情報処理装置、画像処理装置、制御方法、及びプログラム
【課題】情報処理装置から指定したIPv6のネットワークアドレスを持つIPv6に適応する画像処理装置を探索することなどを可能とする。
【解決手段】ネットワークデバイス管理システムは、デバイス管理アプリケーションが動作するサーバ100、ブラウザが動作するPC102、複数のデバイスを備える。デバイス管理アプリケーションは、デバイスの探索条件が、指定したネットワークに属するデバイスをIPv6マルチキャスト探索する条件の場合、IPv6のネットワークアドレスであるPrefixに基づきハッシュ関数によりハッシュ値を計算する。デバイス管理アプリケーションは、ハッシュ値を基に生成したマルチキャストアドレスを用いてマルチキャストパケットを送信し、同じPrefixを有し且つ同じハッシュ関数でマルチキャストグループに登録されたデバイスから送信される情報を受信する。
【解決手段】ネットワークデバイス管理システムは、デバイス管理アプリケーションが動作するサーバ100、ブラウザが動作するPC102、複数のデバイスを備える。デバイス管理アプリケーションは、デバイスの探索条件が、指定したネットワークに属するデバイスをIPv6マルチキャスト探索する条件の場合、IPv6のネットワークアドレスであるPrefixに基づきハッシュ関数によりハッシュ値を計算する。デバイス管理アプリケーションは、ハッシュ値を基に生成したマルチキャストアドレスを用いてマルチキャストパケットを送信し、同じPrefixを有し且つ同じハッシュ関数でマルチキャストグループに登録されたデバイスから送信される情報を受信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークに接続された画像処理装置の探索を行う情報処理装置、画像処理装置、制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワーク(インターネット)に接続されたネットワークデバイスと通信する際に用いるプロトコルとして、IPv4(Internet Protocol version4)がある。IPv4は、アドレス空間を32ビットで表現するOSI(Open System Interconnection)ネットワーク層に位置するプロトコルであり、アドレッシング、ルーティング、誤り制御等を行う。
【0003】
近年、インターネットの普及に伴いネットワークに接続する機器が増加しているという状況から、アドレス空間を32ビットで表現するIPv4ではアドレス空間が不足するという問題が起きている。このような問題に対処すべく、アドレス空間を128ビットに拡張したIPv6(Internet Protocol version6)が開発され、その導入が進んでいる。
【0004】
IPv6において、128ビットのアドレス構造は、上位64ビットのネットワークアドレス、下位64ビットのインタフェースIDから構成される。上位64ビットは、グローバルルーティングプレフィックスとサブネットIDから構成される。
【0005】
ネットワークアドレスの違いにより、ステートフルアドレス、ステートレスアドレス、リンクローカルアドレスの3種類のアドレスを表現することができる。ステートフルアドレスは、DHCPv6(Dynamic Host Configuration Protocol version6)プロトコルを使用してDHCPサーバから取得したIPv6アドレスである。ステートレスアドレスは、ルータから通知される情報に基づきIPv6対応機器が自動的に生成するIPv6アドレスである。リンクローカルアドレスは、IPv6対応機器が属するネットワーク(同一リンク)でのみ通信可能なIPv6アドレスである。IPv6対応機器は、これらのアドレスを複数バインドすることが可能である。
【0006】
また、IPv6プロトコルでは、当該機器が複数の機器と通信を行う場合、IPv4で行っていたブロードキャストに代わりマルチキャストを行う。マルチキャストアドレスは、アドレスの有効範囲を示すスコープとグループIDにより構成される。IPv6の先頭4バイトがスコープとなり、FF01がインタフェースローカルスコープ、FF02がリンクローカルスコープ、FF0Eがグローバルスコープとなる。グループIDは予約されているものがあり、例えばSSDPプロトコルはCを使用する。つまり、SSDPプロトコルによるリンクローカルスコープのマルチキャストは、FF02:0:0:0:0:0:0:Cとなる。
【0007】
一方、IPv4環境におけるSNMP(Simple Network Management Protocol)プロトコルを用いたネットワークデバイス管理装置のデバイス探索に関する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、ネットワークデバイス管理装置は、ネットワークに接続されたデバイスにブロードキャストパケットを送信し、デバイス一覧を作成する。ブロードキャストアドレスにネットワークアドレスを付加したサブネットブロードキャストを用いることで、サブネット毎のデバイス一覧を作成することが可能である。
【0008】
サブネットブロードキャストとは、サブネットワークに属する機器に対するブロードキャストリクエストである。例えば、サブネットマスクが255.255.255.0、ネットワークアドレスが192.168.32.0のネットワークを想定する。該ネットワークにおいて、当該機器から、下位1バイトのビットを全て0x1とし、192.168.32.255アドレスにパケットを送信する。これにより、当該機器はそのネットワーク内に存在する機器から送信されるレスポンスを受信する。
【0009】
ここで、コンピュータと複数のデバイスからなるネットワークシステムの構成例について概要を説明する。
【0010】
図19は、IPv6でブロードキャストを実現できないネットワークシステムの構成例を示す概念図である。
【0011】
図19において、ネットワークシステムは、パーソナルコンピュータ(以下PCと略記)1901、サーバ1902、複数のデバイス1903〜1908から構成されている。1909、1910はルータである。ローカルネットワーク1911内では、IT(Information Technology)管理者によりSNMPブロードキャストによるデバイス探索が行われる。また、指定したネットワーク1912内では(ルータ超え)、SNMPサブネットブロードキャスト1によるデバイス探索と、SNMPサブネットブロードキャスト2によるデバイス探索が行われる。
【0012】
図20は、IPv4を用いてSNMPプロトコルによるデバイス探索を行う場合のデバイス探索設定画面を示す図である。
【0013】
図20において、PC1901の表示部にはデバイス探索設定画面が表示される。デバイス探索設定画面からは、ブロードキャスト探索として、「ローカルネットワークをIPブロードキャスト探索する」2000、「指定したネットワークをIPブロードキャスト探索する」2001を任意に選択可能である。また、IPブロードキャストアドレス2002を指定可能である。
【特許文献1】特開2000−196665号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、IPv4を用いてSNMPプロトコルによるデバイス探索を行うことが前提となっており、IPv6を用いたデバイス探索について考慮されていない。そのため、サーバ1902からはIPv6のネットワークアドレスを指定して、そのネットワーク内にあるIPv6デバイスだけを探索することができないという課題がある。更に、サーバ1902からは該サーバが存在するローカルネットワークに属する標準デバイスを探索することができないという課題がある。
【0015】
本発明の目的は、情報処理装置から指定したIPv6のネットワークアドレスを持つIPv6に適応する画像処理装置を探索することなどを可能とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述の目的を達成するために、本発明は、ネットワークに接続される複数の画像処理装置と通信可能な情報処理装置において、画像処理装置を探索する際の探索条件が、指定したネットワークに属する画像処理装置をマルチキャストにより探索する条件であるか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により前記探索条件が前記指定したネットワークに存在する画像処理装置をマルチキャストにより探索する条件であると判断された場合、当該指定されたネットワークに対応する情報に基づいて所定の値を計算する計算手段と、前記計算手段により計算された値を用いてマルチキャストアドレスを生成する生成手段と、前記生成手段により生成されたマルチキャストアドレスを指定した探索条件を送信する送信手段と、前記マルチキャストアドレスに対応する画像処理装置から送信される応答を受信する受信手段と、を備えることを特徴とする。
【0017】
上述の目的を達成するために、本発明は、ネットワークに接続され情報処理装置と通信可能な画像処理装置において、前記情報処理装置から、前記画像処理装置が存在するネットワークに対応する情報に基づいて計算された所定の値を用いて生成されたマルチキャストアドレスが指定された探索条件を受信する受信手段と、前記情報処理装置における前記計算で用いるアルゴリズムと同じアルゴリズムにより計算された値を用いてマルチキャストアドレスを生成する生成手段と、前記生成手段により生成されたマルチキャストアドレスを用いてマルチキャストグループに参加する参加手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、IPv6のネットワークアドレスのプレフィックスから生成されるマルチキャストアドレスを情報処理装置及び画像処理装置で使用する。これにより、情報処理装置から指定したIPv6のネットワークアドレスを持つIPv6に適応する画像処理装置を探索することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るネットワークシステムとしてのネットワークデバイス管理システムの構成例を示す概念図である。
【0021】
図1において、ネットワークデバイス管理システムは、サーバ100、PC102、デバイス101、103、104、105、106、107から構成されている。サーバ100、PC102、デバイス106、107は、リンクローカルネットワーク上に存在する。デバイス101、103、ルータ108は、サイトローカルネットワーク1上に存在する。デバイス104、105、ルータ109は、サイトローカルネットワーク2上に存在する。
【0022】
本実施の形態では、デバイス管理アプリケーションプログラム(以下デバイス管理アプリケーションと略記)と、Webブラウザ(以下ブラウザと略記)を別々の装置で動作させる構成を例に挙げて説明する。即ち、サーバ100(情報処理装置)は、デバイス管理アプリケーションが動作する。PC102は、IT管理者により操作され、ブラウザが動作する。
【0023】
IT管理者は、サーバ100上のデバイス管理アプリケーション及びPC102上のブラウザを使用し、ネットワーク上に存在するデバイスを遠隔地から管理することが可能である。例えば、あるネットワークに属するデバイスを探索するタスクをPC102で作成し、デバイス管理アプリケーションによるタスクの実行結果をブラウザによりデバイス一覧として表示することが可能である。
【0024】
デバイス管理アプリケーションは、IT管理者の操作によるブラウザからの要求に応じてネットワーク上のデバイスを管理する。また、デバイス管理アプリケーションは、デバイスの情報取得要求に従って後述するデバイス情報(デバイスのIPアドレス、デバイスの設置場所を示すロケーション情報、デバイスに付設されるオプション機器の構成を示す情報等)を取得する処理を行う。また、デバイス管理アプリケーションは、デバイスの設定変更要求に従って適切な値を設定する処理を行う。
【0025】
デバイス101(画像処理装置)は、ネットワーク上に存在する、例えば原稿読取機能・印刷機能・通信機能等の複数の機能を有する複合機として構成されている。デバイス101は、デバイス管理アプリケーションからの要求に従い、デバイス情報を返信したり、デバイス内部の設定値を変更したりする処理を行う。尚、デバイス101以外のデバイスも複合機或いはプリンタとして構成されている。
【0026】
本実施の形態では、デバイス管理アプリケーションによりネットワーク上のデバイスを探索する方法として、図1に示すように第1の探索方法及び第2の探索方法の2つの探索方法を設けている。第1の探索方法は、指定したサイトローカルネットワークに属するデバイスをIPv6マルチキャストにより探索する方法である。第2の探索方法は、デバイス管理アプリケーション(サーバ100)が存在するリンクローカルネットワークに属するデバイスを探索する方法である。
【0027】
例えば、第1の探索方法では、デバイス管理アプリケーションは、指定したIPv6ネットワークアドレスを有する(PrefixAを持つネットワークに属する)デバイス(デバイス101、デバイス103)を探索する。第2の探索方法では、デバイス管理アプリケーションは、ローカルネットワークに属する標準デバイス(デバイス106、デバイス107)を探索する。
【0028】
図2は、デバイス101の構成を示す構成図である。
【0029】
図2において、デバイス101は、制御部200、スキャナ部201、操作部204(パネル)、プリンタ部205、記憶部(不図示)を備えている。尚、デバイス101以外の他のデバイスの構成も図2と同様であるため図示及び説明は省略する。
【0030】
制御部200は、デバイス全体の制御を司るものであり、記憶部に格納されている制御プログラムに基づき図9(第1の実施の形態)、図18(第2の実施の形態)の各フローチャートに示す処理を実行する。制御部は、本発明の画像処理装置の通信手段、処理手段、参加手段、判定手段を実現するための一例である。操作部204は、使用者がデバイス101に対して各種設定や指示を行うための操作キーと表示画面(図3)を備えている。操作部204は、本発明の画像処理装置の設定手段、指定手段を実現するための一例である。
