説明

情報処理装置、表示制御方法、及びプログラム

【課題】直感的でより利便性の高い操作体系を実現することが可能な情報処理装置を提供すること。
【解決手段】オブジェクトが表示される表示部の外枠を形成する外枠部と、前記表示部又は前記外枠部に接触又は近接した操作体の位置を検知する位置検知部と、前記操作体が前記表示部に接触又は近接した状態で前記外枠部に移動した場合、当該移動の開始時に前記位置検知部で検知された前記操作体の位置にあるオブジェクトに関する補助情報を前記表示部に表示させる表示制御部と、を備える、情報処理装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、表示制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、小型の電子機器には、情報を入力したり、グラフィカルユーザインターフェース(以下、GUI)の操作を行ったりするための入力デバイスとしてタッチパネルが多く用いられている。タッチパネルを用いることで、キーボード等の入力手段を別途設ける必要が無くなる分だけ電子機器を小型化することができる。また、タッチパネルは、画像やGUI等が表示される表示デバイスでもある。そのため、タッチパネルを用いることで、タッチパネル上に表示された画像やGUI等を直接触って操作するような直感的な操作体系を実現することができる。これらの特徴を有することから、タッチパネルは、例えば、携帯情報端末、携帯電話、カーナビゲーションシステム、ノート型のパーソナルコンピュータ、情報家電等、様々な電子機器に搭載されている。
【0003】
上記の通り、タッチパネルは、入力デバイスの機能と、表示デバイスの機能とを有する。表示デバイスの機能は、例えば、液晶表示ディスプレイパネル(以下、LCDパネル)や有機エレクトロルミネッセンスディスプレイパネル(以下、OELDパネル)等の表示パネルを用いることで実現される。一方、入力デバイスの機能は、表示パネル上に静電センサを設けたり、表示パネルの表面に近接又は接触された操作体を光学的に走査する光学センサを設けたりすることで実現される。静電センサ又は光学センサによりセンシング可能なセンサ領域は、表示パネルの画素領域(表示可能領域)に設定されることが多い。また、下記の特許文献1には、表示パネルの枠部分にセンサ領域を拡張し、拡張したセンサ領域を用いて利便性の高い操作体系を実現する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4161814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記文献に記載された操作方法は、表示パネルの枠部分に拡張されたセンサ領域を活用するための一例に過ぎない。そのため、表示パネルの枠部分に拡張されたセンサ領域を利用して利便性の高い操作体系を実現するための更なる工夫が求められている。そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、表示パネルの枠部分に拡張されたセンサ領域を利用して、より利便性の高い操作体系を実現することが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、表示制御方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、オブジェクトが表示される表示部の外枠を形成する外枠部と、前記表示部又は前記外枠部に接触又は近接した操作体の位置を検知する位置検知部と、前記操作体が前記表示部に接触又は近接した状態で前記外枠部に移動した場合、当該移動の開始時に前記位置検知部で検知された前記操作体の位置にあるオブジェクトに関する補助情報を前記表示部に表示させる表示制御部と、を備える、情報処理装置が提供される。
【0007】
また、前記表示制御部は、前記表示部から前記外枠部に移動した操作体が当該外枠部に接触又は近接した状態で移動した場合、当該移動の後で前記位置検知部により検知された前記操作体の位置に対応する位置に表示されたオブジェクトに関する補助情報を前記表示部に表示させるように構成されていてもよい。
【0008】
また、上記の情報処理装置は、前記表示部に表示されたオブジェクトが前記操作体により直接接触又は近接された場合に前記位置検知部で検知された当該操作体の位置に基づいて当該オブジェクトを第1の選択状態にするオブジェクト選択部をさらに備えていてもよい。この場合、前記オブジェクト選択部は、前記操作体が前記外枠部に接触又は近接した状態で前記表示部に移動した場合、当該移動の後で前記位置検知部により検知された前記操作体の位置にあるオブジェクトを前記第1の選択状態とは異なる第2の選択状態にする。
【0009】
また、上記の情報処理装置は、前記オブジェクト選択部によりオブジェクトが第1の選択状態にされた場合に当該オブジェクトに対応するコンテンツを再生するコンテンツ再生部をさらに備えていてもよい。この場合、前記コンテンツ再生部は、前記オブジェクト選択部によりオブジェクトが前記第2の選択状態にされた場合に当該オブジェクトに対応するコンテンツの補助情報を前記表示部に表示させる。
【0010】
また、前記コンテンツが音楽コンテンツの場合、前記コンテンツ再生部は、前記コンテンツの補助情報として前記音楽コンテンツの再生履歴、楽曲の再生時間、及び再生頻度を示す情報の一部又は全部を前記表示部に表示させるように構成されていてもよい。
【0011】
また、前記コンテンツが動画コンテンツの場合、前記コンテンツ再生部は、前記コンテンツの補助情報として前記動画コンテンツの再生履歴、動画の再生時間、及び再生頻度を示す情報の一部又は全部を前記表示部に表示させるように構成されていてもよい。
【0012】
また、前記コンテンツが静止画コンテンツであり、前記オブジェクトが一又は複数の前記静止画コンテンツに対応付けられたフォルダである場合、前記コンテンツ再生部は、前記コンテンツの補助情報として前記第2の選択状態に設定されたオブジェクトに対応付けられた前記静止画コンテンツのサムネイル画像を前記表示部に表示させるように構成されていてもよい。
【0013】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、オブジェクトが表示される表示部の外枠を形成する外枠部と、前記表示部及び前記外枠部に接触又は近接した操作体の位置を検知する位置検知部と、前記位置検知部で検知された操作体の位置が前記表示部の領域であるか、或いは、前記外枠部の領域であるかを判定する領域判定部と、前記領域判定部により前記表示部の領域であると判定された場合に前記操作体の移動に応じて第1の速度で前記表示部の表示内容をスクロールさせ、前記外枠部の領域であると判定された場合に前記操作体の移動に応じて前記第1の速度とは異なる第2の速度で前記表示部の表示内容をスクロールさせる表示制御部と、を備える、情報処理装置が提供される。
【0014】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、オブジェクトが表示される表示部又は当該表示部の外枠を形成する外枠部に接触又は近接した操作体の位置を検知する位置検知ステップと、前記操作体が前記表示部に接触又は近接した状態で前記外枠部に移動した場合、当該移動の開始時に前記位置検知ステップで検知された前記操作体の位置にあるオブジェクトに関する補助情報を前記表示部に表示させる表示制御ステップと、を含む、表示制御方法が提供される。
【0015】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、オブジェクトが表示される表示部又は当該表示部の外枠を形成する外枠部に接触又は近接した操作体の位置を検知する位置検知ステップと、前記位置検知ステップで検知された操作体の位置が前記表示部の領域であるか、或いは、前記外枠部の領域であるかを判定する領域判定ステップと、前記領域判定ステップにより前記表示部の領域であると判定された場合に前記操作体の移動に応じて第1の速度で前記表示部の表示内容をスクロールさせ、前記外枠部の領域であると判定された場合に前記操作体の移動に応じて前記第1の速度とは異なる第2の速度で前記表示部の表示内容をスクロールさせる表示制御ステップと、を含む、表示制御方法が提供される。
【0016】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、オブジェクトが表示される表示部又は当該表示部の外枠を形成する外枠部に接触又は近接した操作体の位置を検知する位置検知機能と、前記操作体が前記表示部に接触又は近接した状態で前記外枠部に移動した場合、当該移動の開始時に前記位置検知機能で検知された前記操作体の位置にあるオブジェクトに関する補助情報を前記表示部に表示させる表示制御機能と、をコンピュータに実現させるためのプログラムが提供される。
【0017】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、オブジェクトが表示される表示部又は当該表示部の外枠を形成する外枠部に接触又は近接した操作体の位置を検知する位置検知機能と、前記位置検知機能で検知された操作体の位置が前記表示部の領域であるか、或いは、前記外枠部の領域であるかを判定する領域判定機能と、前記領域判定機能により前記表示部の領域であると判定された場合に前記操作体の移動に応じて第1の速度で前記表示部の表示内容をスクロールさせ、前記外枠部の領域であると判定された場合に前記操作体の移動に応じて前記第1の速度とは異なる第2の速度で前記表示部の表示内容をスクロールさせる表示制御機能と、をコンピュータに実現させるためのプログラムが提供される。
