説明

情報処理装置および方法、並びにプログラム

【課題】記録メディアの規格に合うようにフォルダの構成を修復できるようにする。
【解決手段】AVCHDフォルダ31は、ABCフォルダ91の下に記録されている。記録メディアA11でAVCHDフォルダ31を正しく制御するためには、AVCHDフォルダ31をROOTフォルダ、つまり記録メディアA11の下に記録する必要がある。したがって、修復処理として記録メディアA11の規格に合うように、AVCHDフォルダ31を自動的に記録メディアA11の下に移動し、AVCHDフォルダ31を正しく制御できるようにする。本発明は、例えば、デジタルビデオカメラに適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、記録メディアの規格に合うようにフォルダの構成を修復することができるようにした情報処理装置および方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
記録メディアの規格は、各記録メディア毎に異なっている。ビデオカメラの動画記録の規格であるAVCHD(Advanced Video Codec High Definition)のフォルダが配置される位置も、図1に示されるように、記録メディアA11の規格によって定められている。
【0003】
図1Aは、記録メディアA11のフォルダ構成を示している。記録メディアA11の規格では、AVCHDフォルダ31はROOTフォルダとしての記録メディアA11の下に配置される。AVCHDフォルダ31の構成はAVCHD規格で定められている。
【0004】
すなわち、AVCHDフォルダ31の下にはBDMVフォルダ51が記録され、BDMVフォルダ51の下には、PLAYLISTフォルダ71、CLIPINFフォルダ72、およびSTREAMフォルダ73が記録される。
【0005】
記録メディアA11は、例えばメモリースティック(ソニー株式会社の登録商標)である。そのフォルダ構成については、特許文献1にも開示されている。
【0006】
図1Bは、他の記録メディアB12のフォルダ構成を示している。記録メディアB12の規格では、ROOTフォルダとしての記録メディアB12の下に、ABCフォルダ91が配置され、AVCHDフォルダ31は、ABCフォルダ91の下に配置される。なお、記録メディアB12の下に配置されるフォルダの名称は、記録メディアB12の規格に従って決定されるものであり、「ABC」に限られない。
【0007】
AVCHDフォルダ31の下には、記録メディアA11と同様に、BDMVフォルダ51が記録され、BDMVフォルダ51の下には、PLAYLISTフォルダ71、CLIPINFフォルダ72、およびSTREAMフォルダ73が記録される。
【0008】
記録メディアB12は、例えばSDカード(商標)である。
【0009】
このようにAVCHDフォルダ31を記録メディアに記録する場合、記録メディアを正しく認識して、その記録メディアの規格に沿ったフォルダ構成にしないと規格違反となり、その記録メディアのAVCHDフォルダ31に対してデータを正しく読み書きすることができなくなる。
【0010】
従来の多くの機器は、記録メディアA11または記録メディアB12のうちのいずれか一方の記録メディアのみに対応しているので、対応する記録メディアの規格に合わせたフォルダ構成で設計すれば良かった。
【0011】
【特許文献1】特開2008−22504
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、記録メディアA11と記録メディアB12の両方に対応した機器を開発する場合には、記録メディアの種類を正しく認識し、その認識された記録メディアに沿ったフォルダ構成を採用する必要がある。
【0013】
しかしながら、例えばUSB(Universal Serial Bus)カードリーダなどを経由して記録メディアを機器に接続した場合、その記録メディアの種類を識別することが困難である。
【0014】
記録メディアの種類を識別することができないと、記録メディアの規格に合うフォルダ構成でAVCHDフォルダ31を記録することができない、規格違反となる例を図2乃至図5に示す。
【0015】
図2は、ユーザが図示せぬパーソナルコンピュータ上などで、記録メディアA11に記録されたAVCHDフォルダ31内のデータをフォルダごと記録メディアB12にコピーする例を示している。
【0016】
図2において、記録メディアA11に記憶されているAVCHDフォルダ31は、記録メディアA11の規格に合うフォルダ構成で記録されている。すなわちAVCHDフォルダ31はROOTフォルダの下に形成されている。
【0017】
しかし、記録メディアA11のAVCHDフォルダ31内のデータをフォルダごと記録メディアB12にコピーした場合、記録メディア12Bに記録されたAVCHDフォルダ31は、記録メディアB12の規格外のフォルダ構成となる。すなわち、AVCHDフォルダ31はROOTフォルダの下に配置されてしまい、ABCフォルダ91の下に配置されない。
【0018】
したがって、記録メディア12Bの下に記録されたAVCHDフォルダ31内のデータは、記録メディアB12の規格違反となる。
【0019】
図3は、記録メディアB12に記録されたAVCHDフォルダ31内のデータをフォルダごと記録メディアA11にコピーする例を示している。
【0020】
図3において、記録メディアB12に記憶されているAVCHDフォルダ31は、記録メディアB12の規格に合うフォルダ構成で記録されている。すなわち、AVCHDフォルダ31はABCフォルダ91の下に配置されている。
【0021】
しかし、記録メディアB12のAVCHDフォルダ31内のデータをフォルダごと記録メディアA11にコピーした場合、記録メディア11Aに記録されたAVCHDフォルダ31は、記録メディアA11の規格外のフォルダ構成となる。すなわち、AVCHDフォルダ31はABCフォルダ91の下に配置され、ROOTフォルダの下に配置されない。
【0022】
したがって、記録メディア11Aの下に記録されたAVCHDフォルダ31内のデータは、記録メディア11Aの規格違反となる。
【0023】
次に、記録メディアA11の規格に合うフォルダ構成で記録されているAVCHDフォルダ31−1と、記録メディアA11の規格外のフォルダ構成で記録されているAVCHDフォルダ31−2が混在する例を図4に示す。
【0024】
図4Aは、記録メディアA11のROOTフォルダの下にAVCHDフォルダ31−1が記録されている例を示している。すなわちAVCHDフォルダ31−1は、記録メディアA11の規格に合うフォルダ構成で記録されている。
【0025】
図4Bの記録メディアA11(図4Bの左側に示されている)は、図4Aに示した記録メディアA11に、記録メディアB12(図4Bの右側に示されている)に記録されているAVCHDフォルダ31−2内のデータをフォルダごとコピーした例を示している。
【0026】
すなわち図4Bの記録メディアA11には、記録メディアA11の規格に合うROOTフォルダの下に配置されたAVCHDフォルダ31−1と、記録メディアA11の規格外の、すなわちROOTフォルダの下ではなく、ABCフォルダ91の下に配置されているAVCHDフォルダ31−2が記録されている。
【0027】
AVCHDフォルダ31は1個である必要がある。しかし図4Bの例では、AVCHDフォルダ31−1とAVCHDフォルダ31−2が混在するので、規格違反となり、AVCHDフォルダ31−1内のデータおよびAVCHDフォルダ31−2内のデータを正しく読み書きすることができないおそれがある。