【0031】
スキャナ部201は、原稿を照明すると共にCCDラインセンサ(不図示)により原稿を走査することで原稿の画像を読み取り、ラスタイメージデータとしての電気信号に変換する画像入力部である。
【0032】
プリンタ部205は、スキャナ部201から出力された電気的なラスタイメージデータを用紙上の可視画像に変換する画像形成動作(プリント動作)を行う画像出力部である。その変換方式には、感光体ドラム或いは感光体ベルトに形成した潜像を現像剤で現像して用紙に画像を転写する電子写真方式、微少ノズルアレイからインクを吐出して用紙に直接画像を形成するインクジェット方式等があるが、どの方式でも構わない。
【0033】
原稿から画像を読み取り用紙に画像を形成する複写を行う場合は、使用者が操作部204から原稿フィーダ202のトレイ203にセットされた原稿の読取動作の開始を指示すると、制御部200からスキャナ部201に読取動作開始の指示を与える。これにより、スキャナ部201は、原稿フィーダ202によりトレイ203上の原稿を1枚ずつ原稿読取位置へ搬送し、CCDラインセンサにより画像の読み取り動作を行う。
【0034】
スキャナ部201で原稿の読み取りが終了すると、制御部200からプリンタ部205にプリント動作開始の指示を与える。これにより、プリンタ部205は、異なる用紙サイズ或いは異なる用紙向きを選択できるように装備されている複数の用紙カセット206、207、208、209のうち該当する用紙カセットから用紙を給紙し、用紙に画像を形成するプリント動作を行う。プリント動作が終了した用紙は排紙トレイ210に排出される。
【0035】
図3は、デバイス101の操作部204に表示される画面例(IPv6設定画面)を示す図である。
【0036】
図3において、IPv6設定画面では、「サブネット毎」301を選択することにより、第1の探索方法を有効にすることできる。また、「近隣応答」302をONに設定することにより、第2の探索方法を有効にすることが可能となる。「ローカルネットワーク」303をONに設定することにより、SNMPデーモンがFF0X::1のマルチキャストアドレスグループに登録を行い、FF0X::1の要求に返信を行う。
【0037】
本実施の形態ではデバイス探索にSNMPプロトコルを使用するため、「SNMPを使用」304、「SNMPマルチキャスト」305は両方ともONである必要がある。また、「指定アドレス」306を選択し、SNMPデーモンで使用するマルチキャストアドレスを指定することも可能である。
【0038】
図4は、デバイス管理アプリケーションが動作するサーバ100のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0039】
図4において、サーバ100は、CPU401、ROM402、RAM403、システムバス404、キーボードコントローラ(KBC)405、キーボード409、CRTコントローラ(CRTC)406、CRTディスプレイ410を備えている。更に、サーバ100は、ディスクコントローラ(DKC)407、ハードディスク(HD)ドライブ411、DVDコントローラ412、ネットワークインタフェースコントローラ(NIC)408を備えている。
【0040】
CPU401は、システムバス404に接続された各部を制御すると共に、ハードディスクドライブ411のハードディスクに格納されたデバイス管理アプリケーションに基づき各種処理を実行する。ROM402は、各種プログラム、固定データを格納する。RAM403は、CPU401の作業領域、データの一時記憶領域を提供する。キーボードコントローラ405は、キーボード409から入力されたデータや指示をCPU401に伝える。
【0041】
CRTコントローラ406は、CRTディスプレイ410に対する表示を制御する。尚、ディスプレイはCRTディスプレイに限定されず液晶ディスプレイでもよい。ディスクコントローラ407は、ハードディスクドライブ411のハードディスクに対する各種データの書き込み/読み出しを制御する。DVDコントローラ412は、DVDに対する各種データの書き込み/読み出しを制御する。ネットワークインタフェースコントローラ408は、LAN413を含むネットワークを経由した各デバイスとの間の通信を制御する。
【0042】
本実施の形態では、サーバ100によりネットワークデバイス管理を行う際のハードウェア上の実行の主体はCPU401であり、ソフトウェア上の制御の主体はハードディスクに格納されたデバイス管理アプリケーションである。また、本実施の形態では、OS(Operating System)として例えばウィンドウズ(登録商標)XP(マイクロソフト社製)を想定しているが、これに限定されるものではない。
【0043】
デバイス管理アプリケーションは、ハードディスクに格納された形態での供給に限定されるものではなく、DVD或いはCD−ROM等の記憶媒体に格納された形態で供給するようにしてもよい。その場合は、DVDコントローラ412或いはCD−ROMドライブ(不図示)等により記憶媒体(DVD或いはCD−ROM)からデバイス管理アプリケーションが読み出され、ハードディスクドライブ411のハードディスクにインストールされる。
【0044】
また、ブラウザが動作するPC102の構成も図4に示した構成と同様であり(不図示)、便宜上、図4を参照して説明する。ハードディスクドライブ411のハードディスクには、ブラウザのプログラムが格納される。
【0045】
本実施の形態では、PC102でブラウザが動作する際のハードウェア上の実行の主体はCPU401であり、ソフトウェア上の制御の主体はハードディスクに格納されたブラウザである。また、本実施の形態では、OSとして例えばウィンドウズ(登録商標)XPを想定しているが、これに限定されるものではない。ウィンドウズ(登録商標)XPの場合、ブラウザはOSのインストール時にプレインストールされている。
【0046】
図5は、デバイス管理アプリケーションの構成を示すブロック図である。
【0047】
図5において、デバイス管理アプリケーションは、HTML画面生成部501、アドレス生成部502、クライアント通信部503、デバイス探索部504を備えている。更に、デバイス管理アプリケーションは、デバイス情報取得部505、デバイス通信部506、デバイス情報保持部507、タスク処理部508を備えている。
【0048】
図5に示す構成は、本発明の情報処理装置の判断手段、計算手段、生成手段、送信手段、受信手段、選択手段、取得手段、表示制御手段を実現するための一例である。HTML画面生成部501は、ブラウザに出力するHTML(Hypertext Markup Language)データを生成する。アドレス生成部502は、PC102からデバイスに送信するマルチキャストパケットで使用するIPv6マルチキャストアドレスを生成する。
【0049】
第1の探索方法の場合、アドレス生成部502により、ハッシュ関数を使用してマルチキャストグループを作成し、マルチキャストグループを用いてIPv6マルチキャストアドレスを生成する。即ち、デバイスを探索する際の探索条件がサイトローカルネットワークの場合、IPv6のネットワークアドレスであるプレフィックス(Prefix)からハッシュ値を生成し、送信するIPv6マルチキャストアドレスを生成する。
【0050】
クライアント通信部503は、ブラウザとの間でHTML画面の送受信を行う。デバイス探索部504は、ネットワーク上のデバイスを探索しデータベース(不図示)に保持する。デバイス探索部504は、第1の探索方法、第2の探索方法のシーケンスを実行するものであり、探索条件に基づきデバイスを探索する。デバイス情報取得部505は、SNMPプロトコルによりデバイス情報(デバイスのIPアドレス、デバイスの設置場所を示すロケーション情報、デバイスに付設されるオプション機器の構成を示す情報等)をデバイスから取得する。
【0051】
デバイス通信部506は、SNMP/SLP/Webサービス等のプロトコルを用いて、デバイスと通信(デバイスにパケットを送信、デバイスからの応答を受信)を行う。デバイス情報保持部507は、デバイスから取得した情報をデータベースに保持する。タスク処理部508は、デバイス探索等の処理をタスクという単位でIT管理者が指定した時間に実行する。即ち、探索条件をタスクとして実行する。
【0052】
次に、上記構成を有する本実施の形態のネットワークデバイス管理システムの動作について図6〜図18を参照しながら詳細に説明する。
【0053】
図6は、デバイス管理アプリケーションによりデバイス探索を行う場合の第1の探索方法を示すフローチャートである。
【0054】
図6において、ステップS101では、サーバ100のデバイス管理アプリケーションは、使用者による図7のIPv6のデバイス探索設定画面からの設定に伴い、PC102のブラウザからデバイス探索要求を受信する。ここで、図7の画面はIPv6に関する探索条件を示した画面である。図7の画面からは、IPv6マルチキャスト探索700として、「リンクローカルネットワークをIPv6マルチキャスト探索する」701、「指定したネットワークのデバイスをIPv6マルチキャスト探索する」702を任意に選択可能である。701のIPv6マルチキャスト探索は第2の探索方法に該当し、702のIPv6マルチキャスト探索は第1の探索方法に該当する。
【0055】
ステップS102では、デバイス管理アプリケーションは、使用者によりIPv6のデバイス探索設定画面で設定された探索条件が、指定したネットワークに属するデバイスをIPv6マルチキャストにより探索する条件(第1の探索方法)であるか否かを判断する。指定したネットワークに属するデバイスをIPv6マルチキャストにより探索する条件である場合は、ステップS103に進む。指定したネットワークに属するデバイスをIPv6マルチキャストにより探索する条件でない場合は、ステップS110に進む。
【0056】
ステップS103では、デバイス管理アプリケーションは、指定されたIPv6のネットワークアドレスであるプレフィックス(Prefix)からハッシュ関数を用いてマルチキャストグループとなる値(ハッシュ値)(所定の値)を計算する。尚、図7のIPv6のデバイス探索設定画面で、IPv6プレフィックス(Prefix)703を設定することができる。
【0057】
ステップS104では、デバイス管理アプリケーションは、ステップS103で計算したハッシュ値(マルチキャストグループとなる値)を用いて送信するマルチキャストアドレスを生成する。マルチキャストアドレスの計算式は以下の通りである。
【0058】
マルチキャストアドレス = FF1X + ベースアドレス + ハッシュ関数(Prefix)
例: FF1X + ::1:0000 + Hash(FD00:0:AC18:9800)
= FF15:0:0:0:0:0:1:01d8
ここで、X=5はサイトローカルを示す。FF1Xの1はwell-known(IANAに登録済)ではないことを示す。::1:0000はベースアドレスである。使用するハッシュ関数のアルゴリズムは、デバイス101と同様のアルゴリズムである。
【0059】
ステップS105では、デバイス管理アプリケーションは、生成したマルチキャストアドレスを使用してSNMPマルチキャストパケットを生成する。更に、デバイス管理アプリケーションは、SNMPマルチキャストパケットを上記指定したネットワークに属するデバイスに送信する。ステップS106では、デバイス管理アプリケーションは、デバイスからのレスポンスの受信待ちを行う。
【0060】
ステップS107では、デバイス管理アプリケーションは、デバイスからのレスポンスを受信する。レスポンスパケットは、IPv6のネットワークアドレスであるPrefixと同じPrefixを有し、上記ハッシュ関数と同じハッシュ関数でマルチキャストグループに登録したデバイスからのみ送信される。つまり、指定したネットワークアドレス(Prefix)を持つデバイスだけ探索することが可能となる。ステップS108では、デバイス管理アプリケーションは、デバイスを探索した探索結果を保持する。
【0061】
ステップS109では、デバイス管理アプリケーションは、探索条件に含まれる全てのネットワークアドレスを処理したか否かを判断する。探索条件に含まれる全てのネットワークアドレスを処理していない場合は、ステップS103に戻る。探索条件に含まれる全てのネットワークアドレスを処理している場合は、ステップS1010に進む。
【0062】
ステップS110では、デバイス管理アプリケーションは、探索条件にローカルネットワークの探索が含まれるか否かを判断する。探索条件にローカルネットワークの探索が含まれる場合は、ステップS111に進む。ステップS111では、デバイス管理アプリケーションは、第2の探索方法を実行する。探索条件にローカルネットワークの探索が含まれない場合は、ステップS112に進む。ステップS112では、デバイス管理アプリケーションは、ステップS108で保持した探索結果に対して、private MIB(Management Information Base)を用いてデバイスからデバイス情報を追加取得する。
【0063】
ステップS113では、デバイス管理アプリケーションは、デバイスのアドレス情報が探索条件として指定したアドレスに含まれるか否かを確認する。通常、デバイス情報を登録可能なデバイスのアドレスは指定したPrefixを持つアドレスのみとなるが、ハッシュ関数の特性で異なるPrefixを使用してもハッシュ値が同一になる可能性が一部ある。このような状況で探索されたデバイスを除外するために、念のためステップS113の処理によりPrefixを確認する。
【0064】
デバイス情報を取得したデバイスのアドレスが指定したPrefixを持つアドレスの場合は、ステップS114に進み、デバイス管理アプリケーションは、デバイス情報をデータベースに登録し、本処理を終了する。デバイス情報を取得したデバイスのアドレスが指定したPrefixを持たない場合は、デバイス管理アプリケーションは、デバイス情報(指定されていないPrefixのデバイス情報)を破棄し、本処理を終了する。
【0065】
図8は、デバイス管理アプリケーションによりデバイス探索を行う場合の第2の探索方法を示すフローチャートである。
【0066】
