説明

情報処理装置、音声信号処理方法、およびプログラム

【課題】外部装置から送信された音声信号を再生する場合における再生品質の向上を図ることが可能な情報処理装置、音声信号処理方法、およびプログラムを提供する。
【解決手段】送信対象の音声データを分断し、分断された音声データそれぞれに対応するヘッダ部分と分断された音声データに第1カウンタを付加した送信音声データとを有する送信音声信号を順次送信する外部装置と通信を行う通信部と、通信部が受信した送信音声信号に含まれる第1カウンタの値とヘッダ部分に含まれる前記送信音声信号を識別する第2カウンタの値とに基づいて、受信した送信音声信号の連続性に関するエラーを判定する受信データ判定部と、受信データ判定部における判定結果に基づいて、エラーが発生した場合における音声データの再生処理を規定する音声処理命令を選択的に生成する音声処理命令生成部とを備える情報処理装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、音声信号処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、有線/無線による通信における通信速度の向上やインターネット(Internet)などのネットワークの普及などにより、一の情報処理装置から送信されたコンテンツデータを他の情報処理装置が受信して再生する利用形態の普及が進んでいる。
【0003】
上記のように情報処理装置間においてコンテンツデータの送受信を行う場合には、例えば通信状態の悪化などにより、受信側の情報処理装置が、コンテンツデータを示す信号の一部を受信できない状態(信号が途切れた状態)が起こりうる。ここで、コンテンツデータが音声を含むデータである場合、上記ように信号が途切れた状態が生じたときには、例えば再生された音声にノイズが発生するなどの望ましくない事態が生じる可能性がある。
【0004】
このような中、送信された信号の不連続性を検出するための技術が開発されている。映像および/または音声を示すデータ(ペイロード)にカウンタが設けられたヘッダを付加することによって、送信された信号が通信の途中で棄却されたか否かの判定を可能とする技術としては、例えば、特許文献1が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第98/43423号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
送信された信号の不連続性を検出するための従来の技術(以下、単に「従来の技術」とよぶ。)は、信号を送信する送信側の情報処理装置が、ヘッダ部分にカウンタが設定された信号を送信する。よって、信号を受信する受信側の情報処理装置は、受信した信号に含まれるヘッダ部分のカウンタを参照することによって、受信された信号の不連続性を検出することができる可能性がある。しかしながら、従来の技術は、単にヘッダ部分に設定されたカウンタに基づいて受信された信号の不連続性を検出しているに過ぎない。つまり、送信側の情報処理装置から送信された信号に含まれるデータ(ペイロード)において、例えば、ビット落ちなどが発生したとしても、従来の技術を用いる受信側の情報処理装置は、ヘッダ部分に設定されたカウンタの値が正常である場合には不連続性を検出することはできない。
【0007】
ここで、送信された信号が、例えばDSD(Direct Stream Digital)方式を用いたDSDデータなどのようにアナログ音声信号を1ビットΔΣ変調を用いたデジタル音声データ(ペイロード)を含む場合には、ビット落ちなどの発生は、ノイズの発生へと結びつく。しかしながら、従来の技術では、ヘッダ部分に設定されたカウンタの値が正常である場合には不連続性を検出することができないため、ビット落ちなどによるノイズの発生を防止することはできない。よって、従来の技術を用いたとしても、外部装置から送信された音声信号を再生する場合における再生品質の向上は、望むべくもない。
【0008】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、外部装置から送信された音声信号を再生する場合における再生品質の向上を図ることが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、音声信号処理方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点によれば、送信対象の音声データを分断し、分断された音声データそれぞれに対応するヘッダ部分と分断された音声データに第1カウンタを付加した送信音声データとを有する送信音声信号を順次送信する外部装置と通信を行う通信部と、上記通信部が受信した上記送信音声信号に含まれる、上記第1カウンタの値と上記ヘッダ部分に含まれる上記送信音声信号を識別する第2カウンタの値とに基づいて、受信した上記送信音声信号の連続性に関するエラーを判定する受信データ判定部と、上記受信データ判定部における判定結果に基づいて、エラーが発生した場合における音声データの再生処理を規定する音声処理命令を選択的に生成する音声処理命令生成部とを備える情報処理装置が提供される。
【0010】
かかる構成により、外部装置から送信された音声信号を再生する場合における再生品質の向上を図ることができる。
【0011】
また、上記受信データ判定部は、処理している一の送信音声信号に含まれる上記送信音声データのビット数が上記送信対象の音声データのビット数未満の場合には、送信音声信号の受信エラーを示す判定結果を上記音声処理命令生成部に伝達し、上記音声処理命令生成部は、上記受信エラーを示す判定結果に応じた音声処理命令を生成してもよい。
【0012】
また、上記受信データ判定部は、処理している一の送信音声信号に含まれる上記送信音声データのビット数が上記外部装置において上記第1カウンタが付加された送信音声データのビット数と等しい場合には、処理している送信音声信号に含まれる上記第1カウンタの値に基づいて、上記送信音声信号に含まれる音声データの受信エラーを示す判定結果を上記音声処理命令生成部に伝達し、上記音声処理命令生成部は、上記音声データの受信エラーを示す判定結果に基づいて、上記音声データの受信エラーを示す判定結果に応じた音声処理命令を生成してもよい。
【0013】
また、上記受信データ判定部は、処理している一の送信音声信号に含まれる上記第2カウンタの値と、上記一の送信音声信号の次に受信された他の送信音声信号に含まれる第2カウンタの値とが連続していない場合に、受信した送信音声信号が連続していないことを示す第1の判定結果を上記音声処理命令生成部に伝達し、上記音声処理命令生成部は、上記第1の判定結果に基づいて、上記第1の判定結果に応じた音声処理命令を生成してもよい。
【0014】
また、上記受信データ判定部は、処理している一の送信音声信号に含まれる上記第2カウンタの値と、上記一の送信音声信号の1つ前に受信された他の送信音声信号に含まれる第2カウンタの値とが連続していない場合に、受信した送信音声信号が連続していないことを示す第2の判定結果を上記音声処理命令生成部に伝達し、上記音声処理命令生成部は、上記第2の判定結果に基づいて、上記第2の判定結果に応じた音声処理命令を生成してもよい。
【0015】
また、上記音声処理命令生成部が生成した音声処理命令に基づいて、受信された上記送信音声信号が有する送信音声データに対して上記音声処理命令に応じた再生処理を選択的に行う処理部をさらに備えてもよい。
【0016】
また、上記処理部は、外部装置へ送信する送信対象の音声データを分断し、分断された音声データそれぞれに対応する、上記第2カウンタを含むヘッダ部分と分断された音声データに上記第1カウンタを付加した送信音声データとを有する送信音声信号を、上記通信部に順次送信させてもよい。
【0017】
また、上記処理部は、上記送信対象の音声データと同期して送信する映像信号のフィールドごとに上記音声データを分断してもよい。
【0018】
上記目的を達成するために、本発明の第2の観点によれば、送信対象の音声データを分断し、分断された音声データそれぞれに対応するヘッダ部分と分断された音声データに第1カウンタを付加した送信音声データとを有する送信音声信号を順次送信する外部装置から送信された上記送信音声信号を受信するステップと、上記受信するステップにおいて受信された上記送信音声信号に含まれる、上記第1カウンタの値と上記ヘッダ部分に含まれる上記送信音声信号を識別する第2カウンタの値とに基づいて、受信した上記送信音声信号の連続性に関するエラーを判定するステップと、上記判定するステップにおける判定結果に基づいて、エラーが発生した場合における音声データの再生処理を規定する音声処理命令を選択的に生成するステップと、上記生成するステップにおいて選択的に生成された音声処理命令に基づいて、受信された送信音声信号に対して上記音声処理命令に応じた再生処理を選択的に行うステップとを有する音声信号処理方法が提供される。
