説明

情報処理装置

【課題】仮想キーボードを目視することなく、キー入力を容易に行うことができる情報処理装置を提供する。
【解決手段】複数のキーで構成される仮想キーボードを表示する表示部と、表示部の上に設けられるタッチセンサ部と、を有する表示入力部を備え、仮想キーボードを入力手段として利用する情報処理装置において、表示部の表示画面上において、複数のキーのうちの予め定められる4つのキーの表示領域に突起が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力手段として仮想キーボードを有する情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、パーソナルコンピュータなどの情報処置装置のキーボードにキー入力をするとき、熟練したユーザであれば、キーボードを目視することなくキー入力を行う所謂ブラインドタッチと呼ばれるキー入力を行うことができる。このキーボードには、通常、予め定められたキーに突起が設けられている。ユーザは、この突起を認識することにより、突起が設けられたキーをブラインドタッチによりキー入力を行う際の基準となる指の配置(所謂、ホームポジション)として認識し、キーボードと指の位置のずれを抑えている。
【0003】
また、近年では、液晶ディスプレイの表面画面をユーザが直接に触れることにより入力操作を行うことができるタブレット型パーソナルコンピュータやスマートフォンなどの情報処理装置が多く利用されている。このような情報処理装置では、特許文献1や特許文献2のように、入力手段として仮想キーボードを利用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−301322号公報
【特許文献2】特開2003−067098号公報
【特許文献3】特開2004−220536号公報
【特許文献4】特開平09−218738号公報
【特許文献5】特開平06−332602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、仮想キーボードでは、ユーザが仮想キーボードを目視することなくホームポジションとなるキーを認識することは難しいため、仮想キーボードから基準となる両手の指の位置がずれ易い。そのため、ユーザがブラインドタッチでキー入力を行うことが困難であった。
【0006】
たとえば、特許文献1では、携帯電話機の表示画面上に表示された仮想キーボードを入力装置として利用しているが、仮想キーボードを目視することなく、ホームポジションとなるキーを認識することはできないので、ブラインドタッチでキー入力することは難しい。また、特許文献2では、仮想キーボードの「F」キー及び「J」キーの表示色を変えることにより、ホームポジションとなるキーが認識できるようにしているが、キー入力の際には仮想キーボードを目視する必要がある。
【0007】
また、仮想キーボードでは、表示画面の大きさに応じて、各キーの表示領域の間隔が異なる。そのため、従来のキーボードのようにホームポジションとなるキーが2つしかないと各キーの表示領域の間隔が認識できないため、所望のキーをタッチ入力するためにはホームポジションとなるキーから指をどの程度動かせばよいかわからない。従って、ブラインドタッチでキー入力を行うことはさらに難しくなっている。
【0008】
これに対して、特許文献3〜5のように、補助具を用いてキー入力をし易くする方法もある。たとえば、特許文献3では、指の接触乃至近接を検出するセンサと各キーの押下を検出するセンサとを設けたキーボードを入力装置として利用し、表示画面でのキーボード表示の上に、キーを操作する指の位置と操作状況を合成表示している。また、特許文献4では、携帯性の高いフレキシブルなキーボードを接続することにより、仮想キーボードを利用することなく、キー入力ができるようにしている。また、特許文献5では、仮想キーボードの表示領域に突起付きキーボード入力補助部を置くことによってブラインドタッチができるようにしている。しかしながら、特許文献3〜5では、情報処理装置にキー入力を行うとき、常に、キー入力するための補助具を用意しておく必要があるので、不便である。
【0009】
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、仮想キーボードを目視することなく、キー入力を容易に行うことができる情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明の情報処理装置は、複数のキーで構成される仮想キーボードを表示する表示部と、前記表示部の上に設けられるタッチセンサ部と、を有する表示入力部を備え、前記仮想キーボードを入力手段として利用する情報処理装置において、前記表示部の表示画面上において、前記複数のキーのうちの予め定められる4つのキーの表示領域に突起が設けられる。
