説明

情報処理装置およびワークフロー制御方法およびプログラムおよび記録媒体

【課題】ワークフローシステムから周辺システムのデータベースやファイルデータにアクセスする際、ワークフローの工程位置や処理状況に対応したアクセス権限制御を行うこと。
【解決手段】ワークフロー工程へのアクセス要求に応じてワークフローを制御するワークフローサーバ101の外部リソースアクセス権限判断部304が、アクセス要求されたワークフロー工程が外部リソースへのアクセスを許可されているかどうかを判断し、外部リソースへのアクセスを許可されていると判断した場合に、ワークフロー処理部302が、外部リソースへのアクセスを許可する構成を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークフロー工程へのアクセス要求に応じてワークフローを制御する情報処理装置およびワークフロー制御方法およびプログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の担当者が関わる作業の流れを定義した経路やルールに従って様々な業務フローをコントロールするワークフローシステムの導入により、業務プロセスが電子化され、意思決定のスピード化、業務の可視化、業務の属人性の排除、など、業務効率化を図ることができる。
【0003】
近年では、企業で様々な業務プロセスがシステム化され、IT統制のニーズの高まりもあって、ワークフローシステムと周辺システムとのデータ連携が求められている。
【0004】
例えば、ある工程を承認する際、周辺システムのデータベースを更新したり、また、ある工程を承認する参考資料として周辺システムのデータベースから情報を取得する、といった要件がある。
【0005】
また、周辺システムへのアクセスだけではなく、参考資料をサーバのファイルシステムから取得したり、ログ情報としてPDFデータを記録する、といった要件もある。
【0006】
周辺システムのデータベースやファイルデータにアクセスする場合、ワークフローシステムに対する認証だけではなく、更新や参照をして良い担当者か否かの権限チェックも行われるべきである。
【0007】
特許文献1では、データの安全性を犠牲にすることなくデータの参照権限の無いユーザの利便性を高めたデータ管理装置、データ管理方法、及びそのプログラム等が提案されている。
【0008】
この特許文献1は、ワークフローシステムの利用の可否とは独立して、ユーザのワークフローに添付されたデータへのアクセスの可否を判定し、ワークフローシステムの利用が可能と判断されたが、データへのアクセスが不可と判断された場合、データに対するアクセス権の変更権限を有する他のユーザの情報及びワークフロー上の処理の代行権限を有する他のユーザの情報を、他のユーザの情報毎に選択可能に提供するものである。
【0009】
これにより、アクセス権がない場合の以後の処理判断をその場で行うことが可能となり、結果としてデータ管理装置の利便性を高めることができる。
【特許文献1】特開2005−259104号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載のシステムでは、ワークフローシステムから周辺システムのデータベースやファイルデータにアクセスする際、ワークフローの工程位置や処理状況に応じた権限制御ができないという問題点があった。
【0011】
また、同じ工程であっても、閲覧・更新、など、処理用途によってアクセス可否を判断する、といった権限制御ができないという問題点があった。
【0012】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、ワークフローシステムから周辺システムのデータベースやファイルデータにアクセスする際、ワークフローの工程位置や処理状況に対応したアクセス権限制御を行う仕組みを提供することである。
【0013】
また、同じ工程であっても、処理用途によって業務情報を閲覧操作するための帳票画面を別々に定義し、帳票画面によってアクセス可否を判断する、といった、工程に対する処理用途に応じて周辺システムのデータベースやファイルデータへのアクセス権限制御を行う仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、ワークフロー工程へのアクセス要求に応じてワークフローを制御する情報処理装置であって、前記アクセス要求されたワークフロー工程が外部リソースへのアクセスを許可されているかどうかを判断し、外部リソースへのアクセスを許可されていると判断した場合に、外部リソースへのアクセスを許可する制御手段と、ワークフロー工程と外部リソース定義を関連付けた関連付け情報を記憶する記憶手段とを設け、前記制御手段は、前記記憶手段に前記アクセス要求されたワークフロー工程と外部リソース定義を関連付けた関連付け情報が記憶されている場合に、前記アクセス要求されたワークフロー工程が外部リソースへのアクセスを許可されていると判断する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ワークフローシステムから周辺システムのデータベースやファイルデータにアクセスする際、ワークフローの工程位置と処理状況に対応したアクセス権限制御を行う仕組みを提供できる。
【0016】
また、工程に対する処理用途に応じて周辺システムのデータベースやファイルデータへのアクセス権限制御を行う仕組みを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
〔第1実施形態〕
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態を示すワークフローシステムの一例を示すシステム構成図である。
【0019】
図1に示すように、本実施形態のワークフローシステムは、少なくとも1つのワークフローサーバ101とワークフロークライアント102がネットワーク100を介して接続されている。
【0020】
また、ワークフローサーバ101と外部システムサーバ103がネットワーク100を介して接続されている。
【0021】
ネットワーク100の構成は公知であるから詳細な説明は省略するが、ネットワーク100としてローカルエリアネットワーク(LAN)・ワイドエリアネットワーク(WAN)・イントラネット・インターネットなどを利用することができる。
【0022】
このようなワークフローシステムにおいて、ユーザは、例えばウェブブラウザやクライアントソフトウェア等を利用して、ワークフロークライアント102から、ワークフローサーバ101に対して、ワークフロー進行の要求等を行う。
【0023】
ワークフローサーバ101は、ワークフロークライアント102からの要求に応じた処理、管理を行い、必要があれば外部システムサーバ103にアクセスして処理を行い、さらに、必要があればワークフロークライアント102に対して結果等を送信する。
【0024】
図2は、図1に示したワークフローサーバ101とワークフロークライアント102と外部システムサーバ103のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0025】
図2において、CPU201は、システムバス204に接続される各デバイスを統括的に制御する。また、ROM203あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるオペレーティングシステム(OS)や、各サーバあるいは各クライアントの後述する各種機能を実現するためのプログラムが記憶されている。
【0026】
RAM202は、CPU201の主メモリ、ワークエリア、一時待避領域等として機能する。
【0027】