図8において、ステップS201では、サーバ100のデバイス管理アプリケーションは、FF02::1をマルチキャストアドレスとして使用する。ステップS202では、デバイス管理アプリケーションは、デバイス管理アプリケーション(サーバ100)が存在するリンクローカルネットワークに属するデバイスを探索する第2の探索方法において、ICMPのタイプ133を持つ近隣要請を送信する。ここで、ICMPはInternet Control Message Protocolの略称である。ステップS203では、デバイス管理アプリケーションは、デバイス(本実施の形態ではデバイス106、107のいずれか)からのレスポンスの受信待ちを行う。
【0067】
ステップS204では、デバイス管理アプリケーションは、デバイスからのレスポンスを受信する。この時点では、ローカルネットワークに接続される全ての機器のアドレスを取得できる。全ての機器とは、デバイス(複合機、プリンタ)やルータなど全てのIPv6アドレスを持つ機器である。ステップS205では、デバイス管理アプリケーションは、ステップS204で返信のあったアドレスに対してprivate MIBを送信する。
【0068】
ステップS206では、デバイス管理アプリケーションは、デバイスからのレスポンス(近隣要請に対し返信される近隣応答)を受信する。ステップS207では、デバイス管理アプリケーションは、受信したレスポンスがNoSuchNameであるか否かを判定する。受信したレスポンスがNoSuchNameでない場合は、デバイス管理アプリケーションは、レスポンスがあったデバイスを自社デバイスと判断し、ステップS208で、private MIBを用いてデバイスからデバイス情報を追加取得する。受信したレスポンスがNoSuchNameの場合は、ステップS209で、デバイス管理アプリケーションは、NoSuchNameの全てのアドレスに対してPrinter MIBを送信する。
【0069】
ステップS210では、デバイス管理アプリケーションは、レスポンスがNoSuchNameであるか否かを判定する。レスポンスとしてNoSuchNameを返信したデバイスは印刷機能を持たないデバイスとして管理対象デバイス対象から外すため、本処理を終了する。レスポンスとしてNoSuchNameを返信せず何らかの値を返信したデバイスは印刷機能を持たないデバイスとして処理を継続し、ステップS211に進む。ステップS211では、デバイス管理アプリケーションは、標準MIBを用いてデバイスからデバイス情報を取得し、本処理を終了する。
【0070】
図9は、デバイス101の動作を示すフローチャートである。
【0071】
図9において、ステップS301では、デバイス101の制御部200は、使用者によるデバイス101の電源投入に伴いデバイス101を起動する。ステップS302では、制御部200は、デバイス101の設定値をチェックし、サブネット毎にSNMPマルチキャストをリッスン(受信)することが設定されているか否かを判断する。
【0072】
サブネット毎にSNMPマルチキャストをリッスンする場合、ステップS303に進み、制御部200は、SNMPデーモンにおいて、バインドしているIPv6ネットワークアドレス(Prefix)からハッシュ値を計算する。ここで使用するハッシュ値計算アルゴリズムは、デバイス管理アプリケーションと同じアルゴリズムである。ステップS304では、制御部200は、ステップS303で計算したハッシュ値を用いてマルチキャストアドレスを生成する。
【0073】
ステップS311では、制御部200は、SNMPデーモンにより、マルチキャストグループに参加する。即ち、ステップS304で生成したマルチキャストアドレスを用いてSNMPマルチキャストグループに参加する。これにより、デバイス101はデバイス管理アプリケーションが意図するマルチキャストグループで応答することが可能となる。つまり、デバイス101はデバイス管理アプリケーションの第1の探索方法で探索される(応答を返信する)デバイスとなる。
【0074】
尚、デバイス101では、デバイス管理アプリケーションで用いるアルゴリズムと同じアルゴリズムによりハッシュ値を計算しマルチキャストアドレスを生成するか否かを、操作部204から設定することが可能である。
【0075】
図10にデバイス101からデバイス管理アプリケーションに返信するパケットの例を示す。図10のパケット例1は、ステップS303、ステップS304、ステップS311でデバイス101がリッスンした場合にデバイス管理アプリケーションに返信されるパケットの例である。パケットのソースアドレスには、デバイス管理アプリケーションが図6のステップS104で生成したマルチキャストアドレスが指定されている。
【0076】
上記のステップS302で、サブネット毎にSNMPマルチキャストをリッスンしない場合、ステップS305に進み、制御部200は、指定したネットワークアドレスでリッスンするか否かを判断する。指定したネットワークアドレスでリッスンする場合、ステップS306に進み、制御部200は、使用者によりデバイス101の操作部204(パネル)から設定されたマルチキャストアドレスを使用する。その後、ステップS311に進み、制御部200は、設定されたマルチキャストアドレスに対しSNMPデーモンによりJOINする。
【0077】
図10のパケット例2は、ステップS305、ステップS306、ステップS311でデバイス101がリッスンした場合にデバイス管理アプリケーションに返信されるパケットの例である。ステップS306のマルチキャストアドレスは、図3に示した操作部204のIPv6設定画面で設定されたマルチキャストアドレスを使用している。
【0078】
上記のステップS305で、指定したネットワークアドレスでリッスンしない場合、ステップS307に進み、制御部200は、ローカルネットワークでSNMPマルチキャストに応答するか否かを判断する。ローカルネットワークでSNMPマルチキャストに応答する場合、ステップS308に進み、制御部200は、FF02::1をマルチキャストアドレスとする。その後、ステップS311に進み、制御部200は、SNMPデーモンにより、マルチキャストグループに参加する。即ち、ステップS308で生成したマルチキャストアドレスを用いてSNMPマルチキャストグループに参加する。
【0079】
図10のパケット例3は、ステップS307、ステップS308、ステップS311でデバイス101がSNMPマルチキャストをリッスンした場合にデバイス管理アプリケーションに返信されるパケットの例である。
【0080】
上記のステップS307で、ローカルネットワークでSNMPマルチキャストに応答しない場合は、ステップS309に進み、制御部200は、操作部204(パネル)の設定値をチェックし、近隣要請に応答を返信するか否かを判断する。近隣要請に応答を返信する場合は、ステップS310に進み、制御部200は、ICMPデーモンによりJOINを行う。これにより、デバイス101は、デバイス管理アプリケーションの第2の探索方法で探索される(応答を返信する)デバイスとなる。近隣要請に応答しない場合は、本処理を終了する。
【0081】
図10のパケット例4は、ステップS309、ステップS310、ステップS311でデバイス101がSNMPマルチキャストをリッスンした場合にデバイス管理アプリケーションに返信されるパケットの例である。
【0082】
ステップS312では、制御部200は、デバイス管理アプリケーションからの受信待ちを行う。デバイス管理アプリケーションからパケットを受信した場合、ステップS313で、制御部200は、レスポンスをデバイス管理アプリケーションに返信する。その後、ステップS312に戻り再び受信待ち状態となる。
【0083】
ここで、マルチキャストアドレスを求める方法として、ハッシュ値の代わりにIPv6のネットワークアドレスであるプレフィックス(Prefix)を用いてマルチキャストアドレスを生成してデバイスに送信する方法を以下に示す。
【0084】
マルチキャストアドレス = FF1X + 0 + Prefix
例: FF1X + 0:0:0 + C001:0000:0001:01d8
= FF15:0:0:0:C001:0000:0001:01d8
X=5はサイトローカルを示す。FF1Xの1はwell-known(IANAに登録済)ではないことを示す。即ち、ハッシュ値の代わりにIPv6のネットワークアドレスであるPrefixをマルチキャストグループに使用する。
【0085】
デバイス101は、上記マルチキャストアドレスでリッスン(受信)を行う。デバイス管理アプリケーションは、上記マルチキャストアドレスでマルチキャストパケットをデバイスに送信する。尚、デバイス101では、デバイス管理アプリケーションと同一の方法で、ハッシュ値の代わりにIPv6のネットワークアドレスであるPrefixをマルチキャストグループに使用する。
【0086】
上記マルチキャストアドレスを算出するときに使用するハッシュ関数を、デバイス101側とPC102側(デバイス管理アプリケーション側)の各々において複数のハッシュ関数の中から選択することも可能である。但し、使用するハッシュ関数は、デバイス101とデバイス管理アプリケーションとにおいて同一のものである必要がある。
【0087】
図11は、デバイス101の操作部204に表示されるハッシュ関数選択画面を示す図である。図11のハッシュ関数選択画面からは、複数のハッシュ関数として、「関数1」1101、「関数2」1102、「関数3」1103を選択可能である。
【0088】
図12は、デバイス管理アプリケーションのハッシュ関数選択画面を示す図である。図12のハッシュ関数選択画面からは、複数のハッシュ関数として、「関数1」1201、「関数2」1202、「関数3」1203を選択可能である。
【0089】
図13は、デバイス管理アプリケーションのデバイスグループ画面を示す図である。デバイスグループ画面では、図7のIPv6のデバイス探索設定画面で指定したIPv6のネットワークアドレスであるPrefixごとにデバイスをグループ化した情報であるデバイスグループ1301を表示している。
【0090】
図14は、デバイス管理アプリケーションのデバイスリスト画面のフィルタ機能を示す図である。フィルタ機能の1つとして、IPv6アドレスのPrefixによるフィルタリング機能がある。図7のIPv6のデバイス探索設定画面で指定したIPv6のネットワークアドレスであるPrefixをデフォルトでフィルタ1401の選択項目として追加し、デバイスリスト画面に表示する。
【0091】
以上説明したように、本実施の形態によれば、ネットワークデバイス管理システムにおいて、IPv6のネットワークアドレスのプレフィックスから生成されるマルチキャストアドレスをサーバ及びデバイスの両方で使用する。これにより、サーバのデバイス管理アプリケーションから指定したIPv6のネットワークアドレスを持つIPv6適応デバイスを探索することが可能となる。
【0092】
また、ICMPパケットをデバイス探索に使用することにより、ローカルネットワークに属する標準デバイスを探索することが可能となる。また、IPv6を用いたSNMPプロトコルによるデバイス探索において、ローカルネットワーク及び指定したネットワークに属するデバイスの探索を実現することが可能となる。
【0093】
〔第2の実施の形態〕
本発明の第2の実施の形態は、上記第1の実施の形態に対して、下記で説明する点において相違する。本実施の形態のその他の要素は、上記第1の実施の形態(図1〜図5)の対応するものと同一なので説明を省略する。
【0094】
図15は、本実施の形態に係るネットワークシステムとしてのネットワークデバイス管理システムのデバイス管理アプリケーションの画面例(IPv6のデバイス探索設定画面)を示す図である。
【0095】
図15において、画面からは、IPv6マルチキャスト探索1500として、「リンクローカルネットワークをIPv6マルチキャスト探索する」1501、「指定したネットワークのデバイスをIPv6マルチキャスト探索する」1502を任意に選択可能である。探索設定として、マルチキャストグループ1503を指定可能である。ここでは、「123」をマルチキャストグループとして使用している。
【0096】
デバイス管理アプリケーションから送信されるマルチキャストパケットは、以下の計算式で生成される。
【0097】
マルチキャストアドレス = FF1X + ベースアドレス
+ 指定されたマルチキャストグループ
例: FF1X + ::1:0000 + 123 (0x7B)
= FF15:0:0:0:0:0:1:007B
図16は、デバイス101の操作部204に表示される画面例(IPv6のデバイス探索設定画面)を示す図である。
【0098】
図16において、IPv6のデバイス探索設定画面で、「マルチキャストグループ」1601を選択(指定)し、デバイス管理アプリケーションと同様に「マルチキャストグループ値」1602として「123」を設定している。「ローカルネットワーク」1603をONに設定することにより、SNMPデーモンがFF0X::1のマルチキャストアドレスグループに登録を行い、FF0X::1の要求に返信を行う。
【0099】
本実施の形態では、デバイス探索にSNMPプロトコルを使用するため、「SNMPを使用」1604、「SNMPマルチキャスト」1605はONである必要がある。ここでは、本実施の形態の主旨とは関係ないため、「近隣応答」1606をOFFに設定してある。
【0100】
図15のIPv6のデバイス探索設定画面及び図16のIPv6のデバイス探索設定画面からの設定により、デバイス管理アプリケーションのマルチキャスト送信に対し、ネットワーク上の全デバイスからレスポンスが返信される。
【0101】
図17は、デバイス管理アプリケーションによりデバイス探索を行う場合の探索方法を示すフローチャートである。
【0102】
図17において、ステップS401では、サーバ100のデバイス管理アプリケーションは、探索要求を受信する。ステップS402では、デバイス管理アプリケーションは、受信した探索要求により要求された探索条件の中からマルチキャストグループを取得する。ステップS403では、デバイス管理アプリケーションは、送信するマルチキャストアドレスを生成する。マルチキャストアドレスの計算式は上記第1の実施の形態で示した通りであり説明を省略する。
