説明

情報処理装置およびプログラム

【課題】ユーザが筐体を保持している向きに応じて、タッチパネル上に最適なユーザインタフェースを表示する。
【解決手段】筐体と、表示画面103と、表示画面に配置されたタッチパネル105と、表示画面に表示され、タッチパネルを通して操作される操作子と、筐体の状態の変化を検出する状態検出手段109,111と、状態検出手段によって検出された筐体の状態の変化を判定する状態判定部121と、状態判定部の判定結果に応じて、操作子を表示画面上の所望の位置に表示する表示制御部123とを含む、情報処理装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯用の情報処理装置において操作性を高める方法として、タッチパネルを用いた装置が普及している。タッチパネルとは、例えば液晶パネルのような表示画面にボタンなどの操作子をユーザインタフェースとして表示し、ユーザの操作子への接触を検出することで、入力装置としても機能させるものである。タッチパネルを用いることにより、表示画面領域の確保と、多様な機能に対応した自由なボタン配置が実現できる。
【0003】
また、携帯用の情報処理装置において操作性を高める他の方法として、装置の物理的な状態変化を検出して入力に利用することが行われている。例えば特許文献1には、ゲーム機において傾き量、運動量、衝撃量等を検出し、これに基づいてゲーム空間の状態を変化させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−170358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、近年、タッチパネルが用いられる携帯用の情報処理装置の大きさは多様化しており、例えばボード状の小型PC(Personal Computer)のように、筐体を片手で保持可能であっても比較的大型の装置の場合、表示画面上で、ユーザが筐体を保持している側と反対側にあるボタンは、保持している片手では操作しづらいという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ユーザが筐体を保持している向きに応じて、タッチパネル上に最適なユーザインタフェースを表示することが可能な、新規かつ改良された情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、筐体と、表示画面と、上記表示画面に配置されたタッチパネルと、上記表示画面に表示され、上記タッチパネルを通して操作される操作子と、上記筐体の状態の変化を検出する状態検出手段と、上記状態検出手段によって検出された上記筐体の状態の変化を判定する状態判定部と、上記状態判定部の判定結果に応じて、上記操作子を上記表示画面上の所望の位置に表示する表示制御部と、を含む、情報処理装置が提供される。
【0008】
かかる構成により、ユーザが情報処理装置をどのような状態で使用しているかに応じて、タッチパネル上に最適なユーザインタフェースを自動的に表示することができる。
【0009】
上記判定結果は、上記筐体がユーザによって保持されている方向であり、上記表示制御部は、上記操作子を、上記表示画面の上記保持されている方向の端部に沿った領域内に表示してもよい。
【0010】
上記状態検出手段は、上記状態の変化として、上記筐体の所定の部分へのユーザの接触を検出するために用いられてもよい。
【0011】
上記状態検出手段は、静電センサまたは近接センサであってもよい。
【0012】
上記状態検出手段は、上記状態の変化として、ユーザによって上記筐体に加えられた衝撃を検出するために用いられてもよい。
【0013】
上記状態検出手段は、上記状態の変化として、ユーザによって上記筐体に加えられた傾きの変化を検出するために用いられてもよい。
【0014】
上記状態検出手段は、加速度センサであってもよい。
【0015】
上記表示制御部は、上記操作子を、上記状態の変化に応じて上記表示画面上で移動させることにより、所望の位置に表示してもよい。
【0016】
上記表示制御部は、上記操作子を、上記タッチパネルを通した操作に応じて上記表示画面上でさらに移動させることにより、所望の位置に表示してもよい。
【0017】
上記表示制御部は、上記操作子を、上記状態の変化に応じて上記表示画面上で出現または消失させることにより、所望の位置に表示してもよい。
【0018】
上記表示制御部は、上記操作子を、上記状態の変化が所定の時間検出されなかったときに消失させてもよい。
【0019】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、筐体と、表示画面と、上記表示画面に配置されたタッチパネルと、上記表示画面に表示され、上記タッチパネルを通して操作される操作子と、上記筐体の状態の変化を検出する状態検出手段と、を含む情報処理装置において、上記状態検出手段によって検出された上記筐体の状態の変化を判定するステップと、上記判定するステップの判定結果に応じて、上記操作子を上記表示画面上の所望の位置に表示するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように本発明によれば、情報処理装置において、ユーザが筐体を保持している向きに応じて、タッチパネル上に最適なユーザインタフェースを表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の各実施形態に係る情報処理装置の外観の説明図である。
