説明

情報処理装置

【課題】 記憶媒体を複数の記憶媒体接続手段のそれぞれに接続するときに、ユーザの操作を必要とせず、ユーザの望む記憶媒体からのデータ読出し、またはデータの書込みを実行することができ、より利便性の向上された情報処理装置を提供する。
【解決手段】 制御部3は、複数のメモリカードアダプタ12にそれぞれ接続されるメモリカード13のそれぞれに、記憶されているファイル化されたデータのファイル形式を検出し、予め定めるファイル形式でファイル化されたデータが記憶されるメモリカード13が着脱可能に接続されるメモリカードアダプタ12を選択する。予め定めるファイル形式として、ユーザの利用頻度が高いデータ形式を設定しておくことによって、ユーザがアクセス対象として望むメモリカード13が接続されるメモリカードアダプタ12を、制御部3が選択することができ、利便性を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記憶媒体を着脱可能に接続する複数の記憶媒体接続手段を有する情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ(略称PC)、ファクシミリ装置およびデジタルカメラ装置などの情報処理装置には、たとえば外部メモリであるメモリカードを着脱可能に接続する複数のメモリカードアダプタが設けられている。以後メモリカードアダプタを、メモリカードスロットと記載する場合がある。
【0003】
複数のメモリカードスロットを備える装置における第1の従来の技術では、CPU(
Central Processing Unit)が、複数のメモリカードスロットのうち、予め定めるメモリカードスロットに接続されるメモリカードをアクセス対象としたり、最初にメモリカードスロットに装着したメモリカードを優先的にアクセス対象としたり、ユーザが操作部によってアクセス対象とするメモリカードを選択したりすることができるデジタルカメラがある(たとえば参考文献1参照)。
【0004】
また第2の従来の技術として、複数のメモリカードスロットに接続されるメモリに、予め優先順位を付けておき、優先順位の高いメモリから順番にアクセスするカメラがある(たとえば参考文献2参照)。
【0005】
また第3の従来の技術として、操作スイッチを設けて、操作スイッチを切替えることによって、メモリスロットに接続される複数のメモリカードのうち、アクセス対象とするメモリカードを選択するデジタルカメラ装置がある(たとえば特許文献3参照)。
【0006】
また第4の従来の技術として、最新の画像を記憶したメモリカードのID情報を記憶する、または最新のデータであることを表すマーク情報を記憶しておき、メモリスロットを変更しても、引き続き同じメモリカードにデータを記憶させることができる電子カメラがある(たとえば特許文献4参照)。
【0007】
【特許文献1】特開2001−169224号公報
【特許文献2】特開2003−134377号公報
【特許文献3】特開2001−169225号公報
【特許文献4】特開2002−33946号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
第1の従来の技術では、複数あるメモリカードスロットのうち、予め定めるメモリカードスロットに接続されるメモリカードしかアクセス対象とすることができなかったり、複数のメモリカードスロットのうち、最初にメモリカードが接続されたメモリカードスロットに接続されるメモリカードしかアクセス対象とすることができなかったりするので、ユーザがアクセス対象とすべきメモリカードを読出すときには、メモリカードをメモリカードスロットから抜き出す必要があり、利便性が悪いという問題がある。また、ユーザがアクセス対象とするメモリカードを、操作部によって選択する選択操作が必要である。
【0009】
第2の従来の技術では、メモリカードに優先順位を予め決める必要があり、多くのメモリカードを扱う場合では、メモリカードの優先順位を予め決定しておくことは困難であるという問題がある。
【0010】
第3の従来の技術では、ユーザがアクセス対象とするメモリカードを、操作部によって選択する選択操作が必要である。
【0011】
第4の従来の技術では、自機器でメモリカードにデータを記憶させた場合には、メモリカードを選択することができるが、他の機器でデータが記憶されたメモリカードを選択することができないという問題がある。
【0012】
前述したようにメモリカードなどの記憶媒体を、着脱可能に接続される複数の、メモリカードスロットなどの記憶媒体接続手段に、同時に複数接続しているときに、ユーザが望む記憶媒体からのデータ読出し、またはユーザの望む記憶媒体へのデータの書込みを実行することができる、より利便性の向上された情報処理装置が臨まれている。
【0013】
したがって本発明の目的は、メモリカードなどの記憶媒体を、メモリカードスロットなどの記憶媒体接続手段に、同時に複数接続しているときに、ユーザの操作を必要とせず、ユーザの望む記憶媒体からのデータ読出し、またはデータの書込みを実行することができ、より利便性の向上された情報処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、データを記憶する記憶媒体が、着脱可能に接続される複数の記憶媒体接続手段と、
前記複数の記憶媒体接続手段のうち、少なくとも2つの記憶媒体接続手段に、それぞれ記憶媒体が着脱可能に接続されているとき、記憶媒体が着脱可能に接続されている記憶媒体接続手段のいずれか1つを選択する選択手段と、
選択手段によって選択された記憶媒体接続手段に着脱可能に接続される記憶媒体からデータを、少なくとも読出す記憶媒体制御手段とを含み、
前記選択手段は、記憶媒体接続手段に着脱可能に接続されている各記憶媒体に記憶されているデータの記載形式を検出して、予め定める記載形式でデータが記憶されている記憶媒体が着脱可能に接続される記憶媒体接続手段を選択することを特徴とする情報処理装置である。
【0015】
また本発明は、前記予め定める記載形式は、予め定めるファイル形式であることを特徴とする。
【0016】
また本発明は、前記記憶媒体に予め定める記載形式で記憶されるデータは、日時を表す日時情報を含み、
前記選択手段は、前記複数の記憶媒体のそれぞれに予め定める記載形式でデータが記憶されているとき、前記日時情報に基づいて、前記日時情報が表す日時が最も新しいデータが記憶される記憶媒体が着脱可能に接続される記憶媒体接続手段を選択することを特徴とする。
【0017】
また本発明は、前記記憶媒体制御手段によって記憶媒体から読出されたデータに基づいて、記録シートに画像情報を出力する出力手段を含み、
前記記憶媒体に予め定める記載形式で記憶されるデータは、出力手段によって出力されるべき画像情報に関するプリント設定データを含み、
出力手段は、前記プリント設定データに基づいて、画像情報を出力することを特徴とする。
【0018】
また本発明は、前記記憶媒体制御手段によって記憶媒体から読出されたデータに基づいて表示する表示手段を含み、
前記予め定める記載形式は、DCF規格に基づくディレクトリ階層構造であることを特徴とする。
【0019】
また本発明は、データを記憶する記憶媒体が、着脱可能に接続される複数の記憶媒体接続手段と、
前記複数の記憶媒体接続手段のうち、少なくとも2つの記憶媒体接続手段に、それぞれ記憶媒体が着脱可能に接続されているとき、記憶媒体が着脱可能に接続されている記憶媒体接続手段のいずれか1つを選択する選択手段と、
選択手段によって選択された記憶媒体接続手段に、着脱可能に接続される記憶媒体に、予め定めるディレクトリ階層構造を有するようにデータを少なくとも書込む記憶媒体制御手段とを含み、
前記選択手段は、記憶媒体接続手段に着脱可能に接続されている各記憶媒体に記憶されているデータのディレクトリ階層構造を検出して、予め定めるディレクトリ階層構造でデータが記憶されている記憶媒体が着脱可能に接続される記憶媒体接続手段を選択することを特徴とする情報処理装置である。
【0020】
また本発明は、日時を表す日時情報を含んでファイル化されたデータを記憶する記憶媒体が、着脱可能に接続される複数の記憶媒体接続手段と、
前記複数の記憶媒体接続手段のうち、少なくとも2つの記憶媒体接続手段に、記憶媒体が着脱可能に接続されているとき、記憶媒体が着脱可能に接続されている記憶媒体接続手段のいずれか1つを選択する選択手段と、
選択手段によって選択された記憶媒体接続手段に着脱可能に接続される記憶媒体から、少なくともデータを読出す記憶媒体制御手段とを含み、
前記選択手段は、前記日時情報が表す日時が最も新しいファイルが記憶される記憶媒体が着脱可能に接続される記憶媒体接続手段を選択することを特徴とする情報処理装置である。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、複数の記憶媒体接続手段は、それぞれ記憶媒体を着脱可能に接続することができる。少なくとも2つの記憶媒体接続手段に、記憶媒体がそれぞれ接続されると、選択手段は、記憶媒体が接続される記憶媒体接続手段のうちのいずれか1つを選択する。記憶媒体制御手段は、選択手段によって選択された記憶媒体接続手段に接続される記憶媒体からデータを読出すことができる。
【0022】
