説明

情報処理装置および方法、並びにプログラム

【課題】番組の録画に必要な空き容量を確保できるようにする。
【解決手段】録画再生制御部31は、コンテンツのデータが記録されているAVデータ蓄積部15に、新たなコンテンツのデータを記録する。段階的消去制御部34は、録画再生制御部31の制御の対象の新たなコンテンツのデータの容量が、AVデータ蓄積部15の空き容量よりも多い場合、AVデータ蓄積部15に記録されているコンテンツのデータに対する段階的一部消去の処理を、段階的一部消去の手法を示すパラメータで構成される複数の消去パターンのリストに従って実行する。本発明は、ビデオレコーダに適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、コンテンツの記録に必要な空き容量を記録媒体に適切に確保できるようにした、情報処理装置および方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、記録メディアの大容量化、低価格化に伴い、HDD(Hard Disk Drive)やDVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray Disc)(商標)等の記録媒体に、テレビジョン放送番組を録画できるビデオレコーダが普及している。
【0003】
特に、複数のチューナを搭載し、複数のテレビ局から同一時間帯に放送される複数のテレビジョン放送番組を同時に録画できるビデオレコーダも登場してきている。このようなビデオレコーダは、膨大な数のテレビジョン放送番組を記録媒体に録画することが可能となっている。しかしながら、記録媒体の記録容量には限りがあるので、テレビジョン放送番組の録画を続けているといずれ記録媒体の空き容量が足りなくなる場合がある。このような場合、ビデオレコーダは、それ以降に放送されるテレビジョン放送番組を録画することができなくなる。
【0004】
そこで、記録媒体の空き容量を確保するための一般的な手法として、記録媒体に録画されているテレビジョン放送番組の中から、再生済みのものを優先的に消去したり、記録日時が古いものを優先的に消去する手法が用いられている。しかしながら、このような手法では、ユーザの意向が反映されずにテレビジョン放送番組が消去されるため、ユーザにとっては、後で見ようと思っていたテレビジョン放送番組が消去されたり、逆に、見るつもりのないテレビジョン放送番組が消去されずに残されるといった事態が生じていた。このため、このような手法が適用されたビデオレコーダでは、ユーザの期待通りにテレビジョン放送番組を録画して保存することができなかった。
【0005】
そこで、例えば特許文献1には、記録媒体に記録済みの番組の第1のデータを、第1のデータよりもデータ容量が小さい第2のデータに変換する手法が開示されている。換言すると、番組のデータは、記録媒体から1度で完全に消去されるのではなく、部分的な消去が段階的に行われていく手法が開示されている。なお、以下、部分的な消去が段階的に行われていくことを、段階的一部消去と称する。
【0006】
また、例えば特許文献2には、記録媒体に記録済みのデジタル情報を消去するために、次のような手法(以下、特許文献2の手法と称する)が開示されている。即ち、特許文献2の手法によれば、記録媒体に記録済みのデジタル情報が、複数種類の再生方法のうち何れかの種類の方法によって再生された場合には、その再生方法を示す再生履歴が蓄積される。具体的には、この再生履歴は、通常通り再生する通常再生方法、重要度が比較的高いシーンだけを再生するダイジェスト再生方法、比較的小型な低解像度画像表示装置で再生する低解像度再生方法、といった再生方法に関する履歴である。このような再生履歴に基づいて消去優先度の順位が設定され、設定された順位が高いデジタル情報が、不要なデジタル情報として消去される。
【0007】
また、例えば特許文献3には、AVデータを再生する各種操作のうち、早送り操作やスキップ操作等の特殊な操作を監視し、それらの操作履歴に基づいてAVデータの消去候補領域を自動的に設定する手法(以下、特許文献3の手法と称する)が開示されている。特許文献3の手法が適用されたビデオレコーダは、例えば、記録媒体に記録されたAVデータのうち、ユーザが早送り操作した部分は不要な部分と認識し、この不要な部分を消去し、不要な部分以外を消去せずに保存することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−196118号公報
【特許文献2】特開2008−140487号公報
【特許文献3】特開2009−151848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1の段階的一部消去は画一的な消去であったため、テレビジョン放送番組の録画に必要な空き容量を記録媒体に適切に確保することは非常に困難である。
【0010】
例えば、本来は、記録媒体の空き容量を確保できる程度のデータ容量を削減すれば足りるところ、それ以上のデータ容量を削減してしまうおそれがある。このような場合、データ容量を削減する程、テレビジョン放送番組の質(画質や音質等)も劣化していくので、ユーザは、必要以上に質が劣化したテレビジョン放送番組しか視聴できないことになる。
【0011】
以上、テレビジョン放送番組についてのみ言及したが、例えばインターネットを通じて配信されるコンテンツをダウンロードして記録媒体に記録するような場合にも、上述した状況は何ら変わることはない。即ち、テレビジョン放送番組もコンテンツの一形態と把握すると、従来の手法では、コンテンツの記録に必要な空き容量を記録媒体に適切に確保することは非常に困難である。
【0012】
また、特許文献2の手法では、異なる再生方法で再生した複数のデジタル情報の各々の消去優先度順位は設定できるが、同じ再生方法で再生した複数のデジタル情報の各々の消去優先順位は設定ができない。さらに、未再生のデジタル情報については、再生履歴自体が存在しないので、そもそも消去優先順位の設定の対象外となる。このように、特許文献2の手法を用いた場合には、記録媒体に記録されたデジタル情報の中には、消去すべきか否かの判断をすることができない対象(以下、消去可否判断不能対象と称する)が存在し得る。
【0013】
さらに、特許文献3の手法でも、特殊な操作を行ったAVデータの消去候補領域は設定できるが、通常操作で再生されたAVデータや未再生(未操作)のAVデータについては、消去候補領域の設定はできない。このように、特許文献3の手法を用いた場合には、記録媒体に記録されたAVデータのうち少なくとも一部分が、消去可否判断不能対象として存在し得る。
【0014】
したがって、このような消去可否判断不能対象について、消去せずにそのまま保存しておく措置を取るのか、それとも、空き容量を確保するために完全に消去する措置を取るのかを決定する必要がある。しかしながら、従来の手法では、このような決定を録画処理中に適切に行うことができず、何れか一方の措置を取ることが予め決定されている。
【0015】
このため、例えば消去可否判断不能対象について、消去せずにそのまま保存しておく措置を取ることが予め決定されている場合には、消去可否判断不能対象が本来ユーザにとって不要な対象であっても消去されることなく、本来ユーザにとって必要な別の対象、即ち、本来消去すべきでない別の対象が消去されてしまうことになる。
【0016】
一方、例えば消去可否判断不能対象について、完全に消去する措置を取ることが予め決定されている場合には、消去可否判断不能対象が本来ユーザにとって必要な対象であっても消去されてしまい、本来ユーザにとって不要な別の対象、即ち、本来消去すべきである別の対象が消去されずに保存されてしまうことになる。
【0017】
このように、従来の手法では、再生方法や操作履歴といった視聴履歴情報そのものを指標として用いているので、消去可否判断不能対象が生じてしまい、ユーザにとって真に不要な対象を適切に消去することができない。このようなことが生ずるようでは、番組の録画に必要な空き容量を記録媒体に適切に確保できるとは言い難い。
【0018】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、コンテンツの記録に必要な空き容量を記録媒体に適切に確保できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の一側面の情報処理装置は、コンテンツのデータが記録されている記録媒体に、新たなコンテンツのデータを記録する制御を実行する記録制御手段と、前記記録制御手段の制御の対象の前記新たなコンテンツのデータの容量が、前記記録媒体の空き容量よりも多い場合、前記記録媒体に記録されている前記コンテンツのデータに対する段階的一部消去の処理を、前記段階的一部消去の手法を示すパラメータで構成される複数の消去パターンのリストに従って実行する段階的消去手段とを備える。
【0020】
前記パラメータの設定をすることで前記消去パターンの作成又は更新を管理する消去パターン管理手段をさらに備えることができる。
【0021】
前記消去パターンは、ジャンル、アクション、並びに前記コンテンツのうち前記段階的一部消去を施す位置のパラメータを含むことができる。
【0022】
前記消去パターンは、さらに消去ステータスのパラメータを含むことができる。
【0023】
前記記録媒体に記録された複数の前記コンテンツの各々に対して、前記段階的一部消去が施される順番を示す消去順位を設定する消去順位設定手段をさらに備え、前記段階的消去手段は、前記消去順位設定手段により設定された前記消去順位に従って、複数の前記コンテンツの中から、前記段階的一部消去を施す対象を決定することができる。
【0024】
前記記録媒体に記録された複数の前記コンテンツのうち、ユーザによる視聴済みのコンテンツに基づいて、前記ユーザの嗜好を示す嗜好情報を生成する嗜好情報生成手段をさらに備え、前記消去順位設定手段は、前記嗜好情報生成手段により生成された前記嗜好情報に基づいて、前記記録媒体に記録された複数の前記コンテンツの各々に対して前記消去順位を設定することができる。
【0025】
前記嗜好情報生成手段は、前記視聴済みのコンテンツが属するシリーズ、下位ジャンル、及び上位ジャンルのうちの少なくとも1つの要素を用いて、前記嗜好情報を生成し、前記消去順位設定手段は、前記嗜好情報と、複数の前記コンテンツの各々が属する前記シリーズ、前記下位ジャンル、及び前記上位ジャンルのうち、前記嗜好情報の生成に用いられた要素とを用いて、複数の前記コンテンツの各々に対して前記消去順位を設定することができる。
【0026】
外部と通信をすることで、一般的嗜好を受信する通信手段をさらに備え、前記消去順位設定手段は、前記通信手段により受信された前記一般的嗜好に基づいて、または前記通信手段により受信可能なコンテンツか否かに基づいて、前記記録媒体に記録された複数の前記コンテンツの各々に対して前記消去順位を設定することができる。
【0027】
前記位置のパラメータは、前記コンテンツの盛り上がり度、若しくは前記コンテンツのコーナー情報に基づいて設定されるか、または前記コンテンツの内容に基づいて設定されることができる。
【0028】
本発明の一側面の情報処理方法およびプログラムは、上述した本発明の一側面の情報処理装置に対応する方法およびプログラムである。
【0029】
本発明の一側面の情報処理装置および方法並びにプログラムにおいては、コンテンツのデータが記録されている記録媒体に、新たなコンテンツのデータを記録する制御が実行され、制御の対象の前記新たなコンテンツのデータの容量が、前記記録媒体の空き容量よりも多い場合、前記記録媒体に記録されている前記コンテンツのデータに対する段階的一部消去の処理が、前記段階的一部消去の手法を示すパラメータで構成される複数の消去パターンのリストに従って実行される。
【発明の効果】
【0030】
以上のごとく、本発明によれば、コンテンツの記録、例えばテレビジョン放送番組の録画に必要な空き容量を記録媒体に適切に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】第1実施形態のビデオレコーダの機能的構成例を示すブロック図である。
【図2】映像の段階的一部消去の一例について説明する図である。
【図3】音声の段階的一部消去の一例について説明する図である。
【図4】録画処理の一例を説明するフローチャートである。
【図5】消去順位設定処理の一例を説明するフローチャートである。
【図6】視聴履歴情報を格納するリストのデータ構造の一例を示す図である。
【図7】番組情報を格納するリストのデータ構造の一例を示す図である。
【図8】段階的消去処理の一例を説明するフローチャートである。
【図9】消去パターンを格納するリストのデータ構造の一例を示す図である。
【図10】消去パターンを格納するリストのデータ構造の他の例を示す図である。
【図11】段階的一部消去処理が施された番組の画面の表示例を示す図である。
【図12】視聴履歴情報記録処理の一例を説明するフローチャートである。
【図13】第2実施形態のビデオレコーダの機能的構成例を示すブロック図である。
【図14】消去順位設定処理の一例を説明するフローチャートである。
【図15】本発明が適用される情報処理装置のハードウエアの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
上述のごとく、本実施形態では、コンテンツが処理対象となる。ここでいうコンテンツとは、一般的にコンテンツと称されている、上述したテレビジョン放送番組、映画、写真、楽曲等(動画像、静止画像、若しくは音声、または、それらの組合せ等)の他、さらに、文書、商品(物品を含む)、会話等のユーザが使用可能なソフトウエアまたはハードウエアを含む。
【0033】
ただし、コンテンツは、記録媒体に記録される必要があるため、その記録媒体に記録可能なデータの形態を取る。このようなデータを、以下、コンテンツデータと称する。なお、コンテンツが物品(ハードウエア)の場合、例えば、その物品が動画像や静止画像等に射影されてデータ化されたものが、コンテンツデータとして適用される。また、コンテンツには、コンテンツデータそのものではなく、そのコンテンツの内容等コンテンツに関する各種情報を示すデータが対応付けられている場合がある。以下、このような情報をメタデータと称する。
【0034】
本実施形態は、このような各種各様のコンテンツに適用することが可能であるが、本実施形態として、上述した先行技術との対比を明確なものとすべく、コンテンツとしてテレビジョン放送番組(以下、番組と略称する)が採用された実施形態について説明する。従って、以下の実施形態では、コンテンツデータとして、番組を構成する映像や音声のデータ、即ち、AVデータが採用される。また、メタデータとしては、番組に関する情報であるSI(Service Information)情報やEPG(Electronic Program Guide)情報が採用される。
【0035】
以下、2つの実施形態(以下、それぞれ第1実施形態および第2実施形態と称する)について、次の順序で説明する。
【0036】
1.第1実施形態(ユーザの嗜好を反映する消去順位の設定手法の例)
2.第2実施形態(ユーザの嗜好と外部からの情報を反映する消去順位の設定手法の例)
