説明

情報処理装置

【課題】 省電力モードに切換えるためのハードウエアを用いなくても、省電力モードで動作させることができる情報処理装置を提供する。
【解決手段】 RAM31は、パワーダウンモード時にキャッシュメモリ12に記憶されて実行される小容量のパワーダウンモードプログラム33を記憶している。CPU11は、ノーマルモードからパワーダウンモードに切換える際に、RAM31からパワーダウンモードプログラム33を、キャッシュメモリ12にダウンロードし、小容量で閉じたプログラムを実行する。パワーダウンモードプログラム33は、RAM31をセルフリフレッシュモードに戻すために、予め定める時間以内に実行されるように配置されたセルフリフレッシュコマンドを含む。RAM31へのアクセスが発生して、RAM31がノーマルモードに切換わっても、セルフリフレッシュコマンドが実行されるので、セルフリフレッシュモードに戻すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、省電力モードを有する情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理装置、たとえばファクシミリ装置、ファクシミリ複合機、携帯情報端末、あるいはパーソナルコンピュータなどの情報処理装置は、高機能化に伴い、機能を実現するための多くの回路と、これらの回路を高速に制御するためのCPU(Central Processing
Unit)およびメモリとを含むので、消費電力が増大する傾向にある。消費電力を低く抑えるために、ユーザが情報処理装置を暫くの間操作しなかったときなどに、消費電力を少なくした省電力モードに切換えることができる情報処理装置がある。
【0003】
通常の動作モードを省電力モードに切換えて消費電力を低減することができる従来の技術として、省電力回路を用いるものがある。この省電力回路は、携帯情報端末で用いられるものであり、この携帯情報端末は、通常の動作モードでは、ROM(Read Only Memory)に書き込まれている第1のプログラムで動作し、ROMおよび所定の回路に電力が供給されている。省電力モードに切換えるとき、省電力回路は、ROMに書き込まれている第2のプログラムを、CPUに内蔵されるメモリにコピーし、コピー後、CPUの処理をメモリにコピーされた第2のプログラムに切換えるとともに、ROMおよび所定の回路に供給される電力をスイッチ素子によってオフにする。CPUに内蔵されるメモリは、通常の動作モードでは、全領域がキャッシュとして使用され、省電力モードでは、ハードウエアによる専用レジスタによって、CPUに内蔵されるメモリの半分の領域が第2のプログラムを記憶するためのRAM(Random Access Memory)として使用され、残りの半分の領域がキャッシュとして使用される(たとえば特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2000−105639号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の技術は、CPUに内蔵されるメモリの半分の領域にプログラムを記憶させるよう切換えるために、ハードウエアによる専用レジスタが必要であり、さらにROMおよび所定の回路への電力の供給をオフにするためのスイッチ素子が必要であるという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、省電力モードに切換えるためのハードウエアを用いなくても、省電力モードで動作させることができる情報処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、情報を入力または出力する入出力部と
入出力部を制御する入出力制御部と、
プログラムを含む情報を記憶する第1の記憶部であって、記憶された情報を書き込みまたは読み出すための通常モードと、電力の消費量が少ない待機モードとを有する第1の記憶部と、
第1の記憶部を制御する記憶制御部と、
情報を記憶する記憶容量が第1の記憶部の記憶容量よりも少なく、かつプログラムの実行を高速に行うための第2の記憶部と、
第1の記憶部または第2の記憶部に記憶されたプログラムを実行することによって、入出力制御部および記憶制御部を制御するCPU部とを含み、
CPU部は、第1の記憶部に記憶されたプログラムを実行しているときに、装置の電力の消費量を小さくして動作する省電力モードにするための予め定める条件が成立したことを検出すると、第1の記憶部に記憶されたプログラムのうちで予め定めるプログラムを第1の記憶部から読み出して、第2の記憶部に書き込み、記憶制御部によって第1の記憶部を待機モードにするとともに、第2の記憶部に書き込まれたプログラムを実行することを特徴とする情報処理装置である。
【0008】
本発明に従えば、入出力部によって、情報が入力または出力され、入出力制御部によって、入出力部が制御され、記憶された情報を書き込みまたは読み出すための通常モードと、電力の消費量が少ない待機モードとを有する第1の記憶部によって、プログラムを含む情報が記憶され、記憶制御部によって、第1の記憶部が制御され、情報を記憶する記憶容量が第1の記憶部の記憶容量よりも少ない第2の記憶部によって、プログラムの実行が高速に行われる。
【0009】
さらに、CPU部によって、第1の記憶部または第2の記憶部に記憶されたプログラムが実行されることによって、入出力制御部および記憶制御部が制御され、第1の記憶部に記憶されたプログラムを実行しているときに、装置の電力の消費量を小さくして動作する省電力モードにするための予め定める条件が成立したことが検出されると、第1の記憶部に記憶されたプログラムのうちで予め定めるプログラムが第1の記憶部から読み出されて、第2の記憶部に書き込まれ、記憶制御部によって第1の記憶部が待機モードにされるとともに、第2の記憶部に書き込まれたプログラムが実行される。