【0011】
上記構成によれば、仮想キーボードが表示される表示画面上の予め定められる4つのキーの表示領域に突起が設けられる。そのため、ユーザは、その突起に触れることにより、ブラインドタッチでキー入力を行うときの両手の指の基準位置(ホームポジション)として、それら4つのキーの表示位置を認識し、仮想キーボードの各キーの表示位置に対する両手の指の基準位置のずれを抑えたり修正したりすることができる。さらに、ホームポジションとして4つのキーの表示位置から、仮想キーボードを構成する複数のキーの表示位置の間隔も認識することもできる。従って、仮想キーボードを目視することなく、キー入力を容易に行うことができる。
【0012】
上記構成において、前記表示画面上に設けられる透光性フィルムをさらに備え、前記透光性フィルムは少なくとも前記表示画面上の前記4つのキーの表示領域を覆い、前記透光性フィルムには、前記4つのキーの各表示領域と重なる領域のうち、一部領域に第1の開口が設けられるとともに、前記一部領域以外の領域に前記突起が設けられてもよい。
【0013】
また、上記構成において、前記透光性フィルムは、前記表示画面上の前記4つのキーを含むキー列の表示領域又は前記仮想キーボードの表示領域を覆い、前記透光性フィルムには、前記複数のキーのうちの前記4つのキー以外のキーの各表示領域と重なる領域に第2の開口がさらに設けられてもよい。
【0014】
また、上記構成において、前記透光性フィルムは前記表示画面全体を覆い、前記透光性フィルムには、前記複数のキーのうちの前記4つのキー以外のキーの各表示領域と重なる領域に第2の開口がさらに設けられるとともに、前記仮想キーボードの表示領域以外の表示領域と重なる領域に第3の開口がさらに設けられてもよい。
【0015】
また、上記構成において、前記透光性フィルムは前記表示画面に対して着脱可能であってもよいし、前記透光性フィルムは絶縁性材料で形成されてもよい。さらに、前記複数のキーはQWERTY配列しており、前記予め定められる4つのキーは、「A」キー、「F」キー、「J」キー、及びリターンキーであってもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、仮想キーボードが表示される表示画面上の予め定められる4つのキーの表示領域に突起が設けられる。そのため、ユーザは、その突起に触れることにより、ブラインドタッチでキー入力を行うときの両手の指の基準位置(ホームポジション)として、それら4つのキーの表示位置を認識し、仮想キーボードの各キーの表示位置に対する両手の指の基準位置のずれを抑えたり修正したりすることができる。さらに、ホームポジションとして4つのキーの表示位置から、仮想キーボードを構成する複数のキーの表示位置の間隔も認識することもできる。従って、仮想キーボードを目視することなく、キー入力を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1実施形態に係る情報処理装置の正面図である。
【図2】第1実施形態に係る情報処理装置のX−X断面図である。
【図3】第1実施形態における装置本体の構成図である。
【図4】仮想キーボードが表示された表示画面を示す図である。
【図5】第1実施形態における透光性フィルムの構成図である。
【図6】第2実施形態に係る情報処理装置の正面図である。
【図7】第2実施形態における透光性フィルムの構成図である。
【図8】第3実施形態に係る情報処理装置の正面図である。
【図9】第3実施形態における透光性フィルムの構成図である。
【図10】第4実施形態に係る情報処理装置の正面図である。
【図11】第4実施形態に係る情報処理装置のY−Y断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
<第1実施形態>
【0019】
図1は、第1実施形態に係る情報処理装置の正面図である。また、図2は、第1実施形態に係る情報処理装置のX−X断面図である。第1実施形態に係るタブレット型端末装置1(情報処理装置)は、タブレット型パーソナルコンピュータやスマートフォンなどの情報処理装置である。タブレット型端末装置1は、装置本体10と、透光性フィルム20aと、を備えている。図3は、第1実施形態における装置本体の構成図である。装置本体10は、表示入力部11と、筐体12と、制御部13と、メモリ14と、通信部15と、を有している。
【0020】
