説明

情報処理装置

【課題】 本発明は、音声の再生をするか否かをユーザの操作に応じて決定し、同じ音声が何度も再生される鬱陶しさを軽減する。
【解決手段】 画面に対応する音声ガイドを再生する情報処理装置において、逆方向への画面切り替えが指示された場合には、既に順方向で画面遷移したときに一度音声が再生されているはずなので、再度同じ音声ガイドを再生しないようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示画面に対応する音声を再生する情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の印刷装置は、機能が増え、さらにそれらが複雑化してきたため、印刷設定のためにUIでの表示によるガイダンスだけではなく、音声ガイドにおいても機能の説明を行うものがある。この音声ガイドの内容に従って設定を行えば、操作に不慣れなユーザも円滑に印刷設定をすることができる。音声ガイドを行う際に、音声ガイダンスが出力されるまでの時間を制御して、音声ガイダンスによる鬱陶しさを軽減する画像形成装置が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−102069
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ひと通りの操作に対して音声ガイドが流れるのはユーザに安心感を与える。しかし、1回の印刷設定の中で何度も同じ音声ガイドが再生されたり、連続して複数の印刷設定を行ったりする際に何度も同じ音声ガイドが再生されたりしてしまうのは、あまり効果が無いという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、
複数の設定画面へ表示を切り替え可能な情報処理装置であって、画面の切り替え指示に応じて、表示する画面を切り替える表示制御手段と、表示する画面の切り替えに応じて、切り替わって表示される画面に対応する音声を再生する再生手段と、画面の切り替えを行ってから、所定時間経過したかを判定する判定手段と、前記判定手段により所定時間経過していないと判定された場合に、画面への切り替えが行われても、前記再生手段による音声の再生は行わないように制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0006】
また、本発明の情報処理装置は、複数の画面に表示を切り替えるための情報処理装置であって、画面の切り替え指示に応じて、表示する画面を切り替える表示制御手段と、表示する画面が切り替わることに応じて、画面に対応する音声を再生する再生手段と、複数の画面は、予め順序が決められており、後の画面へ切り替える場合には切り替わった画面に対応する音声を再生手段により再生するように制御し、前の画面へ切り替える場合は、再生手段による音声の再生は行わないように制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、音声の再生をするか否かをユーザの画面切り替えの操作に応じて決定するため、同じ音声が何度も再生される鬱陶しさを軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態における画面切り替え時のフローチャートである。
【図2】第2の実施形態における画面切り替え時のフローチャートである。
【図3】第3の実施形態における画面切り替え時のフローチャートである。
【図4】第4の実施形態における画面切り替え時のフローチャートである。
【図5】第5の実施形態における画面切り替え時刻リストを示す図である。
【図6】第1の実施形態の印刷アプリケーションのUI画面と音声ガイドを示す図である。
【図7】第4の実施形態における印刷アプリケーションの先頭画面を示す図である。
【図8】本発明の情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図9】第5の実施形態における音声設定ダイアログの一例である。
【図10】第6の実施形態の画面遷移を示す図である。
【図11】第5の実施形態の画面遷移を示す図である。
【図12】第5の実施形態の画面遷移を示す図である。
【図13】印刷アプリケーション終了時の画面切り替え時刻のリセット処理のフローチャートである。
【図14】画面を切り替えた時刻をリセットするかを促すダイアログを表示である。
【図15】画面切り替え時刻リストの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0010】
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正又は変更されるべきものであり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0011】