【0037】
<1.第1実施形態>
[第1実施形態のビデオレコーダの構成例]
図1は、第1実施形態のビデオレコーダの機能的構成例を示すブロック図である。
【0038】
図1のビデオレコーダ1は、アンテナ11、チューナ12、操作部13、番組管理部14、AVデータ蓄積部15、番組情報蓄積部16、視聴履歴情報蓄積部17、消去パターン蓄積部18、および外部出力部19から構成されている。
【0039】
アンテナ11は、例えば図示せぬ複数の放送局の各々から送信された放送波を受信する。
【0040】
チューナ12は、複数の放送局のうち選局された放送局の放送波に対応する放送信号をアンテナ11を介して受信し、その放送信号に対して復調処理や圧縮符号化処理等を適宜施す。なお、放送信号には、放送予定又は放送中の番組のメタデータ(SI情報やEPG情報)が含まれている場合がある。このような場合には、このメタデータも、チューナ12において得られる。
【0041】
操作部13は、ユーザによる操作を受け付け、操作に応じた信号を出力する。このような操作として、例えば、番組の録画指示の操作や、番組の再生指示の操作が存在する。即ち、ユーザは、操作部13を操作することで、番組の録画や再生等の各種指示を行うことができる。
【0042】
番組管理部14は、番組を管理するための各種処理を実行する。このような番組を管理する処理として、例えば、番組の録画処理が存在する。番組の録画処理とは、チューナ12から出力された所定の番組のAVデータをAVデータ蓄積部15に記録させるまでの一連の処理である。なお、以下、このようにAVデータ蓄積部15に蓄積されたAVデータに対応する番組を、録画番組と称する。録画処理の具体例については、図4を参照して後述する。
【0043】
番組管理部14は、このような録画処理を実行するための構成として、録画再生制御部31、消去順位設定部32、嗜好情報生成部33、段階的消去制御部34、および消去パターン管理部35を有している。
【0044】
記録制御手段としての録画再生制御部31は、操作部13からの信号に基づいてユーザの指示を解釈し、その指示に従って、録画対象の番組のAVデータをAVデータ蓄積部15に記憶させるための制御を実行する。また、録画再生制御部31は、所定の録画番組に対応するAVデータを、AVデータ蓄積部15から読み出して再生するための制御を実行することもできる。
【0045】
消去順位設定手段としての消去順位設定部32は、嗜好情報生成部33により生成されたユーザの番組に対する嗜好を示す情報(以下、嗜好情報と称する)に基づいて、複数の録画番組の各々の消去順位を設定する。ここで、「ユーザの番組に対する嗜好」とは、ユーザの番組視聴傾向や好みを表すものである。
【0046】
嗜好情報生成手段としての嗜好情報生成部33は、ユーザの視聴済みの録画番組の番組情報から嗜好情報を生成する。
【0047】
段階的消去手段としての段階的消去制御部34は、消去順位設定部32により設定された消去順位に従って、録画番組を段階的に消去する処理を制御する。「録画番組を段階的に消去する処理」とは、AVデータ蓄積部15に記録される録画番組のデータ(最初はAVデータ)を、所定の手法に従って、第1のデータから、それよりデータ容量が少ない第2のデータに変換する処理を段階的に複数回繰り返す処理である。このように、第1のデータから第2のデータに変換する1回分の処理を、以下、段階的一部消去と称する。段階的消去制御部34は、その処理対象に対して施された段階的一部消去の回数に基づいて、適切な種類の消去パターンを消去パターン蓄積部18から取得する。そして、段階的消去制御部34は、取得した消去パターンに従って、処理対象に対して段階的一部消去を施す。
【0048】
消去パターン管理手段としての消去パターン管理部35は、消去パターンの作成、編集、および取得を行うことで、当該消去パターンを管理する。消去パターンの各々は、1以上のパラメータの組み合わせにより特定される。即ち、各回の段階的一部消去毎に、1以上のパラメータがそれぞれ決定され、決定された1以上のパラメータの組み合わせにより消去パターンが特定される。消去パターン管理部35は、例えば、録画番組の内容(カテゴリ等)や、その録画番組に施された段階的一部消去の回数等に応じて、1以上のパラメータを設定することで、所定の種類の消去パターンを作成する。また、消去パターン管理部35は、消去パターン蓄積部18に蓄積済みの消去パターンを読み出し、所定のパラメータを更新した上で、消去パターン蓄積部18に再度書き込むことで、当該消去パターンの更新を行う。
【0049】
AVデータ蓄積部15は、録画再生制御部31により録画の制御が実行される毎に、録画対象の番組のAVデータを記憶する。即ち、AVデータ蓄積部15には、複数の録画番組のAVデータが、消去されない限り蓄積され続ける。
【0050】
番組情報蓄積部16は、チューナ12からメタデータが出力される毎に、そのメタデータの少なくとも一部を番組情報として保存する。本実施形態では、番組情報蓄積部16には、複数の録画番組の各々の番組情報が蓄積される。なお、番組情報の具体例については、図7等を参照して後述する。
【0051】
視聴履歴情報蓄積部17は、録画再生制御部31の制御により録画番組が再生される毎に、その録画番組に関する各種情報を、視聴履歴情報として保存する。即ち、視聴履歴情報蓄積部17には、複数回のユーザの視聴毎の視聴履歴情報がそれぞれ蓄積される。なお、視聴履歴情報の具体例については、図6を参照して後述する。
【0052】
消去パターン蓄積部18は、消去パターン管理部35の管理の下、消去パターンを保存する。本実施形態では、段階的一部消去で用いられる消去パターンが複数種類予め設定されている。消去パターンの具体例については、図9を参照して後述する。
【0053】
外部出力部19は、番組管理部14による各種処理に用いる情報や、各種処理結果を示す情報を、外部に出力する。なお、情報の出力形態は特に限定されず、画像情報を図示せぬ表示部に表示させて出力する形態でもよいし、音声情報を図示せぬスピーカ等から出力する形態でもよい。
【0054】
以上、第1実施形態のビデオレコーダの機能的構成例について説明した。
【0055】
ところで、録画再生制御部31が録画対象の番組のAVデータをAVデータ蓄積部15に蓄積し続けると、AVデータ蓄積部15の空き容量が足りなくなる場合がある。このような場合、録画再生制御部31は、それ以降に放送される番組を録画することができなくなる。
【0056】
そこで、消去順位設定部32は、AVデータ蓄積部15の空き容量を適切に確保すべく、嗜好情報生成部33により生成された嗜好情報を用いて、複数の録画番組の各々に対して消去順位を設定する。ここで、嗜好情報の種類は、ユーザの番組視聴傾向や好みを表すものであれば特に限定されず、それゆえ、嗜好情報の生成手法もまた、嗜好情報の種類に応じて各種各様の手法を採用することができる。
【0057】
本実施形態では、ユーザが録画番組を視聴する毎に、即ち、録画再生制御部31により再生処理が制御される毎に得られる各種情報が、視聴履歴情報として視聴履歴情報蓄積部17に蓄積されている。そこで、嗜好情報生成部33は、この視聴履歴情報を用いて嗜好情報を生成する。なお、嗜好情報の詳細については図5を参照して後述する。
【0058】
本実施形態では、消去順位を設定するための指標として、ユーザの視聴履歴情報そのものを用いるのではなく、この視聴履歴情報から求められた嗜好情報が用いられる。これにより、複数の録画番組のうち所望の録画番組の全てを対象として消去順位を適切に設定することが可能になる。即ち、ユーザにとって真に不要な録画番組が、高位の消去順位となり、優先的に消去されることになるので、番組の録画に必要な空き容量をAVデータ蓄積部15に適切に確保できるという効果を奏することが可能になる。
【0059】
これに対して、本実施形態の消去順位設定部32は、消去順位設定のための指標として、ユーザの視聴履歴情報そのものを用いるのではなく、この視聴履歴情報から求められた嗜好情報を用いている。これにより、消去可否判断不能対象を生じさせることなく、複数の録画番組のうち所望の録画番組の全てを対象にして消去順位を適切に設定することが可能になる。従って、ユーザにとって真に不要な録画番組が、高位の消去順位となり、優先的に消去されることになるので、番組の録画に必要な空き容量をAVデータ蓄積部15に適切に確保できるという上述した効果を奏することが可能になる。
【0060】
AVデータ蓄積部15の空き容量をより一段と適切に確保すべく、さらに、段階的消去制御部34は、消去順位設定部32により設定された消去順位に従って、録画番組を段階的に消去する処理を制御する。段階的消去制御部34は、消去パターン管理部35が作成した消去パターンに従って、第1のデータから、それよりデータ容量が少ない第2のデータに変換する処理を段階的に複数回繰り返す。第1のデータから第2のデータに変換する1回分の処理である段階的一部消去について、図2および図3を参照して説明する。
【0061】
[映像の段階的一部消去の一例]
図2は、映像の段階的一部消去の一例について説明する図である。
【0062】
図2Aの動画像のデータは、録画再生制御部31の録画処理の制御によりAVデータ蓄積部15に記録された時点の録画番組の映像データ(AVデータの一部)であるとする。
【0063】
1回目の段階的一部消去では、図2Aの動画像のデータが、図2Bの動画像のデータに変換される。即ち、1回目の段階的一部消去では、図2Aの動画像のデータが第1のデータであり、図2Bの動画像のデータが、第1のデータよりもデータ容量が少ない第2のデータである。また、図2Bのデータが示す動画像の解像度は、図2Aのデータが示す動画像の解像度よりも低くなっているので、1回目の段階的一部消去では、低解像度化というパラメータを含む消去パターンが用いられていることがわかる。
【0064】
このような1回目の段階的一部消去が実行されることで、高解像度の動画像と低解像度の動画像とのデータ容量の差分だけ、AVデータ蓄積部15の空き容量を確保することができる。
【0065】
2回目の段階的一部消去では、図2Bの動画像のデータが、図2Cのサムネイル画像(静止画像)のデータに変換される。即ち、2回目の段階的一部消去では、図2Bの動画像のデータが第1のデータであり、図2Cのサムネイル画像のデータが、第1のデータよりもデータ容量が少ない第2のデータである。従って、2回目の段階的一部消去では、サムネイル化というパラメータを含む消去パターンが用いられていることがわかる。なお、図2Bのデータが示す動画像のうち、任意の位置(基準時刻に対する再生時刻を示す位置)の静止画像を、サムネイル画像とすることができる。ただし、サムネイル化する動画像の位置を、パラメータの1つとして、消去パターンに含めてもよい。このような位置をパラメータとして含む消去パターンの具体例については、図10を参照して後述する。
【0066】
このような2回目の段階的一部消去により、低解像度の動画像とサムネイル画像とのデータ容量の差分だけ、AVデータ蓄積部15の空き容量を確保することができる。
【0067】
なお、図2の例では、映像の段階的一部消去として、低解像度化の1回目と、サムネイル化の2回目との総計2回の処理が実行されている。しかしながら、映像の段階的一部消去の回数や、各回に用いる消去パターンは、特に図2の例に限定されない。
【0068】
例えば、サムネイル化を示すパラメータ、及び、低解像度化の複数段階の各々を示すパラメータにより消去パターンが特定されるようにしてもよい。具体的には例えば、高解像度から中解像度に変換する第1のパラメータ、中解像度から低解像度に変換する第2のパラメータ、及び、サムネイル化する第3のパラメータのうちの何れかにより、消去パターンが特定されるようにしてもよい。この場合、第1のパラメータにより特定される消去パターンを用いた1回目の段階的一部消去、第2のパラメータにより特定される消去パターンを用いた2回目の段階的一部消去、及び、第3のパラメータにより特定される消去パターンを用いた3回目の段階的一部消去の総計3回の処理が実行される。
【0069】
その他、例えば、サムネイル画像の枚数をパラメータとして採用することができる。また例えば、圧縮率や画面サイズをパラメータとして採用することで、段階的に圧縮率を変換させたり、画面サイズを変換させるような消去パターンを作成することが可能になる。また例えば、カラーとモノクロの各々をパラメータとして採用することで、カラーからモノクロへ変換させる消去パターンを作成することができる。また例えば、色階調をパラメータとして採用することで、色階調を変換させる消去パターン、具体的には例えば、RGB256階調からRGB64階調へ変換させる消去パターンを作成することができる。また例えば、動画においては、フレームレートをパラメータに採用することで、フレームレートを変更させる消去パターン、具体的には例えば、30fpsから15fpsへ変更させる消去パターンを作成することができる。また例えば、サムネイル画像においては、サムネイル間隔をパラメータに採用することで、サムネイル間隔を変更させる消去パターン、具体的には例えば、1秒に1枚というサムネイル間隔から、1分に1枚というサムネイル間隔に変更させる消去パターンを作成することができる。
【0070】
[音声の段階的一部消去の一例]
図3は、音声の段階的一部消去の一例について説明する図である。
【0071】
図3Aの音声データは、録画再生制御部31の録画処理の制御によりAVデータ蓄積部15に記録された時点の録画番組の音声データ(AVデータの一部)であるとする。
【0072】
1回目の段階的一部消去では、図3Aの音声データが、周波数帯域を狭くしたり、量子化ビット数を小さくする等して、図3Bの音声データに変換される。即ち、1回目の段階的一部消去では、図3Aの音声データが第1のデータであり、図3Bの音声データが、第1のデータよりもデータ容量が少ない第2のデータである。また、図3Bのデータが示す音声の音質は、図3Aのデータが示す音声の音質よりも低くなっているので、1回目の段階的一部消去では、低音質化というパラメータを含む消去パターンが用いられていることがわかる。
【0073】
このような1回目の段階的一部消去が実行されることで、高音質の音声と低音質の音声とのデータ容量の差分だけ、AVデータ蓄積部15の空き容量を確保することができる。
【0074】
2回目の段階的一部消去では、図3Bの音声データが、図3Cのテキストデータに変換される。図3Cのテキストは、図3Bの音声の内容を示している。即ち、2回目の段階的一部消去では、図3Bの音声データが第1のデータであり、図3Cのテキストデータが、第1のデータよりもデータ容量が少ない第2のデータである。従って、2回目の段階的一部消去では、テキスト化というパラメータを含む消去パターンが用いられていることがわかる。図3Cの例では、アナウンサーAの音声が「以上、ニュースをお伝えしました。次は天気予報です。」のテキストに、天気予報士の音声が「今日の全国の天気をお伝えします。低気圧の影響で、東日本は雨の所が多く、所々で強く降っています。」のテキストに、アナウンサーBの音声が「また明日。」のテキストに変換されている。なお、図3Bのデータが示す音声データのうち、任意の位置(基準時刻に対する再生時刻を示す位置)の音声データを、テキストデータとすることができる。ただし、テキスト化する音声データの位置を、パラメータの1つとして、消去パターンに含めてもよい。このような位置をパラメータとして含む消去パターンの具体例については、図10を参照して後述する。