【0028】
図5Aは、記録メディアB12のROOTフォルダの下にABCフォルダ91が配置され、ABCフォルダ91の下にAVCHDフォルダ31−11が記録されている例を示している。すなわちAVCHDフォルダ31−11は、記録メディアB12の規格に合うフォルダ構成で記録されている。
【0029】
図5Bの記録メディアB12(図5Bの左側に示されている)は、図5Aに示した記録メディアB12に、記録メディアA11(図5Bの右側に示されている)に記録されているAVCHDフォルダ31−12内のデータをフォルダごとコピーした例を示している。
【0030】
すなわち図5Bの記録メディアB12には、記録メディアB12の規格に合う、ABCフォルダ91の下に配置されているAVCHDフォルダ31−11と、記録メディアB12の規格外の、すなわちABCフォルダ91の下ではなく、ROOTフォルダの下に配置されているAVCHDフォルダ31−12が記録されている。
【0031】
図5Bの例では、AVCHDフォルダ31−11とAVCHDフォルダ31−12が混在するので、規格違反となり、AVCHDフォルダ31−11内のデータおよびAVCHDフォルダ31−12内のデータを正しく読み書きすることができないおそれがある。
【0032】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、記録メディアの規格に合うようにフォルダの構成を修復することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0033】
本発明の一側面は、コンテンツを記録する記録メディアの種類を判別する判別手段と、前記記録メディアに記録されている、前記コンテンツの記録の規格で定められた所定のフォルダを検索する検索手段と、前記検索手段により検索された前記所定のフォルダの記録位置が前記記録メディアの規格と一致するかを判定する判定手段と、前記判定手段により前記所定のフォルダの記録位置が前記記録メディアの規格と一致しないと判定された場合、前記所定のフォルダを修復する修復手段とを備える情報処理装置、情報処理方法、または、情報処理装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0034】
前記修復手段は、前記記録メディアの規格と一致するように前記所定のフォルダの記録位置を移動するか、または前記判定手段により前記記録メディアの規格と一致しないと判定された前記所定のフォルダの名前を前記記録メディアの規格外の名前に変更することができる。
【0035】
解析手段と、照合手段とをさらに備え、前記検索手段は、データベース情報が記録されたフォルダをさらに検索し、前記解析手段は、前記検索手段により検索された前記所定のフォルダ内の情報および前記データベース情報を解析し、前記照合手段は、前記解析手段により解析された複数の前記所定のフォルダ内の情報と、前記データベース情報とを照合し、前記判別手段は、前記照合手段により照合された前記データベース情報と一致する前記情報を有する前記所定のフォルダに基づいて、前記記録メディアの種類を判別することができる。
【0036】
前記データベース情報に基づき前記記録メディアの種類を判別できない場合、前記判定手段は、前記所定のフォルダの記録位置を判定し、前記判別手段は、前記判定手段により判定された前記所定のフォルダの記録位置に基づいて、前記記録メディアの種類を判別することができる。
【0037】
前記所定のフォルダの記録位置に基づき前記記録メディアの種類を判別できない場合、前記検索手段は、前記記録メディア固有の識別ファイルをさらに検索し、前記判定手段は、前記識別ファイルの記録位置を判定し、前記判別手段は、前記判定手段により判定された前記識別ファイルの記録位置に基づいて、前記記録メディアを判別することができる。
【0038】
前記判別手段は、前記記録メディアの種類が判別できない場合、前記記録メディアを予め定めた記録メディアとして判別することができる。
【0039】
本発明の一側面においては、コンテンツを記録する記録メディアの種類が判別され、前記記録メディアに記録されている、前記コンテンツの記録の規格で定められた所定のフォルダが検索され、検索された前記所定のフォルダの記録位置が前記記録メディアの規格と一致するかが判定され、前記所定のフォルダの記録位置が前記記録メディアの規格と一致しないと判定された場合、前記所定のフォルダが修復される。
【発明の効果】
【0040】
本発明の側面によれば、記録メディアの規格に合うようにフォルダの構成を修復することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】異なる2つの記録メディアのフォルダ構成の概要を示す図である。
【図2】記録メディアの規格違反の例を示す図である。
【図3】記録メディアの規格違反の例を示す図である。
【図4】記録メディアの規格違反の例を示す図である。
【図5】記録メディアの規格違反の例を示す図である。
【図6】デジタルビデオカメラの構成例を示すブロック図である。
【図7】デジタルビデオカメラの制御に関連するソフトウェアの構成例を示す図である。
【図8】CPUの機能的構成例を示すブロック図である。
【図9】フォルダ修復処理を説明するフローチャートである。
【図10】記録メディア判別処理を説明するフローチャートである。
【図11】記録メディア判別処理を説明するフローチャートである。
【図12】USBカードリーダの記録メディア識別処理を説明するフローチャートである。
【図13】AVF_INFOフォルダの概要を示す図である。
【図14】AVF_INFOデータを用いた記録メディア判別処理を説明するフローチャートである。
【図15】AVF_INFOデータとAVCHDデータを照合する例を示す図である。
【図16】記録メディアを判別する例を示す図である。
【図17】記録メディアを判別する例を示す図である。
【図18】位置による記録メディア判別処理を説明するフローチャートである。
【図19】識別ファイルの概要を示す図である。
【図20】識別ファイルを用いた記録メディア判別処理を説明するフローチャートである。
【図21】フォルダ構成修復処理を説明するフローチャートである。
【図22】修復処理の例を示す図である。
【図23】修復処理の例を示す図である。
【図24】修復処理の例を示す図である。
【図25】修復処理の例を示す図である。
【図26】修復処理の例を示す図である。
【図27】本発明を適用したコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
[デジタルビデオカメラの構成]
【0043】
図6は、本発明が適用されるデジタルビデオカメラ101の構成例を示すブロック図である。
【0044】
図6の例では、情報処理装置としてのデジタルビデオカメラ101は、撮像部121、アナログ信号処理部122、A/D変換部123、デジタル信号処理部124、モニタ125、ビューファインダ126、記録デバイス127、バス128、操作部129、CPU(Central Processing Unit)130、ROM(Read Only Memory)131、EEPROM(Erasable Programmable ROM)132、RAM(Random Access Memory)133、メディアI/F(interface)134、および通信部135から構成されている。
【0045】
撮像部121は、被写体を撮像する。撮像部121は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどにより構成される。