図8は、本発明の情報処理装置の構成を示す図である。実施形態では情報処理装置の一例としてパーソナルコンピュータで説明するが、本発明を印刷装置や、デジタルカメラ、表示制御装置等に適応してもよい。
【0012】
図8において801は情報処理装置の制御を司るCPUである。802は各種データやプログラム等が記録されているプログラムメモリ、804はデータの一時保存やワークスペースとして利用されるメモリである。CPUは、プログラムメモリ802から読み出したプログラムに基づき、情報処理装置の各部を制御することにより、各種の処理を実行する。後に説明する図1〜図4の処理についても、CPU801がプログラムメモリ802から読み出したプログラムに基づいて各部を制御することにより実行される。
【0013】
803は、プログラムメモリに記録されているアプリケーションプログラムである。803のアプリケーションプログラムは、アプリケーションで使用する音声データやUI画面用の表示データ等も含まれており、必要に応じて、プログラムメモリ802から読み出して使用する。
【0014】
図8において815はファイルやデータを物理的に格納するハードディスク、814はファイルシステム808がハードディスク815の読み書きを行うためのディスクIOインターフェースである。808はファイル管理部であり、ハードディスク815に格納されたデータの管理や読み出し、書き込みの制御を行う。アプリケーションプログラムをこのハードディスク815内に記録して、ハードディスク815をプログラムメモリとして使用してもよい。
【0015】
813は、ディスプレイ831に画像やUI画等を表示するためのビデオインターフェースである。807は表示制御部であり、ビデオインターフェース813を介して接続されるディスプレイへ画像や表示画面を表示するための表示用データを生成したり、ディスプレイへ813の表示を制御したりする。
【0016】
811は入力デバイス管理システム806がキーボード833の入力を受け取るためのキーボードインターフェースである。マウスインターフェース812は入力デバイス管理システム806がマウス832から入力を受け取ることが出来るようにするためのマウスインターフェースである。そして816は入力デバイス管理システム806がタッチパネル834の入力を受け取るためのタッチパネルインターフェースである。806は、マウス832やキーボード833、タッチパネル834から入力を受け取る入力デバイス管理部であり、ユーザからの入力の受け付けを管理する。
【0017】
ディスプレイ831,マウス832,キーボード833、タッチパネル834は、情報処理装置に接続される機器としたが、情報処理装置の一部として構成しても良い。
【0018】
817は、スピーカー818からの音声の出力を行うためのサウンドインターフェースであり、出力デバイス管理部809の管理の元で、スピーカー818から音声や音楽が出力される。出力デバイス管理部809は、スピーカーからの音の出力の制御や、音量等の制御を行う。
【0019】
810は、USBインターフェースであり、デジタルカメラ835やプリンタ836を接続することができる。805は、USB制御部であり、USBインターフェース810により接続される外部機器との通信の制御や、データ送受信の制御を行う。情報処理装置はUSBインターフェースを介してデジタルカメラ835が保持している画像ファイルを取得したり、プリンタ836に画像データを送信してプリンタ836により画像を印刷したりすることができる。
【0020】
情報処理装置では、デジタルカメラ835から取得した画像ファイルやハードディスク815に記録されている画像ファイルをプリンタ836で印刷するための印刷制御を行う。また、画像を印刷するための画像選択や印刷設定を行うことが可能である。
【0021】
画像選択や印刷設定および印刷の制御は、印刷アプリケーションにより実行可能である。
【0022】
印刷アプリケーションについて、図6を参照して説明する。
【0023】
図6は、本発明の印刷アプリケーションのUI画面を示す図である。
【0024】
印刷アプリケーションのUI画面は、601の画面A、602の画面B、603の画面C、の3つの画面から構成されている。3つの画面でなくても複数の画面で構成されれば本発明は実施可能である。本実施形態では、印刷設定を行うための印刷アプリケーションであるため、複数の印刷設定画面で構成されている。しかし、印刷設定画面に限らず、複数の操作工程を必要とし、それぞれの操作工程に対応する画面を必要とするものであれば本発明は適応できる。
【0025】
画面Aは接続されているプリンタを確認するための画面で、プリンタが接続されており印刷が可能であるかをユーザに通知するための画面である。また、プリンタにセットされている用紙やインクの種類を表示しても良い。
【0026】
画面Bは、印刷対象の画像を選択するための画面であり、ハードディスク815に記録されている画像ファイルをファイル管理部806が取得して画面B上に表示し、その中からユーザに印刷対象の画像を選択させる。
【0027】