【0075】
2回目の段階的一部消去における音声データからテキストデータへの変換手法は、特に限定されない。例えば、放送信号に含まれるテキストデータを、音声データとともにあらかじめ保存しておき、段階的一部消去の際に音声データを消去してテキストデータのみを保持するといった手法を採用することができる。また例えば、音声認識技術を用いて音声データをテキストデータに変換する手法や、映像中に含まれるテロップを認識して、テキストにデータに変換する手法等も採用することができる。また例えば、近年、番組に関するメタデータを配信するサービスが多々あり、それらのサービスからテキストデータを取得する手法を採用することができる。
【0076】
このような2回目の段階的一部消去により、低音質の音声全体とテキストデータ容量の差分だけ、AVデータ蓄積部15の空き容量を確保することができる。
【0077】
なお、図3の例では、音声の段階的一部消去としては、低音質化の1回目と、テキスト化の2回目との総計2回の処理が実行されている。しかしながら、音声の段階的一部消去の回数や、各回に用いる消去パターンは、特に図3の例に限定されない。
【0078】
例えば、テキスト化を示すパラメータ、及び、低音質化の複数段階の各々を示すパラメータにより消去パターンが特定されるようにしてもよい。具体的には例えば、高音質から中音質に変換する第1のパラメータ、中音質から低音質に変換する第2のパラメータ、及び、テキスト化する第3のパラメータのうちの何れかにより、消去パターンが特定されるようにしてもよい。この場合、第1のパラメータにより特定される消去パターンを用いた1回目の段階的一部消去、第2のパラメータにより特定される消去パターンを用いた2回目の段階的一部消去、及び、第3のパラメータにより特定される消去パターンを用いた3回目の段階的一部消去の総計3回の処理が実行される。
【0079】
その他、消去パターンを特定するためのパラメータとして、例えば圧縮率を採用することで、段階的に圧縮率を変換させる消去パターンを作成することが可能になる。また例えば、チャンネル数をパラメータとして採用することで、チャンネル数を変更させる消去パターン、具体的には例えば、5.1chからステレオへ変換させる消去パターンを作成することができる。
【0080】
[録画処理]
次に、このような構成のビデオレコーダ1の処理のうち、録画処理について説明する。
【0081】
図4は、ビデオレコーダ1による録画処理の一例を説明するフローチャートである。
【0082】
本実施形態では上述したように、ユーザは、操作部13を操作することで、ビデオレコーダ1に対して、所望の番組の録画予約をすることができる。この録画予約では、録画対象番組の記録を開始する時刻(以下、録画開始時刻と称する)が少なくとも設定される。そこで、ビデオレコーダ1は、録画予約が設定された番組(以下、予約番組と称する)の録画開始時刻よりも一定時間前の時刻(以下、録画処理開始時刻と称する)になると、録画処理を開始する。
【0083】
ステップS11において、録画再生制御部31は、AVデータ蓄積部15に録画に必要な空き容量はあるかを判定する。
【0084】
即ち、上述したように、本実施形態では、メタデータのひとつとして放送信号に含まれるEPG情報が、チューナ12から適宜出力される。具体的には本実施形態では、予約番組を含むEPG情報は、予約番組を放送予定の放送局から、予約番組の放送開始前の任意の時間帯に放送された放送信号に含まれている。このため、予約番組に関するEPG情報は、その放送開始前には、チューナ12から出力されて、ビデオレコーダ1の図示せぬメモリに予め保存されている。そこで、録画再生制御部31は、例えば、予約番組を含むEPG情報をメモリから読み出し、そのEPG情報から番組放送開始時刻および番組放送終了時刻を取得し、これらの時刻から、予約番組の放送時間を算出する。そして、録画再生制御部31は、この放送時間に基づいて予約番組の録画に必要な容量を算出し、AVデータ蓄積部15の空き容量と比較することによって、録画に必要な空き容量はあるか否かを判定する。予約番組のデータ量がメタデータから取得できる場合には、それを用いて判定処理が行われる。
【0085】
なお、メタデータは、本実施形態では放送信号に含まれているとされているが、特にこれに限定されず、例えば図示せぬネットワーク上の他の装置から供給される場合もある。
【0086】
例えば、予約番組の録画に必要な容量よりもAVデータ蓄積部15の空き容量の方が大きい場合には、ステップS11において、録画に必要な空き容量があると判定されて、処理はステップS12に進む。
【0087】
ステップS12において、録画再生制御部31は、予約番組を録画する。即ち、録画再生制御部31は、録画開始時刻まで待機し、録画開始時刻になると、チューナ12から出力されてくる予約番組のAVデータをAVデータ蓄積部15に記録させる制御を開始する。なお、予約番組のSI情報も、予約番組のAVデータと共に放送信号に含まれている場合には、録画再生制御部31は、チューナ12から出力されてくるSI情報の少なくとも一部を番組情報蓄積部16に保存する。
【0088】
これに対して、予約番組の録画に必要な容量よりもAVデータ蓄積部15の空き容量の方が小さい場合には、ステップS11において、録画に必要な空き容量がないと判定されて、処理はステップS13に進む。
【0089】
ステップS13において、消去順位設定部32は、嗜好情報生成部33により生成された嗜好情報を用いて複数の録画番組の各々の消去順位を設定する。なお、以下、このような消去順位設定部32により消去順位が設定される一連の処理を、消去順位設定処理と称する。消去順位設定処理の詳細については、図5を参照して後述する。
【0090】
ステップS14において、段階的消去制御部34は、消去順位設定部32により設定された消去順位、及び、消去パターン管理部35により管理されている消去パターンに基づいて、録画番組の段階的一部消去を実行する。なお、以下、このような段階的消去制御部34による録画番組の段階的一部消去を実行するまでの一連の処理を、以下、段階的消去処理と称する。段階的消去処理の詳細については、図8を参照して後述する。
【0091】
ステップS14の段階的消去処理が実行されると、処理はステップS11に戻され、それ以降の処理が繰り返される。即ち、ステップS11、S13、S14のループ処理が繰り返されて、消去順位の高い番組から段階的消去が複数回実行される。そして、録画に必要な空き容量がAVデータ蓄積部15に確保されると、ステップS11においてYESであると判定されて、ステップS12の処理で予約番組が録画され、録画処理は終了する。
【0092】
このように、予約番組を録画するために必要な空き容量が不足している場合、ユーザにとって不要な番組を段階的に消去することにより、空き容量を適切に確保することが可能となる。
【0093】
[消去順位設定処理]
次に、図5に示されるフローチャートを参照して、図4に示される録画処理のステップS13の消去順位設定処理について説明する。
【0094】
図5は、消去順位設定処理の一例を説明するフローチャートである。
【0095】
ステップS31において、嗜好情報生成部33は、視聴履歴情報を視聴履歴情報蓄積部17から取得する。
【0096】
なお、視聴履歴情報の取得手法自体は、特に限定されないが、本実施形態では次のような手法が採用されている。
【0097】
即ち、古い視聴履歴情報が取得されると、ユーザの現在の嗜好とは異なる昔の嗜好が反映された嗜好情報が、後述するステップS33の処理で生成されてしまう。例えば、昔はお笑い番組をよく視聴していたが今はあまり視聴しないユーザの場合、古い視聴履歴情報が取得されると、お笑い番組を好むという嗜好が反映された嗜好情報が生成されてしまう可能性がある。
【0098】
一方で、新しい視聴履歴情報だけでは、ユーザの本来の嗜好が的確に反映されない嗜好情報が生成されてしまうおそれもある。例えば、毎週欠かさずに視聴しているドラマがあれば、ユーザはそのドラマを好んでいるとされ、また、お笑い番組を多く視聴しているユーザはバラエティ番組を好んでいるとされる。しかしながら、このような嗜好を反映するためには、同一番組名のドラマやバラエティ番組を1回のみならず、複数回視聴していることを嗜好情報生成部33が認識できなければならず、このためには、少なくとも数週間単位の視聴履歴情報が必要になる。
【0099】
そこで、本実施形態では、視聴履歴情報の取得手法として、最近1か月間に再生された録画番組に関する視聴履歴情報を取得するという取得手法が採用されている。当然ながら、本実施の形態に採用された取得手法は例示に過ぎず、その他例えば、特定の季節や時期には、過去のその季節や時期に限定した視聴履歴情報を取得するという取得手法を採用することができる。例えば、年末年始には、毎年似たような番組が放送される傾向があるので、1年前の年末年始の視聴履歴情報を取得するという取得手法を採用することができる。なお、視聴履歴情報蓄積部17に視聴履歴情報を記録する処理については、図12を参照して後述する。
【0100】
また、視聴履歴情報の種類や形態は、上述したように特に限定されないが、本実施形態では、図6に示すデータ構造のリストに格納される視聴履歴情報が採用されている。
【0101】
[視聴履歴情報の例]
図6は、視聴履歴情報を格納するリストのデータ構造の一例を示す図である。
【0102】
図6のリストは行列構造を有しているため、以下、図6中横方向の項目の集合体を「行」と称し、同図中縦方向の項目の集合体を「列」と称する。ここで、1つの録画番組をユーザが視聴した際に得られる情報を、1回の視聴履歴情報と表現すると、リストの所定の行には、所定の回が対応付けられている。即ち、リストの所定の行には、当該行に対応する回の視聴履歴情報を格納する項目として、「ID」、「番組ID」、及び「視聴日時」という項目がそれぞれ配置されている。即ち、リストの所定の行の「ID」、「番組ID」、及び「視聴日時」に格納される情報が、当該行に対応する回の視聴履歴情報である。
【0103】
リストの所定の行の「ID」には、当該行に対応する回を一意に識別するためのIDが格納される。
【0104】
リストの所定の行の「番組ID」には、当該行に対応する回において視聴された録画番組を一意に識別するための番組IDが格納される。当該録画番組の番組IDは、本実施形態では、当該録画番組の録画時点に録画再生制御部31により付与される。したがって、番組IDの値が若いほど、録画された時期が古いことを示す。なお、当該録画番組の番組IDは、番組情報蓄積部16に蓄積されている当該録画番組の番組情報にも含まれている。即ち、視聴履歴情報と番組情報とは、番組IDにより対応付けられている。
【0105】
リストの所定の行の「視聴日時」には、当該行に対応する回において録画番組が視聴された日時、例えば、当該録画番組の再生開始(視聴開始)日時が格納される。
【0106】
例えば、リストの1行目の「ID」、「番組ID」、及び「視聴日時」の各々には、「1」、「10001」、及び「2009/09/16 19:32」の各々が格納されている。このことは、リストの1行目に対応する回、即ち、ID=1回においては、番組IDが「10001」である録画番組が、「2009/09/16 19:32」から再生されて、ユーザに視聴されたことを意味する。
【0107】
図5に戻り、ステップS32において、嗜好情報生成部33は、視聴済み番組の番組情報を番組情報蓄積部16から取得する。即ち、嗜好情報生成部33は、ステップS31の処理で取得した視聴履歴情報に含まれる番組IDで特定される録画番組の番組情報を、視聴済み番組の番組情報として取得する。したがって、ステップS31の処理で複数回の視聴履歴情報が取得され、複数回の視聴履歴情報の各々に異なる番組IDが含まれていた場合、複数の番組IDの各々で特定される複数の録画番組の番組情報が、視聴済み番組の番組情報としてそれぞれ取得される。即ち、ステップS32の処理では、複数の視聴済み番組の番組情報が取得され得る。
【0108】
なお、番組情報の種類や形態は、上述したように特に限定されないが、本実施形態では、図7に示すデータ構造のリストに格納される番組情報が採用されている。
【0109】
[番組情報の例]
図7は、番組情報を格納するリストのデータ構造の一例を示す図である。
【0110】
図7のリストは行列構造を有しているため、以下、図7中横方向の項目の集合体を「行」と称し、同図中縦方向の項目の集合体を「列」と称する。リストの所定の行には、所定の録画番組が対応付けられている。即ち、リストの所定の行には、当該行に対応する録画番組の番組情報を格納する項目として、「番組ID」、「タイトル」、「ファイル名」、「放送局」、「放送日時」、「下位ジャンル」、「上位ジャンル」、「シリーズ」、「消去ステータス」、および「消去不可フラグ」という項目がそれぞれ配置されている。即ち、リストの所定の行の「番組ID」、「タイトル」、「ファイル名」、「放送局」、「放送日時」、「下位ジャンル」、「上位ジャンル」、「シリーズ」、「消去ステータス」、および「消去不可フラグ」に格納される情報が、当該行に対応する録画番組の番組情報である。
【0111】
リストの所定の行の「番組ID」には、当該行に対応する録画番組を一意に識別するための番組IDが格納される。当該録画番組がユーザにより視聴された場合には、上述したように、その番組IDは視聴履歴情報の1つとして視聴履歴情報蓄積部17にも蓄積される。即ち、繰り返しになるが、視聴履歴情報と番組情報とは、番組IDにより対応付けられている。
【0112】
リストの所定の行の「タイトル」には、当該行に対応する録画番組のタイトル名が格納される。タイトル名は、当該録画番組の各放送回毎の番組名であり、ドラマの場合、「第○○話 XXXX」といった情報が含まれる。
【0113】
リストの所定の行の「ファイル名」には、当該行に対応する録画番組のAVデータの、AVデータ蓄積部15におけるファイルの名称が格納される。
【0114】
リストの所定の行の「放送局」には、当該行に対応する録画番組を放送した放送局名が格納される。
【0115】
リストの所定の行の「放送日時」には、当該行に対応する録画番組が放送された日時が格納される。
【0116】
リストの所定の行の「下位ジャンル」、「上位ジャンル」には、それぞれ当該行に対応する録画番組が属する下位ジャンル名、上位ジャンル名が格納される。図7に示される「下位ジャンル」と「上位ジャンル」に格納される情報のうち、カッコ書きのコード(例えば(0x0))は、ARIB(社団法人電波産業会)によって規格化されている番組ジャンルを記述するコンテント記述子である。即ち、本実施形態では、番組の下位ジャンル名、上位ジャンル名は、ARIB(社団法人電波産業会)によって規格化されている「デジタル放送に使用する番組配列情報」に基づいて設定されている。「デジタル放送に使用する番組配列情報」においては、番組ジャンルとして分類が指定されており、このように分類された番組ジャンルのうち、ジャンル中分類が「下位ジャンル」の項目に対応し、ジャンル大分類が「上位ジャンル」の項目に対応する。したがって、当該行に対応する録画番組が属するジャンル中分類の番組ジャンルの名称が、下位ジャンル名として「下位ジャンル」に格納される。また、当該行に対応する録画番組が属するジャンル大分類の番組ジャンルの名称が、上位ジャンル名として「上位ジャンル」に格納される。具体的には例えば、「下位ジャンル」に「野球」が格納される場合、「上位ジャンル」には「スポーツ」が格納される。なお、番組によっては、「上位ジャンル」しか規定されていない場合もあり得る。