【0046】
アナログ信号処理部122は、撮像された被写体の静止画像または動画像のアナログ映像信号を生成して、A/D変換部123に供給する。
【0047】
A/D変換部123は、アナログ信号処理部122から取得したアナログ映像信号をデジタル映像信号に変換し、デジタル信号処理部124に供給する。
【0048】
デジタル信号処理部124は、A/D変換部123から取得したデジタル映像信号を処理し、モニタ125、ビューファインダ126、および記録デバイス127に供給する。
【0049】
モニタ125は、デジタル信号処理部124から取得したデジタル映像信号に対応する画像を表示する。モニタ125は、例えば、液晶ディスプレイなどにより構成される。
【0050】
ビューファインダ126は、デジタル信号処理部124から取得したデジタル映像信号に対応する画像を表示する。ビューファインダ126は、例えば、EVF(Electronic View Finder)などにより構成される。
【0051】
記録デバイス127は、デジタルビデオカメラ101に内臓されており、デジタル信号処理部124から取得したデジタル映像信号を記録する。
【0052】
バス128は、デジタルビデオカメラ101の撮像部121、アナログ信号処理部122、A/D変換部123、デジタル信号処理部124、操作部129、CPU130、ROM131、EEPROM132、RAM133、メディアI/F134、および通信部135をそれぞれ相互に接続する。
【0053】
操作部129は、ユーザからの入力を受け付ける。操作部129は、例えば、ボタン、スイッチ、タッチパネルディスプレイなどにより構成される。
【0054】
CPU130は、デジタルビデオカメラ101の動作を制御する。CPU130の機能の詳細は、図8を参照して後述する。
【0055】
ROM131は、デジタルビデオカメラ101において実行される各種の処理プログラムや処理に必要なデータなどを記録する。
【0056】
EEPROM132は、不揮発性メモリであり、ユーザが入力したデジタルビデオカメラ101の設定など、電源オフ後も保持する必要がある情報を記録する。
【0057】
RAM133は、各種処理において得られたデータを一時的に記録保持するなどのように、各種処理の作業領域として用いられる。
【0058】
メディアI/F134は、記録メディアなどのリムーバブルディスクやパーソナルコンピュータと相互に接続するインタフェースである。メディアI/F134が有するスロット141としては、記録メディアA11用と記録メディアB12用が設けられ、それぞれ記録メディアA11または記録メディアB12が接続される。
【0059】
通信部135は、赤外線通信、Bluetooth、ケーブルなどの通信路を介して、他のデジタルビデオカメラ、携帯端末装置、またはパーソナルコンピュータなどとデータの授受を行う。
【0060】
また通信部135は、例えばUSBケーブルを介してUSBカードリーダ142に接続される。USBカードリーダ142には、記録メディアA11または記録メディアB12が接続される。
【0061】
図7は、デジタルビデオカメラ101の制御に関連するソフトウェアの構成例を示す図である。これらのソフトウェアはCPU130により実行される。
【0062】
図7の例では、ソフトウェアは、記録メディア制御ドライバ151、ファイルシステム152、記録メディア管理部153、AVCHDライブラリ154、DB(データベース)ライブラリ155から構成されている。
【0063】
記録メディア制御ドライバ151は、スロット141またはUSBカードリーダ142に接続される記録メディアなどを駆動するソフトウェアである。
【0064】
ファイルシステム152は、記録デバイス127、並びにROM131、EEPROM132、およびRAM133などのメモリに記録されているファイルを管理する。
【0065】
記録メディア管理部153は、スロット141またはUSBカードリーダ142を介して接続された記録メディアを管理する。
【0066】
AVCHDライブラリ154は、記録メディアに記録されたデータのうち、AVCHDフォルダ31を管理する。
【0067】
DBライブラリ155は、データベースを管理する。
【0068】
図8は、CPU130の機能的構成例を示すブロック図である。
【0069】
CPU130は、判定部171、判別部172、制御部173、検索部174、解析部175、照合部176、作成部177および修復部178から構成されている。なおCPU130の各ブロックは、必要に応じて相互に信号(データ)を授受することが可能とされている。
【0070】
CPU130の判定手段としての判定部171は、処理が所定の条件を満たしているかを判定する。判別手段としての判別部172は、記録メディアの種類を判別する。制御部173は、図7に示したソフトウェアの制御や、記録メディア識別コマンドの授受を行う。検索手段としての検索部174は、記録メディア内のフォルダを検索する。解析手段としての解析部は、フォルダ内のデータおよびデータベースを解析する。照合手段としての照合部176は、解析されたフォルダ内のデータとデータベースを照合する。作成部177は、記録メディアの規格に合うようにAVCHDフォルダ31を作成する。修復手段としての修復部178は、記録メディアを修復する処理を行う。
【0071】
[フォルダ修復処理]
【0072】
記録メディアの規格違反となる場合に、記録メディアの規格に合った修復処理について図9を参照して説明する。
【0073】
図9は、記録メディアの規格に合うようにフォルダを修復するフォルダ修復処理を説明するフローチャートである。このフォルダ修復処理は、記録メディアがデジタルビデオカメラ101に接続されたとき実行される。
【0074】
ステップS1において、記録メディア判別処理が実行される。この記録メディア判別処理により、コンテンツの記録の規格で定められたフォルダであるAVCHDフォルダ31が記録されている記録メディアが判別される。ステップS1の記録メディア判別処理の詳細は図10乃至図20を参照して説明する。
【0075】
ステップS2において、フォルダ構成修復処理が実行される。このフォルダ構成修復処理により、記録メディアの規格違反のAVCHDフォルダ31が規格に合うように修復される。フォルダ構成修復処理の詳細は図21乃至図26を参照して後述する。
【0076】
[記録メディア判別処理]
【0077】
図10と図11は、図9のステップS1の記録メディア判別処理の詳細を説明するフローチャートである。
【0078】
ステップS21において、判定部171は、記録メディアの接続先は何かを判別する。記録メディアの接続先は、例えば、記録メディアごとに用意される専用のスロット141や、USBケーブルを介して接続された、複数の記録メディアを読み取り可能なUSBカードリーダ142などである。
【0079】
この例では、記録メディアを単独で判断できる場合の接続先をスロット141とし、記録メディアを単独で判断できない場合の接続先をUSBカードリーダ142として説明する。
【0080】
なお、記録メディアを単独で判断できる場合の接続先、および記録メディアを単独で判断できない場合の接続先は、上記の例に限られない。
【0081】
ステップS21において、コンテンツを記録する記録メディアがスロット141に接続されていると判定された場合、ステップS22において、判定部171は、接続されている記録メディアが何かを判定する。
【0082】
スロット141は記録メディアA11と記録メディアB12のそれぞれに専用とされている。したがって、接続されている記録メディアが記録メディアA11であるか、記録メディアB12であるかを判定することができる。
