説明

情報処理装置

【課題】 理解できる命令を表現するフォーマットは機種間で異なることがある。そのため、ネットワークで複数の機器が通信可能に接続されていても、命令を入力した機器と機種の異なる機器は、入力された命令を実行することができない。
【解決手段】 本発明の情報処理装置は、命令の入力を受け付ける受付手段と、ネットワークで接続された各機器固有フォーマットと、上記ネットワークで接続された機器間において共通する共通フォーマットとで命令を記憶する記憶手段と、上記記憶手段を用いて、上記受付手段に入力が受け付けられた命令のフォーマットを共通フォーマットに変換する変換手段と、上記共通フォーマットに変換された命令を上記ネットワークに接続された機器に送信する送信手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークに接続された各機器が理解できる命令を表すフォーマットが異なっても、所定機器が送信した命令を他の機器が解釈して実行することを実現する情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LAN(Local Area Netowork)等のネットワークで複数台の電子機器が接続され、これらの機器間でのデータの通信や、ネットワークに接続された他の機器のリモート操作が可能となっている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−13580号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ネットワークには様々な種類の機器が接続され、例えば、理解できる命令を表すフォーマットが異なった機器が同じネットワークに接続されることがある。命令の入力に用いられる入力機器と、入力された命令を実行する実行機器が理解できるフォーマットが異なると、命令は正常に実行されない。
【0004】
そこで、本発明は、入力機器と実行機器が理解できるフォーマットが異なっても、入力機器に入力された命令を実行機器に実行させる情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の情報処理装置は、入力された命令をネットワークに接続された機器間において共通する共通フォーマットに変換する変換手段を備える。これにより、命令の実行が、入力された命令のフォーマットに依存することを防ぎ、どのようなフォーマットで命令が入力されても、ネットワークに接続された各機器において命令が実行できるようにしている。
【発明の効果】
【0006】
命令が入力される入力機器と命令を実行する実行機器が、理解できる命令を表すフォーマットが異なっても、入力機器に入力された命令をネットワークに接続された機器に共通の共通フォーマットに変換することで、入力された命令を実行機器が実行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
(実施の形態1)
図1に本発明の情報処理装置100の機能ブロック図を示す。図1に示すように、本発明の情報処理装置100は、営業部のプリンタ120a、120b、総務部のプリンタ130a、130bとLAN140で接続され、情報処理装置100と各プリンタPは、互いに通信することができる状態になっている。
【0008】
上記したようなネットワーク環境において、例えば、全てのプリンタPが通常のモードで作動しているときに、営業部のプリンタ120a、120bのみを省エネモードでの作動に切り替える場合について説明する。省エネモードとは、例えばプリンタのトナーを節約するために、画像を通常のモードで作動しているときよりも薄く印刷するモードである。
【0009】
本実施の形態では、営業部のプリンタ120a、120bのみを省電力モードでの作動に切り替えるための命令をプリンタ120aから入力することとする。プリンタ120aの操作パネル121の初期画面は、図2(a)に示すような画面となっている。
【0010】
ユーザは、まず、図2(a)に示す初期画面に表示された省エネモードキー122を押下する(図3、S301)。
【0011】
省エネモードキー122が押下されると、操作パネル121には、図2(b)に示すように、LAN140に接続されたプリンタを選択するための機器選択画面が表示される。機器選択画面が表示されると、ユーザは、営業部のプリンタ120a、120bを選択して、決定キー123を押下する(図3、S302)。
【0012】
決定キー123が押下されると、図4に示すプリンタ120aのパネル操作制御手段124は、初期画面で押下されたキーの内容を特定する。上記のように、初期画面では省エネモードキー122がユーザに押下されているので、本実施の形態では、パネル操作制御124は、初期画面で押下されたキーの内容を省エネモードと特定する。
【0013】
初期画面で押下されたキーの内容を特定すると、操作パネル制御手段124は、機器選択画面で選択された機器を特定する。ここでは上記のように、管理部のプリンタ120a、120bが選択されているので、ここではパネル操作制御手段124は、プリンタ120a、120bを特定する。
【0014】
初期画面で押下されたキーの内容と機器選択画面で選択された機器を特定すると、操作パネル制御手段124は、特定した内容と機器を命令作成手段125に入力する。
【0015】
パネル制御手段124から内容と機器が入力されると、命令作成手段125は、入力されたこれらを基に、プリンタ120aを省エネモードで作動させる命令と、プリンタ120bを省エネモードで作動させる命令をプリンタ120a固有の固有フォーマットで作成する(図3、S303)。
【0016】
命令を作成すると、命令作成手段125は、プリンタ120aを省エネモードで作動させる命令をプリンタ120aの命令実行手段127に入力し、プリンタ120bを省エネモードで作動させる命令を送信手段126に入力する。
【0017】
プリンタ120aを省エネモードで作動させる命令が命令作成手段125から入力されると、命令実行手段127は、プリンタ120aの作動モードを通常のモードから省エネモードに切り替える。
【0018】
一方、送信手段126は、プリンタ120bを省エネモードで作動させる命令を命令作成手段125から入力されると、入力された命令にプリンタ120aの機器識別子を対応付けて情報処理装置100に送信する(図3、S304)。機器識別子は、LAN140に接続された機器を識別するための機器固有の識別子である。
【0019】
送信手段126から送信された命令と機器識別子は、情報処理装置100の受付手段101に受け付けられる(図3、S305)。
【0020】
命令と機器識別子を受け付けると、受付手段101は、受け付けた命令と機器識別子を変換手段103に入力する。
