説明

情報処理装置

【課題】ユーザに気づかれることなく、液晶ディスプレイに用いられるバックライトの点灯に伴う消費電流を低減することができるようにする。
【解決手段】本発明の情報処理装置においては、開閉検出ドライバは、情報処理装置が開閉されたか否かを検出し、情報処理装置が開閉されたと検出された場合、開閉イベントハンドラは、情報処理装置の状態が未使用状態であるか否かを判定し、判定結果に基づいて、バックライトの点灯を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置に係り、特に、ディスプレイの点灯の制御を行う(例えばバックライトの制御)ことができるようにした情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近では、液晶ディスプレイが携帯電話機に表示部として用いられる。液晶ディスプレイの場合、液晶ディスプレイに配置される液晶は自ら発光しないため、液晶の背面などから何らかの方法で発光させる必要がある。そこで、一般に、液晶の背面などからバックライトを点灯させるようにしている。
【0003】
ここで、携帯電話機はユーザによって頻繁に持ち運ばれる。このことから、携帯電話機の液晶ディスプレイは、屋外のような明るい環境だけでなく、トンネル内などのような暗い環境においても使用される。そこで、従来から、携帯電話機が存在する使用環境内の照度を検知する照度センサ(光センサ)を用いて、液晶の背面から点灯させるバックライトを制御する技術が提案されている。具体的には、携帯電話機が存在する使用環境が明るい環境であれば、液晶の背面から点灯させるバックライトの輝度を上げ、一方、携帯電話機が存在する使用環境が暗い環境であれば、液晶の背面から点灯させるバックライトの輝度を下げるように制御される。
【0004】
なお、このようなバックライト制御に関連する技術として、周囲の環境が暗いときに、LCDバックライトおよびキーバックライトの明るさを最低輝度レベルまで下げる技術が知られている(特許文献1参照)。この特許文献1に提案されている技術によれば、周囲が明るいときのみならず暗いときにも消費電力を抑えることが可能となる。
【0005】
また、液晶の背面から点灯させるバックライトの輝度を予め設定することも可能である。さらに、スライド式の携帯電話機の場合、携帯電話機の閉状態から開状態の変化を検出したときに、液晶の背面から点灯させるバックライトを制御してバックライトを点灯する。
【特許文献1】特開2006−146030号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
スライド式の携帯電話機の場合、無意識のうちに携帯電話機の開閉を操作するユーザも見受けられる。このような開閉操作が行われると、携帯電話機の閉状態から開状態の変化を検出したときに、液晶の背面から点灯させるバックライトを制御してバックライトが点灯される(有機ELデバイスであれば表示を行ってしまう)。ところが、無意識にユーザによって行われる開閉操作の回数に応じて、バックライト(有機ELの点灯)を毎回点灯すると、バックライト(有機EL)の点灯に伴って消費電流が大きくなってしまうという課題があった。
【0007】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ユーザに気づかれることなく、ディスプレイの点灯に伴う消費電流を低減することができる情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の情報処理装置は、上述した課題を解決するために、少なくとも液晶とバックライトからなる液晶ディスプレイと、情報処理装置が開閉されたか否かを検出する開閉検出手段と、開閉検出手段により情報処理装置が開閉されたと検出された場合、情報処理装置の状態が未使用状態であるか否かを判定する判定手段と、判定手段による判定結果に基づいて、バックライトの点灯を制御する点灯制御手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の情報処理装置は、上述した課題を解決するために、ディスプレイと、情報処理装置が開閉されたか否かを検出する開閉検出手段と、開閉検出手段により情報処理装置が開閉されたと検出された場合、情報処理装置の状態が未使用状態であるか否かを判定する判定手段と、判定手段による判定結果に基づいて、ディスプレイの点灯の輝度を制御する点灯制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザに気づかれることなく、ディスプレイの点灯に伴う消費電流を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る情報処理装置として適用可能なスライド式の携帯電話機1の外観の構成を表している。図1(A)および(B)に示されるように、携帯電話機1は、第1の筐体11と第2の筐体12からなり、図示せぬガイドユニット(案内体)を介して第1の筐体11と第2の筐体12とが互いに矢印X方向にスライド可能に設けられている。なお、図1(A)は、第1の筐体11と第2の筐体12を一体に重ね合わせた閉位置での携帯電話機1を正面から見た外観の構成を表しており、図1(B)は、第1の筐体11と第2の筐体12を一体に重ね合わせた閉位置での携帯電話機1を側面から見た外観の構成を表している。
