説明

情報処理装置、画像処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム

【課題】操作対象データの状態に起因するマクロ実行時のエラーや誤動作を未然に防ぐことができる情報処理装置、画像処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置100は、作業工程及びその工程を構成する各作業手順と、前記作業工程及び前記作業手順における動作条件とを定義したマクロ情報71を登録しておき、登録したマクロ情報71を読み出し、定義された動作条件に従って作業手順を実行することで、登録時に定義しておいた作業工程を自動的に再現する装置であって、マクロ情報71を読み出したときに、読み出したマクロ情報71に定義された作業手順における操作対象である操作対象データが、マクロを実行した場合に操作可能な状態か否かを判定する判定手段33と、読み出したマクロ情報71に定義された作業手順を実行する前に、判定結果をユーザへ通知する通知手段21と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、登録されたマクロ情報を読み出し、マクロを実行することで該情報処理装置が有する機能を利用したワークフローを実現する情報処理装置に関し、特に、ワークフローにおいて文書データを操作(処理)する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の画像処理装置を代表するデジタル複合機(MFP:Multifunction Peripheral)は、コピー(copy)、ファクシミリ(facsimile)、スキャナ(scanner)、プリンタ(printer)といった基本機能に加えて、デジタル複合機が備える通信装置(例えば、NIC:Network Interface Cardなど。)を介した電子メール配信機能や大容量記憶装置(例えば、HDD:Hard Disk Driveなど。)を用いた文書蓄積機能などを有しており、ユーザのオフィスワークの効率化を図ることを目的とした多機能化が進んでいる。これに伴って、画像処理装置のユーザは、多機能化により増大した各機能の動作条件を、画像処理装置が備える表示部において設定しなければならい。
【0003】
一方、ユーザのオフィスワークの中には、画像処理装置が有する機能を利用した定型業務が存在する。このような定型業務は、1日の中で繰り返し行われ、オフィスワークの中で頻度の高いワークフローである。
【0004】
このように、オフィスワークの中で頻度の高いワークフローにおいても、画像処理装置のユーザが、当該装置が備える表示部において各機能の動作条件を設定しなければならない状態では、ユーザのオフィスワークの効率化を図れない。
【0005】
そこで、特許文献1には、ジョブを実行するための動作モードを登録する手段を有し、登録されたモードを呼び出すことで、同じモードを再現することができる画像形成装置が開示されている。
【0006】
また、特許文献2には、ワークフロー実現のため利用する各機能の動作条件設定を、予めマクロ情報として当該画像処理装置に登録しておき、ユーザが必要に応じて登録したマクロ情報を読み出し実行することで、ワークフローを簡便に行うことができる画像処理装置が開示されている。
【特許文献1】特開2001−285534号公報
【特許文献2】特開2006−059274号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1及び2に開示されるような従来の画像処理装置では、定型業務などのワークフローを定義したマクロを登録し、必要に応じて登録マクロを読み出し実行することで、作業工程を簡便に再現することはできるが、その処理の中で操作するデータ、すなわち、マクロが処理するデータの変更や削除といったデータの状態に関して何ら考慮されていない。
【0008】
画像処理装置が導入されるオフィス環境において、日常業務で頻繁に取り扱われるデータに文書データがあり、ワークフローの操作対象の1つとして挙げられる。
【0009】
例えば、「週の業務報告書を定期的に本社へFAX送信する」と言う定型業務を、マクロ実行するときに、操作対象となる「業務報告書」が削除されていた場合、正常にFAX送信を行うことができない。
【0010】
また、文書データには、参照権限などのセキュリティ情報を付加することが可能なことから、この情報が変更された場合には、マクロ登録時と異なるセキュリティ情報を、データ参照時に必要とすることから、マクロ実行時にエラーが発生する。
【0011】
その他にも、文書データは、ページの増減、内容の変更、文書名の変更など、文書に関する様々な情報が、業務の中で変更される可能性があり、これらの情報が変更されることは、マクロ実行時のエラーや誤動作の原因となる可能性がある。
【0012】
このようなことから、マクロを実行する前段階のマクロ読み出し時において、マクロの操作対象(処理対象)となるデータが、マクロを実行する場合に操作可能な状態か否かを判断し、その判断結果を基に実行されることが望ましい。
【0013】
本発明は上記従来技術の問題点を鑑み提案されたものであり、その目的とするところは、操作対象データの状態に起因するマクロ実行時のエラーや誤動作を未然に防ぐことができる情報処理装置、画像処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本発明にあっては、作業工程及びその工程を構成する各作業手順と、前記作業工程及び前記作業手順における動作条件とを定義したマクロ情報を登録しておき、登録したマクロ情報を読み出し、定義された動作条件に従って作業手順を実行することで、登録時に定義しておいた作業工程を自動的に再現する情報処理装置が、前記マクロ情報を読み出したときに、読み出したマクロ情報に定義された作業手順における操作対象である操作対象データが、マクロを実行した場合に操作可能な状態か否かを判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果を、前記読み出したマクロ情報に定義された作業手順を実行する前に、ユーザへ通知する通知手段と、を有する装置を要旨としている。
【0015】
このような構成によって、本発明に係る情報処理装置は、マクロを実行する前段階のマクロ読み出し時において、マクロの操作対象(処理対象)データが、マクロを実行した場合に操作可能な状態か否かを判断する。そして、その判断結果をユーザに通知する。
【0016】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理装置は、前記判定手段が、前記読み出したマクロ情報に定義された作業手順における操作対象データの属性情報に基づき、前記操作対象データが、マクロを実行した場合に操作可能な状態か否かを判定する。
【0017】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理装置は、マクロ登録時に、登録するマクロ情報に定義された作業手順における操作対象データの属性情報を保持する保持手段と、マクロ読み出し時に、読み出したマクロ情報に定義された作業手順における操作対象データの属性情報を取得する取得手段と、前記保持手段により記録されたマクロ登録時における属性情報の値と、前記取得手段により取得されたマクロ読み出し時における属性情報の値とを比較する比較手段と、を有し、前記判定手段が、前記比較手段による比較結果に基づき、前記読み出したマクロ情報に定義された作業手順における操作対象データが、マクロを実行した場合に操作可能な状態か否かを判定する。
【0018】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理装置は、前記判定手段が、前記取得手段により、前記マクロ読み出し時における属性情報が取得できなかった場合に、前記読み出したマクロ情報に定義された作業手順における操作対象データが、マクロを実行した場合に操作不可能な状態であると判定する。
【0019】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理装置は、前記判定手段が、前記比較手段により、前記マクロ登録時における属性情報の値と、前記マクロ読み出し時における属性情報の値とが異なる比較結果が得られた場合に、前記読み出したマクロ情報に定義された作業手順における操作対象データが、マクロを実行した場合に操作不可能な状態であると判定する。
【0020】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理装置は、前記判定手段が、前記取得手段により取得されたマクロ読み出し時における属性情報に含まれる、前記操作対象データの操作を制限する操作制限情報に基づき、前記読み出したマクロ情報に定義された作業手順における操作対象データが、マクロを実行した場合に操作可能な状態か否かを判定する。
【0021】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理装置は、前記判定手段が、前記操作制限情報に基づき、前記読み出したマクロ情報に定義された作業手順における操作対象データが、マクロを実行した場合に操作不可能な状態であると判定した場合に、前記操作制限情報の設定を変更することで、前記操作対象データが、マクロを実行した場合に操作可能な状態になるか否かを判定する。
【0022】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理装置は、前記判定手段が、前記操作制限情報の設定を変更することで、前記読み出したマクロ情報に定義された作業手順における操作対象データが、マクロを実行した場合に操作可能な状態にならないと判定した場合に、前記操作対象データが、マクロを実行した場合に操作不可能な状態であると判定する。
【0023】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理装置は、前記通知手段が、前記判定手段により、前記操作制限情報の設定を変更することで、前記読み出したマクロ情報に定義された作業手順における操作対象データが、マクロを実行した場合に操作可能な状態になると判定された場合に、前記操作制限情報の設定を変更する旨を通知する。
【0024】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理装置は、前記読み出したマクロ情報に定義された作業手順における操作対象データの読み出し設定を無効に変更する操作対象無効手段を有し、前記操作対象無効手段が、前記判定手段により、前記操作対象データが、マクロを実行した場合に操作不可能な状態であると判定された場合に、前記操作対象データの読み出し設定を無効に変更する。
【0025】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理装置は、前記操作対象データに関する情報を表示する表示手段を有し、前記表示手段が、前記判定手段により、前記読み出したマクロ情報に定義された作業手順における操作対象データが、マクロを実行した場合に操作不可能な状態であると判定された場合に、マクロ登録時のマクロ情報に定義された作業手順における操作対象データに関する情報を表示する。
【0026】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理装置は、前記表示手段が、マクロ登録時のマクロ情報に定義された作業手順における操作対象データに関する情報を表示する表示方式と、前記操作対象データに関する情報と、当該情報処理装置において操作可能な操作対象候補データに関する情報との両方を表示する表示方式とのどちらか一方の方式に従って表示する。