【図2】本発明の各実施形態に係る情報処理装置の機能構成図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る処理の概略を表したフローチャートである。
【図4A】同実施形態に係る処理中の状態の一例を示す図である。
【図4B】同実施形態に係る処理中の状態の一例を示す図である。
【図4C】同実施形態に係る処理中の状態の一例を示す図である。
【図5A】本発明の第2の実施形態に係る処理中の状態の一例を示す図である。
【図5B】同実施形態に係る処理中の状態の一例を示す図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る処理の概略を表したフローチャートである。
【図7A】同実施形態に係る処理中の状態の一例を示す図である。
【図7B】同実施形態に係る処理中の状態の一例を示す図である。
【図7C】同実施形態に係る処理中の状態の一例を示す図である。
【図8A】同実施形態で扱う傾きについての説明図である。
【図8B】同実施形態で扱う傾きについての説明図である。
【図9】本発明の第4の実施形態に係る処理の概略を表したフローチャートである。
【図10A】同実施形態に係る処理中の状態の一例を示す図である。
【図10B】同実施形態に係る処理中の状態の一例を示す図である。
【図10C】同実施形態に係る処理中の状態の一例を示す図である。
【図10D】同実施形態に係る処理中の状態の一例を示す図である。
【図10E】同実施形態に係る処理中の状態の一例を示す図である。
【図10F】同実施形態に係る処理中の状態の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0023】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.本発明の各実施形態に係る装置の概要
2.本発明の各実施形態の詳細
2−1.第1の実施形態(接触を検出する情報処理装置の例)
2−2.第2の実施形態(衝撃を検出する情報処理装置の例)
2−3.第3の実施形態(傾きを検出する情報処理装置の例)
2−4.第4の実施形態(傾きを検出する情報処理装置の変形例)
3.補足
【0024】
<1.本発明の各実施形態にかかる装置の概要>
図1に示すように、各実施形態に係る情報処理装置100は、例えばボード状の小型PCや、電子書籍端末、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートフォンなどである。通常は片手で保持および操作される情報処理装置であり、例えばWebブラウザや、コンテンツ再生など、多様な機能を有する。
【0025】
情報処理装置100は、筐体101に、表示画面としてLCD(Liquid Crystal Display)103を有する。LCD103にはタッチパネル105が配置され、タッチパネル105を通じて操作される操作子として、ボタン107が表示されている。ボタン107は、例えば情報処理装置100がWebブラウザとして機能する場合であれば、戻る、進む、リロードなどのボタンである。操作子は、スクロールバー、スクロールエリア、およびその他のアイコンでもよい。
【0026】
図2に示すように、情報処理装置100は、本発明の実施形態にかかる機能を発揮するための構成要素として、例えば静電センサ109、加速度センサ111、メモリ113、CPU(Central Processing Unit)120を備える。静電センサ109および加速度センサ111は、いずれか一方のみが備えられていてもよい。
【0027】
また、情報処理装置100は、上記の他に、その機能に応じて、ネットワークに接続された通信装置や、リムーバブル記憶媒体の読み書きを行う装置、音声出力装置などを適宜備える。
【0028】
CPU120は、メモリ113に記憶されたプログラムを実行して、状態判定部121および表示制御部123の機能を実現する。このとき、CPU120は、必要に応じて静電センサ109、加速度センサ111、およびタッチパネル105から入力される情報や信号に基づいて各種の処理を実行する。また、CPU120は、必要に応じてLCD103に処理の結果を出力する。
【0029】
静電センサ109は、ユーザの接触に反応する状態検出手段として、筐体101の表面に配置される。このとき、静電センサ109は、異なった方向からの接触を検出するため、複数配置されてもよい。CPU120は、静電センサ109の反応の有無を入力として受け取る。
【0030】