【0018】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、上記のプログラムが記録されたコンピュータにより読み取り可能な記録媒体が提供されうる。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように本発明によれば、表示パネルの枠部分に拡張されたセンサ領域を利用して、より利便性の高い操作体系を実現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態に係る情報処理装置の機能構成例を示す説明図である。
【図2】表示画面にタッチして選択操作を行う操作方法の一例を示す説明図である。
【図3】外枠にタッチして選択操作を行う操作方法の一例を示す説明図である。
【図4】外枠にセンサ領域を拡張する方法の一例を示す説明図である。
【図5】表示画面内でドラッグ操作を行う操作方法の一例を示す説明図である。
【図6】表示画面内から外枠にスライド操作を行った後で外枠にタッチしたままドラッグ操作する操作方法の一例を示す説明図である。
【図7】外枠から表示画面内にスライド操作を行うことでオブジェクトを選択する操作方法の一例を示す説明図である。
【図8】表示画面内でオブジェクトを選択状態にした後で外枠にスライド操作を行うことでオブジェクトの補助情報を表示させる操作方法の一例を示す説明図である。
【図9】オブジェクトの補助情報が表示された状態で外枠にスライド操作を行うことで異なるオブジェクトの補助情報を表示させる操作方法の一例を示す説明図である。
【図10】外枠にタップ操作を行うことでフォルダ内の画像データを表示させる操作方法の一例を示す説明図である。
【図11】外枠にタップ操作を行うことでフォルダ内の画像データに関する補助情報を表示させる操作方法の一例を示す説明図である。
【図12】本発明の第2実施形態に係る情報処理装置の機能構成例を示す説明図である。
【図13】表示画面内でタップ操作を行うことにより音楽データを再生させる操作方法の一例を示す説明図である。
【図14】外枠でタップ操作を行うことにより音楽データの補助情報を表示させる操作方法の一例を示す説明図である。
【図15】本発明の各実施形態に係る情報処理装置の機能を実現することが可能なハードウェア構成の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0022】
[説明の流れについて]
ここで、以下に記載する本発明の実施形態に関する説明の流れについて簡単に述べる。まず、図1を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る情報処理装置100の機能構成について説明する。この中で、図2〜図11を参照しながら、情報処理装置100の機能により実現される操作体系、及び表示制御方法について詳細に説明する。
【0023】
次いで、図12を参照しながら、本発明の第2実施形態に係る情報処理装置200の機能構成について説明する。この中で、図12〜図14を参照しながら、情報処理装置200の機能により実現される操作体系、及び表示制御方法について詳細に説明する。
【0024】
次いで、図15を参照しながら、情報処理装置100、200の機能を実現することが可能なハードウェアの構成について説明する。最後に、第1及び第2実施形態の技術的思想について纏め、当該技術的思想から得られる作用効果について簡単に説明する。
【0025】
(説明項目)
1:第1実施形態(画像データに関する構成)
1−1:情報処理装置100の機能構成
1−2:情報処理装置100による表示制御方法
2:第2実施形態(音楽データに関する構成)
2−1:情報処理装置200の機能構成
2−2:情報処理装置200による表示制御方法
3:情報処理装置100、200のハードウェア構成
4:まとめ
【0026】
<1:第1実施形態(画像データに関する構成)>
まず、本発明の第1実施形態について説明する。本実施形態は、表示パネルの外枠まで拡張されたセンサ領域を利用して利便性の高い操作体系を実現する技術に関する。また、本実施形態においては、具体的に画像データ又は画像データの補助情報を表示する方法や、これらの情報を表示するための効果的な表示制御方法が提案される。
【0027】
[1−1:情報処理装置100の機能構成]
まず、図1を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る情報処理装置100の機能構成について説明する。図1は、本実施形態に係る情報処理装置100の機能構成例を示す説明図である。
【0028】
図1に示すように、情報処理装置100は、タッチパネル102と、領域判定部104と、操作判定部106と、画像データ再生部108と、画像データ記憶部110と、表示制御部112と、を有する。さらに、タッチパネル102は、表示部132、及び位置検知部134により構成される。なお、タッチパネル102は、所定の操作体が接触又は近接した際に、その操作体の位置を検知できる任意のデバイスで代用可能である。なお、上記の操作判定部106、及び表示制御部112は、オブジェクト選択部の一例である。また、上記の画像データ再生部108は、コンテンツ再生部の一例である。
【0029】
(タッチパネル102の構成について)
まず、図2〜図4を参照しながら、本実施形態で想定するタッチパネル102の構成について説明する。
【0030】
上記の通り、タッチパネル102には、表示部132と、位置検知部134とが設けられている。表示部132は、画像データや画像データの補助情報、或いは、入力操作に用いるグラフィカルユーザインターフェース(以下、GUI)等を表示するための表示デバイスである。なお、GUIとしては、例えば、ボタンオブジェクト、メニューオブジェクト、フォルダオブジェクト、情報表示オブジェクト(吹き出し)等が想定される。一方、位置検知部134は、所定の操作体がタッチパネル102に接触又は近接(以下、タッチ)した場合に当該操作体の位置を検知するためのセンサデバイスである。なお、所定の操作体としては、例えば、指やスタイラスペン等が想定される。
【0031】
(画面内のタッチ操作について)
まず、図2を参照する。図2は、情報処理装置100の外観構成を示したものである。図2に示すように、情報処理装置100には、外枠12、及び表示画面14が設けられている。表示画面14には、表示部132により画像データ等が表示される。例えば、表示画面14には、フォルダオブジェクト16や写真オブジェクト18等が表示される。但し、フォルダオブジェクト16には、選択状態のものと非選択状態のものとがある。
【0032】
また、表示画面14には、操作体10のタッチ位置を検知するためのセンサ(位置検知部134)が設けられている。そのため、操作体10が表示画面14にタッチすると、位置検知部134によりタッチ位置が検知され、その検知結果に応じた所定の処理が実行される。例えば、ユーザが表示画面14に表示されたフォルダオブジェクト16の上を操作体10でタッチすると、タッチ位置に表示されているフォルダオブジェクト16の表示が非選択状態から選択状態に切り替わる。さらに、そのフォルダオブジェクト16に対応する写真オブジェクト18が表示画面14に表示される。もちろん、これらの動作は一例である。
【0033】
上記のように、操作手段としてタッチパネル102が設けられていることで、ユーザは、表示画面14に表示されたGUIに直接タッチして操作できるようになる。その結果、直感的な操作体系が実現される。
【0034】
(外枠のタッチ操作について)
さらに、本実施形態においては、図3に示すように、外枠12をタッチした操作体10の位置を検知することが可能なセンサの構成が想定されている。このような構成にすると、ユーザは、外枠12をタッチすることでタッチ位置に応じた所定の操作を実現することができるようになる。例えば、あるフォルダオブジェクト16に対応する外枠12内の位置にユーザが操作体10でタッチすると、そのフォルダオブジェクト16の表示が非選択状態から選択状態に切り替わる。さらに、そのフォルダオブジェクト16に対応する写真オブジェクト18が表示画面14に表示される。もちろん、この動作は一例である。
【0035】
このように、外枠12にタッチした操作体10の位置を検知できるようにすると、表示画面14に表示されたGUIによる操作と組み合わせて複雑な操作体系を実現することができるようになる。特に、外枠12に対して行われた同じ操作(例えば、タップ操作)に対し、表示画面14に対して行われた同じ操作に対応付けられた動作とは異なる動作を割り当てることができるため、直感性を失わず多様な操作形態が実現される。また、操作形態を工夫することで表示画面14に表示されるGUIの数を低減させることができるため、表示画面14を広く使えるようになるという効果も期待される。
【0036】
(センサ領域の拡張方法について)
ここで、図4を参照しながら、操作体10のタッチ位置を検知可能な領域(センサ領域)を外枠12にまで拡張する方法について説明する。
【0037】
センサ領域を外枠12まで拡張する方法としては、例えば、図4の断面図A、B、Cに示すような方法がある。これらの断面図は、情報処理装置100をI−I線に沿って切断して得られるものである。なお、情報処理装置100のタッチパネル102に相当する部分は、主に、センサパネルP12、表示パネルP14、及び基板P16により構成されている。なお、センサパネルP12は、位置検知部134に相当する。また、表示パネルP14は、表示部132に相当する。表示パネルP14としては、例えば、LCDパネルやOELDパネル等が用いられる。