選択手段は、複数の記憶媒体接続手段にそれぞれ接続される記憶手段のそれぞれに、記憶されているデータの記載形式を検出し、予め定める記載形式でデータが記憶される記憶媒体が着脱可能に接続される記憶媒体接続手段を選択する。これによってユーザが記憶媒体接続手段を選択する選択操作をする必要がなく、また記憶媒体を複数の記憶媒体接続手段にそれぞれ接続していても、選択手段が、記憶媒体に記憶されるデータの記載形式に基づいて、複数の記憶媒体のうち、1つの記憶媒体に接続する記憶媒体接続手段を選択することができる。選択手段は、記憶媒体に記憶されるデータの内容自体を検出するのではなく、データの記載形式を検出するので、選択処理にかかる時間を可及的に短くすることができる。前記予め定めるデータの記載形式を、ユーザの利用頻度が高いデータの記載形式としておくことによって、ユーザがアクセス対象として望む記憶媒体が接続される記憶媒体接続手段を選択手段が選択することができ、記憶媒体制御手段によってデータをすぐに読出すことができるようになるので、利便性を向上させることができる。
【0023】
たとえば、記憶媒体を着脱することによって、複数の記憶媒体接続手段のうち1つの記憶媒体接続手段にのみ記憶媒体を接続して、選択手段が、前記記憶手段が装着された1つの記憶媒体接続手段を選択する構成とすると、複数の記憶媒体が記憶媒体接続手段にそれぞれ接続されている場合、ユーザによって記憶媒体を着脱する回数が増加してしまうおそれがあるが、本発明では選択手段が、複数の記憶媒体接続手段に記憶媒体を接続したままで、記憶媒体接続手段を選択するので、記憶媒体を着脱する必要がなく、これによって記憶媒体を着脱する操作回数が低減され、利便性が向上する。また選択手段によって記憶媒体接続手段を選択した後は、アクセス対象の記憶媒体を1つに特定することができ、これによって記憶媒体制御手段の処理負荷を抑制することができる。
【0024】
また本発明によれば、選択手段は、データのファイル形式を検出して、予め定めるファイル形式でファイル化されたデータを記憶する記憶媒体に着脱可能に接続される記憶媒体接続手段を選択する。前記ファイル形式の検出は、たとえばファイルの拡張子、およびファイルの名称などを検出することによって実現されてもよい。たとえばファイルの拡張子は、ファイル形式によって異なる。したがって、このようなファイルの拡張子を検出することによって、選択手段は、簡単に予め定めるファイル形式を検出することができる。
【0025】
また本発明によれば、前記複数の記憶媒体に、予め定める記載形式でデータが記憶されているときには、選択手段は、前記日時情報が表す日時が最も新しいデータが記憶される記憶媒体が着脱可能に接続される記憶媒体接続手段を選択する。日時情報は、たとえばデータが記憶された日時、およびデータの内容が変更された日時などを含む。日時情報が表す日時が最も新しいデータが記憶されている記憶媒体は、ユーザが最も頻繁に使用している可能性が高いので、このような記憶媒体が着脱可能に接続される記憶媒体接続手段を選択手段が選択することによって、ユーザが最もアクセスしたいと思われる記憶媒体からデータをすぐに読出すことができ、これによって利便性を向上させることができる。
【0026】
また本発明によれば、出力手段は、前記記憶媒体制御手段によって読出されたデータに基づいて、記録シートに画像情報を出力することができる。前記予め定める記載形式で記載されたデータは、出力手段によって出力されるべき画像情報に関するプリント設定データを含み、出力手段は、このプリント設定データに基づいて、画像データが表す画像情報を出力する。前記予め定めるファイル形式は、たとえばDPOF(Digital Print Order
Format)などであってもよい。このような構成とすることによって、記憶媒体を記憶媒体接続手段に着脱可能に接続するだけで、出力手段によって、出力されるべきデータを記憶している記憶媒体を、選択することができ、利便性を向上させることができる。
【0027】
また本発明によれば、表示手段は、記憶媒体制御手段によって読み出したデータに基づいて表示することができる。選択手段は、DCF(Design rule for Camera Film
system)規格に基づくディレクトリ階層構造でデータが記憶された記憶媒体が着脱可能に接続された記憶媒体接続手段を選択する。DCF規格に基づくディレクトリ階層構造を有するデータは、言い換えればデジタルカメラで撮像して得られる画像データを表す。このような画像データは、表示手段によって表示させることが望まれることが多いので、このようなデータを記憶した記憶媒体を着脱可能に接続する記憶媒体接続手段を選択することによって、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0028】
また本発明によれば、複数の記憶媒体接続手段は、それぞれ記憶媒体を着脱可能に接続することができる。少なくとも2つの記憶媒体接続手段に、それぞれ記憶媒体が接続されると、選択手段は、記憶媒体が接続される記憶媒体接続手段のうちのいずれか1つを選択する。記憶媒体制御手段は、選択手段によって選択された記憶媒体接続手段に接続される記憶媒体に、予め定めるディレクトリ階層構造を有するようにデータを書込むことができる。
【0029】
選択手段は、記憶媒体がそれぞれ接続される複数の記憶媒体接続手段のうち、記憶媒体制御手段が記憶媒体にデータを記憶させるときに用いられるディレクトリ階層構造を有する記憶媒体が接続される記憶媒体接続手段に接続する。記憶媒体制御手段によって記憶媒体にデータを書込むときに作成される予め定めるディレクトリ階層構造を有するということは、前にこの記憶媒体に書込みを実行した可能性が高く、再度ユーザが利用したい可能性が高いので、選択手段が、このような記憶媒体が接続される記憶媒体接続手段を選択することによって、ユーザが最もアクセスしたいと思われる記憶媒体に記憶媒体制御手段がデータをすぐに書込むことができ、利便性を向上させることができる。
【0030】
また本発明によれば、複数の記憶媒体接続手段は、それぞれ記憶媒体を着脱可能に接続することができる。少なくとも2つの記憶媒体接続手段に、それぞれ記憶媒体が接続されると、選択手段は、記憶媒体が接続される記憶媒体接続手段のうちのいずれか1つを選択する。記憶媒体制御手段は、選択手段によって選択された記憶媒体接続手段に接続される記憶媒体からデータを、少なくとも読出すことができる。
【0031】
選択手段は、ファイル化されたデータに含まれる日時情報が表す日時が最も新しいデータが記憶される記憶媒体が着脱可能に接続される記憶媒体接続手段を、選択する。日時情報は、たとえばデータが記載された日時、およびデータの記載が変更された日時などが含まれる。日時情報が表す日時が最も新しいデータが記憶されている記憶媒体は、ユーザが最も頻繁に使用している可能性が高いので、このようなデータが記憶される記憶媒体が着脱可能に接続される記憶媒体接続手段を選択手段が選択することによって、ユーザが最もアクセスしたいと思われる記憶媒体からデータをすぐに読出すことができ、これによって利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
図1は、本発明の実施の一形態の情報処理装置1の構成を示すブロック図である。情報処理装置1は、プリンタ装置であって、操作入力部2、制御部3、ROM(Read Only
Memory)4、RAM(Random Access Memory)5、中央演算処理装置(Central
Processing Unit:略称CPU)6、記憶部7、画像処理部8、出力部9およびバス10を含んで構成される。含んで構成される。
【0033】
操作入力部2は、複数の操作キーを含んで構成される。ユーザが、各操作キーを操作することによって、各操作キーに対応する指令情報が、制御部3に与えられる。操作入力部2によって、たとえば情報処理装置1において画像を印刷するときの画像サイズおよび画質を表す情報などを入力することができる。
【0034】
制御部3は、マイクロコンピュータによって実現され、操作入力部2から与えられる指令情報に基づいて、情報処理装置1の各部、すなわちROM4、RAM5、CPU6、記憶部7、画像処理部8および出力部9を制御する。
【0035】
ROM4は、不揮発性記憶媒体であり、制御部3が情報処理装置1の各部を制御するための制御プログラムを記憶する。
【0036】
RAM5は、揮発性記憶媒体であり、CPU6のワークメモリとして用いられる。RAM5には、CPU6が各種演算処理を実行するにあたって、必要となるデータが記憶され、記憶されるデータは、逐次、更新または変更される。前記必要となるデータは、たとえばCPU6において演算処理された処理結果などである。
【0037】
CPU6は、制御部3から与えられる制御指令に基づいて、ROM4に記憶されている制御プログラム、またはROM4あるいは後述する記憶部7のフラッシュメモリ11から、読出されてRAM5に一時的に記憶された制御プログラムに基づいて、各種の演算処理を実行する。CPU6は、演算処理の処理結果を、RAM5に記憶させる。
【0038】
ROM4、RAM5およびCPU6は、バス10を介して相互に電気的に接続されている。またバス10を介して、操作入力部2、制御部3、記憶部7、画像処理部8および出力部9が相互に電気的に接続されている。
【0039】