【0019】
かかる方法を用いることにより、外部装置から送信された音声信号を再生する場合における再生品質の向上を図ることができる。
【0020】
上記目的を達成するために、本発明の第3の観点によれば、送信対象の音声データを分断し、分断された音声データそれぞれに対応するヘッダ部分と分断された音声データに第1カウンタを付加した送信音声データとを有する送信音声信号を順次送信する外部装置から送信された上記送信音声信号を受信するステップ、上記受信するステップにおいて受信された上記送信音声信号に含まれる、上記第1カウンタの値と上記ヘッダ部分に含まれる上記送信音声信号を識別する第2カウンタの値とに基づいて、受信した上記送信音声信号の連続性に関するエラーを判定するステップ、上記判定するステップにおける判定結果に基づいて、エラーが発生した場合における音声データの再生処理を規定する音声処理命令を選択的に生成するステップ、上記生成するステップにおいて選択的に生成された音声処理命令に基づいて、受信された送信音声信号に対して上記音声処理命令に応じた再生処理を選択的に行うステップをコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
【0021】
かかるプログラムを用いることにより、外部装置から送信された音声信号を再生する場合における再生品質の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、外部装置から送信された音声信号を再生する場合における再生品質の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態に係る情報処理システムの概要を示す説明図である。
【図2】本発明の実施形態に係る送信音声信号の一例を説明するための説明図である。
【図3】本発明の実施形態に係る送信音声信号の一例を説明するための説明図である。
【図4】本発明の実施形態に係る送信音声信号の一例を説明するための説明図である。
【図5】本発明の実施形態に係る送信音声信号の一例を説明するための説明図である。
【図6】本発明の実施形態に係る送信音声信号の一例を説明するための説明図である。
【図7】本発明の実施形態に係る送信音声信号の一例を説明するための説明図である。
【図8】本発明の実施形態に係る送信音声信号の一例を説明するための説明図である。
【図9】本発明の実施形態に係る送信音声信号の一例を説明するための説明図である。
【図10】本発明の実施形態に係る送信装置の役目を果たす情報処理装置における処理の一例を示す流れ図である。
【図11】本発明の実施形態に係る受信装置の役目を果たす情報処理装置における処理の一例を示す流れ図である。
【図12】本発明の実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示す説明図である。
【図13】本発明の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0025】
また、以下では、下記に示す順序で説明を行う。
1.本発明の実施形態に係るアプローチ
2.本発明の実施形態に係る情報処理装置
3.本発明の実施形態に係るプログラム
【0026】
(本発明の実施形態に係るアプローチ)
本発明の実施形態に係る情報処理装置について説明する前に、本発明の実施形態に係る外部装置から送信された音声信号の再生品質向上アプローチについて説明する。
【0027】
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理システム1000の概要を示す説明図である。図1に示すように、情報処理システム1000は、複数の情報処理装置100A、100B、…(以下、総称して「情報処理装置100」とよぶ場合がある。)を備える。また、各情報処理装置100は、例えばネットワーク500を介して接続される。なお、図1では、情報処理システム1000を構成する情報処理装置100が、ネットワーク500を介して接続されることを示しているが、上記に限られない。例えば、各情報処理装置100は、例えば、USB(Universal Serial Bus)などを用いた有線通信や、IEEE802.11bなどを用いた無線通信によって、他の情報処理装置100と直接的に接続されてもよい。
【0028】
ここで、ネットワーク500としては、例えば、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)などの有線ネットワーク、基地局を介した無線WAN(WWAN;Wireless Wide Area Network)や無線MAN(WMAN;Wireless Metropolitan Area Network)などの無線ネットワーク、あるいは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などの通信プロトコルを用いたインターネットなどが挙げられるが、上記に限られない。
【0029】
また、本発明の実施形態に係る「接続」とは、例えば、情報処理装置間において通信が可能な状態にある(あるいは、装置間において通信が可能な状態とする)ことをいう。
【0030】
情報処理システム1000では、一の情報処理装置100(外部装置)が音声信号を送信し、当該音声信号を受信した他の情報処理装置100が、受信した音声信号を処理し、音声信号に応じた音声を出力する。
【0031】
なお、以下では、情報処理システム1000を構成する情報処理装置100が、音声信号を処理する場合を例に挙げて説明するが、上記に限られない。例えば、情報処理システム1000では、外部装置が映像信号と音声信号とを同期して送信することができ、情報処理装置100は、受信した映像信号と音声信号との双方を処理することができる。
【0032】
[本発明の実施形態に係る再生品質向上アプローチの概要]
送信側の情報処理装置から送信された音声信号のヘッダ部分にカウンタが設定されることによって、受信側の情報処理装置は、音声信号の不連続性を検出することが可能である。しかしながら、上述したように、音声信号のヘッダ部分にカウンタが設定されたとしても、音声データのビット落ちなどを検出できるとは限らない。つまり、音声信号のヘッダ部分にカウンタが設定されたとしても、受信側の情報処理装置は、外部装置から送信された音声信号を再生する場合における再生品質を向上させることができるとは限らない。
【0033】
そこで、情報処理システム1000では、送信側の情報処理装置100と受信側の情報処理装置100とのそれぞれが、例えば以下のような処理を行うことによって、外部装置から送信された音声信号を再生する場合における再生品質の向上を図る。以下では、情報処理システム1000において音声信号を送信する側の情報処理装置100を「送信装置」とよぶ場合がある。また、以下では、情報処理システム1000において音声信号を受信し処理する側の情報処理装置100を「受信装置」とよぶ場合がある。
【0034】
[送信装置における処理の概要]
送信装置は、送信対象の音声データを分断し、分断された音声データに第1カウンタを付加した送信音声データを生成する。そして、送信装置は、第2カウンタが含まれるヘッダ部分と送信音声データとを有する送信音声信号(分断された音声データそれぞれに対応する送信音声信号)を順次送信する。以下では、第1カウンタの付加を、第1カウンタの設定とよぶ場合がある。
【0035】
ここで、送信装置は、例えば、送信対象の音声データと同期して送信する映像信号のフィールドごとに音声データを分断するが、上記に限られない。例えば、送信装置は、受信装置の処理能力などに応じた(または、予め規定された)所定のビット数に送信対象の音声データを分断することもできる。
【0036】
また、本発明の実施形態に係る第1カウンタには、送信音声データを識別するための値が記録される。ここで、送信装置は、例えば、分断された音声データのビット数を拡張し、拡張されたビット部分を、送信音声データを識別するための第1カウンタに割り当てることによって、分断された音声データに第1カウンタを設定するが、上記に限られない。また、送信装置は、例えば、送信音声信号の送信順に1ずつ値が加算された第1カウンタを、それぞれの送信音声データに設定するが、上記に限られない。例えば、送信装置は、送信音声信号の送信順に所定の値ずつ値が加算された第1カウンタを設定することもできる。以下では、送信装置が、送信音声信号の送信順に1ずつ値が加算された第1カウンタを送信音声データに設定する場合を例に挙げて説明する。
【0037】