画面Cは、印刷する画像を確認するための画面である。また、印刷条件の設定(フチあり・フチなし設定、撮影日・撮影時間の印刷の設定)が可能であり、設定した印刷条件にあわせた画像が表示される。また、画像のトリミングの設定も可能である。
【0028】
画面Cには印刷ボタンがあり、印刷ボタンを押すことで、印刷処理が開始され、印刷対象の画像の印刷データが、USBインターフェースを介してプリンタに送信され、プリンタで画像が印刷される。また、印刷処理中は604の印刷中画面のように、印刷中であることを示すメッセージが印刷処理の進捗を示すプログレスバーと共に表示される。印刷処理が完了すると、この表示は消える。
【0029】
また、画面A,B,Cの画面に切り替えられたときには、それぞれの画面に対応する音声ガイドの音声データがプログラムメモリ802から読み出され、音声データに基づいてスピーカーから音声が再生出力される。本発明の印刷アプリケーションでは、ユーザがすべき操作ごとに画面A,B,Cが用意されている。画面Aに切り替えられたときは(♪印刷できます♪)、画面Bに切り替えられたときは(♪画像を選んでください♪)、画面Cに切り替えられたときは、♪印刷してください♪)という音声ガイドがスピーカーから再生出力される。表示される画面でユーザがすべき操作を音声ガイドでユーザに通知するため、操作に慣れないユーザであっても、簡単にこの印刷アプリケーションを用いて印刷を実行することができる。
【0030】
また、この印刷アプリケーションでは、操作順序として、プリンタの接続確認→画像選択→印刷設定および画像確認→印刷指示という順序が決まっている。従って、プリンタの接続確認の画面Aで次へというボタンを押すと、画像選択の画面Bに切り替わり、画面Bで次へというボタンを押すと確認および印刷設定の画面Cに切り替わる。また、前へというボタンを押すことにより前の画面に戻ることも可能である。本実施形態においては、画面A(接続確認)→画面B(画像選択)→画面C(確認、印刷設定)の方向が順方向であり、画面C→画面B→画面Aが逆方向となる。また、本実施例は、3つの画面から構成された音声ガイド付き装置の例であるが、印刷設定用の画面と確認用の画面を分けて4つの画面により印刷設定を行うようなアプリケーションにしても良い。つまり、画面の個数が増減したとしても良い。また、画面遷移の手段として、例えば、画面Aから画面Bをスキップして画面Cに遷移することも可能とする。その場合、「前へ」「次へ」というボタンではなく、それぞれの画面に遷移するためのボタン等を用意して、そのボタンが押されたことに応じて画面を遷移させる。
【0031】
このように、本発明の印刷アプリケーションでは、画面が切り替わることに応じて切り替わる画面に対応する音声ガイドが出力される。音声ガイドにより、ユーザはその画面でやるべき操作がすぐにわかるため、慣れないユーザでも簡単に印刷設定を行うことができる。
【0032】
(第1の実施形態)
第1の実施形態について説明する。
【0033】
本実施形態の印刷アプリケーションにおいては、順方向への画面切り替えの指示がされた場合は、切り替わる画面に対応する音声ガイドを再生するが、逆方向へ画面の切り替えが指示された場合は、音声ガイドの再生は行わない。逆方向の場合は、一度画面を表示して音声ガイドを再生した画面であり、何度も同じ音声ガイドが再生されるのは鬱陶しいため、音声ガイドは再生しない。このときの処理について図1のフローチャートを参照して説明する。
【0034】
図1は、逆方向への画面の遷移が指示された場合の制御手順である。
【0035】
まず、ステップ100で画面の切り替え指示が入力されると、ステップ101で、今の画面から切り替え指示に応じた画面に切り替えて表示する。順方向の場合は次の画面に切り替え、逆方向の場合は前の画面に切り替える。ステップ102では、ステップ100での切り替え指示が、順方向への切り替え指示であったか逆方向であったかを判断する。逆方向が指示されていた場合、ステップ101で表示した画面に対応する音声を再生しない(ステップ103)。順方向が指示ささていた場合、ステップ101で表示した画面に対応する音声をスピーカー818から再生する。逆方向を選択した場合には、既に順方向で画面切り替えられたときに音声を再生しているので、再度同じ音声を流す必要はない。順方向であった場合は、切り替えた画面に対応する音声ガイドのデータを読み出し、スピーカーから再生する(ステップ104)。
【0036】
(第2の実施形態)
第2の実施形態は第1の実施形態とほぼ同じ構成であるため、違う部分のみを説明する。第2の実施形態では、順方向への画面遷移が指示されたときに、前回、切り替え指示に応じて表示される画面が表示され、その画面に対応する音声ガイドが再生されてからの時間経過を判定する。そして、所定時間以上経過していたら音声は再生するが、所定時間経過していない場合には、前に同じ音声ガイドを再生したばかりであるため、音声を再生しないようにする。本実施形態の処理について、図2のフローチャートを参照して説明する。