前記制御部3は、情報処理装置1の各部を制御する制御手段として機能するだけでなく、予め定める圧縮方法によって圧縮された画像データを解凍する解凍処理を含むデータ処理を実行するデータ処理手段として機能する。前記予め定める圧縮方法は、JPEG(
Joint Photographic Coding Experts Group)を含む。また制御部3は、後述する記憶部7のメモリカードアダプタ12に接続されるメモリカード13に記憶されるデータの記載形式であって、ここではファイル化されたデータのファイル形式を検出して、複数のメモリカードアダプタ12のうち1つのメモリカードアダプタ12を選択する選択手段として機能する。前記選択とは、メモリカード13がそれぞれ接続される複数のメモリカードアダプタ12のうち、いずれか1つのメモリカードアダプタ12に接続されるメモリカード13からのデータの読出し、またはデータの書込みを、制御部3が可能な状態とすることである。また制御部3は、後述する記憶部7に記憶されるデータを読出し、また記憶部7にデータを記憶させる。
【0040】
記憶部7は、書き換え可能な記憶媒体であって、情報処理装置1に固定されて設けられるであるフラッシュメモリ11と、複数のメモリカードアダプタ12と、ファイル管理ドライバ部14とを含む。本実施の形態では、記憶部7には、第1〜第3メモリカードアダプタ12a〜12cの3つのメモリカードアダプタ12が設けられる。
【0041】
フラッシュメモリ11は、操作入力部2によって入力された指令情報、および情報処理装置1の制御プログラムなどを記憶する。フラッシュメモリ11を備えることによって、情報処理装置1への電源からの電力の供給を停止しても、ユーザによって入力された指令情報の記憶を維持することができる。フラッシュメモリ11に記憶される指令情報は、情報処理装置1の設定情報であり、たとえば情報処理装置1において画像を印刷するときの画像サイズおよび画質を表す情報を含む。
【0042】
メモリカードアダプタ12は、記憶媒体接続手段である。メモリカードアダプタ12には、記憶媒体が機械的に着脱可能に接続される。メモリカードアダプタ12は、記憶媒体が着脱可能に接続された状態で、機械的に記憶媒体を保持する。メモリカードアダプタ12は、記憶媒体を着脱可能に接続することによって、記憶媒体と電気的に接続される。前記記憶媒体は、たとえばフラッシュROMなどの書き換え可能な記憶媒体によって実現される。本実施の形態では記憶媒体は、フラッシュROMであって、外形がカード状に形成されるメモリカード13によって実現される。メモリカードアダプタ12に、メモリカード13を着脱可能に接続すると、メモリカード13に含まれるフラッシュROMが、ファイルドライバ管理部14と電気的に接続される。本実施の形態では、複数のメモリカードアダプタ12のそれぞれに、着脱可能に接続されるメモリカード13は、すべて同じ形状のものとする。メモリカードアダプタ12は、ファイル管理ドライバ部14に電気的に接続されるアダプタ端子部を有する。メモリカード13には、メモリカード13からデータを読出し、またメモリカード13にデータを書込むためにメモリ端子部が設けられる。メモリカード13を、メモリカードアダプタ12に着脱可能に接続すると、メモリ端子部と、アダプタ端子部とが接触する。
【0043】
各メモリカード13は、データを記憶し、具体的には、ファイル化されたデータを記憶することができる。第1メモリカードアダプタ12aに接続されるメモリカード13を、第1メモリカード13aと記載し、第2メモリカードアダプタ12bに接続されるメモリカード13を、第2メモリカード13bと記載し、第3メモリカードアダプタ12cに接続されるメモリカード13を、第3メモリカード13bと記載する場合がある。
【0044】
ファイル管理ドライバ部14は、制御部3が、フラッシュメモリ11およびメモリカードアダプタ12に着脱可能に接続されるメモリカード13の少なくともいずれかから、データを読出す、またはいずれかにデータを書込むためのインタフェースとして機能する。前述した制御部3は、フラッシュメモリ11、およびメモリカードアダプタ12に着脱可能に接続されるメモリカード13にアクセスする、すなわち制御部3がフラッシュメモリ11に記憶されるデータを読出したり、フラッシュメモリ11にデータを記憶したり、前記メモリカード13に記憶されるデータを読出したり、メモリカード13にデータを記憶させたりするための記憶媒体制御手段を構成する。制御部3は、たとえば信号電圧の相違などによって、フラッシュメモリ11およびメモリカード13に直接アクセスすることができないので、ファイル管理ドライバ部14を介して、これらフラッシュメモリ11およびメモリカード13にアクセスする。ファイル管理ドライバ部14は、制御部3から与えられる指令情報に基づいて、データを表す信号を、フラッシュメモリ11およびメモリカード13に適合する信号に変換して、フラッシュメモリ11およびメモリカード13に与えて記憶させ、フラッシュメモリ11およびメモリカード13から読出したデータを表す信号を、制御部3に適合する信号に変換することができる。
【0045】
制御部3は、操作入力部2から与えられる指令情報に基づいて、メモリカード13からデータを読出して、読出したデータを、後述する画像処理部8に与える。
【0046】
各メモリカード13は、たとえばFAT(File Allocation Table)などの階層ファイルシステムによって、論理的なフォーマットが行われている。メモリカード13は、ファイルドライバ管理部14によって、前記階層ファイルシステム環境下で制御されており、制御部3がROM4などに記憶される制御プログラムに基づく処理を実行することによって、この制御部3は、ディレクトリおよび画像ファイルという概念のもとに、メモリカード13にアクセスすることができる。これによってメモリカード13が、たとえば制御部3から与えられる画像データを、画像ファイルとして記憶したり、制御部3はメモリカード13から、特定の画像ファイルを読出したりすることができる。メモリカード13にアクセスするとは、メモリカード13からのデータの読出し、およびメモリカード13へのデータの書込みのうちの少なくともいずれか一方を含む。たとえば操作入力部2から与えられる指令情報に基づいて、制御部3がメモリカード13に記憶されるファイルの名称を指定することによって、ファイル管理ドライバ部14は、指定されたファイルの名称に対応するファイル化されたデータを制御部3に与える。
【0047】
画像処理部8は、ユーザが操作入力部2を操作することによって入力される指令情報に基づいて動作する制御部3から与えられる制御指令に基づいて、制御部3から与えられるデータを、出力部9に適合するデータフォーマットへ変換し、出力部9に与える。データフォーマットの変換は、たとえばYUV色空間で表される画像データを、CMYK色空間で表される画像データに変換したり、RGB色空間で表される色空間に変換したりするなど、色空間の変換処理を含む。
【0048】
出力部9は、印刷手段である。出力部9は、画像処理部8から与えられるデータに基づく画像情報を記録シートに印刷する。出力部9は、たとえばカラー画像を印刷するインクジェットプリンタによって実現される。前記記録シートは、たとえば記録紙である。
【0049】
図2は、情報処理装置1における制御部3の、メモリカードアダプタ12の選択動作を示すフローチャートである。操作者が操作入力部2に含まれる予め定める操作キーを操作するとステップS0から、ステップS1に移る。
【0050】
ステップS1では、2つ以上のメモリカード13がメモリカードアダプタ12に接続されているか否かを判断する。ステップS1において制御部3は、ファイル管理ドライバ部14に制御指令を与えて、メモリカードアダプタ12にメモリカード13が接続されているのか否か検出する。たとえばファイル管理ドライバ部14は、アダプタ端子部に信号を与え、信号の変化を検出して、この検出結果を制御部3に与える。制御部3は、ファイル管理ドライバ部14から与えられる信号の変化に基づいて、メモリカード13が接続されているか否かを検出する。ステップS1において、2つ以上のメモリカード13がメモリカードアダプタ12に接続されている、言い換えれば第1〜第3のメモリカードアダプタ12のうちいずれか2つ以上のメモリカードアダプタ12にメモリカード13がそれぞれ接続されていると判断すると、ステップS2に移る。制御部3は、メモリカード14が、メモリカードアダプタ12に着脱可能に接続されているか否かを検出する検出手段として機能する。
【0051】
