説明

情報処理装置、画像形成システム及びプログラム

【課題】利用者の作業により解消される故障現象が発生したときに、利用者が自分で作業を行ってその故障現象を解消できるように支援する。
【解決手段】修理支援装置は、画像形成装置において発生した故障現象の情報と、その画像形成装置の機種の機種名とを取得し、画像形成装置の故障現象が利用者の作業により解消可能な故障現象であるか否かを判定する。そして、修理支援装置は、解消可能な故障現象であると判定された場合には、取得された故障現象の情報及び機種名と対応付けて記憶されている作業アドバイス情報61を記憶部から取得する。続いて、修理支援装置は、取得された作業アドバイス情報61と、テスト画像421とが配置されたアドバイスシート画像81を示す画像データを生成して出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、故障現象に応じた情報を出力する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
製品やサービスを利用する顧客に対し、その顧客に有益となるようなアドバイスを提供する技術が知られている。例えば、特許文献1には、顧客の事故データに基づいて、その顧客に適した事故再発防止のためのアドバイスシートを生成する技術が開示されている。また、特許文献2には、撮影画像の画質向上のための撮影操作に関するアドバイス情報をプリンターで印字する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−303225号公報
【特許文献2】特開2004−48699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像形成装置に故障が発生した場合、利用者は、画像形成装置の修理を行う会社に修理を依頼することが多い。しかしながら、画像形成装置の故障現象には、利用者の作業により解決することができる故障現象(以下「軽故障現象」という)と、利用者の作業では解決することができない故障現象(以下「重故障現象」)とがあり、後者の場合には、上述したように修理を依頼する必要があるが、前者の場合には、本来ならば修理を依頼しなくても、利用者自身で解消することができる。ところが、利用者は、故障現象を解消する作業の手順がわからないため、軽故障現象であっても修理を依頼せざるを得なかった。
本発明は、利用者の作業により解消される故障現象が発生したときに、利用者が自分で作業を行ってその故障現象を解消できるように支援することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、利用者の作業により解消される画像形成装置の故障現象である第1の故障現象を示す故障現象情報と、画像形成装置の機種を示す機種情報と、当該機種の画像形成装置に対する当該第1の故障現象を解消する作業の手順を示す作業手順情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、画像形成装置において発生した、利用者の作業により解消される前記第1の故障現象又は利用者の作業では解消されない第2の故障現象のいずれかを示す故障現象情報と、当該画像形成装置の機種を示す機種情報とを取得する第1の取得手段と、前記第1の取得手段により取得された故障現象情報が前記記憶手段に記憶されている前記第1の故障現象を示す故障現象情報に該当するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により、前記取得された故障現象情報が前記第1の故障現象を示す故障現象情報に該当すると判定された場合には、前記第1の取得手段により取得された当該故障現象情報及び前記機種情報と対応付けて記憶されている作業手順情報を前記記憶手段から取得する第2の取得手段と、前記第2の取得手段により取得された作業手順情報が配置された画像を示す画像データを生成する生成手段と、前記生成手段により生成された画像データを出力する出力手段とを備えることを特徴とする情報処理装置を提供する。これにより、利用者の作業により解消される故障現象が発生したときに、利用者が自分で作業を行ってその故障現象を解消できるように支援することができる。
【0006】
本発明に係る情報処理装置において、前記第2の取得手段は、前記判定手段により、前記取得された故障現象情報が前記第1の故障現象を示す故障現象情報に該当しないと判定された場合には、当該故障現象情報が示す故障現象に関する前記作業手順情報以外の第1の関連情報を取得し、前記生成手段は、前記第2の取得手段により取得された第1の関連情報が配置された画像を示す画像データを生成してもよい。これにより、利用者の作業では解消されない故障現象が発生したときに、その故障現象に関する情報を利用者に提供することができる。
【0007】
本発明に係る情報処理装置において、前記第1の取得手段は、前記故障現象が発生した画像形成装置の使用状況を示す使用状況情報、当該画像形成装置の設置環境を示す設置環境情報又は当該画像形成装置の利用者に関する利用者情報の少なくともいずれかを取得し、前記第2の取得手段は、前記判定手段により、前記取得された故障現象情報が前記第1の故障現象を示す故障現象情報に該当しないと判定された場合には、前記第1の取得手段により取得された前記使用状況情報、前記設置環境情報又は前記利用者情報の少なくともいずれかに応じた前記第1の関連情報を取得してもよい。これにより、利用者の作業では解消されない故障現象が発生したときに、その故障現象に関する情報であって、画像形成装置の使用状況、設置環境又はその利用者に応じた情報を利用者に提供することができる。
【0008】
本発明に係る情報処理装置において、前記記憶手段は、複数の画像形成装置の故障の履歴を示す故障履歴情報であって、当該故障の現象を示す故障現象情報と、当該画像形成装置の機種を示す機種情報とを含む故障履歴情報を記憶し、前記記憶手段に記憶されている故障履歴情報に基づいて、前記第1の取得手段により取得された機種情報が示す機種の画像形成装置において他の故障現象よりも発生頻度が高い故障現象を特定する特定手段を備え、前記第2の取得手段は、前記特定手段により特定された故障現象に関する第2の関連情報を取得し、前記生成手段は、前記第2の取得手段により取得された作業手順情報又は第1の関連情報のいずれかと、当該第2の取得手段により取得された前記第2の関連情報とが配置された画像を示す画像データを生成してもよい。これにより、画像形成装置に故障現象が発生したときに、その画像形成装置と同じ機種の画像形成装置において他の故障現象よりも発生頻度が高い故障現象に関する情報を利用者に提供することができる。