【0038】
(断面図Aについて)
断面図Aの構造は、センサパネルP12、及び表示パネルP14のサイズに特徴がある。センサ領域が表示画面14の内部に限定されている場合(以下、通常)、外枠12の部分には、表示パネルP14やセンサパネルP12が設けられないことが多い。しかし、断面図Aの場合、表示画面14の領域と同様に、下層から順に基板P16、表示パネルP14、センサパネルP12、基板P16の順番で、積層構造が形成されている。つまり、断面図Aの場合、表示画面14の部分に設けられるセンサパネルP12及び表示パネルP14の層が外枠12まで延伸されている。また、画像やGUI等の表示に用いない外枠12の領域は、基板P16の一部で覆われている。言い換えると、通常のタッチパネルにおいて、表示画面14の一部を基板P16の一部で覆った形状が断面図Aの構造に相当する。
【0039】
(断面図Bについて)
断面図Bの構造は、センサパネルP12のサイズに特徴がある。断面図Aの場合、センサパネルP12の他に、表示パネルP14も外枠12の部分まで延伸されていた。しかし、外枠12においては、表示パネルP14に画像やGUI等が表示されない。そのため、外枠12の部分には表示パネルP14を設ける必要がない。そこで、断面図Bの構造は、外枠12の部分にセンサパネルP12だけを延伸して配置したものである。また、外枠12の部分に表示パネルP14が含まれないため、センサパネルP12の上面を基板P16の一部で覆う必要がない。そのため、センサパネルP12の上層に基板P16の一部が設けられていない。つまり、通常のタッチパネルにおいて、センサパネルP12を外枠12まで延伸した形状が断面図Bの構造に相当する。
【0040】
(断面図Cについて)
断面図Cの構造は、センサパネルP12の構造に特徴がある。この例においては、表示画面14の領域に配置されるセンサパネルP12と外枠12の領域に配置されるセンサパネルP12とが別体として形成される。なお、表示画面14の領域に配置されるセンサパネルP12と表示パネルP14とを合わせて記載している。上記の通り、断面図A、Bの構造は、センサパネルP12、表示パネルP14のいずれか又は両方を外枠12まで延伸した形状に相当する。しかし、断面図Cの構造は、センサパネルP12を外枠12まで延伸させず、外枠12の領域に別途センサパネルP12を設けるものである。また、上記の断面図Bと同様、外枠12の領域には表示パネルP14が存在しないため、センサパネルP12の上面が基板P16の一部で覆われていない。
【0041】
上記の断面図A、断面図B、断面図Cのいずれかの構造を適用することで、外枠12にまでセンサ領域を拡張することができる。本実施形態においては、このようにして外枠12までセンサ領域が拡張されたタッチパネル102を想定している。なお、センサパネルP12としては、例えば、静電容量方式や圧電検知方式等のセンサが用いられる。
【0042】
以上、本実施形態に係るタッチパネル102の構成について説明した。以下では、再び図1を参照し、情報処理装置100の各構成要素が持つ機能について説明する。
【0043】
(位置検知部134)
まず、ユーザにより操作体10でタッチパネル102がタッチされると、位置検知部134は、操作体10のタッチ位置を検知する。例えば、位置検知部134は、タッチパネル102の所定位置に設定された原点を基準とする位置座標により操作体10のタッチ位置を特定する。なお、タッチパネル102の領域全体が所定サイズのブロック領域に区切られている場合、位置検知部134は、タッチ位置に対応するブロックを特定する。そして、位置検知部134で特定されたタッチ位置の情報(以下、タッチ位置情報)は、領域判定部104、及び操作判定部106に入力される。
【0044】
(領域判定部104)
上記の通り、領域判定部104には、位置検知部134からタッチ位置情報が入力される。位置検知部134からタッチ位置情報が入力されると、領域判定部104は、タッチ位置情報により特定される位置が表示画面14の領域(以下、画面領域)に含まれるか、或いは、外枠12の領域(以下、枠領域)に含まれるかを判定する。例えば、領域判定部104は、画面領域の座標範囲と枠領域の座標範囲とを範囲情報として保持しており、当該範囲情報とタッチ位置情報とを照合することで判定結果(以下、領域情報)を得る。そして、領域判定部104により得られた領域情報は、操作判定部106に入力される。
【0045】
(操作判定部106)
上記の通り、操作判定部106には、位置検知部134からタッチ位置情報が入力される。さらに、操作判定部106には、領域判定部104から領域情報が入力される。これらの情報が入力されると、操作判定部106は、入力されたタッチ位置情報と領域情報との組み合わせに基づいて操作の種類を判定する。例えば、操作判定部106は、タッチ位置情報及び領域情報に関する所定の組み合わせと、予め設定されている操作の種類とを対応付けるテーブルを保持しており、当該テーブルを参照して入力された当該組み合わせに対応する操作の種類を判定する。そして、操作判定部106による判定結果は、画像データ再生部108、及び表示制御部112に入力される。
【0046】
例えば、操作判定部106は、タッチ位置情報からタップ操作が行われたことを検知し、領域情報からタッチ位置が枠領域であることを検知した場合、枠領域のタップ操作に対応する操作の種類(例えば、オブジェクトの選択操作)を判定結果として出力する。なお、タップ操作とは、面にタッチした後ですぐに面から操作体10を遠ざける操作である。以下、操作判定部106の処理について具体例を挙げながら、より詳細に説明する。
【0047】
(タップ操作1:画面領域)
例えば、図2に示すような表示画面14に対するタップ操作が行われた場合、操作判定部106には、ほぼ同じ位置を示すタッチ位置情報が短い時間だけ入力されると共に、画面領域を示す領域情報が入力される。画面領域のタップ操作にGUIの選択動作が対応付けられている場合、操作判定部106は、ユーザにより行われた操作の種類がタッチ位置情報により示される位置に表示されたフォルダオブジェクト16に対する選択操作であると判定する。そして、操作判定部106は、その判定結果を表示制御部112に入力する。その結果、図2に示したように、ユーザ操作に応じてフォルダオブジェクト16の表示が非選択状態から選択状態に切り替えられる。さらに、フォルダオブジェクト16に対応する写真オブジェクト18が表示画面14に表示される。
【0048】
(タップ操作2:枠領域)
他の例として、図3に示すような外枠12に対するタップ操作が行われた場合、操作判定部106には、ほぼ同じ位置を示すタッチ位置情報が短い時間だけ入力されると共に、枠領域を示す領域情報が入力される。枠領域のタップ操作にGUIの選択動作が対応付けられている場合、操作判定部106は、ユーザにより行われた操作の種類がタッチ位置情報により示される位置に対応するフォルダオブジェクト16に対する選択操作であると判定する。そして、操作判定部106は、その判定結果を表示制御部112に入力する。その結果、図3に示したように、ユーザ操作に応じてフォルダオブジェクト16の表示が非選択状態から選択状態に切り替えられる。さらに、フォルダオブジェクト16に対応する写真オブジェクト18が表示画面14に表示される。
【0049】
(ドラッグ操作1:画面領域)
さらに他の例として、図5に示すように、ドラッグ操作とスクロール動作とが対応付けられている場合が考えられる。なお、ドラッグ操作とは、面にタッチした状態で操作体10を移動させる操作である。図5に示すような表示画面14に対するドラッグ操作が行われた場合、操作判定部106には、ある方向に向けて時間の経過と共に連続して変化するタッチ位置情報が入力されると共に、画面領域を示す領域情報が入力される。この例では画面領域のドラッグ操作にスクロール動作が対応付けられているため、操作判定部106は、ユーザにより行われた操作の種類がタッチ位置を基準とするスクロール操作であると判定する。そして、その判定結果が表示制御部112に入力され、例えば、表示画面14に表示されたフォルダオブジェクト16がスクロール処理される。
【0050】
(ドラッグ操作2:画面領域→枠領域)
上記のように、図2、図3、図5に示した例は、各領域において行われる操作に関する処理方法を示したものであった。しかし、情報処理装置100には領域判定部104が含まれており、リアルタイムで画面領域と枠領域とを判定することができるため、画面領域と枠領域とを跨ぐ操作に関して所定の動作を対応付けることができる。なお、このような領域を跨ぐ操作に関する処理方法の具体例が図6に示されている。そこで、図6を参照しながら、画面領域から枠領域にドラッグする操作にモード切り替え動作を対応付ける例について考察する。ここでは、モード切り替え動作の例として、高速スクロールモードへの切り替え動作を考えることにする。
【0051】
なお、領域判定部104のような機能が無い場合、高速スクロールモードへの切り替え操作を実現するには、例えば、図5に示したモード切り替えボタン20を利用する必要がある。つまり、ユーザは、モード切り替えボタン20をタップ操作して高速スクロールモードに切り替えた上でドラッグ操作を行う必要がある。そのため、モード切り替えボタン20をタップ操作する分だけ操作工程が増えてしまう。一方、図6に示すように、表示画面14から外枠12へのドラッグ操作がモード切り替え動作に対応付けられている場合、ユーザは、タッチパネル102から一旦操作体10を離さずに、連続したドラッグ操作の中で高速スクロール動作を実現することができる。