ステップS2では、ファイル管理ドライバ部14に制御指令を与えて、各メモリカードアダプタ12に接続されている各メモリカード13に記憶されているファイル化されたデータのファイル形式を表す情報を読出して、予め定めるファイル形でファイル化されたデータ、言い換えれば予め定めるファイル形式のファイルが記憶されているか否かを判断する。本実施の形態において、前記予め定める形式のファイルは、アプリケーションファイルである。制御部3は、ファイルの名称およびファイルの拡張子の少なくともいずれか一方を検出し、予め定めるファイルの名称、および予め定めるファイルの拡張子と一致するか否かを判断する。予め定めるファイルの名称、および予め定めるファイルの拡張子を表すファイル形式情報は、たとえばフラッシュメモリ11に記憶されている。制御部3は、フラッシュメモリ11に記憶される予め定めるファイルの名称、および予め定めるファイルの拡張子を表すファイル形式情報と、検出したファイル形式を表す情報とを比較して、メモリカード13に、予め定めるファイル形式で記憶されているデータがあるのか否かを判断する。このように制御部3は、メモリカード13に記憶されるデータの内容自体を検出するのではなく、データの記載形式を検出するので、選択処理にかかる時間を可及的に短くすることができる。またファイルの拡張子は、ファイル形式によって異なる。したがって、このようなファイルの拡張子を検出することによって、制御部3は、簡単に予め定めるファイル形式を検出することができる。前記予め定めるファイル形式のデータは、出力部9によって出力されるべき画像情報に関するプリント設定データを含み、本実施の形態ではDPOF(Digital Print Order Format)である。
【0052】
図3は、DPOFファイルが記憶されるメモリカード13のディレクトリ階層構造を表す図である。DPOFファイルが記憶されるメモリカード13には、ルートディレクトリ21の下層に、静止画像データファイルを記録するためのディレクトリであるDCIM(Digital Camera Images)ディレクトリ22と、MISCディレクトリ23とが作成される。DCIMディレクトリ22の下層に、実際に静止画像データファイルなどを記憶するDCFディレクトリ24と呼ばれる複数のディレクトリが作成される。このDCFディレクトリ24の下層に、複数の静止画像データファイル25が記憶される。サブディレクトリとしてDCIMディレクトリ22およびが作成されている。DPOFファイルは、MIDCディレクトリ23に記憶される。DCIMディレクトリ22は、下層にさらにサブディレクトリ24を有し、各サブディレクトリ24には、画像データを表す画像ファイル25が記憶される。画像ファイルは、たとえばJPEGファイルである。
【0053】
DPOFファイルは、MISCディレクトリ23に記憶される。プリント設定データ、具体的には自動プリントファイル26、UNICODE文字列記述ファイル27、自動送信ファイル28および自動再生ファイル29などを含む。
【0054】
ステップS2において、複数のメモリカード13のうちのいずれか1つ以上のメモリカードに、予め定めるファイル形式でファイル化されたデータが記憶されていると判断すると、ステップS3に移る。
【0055】
ステップS3では、複数のメモリカード13、ここでは第1〜第3のメモリカード13a〜13cのうち、1つのメモリカード13のみに、予め定めるファイル形式でファイル化されたデータが記憶されているか否かを判断する。ステップS3において、1つのメモリカードのみに、予め定めるファイル形式でファイル化されたデータが記憶されていると判断した場合、ステップS4に移る。
【0056】
ステップS4では、予め定めるファイル形式でファイル化されたデータを記憶しているメモリカード13が着脱可能に接続されるメモリカードアダプタ12を選択する。このように、複数のメモリカードアダプタ12にそれぞれに接続される各メモリカード13のうち、1つのメモリカード13にしか予め定めるファイル形式でファイル化されたデータが記憶されていなければ、制御部3は、そのメモリカード13が接続されるメモリカードアダプタ12を選択する。1つのメモリカードアダプタ12を選択した後、制御部3は、選択されたメモリカードアダプタ12に接続されるメモリカード13からデータの読出し、およびメモリカード13へのデータの書込みを、いつでも実行することができる。ステップS4の処理が終了すると、ステップS5に移り、動作処理を終了する。
【0057】
前述のステップS1において、2つ以上のメモリカード13がメモリカードアダプタ12に接続されていないと判断すると、ステップS6に移る。
【0058】
ステップS6では、メモリカード13が装着されている、すなわち着脱可能に接続されているメモリカードアダプタ12を選択して、ステップS5に移る。このように、複数のメモリカードアダプタ12にそれぞれに接続される各メモリカード13のうち、1つのメモリカード13にしかメモリカード13が接続されていない場合には、制御部3は、そのメモリカード13が接続されるメモリカードアダプタ12を選択する。
【0059】
前述したステップS2において、複数のメモリカード13のうちのいずれのメモリカード13にも、予め定めるファイル形式でファイル化されたデータが記憶されていないと判断すると、ステップS7に移る。
【0060】
ステップS7では、各メモリカード13のいずれかに、ファイル化されたデータが記憶されているか否かを判断する。ステップS7においてファイル化されたデータが記憶されていると判断すると、ステップS8に移る。制御部3は、ファイル化されたデータがメモリカード13に記憶されているのか否かを、ファイルの拡張子およびファイルの名称などを検出することができるか否かによって判断する。
【0061】
ステップS8では、ファイル化されたデータに含まれる日時情報を検出する。メモリカード13に記憶されるファイル化されたデータは、このファイルが記憶された日時、およびファイルの内容が更新された日時を表す日時情報とともに記憶される。この日時情報は、たとえばDOSのファイルシステムのタイムスタンプによって表される。ステップS8の処理が終了すると、ステップS9に移る。
【0062】
ステップS9では、ステップS8で検出した日時情報が表す日時の新しいデータを記憶しているメモリカード13が接続されるメモリカードアダプタ12を選択して、ステップS5に移る。
【0063】
前述したステップS3において、2つ以上のメモリカード13に、予め定めるファイル形式でファイル化されたデータが記憶されていると判断された場合、ステップS10に移る。ステップS10では、予め定めるファイル形式でファイル化されたデータに含まれる日時情報を検出する。ステップS10の処理を終了すると、ステップS11に移る。
【0064】
ステップS11では、ステップS10で検出した日時情報が表す日時の新しいデータを記憶しているメモリカード13が接続されるメモリカードアダプタ12を選択して、ステップS5に移る。このように制御部3は、前記複数のメモリカード13に、予め定めるファイル形式でデータが記憶されているときには、前記日時情報が表す日時が最も新しいデータが記憶されるメモリカード13が着脱可能に接続されるメモリカードアダプタ12を選択する。日時情報が表す日時が最も新しいデータが記憶されているメモリカード13は、ユーザが最も頻繁に使用している可能性が高いので、このようなメモリカード13が着脱可能に接続されるメモリカードアダプタを選択手段が選択することによって、ユーザが最もアクセスしたいと思われるメモリカード13からデータをすぐに読出すことができ、これによって利便性を向上させることができる。
【0065】
また前述のステップS7において、ファイル化されたデータが記憶されていないと判断すると、ステップS5に移る。
【0066】
以上のように本実施の形態の情報処理装置1では、少なくとも2つのメモリカードアダプタ13に、それぞれメモリカード13が接続された状態で、制御部3はメモリカード13が接続されるメモリカードアダプタ記憶12のうちのいずれか1つを選択する。これによって、操作入力部2からの入力される指令情報に基づいて、制御部3が選択したメモリカードアダプタ12に接続されるメモリカード13から、データをすぐに読出すことができるようになる。
【0067】
制御部3は、複数のメモリカードアダプタ12に、それぞれメモリカード13が接続されている場合、各メモリカード13のそれぞれに記憶されているファイル化されたデータのファイル形式を検出し、予め定めるファイル形式でファイル化されたデータが記憶されるメモリカード13が着脱可能に接続されるメモリカードアダプタ12を選択する。ユーザは、たとえば操作入力部2を用いて複数のメモリカードアダプタ12の内から1つのメモリカードアダプタ12を選択する選択操作をする必要がなく、またメモリカード13を複数のメモリカードアダプタ12にそれぞれ接続していても、制御部3が、メモリカード13に記憶されるファイル化されたデータのデータ形式に基づいて、複数のメモリカード13のうち、1つのメモリカード13に接続されるメモリカードアダプタ12を選択することができる。予め定めるファイル形式として、ユーザの利用頻度が高いデータ形式を設定しておく、ここでは情報処理装置1をプリンタ装置に適用しているので、たとえばデジタルカメラのプリント用の記録フォーマットであるDPOFファイルを設定しておく。これによって、ユーザがアクセス対象として望むメモリカード13が接続されるメモリカードアダプタ12を、制御部3が選択することができ、利便性を向上させることができる。
【0068】
またメモリカード13を着脱して、1つのメモリカードアダプタ12にのみメモリカード13を接続することによって、制御部3が、複数のメモリカードアダプタ12のうち、前記メモリカード13が装着された1つのメモリカードアダプタ12を選択する構成とすると、複数のメモリカード13がメモリカードアダプタ12にそれぞれ接続されている場合、ユーザによってメモリカード13を着脱する回数が増加してしまうおそれがあるが、本発明では制御部3がメモリカードアダプタ12を選択するときに、メモリカードアダプタ12からメモリカード13を着脱する必要がない、すなわち複数のメモリカード13を接続したままで使用することができるので、メモリカード13を着脱する操作回数が低減され、これによって利便性が向上する。
