説明

情報処理装置、表示処理方法およびプログラム

【課題】装置の使用用途によらず利用者にとって操作入力を容易にすること。
【解決手段】情報処理装置は、情報処理装置の使用状態を判断する判断部104と、使用状態に応じて、表示画面の表示要素の配置位置を表示画面上で正逆の位置のいずれかの位置に決定し、画面上の決定した配置位置に表示要素を、配置して表示部102に表示する表示制御部103とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、表示処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複写機やPC、携帯端末等の機器において、入力手段としてタッチパネルを使う機器が増加してきている。このようなタッチパネルを使用した装置では、利用者が表示画面を指等でタッチ操作することにより、操作入力を行うようになっている。
【0003】
一方、従来の各種装置において、表示部に表示する画面の構成は、画一的なものが多くなっている。すなわち、利用者に表示するためだけの表示要素や、利用者に操作入力を行わせるための、アイコンやタブ等の表示要素の画面上での配置はほぼ決まった位置となっている。具体的には、従来の画面構成は、垂直表示を想定して操作入力のための表示要素を画面上方へ配置することが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このため、水平なタッチパネルを操作する場合、画面上方は利用者から遠いため、見づらくタッチ操作を行いにくい。すなわち、従来のタッチパネルを利用した装置の画面構成は押しづらい。利用者の水平操作は考慮されていない。
【0005】
また、垂直から水平まで調節可能な操作表示部を使う装置の場合、操作表示部の本体部に対する仰角の角度に応じては、画面上方に配置された操作入力のための表示要素を操作しにくい。
【0006】
このように従来の装置では、表示要素の配置が利用者の装置の使用用途から外れる場合もあり、装置の使用用途によっては利用者にとって操作入力が困難になるという問題がある。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、装置の使用用途によらず利用者にとって操作入力を容易にすることができる情報処理装置、表示処理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、情報処理装置であって、前記情報処理装置の使用状態を判断する判断手段と、前記使用状態に応じて、表示画面の表示要素の配置位置を、正の位置または逆の位置のいずれかの位置に決定する決定手段と、画面上の決定した配置位置に表示要素を、配置して表示手段に表示する表示制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は上記装置で実行される表示処理方法、プログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、使用状態に応じて、表示画面の表示要素の配置位置を、正の位置または逆の位置のいずれかの位置に決定し、画面上の決定した配置位置に表示要素を、配置して表示手段に表示することで、装置の使用用途によらず利用者にとって操作入力を容易にすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、実施の形態1にかかる情報処理装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、実施の形態1の表示処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】図3は、装置本体部と表示部101との仰角を説明するための図である。
【図4】図4は、装置本体部と表示部101の仰角を検知する手法の一例を示す模式図である。
【図5】図5は、装置本体部と表示部101の仰角を検知する手法の他の一例を示す模式図である。
【図6−1】図6−1は、情報処理装置がノートPCである場合の表示例である。
【図6−2】図6−2は、情報処理装置がノートPCである場合の表示例である。
【図7−1】図7−1は、情報処理装置がノートPCである場合の表示例である。
【図7−2】図7−2は、情報処理装置がノートPCである場合の表示例である。
【図8−1】図8−1は、情報処理装置がノートPCである場合の表示例である。
【図8−2】図8−2は、情報処理装置がノートPCである場合の表示例である。
【図9−1】図9−1は、情報処理装置がノートPCである場合の表示例である。
【図9−2】図9−2は、情報処理装置がノートPCである場合の表示例である。
【図10】図10は、情報処理装置がテーブル型タッチパネルである場合の表示例である。
【図11】図11は、情報処理装置がテーブル型タッチパネルである場合の表示例である。
【図12】図12は、情報処理装置がテーブル型タッチパネルである場合の表示例である。
【図13】図13は、情報処理装置がカーナビゲーション装置である場合の表示例である。
【図14】図14は、情報処理装置がカーナビゲーション装置である場合の表示例である。
【図15】図15は、画像形成装置としての複合機1500の機能的構成を示すブロック図である。
【図16−1】図16−1は、複合機の操作表示部の表示例である。
【図16−2】図16−2は、複合機の操作表示部の表示例である。
【図17−1】図17−1は、複合機の操作表示部の表示例である。
【図17−2】図17−2は、複合機の操作表示部の表示例である。
【図18−1】図18−1は、複合機の操作表示部の表示例である。
【図18−2】図18−1は、複合機の操作表示部の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる情報処理装置、情報処理方法およびプログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1にかかる情報処理装置の機能的構成を示すブロック図である。本実施の形態の情報処理装置100は、図1に示すように、表示部102と、入力部101と、表示制御部103と、判断部104と、ハードディスクドライブ装置(HDD)105とを主に備える。
【0014】
表示部102は、ディスプレイ装置等の表示画面を表示するデバイスである。入力部101は、マウスやキーボード等の入力デバイスである。なお、表示部102と入力部101とをタッチパネル式の入力表示デバイスとして構成してもよい。