【0010】
このように、CPU部は、省電力モードにするための予め定める条件が成立したことを検出すると、第1の記憶部に記憶されたプログラムのうちで予め定めるプログラムを第1の記憶部から読み出して、第2の記憶部に書き込み、記憶制御部によって第1の記憶部を待機モードにするとともに、第2の記憶部に記憶されたプログラムを実行するので、第1の記憶部を待機モードに切換えるため、および第2の記憶部に記憶されたプログラムを実行するための新たなハードウエアを必要とせずに、第1の記憶部の消費電力を低減することができる。
【0011】
また本発明は、情報を入力または出力する入出力部と
入出力部を制御する入出力制御部と、
プログラムを含む情報を記憶する記憶部と、
記憶部を制御する記憶制御部と、
記憶部に記憶されたプログラムを実行することによって、入出力制御部および記憶制御部を制御するCPU部と、
クロックを発生する発振部と、
発振部からのクロックを逓倍し、CPU部からの指示によってクロックを逓倍する動作を停止する逓倍回路部と、
発振部からのクロックまたは逓倍回路部からのクロックのいずれかをCPU部からの指示によって選択し、選択されたクロックをCPU部、記憶制御部、および入出力制御部に供給するクロック選択回路部とを含み、
CPU部は、装置の電力の消費を小さくして動作する省電力モードにするための予め定める条件が成立したことを検出すると、クロック選択回路部によって、CPU部、記憶部制御部、および入出力制御部に供給するクロックを、逓倍回路部からのクロックから、発振部からのクロックに切換えた後、逓倍回路部の動作を停止することを特徴とする情報処理装置である。
【0012】
本発明に従えば、まず、入出力部によって、情報が入力または出力され、入出力制御部によって、入出力部が制御され、記憶部によって、プログラムを含む情報が記憶され、記憶制御部によって、記憶部が制御され、CPU部によって、記憶部に記憶されたプログラムが実行されることによって、入出力制御部および記憶制御部が制御される。
【0013】
次に、発振部によって、クロックが発生され、逓倍回路部によって、発振部からのクロックが逓倍され、CPU部からの指示によってクロックを逓倍する動作が停止され、クロック選択回路部によって、発振部からのクロックまたは逓倍回路部からのクロックのいずれかが、CPU部からの指示によって選択され、選択されたクロックがCPU部、記憶制御部、および入出力制御部に供給される。
【0014】
さらに、CPU部によって、装置の電力の消費を小さくして動作する省電力モードにするための予め定める条件が成立したことが検出されると、クロック選択回路部によって、CPU部、記憶部制御部、および入出力制御部に供給するクロックが、逓倍回路部からのクロックから、発振部からのクロックに切換えられた後、逓倍回路部の動作が停止される。
【0015】
このように、発振部からのクロックまたは逓倍回路部からのクロックのいずれかをCPU部からの指示によって選択するクロック選択回路部を有し、省電力モードでは、クロック選択回路部によって、発振部からのクロックに切換えた後、逓倍回路部の動作を停止するので、逓倍回路部の消費電力を低減し、さらにクロックが低速になるので、CPU部、記憶部制御部、および入出力制御部の消費電力も低減することができる。
【0016】
また本発明は、クロックを発生する発振部と、
発振部からのクロックを逓倍し、前記CPU部からの指示によってクロックを逓倍する動作を停止する逓倍回路部と、
発振部からのクロックまたは逓倍回路部からのクロックのいずれかを前記CPU部からの指示によって選択し、選択されたクロックを前記CPU部、記憶制御部、および入出力制御部に供給するクロック選択回路部とをさらに含み、
前記CPU部は、前記記憶制御部によって第1の記憶部を待機モードにする前に、クロック選択回路部によって、前記CPU部、記憶部制御部、および入出力制御部に供給するクロックを、逓倍回路部からのクロックから、発振部からのクロックに切換え、さらに逓倍回路部の動作を停止することを特徴とする。
【0017】
本発明に従えば、発振部からのクロックまたは逓倍回路部からのクロックのいずれかをCPU部からの指示によって選択するクロック選択回路部をさらに有し、省電力モードでは、クロック選択回路部によって、発振部からのクロックに切換えた後、逓倍回路部の動作を停止するので、逓倍回路部の消費電力も低減することができる。
【0018】
また本発明は、前記予め定めるプログラムは、第1の記憶部を待機モードに切換えるための切換命令であって、予め定める時間間隔以内に実行されるように配置された切換命令を含み、
前記CPU部が第2の記憶部に記憶された前記予め定めるプログラムを実行中に、第1の記憶部に記憶されたプログラムの実行要求が発生すると、前記記憶制御部は、第1の記憶部を待機モードから通常モードに切換え、前記CPU部は、実行要求があった第1の記憶部に記憶されたプログラムを実行した後、再び第2の記憶部に記憶されたプログラムを実行し、前記予め定めるプログラムに含まれる切換命令を実行することによって、第1の記憶部を通常モードから待機モードに切換えることを特徴とする。
【0019】
本発明に従えば、予め定めるプログラムは、予め定める時間以内に実行されるように配置された切換命令を含むので、第1の記憶部へのアクセスが発生して、第1の記憶部が通常モードに切換わっても、予め定める時間以内に第1の記憶部を待機モードに戻すことができる。
