208)。例えば、先に説明した(式3)に示した演算式により、対応度を算出する。
【0176】
続いて、テキスト変換部206は、受信部201により受信されたコンテンツ情報が、テキスト情報以外の画像情報、音声情報等である場合には、その情報をテキスト情報に変換する(ステップS209)。
【0177】
続いて、語数算出部207は、コンテンツ情報としてのテキスト情報又はテキスト変換部206により変換されたテキスト情報に、物理オブジェクト情報取得部205により取得された物理オブジェクト情報に含まれる固有名詞、関連語、非関連語が含まれている個数を算出する(ステップS210)。また、語数算出部207は、テキスト情報に含まれる総ワード数も算出する。
【0178】
続いて、関連度算出部208は、物理オブジェクト情報取得部205により取得された物理オブジェクト情報に含まれる属性情報に基づいて、固有名詞重み係数、関連重み係数、非関連重み係数を割り当てる(ステップS211)。例えば、情報管理サーバ200は、属性情報と各重み係数とを対応付ける変換テーブルを有することで、上記割当が可能となる。
【0179】
続いて、関連度算出部208は、固有名詞数、関連語数、非関連語数、総ワード数、固有名詞重み係数、関連重み係数、非関連重み係数に基づいて、関連度を算出する(ステップS212)。例えば、先に説明した(式4)に示した演算式により、関連度を算出する。
【0180】
また、署名生成部209は、署名情報を生成する。そして、送信部210は、例えば情報表示装置300からアノテーションの要求を受けた場合には、オブジェクト識別情報、アノテーション、対応度情報、関連度情報、署名情報等を送信する。
【0181】
このような情報管理サーバ200の動作によれば、物理オブジェクトとアノテーションとの対応度及び関連度(少なくとも対応度)を算出することで、アノテーションの信頼度を例えば数値化して提供することができる。
【0182】
次に、情報表示装置300の動作について説明する。
図10は、情報表示装置300の動作例を示すフローチャートである。
【0183】
まず、測位部306は、GPS、地磁気センサ等を用いて、情報表示装置300の位置、方位等を測定する(ステップS301)。
【0184】
続いて、通信部307は、情報表示装置300の位置、方位等を用いて、1又は複数の物理オブジェクト識別情報、物理オブジェクト識別情報に対応するアノテーション、対応度情報、関連度情報、等を情報管理サーバ200から取得する(ステップS302)。このとき、情報表示装置300の位置等の情報を情報管理サーバ200へ送信し、その位置等に対応する物理オブジェクト識別情報、アノテーション等を情報管理サーバ200から取得してもよい。また、特徴抽出部303、測距部305、測位部306等の識別情報検出部により検出された情報(オブジェクト識別情報)を情報管理サーバ200へ送信し、その物理オブジェクト識別情報に対応するアノテーション等を情報管理サーバ200から取得してもよい。
【0185】
続いて、検証解析部308は、通信部307により受信された署名情報を検証する。検証の結果、情報管理サーバ200からの情報が正当であると判定された場合、つまり署名情報により送信元や送信内容の同一性が保証された場合には、通信部307により受信されたオブジェクト識別情報の解析を行う(ステップS303)。なお、署名は省略されていることもある。
【0186】
続いて、画像取得部302は、カメラ部301により撮影された画像を取得し(ステップS304)、特徴抽出部303は、取得した画像の特徴を抽出する(ステップS305)。
【0187】
ここでは、画像の特徴が場所を示す場合には、番地表示やストリート名等を文字認識する。また、画像の特徴が人を示す場合には、人が身に付けている名札等を文字認識する、又は、その特徴点を抽出する。また、画像の特徴が車を示す場合には、車のナンバープレート等を文字認識する、又は、その特徴点を抽出する。また、画像の特徴が地物を示す場合には、ビル名、銅像名等を文字認識、又は、その特徴点を抽出する。
【0188】
続いて、測距部305は、情報表示装置300から特徴抽出部303により抽出された特徴点又はオブジェクト認識された物理オブジェクトまでの距離を測定する(ステップS306)。
【0189】
続いて、識別情報判定部309は、特徴抽出部303、測距部305、測位部306により測定された物理オブジェクト識別情報と通信部307により受信された物理オブジェクト識別情報とが略一致するか否かを判定する(ステップS307)。例えば、測定された特徴情報及び受信された特徴情報(特にオブジェクト特徴情報)、測定された距離情報及び受信された距離情報、測定された位置情報及び受信された位置情報、が各々ほぼ同一である場合には、略一致すると判定される。