【0117】
リストの所定の行の「シリーズ」には、当該行に対応する録画番組が属するシリーズ名が格納される。シリーズ名は、著作物を回を追って公表(放送)する場合、又は、著作物を一部分ずつを逐次公表(放送)する場合における、当該著作物の名称をいう。例えば、各回でストーリーが完結し、各回が毎週放送されるドラマ(著作物)のタイトルや一般的な番組名が、シリーズ名として採用可能である。具体的には例えば、タイトルの前方が一致した複数の録画番組が存在する場合には、これらの複数の録画番組は同一のシリーズに属するとして、そのタイトルの前方が、「シリーズ」に格納される。より具体的には例えば、タイトルが「天海人 第12話○○」である録画番組と、タイトルが「天海人 第13話××」である録画番組が存在する場合、「天海人」が「シリーズ」に格納される。また、放送日時が毎週同じ複数の録画番組や、土日を除く放送時刻が毎日同じ複数の録画番組が存在する場合には、これらの複数の録画番組は同一のシリーズに属するとして、そのタイトルや番組名の共通箇所が「シリーズ」に格納される。
【0118】
リストの所定の行の「消去ステータス」には、当該行に対応する録画番組の消去ステータスが格納される。消去ステータスは、本実施形態では、当該行に対応する録画番組に対して段階的一部消去が施された回数をいう。
【0119】
リストの所定の行の「消去不可フラグ」には、当該行に対応する録画番組に対する消去不可フラグの設定状況が格納される。消去不可フラグは、録画番組の消去(全消去のみならず、段階的一部消去)の禁止を示すフラグである。本実施形態では、消去不可フラグは、ユーザが操作部13を操作することで設定が可能とされている。即ち、ユーザは、操作部13を操作して、当該行に対応する録画番組が消去されたくないことを指示すると、「消去フラグ」には「1」が設定され、当該行に対応する録画番組の消去が不可能な状態になる。換言すると、「消去不可フラグ」に「0」が設定されている場合、当該行に対応する録画番組の消去は可能な状態になっている。
【0120】
例えば、リストの1行目を見ると、その1行目に対応する録画番組は、IDが「10001」であり、番組のタイトルは「ニュースABC」で、そのAVデータは「xxxx1001」というファイルに含められてAVデータ蓄積部15に蓄積されていることがわかる。また、当該録画番組は、「JNK」という放送局から、「2009/09/14 23:00-24:00」に放送されたことがわかる。さらに、当該録画番組は、その下位ジャンルが「経済」であり、その上位ジャンルが「ニュース」であり、「ニュースABC」というシリーズに属していることがわかる。さらにまた、録画番組は、消去ステータスは「1」であることから、段階的一部消去が1回施されており、消去不可フラグは「0」であることから、さらなる消去(段階的一部消去を含む)が可能な状態であることがわかる。
【0121】
なお、「タイトル」、「放送局」、「放送日時」、および「ジャンル」は、放送信号に含まれるSI情報から取得することができる。
【0122】
図5に戻り、ステップS33において、嗜好情報生成部33は、嗜好情報を生成する。即ち、嗜好情報生成部33は、ステップS32の処理で取得した複数の視聴済み番組の各々の番組情報から、特徴的なキーワード(以下、嗜好キーワードと称する)を複数抽出して、複数のキーワードの集合体を嗜好情報として生成する。
【0123】
本実施形態では、嗜好キーワードの抽出手法自体として、例えば次のような第1の手法乃至第3の手法の組み合わせが採用されている。
【0124】
第1の手法によれば、嗜好情報生成部33は、複数の視聴済み番組の各々の番組情報のうち、各々の「シリーズ」に格納されたシリーズ名を参照し、同一のシリーズ名に属する視聴済み番組をグループ化する。グループ化された視聴済み番組の数が多いほど、そのシリーズ名はユーザの好みに合致していると判断される。したがって、嗜好情報生成部33は、一定数以上の視聴済み番組が属しているシリーズ名を、嗜好キーワードとして抽出する。例えば、毎週欠かさず「天海人 第N話(Nは、1以上最終回の数以下の整数値)」というタイトル名のドラマを視聴しているユーザがいたとする。このようなユーザの、複数の視聴済み番組の番組情報としては、「タイトル」に「天海人 第1話」、「天海人 第2話」・・・が格納された番組情報が多数含まれている。これら多数の番組情報は、「天海人」という同じシリーズ名に属するため、この「天海人」でグループ化された視聴済み番組の数は一定数以上となる。したがって、「天海人」が嗜好キーワードとして抽出される。
【0125】
第2の手法によれば、嗜好情報生成部33は、複数の視聴済み番組の各々の番組情報のうち、各々の「下位ジャンル」に格納された下位ジャンル名を参照し、同一の下位ジャンル名に属する視聴済み番組をグループ化する。グループ化された視聴済み番組の数が多いほど、その下位ジャンル名はユーザの好みに合致していると判断される。したがって、嗜好情報生成部33は、一定数以上の視聴済み番組が属している下位ジャンル名を、嗜好キーワードとして抽出する。例えば、毎週欠かさず野球の試合を視聴しているユーザがいたとする。このようなユーザの、複数の視聴済み番組の番組情報としては、「下位ジャンル」に「野球」が格納された番組情報が多数含まれている。これら多数の番組情報は、「野球」という同じ下位ジャンル名に属するため、この「野球」でグループ化された視聴済み番組の数は一定数以上となる。したがって、「野球」が嗜好キーワードとして抽出される。
【0126】
第3の手法によれば、嗜好情報生成部33は、複数の視聴済み番組の各々の番組情報のうち、各々の「上位ジャンル」に格納された上位ジャンル名を参照し、同一の上位ジャンル名に属する視聴済み番組をグループ化する。グループ化された視聴済み番組の数が多いほど、その上位ジャンル名はユーザの好みに合っていると判断される。したがって、嗜好情報生成部33は、一定数以上の視聴済み番組が属している上位ジャンル名を、嗜好キーワードとして抽出する。例えば、毎週欠かさずサッカーの試合を視聴しているユーザがいたとする。このようなユーザの、複数の視聴済み番組の番組情報としては、「上位ジャンル」に「スポーツ」が格納された番組情報が多数含まれている。これら多数の番組情報は、「スポーツ」という同じ上位ジャンル名に属するため、この「スポーツ」でグループ化された視聴済み番組の数は一定数以上となる。したがって、「スポーツ」が嗜好キーワードとして抽出される。
【0127】
このようにして本実施形態では、第1の手法乃至第3の手法が組み合わされて用いられることによって、複数の視聴済み番組の番組情報から、複数の嗜好キーワードが抽出される。そして、複数の嗜好キーワードの集合体が、嗜好情報として生成される。
【0128】
なお、嗜好キーワードの抽出数は、任意に設定可能である。また、嗜好キーワードの抽出手法は、特に本実施形態に限定されず、上述した第1乃至第3の手法を単体で若しくは任意の2つ以上を組み合わせて用いてもよいし、さらに別の手法を単体又は組み合わせて用いてもよい。例えば、別の手法としては、番組情報の中の他の項目に含まれる単語の中から嗜好キーワードを抽出する手法、AVデータに対応する映像や音声として含まれる単語を嗜好キーワードとして抽出する手法等を採用することができる。要するに、嗜好キーワードとは、後述するステップS36の処理で消去候補番組との一致度を算出可能な情報であれば足り、その抽出手法や抽出個数とは特に限定されない。
【0129】
ステップS34において、消去順位設定部32は、AVデータ蓄積部15に蓄積されている複数のAVデータに対応する録画番組のうち、所定の条件を満たす番組を消去候補番組として設定する。ここで、消去候補番組とは、予約番組を録画するための空き容量を確保するために、段階的に消去してもよい録画番組の候補をいう。
【0130】
複数の録画番組の各々に対応する番組情報が番組情報蓄積部16に蓄積されていることを考慮すれば、番組情報に含まれる情報を利用して満たすか否かを容易に判断できる条件を、所定の条件として採用すると好適である。
【0131】
本実施形態においては所定の条件として、段階的一部消去の回数が一番若い回数の番組であること、という条件が採用されている。この場合、例えば図7の番組情報の「消去ステータス」に一番若い値が格納されている番組が当該条件を満たし、それ以外の番組が当該条件を満たさないことを容易に判断することが可能になる。さらに、後述する段階的消去処理が1つの録画番組に対して集中的に施されて、当該録画番組のみが完全に消去されるのを避けることができる。即ち、複数の録画番組に対して段階的消去処理が満遍なく施されるので、段階的一部消去の回数は、複数の録画番組内でばらつくことなくほぼ同一回数に保たれ、結果として、複数の録画番組の何れもが完全に消去されることなくビデオレコーダ1に長く保持されるようになる。
【0132】
なお、消去候補番組を設定するための所定条件は、特に本実施形態に限定されず、任意の別の条件を採用することができる。この場合、本実施形態の条件も含め、1つの条件を単独に採用してもよいし、任意の2以上の条件を組み合わせて採用してもよい。
【0133】
例えば、図7の番組情報の「放送日時」の項目には、対応する録画番組の放送日時(放送開始日時及び放送終了日時)が格納されている。そこで、所定の条件として、「最近1カ月の期間中に放送されたものでないこと」という条件を採用することもできる。
【0134】
また例えば、図7の番組情報の「消去不可フラグ」の項目には、対応する録画番組の消去不可フラグの設定状況が格納されている。そこで、所定の条件として、「消去不可フラグが設定されていないこと」という条件を採用することもできる。
【0135】
また例えば、図7の番組情報の「番組ID」の項目には、対応する録画番組が録画されたときに付されたIDが格納されており、番組IDが若いほど録画された時期が古いことを示している。そこで、所定の条件として、「番組IDの値が一番若い値から数えて一定数以内の値が格納されていること」という条件を採用することもできる。
【0136】
さらに、消去候補番組を決定するための所定の条件は、番組情報を用いて満たすか否かの判断をする必要は特に無く、消去候補番組を決定できる条件であれば任意の条件を採用することができる。例えば、録画中でないことや、再生中でないことを所定の条件として採用することもできる。
【0137】
また、消去候補番組の数は、特に限定されず、一定数であってもいいし、可変数であってもよい。即ち、所定の条件に、消去候補番組の数に関する直接的又は間接的な条件も含有するようにすれば、任意の数の消去候補番組を決定することが可能になる。ここで、直接的な条件とは、所定の一定数が明示されている条件をいい、間接的な条件とは、数に関する内容は明示していないものの、結果として、消去候補が一定数になるのか或いは可変数になるのかを特定することになる条件をいう。例えば本実施形態では、「段階的一部消去の回数が一番若い回数の番組であること」という条件が採用されているので、消去ステータスが同一の録画番組の数は処理毎に異なっている可能性があることを考慮すると、消去候補番組の数は、一定数でなく変化する。したがって、本実施形態の条件は、消去候補番組の数に関する間接的な条件(任意の数でよいという間接的な条件)であるといえる。
【0138】
ステップS35において、消去順位設定部32は、ステップS34の処理で設定した消去候補番組の番組情報を、番組情報蓄積部16から取得する。
【0139】
ステップS36において、消去順位設定部32は、ステップS33の処理で生成した嗜好情報とステップS35の処理で取得した消去候補番組の番組情報とに基づいて、消去候補番組の消去順位を設定する。
【0140】
ここで、消去順位設定部32による消去順位の設定手法の一例について説明する。
【0141】
本実施形態では、消去順位は、各消去候補番組がユーザの嗜好とどの程度一致するのかを示す指標(以下、嗜好一致度と称する)によって決定され、嗜好一致度の値が小さいものから順に消去順位が高いものとして設定される。即ち、ユーザの嗜好と合致しない消去候補番組ほど消去順位が高く設定される。ここで、消去候補番組をpと記述し、消去候補番組pを入力パラメータとしてその嗜好一致度を出力する関数をF(p)と記述すると、嗜好一致度F(p)は、例えば次の式(1)に従って算出される。
【0142】
【数1】

【0143】
式(1)において、Xは、嗜好キーワードの集合体(嗜好情報)を示しており、xは、その集合体に属する1つの嗜好キーワードを示している。Wは、嗜好キーワードxの重みを示す。関数ftarget(p,x)は、1又は0を出力する関数である。関数ftarget(p,x)=1であることは、嗜好キーワードxが消去候補番組pの番組情報の「target」の項目に含まれていることを意味する。一方、関数ftarget(p,x)=0であることは、嗜好キーワードxが消去候補番組pの番組情報の「target」の項目に含まれていないことを意味する。ここで、targetは、番組情報の項目であれば足り、任意の数の任意の項目を採用することができるが、本実施形態では嗜好キーワードxの抽出の際にも用いられる項目、即ち、シリーズ、下位ジャンル、及び上位ジャンルがtargetとして採用されている。式(1)においては、sは、シリーズを示し、tは、下位ジャンルを示し、uは、上位ジャンルを示している。また、式(1)において、a,b,cは、それぞれシリーズs,下位ジャンルt、上位ジャンルuの重みを表す定数を示している。なお、重みa,b,cの与え方は特に限定されず、例えば、シリーズ>下位ジャンル>上位ジャンルの順に嗜好情報に影響を及ぼしたい場合には、a>b>cとするような設定がなされるとよい。嗜好キーワードxの重みWは、例えば次の式(2)に従って算出される。
【0144】
【数2】

【0145】
式(2)において、Dn(x)は、全録画番組(AVデータ蓄積部15に蓄積されている複数のAVデータの各々に対応する録画番組)のうち、嗜好キーワードxが番組情報内に含まれる番組の数を出力する関数を示している。Dm(x)は、視聴済み番組のうち、嗜好キーワードxが番組情報内に含まれる番組の数を出力する関数を示している。
【0146】
具体的には例えば、「ニュース」が嗜好キーワードx1であるとする。そして、例えば、全録画番組のうち、嗜好キーワードx1が番組情報内に含まれる番組の数が100であり、視聴済み番組のうち、嗜好キーワードx1が番組情報内に含まれる番組の数が10であるとする。この場合、嗜好キーワードx1の重みWx1は、10/100となる。
【0147】
また、例えば、「スポーツ」が嗜好キーワードx2であるとする。そして、例えば、全録画番組のうち、嗜好キーワードx2が番組情報内に含まれる番組の数が50であり、視聴済み番組のうち、嗜好キーワードx2が番組情報内に含まれる番組の数が8であるとする。この場合、嗜好キーワードx2の重みWx2は、8/50となる。