【0052】
例えば、図6に示すようなドラッグ操作が行われた場合、操作判定部106には、ある方向に向けて時間の経過と共に連続して変化するタッチ位置情報が入力されると共に、その間に画面領域を示す領域情報と枠領域を示す領域情報とが入力される。このとき、操作判定部106は、画面領域の領域情報と枠領域の領域情報との入力順序に基づいて操作体10の移動方向を判定することができる。そのため、操作判定部106は、入力された情報に基づき、連続したドラッグ操作の中で操作体10が画面領域から枠領域に移動したと判定することができる。
【0053】
画面領域から枠領域へのドラッグ操作に高速スクロールモードへのモード切り替え操作が対応付けられている場合、操作判定部106は、ユーザ操作が高速スクロールモードへのモード切り替え操作であると判定する。そして、この判定結果は、操作判定部106から表示制御部112に入力され、例えば、表示画面14に表示されたフォルダオブジェクト16が高速スクロールされる。なお、画面領域から枠領域へのドラッグ操作に複数種類の動作を対応付けることも可能である。この場合、操作判定部106は、領域を跨ぐドラッグ操作の前又は後で画面領域又は枠領域における操作体10の操作形態(例えば、ドラッグ操作の有無等)に応じてユーザ操作に対応する動作の種類を判定する。
【0054】
(ドラッグ操作3:枠領域→画面領域)
また、図7に示すように、外枠12から表示画面14へのドラッグ操作に所定の動作が対応付けられていてもよい。図7の例では、表示画面14内でのタップ操作(図2を参照)と同様に領域を跨ぐドラッグ操作に対してGUIの選択動作が対応付けられている。図7に示すようなドラッグ操作が行われた場合、操作判定部106には、ある方向に向けて時間の経過と共に連続して変化するタッチ位置情報が入力されると共に、その間に画面領域を示す領域情報と枠領域を示す領域情報とが入力される。
【0055】
このとき、操作判定部106は、画面領域の領域情報と枠領域の領域情報との入力順序に基づいて操作体10の移動方向を判定することができる。そのため、操作判定部106は、入力された情報に基づき、連続したドラッグ操作の中で操作体10が枠領域から画面領域に移動したと判定する。そして、操作判定部106は、ユーザ操作がGUIの選択操作であると判定する。この判定結果は、表示制御部112に入力され、例えば、表示画面14に表示されたフォルダオブジェクト16の表示が非選択状態から選択状態に切り替わる。このように、領域情報の入力順序を判定することで、領域を跨ぐ際の移動方向に操作の種類を対応付けることができる。
【0056】
(ドラッグ操作4:補助情報の表示)
また、図8に示すように、表示画面14から外枠12へのドラッグ操作に所定の動作が対応付けられていてもよい。図8の例では、領域を跨ぐドラッグ操作に補助情報表示オブジェクト22の表示動作が対応付けられている。この補助情報表示オブジェクト22は、GUIや画像データ等に関する補助情報を表示するための表示オブジェクトである。なお、補助情報としては、例えば、フォルダオブジェクト16に対応する画像データの数やデータサイズ、画像データの撮影日時、動画像データの再生時間等がある。
【0057】
図8に示すようなドラッグ操作が行われた場合、操作判定部106には、ある方向に向けて時間の経過と共に連続して変化するタッチ位置情報が入力されると共に、その間に画面領域を示す領域情報と枠領域を示す領域情報とが入力される。このとき、操作判定部106は、画面領域の領域情報と枠領域の領域情報との入力順序に基づいて操作体10の移動方向を判定することができる。そのため、操作判定部106は、入力された情報に基づき、連続したドラッグ操作の中で操作体10が画面領域から枠領域に移動したと判定する。そして、操作判定部106は、ユーザ操作が補助情報表示オブジェクト22の表示操作であると判定する。
【0058】
上記の判定結果が操作判定部106から表示制御部112に入力されると、表示画面14に補助情報表示オブジェクト22が表示される。そして、補助情報表示オブジェクト22には、操作体10の位置に対応するGUI(フォルダオブジェクト16等)又はそのGUIに関する画像データの補助情報が表示される。このような構成にすることで、ユーザは、補助情報表示オブジェクト22を表示するためにタッチパネル102から操作体10を離すことなく、連続したドラッグ操作の中で所望のGUI等を指定して補助情報を表示させることが可能になる。
【0059】
なお、図6、図7、図8に示した操作体系に共通する利点として、操作工程を低減させることができる点と、その操作工程を実行するためのGUIを表示画面14に表示せずに済む点とが挙げられる。つまり、操作性の向上はもちろんのこと、表示画面14を広く使えるようになるという効果が得られるのである。なお、図6〜図8等に示した例は情報処理装置100により実現可能な操作体系の一例であり、本実施形態の技術的範囲はこれに限定されない。例えば、図8に示した構成をさらに改良した例を図9に示す。
【0060】
図8の例では、補助情報表示オブジェクト22の表示操作までが示されていたが、図9の例では、補助情報表示オブジェクト22に対応するGUIを変更する操作が示されている。なお、図9の操作は、図8に例示した操作に続けて実行されるものである。図9に示した例の場合、ユーザは、補助情報表示オブジェクト22が表示された後、外枠12の領域で操作体10を移動させ、補助情報表示オブジェクト22に表示される補助情報を変更している。このとき、補助情報表示オブジェクト22の表示対象が操作体10の位置に対応するGUIに変更され、GUIの変更に連動して補助情報表示オブジェクト22に表示される補助情報の内容も変更される。
【0061】
補助情報表示オブジェクト22の変更操作を行っている際、操作判定部106には、ある方向に向けて時間の経過と共に連続して変化するタッチ位置情報が入力されると共に、枠領域を示す領域情報が入力される。なお、図9に例示した操作は、図8に例示した操作から連続して行われるため、操作判定部106は、補助情報表示オブジェクト22の表示操作であることを認識している。そのため、操作判定部106は、枠領域における操作体10の移動をスクロール操作ではなく、補助情報表示オブジェクト22の変更操作であると判定することができる。そして、その判定結果が表示制御部112に入力され、補助情報表示オブジェクト22の表示位置や表示内容に反映される。
【0062】
ここで重要な点は、ユーザの行う操作が連続した一連のドラッグ操作のみであるという点である。例えば、図8、図9に示した補助情報表示オブジェクト22の表示操作を例に挙げると、ユーザは、表示画面14にタッチした状態で外枠14へとドラッグ操作し、そのまま外枠12の上でドラッグ操作を継続しているだけである。この連続したドラッグ操作の中で、ユーザは、補助情報を表示させたいGUI等の位置に操作体10を移動させ、所望の補助情報表示オブジェクト22を表示させることができる。このような操作体系は、領域判定部104による領域判定機能、及び操作判定部106による上記の判定機能を活用することにより実現される。
【0063】
なお、操作判定部106は、操作の種類を示す情報の他にも、操作体10の移動方向、位置、移動量等を示す情報を表示制御部112に入力する。また、入力されたタッチ位置情報、及び領域情報の組み合わせが画像データ(又は映像データ)の再生動作に対応付けられている場合、操作判定部106は、再生すべき画像データを示す情報を画像データ再生部108に入力する。
【0064】
また、画面領域と枠領域とを跨ぐ操作に複数種類の動作が対応付けられていてもよい。この場合、操作判定部106は、領域を跨ぐ前又は後に検出された操作体10の移動方向や操作パターンに基づいて動作の種類を判別する。例えば、領域を跨ぐ前の操作がスクロール動作に対応するドラッグ操作である場合、操作判定部106は、領域を跨ぐ操作が高速スクロールモードへのモード切り替え操作であると判定する。一方、領域を跨ぐ前の操作がタップ操作である場合、操作判定部106は、領域を跨ぐ操作が補助情報表示オブジェクト22の表示操作であると判定する。
【0065】
(領域を跨ぐ操作に関する補足)
ここで、操作判定部106の機能に関する説明について簡単な補足を行う。上記の通り、操作判定部106には、領域判定部104から領域情報が入力される。また、操作判定部106には、位置検知部134からタッチ位置情報が入力される。そのため、操作判定部106は、タッチ位置情報の連続性に基づいてタップ操作とドラッグ操作とを判別することができる。また、タッチ位置情報に基づいてドラッグ操作であると判別した場合、操作判定部106は、ドラッグ操作の最中に領域情報が変化したか否かを判定することで領域を跨ぐ操作であるか否かを判別することができる。
【0066】
さらに、操作判定部106は、タッチ位置情報に基づいてドラッグ操作の方向、各領域内でのドラッグ距離、ドラッグ速度等を判別することができる。これらの判別結果は、必要に応じて表示制御部112に入力される。また、操作判定部106は、領域情報が変化する前又は後のタッチ位置情報に基づき、領域を跨ぐ操作の前又は後で行われた各領域における操作の種類を判定することができる。そのため、操作判定部106は、領域を跨ぐ操作の前又は後に行われた操作の種類に応じて、領域を跨ぐ操作に対応する動作を切り替えることができる。
【0067】