入力コントローラ205は、入力部209からの入力を制御する。この入力部209としては、特に、サーバやクライアント等の端末では、キーボード、マウス等のポインティングデバイスが挙げられる。
【0028】
出力コントローラ206は、出力部210の表示を制御する。この出力部210としては、例えば、CRTや液晶等が挙げられる。
【0029】
外部メモリコントローラ207は、ブートプログラム、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、プリンタドライバ等を記憶する外部メモリ211へのアクセスを制御する。加えて、外部メモリコントローラ207には、各サーバあるいは各クライアントの各種機能を実現するための各種テーブル、パラメータが記憶されている。
【0030】
この外部メモリ211としては、ハードディスク(HD)やフロッピー(登録商標)ディスク(FD)、PCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア等が挙げられる。
【0031】
通信I/Fコントローラ208は、ネットワーク214を介して外部機器との通信制御処理を実行する。
【0032】
なお、212はハードウェアの如く図示されているが、ハードウェアではなく、本発明を実現するためのプログラムである。このプログラム212は、外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM202にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。
【0033】
図3は、図1に示したワークフローサーバ101において実現される機能構成の一例を示す図である。
【0034】
図3に示すように、ワークフローサーバ101は、その機能構成として、入出力処理部301と、ワークフロー処理部302と、帳票画面特定部303と、外部リソースアクセス権限判断部304と、帳票画面定義311と、帳票画面・ワークフロー工程関連定義312と、外部リソース定義313と、外部リソース・帳票画面関連定義314とを含んでいる。
【0035】
入出力処理部301は、ワークフローサーバ101の入力コントローラ205または通信I/Fコントローラ208からの入力情報を受け付ける処理を行う。また、入出力処理部301は、受け付けた入力情報を内容によりワークフロー処理部302への要求に変換する。さらに、入出力処理部301は、上記要求に対応する結果が応答される場合には、その結果を出力コントローラ206または通信I/Fコントローラ208に対して出力する。
【0036】
ワークフロー処理部302は、入出力処理部301からの要求に応じて、外部リソースへのアクセスを制御する。詳細には、ワークフロー処理部302は、入出力処理部301からの要求に外部リソースアクセス要求が含まれる場合、帳票画面特定部303に帳票画面の特定指示を行い、外部リソースアクセス権限判断部304に外部リソースアクセス権限の判断指示を行う。
【0037】
帳票画面特定部303は、ワークフロー処理部302からの指示に応じて、ワークフロー工程に関連づけられた帳票画面を特定する。詳細には、帳票画面特定部303は、帳票画面・ワークフロー工程関連定義312(図4)に格納されている帳票画面とワークフロー工程との関連情報を参照して、指示されたワークフロー工程に関連付けられた帳票画面を特定する。また、帳票画面特定部303は、特定した帳票画面情報を帳票画面定義311(図5)から取得する。
【0038】
外部リソースアクセス権限判断部304は、ワークフロー処理部302からの指示に応じて、帳票画面特定部303によって特定された帳票画面が外部リソースへのアクセスを許可されているかをチェックする。詳細には、外部リソースアクセス権限判断部304は、外部リソース・帳票画面関連定義314(図6)に格納されている外部リソースと帳票画面との関連情報を参照して、帳票画面特定部303によって特定された帳票画面が指示された外部リソースに関連づけられているかチェックし、関連づけがある場合のみ外部リソースアクセス権限があると判断する。
【0039】
また、外部リソースアクセス権限判断部304は、外部リソースアクセス権限があると判断した場合は、外部リソース情報を外部リソース定義313(図7)から取得する。外部リソース定義には図示しない外部リソース種別が管理されており、外部リソース種別には例えばデータベースやPDFファイル形式、CSVファイル形式などがある。
【0040】
帳票画面・ワークフロー工程関連定義312は、帳票画面とワークフロー工程との関連情報を格納する格納部である。なお、帳票画面・ワークフロー工程関連定義312に格納する帳票画面とワークフロー工程との関連情報の詳細は後述する図4に示す。
【0041】
帳票画面定義311は、帳票画面情報を格納する格納部である。なお、帳票画面定義311に格納する帳票画面情報の詳細は後述する図5に示す。
【0042】
外部リソース・帳票画面関連定義314は、外部リソースと帳票画面との関連情報を格納する格納部である。なお、外部リソース・帳票画面関連定義314に格納する外部リソースと帳票画面との関連情報の詳細は後述する図6に示す。
【0043】
外部リソース定義313は、外部リソース情報を格納する格納部である。なお、外部リソース定義313に格納する外部リソース情報の詳細は後述する図7に示す。
【0044】
なお、入出力処理部301と、帳票画面特定部303と、外部リソースアクセス権限判断部304は、ワークフローサーバ101のCPU201が外部メモリ211に格納されるプログラム212をRAM202にロードして実行することにより実現される機能に対応する。
【0045】
また、帳票画面定義311と、帳票画面・ワークフロー工程関連定義312と、外部リソース定義313と、外部リソース・帳票画面関連定義314は、外部メモリ211内の記憶領域として実現される。
【0046】
以下、図4〜図7を参照して、帳票画面・ワークフロー工程関連定義312,帳票画面定義311,外部リソース定義313,外部リソース・帳票画面関連定義314について説明する。
【0047】
図4は、図3に示した帳票画面・ワークフロー工程関連定義312に格納されている帳票画面とワークフロー工程との関連情報の一例を示す図である。
【0048】
図4に示すように、帳票画面とワークフロー工程との関連情報は、業務ID1201と、帳票画面ID1202と、工程ID1203と、用途1204とを含む。
【0049】
例えば、業務ID1201には、業務プロセスを識別する識別情報が設定されている。また、帳票画面ID1202には、帳票画面を識別する識別情報が設定されている。また、工程ID1203には、業務プロセスのワークフロー工程を識別する識別情報が設定されている。
【0050】
また、用途1204には、ワークフロー工程を利用する際の処理用途が設定されている。例えば、トラッキング,更新等が設定されており、ワークフロー工程に対する処理用途に応じて帳票画面が関連づけされている。
【0051】
図5は、図3に示した帳票画面定義311に格納されている帳票画面情報の一例を示す図である。
【0052】
図5に示すように、帳票画面情報は、業務ID901と、帳票画面ID902と、帳票画面設計情報903とを含む。例えば、業務ID901には、業務プロセスを識別する識別情報が設定されている。また、帳票画面ID902には、帳票画面を識別する識別情報が設定されている。
【0053】
また、帳票画面設計情報903には、帳票画面を構成する設計情報が設定されている。例えば、項目や項目の表示位置、色、サイズ、関数情報、アクセス要求発行コマンドが設定されている。
【0054】
