説明

情報処理装置、画像形成装置、およびプログラム

【課題】障害等の発生により装置の再起動が行われた際に、再起動前の装置の動作に係わる情報のうち障害に係わる動作の履歴を保護する。
【解決手段】制御部は、読み書き可能であって記憶している情報を保持することが電源を供給しなくても可能な不揮発性メモリに演算に用いる情報を記憶する不揮発性RAMと、不揮発性RAMに設けられる記入領域AF(初期)に動作に係わる情報の履歴である履歴情報を循環して記憶させ、障害が発生した場合に障害に係わる障害履歴情報に対してフラグ情報を付与し、再起動後にはフラグ情報が付与される障害履歴情報が記憶される記入領域AF(初期)とは異なる不揮発性RAMの新たな記入領域FA(2回目)に新たな履歴情報を循環して記憶させるCPUとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、画像形成装置、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、入力手段により複写モードを入力すると、画像形成手段がその入力した複写モードに応じた画像形成を行う複写機において、画像形成手段の各部の状態を検出する状態検出手段と、この状態検出手段の各部の状態検出に基づき、画像形成手段の各部の異常を検出する異常検出手段と、この異常検出手段が異常を検出したときに、検出時の状態検出手段の検出内容、その検出時の複写モード、および異常検出手段で検出された異常項目をそれぞれ記憶する不揮発性記憶手段と、この不揮発性記憶手段に記憶された各内容を出力する出力手段とを備えた複写機の異常検出処理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−177325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、障害等の発生により装置の再起動が行われた際に、再起動前の装置の動作に係わる情報のうち障害に係わる動作の履歴を保護することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載される発明は、読み書き可能であって記憶している情報を保持することが電源を供給しなくても可能な不揮発性メモリに演算に用いる情報を記憶する主記憶手段と、前記主記憶手段に設けられる予め定められた領域に動作に係わる情報の履歴である履歴情報を循環して記憶させ、障害が発生した場合に当該障害に係わる障害履歴情報に対して識別情報を付与し、再起動後には当該識別情報が付与される当該障害履歴情報が記憶される領域とは異なる当該主記憶手段の新たな領域に新たな履歴情報を循環して記憶させる実行手段と、を備えることを特徴とする情報処理装置である。
請求項2に記載される発明は、前記主記憶手段は、前記実行手段が命令を実行する際にアクセスする作業領域と、前記履歴情報を格納する際にアクセスする履歴情報領域と、を有し、前記実行手段は、前記識別情報が付与された前記障害履歴情報のデータ量が予め定めた第1の基準値を超えた場合には、前記作業領域の一部を前記履歴情報領域として用いるようにアクセス先の変更を行うことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項3に記載される発明は、前記実行手段は、前記識別情報が付与された前記障害履歴情報のデータ量が前記第1の基準値よりも大きい第2の基準値を超えた場合には、前記主記憶手段の前記作業領域へのアクセスを停止することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置である。
請求項4に記載される発明は、前記実行手段は、前記識別情報が付与された前記障害履歴情報が待避されると、当該待避された当該障害履歴情報の当該識別情報を解除することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置である。
請求項5に記載される発明は、記録媒体に画像を記録する画像形成部と、読み書き可能であって記憶している情報を保持することが電源を供給しなくても可能な不揮発性メモリに、少なくとも前記画像形成部の制御のための演算に用いる情報を記憶する主記憶手段と、当該主記憶手段に設けられる予め定められた領域に動作に係わる情報の履歴である履歴情報を循環して記憶させ、障害が発生した場合に当該障害に係わる障害履歴情報に対して識別情報を付与し、再起動後には当該識別情報が付与される当該障害履歴情報が記憶される領域とは異なる当該主記憶手段の新たな領域に新たな履歴情報を循環して記憶させる実行手段と、を有して、当該画像形成部を制御する制御部と、を備えることを特徴とする画像形成装置である。
請求項6に記載される発明は、前記主記憶手段は、前記画像形成部にて画像形成を行うための画像情報を保持する際にアクセスする作業領域と、前記履歴情報を格納する際にアクセスする履歴情報領域と、を有し、前記実行手段は、前記識別情報が付与された前記履歴情報のデータ量が予め定めた第1の基準値を超えた場合には、前記作業領域の一部を前記履歴情報領域として用いるようにアクセス先の変更を行うことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置である。