【0027】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理装置は、前記表示手段が、前記判定手段による判定結果に基づき、マクロを実行した場合に操作不可能な状態であると判定された操作対象データに関する情報と、操作可能な状態であると判定された操作対象データに関する情報とを、異なる態様で表示する。
【0028】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理装置は、前記表示手段が、マクロ登録時のマクロ情報に定義された作業手順における操作対象データに関する情報と、ユーザにより選択された操作対象データに関する情報とを、異なる態様で表示する。
【0029】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理装置は、前記表示手段が、前記取得手段により取得されたマクロ読み出し時における属性情報に含まれる、前記操作対象データの操作を制限する操作制限情報に基づき、前記操作対象データの操作が制限されている旨を、前記操作対象データに関する情報として表示する。
【0030】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理装置は、前記表示手段が、前記比較手段による比較結果に基づき、前記マクロ登録時の属性情報と、前記マクロ読み出し時の属性情報とが異なる旨を、前記操作対象データに関する情報として表示する。
【0031】
これによって、本発明に係る情報処理装置は、操作対象データの状態に起因するマクロ実行時のエラーや誤動作を未然に防ぐことができる。
【0032】
その結果、ユーザは、操作対象データの状態判定結果から、エラーや誤動作の原因となる可能性のある条件設定などの変更を行い、マクロ定義された作業工程を正常に再現させることできる。
【0033】
上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理方法は、作業工程及びその工程を構成する各作業手順と、前記作業工程及び前記作業手順における動作条件とを定義したマクロ情報を登録しておき、登録したマクロ情報を読み出し、定義された動作条件に従って作業手順を実行することで、登録時に定義しておいた作業工程を自動的に再現する情報処理装置における情報処理方法であって、前記マクロ情報を読み出したときに、読み出したマクロ情報に定義された作業手順における操作対象である操作対象データが、マクロを実行した場合に操作可能な状態か否かを判定する判定手順と、前記判定手順による判定結果を、前記読み出したマクロ情報に定義された作業手順を実行する前に、ユーザへ通知する通知手順と、を有することを特徴とする。
【0034】
このような手順によって、本発明に係る情報処理方法は、マクロを実行する前段階のマクロ読み出し時において、マクロの操作対象(処理対象)データが、マクロを実行した場合に操作可能な状態か否かを判断し、その判断結果をユーザに通知する情報処理動作を実現する。
【0035】
これによって、本発明に係る情報処理方法は、操作対象データの状態に起因するマクロ実行時のエラーや誤動作を未然に防ぎ、操作対象データの状態に応じてマクロ定義された作業工程を正常に再現することが可能な環境を提供できる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、マクロを実行する前段階のマクロ読み出し時において、マクロの操作対象(処理対象)データが、マクロを実行した場合に操作可能な状態か否かを判断するようにしたことにより、操作対象データの状態に起因するマクロ実行時のエラーや誤動作を未然に防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明の好適な実施の形態(以下、「実施形態」という。)について、図面を用いて詳細に説明する。
【0038】
[第1の実施形態]
<ハードウェア構成>
では、本実施形態に係る画像処理装置のハードウェア構成について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置100のハードウェア構成例を示す図である。
【0039】
本実施形態に係る画像処理装置100は、操作パネル11と、外部記憶装置I/F12と、コントローラ13と、データ通信I/F14と、HDD(Hard Disk Drive)110と、スキャナ15と、プロッタ16とから構成され、それぞれバスで相互に接続されている。
【0040】
操作パネル11は、入力装置101と表示装置102とを備えており、入力装置101は、ハードウェアキーなどで構成され、画像処理装置100に各操作信号を入力するのに用いられる。また、表示装置102は、ディスプレイなどで構成され、例えば動作条件などの画像処理動作に関する各種情報を表示する。
【0041】
データ通信I/F14は、インタフェース装置109を備えており、画像処理装置100を、有線及び/又は無線回線により構築されたLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)などのネットワーク(データ通信網)などの電気通信回線(非図示)に接続するインタフェースである。
【0042】
HDD110は、画像処理装置100で取り扱われる受信文書データや読み取り画像データなどの各種データを格納している。また、HDD110は、これらの各種データを、所定のファイルシステムやDB(Data Base)により管理している。
【0043】
記録媒体I/F12は、ドライブ装置103を備えており、例えばフラッシュメモリなどの記録媒体104を、画像処理装置100に接続するためのインタフェースである。この記録媒体I/F12によって、画像処理装置100と記録媒体104との間でデータのやり取りを行うことが可能となる。例えば、記録媒体104は、本実施形態に係る画像処理機能を実現する画像処理プログラムなどを当該装置にインストールするときに利用する。
【0044】
コントローラ13は、ROM(Read Only Memory)105、RAM(Random Access Memory)106、NV−RAM(Non Volatile RAM)107、及びCPU(Central Processing Unit)108とを備えており、ROM105は、画像処理装置100が起動されるときに実行されるプログラム(OS:Operating Systemの役割をするプログラム)や各種データ、また画像処理装置100が有する各種機能を実現するプログラム(ソフトウェア部品)や各種データを格納している。また、RAM106は、ROM105やHDD110から読み出された各種プログラムやデータを一時保持する。NV−RAM107は、画像処理動作を制御するための初期設定値(画像処理制御に関する初期設定値)などの画像処理装置100に関する設定データを格納している。更に、CPU108は、RAM106が一時保持しているプログラムを実行する。コントローラ13は、上記構成により、例えば、データ通信I/F14を介して印刷データを受信した場合に、ROM105からRAM106上に読み出されたPDL(Page Description Language)を解釈可能なプログラム(PDLパーサ)をCPU108により実行し、印刷データを解釈してビットマップイメージを生成する。
【0045】
スキャナ15は、読取装置(スキャナ装置)111を備えており、読み取り面に配置された原稿を光学的に読み取り画像データを生成する。プロッタ16は、印刷装置(プロッタ装置)112を備えており、例えば、電子写真方式によって、コントローラ13から転送されたビットマップイメージを記録紙(印刷用紙)に印刷する。ここでは、画像形成方式の一例として電子写真方式による例を示したが、この内容に本発明が限定されるものではない。例えば、インクジェット方式であってもよい。
【0046】
このように、本実施形態に係る画像処理装置100では、コントローラ13のRAM106に読み出された所定のプログラムがCPU108で実行され、当該装置が備える各インタフェースから入力されたデータに対して要求された画像処理を行う。
【0047】
では以降に、本実施形態に係る画像処理装置100が有するマクロ登録・読み出しに関する情報処理機能について説明を行う。
【0048】
なお、以降の説明では、上記画像処理装置100を上記情報処理機能が動作する情報処理装置とする。
【0049】
一般的に、情報処理装置も、ROMやHDDなどの記憶装置に格納されたプログラムを実行し、各装置を制御することで、自装置が有する機能を実現している。
【0050】
上記画像処理装置100との違いは、装置に接続された入力/出力装置の特性により、マクロを実行した際に実現するワークフローが異なる点であって、CPUによりプログラムを実行し、各装置を制御することで自装置が管理する各種情報を処理する点において同じである。このことから、本実施形態に係る「マクロ読み出し時において、操作対象データが、マクロを実行した場合に操作可能な状態か否かを判断し、その判断結果をユーザに通知する」という機能を実現するために必要なハードウェアの最小構成要素は、画像処理装置100及び情報処理装置において同じであることから、以降、本実施形態に係る画像処理装置100を情報処理装置として説明を行う。
【0051】
<情報処理機能:マクロ登録・読み出し>
まず始めに、「定型業務などのワークフローを定義したマクロを登録し、必要に応じて登録マクロを読み出し実行することで、作業工程を簡便に再現する」情報処理機能について簡単に説明する。
【0052】
一般的に、ワークフローは、手続き上の作業手順を規定し、規定された作業手順に従って、業務を円滑に遂行することを目的とした流れになっている。このことから、本実施形態では、少なくとも1つ以上の作業手順からなる作業工程の組み合わせで構成されるワークフローを想定している。
【0053】
例えば、デジタル複合機が有するコピー機能について考えてみると、「原稿読み取り→画像処理→印刷」と言う「入力→加工→出力」の作業手順が自動的に行われる。そのため、コピー機能も1つの作業工程となる。また、これらの機能(上記コピー機能を含むデジタル複合機が有する機能)を利用したワークフローについて考えてみると、例えば、原稿を読み取り、読み取った原稿を印刷及び送信する際のワークフローは、コピー機能とファクシミリ機能との2つの作業工程から構成される。
【0054】
このように、デジタル複合機が有する機能を利用したワークフローは、自装置の基本動作である「入力→加工→出力」が作業手順に相当し、これらの作業手順からなる作業工程が組み合わされて構成される(少なくとも1つ以上の作業工程で構成される)。
【0055】
本実施形態に係る情報処理機能では、このようなワークフローを構成する作業工程、さらには、作業工程を構成する作業手順の動作条件に関する情報を含むマクロ情報を登録し、必要に応じて登録したマクロ情報を読み出し、読み出したマクロ情報を基に、マクロを実行することでワークフローを実現するものである。
【0056】
また、本実施形態に係る情報処理機能では、マクロを実行する前段階のマクロ読み出し時において、操作対象データが、マクロを実行した場合に操作可能な状態か否かを判断し、その判断結果をユーザに通知する機能を有している。
【0057】
これによって、操作対象データの状態に起因するマクロ実行時のエラーや誤動作を未然に防ぐことができ、ユーザは、操作対象データの状態判定結果から、エラーや誤動作の原因となる可能性のある条件設定などの変更を行い、マクロ定義された作業工程を正常に再現させることできる。
【0058】