【0020】
また本発明は、前記入出力制御部は、前記入出力部を制御するためのプログラムを記憶する第3の記憶部を含む第2の入出力制御部を含み、
第1の記憶部は、前記発振部からのクロックで動作する省電力制御部用プログラムを含み、
前記CPU部は、前記クロック選択回路部によってクロックを切換える前に、第1の記憶部から省電力制御部用プログラムを読み出して、第2の入出力制御部の第3の記憶部に書き込み、書き込んだ省電力制御部用プログラムを実行させることを特徴とする。
【0021】
本発明に従えば、第2の入出力制御部は、それぞれ第3の記憶部を含み、省電力モード時は、省電力制御部用プログラムが第3の記憶部にロードされて実行されるので、クロックが低速のクロックに切換えられても、省電力モードに移行させた入出力部を制御することができる。
【0022】
また本発明は、前記CPU部は、前記入出力部が、電力の消費量を小さくして動作する省電力モードを有する場合、第2の記憶部に記憶されたプログラムを実行する前に、前記入出制御部によって前記入出力部を省電力モードに切換えることを特徴とする。
【0023】
本発明に従えば、各入出力部が、それぞれの電力の消費量を小さくして動作する省電力モードを有する場合、第2の記憶部に記憶したプログラムを実行する前に、各入出制御部によって、各入出力部を省電力モードに切換えるので、各入出力部の消費電力を低減することができる。
【0024】
また本発明は、前記予め定めるプログラムは、装置に対する処理要求を前記入出力制御部が検出したか否かを監視するプログラムを含むことを特徴とする。
【0025】
本発明に従えば、予め定めるプログラムは、装置に対する処理要求を各入出力制御部が検出したか否かを監視するプログラムを含むので、装置に対する処理要求が発生すると、通常モードに戻すことができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、第1の記憶部を待機モードに切換えるため、および第2の記憶部に記憶されたプログラムを実行するための新たなハードウエアを必要とせずに、第1の記憶部の消費電力を低減することができるので、省電力モードに切換えるためのハードウエアを用いなくても、省電力モードで動作させることができる。
【0027】
また本発明によれば、逓倍回路部の動作を停止することによって、逓倍回路部の消費電力を低減し、さらにクロックを低速にすることによって、CPU部、記憶部制御部、および入出力制御部の消費電力も低減することができるので、省電力モードに切換えるためのハードウエアを用いなくても、省電力モードで動作させることができる。
【0028】
また本発明によれば、逓倍回路部の動作を停止することによって、逓倍回路部の消費電力を低減することができるので、省電力モードに切換えるためのハードウエアを用いなくても、より消費電力を低減した省電力モードで動作させることができる。
【0029】
また本発明によれば、第1の記憶部へのアクセスが発生して、第1の記憶部が通常モードに切換わっても、予め定める時間以内に第1の記憶部を待機モードに戻すことができるので、省電力モードで動作中に、第1の記憶部のプログラムが実行されることによる消費電流の増加を低減することができる。
【0030】
また本発明によれば、クロックが低速のクロックに切換えられても、省電力モードに移行させた入出力部を制御することができるので、より消費電力を低減した省電力モードで動作させることができる。
【0031】
また本発明によれば、各入出力部の消費電力を低減することができるので、より消費電力を低減した省電力モードで動作させることができる。
【0032】
また本発明によれば、装置に対する処理要求が発生すると、通常モードに戻すことができるので、ユーザを待たせることなく、情報処理装置をユーザにご利用頂くことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
図1は、本発明の実施の一形態であるファクシミリ装置1の構成を示すブロック図である。情報処理装置であるファクシミリ装置1は、メイン制御部10、RAM(Random
Access Memory)31、メモリ32、コードレス電話部41、読取記録部42、LCD(
Liquid Crystal Display)表示部43、パネル部等44、およびデータバス50を含む。
【0034】
メイン制御部10は、システム全体つまりファクシミリ装置1全体を制御し、CPU(Central Processing Unit)11、キャッシュメモリ12、RAMコントローラ13、ROM(Read Only Memory)コントローラ14、周辺IO(Input Output)制御部CH(
Channel)A15、周辺IO制御部CHB16、周辺IO制御部CHC17、周辺GPIO(General Purpose Input Output)制御部18、PLL(Phase Locked Loop)回路部19、クロック選択回路部20、および発振部21を含む。
【0035】
ファクシミリ装置1は、消費電力を低減しない通常の動作モード(以下ノーマルモードという)および消費電力を低減した省電力モード(以下パワーダウンモードという)の2つのモードを含み、いずれかのモードで動作する。CPU11は、クロック選択回路部20から供給されるクロックによって駆動される。ノーマルモードではRAM31に記憶されているプログラムを、そしてパワーダウンモードではキャッシュメモリ12に記憶されているプログラムを実行することによって、PLL回路部19およびクロック選択回路部20を制御するとともに、データバス50を介して、RAMコントローラ13、ROMコントローラ14、周辺IO制御部CHA15、周辺IO制御部CHB16、周辺IO制御部CHC17、および周辺GPIO制御部18を制御する。