【0021】
命令と機器識別子が入力されると、変換手段103は、受付手段101から入力された命令をLAN140に接続された機器において共通の共通フォーマットに命令を変換する(図3、S306)。命令の変換は、記憶手段104に記憶された図5に示す変換ファイル501を用いる。
【0022】
図5に示すように、変換ファイル501は、機器識別子502と変換テーブル503が対応付けられて構成されている。変換テーブル503は、対応付けられた機器識別子502の機器固有の固有フォーマットで表された命令504と、共通フォーマットで表された命令505とが対応付けて記述されている。
【0023】
変換する際には、変換手段103は、命令と共に入力された機器識別子と同じ機器識別子が含まれる変換テーブル503の固有フォーマットで表された命令504の中から、入力された命令と一致する命令を検出して、検出した命令504と対応する共通フォーマットで表された命令505を特定する。
【0024】
変換手段103は、このように特定した共通フォーマットで表された命令505を送信先指定手段102と送信手段105に入力する。
【0025】
変換手段103から命令が入力されると、送信先指定手段102は、命令の送信先を決定する。ここで送信先指定手段102に入力される命令は、プリンタ102bを省エネモードで作動させるという命令であるので、送信先指定手段102は命令の送信先として、プリンタ120bを決定する。送信先指定手段102は、送信先を決定すると、送信手段105にプリンタ120bを命令の送信先として通知する。
【0026】
送信手段105は、プリンタ120bが送信先として通知されると、変換手段103から入力された共通フォーマットで表された命令をプリンタ120bに送信する(図3、S307)。
【0027】
プリンタ120aは、共通フォーマットで表された命令を受信すると、受信した命令を実行する(図3、S308→S309)。ここで送信される命令は、プリンタ120bを省エネモードで作動させるという命令であるので、命令が送信されると、120bは、作動モードを通常モードから省エネモードに切り変える。
【0028】
以上のように、固有フォーマットで作成された命令は、ネットワーク共通の共通フォーマットに変換されて命令が送信されるので、ネットワークに接続された命令が入力される入力機器と命令を実行する実行機器が、理解できるフォーマットが異なっても、入力機器に入力された命令を実行機器が実行できる。
【0029】
上記では情報処理装置100と通信可能に接続された機器をプリンタであると説明したが、情報処理装置100と通信可能に接続された機器は、プリンタに限らず、スキャナ、複写機、複合機等の画像処理装置やパソコン等ネットワークに接続できる電子機器であればよい。
【0030】
また、上記ではプリンタ120aから命令を入力する場合に付いて説明したが、命令を入力する機器はプリンタ120aに限らず、LAN140で接続された機器であればよい。
【0031】
また、上記ではユーザに命令が入力される入力機器がプリンタ120aであり、情報処理装置100は入力機器(プリンタ120a)とLAN140で接続された場合について説明したが、入力機器に情報処理装置を組み込んで、フォーマットの変換を入力機器で行ってもよい。もちろん、情報処理装置を、命令を実行する実行機器に組み込んで、実行機器がフォーマットの変換を行ってもよい。
(実施の形態2)
上記では、情報処理装置100は、入力された命令を固有フォーマットから共通フォーマットに変換して送信するだけであって、命令の内容の変更は行っていないが、情報処理装置100が、命令の内容の変更を行うようにしても良い。
【0032】
例えば、変換手段103は、共通フォーマットに命令を変換すると、この共通フォーマットで表された命令を編集手段106に入力する。共通フォーマットで表された命令が入力されると、編集手段106は、入力された命令を共通フォーマットでモニタ107に表示して、モニタ107上でユーザが編集できるようにする。編集手段107は、編集された命令を変換手段103に入力する。変換手段103は、入力された命令を送信手段105と送信先識別手段102に入力する。
【0033】
また、このように共通フォーマットで命令が表示されることで、ユーザは、固有フォーマットを理解できなくても、共通フォーマットさえ理解できれば編集を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】情報処理装置が接続されたネットワークの概観図。
【図3】命令の入力から実行までの手順を示したフロー図。
【図2】入力機器の操作パネルの模式図。
【図4】本発明の情報処理装置が適用された機能ブロック
【図5】変換ファイルの概念図。
【符号の説明】
【0035】
100 情報処理装置
101 受付手段
102 送信先指定手段
103 変換手段
104 記憶手段
105 送信手段
106 編集手段
120a、120b、130a、130b プリンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
命令の入力を受け付ける受付手段と、
ネットワークで接続された各機器固有フォーマットと、上記ネットワークで接続された機器間において共通する共通フォーマットとで命令を記憶する記憶手段と、
上記記憶手段を用いて、上記受付手段に入力が受け付けられた命令のフォーマットを共通フォーマットに変換する変換手段と、
上記共通フォーマットに変換された命令を上記ネットワークに接続された機器に送信する送信手段を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
上記変換手段にて変換された共通フォーマットの命令を編集する編集手段を備え、
上記送信手段は、編集された共通フォーマットの命令を上記ネットワークに接続された機器に送信する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
命令の送信先となる機器を指定する送信先指定手段を備え、
上記送信手段は、指定された機器にのみ共通フォーマットの命令を送信する請求項1に記載の情報処理装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−119737(P2006−119737A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−304507(P2004−304507)
【出願日】平成16年10月19日(2004.10.19)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】