以下に、上記情報処理機能の構成及びその動作について説明する。なお、以下の説明では、文書データをマクロの操作対象データの一例に説明する。
【0059】
《機能構成》
図2は、本発明の第1の実施形態に係る情報処理機能の構成例を示す図である。
【0060】
情報処理機能は、主に、情報処理装置100に搭載(インストール)されるコンポーネント(アプリケーション)のマクロ登録・読み出しに関するソフトウェア部品により実現される機能である。
【0061】
図2に示すように、情報処理機能を実現するソフトウェア環境は、複数のレイヤから構成される。これら複数のレイヤは、主に、ユーザへの情報通知やユーザからの操作・設定受付などを行う、ユーザインタフェースに関するプログラム(ソフトウェア部品)を含むUIレイヤ20と、マクロ登録・読み出しなどの基本機能に関するプログラム(ソフトウェア部品)を含むアプリケーションレイヤ30と、マクロ情報71などの機能動作時(機能提供時)に用いる各種情報を管理する情報管理に関するプログラム(ソフトウェア部品)を含むサービスレイヤ40と、の3つに分けられる。
【0062】
このように、これらの各レイヤには、本実施形態に係る情報処理機能を実現するためのプログラム(ソフトウェア部品)が配置されている。より具体的には、以下の通りである。
【0063】
(UIレイヤ)
UIレイヤ20は、主に、マクロ一覧表示部21を実現するプログラム(ソフトウェア部品)が配置されている。
【0064】
マクロ一覧表示部21は、登録されたマクロを一覧表示する機能である。例えば、マクロ登録部31により登録されたマクロ情報71に基づき、マクロ名称などを情報処理装置100が備える表示装置102の表示画面に一覧表示する。これにより、ユーザは、再現したいワークフローに対応するマクロ名称を選択することで、ワークフローを再現するマクロ情報71を読み出され、読み出されたマクロ情報71を基にマクロが実行される。
【0065】
また、マクロ一覧表示部21は、後述するマクロ読み出し部32からの通知要求に従って、操作対象データがマクロを実行した場合に操作可能な状態か否かの状態判定結果を、ユーザに対して通知する(通知手段)。具体的には、上記状態判定結果に応じたメッセージを、当該情報処理装置100が備える表示装置102の表示画面に表示する。
【0066】
(アプリケーションレイヤ)
アプリケーションレイヤ30は、主に、マクロ登録部31と、マクロ読み出し部32と、状態判定部33と、アプリケーション実行部34と、文書読み出し部35とを実現する各プログラム(ソフトウェア部品)が配置されている。
【0067】
マクロ登録部31は、再現する作業工程やその作業工程の中で行われる作業手順、さらに、その工程や手順における動作条件、ならびに操作対象データなどを指定する各種情報に基づき、マクロ登録を行う機能である。
【0068】
マクロ登録部31は、UIレイヤ20が有するマクロ設定受付部(非図示)を介して受け付けた、上記作業工程、作業手順、動作条件、及び操作対象データなどに関する各種指定情報に基づき、後述するサービスレイヤ40が有するマクロ情報管理部41にマクロ登録を要求する。
【0069】
これにより、マクロ情報管理部41が、上記各種指定情報に基づきマクロ情報71を生成し、データの永続化を行う。ここで言う「データの永続化」とは、例えば、情報処理装置100が備えるHDD110などの不揮発性記憶装置の所定の記憶領域にデータを格納することを意味する。
【0070】
一方、マクロ読み出し部32は、マクロ実行を行う前段階において、上記マクロ登録部31により登録されたマクロ情報71を読み出す機能である。
【0071】
マクロ読み出し部32は、前述したマクロ一覧表示部21を介して受け付けた、実行マクロの指定情報に基づき、マクロ情報管理部41に、指定されたマクロ情報71の取得を要求する。
【0072】
これにより、マクロ情報管理部41が、上記指定情報に基づき、永続化された1つ以上のデータから該当するマクロ情報71を取得し、取得したマクロ情報71を要求元のマクロ読み出し部32へと送信する(要求元へ応答する)。
【0073】
また、マクロ読み出し部32は、後述する状態判定部33に対して、操作対象データが、マクロを実行した場合に操作可能な状態か否かの判定を要求する。
【0074】
マクロ読み出し部32がマクロ情報管理部41から受け取ったマクロ情報71には、マクロ登録時の操作対象データである文書データの書誌情報61(操作対象データの属性情報)が含まれている。
【0075】
これにより、マクロ読み出し部32は、この書誌情報61(以下、「マクロ登録時の書誌情報61」と言う。)に基づき、状態判定部33に対して文書データの状態判定を要求し、その状態判定結果を受け取る。つまり、マクロ読み出し部32は、操作対象データの属性情報に基づき、状態判定部33に対して操作対象データの状態判定を要求する。
【0076】
その結果、マクロ読み出し部32は、受け取った状態判定結果に応じたユーザへの通知を、前述したマクロ一覧表示部21へ要求する。
【0077】
状態判定部33は、前述したように、操作対象データが、マクロを実行した場合に操作可能な状態か否かを判定する機能である(判定手段)。
【0078】
操作対象データが、マクロを実行した場合に操作可能な状態とは、操作対象データの状態が、マクロ登録時の状態から変更されていない場合である。一方、操作不可能な状態とは、操作対象データの状態が、マクロ登録時の状態から変更されている場合である。
【0079】
上記操作不可能な状態となる原因、すなわち、マクロ実行時にエラーや誤動作の原因としては、操作対象データの削除・変更・操作制限などが挙げられる。
【0080】
・操作対象データの状態判定について
例えば、操作対象データが文書データの場合、上記に示す「マクロ実行時にエラーや誤動作の原因となりうる状態」には、次のようなものが挙げられる。
【0081】
(A)文書データの削除
マクロ実行時に、文書データが削除されていた場合には、マクロ登録時の操作対象データが存在しないことによるエラーが発生し、処理が停止してしまう。
【0082】
(B)文書データの変更
文書データの変更には、例えば、新たなページの挿入、ページサイズやカラーモードの変更、文書内の画像データの差し替え、などが挙げられる。
【0083】
マクロ実行時に、上記に挙げたような文書データの変更が行われていた場合には、マクロ登録時に想定していたデータ内容でないことから、エラーや誤動作となってしまう。
【0084】
例えば、マクロ定義された作業手順の中で、特定のページに対して、所定の位置に画像を重畳し合成する処理を行う場合、文書データに新たなページが挿入されると、マクロ登録時に想定していた操作対象ページにずれが生じてしまう。その結果、ユーザが意図していないページに誤って画像が合成されてしまう。
【0085】
また、マクロ定義された作業手順の中で、印刷する処理を行う場合、文書データのページサイズが変更されると、マクロ登録時に想定していたページサイズと異なることから、印刷用紙が用意されていない可能性がある。その結果、用紙サイズ不一致によるエラーが発生し、印刷処理が停止してしまう。
【0086】
(C)文書データの操作制限
操作対象データには、例えば、不正使用による情報漏えいを防ぐことを目的として、高い機密性を保つため、幾つかの操作を制限する操作制限情報が属性情報として付加されている。
【0087】
(C−1)文書データの利用可能制限
文書データの場合には、紙などの記録媒体への印刷やファクシミリなどを用いたデータ送信などの利用回数を制限する利用可能制限に関する情報(以下、「利用可能制限情報」と言う。)が付加されている場合がある。
【0088】
このことから、マクロ実行時に、上記利用可能制限情報に基づいて文書データの利用が制限されると(利用回数が超過してしまうと)、処理が停止してしまう。
【0089】
(C−2)文書データのアクセス制御
その他にも、書き込みや読み出しなどの文書データへのアクセスを制御するアクセス制限に関する情報(以下、「アクセス制御情報」と言い、例えば「アクセス許可されたグループ・ユーザ」、「アクセス許可された処理」、及び「パスワード」などが該当する。)が付加されている場合がある。
【0090】
このことから、マクロ実行時に、上記アクセス制御情報に基づいて文書データへのアクセスが制限されると(例えば「パスワードの不一致」など)、処理が停止してしまう。
【0091】
このように、マクロ定義を行い、オフィスワーク内の処理の効率化を図ったとしても、操作対象データの状態によっては、ユーザが所望する処理が正常に実行されないことが考えられる。
【0092】
そこで、本実施形態では、状態判定部33により、マクロ実行を行う前段階であるマクロ読み出し時において、操作対象データの状態が、マクロ登録時の状態から変更されているか否か判定することで、マクロを実行した場合に操作可能な状態か否かを判定する。
【0093】
状態判定部33は、マクロ読み出し部32からの状態判定要求に従って、まず、操作対象データである文書データを識別する文書識別情報(例えば「文書ID」など)を基に、読み出し時の文書データに関する書誌情報61(以下、「読み出し時の書誌情報61」と言う。)を取得する。具体的には、文書識別情報により特定された文書データに付与される各種属性値を取得し(取得手段)、取得した値を読み出し時の書誌情報61とする。つまり、状態判定部33では、マクロ読み出し時に、操作対象データの属性情報を取得する。
【0094】
このとき、読み出し時の書誌情報61が取得できない場合には、文書データが削除され存在しないものと判定する。
【0095】
また、状態判定部33は、取得した読み出し時の書誌情報61に含まれる上記利用可能制限情報及び上記アクセス制限情報(操作制限情報)に基づき、文書データの利用可能・アクセス制限を判定する。つまり、マクロ実行時に、文書データを許可された範囲内で制限なく操作可能か否かを判定する。
【0096】
さらに、状態判定部33は、取得した読み出し時の書誌情報61と、先にマクロ読み出し部32から受け取ったマクロ登録時の書誌情報61とを比較し(比較手段)、その比較結果から文書データの状態が変更されているか否かを判定する。
【0097】
このように、状態判定部33は、マクロ登録時と読み出し時との操作対象データにおける各属性情報の値を比較し、その比較結果から操作対象データの状態が変更されているか否かを判定する。
【0098】
このとき、書誌情報61を構成する各属性値が、マクロ登録時とマクロ読み出し時とで異なる場合に、文書データの状態が変更され、操作不可能な状態であると判定し、同じであれば変更されておらず、操作可能な状態であると判定する。
【0099】
状態判定部33は、このようにして判定した状態判定結果を、要求元のマクロ読み出し部32へと送信(応答)する。
【0100】
以上のように、状態判定部33は、操作対象データの属性情報に基づき、マクロ実行時のエラーや誤動作の原因となりうるデータ削除、変更、操作制限などが行われているか否か(操作対象データの状態が変更されているか否か)を、マクロ読み出し時に判定する。
【0101】
アプリケーション実行部34は、マクロ情報71に定義された作業工程及びその工程を構成する作業手順を実現するアプリケーションを実行する機能である。具体的には、マクロ読み出し部32により読み出されたマクロ情報71に基づき、作業工程及びその工程を構成する作業手順を実現するアプリケーションプログラム(ソフトウェア部品)を、各動作条件に従って実行する。
【0102】
文書読み出し部35は、マクロ情報71に定義された操作対象データである文書データを読み出す機能である。具体的には、アプリケーション実行部34が、マクロ情報71に定義された操作対象データに基づき、操作対象として指定された文書データを格納先から読み出す。