請求項7に記載される発明は、コンピュータに、読み書き可能であって記憶している情報を保持することが電源を供給しなくても可能な不揮発性メモリに演算に用いる情報を記憶する機能と、前記不揮発性メモリに設けられる予め定められた領域に動作に係わる情報の履歴である履歴情報を循環して記憶させ、障害が発生した場合に当該障害に係わる障害履歴情報に対して識別情報を付与し、再起動後には当該識別情報が付与される当該障害履歴情報が記憶される領域とは異なる当該不揮発性メモリの新たな領域に新たな履歴情報を循環して記憶させる機能と、を実現させるプログラムである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、障害等の発生により装置の再起動が行われた際に、再起動前の装置の動作に係わる情報のうち障害に係わる動作の履歴を保護することが可能となる。
請求項2の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、主記憶手段により多くの障害に関する履歴情報を記憶することができる。
請求項3の発明によれば、障害に関する履歴情報を記憶できない状態にて装置が動作することを防止できる。
請求項4の発明によれば、既に待避された障害履歴情報を新たな履歴情報によって上書きする対象に設定することが可能となり、履歴情報を記憶する領域を改めて確保することができる。
請求項5の発明によれば、障害等の発生により画像形成装置の再起動が行われた際に、再起動前の画像形成装置の動作に係わる情報のうち障害に係わる動作の履歴を保護することが可能となる。
請求項6の発明によれば、障害に関する履歴情報を記憶できない状態にて画像形成装置が動作することを防止できる。
請求項7の発明によれば、障害等の発生により装置の再起動が行われた際に、再起動前の装置の動作に係わる情報のうち障害に係わる動作の履歴を保護することが可能なプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】画像形成システムの構成を示す図である。
【図2】制御部の内部構成を示すハードウェア構成図である。
【図3】CPUの内部構成を示すハードウェア構成図である。
【図4】不揮発性RAMにおけるメモリ領域について説明するための図である。
【図5】本実施形態の制御部が実現する履歴情報保護機能の機能ブロック図である。
【図6】不揮発性RAMに記憶される動作履歴の一例を示した図である。
【図7】制御部が行う履歴情報保護機能のフローチャートである。
【図8】メモリ領域における各領域の割り当てを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本実施形態が適用される画像形成システムの構成を示す図である。
画像形成システムは、スキャン機能、プリント機能、コピー機能およびファクシミリ機能を備えたいわゆる複合機として動作する画像形成装置1と、画像形成装置1に接続されるネットワーク2と、ネットワーク2に接続される端末装置3と、ネットワーク2に接続されるファクシミリ装置4と、ネットワーク2に接続されるサーバ装置5とを有している。
【0009】
ここで、ネットワーク2は、インターネット回線や電話回線等によって構成されている。また、端末装置3は、ネットワーク2を介して、画像形成装置1に画像の形成等を指示するものであり、例えばPC(Personal Computer)で構成される。さらに、ファクシミリ装置4は、ネットワーク2を介して、画像形成装置1との間でファクシミリを送受信する。さらにまた、サーバ装置5は、ネットワーク2を介して、画像形成装置1との間でデータ(プログラムを含む)を送受信する。
【0010】
また、画像形成装置1は、紙等の記録媒体に記録された画像を読み取る画像読取部10と、紙等の記録媒体に画像を形成する画像形成部20と、ユーザから電源のオン/オフ、スキャン機能、プリント機能、コピー機能およびファクシミリ機能を用いた動作に関連する指示を受け付けるとともに、ユーザに対してメッセージを表示するユーザインタフェース(UI)30と、ネットワーク2を介して端末装置3、ファクシミリ装置4およびサーバ装置5との間でデータの送受信を行う送受信部40と、これら画像読取部10、画像形成部20、UI30および送受信部40の動作を制御する制御部50とを備えている。
【0011】
そして、この画像形成装置1では、画像読取部10によってスキャン機能が実現され、画像形成部20によってプリント機能が実現され、画像読取部10および画像形成部20によってコピー機能が実現され、画像読取部10、画像形成部20および送受信部40によってファクシミリ機能が実現される。なお、送受信部40は、例えばインターネット回線用のものと電話回線用のものとを、別々に設けるようにしても構わない。
【0012】
図2は、制御部50の内部構成を示すハードウェア構成図である。
情報処理装置の一例としての制御部50は、種々の演算を実行することによって画像形成装置1の各部を制御する実行手段の一例としてのCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)51と、CPU51に接続され、CPU51との間で各種データのやりとりを行うバスブリッジ52とを備えている。制御部50において、バスブリッジ52には、第1のクロックでデータのやりとりを行うメモリバス53と、第1のクロックよりも周波数が低い第2のクロックでデータのやりとりを行うPCI(Peripheral Component Interconnect)バス54とが接続されている。