加速度センサ111は、筐体101の加速度を測定する状態検出手段として、筐体101の内部に設置される。CPU120は、加速度センサ111によって測定された加速度の向きおよび大きさを入力として受け取り、筐体101の傾き、および筐体101に加えられた衝撃を検出する。
【0031】
メモリ113は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の記憶装置である。メモリ113に記憶され、CPU120によって実行されるプログラムは、情報処理装置100の製造時に書き込まれたものでもよく、上記の通信装置やリムーバブル記憶媒体等を通して取得して、一時的に記憶されているものでもよい。
【0032】
<2.本発明の各実施形態の詳細>
[2−1.第1の実施形態(接触を検出する情報処理装置の例)]
図3は、本発明の第1の実施形態に係る情報処理装置100が行う処理の概略を示すフローチャートである。以下、図3、および各過程における情報処理装置100の状態を示す図4A〜図4Cを参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0033】
本実施形態において、情報処理装置100は、筐体101の表面に静電センサ109を備える。静電センサ109は、筐体101の左右両端部に配置される。静電センサ109は、情報処理装置100の機能に応じて、ユーザが保持する際に接触することが想定される任意の部分に設置されていればよい。
【0034】
図4Aは、筐体101がユーザの左手によって保持された状態を示す図である。このとき、筐体101の左側の端部に備えられた静電センサ109が反応する。
【0035】
この場合、状態判定部121は、まず静電センサ109の反応があったかどうか判定し(ステップS101)、次に反応した静電センサ109が左側であるかどうかを判定する(ステップS103)。
【0036】
反応した静電センサ109が左側である場合、表示制御部123は、LCD103上においてボタン107を左側へ移動させ、所望の位置、すなわち左側端部に沿った領域内に表示する(ステップS105)。ボタン107は、滑るような視覚効果を伴って移動してもよいし、瞬時に移動してもよい。また、この時点で表示されていない場合には、上記所望の位置に出現させてもよい。
【0037】
この結果、ボタン107は、ユーザが左手で端末を保持したまま、左手の指で操作できる範囲に表示され、ユーザは、指がボタンに届かないといったストレスを感じることなく、ボタン107の操作を行うことができる。
【0038】
図4Bは、筐体101がユーザの右手によって保持された状態を示す図である。この場合、静電センサ109の反応はあった(ステップS101)が、左側ではない(ステップS103)ため、表示制御部123は、ボタン107をLCD103上において右側へ移動させる(ステップS107)。移動の方法や、移動の結果表示される位置は、左側に移動する場合と同様である。
【0039】
図4Cは、筐体101がユーザに保持されていない状態を示す図である。このとき、左右両端面の各静電センサ109はいずれも反応しない。状態判定部121は、静電センサ109の反応が切れたかどうかの判定を行う(ステップS109)。静電センサ109の反応が切れた場合、表示制御部123は、ボタン107をLCD13の下辺側に移動させる(ステップS111)。
【0040】
筐体101がユーザに保持されていない状態において、必ずしもボタン107を上記の例のように移動させる必要はなく、その直前にユーザが保持していた状態での位置をそのまま保ってもよいし、例えば画面に壁紙表示などがされていれば、邪魔にならないように一時的に消失させてもよい。
【0041】
[2−2.第2の実施形態(衝撃を検出する情報処理装置の例)]
図5Aおよび図5Bは、本発明の第2の実施形態に係る情報処理装置100の、各過程における状態を示す図である。以下、図5Aおよび図5Bを参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0042】
本実施形態において、情報処理装置100は、筐体101の内部に加速度センサ111を備える。状態判定部121は、加速度センサ111が測定した加速度の変化から、ユーザによって筐体101に衝撃が加えられたかどうか、衝撃が加えられた場合、それが左側からの衝撃か右側からの衝撃かの判定を行う。
【0043】
図5Aは、ユーザによって筐体101に左側から衝撃が加えられた状態を示す図である。この場合、表示制御部123は、図5Bに示すように、ボタン107を、LCD103上において、所望の位置、すなわち左側端部に沿った領域内に移動して表示する。ボタン107は、滑るような視覚効果を伴って移動してもよいし、瞬時に移動してもよい。また、この時点で表示されていない場合には、上記所望の位置に出現させてもよい。
【0044】
ユーザによって筐体101の右側から衝撃が加えられた場合、左側から衝撃が加えられた場合と同様に、表示制御部123は、ボタン107をLCD103上において右側に移動させる。
【0045】
[2−3.第3の実施形態(傾きを検出する情報処理装置の例)]