【0015】
判断部104は、情報処理装置100の使用状態を判断するものであり、具体的には、表示部102と装置本体部との間の角度、すなわち仰角を判断する。
【0016】
表示制御部103は、表示部103への表示データの表示を制御する。また、表示制御部103は、表示データ中の一または複数の表示要素の配置を、情報処理装置100の使用状態によって変更する。
【0017】
具体的には、表示制御部103は、情報処理装置の使用状態に応じて、画面上方に表示要素を画面下方に配置変更したり、その逆の変更を行う。また、情報処理装置の使用状態に応じて、表示要素を画面の一方の側に集めて表示する。具体的な表示要素の配置の変更の例については後述する。
【0018】
ここで、表示要素には、表示専用の表示要素の他、操作入力を行うための表示要素も含まれる。操作入力を行うための表示要素としては、例えば、アイコン、タブ、リストボックス等があげられるが、これらに限定されるものではない。また、表示要素には、上記アイコン等の単体の要素の他、画面上の一定の範囲を画する領域も含まれる。
【0019】
HDD105は、表示データや表示要素のデータを記憶する記憶媒体である。
【0020】
次に、本実施の形態の表示処理について説明する。図2は、実施の形態1の表示処理の手順を示すフローチャートである。
【0021】
まず、判断部104は、情報処理装置100の使用状態として、装置本体部と表示部101との仰角を判断する(ステップS11)。ここで、図3は、装置本体部と表示部101との仰角を説明するための図である。仰角の判断は、種々の手法を採用することができる。図4、5は、装置本体部と表示部101の仰角を検知する手法の一例を示す模式図である。図4に示した例では、デジタル水平器や角度計と同様の傾斜検知機器が本体部と表示部101との接続部に設けられている。そして、この傾斜検知機器により表示部101の本体部に対する仰角を検知するように構成すればよい。
【0022】
また、図5の例では、本体部と表示部101との接続部内部に所定間隔で複数の接点を設け、この接点に本体部と表示部101との接続部の回転軸が接触した場合に、接触した接点から本体部と表示部101の仰角を検知するように構成すればよい。
【0023】
図2に戻り、ステップS12で本体部と表示部101の仰角を検出した後、表示制御部103は、仰角に応じて表示要素の配置を決定する(ステップS12)。例えば、仰角が0°から90°の場合には、操作入力用の表示要素を画面上方に表示し、仰角が90°から180°の場合には、操作入力用の表示要素を画面下方、すなわち利用者に近い側に表示するよう構成すればよい。
【0024】
このように表示要素の配置を決定したら、表示制御部103は、表示要素を含む表示データを表示部101に表示する(ステップS13)。
【0025】
次に、表示要素の画面配置の例について説明する。図6−1、図6−2、図7−1,図7−2、図8−1,図8−2、図9−1,図9−2は、情報処理装置がノートPCである場合の表示例である。図6−1に示すように、表示部101が本体部に対する仰角が垂直に近い場合には、従来のPCの画面と同様に、表示要素としてのタブが画面上方に配置されるが、表示部101が本体部に対する仰角が水平に近い角度の場合には、図6−2に示すように、表示要素としてのタブが画面下方に配置される。
【0026】
また、図7−1に示すように、表示部101が本体部に対する仰角が垂直に近い角度の場合には、従来のPCの画面と同様に、タブやキーが配列された表示要素としての操作領域が画面上方に配置されるが、表示部101が本体部に対する仰角が水平に近い角度の場合には、図7−2に示すように、操作領域が画面下方に配置される。また、その操作領域内の項目の表示順も、図7−1と図7−2とでは逆順に表示される。
【0027】
図8−1,8−2は表示要素がアイコンの場合の例であり、アイコンも同様に、配置が変わっている。
【0028】
上述した例では、装置の使用状態として、本体部と表示部の仰角を判断して表示要素の配置を変更していたが、使用状態としてはこれに限定されるものではない。例えば、判断部104がHDD等の記憶媒体105に保存された利用者の入力履歴を参照して、マウスのクリック操作等の履歴から利用者が右利きか左利きかを判断して、右利きの利用者の場合には、表示制御部103を、図9−1の標準の画面を、図9−2に示すように、右側に表示要素が並んで表示されるように変更するように構成することができる。
【0029】
また、情報処理装置がテーブル型タッチパネルである場合に、判断部104が、人感センサ等により利用者の座った位置を検出するように構成し、図10、12に示すように、検出された位置の近傍に表示要素を表示するように表示制御部103を構成してもよい。この場合、複数の利用者が検知された場合には、図11に示すように、検知されたそれぞれの位置近傍に表示要素を表示するように表示制御部103を構成してもよい。
【0030】
また、情報処理装置がカーナビゲーション装置である場合に、判断部104が運転席が右側席か左側席かを判断し、図13,14に示すように、表示要素としてのナビゲーション画面を運転席側の画面に表示するように表示制御部104を構成してもよい。
【0031】
(第2の実施の形態)
実施の形態2は、画像形成装置に本発明を適用したものである。図15は、画像形成装置としての複合機1500の機能的構成を示すブロック図である。
【0032】
本実施の形態の複合機1500は、図15に示すように、操作表示部1501と、表示制御部1503と、判断部1504と、HDD1505とを主に備える。
【0033】
操作表示部1501は、利用者に各種画面を表示するとともに利用者からの操作入力を受付けるタッチパネル型のデバイスである。本実施の形態では、操作表示部1501は、本体部と仰角を変更可能となっている。
【0034】
判断部1504は、複合機1500の使用状態を判断するものであり、具体的な判断手法については実施の形態1と同様である。
【0035】
表示制御部1503は、操作表示部1501への表示データの表示を制御する。また、表示制御部1503は、表示データ中の一または複数の表示要素の配置を、複合機1500使用状態によって変更する。具体的な機能については実施の形態1と同様である。また、本実施の形態の表示処理についても実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
【0036】
図16−1,図16−2、図17−1、図17−2、図18−1、図18−2は、操作表示部1501への表示要素の表示例を示している。