【0103】
なお、文書データの格納先としては、当該情報処理装置100が備えるHDD110やドライブ装置103を介して読み取り可能な記録媒体104、また、インタフェース装置109を介して所定のデータ伝送路(例えば「ネットワーク」など)により接続される外部機器(例えば「他の情報処理装置」など)が備える記憶装置などが一例として挙げられる。
【0104】
このように、本実施形態における操作対象データは、必ずしも当該情報処理装置100内部に保持されるデータでなくてもよく、当該情報処理装置100から格納先として特定可能な外部データであってもよい。
【0105】
また、文書読み出し部35は、上記状態判定部33による状態判定結果に基づき、マクロ情報71に定義された操作対象データである文書データの読み出し設定を解除する。具体的には、上記状態判定部33により、文書データの状態が変更され、操作不可能な状態であると判定された場合に、文書データの読み出し設定を無効とする設定に変更とする(操作対象無効設定手段)。
【0106】
(サービスレイヤ)
サービスレイヤ40は、主に、マクロ情報管理部41及び書誌情報管理部42を実現する各ソフトウェア部品が配置されている。
【0107】
マクロ情報管理部41は、マクロ情報71の検索、追加、更新、及び削除などのデータ操作を行い、マクロ情報71を管理する機能である。
【0108】
例えば、マクロ情報管理部41は、マクロ登録部31から登録要求された場合、作業工程、作業手順、動作条件、及び操作対象データなどに関する各種指定情報に基づき、これらの情報が所定の形式で定義されたマクロ情報71を生成し、生成したマクロ情報71の永続化(新規情報の追加又は既存情報の更新)を、データ永続化部51へ指示する。
【0109】
また、マクロ情報管理部41は、マクロ読み出し部32から読み出し要求された場合、マクロ情報71を識別する情報(以下、「マクロ識別情報」と言う。)に基づき、データ永続化部51により永続化された1つ以上のマクロ情報71の中から、該当するマクロ情報71を検索し、特定したマクロ情報71を要求元へ送信(応答)する。
【0110】
書誌情報管理部42は、書誌情報61の取得及び設定などのデータ操作を行い、書誌情報61を管理する機能である。
【0111】
ここで、操作対象データの属性情報である書誌情報61について簡単に説明する。書誌情報61は、前述したように、文書データに、データに関する情報として付加された各種属性値から構成される情報である。
【0112】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る書誌情報61のデータ例を示す図である。図3に示すように、書誌情報61は、主に、文書データに関する情報(以下、「文書情報」と言う。)と、文書を構成するページに関する情報(以下、「ページ情報」と言う。)と、文書に含まれる画像に関する情報(以下、「画像情報」と言う。)と、に分けられる。
【0113】
上記文書情報、ページ情報、及び画像情報は、それぞれ文書データから取得可能な属性値により構成されている。
【0114】
まず、文書情報には、前述した文書識別情報(例えば「文書ID」など)と、文書名を表す文書名称情報と、文書データの作成日を表す作成日情報と、文書データを構成するページ数を表すページ数情報と、文書データがどの機能/機器から保存されたのかを表す保存元情報(例えば「コピー機能」や「PC(Personal Computer)」など)と、文書データに含まれる1つ以上の画像のデータサイズを表す画像トータルサイズ情報と、可能な印刷回数を表す印刷可能枚数情報や可能な送信回数を表す送信可能枚数情報などの前述した利用可能制限情報と、アクセス許可されたグループ・ユーザと許可された処理とを表すACL(Access Control)情報や、パスワード及びそのパスワードの変更を許可するか否かを表すパスワードロックなど前述したアクセス制御情報と、を含む各属性値から構成される。
【0115】
また、ページ情報には、各ページを識別するページ番号情報と、ページサイズを表す用紙サイズ情報と、カラーモードを表すカラーモード情報と、を含む各属性値から構成される。
【0116】
また、画像情報には、各画像を識別する画像識別情報(例えば「画像ID」など)と、解像度を表す解像度情報と、画像サイズを表す画像サイズ情報と、を含む各属性値から構成される。
【0117】
書誌情報管理部42は、上記各属性値からなる書誌情報61の取得及び設定を行う。
【0118】
なお、図2には、当該情報処理装置100が備えるHDD110に格納され、操作対象データである文書データの書誌情報61が、その例として示されている。
【0119】
・マクロ情報と書誌情報の関連付けについて
前述したように、本実施形態では、操作対象データである文書データの状態が変更されているか否か(操作対象データがマクロを実行するときに操作可能な状態か否か)を判定するために、マクロ登録時とマクロ読み出し時との書誌情報61を比較することから、マクロ登録時の書誌情報61を保持しておく必要がある。
【0120】
そこで、本実施形態では、マクロ情報管理部41が、マクロ登録時に、登録するマクロ定義に関連付けて書誌情報61(操作対象データの属性情報)を保持する(保持手段)。
【0121】
図4は、本発明の第1の実施形態に係るマクロ情報71のデータ例を示す図である。図4に示すように、本実施形態に係るマクロ情報71には、操作対象データである文書データの書誌情報61が含まれている。すなわち、マクロ登録時の書誌情報61(文書データに付加されている各属性値)が含まれている。
【0122】
マクロ情報71は、主に、マクロ定義全体に関するマクロヘッダ情報と、定義される作業工程、作業手順、操作対象データに関するマクロボディ情報とに大別される。
【0123】
マクロヘッダ情報には、マクロ識別情報(例えば「マクロID」など)と、マクロ名称を表すマクロ名称情報と、マクロの作成者を表す作成者情報と、マクロ情報71のアクセス制御に関するアクセス制御情報(例えば「ACL情報」や「パスワード」など)と、作業工程及び作業手順を実現するアプリケーションプログラム(マクロ実行時の実行ソフトウェア部品)を表す1つ以上のデータから構成されるマクロ構成情報と、が含まれる。
【0124】
また、マクロボディ情報には、アプリケーションプログラムにより実現される作業工程及び作業手順の動作条件を表すマクロ条件情報と、操作対象データである文書データの書誌情報61と、が含まれる。
【0125】
マクロ情報管理部41は、上記のようなデータ構成のマクロ情報71(書誌情報61がマクロ定義に関連付けられたマクロ情報71)を生成するため、登録要求時に、書誌情報管理部42を介して、操作対象データである文書データの書誌情報61を取得し、所定のデータ形式に従って、取得した書誌情報61を含むマクロ情報71を生成する。その結果、生成されたマクロ情報71が、データ永続化部51により永続化され、マクロ登録時の書誌情報61が保持されることになる。
【0126】
なお、上記データ永続化部51は、マクロ情報管理部41からの永続化要求に従って、所定の記憶領域にデータを格納し保持する機能である。図2には、当該情報処理装置100が備えるHDD110が、その例として示されている。
【0127】
以上のように、本実施形態に係る情報処理装置100は、上記各機能部によって、ワークフローを構成する作業工程、及びその作業工程を構成する作業手順の動作条件に関する情報を含むマクロ情報を登録し、必要に応じて登録したマクロ情報を読み出し、読み出したマクロ情報を基に、マクロを実行することでワークフローを実現し、さらに、マクロを実行する前段階のマクロ読み出し時において、操作対象データが、マクロを実行した場合に操作可能な状態か否かを判断し、その判断結果をユーザに通知する情報処理機能を実現している。
【0128】
《機能動作》
ここからは、上記に説明を行った情報処理機能の基本処理手順である各機能部によるマクロ登録・読み出しの動作について説明する。情報処理機能は、上記各機能部が連携動作することにより機能し、情報処理装置100に搭載されるマクロ登録・読み出しに関する各機能を実現するためのプログラム(ソフトウェア部品)が、CPU108により格納先(例えば「ROM105」など)からRAM106に読み出され、以下の処理が実行されることで実現される。
【0129】
以降の説明では、(A)マクロ登録、(B)マクロ読み出しの順に、それぞれの処理手順について説明する。また、その中での操作対象データについては、当該情報処理装置100が備えるHDD110に格納され蓄積された文書データ(以下、「蓄積文書データ」と言う)、つまりデータ永続化部51により永続化された文書データを例に説明する。
【0130】
(A)マクロ登録
図5は、本発明の第1の実施形態に係るマクロ登録に関する基本処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【0131】
本実施形態に係る情報処理装置100は、アプリケーションレイヤ30が有するマクロ登録部31が、UIレイヤ20が有するマクロ設定受付部を介して受け付けた(ステップS101)、作業工程、作業手順、動作条件、及び操作対象データ(文書データ)などに関する各種指定情報に基づき、サービスレイヤ40が有するマクロ情報管理部41にマクロ登録を要求する(ステップS102)。
【0132】
マクロ情報管理部41は、登録要求を受け付けると、操作対象データである蓄積文書データの文書識別情報(文書ID)に基づき、書誌情報管理部42に書誌情報61の取得を要求する(ステップS103)。
【0133】
書誌情報管理部42は、取得要求に従って、文書識別情報(文書ID)に基づき、データ永続化部51を介して、所定の記憶領域に格納されている該当蓄積文書データを特定し、特定された蓄積文書データから、付加情報である各属性値を取得する(ステップS104)。
【0134】
その結果、書誌情報管理部42は、取得した各属性値を、マクロ登録時の書誌情報61として、取得要求元のマクロ情報管理部41へ送信(応答)する。
【0135】
マクロ情報管理部41は、書誌情報61を受け取ると、受け付けた書誌情報61と、作業工程、作業手順、動作条件などに関する各種指定情報とに基づき、所定のデータ形式に従ってマクロ情報71を生成し(ステップS105)、データ永続化部51に、生成したマクロ情報71の永続化を要求する(ステップS106)。
【0136】
その結果、データ永続化部51は、永続化要求に従って、生成されたマクロ情報71を、当該情報処理装置100が備えるHDD110の所定の記憶領域に格納し永続化する。
【0137】
データ永続化部51は、マクロ情報71の永続化後、データ永続化完了の旨を、マクロ情報管理部41へと通知する。
【0138】
マクロ情報管理部41は、この通知を受けて、マクロ登録完了の旨を、登録要求元のマクロ登録部31へ通知する。
【0139】
以上のように、本実施形態に係る情報処理装置100では、所定のワークフローを実現するマクロ情報71を登録でき、さらに、マクロ登録時の書誌情報61を、登録マクロに関連付けて保持しておくことができる。
【0140】
(B)マクロ読み出し
図6は、本発明の第1の実施形態に係るマクロ読み出しに関する基本処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【0141】
本実施形態に係る情報処理装置100は、UIレイヤ20が有するマクロ一覧表示部21が、現在、登録されているマクロの一覧情報を、当該情報処理装置100が備える表示装置102の表示画面に表示し、その表示をUIとしてユーザからの実行マクロの指定を受け付ける(ステップS201)。
【0142】