図6は、本発明の第3の実施形態に係る情報処理装置100が行う処理の概略を示すフローチャートである。以下、図6、ならびに各過程における情報処理装置100の状態を示す図7A〜図7C、ならびに傾きの向きを示す図8Aおよび図8Bを参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0046】
本実施形態において、情報処理装置100は、筐体101の内部に加速度センサ111を備える。状態判定部121は、加速度センサ111が測定した加速度の変化から、ユーザが筐体101をそのぐらい傾けたか、傾けた場合、それはどの方向かを判定する。
【0047】
図7Aは、ユーザによって筐体101がほぼ水平に保持された状態を示す図である。筐体101の傾きの大きさが所定の角度θ未満である場合、表示制御部123は処理を開始せず(ステップS201)、ボタン107は移動しない。
【0048】
図7Bは、ユーザによって筐体101が傾けられ、傾きの大きさが所定の角度θ以上になった状態を示す図である。
【0049】
この場合、状態判定部121は、まず筐体101の傾きの大きさが所定の角度θ以上になったかどうか判定し(ステップS201)、次に傾きの向きが左側であるかどうかを判定する(ステップS203)。
【0050】
筐体101の傾きが左側である場合、表示制御部123は、LCD103上においてボタン107を左側へ移動させ、所望の位置、すなわち左側端部に沿った領域内に表示する(ステップS205)。ボタン107は、滑るような視覚効果を伴って移動してもよいし、瞬時に移動してもよい。また、この時点で表示されていない場合には、上記所望の位置に出現させてもよい。
【0051】
傾きの向きの判定(ステップS203)において、筐体101の傾きが右側である場合は、ボタン107は右側へ移動する(ステップS207)。移動の方法や、移動の結果表示される位置は、左側に移動する場合と同様である。
【0052】
また、一旦ボタン107が左側または右側に移動した後に、ユーザによって筐体101が移動の向きとは逆側に所定の角度以上傾けられた場合(ステップS209)、表示制御部123は、ボタン107を逆側に移動させる(ステップS211)。
【0053】
かかるステップを設けることにより、例えばユーザが筐体101を手に取る過程で、筐体101が一瞬、ユーザが保持しようとしている側と逆側に傾いてしまったとしても、その後保持する側に筐体101を傾ければ、本来所望していた位置にボタン107を表示することができる。
【0054】
図7Cは、ユーザによって筐体101がほぼ水平に戻された状態を示す図である。この場合、ボタン107は、LCD103の左側端部に沿った領域内にとどまっている。このため、ユーザは、一旦ボタン107が移動された後は、筐体101を水平に戻して保持し、情報処理装置100を操作することができる。
【0055】
上記のボタン107の移動が終了した状態で、さらに、衝撃の判定を行い、ユーザが筐体101に衝撃を加えた場合(ステップS213)、ボタンを消失させてもよい(ステップS217)。また、筐体101が水平に戻ってから所定の時間が経過した場合(ステップS215)、ボタンを消失させてもよい(ステップS217)。
【0056】
かかるステップを設けることにより、ユーザがLCD103上で例えばWebページの閲覧や映像コンテンツの再生等を行っている場合に、操作する必要のないボタン107を消失させ、LCD103上でWebページや映像コンテンツを表示する領域を最大にすることができる。
【0057】
なお、本実施形態において、状態判定部121は、図8Aに示すような、筐体101の表示面と平行な面内(x−y平面とする)での回転に相当する傾きがあったかどうかを判定することとしたが、これは、想定される筐体101の保持の方向に応じて、例えば図8Bに示すように、筐体101の表示面と直交する面内(上記x−y平面に対して、x−z平面、またはy−z平面にあたる)での回転に相当する傾きであってもよい。
【0058】
[2−4.第4の実施形態(傾きを検出する情報処理装置の変形例)]
図9は、本発明の第4の実施形態に係る情報処理装置100が行う処理の概略を示すフローチャートである。以下、図9、および各過程における情報処理装置100の状態を示す図10A〜図10Fを参照して、本発明の第4の実施形態について説明する。
【0059】
本実施形態において、情報処理装置100は、筐体101の内部に加速度センサ111を備える。状態判定部121は、上記の第3の実施形態と同様に筐体101の傾きに関する判定を行うほか、ユーザから筐体101に衝撃が加えられたかどうかの判定を行う。ただし、第2の実施形態とは異なり、衝撃が左側からの衝撃か右側からの衝撃かを判定することは必ずしも必要ではない。
【0060】
なお、図9のフローチャートは、筐体101の傾きの向きが左側である場合を例として記述しているが、筐体101の傾きの向きが右側である場合も同様である。
【0061】