【0013】
また、制御部50は、ROM(Read Only Memory)55と、不揮発性RAM(Random Access Memory)56とを備えている。そして、これらROM55、不揮発性RAM56は、それぞれ、メモリバス53に接続されている。
なお、以下の説明では、メモリバス53に接続されるROM55および不揮発性RAM56をメインメモリと呼ぶ。
【0014】
さらに、制御部50は、UI30を制御するためのUIインタフェース回路(UIIF)61と、画像形成部20を制御するためのプリントインタフェース回路(プリントIF)62と、例えば画像形成が行われた記録媒体に後処理を施す後処理部70など、画像形成装置1に後付けで装着されるオプションユニットを制御するためのオプションインタフェース回路(オプションIF)63と、送受信部40を制御するためのネットワークインタフェース回路(ネットワークIF)64と、USB(Universal Serial Bus)デバイスを制御するためのUSBインタフェース回路(USBIF)65と、HDD(Hard Disk Drive)装置90を制御するためのインタフェース回路(HDDIF)66とを備えている。そして、これらUIIF61、プリントIF62、オプションIF63、ネットワークIF64、USBIF65およびHDDIF66は、それぞれ、PCIバス54に接続されている。また、本実施の形態では、USBIF65に対し、画像読取部10が接続されている。なお、USBIF65には、例えば、装着されたメモリカード81に対しデータを読み書きするカードリーダ80が接続されることもある。
【0015】
そして、制御部50は、制御部50を構成する各部(CPU51等)が動作するクロックの基準となる基準クロックを生成するクロックジェネレータ58と、CPU51等の動作に伴って計時を行うタイマ59とをさらに備えている。
【0016】
本実施の形態における制御部50は、例えば、1チップのマイクロコントローラによって構成されている。ただし、制御部50を、複数のチップで構成しても構わない。
【0017】
また、本実施の形態の制御部50において、CPU51は、ROM55及び不揮発性RAM56に直接アクセスすることが可能となっている。
【0018】
ここで、ROM55は、いわゆるマスクROM、各種PROM(Programmable ROM:例えばOTP ROM (One Time Programmable ROM)、UV−EPROM(Ultra-Violet Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM))、フラッシュメモリなどで構成されている。なお、この例では、ROM55として、フラッシュメモリが用いられている。
【0019】
また、主記憶手段の一例としての不揮発性RAM56は、MRAM(Magneto resistive RAM)、FeRAM(Ferroelectric RAM)、PRAM(Phase change RAM)、ReRAM(Resistance RAM)など、電源を供給しなくても記憶している情報を保持することが可能な不揮発性のメモリによって構成されている。また、本実施形態では、不揮発性RAM56は、第1のクロックでデータの読み書きを行う。なお、本実施形態では、不揮発性RAM56として、ROM55として用いられるフラッシュメモリよりも高速にデータの読み書きが可能なMRAMが用いられている。
【0020】
図3は、CPU51の内部構成を示すハードウェア構成図である。
本実施形態のCPU51は、制御部50に設けられたバスブリッジ52と接続され、バスブリッジ52との間で各種データのやりとりを行うバスコントロールユニット511と、バスコントロールユニット511に接続され、CPU51内において上述した第1のクロックよりも周波数が高い第3のクロックで各種データのやりとりを行うCPU内部バス512とを備えている。またCPU51は、CPU51内の各部を制御する制御ユニット513と、読み出したプログラムにしたがって各種演算を実行する演算ユニット514と、演算ユニット514が実行するプログラムが格納されたアドレスの保持、演算ユニット514による演算結果の保持、さらにはメインメモリとの間でデータのやりとりを行う際のアドレスの保持を行うための各種レジスタを備えたレジスタ群515と、演算ユニット514による演算結果を一時的に保持するキャッシュメモリ516と、CPU51が要求するメモリアクセスを処理するメモリ管理ユニット517とを備えている。
【0021】
ここで、レジスタ群515は、演算ユニット514が次に実行するべき命令を格納するメインメモリ上のアドレスを保持するプログラムカウンタ(PC)515aと、一時的にデータを退避しておくために用意するスタック領域のアドレスを保持するスタックポインタ(SP)515bと、CPU51の状態や演算の状態などを保持するステータスレジスタ(SR)515cと、演算やデータ転送の一次記憶などに使用されるアキュムレータ、メインメモリ上のデータにアクセスするためのアドレスを保持するアドレスレジスタ、さらにはCPU51の動作設定の情報を保持するコントロールレジスタ等として機能する汎用レジスタ515dとを含んでいる。
【0022】