【0009】
本発明に係る情報処理装置において、前記生成手段は、予め決められたテスト画像が配置された前記画像を示す画像データを生成し、前記テスト画像は、前記第1の取得手段により取得された機種情報の示す機種又は当該第1の取得手段により取得された故障現象情報の示す故障現象に応じて定められた位置に配置されてもよい。これにより、画像形成装置の機種又は故障現象に応じた位置に配置されたテスト画像に用いて、画像の評価を行うことができる。
【0010】
本発明に係る情報処理装置において、前記テスト画像は、前記第2の取得手段により取得された作業手順情報又は関連情報を装飾する装飾画像の少なくとも一部を構成してもよい。これにより、テスト画像を目立たないようにすることができる。
【0011】
また、本発明は、利用者の作業により解消される画像形成装置の故障現象である第1の故障現象を示す故障現象情報と、画像形成装置の機種を示す機種情報と、当該機種の画像形成装置に対する当該第1の故障現象を解消する作業の手順を示す作業手順情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、画像形成装置において発生した、利用者の作業により解消される前記第1の故障現象又は利用者の作業では解消されない第2の故障現象のいずれかを示す故障現象情報と、当該画像形成装置の機種を示す機種情報とを取得する第1の取得手段と、前記第1の取得手段により取得された故障現象情報が前記記憶手段に記憶されている前記第1の故障現象を示す故障現象情報に該当するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により、前記取得された故障現象情報が前記第1の故障現象を示す故障現象情報に該当すると判定された場合には、前記第1の取得手段により取得された当該故障現象情報及び前記機種情報と対応付けて記憶されている作業手順情報を前記記憶手段から取得する第2の取得手段と、前記第2の取得手段により取得された作業手順情報が配置された画像を示す画像データを生成する生成手段と、前記生成手段により生成された画像データを出力する出力手段とを有する情報処理装置と、前記出力手段により出力された画像データを受け取り、当該画像データに応じた画像を形成する前記画像形成装置とを備えることを特徴とする画像形成システムを提供する。これにより、利用者の作業により解消される故障現象が発生したときに、利用者が自分で作業を行ってその故障現象を解消できるように支援することができる。
【0012】
また、本発明は、コンピューターを、利用者の作業により解消される画像形成装置の故障現象である第1の故障現象を示す故障現象情報と、画像形成装置の機種を示す機種情報と、当該機種の画像形成装置に対する当該第1の故障現象を解消する作業の手順を示す作業手順情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、画像形成装置において発生した、利用者の作業により解消される前記第1の故障現象又は利用者の作業では解消されない第2の故障現象のいずれかを示す故障現象情報と、当該画像形成装置の機種を示す機種情報とを取得する第1の取得手段と、前記第1の取得手段により取得された故障現象情報が前記記憶手段に記憶されている前記第1の故障現象を示す故障現象情報に該当するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により、前記取得された故障現象情報が前記第1の故障現象を示す故障現象情報に該当すると判定された場合には、前記第1の取得手段により取得された当該故障現象情報及び前記機種情報と対応付けて記憶されている作業手順情報を前記記憶手段から取得する第2の取得手段と、前記第2の取得手段により取得された作業手順情報が配置された画像を示す画像データを生成する生成手段と、前記生成手段により生成された画像データを出力する出力手段として機能させるためのプログラムを提供する。これにより、利用者の作業により解消される故障現象が発生したときに、利用者が自分で作業を行ってその故障現象を解消できるように支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】画像形成システムのハードウェア構成を示す図。
【図2】修理支援装置の構成を示す図。
【図3】テスト画像の一例を示す図。
【図4】アドバイスシートのフォーマットの一例を示す図。
【図5】作業アドバイスデータベースの一例を示す図。
【図6】作業アドバイス情報の一例を示す図。
【図7】作業アドバイス情報の一例を示す図。
【図8】利用アドバイスデータベースの一例を示す図。
【図9】利用アドバイス情報の一例を示す図。
【図10】修理支援装置の機能構成を示す図。
【図11】端末装置のハードウェア構成を示す図。
【図12】画像形成装置のハードウェア構成を示す図。
【図13】画像形成システムの動作を示すシーケンス図。
【図14】アドバイスシート画像の一例を示す図。
【図15】変形例に係るテスト画像の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[構成]
図1は、本実施形態に係る画像形成システム1の構成を示す図である。画像形成システム1は、修理支援装置10と、端末装置20と、複数の画像形成装置30とを備える。端末装置20は、インターネットなどのネットワーク2を介して修理支援装置10に接続される。また、端末装置20は、通信ケーブル3を介して画像形成装置30のいずれかに接続される。
【0015】
(修理支援装置の構成)
図2は、修理支援装置10(情報処理装置の一例)のハードウェア構成を示す図である。修理支援装置10は、画像形成装置30の修理に関する各種の情報を提供する機能を有する。修理支援装置10は、CPU(Central Processing Unit)11と、メモリー12と、通信部13と、記憶部14(記憶手段の一例)とを備える。CPU11は、メモリー12に記憶されているプログラムを実行することにより、修理支援装置10の各部を制御する。メモリー12は、例えばROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)とを有し、CPU11により実行されるプログラムやデータを記憶する。通信部13は、ネットワーク2を介して端末装置20とデータ通信を行う。記憶部14は、例えばハードディスクを有し、故障データベース(故障DB)41、画像生成データベース(画像生成DB)42、作業アドバイスデータベース(作業アドバイスDB)43、利用アドバイスデータベース(利用アドバイスDB)44などを記憶する。故障データベース41(故障履歴情報の一例)は、画像形成装置30の故障履歴を示すデータベースである。故障データベース41では、故障した画像形成装置30のシリアル番号、機種名(機種情報の一例)、故障が発生した日時、故障分類及び故障内容(故障現象情報の一例)などが対応付けられている。画像生成データベース42は、アドバイスシートを生成するときに用いられるデータベースである。画像生成データベース42には、テスト画像421と、アドバイスシートのフォーマット422を規定するフォーマット情報などが含まれる。
