説明

情報処理装置及びアンテナ拡張システム

【課題】携帯モジュールが情報処理装置に内蔵された場合でも、携帯モジュールへ電波を送受信することが可能な情報処理装置及びアンテナ拡張システムを提供する。
【解決手段】情報処理装置1は、アンテナ103を内蔵するカードモジュール2を装着するカードコネクタ4と、アンテナ103と高周波信号を送受信するアンテナ5とを備え、カードモジュール2がカードコネクタ4に装着された場合に、アンテナ5は、アンテナ103と対向する基板8上の位置に固定され、且つアンテナ5のゲインよりも大きいゲインを有するアンテナ6に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びアンテナ拡張システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、内蔵アンテナと、外部アンテナと、外部アンテナに流れる電流に応じて、内蔵アンテナと外部アンテナとのいずれか一方に選択的に電源を供給する切り替え手段とを備える受信装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、近年、アンテナを有する、無線LAN(Local Area Network)やBluetooth等の通信ユニットが小型化されている。この通信ユニットは、SD(Secure Digital)メモリカードやメモリスティック等の小型カードモジュールに搭載される場合がある。この小型カードモジュールの規格は、小型カードモジュールがPCやデジタルカメラのようなホスト装置に内蔵されることを前提として作られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−287298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、通信ユニットが小型カードモジュールに内蔵される場合、ホスト装置のバッテリ等の導体が通信ユニットのアンテナに干渉し、電波が通信ユニットのアンテナから正常に放射できない場合がある。
【0006】
本発明の目的は、携帯モジュールが情報処理装置に内蔵された場合でも、携帯モジュールへ電波を送受信することが可能な情報処理装置及びアンテナ拡張システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、明細書に開示された情報処理装置は、アンテナを内蔵する携帯モジュールを装着する第1コネクタと、前記アンテナと高周波信号を送受信する第1アンテナとを備え、前記携帯モジュールが第1コネクタに装着された場合に、前記第1アンテナは、前記アンテナと対向する基板上の位置に固定され、且つ前記第1アンテナのゲインよりも大きいゲインを有する第2アンテナに接続されていることを特徴とする。かかる構成によれば、電波としての高周波信号は、第1アンテナを介して、携帯モジュール内のアンテナと第2アンテナとの間を流れるので、携帯モジュールが情報処理装置に内蔵された場合でも、携帯モジュールへ電波を送受信することが可能である。
【0008】
好ましくは、前記第1コネクタは、前記携帯モジュールを装着する本体部と、前記基板への装着面積を拡大する底部とを備え、前記第1アンテナは、前記アンテナと対向する前記底部上の位置に固定されることを特徴とする。かかる構成によれば、情報処理装置の設計者は、第1アンテナの基板上の位置を意識せずに、第1コネクタの基板上の位置を決めることができる。
【0009】
より好ましくは、前記第2アンテナを前記第1アンテナに接続するための第2コネクタを備え、前記第2コネクタは前記底部に固定されていることを特徴とする。かかる構成によれば、第2アンテナを着脱することができる。
【0010】
好ましくは、情報処理装置は、前記第2アンテナと前記第1アンテナとの間に信号線を介して接続される第3コネクタを有することを特徴とする。かかる構成によれば、第2アンテナを着脱することができる。
【0011】
好ましくは、前記第2アンテナは、電波を正常に送受信可能な前記基板上の位置に設けられている又は前記情報処理装置の外部に設けられていることを特徴とする。かかる構成によれば、携帯モジュールが情報処理装置に内蔵された場合でも、携帯モジュールへ電波を送受信することが可能である。
【0012】
上記目的を達成するため、明細書に開示された情報処理装置は、アンテナと周波数変換回路とを内蔵する携帯モジュールを装着する第1コネクタと、前記携帯モジュールが前記第1コネクタに装着された場合に、前記周波数変換回路の接続先を前記アンテナから前記アンテナのゲインよりも大きいゲインを有する他のアンテナに切り替えるスイッチ部とを備えることを特徴とする。かかる構成によれば、電波としての高周波信号が、携帯モジュール内の周波数変換回路と他のアンテナとの間を流れるので、携帯モジュールが情報処理装置に内蔵された場合でも、携帯モジュールへ電波を送受信することが可能である。
