説明

情報処理装置の誤操作防止方式、情報処理装置の誤操作防止方法、並びに誤操作防止プログラム及び記憶媒体

【課題】取り消し不可能な処理の実行の操作に際して誤操作を防止し、且つ、操作の円滑さを維持することができる情報処理装置の語操作防止方式、並びにプログラム及び記憶媒体を提供する。
【解決手段】CPU102は、取り消し不可能な処理の実行の操作が行われた場合に、処理の実行前に実行を行ってよいかどうかの確認を提示し、確認を提示する毎に、確認上のユーザの操作の履歴を保存する。また、確認が提示された場合、前回の操作と今回の操作を比較し、または、前回の操作内容を判断し、比較・判断の結果、必要に応じて再確認の提示を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字や図形を表示する画面表示手段と、指令やデータを操作入力するための操作入力手段とを備え、アプリケーションを実行する情報処理装置の誤操作防止方式、並びにプログラム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータやTV番組を録画するハードディスク/DVDレコーダなど複雑な電子機器を一般の人が操作する機会が格段に増加してきている。これらの機器では、ファイルや録画した番組の削除、ディスクのフォーマットなど、一度行った操作を取り消すことができない、二度と復元しない実行の操作もよく行われる。
【0003】
このような取り消し不可能な操作(取り消し不可能な処理の実行の操作)が一般の人が使う機器において簡単にできてしまうと、ユーザにとって致命的な損失になってしまう恐れがある。そのため、取り消し不可能な操作に際しては、間違って操作してしまわないようにユーザインタフェースの改善が求められている。
【0004】
取り消し不可能な操作における誤操作を防止する方式として、従来、操作を行った後実際に実行する前に、取り消しができない旨を表示し、ユーザに本当に実行してよいか、または、キャンセルするかの選択をさせる確認画面を表示する方式が用いられている。
【0005】
しかし、上述した誤操作防止方式には次のような問題がある。例えば、取り消し不可能な実行の操作では、確認画面において、ユーザは、当初、よく考えてから操作の実行をするかキャンセルするかを選択するが、次第に慣れてくると、確認画面を軽視する傾向にある。従って、ユーザにとって取り返しのつかない予想外の致命的な損失を招く恐れが大きい。
【0006】
この問題を回避するために、確認画面を強制的に一定時間読ませるようにしようとする技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この提案では、確認ウィンドウを表示した後、所定の時間(確認ウィンドウ上のメッセージを読むのに必要な時間)を経るまでは、操作入力を受け付けないようにして上記メッセージ文を読ませるようにしている。
【0007】
また、確認ウィンドウを表示した後、所定の時間が経るまでに操作入力があった場合は、確認ウィンドウの表示から処理を繰り返すようにしたものがある。
【0008】
更に、確認ウィンドウの表示をした後、所定の時間が経るまでに操作入力があった場合は、その回数を記録し、回数が所定の回数を超える都度再確認ウィンドウを表示し、回数をクリアするようにしたものがある。
【特許文献1】特開2000−056887号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記、特許文献1の誤操作抑制方式には次のような問題がある。
【0010】
例えば、操作入力完了までに常に一定の時間を要するので、操作を緊急に行わなければならない場合には、大きな損失を伴う恐れがある。また、操作の円滑さを阻害し、機器の操作を行うリズム感を損なう。
【0011】
確認メッセージを読んで理解することは個人の能力に影響される要素が大きく、それにかかる時間は個人差が大きい。これを一定に定めるのは合理的とは言えない。
【0012】
また、一定の回数以上の操作を行うと再確認ウィンドウを表示する技術の場合、操作が可能なのに次の操作に進めないということから、ユーザに困惑と戸惑いをもたらすことになり、ユーザインタフェースへの信頼感の損失につながることもある。
【0013】