【0012】
第2の筐体12は、ほぼ平面形状を有している。図1(A)における第2の筐体12の表面の中央部には、LCD(Liquid Crystal Display)などからなるメインディスプレイ13が設けられている。図1(A)における第2の筐体12の表面の基部側には、サブ操作キーとしての第2の操作キー14が設けられており、第2の操作キー14を用いて各種指示を入力することができる。この第2の操作キー14には、発呼キー、終話・電源キー、クリアキー、および電子メールキーなどの各種の操作キーが配置されている。
【0013】
また、第2の筐体12には、第2の操作キー14として十字キーと確定キーが設けられており、ユーザが十字キーを上下左右方向に操作することにより当てられたカーソルを上下左右方向に移動させることができる。具体的には、第2の筐体12に設けられたメインディスプレイ13に表示されている電話帳リストや電子メールのスクロール動作、簡易ホームページのページ捲り動作および画像の送り動作などの種々の動作を実行する。
【0014】
また、確定キーを押下することにより、種々の機能を確定することができる。例えばユーザによる十字キーの操作に応じてメインディスプレイ13に表示された電話帳リストの複数の電話番号の中から所望の電話番号が選択され、確定キーが第2の筐体12の内部方向に押圧されると、選択された電話番号を確定して電話番号に対して発呼処理が行われる。
【0015】
さらに、第2の筐体12には、十字キーと確定キーの左隣に電子メールキーが設けられており、電子メールキーが第2の筐体12の内部方向に押圧されると、メールの送受信機能を呼び出すことができる。十字キーと確定キーの右隣には、ブラウザキーが設けられており、ブラウザキーが第2の筐体12の内部方向に押圧されると、Webページのデータを閲覧することが可能となる。
【0016】
図1(A)における第2の筐体12の表面の先端側には、レシーバ(受話器)15が所定の位置に設けられており、これにより、ユーザは音声通話することが可能である。なお、携帯電話機1の所定の位置には、レシーバ15以外の音声出力部としてのスピーカ50も設けられている。また、第1の筐体12には、携帯電話機1の操作を行うサイドキー16が設けられている。さらに、第1の筐体11と第2の筐体12の内部の所定の位置には、携帯電話機1の状態(すなわち、第2の筐体12が閉位置にある状態、または第2の筐体12が開位置にある状態)を検知するための磁気センサ17a、17b、および17cが設けられる。さらに、レシーバ15の近傍には、照度センサ48が設けられている。この照度センサ48は、例えばフォトダイオードやフォトトランジスタなどからなり、携帯電話機1が存在する使用環境内の照度(明るさ)を検知する。なお、メインディスプレイ13は、例えば液晶ディスプレイにより構成されるディスプレイである。液晶ディスプレイは一般に、例えば液晶、冷陰極管からなるバックライト、偏向フィルタ、配向膜、電極、RGBのカラーフィルタなどの要素から構成され、このバックライトは例えば直下型方式やエッジライト方式などにて点灯される。また、メインディスプレイ13は、有機ELデバイスにより構成されるようにしてもよい。
【0017】
なお、第1の筐体11と第2の筐体12には、第2の筐体12が図示せぬガイドユニット(案内体)を介してスライドされた場合に、開位置と閉位置で係止(ロック)するための係止機構(図示せず)が設けられている。この係止機構が設けられる位置は、磁気センサ17bおよび17cが配設される位置と一致している。図示せぬ係止機構は、例えば機械的に係合する構造を有し、所定の基準値以上の大きい力がユーザにより加えられてスライド操作されると、係止状態を解除して容易にスライド可能となるように構成されている。
【0018】
携帯電話機1の内部の所定の位置には、送受信用のアンテナ(後述する図3のアンテナ31)が設けられており、内蔵されたアンテナを介して基地局(図示せず)との間で電波を送受信する。
【0019】
図2は、本発明に係る情報処理装置として適用可能なスライド式の携帯電話機1の他の外観の構成を表している。なお、図2(A)は、第2の筐体12が図1(A)において長軸方向(X方向)上方にスライドされて開位置で係止された状態での携帯電話機1を正面から見た外観の構成を表しており、図2(B)は、第2の筐体12が図1(A)において長軸方向上方にスライドされて開位置で係止された状態での携帯電話機1を側面から見た外観の構成を表している。
【0020】
第1の筐体11は、第2の筐体12とほぼ同じ平面形状をしている。図2(A)における第2の筐体12の表面の基部側には、メイン操作キーとしての第1の操作キー18が設けられており、第1の操作キー18を用いて各種指示を入力することができる。この第1の操作キー18には、「0」乃至「9」の数字キーなどの操作キーが配置されている。
