情報処理装置
【課題】 自装置が備える情報処理機能の利用者制限に係る暗証情報の有効期間の設定が、現在時刻の設定変更に影響を受けて不正な設定状態にならないように管理することができる情報処理装置を提供すること。
【解決手段】 現在時刻計時手段が計時する現在時刻と登録時刻とを比較して当該現在時刻が前記登録時刻よりも前であった場合に、前記現在時刻計時手段における現在時刻の設定が変更されて前記満了時刻が不正な設定状態になった可能性があるものと判断する有効期限妥当性判定手段を備えたことを特徴とする。
【解決手段】 現在時刻計時手段が計時する現在時刻と登録時刻とを比較して当該現在時刻が前記登録時刻よりも前であった場合に、前記現在時刻計時手段における現在時刻の設定が変更されて前記満了時刻が不正な設定状態になった可能性があるものと判断する有効期限妥当性判定手段を備えたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキャナ装置、プリンタ装置、複写機、ファクシミリ装置、複合機などの、画データなどの各種情報を処理する情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の、スキャナ装置、プリンタ装置、複写機、ファクシミリ装置、複合機などの、画データなどの各種情報を処理する情報処理装置においては、現在時刻を計時するための回路(現在時刻計時回路)を備え、その回路を必要に応じて読み出すことで、現在時刻を取得することができる。
【0003】
その取得した現在時刻は、情報処理装が設置されている地域における絶対的な現在時刻(電話の時報サービスやテレビの時報字幕等により確認できる)に設定されるべきであるが、悪意の設定者や、無知な設定者による設定変更操作により変更されてしまう場合がある。
【0004】
そのように、情報処理装置における現在時刻の設定が、悪意の設定者等により変更されても、表示部への表示や、送受信画像データへの埋め込みなどの目的においては、致命的な問題とはならない。
【0005】
一方で、情報処理装置においては、公知文献を例示するまでもなく、利用者制限機能を備えるものがある。その利用者制限機能は、具体的には、自装置が備える各種情報処理機能(コピー機能、スキャナ機能、プリンタ機能等)を利用者に無条件に使用させるのではなく、各機能について、使用が予め認められた利用者にのみ使用を許すようにするために予め暗証情報(パスワード)を設定しておき、所望の機能の利用開始に先立って認証処理(入力パスワードと登録パスワードとの比較)を行って、認証された(パスワードが一致した)利用者にのみ当該機能を提供するようにする機能である。
【0006】
そのような利用者制限機能を備える情報処理装置においては、自装置が備える情報処理機能について設定した暗証情報が時間的に無限に有効であるとするとセキュリティ上問題があるため、設定した暗証情報の寿命を設定できるようにする場合がある。
【0007】
その場合、寿命の設定形態としては、対応する暗証情報が有効状態から無効状態に変化する時刻である、満了時刻を設定する場合と、暗証情報が有効である残り期間を設定する場合とがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記いずれの設定形態においても、前記現在時刻計時回路が計時する現在時刻が任意に設定変更可能であるため、その現在時刻の設定変更に起因して、暗証情報の有効期限または期間が、不当に長く設定変更されてしまったり、または、不必要に短く設定変更されてしまう場合がある。極端な場合、現在時刻が有効期間が満了となる時刻を超えないように過去にとどまるように設定変更しつづければ、対応する暗証情報が永遠に有効になってしまったり、現在時刻が有効期限が満了となる時刻を超えるように設定変更されれば、対応する暗証情報が即座に無効となってしまったりする場合がある。
【0009】
本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、自装置が備える情報処理機能の利用者制限に係る暗証情報の有効期間の設定が、現在時刻の設定変更に影響を受けて不正な設定状態にならないように管理することができる情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の情報処理装置は、自装置が備える情報処理機能を対応して設定された暗証情報であって有効なものに基づいて所定の認証手段により認証された利用者のみに使用させる利用者制限機能を備えた情報処理装置において、現在時刻を計時すると共に計時中の現在時刻の設定変更が可能な現在時刻計時手段と、前記暗証情報と、その暗証情報が有効な期間が満了となる時刻である満了時刻と、登録時刻とを対応付けて記憶する利用者認証用情報設定手段と、前記利用者認証用情報設定手段における前記暗証情報または/及び満了時刻の設定が変更され登録された時点において前記現在時刻計時手段が計時していた現在時刻を前記登録時刻として登録する登録時刻登録手段と、前記現在時刻計時手段が計時する現在時刻と前記登録時刻とを比較して当該現在時刻が前記登録時刻よりも前であった場合に、前記現在時刻計時手段における現在時刻の設定が変更されて前記満了時刻が不正な設定状態になった可能性があるものと判断する有効期限妥当性判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の情報処理装置は、自装置が備える情報処理機能を対応して設定された暗証情報であって有効なものに基づいて所定の認証手段により認証された利用者のみに使用させる利用者制限機能を備えた情報処理装置において、現在時刻を計時すると共に計時中の現在時刻の設定変更が可能な現在時刻計時手段と、前記暗証情報と、その暗証情報が有効な期間が満了となる時刻である満了時刻と、前回認証時刻とを対応付けて記憶する利用者認証用情報設定手段と、前記認証手段による認証が行われた時点において前記現在時刻計時手段が計時していた現在時刻を前記前回認証時刻として登録する前回認証時刻登録手段と、前記認証手段による認証を行おうとする時点において、前記現在時刻計時手段が計時する現在時刻と前記前回認証時刻とを比較して当該現在時刻が当該前回認証時刻よりも前であった場合に、前記現在時刻計時手段における現在時刻の設定が変更されて前記満了時刻が不正な設定状態になった可能性があるものと判断する有効期限妥当性判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の情報処理装置は、自装置が備える情報処理機能を対応して設定された暗証情報であって有効なものに基づいて所定の認証手段により認証された利用者のみに使用させる利用者制限機能を備えた情報処理装置において、現在時刻を計時すると共に計時中の現在時刻の設定変更が可能な現在時刻計時手段と、前記暗証情報と、その暗証情報が有効である残り期間を示す有効期間と、前回認証時刻とを対応付けて記憶する利用者認証用情報設定手段と、前記認証手段による認証が行われた時点において前記現在時刻計時手段が計時していた現在時刻を前記前回認証時刻として登録する前回認証時刻登録手段と、前記認証手段による認証を行おうとする時点において、前記現在時刻計時手段が計時する現在時刻と前記前回認証時刻との差を前記有効期間から差し引いたものを新たな有効期間として登録する有効期間自動更新手段と、前記認証手段による認証を行おうとする時点において、前記現在時刻計時手段が計時する現在時刻と前記前回認証時刻とを比較して当該現在時刻が当該前回認証時刻よりも前であった場合に、前記現在時刻計時手段における現在時刻の設定が変更されて前記有効期間が不正な設定状態になった可能性があるものと判断する有効期間妥当性判定手段とを備えたことを特徴とする情報処理装置。
【0013】
請求項4に記載の情報処理装置は、自装置が備える情報処理機能を対応して設定された暗証情報であって有効なものに基づいて所定の認証手段により認証された利用者のみに使用させる利用者制限機能を備えた情報処理装置において、現在時刻を計時すると共に計時中の現在時刻の設定変更が可能な現在時刻計時手段と、前記暗証情報と、その暗証情報が有効である残り期間を示す有効期間と、前回自動更新時刻とを対応付けて記憶する利用者認証用情報設定手段と、所定の一定時間間隔の経過がタイマ手段により繰り返し計時される各時点において、前記現在時刻計時手段が計時していた現在時刻を前記前回自動更新時刻として登録する前回自動更新時刻登録手段と、前記所定の一定時間間隔の経過が前記タイマ手段により繰り返し計時される各時点において、前記現在時刻計時手段が計時する現在時刻と前記前回自動更新時刻との差を前記有効期間から差し引いたものを新たな有効期間として登録する有効期間自動更新手段と、前記所定の一定時間間隔の経過が前記タイマ手段により繰り返し計時される各時点において、前記現在時刻計時手段が計時する現在時刻と前記前回自動更新時刻とを比較して当該現在時刻が当該前回自動更新時刻よりも前であった場合に、前記現在時刻計時手段における現在時刻の設定が変更されて前記有効期間が不正な設定状態になった可能性があるものと判断する有効期間妥当性判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の情報処理装置は、自装置が備える情報処理機能を、対応して設定された暗証情報であって有効なものに基づいて認証手段により認証された利用者のみに使用させる利用者制限機能を備えた情報処理装置において、現在時刻を計時すると共に計時中の現在時刻の設定変更が可能な現在時刻計時手段と、前記暗証情報と、その暗証情報が有効である残り期間を示す有効期間と、前回自動更新時刻とを対応付けて記憶する利用者認証用情報設定手段と、所為の一定時間間隔の経過がタイマ手段により繰り返し計時される各時点において、前記現在時刻計時手段が計時していた現在時刻を前記前回自動更新時刻として登録する前回自動更新時刻登録手段と、前記所定の一定時間間隔の経過が前記タイマ手段により繰り返し計時される各時点において、前記現在時刻計時手段が計時する現在時刻と前記前回自動更新時刻との差を前記有効期間から差し引いたものを新たな有効期間として登録する前記有効期間自動更新手段と、前記所定の一定時間間隔の経過が前記タイマ手段により繰り返し計時される各時点において、前記現在時刻計時手段が計時する現在時刻と前記前回自動更新時刻との差が前記タイマ手段に計時させる前記所定の一定時間間隔と一致しない場合に、前記現在時刻計時手段における現在時刻の設定が変更されて前記有効期間が不正な設定状態になった可能性があるものと判断する有効期間妥当性判定手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る発明によれば、前記現在時刻計時手段における現在時刻の設定に変更がなければ当該現在時刻は常に前記登録時刻の後になることに鑑みて、前になる場合には、前記現在時刻計時手段における現在時刻の設定変更がなされ、それにより、前記暗証情報が有効な期間を規定する前記満了時刻が不正な設定状態になってしまった可能性があると判断して、正しい有効期限に再設定するために、前記満了時刻の再設定を促す警告出力をするなどの適切な対応をとることができ、前記暗証情報の有効期限を正しい設定になるように管理することが可能となる効果が得られる。
【0016】
請求項2に係る発明によれば、前記現在時刻計時手段における現在時刻の設定に変更がなければ当該現在時刻は常に前記前回認証時刻の後になることに鑑みて、前になる場合には、前記現在時刻計時手段における現在時刻の設定変更がなされ、それにより、前記暗証情報の有効期間を規定する前記満了時刻が不正な設定状態になってしまった可能性があると判断して、正しい有効期限に再設定するために、前記満了時刻の再設定を促す警告出力をするなどの適切な対応をとることができ、前記暗証情報の有効期限を正しい設定になるように管理することが可能となる効果が得られる。
【0017】
請求項3に係る発明によれば、前記現在時刻計時手段における現在時刻の設定に変更がなければ当該現在時刻は常に前記前回認証時刻の後になることに鑑みて、前になる場合には、前記現在時刻計時手段における現在時刻の設定変更がなされ、それにより、前記暗証情報が有効となる期間を規定する前記有効期間が不正な設定状態になってしまった可能性があると判断して、正しい前記有効期間の再設定を促す警告出力をするなどの適切な対応をとることができ、前記暗証情報が有効となる期間を正しい設定になるように管理することが可能となる効果が得られる。
【0018】
請求項4に係る発明によれば、前記現在時刻計時手段における現在時刻の設定に変更がなければ当該現在時刻は常に前記前回自動更新時刻の後になることに鑑みて、前になる場合には、前記現在時刻計時手段における現在時刻の設定変更がなされ、それにより、前記暗証情報が有効となる期間を規定する前記有効期間が不正な設定状態になってしまった可能性があると判断して、正しい前記有効期間の再設定を促す警告出力をするなどの適切な対応をとることができ、前記暗証情報が有効となる期間を正しい設定になるように管理することが可能となる効果が得られる。
【0019】
請求項5に係る発明によれば、前記現在時刻計時手段における現在時刻の設定に変更がなければ、前記現在時刻計時手段が計時する現在時刻と前記前回自動更新時刻との差が前記タイマ手段に計時させる前記所定の一定時間間隔と一致することに鑑みて、一致しない場合には、前記現在時刻計時手段における現在時刻の設定変更がなされ、それにより、前記暗証情報が有効となる期間を規定する前記有効期間が不正な設定状態になってしまった可能性があると判断して、正しい前記有効期間の再設定を促す警告出力をするなどの適切な対応をとることができ、前記暗証情報が有効となる期間を正しい設定になるように管理することが可能となる効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、添付図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0021】
