説明

情報処理装置

【課題】メインの電源供給装置がオフであるときにもロード/イジェクトが可能なように常時電源供給装置を備えた情報処理装置において、電源供給系と制御系とを簡単に構成する。
【解決手段】 スロットローディング機構12にリムーバブルメディア10が挿入されたことを検出可能なメディア検出装置13を有する情報記録再生装置11と、情報記録再生装置11に電源を供給可能な電源供給装置18と、電源供給装置18を制御する電源制御装置19と、常時電源供給装置22によって常時電源が供給されるとともに、スロットローディング機構12にリムーバブルメディア10が挿入されたことを検出した信号をメディア検出装置13から受け取ることによって、電源制御装置19を介して電源供給装置18から情報記録再生装置11に電源を供給させる信号伝達装置20とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置に関し、特に、情報記録再生装置に搭載可能なリムーバブル媒体をロード/イジェクトすることができるロード/イジェクト動作と、情報記録再生装置への電源供給とを制御することが可能な情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
リムーバブル媒体としてのディスク型の情報記憶媒体(以下適宜、「ディスク」と略称する)の交換が可能な、例えばCD−ROMドライブ等の情報記録再生装置は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置において、従来から一般的に使用されている。
【0003】
情報記録再生装置における従来のディスクの交換方法には、大別して2種類がある。第1は機械式方法で、ユーザが機械的にフタあるいは引き出し式のトレイを操作することで引き出し/収納を行うか、またはディスクそれ自体あるいはディスクを収納した保護ケースの掃き出し/取り込みを行うことにより、イジェクトあるいはローディングを行って、ディスクの交換を行う方法である。第2は、スイッチ等の操作により、電子的にフタあるいは引き出し式のトレイによる引き出し/収納動作を行わせるか、またはディスクそれ自体あるいはディスクを収納した保護ケースの掃き出し/取り込みを行わせることにより、イジェクトあるいはローディングを行って、ディスクの交換を行う方法である。
【0004】
現在では、ディスクの回転数の高速化に伴って、ディスク回転中のイジェクトによる事故が想定されるため、少なくとも高速CD−ROMドライブ等は、ディスクの回転が停止してからイジェクトする電子式イジェクトがほとんどである。しかしながら、電子式方法では、情報記憶装置への電源供給中はイジェクトあるいはローディング可能となるが、電源オフ中は、イジェクトおよびローディングができないという不都合がある。
【0005】
特許文献1において提案されている情報処理装置は、記憶装置の電源オフ中にイジェクトボタンあるいはローディングボタンの押下を検出する押下検出装置と、押下検出装置によるボタンの押下検出信号により、電源供給回路をオンにして記憶装置へ電力を供給することでローディング機構を作動させる装置と、電源オフ状態での記憶装置におけるディスクの掃き出しあるいは取り込みの完了を検出してディスク位置検出信号を出力する掃き出し/取り込み完了検出装置とを設けており、ディスク位置検出信号を検出してから電源供給回路がオフされるため、記憶装置の電源オフ中におけるディスク交換を確実に行うことが可能になり、交換不要の間は、完全に電源を切ることができる。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のものは、低消費電力ではあるものの、1個のイジェクトスイッチを押下したことを検出して情報記憶装置をロード/イジェクトするのみである。実際のドライブでは、イジェクトスイッチによるロード/イジェクトの動作のみでなく、たとえばスロットローディング方式の情報記憶装置ではイジェクトスイッチでイジェクト動作を行い、媒体が情報記憶装置内に挿入されたことを検出するスイッチまたはセンサなどの状態変化によりロード動作を開始する。また、光ディスク記録再生装置のローディング方式として一般的なトレイ方式では、イジェクトスイッチによりロード/イジェクト動作を行う以外に、排出されたトレイを装置内部に押し込むことにより、装置内部に設置されたスイッチ装置の状態が変化し、その変化によりロード動作を行うなど、複数のスイッチ装置の論理の変化を検出してそれに対応した動作を行う必要がある。このため、特許文献1に記載のものでは、複数のスイッチの異なる論理に対応することが不可能である。
【0007】