【0103】
ステップS404では、デバイス管理アプリケーションは、SNMPマルチキャストパケットを送信する。ステップS405では、デバイス管理アプリケーションは、デバイスからのレスポンスの受信待ちを行う。ステップS406では、デバイス管理アプリケーションは、デバイスからレスポンスを受信する。ステップS407では、デバイス管理アプリケーションは、デバイスから受信したレスポンスの内容がステップS401で受信した探索要求に含まれる指定したPrefixであるか否かを判断する。
【0104】
デバイスから受信したレスポンスの内容が指定したPrefixで無い場合は、デバイス管理アプリケーションは、デバイスから取得した情報(装置情報)を破棄し、本処理を終了する。デバイスから受信したレスポンスの内容が指定したPrefixである場合は、ステップS408に進み、デバイス管理アプリケーションは、デバイスからデバイス情報を追加取得する。デバイス情報を追加取得後、ステップS409では、デバイス管理アプリケーションは、デバイス情報をデータベースに登録し、本処理を終了する。ステップS407の処理により、指定したネットワークのデバイスだけ探索することが可能となる。
【0105】
図18は、デバイス101の動作を示すフローチャートである。
【0106】
図18において、ステップS501では、デバイス101の制御部200は、使用者によるデバイス101の電源投入に伴いデバイス101を起動する。ステップS502では、制御部200は、使用者により操作部204(パネル)から設定されたマルチキャストグループを取得する。ステップS503では、制御部200は、上記第1の実施の形態と同様にマルチキャストアドレスを生成する。
【0107】
ステップS504では、制御部200は、SNMPデーモンにより、マルチキャストグループに参加する。即ち、ステップS503で生成したマルチキャストアドレスを用いてSNMPマルチキャストグループに参加する。ステップS505では、制御部200は、デバイス管理アプリケーションからの受信待ちを行う。ステップS506では、制御部200は、デバイス管理アプリケーションから送信されたマルチキャストパケットを受信し、レスポンスをデバイス管理アプリケーションに返信する。その後、ステップS505に戻り再び受信待ち状態となる。
【0108】
以上説明したように、本実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様に、IPv6のネットワークアドレスを持つIPv6適応デバイスを探索することが可能となると共に、ローカルネットワークに属する標準デバイスを探索することが可能となる。
【0109】
〔他の実施の形態〕
第1及び第2の実施の形態では、デバイス管理アプリケーションをサーバ100上で動作させ、ブラウザをPC102上で動作させる構成を例に挙げたが、これに限定されるものではない。デバイス管理アプリケーションとブラウザを同一の装置上で動作させる構成としてもよい。
【0110】
また、本発明の目的は、以下の処理を実行することにより達成される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。
【0111】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0112】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、次のものを用いることができる。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等である。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0113】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施の形態の機能が実現される場合も本発明に含まれる。加えて、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理により前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0114】
更に、前述した実施形態の機能が以下の処理により実現される場合も本発明に含まれる。即ち、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行う場合である。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るネットワークシステムとしてのネットワークデバイス管理システムの構成例を示す概念図である。
【図2】デバイスの構成を示す構成図である。
【図3】デバイスの操作部に表示される画面例(IPv6設定画面)を示す図である。
【図4】デバイス管理アプリケーションが動作するサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】デバイス管理アプリケーションの構成を示すブロック図である。
【図6】デバイス管理アプリケーションによりデバイス探索を行う場合の第1の探索方法を示すフローチャートである。
【図7】デバイス管理アプリケーションの画面例(IPv6のデバイス探索設定画面)を示す図である。
【図8】デバイス管理アプリケーションによりデバイス探索を行う場合の第2の探索方法を示すフローチャートである。
【図9】デバイスの動作を示すフローチャートである。
【図10】デバイスからデバイス管理アプリケーションに返信するパケットの例を示す図である。
【図11】デバイスの操作部に表示されるハッシュ関数選択画面を示す図である。
【図12】デバイス管理アプリケーションのハッシュ関数選択画面を示す図である。
【図13】デバイス管理アプリケーションのデバイスグループ画面を示す図である。
【図14】デバイス管理アプリケーションのデバイスリスト画面のフィルタ機能を示す図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態に係るネットワークシステムとしてのネットワークデバイス管理システムのデバイス管理アプリケーションの画面例(IPv6のデバイス探索設定画面)を示す図である。
【図16】デバイスの操作部に表示される画面例(IPv6のデバイス探索設定画面)を示す図である。
【図17】デバイス管理アプリケーションによりデバイス探索を行う場合の探索方法を示すフローチャートである。
【図18】デバイスの動作を示すフローチャートである。
【図19】従来例に係るIPv6でブロードキャストを実現できないネットワークシステムの構成例を示す概念図である。
【図20】IPv4を用いてSNMPプロトコルによるデバイス探索を行う場合のデバイス探索設定画面を示す図である。
【符号の説明】
【0116】
100 サーバ
101、103〜107 デバイス
102 PC
401 CPU
501 HTML画面生成部
502 アドレス生成部
503 クライアント通信部
504 デバイス探索部
505 デバイス情報取得部
506 デバイス通信部
507 デバイス情報保持部
508 タスク処理部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークに接続された画像処理装置の探索を行う情報処理装置、画像処理装置、制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワーク(インターネット)に接続されたネットワークデバイスと通信する際に用いるプロトコルとして、IPv4(Internet Protocol version4)がある。IPv4は、アドレス空間を32ビットで表現するOSI(Open System Interconnection)ネットワーク層に位置するプロトコルであり、アドレッシング、ルーティング、誤り制御等を行う。
【0003】
近年、インターネットの普及に伴いネットワークに接続する機器が増加しているという状況から、アドレス空間を32ビットで表現するIPv4ではアドレス空間が不足するという問題が起きている。このような問題に対処すべく、アドレス空間を128ビットに拡張したIPv6(Internet Protocol version6)が開発され、その導入が進んでいる。
【0004】
IPv6において、128ビットのアドレス構造は、上位64ビットのネットワークアドレス、下位64ビットのインタフェースIDから構成される。上位64ビットは、グローバルルーティングプレフィックスとサブネットIDから構成される。
【0005】
ネットワークアドレスの違いにより、ステートフルアドレス、ステートレスアドレス、リンクローカルアドレスの3種類のアドレスを表現することができる。ステートフルアドレスは、DHCPv6(Dynamic Host Configuration Protocol version6)プロトコルを使用してDHCPサーバから取得したIPv6アドレスである。ステートレスアドレスは、ルータから通知される情報に基づきIPv6対応機器が自動的に生成するIPv6アドレスである。リンクローカルアドレスは、IPv6対応機器が属するネットワーク(同一リンク)でのみ通信可能なIPv6アドレスである。IPv6対応機器は、これらのアドレスを複数バインドすることが可能である。
【0006】
また、IPv6プロトコルでは、当該機器が複数の機器と通信を行う場合、IPv4で行っていたブロードキャストに代わりマルチキャストを行う。マルチキャストアドレスは、アドレスの有効範囲を示すスコープとグループIDにより構成される。IPv6の先頭4バイトがスコープとなり、FF01がインタフェースローカルスコープ、FF02がリンクローカルスコープ、FF0Eがグローバルスコープとなる。グループIDは予約されているものがあり、例えばSSDPプロトコルはCを使用する。つまり、SSDPプロトコルによるリンクローカルスコープのマルチキャストは、FF02:0:0:0:0:0:0:Cとなる。
【0007】
一方、IPv4環境におけるSNMP(Simple Network Management Protocol)プロトコルを用いたネットワークデバイス管理装置のデバイス探索に関する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、ネットワークデバイス管理装置は、ネットワークに接続されたデバイスにブロードキャストパケットを送信し、デバイス一覧を作成する。ブロードキャストアドレスにネットワークアドレスを付加したサブネットブロードキャストを用いることで、サブネット毎のデバイス一覧を作成することが可能である。
【0008】
サブネットブロードキャストとは、サブネットワークに属する機器に対するブロードキャストリクエストである。例えば、サブネットマスクが255.255.255.0、ネットワークアドレスが192.168.32.0のネットワークを想定する。該ネットワークにおいて、当該機器から、下位1バイトのビットを全て0x1とし、192.168.32.255アドレスにパケットを送信する。これにより、当該機器はそのネットワーク内に存在する機器から送信されるレスポンスを受信する。
【0009】
ここで、コンピュータと複数のデバイスからなるネットワークシステムの構成例について概要を説明する。
【0010】
図19は、IPv6でブロードキャストを実現できないネットワークシステムの構成例を示す概念図である。
【0011】
図19において、ネットワークシステムは、パーソナルコンピュータ(以下PCと略記)1901、サーバ1902、複数のデバイス1903〜1908から構成されている。1909、1910はルータである。ローカルネットワーク1911内では、IT(Information Technology)管理者によりSNMPブロードキャストによるデバイス探索が行われる。また、指定したネットワーク1912内では(ルータ超え)、SNMPサブネットブロードキャスト1によるデバイス探索と、SNMPサブネットブロードキャスト2によるデバイス探索が行われる。
【0012】
図20は、IPv4を用いてSNMPプロトコルによるデバイス探索を行う場合のデバイス探索設定画面を示す図である。
【0013】
図20において、PC1901の表示部にはデバイス探索設定画面が表示される。デバイス探索設定画面からは、ブロードキャスト探索として、「ローカルネットワークをIPブロードキャスト探索する」2000、「指定したネットワークをIPブロードキャスト探索する」2001を任意に選択可能である。また、IPブロードキャストアドレス2002を指定可能である。
【特許文献1】特開2000−196665号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、IPv4を用いてSNMPプロトコルによるデバイス探索を行うことが前提となっており、IPv6を用いたデバイス探索について考慮されていない。そのため、サーバ1902からはIPv6のネットワークアドレスを指定して、そのネットワーク内にあるIPv6デバイスだけを探索することができないという課題がある。更に、サーバ1902からは該サーバが存在するローカルネットワークに属する標準デバイスを探索することができないという課題がある。
【0015】
本発明の目的は、情報処理装置から指定したIPv6のネットワークアドレスを持つIPv6に適応する画像処理装置を探索することなどを可能とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述の目的を達成するために、本発明は、ネットワークに接続される複数の画像処理装置と通信可能な情報処理装置において、画像処理装置を探索する際の探索条件が、指定したネットワークに属する画像処理装置をマルチキャストにより探索する条件であるか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により前記探索条件が前記指定したネットワークに存在する画像処理装置をマルチキャストにより探索する条件であると判断された場合、当該指定されたネットワークに対応する情報に基づいて所定の値を計算する計算手段と、前記計算手段により計算された値を用いてマルチキャストアドレスを生成する生成手段と、前記生成手段により生成されたマルチキャストアドレスを指定した探索条件を送信する送信手段と、前記マルチキャストアドレスに対応する画像処理装置から送信される応答を受信する受信手段と、を備えることを特徴とする。