本発明の目的は、取り消し不可能な処理の実行の操作に際して誤操作を防止し、且つ、操作の円滑さを維持することができる情報処理装置の語操作防止方式、並びにプログラム及び記憶媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、請求項1記載の誤操作防止方式は、ユーザへの出力手段と、ユーザからの入力手段とを備え、アプリケーションプログラムを実行する情報処理装置の誤操作防止方式において、処理の実行前に実行を行ってよいかどうかの確認を提示する確認提示手段と、前記確認提示手段によって前記確認を提示する毎に、確認に対するユーザの操作の履歴を保存する保存手段と、前記確認提示手段によって前記確認が提示された場合、前記保存手段に保存された前回の操作の履歴と今回の操作の履歴を比較し、または、前回の操作内容を判断する比較・判断手段と、前記比較・判断手段による比較・判断の結果、必要に応じて再確認の提示を行う再確認提示手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
請求項7記載の情報処理装置の誤操作防止方法は、ユーザへの出力手段と、ユーザからの入力手段とを備え、アプリケーションプログラムを実行する情報処理装置の誤操作防止方法であって、処理の実行前に実行を行ってよいかどうかの確認を提示する確認提示工程と、前記確認提示工程で前記確認を提示する毎に、確認に対するユーザの操作の履歴を保存する保存工程と、前記確認提示工程で前記確認が提示された場合、前記保存工程で保存された前回の操作の履歴と今回の操作の履歴を比較し、または、前回の操作内容の履歴を判断する比較・判断工程と、前記比較・判断工程での比較・判断の結果、必要に応じて再確認の提示を行う再確認提示工程とを備えることを特徴とする。
【0016】
請求項8記載の誤操作防止プログラムは、ユーザへの出力手段と、ユーザからの入力手段とを備え、アプリケーションプログラムを実行する情報処理装置の誤操作防止プログラムにおいて、処理の実行前に実行を行ってよいかどうかの確認を提示する確認提示モジュールと、前記確認提示モジュールによって前記確認を提示する毎に、確認に対するユーザの操作の履歴を保存する保存モジュールと、前記確認が提示された場合、前記保存モジュールに保存された履歴に基づき前回の操作の履歴と今回の操作の履歴を比較し、または、前回の操作内容を判断する比較・判断モジュールと、比較・判断の結果、再確認の提示を行う再確認提示モジュールとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0017】
請求項9記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、請求項8記載の誤操作防止プログラムを格納する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、取り消し不可能な処理の実行の操作が行われた場合に、処理の実行前に実行を行ってよいかどうかの確認を提示する確認提示手段と、確認提示手段によって確認を提示する毎に、確認上のユーザの操作の履歴を保存する保存手段とを備える。また、確認が提示された場合、前回の操作と今回の操作を比較し、または、前回の操作内容を判断する比較・判断手段と、比較・判断の結果、再確認の提示を行う再確認提示手段とを備える。
【0019】
即ち、確認手段の確認結果により直ちに、処理が実行がされる訳ではなく、必要に応じてユーザに再確認させるようになっている。このため、取り消し不可能な処理の実行の操作に際して誤操作を防止し、且つ、操作の円滑さを維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態に係る情報処理装置のハードウェア構成を概略的に示す図である。
【0022】
図1において、情報処理装置は、入力部101、CPU102、出力部103、プログラムメモリ104、データメモリ105が、バス106に接続されることで構成されている。
【0023】
入力部101は情報(データ)を入力する。CPU102は、各種処理のための演算、論理判断等を行い、バス106に接続された各構成要素を制御する。出力部103は情報(データ)を出力する。出力部103としては、ビットマップイメージを出力できるLCDを使用しているが、CRT等のディスプレイやプリンタ等でもよい。
【0024】
プログラムメモリ104は、後述するフローチャートの処理手順を含むCPU102による制御のためのプログラムを格納する。プログラムメモリ104は、ROMであってもよいし、外部記憶装置等からプログラムが処理に先立ってロードしておくRAMであってもよい。
【0025】
データメモリ105は、表示データや各種処理で生じたデータを格納する。データメモリ105は、例えば、RAMとするが、不揮発な外部記憶媒体から、処理に先立ってロードしておく、あるいは必要があるごとに参照するものとする。
【0026】
バス106は、CPU102の制御の対象とする各構成要素を指示するアドレス信号、各構成要素を制御するためのコントロール信号、各構成要素間で相互にやりとりされるデータの転送を行う。
【0027】