【0190】
両物理オブジェクト識別情報が略一致すると判定された場合には、利用ポリシ判定部310は、記憶部313により記憶された利用ポリシを参照し、通信部307により受信された対応度情報及び関連度情報が利用ポリシを満たしているか否かを判定する(ステップS308)。例えば、対応度情報に係る対応度と関連度情報に係る関連度とを合算した結果、所定値以上である場合に、利用ポリシを満たすと判定することができる。利用ポリシを満たす場合には、物理オブジェクトに対応するアノテーションが信頼性が高いものであると判断できる。
【0191】
上記の利用ポリシを満たす場合には、表示部312は、利用ポリシを満たすアノテーションを、物理オブジェクトに対応付けて合成表示する(ステップS309)。このとき、アノテーションが複数存在する場合には、記憶部313に記憶された重要度順に提示してもよい。例えば、対応度及び関連度が大きい順に表示することができる。また、表示部312は、対応度及び関連度の少なくとも1つをアノテーションと同時に表示してもよい。また、表示部312は、利用ポリシを満たす場合には、アノテーションと同時に、利用ポリシを満たす旨を表示してもよい。利用ポリシを満たす旨は、例えば、文字、アイコン、色等により表示される。なお、表示以外の方法で提示してもよい。
【0192】
このような情報表示装置300の動作によれば、物理オブジェクトに対応するアノテーションのうち、信頼性の高いアノテーションを簡単に識別できるように、ユーザに提示することができる。したがって、ユーザは提示されたアノテーションを安心して利用することができる。
【0193】
このような本実施形態の仮想現実感システムによれば、物理オブジェクトとアノテーションとの関連性を保証することが可能である。例えば、情報提供装置100が所望の物理オブジェクトに対してアノテーションを付与したつもりであっても、情報管理サーバ200での管理中に他の物理オブジェクトに対するアノテーションとして差し替えられてしまったとする。このような場合であっても、情報管理サーバ200が算出する対応度及び関連度に応じて、アノテーションの予期しない差し替えを発見することができる。このように、評価情報としてのアノテーションの不正使用や成りすまし等を検出することができる。
【0194】
また、否定的な(Negative)アノテーションが多数貼り付けられ、そのアノテーションが事実であると誤認されることにより、アノテーションに対応する店舗や個人等が風評被害を受けることを防止可能である。
【0195】
また、対応度を確認することで、物理オブジェクトとアノテーションとがどの程度物理的に関係しているかを判断することができる。また、物理オブジェクトが移動体、場所、地物のいずれであったとしても、物理オブジェクトとアノテーションとの対応度を正確に算出することができる。また、関連度を確認することで、物理オブジェクトとアノテーションとがどの程度意味的に関係しているかを判断することができる。
【0196】
また、情報管理サーバ200は、受信部201により物理オブジェクト識別情報、コンテンツ情報等を受信するのではなく、情報管理サーバ200自体が物理オブジェクト識別情報に含まれる情報を測定したり、コンテンツ情報を生成したりしてもよい。
【0197】
また、情報提供装置100が、情報管理サーバ200としての機能を有していてもよい。
【0198】
また、本実施形態の拡張現実感システム1としては、情報提供装置100、情報管理サーバ200、及び情報表示装置300を備えるサーバ−クライアントタイプのシステムを想定し、情報管理サーバ200を介して複数のクライアント間でアノテーションを共有することを説明したが、スタンドアローンタイプのシステムであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0199】
本発明は、物理オブジェクトとアノテーションとの関連性を保証することが可能な情報処理装置、拡張現実感システム、情報処理プログラム等に有用である。
【符号の説明】
【0200】
1 拡張現実感システム
100 情報提供装置
101 カメラ部
102 画像取得部
103 特徴抽出部
104 領域指定部
105 測距部
106 測位部
107 情報設定部
108 操作部
109 コンテンツ生成部
110 送信部
200 情報管理サーバ
201 受信部
202 識別レベル算出部
203 測位レベル算出部
204 対応度算出部
205 物理オブジェクト情報取得部
206 テキスト変換部
207 語数算出部
208 関連度算出部
209 署名生成部