【0017】
上述の目的を達成するために、本発明は、ネットワークに接続され情報処理装置と通信可能な画像処理装置において、前記情報処理装置から、前記画像処理装置が存在するネットワークに対応する情報に基づいて計算された所定の値を用いて生成されたマルチキャストアドレスが指定された探索条件を受信する受信手段と、前記情報処理装置における前記計算で用いるアルゴリズムと同じアルゴリズムにより計算された値を用いてマルチキャストアドレスを生成する生成手段と、前記生成手段により生成されたマルチキャストアドレスを用いてマルチキャストグループに参加する参加手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、IPv6のネットワークアドレスのプレフィックスから生成されるマルチキャストアドレスを情報処理装置及び画像処理装置で使用する。これにより、情報処理装置から指定したIPv6のネットワークアドレスを持つIPv6に適応する画像処理装置を探索することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るネットワークシステムとしてのネットワークデバイス管理システムの構成例を示す概念図である。
【0021】
図1において、ネットワークデバイス管理システムは、サーバ100、PC102、デバイス101、103、104、105、106、107から構成されている。サーバ100、PC102、デバイス106、107は、リンクローカルネットワーク上に存在する。デバイス101、103、ルータ108は、サイトローカルネットワーク1上に存在する。デバイス104、105、ルータ109は、サイトローカルネットワーク2上に存在する。
【0022】
本実施の形態では、デバイス管理アプリケーションプログラム(以下デバイス管理アプリケーションと略記)と、Webブラウザ(以下ブラウザと略記)を別々の装置で動作させる構成を例に挙げて説明する。即ち、サーバ100(情報処理装置)は、デバイス管理アプリケーションが動作する。PC102は、IT管理者により操作され、ブラウザが動作する。
【0023】
IT管理者は、サーバ100上のデバイス管理アプリケーション及びPC102上のブラウザを使用し、ネットワーク上に存在するデバイスを遠隔地から管理することが可能である。例えば、あるネットワークに属するデバイスを探索するタスクをPC102で作成し、デバイス管理アプリケーションによるタスクの実行結果をブラウザによりデバイス一覧として表示することが可能である。
【0024】
デバイス管理アプリケーションは、IT管理者の操作によるブラウザからの要求に応じてネットワーク上のデバイスを管理する。また、デバイス管理アプリケーションは、デバイスの情報取得要求に従って後述するデバイス情報(デバイスのIPアドレス、デバイスの設置場所を示すロケーション情報、デバイスに付設されるオプション機器の構成を示す情報等)を取得する処理を行う。また、デバイス管理アプリケーションは、デバイスの設定変更要求に従って適切な値を設定する処理を行う。
【0025】
デバイス101(画像処理装置)は、ネットワーク上に存在する、例えば原稿読取機能・印刷機能・通信機能等の複数の機能を有する複合機として構成されている。デバイス101は、デバイス管理アプリケーションからの要求に従い、デバイス情報を返信したり、デバイス内部の設定値を変更したりする処理を行う。尚、デバイス101以外のデバイスも複合機或いはプリンタとして構成されている。
【0026】
本実施の形態では、デバイス管理アプリケーションによりネットワーク上のデバイスを探索する方法として、図1に示すように第1の探索方法及び第2の探索方法の2つの探索方法を設けている。第1の探索方法は、指定したサイトローカルネットワークに属するデバイスをIPv6マルチキャストにより探索する方法である。第2の探索方法は、デバイス管理アプリケーション(サーバ100)が存在するリンクローカルネットワークに属するデバイスを探索する方法である。
【0027】
例えば、第1の探索方法では、デバイス管理アプリケーションは、指定したIPv6ネットワークアドレスを有する(PrefixAを持つネットワークに属する)デバイス(デバイス101、デバイス103)を探索する。第2の探索方法では、デバイス管理アプリケーションは、ローカルネットワークに属する標準デバイス(デバイス106、デバイス107)を探索する。
【0028】
図2は、デバイス101の構成を示す構成図である。
【0029】
図2において、デバイス101は、制御部200、スキャナ部201、操作部204(パネル)、プリンタ部205、記憶部(不図示)を備えている。尚、デバイス101以外の他のデバイスの構成も図2と同様であるため図示及び説明は省略する。
【0030】
制御部200は、デバイス全体の制御を司るものであり、記憶部に格納されている制御プログラムに基づき図9(第1の実施の形態)、図18(第2の実施の形態)の各フローチャートに示す処理を実行する。制御部は、本発明の画像処理装置の通信手段、処理手段、参加手段、判定手段を実現するための一例である。操作部204は、使用者がデバイス101に対して各種設定や指示を行うための操作キーと表示画面(図3)を備えている。操作部204は、本発明の画像処理装置の設定手段、指定手段を実現するための一例である。
【0031】
スキャナ部201は、原稿を照明すると共にCCDラインセンサ(不図示)により原稿を走査することで原稿の画像を読み取り、ラスタイメージデータとしての電気信号に変換する画像入力部である。
【0032】
プリンタ部205は、スキャナ部201から出力された電気的なラスタイメージデータを用紙上の可視画像に変換する画像形成動作(プリント動作)を行う画像出力部である。その変換方式には、感光体ドラム或いは感光体ベルトに形成した潜像を現像剤で現像して用紙に画像を転写する電子写真方式、微少ノズルアレイからインクを吐出して用紙に直接画像を形成するインクジェット方式等があるが、どの方式でも構わない。
【0033】
原稿から画像を読み取り用紙に画像を形成する複写を行う場合は、使用者が操作部204から原稿フィーダ202のトレイ203にセットされた原稿の読取動作の開始を指示すると、制御部200からスキャナ部201に読取動作開始の指示を与える。これにより、スキャナ部201は、原稿フィーダ202によりトレイ203上の原稿を1枚ずつ原稿読取位置へ搬送し、CCDラインセンサにより画像の読み取り動作を行う。
【0034】
スキャナ部201で原稿の読み取りが終了すると、制御部200からプリンタ部205にプリント動作開始の指示を与える。これにより、プリンタ部205は、異なる用紙サイズ或いは異なる用紙向きを選択できるように装備されている複数の用紙カセット206、207、208、209のうち該当する用紙カセットから用紙を給紙し、用紙に画像を形成するプリント動作を行う。プリント動作が終了した用紙は排紙トレイ210に排出される。
【0035】
図3は、デバイス101の操作部204に表示される画面例(IPv6設定画面)を示す図である。
【0036】
図3において、IPv6設定画面では、「サブネット毎」301を選択することにより、第1の探索方法を有効にすることできる。また、「近隣応答」302をONに設定することにより、第2の探索方法を有効にすることが可能となる。「ローカルネットワーク」303をONに設定することにより、SNMPデーモンがFF0X::1のマルチキャストアドレスグループに登録を行い、FF0X::1の要求に返信を行う。
【0037】
本実施の形態ではデバイス探索にSNMPプロトコルを使用するため、「SNMPを使用」304、「SNMPマルチキャスト」305は両方ともONである必要がある。また、「指定アドレス」306を選択し、SNMPデーモンで使用するマルチキャストアドレスを指定することも可能である。
【0038】
図4は、デバイス管理アプリケーションが動作するサーバ100のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0039】
図4において、サーバ100は、CPU401、ROM402、RAM403、システムバス404、キーボードコントローラ(KBC)405、キーボード409、CRTコントローラ(CRTC)406、CRTディスプレイ410を備えている。更に、サーバ100は、ディスクコントローラ(DKC)407、ハードディスク(HD)ドライブ411、DVDコントローラ412、ネットワークインタフェースコントローラ(NIC)408を備えている。
【0040】
CPU401は、システムバス404に接続された各部を制御すると共に、ハードディスクドライブ411のハードディスクに格納されたデバイス管理アプリケーションに基づき各種処理を実行する。ROM402は、各種プログラム、固定データを格納する。RAM403は、CPU401の作業領域、データの一時記憶領域を提供する。キーボードコントローラ405は、キーボード409から入力されたデータや指示をCPU401に伝える。
【0041】
CRTコントローラ406は、CRTディスプレイ410に対する表示を制御する。尚、ディスプレイはCRTディスプレイに限定されず液晶ディスプレイでもよい。ディスクコントローラ407は、ハードディスクドライブ411のハードディスクに対する各種データの書き込み/読み出しを制御する。DVDコントローラ412は、DVDに対する各種データの書き込み/読み出しを制御する。ネットワークインタフェースコントローラ408は、LAN413を含むネットワークを経由した各デバイスとの間の通信を制御する。
【0042】
本実施の形態では、サーバ100によりネットワークデバイス管理を行う際のハードウェア上の実行の主体はCPU401であり、ソフトウェア上の制御の主体はハードディスクに格納されたデバイス管理アプリケーションである。また、本実施の形態では、OS(Operating System)として例えばウィンドウズ(登録商標)XP(マイクロソフト社製)を想定しているが、これに限定されるものではない。
【0043】
デバイス管理アプリケーションは、ハードディスクに格納された形態での供給に限定されるものではなく、DVD或いはCD−ROM等の記憶媒体に格納された形態で供給するようにしてもよい。その場合は、DVDコントローラ412或いはCD−ROMドライブ(不図示)等により記憶媒体(DVD或いはCD−ROM)からデバイス管理アプリケーションが読み出され、ハードディスクドライブ411のハードディスクにインストールされる。
【0044】
また、ブラウザが動作するPC102の構成も図4に示した構成と同様であり(不図示)、便宜上、図4を参照して説明する。ハードディスクドライブ411のハードディスクには、ブラウザのプログラムが格納される。
【0045】
本実施の形態では、PC102でブラウザが動作する際のハードウェア上の実行の主体はCPU401であり、ソフトウェア上の制御の主体はハードディスクに格納されたブラウザである。また、本実施の形態では、OSとして例えばウィンドウズ(登録商標)XPを想定しているが、これに限定されるものではない。ウィンドウズ(登録商標)XPの場合、ブラウザはOSのインストール時にプレインストールされている。
【0046】
図5は、デバイス管理アプリケーションの構成を示すブロック図である。
【0047】
図5において、デバイス管理アプリケーションは、HTML画面生成部501、アドレス生成部502、クライアント通信部503、デバイス探索部504を備えている。更に、デバイス管理アプリケーションは、デバイス情報取得部505、デバイス通信部506、デバイス情報保持部507、タスク処理部508を備えている。
【0048】
図5に示す構成は、本発明の情報処理装置の判断手段、計算手段、生成手段、送信手段、受信手段、選択手段、取得手段、表示制御手段を実現するための一例である。HTML画面生成部501は、ブラウザに出力するHTML(Hypertext Markup Language)データを生成する。アドレス生成部502は、PC102からデバイスに送信するマルチキャストパケットで使用するIPv6マルチキャストアドレスを生成する。
【0049】
第1の探索方法の場合、アドレス生成部502により、ハッシュ関数を使用してマルチキャストグループを作成し、マルチキャストグループを用いてIPv6マルチキャストアドレスを生成する。即ち、デバイスを探索する際の探索条件がサイトローカルネットワークの場合、IPv6のネットワークアドレスであるプレフィックス(Prefix)からハッシュ値を生成し、送信するIPv6マルチキャストアドレスを生成する。
【0050】
クライアント通信部503は、ブラウザとの間でHTML画面の送受信を行う。デバイス探索部504は、ネットワーク上のデバイスを探索しデータベース(不図示)に保持する。デバイス探索部504は、第1の探索方法、第2の探索方法のシーケンスを実行するものであり、探索条件に基づきデバイスを探索する。デバイス情報取得部505は、SNMPプロトコルによりデバイス情報(デバイスのIPアドレス、デバイスの設置場所を示すロケーション情報、デバイスに付設されるオプション機器の構成を示す情報等)をデバイスから取得する。
【0051】
デバイス通信部506は、SNMP/SLP/Webサービス等のプロトコルを用いて、デバイスと通信(デバイスにパケットを送信、デバイスからの応答を受信)を行う。デバイス情報保持部507は、デバイスから取得した情報をデータベースに保持する。タスク処理部508は、デバイス探索等の処理をタスクという単位でIT管理者が指定した時間に実行する。即ち、探索条件をタスクとして実行する。
【0052】
次に、上記構成を有する本実施の形態のネットワークデバイス管理システムの動作について図6〜図18を参照しながら詳細に説明する。
【0053】
図6は、デバイス管理アプリケーションによりデバイス探索を行う場合の第1の探索方法を示すフローチャートである。
【0054】