【0083】
ステップS22において、接続されているスロット141が記録メディアA11用であると判定された場合、ステップS23において、判別部172は、接続されている記録メディアを記録メディアA11と判別する。
【0084】
ステップS22において、接続されているスロット141が記録メディアB12用であると判定された場合、ステップS24において、判別部172は、接続されている記録メディアを記録メディアB12と判別する。
【0085】
一方、ステップS21において、記録メディアがUSBカードリーダに接続されていると判定された場合、ステップS25において、制御部173は、USB特殊コマンドとしての記録メディア識別コマンドを発行し、USBカードリーダ142に送信する。
【0086】
[USB特殊コマンドによる記録メディア識別処理]
【0087】
USBカードリーダ142はこの記録メディア識別コマンドを受信すると、記録メディアを識別する処理を実行する。
【0088】
図12は、USBカードリーダ142の記録メディア識別処理を説明するフローチャートである。この処理は、USBカードリーダ142がUSB特殊コマンドを授受できる場合に実行される。
【0089】
図示はしないが、USBカードリーダ142は、USB特殊コマンドを授受する通信部と記録メディアの種類を識別する識別部を有している。
【0090】
ステップS61において、USBカードリーダ142の通信部は、デジタルビデオカメラ101が図10のステップS25で送信した記録メディア識別コマンドを受信する。
【0091】
ステップS62において、USBカードリーダ142の識別部は、USBカードリーダ142に接続されている記録メディアの種類を識別する。
【0092】
ステップS63において、USBカードリーダ142の通信部は、ステップS62で識別された記録メディアの識別結果をデジタルビデオカメラ101に送信する。
【0093】
以上で、USBカードリーダ142の記録メディア識別処理は終了する。
【0094】
なお、USB特殊コマンドの授受は、パーソナルコンピュータとデジタルビデオカメラ101との間でも実行することができる。
【0095】
パーソナルコンピュータとデジタルビデオカメラ101との間でUSB特殊コマンドを授受する場合は、デジタルビデオカメラ101が接続されている記録メディアを判別し、パーソナルコンピュータに送信する。
【0096】
図10に戻り、ステップS26において判定部171は、USBカードリーダ142から識別結果を受信したかを判定する。
【0097】
ステップS26において、USBカードリーダ142から識別結果を受信したと判定された場合、ステップS27において、判定部171は、USBカードリーダ142に接続されている記録メディアは何かを判定する。
【0098】
ステップS27において、接続されている記録メディアが記録メディアA11であると判定された場合、ステップS28において、判別部172は、接続されている記録メディアを記録メディアA11と判別する。
【0099】
ステップS27において、接続されている記録メディアが記録メディアB12であると判定された場合、ステップS29において、判別部172は、接続されている記録メディアを記録メディアB12と判別する。
【0100】
ステップS26において、USBカードリーダ142から識別結果を受信しなかったと判定された場合、すなわちUSBカードリーダ142がUSB特殊コマンドを授受する機能を有していない場合、処理は図11のステップS30に進む。
【0101】
ステップS30において、判定部171は、記録メディアにAVF_INFOフォルダ32が存在するかを判定する。AVF_INFOフォルダ32とは、AVCHDフォルダ31内のデータのタイトルおよびタイトルごとのコンテンツ数などのコンテンツに関する情報を管理するデータベース情報が記録されているフォルダである。AVF_INFOフォルダ32を設けることはAVCHD規格上必須ではないが、設けることができる。
【0102】
記録メディアに記録されるAVF_INFOフォルダ32の構成例を図13に示す。
【0103】
図13Aは、記録メディアA11にAVF_INFOフォルダ32が記録されている例を示している。図13Bは、記録メディアB12にAVF_INFOフォルダ32が記録されている例を示している。
【0104】
図13Aおよび図13Bに示されるように、AVF_INFOフォルダ32は、記録メディアに依らず、ROOTフォルダ、つまり記録メディアA11および記録メディアB12の下に記録される。
【0105】
なおAVF_INFOフォルダ32内のデータベースは、AVCHDフォルダ31内のデータとは独立したデータベースである。
【0106】
例えば図5Bにおいて、記録メディアB12のROOTフォルダの下にAVF_INFOフォルダ32が存在する場合、AVCHDフォルダ31−11の内容が更新されたときもAVF_INFOフォルダ32内のデータベースは更新され、AVCHDフォルダ31−12の内容が更新されたときもAVF_INFOフォルダ32内のデータベースは更新される。
【0107】
またAVF_INFOフォルダ32内のデータベースは、AVCHDフォルダ31内のデータの他、AVCHDフォルダ31以外の動画や静止画についても管理することができる。
【0108】
図11に戻り、ステップS30において、AVF_INFOフォルダ32が存在すると判定された場合、ステップS31において、AVF_INFOデータを用いた記録メディア判別処理が実行される。AVF_INFOデータとは、AVF_INFOフォルダ32内のデータベースのことを意味する。
【0109】
すなわち、AVCHDフォルダ31内のデータとAVF_INFOフォルダ32内のデータベースを照合することで記録メディアが判別される。AVF_INFOデータを用いた記録メディア判別処理を図14乃至図18を参照して説明する。
【0110】
[データベースを用いた記録メディア判別処理]
【0111】
図14は、AVF_INFOデータを用いた記録メディア判別処理の詳細を説明するフローチャートである。
【0112】
ステップS81において、検索部174は、記録メディア内のAVCHDフォルダ31を検索する。すなわちAVCHDフォルダ31がどのフォルダの下に記録されているかが検索される。
【0113】
ステップS82において、判定部171は、ステップS81で検索されたAVCHDフォルダ31がROOTフォルダの下とABCフォルダ91の下に存在するかを判定する。すなわち、AVCHDフォルダ31が図4Bと図5Bに示したフォルダ構成のように、ROOTフォルダの下とABCフォルダ91の下の両方に記録されているかを判定する。
【0114】
ステップS82において、AVCHDフォルダ31がROOTフォルダの下とABCフォルダ91の下の両方に存在すると判定された場合、ステップS83において、解析部175は、AVF_INFOフォルダ32のデータベースを解析する。
【0115】
具体的には、AVF_INFOフォルダ32内のデータベースが管理しているタイトル数、およびタイトルごとのコンテンツ数が取得される。
【0116】
次にステップS84において、解析部175は、ROOTフォルダの下に記録されているAVCHDフォルダ31内のデータを解析する。具体的には、ROOTフォルダの下に記録されているAVCHDフォルダ31内のデータのタイトル数、およびタイトルごとのコンテンツ数が取得される。すなわち、ステップS83における場合と同様の解析が行われる。
【0117】