【0037】
図2は、本実施形態の画面の遷移が指示されて音声ガイド再生するための制御手順である。
【0038】
ステップ200で画面の切り替え指示が入力されると、切り替え指示に応じた画面をステップ201で表示し、ステップ202でその画面に切り替えた時刻T1を取得する。次に、ステップ203において、ステップ202で切り替えた画面に前回切り替えたときの時刻T2を取得する。図15のように、画面ごとに切り替えられた時間の切り替え時刻リストがプログラムメモリ802に記録してあるので、対応する画面の時間データをこのリストから読み出すことによりT2を取得する。T2を取得後はステップ204において、ステップ202で取得した時間を、今回画面を切り替えた時間として、切り替え時刻リストに記録する。
【0039】
ステップ205では、ステップ202、203で取得した時刻T1とT2の差分時間T1−2を求める。T1−2は、前回画面を切り替えてから、同じ画面に切り替えるまでに経過した時間である。ステップ206でT1−2≦所定時間Tthであるかを判断する。差分時間T1−2が所定時間Tthよりも大きい場合、ステップ207でステップ201で切り替えた画面に対応する音声ガイドを再生する。差分時間T1−2が所定時間Tth以下の場合、ステップ208で音声を再生しない。
【0040】
本実施形態では、所定時間が経過する前に同じ画面に切り替わった場合は、前に同じ音声ガイドを再生しているため音声ガイドは再生しない。ある程度前回の画面切り替えから時間が経った場合は、音声ガイドの内容をユーザが忘れている可能性が高いため、音声を再生するようにしている。
【0041】
ユーザの操作状況に応じて音声ガイドを再生するか否かを決定しているため、短期間に何度も同じ音声ガイドを再生してしまうのを防ぐことができる。
【0042】
本実施形態では、経過時間T1−2を、前回と今回の画面に切り替えた時間T1、T2から求めたが、画面に切り替えた時間ではなく、音声ガイドを再生した時刻、または、画面切り替えの指示が入力された時刻から求めても良い。この場合、プログラムメモリの切り替え時刻リストに記録する時刻も、音声ガイドを再生した時刻、または、画面切り替えの指示が合った時刻となる。音声ガイドを再生した時刻を記録する場合は、画面が切り替わっても音声ガイドが再生されなかった場合は切り替えリストの時刻は更新されなくなる。
【0043】
また、本実施形態では、画面切り替え時刻の取得や記録、経過時間T1−2の算出を画面の切り替え表示の後に行ったが、画面切り替え表示後すぐに音声ガイドの再生ができるように音声を再生するか否かをの判断を画面切り替え表示の前に行ってもよい。
【0044】
図15は、プログラムメモリに記録されている画面切り替え時刻リストの一例である。
【0045】
それぞれの画面ごとにその画面に切り替えられた時刻が記録されている。画面切り替え時刻リストに記録されている画面切り替え時刻に応じて、今回音声ガイドを再生するかが判断される。印刷アプリケーションを終了した後も、このリストを保持して置くことにより、次回の印刷アプリケーションの起動時に、前の起動時における画面の切り替え時間を考慮して音声ガイドの再生を行うことができる。
【0046】
図13のように、印刷アプリケーション終了時に画面切り替え時刻リセットを行おこなっても良い。この処理について説明する。
【0047】
ステップ1301で、音声ガイド付き装置で終了コマンドが実行される。ステップ1302で、前回音声を再生した時刻503に「0000/00/00 00:00:00」を設定する。これによって、次回音声ガイド付き装置が起動した場合、各画面の前回音声を再生した時刻には初期値が設定されているので、必ず一度は音声が再生される。そのため、ユーザは必ず1回は音声ガイドにより操作を確認できるという効果がある。印刷アプリケーションの終了時にリセットするのではなく、起動時にこのような画面切り替え時刻のリセット処理を行っても良い。
【0048】
また、図14のような、印刷アプリケーション終了時に、画面を切り替えた時刻(音声を再生した時刻)をリセットするかを促すダイアログを表示し、リセットが選択された場合に図13のリセット処理を行うようにしても良い。
1401は、音声ガイド付き装置で終了コマンドが実行された場合に、次回、起動した直後は、必ず各画面で音声ガイドを再生するかを促すためのダイアログである。1402は、前回音声を再生した時刻に「0000/00/00 00:00:00」を設定してから音声ガイド付き装置を終了するためのボタンである。各画面の前回音声を再生した時刻には初期値が設定されているので、次回音声ガイド付き装置が起動した場合、各画面で音声が再生される。1403は、前回音声を再生した時刻を変更せずに音声ガイド付き装置を終了するためのボタンである。次回音声ガイド付き装置が起動した場合、前回音声を再生した時間と現在の時間との差分時間と所定時間に応じて音声が再生される。
【0049】
(第3の実施形態)