図1に、本発明を実施するための最良の形態に係る情報処理装置としての複合機1を含むシステム構成について示す。
【0022】
同図において、複合機1は、ファクシミリ装置1は、PSTN200に接続され、PSTN200上のG3ファクシミリであるファクシミリ装置201などの間でファクシミリメッセージのやりとりを行うG3ファクシミリ装置としての機能を備える。
【0023】
また、複合機1は、必要なインターフェースとプロトコル機能を具備しさえすれば、ISDN300上のG4ファクシミリであるファクシミリ装置301などの間でファクシミリメッセージのやりとりを行うG4ファクシミリ装置としての機能を備えることも可能である。
【0024】
また、複合機1は、ネットワークとしてのLAN100にも接続され、LAN100上の他の情報処理装置としてのパーソナルコンピュータ(PC)101a、b、c等とのLAN100を介したやりとりが可能であり、複合機1は、PC101a等にとってのスキャナ装置、プリンタ装置等として機能可能である。
【0025】
また、複合機1は、LAN100とルータ装置102を介して接続されたインターネット400上のネットワークファクシミリ装置401との間でITU−T勧告T.38に基づくリアルタイムネットワークファクシミリ通信や、ITU−T勧告T.37に基づく電子メール型ネットワークファクシミリ通信を行うことが可能であり、また、インターネット400上のPC402との間で電子メールによる情報のやりとりが可能である。つまり、複合機1は、ネットワークファクシミリ装置としても機能可能である。
【0026】
図2に、複合機1のハードウェアブロック構成について示す。
【0027】
同図において、CPU2は、RAM4を作業領域として使用しつつ、ROM3に書き込まれた制御プログラムに基づいて装置各部を制御したり、各種データ処理をしたり、プロトコル制御を行う中央演算処理装置である。
【0028】
ROM3は、CPU2が装置各部を制御するための制御プログラムや、各文字コードに対応するフォントデータなどの制御に必要な各種データが記憶されるリードオンリメモリである。
【0029】
RAM4は、前述したようにCPU2の作業領域として使用されるランダムアクセスメモリである。
【0030】
EEPROM(電気的に書き換え可能な読み出し専用メモリ)5は、装置動作に必要な各種情報が記憶されると共に、装置の電源がオフされた状態でもその記憶内容を保持するためのメモリであり、バッテリバックアップされたSRAM(スタティックRAM)や磁気ディスク装置への置き換えも可能である。
【0031】
現在時刻計時回路6は、いわゆるカレンダーICにより構成されるものであり、現在の日付及び時刻を常に計時しているもので、CPU2は、システムバス14を介して計時回路6を読み出すことで、現在の時刻(日付情報と時刻情報とにより構成される)を知ることができる。
【0032】
タイマ回路7は、CPU2から設定された期間の経過ごとに、その旨をCPU2割り込みで通知するものである。
【0033】
操作表示部8は、ユーザからの操作入力を受け入れるための各種キーが配設される一方、液晶表示装置等の表示器を備え、ユーザに知らせるべき装置の動作状態や、各種メッセージを表示するものである。
【0034】
読取部9は、セットされた原稿を読み取って文書画像データを得るためのものである。
【0035】
書込部10は、画像データを記録紙に印刷出力するためのもので、電子写真方式、インクジェット方式、トナージェット方式などの方式で記録紙にイメージを記録できるものであればいずれの方式でも適用可能である。
【0036】
画像処理部10は、生の画像データの符号化圧縮、及び、符号化された圧縮データの復号伸張の符号化復号化処理や、2値化処理、変倍処理、縮小拡大処理、画像補正処理、送信日時や受信日時の文字列情報などの付加情報の付加処理などの、複合機1において扱う画像データに関する各種画像処理を行う。
【0037】
LAN通信制御部12は、いわゆるNIC(Network Interface Card)であり、イーサネットのLAN100に接続され、イーサネットプロトコル上でのTCP/IPプロトコルのやりとりにより、その上位のプロトコルによる各種情報のやりとりなどを行えるようにするためのものである。
【0038】
通信制御部13は、NCU部14を介してPSTN200と接続され、相手側通信端末との通信の制御を行う。その通信制御部13は、NCU部14を制御し、NCU部14にて検出されたリンギング電圧のパルスの検出や、DTMF信号の検出、トーン信号の検出、送信時の発呼を行う。また、通信制御部13は、モデムを有しており、相手側通信端末より受信した受信データ(変調されている)を復調したり、逆に、送信時の送信データを変調し送信したりする。具体的には、ITU−T勧告T.30に基づくG3ファクシミリ制御信号をやりとりするための低速モデム機能能(V.21モデム)、及び、主に文書画像データをやりとりするための高速モデム機能である、V.17、V.33、V.34、V.29、V.27terの各モデム機能を備えている。
【0039】
NCU部14はPSTN200に接続され、回線の閉結や、呼び出し信号(リンギング)の検出などをおこなう。
【0040】
システムバス15は、上記各部がデータをやり取りするためのデータバス・アドレスバス・制御バス、割り込み信号ラインなどにより構成される信号ラインである。
【0041】
図3に、複合機1のソフトウェアブロック構成について示す。
【0042】
同図において、全体制御500は、装置の全体の動作を総括制御するソフトウェアブロックである。
【0043】
コピー機能501は、ハードウェアブロックの書込部10、読取部9等を用いて複写機としての情報処理機能を実現するものである。
【0044】
プリンタ機能505は、LAN通信制御部12、書込部10等を用いてプリンタ装置としての情報処理機能を実現するものである。
【0045】
G3ファクス機能502は、通信制御部13、書込部10,読取制御部9等を用いてG3ファクシミリ装置のとしての情報処理機能を実現するものである。
【0046】
ネットワークファクス機能506は、LAN通信制御部12、書込部10,読取制御部9等を用いてネットワークファクシミリ装置のとしての情報処理機能を実現するものである。
【0047】
メール機能503は、LAN通信制御部12等を用いてメール通信機能を実現するものである。
【0048】
スキャナ機能507は、読取制御部9、LAN通信制御部12等を用いてスキャナ装置としての情報処理機能を実現するものである。
【0049】
タイムコントローラ510は、現在時刻計時回路6からの現在時刻の読み出し、現在時刻の書き込み(設定変更)を行うものである。認証サービス511は、全体制御500からの認証依頼に対して認証結果を返すソフトウェアサービスを提供するものである。ネットワークサービス512は、LAN通信制御処理513によるLAN通信制御部12の制御により実現される、イーサネットなどのLANプロトコル上でのTCP・UDP/IP及びのその上位のプロトコルでのやりとりを制御するものである。
【0050】
以上の構成の複合機1においては、全体制御500において、現在時刻設定変更のモードが起動されると、タイムコントローラ510を介して現在時刻計時回路6が計時する現在時刻が設定変更される。具体的には、例えば、設定変更直前の現在時刻が「20041102152548」であったものが、「20041104172724」と設定変更される。なお、本説明において、例えば、時刻「20041102152548」を表す整数は、「西暦2004年11月02日15時25分48秒」を意味する。つまり、時刻は整数の大小関係で小さいほうが比較的過去、大きいほうが比較的未来を意味することになる。
【0051】
現在時刻計時回路6が計時する現在時刻は、操作表示部8の表示部に表示されたり、ファクシミリ送信する画像データに、送信時刻として埋め込まれた、ファクシミリ受信した画データに受信時刻として埋め込まれたり、各ファクシミリ送受信に係る通信の属性情報として記憶されて、通信管理レポートの情報の一部として利用されたりする。
【0052】
そのように、複合機1において、現在時刻計時回路6が計時する現在時刻は、複合機1が設置されている地域における絶対的な現在時刻(電話の時報サービスやテレビの時報字幕等により確認できる)に設定されるべきであるが、悪意の設定者や無知な設定者、あるいは、正当な設定権限を持つ設定者(管理者)による設定変更操作により変更されてしまう場合がある。
【0053】
そのように、複合機1における現在時刻の設定が、悪意の設定者等により変更されても、表示部への表示や、送受信画像データへの埋め込みなどの目的においては、致命的な問題とはならない。
【0054】
しかし、複合機1の各種情報処理機能(コピー機能501等)を利用者に無条件に使用させるのではなく、各機能について、使用が予め認められた利用者にのみ使用を許すようにするために設定される、暗証情報(パスワード)の有効期間が、複合機1における現在時刻の設定変更に起因して、不当に長く設定変更されてしまったり、または、不必要に短く設定変更されてしまう場合がある。
【0055】
本発明を実施するための最良の形態では、そのような、複合機1における現在時刻の設定変更に起因して、各情報処理機能について設定された暗証情報の有効期間が実質的に不当に長く設定変更されてしまったり、または、実質的に不当に短く設定変更されてしまう事態を防止する。
【0056】
図4に、複合機1のEEPROM5の記憶内容について示す。
【0057】
同図において、記憶領域5aには、複合機1の管理者のみに通知されていて、それを知っていると複合機1の動作に関わる重要な設定の変更が可能となる「管理者用認証用暗証情報」が予め設定・記憶されている。この場合「123454321」が設定・記憶されている。また、記憶領域5bには、プリンタ機能利用者認証用情報設定テーブルが予め設定・記憶されている。
【0058】
テーブル5bは、複合機1が備える多数の情報処理機能の1つである。プリンタ機能505についての利用者認証用情報、つまり、複合機1のプリンタ機能の利用を許可された利用者のみ通知される「暗証情報(パスワード)」、その「暗証情報」がテーブル5bに登録された時点において現在時刻計時回路6が計時していた現在時刻である「登録時刻Tregist」、及び、「暗証情報」の有効期限が満了する時刻を示す「満了時刻Tend」により構成されている。従来は、「満了時刻Tend」のみにより、対応する「暗証情報」の有効期間が管理されていたが、図4のテーブル5bでは、「登録時刻Tregist」をも、「暗証情報」と対応付けて管理している点に特徴がある。
【0059】
そして、全体制御500は、図4の記憶内容を前提として、図5に示す、プリンタ機能利用者認証用情報設定処理手順を行う。
【0060】
同図において、先ず、プリンタ機能利用者認証用情報設定の要求を待ち(判断S101Noのループ)、要求があると(判断S101のYes)、認証サービス511に対して、認証要求する(処理S102)。なお、その際、認証要求に伴って、判断S101の設定要求に伴って通知された管理者暗証情報が認証サービス511に渡される。なお、判断S101の設定要求は、操作表示部8を介した直接の操作入力、または、LAN100を介したPC101a等からの遠隔操作入力により行われる。後述するその他の暗証情報等の設定要求についても同様である、
処理S102の認証要求の後、判断S103において、認証サービス511からの認証結果(「認証」または「不認証」)を受け取る。その場合、認証サービス511においては、通知された管理者暗証情報と、図4の記憶領域5aに設定されている管理者用設定情報とを照合して一致すれば「認証」、不一致なら「不認証」と判定する。
【0061】
判断S103において、「不認証」の場合には(判断S103のNo)、判断S101に戻るが、「認証」の場合には(判断S103のYes)、図4のプリンタ機能利用者認証用情報設定テーブル5bの内容を設定する処理に移行する。
【0062】
つまり、暗証情報の設定要求の有無を判断し(判断S104)、ない場合には(判断S104のNo)、処理S106に移行するが、ある場合に(判断S104のYes)、入力された暗証情報をテーブル5bに登録した上で、処理S106に移行する。
【0063】
処理S106では、暗証情報の有効期間が満了となる時刻Tendの設定要求の有無を確認する。そして、設定要求がない場合には判断S101に戻るが、設定要求があった場合には(判断S107のYes)、更に、その設定要求に伴って入力された時刻を満了時刻Tendとして図4のテーブル5bに登録する(処理S108)。
【0064】
そして、タイムコントローラ510に対して現在時刻取得要求し(処理S109)、その要求に対してタイムコントローラ510から返えされた現在時刻Tnowを取得し(処理S110)、登録時刻Tregistとして図4のテーブル5bに登録して(処理S111)、判断S101に戻る。
【0065】
そのようにして、図4のテーブル5bの「暗証情報」または/及び「満了時刻Tend」は、管理者の必要に応じて設定変更され登録されると共に、その登録更時には、「登録時刻Tregist」が併せて登録される。
【0066】
また、全体制御500は、図4の記憶内容を前提として、図6に示す、プリンタ機能利用管理処理手順を行う。この手順は、LAN100を介したPC101a等からの印刷要求(プリンタ機能利用要求)に対してプリンタ機能505の使用を無条件に許すのではなく、許された利用者に対してのみ使用させるようにする処理である。