このように、各領域で行われた操作を判別できることから、同じオブジェクトに2つの異なる選択状態を割り当てることもできる。例えば、画面領域のオブジェクトをタッチした場合に第1選択状態になり、同じオブジェクトに対応する枠領域の位置をタッチした場合に当該オブジェクトが第2選択状態になるように構成することができる。さらに、領域を跨ぐ操作が行われた場合に、その操作の前後でオブジェクトが第1選択状態から第2選択状態に変化するように構成することもできる。例えば、画面領域(枠領域)でオブジェクトを第1選択状態にした後で、そのまま枠領域(画面領域)にドラッグ操作した場合に同じオブジェクトが第2選択状態になるように構成することができる。
【0068】
例えば、図8のケースは、第2選択状態への状態遷移を補助情報表示オブジェクト22の表示操作に対応付けたものであると言える。その他にも、例えば、第1選択状態への状態遷移が行われた場合にオブジェクトに対応する画像が全画面表示され、第2選択状態への状態遷移が行われた場合にオブジェクトに対応する画像のサムネイル画像が一覧表示される等の構成例が考えられる。また、表示操作以外にも、例えば、第1選択状態への状態遷移が行われた場合に画像データのメール送信動作が実行され、第2選択状態への状態遷移が行われた場合に画像データの圧縮動作が実行されるように構成されていてもよい。これらの状態遷移は、操作判定部106が有する上記の機能により判定できる。
【0069】
(画像データ再生部108、画像データ記憶部110)
再び図1を参照する。上記の通り、画像データ再生部108には、操作判定部106から再生すべき画像データを示す情報(以下、再生画像データ情報)が入力される。再生画像データ情報が入力されると、画像データ再生部108は、入力された情報が示す画像データを画像データ記憶部110から読み出し、表示制御部112に入力する。このとき、画像データ再生部108は、画像データの種類に応じて必要とされる所定の画像処理や復号処理等を画像データに施し、その出力信号を表示制御部112に入力する。なお、ここで言う画像データは、静止画像データのみならず、動画像データを含んでいてもよい。
【0070】
(表示制御部112、表示部132)
上記の通り、表示制御部112には、画像データ再生部108から画像データの信号が入力される。画像データの信号が入力されると、表示制御部112は、入力された信号に基づいて画像を表示部132に表示させる。また、表示制御部112には、操作判定部106から操作の種類、及び当該操作に対応する表示動作を実現するのに必要な各種情報が入力される。そこで、表示制御部112は、入力された情報や信号に基づいて表示部132に表示されたGUIや画像データを更新する。例えば、表示制御部112は、図2、図3、図7のようにフォルダオブジェクト16の表示を非選択状態から選択状態に変更したり、フォルダオブジェクト16に対応する写真オブジェクト18を表示させたりする。
【0071】
また、表示制御部112は、図5、図6のように選択状態のフォルダオブジェクト16、又は表示内容をスクロールさせる。このとき、操作判定部106から高速スクロールモードへの切り替え操作を示す情報が入力されているならば、表示制御部112は、高速に表示内容をスクロールさせる。例えば、表示制御部112は、操作体10のドラッグ操作に応じてスクロールさせる量を通常スクロールモードよりも大きく変更し、変更後のスクロール量で表示内容をスクロールさせる。
【0072】
さらに、表示制御部112は、図8、図9のように補助情報表示オブジェクト22を表示させる機能を有する。このとき、表示制御部112は、操作判定部106から入力された操作体10の位置付近に補助情報表示オブジェクト22を表示させる。また、表示制御部112は、補助情報として、図10、図11に示すようなフォルダオブジェクト26に対応する画像データのサムネイル24を表示するように構成されていてもよい。また、表示制御部112は、サムネイル24と併せて画像データの撮影日時やデータサイズ等を補助情報として表示してもよい。なお、図10の例は、補助情報を全画面表示させる場合の表示構成例を示すものである。一方、図11の例は、補助情報をウィンドウ表示させる場合の表示構成例を示すものである。
【0073】
以上、本発明の第1実施形態に係る情報処理装置100の機能構成について説明した。上記の通り、情報処理装置100は、外枠12にまでセンサ領域を拡張したタッチパネル102を有すると共に、位置検知部134で検知した操作体10のタッチ位置に対応する領域を判定する機能を有する。この機能を有することで、異なる領域で行われた操作に対して異なる動作を割り当てることが可能になる。さらに、領域を跨ぐドラッグ操作に所定の動作を割り当てることが可能になる。そして、領域を跨ぐドラッグ操作の前又は後で行われた操作に応じて当該ドラッグ操作により実行される動作を切り替えるように構成することも可能になる。もちろん、これらの操作方法を組み合わせることも可能である。
【0074】
その結果、連続したドラッグ操作の中で、ユーザが所望のオブジェクトを指定したり、指定したオブジェクトの選択状態を変更したり、その選択状態に応じた動作を実行させたりすることができるようになる。つまり、ユーザは、タッチパネル102から操作体10を離さずにモード切り替え操作や補助情報の表示操作等の付加的な操作を行うことができるようになる。また、領域を跨ぐか否か、領域を跨ぐ方向、領域を跨ぐ前後の操作等を組み合わせ、各組み合わせに所定の動作を対応付けることが可能になる。そのため、直感的で利便性の高い操作体系を維持しつつ、操作のバリエーションを増やすことができる。さらに、表示画面14に表示すべきGUIの増加を抑制することが可能になり、表示画面14をより広く使うことができるようになる。
【0075】
[1−2:情報処理装置100による表示制御方法]
次に、再び図5、図6、図8、図9を参照しながら、情報処理装置100による表示制御方法について、操作及び処理の流れを確認しながら簡単に纏める。
【0076】
(スクロール操作について)
まず、図5、図6を参照しながら、スクロール操作を行う場合の操作及び処理の流れについて説明する。
【0077】
図5に示すように、スクロール操作を行う場合、ユーザは、操作体10をタッチパネル102にタッチし、スクロールさせたい方向にドラッグする。すると、表示制御部112は、タッチ位置の変化に応じて表示内容をスクロールさせる。このとき、表示制御部112は、移動する操作体10のタッチ位置に応じてフォルダオブジェクト16の選択状態を切り替える。さらに、表示制御部112は、表示画面14の表示内容を選択状態のフォルダオブジェクト16に対応する写真オブジェクト18に切り替える。
【0078】
また、高速スクロールモードに切り替える場合、ユーザは、モード切り替えボタン20をタッチした後でスクロール操作を行う。但し、図5のようにモード切り替えボタン20を表示画面14に表示させると、モード切り替えボタン20を表示する分だけ表示画面14が狭くなってしまう。また、図5の方法では、高速スクロールモードに切り替えるためにユーザがタッチパネル102から操作体10を一旦離し、モード切り替えボタン20をタッチする必要があり、不便である。そこで、本実施形態では、図6のように領域を跨ぐ操作をモード切り替え動作に対応付け、連続するドラッグ操作の中でモード切り替えができるようにする。
【0079】
まず、ユーザは、表示画面14の領域にタッチする。この状態でドラッグ操作を行うと、ユーザは、図5に示すような通常のスクロール操作を行うことができる。一方、この状態で表示画面14から外枠12に操作体10をドラッグすると、ユーザは、高速スクロールモードに切り替えることができる。このとき、情報処理装置100は、操作判定部106により領域を跨ぐ操作が行われたことを検知し、その検知結果に基づいて高速スクロールモードへのモード切り替え処理を実行する。
【0080】
なお、高速スクロールモードへの切り替え処理は、表示制御部112によるスクロール量の設定変更で実現される。高速スクロールモードへ変更された後、ユーザは、続けて外枠12の領域をドラッグ操作することで、高速に表示内容をスクロールさせることができる。このように、ユーザは、高速スクロールモードへの切り替え操作を行う際に、操作体10をタッチパネル102から離さずに済む。また、モード切り替えボタン20を表示画面14に表示せずに済むため、表示画面14を広く利用することができる。このように、情報処理装置100の機能を有効に利用することで利便性の高い操作体系が実現される。
【0081】
(補助情報の表示操作について)
次に、図8、図9を参照しながら、補助情報の表示操作を行う場合の処理の流れについて説明する。
【0082】
補助情報を表示する操作としては、例えば、補助情報を表示させたいオブジェクトに所定時間タッチし続けたり、補助情報を表示させるボタンを利用したりする方法が考えられる。所定時間タッチし続ける方法の場合、スクロール操作で補助情報の対象となるオブジェクトを変更しながら連続的に補助情報を表示させることは難しい。一方、補助情報を表示させるボタンを表示画面14に設けると、表示画面14の有効な表示領域が狭まってしまう。そこで、本実施形態では、図8に示すように、ユーザが表示画面14から外枠12へと操作体10をドラッグした場合に補助情報が表示されるようにしている。
【0083】