【0013】
好ましくは、前記携帯モジュールは、前記アンテナと前記周波数変換回路との間を接続する第1スイッチを備え、前記スイッチ部は、前記他のアンテナに接続され且つ弾性変形可能なスイッチであり、前記携帯モジュールが前記第1コネクタに装着された場合に、前記スイッチ部が、前記アンテナと前記周波数変換回路との間を遮断するように前記第1スイッチを押し上げることを特徴とする。かかる構成によれば、電波としての高周波信号が、携帯モジュール内の周波数変換回路と他のアンテナとの間を流れるので、携帯モジュールが情報処理装置に内蔵された場合でも、携帯モジュールへ電波を送受信することが可能である。
【0014】
好ましくは、前記他のアンテナは、電波を正常に送受信可能な前記基板上の位置に設けられている又は前記情報処理装の外部に設けられていることを特徴とする。かかる構成によれば、携帯モジュールが情報処理装置に内蔵された場合でも、携帯モジュールへ電波を送受信することが可能である。
【0015】
上記目的を達成するため、明細書に開示されたアンテナ拡張システムは、アンテナを内蔵する携帯モジュールと、前記携帯モジュールを装着する第1コネクタ、及び前記アンテナと高周波信号を送受信する第1アンテナを備える情報処理装置とを有し、前記携帯モジュールが第1コネクタに装着された場合に、前記第1アンテナは、前記アンテナと対向する基板上の位置に固定され、且つ前記第1アンテナのゲインよりも大きいゲインを有する第2アンテナに接続されていることを特徴とする。かかる構成によれば、携帯モジュールが情報処理装置に内蔵された場合でも、携帯モジュールへ電波を送受信することが可能である。
【0016】
上記目的を達成するため、明細書に開示されたアンテナ拡張システムは、アンテナと周波数変換回路とを内蔵する携帯モジュールと、前記携帯モジュールを装着する第1コネクタ、及び前記携帯モジュールが前記第1コネクタに装着された場合に、前記周波数変換回路の接続先を前記アンテナから前記アンテナのゲインよりも大きいゲインを有する他のアンテナに切り替えるスイッチ部とを備える情報処理装置とを有することを特徴とする。かかる構成によれば、携帯モジュールが情報処理装置に内蔵された場合でも、携帯モジュールへ電波を送受信することが可能である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、携帯モジュールが情報処理装置に内蔵された場合でも、携帯モジュールへ電波を送受信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1の実施の形態にかかるカードモジュールが内蔵された情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態にかかるカードモジュールが内蔵された情報処理装置の概略構成を示す斜視図である。
【図3】第2の実施の形態にかかるカードモジュールが内蔵された情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図4】第2の実施の形態にかかるカードモジュールが内蔵された情報処理装置の概略構成を示す斜視図である。
【図5】第3の実施の形態にかかるカードモジュールの概略構成及びカードモジュールが内蔵された情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図6】(A)は、カードモジュールがカードコネクタに装着される前のカードモジュール及び情報処理装置の概略断面図である。(B)は、カードモジュールがカードコネクタに装着された後のカードモジュール及び情報処理装置の概略断面図である。
【図7】(A)及び(B)は、カードモジュールの外観構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0020】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態にかかるカードモジュールが内蔵された情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。図2は、第1の実施の形態にかかるカードモジュールが内蔵された情報処理装置の概略構成を示す斜視図である。
【0021】