【0067】
図6において、まず、プリンタ機能の利用要求があるまで待ち(判断201Noのループ)、利用要求があると、認証サービス511に対して、プリンタ機能利用者認証要求する(処理S202)。なお、その際、認証要求に伴って、判断S101の設定要求に伴って通知されたプリンタ機能を利用できるもののみが知っている暗証情報が認証サービス511に渡される。
【0068】
処理S202の認証要求の後、判断S203において、認証サービス511からの認証結果(「認証」または「不認証」)を受け取る。その場合、認証サービス511においては、後述する、図7のプリンタ機能利用者認証処理手順により認証判定する。
【0069】
判断S203において「不認証」の場合には(判断S203のNo)、判断S201に戻るが、「認証」の場合には(判断S203のYes)、プリンタ機能505を起動して、判断S201の利用要求に係る情報(この場合画像データ)の処理を開始させる。
【0070】
次に、図6の処理S202により依頼された認証サービス511が行う、図7のプリンタ機能利用者認証処理手順について説明する。
【0071】
同図において、先ず、タイムコントローラ510に対して現在時刻取得要求し(処理S301)、その要求に対してタイムコントローラ510から返えされた現在時刻Tnowを取得し(処理S302)、また、図4のテーブル4bから満了時刻Tendを読み出す(処理S303)。
【0072】
そして、TnowがTendよりも小さいか否かを判断する(判断S304)。TnowがTendよりも小さいということは、テーブル4bに設定された満了時刻Tendに現在時刻計時回路6が計時する現在時刻Tnowが達していない場合で、つまり、対応する「暗証情報」がまだ有効と判断できる。
【0073】
逆に、TnowがTendよりも大きい場合は、現在時刻計時回路6が計時する現在時刻Tnowが満了時刻Tendを過ぎてしまった場合と判断できる。その場合、現在時刻計時回路6が計時する現在時刻Tnowの設定が絶対的な現在時刻とほぼ同一な正確なものであって満了時刻Tendを過ぎてしまったと解釈することもできるが、現在時刻計時回路6が計時する現在時刻Tnowの設定が絶対的な現在時刻とは異なる時刻に(誤ってまたはわざと)設定変更されてしまったためにそうなってしまったと解釈することもできる。
【0074】
判断S304において、TnowがTendよりも大きい場合は(判断S304のNo)、「不認証」と判断すると共に(処理S309)、図4のテーブル4bのプリンタ機能利用者認証用情報のうちの満了時刻Tendの(現在時刻計時回路6が計時する現在時刻Tnowと適合するようにする)設定変更を促すメッセージを出力して(処理S310)、処理を終了する。その場合のメッセージの出力形態としては、操作表示部8の表示器へのディスプレイ出力であってもよいし、書込部10により記録紙への印刷出力であってもよい。
【0075】
判断304において、TnowがTendよりも小さい場合は(判断S304のYes)、TnowとTendとの関係性については「認証」可能な条件であるため、更に、通知された暗証情報を図4のテーブル4bに登録された「暗証情報」と照合し(処理S305)、一致した場合には(判断S306のYes)、「認証」と判定して処理を終了する。一致しない場合には(判断S306のNo)、「不認証」と判定して処理を終了する。
【0076】
このように、TnowがTendよりも大きい場合は、現在時刻計時回路6が計時する現在時刻Tnowの設定が絶対的な現在時刻とは異なる時刻に(誤ってまたはわざと)設定変更されてしまっていて、満了時刻Tendの設定が実質的に無効になってしまっている可能性があると判断して、満了時刻Tendの設定変更を促すことができるため、現在時刻計時回路6が計時する現在時刻Tnowの設定状態によらず、満了時刻Tendの設定を可能な限り有効なものになるようにすることができる。
【0077】
図4のテーブル4bのプリンタ機能利用者認証用情報設定テーブルが含む登録情報のうち、「登録時刻Tregist」を、図8に示すように、「前回認証時刻Tcertify」に置き換えると共に、図7に示したプリンタ機能利用者認証処理手順を、図9に示す処理手順に置き換えることもできる。
【0078】
つまり、図9において、先ず、タイムコントローラ510に対して現在時刻取得要求し(処理S401)、その要求に対してタイムコントローラ510から返えされた現在時刻Tnowを取得し(処理S402)、また、図8のテーブル4bから前回認証時刻Tcertifyを読み出す(処理S403)。
【0079】
そして、TnowがTcertifyよりも大きいか否かを判断する(判断S404)。TnowがTcertifyよりも大きいということは、テーブル4bに記憶された前回認証時刻Tcertifyを現在時刻計時回路6が計時する現在時刻Tnowが超えている場合で、つまり、対応する「暗証情報」がまだ有効と判断できる。
【0080】
逆に、TnowがTcertifyよりも小さい場合は、現在時刻計時回路6が計時する現在時刻Tnowが前回認証時刻Tcertifyよりも前であると判断できる。その場合、現在時刻計時回路6が計時する現在時刻Tnowの設定が絶対的な現在時刻とは異なる時刻に(誤ってまたはわざと)設定変更されてしまったためにそうなってしまったと解釈することができる。
【0081】
判断S404において、TnowがTcertifyよりも小さい場合は(判断S404のNo)、「不認証」と判断すると共に(処理S410)、図8のテーブル4bのプリンタ機能利用者認証用情報のうちの満了時刻Tendの(現在時刻計時回路6が計時する現在時刻Tnowと適合するようにする)設定変更を促すメッセージを出力して(処理S411)、処理S409に移行する。その場合のメッセージの出力形態としては、操作表示部8の表示器へのディスプレイ出力であってもよいし、書込部10により記録紙への印刷出力であってもよい。
【0082】
判断S404において、TnowがTcertifyよりも大きい場合は(判断S404のYes)、TnowとTcertifyとの関係性については「認証」可能な条件であるため、更に、通知された暗証情報を図8のテーブル4bに登録された「暗証情報」と照合し(処理S405)、一致した場合には(判断S406のYes)、「認証」と判定し、一致しない場合には(判断S406のNo)、「不認証」と判定してた上で更に、処理S402で取得した現在時刻Tnowを図8のテーブル5bの前回認証時刻Tcertifyとして登録して(処理S409)、処理を終了する。処理S409で登録されたTcertifyは、次回、処理S403で読み出されることになる。
【0083】
このように、TnowがTcertifyよりも小さい場合は、現在時刻計時回路6が計時する現在時刻Tnowの設定が絶対的な現在時刻とは異なる時刻に(誤ってまたはわざと)設定変更されてしまっていて、満了時刻Tendの設定が実質的に無効になってしまっている可能性があると判断して、満了時刻Tendの設定変更を促すことができるため、現在時刻計時回路6が計時する現在時刻Tnowの設定状態によらず、満了時刻Tendの設定を可能な限り有効なものになるようにすることができる。
【0084】
図8のテーブル4bのプリンタ機能利用者認証用情報設定テーブルが含む登録情報のうち、「満了時刻Tend」を、図10に示すように、「有効期間Pvalid」に置き換えると共に、図5に示したプリンタ機能利用者認証用情報設定処理手順を、図11に示す処理手順に置き換え、更に、図9に示したプリンタ機能利用者認証処理手順を、図12に示す処理手順に置き換えることもできる。
【0085】
つまり、図11のプリンタ機能利用者認証用情報設定処理手順においては、先ず、プリンタ機能利用者認証用情報設定の要求を待ち(判断S501Noのループ)、要求があると(判断S501のYes)、認証サービス511に対して、認証要求する(処理S502)。なお、その際、認証要求に伴って、判断S501の設定要求に伴って通知された管理者暗証情報が認証サービス511に渡される。
【0086】
処理S502の認証要求の後、判断S503において、認証サービス511からの認証結果(「認証」または「不認証」)を受け取る。その場合、認証サービス511においては、通知された管理者暗証情報と、図4の記憶領域5aに設定されている管理者用設定情報とを照合して一致すれば「認証」、不一致なら「不認証」と判定する。
【0087】
判断S503において、「不認証」の場合には(判断S503のNo)、判断S501に戻るが、「認証」の場合には(判断S503のYes)、図10のプリンタ機能利用者認証用情報設定テーブル5bの内容を設定する処理に移行する。
【0088】
つまり、暗証情報の設定要求の有無を判断し(判断S504)、ない場合には(判断S504のNo)、処理S506に移行するが、ある場合に(判断S504のYes)、入力された暗証情報をテーブル5bに登録した上で、処理S506に移行する。
【0089】
処理S506では、暗証情報が有効である残り期間を示す有効期間Pvalidの設定要求の有無を確認する。そして、設定要求がない場合には判断S501に戻るが、設定要求があった場合には(判断S507のYes)、更に、その設定要求に伴って入力された期間を、有効期間Pvalidとして図10のテーブル5bに登録して(処理S508)、判断S501に戻る。
【0090】
そのようにして、図10のテーブル5bの「暗証情報」または/及び「有効期間Pvalid」は、管理者の必要に応じて設定変更され登録される。
【0091】
また、図12のプリンタ機能利用者認証処理手順においては、先ず、タイムコントローラ510に対して現在時刻取得要求し(処理S601)、その要求に対してタイムコントローラ510から返えされた現在時刻Tnowを取得し(処理S602)、また、図10のテーブル4bから前回認証時刻Tcertifyを読み出す(処理S603)。
【0092】
そして、TnowがTcertifyよりも大きいか否かを判断する(判断S604)。TnowがTcertifyよりも大きいということは、テーブル4bに記憶された前回認証時刻Tcertifyを現在時刻計時回路6が計時する現在時刻Tnowが超えている場合で、つまり、対応する「暗証情報」がまだ有効と判断できる。
【0093】
逆に、TnowがTcertifyよりも小さい場合は、現在時刻計時回路6が計時する現在時刻Tnowが前回認証時刻Tcertifyよりも前であると判断できる。その場合、現在時刻計時回路6が計時する現在時刻Tnowの設定が絶対的な現在時刻とは異なる時刻に(誤ってまたはわざと)設定変更されてしまったためにそうなってしまったと解釈することができる。
【0094】
判断S604において、TnowがTcertifyよりも小さい場合は(判断S604のNo)、「不認証」と判断すると共に(処理S612)、図10のテーブル4bのプリンタ機能利用者認証用情報のうちの有効期間Pvalidの(現在時刻計時回路6が計時する現在時刻Tnowと適合するようにする)設定変更を促すメッセージを出力して(処理S613)、処理S611に移行する。その場合のメッセージの出力形態としては、操作表示部8の表示器へのディスプレイ出力であってもよいし、書込部10により記録紙への印刷出力であってもよい。
【0095】
判断S604において、TnowがTcertifyよりも大きい場合は(判断S604のYes)、TnowとTcertifyとの関係性については「認証」可能な条件であるため、TnowとTcertifyとの差(Tnow−Tcertify)(秒換算)を、図10の有効期間Pvalidから差し引き(処理S605)、差し引いた後のPvalidが0より小さいか、つまり、有効期間満了してまっていたかを判断し(判断S606)、満了してしまっている場合には(判断S606のYes)、処理S612に移行し、まだ、満了していない場合には(判断S606のNo)、有効期間Pvalidについても「認証」可能な条件であるため、更に、通知された暗証情報を図10のテーブル4bに登録された「暗証情報」と照合し(処理S607)、一致した場合には(判断S608のYes)、「認証」と判定し、一致しない場合には(判断S608のNo)、「不認証」と判定した上で更に、処理S602で取得した現在時刻Tnowを図10のテーブル5bの前回認証時刻Tcertifyとして登録して(処理S611)、処理を終了する。処理S611で登録されたTcertifyは、次回、処理S603で読み出されることになる。
【0096】
このように、TnowがTcertifyよりも小さい場合は、現在時刻計時回路6が計時する現在時刻Tnowの設定が絶対的な現在時刻とは異なる時刻に(誤ってまたはわざと)設定変更されてしまっていて、有効期間Pvalidの設定が実質的に無効になってしまっている可能性があると判断して、有効期間Pvalidの設定変更を促すことができるため、現在時刻計時回路6が計時する現在時刻Tnowの設定状態によらず、有効期間Pvalidの設定を可能な限り有効なものになるようにすることができる。
【0097】
また、図12のプリンタ機能利用者認証処理を行う認証サービス511は、図13に示す、情報有効期間自動更新処理を並行して行うようにしてもよい。ただし、その場合、図12の処理S605及び処理S611は行わないものとする。
【0098】
図13において、先ず、タイムコントローラ510に対して現在時刻取得要求し(処理S701)、その要求に対してタイムコントローラ510から返えされた現在時刻Tnowを取得し(処理S702)、また、図10のテーブル4bから前回認証時刻Tcertifyを読み出す(処理S703)。
【0099】