補助情報を表示させる場合、ユーザは、図8に示すように表示画面14で所望のオブジェクトを選択状態にした後、表示画面14から外枠12に操作体10をドラッグさせる。すると、選択状態のオブジェクトの近くに補助情報表示オブジェクト22が表示される。このとき、情報処理装置100は、操作判定部106により領域を跨ぐドラッグ操作を検知し、その検知結果に基づいて表示制御部112により補助情報表示オブジェクト22を表示させる。ここで、ユーザが外枠12に位置する操作体10をドラッグさせると、図9に示すように操作体10の移動に応じて選択状態のオブジェクトが変更される。
【0084】
さらに、選択状態のオブジェクトが変更されるのに伴って補助情報表示オブジェクト22の表示位置、及び表示内容が更新される。このとき、情報処理装置100は、操作判定部106により上記操作から連続して実行される枠領域のドラッグ操作を検知し、その検知結果に基づいて表示制御部112により補助情報表示オブジェクト22の表示位置を移動させる。さらに、表示制御部112は、補助情報表示オブジェクト22の表示位置に応じて表示部132に表示させる表示内容を変更する。例えば、表示画面14に表示される画像データが選択状態のフォルダオブジェクト16の変更に応じて更新される。
【0085】
このように、ユーザは、補助情報表示オブジェクト22の表示操作を行う際に、操作体10をタッチパネル102から離さずに済む。さらに、ユーザは、操作体10の位置を移動させつつ、補助情報表示オブジェクト22の表示内容を更新しながら複数の補助情報を続けて閲覧することができる。また、補助情報表示オブジェクト22を表示させるためのGUIを表示画面14に表示せずに済むため、表示画面14を広く利用することができる。このように、情報処理装置100の機能を有効に利用することで利便性の高い操作体系が実現される。
【0086】
以上、本発明の第1実施形態に係る表示制御方法について説明した。上記の方法を用いることで、直感的で利便性の高い操作体系が実現される。なお、本実施形態においては、説明の都合上、図5〜図11等を参照しながら具体的な例を挙げて説明した。しかし、本実施形態の技術的範囲は、図5〜図11に例示した表示制御方法に限定されるものではない。また、同説明において画像データの表示制御に関する例を挙げたが、例えば、音楽データやテキストデータ等、種々のデジタルデータの表示制御に関しても本実施形態の技術を同様に適用することができる点に注意されたい。
【0087】
<2:第2実施形態(音楽データに関する構成)>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、上記の第1実施形態と同様に、表示パネルの外枠まで拡張されたセンサ領域を利用して利便性の高い操作体系を実現する技術に関する。また、本実施形態においては、具体的に音楽データの補助情報を表示する方法や、この情報を表示するための表示制御方法が提案される。
【0088】
[2−1:情報処理装置200の機能構成]
まず、図12を参照しながら、本発明の第2実施形態に係る情報処理装置200の機能構成について説明する。図2は、本実施形態に係る情報処理装置200の機能構成例を示す説明図である。なお、上記の第1実施形態に係る情報処理装置100と実質的に同じ機能構成を有する構成要素については同一の符号を付することで詳細な説明を省略する。
【0089】
図2に示すように、情報処理装置200は、タッチパネル102と、領域判定部104と、操作判定部106と、音楽データ再生部208と、音楽データ記憶部210と、表示制御部212と、音声出力部214と、を有する。なお、上記の音楽データ再生部208は、コンテンツ再生部の一例である。
【0090】
まず、ユーザにより操作が行われると、操作体10のタッチ位置が位置検知部134により検知される。そして、位置検知部134で検知されたタッチ位置を示すタッチ位置情報は、領域判定部104、及び操作判定部106に入力される。タッチ位置情報が入力されると、領域判定部104は、タッチ位置情報に基づいてタッチ位置が枠領域に含まれるか、或いは、画面領域に含まれるかを判定する。そして、領域判定部104で判定された結果は、領域情報として操作判定部106に入力される。
【0091】
上記の通り、領域判定部104には、タッチ位置情報と領域情報とが入力される。これらの情報が入力されると、操作判定部106は、タッチ位置情報に基づいてユーザ操作がタップ操作であるか、ドラッグ操作であるか等を判定する。さらに、操作判定部106は、領域情報に基づいてユーザ操作が領域を跨ぐ操作であるか否かを判定する。そして、操作判定部106は、各領域におけるユーザ操作の種類、領域を跨ぐ操作か否か、領域を跨ぐ方向等の情報に基づいて操作の種類を判定する。そして、操作判定部106で判定された操作の種類を示す情報(以下、操作情報)は、表示制御部212に入力される。
【0092】
また、操作の種類が音楽データの再生操作である場合、操作判定部106は、再生すべき音楽データを特定するための情報(以下、再生音楽データ情報)を音楽データ再生部208に入力する。再生音楽データ情報が入力されると、音楽データ再生部208は、音楽データ記憶部210から再生音楽データ情報により特定される音楽データを読み出し、読み出した音楽データに対応する音声信号を音声出力部214に入力する。このとき、音楽データ再生部208は、必要に応じて音楽データに所定のデコード処理やデスクランブル処理等を施して音声信号を生成する。音楽データ再生部208から音声信号が入力されると、音声出力部214は、入力された音声信号を出力する。
【0093】
なお、操作判定部106から操作情報が入力されると、表示制御部212は、操作情報に応じて表示部132に表示される表示内容を更新する。また、操作情報に高速スクロールモードへの切り替え操作を示す情報が含まれている場合、表示制御部212は、スクロール量の設定を変更し、変更後のスクロール量で表示内容をスクロールさせる。スクロール量としては、例えば、通常スクロールモードのスクロール量を1単位として、高速スクロールモードのスクロール量を3単位とする。また、高速スクロールモードでは、例えば、スクロール量がアルバム単位や楽曲名によるソートの単位(例えば、頭文字)に設定されてもよい。
【0094】
さらに、操作情報が補助情報の表示操作を示す情報である場合、表示制御部212は、図14に示すように、表示部132に所定の補助情報を表示させる。補助情報には、例えば、音楽データのタイトル、アーティスト名、製作日時、再生時間、再生履歴等が含まれる。例えば、図14に示すように、ある音楽情報表示領域32に対応する位置で外枠12がタップ操作されると、表示制御部212は、補助情報表示領域36をウィンドウ表示させる。そして、表示制御部212は、補助情報表示領域36に補助情報を表示させる。
【0095】
また、操作情報が音楽データの再生操作を示す情報である場合、表示制御部212は、例えば、図13に示すように、音楽データの再生制御に用いるGUIを全画面表示させる。音楽データの再生制御に用いるGUIとしては、例えば、再生画面領域34や操作ボタン36等がある。再生画面領域34には、例えば、音楽データのイメージを示す映像やアルバムのジャケット写真等が表示される。操作ボタン36は、音楽データの再生、停止、早送り、巻き戻し等の制御を行うために設けられたものである。
【0096】
このように、ユーザは、操作体10のスライド操作を行うことで楽曲リストから音楽データを選択したり、選択した音楽データを再生したりすることができる。さらに、ユーザは、領域を跨ぐドラッグ操作を行うことで高速スクロールモードに切り替えたり、補助情報を表示させたりすることができる。また、こうした操作に音楽データの一部再生等の機能が割り当てられていれば、ユーザは、画像データのプレビューを見るように音楽データの雰囲気を確認しながら所望の音楽データを検索することもできる。このように、情報処理装置200の機能を有効に利用することで、利便性の高い操作体系が実現される。
【0097】
[2−2:情報処理装置200による表示制御方法]
ここで、図13、図14を参照しながら、情報処理装置200による表示制御方法について、操作及び処理の流れを確認しながら簡単に纏める。
【0098】
図13に示すように、音楽データを再生する際、ユーザは、音楽情報表示領域32に表示された音楽データ又はアルバムのタイトルを参照しつつ、音楽データリストの中から所望の音楽データを選択する。例えば、ユーザは、表示画面14に表示された楽曲のアルバム写真を示すサムネイル24に対してタップ操作を行う。このタップ操作に楽曲データの再生動作が対応付けられている場合、表示制御部212は、図13のような再生制御用のGUIを表示させる。例えば、表示制御部212は、再生画面領域34、及び操作ボタン36を含むGUIを全画面表示で表示させる。
【0099】
ユーザにより操作ボタン36が操作されると、情報処理装置200は、音楽データ再生部208により音楽データを再生する。すると、再生された音楽データの音声が音声出力部214から出力される。さらに、情報処理装置200は、表示制御部212により楽曲のイメージを示す画像を再生画面領域34に表示させる。このように、表示画面14へのタップ操作に音楽データの再生動作を対応付けることができる。一方、外枠12へのタップ操作に補助情報の表示動作を対応付けると、図14のようになる。ユーザにより外枠12がタップされると、情報処理装置200は、図14に示すように、表示制御部212により補助情報表示領域38を表示させる。このとき、音楽データ再生部208による音楽データの再生処理は実行されない。
【0100】