【0036】
第2の記憶部であるキャッシュメモリ12は、命令キャッシュおよびデータキャッシュとして動作させることによって、プログラムの実行速度を高速に行うことができる一般的なキャッシュメモリであり、たとえばSRAM(Static Random Access Memory)などの半導体メモリで構成される。パワーダウンモードでは、ファクシミリ装置1をパワーダウンモードで動作させるためのパワーダウンモードプログラムを記憶する。パワーダウンモードプログラムは、ノーマルモードからパワーダウンモードに移行する際に、RAM31からダウンロードされる。
【0037】
記憶制御部であるRAMコントローラ13は、記憶部または第1の記憶部であるRAM31を制御するコントローラであり、RAM31へのプログラムおよびデータの書き込み、およびRAM31からのプログラムおよびデータの読み出しを制御する。さらにCPU11からの指示で、RAM31の制御をパワーダウンモードへ移行させることによって、RAM31をセルフリフレッシュモード、つまりRAM31の消費電力を低減した待機モードに切換え、およびセルフリフレッシュモードで動作中に、RAM31の領域に記憶されているプログラム、たとえば関数のプログラムにアクセスがあったとき、RAM31の制御をノーマルモードへ移行させて、RAM31をセルフリフレッシュモードからノーマルモードに切換え、RAM31に記憶されているプログラムの実行を可能にする。
【0038】
ROMコントローラ14は、メモリ32を制御するコントローラであり、ファクシミリ装置1の電源が投入されたときに、メモリ32に記憶されているプログラムおよび予め設定されているデータなどの情報を読み出し、RAM31に転送する。
【0039】
周辺IO制御部CHA15〜周辺IO制御部CHC17は、それぞれコードレス電話部41、読取記録部42、およびLCD表示部43を制御する制御部であり、それぞれ図示しないCPUおよび第3の記憶部であるRAMを内蔵し、各RAMは各CPUで実行されるプログラムを記憶する。RAMに記憶されるプログラムは、ノーマルモードで実行されるプログラムと、パワーダウンモードで実行される省電力制御部用プラグラムとがあり、動作するモードに応じて、RAM31からロードされる。周辺GPIO制御部18は、CPU11で実行されるプログラムの指示によって、汎用のインタフェースに接続される装置、たとえばパネル部等44を制御する。
【0040】
PLL回路部19は、発振部21からのクロックを逓倍する回路であり、たとえば発振部21からのクロック12MHzを逓倍して、120MHzのクロックにする。パワーダウンモードでは、CPU11からの指示によって、PLL回路部19は動作を停止する。PLL回路部19は、クロックを逓倍するために多くの電力を消費するが、その動作を停止させることによって、消費電量を低減することができる。
【0041】
クロック選択回路部20は、CPU11からの指示によって、発振部21からのクロックおよびPLL回路部19からのクロックのうちのいずれかを選択し、選択したクロックをCPU11、RAMコントローラ13、ROMコントローラ14、周辺IO制御部CHA15、周辺IO制御部CHB16、周辺IO制御部CHC17、および周辺GPIO制御部18に供給する。RAMコントローラ13は、供給されたクロックをRAM31に供給する。ノーマルモードでは、PLL回路部19からのクロックが選択され、パワーダウンモードでは、発振部21からのクロックが選択される。発振部21は、たとえば水晶発振子によって構成され、12MHzのクロックを出力する。12MHzのクロックのデューティを均一に保つことが困難な場合は、分周である6MHzのクロックを用いてもよい。
【0042】
このように、発振部21からのクロックまたは逓倍回路部であるPLL回路部19からのクロックのいずれかをCPU部であるCPU11からの指示によって選択するクロック選択回路部20を有し、パワーダウンモードつまり省電力モードでは、クロック選択回路部20によって、発振部21からのクロックに切換えた後、逓倍回路部の動作を停止するので、逓倍回路部の消費電力を低減し、さらにクロックが低速になるので、CPU部、記憶部制御部、および入出力制御部の消費電力も低減することができる。したがって、省電力モードに切換えるためのハードウエアを用いなくても、省電力モードで動作させることができる。
【0043】
RAM31は、外部から供給されるクロックに同期して書き込みおよび読み出しを行うことができるメモリであり、たとえばSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)で構成される。CPU11で実行されるプログラム、キャッシュメモリ12にロードするためのプログラム、周辺IO制御部CHA15〜周辺IO制御部CHC17にロードするためのプログラム、およびCPU11で処理されるデータなどを記憶する。これらのプログラムおよび一部のデータは、ファクシミリ装置1の電源が投入されたときに、メモリ32から転送される。
【0044】
RAM31は、外部から供給されるクロックに同期して書き込みおよび読み出しを行うノーマルモードと、内部のクロックによってメモリのリフレッシュのみ行い、少ない消費電力で動作するセルフリフレッシュモードを有し、ノーマルモードとセルフリフレッシュモードとを切換えるための切換制御が設けられている。RAMコントローラ13は、この切換制御を実行することによって、RAM31のモードを切換える。
【0045】