図6において、ステップS101では、サーバ100のデバイス管理アプリケーションは、使用者による図7のIPv6のデバイス探索設定画面からの設定に伴い、PC102のブラウザからデバイス探索要求を受信する。ここで、図7の画面はIPv6に関する探索条件を示した画面である。図7の画面からは、IPv6マルチキャスト探索700として、「リンクローカルネットワークをIPv6マルチキャスト探索する」701、「指定したネットワークのデバイスをIPv6マルチキャスト探索する」702を任意に選択可能である。701のIPv6マルチキャスト探索は第2の探索方法に該当し、702のIPv6マルチキャスト探索は第1の探索方法に該当する。
【0055】
ステップS102では、デバイス管理アプリケーションは、使用者によりIPv6のデバイス探索設定画面で設定された探索条件が、指定したネットワークに属するデバイスをIPv6マルチキャストにより探索する条件(第1の探索方法)であるか否かを判断する。指定したネットワークに属するデバイスをIPv6マルチキャストにより探索する条件である場合は、ステップS103に進む。指定したネットワークに属するデバイスをIPv6マルチキャストにより探索する条件でない場合は、ステップS110に進む。
【0056】
ステップS103では、デバイス管理アプリケーションは、指定されたIPv6のネットワークアドレスであるプレフィックス(Prefix)からハッシュ関数を用いてマルチキャストグループとなる値(ハッシュ値)(所定の値)を計算する。尚、図7のIPv6のデバイス探索設定画面で、IPv6プレフィックス(Prefix)703を設定することができる。
【0057】
ステップS104では、デバイス管理アプリケーションは、ステップS103で計算したハッシュ値(マルチキャストグループとなる値)を用いて送信するマルチキャストアドレスを生成する。マルチキャストアドレスの計算式は以下の通りである。
【0058】
マルチキャストアドレス = FF1X + ベースアドレス + ハッシュ関数(Prefix)
例: FF1X + ::1:0000 + Hash(FD00:0:AC18:9800)
= FF15:0:0:0:0:0:1:01d8
ここで、X=5はサイトローカルを示す。FF1Xの1はwell-known(IANAに登録済)ではないことを示す。::1:0000はベースアドレスである。使用するハッシュ関数のアルゴリズムは、デバイス101と同様のアルゴリズムである。
【0059】
ステップS105では、デバイス管理アプリケーションは、生成したマルチキャストアドレスを使用してSNMPマルチキャストパケットを生成する。更に、デバイス管理アプリケーションは、SNMPマルチキャストパケットを上記指定したネットワークに属するデバイスに送信する。ステップS106では、デバイス管理アプリケーションは、デバイスからのレスポンスの受信待ちを行う。
【0060】
ステップS107では、デバイス管理アプリケーションは、デバイスからのレスポンスを受信する。レスポンスパケットは、IPv6のネットワークアドレスであるPrefixと同じPrefixを有し、上記ハッシュ関数と同じハッシュ関数でマルチキャストグループに登録したデバイスからのみ送信される。つまり、指定したネットワークアドレス(Prefix)を持つデバイスだけ探索することが可能となる。ステップS108では、デバイス管理アプリケーションは、デバイスを探索した探索結果を保持する。
【0061】
ステップS109では、デバイス管理アプリケーションは、探索条件に含まれる全てのネットワークアドレスを処理したか否かを判断する。探索条件に含まれる全てのネットワークアドレスを処理していない場合は、ステップS103に戻る。探索条件に含まれる全てのネットワークアドレスを処理している場合は、ステップS1010に進む。
【0062】
ステップS110では、デバイス管理アプリケーションは、探索条件にローカルネットワークの探索が含まれるか否かを判断する。探索条件にローカルネットワークの探索が含まれる場合は、ステップS111に進む。ステップS111では、デバイス管理アプリケーションは、第2の探索方法を実行する。探索条件にローカルネットワークの探索が含まれない場合は、ステップS112に進む。ステップS112では、デバイス管理アプリケーションは、ステップS108で保持した探索結果に対して、private MIB(Management Information Base)を用いてデバイスからデバイス情報を追加取得する。
【0063】
ステップS113では、デバイス管理アプリケーションは、デバイスのアドレス情報が探索条件として指定したアドレスに含まれるか否かを確認する。通常、デバイス情報を登録可能なデバイスのアドレスは指定したPrefixを持つアドレスのみとなるが、ハッシュ関数の特性で異なるPrefixを使用してもハッシュ値が同一になる可能性が一部ある。このような状況で探索されたデバイスを除外するために、念のためステップS113の処理によりPrefixを確認する。
【0064】
デバイス情報を取得したデバイスのアドレスが指定したPrefixを持つアドレスの場合は、ステップS114に進み、デバイス管理アプリケーションは、デバイス情報をデータベースに登録し、本処理を終了する。デバイス情報を取得したデバイスのアドレスが指定したPrefixを持たない場合は、デバイス管理アプリケーションは、デバイス情報(指定されていないPrefixのデバイス情報)を破棄し、本処理を終了する。
【0065】
図8は、デバイス管理アプリケーションによりデバイス探索を行う場合の第2の探索方法を示すフローチャートである。
【0066】
図8において、ステップS201では、サーバ100のデバイス管理アプリケーションは、FF02::1をマルチキャストアドレスとして使用する。ステップS202では、デバイス管理アプリケーションは、デバイス管理アプリケーション(サーバ100)が存在するリンクローカルネットワークに属するデバイスを探索する第2の探索方法において、ICMPのタイプ133を持つ近隣要請を送信する。ここで、ICMPはInternet Control Message Protocolの略称である。ステップS203では、デバイス管理アプリケーションは、デバイス(本実施の形態ではデバイス106、107のいずれか)からのレスポンスの受信待ちを行う。
【0067】
ステップS204では、デバイス管理アプリケーションは、デバイスからのレスポンスを受信する。この時点では、ローカルネットワークに接続される全ての機器のアドレスを取得できる。全ての機器とは、デバイス(複合機、プリンタ)やルータなど全てのIPv6アドレスを持つ機器である。ステップS205では、デバイス管理アプリケーションは、ステップS204で返信のあったアドレスに対してprivate MIBを送信する。
【0068】
ステップS206では、デバイス管理アプリケーションは、デバイスからのレスポンス(近隣要請に対し返信される近隣応答)を受信する。ステップS207では、デバイス管理アプリケーションは、受信したレスポンスがNoSuchNameであるか否かを判定する。受信したレスポンスがNoSuchNameでない場合は、デバイス管理アプリケーションは、レスポンスがあったデバイスを自社デバイスと判断し、ステップS208で、private MIBを用いてデバイスからデバイス情報を追加取得する。受信したレスポンスがNoSuchNameの場合は、ステップS209で、デバイス管理アプリケーションは、NoSuchNameの全てのアドレスに対してPrinter MIBを送信する。
【0069】
ステップS210では、デバイス管理アプリケーションは、レスポンスがNoSuchNameであるか否かを判定する。レスポンスとしてNoSuchNameを返信したデバイスは印刷機能を持たないデバイスとして管理対象デバイス対象から外すため、本処理を終了する。レスポンスとしてNoSuchNameを返信せず何らかの値を返信したデバイスは印刷機能を持たないデバイスとして処理を継続し、ステップS211に進む。ステップS211では、デバイス管理アプリケーションは、標準MIBを用いてデバイスからデバイス情報を取得し、本処理を終了する。
【0070】
図9は、デバイス101の動作を示すフローチャートである。
【0071】
図9において、ステップS301では、デバイス101の制御部200は、使用者によるデバイス101の電源投入に伴いデバイス101を起動する。ステップS302では、制御部200は、デバイス101の設定値をチェックし、サブネット毎にSNMPマルチキャストをリッスン(受信)することが設定されているか否かを判断する。
【0072】
サブネット毎にSNMPマルチキャストをリッスンする場合、ステップS303に進み、制御部200は、SNMPデーモンにおいて、バインドしているIPv6ネットワークアドレス(Prefix)からハッシュ値を計算する。ここで使用するハッシュ値計算アルゴリズムは、デバイス管理アプリケーションと同じアルゴリズムである。ステップS304では、制御部200は、ステップS303で計算したハッシュ値を用いてマルチキャストアドレスを生成する。
【0073】
ステップS311では、制御部200は、SNMPデーモンにより、マルチキャストグループに参加する。即ち、ステップS304で生成したマルチキャストアドレスを用いてSNMPマルチキャストグループに参加する。これにより、デバイス101はデバイス管理アプリケーションが意図するマルチキャストグループで応答することが可能となる。つまり、デバイス101はデバイス管理アプリケーションの第1の探索方法で探索される(応答を返信する)デバイスとなる。
【0074】
尚、デバイス101では、デバイス管理アプリケーションで用いるアルゴリズムと同じアルゴリズムによりハッシュ値を計算しマルチキャストアドレスを生成するか否かを、操作部204から設定することが可能である。
【0075】
図10にデバイス101からデバイス管理アプリケーションに返信するパケットの例を示す。図10のパケット例1は、ステップS303、ステップS304、ステップS311でデバイス101がリッスンした場合にデバイス管理アプリケーションに返信されるパケットの例である。パケットのソースアドレスには、デバイス管理アプリケーションが図6のステップS104で生成したマルチキャストアドレスが指定されている。
【0076】
上記のステップS302で、サブネット毎にSNMPマルチキャストをリッスンしない場合、ステップS305に進み、制御部200は、指定したネットワークアドレスでリッスンするか否かを判断する。指定したネットワークアドレスでリッスンする場合、ステップS306に進み、制御部200は、使用者によりデバイス101の操作部204(パネル)から設定されたマルチキャストアドレスを使用する。その後、ステップS311に進み、制御部200は、設定されたマルチキャストアドレスに対しSNMPデーモンによりJOINする。
【0077】
図10のパケット例2は、ステップS305、ステップS306、ステップS311でデバイス101がリッスンした場合にデバイス管理アプリケーションに返信されるパケットの例である。ステップS306のマルチキャストアドレスは、図3に示した操作部204のIPv6設定画面で設定されたマルチキャストアドレスを使用している。
【0078】
上記のステップS305で、指定したネットワークアドレスでリッスンしない場合、ステップS307に進み、制御部200は、ローカルネットワークでSNMPマルチキャストに応答するか否かを判断する。ローカルネットワークでSNMPマルチキャストに応答する場合、ステップS308に進み、制御部200は、FF02::1をマルチキャストアドレスとする。その後、ステップS311に進み、制御部200は、SNMPデーモンにより、マルチキャストグループに参加する。即ち、ステップS308で生成したマルチキャストアドレスを用いてSNMPマルチキャストグループに参加する。
【0079】
図10のパケット例3は、ステップS307、ステップS308、ステップS311でデバイス101がSNMPマルチキャストをリッスンした場合にデバイス管理アプリケーションに返信されるパケットの例である。
【0080】
上記のステップS307で、ローカルネットワークでSNMPマルチキャストに応答しない場合は、ステップS309に進み、制御部200は、操作部204(パネル)の設定値をチェックし、近隣要請に応答を返信するか否かを判断する。近隣要請に応答を返信する場合は、ステップS310に進み、制御部200は、ICMPデーモンによりJOINを行う。これにより、デバイス101は、デバイス管理アプリケーションの第2の探索方法で探索される(応答を返信する)デバイスとなる。近隣要請に応答しない場合は、本処理を終了する。
【0081】
図10のパケット例4は、ステップS309、ステップS310、ステップS311でデバイス101がSNMPマルチキャストをリッスンした場合にデバイス管理アプリケーションに返信されるパケットの例である。
【0082】
ステップS312では、制御部200は、デバイス管理アプリケーションからの受信待ちを行う。デバイス管理アプリケーションからパケットを受信した場合、ステップS313で、制御部200は、レスポンスをデバイス管理アプリケーションに返信する。その後、ステップS312に戻り再び受信待ち状態となる。
【0083】
ここで、マルチキャストアドレスを求める方法として、ハッシュ値の代わりにIPv6のネットワークアドレスであるプレフィックス(Prefix)を用いてマルチキャストアドレスを生成してデバイスに送信する方法を以下に示す。
【0084】
マルチキャストアドレス = FF1X + 0 + Prefix
例: FF1X + 0:0:0 + C001:0000:0001:01d8
= FF15:0:0:0:C001:0000:0001:01d8
X=5はサイトローカルを示す。FF1Xの1はwell-known(IANAに登録済)ではないことを示す。即ち、ハッシュ値の代わりにIPv6のネットワークアドレスであるPrefixをマルチキャストグループに使用する。
【0085】