【0016】
図3は、テスト画像421の一例を示す図である。テスト画像421は、画質の評価に用いられる画像である。図に示すテスト画像421は、カラーバーと呼ばれる色評価用の画像であり、画像形成装置30で用いられる基準色を示す複数のカラーパッチで構成されている。
図4は、アドバイスシートのフォーマット422一例を示す図である。フォーマット422では、アドバイスシートの仕上がりに応じたレイアウト、例えば文書や画像の配置、文字のフォントなどが決められている。図中のフォーマット422aは、アドバイスシートの表面のフォーマットを示している。このフォーマット422aにおいては、領域R1に修理報告の情報が配置され、領域R2に使用状況の情報が配置される。また、図中のフォーマット422bは、アドバイスシートの裏面のフォーマットを示している。このフォーマット422bにおいては、領域R3に第1のアドバイス情報が配置され、領域R4に第2のアドバイス情報が配置される。
【0017】
図5は、作業アドバイスデータベース43の一例を示す図である。作業アドバイスデータベース43では、画像形成装置30の機種を示す「機種名」(機種情報の一例)と、利用者の作業により解消される画像形成装置30の故障現象である「軽故障現象」の情報(故障現象情報の一例)と、作業アドバイス情報(作業手順情報の一例)とが対応付けられている。「軽故障現象」の情報には、「故障分類」と「故障内容」とが含まれる。作業アドバイス情報は、軽故障現象を解消する作業の手順を示す情報である。この作業の手順は、画像形成装置30の機種によって異なる場合がある。図に示す作業アドバイスデータベース43では、機種名「E−001」と、故障分類「紙詰まり」及び故障内容「装置内での紙詰まり」と、作業アドバイス情報61が対応付けられている。これは、「E−001」という機種の画像形成装置30において、「装置内での紙詰まり」が発生した場合には、作業アドバイス情報61の提供が適していることを示している。
【0018】
図6は、作業アドバイス情報61の一例を示す図である。この作業アドバイス情報61は、「E−001」という機種の画像形成装置30に対する装置内での紙詰まりを解消する作業の手順を示す情報である。図の例では、作業アドバイス情報61には、装置内での紙詰まりを解消する作業の手順として、給紙ローラを清掃する手順が示されている。利用者が、この作業アドバイス情報61が示す手順に従って給紙ローラを清掃すると、画像形成装置30内での紙詰まりが解消される。
【0019】
また、図5に示す作業アドバイスデータベース43では、機種名「E−001」と、故障分類「画質不良」及び故障内容「色抜け、ムラ」と、作業アドバイス情報62とが対応付けられている。これは、「E−001」という機種の画像形成装置30において、「色抜け、ムラ」が発生した場合には、作業アドバイス情報62の提供が適していることを示している。
【0020】
図7は、作業アドバイス情報62の一例を示す図である。この作業アドバイス情報62は、「E−001」という機種の画像形成装置30に対する色抜け、ムラを解消する作業の手順を示す情報である。図の例では、作業アドバイス情報62には、色抜け、ムラの故障現象を解消する作業の手順として、画像形成装置30の内部を清掃する手順が示されている。利用者が、この作業アドバイス情報62が示す手順に従って画像形成相装置30の内部を清掃すると、画像形成装置30における色抜け、ムラが解消される。
【0021】
図8は、利用アドバイスデータベース44の一例を示す図である。利用アドバイスデータベース44では、画像形成装置30の「機種名」と、利用者の作業では解消されない故障現象である「重故障現象」の情報と、利用アドバイス情報とが対応付けられている。「重故障現象」の情報には、「故障分類」と「故障内容」とが含まれる。利用アドバイス情報(第1の関連情報の一例)は、重故障現象の再発を抑制する利用方法を示す情報である。図に示す利用アドバイスデータベース44では、機種名「E−001」と、故障分類「動作しない」及び故障内容「電源を入れても動かない」と、利用アドバイス情報71とが対応付けられている。これは、「E−001」という機種の画像形成装置30において、「電源を入れても動かない」という故障現象が発生した場合には、利用アドバイス情報71の提供が適していることを示している。
【0022】
図9は、利用アドバイス情報71の一例を示す図である。この利用アドバイス情報71は、「E−001」という機種の画像形成装置30について、電源を入れても動かないという故障現象の再発を抑制する利用方法を示す情報である。図の例では、利用アドバイス情報62には、電源を入れても動かないという故障の再発を抑制する利用方法として、画像形成装置30の設置場所の移動を促す内容が示されている。利用者が、この利用アドバイス情報71の内容に従って画像形成装置30の設置場所を移動すると、電源を入れても動かないという故障現象の再発が抑制される。
【0023】
図10は、修理支援装置10の機能構成を示す図である。修理支援装置10は、その機能構成として、第1の取得部101と、判定部102と、特定部103と、第2の取得部104と、生成部105と、出力部106とを有する。これらの各機能構成は、CPU11がプログラムを実行することにより実現される。第1の取得部101は、画像形成装置30において発生した、利用者の作業により解消される軽故障現象又は利用者の作業では解消されない重故障現象を示す故障現象の情報と、その画像形成装置30の機種を示す機種名とを取得する第1の取得手段の一例である。判定部102は、第1の取得部101により取得された故障現象の情報が記憶部14に記憶されている作業アドバイスデータベース43に含まれる故障現象の情報に該当するか否かを判定する判定手段の一例である。特定部103は、記憶部14に記憶されている故障データベース41に基づいて、第1の取得部101により取得された機種名が示す機種の画像形成装置30において他の故障現象よりも発生頻度が高い故障現象を特定する特定手段の一例である。