図10Aは、ユーザによって筐体101がほぼ水平に保持された状態を示す図である。初期表示の状態として、ボタン107は、LCD103上の所定の位置に、散らばって配置されている。筐体101の傾きの大きさが所定の角度未満である場合、表示制御部123は処理を開始せず(ステップS301)、ボタン107は移動しない。
【0062】
図10Bは、ユーザによって筐体101が傾けられ、傾きの大きさが所定の角度以上になった状態を示す図である。この場合、状態判定部121は、筐体101が所定の角度以上左側に傾いたことを判定する(ステップS301)。筐体101が所定の角度以上左側に傾いた場合、表示制御部123は、LCD103上において、ボタン107を左側へ移動して表示させる(ステップS303)。
【0063】
ここで、ボタン107は滑るような視覚効果を伴って移動する。図10Aに示したような、散らばって配置された状態から移動するため、上記移動を開始してしばらくの間、表示されているボタン107のそれぞれの間には隙間がある。このとき、ユーザは、タッチパネル105を操作することでボタン107の位置をさらに変更することができる。
【0064】
図10Cは、ユーザが、タッチパネル105を操作することでボタン107の位置をさらに変更している状態を示す図である。ユーザがLCD103上に表示されているボタン107を指でドラッグする操作を行ったことが、タッチパネル105から入力された場合、表示制御部123は、ユーザによる操作の対象となったボタン107について、上記ドラッグ操作に対応した変位を与えてLCD103上に表示する(ステップS305)。
【0065】
このように、筐体101の傾きによる自動的な移動に加えて、ユーザの操作によってもボタン107の移動を可能とすることで、単にユーザが保持している手の指で操作できる範囲内にボタン107を配置するのみならず、ボタン107の配置の順番をもユーザの所望のものとすることで、さらにユーザにとって操作がしやすいボタン配置を実現することができる。
【0066】
図10Dは、ボタン107が左側へ移動した結果、LCD103の左側端部を左の端として、左右に隙間がない状態で表示された状態を示す図である。表示制御部123は、LCD103の表示において、ボタン107の左右に隙間がない状態になった場合(ステップS307)、LCD103上において、ボタン107を下側へ移動して表示させる(ステップS309)。
【0067】
ここでも、ボタン107は滑るような視覚効果を伴って移動する。図10Dに示したような状態においても、ボタン107の上下には隙間がある。このとき、ユーザは、ボタン107が左側に移動している間と同様に、タッチパネル105を操作することでボタン107の位置をさらに変更することができる(ステップS311)。
【0068】
図10Eは、ボタン107が下側へ移動した結果、LCD103の下側端部を下の端として、上下に隙間がない状態で配置された状態を示す図である。表示制御部123は、LCD103の表示において、ボタン107の上下に隙間がない状態になった場合(ステップS313)、LCD103上において、ボタン107の位置を固定する(ステップS315)。
【0069】
以上の処理により、ボタン107の移動は一旦終了し、ユーザは、所望の位置に配置されたボタン107によって情報処理装置100を操作することができるようになる。
【0070】
しかし、以上の処理においてユーザがタッチパネル105によってボタン107の位置を変更したことにより、配置されたボタン107の位置が所望のものとは異なっていることもありうる。
【0071】
図10Fは、上記のような場合に、ユーザが筐体101に衝撃を与えた状態を示す図である。状態判定部121は、加速度センサ111が測定した加速度の変化から、衝撃があったかどうか判定する(ステップS317)。衝撃があった場合、表示制御部123は、ボタン107を、再度散らばって配置された状態で表示させる(ステップS319)。
【0072】
ここから再び、筐体101を傾ける操作(ステップS301)を行うことで、ユーザは所望のボタン107の配置が完成するまで、何度でも配置をやり直すことができる。
【0073】
<3.補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0074】
例えば、上記実施形態では、接触、衝撃、および傾きを検出する情報処理装置をそれぞれ別個の実施形態としたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、接触を衝撃、衝撃と傾き、傾きと接触、または接触を衝撃と傾きをあわせて検出し、組み合わせて用いてもよい。また、ソフトウェアの設定により切り替えて用いてもよい。
【0075】
また、上記実施形態では、ユーザの接触を静電センサにより検出することとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、静電センサ以外のセンサにより検出してもよく、タッチパネルの端部により検出してもよい。
【0076】