また特許文献1のものでは、装置の電源遮断中のディスクのロード/イジェクト完了を検出して再度電源供給回路をオフにするための検出装置が設けられているが、この回路の電源供給は情報処理装置全体の電源供給回路と共通であるため、スイッチが押下状態になってから解除されるまでの時間が短いと、検出装置の電源がオンになる前にスイッチの押下状態が解除される可能性があり、このため、情報処理装置本体のパワースイッチが押下されたのか、情報記憶装置のロード/イジェクトスイッチが押下されたのか判別することができなくなるという問題もある。
【0008】
このような問題点を解決するため、特許文献2においては、メインの電源供給装置と、このメインの電源供給装置がオフであるときにもロード/イジェクトが可能なように、そのロード/イジェクト動作に必要な最低限度の部分に常時電源を供給する装置とを具備した情報処理装置が提案されている。
【特許文献1】特開平11−149689号公報
【特許文献2】特開2005−222679号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献2に記載のものは、メインの電源供給装置のほかに常時電源供給装置を備えるものであるため、電源供給系と、上記の電源供給装置をコントロールするための制御系とが複雑になってしまう。
【0010】
そこで本発明は、このような課題を解決して、メインの電源供給装置のほかに、このメインの電源供給装置がオフであるときにもロード/イジェクトが可能なように常時電源供給装置を備えた情報処理装置において、電源供給系と、上記の電源供給装置をコントロールするための制御系とを簡単に構成できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的を達成するため本発明は、
リムーバブルメディアを挿入および排出するスロットローディング機構と、このスロットローディング機構にリムーバブルメディアが挿入されたことを検出可能なメディア検出装置とを有する情報記録再生装置と、
前記情報記録再生装置を制御してリムーバブルメディアからのデータ読み込み、あるいはリムーバブルメディアへのデータ書き込みを行う情報機器制御装置と、
前記情報記録再生装置および情報機器制御装置に電源を供給可能な電源供給装置と、
前記電源供給装置を制御する電源制御装置と、
前記電源制御装置に常時電源を供給する常時電源供給装置と、
前記常時電源供給装置によって常時電源が供給されるとともに、前記スロットローディング機構にリムーバブルメディアが挿入されたことを検出した信号をメディア検出装置から受け取ることによって、前記電源制御装置を介して電源供給装置から情報記録再生装置および情報機器制御装置に電源を供給させる信号伝達装置と、
を具備したものである。
【0012】
したがって本発明によれば、情報記録再生装置には、電源供給装置からの電源供給ラインと、情報機器制御装置からの制御ラインと、メディア検出装置と信号伝達装置との間の信号ラインとのみを接続すれば足り、このため、情報記録再生装置を中心としたときの電源供給系や、この電源供給系を制御するための制御系との間の配線を簡単なものとすることができる。
【0013】
本発明によれば、情報記録再生装置が、スロットローディング機構のための駆動回路と、前記スロットローディング機構にリムーバブルメディアが挿入されたことを検出した信号をメディア検出装置から受け取ることによって、電源供給装置から情報記録再生装置に供給される電源を前記駆動回路に供給させる電源供給制御回路と、を具備することが好適である。
【0014】
このような構成であると、情報記録再生装置は、スロットローディング機構にリムーバブルメディアが挿入されたときに、はじめて、スロットローディング機構のための駆動回路に電源を供給可能とすることができる。
【0015】
本発明によれば、メディア検出装置は、スロットローディング機構に対するリムーバブルメディアの挿入排出動作にしたがって開閉されるスイッチにて構成され、信号伝達装置は、常時電源供給装置から前記スイッチに常時電源を供給するものであるとともに、前記スロットローディング機構に対するリムーバブルメディアの挿入排出動作にしたがってスイッチが開閉されることにともなって、電源制御装置への入力レベルを変化させるものであることが好適である。
【0016】
このような構成であると、メディア検出装置を簡単な構成として確実な動作を期待することができる。
本発明によれば、上記において、情報記録再生装置の電源供給制御回路は、スイッチに電気的に接続されるとともに、常時電源供給装置からスイッチに常時供給される電源からの電流が前記情報記録再生装置に流れ込むのを阻止するための電流流れ込み阻止装置を有することが好適である。
【0017】