図1において、情報処理装置1は、携帯モジュールとしてのカードモジュール2を内蔵することができる装置であり、例えば、デジタルカメラ、携帯電話、ゲーム機、又はパソコンなどである。情報処理装置1は、各種のデータ処理や装置全体の制御を行うCPU3、カードモジュール2を装着するためのカードコネクタ4(第1コネクタ)、カードモジュール2とデータ通信を行うためのアンテナ5(第1アンテナ)と、アンテナ5よりもゲインの大きいアンテナ6(第2アンテナ)と、アンテナ5とアンテナ6の間を接続するインピーダンスライン7とを備えている。尚、ゲインとは、指向性を持つアンテナにおいて、放射が最大となる放射角でのエネルギーの強さである。
【0022】
アンテナ6は、情報処理装置1に内蔵されていてもよいが、破線で示すように、情報処理装置1の外部に設けられていてもよい。また、アンテナ6を着脱可能にするため、アンテナ5とアンテナ6の間に、コネクタ7a(第3コネクタ)を設けてもよい。CPU3は、カードコネクタ4に接続されており、カードコネクタ4を介してカードモジュール2と通信する。
【0023】
また、情報処理装置1は、図2に示すように、さらに基板8及び筐体10を備え、基板8上にCPU3、カードコネクタ4、アンテナ5及びアンテナ6が固定されている。尚、筐体10は、破線で示されている。アンテナ5は、カードモジュール2がカードコネクタ4に装着されたときにカードモジュール2内のアンテナ103と対向する基板8上の位置に固定されている。このように、アンテナ5がアンテナ103と対向する位置に固定されることで、高周波信号がほとんどゲインのロスなしでアンテナ103とアンテナ5との間を流れる。インピーダンスライン7は、物理的な信号線でもよいが、基板8上にパターンとして形成されていてもよい。アンテナ6が情報処理装置1の内部に設けられる場合は、アンテナ6は、電波を正常に送受信できる基板8上の位置(例えば、バッテリ等の導体がアンテナ6に干渉しない位置)に固定される。
【0024】
図1に戻り、カードモジュール2は、無線通信機能を持ち、情報処理装置1に内蔵可能なモジュールであり、例えば、無線通信用のアンテナを内蔵するSD(Secure Digital)メモリカードやメモリスティックである。無線通信は、例えば、無線LAN(Local Area Network)やBluetoothである。
【0025】
カードモジュール2は、ベースバンドIC(Integrated Circuit)101と、RFIC(Radio-Frequency Integrated Circuit)102と、アンテナ103と、メモリ104とを備えている。カードモジュール2のアンテナ103は、単体でもアンテナとして使用可能である。つまり、カードモジュール2はアンテナ5やアンテナ6を備えていない情報処理装置にも装着可能である。ベースバンドIC101は、RFIC102及びメモリ104に接続されている。RFIC102はアンテナ103に接続されている。
【0026】
ベースバンドIC101は、高周波信号に変復調する前のデータ信号を処理する回路である。ベースバンドIC101は、カードコネクタ4を介してCPU3と通信したり、データとしてデータ信号をメモリ104に格納したり、メモリ104からデータを読み出す。RFIC102は、ベースバンドIC101からのデータ信号をアンテナ103の送信周波数に変換すると共に、アンテナ103の受信信号をベースバンドIC101で処理できる周波数に変換する回路である。このように、RFIC102は、周波数変換回路として機能する。
【0027】
アンテナ103は、アンテナ5と同一の特性(即ち、ゲイン及び指向性)を有し、アンテナ6よりもゲインは小さい。アンテナ103は、数ミリ程度の空間を介してアンテナ5と対向している。従って、アンテナ103とアンテナ5との間を流れる高周波信号には、数デシベル程度のゲインロスが発生するが、実用上の問題は生じない。よって、カードモジュール2が情報処理装置1に内蔵されている場合には、高周波信号をアンテナ6を介して送受信することができるので、電波がアンテナ103から正常に放射できないという問題が解消される。
【0028】
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、情報処理装置1は、アンテナ103を内蔵するカードモジュール2を装着するカードコネクタ4と、アンテナ103と高周波信号を送受信するアンテナ5とを備え、カードモジュール2がカードコネクタ4に装着された場合に、アンテナ5は、アンテナ103と対向する基板8上の位置に固定され、且つアンテナ5のゲインよりも大きいゲインを有するアンテナ6に接続されている。よって、電波としての高周波信号は、アンテナ5を介して、カードモジュール4内のアンテナ103とアンテナ6との間を流れるので、カードモジュール2が情報処理装置1に内蔵された場合でも、カードモジュール2へ電波を送受信することが可能である。
【0029】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、情報処理装置の構成が第1の実施の形態にかかる情報処理装置1の構成と異なる。尚、情報処理装置1及びカードモジュール2内の同一の構成要素には、同一の参照番号を付与する。