そして、TnowとTcertifyとの差(Tnow−Tcertify)(秒換算)を、図10の有効期間Pvalidから差し引き(処理S704)、差し引いた後のPvalidが0より小さいか、つまり、有効期間が満了してまっていたかを判断し(判断S705)、満了してしまっている場合には(判断S705のYes)、図10のテーブル4bのプリンタ機能利用者認証用情報のうちの有効期間Pvalidの(現在時刻計時回路6が計時する現在時刻Tnowと適合するようにする)設定変更を促すメッセージを出力して(処理S708)、処理S706に移行する。
【0100】
判断S705において、満了していない場合には(判断S705のNo)、処理S702で取得した現在時刻Tnowを図10のテーブル5bの前回認証時刻Tcertifyとして登録して(処理S707)、一定時間Tconst待った後(処理S707)、処理S701に戻る。なお、処理S707における一定時間Tconstの計時は、現在時刻計時回路6とは独立して動作するタイマ回路7により行われる。
【0101】
このように、前回認証時刻Tcertifyを、図13の有効期間自動更新処理により一定時間Tconstごとに自動更新することにより、現在時刻計時回路6が計時する現在時刻に設定変更があったことを、図12の判断S604において、いっそう確実に検出でき、有効期間Pvalidを適切に再設定するよう促すことをいっそう確実に行うことができるようになる。なお、図13の処理手順により定期的に変更される、前回認証時刻Tcertifyは、実質的には「前回自動更新時刻」である。
【0102】
また、図13の有効期間自動更新処理手順に代えて、図14に示す処理手順を行うようにしてもよい。ただし、その場合、図12の処理S605及び処理S611は行わないものとする。
【0103】
つまり、図14において、先ず、タイムコントローラ510に対して現在時刻取得要求し(処理S801)、その要求に対してタイムコントローラ510から返えされた現在時刻Tnowを取得し(処理S802)、また、図10のテーブル4bから前回認証時刻Tcertifyを読み出す(処理S803)。
【0104】
そして、TnowとTcertifyとの差(Tnow−Tcertify)(秒換算)を、処理S809における待ち時間Tconstと比較する(処理S804)。比較の結果一致しない場合には(判断S805のNo)、処理S810に移行する。
【0105】
判断S805において、一致した場合には(判断S805のYes)、つまり、タイマ回路7により計時される一定時間Tconstと、前回の有効期間自動更新時からの経過時間とが一致していて、現在時刻計時回路6が計時する現在時刻に設定変更がないといえる場合には、TnowとTcertifyとの差(Tnow−Tcertify)(秒換算)を図10の有効期間Pvalidから差し引き(処理S806)、差し引いた後のPvalidが0より小さいか、つまり、有効期間が満了してまっていたかを判断し(判断S807)、満了してしまっている場合には(判断S807のYes)、図10のテーブル4bのプリンタ機能利用者認証用情報のうちの有効期間Pvalidの(現在時刻計時回路6が計時する現在時刻Tnowと適合するようにする)設定変更を促すメッセージを出力して(処理S810)、処理S808に移行する。
【0106】
判断S807において、満了していない場合には(判断S807のNo)、処理S802で取得した現在時刻Tnowを図10のテーブル5bの前回認証時刻Tcertifyとして登録して(処理S808)、一定時間Tconst待った後(処理S809)、処理S801に戻る。なお、処理S809における一定時間Tconstの計時は、現在時刻計時回路6とは独立して動作するタイマ回路7により行われる。
【0107】
このように、前回認証時刻Tcertifyを、図14の有効期間自動更新処理により一定時間Tconstごとに自動更新することにより、現在時刻計時回路6が計時する現在時刻に設定変更があったことを、図14の判断S805において非常に精度よく検出でき、有効期間Pvalidを適切に再設定するよう促すことをいっそう確実に行うことができるようになる。なお、図14の処理手順により定期的に変更される、前回認証時刻Tcertifyは、実質的には「前回自動更新時刻」である。
【0108】
なお、以上の説明では、複合機1が備える各種情報処理機能のうちのプリンタ機能についての利用者認証について説明したが、本発明は、その他の情報処理機能についても同様に適用可能なものである。また、複数の情報処理機能をまとめて1つの情報処理機能と捉えて、一括して利用者認証を行う場合に適用可能なものである。また、1または複数の情報処理機能について、各利用者(識別情報)ごとに暗証情報を設定して、認証を行う場合にも本発明は適用可能なものであり、要するに、情報処理装置としての複合機1が備える1または複数の情報処理処理機能のどのように区分して利用者認証を行うのかによって本発明は限定されるものではない、また、本発明は、暗証情報の有効期間の正当性の保証に関するものであるため、暗証情報本体については、通常のパスワードに限らず、指紋、網膜、静脈等の生体パターンによるものや、その他の形態のものであってもよいものである。
【0109】
また、以上本発明を実施するための最良の形態について説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明を実施するための最良の形態に係る情報処理装置としての複合機を含むシステム構成について示す図である。
【図2】本発明を実施するための最良の形態に係る情報処理装置としての複合機のハードウェアブロック構成について示す図である。
【図3】本発明を実施するための最良の形態に係る情報処理装置としての複合機のソフトウェアブロック構成について示す図である。
【図4】本発明を実施するための最良の形態に係る情報処理装置としての複合機のEEPROMの記憶内容について示す図である。
【図5】「全体制御」におけるプリンタ機能利用者認証用情報設定処理手順について示すフローチャートである。
【図6】「全体制御」におけるプリンタ機能利用管理処理手順について示すフローチャートである。
【図7】「認証サービス」におけるプリンタ機能利用者認証処理手順について示すフローチャートである。
【図8】プリンタ機能利用者認証用情報設定テーブルの別例について示す図である。
【図9】「認証サービス」におけるプリンタ機能利用者認証処理手順の別例について示すフローチャートである。
【図10】プリンタ機能利用者認証用情報設定テーブルの別例について示す図である。
【図11】「全体制御」におけるプリンタ機能利用者認証用情報設定処理手順の別例について示すフローチャートである。
【図12】「認証サービス」におけるプリンタ機能利用者認証処理手順の別例について示すフローチャートである。
【図13】「認証サービス」における有効期間自動更新処理手順について示すフローチャートである。
【図14】「認証サービス」における有効期間自動更新処理手順について示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0111】
1 複合機(情報処理装置)
2 CPU
3 RAM
4 ROM
5 EEPROM
6 現在時刻計時回路
7 タイマ回路
8 操作表示部
9 読取部
10 書込部
11 画像処理部
12 LAN通信制御部
13 通信制御部
14 NCU部
15 システムバス
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキャナ装置、プリンタ装置、複写機、ファクシミリ装置、複合機などの、画データなどの各種情報を処理する情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の、スキャナ装置、プリンタ装置、複写機、ファクシミリ装置、複合機などの、画データなどの各種情報を処理する情報処理装置においては、現在時刻を計時するための回路(現在時刻計時回路)を備え、その回路を必要に応じて読み出すことで、現在時刻を取得することができる。
【0003】
その取得した現在時刻は、情報処理装が設置されている地域における絶対的な現在時刻(電話の時報サービスやテレビの時報字幕等により確認できる)に設定されるべきであるが、悪意の設定者や、無知な設定者による設定変更操作により変更されてしまう場合がある。
【0004】
そのように、情報処理装置における現在時刻の設定が、悪意の設定者等により変更されても、表示部への表示や、送受信画像データへの埋め込みなどの目的においては、致命的な問題とはならない。
【0005】
一方で、情報処理装置においては、公知文献を例示するまでもなく、利用者制限機能を備えるものがある。その利用者制限機能は、具体的には、自装置が備える各種情報処理機能(コピー機能、スキャナ機能、プリンタ機能等)を利用者に無条件に使用させるのではなく、各機能について、使用が予め認められた利用者にのみ使用を許すようにするために予め暗証情報(パスワード)を設定しておき、所望の機能の利用開始に先立って認証処理(入力パスワードと登録パスワードとの比較)を行って、認証された(パスワードが一致した)利用者にのみ当該機能を提供するようにする機能である。
【0006】
そのような利用者制限機能を備える情報処理装置においては、自装置が備える情報処理機能について設定した暗証情報が時間的に無限に有効であるとするとセキュリティ上問題があるため、設定した暗証情報の寿命を設定できるようにする場合がある。
【0007】
その場合、寿命の設定形態としては、対応する暗証情報が有効状態から無効状態に変化する時刻である、満了時刻を設定する場合と、暗証情報が有効である残り期間を設定する場合とがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記いずれの設定形態においても、前記現在時刻計時回路が計時する現在時刻が任意に設定変更可能であるため、その現在時刻の設定変更に起因して、暗証情報の有効期限または期間が、不当に長く設定変更されてしまったり、または、不必要に短く設定変更されてしまう場合がある。極端な場合、現在時刻が有効期間が満了となる時刻を超えないように過去にとどまるように設定変更しつづければ、対応する暗証情報が永遠に有効になってしまったり、現在時刻が有効期限が満了となる時刻を超えるように設定変更されれば、対応する暗証情報が即座に無効となってしまったりする場合がある。
【0009】
本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、自装置が備える情報処理機能の利用者制限に係る暗証情報の有効期間の設定が、現在時刻の設定変更に影響を受けて不正な設定状態にならないように管理することができる情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の情報処理装置は、自装置が備える情報処理機能を対応して設定された暗証情報であって有効なものに基づいて所定の認証手段により認証された利用者のみに使用させる利用者制限機能を備えた情報処理装置において、現在時刻を計時すると共に計時中の現在時刻の設定変更が可能な現在時刻計時手段と、前記暗証情報と、その暗証情報が有効な期間が満了となる時刻である満了時刻と、登録時刻とを対応付けて記憶する利用者認証用情報設定手段と、前記利用者認証用情報設定手段における前記暗証情報または/及び満了時刻の設定が変更され登録された時点において前記現在時刻計時手段が計時していた現在時刻を前記登録時刻として登録する登録時刻登録手段と、前記現在時刻計時手段が計時する現在時刻と前記登録時刻とを比較して当該現在時刻が前記登録時刻よりも前であった場合に、前記現在時刻計時手段における現在時刻の設定が変更されて前記満了時刻が不正な設定状態になった可能性があるものと判断する有効期限妥当性判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の情報処理装置は、自装置が備える情報処理機能を対応して設定された暗証情報であって有効なものに基づいて所定の認証手段により認証された利用者のみに使用させる利用者制限機能を備えた情報処理装置において、現在時刻を計時すると共に計時中の現在時刻の設定変更が可能な現在時刻計時手段と、前記暗証情報と、その暗証情報が有効な期間が満了となる時刻である満了時刻と、前回認証時刻とを対応付けて記憶する利用者認証用情報設定手段と、前記認証手段による認証が行われた時点において前記現在時刻計時手段が計時していた現在時刻を前記前回認証時刻として登録する前回認証時刻登録手段と、前記認証手段による認証を行おうとする時点において、前記現在時刻計時手段が計時する現在時刻と前記前回認証時刻とを比較して当該現在時刻が当該前回認証時刻よりも前であった場合に、前記現在時刻計時手段における現在時刻の設定が変更されて前記満了時刻が不正な設定状態になった可能性があるものと判断する有効期限妥当性判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の情報処理装置は、自装置が備える情報処理機能を対応して設定された暗証情報であって有効なものに基づいて所定の認証手段により認証された利用者のみに使用させる利用者制限機能を備えた情報処理装置において、現在時刻を計時すると共に計時中の現在時刻の設定変更が可能な現在時刻計時手段と、前記暗証情報と、その暗証情報が有効である残り期間を示す有効期間と、前回認証時刻とを対応付けて記憶する利用者認証用情報設定手段と、前記認証手段による認証が行われた時点において前記現在時刻計時手段が計時していた現在時刻を前記前回認証時刻として登録する前回認証時刻登録手段と、前記認証手段による認証を行おうとする時点において、前記現在時刻計時手段が計時する現在時刻と前記前回認証時刻との差を前記有効期間から差し引いたものを新たな有効期間として登録する有効期間自動更新手段と、前記認証手段による認証を行おうとする時点において、前記現在時刻計時手段が計時する現在時刻と前記前回認証時刻とを比較して当該現在時刻が当該前回認証時刻よりも前であった場合に、前記現在時刻計時手段における現在時刻の設定が変更されて前記有効期間が不正な設定状態になった可能性があるものと判断する有効期間妥当性判定手段とを備えたことを特徴とする情報処理装置。