このような構成であると、スイッチは常時電源供給装置から電源の供給を常時受けた状態で動作するものであるのに対し、情報記録再生装置はスロットローディング機構にリムーバブルメディアが挿入されたことをメディア検出装置が検出したときにはじめて電源供給装置からの電源供給を受けるものであるにもかかわらず、情報記録再生装置に電源が供給されていないときに、この情報記録再生装置に常時電源供給装置からの電流が流れ込むことを確実に阻止できる。
【0018】
本発明によれば、上記において、スイッチで発生するチャタリングにもとづくノイズを除去するためのローパスフィルタを具備することが好適である。
このようなものであると、スイッチで発生するチャタリングによる悪影響およびそれに基く誤動作の発生を防止することができる。
【0019】
本発明によれば、メディア検出装置からの、スロットローディング機構にリムーバブルメディアが挿入されたことの検出信号により、電源制御装置を、電源供給装置から情報記録再生装置および情報機器制御装置に電源を供給させるように動作させた状態とするとともに、この動作状態を、その後にスロットローディング機構からリムーバブルメディアが排出された後も保持させる、動作状態保持装置を具備することが好適である。
【0020】
このような構成であると、別のディスクへの入れ換えを、電源のオンオフを伴うことなしに行うことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によると、情報記録再生装置には、電源供給装置からの電源供給ラインと、情報機器制御装置からの制御ラインと、メディア検出装置と信号伝達装置との間の信号ラインとのみを接続すれば足り、このため、情報記録再生装置を中心としたときの電源供給系や、この電源供給系を制御するための制御系との間の配線を簡単なものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1は、本発明の実施の形態の情報処理装置の概略構成を示す。ここで11は情報記録再生装置で、ディスク状のリムーバルメディア10を挿入および排出可能なスロットローディング機構12と、このスロットローディング機構12にリムーバルメディア10が挿入されたことを検出可能なメディア検出装置13と、スロットローディング機構12を駆動するための駆動回路14と、駆動回路14を制御するためのCPU15と、CPU15への電源の供給を制御するための電源供給制御回路16とを有する。
【0023】
17は情報機器制御装置で、情報記録再生装置11によってリムーバブルメディア10からのデータ読み込み、あるいはリムーバブルメディア10へのデータ書き込みを行うために、この情報記録再生装置11を制御するものである。18は、情報記録再生装置11および情報機器制御装置17へ電源を供給するための電源供給装置、19は、電源供給装置18を制御する電源制御装置である。
【0024】
情報記録再生装置11のメディア検出装置13の出力側には、情報記録再生装置11の外部に設けられた信号伝達装置20が接続され、この信号伝達装置20の出力側に動作状態保持装置21が接続され、この動作状態保持装置21の出力側に電源制御装置19が接続されている。
【0025】
22は常時電源供給装置で、電源供給装置18のオンオフに関係なく、すなわち図示の情報処理装置全体の電源オンオフに関係なく、電源制御装置19と動作状態保持装置21と信号伝達装置20とに、常時電源を供給するものである。
【0026】
23はスイッチ、24は抵抗で、ユーザが図示の情報処理装置全体の電源をオンオフするために用いるものであって、常時電源供給装置22を電源として電源制御装置19にコントロール信号を供給するためのものである。
【0027】
図2は、信号伝達装置20と、メディア検出装置13と、電源供給制御回路16との詳細構造を示す。信号伝達装置20は抵抗26によって構成されており、この抵抗26は、その一端が常時電源供給装置22の出力側に接続されるとともに、その他端が動作状態保持装置21の入力側に接続されている。メディア検出装置13は常閉スイッチにて構成され、その一端が動作状態保持装置21の入力側と電源供給制御装置16とに接続されるとともに、その他端が接地されている。
【0028】
電源供給制御装置16は、電源供給装置18に接続された電源供給部27と、CPU15に接続された出力部28と、メディア検出装置13としてのスイッチに接続された信号入力部29とを備えている。電源供給部27と信号入力部29との間には抵抗31とダイオード32とが直列に接続されており、ダイオード32は、メディア検出装置13から電源供給制御装置16へ向けて電流が流れ込まない方向に接続されている。電源供給部27には抵抗33とエミッタ接地トランジスタ34とが直列に接続されており、出力部28はトランジスタ34のコレクタに接続されている。トランジスタ34のベースは、抵抗35と、ベースに電流が流れ込む方向に配置されたダイオード36とを介して、ダイオード32のアノードに接続されている。ダイオード36は、ダイオード32による電圧降下を補償するために設けられたものである。