第3の実施形態は第1の実施形態、第2の実施形態とほぼ同じ構成であるため、違う部分のみを説明する。第3の実施形態について図3のフローチャートを参照して説明する。
【0050】
図3は、本実施形態における画面切り替え指示に応じた音声ガイド再生のための制御手順である。
【0051】
ステップ300で、画面切り替えた指示が入力されると、ステップ301で切り替え指示に対応する画面に切り替えて表示する。ステップ302では、ステップ302で逆方向への画面切り替えが指示されたかを判断する。逆方向が指示された場合、ステップ303で起動直後の画面が先頭であるかを判断する。起動直後の画面が先頭である場合、ステップ304で音声を再生しない。逆方向が指示され、起動直後の画面が先頭ではない場合、ステップ305で画面切り替え時刻リストの切り替え時刻を今回の切り替え時刻を記録して更新し、ステップ306で切り替えた画面に対応する音声ガイドを再生する。画面を切り替えるのに逆方向が選択されていない場合、ステップ307で前回の画面切り替えからの経過時間に応じて音声を再生する図2の処理を行う。
【0052】
(第4の実施形態)
第4の実施形態は第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態とほぼ同じ構成であるため、違う部分のみを説明する。第4の実施形態について、図4、図7を参照しながら説明する。
【0053】
図7は、印刷アプリケーションの先頭画面(画面A)の例である。
【0054】
701は音声ガイドの音声ON/OFF設定を切り替えるためのラジオボタンである。「切」が選択された場合、画面が切り替わっても、音声ガイドは再生しないようにする。または、出力デバイス管理部809が、スピーカー818の音声の出力をOFFに設定することにより音声ガイドが再生されないようにしても良い。702は先頭画面で設定された音声ガイドと同じ内容のテキストである。703は、音声ガイドの詳細を設定するダイアログを起動するためのボタンである。704は、次の画面へ遷移するためのボタンである。このボタンをマウス832またはキーボードを用いて選択してクリックすることで、次の画面への切り替え指示が入力され、次の画面が表示される。ここでは、ボタンの文字列が「印刷メニューへ」と表示されているが、「次へ進む」、「ステップ2へ進む」、などの順方向へ画面を遷移することを意味した文字列でもよい。
このように、本実施形態の印刷アプリケーションでは、音声ガイドのON/OFF設定が可能である。
【0055】
図4は、本実施形態における画面切り替え指示に応じた音声ガイド再生のための制御手順である。
【0056】
ステップ400で画面切り替えの指示が入力されると、ステップ401で、ステップ400での切り替え指示に応じた画面を表示する。ステップ402で、画面を切り替えるのに逆方向が選択されたかを判断する。逆方向が選択された場合、ステップ403で装置の音声がOFFからONに設定されたかを判断する。OFFからON設定された場合、ステップ404で音声を再生する。OFFからONに設定されていない場合、ステップ405で音声を再生しない。画面を切り替えるのに逆方向が選択されていない場合、ステップ406で装置の設定がOFFからONに設定されたかを判断する。OFFからONに設定された場合、ステップ407で音声を再生する。OFFからONに設定されていない場合、ステップ408で図2のように、前回音声ガイドを再生してからの経過時間に応じた音声ガイドの再生を行う。
【0057】
このように本実施形態では、音声設定がONに切り替えられた後は、必ず音声ガイドが再生されるようにしている。つまり、逆方向の画面への切り替え指示の場合であっても、また、前回同じ音声ガイドを再生してから所定時間経過してない場合であっても、音声設定がONに切り替えられた後は必ず音声ガイドが再生される。このような構成により、ユーザは装置の音声設定がONに切り替わっていることを再確認できる。
【0058】
本実施形態では、音声設定がONに切り替えられた直後の1回は、逆方向や経過時間に関係なく音声ガイドが必ず再生されるようにしたが、音声設定がONに切り換えられた後は、必ず全ての画面の音声が少なくとも1回は再生されるように制御しても良い。この場合、音声設定がONに変更されたことに応じて、図13のステップ1302のような画面切り替え時刻のリセット処理を行うことで実現可能である。
【0059】
(第5の実施形態)
第4の実施形態は第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態、第4の実施形態とほぼ同じ構成であるため、違う部分のみを説明する。第4の実施形態では、第2の実施形態におけるTthをユーザが変更できる。第4の実施形態について図5,9、11,12を参照して説明する。
【0060】
図9は、音声設定ダイアログの例である。
【0061】