【0013】
請求項4に記載の情報処理装置は、自装置が備える情報処理機能を対応して設定された暗証情報であって有効なものに基づいて所定の認証手段により認証された利用者のみに使用させる利用者制限機能を備えた情報処理装置において、現在時刻を計時すると共に計時中の現在時刻の設定変更が可能な現在時刻計時手段と、前記暗証情報と、その暗証情報が有効である残り期間を示す有効期間と、前回自動更新時刻とを対応付けて記憶する利用者認証用情報設定手段と、所定の一定時間間隔の経過がタイマ手段により繰り返し計時される各時点において、前記現在時刻計時手段が計時していた現在時刻を前記前回自動更新時刻として登録する前回自動更新時刻登録手段と、前記所定の一定時間間隔の経過が前記タイマ手段により繰り返し計時される各時点において、前記現在時刻計時手段が計時する現在時刻と前記前回自動更新時刻との差を前記有効期間から差し引いたものを新たな有効期間として登録する有効期間自動更新手段と、前記所定の一定時間間隔の経過が前記タイマ手段により繰り返し計時される各時点において、前記現在時刻計時手段が計時する現在時刻と前記前回自動更新時刻とを比較して当該現在時刻が当該前回自動更新時刻よりも前であった場合に、前記現在時刻計時手段における現在時刻の設定が変更されて前記有効期間が不正な設定状態になった可能性があるものと判断する有効期間妥当性判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の情報処理装置は、自装置が備える情報処理機能を、対応して設定された暗証情報であって有効なものに基づいて認証手段により認証された利用者のみに使用させる利用者制限機能を備えた情報処理装置において、現在時刻を計時すると共に計時中の現在時刻の設定変更が可能な現在時刻計時手段と、前記暗証情報と、その暗証情報が有効である残り期間を示す有効期間と、前回自動更新時刻とを対応付けて記憶する利用者認証用情報設定手段と、所為の一定時間間隔の経過がタイマ手段により繰り返し計時される各時点において、前記現在時刻計時手段が計時していた現在時刻を前記前回自動更新時刻として登録する前回自動更新時刻登録手段と、前記所定の一定時間間隔の経過が前記タイマ手段により繰り返し計時される各時点において、前記現在時刻計時手段が計時する現在時刻と前記前回自動更新時刻との差を前記有効期間から差し引いたものを新たな有効期間として登録する前記有効期間自動更新手段と、前記所定の一定時間間隔の経過が前記タイマ手段により繰り返し計時される各時点において、前記現在時刻計時手段が計時する現在時刻と前記前回自動更新時刻との差が前記タイマ手段に計時させる前記所定の一定時間間隔と一致しない場合に、前記現在時刻計時手段における現在時刻の設定が変更されて前記有効期間が不正な設定状態になった可能性があるものと判断する有効期間妥当性判定手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る発明によれば、前記現在時刻計時手段における現在時刻の設定に変更がなければ当該現在時刻は常に前記登録時刻の後になることに鑑みて、前になる場合には、前記現在時刻計時手段における現在時刻の設定変更がなされ、それにより、前記暗証情報が有効な期間を規定する前記満了時刻が不正な設定状態になってしまった可能性があると判断して、正しい有効期限に再設定するために、前記満了時刻の再設定を促す警告出力をするなどの適切な対応をとることができ、前記暗証情報の有効期限を正しい設定になるように管理することが可能となる効果が得られる。
【0016】
請求項2に係る発明によれば、前記現在時刻計時手段における現在時刻の設定に変更がなければ当該現在時刻は常に前記前回認証時刻の後になることに鑑みて、前になる場合には、前記現在時刻計時手段における現在時刻の設定変更がなされ、それにより、前記暗証情報の有効期間を規定する前記満了時刻が不正な設定状態になってしまった可能性があると判断して、正しい有効期限に再設定するために、前記満了時刻の再設定を促す警告出力をするなどの適切な対応をとることができ、前記暗証情報の有効期限を正しい設定になるように管理することが可能となる効果が得られる。
【0017】
請求項3に係る発明によれば、前記現在時刻計時手段における現在時刻の設定に変更がなければ当該現在時刻は常に前記前回認証時刻の後になることに鑑みて、前になる場合には、前記現在時刻計時手段における現在時刻の設定変更がなされ、それにより、前記暗証情報が有効となる期間を規定する前記有効期間が不正な設定状態になってしまった可能性があると判断して、正しい前記有効期間の再設定を促す警告出力をするなどの適切な対応をとることができ、前記暗証情報が有効となる期間を正しい設定になるように管理することが可能となる効果が得られる。
【0018】
請求項4に係る発明によれば、前記現在時刻計時手段における現在時刻の設定に変更がなければ当該現在時刻は常に前記前回自動更新時刻の後になることに鑑みて、前になる場合には、前記現在時刻計時手段における現在時刻の設定変更がなされ、それにより、前記暗証情報が有効となる期間を規定する前記有効期間が不正な設定状態になってしまった可能性があると判断して、正しい前記有効期間の再設定を促す警告出力をするなどの適切な対応をとることができ、前記暗証情報が有効となる期間を正しい設定になるように管理することが可能となる効果が得られる。
【0019】
請求項5に係る発明によれば、前記現在時刻計時手段における現在時刻の設定に変更がなければ、前記現在時刻計時手段が計時する現在時刻と前記前回自動更新時刻との差が前記タイマ手段に計時させる前記所定の一定時間間隔と一致することに鑑みて、一致しない場合には、前記現在時刻計時手段における現在時刻の設定変更がなされ、それにより、前記暗証情報が有効となる期間を規定する前記有効期間が不正な設定状態になってしまった可能性があると判断して、正しい前記有効期間の再設定を促す警告出力をするなどの適切な対応をとることができ、前記暗証情報が有効となる期間を正しい設定になるように管理することが可能となる効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、添付図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0021】
図1に、本発明を実施するための最良の形態に係る情報処理装置としての複合機1を含むシステム構成について示す。
【0022】
同図において、複合機1は、ファクシミリ装置1は、PSTN200に接続され、PSTN200上のG3ファクシミリであるファクシミリ装置201などの間でファクシミリメッセージのやりとりを行うG3ファクシミリ装置としての機能を備える。
【0023】
また、複合機1は、必要なインターフェースとプロトコル機能を具備しさえすれば、ISDN300上のG4ファクシミリであるファクシミリ装置301などの間でファクシミリメッセージのやりとりを行うG4ファクシミリ装置としての機能を備えることも可能である。
【0024】
また、複合機1は、ネットワークとしてのLAN100にも接続され、LAN100上の他の情報処理装置としてのパーソナルコンピュータ(PC)101a、b、c等とのLAN100を介したやりとりが可能であり、複合機1は、PC101a等にとってのスキャナ装置、プリンタ装置等として機能可能である。
【0025】
また、複合機1は、LAN100とルータ装置102を介して接続されたインターネット400上のネットワークファクシミリ装置401との間でITU−T勧告T.38に基づくリアルタイムネットワークファクシミリ通信や、ITU−T勧告T.37に基づく電子メール型ネットワークファクシミリ通信を行うことが可能であり、また、インターネット400上のPC402との間で電子メールによる情報のやりとりが可能である。つまり、複合機1は、ネットワークファクシミリ装置としても機能可能である。
【0026】
図2に、複合機1のハードウェアブロック構成について示す。
【0027】
同図において、CPU2は、RAM4を作業領域として使用しつつ、ROM3に書き込まれた制御プログラムに基づいて装置各部を制御したり、各種データ処理をしたり、プロトコル制御を行う中央演算処理装置である。
【0028】
ROM3は、CPU2が装置各部を制御するための制御プログラムや、各文字コードに対応するフォントデータなどの制御に必要な各種データが記憶されるリードオンリメモリである。
【0029】
RAM4は、前述したようにCPU2の作業領域として使用されるランダムアクセスメモリである。
【0030】
EEPROM(電気的に書き換え可能な読み出し専用メモリ)5は、装置動作に必要な各種情報が記憶されると共に、装置の電源がオフされた状態でもその記憶内容を保持するためのメモリであり、バッテリバックアップされたSRAM(スタティックRAM)や磁気ディスク装置への置き換えも可能である。
【0031】
現在時刻計時回路6は、いわゆるカレンダーICにより構成されるものであり、現在の日付及び時刻を常に計時しているもので、CPU2は、システムバス14を介して計時回路6を読み出すことで、現在の時刻(日付情報と時刻情報とにより構成される)を知ることができる。
【0032】
タイマ回路7は、CPU2から設定された期間の経過ごとに、その旨をCPU2割り込みで通知するものである。
【0033】
操作表示部8は、ユーザからの操作入力を受け入れるための各種キーが配設される一方、液晶表示装置等の表示器を備え、ユーザに知らせるべき装置の動作状態や、各種メッセージを表示するものである。
【0034】
読取部9は、セットされた原稿を読み取って文書画像データを得るためのものである。
【0035】
書込部10は、画像データを記録紙に印刷出力するためのもので、電子写真方式、インクジェット方式、トナージェット方式などの方式で記録紙にイメージを記録できるものであればいずれの方式でも適用可能である。
【0036】
画像処理部10は、生の画像データの符号化圧縮、及び、符号化された圧縮データの復号伸張の符号化復号化処理や、2値化処理、変倍処理、縮小拡大処理、画像補正処理、送信日時や受信日時の文字列情報などの付加情報の付加処理などの、複合機1において扱う画像データに関する各種画像処理を行う。
【0037】
LAN通信制御部12は、いわゆるNIC(Network Interface Card)であり、イーサネットのLAN100に接続され、イーサネットプロトコル上でのTCP/IPプロトコルのやりとりにより、その上位のプロトコルによる各種情報のやりとりなどを行えるようにするためのものである。
【0038】
通信制御部13は、NCU部14を介してPSTN200と接続され、相手側通信端末との通信の制御を行う。その通信制御部13は、NCU部14を制御し、NCU部14にて検出されたリンギング電圧のパルスの検出や、DTMF信号の検出、トーン信号の検出、送信時の発呼を行う。また、通信制御部13は、モデムを有しており、相手側通信端末より受信した受信データ(変調されている)を復調したり、逆に、送信時の送信データを変調し送信したりする。具体的には、ITU−T勧告T.30に基づくG3ファクシミリ制御信号をやりとりするための低速モデム機能能(V.21モデム)、及び、主に文書画像データをやりとりするための高速モデム機能である、V.17、V.33、V.34、V.29、V.27terの各モデム機能を備えている。
【0039】
NCU部14はPSTN200に接続され、回線の閉結や、呼び出し信号(リンギング)の検出などをおこなう。
【0040】
システムバス15は、上記各部がデータをやり取りするためのデータバス・アドレスバス・制御バス、割り込み信号ラインなどにより構成される信号ラインである。
【0041】
図3に、複合機1のソフトウェアブロック構成について示す。
【0042】
同図において、全体制御500は、装置の全体の動作を総括制御するソフトウェアブロックである。
【0043】
コピー機能501は、ハードウェアブロックの書込部10、読取部9等を用いて複写機としての情報処理機能を実現するものである。
【0044】
プリンタ機能505は、LAN通信制御部12、書込部10等を用いてプリンタ装置としての情報処理機能を実現するものである。
【0045】
G3ファクス機能502は、通信制御部13、書込部10,読取制御部9等を用いてG3ファクシミリ装置のとしての情報処理機能を実現するものである。
【0046】
ネットワークファクス機能506は、LAN通信制御部12、書込部10,読取制御部9等を用いてネットワークファクシミリ装置のとしての情報処理機能を実現するものである。
【0047】
メール機能503は、LAN通信制御部12等を用いてメール通信機能を実現するものである。
【0048】
スキャナ機能507は、読取制御部9、LAN通信制御部12等を用いてスキャナ装置としての情報処理機能を実現するものである。
【0049】
タイムコントローラ510は、現在時刻計時回路6からの現在時刻の読み出し、現在時刻の書き込み(設定変更)を行うものである。認証サービス511は、全体制御500からの認証依頼に対して認証結果を返すソフトウェアサービスを提供するものである。ネットワークサービス512は、LAN通信制御処理513によるLAN通信制御部12の制御により実現される、イーサネットなどのLANプロトコル上でのTCP・UDP/IP及びのその上位のプロトコルでのやりとりを制御するものである。