図2は、図1における出力部による確認画面の第1の例を示す図である。
【0028】
ユーザが取り消し不可能な処理の実行の操作を行った際、図2の確認画面が表示される。確認画面には、ユーザに伝えるメッセージ文21、実行ボタン22、キャンセルボタン23がある。
【0029】
(第1の処理例)
ユーザは、メッセージ文21を読んだ後、実行ボタン22またはキャンセルボタン23を押す。確認画面が表示されてから、実行ボタン22が押されるまでの時間を記録する。次回同じ、取り消し不可能な処理の実行の操作を行った際、図2の確認画面が表示される。実行ボタン22が押された場合、確認画面が表示されてから実行ボタン22が押されるまでの時間を計測し、この時間が、前回の時間より短い場合には、図3の再確認画面が表示される。
【0030】
図3の再確認画面には、ユーザに伝えるメッセージ文31、実行ボタン22、キャンセルボタン23がある。
【0031】
図4は、図2の確認画面上のユーザ操作の履歴を保存するメモリ上の保存形式を示す図である。
【0032】
図4において、確認ID41には、どの確認画面でユーザが操作を行ったが記録される。UI部品ID42には、確認画面上のユーザインタフェースのユーザがどの部品の操作を行ったかが記録される。時間43には、確認画面を開いてからユーザが確認画面上のユーザインタフェースの部品を操作するまでの時間が秒数で記録されている。
【0033】
図5は、図1の情報処理装置によって実行される取り消し不可能な処理の実行の操作における第1の誤操作防止処理手順を示すフローチャートである。
【0034】
取り消し不可能な処理の実行が選択されると、図5のフローチャートが実行される。まず、図2の確認画面が表示される(ステップS101)(確認提示手段)。次に、時間の計測を始める(ステップS102)。そして、図2の確認画面内のボタンが操作されたかどうかを確認する(ステップS103)。ボタンが押されない限り、ステップS103の確認を繰り返す。
【0035】
ボタンが押されると時間の計測を停止し(ステップS104)、計測した時間を記録(保存)する(ステップS105)(保存手段)。次に、ステップS103で押されたボタンが実行ボタン22であるか、キャンセルボタン23であるかを判断する(ステップS106)。
【0036】
押されたボタンがキャンセルボタン23の場合(ステップS106でNO)、処理を終了する。押されたボタンが実行ボタン22の場合(ステップS106でYES)、今回計測した時間と前回計測した時間とを比較する(ステップS107)(比較・判断手段)。
【0037】
今回計測した時間が長い場合は(ステップS107でNO)、動作を実行し(ステップS111)、終了する。今回計測した時間が短い場合は(ステップS107でYES)、図3の再確認画面を表示する(ステップS108)(再確認提示手段)。次に、図3の再確認画面でボタンが押されるかどうかを判断し(ステップS109)、ボタンが押されるまでステップS109の判断を繰り返す。
【0038】
ボタンが押されると(ステップS109でYES)、実行ボタン22が押されたかどうかを判断する(ステップS110)。実行ボタン22が押された場合、動作を実行し(ステップS111)、終了する。キャンセルボタン23が押されていた場合は(ステップS110でNO)、処理を終了する。
【0039】
図5の処理によれば、取り消し不可能な処理の実行の操作が行われた場合に、処理の実行前に実行を行ってよいかどうかの確認画面の表示を行い(ステップS101)、必要に応じて再確認画面を表示する(ステップS108)。
【0040】
即ち、確認画面の確認結果により直ちに、取り消し不可能な処理が実行される訳ではなく、必要に応じてユーザに再確認させるようになっている。このため、取り消し不可能な処理の実行の操作に際して誤操作を防止し、且つ、操作の円滑さを維持することができる。
【0041】
(第2の処理例)
第2の処理例では、図2において、キャンセルボタン23が押された場合、そのことを記録する。次回同じ、取り消し不可能な処理の実行の操作を行った際、図2の確認画面が表示される。実行ボタン22が押された場合、前回、キャンセルボタン23が押されたかどうか、記録を調べ、キャンセルボタン23が押されていた場合には、図3の再確認画面が表示される。
【0042】
図6は、図1の情報処理装置によって実行される取り消し不可能な処理の実行の操作における第2の誤操作防止処理手順を示すフローチャートである。
【0043】
取り消し不可能な処理の実行が選択されると、図6のフローチャートが実行される。まず、図2の確認画面を表示する(ステップS201)(確認提示手段)。そして、図2の確認画面内のボタンが操作されたかどうかを確認する(ステップS202)。ボタンが押されない限り、ステップS202の確認を繰り返す。