そして、レジスタ群515およびキャッシュメモリ516は、ともに、電源を供給しないと、記憶している情報を保持することができない揮発性メモリによって構成されている。なお、この例では、レジスタ群515およびキャッシュメモリ516として、DRAMよりも高速にデータの読み書きが可能なSRAMが用いられている。
【0023】
ところで、従来の画像形成装置では、メインメモリとしてDRAM等の揮発性のメモリを用いている。そして、CPU(画像形成装置)の動作に係わる情報を、揮発性のメモリに保持させ、何らかのエラーが発生したときには、揮発性のメモリに保持された動作に係わる情報をHDD装置やフラッシュメモリなどの読み書き可能な不揮発のメモリに待避することが考えられる。
【0024】
ただし、一般的には、画像形成装置において、HDD装置やフラッシュメモリはいわゆるオプションとしての構成であり必須の構成として設けられるものではない。従って、そもそもHDD装置などの不揮発性のメモリの構成を備えていない場合には、画像形成装置の電源をオフした後においても動作履歴の情報を記憶することはできなかった。
また、従来の画像形成装置においてHDD等の不揮発性のメモリが設けられている場合であっても、例えばエラーが生じた際に、例えば電源のオフのタイミング次第では、動作履歴の情報を不揮発性のメモリへと待避しきれないといった場合が生じていた。
【0025】
そこで、本実施形態では、メインメモリとして不揮発性RAM56を用いる構成とし、CPU51(画像形成装置1)の動作に係わる情報の履歴をその不揮発性RAM56に記憶させるようにした。さらに、本実施形態の画像形成装置1は、不揮発性RAM56に記憶させた動作に係わる情報の履歴が、障害等の発生により装置の再起動(電源のオフ/オン)が行われた後においても、再起動後に再起動前の装置の動作に係わる情報の履歴を確実に保護する「履歴情報保護機能」を備えている。
【0026】
図4は、不揮発性RAM56におけるメモリ領域について説明するための図である。また、図5は、本実施形態の制御部50が実現する履歴情報保護機能の機能ブロック図である。さらに、図6は、不揮発性RAM56に記憶される履歴情報の一例を示した図である。
【0027】
図4に示すように、不揮発性RAM56は、CPU51によって生成されるCPU51(画像形成装置1)の動作に係わる履歴の情報(以下、履歴情報とよぶ)を記憶するために確保されたメモリ領域であるログ領域LAと、例えば画像読取部10にて読み取った読み取り画像データを格納するスキャンバッファ領域や、画像形成部20にて形成する画像データを格納したり、例えばレンダリングなどの画像処理を施す際に用いたりするプリントバッファ領域を備える。なお、以下の説明では、スキャンバッファ領域とプリントバッファ領域とをまとめて作業領域WAと呼ぶ。また、本実施形態では、ログ領域LAに「記入領域FA」が設けられる。そして、後述する履歴作成部110によって、記入領域FAに履歴情報が格納される。
【0028】
図5に示すように、本実施形態の制御部50は、履歴作成部110、フラグ設定部120、メモリ領域管理部130および動作停止指示部140を備える。
履歴作成部110は、画像形成装置1の動作履歴を生成して、不揮発性RAM56のメモリ領域のうちログ領域LAに格納する。
履歴情報は、図6に示すように、CPU51(画像形成装置1)が動作することによって、各構成(画像読取部10、画像形成部20など)の動作内容の情報、画像形成装置1が受けた指示内容に関する情報、画像形成装置1の各構成の状態(ステータス)情報、およびエラーに関する情報などの複数のイベント情報によって構成される。
【0029】
図6に示す履歴情報の一例では、例えば、イベント番号1として記述されるイベント情報は、画像形成装置1の起動(電源のオン)に伴う各構成の初期化の開始を表す。イベント番号7として記述されるイベント情報は、画像形成装置1の初期化が完了したことを表す。また、イベント番号19として記述されるイベント情報は、エラーが発生したことを表す。本実施形態では、このような複数のイベント情報が、各イベントの発生順に時系列で並べられる。
【0030】
(履歴作成部110)
そして、履歴作成部110は、生成した履歴情報を不揮発性RAM56のログ領域LAに記憶する。履歴作成部110は、ログ領域LAに設けられる記入領域FAの先頭のアドレス部分からイベント情報が生成される度にイベント情報を順次書き込む。
一方、履歴作成部110は、後述するフラグ設定部120によってフラグのオンが設定された履歴情報がログ領域LAに存在する場合には、フラグのオンが設定された履歴情報が格納される不揮発性RAM56のメモリ領域を避けるように履歴情報の記憶を行う。すなわち、履歴作成部110は、フラグのオンが設定された履歴情報が記憶される領域とは異なり新たな記入領域FAに新たに発生するイベント情報を記憶させる。
【0031】
なお、後述するようにログ領域LAの記入領域FAは、本実施形態では画像形成装置1の1日分の使用によって発生する全てのイベント情報を格納できるように予めメモリ量の設定が行われている。ただし、通常よりも画像形成装置1の利用頻度が極めて高いような場合など、記入領域FAがイベント情報によって満杯になる場合もある。その場合には、記入領域FAとして設定されるアドレス範囲の最も大きいアドレスから最も小さい(先頭)アドレスに戻り、最新のイベント情報によって古いイベント情報を順次上書きする。