図6は、図3に示した外部リソース・帳票画面関連定義312に格納されている外部リソースと帳票画面との関連情報の一例を示す図である。
【0055】
図6に示すように、外部リソースと帳票画面との関連情報は、業務ID1101と、帳票画面ID1102と、外部DB定義ID1103とを含む。
【0056】
例えば、業務ID1101には、業務プロセスを識別する識別情報が設定されている。また、帳票画面ID1102には、帳票画面を識別する識別情報が設定されている。また、外部DB定義ID1103には、外部リソースを識別する識別情報が設定されている。
【0057】
図7は、図3または図10に示した外部リソース定義313に格納されている外部リソース情報の一例を示す図である。
【0058】
図7に示すように、外部リソース情報は、外部DB定義ID1001と、接続方法1002と、テーブル名1003と、利用許可種別値1004とを含む。
【0059】
例えば、外部DB定義ID1001には、外部リソースを識別する識別情報が設定されている。また、接続方法1002には、外部リソースに接続するための接続方法、例えばJNDI名などが設定されている。また、テーブル名1003には、接続するデータベーステーブル名が設定されている。
【0060】
また、利用許可種別値1004には、外部リソースに対して利用が許可される操作種別値が設定されている。例えば、SELECT,INSERT,UPDATE,DELETEなど、外部リソースに対して許可される操作に該当するコード値、または、許可操作が複数となる場合はその合計値が設定されている。
【0061】
以下、図8を参照して、図3に示した機能構成で実現される、ワークフロー工程、帳票画面定義311、帳票画面・ワークフロー工程関連定義312、外部リソース定義313、外部リソース・帳票画面関連定義314の関連について説明する。
【0062】
図8は、図3に示した機能構成で実現される、ワークフロー工程、帳票画面定義311、帳票画面・ワークフロー工程関連定義312、外部リソース定義313、外部リソース・帳票画面関連定義314、の関連の一例を示す図である。
【0063】
図8において、501〜503は業務プロセスのワークフロー工程の一例を示している。
【0064】
申請501は、申請工程であり、申請501が担当者によって申請されると業務を開始し、合議502に遷移する。
【0065】
合議502は、複数担当者の投票によって承認や否決を決定する合議工程であり、合議502が担当者によって投票され、合議成立条件を満たすと最終承認503に遷移する。
【0066】
最終承認503は、最終承認工程であり、最終承認503が担当者によって承認されると業務は完了する。
【0067】
申請操作画面511は、帳票画面定義311に格納される帳票画面情報であり、申請501の更新用の帳票画面情報を示す。また、申請501と申請操作画面511の関連情報は、帳票画面・ワークフロー工程関連定義312に格納される。
【0068】
申請閲覧画面512は、帳票画面定義311に格納される帳票画面情報であり、申請501のトラッキング閲覧用の帳票画面情報を示す。また、申請501と申請閲覧画面512の関連情報は、帳票画面・ワークフロー工程関連定義312に格納される。
【0069】
合議投票画面513は、帳票画面定義311に格納される帳票画面情報であり、合議502の更新用の帳票画面情報を示す。また、合議502と合議投票画面513の関連情報は、帳票画面・ワークフロー工程関連定義312に格納される。
【0070】
合議閲覧画面514は、帳票画面定義311に格納される帳票画面情報であり、合議502のトラッキング閲覧用の帳票画面情報を示す。また、合議502と合議閲覧画面514の関連情報は、帳票画面・ワークフロー工程関連定義312に格納される。
【0071】
最終承認操作画面515は、帳票画面定義311に格納される帳票画面情報であり、最終承認503の更新用の帳票画面情報を示す。また、最終承認503と最終承認操作画面515の関連情報は、帳票画面・ワークフロー工程関連定義312に格納される。
【0072】
最終承認閲覧画面516は、帳票画面定義311に格納される帳票画面情報であり、最終承認503のトラッキング閲覧用の帳票画面情報を示す。また、最終承認503と最終承認閲覧画面516の関連情報は、帳票画面・ワークフロー工程関連定義312に格納される。
【0073】
計算関数521は、申請操作画面511内に埋め込まれている計算用関数情報である。計算関数522は、申請閲覧画面512内に埋め込まれている計算用関数情報である。
【0074】
経理DB検索関数523は、合議投票画面513に埋め込まれている外部リソース参照用関数情報であり、経理DB531の経費分類テーブル542にアクセス可能である。なお、合議投票画面513(経理DB検索関数523を含む)が経費分類テーブル542にアクセスできる定義は外部リソース・帳票画面関連定義314に格納される。
【0075】
経理DB検索関数524は、合議閲覧画面514に埋め込まれている外部リソース参照用関数情報であり、経理DB531の経費分類テーブル542にアクセス可能である。なお、合議閲覧画面514(経理DB検索関数524を含む)が経費分類テーブル542にアクセスできる定義は外部リソース・帳票画面関連定義314に格納される。
【0076】
経理DB検索関数525は、最終承認操作画面515に埋め込まれている外部リソース参照用関数情報であり、経理DB531の経費分類テーブル542にアクセス可能である。なお、最終承認操作画面515(経理DB検索関数525を含む)が経費分類テーブル542にアクセスできる定義は外部リソース・帳票画面関連定義314に格納される。
【0077】
経理DB操作関数526は、最終承認操作画面515に埋め込まれている外部リソース更新用関数情報であり、経理DB531の経費テーブル543にアクセス可能である。なお、最終承認操作画面515(経理DB操作関数526を含む)が経費テーブル543にアクセスできる定義は定義は外部リソース・帳票画面関連定義314に格納される。
【0078】
経理DB検索関数527は、最終承認操作画面515に埋め込まれている外部リソース参照用関数情報であり、経理DB531の経費分類テーブル542にアクセス可能である。なお、最終承認閲覧画面516(経理DB検索関数525を含む)が経費分類テーブル542にアクセスできる外部リソース・帳票画面関連定義314に格納される。
【0079】
経理DB531は、ワークフローシステム以外の外部リソースの一例であり、リレーショナルデータベースを示し、経費テーブル541と経費分類テーブル542が定義されている。
【0080】
また、551〜553は、501〜503に示される業務プロセスで進行中の業務状態の一例を示している。
【0081】
551は、申請501が、ユーザAによって申請され、申請工程が完了していることを意味する。申請501の操作者としてユーザAが記録されているため、工程アクセス権限判断部401では、ユーザAは当該業務をトラッキング閲覧できる、と判断する。トラッキング閲覧用の帳票画面は、申請閲覧画面512が適用される。申請閲覧画面512には、外部リソースにアクセスする関数が埋め込まれていないため、外部リソースアクセス権限判断部304では、外部リソースにアクセスできない、と判断する。つまり、ユーザAは申請501をトラッキング閲覧する際、外部リソースへのアクセスはできない。
【0082】