【0029】
このような構成において、図示の情報処理装置が稼動していないときには、電源供給装置18はオフであり、情報機器制御装置17および情報記録再生装置11も同様にオフである。ただし、このときであっても、常時電源供給装置22はオンであり、電源制御装置19と動作状体保持装置21と信号伝達装置20とには電源が供給されている。図2において、メディア検出装置13を構成するスイッチは常閉であって接地されているため、常時電源供給装置22から信号伝達装置20の抵抗26に電源が供給されても、動作状態保持装置21の入力はLレベルであり、したがって電源制御装置19の入力もLレベルであって、電源制御装置19は電源供給装置を作動させず、電源供給装置18はオフのままである。
【0030】
スロットローディング機構12にメディア10が挿入されると、たとえばその動きに伴ってメディア検出装置13のスイッチが開かれることで、その挿入が検出される。すると、メディア検出装置13のスイッチが開かれることで、信号伝達装置20の抵抗26を介して動作状態保持装置21の入力がHレベルとなり、これによって電源制御装置19の入力もHとなって、電源供給装置18がオンとなり、情報記録再生装置11と情報機器制御装置17とに電源が供給されて、情報記録再生装置11が動作されることになる。
【0031】
次に電源供給制御回路16の動作について説明する。電源供給装置18がオフのときには電源供給部27に電源が供給されず、したがってCPU15の入力信号も供給されていない。このとき、ダイオード32はメディア検出装置13の常閉スイッチを介して接地されており、ダイオード32による電圧降下を補償するダイオード36を経たトランジスタ34のベースの電位もゼロであるため、このトランジスタ34もオフである。
【0032】
スロットローディング機構12にメディア10が挿入されてメディア検出装置13のスイッチが開くと、信号入力部29は常時電源供給装置22から電源が供給されてHレベルとなるが、ダイオード32が設けられているため、常時電源供給装置22からの電流が電源供給制御回路16に流れ込んで誤動作することが防止される。
【0033】
この状態で、上述のように電源供給装置18がオンとなると、電源供給制御回路16の電源供給部27に電源が供給され、トランジスタ34はダイオード36を介してベースに電流が供給されるためにオンとなり、これに連動してCPU15および駆動回路14を介してスロットローディング機構12を動作させることが可能となる。
【0034】
いま、駆動回路14の動作によってスロットローディング機構12からメディア10が排出されると、メディア検出装置13はメディアを検出しなくなり、具体的にはスイッチが再び閉じた状態となって、動作状態保持装置21の入力はLレベルに戻る。しかし、動作状態保持装置21は、フリップフロップなどの保持回路によって構成されることで、メディア検出装置13の検出状態が変化してもその動作状態が変化せず、具体的には電源制御装置19を介して電源供給装置18をオンの状態に維持し続ける。このため、情報記録再生装置11をオンオフさせずにメディア10を出し入れすることが可能である。なお、スロットローディング機構12からメディア10が排出されると、トランジスタ34はオフとなるため、CPU15により制御される駆動回路14はオフになる。
【0035】
その後に電源スイッチ23を操作することによって、はじめて、電源制御装置19を介して電源供給装置18をオフ状態に変化させることができる。
なお、スイッチ23を操作することにより、スロットローディング機構12にメディア10を挿入しなくても、電源供給装置18をオンとして、同様に情報記録再生装置11をオンとすることができる。これは、装置本来の起動動作である。
【0036】
以上によれば、スロットローディング機構12と、メディア検出装置13と、電源供給制御回路16と、CPU15と、駆動回路14とを備えた情報記録再生装置11には、電源供給装置18からの電源供給ラインと、情報機器制御装置17からの制御ラインと、メディア検出装置13と信号伝達装置20との間の信号ラインとのみを接続すれば足りる。このため、情報記録再生装置11を中心としたときの電源供給系や、この電源供給系を制御するための制御系との間の配線を、簡単なものとすることができる。
【0037】
上述のように、メディア検出装置13はスイッチにて構成されている。このため、チャタリングの発生の可能性がある。このようなチャタリングの発生にもとづくノイズを除去して誤動作の発生を防止するために、図3および図4の回路では、メディア検出装置13と信号伝達装置20との間に、コンデンサ38と抵抗39とによって構成されるローパスフィルタ40を備えている。