【0069】
また制御部3によってメモリカードアダプタ13を選択した後は、アクセス対象のメモリカード13を1つに特定することができ、これによって制御部3の処理負荷を抑制することができる。
【0070】
また情報処理装置1では、前記複数のメモリカード13に予め定めるファイル形式でファイル化されたデータが記憶されているときには、データに含まれる日時情報が表す日時が最も新しいデータが記憶されるメモリカード13が着脱可能に接続されるメモリカードアダプタ12を、制御部3が選択する。日時情報が表す日時が最も新しいデータが記憶されているメモリカード13は、ユーザが最も頻繁に使用している可能性が高いので、このようなメモリカード13が着脱可能に接続されるメモリカードアダプタ12を制御部3が選択することによって、ユーザが最もアクセスしたいと思われるメモリカード13からデータをすぐに読出すことができ、これによって利便性を向上させることができる。
【0071】
また出力部9は、前記制御部3によって読出されたデータに基づいて、記録シートに情報を出力することができる。出力部9は、プリント設定データに基づいて、画像情報を出力する。このような構成とすることによって、複数のメモリカード13をメモリカードアダプタ12に着脱可能に接続するだけで、出力部9によって、出力されるべき画像情報を記憶しているメモリカード13を、選択することができ、利便性を向上させることができる。
【0072】
制御部3は、メモリカード13に記憶されるデータの記載形式に基づいて、メモリカードアダプタ12を選択するので、メモリカード13に特殊な情報を書込む必要がなく、たとえばパーソナルコンピュータおよびデジタルカメラ装置など、他の情報処理装置において、データが書込まれたメモリカード13が接続されるメモリカードアダプタ12であっても、選択することができる。
【0073】
本実施の形態では、記憶部7には、3つのメモリカードアダプタ12が設けられるが、本発明の他の実施の形態において、メモリカードアダプタ12の数は、これに限らず2つ以上であればよい。
【0074】
本実施の形態では、複数のメモリカードアダプタ12のそれぞれに、着脱可能に接続されるメモリカード13は、すべて同じ形状のものとしているが、本発明の実施の他の形態において、複数のメモリカードアダプタ12のそれぞれに、着脱可能に接続されるメモリカード13は、異なる形状ものを含んでいてもよい。この場合、メモリカード13の形状に対応する複数種類の形状のメモリカードアダプタ12を装置に設ける。
【0075】
また本発明のさらに他の実施の形態では、前記制御部3のメモリカードアダプタ12の選択動作は、メモリカード13がメモリカードアダプタ12に装着された時に、開始されてもよい。このような構成にすると、予め定める操作キーを操作しなくても、メモリカード13をメモリカードアダプタ12に着脱可能に接続するだけで、メモリカード13を接続するメモリカードアダプタ12の選択動作処理が実行されるので、より利便性を向上させることができる。
【0076】
本実施の形態では、予め定めるファイル形式でファイル化されたデータを記憶しているメモリカード13が、複数のメモリカードアダプタ12にそれぞれ接続されている場合、データに含まれる日付情報に基づいて、日付情報が表す日付が新しいデータを記憶するメモリカード13が接続されるメモリカードアダプタ12を制御部3が選択するが、本発明のさらに他の実施の形態では、予め定めるファイル形式でファイル化されたデータを記憶しているメモリカード13が、複数のメモリカードアダプタ12にそれぞれ接続されている場合、制御部3は、最初に予め定めるファイル形式でファイル化されたデータが記憶されていることが検出されたメモリカード13が着脱可能に接続されるメモリカードアダプタ12を選択する構成としてもよい。このような構成であっても、予め定めるファイル形式でファイル化されたデータを記憶しているメモリカード13のうちのいずれか1つが接続されるメモリカードアダプタ12を制御部3が選択することによって、同様な効果をえることができる。
【0077】
図4は、本発明の実施の他の形態の情報処理装置における制御部3のメモリカードアダプタ12の選択処理を示すフローチャートである。本実施の形態の情報処理装置の構成は、前述の情報処理装置1の構成と同様であり、制御部3の制御動作のみが異なる。したがって、前述の実施の形態の情報処理装置1と同様な構成には、同様の参照符号を付して、同様な部分の説明については省略する。
【0078】
操作者が操作入力部2に含まれる予め定める操作キーを操作すると、ステップA0から、ステップA1に移る。
【0079】
ステップA1では、2つ以上のメモリカード13がメモリカードアダプタ12に接続されているか否かを判断する。ステップA1において制御部3は、ファイル管理ドライバ部14に制御指令を与えて、メモリカードアダプタ12にメモリカード13が接続されているのか否か検出する。たとえばファイル管理ドライバ部14は、アダプタ端子部に信号を与え、信号の変化を検出して、この検出結果を制御部3に与える。制御部3は、ファイル管理ドライバ部14から与えられる信号の変化に基づいて、メモリカード13が接続されているか否かを検出する。ステップA1において、2つ以上のメモリカード13がメモリカードアダプタ12に接続されていると判断すると、ステップA2に移る。
【0080】
ステップA2では、各メモリカード13のいずれかに、ファイル化されたデータが記憶されているか否かを判断する。ステップA2においてファイル化されたデータが記憶されていると判断すると、ステップA3に移る。
【0081】
ステップA3では、ファイル化されたデータに含まれる日時情報を検出する。日時情報は、DOSのファイルシステムのタイムスタンプ、またはExif(Exchangenble Image File Format)のJPEGヘッダに含まれている日時情報によって表される。Exifは、電子情報技術産業協会(略称JEITA)によって規格化されている、デジタルカメラ用の画像ファイルの規格である。Exifファイルに含まれる日時情報は、撮影日時を表す。前記日時情報として、DOSのファイルシステムのタイムスタンプ、およびExifのJPEGヘッダに含まれている日時情報のいずれを用いるのかは、たとえば操作入力部2による選択操作によって、フラッシュメモリ11に設定情報として記憶される。制御部3は、フラッシュメモリ11に記憶される設定情報に基づいて、日時情報として、DOSのファイルシステムのタイムスタンプ、およびExifのJPEGヘッダに含まれている日時情報のいずれかを検出する。
【0082】
ステップA3の処理が終了すると、ステップA4に移る。ステップA4では、ステップA3で検出した日時情報が表す日時の新しいデータを記憶しているメモリカード13が接続されるメモリカードアダプタ12を選択して、ステップA5に移り、動作処理を終了する。
【0083】
前述したステップA1において、2つ以上のメモリカード13がメモリカードアダプタ12に接続されていないと判断する、言い換えると1つのメモリカード13のみがメモリカードアダプタ12に接続されていると判断すると、ステップA5に移る。
【0084】
ステップA5では、メモリカード13が装着されているメモリカードアダプタ12が装着、すなわち着脱可能に接続されているメモリカードアダプタ12を選択して、ステップA4に移る。
【0085】
また前述のステップA2において、ファイル化されたデータが記憶されていないと判断すると、ステップA5に移る。
【0086】
以上のように本実施の形態の情報処理装置では、制御部3が、ファイル化されたデータに含まれる日時情報が表す日時が最も新しいデータが記憶されるメモリカード13が着脱可能に接続されるメモリカードアダプタ12を、選択する。日時情報が表す日時が最も新しいデータが記憶されているメモリカード13は、ユーザが最も頻繁に使用している可能性が高いので、このようなデータが記憶されるメモリカード13が着脱可能に接続されるメモリカードアダプタ12を制御部3が選択することによって、ユーザが最もアクセスしたいと思われるメモリカード13からデータをすぐに読出すことができ、これによって利便性を向上させることができる。
【0087】
またメモリカード13を着脱することによって、制御部3が、複数のメモリカードアダプタ12のうち、前記メモリカード13が装着された1つのメモリカードアダプタ12を選択する構成とすると、複数のメモリカード13がメモリカードアダプタ12にそれぞれ接続されている場合、ユーザによってメモリカード13を着脱する回数が増加してしまうおそれがあるが、本発明では制御部3がメモリカードアダプタ12を選択するときに、メモリカードアダプタ12からメモリカード13を着脱する必要がない、すなわち複数のメモリカード13を接続したままで使用することができるので、メモリカード13を着脱する操作回数が低減され、これによって利便性が向上する。
【0088】