また、上記実施形態では、筐体の傾きおよび衝撃を加速度センサにより検出することとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、衝撃については接点スイッチにより検出することとして、加速度センサの構造を単純化してもよい。
【0077】
また、上記実施形態では、いずれも本発明の実施形態に係る情報処理装置について説明したが、本発明は係る例に限定されない。例えば、加速度センサ等を備えた情報処理装置に、上記実施形態で説明した各種処理を実行させるためのプログラムとして、通信回線やリムーバブル記憶媒体等を通じて提供されてもよい。
【符号の説明】
【0078】
100 情報処理装置
101 筐体
103 LCD
105 タッチパネル
107 ボタン
109 静電センサ
111 加速度センサ
113 メモリ
120 CPU
121 状態判定部
123 表示制御部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
表示画面と、
前記表示画面に配置されたタッチパネルと、
前記表示画面に表示され、前記タッチパネルを通して操作される操作子と、
前記筐体の状態の変化を検出する状態検出手段と、
前記状態検出手段によって検出された前記筐体の状態の変化を判定する状態判定部と、
前記状態判定部の判定結果に応じて、前記操作子を前記表示画面上の所望の位置に表示する表示制御部と、
を含む、情報処理装置。
【請求項2】
前記判定結果は、
前記筐体がユーザによって保持されている方向であり、
前記表示制御部は、
前記操作子を、前記表示画面の前記保持されている方向の端部に沿った領域内に表示する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記状態検出手段は、
前記状態の変化として、前記筐体の所定の部分へのユーザの接触を検出するために用いられる、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記状態検出手段は、静電センサまたは近接センサである、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記状態検出手段は、
前記状態の変化として、ユーザによって前記筐体に加えられた衝撃を検出するために用いられる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記状態検出手段は、
前記状態の変化として、ユーザによって前記筐体に加えられた傾きの変化を検出するために用いられる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記状態検出手段は、加速度センサである、請求項5または6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、
前記操作子を、前記状態の変化に応じて前記表示画面上で移動させることにより、所望の位置に表示する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記表示制御部は、
前記操作子を、前記タッチパネルを通した操作に応じて前記表示画面上でさらに移動させることにより、所望の位置に表示する、請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記表示制御部は、
前記操作子を、前記状態の変化に応じて前記表示画面上で出現または消失させることにより、所望の位置に表示する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記表示制御部は、
前記操作子を、前記状態の変化が所定の時間検出されなかったときに消失させる、請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
筐体と、
表示画面と、
前記表示画面に配置されたタッチパネルと、
前記表示画面に表示され、前記タッチパネルを通して操作される操作子と、
前記筐体の状態の変化を検出する状態検出手段と、
を含む情報処理装置において、
前記状態検出手段によって検出された前記筐体の状態の変化を判定するステップと、
前記判定するステップの判定結果に応じて、前記操作子を前記表示画面上の所望の位置に表示するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図10E】
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【図10F】
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【公開番号】特開2011−141825(P2011−141825A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−3086(P2010−3086)
【出願日】平成22年1月8日(2010.1.8)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】