552は、合議502がユーザB、ユーザC、ユーザDによって投票され、合議工程が完了していることを意味する。合議502の操作者としてユーザB、ユーザC、ユーザDが記録されているため、ユーザB、ユーザC、ユーザDは合議502をトラッキング閲覧する権限を保持する。トラッキング閲覧用の帳票画面は、合議閲覧画面514が適用される。なお、議閲覧画面514には経理DB検索関数523が関連づけられているため、外部リソースアクセス権限判断部304では、経理DB531の経費分類テーブル542を検索できる、と判断する。つまり、ユーザB、ユーザC、ユーザDは合議502をトラッキング閲覧する際、経理DB531の経費分類テーブル542を検索できる。
【0083】
553は、最終承認503がユーザEに割り当てられ、最終承認工程が処理中であることを意味する。最終承認503の担当者としてユーザEが記録されているため、ユーザEは最終承認503の更新権限を保持する。なお、更新用の帳票画面定義は、最終承認操作画面515が適用される。また、最終承認操作画面515には、経理DB検索関数525、及び、経理DB操作関数526が関連づけられているため、外部リソースアクセス権限判断部304では、経理DB531の経費分類テーブル542の検索、及び、経理DB531の経費テーブル541の更新が可能である、と判断する。つまり、ユーザEは最終承認503を操作する際、経理DB531の経費分類テーブル542の検索、及び、経理DB531の経費テーブル541の更新が可能である。
【0084】
以下、図9を参照して、本発明における外部リソースへのアクセス処理について説明する。
【0085】
図9は、本発明における第1の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、図3に示した機能構成でワークフロー処理部302等により実行される、外部リソースへのアクセス処理に対応する。即ち、このフローチャートの処理は、ワークフローサーバ101のCPU201が外部メモリ211に格納されるプログラム212をRAM202にロードして実行することにより実現される。
【0086】
ステップS601では、ワークフロー処理部302は、入出力処理部301を経由してワークフロー工程へのアクセス要求を受信する。なお、このアクセス要求には、業務ID,工程ID、処理用途等の情報を含む。
【0087】
次に、ステップS602では、ワークフロー処理部302は、ワークフロー工程へのアクセス要求に外部リソースアクセス指示が含まれているかどうかの判定を行う。
【0088】
そして、ステップS602で、外部リソースへのアクセス指示が含まれていないと判定した場合には、外部リソースアクセス処理を完了する。
【0089】
一方、ステップS602で、外部リソースへのアクセス指示が含まれていると判定した場合は、ワークフロー処理部302は、ステップS603に処理を進める。
【0090】
次に、ステップS603では、ワークフロー処理部302は、帳票画面特定部303に帳票画面の特定指示を行う。なお、この特定指示には、ワークフロー工程を取得条件として業務ID,工程ID、処理用途等の情報を含む。
【0091】
帳票画面特定部303は、アクセス要求されたワークフロー工程を取得条件として、帳票画面・ワークフロー工程関連定義312に格納されている情報を取得し、指示されたワークフロー工程に関連付けられた帳票画面を特定してステップS604に処理を進める。
【0092】
本実施形態では、帳票画面・ワークフロー工程関連定義312に更新用途やトラッキング閲覧用途等の処理用途を含める構成であるため、ワークフロー工程へのアクセス要求に含まれる処理用途を取得条件に加え、ワークフロー工程に対する処理用途に応じた帳票画面を特定している。処理用途として、例えば図4の用途1204のように、「トラッキング」,「更新」などを格納しておけば良い。
【0093】
次に、ステップS604では、帳票画面特定部303は、ステップS603で帳票画面とワークフロー工程との関連情報(図4の1201〜1204)が取得できたかどうかの判定を行う。
【0094】
そして、ステップS604で、帳票画面とワークフロー工程との関連情報が取得できなかったと判定した場合には(S604でNo)、ステップS605に処理を進める。
【0095】
ステップS605では、帳票画面特定部303は、権限エラーとして、エラー情報を要求発行元に返信して、外部リソースアクセス処理を完了する。
【0096】
一方、ステップS604で、ステップS603で帳票画面とワークフロー工程との関連情報が取得できたと判定した場合には(S604でYes)、特定した帳票画面とワークフロー工程との関連情報(図4の1201〜1204)をワークフロー処理部302に通知して、ステップS606に処理を進める。この際、特定した帳票画面情報を帳票画面定義311から取得して要求発行元に返信するように構成してもよい。
【0097】
次に、ステップS606では、ワークフロー処理部302は、外部リソースアクセス権限判断部304に外部リソースアクセス権限の判断指示を行う。
【0098】
外部リソースアクセス権限判断部304は、ステップS603で特定した帳票画面とアクセス指示された情報(業務ID)を取得条件として、外部リソース・帳票画面関連定義314に格納されている情報(1101〜1103)を取得してステップS607に処理を進める。
【0099】
次に、ステップS607では、外部リソースアクセス権限判断部304は、ステップS606で外部リソースと帳票画面との関連情報(1101〜1103)が取得できたかどうかの判定を行う。これにより、アクセス要求されたワークフロー工程に対応する帳票画面(即ちアクセス要求されたワークフロー工程)が外部リソースへのアクセスを許可されているかどうかをチェック可能である。
【0100】
そして、ステップS607で、外部リソースと帳票画面との関連情報が取得できなかったと判定した場合は、外部リソースアクセス権限判断部304は、アクセス指示された外部リソースに対して権限のないワークフロー工程の帳票画面からの要求とみなし(判断し)、ステップS608に処理を進める。
【0101】
ステップS608では、外部リソースアクセス権限判断部304は、権限エラーとして、エラー情報を要求発行元に返信して、外部リソースアクセス処理を完了する。
【0102】
一方、ステップS607で、外部リソースと帳票画面との関連情報が取得できたと判定した場合は、外部リソースアクセス権限判断部304は、アクセス指示された外部リソースに対して権限があるワークフロー工程の帳票画面からの要求とみなし(判断し)、ステップS609に処理を進める。この際、外部リソースアクセス権限判断部304は、アクセス指示された外部リソースの定義情報(1001〜1004)を外部リソース定義313から取得する。
【0103】
次に、ステップS609では、ワークフロー処理部302は、S601で受信したアクセス指示に従って外部リソースへのアクセスを行う。即ち、ワークフロー処理部302は、S601で受信したアクセス指示に従って、上記取得した帳票画面に含まれる関数を用いて、上記取得した外部リソースの定義情報で指定された外部リソースへのアクセスを行う。
【0104】
この際、S601で受信したアクセス指示の操作内容が、外部リソース定義313に定義された利用許可種別値の範囲内かどうかを判定する。例えば、利用許可種別値として、図7の利用許可種別値1004のように、SELECT,INSERT,UPDATE,DELETEなど、外部リソースに対して許可される操作に該当するコード値、または、許可操作が複数となる場合はその合計値を格納しておき、アクセス指示の操作内容と比較する。そして、範囲外の場合は権限エラーとして、外部リソースへのアクセスは行わず、エラー情報を要求発行元に返信するように構成してもよい。
【0105】
以上、図9に示したような処理を実行することにより、ワークフローシステムから周辺システムのデータベースやファイルデータにアクセスする際、ワークフローの工程位置(業務ID,工程IDにより特定される)と処理状況(処理用途)に対応したアクセス権限制御を実現できる。