また、本発明の実施形態に係る第2カウンタには、送信音声信号を識別するための値が記録される。ここで、送信装置は、例えば、送信音声信号の送信順に1ずつ値が加算された第2カウンタを、それぞれの送信音声信号のヘッダ部分に含めるが、上記に限られない。例えば、送信装置は、送信音声信号の送信順に所定の値ずつ値が加算された第2カウンタを設定することもできる。以下では、送信装置が、送信音声信号の送信順に1ずつ値が加算された第2カウンタを送信音声信号のヘッダ部分に含める場合を例に挙げて説明する。
【0038】
[受信装置における処理の概要]
受信装置は、送信装置から送信された送信音声信号を受信し、受信された送信音声信号に基づいて、送信音声信号の連続性に関するエラーの発生の有無、およびエラーの種別を判定する。そして、受信装置は、判定結果に基づいて、送信音声信号に含まれる送信音声データ(ペイロード)に対してエラーが発生した場合における再生処理を選択的に行った上で、送信音声データに応じた音声を出力させる。ここで、本発明の実施形態に係る送信音声データに応じた音声の出力とは、例えば、スピーカーなどの音声出力デバイスから送信音声データに応じた音声を出力させることをいう。
【0039】
より具体的には、受信装置は、例えば、受信した送信音声信号が有する送信音声データのビット数に基づいて、送信音声データの不具合(例えば、送信音声データの欠損など)を検出し、検出結果に基づいて送信音声信号におけるエラーの有無、および種別を判定する。また、受信装置は、受信した送信音声信号に設定された第1カウンタの値と第2カウンタの値とに基づいて、送信音声信号、送信音声データの不連続性を検出し、検出結果に基づいて送信音声信号の連続性に関するエラーの有無、および種別を判定する。
【0040】
受信装置は、上記判定によりエラーがあると判定した場合には、エラーが発生した場合における音声データの再生処理を規定する音声処理命令を、判定結果に応じて選択的に生成する。そして、受信装置は、生成した音声処理命令に応じた再生処理(エラーが発生した場合における再生処理)を選択的に行う。
【0041】
〔受信装置におけるエラーが発生した場合の再生処理の一例〕
〔A〕第1の例
受信装置において、例えば、受信した送信音声信号が有する送信音声データのビット数が、送信装置において第1カウンタを付加する前の音声データのビット数未満であると判定された場合には、送信音声データは欠損している可能性が高い。ここで、例えば欠損した送信音声データを再生させた場合には、例えば意図せぬノイズの発生など、再生品質の低下を招く恐れがある。そこで、上記のように判定された場合(音声データの受信エラーが判定された場合)には、受信装置は、例えばミュートを行うための音声処理命令を生成し、上記送信音声データをミュート状態で再生させる。よって、受信装置は、意図せぬノイズの発生を防止することができる。
【0042】
〔B〕第2の例
また、受信装置において、例えば、処理している送信音声信号に含まれる第1カウンタに基づいてエラーが判定された場合には、送信音声データにおいてビット落ちが生じている可能性が高い。ここで、例えばビット落ちした送信音声データを再生させた場合には、例えば意図せぬノイズの発生など、再生品質の低下を招く恐れがある。特に、送信音声データが、例えばDSDデータのように1ビットΔΣ変調を用いたデジタル音声データである場合には、ビット落ちの発生は、許容し難い再生品質の低下を招きかねない。そこで、上記のように判定された場合(音声データの受信エラーが判定された場合)には、受信装置は、例えばミュートを行うための音声処理命令を生成し、上記送信音声データをミュート状態で再生させる。よって、受信装置は、意図せぬノイズの発生を防止することができる。
【0043】
ここで、受信装置は、例えば、処理している送信音声信号に含まれる第1カウンタの値と、1つ前に受信された他の送信音声信号に含まれる第1カウンタの値とが連続していない場合に、第1カウンタに基づくエラーが発生したと判定するが、上記に限られない。
【0044】
〔C〕第3の例
また、受信装置において、例えば、処理している送信音声信号に含まれる第2カウンタに基づいてエラーが判定された場合には、受信した送信音声信号が通信の過程において途切れた可能性が高い。上記の場合には、再生される音声の連続性が失われることから、当該音声を聞くユーザに一種のノイズとして感知される恐れがあり、再生品質の低下を招く恐れがある。
【0045】
ここで、受信装置は、例えば、処理している送信音声信号に含まれる第2カウンタの値と、次に受信された他の送信音声信号に含まれる第2カウンタの値とが連続していない場合に、第2カウンタに基づくエラーが発生したと判定する(第1の判定結果)。
【0046】
上記第1の判定結果を得た場合には、受信装置は、例えば、処理している送信音声信号に対してフェードアウトを行うための音声処理命令と、次に受信された送信音声信号に対してミュートを行うための音声処理命令を生成する。よって、受信装置は、再生される音声の不連続性により生じうる一種のノイズの発生を防止することができる。
【0047】
また、受信装置は、例えば、処理している送信音声信号に含まれる第2カウンタの値と、1つ前に受信された他の送信音声信号に含まれる第2カウンタの値とが連続していない場合に、第2カウンタに基づくエラーが発生したと判定する(第2の判定結果)。
【0048】
上記第2の判定結果を得た場合には、受信装置は、例えば、処理している送信音声信号に対してフェードインを行うための音声処理命令を生成する。よって、受信装置は、再生される音声の不連続性により生じうる一種のノイズの発生を防止することができる。
【0049】
受信装置は、例えば、上記のように判定結果に応じた音声処理命令を生成し、音声処理命令に応じた再生処理を選択的に行う。なお、受信装置における音声処理命令に応じた再生処理が、上記第1の例〜第3の例に限られないことは、言うまでもない。
【0050】
上記のように、受信装置は、受信された送信音声信号に基づいて、送信音声信号の連続性に関するエラーの発生の有無、およびエラーの種別を判定する。そして、受信装置は、エラーの種別に応じた音声処理命令を生成し、音声処理命令に応じた再生処理を選択的に行う。ここで、受信装置は、送信音声データのビット数や、送信音声データに設定された第1カウンタ、送信音声信号のヘッダ部分に設定された第2カウンタに基づいて、連続性に関するエラーの発生の有無、およびエラーの種別を判定する。よって、受信装置は、例えば上記第1の例〜第3の例に示すように、判定されたエラーの種別に応じた多様な再生処理(エラーが発生した場合における再生処理)を実現することができる。また、受信装置は、送信音声データに設定された第1カウンタに基づいてエラーを判定することができるので、たとえ、送信音声データにおいてビット落ちなどが発生したとしても、ノイズの発生を防止することができる。
【0051】
したがって、受信装置は、送信装置(外部装置)から送信された音声信号を再生する場合における再生品質の向上を図ることができる。
【0052】
情報処理システム1000では、送信装置としての役目を果たす情報処理装置100と、受信装置としての役目を果たす情報処理装置100それぞれにおいて、上記のような処理が行われる。したがって、外部装置から送信された音声信号を再生する場合における再生品質の向上を図ることが可能な情報処理システム1000が実現される。
【0053】
[本発明の実施形態に係る送信音声信号の一例]
ここで、本発明の実施形態に係る情報処理システム1000において送受信される送信音声信号の一例を示す。図2〜図9それぞれは、本発明の実施形態に係る送信音声信号の一例を説明するための説明図である。以下では、48KHz/24bitのAESフォーマットの3トラック分の帯域を用いて、60bit、64fsのDSDデータの1トラック分が伝送される場合における送信音声信号の一例を主に示す。また、以下では、送信装置が、フィールドごとに送信対象の音声信号を分断して、フィールドごとに送信音声信号を送信する場合を例に挙げる。なお、本発明の実施形態に係る送信音声信号が図2〜図9に示す例に限られないことは、言うまでもない。
【0054】
送信音声信号は、例えば、“Blank Pre”と、“Header Pattern”と、“Field Counter”と、“Field Data”と、“Track Data”と、“DSD Data”(ペイロード)と、“Footer Pattern”と、“Blank Post”を有する。
【0055】
ここで、“Blank Pre”および“Blank Post”は、データが書き込まれていない部分であり、例えば、受信装置における他の送信音声信号との処理の混同を避けるために設けられる。また、“Header Pattern”、”Field Counter”、“Field Data”、“Track Data”は、ヘッダ部分に相当する。
【0056】