【0021】
また、第1の筐体11には、第1の操作キー18の下部にマイクロフォン19が設けられており、マイクロフォン19によって通話時のユーザの音声を集音する。
【0022】
なお、第1の筐体12は、背面側に図示しないバッテリパックが挿着されており、終話・電源キーがオン状態になると、バッテリパックから各回路部に対して電力が供給されて動作可能な状態に起動する。一方、図2(B)に示されるように、図2(A)での第1の筐体11の裏面側には、CCDカメラ20が設けられており、これにより、所望の撮影対象を撮像することができる。
【0023】
図3は、本発明に係る情報処理装置に適用可能な携帯電話機1の内部の構成を表している。図示せぬ基地局から送信されてきた無線信号は、アンテナ31で受信された後、アンテナ共用器(DUP)32を介して受信回路(RX)33に入力される。受信回路33は、受信された無線信号を周波数シンセサイザ(SYN)34から出力された局部発振信号とミキシングして中間周波数信号に周波数変換(ダウンコンバート)する。そして、受信回路33は、このダウンコンバートされた中間周波数信号を直交復調して受信ベースバンド信号を出力する。なお、周波数シンセサイザ34から発生される局部発振信号の周波数は、制御部41から出力される制御信号SYCによって指示される。
【0024】
受信回路33からの受信ベースバンド信号は、CDMA信号処理部36に入力される。CDMA信号処理部36は、図示せぬRAKE受信機を備える。このRAKE受信機では、受信ベースバンド信号に含まれる複数のパスがそれぞれの拡散符号(すなわち、拡散された受信信号の拡散符号と同一の拡散符号)で逆拡散処理される。そして、この逆拡散処理された各パスの信号は、位相が調整された後、コヒーレントRake合成される。Rake合成後のデータ系列は、デインタリーブおよびチャネル復号(誤り訂正復号)が行われた後、2値のデータ判定が行われる。これにより、所定の伝送フォーマットの受信パケットデータが得られる。この受信パケットデータは、圧縮伸張処理部37に入力される。
【0025】
圧縮伸張処理部37は、DSP(Digital Signal Processor)などにより構成され、CDMA信号処理部36から出力された受信パケットデータを図示せぬ多重分離部によりメディアごとに分離し、分離されたメディアごとのデータに対してそれぞれ復号処理を行う。例えば通話モードにおいては、受信パケットデータに含まれる通話音声などに対応するオーディオデータをスピーチコーデックにより復号する。また、例えばテレビ電話モードなどのように、受信パケットデータに動画像データが含まれていれば、この動画像データをビデオコーデックにより復号する。さらに、受信パケットデータがダウンロードコンテンツであれば、このダウンロードコンテンツを伸張した後、伸張されたダウンロードコンテンツを制御部41に出力する。
【0026】
復号処理により得られたディジタルオーディオ信号はPCMコーデック38に供給される。PCMコーデック38は、圧縮伸張処理部37から出力されたディジタルオーディオ信号をPCM復号し、PCM復号後のアナログオーディオデータ信号を受話増幅器39に出力する。このアナログオーディオ信号は、受話増幅器39にて増幅された後、レシーバ15により出力される。
【0027】
圧縮伸張処理部37によりビデオコーデックにて復号されたディジタル動画像信号は、制御部41に入力される。制御部41は、圧縮伸張処理部37から出力されたディジタル動画像信号に基づく動画像を、図示せぬビデオRAM(例えばVRAMなど)を介してメインディスプレイ13に表示させる。なお、制御部41は、受信された動画像データだけでなく、CCDカメラ20により撮像された動画像データに関しても、図示せぬビデオRAMを介してメインディスプレイ13に表示させることも可能である。
【0028】
また、圧縮伸張処理部37は、受信パケットデータが電子メールである場合、この電子メールを制御部41に供給する。制御部41は、圧縮伸張処理部37から供給された電子メールを記憶部42に記憶させる。そして、制御部41は、ユーザによる入力部としての第1の操作キー18および第2の操作キー14の操作に応じて、記憶部42に記憶されているこの電子メールを読み出し、読み出された電子メールをメインディスプレイ13に表示させる。
【0029】
一方、通話モードにおいて、マイクロフォン19に入力された話者(ユーザ)の音声信号(アナログオーディオ信号)は、送話増幅器40により適正レベルまで増幅された後、PCMコーデック38によりPCM符号化される。このPCM符号化後のディジタルオーディオ信号は、圧縮伸張処理部37に入力される。また、CCDカメラ20から出力される動画像信号は、制御部41によりディジタル化されて圧縮伸張処理部37に入力される。さらに、制御部41にて作成されたテキストデータである電子メールも、圧縮伸張処理部37に入力される。