【0106】
また、工程に対する処理用途に応じて周辺システムのデータベースやファイルデータへのアクセス権限制御を行う仕組みを提供できる。
【0107】
〔第2実施形態〕
上記第1実施形態では、外部リソース定義と帳票画面定義を関連付ける外部リソース・帳票画面関連定義314と、帳票画面定義とワークフロー工程を関連づける帳票画面・ワークフロー工程関連定義312を用いて、ワークフロー工程と外部リソース定義を関連付け、アクセス要求されたワークフロー工程が外部リソースへのアクセスを許可されているかどうかを判断する構成を説明した。本実施形態では、外部リソース定義と関数定義を関連付ける外部リソース・関数関連定義412と、関数と帳票画面定義を関連づける関数・帳票画面関連定義413と、帳票画面定義とワークフロー工程を関連づける帳票画面・ワークフロー工程関連定義312を用いて、ワークフロー工程と外部リソース定義を関連付け、アクセス要求されたワークフロー工程が外部リソースへのアクセスを許可されているかどうかを判断するように構成する。以下、この実施形態について説明する。
【0108】
図10は、本発明の第2実施形態における、図1に示したワークフローサーバ101において実現される機能構成の一例を示す図である。なお、図3と同一のものには同一の符号を付してある。
【0109】
図10に示すように、ワークフローサーバ101は、その機能構成として、入出力処理部301と、ワークフロー処理部302と、帳票画面特定部303と、外部リソースアクセス権限判断部304と、工程アクセス権限判定部401と、帳票画面定義311と、帳票画面・ワークフロー工程関連定義312と、外部リソース定義313と、関数定義411と、外部リソース・関数関連定義412と、外部リソース・関数関連定義412と、関数・帳票画面関連定義413とを含んでいる。
【0110】
本実施形態では、外部リソースアクセス権限判断部304で行う判断処理において、外部リソース・関数関連定義412、及び、関数・帳票画面関連定義413を参照するものである。
【0111】
詳細には、外部リソースアクセス権限判断部304は、外部リソース・関数関連定義412に格納されている外部リソースと関数との関連情報、及び、関数・帳票画面関連定義413に格納されている関数と帳票画面との関連情報を参照し、帳票画面特定部303によって特定された帳票画面が指示された外部リソースに関連づけられているかチェックし、関連づけがある場合のみ外部リソースアクセス権限があると判断する。
【0112】
また、外部リソースアクセス権限判断部304は、外部リソースアクセス権限があると判断した場合は、関数情報を関数定義411から取得し、外部リソース情報を外部リソース定義313から取得する。
【0113】
工程アクセス権限判断部401は、ワークフロー処理部302からの指示に応じて、アクセス要求がワークフロー工程にアクセス権限を保持するユーザからなされたものかをチェックする。
【0114】
関数・帳票画面関連定義413は、関数と帳票画面との関連情報を格納する格納部である。なお、関数と帳票画面関連定義413に格納する関数と帳票画面との関連情報の詳細は後述する図11に示す。
【0115】
外部リソース・関数関連定義412は、外部リソースと関数との関連情報を格納する格納部である。なお、外部リソース・関数関連定義412に格納する外部リソースと関数との関連情報の詳細は後述する図12に示す。
【0116】
関数定義411は、関数定義情報を格納する格納部である。なお、関数定義411に格納する関数情報の詳細は後述する図13に示す。
【0117】
なお、入出力処理部301と、帳票画面特定部303と、外部リソースアクセス権限判断部304と、工程アクセス権限判断部401は、ワークフローサーバ101のCPU201が外部メモリ211に格納されるプログラム212をRAM202にロードして実行することにより実現される機能に対応する。
【0118】
また、帳票画面定義311と、帳票画面・ワークフロー工程関連定義312と、外部リソース定義313と、関数定義411と、外部リソース・関数関連定義412と、関数・帳票画面関連定義413は、外部メモリ211内の記憶領域として実現される。
【0119】
以下、図11〜図13を参照して、関数・帳票画面関連定義413、外部リソース・関数関連定義412、関数定義411について説明する。
【0120】
図11は、図10に示した関数・帳票画面関連定義413に格納されている関数と帳票画面との関連情報の一例を示す図である。
【0121】
図11に示すように、関数と帳票画面との関連情報は、業務ID1401と、帳票画面ID1402と、関数ID1403とを含む。
【0122】
例えば、業務ID1401には、業務プロセスを識別する識別情報が設定されている。また、帳票画面ID1402には、帳票画面を識別する識別情報が設定されている。また、関数ID1403には、関数を識別する識別情報が設定されている。
【0123】
図12は、図10に示した外部リソース・関数関連定義412に格納されている外部リソースと関数との関連情報の一例を示す図である。
【0124】
図12に示すように、外部リソースと関数との関連情報は、業務ID1501と、関数ID1502と、外部DB定義ID1503とを含む。
【0125】
例えば、業務ID1501には、業務プロセスを識別する識別情報が設定されている。また、関数ID1502には、関数を識別する識別情報が設定されている。また、外部DB定義ID1503には、外部リソースを識別する識別情報が設定されている。
【0126】
図13は、図10に示した関数定義411に格納されている関数情報の一例を示す図である。
【0127】
図13に示すように、関数情報は、業務ID1301と、関数ID1302と、関数タイプ1303と、関数データ1304とを含む。
【0128】
例えば、業務ID1301には、業務プロセスを識別する識別情報が設定されている。また、関数ID1302には、関数を識別する識別情報が設定されている。また、関数タイプ1303には、関数の種別を示す値が設定されている。例えば、計算,外部DB検索,外部DB操作 などを示す値である。また、関数データ1304には、関数のロジック情報が設定されている。例えば、種別が計算の場合は、計算対象の項目や計算方法が設定されており、また、種別が外部DB検索の場合は、アクセスする外部DB定義が設定されている。
【0129】
以下、図8を参照して、図3に示した機能構成で実現される、ワークフロー工程、帳票画面定義311、帳票画面・ワークフロー工程関連定義312、外部リソース定義313、関数定義411、外部リソース・関数関連定義412、関数・帳票画面関連定義413の関連について説明する。
【0130】
本実施形態では、計算関数521は、関数定義411に格納される計算用関数情報であり、申請操作画面511に関連づけられていることを示す。申請操作画面511と計算関数521の関連情報は、関数・帳票画面関連定義413に格納される。
【0131】
計算関数522は、関数定義411に格納される計算用関数情報であり、申請閲覧画面512に関連づけられていることを示す。申請閲覧画面512と計算関数522の関連情報は、関数・帳票画面関連定義413に格納される。
【0132】
経理DB検索関数523は、関数定義411に格納される外部リソース参照用関数情報であり、合議投票画面513に関連づけられ、また、経理DB531の経費分類テーブル542にアクセスできることを示す。
【0133】
なお、合議投票画面513と経理DB検索関数523の関連情報は、関数・帳票画面関連定義413に格納され、また、経理DB検索関数523が経費分類テーブル542にアクセスできる定義は外部リソース・関数関連定義412に格納される。