901は音声ガイドなどの詳細設定を行うためのダイアログである。902、903、および904は、画面A、B、およびCで、音声ガイドを再生するための時間(次に画面切り替え時に音声ガイドが再生されるまでの時間)を設定するためのスピンボックスである。つまり、音声ガイドが再生されてから、このスピンボックスで設定された時間が経過するまでは画面が切り替わったとしても同じ音声ガイドは再生されなくなる。ユーザは各々の画面に応じて、この値を任意に設定することができる。905は、前述したコントロールに設定された値を記憶して901設定ダイアログを閉じるためのボタンである。906は、前述したコントロールに設定された値を記憶せずに901設定ダイアログを閉じるためのボタンである。毎回音声ガイドを再生したい場合、スピンボックス902、903、および904に小さい値または0を設定すれば良い。なお、これらのスピンボックスに設定できる値には、制限値が設けられている。例えば、スピンボックス902、903、および904に非常に大きい値が設定された場合、音声が再生されなくなってしまうからである。
【0062】
図5は、本実施形態における画面切り替え時刻リストを示す図である。
【0063】
501は各々の画面の名称と前後の画面へのポインタを保持したデータ配列を指す。本実施形態では、先頭画面Aから最終画面Zまでの画面を有している印刷アプリケーションを想定している。502は、各々の画面へ切り替えられた時刻が保持されたデータ配列を指す。現在、画面Bが表示されているが、前回に画面Bが表示されたのは、「2008/10/30 20:55:34」である。503は、各々の画面で音声を再生するかを判断するために使用される時間を保持したデータ配列である。画面Bの場合、20[s]が設定されているので、今回の操作で順方向が選択された、かつ前回音声を再生した時刻が20[s]以上の場合、音声が再生される。なお、この所定時間は各々の画面で任意に設定できるものとする。
【0064】
第2の実施形態と同様に、画面へ切り替えられた時刻ではなく、音声を再生した時間、または、画面切り替え指示が入力した時間を記録しても良い。
【0065】
画面切り替え時には、切り替える画面に対応する503の時間のデータを画面切り替え時刻リストから読み出し、その値をTthとして第2の実施形態と同様の処理を行う。第2の実施形態ではTthは固定の値であったが、本実施形態では、ユーザが任意に設定可能である。
【0066】
図11は、本実施形態における画面遷移を示す図である。
1101画面Bは、音声ガイド付き装置の画像を選択するための画面であり、1104音声ガイド(♪画像を選んでください♪)を保持している。1102画面Cは、音声ガイド付き装置の画像を印刷するための画面であり、1105音声ガイド(♪印刷してください♪)を保持している。画面Bから1108で設定ダイアログ1110を起動する。そして、1111で音声の設定ダイアログをOFFにして設定ダイアログを閉じる。次に、順方向1106を選択して、画面Cに切り替える。この場合、音声ガイド付き装置の音声設定はOFFなので、音声1105は再生されない。ここで、画面Cから1108で設定ダイアログ1113を起動する。そして、1109で音声の設定ダイアログをONにして設定ダイアログを閉じる。その後に、逆方向1107を選択して、画面Bに戻る。逆方向で画面遷移した場合であるが、この場合に限り、本実施例では音声1104を再生する。操作に関係なく音声を流すことによって、音声ガイド付き装置の音声設定が正常にONに設定されているかをユーザが再確認することができる。さらに、その後に逆方向への画面遷移を行った場合、音声を再生しない。
【0067】
図12は、本実施形態における画面遷移を示す図である。
1203画面Bは、音声ガイド付き装置の画像を選択するための画面であり、1201音声ガイド(♪画像を選んでください♪)を保持している。1204画面Cは、音声ガイド付き装置の画像を印刷するための画面であり、1202音声ガイド(♪印刷してください♪)を保持している。本実施例では、画面Bから1206順方向によって画面Cへ遷移した場合、画面Cで前回再生した時間と現在の時間との差分時間が、画面Cで設定された所定時間以下で音声が再生されなかった場合である。このとき、ユーザは同じ順方向による画面遷移にもかかわらず、画面Cで音声が再生されない理由を把握できない可能性がある。そこで、順方向による画面遷移で音声が再生されなかった場合、画面上に音声ガイドを表示するために「設定」ダイアログから音声ガイドを再生するまでの所定時間を変更する旨を記した1205ダイアログを表示する。これによって、ユーザは順方向へ画面遷移した場合に音声ガイドを再生するための設定ダイアログへ誘導することができる。
【0068】
(第6の実施形態)
図10は、本実施形態における画面遷移を示す図である。