【0030】
圧縮伸張処理部37は、PCMコーデック38から出力されたディジタルオーディオ信号を所定の送信データレートに応じたフォーマットで圧縮符号化する。これにより、オーディオデータが生成される。また、圧縮伸張処理部37は、制御部41から出力されたディジタル動画像信号を圧縮符号化して動画像データを生成する。そして、圧縮伸張処理部37は、これらのオーディオデータや動画像データを図示せぬ多重分離部で所定の伝送フォーマットに従って多重化した後にパケット化し、パケット化後の送信パケットデータをCDMA信号処理部36に出力する。なお、圧縮伸張処理部37は、制御部41から電子メールが出力された場合にも、この電子メールを送信パケットデータに多重化する。
【0031】
CDMA信号処理部36は、圧縮伸張処理部37から出力された送信パケットデータに対し、送信チャネルに割り当てられた拡散符号を用いてスペクトラム拡散処理を施し、スペクトラム拡散処理後の出力信号を送信回路(TX)35に出力する。送信回路35は、スペクトラム拡散処理後の信号をQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)方式などのディジタル変調方式を使用して変調する。送信回路35は、ディジタル変調後の送信信号を、周波数シンセサイザ34から発生される局部発振信号と合成して無線信号に周波数変換(アップコンバート)する。そして、送信回路35は、制御部41により指示される送信電力レベルとなるように、このアップコンバートにより生成された無線信号を高周波増幅する。この高周波増幅された無線信号は、アンテナ共用器32を介してアンテナ31に供給され、このアンテナ31から図示せぬ基地局に向けて送信される。
【0032】
また、携帯電話機1は、外部メモリインタフェース46を備えている。この外部メモリインタフェース46は、メモリカード47を着脱することが可能なスロットを備えている。メモリカード47は、NAND型フラッシュメモリカードやNOR型フラッシュメモリカードなどに代表されるフラッシュメモリカードの一種であり、10ピン端子を介して画像や音声、音楽等の各種データの書き込み及び読み出しが可能となっている。
【0033】
制御部41は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)などからなり、CPUは、ROMに記憶されているプログラムまたは記憶部42からRAMにロードされた各種のアプリケーションプログラムに従って各種の処理を実行するとともに、種々の制御信号を生成し、各部に供給することにより携帯電話機1を統括的に制御する。RAMは、CPUが各種の処理を実行する上において必要なデータなどを適宜記憶する。
【0034】
記憶部42は、例えば、電気的に書換えや消去が可能な不揮発性メモリであるフラッシュメモリ素子やHDD(Hard Disc Drive)などからなり、制御部41のCPUにより実行される種々のアプリケーションプログラムや種々のデータ群を格納している。
【0035】
電源回路44は、バッテリ43の出力を基に所定の動作電源電圧Vccを生成して各回路部に供給する。また、携帯電話機1には、現在の正確な現在の時刻を測定する時計回路45が設けられている。
【0036】
図4は、本発明に係るバックライト制御処理を実行する場合における制御部41のソフトウェア構成を示している。なお、以下メインディスプレイ13が有機ELデバイスで構成される場合は、バックライトの概念がないため、有機ELデバイスの表示輝度制御にそのまま置き換えて考える。以後必要な場合に適宜説明する。
【0037】
図4に示されるように、開閉検出ドライバ61は、磁気センサ17a乃至17cからの検知信号に基づいて、携帯電話機1の開閉を検出する。すなわち、開閉検出ドライバ61は、携帯電話機1の状態が第2の筐体12が閉位置にある状態であるか、または第2の筐体12が開位置にある状態であるかを検出する。そして、開閉検出ドライバ61は、携帯電話機1の開閉を検出すると、開閉イベントを生成し、生成された開閉イベントを開閉イベント検出ミドルウェア62に送信する。開閉イベント検出ミドルウェア62は、開閉ドライバ61からの開閉イベントを受信し、受信された開閉イベントをUIタスク64へ送信する。
【0038】
UIタスク64は、UIタスクを管理するモジュールであり、特に、開閉イベントをハンドリング(受け渡す)する開閉イベントハンドラ64aを備える。開閉イベントハンドラ64aは、開閉イベント検出ミドルウェア62からの開閉イベントを受信し、受信された開閉イベントのハンドル処理を行い、開閉イベントの通知を各アプリケーション65A乃至65Cに対して行う。また、このとき、開閉イベントハンドラ64aは、メインディスプレイ13を制御するLCD制御ミドルウェア63に対してバックライト点灯要求を送信する。有機ELデバイスにより構成されるメインディスプレイ13の場合、開閉イベントハンドラ64aは、メインディスプレイ13を制御するディスプレイ制御ミドルウェア63に対してディスプレイ点灯要求を送信する。