【0134】
経理DB検索関数524は、関数定義411に格納される外部リソース参照用関数情報であり、合議閲覧画面514に関連づけられ、また、経理DB531の経費分類テーブル542にアクセスできることを示す。
【0135】
なお、合議閲覧画面514と経理DB検索関数524の関連情報は、関数・帳票画面関連定義413に格納され、また、経理DB検索関数524が経費分類テーブル542にアクセスできる定義は外部リソース・関数関連定義412に格納される。
【0136】
経理DB検索関数525は、関数定義411に格納される外部リソース参照用関数情報であり、最終承認操作画面515に関連づけられ、また、経理DB531の経費分類テーブル542にアクセスできることを示す。
【0137】
なお、最終承認操作画面515と経理DB検索関数525の関連情報は、関数・帳票画面関連定義413に格納され、また、経理DB検索関数525が経費分類テーブル542にアクセスできる定義は外部リソース・関数関連定義412に格納される。
【0138】
経理DB操作関数526は、関数定義411に格納される外部リソース更新用関数情報であり、最終承認操作画面515に関連づけられ、また、経理DB531の経費テーブル543にアクセスできることを示す。
【0139】
なお、最終承認操作画面515と経理DB操作関数526の関連情報は、関数・帳票画面関連定義413に格納され、また、経理DB操作関数526が経費テーブル543にアクセスできる定義は外部リソース・関数関連定義412に格納される。
【0140】
経理DB検索関数527は、関数定義411に格納される外部リソース参照用関数情報であり、最終承認閲覧画面516に関連づけられ、また、経理DB531の経費分類テーブル542にアクセスできることを示す。
【0141】
なお、最終承認閲覧画面516と経理DB検索関数527の関連情報は、関数・帳票画面関連定義413に格納され、また、経理DB検索関数525が経費分類テーブル542にアクセスできる定義は外部リソース・関数関連定義412に格納される。
【0142】
また、工程アクセス権限判断部401では、申請501の操作者としてユーザAが記録されているため、ユーザAは当該業務をトラッキング閲覧できる、と判断する。
【0143】
以下、図14を参照して、本発明の第2実施形態における外部リソースへのアクセス処理について説明する。
【0144】
図14は、本発明における第2の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、図10に示した機能構成でワークフロー処理部302等により実行される、外部リソースへのアクセス処理に対応する。即ち、このフローチャートの処理は、ワークフローサーバ101のCPU201が外部メモリ211に格納されるプログラム212をRAM202にロードして実行することにより実現される。
【0145】
なお、ステップS701〜S705は、図9のステップS601〜S605と同一であるので説明は省略する。
【0146】
ステップS706では、ワークフロー処理部302は、外部リソースアクセス権限判断部304に外部リソースアクセス権限の判断指示を行う。
【0147】
外部リソースアクセス権限判断部304は、ステップS703で特定した帳票画面とアクセス指示された情報(業務ID)を取得条件として、関数・帳票画面関連定義413から関数と帳票画面との関連情報(1401〜1403)を取得し、さらに、該取得した関連情報(1401,1403)の関数を取得条件として、外部リソース・関数関連定義412から外部リソースと関数との関連情報(1501〜1503)を取得する。
【0148】
次に、ステップS707では、外部リソースアクセス権限判断部304は、ステップS706で、関数と帳票画面との関連情報(1401〜1403)及び外部リソースと関数との関連情報(1501〜1503)が取得できたかどうかの判定を行う。これにより、アクセス要求されたワークフロー工程に対応する帳票画面(即ちアクセス要求されたワークフロー工程)が外部リソースへのアクセスを許可されているかどうかをチェック可能である。
【0149】
そして、ステップS707で、関数と帳票画面との関連情報及び外部リソースと関数との関連情報が取得できなかったと判定した場合は、外部リソースアクセス権限判断部304は、アクセス指示された外部リソースに対して権限のないワークフロー工程の帳票画面からの要求とみなし(判断し)、ステップS708に処理を進める。
【0150】
ステップS708では、外部リソースアクセス権限判断部304は、権限エラーとして、エラー情報を要求発行元に返信して、外部リソースアクセス処理を完了する。
【0151】
一方、ステップS707で、関数と帳票画面との関連情報及び外部リソースと関数との関連情報が取得できたと判定した場合は、外部リソースアクセス権限判断部304は、アクセス指示された外部リソースに対して権限があるワークフロー工程の帳票画面からの要求とみなし(判断し)、ステップS709に処理を進める。この際、外部リソースアクセス権限判断部304は、アクセス指示された外部リソースの定義情報(1001〜1004)を外部リソース定義313から取得する。さらに、関数情報を関数定義411から取得する。
【0152】
次に、ステップS709では、ワークフロー処理部302は、S701で受信したアクセス指示に従って外部リソースへのアクセスを行う。即ち、ワークフロー処理部302は、S701で受信したアクセス指示に従って、上記取得した関数情報を用いて、上記取得した外部リソースの定義情報で指定された外部リソースへのアクセスを行う。
【0153】
この際、S701で受信したアクセス指示の操作内容が、外部リソース定義313に定義された利用許可種別値の範囲内かどうかを判定する。例えば、利用許可種別値として、図7の利用許可種別値1004のように、SELECT,INSERT,UPDATE,DELETEなど、外部リソースに対して許可される操作に該当するコード値、または、許可操作が複数となる場合はその合計値を格納しておき、アクセス指示の操作内容と比較する。そして、範囲外の場合は権限エラーとして、外部リソースへのアクセスは行わず、エラー情報を要求発行元に返信するように構成してもよい。
【0154】
以上、図14に示したような処理を実行することにより、ワークフローシステムから周辺システムのデータベースやファイルデータにアクセスする際、ワークフローの工程位置(業務ID,工程IDにより特定される)と処理状況(処理用途)に対応したアクセス権限制御を実現できる。
【0155】
また、工程に対する処理用途に応じて周辺システムのデータベースやファイルデータへのアクセス権限制御を行う仕組みを提供できる。
【0156】
以下、図15を参照して、図10に示した機能構成で工程アクセス権限判断部401等により実行される、ワークフロー工程へのアクセス処理について説明する。
【0157】
図15は、本発明における第3の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、図10に示した機能構成で工程アクセス権限判断部401等により実行される、ワークフロー工程へのアクセス処理に対応する。即ち、このフローチャートの処理は、ワークフローサーバ101のCPU201が外部メモリ211に格納されるプログラム212をRAM202にロードして実行することにより実現される。
【0158】
まず、ステップS801では、ワークフロー処理部302は、入出力処理部301を経由してワークフロー工程へのアクセス要求を受信する。
【0159】