メモリ32は、ファクシミリ装置1の電源が切断された状態でも、プログラムおよび予め設定されているデータを記憶するためのメモリであり、たとえばフラッシュメモリで構成される。ファクシミリ装置1の電源が投入されると、ROMコントローラ14によって、記憶しているプログラムおよび予め設定されているデータがRAM31に転送される。
【0046】
コードレス電話部41は、たとえば通話を行うためのコードレスの電話機であり、周辺IO制御部CHA15によって制御される。読取記録部42は、たとえば原稿を読み取るためのスキャナおよび受信したデータを出力するためのプリンタを含み、周辺IO制御部CHB16によって制御される。LCD表示部43は、たとえば液晶ディスプレイなどで構成され、周辺IO制御部CHC17によって制御される。
【0047】
パネル部等44は、たとえばユーザが操作するキーなどを含むパネル部、ネットワークとの接続を制御するNCU(Network Control Unit)、原稿が挿入されたことを検出するためのペーパーセンサなどを有するメカ制御部などを含み、周辺GPIO制御部18を介して、CPU11によって制御される。
【0048】
図2は、図1に示したキャッシュメモリ12とRAM31との関係を示す。キャッシュメモリ12は、パワーダウンを目的として設計されているものではなく、CPU11を高速動作させることを目的として設計されている一般的なキャッシュメモリであり、その記憶容量は小さい。キャッシュメモリ12の記憶容量は、たとえばRAM31の容量64Mバイトに比べると桁違いに少なく、8Kバイト程度の容量であり、データキャッシュ領域12aが4Kバイト程度および命令キャッシュ領域12bが4Kバイト程度である。
【0049】
RAM31は、パワーダウンモード時にキャッシュメモリ12に記憶されて、実行されるパワーダウンモードプログラム33を記憶している。ノーマルモードからパワーダウンモードに切換える際に、CPU11が、RAM31からパワーダウンモードプログラム33を読み出して、キャッシュメモリ12に書き込む。パワーダウンモードプログラム33は、キャッシュメモリ12に入る容量、たとえば4Kバイト程度の容量である。
【0050】
パワーダウンモードプログラム33が、キャッシュメモリ12だけで動作可能な小容量のプログラムで、キャッシュメモリ12で閉じたプログラムの場合は、命令キャッシュ領域12bおよびデータキャッシュ領域12aのキャッシュメモリ12内だけで動作する。つまりRAM31に記憶されたプログラムと独立して実行することができるプログラムの場合は、パワーダウンモードプログラム33が実行されているときに、RAM31にアクセスされることはない。
【0051】
しかしながら、RAM31は、RAM31へのアクセスを禁止するモードを持っていないので、キャッシュメモリ12内のプログラムだけで動作することが保障されていない。したがって、パワーダウンモードプログラム33が、キャッシュメモリ12に記憶されたプログラムだけで閉じたプログラムではない場合は、キャッシュメモリ12に記憶されているプログラムにヒットしないと、たとえばRAM31に記憶されている関数などが用いられ、RAM31に記憶されているOPコードがフェッチされると、RAM31へのアクセスが発生する。RAM31へのアクセスが発生すると、RAMコントローラ13によって、RAM31はセルフリフレッシュモードからノーマルモードに切換えられ、RAM31へのアクセスはノーマルモードで行われる。
【0052】
パワーダウンモードプログラム33は、RAM31をセルフリフレッシュモードつまり待機モードに戻すために、パワーダウンモードプログラム33内に、セルフリフレッシュコマンドが予め定める時間以内に実行されるように配置されている。したがって、RAM31へのアクセスが発生して、RAM31がノーマルモードに切換わっても、パワーダウンモードプログラム33に含まれるセルフリフレッシュコマンドが実行されるので、RAM31をセルフリフレッシュモードに戻すことができる。
【0053】
このように、CPU部たとえばCPU11は、省電力モードにするための予め定める条件が成立したことを検出すると、第1の記憶部たとえばRAM31に記憶されたプログラムのうちで予め定めるプログラムを第1の記憶部から読み出して、第2の記憶部たとえばキャッシュメモリ12に書き込み、記憶制御部たとえばRAMコントローラ13によって、第1の記憶部をセルフリフレッシュモードつまり待機モードにするとともに、第2の記憶部に記憶したプログラムを実行するので、第1の記憶部を待機モードに切換えるため、および第2の記憶部に記憶されたプログラムを実行するための新たなハードウエアを必要とせずに、第1の記憶部の消費電力を低減することができる。したがって、省電力モードに切換えるためのハードウエアを用いなくても、省電力モードで動作させることができる。
【0054】
さらに発振部21からのクロックまたは逓倍回路部であるPLL回路部19からのクロックのいずれかをCPU部からの指示によって選択するクロック選択回路部20を有し、パワーダウンモードつまり省電力モードでは、クロック選択回路部20によって、発振部21からのクロックに切換えた後、逓倍回路部の動作を停止するので、逓倍回路部の消費電力も低減することができる。したがって、省電力モードに切換えるためのハードウエアを用いなくても、より消費電力を低減した省電力モードで動作させることができる。
【0055】
図3は、図1に示したファクシミリ装置1をパワーダウンモードに切換える処理を示すフローチャートである。ユーザによるパネル部のキー操作、電話あるいはファクシミリの受信、子機の呼び出し、あるいは原稿がセットされるなどのメカ制御の状態変化が、予め定める時間以上発生しないとき、ノーマルモードをパワーダウンモードに切換えるために、ステップA1に移る。RAM31は、ファクシミリ装置1を、ノーマルモードからパワーダウンモードに切換えるプログラムを含み、そのプログラムが実行される。