【0148】
このように、この例では、嗜好キーワードx1の重みWx1よりも嗜好キーワードx2の重みWx2の方が大きくなっている(8/50>10/100)。このことは、番組情報に「ニュース」が含まれる番組の方が、ユーザの視聴回数(=関数Dm(x))としては多いものの、番組情報に「スポーツ」が含まれる番組のほうが、ユーザの嗜好により合致していることを意味している。
【0149】
嗜好一致度F(p)について、具体例を用いてさらに詳しく説明する。嗜好一致度F(p)は、嗜好キーワードxの集合体X(嗜好情報)の全てと全ての消去候補番組の全てとに基づいて算出される。説明の簡略化のため、ここでは嗜好情報(嗜好キーワードx)は、上述の重みWの例にあわせて、嗜好キーワードx1である「ニュース」と、嗜好キーワードx2である「スポーツ」とのみからなるとする。また、消去候補番組pとして、番組IDが「10001」の録画番組が消去候補番組p1として設定され、番組IDが「10002」の録画番組が消去候補番組p2として設定されているとする。即ち、図7の「番組ID」に「10001」が格納された1行目の番組情報(消去候補番組p1の番組情報)と、「番組ID」に「10002」が格納された2行目の番組情報(消去候補番組p2の番組情報)とが用いられるとする。なお、嗜好キーワードx1、x2の重みWx1、Wx2は、上述したように、それぞれ10/100、8/50であるとする。
【0150】
まず、消去順位設定部32は、消去候補番組p1に対する嗜好一致度F(p1)を算出する。
【0151】
嗜好キーワードx1である「ニュース」については、次のような演算がなされる。消去候補番組p1の番組情報、即ち、図7の「番組ID」に「10001」が格納された1行目の番組情報においては、「シリーズ」には「ニュース」が含まれているため、関数f(p1,x1)=1となる。同様に、図7の「番組ID」に「10001」が格納された1行目の番組情報においては、「下位ジャンル」には「ニュース」が含まれていないため、関数f(p1,x1)=0となる。一方、図7の「番組ID」に「10001」が格納された1行目の番組情報においては、「上位ジャンル」には「ニュース」が含まれているため、関数f(p1,x1)=1となる。したがって、嗜好キーワードx1である「ニュース」についての式(1)の右辺のシグマ内の演算結果(以下、「ニュース」に関する嗜好一致度と称する)は、(10/100)×(a×1+b×0+c×1)=(1/10)×(a+c)となる。
【0152】
次に、嗜好キーワードx2である「スポーツ」については、次のような演算がなされる。消去候補番組p1の番組情報、即ち、図7の「番組ID」に「10001」が格納された1行目の番組情報においては、「シリーズ」には「スポーツ」が含まれていないため、関数f(p1,x2)=0となる。同様に、図7の「番組ID」に「10001」が格納された行の番組情報においては、「下位ジャンル」には「スポーツ」が含まれていないため、関数f(p1,x2)=0となる。また、図7の「番組ID」に「10001」が格納された1行目の番組情報においては、「上位ジャンル」には「スポーツ」が含まれていないため、関数f(p1,x2)=0となる。したがって、嗜好キーワードx2である「スポーツ」についての式(1)の右辺のシグマ内の演算結果(以下、「スポーツ」に関する嗜好一致度と称する)は、(8/50)×(a×0+b×0+c×0)=0となる。
【0153】
以上のことから、消去候補番組p1に対する嗜好一致度F(p1)は、「ニュース」に関する嗜好一致度と「スポーツ」に関する嗜好一致度との総和であるので、(1/10)×(a+c)+0=(1/10)×(a+c)となる。
【0154】
次に、消去順位設定部32は、消去候補番組p2に対する嗜好一致度F(p2)を算出する。
【0155】
嗜好キーワードx1である「ニュース」については、次のような演算がなされる。消去候補番組p2の番組情報、即ち、図7の「番組ID」に「10002」が格納された2行目の番組情報においては、「シリーズ」に「ニュース」が含まれていないため、関数f(p2,x1)=0となる。同様に、図7の「番組ID」に「10002」が格納された2行目の番組情報においては、「下位ジャンル」には「ニュース」が含まれていないため、関数f(p2,x1)=0となる。また、図7の「番組ID」に「10002」が格納された2行目の番組情報においては、「上位ジャンル」に「ニュース」が含まれていないため、関数f(p2,x1)=0となる。したがって、「ニュース」に関する嗜好一致度は、(10/100)×(a×0+b×0+c×0)=0となる。
【0156】
次に、嗜好キーワードx2である「スポーツ」については、次のような演算がなされる。消去候補番組p2の番組情報、即ち、図7の「番組ID」に「10002」が格納された2行目の番組情報においては、「シリーズ」に「スポーツ」が含まれていないため、関数f(p2,x2)=0となる。同様に、図7の「番組ID」に「10002」が格納された2行目の番組情報においては、「下位ジャンル」には「スポーツ」が含まれていないため、関数f(p2,x2)=0となる。また、図7の「番組ID」に「10002」が格納された2行目の番組情報においては、「上位ジャンル」には「スポーツ」が含まれていないため、関数f(p2,x2)=0となる。したがって、「スポーツ」に関する嗜好一致度は、(8/50)×(a×0+b×0+c×0)=0となる。
【0157】
以上のことから、消去候補番組p2に対する嗜好一致度F(p2)は、「ニュース」に関する嗜好一致度と「スポーツ」に関する嗜好一致度との総和であるので、0+0=0となる。
【0158】
以上の結果、消去候補番組p1に対する嗜好一致度F(p1)=(1/10)×(a+c)は、消去候補番組p2に対する嗜好一致度F(p2)=0よりも大きくなる。このことは、消去候補番組p1の方が消去候補番組p2よりもユーザの嗜好に合致していることを意味する。換言すると、消去候補番組p2の方が消去候補番組p1よりもユーザの嗜好に合致していないことを意味する。したがって、消去候補番組p2の方が、消去候補番組p1よりも高い消去順位が設定される。その結果、消去候補番組p2の方が、消去候補番組p1よりも優先的に消去される。
【0159】
本実施形態では、以上説明したように、消去候補番組とユーザの嗜好との一致度である嗜好一致度F(p)に基づいて消去順位を設定する手法が採用されている。しかしながら、消去順位を設定する手法については、本実施形態の例に特に限定されず、例えば、放送日時や既に再生した番組であるか否か等により消去順位を設定する従来の手法を採用することもできる。
【0160】
ただし、従来の手法を採用すると、消去順位が設定されない録画番組、即ち、上述した消去可否判断不能対象が出てきてしまい、ユーザにとって真に不要な録画番組を適切に消去することができない場合がある。このような場合が生ずるようでは、予約番組の録画に必要な空き容量をAVデータ蓄積部15に適切に確保できるとは言い難い。
【0161】
これに対して、上述した嗜好一致度F(p)を用いる本実施形態の手法を採用することで、消去可否判断不能対象を発生させることなく、複数の録画番組のうち所望の録画番組の全て、本実施形態では、ステップS34の所定の条件を満たす録画番組である消去候補番組の全ての消去順位が適切に設定される。従って、ユーザにとって真に不要な録画番組が、高位の消去順位となり、優先的に消去されることになるので、予約番組の録画に必要な空き容量をAVデータ蓄積部15に適切に確保できるという上述した効果を奏することが可能になる。
【0162】
このように、消去順位設定部32によって消去候補番組の各々の消去順位が設定されると、消去順位設定処理は終了し、処理は図4のステップS14に進む。
【0163】
[段階的消去処理]
次に、図8に示されるフローチャートを参照して、図4に示される録画処理のステップS14の段階的消去処理について説明する。
【0164】
図8は、段階的消去処理の一例を説明するフローチャートである。
【0165】
ステップS61において、段階的消去制御部34は、図4のステップS13の消去順位設定処理により設定された消去順位が最高位である消去候補番組の番組情報を取得する。
【0166】
ステップS62において、段階的消去制御部34は、ステップS61の処理で取得した消去順位が最高位である消去候補番組の番組情報から、消去ステータスを取得する。
【0167】
ステップS63において、段階的消去制御部34は、ステップS63の処理で取得した消去ステータスに対応する消去パターンを、消去パターン蓄積部18から取得する。
【0168】
ステップS64において、段階的消去制御部34は、ステップS61の処理で取得した番組情報に対応する録画番組(消去順位が最高位の消去候補番組)のAVデータを、AVデータ蓄積部15から取得する。
【0169】
ステップS65において、段階的消去制御部34は、ステップS63の処理で取得した消去パターンに従って、ステップS64の処理で取得したAVデータに対して段階的一部消去を施す。
【0170】
ステップS66において、段階的消去制御部34は、消去ステータスを更新する。即ち、段階的消去制御部34は、ステップS65の処理で段階的一部消去が施されたAVデータに対応する番組情報、即ち、ステップS61の処理で取得した番組情報の「ステータス」の値を更新することによって、消去ステータスを更新する。
【0171】
これにより、段階的消去処理は終了し、即ち、図4のステップS14の処理は終了し、処理は図4のステップS11に戻され、それ以降の処理が繰り返される。
【0172】
以下さらに、このような段階的消去処理について、図9を適宜参照して具体的に説明する。
【0173】
[消去パターンの例]
図9は、消去パターンを格納するリストのデータ構造の一例を示す図である。
【0174】
図9のリストは行列構造を有しているため、以下、図9中横方向の項目の集合体を「行」と称し、同図中縦方向の項目の集合体を「列」と称する。リストの各行には、所定の消去パターンが対応付けられている。即ち、消去パターンは、「ID」、「ジャンル」、「現在の消去ステータス」、「次の消去ステータス」、及び「アクション」というパラメータで構成されている。
【0175】
図9の例では、1乃至K回目(Kは段階的一部消去の最終回数を示す整数値)の段階的一部消去の各々に対して、如何なる方式で段階的一部消去を行うのかというアクションがジャンル毎に予め設定されている。所定のジャンルのM+1回目(Mは、1乃至K−1のうちの何れかの整数値)のアクションが、1つのパラメータとして図9のリストの所定の行に格納されている。具体的には、1つの消去パターンは、それを一意に識別するためのID、対象となるジャンル、消去対象の録画番組の現在の消去ステータス(=M)、消去対象の録画番組の次の消去ステータス(=M+1。ただし、M+1=Kの場合は設定されない)、及びアクションというパラメータを含んでいる。
【0176】
即ち、リストの所定の行の「ID」には、当該行に対応する消去パターンのIDが格納される。リストの所定の行の「ジャンル」には、当該行に対応する消去パターンの対象となるジャンルが格納される。ジャンルは、コンテンツの内容を表わす。リストの所定の行の「現在の消去ステータス」には、当該行の消去パターンで消去対象となる録画番組の現在の消去ステータス(=M)が格納される。リストの所定の行の「次の消去ステータス」には、当該行の消去パターンで消去対象となる録画番組の次の消去ステータス(=M+1。ただし、M+1=Kの場合は設定されない)が格納される。消去ステータスは、コンテンツの段階的一部消去の処理の段階を表わし、現在の消去ステータスは、現在の処理の段階を表わし、次の消去ステータスは、次の処理の段階を表わす。リストの所定の行の「アクション」には、当該行に対応する消去パターンで設定されたアクションが格納される。アクションは、データの処理を表わす。
【0177】
例えば、ステップS61の処理で、最高位の消去順位を有する消去候補番組の番組情報として、番組IDが「12035」の録画番組の番組情報、即ち図7のリストの6行目の番組情報が取得されたとする。
【0178】
この場合、図7のリストの6行目の番組情報によれば、「上位ジャンル」は「ドラマ」であり、「消去ステータス」は「0」であることから、ジャンルは「ドラマ」であり、現在の消去ステータスが「0」であることがわかる。したがって、ステップS63の処理で、図9のリストの5行目の消去パターン、即ち、IDが「60004」の消去パターンが取得される。
【0179】
次に、ステップS64の処理で、番組IDが「12035」の録画番組(図7のリストの6行目)のAVデータが取得され、ステップS65の処理で、IDが「60004」の消去パターン(図9のリストの5行目)に従って、番組IDが「12035」の録画番組のAVデータに対して1回目の段階的一部消去が施される。ここで、IDが「60004」の消去パターンの「アクション」には、「(映像)低解像度化」が格納されている。従って、番組IDが「12035」の録画番組の映像が低解像度となるような画像処理が、即ち、映像を図2Aから図2Bに変換するような画像処理が、当該録画番組のAVデータ(そのうちの映像データ)に対して施される。
【0180】
IDが「60004」の消去パターンの「次の消去ステータス」には、「1」が格納されている。従って、次のステップS66の処理では、番組IDが「12035」の録画番組(図7のリストの6行目)の「消去ステータス」は「0」から「1」に更新される。
【0181】
これにより、段階的消去処理は終了し、即ち、図4のステップS14の処理は終了し、処理は図4のステップS11に戻され、それ以降の処理が繰り返される。
【0182】
ここで、全録画番組に対して1回目の段階的一部消去が施されたとする。即ち、全録画番組の消去ステータスが1以上になっているとする。この場合、一番若い消去ステータスは1になるので、次のステップS13の消去順位設定処理では、消去ステータスが1の録画番組が消去候補番組に設定されて、各々の消去順位が設定される。この設定により、例えば、番組IDが「10001」の録画番組が、最高位の消去順位を有する消去候補番組になったとする。
【0183】
この場合、次のステップS61の処理で、番組IDが「10001」の録画番組の番組情報、即ち図7のリストの1行目の番組情報が取得される。
【0184】
図7のリストの1行目の番組情報によれば、「上位ジャンル」は「ニュース」であり、「消去ステータス」は「1」であることから、ジャンルは「ニュース」であり、現在の消去ステータスが「1」であることがわかる。したがって、ステップS63の処理で、図9のリストの2行目の消去パターン、即ち、IDが「50002」の消去パターンが取得される。
【0185】
次に、ステップS64の処理で、番組IDが「10001」の録画番組(図7のリストの1行目)のAVデータが取得され、ステップS65の処理で、IDが「50002」の消去パターン(図9のリストの2行目)に従って、番組IDが「10001」の録画番組のAVデータに対して2回目の段階的一部消去が施される。IDが「50002」の消去パターンの「アクション」には、「(音声)テキスト化」が格納されている。従って、番組IDが「10001」の録画番組の音声がテキスト化されるような処理が、即ち、図3A又は図3Bの音声から図3Cのテキストデータに変換するような処理が、当該録画番組のAVデータ(そのうちの音声データ)に対して施される。