図3は、“Header Pattern”の一例を示し、また、図4は、“Footer Pattern”を示している。“Header Pattern”により、受信装置は、例えば、一の送信音声信号における処理対象となる有効な部分の先頭を把握することができる。また、“Footer Pattern”により、受信装置は、例えば、一の送信音声信号における処理対象となる有効な部分の終わりを把握することができる。
【0057】
図5は、”Field Counter”の一例を示している。”Field Counter”は、第2カウンタの役目を果たし、送信音声信号を識別するための値が記録される。”Field Counter”によって、受信装置は、受信した送信音声信号の不連続性を判定することができる。
【0058】
図6は、“Field Data”の一例を示しており、“Field Data”が2サンプルで構成される例を示している。例えば、図6(a)では、MSB(Most Significant Bit)〜3bitまでが、対応する映像信号のフレームレートを示しており、4bit〜8bitまでが、対応する映像信号のフィールドを識別するためのフィールドID(FieldID)を示している。また、図6(b)では、MSB〜2bitまでが、音声のカットインとカットアウトとをそれぞれ規定するフラグを示しており、4bit〜12bitまでが、音声の再生スピードを示している。
【0059】
図7は、“Track Data”の一例を示しており、AESの3チャネル分のトラックに係るデータが記録されている。図7では、各チャネルのMSB〜8bitまでが、DSDのチャネルID(インプット・チャネル。DSD ch ID)を示しており、9bit〜11bitまでが、DSDのfsIDを示している。そして、図7では、12bit〜16bitまでが、DSDのトラックID(アウトプット・トラック)を示している。
【0060】
図8は、“DSD Data”の一例を示している。図8では、60bitのDSDデータが、各チャネルごとに20bitずつ割り当てられ、また、第1カウンタが、各チャネルの21bit〜LSB(Least Significant Bit)に10bit割り当てられている。また、図8では、AES3チャネルの23bit〜LSBは、サンプルのスタートIDとエンドIDとを示している。
【0061】
本発明の実施形態に係る送信音声信号では、例えば、図8に示すように第1カウンタが設定される。よって、“DSD Data”により、受信装置は、受信した送信音声信号(より具体的には、送信音声信号に含まれる送信音声データ)の不連続性を判定することができる。
【0062】
図9は、60bit、64fsのDSDデータ以外の他のDSDデータの一例を示しており、例えば、図9(a)は、60fd/sおよび24fd/sにおけるAES3チャネルの一例を示している。図9(a)〜図9(f)に示すように、60bit、64fsのDSDデータ以外の他のDSDデータにおいても、送信装置は、図8と同様に、第1カウンタを設定することができる。
【0063】
情報処理システム1000では、例えば図2〜図9に示すような送信音声信号を、送信装置が送信し、受信装置が処理する。
【0064】
[本発明の実施形態に係るアプローチに係る処理の具体例]
次に、情報処理システム1000を構成する情報処理装置100における本発明の実施形態に係る音声信号の再生品質向上アプローチに係る処理について、より具体的に説明する。以下では、送信装置としての役目を果たす情報処理装置100と、受信装置としての役目を果たす情報処理装置100とにおける処理についてそれぞれ説明する。また、以下では、送信装置が、例えば図2〜図8に示すように、映像信号と同期して送信される送信音声信号を送信する場合を例に挙げて説明する。
【0065】
また、以下では、送信装置が、送信する音声信号を、第1の伝送規格に係る第1音声信号から、第2の伝送規格に係る第2音声信号へと変換して送信し、受信装置が、受信した第2音声信号を第1音声信号に変換する場合を例に挙げて説明する。ここで、第1の伝送規格としては、例えばSDIF(Sony Digital Interface Format)−3が挙げられ、また、第2の伝送規格としては、例えば、AES/EBUが挙げられるが、上記に限られない。なお、本発明の実施形態に係る情報処理システム1000において、送信装置および受信装置それぞれが、音声信号の変換を行わずに音声信号を送受信できることは、言うまでもない。
【0066】
〔送信装置における処理の一例〕
図10は、本発明の実施形態に係る送信装置の役目を果たす情報処理装置100における処理の一例を示す流れ図である。ここで、図10に示す処理は、一度終了すれば完了する類の処理ではなく、例えば、送信対象の音声信号の送信が完了するまで繰り返し行われる。
【0067】
送信装置は、送信する映像信号に基づいて、同期信号(例えば、SD(Standard Definition)や、HD(High Definition)の同期信号)が検出されたか否か判定する(S100)。ステップS100において同期信号が検出されない場合には、送信装置は、処理を進めない。
【0068】
また、ステップS100において同期信号が検出されたと判定された場合には、送信装置は、映像信号に基づいてフレームレートが対応しているか否かを判定する(S102)。ここで、送信装置は、例えば、送信装置が備える記憶部(後述する)などに記憶された対応するフレームレートを示す情報と、映像信号が示すフレームレートを比較することによって、ステップS102の判定を行うが、上記に限られない。
【0069】
ステップS102においてフレームレートが対応していると判定されない場合には、送信装置は、例えば、フレームレートが対応しておらず処理ができない旨のエラーを送信装置のユーザに示す(S104)。ここで、送信装置は、例えば、文字などによる視覚的な手段や音声などによる聴覚的な手段によりユーザにエラーを提示するが、上記に限られない。
【0070】
また、ステップS102においてフレームレートが対応していると判定された場合には、送信装置は、Field Counterの値と、FieldIDの値をカウントアップする(S106)。そして、送信装置は、ステップS106で設定された値などに基づいて、例えば図3、図5、図6に示すような“Header Pattern”、”Field Counter”、および“Field Data”を設定する(S108)。
【0071】
送信装置は、第1音声信号が検出されたか否かを判定する(S110)。ステップS110において第1音声信号が検出されたと判定されない場合には、送信装置は、処理を進めない。なお、図10では、送信装置が、ステップS110の処理をステップS108の後に行う例を示しているが、上記に限られない。例えば、送信装置は、ステップS102においてフレームレートが対応していると判定された後、ステップS106、S108の処理と、ステップS110の処理とを独立に行うこともできる。
【0072】
また、ステップS110において第1音声信号が検出されたと判定された場合には、送信装置は、第1音声信号に基づいて、サンプリング周波数が対応しているか否かを判定する(S112)。ここで、送信装置は、例えば、送信装置が備える記憶部(後述する)などに記憶された対応するサンプリング周波数を示す情報と、第1音声信号が示すサンプリング周波数を比較することによって、ステップS112の判定を行うが、上記に限られない。
【0073】
ステップS112においてサンプリング周波が対応していると判定されない場合には、送信装置は、例えば、サンプリング周波が対応しておらず処理ができない旨のエラーを送信装置のユーザに示す(S104)。
【0074】
また、ステップS112においてサンプリング周波が対応していると判定された場合には、送信装置は、第1音声信号に含まれるDSD Dataを遅延させる(S114)。そして、送信装置は、DSD Dataにサンプルカウンタ(第1カウンタ)を付加し、サンプルカウンタが付加されたDSD Dataをチャネル数に分割する(S116)。
【0075】
送信装置は、各チャネルに、例えば図4、図7、図8に示すような“Track Data”、“DSD Data”、および“Footer Pattern”を設定する(S118)。ここで、図10のステップS118に示す“#n”(nは、正の整数)は、チャネルの番号を表している。
【0076】
ステップS118においてチャネルごとに各種設定が完了すると、送信装置は、第1音声信号を第2音声信号に変換し、第2音声信号を送信対象の受信装置へ送信する(S120;送信音声信号の送信)。
【0077】
送信装置は、例えば図10に示す処理を行うことによって、第1カウンタと第2カウンタとが設定された送信音声信号を、フィールドごとに送信することができる。なお、本発明の実施形態に係る送信装置の役目を果たす情報処理装置100における処理が、図10に示す処理に限られないことは、言うまでもない。