マクロ一覧表示部21は、ユーザからの実行マクロ指定を受け付けると、実行マクロの指定情報に基づき、アプリケーションレイヤ30が有するマクロ読み出し部32に該当するマクロ情報71の読み出しが要求される(ステップS202)。
【0143】
マクロ読み出し部32は、読み出し要求を受け付けると、実行マクロの指定情報、すなわち、実行マクロのマクロ識別情報(マクロID)に基づき、マクロ情報管理部41にマクロ情報71の取得を要求する(ステップS203)。
【0144】
マクロ情報管理部41は、取得要求に従って、マクロ識別情報(マクロID)に基づき、データ永続化部51を介して、所定の記憶領域に格納されている該当マクロ情報71を特定し、特定されたマクロ情報71を取得する(ステップS204)。
【0145】
その結果、マクロ情報管理部41は、取得したマクロ情報71を、取得要求元のマクロ読み出し部32へ送信(応答)する。
【0146】
続いて、マクロ読み出し部32は、取得したマクロ情報71に含まれる文書識別情報(文書ID)と、マクロ登録時の書誌情報61とに基づき、アプリケーションレイヤ30が有する状態判定部33に、操作対象データの状態が、マクロ登録時の状態から変更されているか否か(操作可能な状態か否か)の状態判定を要求する(ステップS205)。すなわち、操作対象データが、マクロを実行した場合に操作可能な状態か否かの判定を要求する。
【0147】
状態判定部33は、状態判定要求を受け付けると、文書識別情報(文書ID)に基づき、書誌情報管理部42に書誌情報61の取得を要求する(ステップS206)。
【0148】
書誌情報管理部42は、取得要求に従って、文書識別情報(文書ID)に基づき、データ永続化部51を介して、所定の記憶領域に格納されている該当蓄積文書データを特定し、特定された蓄積文書データから、付加情報である各属性値を取得する(ステップS207)。
【0149】
その結果、書誌情報管理部42は、取得した各属性値を、マクロ読み出し時の書誌情報61として、取得要求元の状態判定部33へ送信(応答)する。
【0150】
状態判定部33は、取得したマクロ読み出し時の書誌情報61と、マクロ登録時の書誌情報61と、に基づき、操作対象データである蓄積文書データの状態判定処理を行う(ステップS208)。この状態判定処理については、以降の「(C)操作対象データの状態判定」にて詳細に説明する。
【0151】
状態判定部33は、状態判定結果を、状態判定要求元のマクロ読み出し部32へ送信(応答)する。
【0152】
その結果、マクロ読み出し部32は、状態判定結果を受け取ると、マクロ一覧表示部21に、この状態判定結果に応じたユーザ通知画面の表示を要求する(状態判定結果をユーザにフィードバックする)。
【0153】
以上のように、本実施形態に係る情報処理装置100では、ユーザが実行を所望するワークフローを実現するマクロ情報71を読み出すことができ、さらに、マクロを実行する前段階のマクロ読み出し時において、操作対象データが、マクロを実行した場合に操作可能な状態か否かを判断し、その判断結果をユーザに通知することができる。
【0154】
(C)操作対象データの状態判定
前述したように、上記ステップS208の状態判定処理について説明する。図7は、本発明の第1の実施形態に係る操作対象データの状態判定に関する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0155】
状態判定部33は、まず、前段の処理手順であるステップS207において、書誌情報管理部42により、マクロ読み出し時の書誌情報61が取得できたか否かを判定する(ステップS301)。つまり、マクロ読み出し時に、操作対象データである蓄積文書データが削除されずに存在するか否かを判定する。
【0156】
ステップS301において、マクロ読み出し時の書誌情報61が取得できたと判定された場合(蓄積文書データが削除されず存在した場合)には(ステップS301:YES)、取得したマクロ読み出し時の書誌情報61の利用可能制限情報及びアクセス制御情報の各属性値に基づき、蓄積文書データが操作可能か否かを判定する(ステップS302)。具体的には、「パスワード」、「パスワードロック」、「印刷可能回数」、及び「送信可能回数」の各属性値を基に判定する。
【0157】
ステップS302において、蓄積文書データが操作可能な状態と判定された場合には(ステップS302:YES)、取得したマクロ読み出し時の書誌情報61と、マクロ登録時の書誌情報61との内容を比較するループ処理を行う(ステップS303)。
【0158】
状態判定部33は、例えば、書誌情報61のうち、文書情報である「ページ数情報」や「画像トータルサイズ情報」、またページ情報である「用紙サイズ情報」や「カラーモード情報」などの属性項目を、マクロ登録時とマクロ読み出し時のそれぞれ書誌情報61において比較する(ステップS304)。
【0159】
状態判定部33は、上記ステップS304の比較結果に基づき、蓄積文書データの書誌情報61に変更があるか否か判定する(ステップS305)。具体的には、比較結果において属性値が異なる結果となった場合には、蓄積文書データの書誌情報61に変更があり、操作不可能な状態であるとして判定する。一方、属性値が一致する結果となった場合には、書誌情報61に変更がなく、操作可能な状態であると判定する。
【0160】
ステップS305にいて、蓄積文書データの書誌情報61に変更がある(操作不可能な状態である)と判定された場合(書誌情報61の属性値が異なる場合)には(ステップS305:YES)、その状態判定結果をマクロ読み出し部32に送信(応答)し、マクロ読み出し部32が、状態判定結果に応じて、「蓄積文書データが変更されている旨」をユーザに通知する画面の表示をマクロ一覧表示部21に要求する。その結果、当該情報処理装置100が備える表示装置102の表示画面には、図8(B)に示すようなメッセージMが表示される(ステップS306)。
【0161】
図8は、本発明の第1の実施形態に係るマクロ読み出しに関する表示画面Wの一例を示す図である。図8(A)には、前述したステップS201においてマクロ一覧表示部21が、現在、登録されているマクロの一覧情報を表示した場合の画面例が示されている。
【0162】
ユーザは、図8(A)に示す表示画面Wを、UIとして実行マクロの指定を行う。その後に、操作対象データの状態判定処理が行われ、状態判定結果に応じて、図8(B)に示すようなメッセージMが、表示画面Wに重畳して表示される。これにより、ユーザへ、操作対象データの状態を通知されることになる。
【0163】
一方、ステップS305にいて、蓄積文書データの書誌情報61に変更がない(操作可能な状態)と判定された場合(書誌情報61の属性値が一致する場合)においても(ステップS305:NO)、その状態判定結果をマクロ読み出し部32に送信(応答)する。
【0164】
この場合、マクロ読み出し部32は、操作対象データは、正常に操作可能な状態(エラーや誤動作が発生しない状態)として、アプリケーション実行部34によりマクロを実行する。このとき、マクロ読み出し部32は、状態判定結果に応じて、「マクロの実行が開始された旨」をユーザに通知する画面の表示をマクロ一覧表示部21に要求する。
【0165】
また、上記ステップS301において、マクロ読み出し時の書誌情報61が取得できなかったと判定された場合(蓄積文書データが削除され存在しない場合)には(ステップS301:NO)、その状態判定結果をマクロ読み出し部32に送信(応答)し、マクロ読み出し部32が、状態判定結果に応じて、「蓄積文書データが存在しない旨」をユーザに通知する画面の表示をマクロ一覧表示部21に要求し、その結果、当該情報処理装置100が備える表示装置102の表示画面には、ユーザ通知用のメッセージMが表示される(ステップS307)。
【0166】
また、上記ステップS302において、蓄積文書データが操作不可能な状態と判定された場合には(ステップS302:NO)、利用可能制限及びアクセス制限が、所定の条件を満たせば操作が可能になるか否かを判定する(ステップS308)。つまり、状態判定部3は、マクロ読み出し時の書誌情報61の利用可能制限情報及びアクセス制御情報(操作制限情報)の各属性値において、その属性値の設定を変更・更新することが可能、及び/又はパスワードなどの認証情報を入力することが可能か否かを判定する。
【0167】
ステップS308において、所定の条件を満たせば操作が可能になると判定された場合には(ステップS308:YES)、その状態判定結果をマクロ読み出し部32に送信(応答)し、マクロ読み出し部32が、状態判定結果に応じて、「条件設定変更及び/又は認証情報入力」をユーザに促すUI画面の表示をマクロ一覧表示部21に要求し、その結果、当該情報処理装置100が備える表示装置102の表示画面には、ユーザ入力用のUIウィンドウが表示される。
【0168】
このようにして、ユーザからUIウィンドウを介して条件設定の変更及び/又は認証情報の入力などの各種情報を受け付けることで、ステップS303以降の処理手順が実行される。その結果、ステップS303以降の処理手順において、操作対象データが、エラーや誤動作の原因となりうる状態ではないと判定された場合には、アプリケーション実行部34によりマクロを実行する。
【0169】
一方、ステップS308において、所定の条件を満たすことが不可能又は満たしても操作が不可能と判定される場合には(ステップS308:NO)、その状態判定結果、すなわち操作不可能な状態であることをマクロ読み出し部32に送信(応答)し、マクロ読み出し部32が、状態判定結果に応じて、「蓄積文書データが操作不可能な旨」をユーザに通知する画面の表示をマクロ一覧表示部21に要求し、その結果、当該情報処理装置100が備える表示装置102の表示画面には、ユーザ通知用のメッセージMが表示される(ステップS310)。
【0170】
以上のように、本実施形態に係る情報処理装置100では、マクロ実行時にエラーや誤動作の原因となる操作対象データの状態(操作可能/不可能な状態)について、その詳細をユーザへ通知したり、また場合によっては、操作不可能と判定された操作対象データであっても、その条件設定の変更及び/又は認証情報の入力などの解決策を提案し、ユーザが簡便に対応可能な環境を提供することができる。
【0171】
では以降に、上記操作対象データの状態判定処理において、「操作対象データが所定の条件を満たせば操作可能な場合」と「操作対象データが操作不可能な場合」についての具体的な処理手順例を示す。なお、以下の説明では、図6を用いて説明を行ったマクロ読み出しに関する処理と同じ処理手順については、同一の参照符号を用いて、便宜説明を省略する。
【0172】
(D−1)操作対象データが所定の条件を満たせば操作可能な場合
図9は、本発明の第1の実施形態に係る操作対象データの状態に応じたマクロ読み出しに関する処理手順の一例(その1)を示すシーケンス図である。図9には、操作対象データである蓄積文書データにアクセス制御情報であるパスワードが設定されている場合の例が示されている。
【0173】
マクロ読み出し部32は、ステップS208において、状態判定部33から、所定の条件を満たせば操作が可能になる状態判定結果を受け取ると、その状態判定結果に応じて、「パスワード入力」をユーザに促すUI画面の表示をマクロ一覧表示部21に要求し、その結果、当該情報処理装置100が備える表示装置102の表示画面には、ユーザ入力用のUIウィンドウが表示される。
【0174】
マクロ一覧表示部21は、ユーザからUIウィンドウを介してパスワードの入力を受け付けると、受け付けた入力データを、マクロ読み取り部32に送信する(ステップS402)。
【0175】