また制御部3によってメモリカードアダプタ13を選択した後は、アクセス対象のメモリカード13を1つに特定することができ、これによって制御部3の処理負荷を抑制することができる。
【0089】
図5は、本発明の実施の他の形態の情報処理装置30の構成を示すブロック図である。情報処理装置30は、いわゆるデジタルカメラ装置であって、図1に示す前述した情報処理装置1の構成と同様であり、同様の部分には同様の参照符号を付して、その詳細な説明を省略する。情報処理装置30は、操作入力部2、制御部3、ROM4、RAM5、CPU6、記憶部7、画像処理部8、出力部9、バス10および画像入力部31を含んで構成される。
【0090】
本実施の形態において、出力部9は、画像を表示する表示装置であって、たとえば液晶表示装置などによって実現される。出力部9は、画像処理部8から与えられる画像データに基づいて、画像情報を表示する。
【0091】
画像入力部31は、画像データを入力する入力手段であって、カメラ部32を含む。カメラ部32は、レンズ33、CCD(Charge Coupled Device)部34、シャッタおよび光学フィルタを含む。CCD部34は、CCDイメージセンサを含み、被写体からレンズ33を介して集光される光を電気信号に変換して、画像データを生成する。
【0092】
画像入力部31は、制御部3から与えられる指令情報に基づいて動作し、画像入力部31のカメラ部32によって生成された画像データは、制御部3に与えられ、予め定める圧縮方法で圧縮された後、予め定めるファイル形式で、ファイル化される。また制御部3は、予め定める圧縮方法によって圧縮された画像データを解凍することができる。前記予め定める圧縮方法は、JPEGである。制御部3は、操作入力部2から与えられる指令情報にもとづいて、複数のメモリカードアダプタ12のうち、選択したメモリカードアダプタ12に着脱可能に接続されるメモリカード13に、画像入力部31によって得られる画像データを記憶させる。
【0093】
制御部3は、カメラ部31によって生成された画像データを、メモリカード13に記憶するときに、予め定める記載形式でデータを記憶させ、ここでは予め定めるディレクトリ階層構造でデータを記憶させる。予め定めるディレクトリ階層構造は、DCF規格に基づくものである。
【0094】
図6は、DCF規格に基づくディレクトリ階層構造を表す図である。DCFにおいては、ルートディレクトリ21に、DCIMディレクトリ22を作成することが規定されている。このDCIMディレクトリ22の下層に、DCFディレクトリ24と呼ばれる複数のディレクトリを生成することが規定されている。このDCFディレクトリ24の下層に、複数の静止画像データファイル25を記憶させることができる。
【0095】
また、DCF規格においては、DCFディレクトリ24の名称およびファイルの名称の付け方が規定されている。DCFディレクトリ24の名称は、固定長であって、全体として8文字から成る。前記8文字のうち、上3文字、すなわち左から3文字は、ディレクトリ番号(D1)と呼ばれる数字を表し、下5文字、すなわち右から5文字は、自由文字(D2)と呼ばれる文字コードを表す。さらに、ファイル名についても全体として8文字固定で、上4文字へ自由文字(F1)と呼ばれる文字コード、下4文字をファイル番号(F2)と呼ばれる数字で構成されている。ここで、ディレクトリ番号D1には重複しない番号「100」〜「999」を、また、ファイル番号F2には重複しない番号「0001」〜「9999」番を使用することが規定されている。
【0096】
さらに、画像ファイルは、ISO(International Organization for Standard)により標準化されたJPEG方式によって圧縮されたものであることが規定されており、ファイル名の拡張子が“JPG”となるものを用いる。また、この画像ファイルには、入力された画像データそのものを圧縮した主画像に加えて、主画像の縮小して圧縮したサムネイル画像(Thumbnail Image)が付加されて一つの画像として構成されている。
【0097】
さらに、DCFディレクトリ24には“JPG”を拡張子とする画像ファイル以外に、“THM”を拡張子とするサムネイル画像のみを圧縮した画像ファイル、および“WAV”を拡張子とする音声ファイルなども記憶されてもよい。
【0098】
図7は、DCFのデータ構造を示す図である。DCF基本ファイル41は、データの先頭から順番に、SOI(Start Of Image)部42、APP(APPlication marker
segment)1部43、サムネイル部44、JPEGデータ部45、EOI(End Of Image)部46を含む。SOI部42は、JPEGデータの先頭を表す。EOI部46は、JPEGデータの終端を表す。APP1部43には、Exif情報が含まれる。Exif情報は、日時情報を含む。サムネイル部44には、サムネイルSOI部47、サムネイルJPEGデータ部48、サムネイルEOI部49を含む。サムネイルSOI部47は、JPEGデータの先頭を表す。サムネイルEOI部49は、JPEGデータの終端を表す。サムネイルJPEGデータ部48には、JPEGデータ部45に含まれるJPEG圧縮データをサムネイルかして表示するためのJPEG圧縮データが含まれる。JPEGデータ部45には、JPEG圧縮データが含まれる。JPEGデータ部45に、カメラ部32によって生成された画像データをJPEGによって圧縮したデータが記憶される。
【0099】
図8は、情報処理装置30における制御部3のメモリカードアダプタ12の選択動作を示すフローチャートである。操作者が操作入力部2に含まれる予め定める操作キーを操作すると、ステップB0から、ステップB1に移る。
【0100】
ステップB1では、2つ以上のメモリカード13がメモリカードアダプタ12に接続されているか否かを判断する。ステップA1において制御部3は、ファイル管理ドライバ部14に制御指令を与えて、メモリカードアダプタ12にメモリカード13が接続されているのか否か検出する。たとえばファイル管理ドライバ部14は、アダプタ端子部に信号を与え、信号の変化を検出して、この検出結果を制御部3に与える。制御部3は、ファイル管理ドライバ部14から与えられる信号の変化に基づいて、メモリカード13が接続されているか否かを検出する。ステップB1において、2つ以上のメモリカード13がメモリカードアダプタ12に接続されていると判断すると、ステップB2に移る。
【0101】
ステップB2では、各メモリカードアダプタ12にそれぞれ接続されている各メモリカード13に記憶されているファイル化されたデータが、予め定めるディレクトリ階層構造を有するか否かを判断する。本実施の形態では、予め定めるディレクトリ階層構造は、DCF規格に基づくものであり、前述した図6に示すような階層構造である。制御部3は、メモリカード13に記憶されているデータが、予め定めるディレクトリ階層構造で記憶されているか否かを、ディレクトリの名称および各ディレクトリの階層を検出して、判断する。制御部3は、ディレクトリの名称と、各ディレクトリの階層を検出し、たとえばDIMMディレクトリが、ルートディレクトリの下層にあれば、予め定めるディレクトリ階層構造であると判断する。
【0102】
ステップB2において、複数のメモリカード13のうちのいずれか1つ以上のメモリカードに、予め定めるディレクトリ階層構造でデータが記憶されていると判断すると、ステップB3に移る。
【0103】
ステップB3では、複数のメモリカード13のうち、1つのメモリカード13のみに、予め定めるディレクトリ階層構造でデータが記憶されているか否かを判断する。ステップB3において、1つのメモリカードのみに、予め定めるディレクトリ階層構造でデータが記憶されていると判断した場合、ステップB4に移る。
【0104】
ステップB4では、予め定めるディレクトリ階層構造でデータを記憶しているメモリカード13が着脱可能に接続されるメモリカードアダプタ12を選択して、ステップB5に移り動作処理を終了する。
【0105】
前述のステップB1において、2つ以上のメモリカード13がメモリカードアダプタ12に接続されていないと判断すると、ステップB6に移る。
【0106】
ステップB6では、メモリカード13が装着されているメモリカードアダプタ12が装着、すなわち着脱可能に接続されているメモリカードアダプタ12を選択して、ステップB5に移る。
【0107】
前述したステップB2において、複数のメモリカード13のうちのいずれか1つ以上のメモリカードに、予め定めるディレクトリ階層構造でデータが記憶されていないと判断する、言い換えると、全てのメモリカードに予め定めるディレクトリ階層構造でデータが記憶されていないと判断すると、ステップB7に移る。ステップB7では、各メモリカード13のいずれかに、ファイル化されたデータが記憶されているか否かを判断する。ステップB7においてファイル化されたデータが記憶されていると判断すると、ステップB8に移る。
【0108】
ステップB8では、ファイル化されたデータに含まれる日時情報を検出する。日時情報は、DOSのファイルシステムのタイムスタンプによって表される。
【0109】
ステップB8の処理が終了すると、ステップB9に移る。ステップB9では、ステップB8で検出した日時情報が表す日時の新しいデータを記憶しているメモリカード13が接続されるメモリカードアダプタ12を選択して、ステップB5に移る。