【0186】
IDが「50002」の消去パターンの「次の消去ステータス」には、「2」が格納されている。従って、次のステップS66の処理では、番組IDが「10001」の録画番組(図7のリストの1行目)の「消去ステータス」は「1」から「2」に更新される。
【0187】
これにより、段階的消去処理は終了し、即ち、図4のステップS14の処理は終了し、処理は図4のステップS11に戻され、それ以降の処理が繰り返される。即ち、ステップS11乃至S13のループ処理が繰り返されることによって、消去候補番組の消去順位がその都度設定され、最高位の消去順位を有する消去候補番組に対して段階的一部消去がその都度施されていく。これにより、消去候補番組がいきなり完全に消去されることなく、ステップS11乃至S13のループ処理毎に、AVデータ蓄積部15の空き容量が徐々に増加していく。ここで注目すべき点は、本実施形態では、消去ステータスが若い録画番組が消去候補番組に設定されるので、所定の1つの録画番組のみに対して集中的に段階的一部削除が施されることなく、複数の録画番組の各々に対して満遍なく段階的一部削除が施されていく点である。その結果、所定の録画番組がいきなり完全に消去されることなく、AVデータ蓄積部15の空き容量が徐々に増加していく。そして、AVデータ蓄積部15の空き容量が、予約番組の録画に必要なデータ容量分だけ確保されると、録画処理は終了する。
【0188】
以上説明したように、本実施形態の消去パターンでは、番組のジャンルによって、消去ステータスに対応するアクションを変更することができる。例えば番組のジャンルが「ニュース」である場合、図9に示されるように、1回目の段階的一部消去では、映像を低解像度化するアクションを採用せずに、映像をサムネイル化するアクションを採用することができる。また、例えば1回目の段階的一部消去のアクションとして、映像をサムネイル化し、さらに音声をテキスト化するアクションを採用することもできる。これにより、1回目の処理後の表示を、例えば写真と記事(テキスト)で構成される新聞のような表示、即ち、静止画(録画番組の映像のサムネイル画像)とテキスト(録画番組の音声を表わすテキスト)のみの表示が実現可能になる。また、例えば番組のジャンルが「スポーツ」である場合、映像は高解像度のまま、音声のみを低音質化するようなアクションを採用することができる。このように、ユーザは操作部13を操作することにより、アクションを自身の好みに合わせて任意に設定することができる。
【0189】
本実施形態の消去パターンは、「ID」、「ジャンル」、「現在の消去ステータス」、「次の消去ステータス」、及び「アクション」という1以上のパラメータを含んでいる。これらのパラメータは任意に変更が可能であり、ユーザは操作部13を操作することにより、自身の好みに合わせて任意にパラメータを設定することで所望の消去パターンを作りだすことができる。即ち、消去パターンは、図9の例に特に限定されない。
【0190】
[消去パターンの別の例]
そこで、以下、消去パターンの図9とは別の例について説明する。
【0191】
図10は消去パターンを格納するリストのデータ構造の他の例を示す図である。
【0192】
図10のリストと図9のリストとを比較する。図10のリストの各行には、当該行に対応する消去パターンとして、「ID」、「ジャンル」、「現在の消去ステータス」、「次の消去ステータス」、及び「アクション」というパラメータ以外に、「位置」というパラメータで構成される消去パターンが対応付けられている。即ち、図10の例では、消去パターンは、「ID」、「ジャンル」、「現在の消去ステータス」、「次の消去ステータス」、「位置」、及び「アクション」というパラメータで構成されている。
【0193】
このように、図10の消去パターンの図9の消去パターンとの差異点は、「位置」というパラメータを含む点である。したがって、以下、この差異点に着目して、図10の消去パターンについてさらに説明する。
【0194】
リストの所定の行の「位置」には、当該行の消去パターンで消去対象となる録画番組の所定の位置であって、当該行のアクションが実行される位置が格納される。この位置は、録画番組内の位置であれば、任意の位置でよく、ユーザ等が自在に設定可能な位置である。即ち、位置もまた、消去パターンに含まれるパラメータの1つである。従って、例えば消去パターン管理部35は、このような位置を、番組のコーナー単位で設定することができる。
【0195】
具体的には例えば、番組のコーナーを示すコーナー情報は、例えば番組のメタデータを配信しているWebサービスから取得することが可能である。そこで、消去パターン管理部35は、取得されたコーナー情報に基づいて、例えば番組の内容に一番関連が低いと想定される「オープニング」や「エンディング」といったコーナーを抽出し、2つの消去パターンの各々の「位置」に格納し、各々に対応するアクションを「アクション」にそれぞれ格納することができる。このようにして生成された消去パターンが、図10の1行目と2行目の消去パターン、即ちIDが「50001」と「50002」の消去パターンである。
【0196】
また例えば、ニュース番組についていえば、「オープニング」や「エンディング」の他、今日の「天気」や「株式」というコーナーは、必ずしも動画である必要はなく、静止画やテキストであっても情報を伝えることが可能である。このため、「天気」と「株式」のコーナーの各々が「位置」に格納され、各々に対応するアクションが「アクション」に格納された結果得られる消去パターンが、図10の3行目と4行目の消去パターン、即ちIDが「50003」と「50004」の消去パターンである。
【0197】
なお、図10には、ジャンルが「ニュース」の番組に関する消去パターンのみが図示されているが、当然ながら、その他のジャンルの番組に関する消去パターンも、番組のコーナーに基づいて設定された位置を含むようにすることができる。例えば、図示はしないが、音楽番組についても、アーティストが歌っているコーナーの映像はそのまま保持し、それ以外の位置をサムネイル画像とテキストに変換するような消去パターンも設定することが可能である。
【0198】
このように番組の位置のパラメータをコーナー単位で設定して、その位置に対するアクションとして、動画をサムネイル化したり、音声をテキスト化する設定をすることができる。これにより、録画番組の重要な部分はそのまま維持しながら、AVデータ蓄積部15の空き容量を確保することが可能となる。
【0199】
以下、このような位置のパラメータも含む図10の消去パターンを採用した場合における、図8の段階的消去処理の具体例について説明する。
【0200】
ここで、例えば、図8のステップS61の処理で、最高位の消去順位を有する消去候補番組の番組情報として、番組IDが「10001」の録画番組の番組情報、即ち図7のリストの1行目の番組情報が取得されたとする。
【0201】
図7のリストの1行目の番組情報によれば、「上位ジャンル」は「ニュース」であることから、ジャンルはニュースであることがわかる。なお、「消去ステータス」は、図7の例では「1」となっているが、ここでは説明の都合上「0」であるとする。即ち、番組IDが「10001」の録画番組に対しては未だ段階的一部消去が施されていなく、ステップS62の処理で消去ステータスとして「0」が取得されたとする。この場合、ステップS63の処理で、図10のリストの1行目と2行目の消去パターン、即ち、IDが「50001」と「50002」の2つの消去パターンが取得される。
【0202】
次に、ステップS64の処理で、番組IDが「10001」の録画番組(図7のリストの1行目)のAVデータが取得されると、ステップS65の処理として、次のような段階的一部消去の処理がAVデータに施される。即ち、IDが「50001」の消去パターンに従って、番組IDが「10001」の録画番組のうち、「オープニング」の位置について、映像がサムネイル化されるとともに、音声がテキスト化されるような処理がAVデータに施される。このような処理に加えてさらにIDが「50002」の消去パターンに従って、番組IDが「10001」の録画番組のうち、「エンディング」の位置について、映像がサムネイル化されるとともに、音声がテキスト化されるような処理がAVデータに施される。なお、消去順位が最高位である消去候補番組のうち「オープニング」と「エンディング」の位置以外の部分のAVデータに対しては何ら処理は施されずにそのまま保持される。そして、ステップS66の処理で、番組IDが「10001」の録画番組の番組情報の「消去ステータス」が現在の「0」から「次の消去ステータス」の項目に設定されている「1」に更新される。即ち、図7の1行目の「消去ステータス」に示されるように更新される。
【0203】
これにより、段階的消去処理は終了し、即ち、図4のステップS14の処理は終了し、処理は図4のステップS11に戻され、それ以降の処理が繰り返される。
【0204】
ここで、全録画番組に対して1回目の段階的一部消去が施されたとする。即ち、全録画番組の消去ステータスが1以上になっているとする。この場合、一番若い消去ステータスは1になるので、次のステップS13の消去順位設定処理では、消去ステータスが1の録画番組が消去候補番組に設定されて、各々の消去順位が設定される。この設定により、例えば、今回も、番組IDが「10001」の録画番組が、最高位の消去順位を有する消去候補番組になったとする。
【0205】
この場合、次のステップS61の処理で、番組IDが「10001」の録画番組の番組情報、即ち図7のリストの1行目の番組情報が取得される。
【0206】
図7のリストの1行目の番組情報によれば、「上位ジャンル」は「ニュース」であり、「消去ステータス」は「1」であることから、ジャンルは「ニュース」であり、現在の消去ステータスが「1」であることがわかる。したがって、ステップS62の処理で消去ステータスとして「1」が取得され、ステップS63の処理で、図10のリストの3行目と4行目の消去パターン、即ち、IDが「50003」と「50004」の2つの消去パターンが取得される。
【0207】
次に、ステップS64の処理で、番組IDが「10001」の録画番組(図7のリストの1行目)のAVデータが取得されると、ステップS65の処理として、次のような段階的一部消去の処理がAVデータに施される。即ち、IDが「50003」の消去パターンに従って、番組IDが「10001」の録画番組のうち、「天気」の位置(天気予報の話題の期間)について、映像がサムネイル化されるとともに、音声がテキスト化されるような処理がAVデータに施される。このような処理に加えてさらにIDが「50004」の消去パターンに従って、番組IDが「10001」の録画番組のうち、「株式」の位置(株式の話題の期間)について、映像がサムネイル化されるとともに、音声がテキスト化されるような処理がAVデータに施される。なお、消去順位が最高位である消去候補番組のうち「天気」と「株式」の位置以外の部分のAVデータに対しては何ら処理は施されずにそのまま保持される。そして、ステップS66の処理で、番組IDが「10001」の録画番組の番組情報の「消去ステータス」が現在の「1」から「次の消去ステータス」の項目に設定されている「2」に更新される。
【0208】
これにより、段階的消去処理は終了し、即ち、図4のステップS14の処理は終了し、処理は図4のステップS11に戻され、それ以降の処理が繰り返される。
【0209】
以上、位置のパラメータを含む消去パターンとして、図10の例のように、番組のコーナーに基づいて位置のパラメータが設定される消去パターンにについて説明したが、当然ながら位置のパラメータの設定手法は、上述した例に特に限定されない。
【0210】
例えば、消去パターンのさらに別の例として、スポーツ番組等において、得点シーン等の盛り上がりのあるシーンを検出できる場合、そのシーンの位置の映像はそのまま保持し、それ以外の位置の映像をサムネイル画像とテキストに変換するような消去パターンを採用することができる。なお、シーンの検出手法自体は、特に限定されず、例えば、スポーツ番組の音声を解析して、歓声が大きくなった期間を盛り上がりのあるシーンとして検出したり、笑い声の大きくなった期間を盛り上がりのあるシーンとして検出する手法を採用することができる。さらに、番組の任意の位置に任意のユーザがコメントを残せるシステムでは、コメント数の多い箇所を盛り上がりのあるシーンと検出する手法を採用してもよい。このような消去パターンを採用することで、盛り上がりのあるシーンのみを動画で表示し、それ以外はサムネイル画像やテキストで表示することが可能になり、AVデータ蓄積部15の空き容量を適切に確保することができる。また、このような消去パターンは、ダイジェスト再生として時間を短縮してスポーツの試合を視聴したいときにも適用可能である。
【0211】
また、位置のパラメータは、コンテンツの内容に基づいて設定することができる。具体的には例えば、映像中に動きがある位置を残し、動きの少ない位置をサムネイル画像とテキストに変換するような消去パターンを採用することもできる。また例えば、映像中に映っている人物を検出できる場合、人物が映っていない位置をサムネイル画像とテキストに変換するような消去パターンを採用することもできる。
【0212】
以上、位置をパラメータに含む消去パターンについて説明してきたが、当然ながら、消去パターンは、上述の例に特に限定されない。即ち、1以上のパラメータを含んでいるならば、任意の生成手法で任意の種類の消去パターンを採用することができる。
【0213】
例えば、「映画好きの消去パターンテンプレート」、「テキスト中心の消去パターンテンプレート」というように、あらかじめ複数の消去パターンをテンプレートとして消去パターン蓄積部18等に蓄積しておき、その中からユーザが選択したものを採用できるようにしてもよい。
【0214】
また、例えば、消去パターン管理部35は、ユーザが番組を視聴するパターンに基づいて、自動的に消去パターンを作成してもよい。例えば、普段、ニュースを1.3倍速にして再生するユーザの場合、高解像度の映像や高音質の音声は不要であると判断することができる。そこで、消去パターン管理部35は、ニュース番組に関する消去パターンとして、サムネイル画像とテキストに変換するような消去パターンを自動的に作成するようにしてもよい。
【0215】
また、消去パターンを構成するパラメータは、図9や図10の例に特に限定されず、例えば、タイトル、シリーズ、出演者名等を採用してもよい。
【0216】
さらに、放送日時をパラメータに含む消去パターンを採用することもできる。このような消去パターンを採用することで、例えば、放送から1週間経過した番組は低解像度の映像に変換する等の段階的一部消去を実現することができる。
【0217】
また、上述の各種パラメータの組み合わせを含む消去パターンを採用することができる。このような消去パターンを採用することで、例えば、放送から3日経過したニュース番組を、情報としての価値が薄れた番組として、サムネイル画像とテキストに変換する等の段階的一部消去を実現することができる。