表示入力部11は、図2に示すように、タッチパネル11a(タッチセンサ部)と、表示パネル11b(表示部)と、を有している。タッチパネル11aは、ユーザがタッチ入力するための入力ユニットであり、透光性を有し、表示パネル11bの表面に設けられている。本実施形態では、静電容量方式のタッチパネル11aを利用しているが、これに限定されず、抵抗膜方式などの他の方式のタッチパネル11aを利用してもよい。また、表示パネル11bは、たとえば液晶ディスプレイなどの表示ユニットであり、メモリ14に記憶されたコンテンツなどの映像表示を行う。
【0021】
また、表示パネル11bは、表示画面111の一部領域に仮想キーボード112を表示することができる。図4は、仮想キーボードが表示された表示画面を示す図である。ユーザにより仮想キーボード112を利用する旨のタッチ入力がなされると、表示パネル11bは、図4に示すように、表示画面111の下部領域に仮想キーボード112を表示する。この仮想キーボード112は、たとえばQWERTY配列した複数のキーで構成されている。
【0022】
なお、QWERTY配列とは、一般のパーソナルコンピュータのキーボードなどで採用されているキー配列である。QWERTY配列では、アルファベットキーの配列が最上段のキー列の左端から、「Q」キー、「W」キー、「E」キー、「R」キー、「T」キー、「Y」キーの順で並んでいる。また、上から2段目のキー列は、ブラインドタッチで入力するときの指の基準位置(以下、ホームポジションと呼ぶ。)として一般に設定される「F」キー112b及び「J」キー112cを含んでいる。また、その左端には「A」キー112aが配され、右端にはリターンキー112dが配されている。
【0023】
制御部13は、メモリ14に記憶された制御情報やプログラムを利用して装置本体10の各部を制御している。また、メモリ14は、不揮発性の記憶媒体であり、制御部13が利用する制御情報及びプログラムや、表示入力部11や音声出力部16にて再生出力する様々なコンテンツ、通信部15にて送受信する情報などを格納している。また、通信部15は、内蔵のアンテナ151を通じて外部と無線通信するための通信ユニットである。また、音声出力部16は、メモリ14に記憶されたコンテンツなどの音声出力を行うためのスピーカである。
【0024】
次に、透光性フィルム20aについて説明する。図5は、第1実施形態における透光性フィルムの構成図である。透光性フィルム20aは、表示入力部11の表示画面111全体を覆うように、装置本体10に設けられている。また、透光性フィルム20aには、表示入力部11の表示画面111に表示される複数のキーのうちの予め定められる4つのキー(「A」キー112a、「F」キー112b、「J」キー112c、リターンキー112d)の表示領域と重なる各領域に突起30が設けられている。
【0025】
こうすると、ユーザは、その突起30に触れることにより、ブラインドタッチでキー入力を行うときの両手の指の基準位置(ホームポジション)として、それら4つのキー112a〜112dの表示位置を認識し、仮想キーボード112の各キーの表示位置に対する両手の指の基準位置のずれを抑えたり修正したりすることができる。さらに、ホームポジションとして4つのキーの表示位置から、仮想キーボード112を構成する複数のキーの表示位置の間隔も認識することもできる。従って、仮想キーボード112を目視することなく、キー入力を容易に行うことができる。
【0026】
さらに、透光性フィルム20aには、予め定められる4つのキー(「A」キー112a、「F」キー112b、「J」キー112c、リターンキー112d)の表示領域と重なる各領域のうちの一部領域(図1では各キーの上部表示領域と重なる各領域)に第1の開口21が設けられるとともに、その一部領域以外の領域(図1では各キーの下部表示領域と重なる領域)に突起30が設けられている。
【0027】
こうすれば、ユーザは、その突起30に触れることにより、ブラインドタッチでキー入力を行うときの両手の指の基準位置(ホームポジション)として、それら4つのキー112a〜112dの表示位置を認識し、仮想キーボード112の各キーの表示位置に対する両手の指の基準位置のずれを抑えたり修正したりすることができる。さらに、ホームポジションとして4つのキー112a〜112dの表示位置を認識できるので、仮想キーボード112を構成する複数のキーの表示位置の間隔も認識することができる。従って、仮想キーボード112を目視することなく、キー入力を容易に行うことができる。
【0028】