【0078】
〔受信装置における処理の一例〕
図11は、本発明の実施形態に係る送信装置の役目を果たす情報処理装置100における処理の一例を示す流れ図である。ここで、図11に示す処理は、一度終了すれば完了する類の処理ではなく、送信音声信号が受信されるごとに繰り返し行われる。
【0079】
受信装置は、第2音声信号(送信音声信号に相当)が受信されたか否かを判定する(S200)。ステップS200において第2音声信号が受信されたと判定されない場合には、受信装置は、第2音声信号が受信されたと判定されるまで処理を進めない。ここで、受信装置は、例えば、各チャネルごとに第2音声信号を受信する。
【0080】
また、ステップS200において第2音声信号が受信されたと判定された場合には、受信装置は、“Field Counter”(第2カウンタ)が正常であるか否かを判定する(S202)。ここで、受信装置は、例えば、各チャネルの“Field Counter”の値を比較することによってステップS202の判定を行うが、上記に限られない。
【0081】
ステップS202において“Field Counter”が正常であると判定されない場合には、受信装置は、ミュート命令(音声処理命令の一例)を生成する(S228)。また、受信装置は、例えば送信音声信号の受信にエラーが生じた旨のエラーを受信装置のユーザに示す(S230)。そして、受信装置は、ステップS200からの処理を繰り返す。ここで、受信装置は、例えば、文字などによる視覚的な手段や音声などによる聴覚的な手段によりユーザにエラーを提示するが、上記に限られない。なお、図11では示していないが、受信装置は、例えば、ステップS228において生成したミュート命令に基づいて、送信音声データをミュート状態で再生させる。
【0082】
また、ステップS202において“Field Counter”が正常であると判定された場合には、受信装置は、“Field Data”が正常であるか否かを判定する(S204)。ここで、受信装置は、例えば、各チャネルの“Field Data”を比較することによってステップS204の判定を行うが、上記に限られない。
【0083】
ステップS204において“Field Data”が正常であると判定されない場合には、受信装置は、ミュート命令(音声処理命令の一例)を生成する(S228)。また、受信装置は、例えば送信音声信号の受信にエラーが生じた旨のエラーを受信装置のユーザに示す(S230)。そして、受信装置は、ステップS200からの処理を繰り返す。
【0084】
また、ステップS204において“Field Data”が正常であると判定された場合には、受信装置は、“Track Data”が正常であるか否かを判定する(S206)。
【0085】
ステップS206において“Track Data”が正常であると判定されない場合には、受信装置は、ミュート命令(音声処理命令の一例)を生成する(S228)。また、受信装置は、例えば送信音声信号の受信にエラーが生じた旨のエラーを受信装置のユーザに示す(S230)。そして、受信装置は、ステップS200からの処理を繰り返す。
【0086】
また、ステップS206において“Track Data”が正常であると判定された場合には、受信装置は、“Track Data”内のDSD ch ID(DSDのチャネルID)が正常か否かを判定する(S208)。
【0087】
ステップS208においてDSD ch IDが正常であると判定されない場合には、受信装置は、ミュート命令(音声処理命令の一例)を生成する(S228)。また、受信装置は、例えば送信音声信号の受信にエラーが生じた旨のエラーを受信装置のユーザに示す(S230)。そして、受信装置は、ステップS200からの処理を繰り返す。
【0088】
また、ステップS208においてDSD ch IDが正常であると判定された場合には、受信装置は、“DSD Data”のビット数が20ビット以上か否かを判定する(S210)。ここで、図11では、ステップS210において、受信装置が20ビットを判定基準として判定を行っているが、これは、図8に示すように20bitずつに分割された60bitのDSDデータを例に挙げて説明しているためである。つまり、本発明の実施形態に係る受信装置に役目を果たす情報処理装置100がステップS210において用いる判定基準は、20ビットに限られず、例えば第1カウンタを付加する前の音声データに基づくビット数を基準とすることができる。
【0089】
ステップS210において“DSD Data”のビット数が20ビット以上であると判定されない場合には、受信装置は、ミュート命令(音声処理命令の一例)を生成する(S228)。また、受信装置は、例えば送信音声信号の受信にエラーが生じた旨のエラーを受信装置のユーザに示す(S230)。そして、受信装置は、ステップS200からの処理を繰り返す。ここで、上記の処理は、上述した受信装置におけるエラーが発生した場合の再生処理の第1の例に相当する。
【0090】
また、ステップS210において“DSD Data”のビット数が20ビット以上であると判定された場合には、受信装置は、“DSD Data”のビット数が24ビットであるか否かを判定する(S212)。ここで、図11では、ステップS212において、受信装置が24ビットを判定基準として判定を行っているが、これは、図8に示す“DSD Data”を例に挙げて説明しているためである。つまり、本発明の実施形態に係る受信装置に役目を果たす情報処理装置100がステップS212において用いる判定基準は、24ビットに限られない。
【0091】
ステップS212において“DSD Data”のビット数が24ビットであると判定されない場合には、受信装置は、後述するステップS216の処理を行う。
【0092】
また、ステップS212において“DSD Data”のビット数が24ビットであると判定された場合には、受信装置は、サンプルカウンタ(第1カウンタ)が正常か否かを判定する(S214)。ここで、受信装置は、例えば、処理している第2音声信号(送信音声信号に相当)に含まれる第1カウンタの値と、1つ前に受信された他の第2音声信号に含まれる第1カウンタの値と連続していない場合に、正常ではないと判定するが、上記に限られない。
【0093】
ステップS214においてサンプルカウンタ(第1カウンタ)が正常であると判定されない場合には、受信装置は、ミュート命令(音声処理命令の一例)を生成する(S228)。また、受信装置は、例えば送信音声信号の受信にエラーが生じた旨のエラーを受信装置のユーザに示す(S230)。そして、受信装置は、ステップS200からの処理を繰り返す。ここで、上記の処理は、上述した受信装置におけるエラーが発生した場合の再生処理の第2の例に相当する。
【0094】
また、ステップS214においてサンプルカウンタ(第1カウンタ)が正常であると判定された場合には、受信装置は、各チャネルのDSD Dataを結合する(S216)。そして、受信装置は、結合したDSD Dataを遅延させる(S218)。
【0095】
受信装置は、次に受信された他の第2音声信号の“Field Counter”(第2カウンタ)の値が、処理している第2音声信号の“Field Counter”の値と連続しているか否かを判定する(S220)。
【0096】
ステップS220において次に受信された他の第2音声信号の“Field Counter”(第2カウンタ)の値が連続していると判定されない場合には、受信装置は、フェードアウト命令(音声処理命令の一例)を生成する(S232)。また、受信装置は、例えば送信音声信号の受信にエラーが生じた旨のエラーを受信装置のユーザに示し(S234)、1sミュート命令(音声処理命令の一例)を生成する(S236)。そして、受信装置は、ステップS200からの処理を繰り返す。ここで、上記の処理は、上述した受信装置におけるエラーが発生した場合の再生処理の第3の例に相当する。なお、図11では示していないが、受信装置は、例えば、ステップS232、S236において生成した各種音声処理命令に基づいて、送信音声データを音声処理命令に応じた状態で再生させる。
【0097】
また、ステップS220において“Field Counter”(第2カウンタ)の値が連続していると判定された場合には、受信装置は、1つ前に受信された他の送信音声信号に含まれる“Field Counter”の値が、処理している第2音声信号の“Field Counter”の値と連続しているか否かを判定する(S222)。
【0098】