【0044】
ボタンが押されると(ステップS202でYES)、実行ボタン22が押されたかどうかを判断する(ステップS203)。キャンセルボタン23が押された場合(ステップS203でNO)、キャンセルボタン23が押されたことを記録し(ステップS204)(保存手段)、処理を終了する。
【0045】
実行ボタン22が押された場合(ステップS203でYES)、前回キャンセルボタン23が押されたかどうかを判断する(ステップS205)(比較・判断手段)。キャンセルボタン23が押されていなければ(ステップS205でNO)、動作を実行し(ステップS209)、終了する。前回キャンセルボタン23が押されていた場合(ステップS205でYES)、図3の再確認画面を表示する(ステップS206)(再確認提示手段)。
【0046】
次に、再確認画面において、ボタンが押されたかどうか判断する(ステップS207)。この判断は、再確認画面のボタンが押されるまで繰り返す。ボタンが押されると(ステップS207でYES)、実行ボタン22が押されたかどうかを確認する(ステップS208)。実行ボタン22が押されていた場合は(ステップS208でYES)、動作を実行し(ステップS209)、終了する。キャンセルボタン22だった場合は(ステップS208でNO)、処理を終了する。
【0047】
図6の処理によれば、前回キャンセルボタン23が押されていた場合(ステップS205でYES)、図3の再確認画面を表示する(ステップS206)。
【0048】
即ち、確認画面の確認結果により直ちに、取り消し不可能な処理が実行される訳ではなく、必要に応じてユーザに再確認させるようになっている。このため、取り消し不可能な処理の実行の操作に際して誤操作を防止し、且つ、操作の円滑さを維持することができる。
【0049】
(第3の処理例)
図7は、図1における出力部による確認画面の第2の例を示す図である。
【0050】
図7の確認画面には、ユーザに伝えるメッセージ文21、実行ボタン22、キャンセルボタン23、ヘルプボタン71がある。
【0051】
ユーザは、メッセージ文21を読んだ後、実行ボタン22またはキャンセルボタン23またはヘルプボタン71を押す。ユーザが行った操作の順序を記録しておき、前回、実行ボタン22またはキャンセルボタン23が押される前に、ヘルプボタン71を押した場合、次回、図3の再確認画面が表示される。
【0052】
図8は、図1の情報処理装置によって実行される取り消し不可能な処理の実行の操作における第3の誤操作防止処理手順を示すフローチャートである。
【0053】
取り消し不可能な処理の実行が選択されると、図8のフローチャートが実行される。まず、図7の確認画面を表示する(ステップS301)(確認提示手段)。そして、図7の確認画面内のボタンが操作されたかどうかを確認する(ステップS302)。ボタンが押されない限り、ステップS302の確認を繰り返す。
【0054】
ボタンが押されると(ステップS302でYES)、ヘルプボタン71が押されたかどうかを判断する(ステップS303)。ヘルプボタン71が押された場合には(ステップS303でYES)、ヘルプボタン71が押されたことを図4の形式にて記録する(ステップS304)(保存手段)。
【0055】
次に、前回ヘルプボタン71が押されたかどうか確認する(ステップS305)(比較・判断手段)。押された場合には(ステップS305でYES)、ステップS308へ進む。押されていない場合には、再確認画面を表示し(ステップS306)(再確認提示手段)、ボタンが押されるまで待つ(ステップS307)。
【0056】
ステップS308では、実行ボタン22が押されたかどうかを判断し、実行ボタン22が押された場合には、動作を実行し(ステップS309)、終了する。実行ボタン22が押されていない場合には終了する。
【0057】
図8の処理によれば、前回ヘルプボタン71が押されたかどうか確認し(ステップS305)、押されていない場合には、再確認画面を表示する(ステップS306)。
【0058】
即ち、確認画面の確認結果により直ちに、取り消し不可能な処理が実行される訳ではなく、必要に応じてユーザに再確認させるようになっている。このため、取り消し不可能な処理の実行の操作に際して誤操作を防止し、且つ、操作の円滑さを維持することができる。
【0059】
(第4の処理例)
第1乃至第3の処理例は、確認の提示を画像出力装置(出力部103)で、操作をキーボード及びポインティングデバイスで行ったが、第4の処理例では、音声にて確認の掲示及び操作を行う。
【0060】
この場合、図1における出力部103は、スピーカを用いた音声出力装置であり、入力部101は、マイクロホンと音声認識回路を持った音声入力装置である。