次に、ステップS802では、ワークフロー処理部302は、工程アクセス権限判断部401にワークフロー工程へのアクセス権限判断指示を行う。
【0160】
工程アクセス権限判断部401は、アクセス要求がワークフロー工程にアクセス権限を保持するユーザからなされたものかどうか判定する。例えば、該当のワークフロー工程を承認したユーザはトラッキング権限があると判定し、または、業務プロセスに定義されたワークフロー工程の担当部門・担当役割に所属しているユーザは更新権限があると判定する、などである。
【0161】
そして、ステップS802で、工程アクセス権限判断部401がアクセス要求がワークフロー工程にアクセス権限を保持するユーザからなされていないと判定した場合は、ワークフロー処理部302は、ステップS804に処理を進める。
【0162】
ステップS804では、ワークフロー処理部302は、権限エラーとして、エラー情報を要求発行元に返信して、ワークフロー工程へのアクセス処理を完了する。
【0163】
一方、ステップS802で、工程アクセス権限判断部401がアクセス要求がワークフロー工程にアクセス権限を保持するユーザからなされていると判定した場合は、ワークフロー処理部302は、ステップS803に処理を進める。
【0164】
次に、ステップS803では、ワークフロー処理部302は、アクセス要求に従ってワークフロー処理を行う。なお、ステップS803のワークフロー処理として、図14(又は図9)に示したような処理を実行することにより、ワークフロー工程のアクセス権限と連動した外部リソースのアクセス権限制御を実現できる。
【0165】
以上、図15に示したような処理を実行することにより、ワークフロー工程へのアクセス権限を判断してワークフロー工程へのアクセス制御を実行することができる。
【0166】
以上示したように、本実施形態によれば、ワークフローシステムから周辺システムのデータベースやファイルデータにアクセスする際、ある工程の作業時のみ、または、ある工程が完了した後のみアクセスを許可する、といったワークフローの工程位置と処理状況に対応したアクセス権限制御を行う仕組みを提供できる。
【0167】
例えば、経理承認工程を操作する場合のみ経理システムのデータベースを参照できる、といった制御をすることができる。
【0168】
また、工程に対する処理用途に応じて周辺システムのデータベースやファイルデータへのアクセス権限制御を行う仕組みを提供できる。
【0169】
例えば、経理承認工程を承認できる担当者のみが更新用の帳票画面を使用でき、また、更新用の帳票画面から要求された場合のみ、周辺システムのデータベースの更新を許可する、といった方法でセキュリティを強化することが可能である。
【0170】
これらにより、ワークフローシステムと周辺システムやファイルシステムの情報とのデータ連携を、データの安全性を損なうことなく、ワークフローで定義された業務プロセスに連動して行える、という効果を奏する。
【0171】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0172】
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0173】
以下、図16に示すメモリマップを参照して本発明に係る情報処理装置(ワークフローサーバ101)で読み取り可能なデータ処理プログラムの構成について説明する。
【0174】
図16は、本発明に係る情報処理装置(ワークフローサーバ101)で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記録媒体(記憶媒体)のメモリマップを説明する図である。
【0175】
なお、特に図示しないが、記録媒体に記憶されるプログラム群を管理する情報、例えばバージョン情報,作成者等も記憶され、かつ、プログラム読み出し側のOS等に依存する情報、例えばプログラムを識別表示するアイコン等も記憶される場合もある。
【0176】
さらに、各種プログラムに従属するデータも上記ディレクトリに管理されている。また、インストールするプログラムやデータが圧縮されている場合に、解凍するプログラム等も記憶される場合もある。
【0177】
本実施形態における図9,図14,図15に示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、CD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記録媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記録媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
【0178】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0179】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0180】
プログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,DVD−ROM,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROM,EEPROM,シリコンディスク等を用いることができる。
【0181】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0182】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0183】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0184】
さらに、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムをネットワーク上のサーバ,データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0185】
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0186】
【図1】本発明の一実施形態を示すワークフローシステムの一例を示すシステム構成図である。
【図2】図1に示したワークフローサーバ101とワークフロークライアント102と外部システムサーバ103のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】図1に示したワークフローサーバ101において実現される機能構成の一例を示す図である。
【図4】図3に示した帳票画面・ワークフロー工程関連定義312に格納されている帳票画面とワークフロー工程との関連情報の一例を示す図である。
【図5】図3に示した帳票画面定義311に格納されている帳票画面情報の一例を示す図である。
【図6】図3に示した外部リソース・帳票画面関連定義312に格納されている外部リソースと帳票画面との関連情報の一例を示す図である。
【図7】図3または図10に示した外部リソース定義313に格納されている外部リソース情報の一例を示す図である。
【図8】図3に示した機能構成で実現される、ワークフロー工程、帳票画面定義311、帳票画面・ワークフロー工程関連定義312、外部リソース定義313、外部リソース・帳票画面関連定義314、の関連の一例を示す図である。
【図9】本発明における第1の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第2実施形態における、図1に示したワークフローサーバ101において実現される機能構成の一例を示す図である。
【図11】図10に示した関数・帳票画面関連定義413に格納されている関数と帳票画面との関連情報の一例を示す図である。