【0030】
図3は、第2の実施の形態にかかるカードモジュールが内蔵された情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。図4は、第2の実施の形態にかかるカードモジュールが内蔵された情報処理装置の概略構成を示す斜視図である。
【0031】
図3及び図4に示すように、第2の実施の形態にかかる情報処理装置1では、カードコネクタ4の形状が拡大されている。具体的には、カードコネクタ4は、カードモジュール2を装着する本体部4aと、基板8への装着面積を拡大する底部4bとを備えている。尚、第2の実施の形態にかかるカードコネクタ4は底部4bを有する点で第1の実施の形態にかかるカードコネクタ4と異なる。また、本体部4aと底部4bとは単体で又は一体的に形成されている。
【0032】
アンテナ5及びRF(Radio-Frequency)コネクタ11(第2コネクタ)はカードコネクタ4の底部4bに固定されている。第2の実施の形態では、アンテナ5は、カードモジュール2がカードコネクタ4の本体部4aに装着されたときにカードモジュール2内のアンテナ103と対向する底部4b上の位置に固定されている。
【0033】
第1の実施の形態では、情報処理装置1の設計者は、カードコネクタ4の基板8上の位置に応じてアンテナ5の基板8上の位置を決める必要がある、又はアンテナ5の基板8上の位置に応じてカードコネクタ4の基板8上の位置を決める必要がある。一方、第2の実施の形態では、アンテナ5は、カードコネクタ4の底部4b上に固定されるので、情報処理装置1の設計者は、アンテナ5の基板8上の位置を意識せずに、カードコネクタ4の基板8上の位置を決めることができる。
【0034】
また、RFコネクタ11は、アンテナ6に同軸ケーブル12を介して接続されている。このため、アンテナ6及び同軸ケーブル12は着脱可能である。また、アンテナ6は、情報処理装置1の内部に設けられてもよいし、情報処理装置1の外部に設けられていてもよい。アンテナ6が情報処理装置1の内部に設けられる場合は、アンテナ6は、電波を正常に送受信できる基板8上の位置(例えば、バッテリ等の導体がアンテナ6に干渉しない位置)に固定される。
【0035】
また、RFコネクタ11は、カードコネクタ4の底部4bに代えて、基板8に固定されていてもよい。この場合も、アンテナ6及び同軸ケーブル12は着脱可能である。
【0036】
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、カードコネクタ4は、カードモジュール2を装着する本体部4aと、基板8への装着面積を拡大する底部4bとを備え、アンテナ5は、アンテナ103と対向する底部4b上の位置に固定される。よって、情報処理装置1の設計者は、アンテナ5の基板上の位置を意識せずに、カードコネクタ4の基板8上の位置を決めることができる。
【0037】
(第3の実施の形態)
第1及び第2の実施の形態では、アンテナ5とアンテナ103との間で高周波信号が伝送されることで、カードモジュール2は電波の送受信用にアンテナ6を使用している。第3の実施の形態では、アンテナ6とアンテナ103と選択的に切り替えるスイッチを情報処理装置1及びカードモジュール2にそれぞれ設けている。これにより、カードモジュール2は電波の送受信用にアンテナ6を使用することができる。
【0038】
また、第3の実施の形態では、情報処理装置及びカードモジュールの構成が第2の実施の形態にかかる情報処理装置1及びカードモジュール2の構成と異なる。尚、情報処理装置1及びカードモジュール2内の同一の構成要素には、同一の参照番号を付与する。
【0039】
図5は、第3の実施の形態にかかるカードモジュールの概略構成及びカードモジュールが内蔵された情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【0040】
図5では、カードモジュール2は、グランドに接続されるスイッチ105と、RFIC102とアンテナ103との間の接続をオン/オフするスイッチ106とを備えている。尚、カードモジュール2は、スイッチ105及びスイッチ106を複数備えていてもよい。カードモジュール2がカードコネクタ4に装着される前は、スイッチ106はRFIC102とアンテナ103との間の接続をオンにする。スイッチ105及びスイッチ106は、導体で形成されている。
【0041】
一方、情報処理装置1は、導体で形成されているRF(Radio-Frequency)スイッチ14及び15(スイッチ部)を備えている。情報処理装置1は、RFスイッチ14及び15を複数備えていてもよい。RFスイッチ14及び15とRFコネクタ11との間には、RF用グランド16を用いたストリップライン13が形成されている。RFコネクタ11、RF用グランド16及びストリップライン13はカードコネクタ4の底部4bに固定されている。