ステップS85において、照合部176は、ステップS83で解析されたAVF_INFOデータの解析結果と、ステップS84で解析されたROOTフォルダの下に記録されているAVCHDフォルダ31内のデータの解析結果を照合する。
【0118】
AVF_INFOデータの解析結果とAVCHDフォルダ31内のデータの解析結果を照合する例を図15に示す。
【0119】
図15においては、左側にAVF_INFOデータの例が示されており、右側にAVCHDフォルダ31内のデータの例が示されている。
【0120】
まずAVCHDフォルダ31内の構成とAVF_INFOフォルダ32内の構成の例を説明する。
【0121】
AVCHDの規格で1つの記録が行われると、PLAYLISTフォルダ71内にMPLファイル251−1が作成され、CLIPINFフォルダ72内にCPIファイル271−1が作成され、STREAMフォルダ73内にMTSファイル291−1が作成される。
【0122】
STREAMフォルダ73内に記録されるMTSファイル291−1にはコンテンツのデータが配置される。CLIPINFフォルダ72内に記録されるCPIファイル271−1にはコンテンツのデコードに必要な情報等のコンテンツに関する情報が配置される。PLAYLISTフォルダ71内のMPLファイル251−1には、コンテンツのタイトル、チャプタ等が配置される。
【0123】
同様に次に記録が行われると、PLAYLISTフォルダ71内、CLIPINFフォルダ72内およびSTREAMフォルダ73内にそれぞれ、MPLファイル251−2、CPIファイル271−2およびMTSファイル291−2が作成される。
【0124】
登録先がPLAYLISTフォルダ71内のMPLファイル251−1から次のMPLファイル251−2に代わるのは、動画の記録モードを変換した場合(例えば、通常モードから高画質モードに変更した場合)、MPLファイル251内に所定数のCPIファイル271とMTSファイル291が作成された場合、およびUSBでパーソナルコンピュータに接続して、パーソナルコンピュータからデータを書き戻す場合などである。
【0125】
しかしこれだけでは、ユーザは撮影した日付などがわからないので、AVF_INFOデータを用いて、AVCHDフォルダ31内のデータが管理される。
【0126】
図15の例のAVF_INFOデータは、仮想AVCHDフォルダ191、仮想日付フォルダ211、並びにエントリ231−1およびエントリ231−2から構成されている。
【0127】
仮想AVCHDフォルダ191の下に仮想日付フォルダ211を配置することで、AVCHDフォルダ31内のデータの記録日を管理することができる。
【0128】
エントリ231には、コンテンツに関する撮影情報が記録される。コンテンツに関する撮影情報とは、例えば、コンテンツを撮影した日時、撮影した時間、タイトル、およびタイトルのチャプタ数などである。
【0129】
そしてエントリ231(231−1,231−2,・・・)を指定することで、AVCHDフォルダ31内のコンテンツなどのデータを指定することができる。
【0130】
例えば、図15に示されるように、ユーザが09年1月22日付けの仮想日付フォルダ211のエントリ231−1を選択し、「Title:1 Chapter:1」を指定したとする。この場合、それにより特定される、例えばMPLファイル251−1、CPIファイル271−1およびMTSファイル291−1に対応するコンテンツが再生される。
【0131】
同様にして、ユーザがエントリ231−2を選択し、「Title:2 Chapter:1」を指定した場合、それにより特定されるコンテンツが再生される。
【0132】
したがって、AVF_INFO内のエントリ231、およびPLAYLISTフォルダ71内のMPLファイル251等をそれぞれ解析することで、記録されているタイトル数およびタイトルの中のコンテンツ数がわかる。勿論、コンテンツとチャプタ数、その他の項目を解析してもよい。
【0133】
そしてそれぞれの解析結果を照合し、タイトル数およびコンテンツ数等が整合していれば、解析したAVCHDフォルダ31が、その記録メディアの規格に合ったAVCHDフォルダであると推定することができる。
【0134】
なおデータベースは、AVCHD以外のデータも管理することができる。また仮想AVCHDフォルダ191の下に仮想日付フォルダ211を配置するとしたが、日付以外についてまとめた仮想フォルダを配置してもよい。
【0135】
図14に戻り、ステップS86において、判定部171は、ステップS85で照合したデータが一致するかを判定する。
【0136】
すなわち判定部171は、ROOTフォルダの下に記録されているAVCHDフォルダ31内のデータのタイトル数、およびタイトルごとのコンテンツ数と、AVF_INFOデータのタイトル数、およびタイトルごとのコンテンツ数が整合するかを判定する。
【0137】
ステップS86において、照合したデータが一致すると判定された場合、ステップS87において、判別部172は、接続されている記録メディアを記録メディアA11と判定する。ステップS87において、照合した結果、接続されている記録メディアを記録メディアA11と判別する例を図16に示す。
【0138】
図16Aは、記録メディアの種類がわからない状態、つまり記録メディアを判別する処理を実行する前の状態を示している。図16Aの例では、ABCフォルダ91の下にAVCHDフォルダ31−21が配置され、ROOTの下にAVCHDフォルダ31−22とAVF_INFOフォルダ32−21が配置されている。
【0139】
AVCHDフォルダ31−22内のデータの解析結果とAVF_INFOフォルダ32−21内のデータベース、つまりAVF_INFOデータの解析結果が整合する場合、記録メディアの規格に合うAVCHDフォルダ31は、AVCHDフォルダ31−22と推定される。
【0140】
この場合、図16Bに示されるように、接続されている記録メディアは記録メディアA11であると判別される。
【0141】
一方、図14のステップS86において、照合したデータが一致しないと判定された場合、ステップS88において、解析部175は、ABCフォルダ91の下に記録されているAVCHDフォルダ31内のデータを解析する。
【0142】
ステップS89において、照合部176は、ステップS83で解析されたAVF_INFOデータの解析結果と、ステップS88で解析されたABCフォルダ91の下に記録されているAVCHDフォルダ31内のデータの解析結果を照合する。
【0143】
ステップS90において、判定部171は、ステップS89で照合したデータが一致するかを判定する。
【0144】
すなわち判定部171は、ABCフォルダ91の下に記録されているAVCHDフォルダ31内のデータのタイトル数、およびタイトルごとのコンテンツ数と、AVF_INFOデータのタイトル数、およびタイトルごとのコンテンツ数が整合するかを判定する。
【0145】
ステップS90において、照合したデータが一致すると判定された場合、ステップS91において、判別部172は、接続されている記録メディアを記録メディアB12と判定する。ステップS91において、照合したデータが記録メディアB12の規格と一致する例を図17に示す。
【0146】
図17Aは、記録メディアの種類がわからない状態、つまり記録メディアを判別する処理を実行する前の状態を示している。図17Aの例では、ABCフォルダ91の下にAVCHDフォルダ31−31が配置され、ROOTの下にAVCHDフォルダ31−32、およびAVF_INFOフォルダ32−31が配置されている。
【0147】