【0037】
図16−1に示すように、操作表示部101の本体部に対する仰角が垂直に近い場合には、アプリケーションのメニュー画面における表示要素としてのタブおよび操作領域であるキーが画面上方に配置されるが、操作表示部1501の本体部に対する仰角が水平に近い角度の場合には、図16−2に示すように、表示要素としてのタブが画面下方に配置され、また操作領域であるキーが下方一列に並んで表示される。
【0038】
また、図17−1に示すように、操作表示部101の本体部に対する仰角が垂直に近い場合には、アプリケーションの設定画面における表示要素としてのタブが画面上方に配置されるが、操作表示部1501の本体部に対する仰角が水平に近い角度の場合には、図17−2に示すように、表示要素としてのタブが画面下方に配置され、また操作領域であるキーが下方一列に並んで表示される。また、図18−1、図18−2の例でも同様に、タブの配置が変更されて表示される。
【0039】
このように上述した実施の形態では、表示要素の画面上の配置が装置の使用状態に応じて変化するので、装置の使用用途によらず利用者にとって操作入力を容易にすることができる。
【0040】
なお、本実施の形態の情報処理装置、複合機で実行される表示処理プログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
【0041】
本実施の形態の情報処理装置、複合機で実行される表示処理プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0042】
さらに、本実施の形態の情報処理装置、複合機で実行される表示処理プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態の情報処理装置、複合機で実行される表示処理プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0043】
本実施の形態の情報処理装置、複合機で実行される表示処理プログラムは、上述した各部(表示制御部、判断部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMから表示処理プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、表示制御部、判断部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0044】
100 情報処理装置
101 入力部
102 表示部
103 表示制御部
104 判断部
105 HDD
【先行技術文献】
【特許文献】
【0045】
【特許文献1】特開平10−40440号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
前記情報処理装置の使用状態を判断する判断手段と、
前記使用状態に応じて、表示画面の表示要素の配置位置を、表示画面上で正の位置または逆の位置のいずれかの位置に決定する決定手段と、
画面上の決定した配置位置に表示要素を、配置して表示手段に表示する表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記判断手段は、前記使用状態として、前記表示手段の本体部に対する角度を検出し、
前記決定手段は、検出された角度に応じて表示要素の配置位置を決定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記決定手段は、検出された角度が垂直角度を含む所定の範囲の場合に、前記表示要素の配置位置を画面上方側に決定し、検出された角度が水平角度を含む所定の範囲の場合に、前記表示要素の配置位置を画面下方側に決定することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記判断手段は、前記使用状態として利用者の位置を検出し、
前記決定手段は、前記表示要素の配置位置を、前記表示画面上における、検出された利用者の位置の近傍に決定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記判断手段は、利用者の使用履歴に基づいて、前記使用状態として利用者の利き腕を検出し、
前記決定手段は、前記表示要素の配置位置を、前記表示画面上における利き腕側の位置に決定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
情報処理装置で実行される表示処理方法あって、
前記情報処理装置の使用状態を判断する判断ステップと、
前記使用状態に応じて、表示画面の表示要素の配置位置を、正の位置または逆の位置のいずれかの位置に決定する決定ステップと、
画面上の決定した配置位置に表示要素を、配置して表示手段に表示する表示制御ステップと、
を含むことを特徴とする表示処理方法。
【請求項7】
コンピュータを、
前記コンピュータの使用状態を判断する判断手段と、
前記使用状態に応じて、表示画面の表示要素の配置位置を、表示画面上で正の位置または逆の位置のいずれかの位置に決定する決定手段と、
画面上の決定した配置位置に表示要素を、配置して表示手段に表示する表示制御手段と
して機能させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6−1】
image rotate

【図6−2】
image rotate

【図7−1】
image rotate

【図7−2】
image rotate

【図8−1】
image rotate

【図8−2】
image rotate

【図9−1】
image rotate

【図9−2】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16−1】
image rotate

【図16−2】
image rotate

【図17−1】
image rotate

【図17−2】
image rotate

【図18−1】
image rotate

【図18−2】
image rotate


【公開番号】特開2010−218470(P2010−218470A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−67131(P2009−67131)
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】