【0218】
また、消去パターンは、上述の例では番組単位で生成されていたが、特に上述の例に限定されず、例えば、消去パターン管理部35は、番組開始時刻からの経過時間に応じて、番組内の消去パターンを生成することもできる。例えば、サッカー等のスポーツ番組では、盛り上がりのシーンの検出によってゴールシーン等の検出が可能になる。そこで、消去パターン管理部35は、このようなゴールシーン等を高解像度の映像で残しておき、他のシーンや試合の間に放送されるダイジェストシーン等は低解像度の映像に変換するような消去パターンを生成することもできる。
【0219】
[段階的一部消去処理が施された番組の画面の表示例]
上述したような各種各様の消去パターンに従って段階的一部消去が施された番組は、完全消去されるまでの間、当然ながら、ユーザが視聴することができる。
【0220】
図11は、段階的一部消去処理が施された番組の画面の表示例を示す図である。
【0221】
所定の録画番組に対して段階的一部消去が施された結果、映像がサムネイル化され、音声がテキスト化されたとする。ビデオレコーダ1が、このような段階的一部消去が施された録画番組を再生すると、図11に示されるような画面が外部出力部19の表示部に表示される。
【0222】
図11に示されるように、この画面の左上方には、サムネイル表示領域51が配置され、その下方には、コメント表示領域52が配置される。サムネイル表示領域51とコメント表示領域52の右側には、テキスト表示領域53が配置される。テキスト表示領域53とコメント表示領域52の下方には、再生位置表示タグ54が配置される。
【0223】
再生位置表示タグ54は、録画番組内の再生位置を示し、再生位置と同期して移動する。サムネイル表示領域51には、録画番組の映像のサムネイル画像が表示される。1つの映像から複数のサムネイル画像が得られている場合には、複数のサムネイル画像のうち、再生位置表示タグ54によって示された再生位置又はその近傍位置のサムネイル画像が、サムネイル表示領域51に表示される。録画番組の音声から変換されたテキストは、テキスト表示領域53に表示される。また、録画番組の任意の位置に任意のユーザのコメントが残されている場合には、その位置が再生位置となったときには、ユーザのコメントがコメント表示領域52に表示される。
【0224】
なお、ユーザは、操作部13を操作して、段階的一部消去が施された録画番組に対しても、通常の視聴時の指示と同様に、再生、停止、巻き戻し、早送り等の指示を行いながら、当該録画番組を視聴することができる。
【0225】
[視聴履歴情報記録処理]
このような段階的一部消去は、上述したように、本実施形態では、最高位の消去順位を有する録画番組に対して施される。この消去順位は、ユーザの嗜好情報に基づいて設定され、この嗜好情報は、視聴履歴情報に基づいて生成される。このような視聴履歴情報は、録画処理の前のタイミングで、録画再生制御部31により生成されて視聴履歴情報蓄積部17に記録される。
【0226】
そこで、以下、視聴履歴情報蓄積部17に視聴履歴情報を記録する処理(以下、視聴履歴情報記録処理と称する)について説明する。
【0227】
図12は、視聴履歴情報記録処理の一例を説明するフローチャートである。
【0228】
ステップS91において、録画再生制御部31は、ユーザに指示された番組を選択する。
【0229】
例えば、ユーザは、操作部13を操作することで、選択候補として提示された録画番組の中から、視聴対象の番組を指示することができる。この選択候補は、特に限定されず、例えば、ビデオレコーダ1により推薦されたり、録画番組で構成される番組表に含まれていたり、キーワード検索により検索されたり、複数の番組の中からジャンルでフィルタリングされたりして、ユーザに提示される。
【0230】
録画再生制御部31は、ユーザの操作部13の操作内容に基づいて、視聴対象としてユーザにより指示された録画番組のAVデータをAVデータ蓄積部15から選択して読み出す。
【0231】
ステップS92において、録画再生制御部31は、選択された番組の再生を開始する。
【0232】
その後、ユーザからの再生停止の指示、または録画番組が最後まで再生された場合に、ステップS93において、録画再生制御部31は、選択された番組の再生を終了する。
【0233】
ステップS94において、録画再生制御部31は、視聴済みの条件を満たしたかを判定する。ここで、視聴済みの条件は、特に限定されず、例えば、録画番組の録画時間に対する再生時間の割合が一定以上であるという条件や、録画番組の再生時間が一定以上であるという条件を採用することができる。即ち、例えば、録画番組の30パーセントに相当する部分が再生されたという条件や、録画番組の任意の5分間の区間が再生されたという条件を、視聴済みの条件として採用することができる。
【0234】
視聴済みの条件を満たす場合、ステップS94においてYESであると判定されて処理はステップS95に進む。
【0235】
ステップS95において、録画再生制御部31は、視聴済みの条件を満たした録画番組に関する情報を、視聴履歴情報として記録する。本実施形態では、上述したように、図6のリストの所定の行が、視聴済みの条件を満たした録画番組に対応付けられ、番組IDと、視聴日時(ステップS92及びS93の処理が実行された日時)とが格納される。これにより、視聴履歴情報記録処理は終了する。
【0236】
これに対して、視聴済みの条件を満たさない場合、ステップS94においてNOであると判定されて処理は終了する。即ち、ステップS91の処理で選択された番組に関する情報は視聴履歴情報に記録されない。
【0237】
以上、説明したように、第1実施形態のビデオレコーダ1は、録画に必要な空き容量がAVデータ蓄積部15にない場合には、ユーザの嗜好情報に基づいて不要であると判断された録画番組に対して段階的一部消去を施す。これにより、AVデータ蓄積部15の空き容量を確保しつつ、なるべく多くの録画番組を完全消去せずに残しておくことができる。また、録画番組の段階的一部消去が実行されることで、ユーザは完全に消去される録画番組を把握することができるので、昨日まで見えていた番組が今日には突然消去されていた、というような事態を回避することができる。
【0238】
さらに、この段階的一部消去は、所定の消去パターンに従って実行される。消去パターンは1以上のパラメータを含んでおり、ユーザは、このようなパラメータを自身の好みに合わせて任意に設定することができる。これにより、ユーザの嗜好に合わせて、録画番組に適した段階的一部消去をすることが可能になる。
【0239】
さらに、第1実施形態のビデオレコーダ1は複数の録画番組の消去順位を設定する。この場合、ユーザの嗜好情報に基づいて消去順位を設定しているので、再生方法、操作内容、未再生といった状況に関わらず複数の録画番組の各々に対して消去順位を適切に設定することができる。
【0240】
また、ユーザの嗜好情報は、例えばシリーズ、下位ジャンル、上位ジャンルというように複数の観点から生成される。従ってユーザが特に好む録画番組を優先的に残すことができることは勿論のこと、例えば、同じジャンルに属するユーザが興味を持ちそうな録画番組も消去せずに残すことができる。
【0241】
<2.第2実施形態>
ところで、第1実施形態のビデオレコーダ1により設定された消去順位の設定手法は、ビデオレコーダ1を操作するユーザの嗜好を反映する手法が採用されていた。しかしながら、消去順位の設定手法は、第1実施形態の手法に特に限定されず、その他、例えば、ユーザの嗜好のみならず、外部からの情報を反映した設定手法を採用できる。これにより、ユーザの嗜好のみを反映した場合と比較して、より一段と適切な消去順位の設定が可能となる。そこで、このような外部からの情報も反映させて消去順位を設定する手法が適用されたビデオレコーダ101を、第2実施形態として、以下説明する。
【0242】
[第2実施形態のビデオレコーダの構成例]
図13は、第2実施形態のビデオレコーダの機能的構成例を示すブロック図である。
【0243】
図13のビデオレコーダ101は、アンテナ111、チューナ112、操作部113、番組管理部114、AVデータ蓄積部115、番組情報蓄積部116、視聴履歴情報蓄積部117、消去パターン蓄積部118、外部出力部119、および通信制御部120から構成されている。また、番組管理部114は、録画再生制御部131、消去順位設定部132、嗜好情報生成部133、段階的消去制御部134、および消去パターン管理部135を有している。
【0244】
ビデオレコーダ101は、ネットワーク141を介して、番組視聴率サイト161、コミュニティサイト162、番組配信サービスサイト163、およびDVD/BD販売レンタルサービスサイト164から各種情報を受信することができる。
【0245】
なお、図13のビデオレコーダ101のアンテナ111乃至外部出力部119、および録画再生制御部131乃至消去パターン管理部135のそれぞれの基本的な機能的構成は、図1のビデオレコーダ1のアンテナ11乃至外部出力部19、および録画再生制御部31乃至消去パターン管理部35のそれぞれの機能的構成と同様で一致する。したがって、以下、図13のビデオレコーダ101について、図1のビデオレコーダ1との一致点の説明は省略し、その差異点のみを説明する。
【0246】
通信手段としての通信制御部120は、ネットワーク141を介して、番組視聴率サイト161、コミュニティサイト162、番組配信サービスサイト163、およびDVD/BD販売レンタルサービスサイト164から各種情報を受信する。
【0247】
ネットワーク141は本実施の形態では、例えばインターネットで構成される。しかしながら、インターネットの形態は特に限定されない。
【0248】
番組視聴率サイト161は、各番組の視聴率を提供するサイトである。視聴率が高い番組ほど、他のユーザの当該番組に対する関心が高いことを意味する。
【0249】
コミュニティサイト162は、趣味や興味等が同じ人同士が集まるインターネット上のウェブサイトである。コミュニティサイト162で話題になっている番組ほど、他のユーザの当該番組に対する関心が高いことを意味する。
【0250】
番組配信サービスサイト163は、放送局が提供するサービスである。ユーザは希望するときに所望の番組をインターネット上で選択して、選択した番組の配信を受けることができる。
【0251】
DVD/BD販売レンタルサービスサイト164は、インターネット上でDVD/BDの購入またはレンタルができるサービスである。ユーザは、所望の番組のDVD/BDをインターネット上で選択してその番組のDVD/BDを購入またはレンタルすることができる。
【0252】
ビデオレコーダ101による録画処理は、図4に示される第1実施形態のビデオレコーダ1による録画処理と、基本的には同様である。しかしながら、ビデオレコーダ101による録画処理は、図4に示される録画処理と比較すると、ステップS13の消去順位設定処理の処理内容が異なる。したがって、以下、ビデオレコーダ101による消去順位設定処理について説明し、それ以外の処理については説明を省略する。
【0253】
[第2実施形態の消去順位設定処理]
図14は、第2実施形態の消去順位設定処理の一例を説明するフローチャートである。
【0254】
なお、ステップS121乃至ステップS125の処理については、図5に示される消去順位設定処理のステップS31乃至35と同様であるので、ステップS126以降の処理について説明する。
【0255】
ステップS121乃至S125の処理で、視聴履歴情報に基づいて嗜好情報が生成され、また、消去候補番組が設定され、その番組情報が取得されて、処理はステップS126に進む。
【0256】
ステップS126において、消去順位設定部132は、通信制御部120を制御して、ネットワーク141を介して外部からの情報を取得する。ここで、外部からの情報として、番組視聴率サイト161から提供される番組の視聴率や、コミュニティサイト162で話題になっている番組についての情報が取得される。或いはまた、外部からの情報として、番組配信サービスサイト163で所定の番組が配信されているか否かの情報や、DVD/BD販売レンタルサービスサイト164で所定の番組が購入若しくはレンタル可能であるか否かの情報が取得される。
【0257】
ステップS127において、消去順位設定部132は、ステップS123の処理で生成した嗜好情報、ステップS125の処理で取得した消去候補番組の番組情報、並びにステップS126の処理で取得した外部からの情報に基づいて、消去候補番組の各々の消去順位を設定する。
【0258】
ここで、消去順位設定部132による消去順位の設定手法の一例について説明する。
【0259】
第2実施形態では、消去順位を決定するための嗜好一致度は、第1実施形態で嗜好一致度として採用されていた値(各消去候補番組とユーザの嗜好との一致度を示す値)に対して、さらに外部からの情報を示す値が加算されて求められる。
【0260】
ここでは、外部からの情報を示す値の一例として、番組視聴率サイト161から提供される番組視聴率が採用される場合の嗜好一致度の求め方について、以下説明する。
【0261】
この場合の嗜好一致度は、ユーザの嗜好と合致しない消去候補番組については低い値になることは勿論のこと、さらに、番組視聴率が低い消去候補番組ほど低い値になるように求められる。具体的には例えば、消去候補番組をpと記述し、消去候補番組pとその番組視聴率Rpとを入力パラメータとして、消去候補番組pに対する嗜好一致度を出力する関数をF(p)と記述すると、嗜好一致度F(p)は、例えば次の式(3)に従って算出される。
【0262】
【数3】

【0263】
式(3)において、右辺のシグマの項(第1項)は、上述した式(1)の右辺のシグマの項と同様である。即ち、Xは、嗜好キーワードの集合体(嗜好情報)を示しており、xは、その集合体に属する1つの嗜好キーワードを示している。Wは、嗜好キーワードxの重みを示す。関数ftarget(p,x)は、1又は0を出力する関数である。targetには、番組の項目であるシリーズ、下位ジャンル、及び上位ジャンルが採用されている。即ち、式(3)においては、sは、シリーズを示し、tは、下位ジャンルを示し、uは、上位ジャンルを示している。また、式(3)において、a,b,cは、それぞれシリーズs,下位ジャンルt、上位ジャンルuの重みを示している。
【0264】
式(3)において、第2項のRpは、消去候補番組pの番組視聴率を示している。このように、式(3)の嗜好一致度F(p)は、消去候補番組pとユーザの嗜好との一致度を示す第1項(シグマの項)の値に対して、第2項の番組視聴率Rpの値が加算して求められる。このことは、ユーザの嗜好に対して、さらに一般ユーザの消去候補番組pに対する関心度も加味して嗜好一致度F(p)が求められることを意味する。例えば、消去候補番組p1に対するユーザの嗜好の一致度と、消去候補番組p2に対するユーザの嗜好との一致度とが同じ値であるとする。この場合に、消去候補番組p1の番組視聴率Rp1の方が、消去候補番組p2の番組視聴率Rp2よりも高いときには、消去候補番組p1に対する嗜好一致度F(p1)の方が、消去候補番組p2に対する嗜好一致度F(p2)よりも大きくなる。したがって、消去候補番組p2の方が、消去候補番組p1よりも高い消去順位が設定される。その結果、消去候補番組p2の方が、消去候補番組p1よりも優先的に段階的一部消去が施される。