【図12】図10に示した外部リソース・関数関連定義412に格納されている外部リソースと関数との関連情報の一例を示す図である。
【図13】図10に示した関数定義411に格納されている関数情報の一例を示す図である。
【図14】本発明における第2の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図15】本発明における第3の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図16】本発明に係る情報処理装置(ワークフローサーバ101)で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記録媒体(記憶媒体)のメモリマップを説明する図である。
【符号の説明】
【0187】
100 ネットワーク
101 ワークフローサーバ
102 ワークフロークライアント
103 外部システムサーバ
201 CPU
202 RAM
211 外部メモリ
212 プログラム
301 入出力処理部
302 ワークフロー処理部
303 帳票画面特定部
304 外部リソースアクセス権限判断部
311 帳票画面定義
312 帳票画面・ワークフロー工程関連定義
313 外部リソース定義
314 外部リソース・帳票画面関連定義
401 工程アクセス権限判断部
411 関数定義
412 外部リソース・関数関連定義
413 関数・帳票画面関連定義

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークフロー工程へのアクセス要求に応じてワークフローを制御する情報処理装置であって、
前記アクセス要求されたワークフロー工程が外部リソースへのアクセスを許可されているかどうかを判断し、外部リソースへのアクセスを許可されていると判断した場合に、外部リソースへのアクセスを許可する制御手段と、
ワークフロー工程と外部リソース定義を関連付けた関連付け情報を記憶する記憶手段とを設け、
前記制御手段は、前記記憶手段に前記アクセス要求されたワークフロー工程と外部リソース定義を関連付けた関連付け情報が記憶されている場合に、前記アクセス要求されたワークフロー工程が外部リソースへのアクセスを許可されていると判断する、ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、前記ワークフロー工程と外部リソース定義を関連付けた関連付け情報として、外部リソース種別を管理する外部リソース定義と、前記外部リソースへのアクセス要求を発行可能な帳票画面設計情報を持つ帳票画面定義と、前記外部リソース定義と前記帳票画面定義を関連付ける外部リソース・帳票画面関連定義と、前記帳票画面定義と前記ワークフロー工程を関連づける帳票画面・ワークフロー工程関連定義と、を記憶するものであり、
前記制御手段は、前記帳票画面・ワークフロー工程関連定義を参照して、アクセス要求されたワークフロー工程に関連付けられた帳票画面定義を特定し、さらに、前記外部リソース・帳票画面関連定義を参照して、前記特定した帳票画面定義と関連付けられた外部リソース定義を取得可能な場合に、前記アクセス要求されたワークフロー工程が外部リソースへのアクセスを許可されていると判断する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、前記ワークフロー工程と外部リソース定義を関連付けた関連付け情報として、ワークフローシステム以外の外部リソース種別を管理する外部リソース定義と、前記外部リソースへのアクセス要求を発行可能な関数データを持つ関数定義と、前記外部リソース定義と前記関数定義を関連付ける外部リソース・関数関連定義と、前記関数を呼び出し可能な帳票画面定義と、前記関数と前記帳票画面定義とを関連付ける関数・帳票画面関連定義と、前記帳票画面定義と前記ワークフロー工程を関連づける帳票画面・ワークフロー工程関連定義と、を記憶するものであり、
前記制御手段は、前記帳票画面・ワークフロー工程関連定義を参照して、アクセス要求されたワークフロー工程に関連付けられた帳票画面定義を特定し、さらに、前記関数・帳票画面関連定義を参照して、前記特定した帳票画面定義と関連付けられた関数を特定し、さらに、前記外部リソース・関数関連定義を参照して、前記特定された関数に関連付けられた外部リソース定義を取得可能な場合に、前記アクセス要求されたワークフロー工程が外部リソースへのアクセスを許可されていると判断する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ワークフロー工程へのアクセス要求が、ワークフロー工程へのアクセス権限を保持しているユーザからなされたものかどうかをチェックする工程アクセス権限判断手段を設け、前記ワークフロー工程へのアクセスを許可されていると判断した場合に、前記ワークフロー工程へのアクセスを許可することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記記憶手段に、処理用途毎の帳票画面定義を記憶し、
前記帳票画面・ワークフロー工程関連定義により、前記処理用途毎の帳票画面定義と前記ワークフロー工程を関連付け、
前記制御手段は、前記ワークフローアクセス要求に含まれる処理用途を用いて、帳票画面・ワークフロー工程関連定義を参照して、前記アクセス要求されたワークフロー工程の特定処理用途の帳票画面を特定する、ことを特徴とする請求項3又は4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御手段は、外部リソースへのアクセス権の判断結果を、前記アクセス要求した要求元に通知する、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
ワークフロー工程へのアクセス要求に応じてワークフローを制御する情報処理装置におけるワークフロー制御方法であって、
制御手段が、前記アクセス要求されたワークフロー工程が外部リソースへのアクセスを許可されているかどうかを、記憶手段に前記アクセス要求されたワークフロー工程と外部リソース定義を関連付けた関連付け情報が記憶されているかどうかで判断し、外部リソースへのアクセスを許可されていると判断した場合に、外部リソースへのアクセスを許可する制御工程を有することを特徴とするワークフロー制御方法。
【請求項8】
ワークフロー工程へのアクセス要求に応じてワークフローを制御する情報処理装置を、
前記アクセス要求されたワークフロー工程が外部リソースへのアクセスを許可されているかどうかを、記憶手段に前記アクセス要求されたワークフロー工程と外部リソース定義を関連付けた関連付け情報が記憶されているかどうかで判断し、外部リソースへのアクセスを許可されていると判断した場合に、外部リソースへのアクセスを許可する制御手段として機能させるためのプログラム。
【請求項9】
ワークフロー工程へのアクセス要求に応じてワークフローを制御する情報処理装置を、
前記アクセス要求されたワークフロー工程が外部リソースへのアクセスを許可されているかどうかを、記憶手段に前記アクセス要求されたワークフロー工程と外部リソース定義を関連付けた関連付け情報が記憶されているかどうかで判断し、外部リソースへのアクセスを許可されていると判断した場合に、外部リソースへのアクセスを許可する制御手段として機能させるためのプログラムをコンピュータが読み取り可能に記憶した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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