【0110】
前述したステップB3において、2つ以上のメモリカード13に、予め定めるディレクトリ階層構造でデータが記憶されていると判断された場合、ステップB10に移る。ステップB10では、予め定めるディレクトリ階層構造でデータが記憶される記憶されるメモリカード13から、ファイル化されたデータに含まれる日時情報を検出する。ステップB10の処理を終了すると、ステップB11に移る。
【0111】
ステップB11では、ステップB10で検出した日時情報が表す日時の新しいデータを記憶しているメモリカード13が接続されるメモリカードアダプタ12を選択して、ステップB5に移る。
【0112】
前述したステップB7において、ファイル化されたデータが記憶されていないと判断すると、ステップS5に移る。
【0113】
以上のように情報処理装置30では、複数のメモリカードアダプタ12は、それぞれメモリカード13を着脱可能に接続することができる。少なくとも2つのメモリカードアダプタ12に、それぞれメモリカード13が接続されると、制御部3は、メモリカード13が接続されるメモリカードアダプタ12のうちのいずれか1つを選択する。制御部13は、選択したメモリカードアダプタ12に接続されるメモリカード13にデータを書込み、またメモリカード13からデータを読出すことができる。
【0114】
制御部3は、メモリカード13がそれぞれ接続される複数のメモリカードアダプタ12のうち、制御部3がメモリカード13にデータを記憶させるときに用いられるディレクトリ階層構造を有するメモリカード13が接続されるメモリカードアダプタ12に接続する。制御部3によって、メモリカード13にデータを書込むときに作成される予め定めるディレクトリ階層構造を有するということは、前にこのメモリカード13からデータの読出し、またはデータの書込みを実行した可能性が高く、再度ユーザが利用したい可能性が高いので、制御部3が、このようなメモリカード13が接続されるメモリカードアダプタ12を選択することによって、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0115】
また制御部3は、メモリカード13に記憶されるデータのディレクトリ階層構造に基づいて、メモリカードアダプタ12を選択するので、メモリカード13に記憶されるデータの全てを検出する必要がない。これによって、複数のメモリカードアダプタ12のそれぞれにメモリカード13が着脱可能に接続された状態であっても、制御部3のメモリカードアダプタ12の選択処理を可及的短くすることができる。
【0116】
またメモリカード13を着脱することによって、制御部3が、複数のメモリカードアダプタ12のうち、前記メモリカード13が装着された1つのメモリカードアダプタ12を選択する構成とすると、複数のメモリカード13がメモリカードアダプタ12にそれぞれ接続されている場合、ユーザによってメモリカード13を着脱する回数が増加してしまうおそれがあるが、本発明では制御部3がメモリカードアダプタ12を選択するときに、メモリカードアダプタ12からメモリカード13を着脱する必要がない、すなわち複数のメモリカード13を接続したままで使用することができるので、メモリカード13を着脱する操作回数が低減され、これによって利便性が向上する。
【0117】
また制御部3によってメモリカードアダプタ13を選択した後は、アクセス対象のメモリカード13を1つに特定することができ、これによって制御部3の処理負荷を抑制することができる。
【0118】
また情報処理装置30では、前記複数のメモリカード13に予め定めるディレクトリ階層構造で、データが記憶されているときには、データに含まれる日時情報が表す日時が最も新しいデータが記憶されるメモリカード13が着脱可能に接続されるメモリカードアダプタ12を、制御部3が選択する。日時情報が表す日時が最も新しいデータが記憶されているメモリカード13は、ユーザが最も頻繁に使用している可能性が高いので、このようなメモリカード13が着脱可能に接続されるメモリカードアダプタ12を制御部3が選択することによって、ユーザが最もアクセスしたいと思われるメモリカード13からデータをすぐに読出すことができ、これによって利便性を向上させることができる。
【0119】
制御部3は、DCF規格に基づくディレクトリ階層構造を有するようにファイル化されたデータが記憶されたメモリカード13が着脱可能に接続されたメモリカードアダプタ12を選択する。DCF規格に基づくディレクトリ階層構造を有するようにファイル化されたデータは、言い換えればデジタルカメラで撮像して得られる画像データを表す。このような画像データは、出力部9である表示装置によって表示させることが望まれることが多く、またデジタルカメラ装置では、DCF規格に基づいて画像データをメモリカード13に記憶させるので、このようなディレクトリ階層構造のデータを記憶したメモリカードを着脱可能に接続するメモリカードアダプタ12を選択することによって、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0120】
図9は、本発明のさらに他の実施の形態の情報処理装置50の構成を示すブロック図である。情報処理装置50は、いわゆるファクシミリ装置であって、前述した各実施の形態の情報処理装置1,30と同様な構成であり、前述した情報処理装置30において、カメラ部32を、ファクシミリ通信部51に置き換えた構成であるので、前述の実施の形態と同様な部分には、同様な参照符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0121】
情報処理装置50は、操作入力部2、制御部3、ROM4、RAM5、CPU6、記憶部7、画像処理部8、出力部9、バス10および画像入力部31を含んで構成される。本実施の形態において、出力部9は、前述した印刷手段と、画像を表示する表示装置と両者を含む。
【0122】
画像入力部31は、ファクシミリ通信部51と、画像読取部52とを含む。ファクシミリ通信部51は、ファクシミリ通信機能を有する。ファクシミリ通信部51は、公衆回線を含む通信回線に接続され、ファクシミリ通信によって通信回線を介して与えられるファクシミリ情報を受信し、また画像読取部52によって読取った画像データを、通信回線を介して、ファクシミリ通信によって送出する。ファクシミリ通信部51によって受信したファクシミリ情報は、制御部3によって、予め定めるファイル形式でファイル化され、予め定めるディレクトリ階層構造で、フラッシュメモリ11またはメモリカード13に、ファクシミリ画像データファイルにとして記憶される。
【0123】
ファクシミリ受信したデータを、フラッシュメモリ11に記憶させるのか、メモリカード13に記憶させるのかは、操作入力部2から与えられる指令情報に基づいて決定される。ユーザは、ファクシミリ受信したデータを、フラッシュメモリ11に記憶させるのか、またはメモリカード13に記憶させるのかを設定情報としてフラッシュメモリ11に予め記憶させておく。制御部3は、フラッシュメモリ11に記憶された設定情報に基づいて、受信したデータを、フラッシュメモリ11およびメモリカード13のうち少なくともいずれか一方に記憶させる。
【0124】
図10は、ファクシミリ受信したデータをメモリカード13に記憶させるときの予め定めるディレクトリ階層構造を表す図である。予め定めるディレクトリ階層構造は、ルートディレクトリ21の下層に、SHFAXディレクトリ55という、情報処理装置50の独自のディレクトリを有する。また、SHFAXディレクトリ55の下層に、イメージディレクトリ56という、情報処理装置50の独自のディレクトリを有する。このイメージディレクトリ56に、複数のファクシミリ画像データファイル57を記憶することができる。
【0125】
本実施の形態の情報処理装置50の制御部3のメモリカードアダプタ12の選択動作は、前述した図8に示す情報処理装置30と同様であるので、その詳細な説明を省略する。前述した情報処理装置30では、予め定めるディレクトリ階層構造は、DCF規格に基づいているが、本実施の形態の情報処理装置50では、予め定めるディレクトリ階層構造は、情報処理装置50の独自のものとしている。したがって制御部3は、メモリカード13に、たとえば、前述したSHFAXディレクトリ55およびイメージディレクトリ56などのディレクトリの名称が記憶され、かつその階層の順番を検出することによって、メモリカード13に予め定めるディレクトリ階層構造でデータが記憶されているか否かを判断する。制御部3は、メモリカード13がそれぞれ接続される複数のメモリカードアダプタ12のうち、制御部3がメモリカード13にデータを記憶させるときに用いられるディレクトリ階層構造を有するメモリカード13が接続されるメモリカードアダプタ12に接続する。制御部3によってメモリカード13にデータを書込むときに作成される予め定めるディレクトリ階層構造を有するということは、前にこのメモリカード13に、情報処理装置50によってデータの書込みを実行した可能性が高く、再度ユーザが利用したい可能性が高いので、制御部3が、このようなメモリカード13が接続されるメモリカードアダプタ12を選択することによって、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0126】