第2の取得部104は、判定部102により、第1の取得部101により取得された故障現象の情報が作業アドバイスデータベース43に含まれる故障現象の情報に該当すると判定された場合には、第1の取得部101により取得された故障現象の情報及び機種名と対応付けられて記憶されている作業アドバイス情報を記憶部14の作業アドバイスデータベース43から取得して第1のアドバイス情報とし、第1の取得部101により取得された故障現象の情報が作業アドバイスデータベース43に含まれる故障現象の情報に該当しないと判定された場合には、第1の取得部101により取得された故障現象の情報が示す故障現象に関する利用アドバイス情報を取得して第1のアドバイス情報とする第2の取得手段の一例である。さらに、第2の取得部104は、特定部103により特定された故障現象に関する第2のアドバイス情報を取得する。生成部105は、第2の取得部104により取得された第1のアドバイス情報及び第2のアドバイス情報と、予め決められたテスト画像とが配置された画像を示す画像データを生成する生成手段の一例である。出力部106は、生成部105により生成された画像データを出力する出力手段の一例である。
【0024】
(端末装置の構成)
図11は、端末装置20のハードウェア構成を示す図である。端末装置20は、小型のコンピューター装置であり、例えば画像形成装置30の修理を行う作業員により持ち運ばれて使用される。端末装置20は、CPU21と、メモリー22と、無線通信部23と、通信部24と、記憶部25と、操作部26と、表示部27とを備える。CPU21は、メモリー22に記憶されているプログラムを実行することにより、端末装置20の各部を制御する。メモリー22は、例えばROMとRAMとを有し、CPU21により実行されるプログラムやデータを記憶する。無線通信部23は、無線アンテナを有し、ネットワーク2に含まれる無線基地局を介して修理支援装置10とデータ通信を行う。通信部24は、通信ケーブル3を介して接続された画像形成装置30とデータ通信を行う。記憶部25は、例えばハードディスクを有し、各種のデータを記憶する。操作部26は、例えばキーボードとマウスとを有し、利用者の操作に応じた信号をCPU21に入力する。表示部27は、例えば液晶ディスプレイを有し、CPU21の制御に応じた画像を表示する。
【0025】
(画像形成装置の構成)
図12は、画像形成装置30のハードウェア構成を示す図である。画像形成装置30は、制御部31と、通信部32と、記憶部33と、操作部34と、表示部35と、画像形成部36とを備える。制御部31は、例えばCPUとメモリーとを有し、CPUがメモリーに記憶されているプログラムを実行することにより、画像形成装置30の各部を制御する。通信部32は、通信ケーブル3を介して接続された端末装置20とデータ通信を行う。記憶部33は、例えばハードディスクを有し、各種のデータを記憶する。操作部34は、例えば操作ボタンを有し、利用者の操作に応じた信号を制御部31に入力する。表示部35は、例えば液晶ディスプレイを有し、制御部31の制御に応じた画像を表示する。画像形成部36は、制御部31により供給された画像データに応じた画像を用紙に形成する。なお、以下の説明では、画像を形成することを「印刷」という。
【0026】
[動作]
図13は、画像形成システム1の動作を示すシーケンス図である。ここでは、画像形成装置30で故障が発生し、利用者が修理を依頼した場合を想定して説明を行う。画像形成装置30の修理を行う作業者は、端末装置20を持って、修理を依頼された画像形成装置30(以下「対象の画像形成装置30」という)の設置場所へ行き、この画像形成装置30の修理を行う。そして、作業者は、修理を終えると、端末装置20の操作部26を操作して、アドバイスシートの生成を指示する。このとき、作業者は、操作部26を操作して、対象の画像形成装置30の機種名、使用状況、故障現象、修理報告などの条件情報を入力する。画像形成装置30の使用状況には、例えば月間プリント枚数、両面プリントの比率、カラーとモノクロの比率などが含まれる。画像形成装置30の故障現象には、例えば故障の発生日時、故障分類、故障内容などが含まれる。例えば、対象の画像形成装置30の機種名が「E−001」であり、その装置内で紙詰まりが発生した場合には、対象の画像形成装置30の機種名として「E−001」が、故障分類として「紙詰まり」が、故障内容として「装置内での紙詰まり」が入力される。CPU21は、入力された条件情報を無線通信部23から修理支援装置10に送信する(ステップS11)。
【0027】
修理支援装置10のCPU11は、端末装置20から送信された条件情報を通信部13により受信し(ステップS12)、受信した条件情報をメモリー12に記憶させる。つまり、CPU11は、画像形成装置30において発生した故障現象を示す情報と、その画像形成装置30の機種を示す機種名とを取得する。続いて、CPU11は、メモリー12に記憶されている条件情報の故障現象の情報に基づいて、対象の画像形成装置30の故障現象が軽故障現象であるか否かを判定する(ステップS13)。なお、軽故障現象とは、上述したように、利用者の作業により解消される故障現象のことである。例えば、CPU11は、メモリー12に記憶されている故障現象の情報が、記憶部14に記憶されている作業アドバイスデータベース43に含まれている場合には、画像形成装置30の故障現象が軽故障現象であると判定し、それ以外の場合には、画像形成装置30の故障現象が軽故障現象ではないと判定する。つまり、CPU11は、取得された故障現象の情報が、記憶部14に記憶されている作業アドバイスデータベース43の故障現象の情報に該当するか否かを判定する。例えば、メモリー12に記憶されている故障現象の情報の故障分類が「紙詰まり」であり、故障内容が「装置内での紙詰まり」である場合には、この故障現象の情報が図5に示す作業アドバイスデータベース43に含まれているため、対象の画像形成装置30の故障現象が軽故障現象であると判定される。
【0028】
ステップS13において軽故障現象であると判定されると(ステップS13:YES)、CPU11は、記憶部14に記憶されている作業アドバイスデータベース43から、メモリー12に記憶されている条件情報の機種名及び故障現象の情報に対応付けられた作業アドバイス情報を抽出する。そして、CPU11は、抽出した作業アドバイス情報を第1のアドバイス情報とする(ステップS14)。例えば、機種名が「E−001」であり、故障分類が「紙詰まり」、故障内容が「装置内での紙詰まり」である場合には、図5に示す作業アドバイスデータベース43において、機種名「E001」、故障分類「紙詰まり」及び故障内容「装置内での紙詰まり」に対応付けられた作業アドバイス情報61が抽出される。つまり、CPU11は、取得された故障現象の情報が作業アドバイスデータベース43の故障現象の情報に該当すると判定された場合には、取得された故障現象の情報及び機種名と対応付けて記憶されている作業アドバイス情報を記憶部14の作業データベース43から取得する。