210 送信部
211 物理オブジェクトDB
212 記憶部
300 情報表示装置
301 カメラ部
302 画像取得部
303 特徴抽出部
305 測距部
306 測位部
307 通信部
308 検証解析部
309 識別情報判定部
310 利用ポリシ判定部
311 合成部
312 表示部
313 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を取得する画像取得部と、
前記画像に含まれる物理オブジェクトを識別するための物理オブジェクト識別情報を検出する識別情報検出部と、
所定の物理オブジェクトを識別するための物理オブジェクト識別情報と、前記物理オブジェクトのアノテーションと、前記物理オブジェクトと前記アノテーションとの物理的な対応度を示す対応度情報と、を取得する情報取得部と、
前記識別情報検出部により検出された物理オブジェクト識別情報と、前記情報取得部により取得された物理オブジェクト識別情報と、が略一致するか否かを判定する識別情報判定部と、
前記識別情報判定部により略一致すると判定された場合、前記物理オブジェクトの前記アノテーションの前記対応度情報が、所定の利用ポリシを満たすか否かを判定する利用ポリシ判定部と、
前記利用ポリシ判定部により前記利用ポリシを満たすと判定された場合、前記アノテーションを提示するアノテーション提示部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記情報取得部は、前記物理オブジェクトと前記アノテーションとの意味的な関連度を示す関連度情報を取得し、
前記利用ポリシ判定部は、前記識別情報判定部により略一致すると判定された場合、前記物理オブジェクトの前記アノテーションの前記対応度情報と前記関連度情報とが、所定の利用ポリシを満たすか否かを判定する情報提供装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の情報処理装置であって、
前記アノテーション提示部は、前記利用ポリシ判定部により前記利用ポリシを満たすと判定された場合、前記アノテーションと同時に、前記利用ポリシを満たしている旨を表示する情報処理装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記識別情報検出部は、当該情報処理装置の位置に係る位置情報を検出する位置情報検出部と、当該情報処理装置から前記画像に含まれる物理オブジェクトまでの距離に係る距離情報を検出する距離情報検出部と、を備え、
前記情報取得部は、当該情報処理装置の位置に係る位置情報と前記物理オブジェクトまでの距離に係る距離情報に基づいて、前記物理オブジェクト識別情報として、所定の物理オブジェクトの位置に係る位置情報を取得し、
前記識別情報判定部は、前記情報取得部により取得された位置情報と前記位置情報検出部により検出された位置情報とが略一致し、前記情報取得部により取得された距離情報と前記距離情報検出部により検出された距離情報とが略一致するか否かを判定する情報処理装置。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記識別情報検出部は、前記画像に含まれる前記物理オブジェクトの特徴に係る特徴情報を抽出する特徴情報抽出部、を備え、
前記情報取得部は、前記物理オブジェクト識別情報として、前記物理オブジェクトの特徴に係る特徴情報を取得し、
前記識別情報判定部は、前記情報取得部により取得された特徴情報と前記特徴情報抽出部により抽出された特徴情報とが略一致するか否かを判定する情報処理装置。
【請求項6】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記識別情報検出部は、当該情報処理装置の位置に係る位置情報を検出する位置情報検出部と、当該情報処理装置から前記画像に含まれる物理オブジェクトまでの距離に係る距離情報を検出する距離情報検出部と、前記画像に含まれる前記物理オブジェクトの特徴に係る特徴情報を抽出する特徴情報抽出部と、を備え、
前記情報取得部は、前記物理オブジェクト識別情報として、所定の物理オブジェクトの位置に係る位置情報と、前記物理オブジェクトまでの距離に係る距離情報と、前記物理オブジェクトの特徴に係る特徴情報と、を取得し、
前記識別情報判定部は、前記情報取得部により取得された位置情報と前記位置情報検出部により検出された位置情報とが略一致し、前記情報取得部により取得された距離情報と前記距離情報検出部により検出された距離情報とが略一致し、かつ、前記情報取得部により取得された特徴情報と前記特徴情報抽出部により抽出された特徴情報とが略一致するか否かを判定する情報処理装置。