【0039】
ここで、本発明に係るバックライト制御(有機ELディスプレイ表示制御)処理を説明する前に、その前提条件について説明する。携帯電話機1においては、バックライト輝度設定画面にてバックライトを点灯する際に用いられるバックライトの輝度を予め設定することができる。具体的には、図5に示されるように、「明るさ1」乃至「明るさ4」の4つのレベルで、バックライトを点灯する際に用いられるバックライトの輝度を予め設定することができる。例えば「明るさ3」に設定した場合、バックライトを点灯するとき、「明るさ3」に対応するバックライトの輝度でバックライトが常に点灯される。また、照度センサ48を用いて自動バックライト制御を行う「照度センサによる自動制御」に設定することもできる。この場合、照度センサ48が検知した、携帯電話機1が存在する使用環境内の照度(明るさ)に応じてバックライトが制御される。具体的には、記憶部42に記憶されているバックライト制御テーブルを用いて、メインディスプレイ13のバックライトが制御される。
【0040】
図6は、記憶部42に記憶されているバックライト制御テーブルの構成例を表している。例えば図6に示されるように、照度に関する所定の基準値に基準値1乃至基準値3(基準値1<基準値2<基準値3)が設定される。そして、制御部41は、照度センサ48から読み出された照度値が基準値1以下であると判断したとき、メインディスプレイ13のバックライトの輝度を設定値1(バックライトの輝度に関する設定値)になるように制御する。また、制御部41は、照度センサ48から読み出された照度値が基準値1より大きく、かつ基準値2以下であると判断したとき、バックライトの輝度は設定値2になるように制御する。また、制御部41は、照度センサ48から読み出された照度値が基準値2より大きく、かつ基準値3以下であると判断したとき、バックライトの輝度は設定値3になるように制御する。制御部41は、照度センサ48から読み出された照度値が基準値3よりも大きいと判断したとき、バックライトの輝度は設定値4になるように制御する。なお、設定値1乃至設定値4は、設定値1<設定値2<設定値3<設定値4の関係を有している。また、携帯電話機1が存在する使用環境の明るさを示す明るさは、照度センサ48から読み出された照度値(x≦基準値1、基準値1<x≦基準値2、基準値2<x≦基準値3、基準値3<x)のレベルに応じて、明るさ1、明るさ2、明るさ3、および明るさ4とされる。勿論、照度に関する所定の基準値を4つ以上設けるようにして、バックライトの輝度の設定値を4つ以上より多段階的に設定するようにしてもよい。なお、ここで用いられる「輝度」とは、発光体(この場合、メインディスプレイ13のバックライト)の単位面積あたりの明るさを意味する。また有機ELデバイスにより構成されるメインディスプレイ13の場合、有機ELデバイスの「輝度」のことを意味する。
【0041】
さらに、携帯電話機1では、メインディスプレイ13の点灯状態に関して以下のような制御がなされる。すなわち、メインディスプレイ13の点灯状態が明るく点灯している状態(以下、「全点灯状態」という。有機ELデバイスにより構成されるメインディスプレイ13であるならば明るい輝度(第1輝度で表示している状態)で、ユーザによる操作がなされずに予め設定された所定の時間が経過すると、発光輝度を落とす等により全点灯状態に比べて暗めにした状態であるが、かつメインディスプレイ13上の文字やアイコンが識別可能な点灯状態(以下、「パーシャル状態」という。有機ELデバイスにより構成されるメインディスプレイ13であるならば第1輝度より低い第2輝度での表示)に遷移し、さらにユーザによる操作がなされずに予め設定された所定の時間が経過すると、メインディスプレイ13の表示が行われない状態(以下、「消灯状態」という。)に遷移するように制御される。
【0042】
次に、図7のフローチャートを参照して、図3および図4の携帯電話機1におけるバックライト制御処理について説明する。なお、このバックライト制御処理は、開閉検出ドライバ61によって携帯電話機1の開閉が検出される度に開始される。
【0043】
ステップS1において、開閉検出ドライバ61は、磁気センサ17a乃至17cからの検知信号に基づいて、携帯電話機1の開閉を検出する。すなわち、開閉検出ドライバ61は、携帯電話機1の状態が第2の筐体12が閉位置にある状態であるか、または第2の筐体12が開位置にある状態であるかを検出する。そして、開閉検出ドライバ61は、携帯電話機1の開閉を検出すると、開閉イベントを生成し、生成された開閉イベントを開閉イベント検出ミドルウェア62に送信する。ステップS2において、開閉イベント検出ミドルウェア62は、開閉ドライバ61からの開閉イベントを受信し、受信された開閉イベントをUIタスク64へ送信する。
【0044】