【0038】
図5および図6は本発明の他の実施の形態の情報処理装置を示し、ここでは、図1および図2に示されるものと比べて、信号伝達装置20および電源供給制御回路16の構成が相違するとともに、これら信号伝達装置20および電源供給制御回路16とメディア検出装置13との配線の状態が相違する。以下、これらの点について説明する。
【0039】
電源供給制御回路16は、図2に示すものと比べて抵抗31とダイオード32とダイオード36とを有しない構成であるとともに、信号入力部29に抵抗35が直接接続され、かつ電源出力部42を有して、電源入力部27と電源出力部42との間に、電源入力部27から電源出力部42へ電流を流す方向を順方向とするダイオード43が接続されている。
【0040】
信号伝達装置20において、抵抗26の一端すなわち常時電源供給装置22への接続側にはダイオード44のアノードが接続され、この抵抗26の他端すなわち動作状態保持装置21への接続側には、エミッタ接地されたトランジスタ45のコレクタが接続されている。46はトランジスタ45のベース抵抗である。ダイオード43のカソードとダイオード44のカソードはともに抵抗47の一端に接続され、抵抗47の他端はトランジスタ34、45のベース抵抗35、46にそれぞれ接続されている。
【0041】
スイッチにて構成されたメディア検出装置13は、その一端が抵抗47と抵抗35、46との接続部に接続されるとともに、その他端が接地されている。
このような構成において、図示の情報処理装置が稼動していないときには、電源供給装置18はオフであり、情報機器制御装置17および情報記録再生装置11も同様にオフである。ただし、このときであっても、常時電源供給装置22はオンであり、電源制御装置19と動作状体保持装置21と信号伝達装置20とには電源が供給されている。図6において、メディア検出装置13を構成するスイッチは常閉であって接地されているため、常時電源供給装置22から信号伝達装置20の抵抗26と抵抗47に電源が供給されても、トランジスタ45はオフである。このため、動作状態保持装置21の入力はHレベルであり、したがって電源制御装置19は電源供給装置18を作動させず、電源供給装置18はオフのままである。このため、電源供給制御回路16もオフである。このとき、電源供給制御回路16にはダイオード43が設けられているため、この電源供給制御回路16に常時電源供給装置22からの電流が流れ込んで誤動作の原因となることが防止されている。
【0042】
スロットローディング機構12にメディア10が挿入されると、その動きに伴ってメディア検出装置13のスイッチが開かれる。すると、トランジスタ45がオンとなって動作状態保持装置21の入力レベルが変化し、これによって電源制御装置19を介して電源供給装置18がオンとなり、情報記録再生装置11と情報機器制御装置17とに電源が供給されて、情報記録再生装置11が動作されることになる。
【0043】
次に電源供給制御回路16の動作について説明する。電源供給装置18がオフのときには電源供給部27に電源が供給されず、したがってCPU15の入力信号も供給されていない。このとき、上述のようにメディア検出装置13のスイッチが閉じているためトランジスタ34のベースの電位もゼロであり、このトランジスタ34もオフである。
【0044】
スロットローディング機構12にメディア10が挿入されてメディア検出装置13のスイッチが開くと、上述のように電源供給装置18がオンとなって、電源供給制御回路16に電源が供給される。すると同時にトランジスタ34がオンとなって、CPU15および駆動回路14を介してスロットローディング機構12を動作させることが可能となる。このとき、信号伝達装置20にはダイオード44が設けられているため、電源供給装置18からの電流が信号伝達装置20に流れ込んで誤動作の原因となることが防止される。
【0045】
このように、図5および図6に示す装置においては、メディア検出装置13を備えた情報記録再生装置11と信号伝達装置20との間に2本のラインを設置するだけでよく、先の場合と同様に簡単な配線構造で装置を構成することができる。
【0046】
図7は、本発明にもとづく情報処理装置であるが動作状態保持装置21を備えないものの構成を示す。この装置の場合は、メディア検出装置13のオンオフ状態に合わせて電源供給装置18のオンオフ状態も変化することになる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の情報処理装置は、情報記録再生装置に、電源供給装置からの電源供給ラインと、情報機器制御装置からの制御ラインと、メディア検出装置と信号伝達装置との間の信号ラインとのみを接続すれば足り、これによって、情報記録再生装置を中心としたときの電源供給系や、この電源供給系を制御するための制御系との間の配線を簡単なものとすることができるというものであり、このため、情報記録再生装置に搭載可能なリムーバブル媒体をロード/イジェクトすることができるロード/イジェクト動作と、情報記録再生装置への電源供給とを制御することが可能な情報処理装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施の形態の情報処理装置の構成を示す図