1001画面Bは、画像を選択するための画面であり、1004音声ガイド(♪画像を選んでください♪)を保持している。1002画面Cは、音声ガイド付き装置の画像を印刷するための画面であり、1005音声ガイド(♪印刷してください♪)を保持している。本実施例では、外部装置である1003画像管理装置で画像を選択してから、情報処理装置はプログラムメモリに記録されている印刷アプリケーションを起動し、各部の制御を行っている。1008は画像管理装置から情報処理装置が印刷アプリケーションを起動するための起動コマンドを指す。画像管理装置1003でユーザは画像を選択した後に印刷亜プリケーションを起動しているので、画面Bを飛ばして画面Cを表示している。このように起動直後の画面が先頭画面ではない場合、例えば、ユーザが画像を選びなおす場合、画面Bへ戻る必要がある。一度、音声ガイド付き装置を終了して、画像管理装置で画像を選びなおしてから、音声ガイド付き装置を再度起動することもできるが、操作手順が煩雑になってしまう。ユーザが画像を選びなおすために画面Bへ戻った場合、前述した実施例では、逆方向が選択されているので音声ガイドが流れない。そこで、起動直後の画面が先頭画面ではない場合には、逆方向が選択されたとしても音声ガイドを流すようにする。
【0069】
(その他の実施形態)
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。上述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。
【0070】
上述の実施形態では、情報処理装置が、プリグラムメモリに記録されている印刷アプリケーションのプリグラムに基づいて各部を制御することにより実現しているが、情報処理装置ではなく、印刷装置や画像表示装置で実現しても良い。
【0071】
また、上述の実施形態の機能を実現するプログラムを、記録媒体から直接、或いは有線/無線通信を用いてプログラムを実行可能なコンピュータを有するシステム又は装置に供給し、そのプログラムを実行する場合も本発明に含む。
【0072】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータに供給、インストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も本発明に含まれる。
【0073】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0074】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、ハードディスク、磁気テープ等の磁気記録媒体、光/光磁気記憶媒体、不揮発性の半導体メモリでもよい。
【0075】
また、プログラムの供給方法としては、コンピュータネットワーク上のサーバに本発明を形成するコンピュータプログラムを記憶し、接続のあったクライアントコンピュータがコンピュータプログラムをダウンロードしてプログラムするような方法も考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の設定画面へ表示を切り替え可能な情報処理装置であって、
画面の切り替え指示に応じて、表示する画面を切り替える表示制御手段と、
表示する画面の切り替えに応じて、切り替わって表示される画面に対応する音声を再生する再生手段と、
画面の切り替えを行ってから、所定時間経過したかを判定する判定手段と、
前記判定手段により所定時間経過していないと判定された場合に、画面への切り替えが行われても、前記再生手段による音声の再生は行わないように制御する制御手段とを有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記判定手段は、画面の切り替え指示が入力されたことに応じて、前回の画面の切り替えからの時間経過を判定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記判定手段は、切り替え指示に応じて切り替えられる画面について、当該画面に前回切り替えられてからの時間経過を判定することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記複数の画面は、予め順序が決められており、
前記制御手段は、後の画面へ切り替えられた場合には切り替わった画面に対応する音声を前記再生手段により再生するように制御し、前の画面へ切り替えられた場合は、前記再生手段による音声の再生は行わないように制御することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記判定手段により所定時間経過したと判定された場合は、前の画面へ切り替えられた場合であっても、前記再生手段による音声の再生を行うように制御することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記再生手段による音声の再生のON/OFFを設定する設定手段とを有し、
前記制御手段は、前記設定手段により音声の再生がOFFからONに変更された後は、画面の切り替えを行ってからの時間経過に関わらず、前記再生手段により音声を再生するように制御することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記所定時間を変更するための変更手段を有し、