【0056】
ステップA1では、CPU11は、RAM31からパワーダウンモードプログラム33をダウンロードつまり読み出し、キャッシュメモリ12に書き込む。
【0057】
ステップA2では、周辺部をノーマルモードからパワーダウンモードに移行させる。周辺部は、周辺IO制御部CHA15〜周辺IO制御部CHC17、周辺GPIO制御部18、RAM31、メモリ32、コードレス電話部41、読取記録部42、LCD表示部43、およびパネル部等44を含む。
【0058】
具体的には、CPU11は、周辺IO制御部CHA15〜周辺IO制御部CHC17の各RAMに、発振部21からのクロックによってパワーダウンモードで動作するそれぞれの省電力制御部用プログラムを、RAM31からダウンロードする。周辺IO制御部CHA15は、パワーダウンモードでは、コードレス電話部41の状態変化を監視する。周辺IO制御部CHB16および周辺IO制御部CHC17は、読取記録部42およびLCD表示部43がパワーダウンモード時は動作しないので、読取記録部42およびLCD表示部43を監視する必要がなく、ともにアイドル状態となる。
【0059】
パネル部等44は、パワーダウンモード時に、ウェークアップ要因、つまりファクシミリ装置1をノーマルモードに変化させる要因となる事象が発生するので、CPU11は、キャッシュメモリ12にダウンロードされたパワーダウンモードプログラム33を実行することによって、周辺GPIO制御部18を介して、パネル部等44でのウェークアップ要因の発生を監視する。ウェークアップ要因としては、たとえばパネル部からはキー押下、NCUからは電話呼び出し、およびメカ制御部からはコピー用紙のセットなどが、周辺GPIO制御部18を介して、CPU11に通知される。これらのウェークアップ要因が通知されると、後述するように、CPU11は、ファクシミリ装置1をパワーダウンモードからノーマルモードに切換える。
【0060】
このように、予め定めるプログラムたとえばパワーダウンモードプログラム33は、装置つまりファクシミリ装置1に対する処理要求つまりウェークアップ要因を各入出力制御部たとえば周辺IO制御部CHA15〜周辺IO制御部CHC17、および周辺GPIO制御部18が検出したか否かを監視するプログラムを含むので、装置に対する処理要求が発生すると、ノーマルモードつまり通常モードに戻すことができる。したがって、ユーザを待たせることなく、情報処理装置たとえばファクシミリ装置1をユーザにご利用頂くことができる。
【0061】
パワーダウンモードに移行する際、コードレス電話部41は周辺IO制御部CHA15によって、読取記録部42は周辺IO制御部CHB16によって、LCD表示部43は周辺IO制御部CHC17によって、パネル部等44は周辺GPIO制御部18を介してCPU11によって、パワーダウンモードに切換えられる。読取記録部42は、たとえばスキャナの電源およびプリンタのサーマルヘッド部の電源がオフにされ、LCD表示部43は液晶ディスプレイなどの表示を消し、同様にコードレス電話部41、およびパネル部等44もそれぞれパワーダウンモードに移行する。さらにROMコントローラ14によって、メモリ32をパワーダウンモードに切換え、あるいはパワーダウンモードのない場合はメモリ32へのアクセスを抑止する。
【0062】
ステップA3では、CPU11は、クロック選択回路20によって、PLL回路部19からのクロックを、発振部21からのクロックに切換え、PLL回路部19の動作を停止した後、RAMコントローラ13によってRAM31をセルフリフレッシュモードにするとともに、CPU11が実行するプログラムを、RAM31に記憶されているプログラムから、キャッシュメモリ12にダウンロードされたパワーダウンモードプログラム33に切換えて終了する。
【0063】
図4は、図2に示したRAM31のパワーダウンモード中の動作を示すタイムチャートである。パワーダウンモード中は、CPU11は、キャッシュメモリ12にダウンロードされたパワーダウンモードプログラム33を実行するが、たとえば関数などが用いられ、RAM31に記憶されているOPコードがフェッチされると、RAM31へのアクセスが発生する。RAM31へのアクセスが発生すると、RAMコントローラ13によって、RAM31はノーマルモードに切換えられ、図4に示した網掛け部のように、RAM31へのアクセスがノーマルモードで行われる。
【0064】
RAM31に記憶されているプログラムの処理が終了し、キャッシュメモリ12に記憶されているパワーダウンモードプログラム33に処理が戻っても、RAM31は、ノーマルモードのままであり、そのままではセルフリフレッシュモードに戻らない。
【0065】
パワーダウンモードプログラム33は、予め定める時間以内に実行されるように配置されたセルフリフレッシュコマンドを含んでいるので、セルフリフレッシュコマンドが実行されると、RAM31は、セルフリフレッシュモードに戻る。したがって、RAM31へのアクセスが発生して、RAM31がノーマルモードに切換えられても、予め定める時間以内に実行されるセルフリフレッシュコマンドによって、RAM31をセルフリフレッシュモードに戻すことができる。
【0066】
RAM31の消費電流は、たとえばノーマルモードでは20mAおよびセルフリフレッシュモードでは0.5mAであり、RAM31へのアクセスが発生する平均の時間間隔を1msおよびRAM31がノーマルモードに変わってからセルフリフレッシュコマンドが実行されて、セルフリフレッシュモードに戻るまでの平均時間を100μsとすると、(20mA×0.1ms+0.5mA×0.9ms)/1ms=2.45mAとなり、1ms間継続してノーマルモードである場合の20mAよりも、1桁消費電流を低減することができる。