またメモリカード13を着脱することによって、制御部3が、複数のメモリカードアダプタ12のうち、前記メモリカード13が装着された1つのメモリカードアダプタ12を選択する構成とすると、複数のメモリカード13がメモリカードアダプタ12にそれぞれ接続されている場合、ユーザによってメモリカード13を着脱する回数が増加してしまうおそれがあるが、本発明では制御部3がメモリカードアダプタ12を選択するときに、メモリカードアダプタ12からメモリカード13を着脱する必要がない、すなわち複数のメモリカード13を接続したままで使用することができるので、メモリカード13を着脱する操作回数が低減され、これによって利便性が向上する。
【0127】
また制御部3によってメモリカードアダプタ12を選択した後は、アクセス対象のメモリカード13を1つに特定することができ、これによって制御部3の処理負荷を抑制することができる。
【0128】
情報処理装置50は、スキャナ装置としても機能し、画像読取部52で読取った画像データをメモリカード13に記憶させることができる。この場合においても制御部3は、ファクシミリ通信によって受信したデータを記憶させる場合と同様に、情報処理装置1の独自のディレクトリ階層構造で、読取った画像データをメモリカード13に記憶させることができる。
【0129】
また本発明の実施のさらに他の形態における情報処理装置は、テレビジョン受信装置であってもよい。このようなテレビジョン受信装置は、前述した図1に示す情報処理装置1における出力部9を、たとえば液晶表示装置、プラズマ表示装置およびEL(Electro
Luminescence)表示装置などの表示装置とすることによって実現される。このような構成であっても、前述の実施の形態の情報処理装置と同様の効果を得ることができる。このような実施の形態においては、制御部3は、複数のメモリカードアダプタ12のうち、動画像データのデータ形式でデータ記憶されたメモリカード13が着脱可能に接続されるメモリカードアダプタ12を選択する構成としてもよい。
【0130】
さらに前述した各実施の形態において、着脱可能に接続される記憶媒体をメモリカード13によって実現しているが、本発明のさらに他の実施の形態において、着脱可能に接続される記憶媒体は、ハードディスクドライブ装置であってもよい。また、本発明のさらに他の実施の形態において、着脱可能に接続される記憶媒体は、たとえばDVDRAM(
Digital Versatile Disk RAM)およびDVDRなどの光ディスクであってもよい。記憶媒体として、光ディスクを用いる場合には、記憶媒体接続手段として、メモリカードアダプタに代えて、光ピックアップ装置を用いる。
【0131】
また前述した各実施の形態において、制御部3によって複数のメモリカードアダプタ12のうちのいずれか1つのメモリカードアダプタ12が選択されるが、このような構成に加えて、ユーザが操作入力部2によって指令情報を入力することによって、複数のメモリカードアダプタ12のうちのいずれか1つのメモリカードアダプタ12を選択する構成を加えてもよい。制御部3は、操作入力部2から与えられる指令情報に基づいて、複数のメモリカードアダプタ12のうちのいずれか1つのメモリカードアダプタ12を選択する。これによって、メモリカードアダプタ12をユーザが直接選択することもできるようになり、より利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】本発明の実施の一形態の情報処理装置1の構成を示すブロック図である。
【図2】情報処理装置1の制御部3のメモリカードアダプタ12の選択動作を示すフローチャートである。
【図3】DPOFファイルが記憶されるメモリカード13のディレクトリ階層構造を表す図である。
【図4】本発明の実施の他の形態の情報処理装置における制御部3のメモリカードアダプタ12の選択処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の他の形態の情報処理装置30の構成を示すブロック図である。
【図6】DCF規格に基づくディレクトリ階層構造を表す図である。
【図7】DCFのデータ構造を示す図である。
【図8】情報処理装置30の制御部3のメモリカードアダプタ12の選択動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明のさらに他の実施の形態の情報処理装置50の構成を示すブロック図である。
【図10】ファクシミリ受信したデータを記憶させるときに用いられる予め定めるディレクトリ階層構造を表す図である。
【符号の説明】
【0133】
1 ファクシミリ装置
3 制御部
12 メモリカードアダプタ
13 メモリカード
14 ファイル管理ドライバ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを記憶する記憶媒体が、着脱可能に接続される複数の記憶媒体接続手段と、
前記複数の記憶媒体接続手段のうち、少なくとも2つの記憶媒体接続手段に、それぞれ記憶媒体が着脱可能に接続されているとき、記憶媒体が着脱可能に接続されている記憶媒体接続手段のいずれか1つを選択する選択手段と、
選択手段によって選択された記憶媒体接続手段に着脱可能に接続される記憶媒体からデータを、少なくとも読出す記憶媒体制御手段とを含み、
前記選択手段は、記憶媒体接続手段に着脱可能に接続されている各記憶媒体に記憶されているデータの記載形式を検出して、予め定める記載形式でデータが記憶されている記憶媒体が着脱可能に接続される記憶媒体接続手段を選択することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記予め定める記載形式は、予め定めるファイル形式であることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記記憶媒体に予め定める記載形式で記憶されるデータは、日時を表す日時情報を含み、
前記選択手段は、前記複数の記憶媒体のそれぞれに予め定める記載形式でデータが記憶されているとき、前記日時情報に基づいて、前記日時情報が表す日時が最も新しいデータが記憶される記憶媒体が着脱可能に接続される記憶媒体接続手段を選択することを特徴とする請求項1または2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記記憶媒体制御手段によって記憶媒体から読出されたデータに基づいて、記録シートに画像情報を出力する出力手段を含み、
前記記憶媒体に予め定める記載形式で記憶されるデータは、出力手段によって出力されるべき画像情報に関するプリント設定データを含み、
出力手段は、前記プリント設定データに基づいて、画像情報を出力することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記記憶媒体制御手段によって記憶媒体から読出されたデータに基づいて表示する表示手段を含み、
前記予め定める記載形式は、DCF規格に基づくディレクトリ階層構造であることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項6】
データを記憶する記憶媒体が、着脱可能に接続される複数の記憶媒体接続手段と、
前記複数の記憶媒体接続手段のうち、少なくとも2つの記憶媒体接続手段に、それぞれ記憶媒体が着脱可能に接続されているとき、記憶媒体が着脱可能に接続されている記憶媒体接続手段のいずれか1つを選択する選択手段と、
選択手段によって選択された記憶媒体接続手段に、着脱可能に接続される記憶媒体に、予め定めるディレクトリ階層構造を有するようにデータを少なくとも書込む記憶媒体制御手段とを含み、
前記選択手段は、記憶媒体接続手段に着脱可能に接続されている各記憶媒体に記憶されているデータのディレクトリ階層構造を検出して、予め定めるディレクトリ階層構造でデータが記憶されている記憶媒体が着脱可能に接続される記憶媒体接続手段を選択することを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
日時を表す日時情報を含んでファイル化されたデータを記憶する記憶媒体が、着脱可能に接続される複数の記憶媒体接続手段と、
前記複数の記憶媒体接続手段のうち、少なくとも2つの記憶媒体接続手段に、記憶媒体が着脱可能に接続されているとき、記憶媒体が着脱可能に接続されている記憶媒体接続手段のいずれか1つを選択する選択手段と、
選択手段によって選択された記憶媒体接続手段に着脱可能に接続される記憶媒体から、少なくともデータを読出す記憶媒体制御手段とを含み、
前記選択手段は、前記日時情報が表す日時が最も新しいファイルが記憶される記憶媒体が着脱可能に接続される記憶媒体接続手段を選択することを特徴とする情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−92211(P2006−92211A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−276105(P2004−276105)
【出願日】平成16年9月22日(2004.9.22)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】