AVCHDフォルダ31−31内のデータの解析結果とAVF_INFOフォルダ32−31内のデータベース、つまりAVF_INFOデータの解析結果が整合する場合、記録メディアの規格に合うAVCHDフォルダ31は、AVCHDフォルダ31−31と推定される。
【0148】
この場合、図17Bに示されるように、接続されている記録メディアは記録メディアB12であると判別される。
【0149】
図14のステップS90において、照合したデータが一致しないと判定された場合、ステップS92において、判別部172は、AVF_INFOフォルダ32を用いて記録メディアを判別することができないことから、記録メディアを判別不可とする。
【0150】
また、ステップS82において、AVCHDフォルダ31がROOTフォルダの下とABCフォルダ91の下に存在しないと判定された場合、ステップS93において、判別部172は、AVF_INFOフォルダ32を用いて記録メディアを判別することができないことから、記録メディアを判別不可とする。
【0151】
ステップS87,S91乃至S93の処理の後、AVF_INFOデータを用いた記録メディア判別処理は終了し、処理は図11に戻り、処理はステップS32に進む。
【0152】
ステップS32において、判定部171は、ステップS31のAVF_INFOデータを用いた記録メディア判別処理で記録メディアを判別できたか判定する。
【0153】
ステップS32において、記録メディアを判別できないと判定された場合、すなわち図14のステップS92またはS93で判別不可と判別された場合、ステップS33において、位置による記録メディア判別処理が実行される。位置による記録メディア判別処理の詳細を図18に示す。
【0154】
[位置による記録メディア判別処理]
【0155】
図18は、位置による記録メディア判別処理の詳細を説明するフローチャートである。
【0156】
ステップS111において、検索部174は、記録メディア内のAVCHDフォルダ31を検索する。すなわちAVCHDフォルダ31がどのフォルダの下に記録されているかが検索される。
【0157】
なお図14のステップS81の処理において、すでにAVCHDフォルダ31が検索されている場合、ステップS111の処理は行われず、処理はステップS112に進む。
【0158】
ステップS112において、判定部171は、AVCHDフォルダ31がどこにあるかを判定する。
【0159】
ステップS112において、AVCHDフォルダ31がROOTフォルダの下に記録されていると判定された場合、ステップS113において、判別部51は、接続されている記録メディアを記録メディアA11と判別する。
【0160】
ステップS112において、AVCHDフォルダ31がABCフォルダ91の下に記録されていると判定された場合、ステップS114において、判別部172は、接続されている記録メディアを記録メディアB12と判別する。
【0161】
ステップS112において、AVCHDフォルダ31が記録されていないと判定された場合、ステップS115において、判別部172は、記録メディアを判別不可とする。
【0162】
ステップS113乃至S115の処理の後、記録メディア判別処理は終了し、処理は図11に戻り、処理はステップS34に進む。
【0163】
ステップS34において、判定部171は、ステップS33の位置による記録メディア判別処理で記録メディアを判別できたか判定する。
【0164】
ステップS34において、記録メディアを判別できないと判定された場合、すなわち図18のステップS115で判別不可と判別された場合、ステップS35において、識別ファイルを用いた記録メディア判別処理が実行される。識別ファイルとは、記録メディア固有に記録されているファイルである。識別ファイルの例を図19に示す。
【0165】
[識別ファイル]
【0166】
図19Aは、記録メディアA11の識別ファイルの例を示す図である。記録メディアA11のROOTフォルダの下には、識別ファイルA311が記録されている。
【0167】
図19Bは、記録メディアB12の識別ファイルの例を示す図である。記録メディアB12の下には、ABCフォルダ91が配置され、ABCフォルダ91の下に識別ファイルB312が記録されている。なお識別ファイルは、例えばABCフォルダ91の下にDEFフォルダを作成し、DEFフォルダの下に記録されるようにしてもよい。すなわち識別ファイルの記録位置は、ROOTフォルダの下およびABCフォルダ91の下に限られない。
【0168】
このように、記録メディアA11および記録メディアB12は、記録メディアごとに固有の識別ファイルA311および識別ファイルB312を有しているので、識別ファイルを検索することで記録メディアを判別することが可能となる。
【0169】
しかし識別ファイルを用いて記録メディアを判別する処理は、識別ファイルの有無だけで記録メディアを判別するため、記録メディア内の全てのデータをコピーすると識別ファイルもコピーされてしまう。そのため、識別ファイルを用いた記録メディアの判別処理の信頼度は低くなる。
【0170】
そこで、識別ファイルが唯一存在するときだけ、識別ファイルを用いて記録メディアを判別する。識別ファイルを用いた記録メディア判別処理の詳細を図20に示す。
【0171】
[識別ファイルを用いた記録メディア判別処理]
【0172】
図20は、識別ファイルを用いた記録メディア判別処理の詳細を説明するフローチャートである。
【0173】
ステップS131において、検索部174は、記録メディア内のAVCHDフォルダ31を検索する。すなわちAVCHDフォルダ31がどのフォルダの下に記録されているかが検索される。
【0174】
ステップS132において、判定部171は、識別ファイルがどこにあるかを判定する。
【0175】
ステップS132において、識別ファイルがROOTフォルダの下のみに記録されていると判定された場合、すなわち図19Aに示されるように、識別ファイルA311の位置(ROOTフォルダの下)にのみ識別ファイルが記録されている場合、ステップS133において、判別部172は、接続されている記録メディアを記録メディアA11と判別する。
【0176】
ステップS132において、識別ファイルがABCフォルダ91の下のみに記録されていると判定された場合、すなわち図19Bに示されるように、識別ファイルB312の位置(ABCフォルダ91の下)にのみ識別ファイルが記録されている場合、ステップS134において、判別部172は、接続されている記録メディアを記録メディアB12と判別する。
【0177】
ステップS132において、識別ファイルがROOTフォルダの下のみ、またはABCフォルダ91の下のみに記録されていないと判定された場合、すなわち識別ファイルが存在しないか、またはROOTフォルダの下およびABCフォルダ91の下の両方に記録されている場合、ステップS135において、判別部172は、記録メディアを判別不可とする。
【0178】
ステップS133乃至S135の処理の後、識別ファイルを用いた記録メディア判別処理は終了し、処理は図11に戻り、処理はステップS36に進む。
【0179】
ステップS36において、判定部171は、ステップS35の識別ファイルを用いた記録メディア判別処理で記録メディアを判別できたか判定する。
【0180】
ステップS36において、記録メディアを判別できないと判定された場合、すなわち図20のステップS135で判別不可と判別された場合、ステップS37において、判別部172は、接続されている記録メディアを予め定められた記録メディア、例えば記録メディアA11として判別する。
【0181】
なおステップS37の例では、記録メディアを決め打ちする処理を行うが、エラーとし、記録、再生などをできないようにするようにしてもよい。