ステップS222において1つ前に受信された他の第2音声信号の“Field Counter”(第2カウンタ)の値が連続していると判定されない場合には、受信装置は、フィードイン命令(音声処理命令の一例)を生成する(S238)。ここで、上記の処理は、上述した受信装置におけるエラーが発生した場合の再生処理の第3の例に相当する。そして、受信装置は、後述するステップS224の処理を行う。
【0099】
また、ステップS222において“Field Counter”(第2カウンタ)の値が連続していると判定された場合には、受信装置は、第2音声信号を第1音声信号に変換し(S224)、送信音声データを処理する(S226)。ステップS226の処理によって、送信装置から送信された送信音声データに応じた音声が、例えばスピーカーなどの音声出力デバイスから出力される。
【0100】
受信装置は、例えば図11に示す処理を行うことによって、送信装置から送信された送信音声信号に基づいて、送信音声信号の連続性に関するエラーの発生の有無、およびエラーの種別を判定することができる。また、受信装置は、例えば図11に示す処理を行うことによって、エラーの種別に応じた音声処理命令を生成し、音声処理命令に応じた再生処理を選択的に行うことができる。したがって、受信装置は、例えば図11に示す処理を行うことによって、送信装置(外部装置)から送信された音声信号を再生する場合における再生品質の向上を図ることができる。なお、本発明の実施形態に係る受信装置の役目を果たす情報処理装置100における処理が、図11に示す処理に限られないことは、言うまでもない。
【0101】
(本発明の実施形態に係る情報処理装置)
次に、上述した本発明の実施形態に係る外部装置から送信された音声信号の再生品質向上アプローチを実現することが可能な、本発明の実施形態に係る情報装置100の構成例について説明する。
【0102】
以下では、送信装置および受信装置の双方の役目を果たすことが可能な情報処理装置の構成の一例について説明する。なお、本発明の実施形態に係る情報処理装置が、送信装置または受信装置のいずれか一方の役目を果たす構成をとることができることは、言うまでもない。
【0103】
図12は、本発明の実施形態に係る情報処理装置100の構成の一例を示す説明図である。情報処理装置100は、通信部102と、記憶部104と、制御部106と、操作部108と、表示部110と、音声出力部112とを備える。
【0104】
また、情報処理装置100は、例えば、ROM(Read Only Memory;図示せず)や、RAM(Random Access Memory;図示せず)などを備えてもよい。情報処理装置100は、例えば、データの伝送路としてのバス(bus)により各構成要素間を接続する。ここで、ROM(図示せず)は、制御部106が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データを記憶する。RAM(図示せず)は、制御部106により実行されるプログラムなどを一次記憶する。
【0105】
〔情報処理装置100のハードウェア構成例〕
図13は、本発明の実施形態に係る情報処理装置100のハードウェア構成の一例を示す説明図である。図13を参照すると、情報処理装置100は、例えば、MPU150と、ROM152と、RAM154と、記録媒体156と、入出力インタフェース158と、操作入力デバイス160と、表示デバイス162と、通信インタフェース164と、音声出力デバイス166とを備える。また、情報処理装置100は、例えば、データの伝送路としてのバス168で各構成要素間を接続する。
【0106】
MPU150は、MPU(Micro Processing Unit)や、DSP(Digital Signal Processor)、制御機能を実現するための複数の回路が集積された集積回路などで構成され、情報処理装置100全体を制御する制御部106として機能する。また、MPU150は、情報処理装置100において、後述する受信データ判定部120、音声処理命令生成部122、および処理部124としての役目を果たすこともできる。
【0107】
ROM152は、MPU150が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データを記憶し、また、RAM154は、例えば、MPU150により実行されるプログラムなどを一次記憶する。
【0108】
記録媒体156は、記憶部104として機能し、例えば、上記対応するフレームレートを示す情報などの処理に用いる情報(データ)や、コンテンツデータ、アプリケーションなど様々なデータを記憶する。ここで、記録媒体156としては、例えば、ハードディスク(Hard Disk)などの磁気記録媒体や、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ(flash memory)、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)、PRAM(Phase change Random Access Memory)などの不揮発性メモリ(nonvolatile memory)が挙げられるが、上記に限られない。
【0109】
入出力インタフェース158は、例えば、操作入力デバイス160や、表示デバイス162を接続する。操作入力デバイス160は、操作部108として機能し、また、表示デバイス162は、表示部110として機能する。ここで、入出力インタフェース158としては、例えば、USB端子や、DVI(Digital Visual Interface)端子、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)端子、各種処理回路などが挙げられるが、上記に限られない。また、操作入力デバイス160は、例えば、情報処理装置100上に備えられ、情報処理装置100の内部で入出力インタフェース158と接続される。操作入力デバイス160としては、例えば、ボタン、方向キー、ジョグダイヤルなどの回転型セレクター、あるいは、これらの組み合わせなどが挙げられるが、上記に限られない。また、表示デバイス162は、例えば、情報処理装置100上に備えられ、情報処理装置100の内部で入出力インタフェース158と接続される。表示デバイス162としては、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display;LCD)や有機ELディスプレイ(organic ElectroLuminescence display。または、OLEDディスプレイ(Organic Light Emitting Diode display)ともよばれる。)などが挙げられるが、上記に限られない。なお、入出力インタフェース158は、情報処理装置100の外部装置としての操作入力デバイス(例えば、キーボードやマウスなど)や、表示デバイス(例えば、外部ディスプレイなど)と接続することもできることは、言うまでもない。
【0110】
通信インタフェース164は、情報処理装置100が備える通信手段であり、ネットワーク500を介して(あるいは、直接的に)外部装置と無線/有線で通信を行うための通信部102として機能する。ここで、通信インタフェース164としては、例えば、通信アンテナおよびRF回路(無線通信)や、IEEE802.15.1ポートおよび送受信回路(無線通信)、IEEE802.11bポートおよび送受信回路(無線通信)、あるいはLAN端子および送受信回路(有線通信)などが挙げられるが、上記に限られない。
【0111】
音声出力デバイス166は、例えば、増幅器(アンプ)や、スピーカなどから構成され、MPU150が処理した音声データに応じた音声を出力する。
【0112】
情報処理装置100は、例えば図13に示す構成によって、上述した本発明の実施形態に係る音声信号の再生品質向上アプローチに係る処理(例えば、図10、図11に示す処理)を実現する。なお、本発明の実施形態に係る情報装置100のハードウェア構成は、図13に示す構成に限られない。例えば、情報処理装置100は、コンテンツデータなどが記録された外部記録媒体としての光ディスクからデータを読出すことが可能な光ディスクドライブ(図示せず)などをさらに備えていてもよい。
【0113】
再度図12を参照して、情報処理装置100の構成要素について説明する。通信部102は、情報処理装置100が備える通信手段であり、ネットワーク500を介して(あるいは、直接的に)外部装置と無線/有線で通信を行う。情報処理装置100は、通信部102を備えることによって、外部装置(例えば送信装置としての役目を果たす他の情報処理装置100)から送信される送信音声信号や、映像信号を受信することができる。また、通信部102は、例えば、制御部106によって外部装置との通信が制御される。
【0114】
ここで、通信部102としては、例えば、通信アンテナおよびRF回路(無線通信)や、IEEE802.15.1ポートおよび送受信回路(無線通信)、IEEE802.11bポートおよび送受信回路(無線通信)、あるいはLAN端子および送受信回路(有線通信)などが挙げられるが、上記に限られない。