マクロ読み取り部32は、受け取った入力データに基づき、書誌情報管理部42に、入力パスワードの設定を要求する(ステップS403)。
【0176】
書誌情報管理部42は、設定要求されたパスワードを設定し、認証後に、設定が完了した旨を、設定要求元のマクロ読み出し部32へ通知する。
【0177】
その結果、マクロ読み出し部32は、操作対象データである蓄積文書データへのアクセス制御の条件が満たされたとして、マクロ実行を開始し(ステップS404)、開始した旨を、マクロ一覧表示部21を介して、ユーザへ通知する。
【0178】
上記処理手順により、パスワード以外にも、パスワードロックの解除、ACL情報の再設定、印刷・送信可能回数のリセットなど、操作対象データに設定された各属性値の変更を行うことができる。
【0179】
(D−2)操作対象データが操作不可能な場合
図10は、本発明の第1の実施形態に係る操作対象データの状態に応じたマクロ読み出しに関する処理手順の一例(その2)を示すシーケンス図である。図10には、操作対象データである蓄積文書データが読み出せない場合(条件変更などにより解決できない場合)の例が示されている。
【0180】
マクロ読み出し部32は、ステップS208において、状態判定部33から、操作不可能であるとの状態判定結果を受け取ると、アプリケーション実行部34に、操作対象データである蓄積文書データが読み出せない旨を通知する(ステップS501)。
【0181】
アプリケーション実行部34は、通知を受け取ると、文書読み出し部35に、蓄積文書データの読み出し設定の解除(読み出し設定の無効)を要求する(ステップS502)。
【0182】
その結果、文書読み出し部35は、読み出し設定を無効に変更とすることで解除し、その結果(設定解除完了)を解除要求元のアプリケーション実行部34へ通知し、アプリケーション実行部34は、「読み出し設定が解除された旨」をユーザに通知する画面の表示をマクロ一覧表示部21に要求し、その結果、当該情報処理装置100が備える表示装置102の表示画面には、ユーザ通知用のメッセージMが表示される。
【0183】
上記処理手順により、たとえ操作対象データが操作不可能であった場合でも、マクロ実行の処理を強制終了するのではなく、どのような状態で終了したのかをユーザに通知したり、その旨を記録したりすることができる。
【0184】
<まとめ>
以上のように、本発明の第1の実施形態によれば、本実施形態に係る情報処理装置100は、ワークフローを構成する作業工程、及びその作業工程を構成する作業手順の動作条件に関する情報を含むマクロ情報を登録し、必要に応じて登録したマクロ情報を読み出し、読み出したマクロ情報を基に、マクロを実行することでワークフローを実現する。
【0185】
さらにその中で、マクロを実行する前段階のマクロ読み出し時において、マクロの操作対象(処理対象)データが、マクロを実行した場合に操作可能な状態か否かを判断する。そして、その判断結果をユーザに通知する。
【0186】
これによって、情報処理装置100では、操作対象データの状態に起因するマクロ実行時のエラーや誤動作を未然に防ぐことができる。
【0187】
また、ユーザは、操作対象データの状態判定結果から、エラーや誤動作の原因となる可能性のある条件設定などの変更を行い、マクロ定義された作業工程を正常に再現させることできる。
【0188】
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、操作対象データが、マクロを実行した場合に操作可能な状態か否かを判断し、その判断結果をユーザに通知する構成について説明した。
【0189】
その中で、もし操作対象データの状態によって、マクロ実行時にエラーや誤動作が発生する可能性がある場合、その原因を解消するために、操作対象データに付加された設定の変更や解除と言った方法を提案した。
【0190】
しかし、操作対象データが削除されている場合や操作対象データの設定を解除した場合など、マクロ実行時のエラーや誤動作については未然に防ぐことができるものの、処理が正常に行われないまま終了してしまう。
【0191】
また、ユーザは、操作対象データが操作不可能な状態と判定された場合に、どの操作対象データが、どのような原因により操作不可能な状態となっているのかなど、発生した問題に迅速かつ的確に対応するための詳細な情報を、簡便に確認したい。
【0192】
このようなことから、ユーザに対して、操作対象データの詳細な状態情報に基づき、適切な操作対象データを迅速に選択し直せる環境を提供し、マクロ実行の処理を継続する方法を提案することが望まれる。
【0193】
そこで、本実施形態に係る情報処理装置では、上記のような場合に、ユーザが、操作対象データの詳細な状態情報を簡便に確認することができ、かつ新たに選択された操作対象データの設定を受け付けることが可能な操作候補表示・選択機能を有する。
【0194】
以下に、上記本実施形態に係る情報処理装置について説明するが、本実施形態と第1の実施形態との違いは、上記操作候補表示・選択機能のみであることから、それ以外の技術的事項については、第1の実施形態と同じ図面と符号を参照し、ここでの説明は省略する。
【0195】
また、以降の説明においても、第1の実施形態と同様に、操作対象データの一例として文書データを用いて説明する。
【0196】
<情報処理機能>
《機能構成》
図11は、本発明の第2の実施形態に係る情報処理機能の構成例を示す図である。
【0197】
図11に示すように、第1の実施形態と本実施形態との機能構成の違いは、本実施形態では、当該情報処理装置100において、マクロ定義により操作対象として選択された文書データや操作対象候補となる文書データ(操作対象候補データ)などを表示する文書表示部22(表示手段)を実現するプログラム(ソフトウェア部品)が、UIレイヤ20に配置されている点である。
【0198】
文書表示部22は、主に、マクロ定義により操作可能な文書データを操作対象データの選択候補として一覧で表示する一覧表示部22aと、操作対象データとして現在選択中の文書データのみを表示する選択表示部22bと、に大別される。よって、文書表示部22は、一覧/選択の表示方式を切り換えることができる。なお、上記表示方式は、一覧/選択のどちらか一方の方式がデフォルト設定されており、ユーザからの明示的な切り換え指示がなければ、上記デフォルト設定の方式に従って表示される。
【0199】
また、文書表示部22は、操作対象データである文書データの書誌情報61を表示する。つまり、文書表示部22は、ユーザに対して、操作対象データが「どのような状態か」を、容易に確認可能な環境を提供する。
【0200】
文書表示部22は、状態判定部33から状態判定結果を受け取ったマクロ読み取り部32、又はマクロ一覧表示21からマクロ登録要求を受け付けたマクロ登録部31により、表示が指示され動作する機能である。
【0201】
《機能動作》
ここからは、上記に説明を行った情報処理機能の基本処理手順である各機能部によるマクロ読み出しの動作について説明する。情報処理機能は、上記各機能部が連携動作することにより機能し、情報処理装置100に搭載されるマクロ登録・読み出しに関する各機能を実現するためのプログラム(ソフトウェア部品)が、CPU108により格納先(例えば「ROM105」など)からRAM106に読み出され、以下の処理が実行されることで実現される。
【0202】
図12は、本発明の第2の実施形態に係るマクロ読み出しに関する基本処理手順の一例を示すシーケンス図である。なお、図12のステップS601〜S608に示す処理手順は、前述した図6のステップS201〜S208に示した処理手順と同様であることから、以下の説明では、便宜説明を省略する。
【0203】
本実施形態に係る情報処理装置100は、状態判定部33から状態判定結果を受け取ったマクロ読み取り部32が、その状態判定結果と、設定された表示方式(一覧/選択のどちらか一方)とに基づき、操作対象データである文書データの表示を、文書表示部22へ指示する(ステップS609)。
【0204】
文書表示部22は、表示指示に従って、状態判定結果が反映された文書データの一覧を表示し(ステップS610)、表示が完了した旨を、表示要求元のマクロ読み出し部32へ通知する。マクロ読み出し部32は、受け取った通知を、読み出し要求元のマクロ一覧表示部21へ通知する。
【0205】
以上のように、本実施形態に係る情報処理装置100は、上記各機能部によって、ユーザが操作対象データの詳細な状態情報に基づき、適切な小差対象データを迅速に選択し直すことが可能となり、操作対象データが操作不可能な場合であっても、あらためて選択された操作対象データに対してマクロ実行の処理を継続することができる。
【0206】
《表示画面例》
では、上記処理手順により、どのような操作環境がユーザに提供されるのかについて、具体的な表示画面例を用いて説明する。
【0207】
図13は、本発明の第2の実施形態に係るマクロ読み出しに関する表示画面遷移の一例を示す図である。
【0208】
まず、マクロ読み出し時の画面遷移について説明する。
【0209】
図13(A)には、図12のステップS601において表示される実行マクロを選択可能な表示画面Wの一例が示されている。ユーザは、まず、この表示画面Wを介して、複数の登録マクロのうち、実行させるマクロを選択する。
【0210】
ユーザにより実行マクロが選択されると、図12のステップS602〜S608に示す処理手順が実行される。
【0211】
このとき、マクロ定義により実現されるワークフロー設定画面である図13(B)に示す表示画面Wへ遷移する。これにより、ユーザは、再現するワークフローにおける作業工程及び作業手順の各種動作条件を変更することができる。図13(B)には、コピー機能によるワークフローの動作条件を設定可能な画面Wが表示されている。図中の[読取設定]、[編集設定]、及び[印刷設定]などの操作ボタンを押下することで、各種動作条件を変更することができる。
【0212】
また、このワークフロー画面には、[文書選択]の操作ボタンも用意されており、この操作ボタンが押下されると、図13(C)又は(D)の表示画面Wへ遷移する。
【0213】
図13(C)又は(D)には、当該情報処理装置100における操作対象候補である1つ以上の文書データに関する情報が表示された表示画面Wの例が示されている。
【0214】
この表示画面Wは、2通りのパターンで表示される。具体的には、図13(C)のように、現在、読み出しているマクロ情報71に定義された操作対象データである文書データを、他の文書データと異なる態様(図中のハッチング部)で表示するパターンと、図13(D)のように、マクロ情報71に、操作対象データである文書データが未定義のため、他の文書データと同様の態様で表示するパターンである。
【0215】
このように、第1の実施形態では、操作対象データの状態判定結果を通知するのみの構成であったが、本実施形態では、当該情報処理装置100における操作対象候補である1つ以上の文書データに関する情報を表示し、マクロ実行の前段階であるマクロ読み出し時において、ユーザが操作対象データを選択し直すことを可能としている。
【0216】
上記表示画面Wについてさらに説明する。
【0217】
(A)マクロ登録時
図14は、本発明の第2の実施形態に係るマクロ登録時の操作対象データ選択画面Wの一例を示す図である。
【0218】
マクロ登録時に、操作対象データである文書データを選択するには、図14に示すような表示画面Wを介して行われる。このように、マクロ登録時には、表示方式に一覧表示が設定されており、文書表示部22の一覧表示部22aにより、操作対象候補となる文書データを一覧表示する。
【0219】