【0042】
RFスイッチ14及び15はカードコネクタ4の底部4b上に設けられている。RFスイッチ14及び15の一端は、スイッチ106又は105と接触できるように変形可能な自由端となっており(即ち固定されれていない)、RFスイッチ14及び15の他端はストリップライン13に接続されている。
【0043】
カードモジュール2がカードコネクタ4に装着されると、RFスイッチ14はカードモジュール2のスイッチ106と接触すると共に、RFスイッチ15はカードモジュール2のスイッチ105と接触する。つまり、カードモジュール2がカードコネクタ4に装着されると、スイッチ105及び106は、又はRFスイッチ14及び15は、同時に切り替わる。この場合、RFスイッチ14は、カードモジュール2のスイッチ106と接触するので、高周波信号はRFスイッチ14及びカードモジュール2のスイッチ106を介してRFIC102とアンテナ6との間を流れる。つまり、アンテナ103は使用されない。
【0044】
また、RFスイッチ15は、カード内のグランドに接続されるスイッチ105をRF用のグランドに接続する。
【0045】
図6(A)は、カードモジュール2がカードコネクタ4に装着される前のカードモジュール2及び情報処理装置1の概略断面図であり、図6(B)は、カードモジュール2がカードコネクタ4に装着された後のカードモジュール2及び情報処理装置1の概略断面図である。
【0046】
ベースバンドIC101、RFIC102及びアンテナ103は、カードモジュール2の基板107上に固定されており、基板107は、カードモジュール2の筐体108で覆われている。筐体108は絶縁体で構成されている。RFIC102とアンテナ103との間にはスイッチ106が設けられている。ベースバンドIC101とRFIC102とを接続するパターン109が基板107上に形成されている。また、RFIC102とスイッチ106とを接続するパターン110が基板107上に形成されている。さらに、アンテナ103とスイッチ106とを接続するパターン111が基板107上に形成されている。スイッチ106は導体なので、パターン110とパターン111とを電気的に接続可能である。
【0047】
カードモジュール2がカードコネクタ4に装着される前は、図6(A)に示すように、RFスイッチ14は、カードモジュール2の筐体108に接触し、押し下げられている。カードモジュール2がカードコネクタ4に装着された後、図6(B)に示すように、RFスイッチ14は、カードモジュール2のスイッチ106を押し上げている。これにより、RFIC102からの高周波信号は、アンテナ103に送信されなくなり、スイッチ106及びRFスイッチ14を介してRFコネクタ11に流れる。逆に、RFコネクタ11からの高周波信号は、スイッチ106及びRFスイッチ14を介してRFIC102に流れる。
【0048】
尚、RFスイッチ14及び15は、図6(A)及び図6(B)に示すように、弾性変形可能なスイッチである。図6(A)及び図6(B)では、RFスイッチ15及びスイッチ105が図示されていないが、カードモジュール2及び情報処理装置1の側面から見た場合、RFスイッチ15及びスイッチ105はそれぞれRFスイッチ14及びスイッチ106と同一の位置にある。
【0049】
図7(A)及び図7(B)は、カードモジュールの外観構成図である。
【0050】
図7(A)に示すように、スイッチ105及びスイッチ106は、カードモジュール2の筐体108の正面又は背面の一部から露出されている。または、図7(B)に示すように、スイッチ105及びスイッチ106は、カードモジュール2の筐体108の側面の一部から露出されている。そして、カードモジュール2がカードコネクタ4に装着された場合に、スイッチ105及びスイッチ106は、それぞれRFスイッチ15及びRFスイッチ14により、筐体108の内部方向に押し上げられる。
【0051】
以上説明したように、第3の実施の形態によれば、情報処理装置1は、アンテナ103とRFIC102とを内蔵するカードモジュール2を装着するカードコネクタ4と、前記カードモジュール2がカードコネクタ4に装着された場合に、RFIC102の接続先をアンテナ103からアンテナ103のゲインよりも大きいゲインを有する他のアンテナ6に切り替えるRFスイッチ14,15とを備えている。よって、電波としての高周波信号が、カードモジュール2内のRFIC102とアンテナ6との間を流れるので、カードモジュール2が情報処理装置1に内蔵された場合でも、カードモジュール2へ電波を送受信することが可能である。