【0029】
一方、ステップS13において軽故障現象ではないと判定されると(ステップS13:NO)、CPU11は、記憶部14に記憶されている利用アドバイスデータベース44から、メモリー12に記憶されている条件情報の機種名及び故障現象の情報に対応付けられた利用アドバイス情報を抽出する。そして、CPU11は、抽出した利用アドバイス情報を第1のアドバイス情報とする(ステップS15)。例えば、機種名が「E−001」であり、故障分類が「動作しない」、故障内容が「電源を入れても動かない」である場合には、図8に示す利用アドバイスデータベース44において、機種名「E001」、故障分類「動作しない」及び故障内容「電源を入れても動かない」に対応付けられた利用アドバイス情報71が抽出される。つまり、CPU11は、取得された故障現象の情報が作業アドバイスデータベース43の故障現象の情報に該当しないと判定された場合には、取得された故障現象の情報が示す対象の画像形成装置30の故障現象に関する利用アドバイス情報を取得する。この利用アドバイス情報は、上述した作業アドバイス情報とは異なる情報である。
【0030】
続いて、CPU11は、記憶部14に記憶されている故障データベース41に基づいて、対象の画像形成装置30と同一の機種において、最近の発生頻度が高い故障現象を特定する(ステップS16)。具体的には、CPU11は、故障データベース41に含まれる故障現象の情報の中から、メモリー12に記憶されている条件情報の機種名に対応付けられたものを抽出する。続いて、CPU11は、抽出した故障現象の情報において、例えば過去1ヶ月の期間で発生頻度が最も高いものを特定する。つまり、CPU11は、記憶部14に記憶されている故障データベース41に基づいて、対象の画像形成装置30と機種が同じ画像形成装置30において他の故障現象よりも発生頻度が高い故障現象を特定する。
【0031】
続いて、CPU11は、記憶部14に記憶されている作業アドバイスデータベース43又は利用アドバイスデータベース44から、メモリー12に記憶されている条件情報の機種名と、上述にて特定された故障現象とに対応付けられたアドバイス情報を抽出する。そして、CPU11は、抽出したアドバイス情報を第2のアドバイス情報(第2の関連情報の一例)とする(ステップS17)。例えば、上述したステップS16において、故障分類が「画質不良」であり、故障内容が「色抜け、ムラ」である故障現象が特定された場合には、図5に示す作業アドバイスデータベース43において、機種名「E001」、故障分類「画質不良」及び故障内容「色抜け、ムラ」に対応付けられた作業アドバイス情報62が抽出される。この作業アドバイス情報62は、「色抜け、ムラ」という故障現象に関する情報である。つまり、CPU11は、特定された故障現象に関するアドバイス情報を取得する。
【0032】
続いて、CPU11は、アドバイスシートに形成されるアドバイスシート画像81の画像データを作成する(ステップS18)。具体的には、CPU11は、メモリー12に記憶されている条件情報から使用状況の情報と修理報告の情報とを読み出し、記憶部14に記憶されている画像生成データベース42のフォーマット情報が示すフォーマット422に従って、この使用状況の情報及び修理報告の情報と、上述にて抽出された第1のアドバイス情報及び第2のアドバイス情報とを配置する。さらに、CPU11は、メモリー12に記憶されている条件情報の機種名に基づいて対象の画像形成装置30の機種を判定し、判定した機種の特性において印刷が不得意な位置を特定する。続いて、CPU11は、記憶部14に記憶されている画像生成データベース42からテスト画像421を読み出し、このテスト画像421を特定された位置に配置する。また、CPU11は、アドバイスシート画像81上に、テストプリントを兼ねていることを示すメッセージを配置する。つまり、CPU11は、上述にて第1のアドバイス情報として取得された作業アドバイス情報又は利用アドバイス情報のいずれかと、上述にて取得された第2のアドバイス情報と、予め決められたテスト画像421とが配置されたアドバイスシート画像81を示す画像データを生成する。
【0033】
図14は、アドバイスシート画像81の一例を示す図である。図中のアドバイスシート画像81aは、アドバイスシートの表面に形成されるアドバイスシート画像であり、図中のアドバイスシート画像81bは、アドバイスシートの裏面に形成されるアドバイスシート画像である。図の例では、アドバイスシート画像81bの領域R3には、図6に示す作業アドバイス情報61が配置されており、領域R4には、図7に示す作業アドバイス情報62が配置されている。また、アドバイスシート画像81bには、対象の画像形成装置30において印刷が不得意な位置である四隅にそれぞれテスト画像421が配置されている。なお、例えば対象の画像形成装置30の機種において印刷が不得意な位置が中央部分である場合には、テスト画像421はアドバイスシート画像81の中央部分に配置される。つまり、テスト画像422は、対象の画像形成装置30の機種に応じて定められた位置に配置される。また、アドバイスシート画像81bの下端には、「テストプリントを兼ねています」というメッセージが配置されている。
【0034】
続いて、CPU11は、生成されたアドバイスシート画像81の画像データを通信部13から端末装置20に送信する(ステップS19)。つまり、CPU11は、生成された画像データを出力する。端末装置20のCPU21は、このアドバイスシート画像81の画像データを無線通信部23により受信すると、受信した画像データを含む印刷要求を生成する。続いて、CPU21は、生成した印刷要求を通信部24から画像形成装置30に送信する(ステップS20)。画像形成装置30の制御部31は、印刷要求を通信部32により受信すると、この印刷要求に含まれる画像データを画像形成部36に供給して、印刷を指示する。画像形成部36は、供給された画像データに基づいて、アドバイスシート画像81を用紙に印刷する(ステップS21)。例えば、画像形成部36は、用紙の表面に図14に示すアドバイスシート画像81aを形成し、用紙の裏面に図14に示すアドバイスシート画像81bを形成して出力する。つまり、画像形成装置30は、修理支援装置10から出力された画像データを受け取り、その画像データに応じた画像を形成する。画像形成装置30から出力された用紙は、アドバイスシートとして用いられる。