デバイス101は、上記マルチキャストアドレスでリッスン(受信)を行う。デバイス管理アプリケーションは、上記マルチキャストアドレスでマルチキャストパケットをデバイスに送信する。尚、デバイス101では、デバイス管理アプリケーションと同一の方法で、ハッシュ値の代わりにIPv6のネットワークアドレスであるPrefixをマルチキャストグループに使用する。
【0086】
上記マルチキャストアドレスを算出するときに使用するハッシュ関数を、デバイス101側とPC102側(デバイス管理アプリケーション側)の各々において複数のハッシュ関数の中から選択することも可能である。但し、使用するハッシュ関数は、デバイス101とデバイス管理アプリケーションとにおいて同一のものである必要がある。
【0087】
図11は、デバイス101の操作部204に表示されるハッシュ関数選択画面を示す図である。図11のハッシュ関数選択画面からは、複数のハッシュ関数として、「関数1」1101、「関数2」1102、「関数3」1103を選択可能である。
【0088】
図12は、デバイス管理アプリケーションのハッシュ関数選択画面を示す図である。図12のハッシュ関数選択画面からは、複数のハッシュ関数として、「関数1」1201、「関数2」1202、「関数3」1203を選択可能である。
【0089】
図13は、デバイス管理アプリケーションのデバイスグループ画面を示す図である。デバイスグループ画面では、図7のIPv6のデバイス探索設定画面で指定したIPv6のネットワークアドレスであるPrefixごとにデバイスをグループ化した情報であるデバイスグループ1301を表示している。
【0090】
図14は、デバイス管理アプリケーションのデバイスリスト画面のフィルタ機能を示す図である。フィルタ機能の1つとして、IPv6アドレスのPrefixによるフィルタリング機能がある。図7のIPv6のデバイス探索設定画面で指定したIPv6のネットワークアドレスであるPrefixをデフォルトでフィルタ1401の選択項目として追加し、デバイスリスト画面に表示する。
【0091】
以上説明したように、本実施の形態によれば、ネットワークデバイス管理システムにおいて、IPv6のネットワークアドレスのプレフィックスから生成されるマルチキャストアドレスをサーバ及びデバイスの両方で使用する。これにより、サーバのデバイス管理アプリケーションから指定したIPv6のネットワークアドレスを持つIPv6適応デバイスを探索することが可能となる。
【0092】
また、ICMPパケットをデバイス探索に使用することにより、ローカルネットワークに属する標準デバイスを探索することが可能となる。また、IPv6を用いたSNMPプロトコルによるデバイス探索において、ローカルネットワーク及び指定したネットワークに属するデバイスの探索を実現することが可能となる。
【0093】
〔第2の実施の形態〕
本発明の第2の実施の形態は、上記第1の実施の形態に対して、下記で説明する点において相違する。本実施の形態のその他の要素は、上記第1の実施の形態(図1〜図5)の対応するものと同一なので説明を省略する。
【0094】
図15は、本実施の形態に係るネットワークシステムとしてのネットワークデバイス管理システムのデバイス管理アプリケーションの画面例(IPv6のデバイス探索設定画面)を示す図である。
【0095】
図15において、画面からは、IPv6マルチキャスト探索1500として、「リンクローカルネットワークをIPv6マルチキャスト探索する」1501、「指定したネットワークのデバイスをIPv6マルチキャスト探索する」1502を任意に選択可能である。探索設定として、マルチキャストグループ1503を指定可能である。ここでは、「123」をマルチキャストグループとして使用している。
【0096】
デバイス管理アプリケーションから送信されるマルチキャストパケットは、以下の計算式で生成される。
【0097】
マルチキャストアドレス = FF1X + ベースアドレス
+ 指定されたマルチキャストグループ
例: FF1X + ::1:0000 + 123 (0x7B)
= FF15:0:0:0:0:0:1:007B
図16は、デバイス101の操作部204に表示される画面例(IPv6のデバイス探索設定画面)を示す図である。
【0098】
図16において、IPv6のデバイス探索設定画面で、「マルチキャストグループ」1601を選択(指定)し、デバイス管理アプリケーションと同様に「マルチキャストグループ値」1602として「123」を設定している。「ローカルネットワーク」1603をONに設定することにより、SNMPデーモンがFF0X::1のマルチキャストアドレスグループに登録を行い、FF0X::1の要求に返信を行う。
【0099】
本実施の形態では、デバイス探索にSNMPプロトコルを使用するため、「SNMPを使用」1604、「SNMPマルチキャスト」1605はONである必要がある。ここでは、本実施の形態の主旨とは関係ないため、「近隣応答」1606をOFFに設定してある。
【0100】
図15のIPv6のデバイス探索設定画面及び図16のIPv6のデバイス探索設定画面からの設定により、デバイス管理アプリケーションのマルチキャスト送信に対し、ネットワーク上の全デバイスからレスポンスが返信される。
【0101】
図17は、デバイス管理アプリケーションによりデバイス探索を行う場合の探索方法を示すフローチャートである。
【0102】
図17において、ステップS401では、サーバ100のデバイス管理アプリケーションは、探索要求を受信する。ステップS402では、デバイス管理アプリケーションは、受信した探索要求により要求された探索条件の中からマルチキャストグループを取得する。ステップS403では、デバイス管理アプリケーションは、送信するマルチキャストアドレスを生成する。マルチキャストアドレスの計算式は上記第1の実施の形態で示した通りであり説明を省略する。
【0103】
ステップS404では、デバイス管理アプリケーションは、SNMPマルチキャストパケットを送信する。ステップS405では、デバイス管理アプリケーションは、デバイスからのレスポンスの受信待ちを行う。ステップS406では、デバイス管理アプリケーションは、デバイスからレスポンスを受信する。ステップS407では、デバイス管理アプリケーションは、デバイスから受信したレスポンスの内容がステップS401で受信した探索要求に含まれる指定したPrefixであるか否かを判断する。
【0104】
デバイスから受信したレスポンスの内容が指定したPrefixで無い場合は、デバイス管理アプリケーションは、デバイスから取得した情報(装置情報)を破棄し、本処理を終了する。デバイスから受信したレスポンスの内容が指定したPrefixである場合は、ステップS408に進み、デバイス管理アプリケーションは、デバイスからデバイス情報を追加取得する。デバイス情報を追加取得後、ステップS409では、デバイス管理アプリケーションは、デバイス情報をデータベースに登録し、本処理を終了する。ステップS407の処理により、指定したネットワークのデバイスだけ探索することが可能となる。
【0105】
図18は、デバイス101の動作を示すフローチャートである。
【0106】
図18において、ステップS501では、デバイス101の制御部200は、使用者によるデバイス101の電源投入に伴いデバイス101を起動する。ステップS502では、制御部200は、使用者により操作部204(パネル)から設定されたマルチキャストグループを取得する。ステップS503では、制御部200は、上記第1の実施の形態と同様にマルチキャストアドレスを生成する。
【0107】
ステップS504では、制御部200は、SNMPデーモンにより、マルチキャストグループに参加する。即ち、ステップS503で生成したマルチキャストアドレスを用いてSNMPマルチキャストグループに参加する。ステップS505では、制御部200は、デバイス管理アプリケーションからの受信待ちを行う。ステップS506では、制御部200は、デバイス管理アプリケーションから送信されたマルチキャストパケットを受信し、レスポンスをデバイス管理アプリケーションに返信する。その後、ステップS505に戻り再び受信待ち状態となる。
【0108】
以上説明したように、本実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様に、IPv6のネットワークアドレスを持つIPv6適応デバイスを探索することが可能となると共に、ローカルネットワークに属する標準デバイスを探索することが可能となる。
【0109】
〔他の実施の形態〕
第1及び第2の実施の形態では、デバイス管理アプリケーションをサーバ100上で動作させ、ブラウザをPC102上で動作させる構成を例に挙げたが、これに限定されるものではない。デバイス管理アプリケーションとブラウザを同一の装置上で動作させる構成としてもよい。
【0110】
また、本発明の目的は、以下の処理を実行することにより達成される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。
【0111】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0112】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、次のものを用いることができる。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等である。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0113】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施の形態の機能が実現される場合も本発明に含まれる。加えて、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理により前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0114】
更に、前述した実施形態の機能が以下の処理により実現される場合も本発明に含まれる。即ち、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行う場合である。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るネットワークシステムとしてのネットワークデバイス管理システムの構成例を示す概念図である。
【図2】デバイスの構成を示す構成図である。
【図3】デバイスの操作部に表示される画面例(IPv6設定画面)を示す図である。
【図4】デバイス管理アプリケーションが動作するサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】デバイス管理アプリケーションの構成を示すブロック図である。
【図6】デバイス管理アプリケーションによりデバイス探索を行う場合の第1の探索方法を示すフローチャートである。
【図7】デバイス管理アプリケーションの画面例(IPv6のデバイス探索設定画面)を示す図である。
【図8】デバイス管理アプリケーションによりデバイス探索を行う場合の第2の探索方法を示すフローチャートである。
【図9】デバイスの動作を示すフローチャートである。
【図10】デバイスからデバイス管理アプリケーションに返信するパケットの例を示す図である。
【図11】デバイスの操作部に表示されるハッシュ関数選択画面を示す図である。
【図12】デバイス管理アプリケーションのハッシュ関数選択画面を示す図である。
【図13】デバイス管理アプリケーションのデバイスグループ画面を示す図である。
【図14】デバイス管理アプリケーションのデバイスリスト画面のフィルタ機能を示す図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態に係るネットワークシステムとしてのネットワークデバイス管理システムのデバイス管理アプリケーションの画面例(IPv6のデバイス探索設定画面)を示す図である。
【図16】デバイスの操作部に表示される画面例(IPv6のデバイス探索設定画面)を示す図である。
【図17】デバイス管理アプリケーションによりデバイス探索を行う場合の探索方法を示すフローチャートである。
【図18】デバイスの動作を示すフローチャートである。
【図19】従来例に係るIPv6でブロードキャストを実現できないネットワークシステムの構成例を示す概念図である。
【図20】IPv4を用いてSNMPプロトコルによるデバイス探索を行う場合のデバイス探索設定画面を示す図である。
【符号の説明】
【0116】
100 サーバ
101、103〜107 デバイス
102 PC
401 CPU
501 HTML画面生成部
502 アドレス生成部
503 クライアント通信部
504 デバイス探索部
505 デバイス情報取得部
506 デバイス通信部
507 デバイス情報保持部
508 タスク処理部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続される複数の画像処理装置と通信可能な情報処理装置において、
画像処理装置を探索する際の探索条件が、指定したネットワークに属する画像処理装置をマルチキャストにより探索する条件であるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により前記探索条件が前記指定したネットワークに存在する画像処理装置をマルチキャストにより探索する条件であると判断された場合、当該指定されたネットワークに対応する情報に基づいて所定の値を計算する計算手段と、
前記計算手段により計算された値を用いてマルチキャストアドレスを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成されたマルチキャストアドレスを指定した探索条件を送信する送信手段と、
前記マルチキャストアドレスに対応する画像処理装置から送信される応答を受信する受信手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記送信手段は、前記判断手段により前記探索条件が前記情報処理装置が存在するネットワークに属する画像処理装置を探索する条件であると判断された場合、当該ネットワークに属する画像処理装置に応答を要求する近隣要請を送信し、