また、透光性フィルム20aは、ユーザのタッチ入力に対する検出感度が低下するような材料(たとえば、絶縁性材料など)で形成されている。或いは、ユーザのタッチ入力に対する検出感度が低下するように、透光性フィルム20aの厚さを設定してもよい。そのため、表示画面111上の表示領域において、透光性フィルム20aで覆われている領域ではユーザのタッチ入力に対する検出感度が低下するため、ユーザが触れてもタッチ入力が検出されないようになっている。従って、ユーザがホームポジションとなる入力キー(「A」キー112a、「F」キー112b、「J」キー112c、リターンキー112d)に指をおいたとしても、突起30が形成された下部領域のみに触れていれば、それらのキーのタッチ入力が検出されることはない。従って、そのキーが誤って入力されるおそれがない。また、それらのキーのタッチ入力をしたい場合には、第1の開口21を通じて各キーの上部表示領域を指で触れればよい。
【0029】
また、透光性フィルム20aには、予め定められる4つのキー112a〜112d以外のキーの表示領域と重なる各領域に第2の開口22が設けられている。言い換えると、予め定められる4つのキー112a〜112d以外のキーの表示領域は透光性フィルム20aに覆われていない。そのため、これらのキーの表示領域に指を置けば、タッチパネル11aがそのキーのタッチ入力を検知する。従って、ユーザによるこれらのキー入力が透光性フィルム20aに妨げられることはない。
【0030】
また、透光性フィルム20aには、表示画面111上の仮想キーボード112の表示領域以外の表示領域113と重なる領域に第3の開口22が設けられている。言い換えると、仮想キーボード112の表示領域以外の表示領域113は透光性フィルム20aに覆われていない。そのため、仮想キーボード112の表示領域以外の表示領域113においても、ユーザによるタッチ入力が透光性フィルム20aにより妨げられることはない。
【0031】
また、透光性フィルム20aは装置本体10に対して着脱可能に設けられている。そのため、仮想キーボード112を利用しないときには、表示画面111から透光性フィルム20aを外して使用することができる。こうすると、表示画面111の下部でのタッチ入力が透光性フィルム20aにより妨げられることがない。従って、ユーザは、仮想キーボード112を利用するときには、ホームポジションとなるキー(すなわち、予め定められる4つのキー112a〜112d)の表示領域が認識できるように表示画面111上に透光性フィルム20aを貼り付ければよい。また、仮想キーボード112を利用しないときには、表示画面111から透光性フィルム20aを外せば、透光性フィルム20aに邪魔されることなく、表示画面111の全表示領域でタッチ入力をすることができる。
【0032】
なお、第1実施形態では、透光性フィルム20aが表示画面111全体を覆っているが、仮想キーボード112が表示される領域のみを覆うようにしてもよい。
<第2実施形態>
【0033】
図6は、第2実施形態に係る情報処理装置の正面図である。また、図7は、第2実施形態における透光性フィルムの構成図である。図6に示すように、第2実施形態に係るタブレット型端末装置1b(情報処理装置)では、透光性フィルム20bが、表示画面111上の全表示領域のうち、仮想キーボード112の表示領域のみを覆うように設けられている。そのため、透光性フィルム20bでは、表示画面111上の仮想キーボード112の表示領域以外の表示領域と重なる領域に第3の開口22は設けられていない。それ以外の構成は、第1実施形態と同様である。なお、第2実施形態において、第1実施形態と共通する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0034】
図7に示すように、透光性フィルム20bには、予め定められる4つのキー(「A」キー112a、「F」キー112b、「J」キー112c、リターンキー112d)の表示領域と重なる各領域のうちの一部領域(図6では各キーの上部表示領域と重なる各領域)に第1の開口21が設けられるとともに、その一部領域以外の領域(図6では各キーの下部表示領域と重なる領域)に突起30が設けられている。また、透光性フィルム20bには、予め定められる4つのキー112a〜112d以外のキーの表示領域と重なる各領域に第2の開口22が設けられている。こうすれば、表示画面111上の透光性フィルム20が覆う表示領域をより少なくすることができる。
【0035】
また、透光性フィルム20は、表示画面111上において、予め定められる4つのキー(すなわちホームポジションとなる「A」キー112a、「F」キー112b、「J」キー112c、リターンキー112d)を含むキー列の表示領域のみを覆うようにしてもよい。
<第3実施形態>
【0036】