【0050】
以上の構成の複合機1においては、全体制御500において、現在時刻設定変更のモードが起動されると、タイムコントローラ510を介して現在時刻計時回路6が計時する現在時刻が設定変更される。具体的には、例えば、設定変更直前の現在時刻が「20041102152548」であったものが、「20041104172724」と設定変更される。なお、本説明において、例えば、時刻「20041102152548」を表す整数は、「西暦2004年11月02日15時25分48秒」を意味する。つまり、時刻は整数の大小関係で小さいほうが比較的過去、大きいほうが比較的未来を意味することになる。
【0051】
現在時刻計時回路6が計時する現在時刻は、操作表示部8の表示部に表示されたり、ファクシミリ送信する画像データに、送信時刻として埋め込まれた、ファクシミリ受信した画データに受信時刻として埋め込まれたり、各ファクシミリ送受信に係る通信の属性情報として記憶されて、通信管理レポートの情報の一部として利用されたりする。
【0052】
そのように、複合機1において、現在時刻計時回路6が計時する現在時刻は、複合機1が設置されている地域における絶対的な現在時刻(電話の時報サービスやテレビの時報字幕等により確認できる)に設定されるべきであるが、悪意の設定者や無知な設定者、あるいは、正当な設定権限を持つ設定者(管理者)による設定変更操作により変更されてしまう場合がある。
【0053】
そのように、複合機1における現在時刻の設定が、悪意の設定者等により変更されても、表示部への表示や、送受信画像データへの埋め込みなどの目的においては、致命的な問題とはならない。
【0054】
しかし、複合機1の各種情報処理機能(コピー機能501等)を利用者に無条件に使用させるのではなく、各機能について、使用が予め認められた利用者にのみ使用を許すようにするために設定される、暗証情報(パスワード)の有効期間が、複合機1における現在時刻の設定変更に起因して、不当に長く設定変更されてしまったり、または、不必要に短く設定変更されてしまう場合がある。
【0055】
本発明を実施するための最良の形態では、そのような、複合機1における現在時刻の設定変更に起因して、各情報処理機能について設定された暗証情報の有効期間が実質的に不当に長く設定変更されてしまったり、または、実質的に不当に短く設定変更されてしまう事態を防止する。
【0056】
図4に、複合機1のEEPROM5の記憶内容について示す。
【0057】
同図において、記憶領域5aには、複合機1の管理者のみに通知されていて、それを知っていると複合機1の動作に関わる重要な設定の変更が可能となる「管理者用認証用暗証情報」が予め設定・記憶されている。この場合「123454321」が設定・記憶されている。また、記憶領域5bには、プリンタ機能利用者認証用情報設定テーブルが予め設定・記憶されている。
【0058】
テーブル5bは、複合機1が備える多数の情報処理機能の1つである。プリンタ機能505についての利用者認証用情報、つまり、複合機1のプリンタ機能の利用を許可された利用者のみ通知される「暗証情報(パスワード)」、その「暗証情報」がテーブル5bに登録された時点において現在時刻計時回路6が計時していた現在時刻である「登録時刻Tregist」、及び、「暗証情報」の有効期限が満了する時刻を示す「満了時刻Tend」により構成されている。従来は、「満了時刻Tend」のみにより、対応する「暗証情報」の有効期間が管理されていたが、図4のテーブル5bでは、「登録時刻Tregist」をも、「暗証情報」と対応付けて管理している点に特徴がある。
【0059】
そして、全体制御500は、図4の記憶内容を前提として、図5に示す、プリンタ機能利用者認証用情報設定処理手順を行う。
【0060】
同図において、先ず、プリンタ機能利用者認証用情報設定の要求を待ち(判断S101Noのループ)、要求があると(判断S101のYes)、認証サービス511に対して、認証要求する(処理S102)。なお、その際、認証要求に伴って、判断S101の設定要求に伴って通知された管理者暗証情報が認証サービス511に渡される。なお、判断S101の設定要求は、操作表示部8を介した直接の操作入力、または、LAN100を介したPC101a等からの遠隔操作入力により行われる。後述するその他の暗証情報等の設定要求についても同様である、
処理S102の認証要求の後、判断S103において、認証サービス511からの認証結果(「認証」または「不認証」)を受け取る。その場合、認証サービス511においては、通知された管理者暗証情報と、図4の記憶領域5aに設定されている管理者用設定情報とを照合して一致すれば「認証」、不一致なら「不認証」と判定する。
【0061】
判断S103において、「不認証」の場合には(判断S103のNo)、判断S101に戻るが、「認証」の場合には(判断S103のYes)、図4のプリンタ機能利用者認証用情報設定テーブル5bの内容を設定する処理に移行する。
【0062】
つまり、暗証情報の設定要求の有無を判断し(判断S104)、ない場合には(判断S104のNo)、処理S106に移行するが、ある場合に(判断S104のYes)、入力された暗証情報をテーブル5bに登録した上で、処理S106に移行する。
【0063】
処理S106では、暗証情報の有効期間が満了となる時刻Tendの設定要求の有無を確認する。そして、設定要求がない場合には判断S101に戻るが、設定要求があった場合には(判断S107のYes)、更に、その設定要求に伴って入力された時刻を満了時刻Tendとして図4のテーブル5bに登録する(処理S108)。
【0064】
そして、タイムコントローラ510に対して現在時刻取得要求し(処理S109)、その要求に対してタイムコントローラ510から返えされた現在時刻Tnowを取得し(処理S110)、登録時刻Tregistとして図4のテーブル5bに登録して(処理S111)、判断S101に戻る。
【0065】
そのようにして、図4のテーブル5bの「暗証情報」または/及び「満了時刻Tend」は、管理者の必要に応じて設定変更され登録されると共に、その登録更時には、「登録時刻Tregist」が併せて登録される。
【0066】
また、全体制御500は、図4の記憶内容を前提として、図6に示す、プリンタ機能利用管理処理手順を行う。この手順は、LAN100を介したPC101a等からの印刷要求(プリンタ機能利用要求)に対してプリンタ機能505の使用を無条件に許すのではなく、許された利用者に対してのみ使用させるようにする処理である。
【0067】
図6において、まず、プリンタ機能の利用要求があるまで待ち(判断201Noのループ)、利用要求があると、認証サービス511に対して、プリンタ機能利用者認証要求する(処理S202)。なお、その際、認証要求に伴って、判断S101の設定要求に伴って通知されたプリンタ機能を利用できるもののみが知っている暗証情報が認証サービス511に渡される。
【0068】
処理S202の認証要求の後、判断S203において、認証サービス511からの認証結果(「認証」または「不認証」)を受け取る。その場合、認証サービス511においては、後述する、図7のプリンタ機能利用者認証処理手順により認証判定する。
【0069】
判断S203において「不認証」の場合には(判断S203のNo)、判断S201に戻るが、「認証」の場合には(判断S203のYes)、プリンタ機能505を起動して、判断S201の利用要求に係る情報(この場合画像データ)の処理を開始させる。
【0070】
次に、図6の処理S202により依頼された認証サービス511が行う、図7のプリンタ機能利用者認証処理手順について説明する。
【0071】
同図において、先ず、タイムコントローラ510に対して現在時刻取得要求し(処理S301)、その要求に対してタイムコントローラ510から返えされた現在時刻Tnowを取得し(処理S302)、また、図4のテーブル4bから満了時刻Tendを読み出す(処理S303)。
【0072】
そして、TnowがTendよりも小さいか否かを判断する(判断S304)。TnowがTendよりも小さいということは、テーブル4bに設定された満了時刻Tendに現在時刻計時回路6が計時する現在時刻Tnowが達していない場合で、つまり、対応する「暗証情報」がまだ有効と判断できる。
【0073】
逆に、TnowがTendよりも大きい場合は、現在時刻計時回路6が計時する現在時刻Tnowが満了時刻Tendを過ぎてしまった場合と判断できる。その場合、現在時刻計時回路6が計時する現在時刻Tnowの設定が絶対的な現在時刻とほぼ同一な正確なものであって満了時刻Tendを過ぎてしまったと解釈することもできるが、現在時刻計時回路6が計時する現在時刻Tnowの設定が絶対的な現在時刻とは異なる時刻に(誤ってまたはわざと)設定変更されてしまったためにそうなってしまったと解釈することもできる。
【0074】
判断S304において、TnowがTendよりも大きい場合は(判断S304のNo)、「不認証」と判断すると共に(処理S309)、図4のテーブル4bのプリンタ機能利用者認証用情報のうちの満了時刻Tendの(現在時刻計時回路6が計時する現在時刻Tnowと適合するようにする)設定変更を促すメッセージを出力して(処理S310)、処理を終了する。その場合のメッセージの出力形態としては、操作表示部8の表示器へのディスプレイ出力であってもよいし、書込部10により記録紙への印刷出力であってもよい。
【0075】
判断304において、TnowがTendよりも小さい場合は(判断S304のYes)、TnowとTendとの関係性については「認証」可能な条件であるため、更に、通知された暗証情報を図4のテーブル4bに登録された「暗証情報」と照合し(処理S305)、一致した場合には(判断S306のYes)、「認証」と判定して処理を終了する。一致しない場合には(判断S306のNo)、「不認証」と判定して処理を終了する。
【0076】
このように、TnowがTendよりも大きい場合は、現在時刻計時回路6が計時する現在時刻Tnowの設定が絶対的な現在時刻とは異なる時刻に(誤ってまたはわざと)設定変更されてしまっていて、満了時刻Tendの設定が実質的に無効になってしまっている可能性があると判断して、満了時刻Tendの設定変更を促すことができるため、現在時刻計時回路6が計時する現在時刻Tnowの設定状態によらず、満了時刻Tendの設定を可能な限り有効なものになるようにすることができる。
【0077】
図4のテーブル4bのプリンタ機能利用者認証用情報設定テーブルが含む登録情報のうち、「登録時刻Tregist」を、図8に示すように、「前回認証時刻Tcertify」に置き換えると共に、図7に示したプリンタ機能利用者認証処理手順を、図9に示す処理手順に置き換えることもできる。
【0078】
つまり、図9において、先ず、タイムコントローラ510に対して現在時刻取得要求し(処理S401)、その要求に対してタイムコントローラ510から返えされた現在時刻Tnowを取得し(処理S402)、また、図8のテーブル4bから前回認証時刻Tcertifyを読み出す(処理S403)。
【0079】
そして、TnowがTcertifyよりも大きいか否かを判断する(判断S404)。TnowがTcertifyよりも大きいということは、テーブル4bに記憶された前回認証時刻Tcertifyを現在時刻計時回路6が計時する現在時刻Tnowが超えている場合で、つまり、対応する「暗証情報」がまだ有効と判断できる。
【0080】
逆に、TnowがTcertifyよりも小さい場合は、現在時刻計時回路6が計時する現在時刻Tnowが前回認証時刻Tcertifyよりも前であると判断できる。その場合、現在時刻計時回路6が計時する現在時刻Tnowの設定が絶対的な現在時刻とは異なる時刻に(誤ってまたはわざと)設定変更されてしまったためにそうなってしまったと解釈することができる。
【0081】
判断S404において、TnowがTcertifyよりも小さい場合は(判断S404のNo)、「不認証」と判断すると共に(処理S410)、図8のテーブル4bのプリンタ機能利用者認証用情報のうちの満了時刻Tendの(現在時刻計時回路6が計時する現在時刻Tnowと適合するようにする)設定変更を促すメッセージを出力して(処理S411)、処理S409に移行する。その場合のメッセージの出力形態としては、操作表示部8の表示器へのディスプレイ出力であってもよいし、書込部10により記録紙への印刷出力であってもよい。
【0082】
判断S404において、TnowがTcertifyよりも大きい場合は(判断S404のYes)、TnowとTcertifyとの関係性については「認証」可能な条件であるため、更に、通知された暗証情報を図8のテーブル4bに登録された「暗証情報」と照合し(処理S405)、一致した場合には(判断S406のYes)、「認証」と判定し、一致しない場合には(判断S406のNo)、「不認証」と判定してた上で更に、処理S402で取得した現在時刻Tnowを図8のテーブル5bの前回認証時刻Tcertifyとして登録して(処理S409)、処理を終了する。処理S409で登録されたTcertifyは、次回、処理S403で読み出されることになる。
【0083】
このように、TnowがTcertifyよりも小さい場合は、現在時刻計時回路6が計時する現在時刻Tnowの設定が絶対的な現在時刻とは異なる時刻に(誤ってまたはわざと)設定変更されてしまっていて、満了時刻Tendの設定が実質的に無効になってしまっている可能性があると判断して、満了時刻Tendの設定変更を促すことができるため、現在時刻計時回路6が計時する現在時刻Tnowの設定状態によらず、満了時刻Tendの設定を可能な限り有効なものになるようにすることができる。