【請求項7】
請求項1または2に記載の情報処理装置であって、
前記アノテーション提示部は、前記画像取得部により取得された画像に含まれる物理オブジェクトに対応付けて前記アノテーションを表示する情報処理装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記アノテーション提示部は、前記対応度または前記関連度が大きい順に、前記アノテーションを提示する情報処理装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記所定の利用ポリシは、前記対応度及び前記関連度のそれぞれ又は合計値が所定値以上であることである情報処理装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記アノテーション提示部は、前記対応度及び前記関連度の少なくとも1つを前記アノテーションと同時に提示する情報処理装置。
【請求項11】
画像を取得する画像取得部と、
前記画像に含まれる物理オブジェクトを識別するための物理オブジェクト識別情報を検出する識別情報検出部と、
前記物理オブジェクトのアノテーションを生成するアノテーション生成部と、
前記物理オブジェクト毎に、前記アノテーション生成部により生成されたアノテーションと、前記識別情報検出部により検出された物理オブジェクト識別情報と、を送出する送出部と、
を備える情報処理装置。
【請求項12】
請求項11に記載の情報処理装置であって、
前記識別情報検出部は、当該情報処理装置の位置に係る位置情報を検出する位置情報検出部と、当該情報処理装置から前記画像に含まれる物理オブジェクトまでの距離に係る距離情報を検出する距離情報検出部と、前記画像に含まれる前記物理オブジェクトの特徴に係る特徴情報を抽出する特徴情報抽出部と、を備え、
前記送出部は、前記物理オブジェクト識別情報として、前記位置情報と前記距離情報と前記特徴情報とを送出する情報処理装置。
【請求項13】
物理オブジェクトを識別するための物理オブジェクト識別情報と、前記物理オブジェクトのアノテーションとを取得する情報取得部と、
前記物理オブジェクト識別情報に基づいて、前記物理オブジェクトと当該物理オブジェクトのアノテーションとの物理的な対応度を算出する対応度算出部と、
を備える情報処理装置。
【請求項14】
請求項13に記載の情報処理装置であって、更に、
前記物理オブジェクトの識別情報とアノテーションに基づいて、前記物理オブジェクトと前記アノテーションとの意味的な関連度を算出する関連度算出部を備える情報処理装置。
【請求項15】
請求項13または14に記載の情報処理装置であって、更に、
前記対応度算出部により算出された対応度に係る対応度情報と、前記関連度算出部により算出された関連度に係る関連度情報と、を送出する送出部を備える情報処理装置。
【請求項16】
請求項13ないし15のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記物理オブジェクト識別情報は、前記情報処理装置の位置に係る位置情報と、前記物理オブジェクトまでの距離に係る距離情報と、前記物理オブジェクトの特徴に係る特徴情報と、を含み、
前記対応度算出部は、前記特徴情報及び前記距離情報に基づいて識別レベルを算出し、前記位置情報に基づいて測位レベルを算出し、前記識別レベル及び前記測位レベルに基づいて前記対応度を算出する情報処理装置。
【請求項17】
請求項13ないし16のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、更に、
前記物理オブジェクト識別情報と、前記物理オブジェクト識別情報により識別される物理オブジェクトに係る語句情報を含む物理オブジェクト情報と、を対応付けて記憶する物理オブジェクト情報記憶部と、
前記情報取得部により取得されたアノテーションから当該アノテーションに係るテキスト情報を取得するテキスト情報取得部と、
を備え、
前記関連度算出部は、前記情報取得部により取得されたアノテーションから前記テキスト情報取得部により取得された前記テキスト情報に含まれる語句情報のうち、前記情報取得部により取得され前記物理オブジェクト情報記憶部により記憶された物理オブジェクト識別情報に対応付けられた前記物理オブジェクト情報に含まれる語句情報に基づいて、前記関連度を算出する情報処理装置。
【請求項18】
請求項17に記載の情報処理装置であって、
前記語句情報は、前記物理オブジェクトの名称の情報と、前記物理オブジェクトに関連する語句である関連語の情報と、前記物理オブジェクトとは関連性の低い語句である非関連語の情報と、を含む情報処理装置。
【請求項19】