ステップS3において、UIタスク64の開閉イベントハンドラ64aは、開閉イベント検出ミドルウェア62からの開閉イベントを受信する。ステップS4において、開閉イベントハンドラ64aは、受信された開閉イベントのハンドル処理を行い、開閉イベントの通知を各アプリケーション65A乃至65Cに対して行う。ステップS5において、開閉イベントハンドラ64aは、メインディスプレイ13の状態が消灯状態であるか否かを判定する。ステップS5において開閉イベントハンドラ64aが、メインディスプレイ13の状態が消灯状態ではないと判定した場合、開閉イベントハンドラ64aはメインディスプレイ13の状態が全点灯状態またはパーシャル状態であり、かつユーザが何らかの操作を行っているか、あるいはユーザが意識的に携帯電話機1の開閉を行っていると認識する。開閉イベントハンドラ64aはステップS9で、メインディスプレイ13を制御するLCD制御ミドルウェア63に対して第1のバックライト点灯要求を送信する。ここで、バックライト輝度設定画面にてバックライトを点灯する際に用いられるバックライトの輝度が予め設定されている場合、第1のバックライト点灯要求は、予め設定されたバックライトの輝度の設定値を用いてバックライトを点灯する要求である。また、照度センサ48による自動制御に設定されている場合、第1のバックライト点灯要求は、照度センサ48による自動バックライト制御に基づく設定値に従い、バックライトを点灯する要求である。
【0045】
次に、LCD制御ミドルウェア63は、開閉イベントハンドラ64aからの第1のバックライト点灯要求に従い、メインディスプレイ13を制御し、予め設定されたバックライトの輝度の設定値を用いてバックライトを点灯するか、または、照度センサ48による自動バックライト制御に基づく設定値に従いバックライトを点灯する。その後、処理はステップS10に進み、ステップS10において開閉処理が終了する。
【0046】
一方、ステップS5において開閉イベントハンドラ64aが、メインディスプレイ13の状態が消灯状態であると判定した場合、開閉イベントハンドラ64aはステップS6で、メインディスプレイ13上において待ち受け画面表示中であるか否かを判定する。なお、ここでいう「待ち受け画面」には、ユーザによる操作に応じて表示された待ち受け画面と、他の表示画面が表示されてから所定の時間が経過することで他の表示画面から待ち受け画面に自動的に遷移して表示された待ち受け画面とが含まれる。ステップS6において開閉イベントハンドラ64aが、メインディスプレイ13上において待ち受け画面以外の画面が表示中であると判定した場合、開閉イベントハンドラ64aはメインディスプレイ13の状態は消灯状態であるが、メインディスプレイ13上において待ち受け画面以外の画面が表示中であり、ユーザは意識的に携帯電話機1の開閉を行っていると認識する。そして、開閉イベントハンドラ64aはステップS9で、メインディスプレイ13を制御するLCD制御ミドルウェア63に対して第1のバックライト点灯要求を送信する。LCD制御ミドルウェア63は、開閉イベントハンドラ64aからの第1のバックライト点灯要求に従い、メインディスプレイ13を制御し、予め設定されたバックライトの輝度の設定値を用いてバックライトを点灯するか、または、照度センサ48による自動バックライト制御に基づく設定値に従いバックライトを点灯する。その後、処理はステップS10に進む。
【0047】
これにより、すでにバックライトを点灯している最中に携帯電話機1の開閉に伴って再点灯する場合に、照度センサ48による自動バックライト制御に基づく設定値、または予め設定されているバックライトの輝度の設定値でバックライトを点灯しないことでバックライトの点灯による照度が急に暗くなることを抑制し、ユーザが意図しないバックライトの点灯による照度の急激な低下を防止することができる。
【0048】
なお、ステップS9の処理においてバックライトを点灯する場合、すでに同じバックライトの輝度の設定値でバックライトを点灯しているときには、バックライトを再点灯するのではなく、バックライトの点灯をそのままの状態で維持するようにしてもよい。
【0049】
ステップS6において開閉イベントハンドラ64aがメインディスプレイ13上において待ち受け画面表示中であると判定した場合、開閉イベントハンドラ64aはステップS7で、照度センサ48による自動バックライト制御に設定されているか否かを判定する。ステップS7において開閉イベントハンドラ64aが、照度センサ48による自動バックライト制御に設定されていないと判定した場合(すなわち、バックライトを点灯する際に用いられるバックライトの輝度が予め設定されていると判定した場合)、処理はステップS9に進む。開閉イベントハンドラ64aはステップS9で、メインディスプレイ13を制御するLCD制御ミドルウェア63に対して第1のバックライト点灯要求を送信する。LCD制御ミドルウェア63は、開閉イベントハンドラ64aからの第1のバックライト点灯要求に従い、メインディスプレイ13を制御し、照度センサ48による自動バックライト制御に基づく設定値に従いバックライトを点灯する。その後、処理はステップS10に進む。
【0050】