【0052】
尚、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0053】
1 情報処理装置
2 カードモジュール
3 CPU
4 カードコネクタ
5 アンテナ
6 アンテナ
7 インピーダンスライン
8 基板
11 RFコネクタ
14,15 RFスイッチ
101 ベースバンドIC
102 RFIC
103 アンテナ
104 メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナを内蔵する携帯モジュールを装着する第1コネクタと、
前記アンテナと高周波信号を送受信する第1アンテナとを備え、
前記携帯モジュールが第1コネクタに装着された場合に、前記第1アンテナは、前記アンテナと対向する基板上の位置に固定され、且つ前記第1アンテナのゲインよりも大きいゲインを有する第2アンテナに接続されていることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記第1コネクタは、前記携帯モジュールを装着する本体部と、前記基板への装着面積を拡大する底部とを備え、
前記第1アンテナは、前記アンテナと対向する前記底部上の位置に固定されることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第2アンテナを前記第1アンテナに接続するための第2コネクタを備え、前記第2コネクタは前記底部に固定されていることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第2アンテナと前記第1アンテナとの間に信号線を介して接続される第3コネクタを有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第2アンテナは、電波を正常に送受信可能な前記基板上の位置に設けられている又は前記情報処理装の外部に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
アンテナと周波数変換回路とを内蔵する携帯モジュールを装着する第1コネクタと、
前記携帯モジュールが前記第1コネクタに装着された場合に、前記周波数変換回路の接続先を前記アンテナから前記アンテナのゲインよりも大きいゲインを有する他のアンテナに切り替えるスイッチ部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
前記携帯モジュールは、前記アンテナと前記周波数変換回路との間を接続する第1スイッチを備え、
前記スイッチ部は、前記他のアンテナに接続され且つ弾性変形可能なスイッチであり、前記携帯モジュールが前記第1コネクタに装着された場合に、前記スイッチ部が、前記アンテナと前記周波数変換回路との間を遮断するように前記第1スイッチを押し上げることを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記他のアンテナは、電波を正常に送受信可能な前記基板上の位置に設けられている又は前記情報処理装置の外部に設けられていることを特徴とする請求項6又は7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
アンテナを内蔵する携帯モジュールと、
前記携帯モジュールを装着する第1コネクタ、及び
前記アンテナと高周波信号を送受信する第1アンテナを備える情報処理装置とを有し、
前記携帯モジュールが第1コネクタに装着された場合に、前記第1アンテナは、前記アンテナと対向する基板上の位置に固定され、且つ前記第1アンテナのゲインよりも大きいゲインを有する第2アンテナに接続されていることを特徴とするアンテナ拡張システム。
【請求項10】
アンテナと周波数変換回路とを内蔵する携帯モジュールと、
前記携帯モジュールを装着する第1コネクタ、及び
前記携帯モジュールが前記第1コネクタに装着された場合に、前記周波数変換回路の接続先を前記アンテナから前記アンテナのゲインよりも大きいゲインを有する他のアンテナに切り替えるスイッチ部とを備える情報処理装置と
を有することを特徴とするアンテナ拡張システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−42447(P2013−42447A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−179533(P2011−179533)
【出願日】平成23年8月19日(2011.8.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(501398606)富士通コンポーネント株式会社 (848)
【Fターム(参考)】