【0084】
図8のテーブル4bのプリンタ機能利用者認証用情報設定テーブルが含む登録情報のうち、「満了時刻Tend」を、図10に示すように、「有効期間Pvalid」に置き換えると共に、図5に示したプリンタ機能利用者認証用情報設定処理手順を、図11に示す処理手順に置き換え、更に、図9に示したプリンタ機能利用者認証処理手順を、図12に示す処理手順に置き換えることもできる。
【0085】
つまり、図11のプリンタ機能利用者認証用情報設定処理手順においては、先ず、プリンタ機能利用者認証用情報設定の要求を待ち(判断S501Noのループ)、要求があると(判断S501のYes)、認証サービス511に対して、認証要求する(処理S502)。なお、その際、認証要求に伴って、判断S501の設定要求に伴って通知された管理者暗証情報が認証サービス511に渡される。
【0086】
処理S502の認証要求の後、判断S503において、認証サービス511からの認証結果(「認証」または「不認証」)を受け取る。その場合、認証サービス511においては、通知された管理者暗証情報と、図4の記憶領域5aに設定されている管理者用設定情報とを照合して一致すれば「認証」、不一致なら「不認証」と判定する。
【0087】
判断S503において、「不認証」の場合には(判断S503のNo)、判断S501に戻るが、「認証」の場合には(判断S503のYes)、図10のプリンタ機能利用者認証用情報設定テーブル5bの内容を設定する処理に移行する。
【0088】
つまり、暗証情報の設定要求の有無を判断し(判断S504)、ない場合には(判断S504のNo)、処理S506に移行するが、ある場合に(判断S504のYes)、入力された暗証情報をテーブル5bに登録した上で、処理S506に移行する。
【0089】
処理S506では、暗証情報が有効である残り期間を示す有効期間Pvalidの設定要求の有無を確認する。そして、設定要求がない場合には判断S501に戻るが、設定要求があった場合には(判断S507のYes)、更に、その設定要求に伴って入力された期間を、有効期間Pvalidとして図10のテーブル5bに登録して(処理S508)、判断S501に戻る。
【0090】
そのようにして、図10のテーブル5bの「暗証情報」または/及び「有効期間Pvalid」は、管理者の必要に応じて設定変更され登録される。
【0091】
また、図12のプリンタ機能利用者認証処理手順においては、先ず、タイムコントローラ510に対して現在時刻取得要求し(処理S601)、その要求に対してタイムコントローラ510から返えされた現在時刻Tnowを取得し(処理S602)、また、図10のテーブル4bから前回認証時刻Tcertifyを読み出す(処理S603)。
【0092】
そして、TnowがTcertifyよりも大きいか否かを判断する(判断S604)。TnowがTcertifyよりも大きいということは、テーブル4bに記憶された前回認証時刻Tcertifyを現在時刻計時回路6が計時する現在時刻Tnowが超えている場合で、つまり、対応する「暗証情報」がまだ有効と判断できる。
【0093】
逆に、TnowがTcertifyよりも小さい場合は、現在時刻計時回路6が計時する現在時刻Tnowが前回認証時刻Tcertifyよりも前であると判断できる。その場合、現在時刻計時回路6が計時する現在時刻Tnowの設定が絶対的な現在時刻とは異なる時刻に(誤ってまたはわざと)設定変更されてしまったためにそうなってしまったと解釈することができる。
【0094】
判断S604において、TnowがTcertifyよりも小さい場合は(判断S604のNo)、「不認証」と判断すると共に(処理S612)、図10のテーブル4bのプリンタ機能利用者認証用情報のうちの有効期間Pvalidの(現在時刻計時回路6が計時する現在時刻Tnowと適合するようにする)設定変更を促すメッセージを出力して(処理S613)、処理S611に移行する。その場合のメッセージの出力形態としては、操作表示部8の表示器へのディスプレイ出力であってもよいし、書込部10により記録紙への印刷出力であってもよい。
【0095】
判断S604において、TnowがTcertifyよりも大きい場合は(判断S604のYes)、TnowとTcertifyとの関係性については「認証」可能な条件であるため、TnowとTcertifyとの差(Tnow−Tcertify)(秒換算)を、図10の有効期間Pvalidから差し引き(処理S605)、差し引いた後のPvalidが0より小さいか、つまり、有効期間満了してまっていたかを判断し(判断S606)、満了してしまっている場合には(判断S606のYes)、処理S612に移行し、まだ、満了していない場合には(判断S606のNo)、有効期間Pvalidについても「認証」可能な条件であるため、更に、通知された暗証情報を図10のテーブル4bに登録された「暗証情報」と照合し(処理S607)、一致した場合には(判断S608のYes)、「認証」と判定し、一致しない場合には(判断S608のNo)、「不認証」と判定した上で更に、処理S602で取得した現在時刻Tnowを図10のテーブル5bの前回認証時刻Tcertifyとして登録して(処理S611)、処理を終了する。処理S611で登録されたTcertifyは、次回、処理S603で読み出されることになる。
【0096】
このように、TnowがTcertifyよりも小さい場合は、現在時刻計時回路6が計時する現在時刻Tnowの設定が絶対的な現在時刻とは異なる時刻に(誤ってまたはわざと)設定変更されてしまっていて、有効期間Pvalidの設定が実質的に無効になってしまっている可能性があると判断して、有効期間Pvalidの設定変更を促すことができるため、現在時刻計時回路6が計時する現在時刻Tnowの設定状態によらず、有効期間Pvalidの設定を可能な限り有効なものになるようにすることができる。
【0097】
また、図12のプリンタ機能利用者認証処理を行う認証サービス511は、図13に示す、情報有効期間自動更新処理を並行して行うようにしてもよい。ただし、その場合、図12の処理S605及び処理S611は行わないものとする。
【0098】
図13において、先ず、タイムコントローラ510に対して現在時刻取得要求し(処理S701)、その要求に対してタイムコントローラ510から返えされた現在時刻Tnowを取得し(処理S702)、また、図10のテーブル4bから前回認証時刻Tcertifyを読み出す(処理S703)。
【0099】
そして、TnowとTcertifyとの差(Tnow−Tcertify)(秒換算)を、図10の有効期間Pvalidから差し引き(処理S704)、差し引いた後のPvalidが0より小さいか、つまり、有効期間が満了してまっていたかを判断し(判断S705)、満了してしまっている場合には(判断S705のYes)、図10のテーブル4bのプリンタ機能利用者認証用情報のうちの有効期間Pvalidの(現在時刻計時回路6が計時する現在時刻Tnowと適合するようにする)設定変更を促すメッセージを出力して(処理S708)、処理S706に移行する。
【0100】
判断S705において、満了していない場合には(判断S705のNo)、処理S702で取得した現在時刻Tnowを図10のテーブル5bの前回認証時刻Tcertifyとして登録して(処理S707)、一定時間Tconst待った後(処理S707)、処理S701に戻る。なお、処理S707における一定時間Tconstの計時は、現在時刻計時回路6とは独立して動作するタイマ回路7により行われる。
【0101】
このように、前回認証時刻Tcertifyを、図13の有効期間自動更新処理により一定時間Tconstごとに自動更新することにより、現在時刻計時回路6が計時する現在時刻に設定変更があったことを、図12の判断S604において、いっそう確実に検出でき、有効期間Pvalidを適切に再設定するよう促すことをいっそう確実に行うことができるようになる。なお、図13の処理手順により定期的に変更される、前回認証時刻Tcertifyは、実質的には「前回自動更新時刻」である。
【0102】
また、図13の有効期間自動更新処理手順に代えて、図14に示す処理手順を行うようにしてもよい。ただし、その場合、図12の処理S605及び処理S611は行わないものとする。
【0103】
つまり、図14において、先ず、タイムコントローラ510に対して現在時刻取得要求し(処理S801)、その要求に対してタイムコントローラ510から返えされた現在時刻Tnowを取得し(処理S802)、また、図10のテーブル4bから前回認証時刻Tcertifyを読み出す(処理S803)。
【0104】
そして、TnowとTcertifyとの差(Tnow−Tcertify)(秒換算)を、処理S809における待ち時間Tconstと比較する(処理S804)。比較の結果一致しない場合には(判断S805のNo)、処理S810に移行する。
【0105】
判断S805において、一致した場合には(判断S805のYes)、つまり、タイマ回路7により計時される一定時間Tconstと、前回の有効期間自動更新時からの経過時間とが一致していて、現在時刻計時回路6が計時する現在時刻に設定変更がないといえる場合には、TnowとTcertifyとの差(Tnow−Tcertify)(秒換算)を図10の有効期間Pvalidから差し引き(処理S806)、差し引いた後のPvalidが0より小さいか、つまり、有効期間が満了してまっていたかを判断し(判断S807)、満了してしまっている場合には(判断S807のYes)、図10のテーブル4bのプリンタ機能利用者認証用情報のうちの有効期間Pvalidの(現在時刻計時回路6が計時する現在時刻Tnowと適合するようにする)設定変更を促すメッセージを出力して(処理S810)、処理S808に移行する。
【0106】
判断S807において、満了していない場合には(判断S807のNo)、処理S802で取得した現在時刻Tnowを図10のテーブル5bの前回認証時刻Tcertifyとして登録して(処理S808)、一定時間Tconst待った後(処理S809)、処理S801に戻る。なお、処理S809における一定時間Tconstの計時は、現在時刻計時回路6とは独立して動作するタイマ回路7により行われる。
【0107】
このように、前回認証時刻Tcertifyを、図14の有効期間自動更新処理により一定時間Tconstごとに自動更新することにより、現在時刻計時回路6が計時する現在時刻に設定変更があったことを、図14の判断S805において非常に精度よく検出でき、有効期間Pvalidを適切に再設定するよう促すことをいっそう確実に行うことができるようになる。なお、図14の処理手順により定期的に変更される、前回認証時刻Tcertifyは、実質的には「前回自動更新時刻」である。
【0108】
なお、以上の説明では、複合機1が備える各種情報処理機能のうちのプリンタ機能についての利用者認証について説明したが、本発明は、その他の情報処理機能についても同様に適用可能なものである。また、複数の情報処理機能をまとめて1つの情報処理機能と捉えて、一括して利用者認証を行う場合に適用可能なものである。また、1または複数の情報処理機能について、各利用者(識別情報)ごとに暗証情報を設定して、認証を行う場合にも本発明は適用可能なものであり、要するに、情報処理装置としての複合機1が備える1または複数の情報処理処理機能のどのように区分して利用者認証を行うのかによって本発明は限定されるものではない、また、本発明は、暗証情報の有効期間の正当性の保証に関するものであるため、暗証情報本体については、通常のパスワードに限らず、指紋、網膜、静脈等の生体パターンによるものや、その他の形態のものであってもよいものである。
【0109】
また、以上本発明を実施するための最良の形態について説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明を実施するための最良の形態に係る情報処理装置としての複合機を含むシステム構成について示す図である。
【図2】本発明を実施するための最良の形態に係る情報処理装置としての複合機のハードウェアブロック構成について示す図である。
【図3】本発明を実施するための最良の形態に係る情報処理装置としての複合機のソフトウェアブロック構成について示す図である。
【図4】本発明を実施するための最良の形態に係る情報処理装置としての複合機のEEPROMの記憶内容について示す図である。
【図5】「全体制御」におけるプリンタ機能利用者認証用情報設定処理手順について示すフローチャートである。
【図6】「全体制御」におけるプリンタ機能利用管理処理手順について示すフローチャートである。
【図7】「認証サービス」におけるプリンタ機能利用者認証処理手順について示すフローチャートである。
【図8】プリンタ機能利用者認証用情報設定テーブルの別例について示す図である。
【図9】「認証サービス」におけるプリンタ機能利用者認証処理手順の別例について示すフローチャートである。
【図10】プリンタ機能利用者認証用情報設定テーブルの別例について示す図である。
【図11】「全体制御」におけるプリンタ機能利用者認証用情報設定処理手順の別例について示すフローチャートである。
【図12】「認証サービス」におけるプリンタ機能利用者認証処理手順の別例について示すフローチャートである。
【図13】「認証サービス」における有効期間自動更新処理手順について示すフローチャートである。
【図14】「認証サービス」における有効期間自動更新処理手順について示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0111】
1 複合機(情報処理装置)
2 CPU
3 RAM
4 ROM
5 EEPROM
6 現在時刻計時回路
7 タイマ回路
8 操作表示部
9 読取部