【0061】
ユーザは、音声にて、「実行」「キャンセル」を発することにより、操作を行う。取り消し不可能な処理の実行の操作を行った際、音声にて「実行しても宜しいですか?」と発話される。ユーザは、メッセージを聞いた後、「実行」または「キャンセル」と発話する。
【0062】
「実行しても宜しいですか?」の発話が終了してからから、「実行」の音声が認識されるまでの時間を記録する。次回、「実行」の操作がされた場合、メッセージが提示されてから「実行」がされるまでの時間を計測し、この時間が、前回の時間より短い場合には、図3の「取り消しができませんが、本当に実行しても宜しいですか?」という再確認メッセージが発話される。
【0063】
図9は、図1の情報処理装置によって実行される取り消し不可能な処理の実行の操作における第4の誤操作防止処理手順を示すフローチャートである。
【0064】
取り消し不可能な処理の実行が選択されると、図9のフローチャートが実行される。まず、「実行してもよろしいですか?」という確認の発話がされる(ステップS401)。そして、時間の計測を始める(ステップS402)。次に、ユーザからの音声の応答があったかどうかを確認する(ステップS403)。音声の応答が無い場合、ステップS403の確認を繰り返す。
【0065】
音声応答があると(ステップS403でYES)、時間の計測を停止し(ステップS404)、計測した時間を記録する(ステップS405)。次に、音声の応答が実行であるか、キャンセルであるかを判断する(ステップS406)。
【0066】
音声の応答がキャンセルである場合(ステップS406でNO)、処理を終了する。音声の応答が実行の場合(ステップS406でYES)、今回計測した時間と前回計測した時間とを比較する(ステップS407)。
【0067】
今回計測した時間が長い場合は(ステップS407でNO)、動作を実行し(ステップS411)、終了する。今回計測した時間が短い場合は(ステップS407でYES)、「取り消しできない動作ですが、本当に実行してもよろしいですか?」という再確認の発話を行う(ステップS409)。
【0068】
次に、ユーザからの音声応答があるかどうかを判断し(ステップS409)、応答があるまでこの判断を繰り返す。応答があるとステップS410へ進む。ステップS410では、実行かどうかを判断する。実行が選択された場合、動作を実行し(ステップS411)、処理を終了する。ステップS410にてキャンセルが選択された場合は、処理を終了する。
【0069】
また、本発明の目的は、実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムまたは装置に供給してもよい。そして、そのシステムまたは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される。
【0070】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0071】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0072】
また、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。その場合、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づいて処理が行われる。
【0073】
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる場合も含む。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の実施の形態に係る情報処理装置のハードウェア構成を概略的に示す図である。
【図2】図1における出力部による確認画面の第1の例を示す図である。
【図3】図1における出力部による再確認画面の例を示す図である。
【図4】図2の確認画面上のユーザ操作の履歴を保存するメモリ上の保存形式を示す図である。
【図5】図1の情報処理装置によって実行される取り消し不可能な処理の実行の操作における第1の誤操作防止処理手順を示すフローチャートである。
【図6】図1の情報処理装置によって実行される取り消し不可能な処理の実行の操作における第2の誤操作防止処理手順を示すフローチャートである。
【図7】図1における出力部による確認画面の第2の例を示す図である。
【図8】図1の情報処理装置によって実行される取り消し不可能な処理の実行の操作における第3の誤操作防止処理手順を示すフローチャートである。
【図9】図1の情報処理装置によって実行される取り消し不可能な処理の実行の操作における第4の誤操作防止処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0075】