上記のように、枠領域に対して行われた操作と画面領域に対して行われた操作とを区別できることで、同じタップ操作に対して異なる動作を対応付けることができる。その結果、直感的な操作性を維持しつつ、補助情報表示機能やプレビュー再生機能のような付加的な機能を容易に追加することが可能になる。また、操作体10をタッチパネル102から離す機会が減少するため、筐体を安定して把持することができるようになる。さらに、操作工程が少ない分だけ高速に操作を行うことができるようになる。なお、付加的な機能としては、上記の他、例えば、GUIの操作に関するヘルプ情報の表示機能や表示内容の拡大/縮小機能等も考えられる。
【0101】
以上、本発明の第2実施形態に係る表示制御方法ついて説明した。上記の方法を用いることで、直感的で利便性の高い操作体系が実現される。なお、本実施形態においては、説明の都合上、図13、図14を参照しながら具体的な例を挙げて説明した。しかし、本実施形態の技術的範囲は、図13、図14に例示した方法に限定されるものではない。
【0102】
<3:情報処理装置100、200のハードウェア構成>
上記の情報処理装置100、200が有する各構成要素の機能は、例えば、図15に示す情報処理装置のハードウェア構成を用いて実現することが可能である。つまり、当該各構成要素の機能は、コンピュータプログラムを用いて図15に示すハードウェアを制御することにより実現される。なお、このハードウェアの形態は任意であり、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話、PHS、PDA等の携帯情報端末、ゲーム機、又は種々の情報家電がこれに含まれる。但し、上記のPHSは、Personal Handy−phone Systemの略である。また、上記のPDAは、Personal Digital Assistantの略である。
【0103】
図15に示すように、このハードウェアは、主に、CPU902と、ROM904と、RAM906と、ホストバス908と、ブリッジ910と、を有する。さらに、このハードウェアは、外部バス912と、インターフェース914と、入力部916と、出力部918と、記憶部920と、ドライブ922と、接続ポート924と、通信部926と、を有する。但し、上記のCPUは、Central Processing Unitの略である。また、上記のROMは、Read Only Memoryの略である。そして、上記のRAMは、Random Access Memoryの略である。
【0104】
CPU902は、例えば、演算処理装置又は制御装置として機能し、ROM904、RAM906、記憶部920、又はリムーバブル記録媒体928に記録された各種プログラムに基づいて各構成要素の動作全般又はその一部を制御する。ROM904は、CPU902に読み込まれるプログラムや演算に用いるデータ等を格納する手段である。RAM906には、例えば、CPU902に読み込まれるプログラムや、そのプログラムを実行する際に適宜変化する各種パラメータ等が一時的又は永続的に格納される。
【0105】
これらの構成要素は、例えば、高速なデータ伝送が可能なホストバス908を介して相互に接続される。一方、ホストバス908は、例えば、ブリッジ910を介して比較的データ伝送速度が低速な外部バス912に接続される。また、入力部916としては、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ、及びレバー等が用いられる。さらに、入力部916としては、赤外線やその他の電波を利用して制御信号を送信することが可能なリモートコントローラ(以下、リモコン)が用いられることもある。
【0106】
出力部918としては、例えば、CRT、LCD、PDP、又はELD等のディスプレイ装置、スピーカ、ヘッドホン等のオーディオ出力装置、プリンタ、携帯電話、又はファクシミリ等、取得した情報を利用者に対して視覚的又は聴覚的に通知することが可能な装置である。但し、上記のCRTは、Cathode Ray Tubeの略である。また、上記のLCDは、Liquid Crystal Displayの略である。そして、上記のPDPは、Plasma DisplayPanelの略である。さらに、上記のELDは、Electro−Luminescence Displayの略である。
【0107】
記憶部920は、各種のデータを格納するための装置である。記憶部920としては、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)等の磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、又は光磁気記憶デバイス等が用いられる。但し、上記のHDDは、Hard Disk Driveの略である。
【0108】
ドライブ922は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体928に記録された情報を読み出し、又はリムーバブル記録媒体928に情報を書き込む装置である。リムーバブル記録媒体928は、例えば、DVDメディア、Blu−rayメディア、HD DVDメディア、各種の半導体記憶メディア等である。もちろん、リムーバブル記録媒体928は、例えば、非接触型ICチップを搭載したICカード、又は電子機器等であってもよい。但し、上記のICは、Integrated Circuitの略である。
【0109】
接続ポート924は、例えば、USBポート、IEEE1394ポート、SCSI、RS−232Cポート、又は光オーディオ端子等のような外部接続機器930を接続するためのポートである。外部接続機器930は、例えば、プリンタ、携帯音楽プレーヤ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、又はICレコーダ等である。但し、上記のUSBは、Universal Serial Busの略である。また、上記のSCSIは、Small Computer System Interfaceの略である。
【0110】
通信部926は、ネットワーク932に接続するための通信デバイスであり、例えば、有線又は無線LAN、Bluetooth(登録商標)、又はWUSB用の通信カード、光通信用のルータ、ADSL用のルータ、又は各種通信用のモデム等である。また、通信部926に接続されるネットワーク932は、有線又は無線により接続されたネットワークにより構成され、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、可視光通信、放送、又は衛星通信等である。但し、上記のLANは、Local Area Networkの略である。また、上記のWUSBは、Wireless USBの略である。そして、上記のADSLは、Asymmetric Digital Subscriber Lineの略である。
【0111】
<4:まとめ>
最後に、上記各実施形態の情報処理装置が有する機能構成と、当該機能構成により得られる作用効果について簡単に纏める。
【0112】
まず、上記各実施形態に係る情報処理装置の機能構成は次のように表現することができる。当該情報処理装置は、次のような外枠部、位置検知部、表示制御部を有する。当該外枠部は、オブジェクトが表示される表示部の外枠を形成するものである。また、上記の位置検知部は、前記表示部又は前記外枠部に接触又は近接した操作体の位置を検知するものである。さらに、上記の表示制御部は、前記操作体が前記表示部に接触又は近接した状態で前記外枠部に移動した場合、当該移動の開始時に前記位置検知部で検知された前記操作体の位置にあるオブジェクトに関する補助情報を前記表示部に表示させるものである。
【0113】
このように、表示部から外枠部へと操作体が移動した場合に、領域を跨ぐ移動及びその移動方向を検知して補助情報を表示するように構成することで、ユーザは、操作体のドラッグ操作だけで補助情報を表示させることが可能になる。その結果、ユーザは、補助情報を表示させるための操作体を表示部又は外枠部から離さずに済むため、高速に操作を行うことができるようになる。また、補助情報を表示させるために別途GUIを設けずに済む分だけ、表示領域を広く利用することができる。
【0114】
また、前記表示制御部は、前記表示部から前記外枠部に移動した操作体が当該外枠部に接触又は近接した状態で移動した場合、当該移動の後で前記位置検知部により検知された前記操作体の位置に対応する位置に表示されたオブジェクトに関する補助情報を前記表示部に表示させるように構成されていてもよい。このような構成にすることで、ユーザは、タップ操作等により補助情報の表示対象となるオブジェクトを補助情報の表示操作に続けて連続的に行うことができるようになる。
【0115】
また、上記の情報処理装置は、前記表示部に表示されたオブジェクトが前記操作体により直接接触又は近接された場合に前記位置検知部で検知された当該操作体の位置に基づいて当該オブジェクトを第1の選択状態にするオブジェクト選択部を有していてもよい。この場合、前記オブジェクト選択部は、前記操作体が前記外枠部に接触又は近接した状態で前記表示部に移動した場合、当該移動の後で前記位置検知部により検知された前記操作体の位置にあるオブジェクトを前記第1の選択状態とは異なる第2の選択状態にする。
【0116】
このように、領域を跨ぐ操作の前後で、同じオブジェクトに対して異なる選択状態が割り当てられるように構成することで、オブジェクトに多様な状態を設定することが可能になる。つまり、領域を跨ぐ操作、及び各領域における操作の組み合わせを用いて複雑な操作体系を実現することが可能になる。
【0117】