上記表示画面Wには、選択候補となる操作対象データである文書データに関する情報が一覧表示されている。表示される文書データに関する情報には、「作成者名」、「文書名」、「作成日」、「総ページ数」などの書誌情報61の各属性値が表示される。
【0220】
さらに、文書データに関する情報には、文書データの種別を表す情報項目が含まれている。この情報項目には、例えば、書誌情報61のアクセス制御情報、カラーモード情報、及び保存元情報などが含まれており、図14の参照符号I(I〜I)に示すように、視覚的に容易に判別可能な態様で表示される。図14では、参照符号Iが「アクセス制御情報」を表し、参照符号Iが「カラーモード情報」を表し、参照符号Iが「保存元情報」を表している。
【0221】
また、図14の参照符号S(S及びS)に示すように、選択された文書データを、他の文書データと異なる態様で表示する。図14では、文書名"企業の指針"Sと"空力の美学"Sが選択された場合の表示例が示されている。
【0222】
このように、本実施形態では、操作対象データを選択する際に、そのデータの状態を容易に確認可能であることから、マクロ実行前の状態確認をユーザに促すことができ、ユーザは、複数の選択候補から適切な操作対象データを簡便かつ迅速に選択決定することができる。
【0223】
(B)マクロ読み出し時
一方、文書表示部22は、マクロ読み出し時に、例えば図15に示すような操作対象データである文書データを選択する表示画面W3aを表示する。
【0224】
図15は、本発明の第2の実施形態に係るマクロ読み出し時の操作対象データ選択画面Wの一例(その1)を示す図である。
【0225】
図14に示したマクロ登録時の表示画面Wとの違いは、操作対象データである文書データの種別を表す情報項目に、図15の参照符号Iに示すような文書データのマクロ定義に関する情報が表示される点である。
【0226】
文書表示部22は、マクロ読み出し時においても、選択された文書データを、他の文書データと異なる態様で表示する。
【0227】
なお、図15に示す参照符号Iには、マクロ登録時に操作対象データとして定義された文書データであるか否かを識別する情報を表示する例が示されている。
【0228】
このように、本実施形態では、選択された文書データを、他の文書データと異なる態様で表示し、さらに、マクロ登録時に操作対象データとして定義された文書データであるか否かを識別する情報を表示することから、例えば、ユーザが操作対象候補の中から、選択/解除を繰り返しても、「どの文書データがマクロ登録時の操作対象データか」や「現在選択している文書データはどのデータか」など、設定状態が分からなくなることのないように表示される。
【0229】
図16は、本発明の第2の実施形態に係るマクロ読み出し時の操作対象データ選択画面Wの一例(その2)を示す図である。
【0230】
また図16には、図15に示す一覧表示と異なり、表示方式に選択表示が設定されており、文書表示部22の選択表示部22bにより、読み出したマクロ情報71に定義されている文書データのみを表示する例が示されている。
【0231】
文書表示部22は、操作対象データである文書データの状態判定結果において、マクロ実行時にエラーや誤動作が発生する可能性があると判定された場合に、このような表示画面W3bを表示する。
【0232】
このとき、文書表示部22は、マクロ読み取り部32から受け取った状態判定結果に基づき、図16の参照符号UNSに示すように、マクロ情報71に定義されている文書データのうち、操作不可能と判定された文書データに関する情報を、操作可能な文書データと異なる態様で表示する。図16には、操作不可能と判定された文書データに関する情報を半輝度表示する例が示されている。
【0233】
このように、本実施形態では、読み出したマクロ情報71に定義されている文書データにおいて、どの文書データの状態が、エラーや誤動作の原因となる可能性があるのかを容易に判断することができる。
【0234】
図17は、本発明の第2の実施形態に係る操作対象データ一覧/選択の画面切り換えに関する表示画面遷移の一例を示す図である。
【0235】
図17には、上記一覧/選択表示の各表示方式を切り換える場合の画面遷移例が示されている。
【0236】
文書表示部22は、例えば図17の参照符号B(B及びB)に示す[全文書]又は[マクロ文書]の各操作ボタンが選択押下されたことを受け付けて、受け付けた表示方式に従って、表示画面W3bを描画する。具体的には、[マクロ文書]の操作ボタンBが押下されると、図17(A)に示す選択表示画面W3bが表示される。一方、[全文書]の操作ボタンBが押下されると、図17(B)に示す一覧表示画面W3bが表示される。
【0237】
このように、本実施形態では、表示画面切り換え用の操作ボタンBを介して、2つのパターンの表示方式を容易に切り換え制御することができる。
【0238】
(C)文書状態に応じた表示画面
図16を用いて前述したように、文書表示部22では、操作不可能と判定された文書データを、操作可能な文書データと異なる態様で表示する。
【0239】
図16に示す半輝度表示の他にも、操作不可能な原因を視覚的に表す態様で表示することも可能である。
【0240】
図18は、本発明の第2の実施形態に係るマクロ読み出し時の操作不可状態に応じた操作対象データ選択画面Wの一例(その1)を示す図である。
【0241】
文書表示部22は、操作対象データである文書データが削除され存在しない場合に、操作不可能と判定された文書データに関する情報を、図18(A)に示す参照符号I4aのように表示する。また、文書データの書誌情報61のアクセス制御情報において参照権限に関する設定(操作制限情報)により、アクセスすることができない場合には、図18(B)に示す参照符号I4bのように表示する。
【0242】
図19は、本発明の第2の実施形態に係るマクロ読み出し時の操作不可状態に応じた操作対象データ選択画面Wの一例(その2)を示す図である。
【0243】
文書表示部22は、操作対象データである文書データの状態が変更され、操作不可能な状態であると判定された場合に、操作不可能と判定された文書データに関する情報を、図19に示す参照符号I4cのように表示する。
【0244】
このように、本実施形態では、表示画面Wに表示された操作対象データである文書データに関する情報を確認することで、操作対象データである文書データが、操作不可能な状態となっている原因を容易に特定することができる。
【0245】
<まとめ>
以上のように、本発明の第2の実施形態によれば、本実施形態に係る情報処理装置100は、ワークフローを構成する作業工程、及びその作業工程を構成する作業手順の動作条件に関する情報を含むマクロ情報を登録し、必要に応じて登録したマクロ情報を読み出し、読み出したマクロ情報を基に、マクロを実行することでワークフローを実現する。
【0246】
さらにその中で、マクロを実行する前段階のマクロ読み出し時において、マクロの操作対象(処理対象)データが、マクロを実行した場合に操作可能な状態か否かを判断する。そして、その判断結果をユーザに通知する。
【0247】
また、ユーザに通知する際には、操作対象データの詳細な状態情報を通知し、新たな操作対象データを受け付けることが可能な表示画面Wを表示する。
【0248】
これによって、情報処理装置100では、第1の実施形態と同様の効果を奏するとともに、ユーザに対して、操作対象データの詳細な状態情報に基づき、適切な操作対象データを迅速に選択し直せる環境を提供できる。
【0249】
つまり、ユーザは、操作対象データの状態判定結果から、エラーや誤動作の原因となる可能性のある条件設定などの変更を行い、マクロ定義された作業工程を正常に再現させることできる。
【0250】
ここまで、上記各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記各実施形態に係る情報処理装置100が有する「情報処理機能」は、図を用いて説明を行った各処理手順を、コントローラ13の動作環境(プラットフォーム)にあったプログラミング言語でコード化したプログラムとしてコンピュータで実行することで実現することができる。よって、上記各実施形態に係るプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体104に格納することができる。
【0251】
このことから、上記各実施形態に係るプログラムは、フロッピー(登録商標)ディスク、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)などの記録媒体104に記憶させることによって、これらの記録媒体104を読み取り可能なドライブ装置103を介して、情報処理装置100にインストールすることができる。また、情報処理装置100は、ネットワークなどのデータ伝送路(非図示)に接続可能なデータ通信I/F14を有していることから、インターネットなどの電気通信回線を用いて上記プログラムをダウンロードし、インストールすることもできる。
【0252】
最後に、上記各実施形態に挙げた形状や構成に、その他の要素との組み合わせなど、ここで示した要件に、本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0253】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る情報処理機能の構成例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る書誌情報のデータ例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るマクロ情報のデータ例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るマクロ登録に関する基本処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係るマクロ読み出しに関する基本処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る操作対象データの状態判定に関する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施形態に係るマクロ読み出しに関する表示画面の一例を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る操作対象データの状態に応じたマクロ読み出しに関する処理手順の一例(その1)を示すシーケンス図である。
【図10】本発明の第1の実施形態に係る操作対象データの状態に応じたマクロ読み出しに関する処理手順の一例(その2)を示すシーケンス図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る情報処理機能の構成例を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係るマクロ読み出しに関する基本処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【図13】本発明の第2の実施形態に係るマクロ読み出しに関する表示画面遷移の一例を示す図である。
【図14】本発明の第2の実施形態に係るマクロ登録時の操作対象データ選択画面の一例を示す図である。
【図15】本発明の第2の実施形態に係るマクロ読み出し時の操作対象データ選択画面の一例(その1)を示す図である。
【図16】本発明の第2の実施形態に係るマクロ読み出し時の操作対象データ選択画面の一例(その2)を示す図である。
【図17】本発明の第2の実施形態に係る操作対象データ一覧/選択の画面切り換えに関する表示画面遷移の一例を示す図である。
【図18】本発明の第2の実施形態に係るマクロ読み出し時の操作不可状態に応じた操作対象データ選択画面の一例(その1)を示す図である。