図8は、第3実施形態に係る情報処理装置の正面図である。また、図9は、第3実施形態における透光性フィルムの構成図である。図8に示すように、第3実施形態に係るタブレット型端末装置1c(情報処理装置)では、透光性フィルム20cが、表示画面111上の全表示領域のうち、ホームポジションとなる「A」キー112a、「F」キー112b、「J」キー112c、リターンキー112dを含むキー列の表示領域のみを覆うように設けられている。そのため、透光性フィルム20cでは、ホームポジションとなる4つのキー112a〜112dを含むキー列以外のキーの表示領域に第2の開口22は設けられておらず、表示画面111上の仮想キーボード112の表示領域以外の表示領域と重なる領域に第3の開口22も設けられていない。それ以外の構成は、第1実施形態や第2実施形態と同様である。なお、第3実施形態において、第1実施形態や第2実施形態と共通する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0037】
図9に示すように、透光性フィルム20cでは、予め定められる4つのキー(「A」キー112a、「F」キー112b、「J」キー112c、リターンキー112d)の表示領域と重なる各領域のうちの一部領域(図6では各キーの上部表示領域と重なる各領域)に第1の開口21が設けられるとともに、その一部領域以外の領域(図6では各キーの下部表示領域と重なる領域)に突起30が設けられている。また、透光性フィルム20cでは、ホームポジションとなる「A」キー112a、「F」キー112b、「J」キー112c、リターンキー112dを含むキー列のうちのホームポジションとなる4つのキー112a〜112d以外のキーの表示領域と重なる各領域にのみ第2の開口22が設けられている。こうすれば、表示画面111上の透光性フィルム20cが覆う表示領域をさらに少なくすることができる。
【0038】
なお、上述の第1〜3実施形態では、表示入力部11の表示画面111に透光性フィルム20を貼り付けているが、これに代えて、箱形又はコの字型に形成した透光性フィルム20を装置本体10の表示画面111側に嵌め込むように設けてもよい。
【0039】
また、上述の第1〜3実施形態では、表示入力部11の表示画面111上に設けられた透光性フィルム20に突起30を設けているが、タッチパネル11aに感圧式のタッチパネル(たとえば、抵抗膜方式のタッチパネル)を利用する場合には、表示画面111の表面に突起30を直接に設けてもよい。
<第4実施形態>
【0040】
図10は、第4実施形態に係る情報処理装置の正面図である。また、図11は、第4実施形態に係る情報処理装置のY−Y断面図である。図8に示すように、第4実施形態に係るタブレット型端末装置1d(情報処理装置)では、表示入力部11の表示画面111に透光性フィルム20が設けられておらず、ホームポジションとなる4つのキー112a〜112dを認識するための突起30aが表示画面111の表面に直接に設けられている。それ以外の構成は、第1〜第3実施形態と同様である。なお、第4実施形態において、第1〜第3実施形態と共通する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0041】
第4実施形態に係るタブレット型端末装置1d(情報処理装置)では、表示入力部11は、抵抗膜方式のタッチパネル11aと、表示パネル11bと、を有している。また、タッチパネル11aの表面には、表示入力部11の表示画面111に表示される複数のキーのうちの予め定められる4つのキー(「A」キー112a、「F」キー112b、「J」キー112c、リターンキー112d)の表示領域と重なる各領域の下側に突起30aが設けられている。
【0042】
こうすると、ユーザは、その突起30aに触れることにより、ブラインドタッチでキー入力を行うときの両手の指の基準位置(ホームポジション)として、それら4つのキー112a〜112dの表示位置を認識し、仮想キーボード112の各キーの表示位置に対する両手の指の基準位置のずれを抑えたり修正したりすることができる。さらに、ホームポジションとして4つのキー112a〜112dの表示位置から、仮想キーボード112を構成する複数のキーの表示位置の間隔も認識することもできる。従って、仮想キーボード112を目視することなく、キー入力を容易に行うことができる。
【0043】
また、タッチパネル11aは抵抗膜方式であるため、ホームポジションとなるキーの上に指を置いただけではそのキーのタッチ入力が検知されず、そのキーを予め定めた圧力以上で押下した場合にのみタッチ入力が検知される。従って、ホームポジションとなるキーに指を置いたとしてもそのキーが誤って入力されるおそれがない。
【0044】