【図2】図1における要部の詳細な構成を示す図
【図3】図2に示す部分の変形例を示す図
【図4】図2に示す部分の他の変形例を示す図
【図5】本発明の他の実施の形態の情報処理装置の構成を示す図
【図6】図5における要部の詳細な構成を示す図
【図7】本発明のさらに他の実施の形態の情報処理装置の構成を示す図
【符号の説明】
【0049】
10 リムーバブルメディア
11 情報記録再生装置
12 スロットローディング機構
13 メディア検出装置
17 情報機器制御装置
18 電源供給装置
20 信号伝達装置
22 常時電源供給装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リムーバブルメディアを挿入および排出するスロットローディング機構と、このスロットローディング機構にリムーバブルメディアが挿入されたことを検出可能なメディア検出装置とを有する情報記録再生装置と、
前記情報記録再生装置を制御してリムーバブルメディアからのデータ読み込み、あるいはリムーバブルメディアへのデータ書き込みを行う情報機器制御装置と、
前記情報記録再生装置および情報機器制御装置に電源を供給可能な電源供給装置と、
前記電源供給装置を制御する電源制御装置と、
前記電源制御装置に常時電源を供給する常時電源供給装置と、
前記常時電源供給装置によって常時電源が供給されるとともに、前記スロットローディング機構にリムーバブルメディアが挿入されたことを検出した信号をメディア検出装置から受け取ることによって、前記電源制御装置を介して電源供給装置から情報記録再生装置および情報機器制御装置に電源を供給させる信号伝達装置と、
を具備することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
情報記録再生装置は、
スロットローディング機構のための駆動回路と、
前記スロットローディング機構にリムーバブルメディアが挿入されたことを検出した信号をメディア検出装置から受け取ることによって、電源供給装置から情報記録再生装置に供給される電源を前記駆動回路に供給させる電源供給制御回路と、
を具備することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
メディア検出装置は、スロットローディング機構に対するリムーバブルメディアの挿入排出動作にしたがって開閉されるスイッチにて構成され、
信号伝達装置は、常時電源供給装置から前記スイッチに常時電源を供給するものであるとともに、前記スロットローディング機構に対するリムーバブルメディアの挿入排出動作にしたがってスイッチが開閉されることにともなって、電源制御装置への入力レベルを変化させるものである、
ことを特徴とする請求項1または2記載の情報処理装置。
【請求項4】
情報記録再生装置の電源供給制御回路は、スイッチに電気的に接続されるとともに、常時電源供給装置からスイッチに常時供給される電源からの電流が前記情報記録再生装置に流れ込むのを阻止するための電流流れ込み阻止装置を有することを特徴とする請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
スイッチで発生するチャタリングにもとづくノイズを除去するためのローパスフィルタを具備することを特徴とする請求項3または4記載の情報処理装置。
【請求項6】
メディア検出装置からの、スロットローディング機構にリムーバブルメディアが挿入されたことの検出信号により、電源制御装置を、電源供給装置から情報記録再生装置および情報機器制御装置に電源を供給させるように動作させた状態とするとともに、この動作状態を、その後にスロットローディング機構からリムーバブルメディアが排出された後も保持させる、動作状態保持装置を具備することを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項記載の情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−157292(P2007−157292A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−354198(P2005−354198)
【出願日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】