これにより、バックライト輝度設定画面にてバックライトを点灯する際に用いられるバックライトの輝度が予め設定されている場合に、携帯電話機1の開閉が行われても、バックライトの輝度の設定値のうちの最も低い設定値でバックライトを点灯せずに、予め設定されているバックライトの輝度の設定値でバックライトを点灯し続けることができる。従って、予め設定されているバックライトの輝度の設定値でバックライトを点灯しないときがあるなどのユーザからのクレームを抑制することができる。
【0051】
なお、ステップS5とステップS6の判定処理の順番を入れ替えるようにしてもよい。
【0052】
一方、ステップS7において開閉イベントハンドラ64aが、照度センサ48による自動バックライト制御に設定されていないと判定した場合、開閉イベントハンドラ64aは、ユーザは無意識に携帯電話機1の開閉を行っていると認識する。開閉イベントハンドラ64aはステップS8で、メインディスプレイ13を制御するLCD制御ミドルウェア63に対して第2のバックライト点灯要求を送信する。ここで、第2のバックライト点灯要求は、照度センサ48を用いた自動バックライト制御に基づく設定値ではなく、バックライトの輝度の設定値のうち最も低い設定値(例えば図5の場合、明るさ1)でバックライトを点灯する要求である。勿論、バックライトの点灯に伴う消費電流を抑制することができさえすればよいので、第2のバックライト点灯要求時におけるバックライトの輝度の設定値は、最も低い設定値である必要はなく、それ以外の設定値(例えば図5の場合、明るさ2など)であってもよい。
【0053】
LCD制御ミドルウェア63は、開閉イベントハンドラ64aからの第2のバックライト点灯要求に従い、メインディスプレイ13を制御し、バックライトの輝度の設定値のうち最も低い設定値(例えば図5の場合、明るさ1)でバックライトを点灯する。その後、処理はステップS10に進む。
【0054】
なお、本発明の実施形態においては、ユーザが無意識に携帯電話機1の開閉を行っている状況を判断するに際し、消灯状態であるか否かと待ち受け画面表示中であるか否かの判断要素に基づいてユーザが使用していない状態であるか否かを推定し、ユーザが無意識に携帯電話機1の開閉を行っている状況であるか否かを判断するようにしている。勿論、この2つの判断要素以外に基づいてユーザが使用していない状態であるか否かを推定するようにしてもよい。ここで、「ユーザが携帯電話機を使用していない状態、またはユーザが無意識のうちに携帯電話機を使用してしまっている状態」を「未使用状態」と定義する。一方、「ユーザが意識的に携帯電話機を使用している状態」を「使用状態」と定義する。
【0055】
本発明の実施形態においては、携帯電話機1が開閉されたか否かを検出し、携帯電話機1が開閉されたと検出された場合、携帯電話機1の状態が未使用状態(ユーザが使用していない状態)であるか否かを判定し、この判定結果に基づいて、メインディスプレイ13のバックライトの点灯を制御する。特に、携帯電話機1の状態が未使用状態であると判定された場合、バックライトの輝度に関する第1の設定値でバックライトを点灯するように制御し、携帯電話機1の状態が使用状態であると判定された場合、バックライトの輝度に関する第2の設定値で前記バックライトを点灯するように制御することができる。
【0056】
これにより、ユーザが無意識に携帯電話機1の開閉を行っている場合に、ユーザに気づかれずに携帯電話機1の開閉に伴うメインディスプレイ13による消費電流を低減することができる。
【0057】
なお、本発明の実施形態においては、スライド式の携帯電話機1を明示的に記載したが、このような場合に限られず、例えばストレート式の携帯電話機1や折り畳み式の携帯電話機1などにも本発明を適用することができる。
【0058】
なお、本発明は、携帯電話機1以外にも、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ、携帯型ゲーム機、携帯型音楽再生機、携帯型動画再生機、その他の情報処理装置にも適用することができる。
【0059】
また、本発明の実施形態において説明した一連の処理は、ソフトウェアにより実行させることもできるが、ハードウェアにより実行させることもできる。
【0060】
さらに、本発明の実施形態では、フローチャートのステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理の例を示したが、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別実行される処理をも含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明に係る情報処理装置に適用可能な携帯電話機の外観の構成を示す外観図。
【図2】本発明に係る情報処理装置に適用可能な携帯電話機の他の外観の構成を示す外観図。
【図3】本発明に係る情報処理装置に適用可能な携帯電話機の内部の構成を示すブロック図。
【図4】本発明に係るバックライト制御処理を実行する場合における制御部のソフトウェア構成を示す図。