例えば、エラーが生じたイベント情報と時間的に近いイベント情報は、時間的に遠いイベント情報と比較して、エラー解析のために有効な情報として利用できる。従って、本実施形態では、記入領域FAにて循環するよう(サイクリック)に履歴情報の記憶を行うことで、メモリ量に限りのある不揮発性RAM56のメモリ領域を効率的に用いるようにしている。
【0032】
さらに、本実施形態では、履歴作成部110は、起動(電源のオン)が行われる度に、ログ領域LAの記入領域FAの先頭のアドレス部分から発生したイベント情報を書き込む。つまり、後述するようにフラグのオンが設定された履歴情報のように上書き禁止の指定がなされない限り、起動前に記入領域FAに既に記憶されている履歴情報は、再起動後に新たに生成されるイベント情報によって上書きされて消去される。
このように、履歴作成部110は、再起動前においてエラーが発生していなければ、再起動前に用いていた記入領域FAを繰り返して用いることで、記入領域FAにて循環するように(サイクリック)履歴情報の記憶を行う。これによって、メモリ量に限りのある不揮発性RAM56において、エラーが発生しなかった場合の電源オンから電源オフまでの間の動作の履歴情報は不揮発性RAM56から自動的に消えるように構成し、エラーが発生し得る新たな起動における履歴情報を記憶するためのメモリ領域をより多く確保し、例えばエラーの解析のために有用な情報をより多く保存できるようにしている。
【0033】
(フラグ設定部120)
フラグ設定部120は、エラーが発生したというイベント情報が生成されると、エラーに関する履歴情報(障害履歴情報)に対してフラグ情報(識別情報)を付与する。具体的には、エラーに関する履歴情報を構成するイベント情報に対し、フラグ情報の付与として、フラグのオンの設定となる“1”を関連付ける。一方、フラグ情報を付与しない場合には、フラグのオフの設定となる“0”を関連付ける。なお、図6において○印を付したイベント情報がフラグのオンが設定されたものであり、○印を付していないイベント情報がフラグのオフが設定されたものである。
【0034】
本実施形態では、エラーに関する履歴情報は、エラーが発生したイベント情報よりも前の全てのイベント情報を対象としている。従って、エラー発生のときにイベント情報を記憶するログ領域LAの記入領域FAにおいて、エラーが発生したときのイベント情報よりも前に生成された全てのイベント情報に対してフラグのオンを設定する。
なお、フラグ設定部120は、エラーに関する履歴情報として、エラーが発生したイベント情報とそのイベント情報よりも前に生成した予め定められたステップ数の範囲に含まれる複数のイベント情報とを対象にして、それらのイベント情報にフラグ情報を付与しても良い。また、フラグ設定部120は、エラーに関する履歴情報として、エラーが発生した構成(例えば画像形成部20)についての全てのイベント情報を対象とし、それらのイベント情報にフラグ情報を付与しても構わない。
【0035】
そして、フラグ設定部120は、フラグをオンしたイベント情報によって構成される履歴情報が後述するように送受信部40を介して装置外部に送信されることで待避されたという情報を受信した場合に、待避されたイベント情報に設定されたフラグのオンからオフの情報に変更することでフラグの解除を行う。
【0036】
(メモリ領域管理部130)
メモリ領域管理部130は、不揮発性RAM56におけるログ領域LAおよび作業領域WAの管理を行う。また、メモリ領域管理部130は、ログ領域LAの記入領域FAの設定も行う。本実施形態では、メモリ領域管理部130は、CPU51のアクセス先のアドレスを設定することで、CPU51が各情報を記憶したり動作を行うときに一時的に情報を記憶させたりするときのアクセス先を定める。具体的に、メモリ領域管理部130は、後述するように予め定められた条件に基づいて、不揮発性RAM56におけるログ領域LA、記入領域FA、および作業領域WAのアドレスを設定する。
なお、本実施形態ではメモリ領域管理部130によるメモリ領域の変更は、起動の際に行うように設定している。
【0037】
メモリ領域管理部130は、本実施形態では、例えば画像形成装置1において電源オンされてから電源オフされるまでを1日とした場合に、画像形成装置1が利用されることで生成されるイベント情報の1日分の平均的なデータ量(以下、「既定量」とよぶ)に基づいてログ領域LAを設定している。本実施形態の画像形成装置1では、規定量の3倍のデータ量、すなわち画像形成装置1を3日間使用した場合に生成されるイベント情報のデータ量を記憶できるようにログ領域LAのメモリ量を設定する。
【0038】
さらに、メモリ領域管理部130は、ログ領域LAのうち、予め定められた領域として記入領域FAを設定する。この記入領域FAは、上述の既定量(1日分)に相当するメモリ量を有する。そして、実際には履歴作成部110によって、記入領域FAに生成したイベント情報が書き込まれて履歴情報が作成される。
なお、本実施形態では、記入領域FAとして設定されるメモリ領域の幅(メモリ量)は、上記のとおり画像形成装置1を利用する日付の単位に基づいているが、これに限定される訳ではない。例えば、記入領域FAの設定として、予め定められたイベント情報のイベント数(ステップ数)単位や、最新のイベント情報から予め定められたイベント数だけ過去に遡った単位、時間単位などに基づいて設定することができる。
【0039】