前記受信手段は、前記近隣要請に応答した画像処理装置から返信される近隣応答を受信することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記計算手段は、前記指定されたネットワークに対応する情報に基づきハッシュ関数を用いてハッシュ値を計算し、
前記生成手段は、計算手段により計算された前記ハッシュ値を用いてマルチキャストアドレスを生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記応答を送信する画像処理装置は、前記指定されたネットワークに存在し、前記ハッシュ関数と同じハッシュ関数により計算されたハッシュ値を用いて生成されたマルチキャストアドレスの画像処理装置であることを特徴とする請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記生成手段により前記ハッシュ値を計算する際に用いるハッシュ関数を複数のハッシュ関数の中から選択する選択手段を備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記受信手段により受信された応答から、前記画像処理装置の装置情報を取得する取得手段を備え、
前記取得手段により装置情報を取得した画像処理装置が前記指定されたネットワークに対応する情報を有していない場合は、前記装置情報を破棄することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記取得手段により取得した装置情報を画面に表示する表示制御手段を備え、
前記表示制御手段は、IPv6のネットワークアドレスであるプレフィックスを前記画面のフィルタ機能の1つとして前記画面に表示することを特徴とする請求項6記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記表示制御手段は、前記IPv6のネットワークアドレスであるプレフィックスごとに画像処理装置をグループ化した情報を前記画面に表示することを特徴とする請求項7記載の情報処理装置。
【請求項9】
ネットワークに接続され情報処理装置と通信可能な画像処理装置において、
前記情報処理装置から、前記画像処理装置が存在するネットワークに対応する情報に基づいて計算された所定の値を用いて生成されたマルチキャストアドレスが指定された探索条件を受信する受信手段と、
前記情報処理装置における前記計算で用いるアルゴリズムと同じアルゴリズムにより計算された値を用いてマルチキャストアドレスを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成されたマルチキャストアドレスを用いてマルチキャストグループに参加する参加手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項10】
前記情報処理装置が存在するネットワークに属する画像処理装置に応答を要求する近隣要請に対して、応答するか否かを判定する判定手段を備えることを特徴とする請求項9記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記情報処理装置からのマルチキャストに対して、応答するか否かを判定する判定手段を備えることを特徴とする請求項9記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記生成手段は、前記情報処理装置における前記計算で用いるアルゴリズムと同じアルゴリズムによりハッシュ値を計算し、当該ハッシュ値を用いてマルチキャストアドレスを生成することを特徴とする請求項9乃至11の何れかに記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記参加手段により参加するマルチキャストグループを指定する指定手段を備えることを特徴とする請求項9乃至12の何れかに記載の画像処理装置。
【請求項14】
ネットワークに接続される複数の画像処理装置と通信可能な情報処理装置の制御方法において、
画像処理装置を探索する際の探索条件が、指定したネットワークに属する画像処理装置をマルチキャストにより探索する条件であるか否かを判断する判断工程と、
前記判断工程により前記探索条件が前記指定したネットワークに存在する画像処理装置をマルチキャストにより探索する条件であると判断された場合、当該指定されたネットワークに対応する情報に基づいて所定の値を計算する計算工程と、
前記計算工程により計算された値を用いてマルチキャストアドレスを生成する生成工程と、
前記生成工程により生成されたマルチキャストアドレスを指定した探索条件を送信する送信工程と、
前記マルチキャストアドレスに対応する画像処理装置から送信される応答を受信する受信工程と、を有することを特徴とする制御方法。
【請求項15】
請求項14記載の情報処理装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータで読み取り可能なプログラムコードを有するプログラム。
【請求項16】
ネットワークに接続され情報処理装置と通信可能な画像処理装置の制御方法において、
前記情報処理装置から、前記画像処理装置が存在するネットワークに対応する情報に基づいて計算された所定の値を用いて生成されたマルチキャストアドレスが指定された探索条件を受信する受信工程と、
前記情報処理装置における前記計算で用いるアルゴリズムと同じアルゴリズムにより計算された値を用いてマルチキャストアドレスを生成する生成工程と、
前記生成工程により生成されたマルチキャストアドレスを用いてマルチキャストグループに参加する参加工程と、を有することを特徴とする制御方法。
【請求項17】
請求項16記載の画像処理装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータで読み取り可能なプログラムコードを有するプログラム。
【請求項1】
ネットワークに接続される複数の画像処理装置と通信可能な情報処理装置において、
画像処理装置を探索する際の探索条件が、指定したネットワークに属する画像処理装置をマルチキャストにより探索する条件であるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により前記探索条件が前記指定したネットワークに存在する画像処理装置をマルチキャストにより探索する条件であると判断された場合、当該指定されたネットワークに対応する情報に基づいて所定の値を計算する計算手段と、
前記計算手段により計算された値を用いてマルチキャストアドレスを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成されたマルチキャストアドレスを指定した探索条件を送信する送信手段と、
前記マルチキャストアドレスに対応する画像処理装置から送信される応答を受信する受信手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記送信手段は、前記判断手段により前記探索条件が前記情報処理装置が存在するネットワークに属する画像処理装置を探索する条件であると判断された場合、当該ネットワークに属する画像処理装置に応答を要求する近隣要請を送信し、
前記受信手段は、前記近隣要請に応答した画像処理装置から返信される近隣応答を受信することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記計算手段は、前記指定されたネットワークに対応する情報に基づきハッシュ関数を用いてハッシュ値を計算し、
前記生成手段は、計算手段により計算された前記ハッシュ値を用いてマルチキャストアドレスを生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記応答を送信する画像処理装置は、前記指定されたネットワークに存在し、前記ハッシュ関数と同じハッシュ関数により計算されたハッシュ値を用いて生成されたマルチキャストアドレスの画像処理装置であることを特徴とする請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記生成手段により前記ハッシュ値を計算する際に用いるハッシュ関数を複数のハッシュ関数の中から選択する選択手段を備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記受信手段により受信された応答から、前記画像処理装置の装置情報を取得する取得手段を備え、
前記取得手段により装置情報を取得した画像処理装置が前記指定されたネットワークに対応する情報を有していない場合は、前記装置情報を破棄することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記取得手段により取得した装置情報を画面に表示する表示制御手段を備え、
前記表示制御手段は、IPv6のネットワークアドレスであるプレフィックスを前記画面のフィルタ機能の1つとして前記画面に表示することを特徴とする請求項6記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記表示制御手段は、前記IPv6のネットワークアドレスであるプレフィックスごとに画像処理装置をグループ化した情報を前記画面に表示することを特徴とする請求項7記載の情報処理装置。
【請求項9】
ネットワークに接続され情報処理装置と通信可能な画像処理装置において、
前記情報処理装置から、前記画像処理装置が存在するネットワークに対応する情報に基づいて計算された所定の値を用いて生成されたマルチキャストアドレスが指定された探索条件を受信する受信手段と、
前記情報処理装置における前記計算で用いるアルゴリズムと同じアルゴリズムにより計算された値を用いてマルチキャストアドレスを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成されたマルチキャストアドレスを用いてマルチキャストグループに参加する参加手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項10】
前記情報処理装置が存在するネットワークに属する画像処理装置に応答を要求する近隣要請に対して、応答するか否かを判定する判定手段を備えることを特徴とする請求項9記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記情報処理装置からのマルチキャストに対して、応答するか否かを判定する判定手段を備えることを特徴とする請求項9記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記生成手段は、前記情報処理装置における前記計算で用いるアルゴリズムと同じアルゴリズムによりハッシュ値を計算し、当該ハッシュ値を用いてマルチキャストアドレスを生成することを特徴とする請求項9乃至11の何れかに記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記参加手段により参加するマルチキャストグループを指定する指定手段を備えることを特徴とする請求項9乃至12の何れかに記載の画像処理装置。
【請求項14】
ネットワークに接続される複数の画像処理装置と通信可能な情報処理装置の制御方法において、
画像処理装置を探索する際の探索条件が、指定したネットワークに属する画像処理装置をマルチキャストにより探索する条件であるか否かを判断する判断工程と、
前記判断工程により前記探索条件が前記指定したネットワークに存在する画像処理装置をマルチキャストにより探索する条件であると判断された場合、当該指定されたネットワークに対応する情報に基づいて所定の値を計算する計算工程と、
前記計算工程により計算された値を用いてマルチキャストアドレスを生成する生成工程と、
前記生成工程により生成されたマルチキャストアドレスを指定した探索条件を送信する送信工程と、
前記マルチキャストアドレスに対応する画像処理装置から送信される応答を受信する受信工程と、を有することを特徴とする制御方法。
【請求項15】
請求項14記載の情報処理装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータで読み取り可能なプログラムコードを有するプログラム。
【請求項16】
ネットワークに接続され情報処理装置と通信可能な画像処理装置の制御方法において、
前記情報処理装置から、前記画像処理装置が存在するネットワークに対応する情報に基づいて計算された所定の値を用いて生成されたマルチキャストアドレスが指定された探索条件を受信する受信工程と、
前記情報処理装置における前記計算で用いるアルゴリズムと同じアルゴリズムにより計算された値を用いてマルチキャストアドレスを生成する生成工程と、
前記生成工程により生成されたマルチキャストアドレスを用いてマルチキャストグループに参加する参加工程と、を有することを特徴とする制御方法。
【請求項17】
請求項16記載の画像処理装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータで読み取り可能なプログラムコードを有するプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図7】
【図13】
【図14】
【図15】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図7】
【図13】
【図14】
【図15】
【図20】
【公開番号】特開2010−10789(P2010−10789A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−164699(P2008−164699)
【出願日】平成20年6月24日(2008.6.24)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月24日(2008.6.24)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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