【0265】
このように、消去候補番組pの嗜好一致度F(p)の算出に、消去候補番組pとユーザの嗜好との一致度に加えて、番組視聴率Rpを用いることにより、一般ユーザが高い関心を持つ番組の消去順位を低く設定することができる。したがって、一般ユーザが高い関心を持つ番組ほどAVデータ蓄積部15から削除されずに長く残すことができる。
【0266】
次に、外部からの情報を示す値の一例として、DVD/BD販売レンタルサービスサイト164から番組が購入またはレンタル(以下、入手と称する)可能であるか否かの情報を示す値が採用される場合の嗜好一致度の求め方について、以下説明する。
【0267】
DVD/BD販売レンタルサービスサイト164から番組が入手不可能である番組は、希少性が高い番組であるといえる。この場合の嗜好一致度は、ユーザの嗜好と合致する消去候補番組については高い値になることは勿論のこと、さらに、入手不可能である消去候補番組ほど高い値になるように求められる。具体的には例えば、消去候補番組をpと記述し、消去候補番組pと消去候補番組pが入手可能であるか否かを示す関数g(p)とを入力パラメータとして、消去候補番組pに対する嗜好一致度を出力する関数をF(p)と記述すると、嗜好一致度F(p)は、例えば次の式(4)に従って算出される。
【0268】
【数4】

【0269】
式(4)において、右辺のシグマの項(第1項)は、上述した式(1)の右辺のシグマの項同様である。即ち、Xは、嗜好キーワードの集合体(嗜好情報)を示しており、xは、その集合体に属する1つの嗜好キーワードを示している。Wは、嗜好キーワードxの重みを示す。関数ftarget(p,x)は、1又は0を出力する関数である。targetには、番組の項目であるシリーズ、下位ジャンル、及び上位ジャンルが採用されている。即ち、式(4)においては、sは、シリーズを示し、tは、下位ジャンルを示し、uは、上位ジャンルを示している。また、式(4)において、a,b,cは、それぞれシリーズs,下位ジャンルt、上位ジャンルuの重みを示している。
【0270】
式(4)において、第2項のCは、正の定数を示しており、任意に設定が可能である。g(p)は、消去候補番組pが、DVD/BD販売レンタルサービスサイト164から入手可能であるか否かを示す関数であり、1又は0を出力する関数である。g(p)=1であることは、消去候補番組pがDVD/BD販売レンタルサービスサイト164から入手可能であることを意味する。一方、g(p)=0であることは、DVD/BD販売レンタルサービスサイト164から入手不可能であることを意味する。
【0271】
このように、式(4)の嗜好一致度F(p)は、消去候補番組pとユーザの嗜好との一致度を示す第1項(シグマの項)の値に対して、第2項の消去候補番組pが入手可能であるか否かを示す関数の値g(p)と定数Cの積が減算して求められる。このことは、ユーザの嗜好に対して、さらに消去候補番組pの希少性も加味して嗜好一致度F(p)が求められることを意味する。消去候補番組p1に対するユーザの嗜好の一致度と、消去候補番組p2に対するユーザの嗜好との一致度とが同じ値であるとする。この場合に、消去候補番組p1は入手不可能(g(p)=0)であり、消去候補番組p2は入手可能(g(p)=1)であるときには、消去候補番組p1に対する嗜好一致度F(p1)の方が、消去候補番組p2に対する嗜好一致度F(p2)よりも大きくなる。したがって、消去候補番組p2の方が、消去候補番組p1よりも高い消去順位が設定される。その結果、消去候補番組p2の方が、消去候補番組p1よりも優先的に段階的一部消去がなされる。
【0272】
このように、消去候補番組pの嗜好一致度F(p)の算出に、消去候補番組pとユーザの嗜好との一致度に加えて、番組が入手可能であるか否かの関数g(p)を用いることにより、消去してしまうとユーザが再び視聴できる可能性が低くなる希少性の高い番組の消去順位を低く設定することができる。したがって、希少性が高い番組ほどAVデータ蓄積部15から削除されずに長く残すことができる。
【0273】
消去順位設定部132によって消去候補番組の各々の消去順位が設定されると、消去順位設定処理は終了する。
【0274】
以上、説明したように、第2実施形態のビデオレコーダ101は、録画に必要な空き容量がAVデータ蓄積部115にない場合には、ユーザの嗜好情報に基づいて不要であると判断された録画番組に対して段階的一部消去を施す。これにより、AVデータ蓄積部115の空き容量を確保しつつ、なるべく多くの録画番組を完全消去せずに残しておくことができる。また、録画番組の段階的一部消去が実行されることで、ユーザは完全に消去される録画番組を把握することができるので、昨日まで見えていた番組が今日には突然消去されていた、というような事態を回避することができる。
【0275】
さらに、この段階的一部消去は、所定の消去パターンに従って実行される。消去パターンは1以上のパラメータを含んでおり、ユーザは、このようなパラメータを自身の好みに合わせて任意に設定することができる。これにより、ユーザの嗜好に合わせて、録画番組に適した段階的一部消去をすることが可能になる。
【0276】
さらに、第2実施形態のビデオレコーダ101は複数の録画番組の消去順位を設定する。この場合、ユーザの嗜好情報と外部からの情報に基づいて消去順位を設定しているので、再生方法、操作内容、未再生といった状況に関わらず複数の録画番組の各々に対して消去順位を適切に設定することができる。
【0277】
また、第2実施形態のビデオレコーダ101は、複数の録画番組の消去順位を設定する場合、ユーザの嗜好情報に加え、さらに一般ユーザの嗜好情報や、録画番組の希少性を加味する。これにより、一般ユーザが高い関心を持つ録画番組や希少性が高い録画番組ほどAVデータ蓄積部15から削除されずに長く残すことができる。
【0278】
本発明は、ビデオレコーダ、パーソナルコンピュータ、携帯電話等、コンテンツの記録を実行することができる装置に適用することができる。
【0279】
[本発明のプログラムへの適用]
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行させることもできるし、ソフトウエアにより実行させることができる。
【0280】
この場合、上述した情報処理装置の少なくとも一部として、例えば、図15に示されるパーソナルコンピュータを採用してもよい。
【0281】
図15において、CPU(Central Processing Unit)201は、ROM(Read Only Memory)202に記録されているプログラムに従って各種の処理を実行する。または記憶部208からRAM(Random Access Memory)203にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM203にはまた、CPU201が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0282】
CPU201、ROM202、およびRAM203は、バス204を介して相互に接続されている。このバス204にはまた、入出力インタフェース205も接続されている。
【0283】
入出力インタフェース205には、キーボード、マウスなどよりなる入力部206、ディスプレイなどよりなる出力部207が接続されている。また、ハードディスクなどより構成される記憶部208、および、モデム、ターミナルアダプタなどより構成される通信部209が接続されている。通信部209は、インターネットを含むネットワークを介して他の装置(図示せず)との間で行う通信を制御する。
【0284】
入出力インタフェース205にはまた、必要に応じてドライブ210が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア211が適宜装着される。そして、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部208にインストールされる。
【0285】
一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0286】
このようなプログラムを含む記録媒体は、図15に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini-Disk)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア(パッケージメディア)211により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROM202や、記憶部208に含まれるハードディスクなどで構成される。
【0287】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【符号の説明】
【0288】
1 ビデオレコーダ, 11 アンテナ, 12 チューナ, 13 操作部, 14 番組管理部, 15 AVデータ蓄積部, 16 番組情報蓄積部, 17 視聴履歴情報蓄積部, 18 消去パターン蓄積部, 19 外部出力部, 31 録画再生制御部, 32 消去順位設定部, 33 嗜好情報生成部, 34 段階的消去制御部, 35 消去パターン管理部, 51 サムネイル表示領域, 52 コメント表示領域, 53 テキスト表示領域, 54 再生位置表示タグ, 101 ビデオレコーダ, 111 アンテナ, 112 チューナ, 113 操作部, 114 番組管理部, 115 AVデータ蓄積部, 116 番組情報蓄積部, 117 視聴履歴情報蓄積部, 118 消去パターン蓄積部, 119 外部出力部, 120 通信制御部, 131 録画再生制御部, 132 消去順位設定部, 133 嗜好情報生成部, 134 段階的消去制御部, 135 消去パターン管理部, 141 ネットワーク, 161 番組視聴率サイト, 162 コミュニティサイト, 163 番組配信サービスサイト, 164 DVD/BD販売レンタルサービスサイト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツのデータが記録されている記録媒体に、新たなコンテンツのデータを記録する制御を実行する記録制御手段と、
前記記録制御手段の制御の対象の前記新たなコンテンツのデータの容量が、前記記録媒体の空き容量よりも多い場合、前記記録媒体に記録されている前記コンテンツのデータに対する段階的一部消去の処理を、前記段階的一部消去の手法を示すパラメータで構成される複数の消去パターンのリストに従って実行する段階的消去手段と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記パラメータの設定をすることで前記消去パターンの作成又は更新を管理する消去パターン管理手段
をさらに備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記消去パターンは、ジャンル、アクション、並びに前記コンテンツのうち前記段階的一部消去を施す位置のパラメータを含む
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記消去パターンは、さらに消去ステータスのパラメータを含む
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記記録媒体に記録された複数の前記コンテンツの各々に対して、前記段階的一部消去が施される順番を示す消去順位を設定する消去順位設定手段をさらに備え、
前記段階的消去手段は、前記消去順位設定手段により設定された前記消去順位に従って、複数の前記コンテンツの中から、前記段階的一部消去を施す対象を決定する
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記記録媒体に記録された複数の前記コンテンツのうち、ユーザによる視聴済みのコンテンツに基づいて、前記ユーザの嗜好を示す嗜好情報を生成する嗜好情報生成手段をさらに備え、
前記消去順位設定手段は、前記嗜好情報生成手段により生成された前記嗜好情報に基づいて、前記記録媒体に記録された複数の前記コンテンツの各々に対して前記消去順位を設定する
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記嗜好情報生成手段は、前記視聴済みのコンテンツが属するシリーズ、下位ジャンル、及び上位ジャンルのうちの少なくとも1つの要素を用いて、前記嗜好情報を生成し、
前記消去順位設定手段は、前記嗜好情報と、複数の前記コンテンツの各々が属する前記シリーズ、前記下位ジャンル、及び前記上位ジャンルのうち、前記嗜好情報の生成に用いられた要素とを用いて、複数の前記コンテンツの各々に対して前記消去順位を設定する
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
外部と通信をすることで、一般的嗜好を受信する通信手段をさらに備え、
前記消去順位設定手段は、前記通信手段により受信された前記一般的嗜好に基づいて、または前記通信手段により受信可能なコンテンツか否かに基づいて、前記記録媒体に記録された複数の前記コンテンツの各々に対して前記消去順位を設定する
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記位置のパラメータは、前記コンテンツの盛り上がり度、若しくは前記コンテンツのコーナー情報に基づいて設定されるか、または前記コンテンツの内容に基づいて設定される
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンテンツのデータが記録されている記録媒体に、新たなコンテンツのデータを記録する制御を実行する記録制御ステップと、
前記記録制御ステップの処理の対象の前記新たなコンテンツのデータの容量が、前記記録媒体の空き容量よりも多い場合、前記記録媒体に記録されている前記コンテンツのデータに対する段階的一部消去の処理を、前記段階的一部消去の手法を示すパラメータで構成される複数の消去パターンのリストに従って実行する段階的消去ステップと
を含む情報処理方法。
【請求項11】
コンテンツのデータが記録されている記録媒体に、新たなコンテンツのデータを記録する制御を実行し、
制御の対象の前記新たなコンテンツのデータの容量が、前記記録媒体の空き容量よりも多い場合、前記記録媒体に記録されている前記コンテンツのデータに対する段階的一部消去の処理を、前記段階的一部消去の手法を示すパラメータで構成される複数の消去パターンのリストに従って実行する
ステップを含む制御処理をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−130064(P2011−130064A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−285038(P2009−285038)
【出願日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】