また、メモリ領域管理部130は、フラグ設定部120によってオンのフラグが指定されるイベント情報の合計のデータ量に基づいて、初期に設定したログ領域LAを拡大するように、作業領域WAの一部を変更してログ領域LAとして新たに用いるように設定する。この場合、作業領域WAは、ログ領域LAとして一部が変更された分だけ縮小する。
本実施形態では、メモリ領域管理部130は、一のイベント情報(1ステップ分)を格納するために設けられる領域のメモリ量の情報を予め保持している。そして、本実施形態では、メモリ領域管理部130は、フラグのオンが設定されたイベント情報の数の情報をフラグ設定部120から受信することで、フラグのオンが設定されたイベント情報の合計のデータ量に基づいた、メモリ領域の管理を行うことができる。
【0040】
そして、本実施形態のメモリ領域管理部130は、フラグのオンが設定されたイベント情報の合計のデータ量が、第1の基準値(本実施形態では規定量の2倍)を超えた場合に、改めて規定量に相当する1日分のイベント情報を格納できるように設定された記入領域FAを確保するようにログ領域LAを拡張する。すなわち、ログ領域LAにフラグのオンが設定された履歴情報が格納されており、新たに履歴情報を記憶するために新たな記入領域FAを設けようとした場合に、これらの合計がログ領域LAとしてのメモリ量を上回る場合に、メモリ領域管理部130はログ領域LAの拡張を行う。
なお、本実施形態において、第1の基準値は、フラグのオンが設定されたイベント情報のデータ量と、新たに記入領域FAとして設定しようとするメモリ領域のメモリ量との和が、当初に設定したログ領域LAのメモリ量を超える場合の量である。本実施形態では、初期のログ領域LAのメモリ量は規定量の3倍であり、新たに設定しようとする記入領域FAのメモリ量は規定量の1倍であるため、第1の基準値は既定量の2倍のデータ量として設定される。
【0041】
メモリ領域管理部130は、フラグ設定部120によって、フラグがオンであったイベント情報に対するフラグのオフの操作が実行された際などにおいて、フラグがオンの状態にあるイベント情報の占めるデータ量が上記の第1の基準値(本実施形態では規定量の2倍)を下回った場合には、作業領域WAからログ領域LAとして用いるように変更された一部の領域を作業領域WAとして用いるように設定して元に戻す。
【0042】
(動作停止指示部140)
動作停止指示部140は、フラグのオンが設定されたイベント情報が不揮発性RAM56に蓄積されており、さらにログ領域LAの拡張に際して作業領域WAの一部がログ領域LAに変更されると作業領域WAとして機能するにはメモリ領域が不十分となる場合に、画像形成装置1の各構成(画像読取部10、画像形成部20など)の動作を停止させる。この場合、動作停止指示部140は、イベント情報の合計のデータ量が第2の基準値を超えた場合には、作業領域WAへのアクセスを停止する。そして、動作停止指示部140は、本実施形態では、UI30を介して画像形成装置1の利用停止のメッセージをユーザ等に向けて表示する。この場合に、動作停止指示部140は、メンテナンスのエンジニアによる画像形成装置1の復旧作業の依頼を促すメッセージを併せてUI30に表示させても良い。
なお、本実施形態において、第2の基準値は、不揮発性RAM56のメモリ領域におけるメモリ量から、画像形成装置1の画像読取部10および画像形成部20によって処理を実行するのに最低限必要とするメモリ量を差し引いた量として設定する。
【0043】
続いて、図7および図8を参照しながら、本実施形態の制御部50が行う履歴情報保護機能についての動作を説明する。
図7は、制御部50が行う履歴情報保護機能のフローチャートである。また、図8は、メモリ領域における各領域の割り当てを説明するための図である。
まず、画像形成装置1の起動が実行されると、図8(a)に示すように、メモリ領域管理部130によって不揮発性RAM56のメモリ領域にログ領域LAと作業領域WAとが形成される。さらに、メモリ領域管理部130は、ログ領域LAに初期の記入領域LAを設ける。
【0044】
そして、図7に示すように、履歴作成部110は、画像形成装置1の動作に伴って生成されるイベント情報を初期の記入領域FAに記憶する(ステップ101)。そして、履歴作成部110は、画像形成装置1におけるエラーのイベント情報が生成されず(ステップ102:N)、さらに、画像形成装置1の電源がオフの指示がなければ(ステップ103:N)、再びステップ101に戻り、記入領域FAに対するイベント情報の記憶を継続する。この場合において、図8(a)に示すように、履歴作成部110が記憶するイベント情報によって当初の記入領域FAが満杯になった場合には、履歴作成部110は、最も古いイベント情報に対して新たなイベント情報による上書きを行いながら、新たなイベント情報の記憶を継続する。
【0045】
一方で、図7において、電源のオフの指示があれば(ステップ103:Y)、画像形成装置1の電源をオフする(ステップ104)。なお、その後の起動(再起動)においては、図8(a)に示す初期の記入領域FAにおける先頭のアドレス部分から、再起動後の新たに生成されるイベント情報の記憶を行う。従って、再起動前に初期の記入領域FAに格納されていた古いイベント情報は、再起動後の新たに生成されるイベント情報によって上書きされて消去される。
【0046】
そして、ステップ102において、エラーに関するイベント情報が発生すると、履歴作成部110は、エラー発生の旨をフラグ設定部120に送信する。そして、フラグ設定部120は、本実施形態では、画像形成装置1の電源を入れたときのイベント情報からそのエラーが発生したイベント情報までの全てのイベント情報に対してフラグのオンの設定を行い(ステップ105)、画像形成装置1の再起動を実行する(ステップ106)。