【0067】
このように、予め定めるプログラムたとえばパワーダウンモードプログラム33は、予め定める時間以内に実行されるように配置された切換命令たとえばセルフリフレッシュコマンドを含むので、第1の記憶部たとえばRAM31へのアクセスが発生して、第1の記憶部が通常モードつまりノーマルモードに切換わっても、予め定める時間以内に第1の記憶部を、待機モードつまりセルフリフレッシュモードに戻すことができる。したがって、省電力モードで動作中に、第1の記憶部のプログラムが実行されることによる消費電流の増加を低減することができる。
【0068】
さらに、各入出力部たとえばコードレス電話部41、読取記録部42、LCD表示部43、およびパネル部等44が、それぞれの電力の消費量を小さくして動作する省電力モードを有する場合、第2の記憶部つまりキャッシュメモリ12に記憶したプログラムを実行する前に、各入出制御部たとえば周辺IO制御部CHA15〜周辺IO制御部CHC17、および周辺GPIO制御部18によって、各入出力部を省電力モードに切換えるので、各入出力部の消費電力を低減することができる。したがって、より消費電力を低減した省電力モードで動作させることができる。
【0069】
さらにまた、第2の入出力制御部たとえば周辺IO制御部CHA15〜周辺IO制御部CHC17は、それぞれ第3の記憶部であるRAMを含み、省電力モードつまりパワーダウンモード時は、省電力制御部用プログラムが第3の記憶部にロードされて実行されるので、クロックが低速のクロックに切換えられても、省電力モードに移行させた入出力部たとえばコードレス電話部41、読取記録部42、およびLCD表示部43を制御することができる。したがって、より消費電力を低減した省電力モードで動作させることができる。
【0070】
図5は、図1に示したファクシミリ装置1をノーマルモードに戻す処理を示すフローチャートである。パワーダウンモード中に、ユーザによるパネル部のキー操作、電話あるいはファクシミリの受信、子機の呼び出し、あるいは原稿がセットされるなどのメカ制御の状態変化が発生し、CPU11がウェークアップ要因を検出したとき、パワーダウンモードをノーマルモードに戻すために、ステップB1に移る。
【0071】
ステップB1では、CPU11は、RAMコントローラ13によって、RAM31をノーマルモードに切換え、さらにCPU11が実行するプログラムを、キャッシュメモリ12にダウンロードされたパワーダウンモードプログラム33から、RAM31に記憶されているプログラムに切換える。RAM31は、ファクシミリ装置1を、パワーダウンモードからノーマルモードに切換えるプログラムを含み、そのプログラムが実行される。
【0072】
ステップB2では、周辺部をウェークアップ、つまりパワーダウンモードからノーマルモードに移行させる。具体的には、CPU11は、周辺IO制御部CHA15〜周辺IO制御部CHC17の各RAMに、PLL回路部19からのクロックによってノーマルモードで動作するそれぞれのプログラムを、RAM31からダウンロードする。CPU11は、周辺IO制御部CHA15、周辺IO制御部CHB16、および周辺IO制御部CHC17によって、それぞれコードレス電話部41、読取記録部42、およびLCD表示部43をノーマルモードにし、周辺GPIO制御部18を介して、パネル部等44をノーマルモードにする。さらにROMコントローラ14によって、メモリ32をパワーダウンモードからウェークアップさせ、あるいはパワーダウンモードのない場合はメモリ32へのアクセスの抑止を解除する。
【0073】
ステップB3では、CPU11は、PLL回路部19の動作を開始させた後、クロック選択回路20によって、発振部21からのクロックを、PLL回路部19からのクロックに切換えて終了する。
【0074】
上述した実施の形態では、情報処理装置としてファクシミリ装置1を例に説明したが、ファクシミリ複合機、携帯情報端末、あるいはパーソナルコンピュータなどの装置に適用可能である。その場合、周辺IO制御部あるいは周辺GPIO制御部などの入出力制御部、ならびにそれらに接続される入出力部、すなわちコードレス電話部41、読取記録部42、LCD表示部43、およびパネル部等44を、情報処理装置が有する機能を実現するために必要な入出力制御部および入出力部に置換えあるいは追加すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の実施の一形態であるファクシミリ装置1の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示したキャッシュメモリ12とRAM31との関係を示す。
【図3】図1に示したファクシミリ装置1をパワーダウンモードに切換える処理を示すフローチャートである。
【図4】図2に示したRAM31のパワーダウンモード中の動作を示すタイムチャートである。
【図5】図1に示したファクシミリ装置1をノーマルモードに戻す処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0076】
1 ファクシミリ装置
10 メイン制御部
11 CPU
12 キャッシュメモリ
13 RAMコントローラ
14 ROMコントローラ
15 周辺IO制御部CHA
16 周辺IO制御部CHB
17 周辺IO制御部CHC
18 周辺GPIO制御部
19 PLL回路部
20 クロック選択回路部