【0182】
図10のステップS23,S24,S28,S29の処理の後、図11のステップS32,S34,S36で記録メディアを判別できたと判定された後、またはステップS37の処理の後、図10の記録メディア判別処理は終了し、処理は図9に戻り、処理はステップS2に進む。
【0183】
このように、デジタルビデオカメラ101は、接続されている記録メディアの種類が不明な場合でも記録メディアを特定して処理を実行することができる。
【0184】
[フォルダ構成修復処理]
【0185】
図21は、図9のステップS2のフォルダ構成修復処理の詳細を説明するフローチャートである。
【0186】
ステップS151において、判定部171は、記録メディアにAVCHDフォルダ31が存在するかを判定する。
【0187】
ステップS151において、AVCHDフォルダ31が存在しないと判定された場合、ステップS152において、作成部177は、記録メディアの規格に合うようにAVCHDフォルダ31を作成する。記録メディアの規格に合うようにAVCHDフォルダ31を作成する例を図22に示す。
【0188】
図22Aは、記録メディア11AにAVCHDフォルダ31を作成する例を示す図である。記録メディアA11の規格に合うように、AVCHDフォルダ31は、ROOTフォルダの下、つまり記録メディアA11の下に作成される。
【0189】
図22Bは、記録メディアB12にAVCHDフォルダ31を作成する例を示す図である。記録メディアB12の規格に合うように、AVCHDフォルダ31は、ABCフォルダ91の下に作成される。
【0190】
なお、記録メディアB12の下にABCフォルダ91が存在しない場合、記録メディアB12の規格に合うようにABCフォルダ91が作成される。
【0191】
また、図22の例とは異なる、他の記録メディアについても、その記録メディアの規格に合うようにAVCHDフォルダ31を作成するようにすることもできる。
【0192】
このように、AVCHDフォルダ31を記録メディアの規格に合うように作成するので、記録されるAVCHDデータが各記録メディアの規格違反となることがなくなり、AVCHDデータを正しく処理することができる。
【0193】
図21に戻り、ステップS151において、AVCHDフォルダ31が存在すると判定された場合、ステップS153において、判定部81は、規格を満足するAVCHDフォルダ31のみが存在するかを判定する。すなわち、規格外のAVCHDフォルダ31が存在しないかを判定する。
【0194】
ステップS153において、規格外のAVCHDフォルダ31が存在すると判定された場合、ステップS154において、修復部178は、規格外のAVCHDフォルダ31を規格に合うように修復する。
【0195】
規格外のAVCHDフォルダ31を規格に合うように修復する例を図23乃至図26に示す。
【0196】
図23は、記録メディアA11に記録されている規格外のAVCHDフォルダ31を修復する例を示している。図23において左側に示されるAVCHDフォルダ31は、ABCフォルダ91の下に記録されているので、記録メディアA11の規格に合うように修復される。
【0197】
すなわち修復部178は、図23において右側に示されるように、AVCHDフォルダ31をROOTフォルダ、つまり記録メディアA11の下に移動させる。これにより、AVCHDフォルダ31は、記録メディアA11の規格に合うようになり、正しく制御することができるようになる。
【0198】
図23の例では、修復した後の記録メディアA11には、ABCフォルダ91を記載していないが、ABCフォルダ91は、修復時に削除するようにしてもよいし、そのまま残しておいてもよい。
【0199】
図24は、記録メディアB12に記録されている規格外のAVCHDフォルダ31を修復する例を示している。図24において左側に示されるAVCHDフォルダ31は、ROOTフォルダ、つまり記録メディアB12の下に記録されているので、記録メディアB12の規格に合うように修復される。
【0200】
すなわち修復部178は、図24において右側に示されるように、AVCHDフォルダ31をABCフォルダ91の下に移動させる。これにより、AVCHDフォルダ31は、記録メディアB12の規格に合うようになり、正しく制御することができるようになる。
【0201】
なお、記録メディアB12の下に、ABCフォルダ91が存在しない場合、ABCフォルダ91も作成される。
【0202】
図25の左側には、記録メディアA11の規格外の、すなわちROOTフォルダの下に位置していないAVCHDフォルダ31−41と、記録メディアA11の規格に合った、すなわちROOTフォルダの下に位置するAVCHDフォルダ31−42とが記録されている記録メディア11Aが示されている。
【0203】
この場合、修復部178は、図25の右側に示されるように、記録メディアA11の規格外のAVCHDフォルダ31−41のフォルダ名を「AVCHD」とは異なる「AVCHD_BK」に変更する。AVCHD_BKフォルダ33は、AVCHDフォルダ31とは別のファイルになるので、記録メディアA11に記録されているAVCHDフォルダ31―42を正しく制御することができる。
【0204】
規格外のフォルダを削除せずにフォルダ名を変更することにより、AVCHDフォルダ31−41に記録されている個人データを消去せずに、保存しておくことができる。その結果、パーソナルコンピュータ等でAVCHD_BKフォルダ33のデータを読み込むことも可能になる。
【0205】
なお、フォルダ名は「AVCHD_BK」に変更したが、AVCHDフォルダ31として読み込めなくなればフォルダ名はどのように変更してもよい。
【0206】
図26の左側には、記録メディアB12の規格に合った、すなわちABCフォルダ91の下に配置されたAVCHDフォルダ31−51と、記録メディアB12の規格外の、すなわちROOTフォルダの下に配置されたAVCHDフォルダ31−52が記録されている記録メディアB12が示されている。
【0207】
この場合修復部178は、図26の右側に示されるように、記録メディアB12の規格外のAVCHDフォルダ31−52のフォルダ名を「AVCHD」とは異なる「AVCHD_BK」に変更する。これにより、記録メディアB12に記録されているAVCHDフォルダ31―51を正しく制御することができる。
【0208】
このように、デジタルビデオカメラ101は、規格外のAVCHDフォルダ31を自動的に修復して、正しく制御することができる。
【0209】
なお本明細書では、2種類のフォルダの構成を示したがフォルダ構成はこれらに限られない。
【0210】
[コンピュータの構成]
【0211】
図27は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【0212】
コンピュータ400において、CPU421,ROM(Read Only Memory)422,RAM(Random Access Memory)423は、バス424により相互に接続されている。バス424には、さらに、入出力インタフェース425が接続されている。入出力インタフェース425には、キーボード、マウス、マイクロフォンなどよりなる入力部426、出力装置、スピーカなどよりなる出力部427、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる記憶部428が接続されている。さらに、入出力インタフェース425には、ネットワークインタフェースなどよりなる通信部429、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア431を駆動するドライブ430が接続されている。