【0115】
記憶部104は、情報処理装置100が備える記憶手段である。ここで、記憶部104としては、例えば、ハードディスクなどの磁気記録媒体や、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリなどが挙げられるが、上記に限られない。
【0116】
また、記憶部104は、例えば、上記対応するフレームレートを示す情報などの処理に用いる情報(データ)や、コンテンツデータ、アプリケーションなど様々なデータを記憶する。ここで、図12では、コンテンツデータA130が記憶部104に記憶されている例を示しているが、上記に限られない。また、本発明の実施形態に係るコンテンツデータとしては、例えば、静止画像や動画像を表す画像データ、および/または音声データが挙げられるが、上記に限られない。例えば、本発明の実施形態に係るコンテンツデータは、様々な情報が記録されたメタデータをさらに含むことができる。
【0117】
情報処理装置100は、例えば、記憶部104に記憶されたコンテンツデータに基づいて、映像信号および/または音声信号を外部装置へ送信する(伝送する)ことができる。
【0118】
制御部106は、例えば、MPUや、DSP、各種処理回路が集積された集積回路などで構成され、情報処理装置100全体を制御する役目を果たす。また、制御部106は、受信データ判定部120と、音声処理命令生成部122と、処理部124とを備え、上述した本発明の実施形態に係る音声信号の再生品質向上アプローチに係る処理を主導的に行う役目を果たす。
【0119】
受信データ判定部120は、通信部102が受信した送信音声信号に基づいて、送信音声信号の連続性に関するエラーの発生の有無、およびエラーの種別を判定する。より具体的には、受信データ判定部120は、例えば、受信された送信音声信号に含まれる送信音声データのビット数や、第1カウンタの値、第2カウンタの値に基づいて、送信音声信号の連続性に関するエラーの発生の有無、およびエラーの種別を判定する。
【0120】
また、受信データ判定部120は、判定結果を音声処理命令生成部122へ伝達する。ここで、受信データ判定部120は、エラーが発生したと判定された場合に判定結果を音声処理命令生成部122へ伝達するが、上記に限られない。例えば、受信データ判定部120は、判定処理を行うごとに判定結果を音声処理命令生成部122へ伝達してもよい。
【0121】
音声処理命令生成部122は、受信データ判定部120から伝達される判定結果に基づいて、受信データ判定部120において送信音声信号の連続性に関するエラーが発生したと判定された場合に、エラーの種別に応じた音声処理命令を選択的に生成する。ここで、音声処理命令生成部122が生成する音声処理命令としては、例えば、ミュート命令や、フェードアウト命令、フェードイン命令などが挙げられるが、上記に限られない。また、音声処理命令生成部122は、例えば、上述した再生処理の第1の例〜第3の例に示したように、エラーの種別に応じた音声処理命令を生成する。
【0122】
また、音声処理命令生成部122は、生成した音声処理命令を処理部124へ伝達する。
【0123】
処理部124は、通信部102が受信した送信音声信号に含まれる送信音声データを処理し、音声出力部112から送信音声データに基づく音声を出力させる。また、処理部124は、通信部102が受信した映像信号を処理し、表示部110に映像信号に基づく映像(動画像/静止画像)を表示させることもできる。
【0124】
また、処理部124は、音声処理命令生成部122から伝達される音声処理命令に基づいて、通信部102が受信した送信音声信号に含まれる送信音声データに対して、音声処理命令に応じた再生処理(エラーが発生した場合における再生処理)を選択的に行う。
【0125】
制御部106が、受信データ判定部120、音声処理命令生成部122、および処理部124を備えることによって、情報処理装置100は、受信装置としての役目を果たすことができる。
【0126】
また、処理部124は、例えば記憶部104に記憶されたコンテンツデータに基づく送信音声信号を、通信部102から送信対象の外部装置(受信装置としての役目を果たす他の情報処理装置100)へと順次送信させる機能を有する。
【0127】
より具体的には、処理部124は、コンテンツデータを構成する送信対象の音声データを分断し、分断された音声データそれぞれに第1カウンタを付加する。そして、処理部124は、第1カウンタが付加された送信音声データ(ペイロード)と第2カウンタを含むヘッダ部分とを有する送信音声信号を、例えば送信する映像信号の各フィールドと同期して通信部102に順次送信させる。
【0128】
処理部124が、送信音声信号の送信に係る上記機能を有することによって、情報処理装置100は、送信装置としての役目を果たすことができる。
【0129】
制御部106は、上記のような受信データ判定部120、音声処理命令生成部122、および処理部124を備える。よって、制御部106は、上述した本発明の実施形態に係る音声信号の再生品質向上アプローチに係る処理を主導的に行う役目を果たすことができる。
【0130】
操作部108は、ユーザによる操作を可能とする情報処理装置100が備える操作手段である。情報処理装置100は、操作部108を備えることによって、例えば、ユーザが所望する処理を行うことができる。ここで、操作部108としては、例えば、ボタン、方向キー、ジョグダイヤルなどの回転型セレクタ、あるいは、これらの組み合わせなどが挙げられるが、上記に限られない。
【0131】
表示部110は、情報処理装置100が備える表示手段であり、表示画面に様々な情報を表示する。表示部110の表示画面に表示される画面としては、例えば、通信部102が受信した映像信号に応じた画像(動画像/静止画像)や、エラーを表すエラー画面、所望する動作を表示装置100に対して行わせるための操作画面などが挙げられる。ここで、表示部110としては、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどが挙げられるが、上記に限られない。例えば、情報処理装置100は、表示部110を、タッチスクリーンで構成することもできる。上記の場合、表示部110は、ユーザ操作および表示の双方が可能な操作表示部として機能することとなる。
【0132】
音声出力部112は、情報処理装置100が備える音声出力手段であり、例えば処理部124が処理した音声データに応じた音を出力する。音声出力部112としては、増幅器(アンプ)およびスピーカーなどが挙げられるが、上記に限られない。
【0133】
情報処理装置100は、例えば、図12に示す構成によって、上述した本発明の実施形態に係る音声信号の再生品質向上アプローチに係る処理(例えば、図10、図11に示す処理)を実現することができる。
【0134】
以上のように、本発明の実施形態に係る情報処理装置100は、受信された送信音声信号に基づいて、送信音声信号の連続性に関するエラーの発生の有無、およびエラーの種別を判定する。そして、情報処理装置100は、エラーの種別に応じた音声処理命令を生成し、音声処理命令に応じた再生処理を選択的に行う。ここで、情報処理装置100は、送信音声データのビット数や、送信音声データに設定された第1カウンタ、送信音声信号のヘッダ部分に設定された第2カウンタに基づいて、連続性に関するエラーの発生の有無、およびエラーの種別を判定する。よって、情報処理装置100は、例えば上述した再生処理の第1の例〜第3の例に示すように、判定されたエラーの種別に応じた多様な再生処理(エラーが発生した場合における再生処理)を実現することができる。また、情報処理装置100は、送信音声データに設定された第1カウンタに基づいてエラーを判定することができるので、たとえ、送信音声データにおいてビット落ちなどが発生したとしても、ノイズの発生を防止することができる。したがって、情報処理装置100は、外部装置(送信装置としての役目を果たす他の情報処理装置100)から送信された音声信号を再生する場合における再生品質の向上を図ることができる。
【0135】
また、情報処理装置100は、外部装置(送信装置としての役目を果たす他の情報処理装置100)へ、第1カウンタと第2カウンタとが設定された送信音声信号を送信する送信装置としての役目を果たすこともできる。
【0136】
以上、本発明の実施形態として情報処理装置100を挙げて説明したが、本発明の実施形態は、かかる形態に限られない。本発明の実施形態は、例えば、PC(Personal Computer)や、ノート型PCなどのコンピュータ、携帯電話やPHS(Personal Handyphone System)などの携帯型通信装置、WALK MAN(登録商標)などの映像/音楽再生装置、PlayStation Portable(登録商標)などの携帯型ゲーム機、デジタル放送/アナログ放送を受信可能なテレビ受像機など、様々な機器に適用することができる。