21 発振部
31 RAM
32 メモリ
33 パワーダウンモードプログラム
41 コードレス電話部
42 読取記録部
43 LCD表示部
44 パネル部等
50 データバス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を入力または出力する入出力部と
入出力部を制御する入出力制御部と、
プログラムを含む情報を記憶する第1の記憶部であって、記憶された情報を書き込みまたは読み出すための通常モードと、電力の消費量が少ない待機モードとを有する第1の記憶部と、
第1の記憶部を制御する記憶制御部と、
情報を記憶する記憶容量が第1の記憶部の記憶容量よりも少なく、かつプログラムの実行を高速に行うための第2の記憶部と、
第1の記憶部または第2の記憶部に記憶されたプログラムを実行することによって、入出力制御部および記憶制御部を制御するCPU部とを含み、
CPU部は、第1の記憶部に記憶されたプログラムを実行しているときに、装置の電力の消費量を小さくして動作する省電力モードにするための予め定める条件が成立したことを検出すると、第1の記憶部に記憶されたプログラムのうちで予め定めるプログラムを第1の記憶部から読み出して、第2の記憶部に書き込み、記憶制御部によって第1の記憶部を待機モードにするとともに、第2の記憶部に書き込まれたプログラムを実行することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
情報を入力または出力する入出力部と
入出力部を制御する入出力制御部と、
プログラムを含む情報を記憶する記憶部と、
記憶部を制御する記憶制御部と、
記憶部に記憶されたプログラムを実行することによって、入出力制御部および記憶制御部を制御するCPU部と、
クロックを発生する発振部と、
発振部からのクロックを逓倍し、CPU部からの指示によってクロックを逓倍する動作を停止する逓倍回路部と、
発振部からのクロックまたは逓倍回路部からのクロックのいずれかをCPU部からの指示によって選択し、選択されたクロックをCPU部、記憶制御部、および入出力制御部に供給するクロック選択回路部とを含み、
CPU部は、装置の電力の消費を小さくして動作する省電力モードにするための予め定める条件が成立したことを検出すると、クロック選択回路部によって、CPU部、記憶部制御部、および入出力制御部に供給するクロックを、逓倍回路部からのクロックから、発振部からのクロックに切換えた後、逓倍回路部の動作を停止することを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
クロックを発生する発振部と、
発振部からのクロックを逓倍し、前記CPU部からの指示によってクロックを逓倍する動作を停止する逓倍回路部と、
発振部からのクロックまたは逓倍回路部からのクロックのいずれかを前記CPU部からの指示によって選択し、選択されたクロックを前記CPU部、記憶制御部、および入出力制御部に供給するクロック選択回路部とをさらに含み、
前記CPU部は、前記記憶制御部によって第1の記憶部を待機モードにする前に、クロック選択回路部によって、前記CPU部、記憶部制御部、および入出力制御部に供給するクロックを、逓倍回路部からのクロックから、発振部からのクロックに切換え、さらに逓倍回路部の動作を停止することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記予め定めるプログラムは、第1の記憶部を待機モードに切換えるための切換命令であって、予め定める時間間隔以内に実行されるように配置された切換命令を含み、
前記CPU部が第2の記憶部に記憶された前記予め定めるプログラムを実行中に、第1の記憶部に記憶されたプログラムの実行要求が発生すると、前記記憶制御部は、第1の記憶部を待機モードから通常モードに切換え、前記CPU部は、実行要求があった第1の記憶部に記憶されたプログラムを実行した後、再び第2の記憶部に記憶されたプログラムを実行し、前記予め定めるプログラムに含まれる切換命令を実行することによって、第1の記憶部を通常モードから待機モードに切換えることを特徴とする請求項1または3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記入出力制御部は、前記入出力部を制御するためのプログラムを記憶する第3の記憶部を含む第2の入出力制御部を含み、
第1の記憶部は、前記発振部からのクロックで動作する省電力制御部用プログラムを含み、
前記CPU部は、前記クロック選択回路部によってクロックを切換える前に、第1の記憶部から省電力制御部用プログラムを読み出して、第2の入出力制御部の第3の記憶部に書き込み、書き込んだ省電力制御部用プログラムを実行させることを特徴とする請求項3または4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記CPU部は、前記入出力部が、電力の消費量を小さくして動作する省電力モードを有する場合、第2の記憶部に記憶されたプログラムを実行する前に、前記入出制御部によって前記入出力部を省電力モードに切換えることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記予め定めるプログラムは、装置に対する処理要求を前記入出力制御部が検出したか否かを監視するプログラムを含むことを特徴とする請求項3〜6のいずれか1つに記載の情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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