【0035】
作業者は、アドバイスシートに形成されているテスト画像421を見て、画質に問題がないかを確認する。画質に問題がないことを確認すると、作業者は、アドバイスシートを対象の画像形成装置30の利用者に手渡す。続いて、作業者は、アドバイスシートの表面を参照して、修理報告と使用状況の説明を行う。また、作業員は、アドバイスシートの裏面を参照して、故障現象に関するアドバイスを行う。例えば、図14に示すように、アドバイスシートに図6に示す作業アドバイス情報61が記載されている場合、作業者は、装置内の紙詰まりを解消する作業である給紙ローラの清掃の手順を説明する。さらに、図14に示すように、アドバイスシートに図7に示す作業アドバイス情報62が記載されている場合、作業者は、対象の画像形成装置30と同機種の画像形成装置30において色抜け、ムラが最近多く発生していることを紹介し、この故障現象を解消する作業である装置内部の清掃の手順を説明する。
【0036】
上述した実施形態によれば、画像形成装置30で発生した故障現象が軽故障現象である場合には、その軽故障現象を解消する作業の手順を示す作業アドバイス情報が印刷される。これにより、利用者は、この作業アドバイス情報を見て作業の手順を把握することにより、同様の軽故障現象が次回発生したときに、自分で作業を行ってその軽故障現象を解消することができる。
【0037】
[変形例]
以上が実施形態の説明であるが、この実施形態の内容は以下のように変形し得る。また、以下の各変形例を適宜組み合わせてもよい。
(変形例1)
上述した実施形態では、機種名及び故障現象の情報に応じたアドバイス情報が抽出されていたが、アドバイス情報の抽出に用いられる情報はこれに限らない。例えば、画像形成装置30の使用状況を示す情報(使用状況情報の一例)が用いられてもよい。この場合、CPU11は、対象の画像形成装置30の機種名及び故障現象の情報に加えて、対象の画像形成装置30の使用状況を示す情報に応じたアドバイス情報を抽出する。この使用状況の情報には、上述したように、例えば月間プリント枚数、両面プリントの比率、カラーとモノクロの比率などの情報が含まれる。また、対象の画像形成装置30の設置環境を示す情報(設置環境情報の一例)や、対象の画像形成装置30の利用者に関する情報(利用者情報の一例)が用いられてもよい。設置環境の情報には、例えば画像形成装置30が設置されている場所の温度、湿度、直射日光が当たるか否かなどの情報が含まれる。利用者の情報には、例えば利用者が行っている保守契約の内容、利用者が保有している画像形成装置30の台数などが含まれる。この場合、作業者は、アドバイスシートの生成を指示するときに、端末装置20の操作部26を操作して、設置環境の情報や利用者の情報の入力も行う。修理支援装置10のCPU11は、対象の画像形成装置30の機種名及び故障現象の情報に加えて、対象の画像形成装置30の設置環境の情報又は利用者の情報に応じたアドバイス情報を抽出する。
また、上述した実施形態では、作業者の操作により画像形成装置30の使用状況の情報や故障現象の情報が入力されていたが、これらの情報を画像形成装置30から取得してもよい。この場合、画像形成装置30の記憶部33には、自装置の使用状況を示す情報や故障現象を示す情報が記憶される。
【0038】
(変形例2)
上述したテスト画像421が配置される位置は、対象の画像形成装置30の機種の特性に応じた位置に限らない。例えば、画像形成装置30の故障現象が「装置の給紙口又は排紙口の中央部分に詰まっている用紙を無理やり引き抜いた」というものである場合には、画像の中央部分がうまく印刷されない可能性があるため、アドバイスシート画像81の中央部分にテスト画像421を配置してもよい。つまり、テスト画像421は、対象の画像形成装置30の故障現象に応じて定められた位置に決められてもよい。
【0039】
(変形例3)
上述したアドバイスシートに記載される情報は、図14に示す例に限らない。例えば、保守契約を勧める情報が記載されていてもよいし、保守契約書が記載されていてもよい。また、利用者にアンケートを行うページのURL(Uniform Resource Locator)が記載されていてもよい。
【0040】
(変形例4)
上述したアドバイスシートに形成されるテスト画像421は、図3に示すような色評価用の画像に限らない。例えば、細線の再現性を評価するものであってもよいし、文字の再現性を評価するものであってもよい。また、テスト画像421は、アドバイスシート画像81において、上述した第1のアドバイス情報又は第2のアドバイス情報を装飾する装飾画像の少なくとも一部を構成してもよい。この装飾画像としては、例えばタイトルバーや枠などが挙げられる。
図15(a)は、第1のアドバイス情報及び第2のアドバイス情報のタイトルバーを構成するテスト画像421aの一例を示す図である。このテスト画像421aは、図3に示したものと同様に、カラーバーと呼ばれる色評価用の画像である。図の例では、作業アドバイス情報61に含まれる「給紙ローラの清掃」という文字と、利用アドバイス情報62に含まれる「プリンタ内部の清掃」という文字とが、それぞれテスト画像421aの上に配置されている。また、図15(b)は、第1のアドバイス情報を囲む枠を構成するテスト画像421bの一例と、第2のアドバイス情報を囲む枠を構成するテスト画像421cの一例を示す図である。テスト画像421b及びテスト画像421cは、いずれも細線の再現性を評価するための画像である。図に示すように、テスト画像421がアドバイス情報を装飾する装飾画像を構成する場合には、印刷を評価するためのテスト画像421がアドバイスシートに形成されていることは、利用者には一見して分からない。
【0041】
(変形例5)
上述したアドバイスシートには、第1のアドバイス情報又は第2のアドバイス情報そのものが記載されていたが、例えばこのアドバイス情報に代えて、アドバイス情報の格納場所を示すバーコードが付加されていてもよい。この場合、修理支援装置10の記憶部14には、第1のアドバイス情報又は第2のアドバイス情報が格納される。この第1のアドバイス情報又は第2のアドバイス情報は、例えば動画であってもよい。画像形成装置30の利用者は、例えば携帯電話機を用いて、アドバイスシートに付加されたバーコードを読み取る。携帯電話機は、読み取ったバーコードが示す格納場所から第1のアドバイス情報又は第2のアドバイス情報を取得して表示する。
【0042】
(変形例6)