【0137】
(本発明の実施形態の情報処理装置に係るプログラム)
コンピュータを、本発明の実施形態に係る情報処理装置として機能させるためのプログラムによって、外部装置から送信された音声信号を再生する場合における再生品質の向上を図ることができる。
【0138】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0139】
例えば、図12に示す情報処理装置100では、制御部106が受信データ判定部120、音声処理命令生成部122、および処理部124を備える構成を示したが、本発明の実施形態に係る情報処理装置の構成は、上記に限られない。例えば、本発明の実施形態に係る情報処理装置は、図12に示す受信データ判定部120、音声処理命令生成部122、および処理部124それぞれを個別に備える(例えば、それぞれを個別の処理回路で実現する)こともできる。
【0140】
また、図12では、情報処理装置100が、音声出力部112を備える構成を示しているが、上記に限られない。例えば、本発明の実施形態に係る情報処理装置は、外部装置としての音声出力デバイス(例えば、外部アンプや外部スピーカーなど)に、受信された送信音声データに応じた音声を出力させることもできる。
【0141】
また、上記では、コンピュータを、本発明の実施形態に係る情報処理装置として機能させるためのプログラム(コンピュータプログラム)が提供されることを示したが、本発明の実施形態は、さらに、上記各プログラムを記憶させた記憶媒体も併せて提供することができる。
【0142】
上述した構成は、本発明の実施形態の一例を示すものであり、当然に、本発明の技術的範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0143】
100 情報処理装置
102 通信部
104 記憶部
106 制御部
120 受信データ判定部
122 音声処理命令生成部
124 処理部
500 ネットワーク
1000 情報処理システム



【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信対象の音声データを分断し、分断された音声データそれぞれに対応するヘッダ部分と分断された音声データに第1カウンタを付加した送信音声データとを有する送信音声信号を順次送信する外部装置と通信を行う通信部と;
前記通信部が受信した前記送信音声信号に含まれる、前記第1カウンタの値と前記ヘッダ部分に含まれる前記送信音声信号を識別する第2カウンタの値とに基づいて、受信した前記送信音声信号の連続性に関するエラーを判定する受信データ判定部と;
前記受信データ判定部における判定結果に基づいて、エラーが発生した場合における音声データの再生処理を規定する音声処理命令を選択的に生成する音声処理命令生成部と;
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記受信データ判定部は、処理している一の送信音声信号に含まれる前記送信音声データのビット数が前記送信対象の音声データのビット数未満の場合には、送信音声信号の受信エラーを示す判定結果を前記音声処理命令生成部に伝達し、
前記音声処理命令生成部は、前記受信エラーを示す判定結果に応じた音声処理命令を生成する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記受信データ判定部は、処理している一の送信音声信号に含まれる前記送信音声データのビット数が前記外部装置において前記第1カウンタが付加された送信音声データのビット数と等しい場合には、処理している送信音声信号に含まれる前記第1カウンタの値に基づいて、前記送信音声信号に含まれる音声データの受信エラーを示す判定結果を前記音声処理命令生成部に伝達し、
前記音声処理命令生成部は、前記音声データの受信エラーを示す判定結果に基づいて、前記音声データの受信エラーを示す判定結果に応じた音声処理命令を生成する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記受信データ判定部は、処理している一の送信音声信号に含まれる前記第2カウンタの値と、前記一の送信音声信号の次に受信された他の送信音声信号に含まれる第2カウンタの値とが連続していない場合に、受信した送信音声信号が連続していないことを示す第1の判定結果を前記音声処理命令生成部に伝達し、
前記音声処理命令生成部は、前記第1の判定結果に基づいて、前記第1の判定結果に応じた音声処理命令を生成する、請求項1〜3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記受信データ判定部は、処理している一の送信音声信号に含まれる前記第2カウンタの値と、前記一の送信音声信号の1つ前に受信された他の送信音声信号に含まれる第2カウンタの値とが連続していない場合に、受信した送信音声信号が連続していないことを示す第2の判定結果を前記音声処理命令生成部に伝達し、
前記音声処理命令生成部は、前記第2の判定結果に基づいて、前記第2の判定結果に応じた音声処理命令を生成する、請求項1〜3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記音声処理命令生成部が生成した音声処理命令に基づいて、受信された前記送信音声信号が有する送信音声データに対して前記音声処理命令に応じた再生処理を選択的に行う処理部をさらに備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記処理部は、外部装置へ送信する送信対象の音声データを分断し、分断された音声データそれぞれに対応する、前記第2カウンタを含むヘッダ部分と分断された音声データに前記第1カウンタを付加した送信音声データとを有する送信音声信号を、前記通信部に順次送信させる、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記処理部は、前記送信対象の音声データと同期して送信する映像信号のフィールドごとに前記音声データを分断する、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
送信対象の音声データを分断し、分断された音声データそれぞれに対応するヘッダ部分と分断された音声データに第1カウンタを付加した送信音声データとを有する送信音声信号を順次送信する外部装置から送信された前記送信音声信号を受信するステップと;
前記受信するステップにおいて受信された前記送信音声信号に含まれる、前記第1カウンタの値と前記ヘッダ部分に含まれる前記送信音声信号を識別する第2カウンタの値とに基づいて、受信した前記送信音声信号の連続性に関するエラーを判定するステップと;
前記判定するステップにおける判定結果に基づいて、エラーが発生した場合における音声データの再生処理を規定する音声処理命令を選択的に生成するステップと;
前記生成するステップにおいて選択的に生成された音声処理命令に基づいて、受信された送信音声信号に対して前記音声処理命令に応じた再生処理を選択的に行うステップと;
を有する、音声信号処理方法。
【請求項10】
送信対象の音声データを分断し、分断された音声データそれぞれに対応するヘッダ部分と分断された音声データに第1カウンタを付加した送信音声データとを有する送信音声信号を順次送信する外部装置から送信された前記送信音声信号を受信するステップ;
前記受信するステップにおいて受信された前記送信音声信号に含まれる、前記第1カウンタの値と前記ヘッダ部分に含まれる前記送信音声信号を識別する第2カウンタの値とに基づいて、受信した前記送信音声信号の連続性に関するエラーを判定するステップ;
前記判定するステップにおける判定結果に基づいて、エラーが発生した場合における音声データの再生処理を規定する音声処理命令を選択的に生成するステップ;
前記生成するステップにおいて選択的に生成された音声処理命令に基づいて、受信された送信音声信号に対して前記音声処理命令に応じた再生処理を選択的に行うステップ;
をコンピュータに実行させるためのプログラム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−232861(P2010−232861A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−76971(P2009−76971)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】