前記判定手段は、前記変更手段により変更された時間を経過したかを判定することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
画面が切り替えられた時間を記憶するための記憶手段を有し、
前記判定手段は、前記記憶手段に記憶されている時間と現在の時間の差から、経過時間を算出し、算出した経過時間が所定時間以上であるかを判定することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記記憶手段は、前記表示制御手段により画面を表示した時間を記録することを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記記憶手段は、画面の切り替え指示が入力された時間を記録することを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記記憶手段は、前記複数の画面ごとに、画面に切り替えられる時間を記憶し、
前記判定手段は、画面の切り替え指示に応じて切り替えられる画面に対応する前記前記記憶手段に記憶されている時間からの経過時間が所定時間以上であるかを判定することを特徴とする請求項8ないし10のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
複数の画面に表示を切り替えるための情報処理装置であって、
画面の切り替え指示に応じて、表示する画面を切り替える表示制御手段と、
表示する画面が切り替わることに応じて、画面に対応する音声を再生する再生手段と、
前記複数の画面は、予め順序が決められており、後の画面へ切り替える場合には切り替わった画面に対応する音声を前記再生手段により再生するように制御し、前の画面へ切り替える場合は、前記再生手段による音声の再生は行わないように制御する制御手段とを有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項13】
前記再生手段による音声の再生のON/OFFを設定する設定手段とを有し、
前記制御手段は、前記設定手段により音声の再生がOFFからONに変更された後は、前の画面への切り替えか後の画面への切り替えかに関わらず、切り替わる画面に対応する音声を前記再生手段により再生するように制御することを特徴とする請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記複数の画面は印刷設定を行うための画面であり、
印刷設定を開始するために前記複数の画面のうちの1つの画面が表示された直後は、前の画面への切り替えか後の画面への切り替えかに関わらず、切り替わる画面に対応する音声を前記再生手段により再生するように制御することを特徴とする請求項12または13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
複数の設定画面へ表示を切り替え可能な情報処理装置の制御方法であって、
画面の切り替え指示に応じて、表示する画面を切り替える切り替え工程と、
表示する画面の切り替えに応じて、切り替わって表示される画面に対応する音声を再生する再生工程と、
画面の切り替えを行ってから、所定時間経過したかを判定する判定工程とを有し、
前記判定工程において所定時間経過していないと判定された場合には、画面への切り替えが行われても、音声の再生は行わないことを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項16】
複数の画面に表示を切り替えるための情報処理装置の制御方法であって、
画面の切り替え指示に応じて、表示する画面を切り替える切り替え工程と、
表示する画面が切り替わることに応じて、画面に対応する音声を再生する再生工程とを有し、
前記複数の画面は、予め順序が決められており、前記再生工程では、後の画面へ切り替える場合には、切り替わった画面に対応する音声を再生するように制御し、前の画面へ切り替える場合は、音声を再生しないように制御することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項17】
請求項15または16に記載の情報処理装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項18】
請求項17に記載のプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−191591(P2010−191591A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−34034(P2009−34034)
【出願日】平成21年2月17日(2009.2.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】