対象の画像形成装置30において過去に同様の軽故障現象が発生しているか否かに応じて、アドバイスシートに記載される操作アドバイス情報を変えてもよい。この場合、作業アドバイスデータベース43には、上述した作業アドバイス情報に加えて、この作業アドバイス情報よりも詳細に操作の手順を示す作業アドバイス詳細情報が登録される。修理支援装置10のCPU11は、対象の画像形成装置30のシリアル番号を取得し、記憶部14に記憶されている故障データベース41に基づいて、対象の画像形成装置30において過去に同様の軽故障現象が発生しているか否かを判定する。そして、CPU11は、過去に同様の軽故障現象が発生している場合には、作業アドバイスデータベース43から作業アドバイス詳細情報を抽出する。
【0043】
(変形例7)
故障現象を解消する作業として、いくつか候補となる作業が考えられる場合がある。この場合、作業アドバイスデータベース43には、1つの故障内容に複数の作業アドバイス情報が対応付けられる。修理支援装置10のCPU11は、受信された故障現象に対応付けられた複数の作業アドバイス情報のいずれかの選択を受け付ける選択画面を作成し、端末装置20の表示部27に表示させる。このとき、CPU11は、作業アドバイス情報の選択履歴を取得して、作業アドバイス情報が選択された頻度を特定し、選択画面において、特定された頻度が高い順に作業アドバイス情報を示すようにしてもよい。選択画面が表示されると、作業者は、操作部26を操作して、複数の作業アドバイス情報の中からいずれかを選択する。選択画面において作業アドバイス情報が選択されると、CPU11は、選択された作業アドバイス情報を記憶部14に記憶されている作業アドバイスデータベース43から抽出する。
また、利用アドバイス情報について同様に、受信された故障現象に対応付けられた複数の利用アドバイス情報の中から作業者によって選択された利用アドバイス情報を記憶部14に記憶されている利用アドバイスデータベース44から抽出してもよい。
【0044】
(変形例8)
上述したアドバイスシートのフォーマット422が複数あり、これらを切り替えて使用してもよい。例えば、対象の画像形成装置30がA3サイズの印刷に対応している場合には、A3に対応するフォーマット422に切り替えて使用する。また、例えば利用者が高齢者である場合には、アドバイスシート画像81が拡大されたフォーマット422に切り替えて使用する。この場合、アドバイスシート画像81が例えば複数の用紙に分割して印刷されてもよい。
【0045】
(変形例9)
上述した実施形態では、アドバイスシート画像81が画像形成装置30において印刷されていたが、アドバイスシート画像81の出力先はこれに限らない。例えば、端末装置20において、アドバイスシート画像81が表示部27に表示されてもよい。また、例えばアドバイスシート画像81の画像データが、対象の画像形成装置30の利用者が使用する携帯電話機又はパーソナルコンピュータに送信されてもよい。
【0046】
(変形例10)
上述した実施形態では、アドバイスシートにテスト画像421が形成される場合を例に挙げて説明したが、このテスト画像421は必ずしも形成されなくてもよい。例えば、作業者が、対象の画像形成装置30の修理に行く前に、利用者から聞いた対象の画像形成装置30の故障現象に基づいて前もってアドバイスシートを生成する場合、アドバイスシートは対象の画像形成装置30とは異なる画像形成装置30により印刷されることになる。この場合、テスト画像421の形成を行う必要はないため、作業者は、端末装置20の操作部26を操作して、テスト画像421の形成を行わないよう指示する。テスト画像421の形成を行わないよう指示されると、修理支援装置10のCPU11は、テスト画像421及びテストプリントを兼ねていることを示すメッセージをアドバイスシート画像81に配置しない。
【0047】
(変形例11)
上述した実施形態では、修理支援装置10と端末装置20とが別体で設けられていたが、例えば端末装置20が修理支援装置10の機能を有していてもよい。この場合、修理支援装置10を設ける必要はない。
【0048】
(変形例12)
上述した画像形成装置30の制御部31にて行なわれる処理は、CPUと他のハードウェアとの協働によって行われてもよいし、CPUに代えて1又は複数のハードウェアが行ってもよい。また、修理支援装置10のCPU11、端末装置20のCPU21によって行われる処理は、単一のプログラムによって実現されてもよいし、複数のプログラムによって実現されてもよい。また、修理支援装置10のCPU11、端末装置20のCPU21によって実行される各プログラムは、磁気テープや磁気ディスクなどの磁気記録媒体、光ディスクなどの光記録媒体、光磁気記録媒体、半導体メモリーなどの、コンピューター装置が読み取り可能な記録媒体に記憶された状態で提供し得る。また、このプログラムを、インターネットなどの通信回線経由でダウンロードさせることも可能である。
【符号の説明】
【0049】
1…画像形成システム、10…修理支援装置、11…CPU、12…メモリー、13…通信部、14…記憶部、101…第1の取得部、102…判定部、103…特定部、104…第2の取得部、105…生成部、106…出力部、20…端末装置、21…CPU、22…メモリー、23…無線通信部、24…通信部、25…記憶部、26…操作部、27…表示部、30…画像形成装置、31…制御部、32…通信部、33…記憶部、34…操作部、35…表示部、36…画像形成部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の作業により解消される画像形成装置の故障現象である第1の故障現象を示す故障現象情報と、画像形成装置の機種を示す機種情報と、当該機種の画像形成装置に対する当該第1の故障現象を解消する作業の手順を示す作業手順情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、
画像形成装置において発生した、利用者の作業により解消される前記第1の故障現象又は利用者の作業では解消されない第2の故障現象のいずれかを示す故障現象情報と、当該画像形成装置の機種を示す機種情報とを取得する第1の取得手段と、
前記第1の取得手段により取得された故障現象情報が前記記憶手段に記憶されている前記第1の故障現象を示す故障現象情報に該当するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により、前記取得された故障現象情報が前記第1の故障現象を示す故障現象情報に該当すると判定された場合には、前記第1の取得手段により取得された当該故障現象情報及び前記機種情報と対応付けて記憶されている作業手順情報を前記記憶手段から取得する第2の取得手段と、