【図19】本発明の第2の実施形態に係るマクロ読み出し時の操作不可状態に応じた操作対象データ選択画面の一例(その2)を示す図である。
【符号の説明】
【0254】
11 操作パネル
12 記録媒体I/F
13 コントローラ
14 データ通信I/F
15 スキャナ
16 プロッタ
20 UIレイヤ
21 マクロ一覧表示部
22 文書表示部(a:一覧表示部,b:選択表示部)
30 アプリケーションレイヤ
31 マクロ登録部
32 マクロ読み出し部
33 状態判定部
34 アプリケーション実行部
35 文書読み出し部
40 サービスレイヤ
41 マクロ情報管理部
42 書誌情報管理部
51 データ永続化部
61 書誌情報
71 マクロ情報
100 画像処理装置
101 入力装置
102 表示装置
103 ドライブ装置
104 記録媒体
105 ROM
106 RAM
107 CPU
108 NV−RAM
109 インタフェース装置
110 HDD(不揮発性の記憶装置)
111 読取装置(スキャナ装置)
112 印刷装置(プロッタ装置)
W 表示画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業工程及びその工程を構成する各作業手順と、前記作業工程及び前記作業手順における動作条件とを定義したマクロ情報を登録しておき、登録したマクロ情報を読み出し、定義された動作条件に従って作業手順を実行することで、登録時に定義しておいた作業工程を自動的に再現する情報処理装置であって、
前記マクロ情報を読み出したときに、読み出したマクロ情報に定義された作業手順における操作対象である操作対象データが、マクロを実行した場合に操作可能な状態か否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果を、前記読み出したマクロ情報に定義された作業手順を実行する前に、ユーザへ通知する通知手段と、を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記判定手段は、
前記読み出したマクロ情報に定義された作業手順における操作対象データの属性情報に基づき、
前記操作対象データが、マクロを実行した場合に操作可能な状態か否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
当該情報処理装置が、
マクロ登録時に、登録するマクロ情報に定義された作業手順における操作対象データの属性情報を保持する保持手段と、
マクロ読み出し時に、読み出したマクロ情報に定義された作業手順における操作対象データの属性情報を取得する取得手段と、
前記保持手段により記録されたマクロ登録時における属性情報の値と、前記取得手段により取得されたマクロ読み出し時における属性情報の値とを比較する比較手段と、を有し、
前記判定手段は、
前記比較手段による比較結果に基づき、前記読み出したマクロ情報に定義された作業手順における操作対象データが、マクロを実行した場合に操作可能な状態か否かを判定することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記判定手段は、
前記取得手段により、前記マクロ読み出し時における属性情報が取得できなかった場合に、
前記読み出したマクロ情報に定義された作業手順における操作対象データが、マクロを実行した場合に操作不可能な状態であると判定することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記判定手段は、
前記比較手段により、前記マクロ登録時における属性情報の値と、前記マクロ読み出し時における属性情報の値とが異なる比較結果が得られた場合に、
前記読み出したマクロ情報に定義された作業手順における操作対象データが、マクロを実行した場合に操作不可能な状態であると判定することを特徴とする請求項3又は4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記判定手段は、
前記取得手段により取得されたマクロ読み出し時における属性情報に含まれる、前記操作対象データの操作を制限する操作制限情報に基づき、
前記読み出したマクロ情報に定義された作業手順における操作対象データが、マクロを実行した場合に操作可能な状態か否かを判定することを特徴とする請求項3ないし5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記判定手段は、
前記操作制限情報に基づき、
前記読み出したマクロ情報に定義された作業手順における操作対象データが、マクロを実行した場合に操作不可能な状態であると判定した場合に、
前記操作制限情報の設定を変更することで、前記操作対象データが、マクロを実行した場合に操作可能な状態になるか否かを判定することを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記判定手段は、
前記操作制限情報の設定を変更することで、前記読み出したマクロ情報に定義された作業手順における操作対象データが、マクロを実行した場合に操作可能な状態にならないと判定した場合に、
前記操作対象データが、マクロを実行した場合に操作不可能な状態であると判定することを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記通知手段は、
前記判定手段により、前記操作制限情報の設定を変更することで、前記読み出したマクロ情報に定義された作業手順における操作対象データが、マクロを実行した場合に操作可能な状態になると判定された場合に、
前記操作制限情報の設定を変更する旨を通知することを特徴とする請求項7又は8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
当該情報処理装置が、
前記読み出したマクロ情報に定義された作業手順における操作対象データの読み出し設定を無効に変更する操作対象無効手段を有し、
前記操作対象無効手段は、
前記判定手段により、前記操作対象データが、マクロを実行した場合に操作不可能な状態であると判定された場合に、
前記操作対象データの読み出し設定を無効に変更することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
当該情報処理装置が、
前記操作対象データに関する情報を表示する表示手段を有し、
前記表示手段は、
前記判定手段により、前記読み出したマクロ情報に定義された作業手順における操作対象データが、マクロを実行した場合に操作不可能な状態であると判定された場合に、
マクロ登録時のマクロ情報に定義された作業手順における操作対象データに関する情報を表示することを特徴とする請求項1ないし10のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記表示手段は、
マクロ登録時のマクロ情報に定義された作業手順における操作対象データに関する情報を表示する表示方式と、
前記操作対象データに関する情報と、当該情報処理装置において操作可能な操作対象候補データに関する情報との両方を表示する表示方式とのどちらか一方の方式に従って表示することを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記表示手段は、
前記判定手段による判定結果に基づき、
マクロを実行した場合に操作不可能な状態であると判定された操作対象データに関する情報と、操作可能な状態であると判定された操作対象データに関する情報とを、異なる態様で表示することを特徴とする請求項11又は12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記表示手段は、
マクロ登録時のマクロ情報に定義された作業手順における操作対象データに関する情報と、ユーザにより選択された操作対象データに関する情報とを、異なる態様で表示することを特徴とする請求項11ないし13のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記表示手段は、
前記取得手段により取得されたマクロ読み出し時における属性情報に含まれる、前記操作対象データの操作を制限する操作制限情報に基づき、
前記操作対象データの操作が制限されている旨を、前記操作対象データに関する情報として表示することを特徴とする請求項11ないし14のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記表示手段は、
前記比較手段による比較結果に基づき、
前記マクロ登録時の属性情報と、前記マクロ読み出し時の属性情報とが異なる旨を、前記操作対象データに関する情報として表示することを特徴とする請求項11ないし15のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項17】
原稿を読み取り、画像データを取得するスキャナ部と、
前記スキャナ部により取得した画像データを印刷するプロッタ部と、を備える画像処理装置であって、
さらに、請求項1ないし15のいずれか一項に記載の情報処理装置を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項18】
作業工程及びその工程を構成する各作業手順と、前記作業工程及び前記作業手順における動作条件とを定義したマクロ情報を登録しておき、登録したマクロ情報を読み出し、定義された動作条件に従って作業手順を実行することで、登録時に定義しておいた作業工程を自動的に再現する情報処理装置における情報処理方法であって、
前記マクロ情報を読み出したときに、読み出したマクロ情報に定義された作業手順における操作対象である操作対象データが、マクロを実行した場合に操作可能な状態か否かを判定する判定手順と、
前記判定手順による判定結果を、前記読み出したマクロ情報に定義された作業手順を実行する前に、ユーザへ通知する通知手順と、を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項19】
前記判定手順は、
前記読み出したマクロ情報に定義された作業手順における操作対象データの属性情報に基づき、
前記操作対象データが、マクロを実行した場合に操作可能な状態か否かを判定することを特徴とする請求項18に記載の情報処理方法。
【請求項20】
作業工程及びその工程を構成する各作業手順と、前記作業工程及び前記作業手順における動作条件とを定義したマクロ情報を登録しておき、登録したマクロ情報を読み出し、定義された動作条件に従って作業手順を実行することで、登録時に定義しておいた作業工程を自動的に再現する情報処理装置における情報処理プログラムであって、
コンピュータを、
前記マクロ情報を読み出したときに、読み出したマクロ情報に定義された作業手順における操作対象である操作対象データが、マクロを実行した場合に操作可能な状態か否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果を、前記読み出したマクロ情報に定義された作業手順を実行する前に、ユーザへ通知する通知手段として機能させる情報処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−74305(P2010−74305A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−237126(P2008−237126)
【出願日】平成20年9月16日(2008.9.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】