【図5】バックライト輝度設定画面にて設定することができるバックライトの輝度を示す図。
【図6】記憶部に記憶されているバックライト制御テーブルの構成例を示す図。
【図7】図3および図4の携帯電話機におけるバックライト制御処理を説明するフローチャート。
【符号の説明】
【0062】
1…携帯電話機、11…第1の筐体、12…第2の筐体、13…メインディスプレイ、14…第2の操作キー、15…レシーバ、16…サイドキー、17(17a乃至17c)…磁気センサ、18…第1の操作キー、19…マイクロフォン、20…CCDカメラ、31…アンテナ、32…アンテナ共用器(DUP)、33…受信回路(RX)、34…周波数シンセサイザ(SYN)、35…送信回路(TX)、36…CDMA信号処理部、37…圧縮伸張処理部、38…PCMコーデック、39…受話増幅器、40…送話増幅器、41…制御部、42…記憶部、43…バッテリ、44…電源回路、45…時計回路、46…外部メモリインタフェース、47…メモリカード、48…照度センサ、50…スピーカ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも液晶とバックライトからなる液晶ディスプレイと、
情報処理装置が開閉されたか否かを検出する開閉検出手段と、
前記開閉検出手段により前記情報処理装置が開閉されたと検出された場合、前記情報処理装置の状態が未使用状態であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果に基づいて、前記バックライトの点灯を制御する点灯制御手段とを備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
ディスプレイと、
情報処理装置が開閉されたか否かを検出する開閉検出手段と、
前記開閉検出手段により前記情報処理装置が開閉されたと検出された場合、前記情報処理装置の状態が未使用状態であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果に基づいて、前記ディスプレイの点灯の輝度を制御する点灯制御手段とを備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
前記判定手段により前記情報処理装置の状態が未使用状態であると判定された場合、前記点灯制御手段は、前記バックライトの輝度に関する第1の設定値で前記バックライトを点灯するように制御し、前記判定手段により前記情報処理装置の状態が使用状態であると判定された場合、前記点灯制御手段は、前記バックライトの輝度に関する第2の設定値で前記バックライトを点灯するように制御することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記バックライトの輝度に関する第1の設定値は、前記バックライトの輝度に関する第2の設定値よりも小さいことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
情報処理装置が存在する使用環境内の照度を検知する検知手段と、
照度値に対応付けられた明るさ領域と、前記バックライトの輝度に関する設定値とが予め対応付けられて登録されている制御テーブルを参照して、前記検知手段により検知された照度値に基づいて、前記液晶ディスプレイにより画像を表示する際に点灯される前記バックライトの輝度を複数の設定値のいずれか1つに設定する設定手段とをさらに備え、
前記判定手段により前記情報処理装置の状態が未使用状態であると判定された場合、前記点灯制御手段は、複数の前記設定値のうち前記設定手段により設定された前記バックライトの輝度の設定値を用いずに、前記バックライトの輝度に関する第1の設定値で前記バックライトを点灯するように制御することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記判定手段により前記情報処理装置の状態が使用状態であると判定された場合、前記点灯制御手段は、複数の前記設定値のうち前記設定手段により設定された、前記第2の設定値としての前記バックライトの輝度の設定値で前記バックライトを点灯するように制御することを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記情報処理装置は、スライド式の構造を備える携帯電話機であることを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記情報処理装置の未使用状態には、少なくとも消灯状態と待ち受け画面表示中の状態が含まれることを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−107885(P2010−107885A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−281964(P2008−281964)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】