101 入力部
102 CPU
103 出力部
104 プログラムメモリ
105 データメモリ
106 バス
21 メッセージ文
22 実行ボタン
23 キャンセルボタン
31 メッセージ文
41 確認ID
42 UI部品ID
43 時間
71 ヘルプボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザへの出力手段と、ユーザからの入力手段とを備え、アプリケーションプログラムを実行する情報処理装置の誤操作防止方式において、
処理の実行前に実行を行ってよいかどうかの確認を提示する確認提示手段と、
前記確認提示手段によって前記確認を提示する毎に、確認上のユーザの操作の履歴を保存する保存手段と、
前記確認提示手段によって前記確認が提示された場合、前記保存手段に保存された前回の操作の履歴と今回の操作の履歴を比較し、または、前回の操作内容の履歴を判断する比較・判断手段と、
前記比較・判断手段による比較・判断の結果、必要に応じて再確認の提示を行う再確認提示手段と、
を備えることを特徴とする誤操作防止方式。
【請求項2】
前記保存手段は、前記確認を提示する毎に、提示が行われてからユーザの意思決定の操作を行うまでの時間を保存し、
前記比較・判断手段は、前回の操作と今回の操作における前記時間を比較し、
前記再確認提示手段は、前回より今回の操作の前記時間が短い場合に、再確認の提示を行うことを特徴とする請求項1記載の誤操作防止方式。
【請求項3】
前記保存手段は、前記確認を提示する毎に、ユーザが取り消し操作を行ったことを保存し、
前記比較・判断手段は、前回、ユーザが取り消し操作を行ったか否か判断し、
前記再確認提示手段は、前回に実行の取り消し操作が行われており、今回は実行操作を行った場合、再確認の提示を行うことを特徴とする請求項1記載の誤操作防止方式。
【請求項4】
前記保存手段は、前記確認を提示する毎に、提示が行われてから、ユーザの意思決定の操作を行うまでの操作手順を保存し、
前記比較・判断手段は、前回のユーザの意思決定操作を行うまでの手順と今回のユーザの意思決定操作を行うまでの手順を比較し、
前記再確認提示手段は、前回と今回の操作の手順が異なる場合には、再確認の提示を行うことを特徴とする請求項1記載の誤操作防止方式。
【請求項5】
前記確認提示手段は、表示画面によって前記確認を提示することを特徴とする請求項1記載の誤操作防止方式。
【請求項6】
前記確認提示手段は、音声によって前記確認を提示することを特徴とする請求項1記載の誤操作防止方式。
【請求項7】
ユーザへの出力手段と、ユーザからの入力手段とを備え、アプリケーションプログラムを実行する情報処理装置の誤操作防止方法であって、
処理の実行前に実行を行ってよいかどうかの確認を提示する確認提示工程と、
前記確認提示工程で前記確認を提示する毎に、確認に対するユーザの操作の履歴を保存する保存工程と、
前記確認提示工程で前記確認が提示された場合、前記保存工程で保存された前回の操作の履歴と今回の操作の履歴を比較し、または、前回の操作内容の履歴を判断する比較・判断工程と、
前記比較・判断工程での比較・判断の結果、必要に応じて再確認の提示を行う再確認提示工程と、
を備えることを特徴とする情報処理装置の誤操作防止方法。
【請求項8】
ユーザへの出力手段と、ユーザからの入力手段とを備え、アプリケーションプログラムを実行する情報処理装置の誤操作防止プログラムにおいて、
処理の実行前に実行を行ってよいかどうかの確認を提示する確認提示モジュールと、
前記確認提示モジュールによって前記確認を提示する毎に、確認に対するユーザの操作の履歴を保存する保存モジュールと、
前記確認が提示された場合、前記保存モジュールに保存された履歴に基づき前回の操作の履歴と今回の操作の履歴を比較し、または、前回の操作内容を判断する比較・判断モジュールと、
比較・判断の結果、再確認の提示を行う再確認提示モジュールと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする誤操作防止プログラム。
【請求項9】
請求項8記載の誤操作防止プログラムを格納するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−323325(P2007−323325A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−152267(P2006−152267)
【出願日】平成18年5月31日(2006.5.31)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】