物理オブジェクトに対応するアノテーションを提供する情報提供装置と、前記アノテーションを管理する情報管理サーバと、前記アノテーションを提示する情報提示装置と、を備える拡張現実感システムであって、
前記情報提供装置は、
画像を取得する画像取得部と、
前記画像に含まれる物理オブジェクトを識別するための物理オブジェクト識別情報を検出する識別情報検出部と、
前記物理オブジェクトのアノテーションを生成するアノテーション生成部と、
前記物理オブジェクト毎に、前記アノテーション生成部により生成されたアノテーションと、前記識別情報検出部により検出された物理オブジェクト識別情報と、を送出する送出部と、
を備え、
前記情報管理サーバは、
前記情報提供装置からの前記物理オブジェクト識別情報と前記アノテーションとを取得する情報取得部と、
前記物理オブジェクト識別情報に基づいて、前記物理オブジェクトと当該物理オブジェクトのアノテーションとの物理的な対応度を算出する対応度算出部と、
前記物理オブジェクト識別情報と、前記アノテーションと、前記対応度情報と、を送出する送出部と、
を備え、
前記情報提示装置は、
画像を取得する画像取得部と、
前記画像に含まれる物理オブジェクトを識別するための物理オブジェクト識別情報を検出する識別情報検出部と、
前記情報管理サーバからの所定の物理オブジェクトを識別するための前記物理オブジェクト識別情報と、前記物理オブジェクトのアノテーションと、前記対応度情報と、を取得する情報取得部と、
前記識別情報検出部により検出された物理オブジェクト識別情報と、前記情報取得部により取得された物理オブジェクト識別情報と、が略一致するか否かを判定する識別情報判定部と、
前記識別情報判定部により略一致すると判定された場合、前記物理オブジェクトの前記アノテーションの前記対応度情報が、所定の利用ポリシを満たすか否かを判定する利用ポリシ判定部と、
前記利用ポリシ判定部により前記利用ポリシを満たすと判定された場合、前記アノテーションを提示するアノテーション提示部と、
を備える拡張現実感システム。
【請求項20】
画像を取得するステップと、
前記画像に含まれる物理オブジェクトを識別するための物理オブジェクト識別情報を検出するステップと、
所定の物理オブジェクトを識別するための物理オブジェクト識別情報と、前記物理オブジェクトのアノテーションと、前記物理オブジェクトと前記アノテーションとの物理的な対応度を示す対応度情報と、を取得するステップと、
前記検出された物理オブジェクト識別情報と、前記取得された物理オブジェクト識別情報と、が略一致するか否かを判定するステップと、
前記略一致すると判定された場合、前記物理オブジェクトの前記アノテーションの前記対応度情報が、所定の利用ポリシを満たすか否かを判定するステップと、
前記利用ポリシを満たすと判定された場合、前記アノテーションを提示するステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項21】
画像を取得するステップと、
前記画像に含まれる物理オブジェクトを識別するための物理オブジェクト識別情報を検出するステップと、
前記物理オブジェクトのアノテーションを生成するステップと、
前記物理オブジェクト毎に、前記生成されたアノテーションと、前記検出された物理オブジェクト識別情報と、を送出するステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項22】
物理オブジェクトを識別するための物理オブジェクト識別情報と、前記物理オブジェクトのアノテーションとを取得するステップと、
前記物理オブジェクト識別情報に基づいて、前記物理オブジェクトと当該物理オブジェクトのアノテーションとの物理的な対応度を算出するステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項23】
請求項20に記載の情報処理方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項24】
請求項21に記載の情報処理方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項25】
請求項22に記載の情報処理方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−155362(P2012−155362A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−11242(P2011−11242)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】