【0047】
再起動後において、メモリ領域管理部130は、フラグのオンの設定がされたイベント情報のデータ量が第1の基準値を超えるか否か判断する(ステップ107)。そして、フラグのオンが設定されたイベント情報のデータ量が、第1の基準値を超えないと判断した場合には(ステップ107:N)、メモリ領域管理部130は、新たな記入領域FA(第2)を設定する(ステップ108)。
新たな記入領域FA(第2)は、図8(b)に示すように、1回目のエラー(Err)が発生するまでのイベント情報によって構成される履歴情報が記入された領域を避けるようにして、1回目のエラー発生のイベント情報の次のアドレスから形成される。
【0048】
図7に示すように、ステップ108の後においては、再びステップ101に戻り、履歴作成部110は、新たに設定された記入領域FAに対してイベント情報の記憶を実行する(再びステップ101)。
そして、ステップ102において、エラー(2回目)が発生したと判断されると(ステップ102:Y)、再びステップ105およびステップ106が実行される。さらに、再びステップ107において、フラグのオンが設定されたイベント情報のデータ量が、第1の基準値を超えるか否か判断する。
なお、この場合においては、図8(c)に示すように、1回目のエラーによってフラグのオンが設定されたイベント情報、および2回目のエラーの発生によってフラグのオンが設定されたイベント情報のデータ量が、第1の基準値を超えるか否かを判断する。
【0049】
ステップ107において、第1の基準値を超えていないと判断された場合には(ステップ107:N)、メモリ領域管理部130は、新たな記入領域FA(第3)を作成する(ステップ108)。
この場合に、図8(c)に示すように、新たな記入領域FA(第3)は、1回目のエラーが発生するまでのイベント情報によって構成される履歴情報、および2回目のエラーが発生するまでのイベント情報によって構成される履歴情報が記憶された領域を避けるようにして、2回目のエラーのイベント情報の次のアドレスから形成される。
【0050】
図7に示す、ステップ108の新たな記入領域FA(第3)を作成する後においては、再びステップ101に戻り、履歴作成部110は、新たに設定された記入領域FA(第3)に対してイベント情報の記憶を実行する(再びステップ101)。
そして、ステップ102において、エラー(3回目)が発生したと判断されると(ステップ102:Y)、再びステップ105およびステップ106が実行される。さらに、再びステップ107において、フラグのオンが設定されたイベント情報のデータ量が、第1の基準値を超えるか否か判断する。なお、この場合のステップ107においては、1回目のエラーによってフラグのオンが設定されたイベント情報、および2回目のエラーの発生によってフラグのオンが設定されたイベント情報の合計のデータ量が、第1の基準値を超えるか否かを判断する。
【0051】
そして、第1の基準値を超えると判断した場合には(ステップ107:Y)、さらに、第2の基準値を超えるか否かを判断する(ステップ109)。そして、フラグのオンが設定されたイベント情報によって構成された履歴情報のデータ量が、第2の基準値を超えないと判断した場合には(ステップ109:N)、メモリ領域管理部130は、作業領域WAの一部をログ領域LAに変更する(ステップ110)。そして、メモリ領域管理部130は、ログ領域LAを拡大した上で、記入領域FA(第4)を作成する(ステップ111)。
新たな記入領域FA(第4)は、図8(d)に示すように、1回目のエラーが発生するまでのイベント情報によって構成される履歴情報、2回目のエラーが発生するまでのイベント情報によって構成される履歴情報、3回目のエラーが発生するまでのイベント情報によって構成される履歴情報が記入された領域を避けるようにして、3回目のエラーのイベント情報の次のアドレスから形成される。
【0052】
新たな記入領域FA(第4)を作成するステップ111の後においては、再びステップ101に戻り、ステップ101以降の動作が実行される。
そして、再びステップ109において、メモリ領域管理部130は、フラグのオンが設定されたイベント情報によって構成される履歴情報のデータ量が、第2の基準値を超えるか否かを判断する。そして、第2の基準値を超えていると判断した場合(ステップ109:Y)、メモリ領域管理部130は、その旨を動作停止指示部140に送信する。
動作停止指示部140は、メモリ領域管理部130からの指示を受けて、画像形成装置1における各構成(画像読取部10、画像形成部20)を停止するとともに、例えばUI30に画像形成装置1の利用を停止するメッセージを表示させる(ステップ112)。
この場合、例えば図8(e)に破線で示すように、4回目のエラーが発生したイベント情報の後に、さらに作業領域WAの一部をログ領域LAに変更しさらに新たな記入領域FAを設定しようとする場合、残った作業領域WAでは作業を行えない状態である。また、一方で、作業領域WAのメモリ量に併せてログ領域LA(作業領域WA)を設定したとしても記入領域FAとして十分な領域を確保できない状態である。このような場合、本実施形態では、画像形成装置1を通常と同じく動作させるという利用は行わず、例えばエンジニアによるメンテナンスを行うようにする。