また、上記の情報処理装置は、前記オブジェクト選択部によりオブジェクトが第1の選択状態にされた場合に当該オブジェクトに対応するコンテンツを再生するコンテンツ再生部を有していてもよい。この場合、前記コンテンツ再生部は、前記オブジェクト選択部によりオブジェクトが前記第2の選択状態にされた場合に当該オブジェクトに対応するコンテンツの補助情報を前記表示部に表示させる。このように、同じオブジェクトに複数の異なる選択状態を対応付けることで、同じオブジェクトに対して選択状態毎の異なる動作を割り当てることができるようになる。
【0118】
例えば、前記コンテンツが音楽コンテンツの場合、前記コンテンツ再生部は、前記コンテンツの補助情報として前記音楽コンテンツの再生履歴、楽曲の再生時間、及び再生頻度を示す情報の一部又は全部を前記表示部に表示させるように構成されていてもよい。また、前記コンテンツが動画コンテンツの場合、前記コンテンツ再生部は、前記コンテンツの補助情報として前記動画コンテンツの再生履歴、動画の再生時間、及び再生頻度を示す情報の一部又は全部を前記表示部に表示させるように構成されていてもよい。さらに、前記コンテンツが静止画コンテンツであり、前記オブジェクトが一又は複数の前記静止画コンテンツに対応付けられたフォルダである場合、前記コンテンツ再生部は、前記コンテンツの補助情報として前記第2の選択状態に設定されたオブジェクトに対応付けられた前記静止画コンテンツのサムネイル画像を前記表示部に表示させるように構成されていてもよい。
【0119】
また、上記の情報処理装置は、上記の表示制御部に代えて、前記領域判定部により前記表示部の領域であると判定された場合に前記操作体の移動に応じて第1の速度で前記表示部の表示内容をスクロールさせ、前記外枠部の領域であると判定された場合に前記操作体の移動に応じて前記第1の速度とは異なる第2の速度で前記表示部の表示内容をスクロールさせる表示制御部を有していてもよい。このように、操作される領域に応じてスクロール速度を変更することで、高速スクロールモードへのモード切り替えボタンを表示せずに済むため、表示領域を広く利用することができるようになる。また、モード切り替えボタンを操作せずに済む分だけ、操作工程が減少し、高速に操作することができるようになる。
【0120】
このように、上記各実施形態に係る技術を用いることで、直感的で利便性の高い操作体系が実現される。
【0121】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0122】
100、200 情報処理装置
102 タッチパネル
104 領域判定部
106 操作判定部
108 画像データ再生部
110 画像データ記憶部
112 表示制御部
132 表示部
134 位置検知部
208 音楽データ再生部
210 音楽データ記憶部
212 表示制御部
214 音声出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オブジェクトが表示される表示部の外枠を形成する外枠部と、
前記表示部又は前記外枠部に接触又は近接した操作体の位置を検知する位置検知部と、
前記操作体が前記表示部に接触又は近接した状態で前記外枠部に移動した場合、当該移動の開始時に前記位置検知部で検知された前記操作体の位置にあるオブジェクトに関する補助情報を前記表示部に表示させる表示制御部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記表示部から前記外枠部に移動した操作体が当該外枠部に接触又は近接した状態で移動した場合、当該移動の後で前記位置検知部により検知された前記操作体の位置に対応する位置に表示されたオブジェクトに関する補助情報を前記表示部に表示させる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示部に表示されたオブジェクトが前記操作体により直接接触又は近接された場合に前記位置検知部で検知された当該操作体の位置に基づいて当該オブジェクトを第1の選択状態にするオブジェクト選択部をさらに備え、
前記オブジェクト選択部は、前記操作体が前記外枠部に接触又は近接した状態で前記表示部に移動した場合、当該移動の後で前記位置検知部により検知された前記操作体の位置にあるオブジェクトを前記第1の選択状態とは異なる第2の選択状態にする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記オブジェクト選択部によりオブジェクトが第1の選択状態にされた場合に当該オブジェクトに対応するコンテンツを再生するコンテンツ再生部をさらに備え、
前記コンテンツ再生部は、前記オブジェクト選択部によりオブジェクトが前記第2の選択状態にされた場合に当該オブジェクトに対応するコンテンツの補助情報を前記表示部に表示させる、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記コンテンツが音楽コンテンツの場合、
前記コンテンツ再生部は、前記コンテンツの補助情報として前記音楽コンテンツの再生履歴、楽曲の再生時間、及び再生頻度を示す情報の一部又は全部を前記表示部に表示させる、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記コンテンツが動画コンテンツの場合、
前記コンテンツ再生部は、前記コンテンツの補助情報として前記動画コンテンツの再生履歴、動画の再生時間、及び再生頻度を示す情報の一部又は全部を前記表示部に表示させる、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記コンテンツが静止画コンテンツであり、前記オブジェクトが一又は複数の前記静止画コンテンツに対応付けられたフォルダである場合、
前記コンテンツ再生部は、前記コンテンツの補助情報として前記第2の選択状態に設定されたオブジェクトに対応付けられた前記静止画コンテンツのサムネイル画像を前記表示部に表示させる、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項8】
オブジェクトが表示される表示部の外枠を形成する外枠部と、
前記表示部及び前記外枠部に接触又は近接した操作体の位置を検知する位置検知部と、
前記位置検知部で検知された操作体の位置が前記表示部の領域であるか、或いは、前記外枠部の領域であるかを判定する領域判定部と、
前記領域判定部により前記表示部の領域であると判定された場合に前記操作体の移動に応じて第1の速度で前記表示部の表示内容をスクロールさせ、前記外枠部の領域であると判定された場合に前記操作体の移動に応じて前記第1の速度とは異なる第2の速度で前記表示部の表示内容をスクロールさせる表示制御部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項9】
オブジェクトが表示される表示部又は当該表示部の外枠を形成する外枠部に接触又は近接した操作体の位置を検知する位置検知ステップと、
前記操作体が前記表示部に接触又は近接した状態で前記外枠部に移動した場合、当該移動の開始時に前記位置検知ステップで検知された前記操作体の位置にあるオブジェクトに関する補助情報を前記表示部に表示させる表示制御ステップと、
を含む、表示制御方法。
【請求項10】
オブジェクトが表示される表示部又は当該表示部の外枠を形成する外枠部に接触又は近接した操作体の位置を検知する位置検知ステップと、
前記位置検知ステップで検知された操作体の位置が前記表示部の領域であるか、或いは、前記外枠部の領域であるかを判定する領域判定ステップと、
前記領域判定ステップにより前記表示部の領域であると判定された場合に前記操作体の移動に応じて第1の速度で前記表示部の表示内容をスクロールさせ、前記外枠部の領域であると判定された場合に前記操作体の移動に応じて前記第1の速度とは異なる第2の速度で前記表示部の表示内容をスクロールさせる表示制御ステップと、
を含む、表示制御方法。
【請求項11】
オブジェクトが表示される表示部又は当該表示部の外枠を形成する外枠部に接触又は近接した操作体の位置を検知する位置検知機能と、
前記操作体が前記表示部に接触又は近接した状態で前記外枠部に移動した場合、当該移動の開始時に前記位置検知機能で検知された前記操作体の位置にあるオブジェクトに関する補助情報を前記表示部に表示させる表示制御機能と、
をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【請求項12】
オブジェクトが表示される表示部又は当該表示部の外枠を形成する外枠部に接触又は近接した操作体の位置を検知する位置検知機能と、
前記位置検知機能で検知された操作体の位置が前記表示部の領域であるか、或いは、前記外枠部の領域であるかを判定する領域判定機能と、
前記領域判定機能により前記表示部の領域であると判定された場合に前記操作体の移動に応じて第1の速度で前記表示部の表示内容をスクロールさせ、前記外枠部の領域であると判定された場合に前記操作体の移動に応じて前記第1の速度とは異なる第2の速度で前記表示部の表示内容をスクロールさせる表示制御機能と、
をコンピュータに実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−191892(P2010−191892A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−38234(P2009−38234)
【出願日】平成21年2月20日(2009.2.20)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】