【0213】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU421が、例えば、記憶部428に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース425及びバス424を介して、RAM423にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。コンピュータ400(CPU421)が実行するプログラムは、例えば、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)であるリムーバブルメディア431に記録して提供される。プログラムは、パッケージメディアであるリムーバブルメディア431に記録して提供される。なお、パッケージメディアとしては、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)等)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリなどが用いられる。あるいは、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供される。そして、プログラムは、リムーバブルメディア431をドライブ430に装着することにより、入出力インタフェース425を介して、記憶部428にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部429で受信し、記憶部428にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部429で受信し、記憶部428にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM422や記憶部428に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0214】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われる処理であっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0215】
本発明の実施の形態は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0216】
101 デジタルビデオカメラ, 130 CPU, 134 メディアI/F, 135 通信部, 171 判定部, 172 判別部, 174 検索部, 175 解析部, 176 照合部, 178 修復部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを記録する記録メディアの種類を判別する判別手段と、
前記記録メディアに記録されている、前記コンテンツの記録の規格で定められた所定のフォルダを検索する検索手段と、
前記検索手段により検索された前記所定のフォルダの記録位置が前記記録メディアの規格と一致するかを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記所定のフォルダの記録位置が前記記録メディアの規格と一致しないと判定された場合、前記所定のフォルダを修復する修復手段と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記修復手段は、前記記録メディアの規格と一致するように前記所定のフォルダの記録位置を移動するか、または前記判定手段により前記記録メディアの規格と一致しないと判定された前記所定のフォルダの名前を前記記録メディアの規格外の名前に変更する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
解析手段と、
照合手段と
をさらに備え、
前記検索手段は、データベース情報が記録されたフォルダをさらに検索し、
前記解析手段は、前記検索手段により検索された前記所定のフォルダ内の情報および前記データベース情報を解析し、
前記照合手段は、前記解析手段により解析された複数の前記所定のフォルダ内の情報と、前記データベース情報とを照合し、
前記判別手段は、前記照合手段により照合された前記データベース情報と一致する前記情報を有する前記所定のフォルダに基づいて、前記記録メディアの種類を判別する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記データベース情報に基づき前記記録メディアの種類を判別できない場合、
前記判定手段は、前記所定のフォルダの記録位置を判定し、
前記判別手段は、前記判定手段により判定された前記所定のフォルダの記録位置に基づいて、前記記録メディアの種類を判別する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記所定のフォルダの記録位置に基づき前記記録メディアの種類を判別できない場合、
前記検索手段は、前記記録メディア固有の識別ファイルをさらに検索し、
前記判定手段は、前記識別ファイルの記録位置を判定し、
前記判別手段は、前記判定手段により判定された前記識別ファイルの記録位置に基づいて、前記記録メディアを判別する
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記判別手段は、前記記録メディアの種類が判別できない場合、前記記録メディアを予め定めた記録メディアとして判別する
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
判別手段と、
検索手段と、
判定手段と、
修復手段と
を備える情報処理装置の情報処理方法であって、
前記判別手段は、コンテンツを記録する記録メディアの種類を判別し、
前記検索手段は、前記記録メディアに記録されている、前記コンテンツの記録の規格で定められた所定のフォルダを検索し、
前記判定手段は、前記検索手段により検索された前記所定のフォルダの記録位置が前記記録メディアの規格と一致するかを判定し、
前記修復手段は、前記判定手段により前記所定のフォルダの記録位置が前記記録メディアの規格と一致しないと判定された場合、前記所定のフォルダを修復する
情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータを、
判別手段と、
検索手段と、
判定手段と、
修復手段と
して機能させるプログラムであって、
前記判別手段は、コンテンツを記録する記録メディアの種類を判別し、
前記検索手段は、前記記録メディアに記録されている、前記コンテンツの記録の規格で定められた所定のフォルダを検索し、
前記判定手段は、前記検索手段により検索された前記所定のフォルダの記録位置が前記記録メディアの規格と一致するかを判定し、
前記修復手段は、前記判定手段により前記所定のフォルダの記録位置が前記記録メディアの規格と一致しないと判定された場合、前記所定のフォルダを修復する
プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2011−141638(P2011−141638A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−921(P2010−921)
【出願日】平成22年1月6日(2010.1.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】