前記第2の取得手段により取得された作業手順情報が配置された画像を示す画像データを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された画像データを出力する出力手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記第2の取得手段は、前記判定手段により、前記取得された故障現象情報が前記第1の故障現象を示す故障現象情報に該当しないと判定された場合には、当該故障現象情報が示す故障現象に関する前記作業手順情報以外の第1の関連情報を取得し、
前記生成手段は、前記第2の取得手段により取得された第1の関連情報が配置された画像を示す画像データを生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1の取得手段は、前記故障現象が発生した画像形成装置の使用状況を示す使用状況情報、当該画像形成装置の設置環境を示す設置環境情報又は当該画像形成装置の利用者に関する利用者情報の少なくともいずれかを取得し、
前記第2の取得手段は、前記判定手段により、前記取得された故障現象情報が前記第1の故障現象を示す故障現象情報に該当しないと判定された場合には、前記第1の取得手段により取得された前記使用状況情報、前記設置環境情報又は前記利用者情報の少なくともいずれかに応じた前記第1の関連情報を取得する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記記憶手段は、複数の画像形成装置の故障の履歴を示す故障履歴情報であって、当該故障の現象を示す故障現象情報と、当該画像形成装置の機種を示す機種情報とを含む故障履歴情報を記憶し、
前記記憶手段に記憶されている故障履歴情報に基づいて、前記第1の取得手段により取得された機種情報が示す機種の画像形成装置において他の故障現象よりも発生頻度が高い故障現象を特定する特定手段を備え、
前記第2の取得手段は、前記特定手段により特定された故障現象に関する第2の関連情報を取得し、
前記生成手段は、前記第2の取得手段により取得された作業手順情報又は第1の関連情報のいずれかと、当該第2の取得手段により取得された前記第2の関連情報とが配置された画像を示す画像データを生成する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記生成手段は、予め決められたテスト画像が配置された前記画像を示す画像データを生成し、
前記テスト画像は、前記第1の取得手段により取得された機種情報の示す機種又は当該第1の取得手段により取得された故障現象情報の示す故障現象に応じて定められた位置に配置される
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記テスト画像は、前記第2の取得手段により取得された作業手順情報又は関連情報を装飾する装飾画像の少なくとも一部を構成する
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
利用者の作業により解消される画像形成装置の故障現象である第1の故障現象を示す故障現象情報と、画像形成装置の機種を示す機種情報と、当該機種の画像形成装置に対する当該第1の故障現象を解消する作業の手順を示す作業手順情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、
画像形成装置において発生した、利用者の作業により解消される前記第1の故障現象又は利用者の作業では解消されない第2の故障現象のいずれかを示す故障現象情報と、当該画像形成装置の機種を示す機種情報とを取得する第1の取得手段と、
前記第1の取得手段により取得された故障現象情報が前記記憶手段に記憶されている前記第1の故障現象を示す故障現象情報に該当するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により、前記取得された故障現象情報が前記第1の故障現象を示す故障現象情報に該当すると判定された場合には、前記第1の取得手段により取得された当該故障現象情報及び前記機種情報と対応付けて記憶されている作業手順情報を前記記憶手段から取得する第2の取得手段と、
前記第2の取得手段により取得された作業手順情報が配置された画像を示す画像データを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された画像データを出力する出力手段と
を有する情報処理装置と、
前記出力手段により出力された画像データを受け取り、当該画像データに応じた画像を形成する前記画像形成装置と
を備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項8】
コンピューターを、
利用者の作業により解消される画像形成装置の故障現象である第1の故障現象を示す故障現象情報と、画像形成装置の機種を示す機種情報と、当該機種の画像形成装置に対する当該第1の故障現象を解消する作業の手順を示す作業手順情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、
画像形成装置において発生した、利用者の作業により解消される前記第1の故障現象又は利用者の作業では解消されない第2の故障現象のいずれかを示す故障現象情報と、当該画像形成装置の機種を示す機種情報とを取得する第1の取得手段と、
前記第1の取得手段により取得された故障現象情報が前記記憶手段に記憶されている前記第1の故障現象を示す故障現象情報に該当するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により、前記取得された故障現象情報が前記第1の故障現象を示す故障現象情報に該当すると判定された場合には、前記第1の取得手段により取得された当該故障現象情報及び前記機種情報と対応付けて記憶されている作業手順情報を前記記憶手段から取得する第2の取得手段と、
前記第2の取得手段により取得された作業手順情報が配置された画像を示す画像データを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された画像データを出力する出力手段
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−39160(P2011−39160A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−184445(P2009−184445)
【出願日】平成21年8月7日(2009.8.7)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】