10 書込部
11 画像処理部
12 LAN通信制御部
13 通信制御部
14 NCU部
15 システムバス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自装置が備える情報処理機能を対応して設定された暗証情報であって有効なものに基づいて所定の認証手段により認証された利用者のみに使用させる利用者制限機能を備えた情報処理装置において、
現在時刻を計時すると共に計時中の現在時刻の設定変更が可能な現在時刻計時手段と、
前記暗証情報と、その暗証情報が有効な期間が満了となる時刻である満了時刻と、登録時刻とを対応付けて記憶する利用者認証用情報設定手段と、
前記利用者認証用情報設定手段における前記暗証情報または/及び満了時刻の設定が変更され登録された時点において前記現在時刻計時手段が計時していた現在時刻を前記登録時刻として登録する登録時刻登録手段と、
前記現在時刻計時手段が計時する現在時刻と前記登録時刻とを比較して当該現在時刻が前記登録時刻よりも前であった場合に、前記現在時刻計時手段における現在時刻の設定が変更されて前記満了時刻が不正な設定状態になった可能性があるものと判断する有効期限妥当性判定手段と
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
自装置が備える情報処理機能を対応して設定された暗証情報であって有効なものに基づいて所定の認証手段により認証された利用者のみに使用させる利用者制限機能を備えた情報処理装置において、
現在時刻を計時すると共に計時中の現在時刻の設定変更が可能な現在時刻計時手段と、
前記暗証情報と、その暗証情報が有効な期間が満了となる時刻である満了時刻と、前回認証時刻とを対応付けて記憶する利用者認証用情報設定手段と、
前記認証手段による認証が行われた時点において前記現在時刻計時手段が計時していた現在時刻を前記前回認証時刻として登録する前回認証時刻登録手段と、
前記認証手段による認証を行おうとする時点において、前記現在時刻計時手段が計時する現在時刻と前記前回認証時刻とを比較して当該現在時刻が当該前回認証時刻よりも前であった場合に、前記現在時刻計時手段における現在時刻の設定が変更されて前記満了時刻が不正な設定状態になった可能性があるものと判断する有効期限妥当性判定手段と
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
自装置が備える情報処理機能を対応して設定された暗証情報であって有効なものに基づいて所定の認証手段により認証された利用者のみに使用させる利用者制限機能を備えた情報処理装置において、
現在時刻を計時すると共に計時中の現在時刻の設定変更が可能な現在時刻計時手段と、
前記暗証情報と、その暗証情報が有効である残り期間を示す有効期間と、前回認証時刻とを対応付けて記憶する利用者認証用情報設定手段と、
前記認証手段による認証が行われた時点において前記現在時刻計時手段が計時していた現在時刻を前記前回認証時刻として登録する前回認証時刻登録手段と、
前記認証手段による認証を行おうとする時点において、前記現在時刻計時手段が計時する現在時刻と前記前回認証時刻との差を前記有効期間から差し引いたものを新たな有効期間として登録する有効期間自動更新手段と、
前記認証手段による認証を行おうとする時点において、前記現在時刻計時手段が計時する現在時刻と前記前回認証時刻とを比較して当該現在時刻が当該前回認証時刻よりも前であった場合に、前記現在時刻計時手段における現在時刻の設定が変更されて前記有効期間が不正な設定状態になった可能性があるものと判断する有効期間妥当性判定手段と
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
自装置が備える情報処理機能を対応して設定された暗証情報であって有効なものに基づいて所定の認証手段により認証された利用者のみに使用させる利用者制限機能を備えた情報処理装置において、
現在時刻を計時すると共に計時中の現在時刻の設定変更が可能な現在時刻計時手段と、
前記暗証情報と、その暗証情報が有効である残り期間を示す有効期間と、前回自動更新時刻とを対応付けて記憶する利用者認証用情報設定手段と、
所定の一定時間間隔の経過がタイマ手段により繰り返し計時される各時点において、前記現在時刻計時手段が計時していた現在時刻を前記前回自動更新時刻として登録する前回自動更新時刻登録手段と、
前記所定の一定時間間隔の経過が前記タイマ手段により繰り返し計時される各時点において、前記現在時刻計時手段が計時する現在時刻と前記前回自動更新時刻との差を前記有効期間から差し引いたものを新たな有効期間として登録する有効期間自動更新手段と、
前記所定の一定時間間隔の経過が前記タイマ手段により繰り返し計時される各時点において、前記現在時刻計時手段が計時する現在時刻と前記前回自動更新時刻とを比較して当該現在時刻が当該前回自動更新時刻よりも前であった場合に、前記現在時刻計時手段における現在時刻の設定が変更されて前記有効期間が不正な設定状態になった可能性があるものと判断する有効期間妥当性判定手段と
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
自装置が備える情報処理機能を、対応して設定された暗証情報であって有効なものに基づいて認証手段により認証された利用者のみに使用させる利用者制限機能を備えた情報処理装置において、
現在時刻を計時すると共に計時中の現在時刻の設定変更が可能な現在時刻計時手段と、
前記暗証情報と、その暗証情報が有効である残り期間を示す有効期間と、前回自動更新時刻とを対応付けて記憶する利用者認証用情報設定手段と、
所為の一定時間間隔の経過がタイマ手段により繰り返し計時される各時点において、前記現在時刻計時手段が計時していた現在時刻を前記前回自動更新時刻として登録する前回自動更新時刻登録手段と、
前記所定の一定時間間隔の経過が前記タイマ手段により繰り返し計時される各時点において、前記現在時刻計時手段が計時する現在時刻と前記前回自動更新時刻との差を前記有効期間から差し引いたものを新たな有効期間として登録する前記有効期間自動更新手段と、
前記所定の一定時間間隔の経過が前記タイマ手段により繰り返し計時される各時点において、前記現在時刻計時手段が計時する現在時刻と前記前回自動更新時刻との差が前記タイマ手段に計時させる前記所定の一定時間間隔と一致しない場合に、前記現在時刻計時手段における現在時刻の設定が変更されて前記有効期間が不正な設定状態になった可能性があるものと判断する有効期間妥当性判定手段と
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項1】
自装置が備える情報処理機能を対応して設定された暗証情報であって有効なものに基づいて所定の認証手段により認証された利用者のみに使用させる利用者制限機能を備えた情報処理装置において、
現在時刻を計時すると共に計時中の現在時刻の設定変更が可能な現在時刻計時手段と、
前記暗証情報と、その暗証情報が有効な期間が満了となる時刻である満了時刻と、登録時刻とを対応付けて記憶する利用者認証用情報設定手段と、
前記利用者認証用情報設定手段における前記暗証情報または/及び満了時刻の設定が変更され登録された時点において前記現在時刻計時手段が計時していた現在時刻を前記登録時刻として登録する登録時刻登録手段と、
前記現在時刻計時手段が計時する現在時刻と前記登録時刻とを比較して当該現在時刻が前記登録時刻よりも前であった場合に、前記現在時刻計時手段における現在時刻の設定が変更されて前記満了時刻が不正な設定状態になった可能性があるものと判断する有効期限妥当性判定手段と
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
自装置が備える情報処理機能を対応して設定された暗証情報であって有効なものに基づいて所定の認証手段により認証された利用者のみに使用させる利用者制限機能を備えた情報処理装置において、
現在時刻を計時すると共に計時中の現在時刻の設定変更が可能な現在時刻計時手段と、
前記暗証情報と、その暗証情報が有効な期間が満了となる時刻である満了時刻と、前回認証時刻とを対応付けて記憶する利用者認証用情報設定手段と、
前記認証手段による認証が行われた時点において前記現在時刻計時手段が計時していた現在時刻を前記前回認証時刻として登録する前回認証時刻登録手段と、
前記認証手段による認証を行おうとする時点において、前記現在時刻計時手段が計時する現在時刻と前記前回認証時刻とを比較して当該現在時刻が当該前回認証時刻よりも前であった場合に、前記現在時刻計時手段における現在時刻の設定が変更されて前記満了時刻が不正な設定状態になった可能性があるものと判断する有効期限妥当性判定手段と
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
自装置が備える情報処理機能を対応して設定された暗証情報であって有効なものに基づいて所定の認証手段により認証された利用者のみに使用させる利用者制限機能を備えた情報処理装置において、
現在時刻を計時すると共に計時中の現在時刻の設定変更が可能な現在時刻計時手段と、
前記暗証情報と、その暗証情報が有効である残り期間を示す有効期間と、前回認証時刻とを対応付けて記憶する利用者認証用情報設定手段と、
前記認証手段による認証が行われた時点において前記現在時刻計時手段が計時していた現在時刻を前記前回認証時刻として登録する前回認証時刻登録手段と、
前記認証手段による認証を行おうとする時点において、前記現在時刻計時手段が計時する現在時刻と前記前回認証時刻との差を前記有効期間から差し引いたものを新たな有効期間として登録する有効期間自動更新手段と、
前記認証手段による認証を行おうとする時点において、前記現在時刻計時手段が計時する現在時刻と前記前回認証時刻とを比較して当該現在時刻が当該前回認証時刻よりも前であった場合に、前記現在時刻計時手段における現在時刻の設定が変更されて前記有効期間が不正な設定状態になった可能性があるものと判断する有効期間妥当性判定手段と
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
自装置が備える情報処理機能を対応して設定された暗証情報であって有効なものに基づいて所定の認証手段により認証された利用者のみに使用させる利用者制限機能を備えた情報処理装置において、
現在時刻を計時すると共に計時中の現在時刻の設定変更が可能な現在時刻計時手段と、
前記暗証情報と、その暗証情報が有効である残り期間を示す有効期間と、前回自動更新時刻とを対応付けて記憶する利用者認証用情報設定手段と、
所定の一定時間間隔の経過がタイマ手段により繰り返し計時される各時点において、前記現在時刻計時手段が計時していた現在時刻を前記前回自動更新時刻として登録する前回自動更新時刻登録手段と、
前記所定の一定時間間隔の経過が前記タイマ手段により繰り返し計時される各時点において、前記現在時刻計時手段が計時する現在時刻と前記前回自動更新時刻との差を前記有効期間から差し引いたものを新たな有効期間として登録する有効期間自動更新手段と、
前記所定の一定時間間隔の経過が前記タイマ手段により繰り返し計時される各時点において、前記現在時刻計時手段が計時する現在時刻と前記前回自動更新時刻とを比較して当該現在時刻が当該前回自動更新時刻よりも前であった場合に、前記現在時刻計時手段における現在時刻の設定が変更されて前記有効期間が不正な設定状態になった可能性があるものと判断する有効期間妥当性判定手段と
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
自装置が備える情報処理機能を、対応して設定された暗証情報であって有効なものに基づいて認証手段により認証された利用者のみに使用させる利用者制限機能を備えた情報処理装置において、
現在時刻を計時すると共に計時中の現在時刻の設定変更が可能な現在時刻計時手段と、
前記暗証情報と、その暗証情報が有効である残り期間を示す有効期間と、前回自動更新時刻とを対応付けて記憶する利用者認証用情報設定手段と、
所為の一定時間間隔の経過がタイマ手段により繰り返し計時される各時点において、前記現在時刻計時手段が計時していた現在時刻を前記前回自動更新時刻として登録する前回自動更新時刻登録手段と、
前記所定の一定時間間隔の経過が前記タイマ手段により繰り返し計時される各時点において、前記現在時刻計時手段が計時する現在時刻と前記前回自動更新時刻との差を前記有効期間から差し引いたものを新たな有効期間として登録する前記有効期間自動更新手段と、
前記所定の一定時間間隔の経過が前記タイマ手段により繰り返し計時される各時点において、前記現在時刻計時手段が計時する現在時刻と前記前回自動更新時刻との差が前記タイマ手段に計時させる前記所定の一定時間間隔と一致しない場合に、前記現在時刻計時手段における現在時刻の設定が変更されて前記有効期間が不正な設定状態になった可能性があるものと判断する有効期間妥当性判定手段と
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−133893(P2006−133893A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−319611(P2004−319611)
【出願日】平成16年11月2日(2004.11.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月2日(2004.11.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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