【0053】
以上のように、本実施形態が適用される画像形成装置1では、システムメモリとして用いる不揮発性RAM56にイベント情報を常に記憶することができ、例えば生成したイベント情報を他の記憶媒体に待避させることが必須とはならない。また、実際にエラーが発生した際には、エラーが発生するまでの画像形成装置1のイベント情報にフラグのオンの情報を設定するという識別情報を付与するという負荷が比較的低く処理に掛かる時間も比較的短い操作を行うだけで、再起動後において新たな履歴情報によるエラーに関する履歴情報の上書きを防止し、例えばエラーの解析に必要となる履歴情報の保護を確実に行う。
【0054】
また、特にMRAMのように読み書き速度が比較的高い不揮発性RAM56を動作領域として用いるメモリに利用することができるため、例えばフラッシュメモリのように比較的読み書き速度が低いメモリと用いる場合と比較して、CPU51による処理のパフォーマンスを低下させることなく作業を実行することが可能となる。
【0055】
なお、本実施形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD−ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
【符号の説明】
【0056】
1…画像形成装置、50…制御部、51…CPU、56…不揮発性RAM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
読み書き可能であって記憶している情報を保持することが電源を供給しなくても可能な不揮発性メモリに演算に用いる情報を記憶する主記憶手段と、
前記主記憶手段に設けられる予め定められた領域に動作に係わる情報の履歴である履歴情報を循環して記憶させ、障害が発生した場合に当該障害に係わる障害履歴情報に対して識別情報を付与し、再起動後には当該識別情報が付与される当該障害履歴情報が記憶される領域とは異なる当該主記憶手段の新たな領域に新たな履歴情報を循環して記憶させる実行手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記主記憶手段は、前記実行手段が命令を実行する際にアクセスする作業領域と、前記履歴情報を格納する際にアクセスする履歴情報領域と、を有し、
前記実行手段は、前記識別情報が付与された前記障害履歴情報のデータ量が予め定めた第1の基準値を超えた場合には、前記作業領域の一部を前記履歴情報領域として用いるようにアクセス先の変更を行うことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記実行手段は、前記識別情報が付与された前記障害履歴情報のデータ量が前記第1の基準値よりも大きい第2の基準値を超えた場合には、前記主記憶手段の前記作業領域へのアクセスを停止することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記実行手段は、前記識別情報が付与された前記障害履歴情報が待避されると、当該待避された当該障害履歴情報の当該識別情報を解除することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
記録媒体に画像を記録する画像形成部と、
読み書き可能であって記憶している情報を保持することが電源を供給しなくても可能な不揮発性メモリに、少なくとも前記画像形成部の制御のための演算に用いる情報を記憶する主記憶手段と、当該主記憶手段に設けられる予め定められた領域に動作に係わる情報の履歴である履歴情報を循環して記憶させ、障害が発生した場合に当該障害に係わる障害履歴情報に対して識別情報を付与し、再起動後には当該識別情報が付与される当該障害履歴情報が記憶される領域とは異なる当該主記憶手段の新たな領域に新たな履歴情報を循環して記憶させる実行手段と、を有して、当該画像形成部を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記主記憶手段は、前記画像形成部にて画像形成を行うための画像情報を保持する際にアクセスする作業領域と、前記履歴情報を格納する際にアクセスする履歴情報領域と、を有し、
前記実行手段は、前記識別情報が付与された前記履歴情報のデータ量が予め定めた第1の基準値を超えた場合には、前記作業領域の一部を前記履歴情報領域として用いるようにアクセス先の変更を行うことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
コンピュータに、
読み書き可能であって記憶している情報を保持することが電源を供給しなくても可能な不揮発性メモリに演算に用いる情報を記憶する機能と、
前記不揮発性メモリに設けられる予め定められた領域に動作に係わる情報の履歴である履歴情報を循環して記憶させ、障害が発生した場合に当該障害に係わる障害履歴情報に対して識別情報を付与し、再起動後には当該識別情報が付与される当該障害履歴情報が記憶される領域とは異なる当該不揮発性メモリの新たな領域に新たな履歴情報を循環して記憶させる機能と、
を実現させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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