なお、上述の第4実施形態では、タッチパネル11aの表面に突起30aを設けているが、表示パネル11bの表面に突起30を設けるようにしてもよい。タッチパネル11aに或る程度の可撓性があれば、突起30と重なる箇所に凸部ができるので、ユーザはその凸部によりホームポジションとなるキーを認識することができる。あるいは、この場合、タッチパネル11aにおいて、表示パネル11bに設けられた突起30と重なる部分に、この突起30が貫通する開口を設けるようにしてもよい。このようにしても、同様に、ユーザは開口から突出する突起30により、ホームポジションとなるキーを認識することができる。
【0045】
また、上述の第1〜第4実施形態では、仮想キーボード112を構成する各キーがQWERTY配列しているとしたが、特に限定しない。各キーは、DVORAK配列していてもよいし、ユーザが任意に定めた配列をしていてもよい。
【0046】
以上、本発明について実施形態をもとに説明した。この実施形態は例示であり、その各構成要素や各処理の組み合わせに色々な変形例が可能であり、本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、タブレット型パーソナルコンピュータやスマートフォンなどの情報処理装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 タブレット型端末装置(情報処理装置)
10 装置本体
11 表示入力部
11a タッチパネル(タッチセンサ部)
11b 表示パネル(表示部)
111 表示画面
112 仮想キーボード
112a 「A」キー
112b 「F」キー
112c 「J」キー
112d リターンキー
113 仮想キーボード以外の表示領域
12 筐体
13 制御部
14 メモリ
15 通信部
151 アンテナ
16 音声出力部
20 透光性フィルム
21 第1の開口
22 第2の開口
23 第3の開口
30、30a 突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のキーで構成される仮想キーボードを表示する表示部と、前記表示部の上に設けられるタッチセンサ部と、を有する表示入力部を備え、
前記仮想キーボードを入力手段として利用する情報処理装置において、
前記表示部の表示画面上において、前記複数のキーのうちの予め定められる4つのキーの表示領域に突起が設けられることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記表示画面上に設けられる透光性フィルムをさらに備え、
前記透光性フィルムは少なくとも前記表示画面上の前記4つのキーの表示領域を覆い、
前記透光性フィルムには、前記4つのキーの各表示領域と重なる領域のうち、一部領域に第1の開口が設けられるとともに、前記一部領域以外の領域に前記突起が設けられることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記透光性フィルムは、前記表示画面上の前記4つのキーを含むキー列の表示領域又は前記仮想キーボードの表示領域を覆い、
前記透光性フィルムには、前記複数のキーのうちの前記4つのキー以外のキーの各表示領域と重なる領域に第2の開口がさらに設けられることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記透光性フィルムは前記表示画面全体を覆い、
前記透光性フィルムには、前記複数のキーのうちの前記4つのキー以外のキーの各表示領域と重なる領域に第2の開口がさらに設けられるとともに、前記仮想キーボードの表示領域以外の表示領域と重なる領域に第3の開口がさらに設けられることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記透光性フィルムは前記表示画面に対して着脱可能であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記透光性フィルムは絶縁性材料で形成されることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記複数のキーはQWERTY配列しており、
前記予め定められる4つのキーは、「A」キー、「F」キー、「J」キー、及びリターンキーであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−243153(P2012−243153A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−113938(P2011−113938)
【出願日】平成23年5月20日(2011.5.20)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】