情報処理装置
【課題】ユーザが所望する画像配置方向を確認することができる技術を提供する。
【解決手段】基準ファイル100は、基準オブジェクト104を含み、基準オブジェクト104は、基準ファイル100に基づいて生成される新ファイルに含まれるべき2個以上の画像の配置方向に関係する情報150、154を含む。表示制御部は、基準オブジェクト104と、配置方向を示す方向オブジェクト106と、を含む特定オブジェクト102を、表示部に表示させる。また、表示制御部は、特定オブジェクト102が表示部に表示されている状態で、特定オブジェクト102に変形を加えるための指示が入力される場合に、指示に従って基準オブジェクト104が変形され、方向オブジェクト106の変形が制限された、変形後の特定オブジェクトを、表示部に表示させる。
【解決手段】基準ファイル100は、基準オブジェクト104を含み、基準オブジェクト104は、基準ファイル100に基づいて生成される新ファイルに含まれるべき2個以上の画像の配置方向に関係する情報150、154を含む。表示制御部は、基準オブジェクト104と、配置方向を示す方向オブジェクト106と、を含む特定オブジェクト102を、表示部に表示させる。また、表示制御部は、特定オブジェクト102が表示部に表示されている状態で、特定オブジェクト102に変形を加えるための指示が入力される場合に、指示に従って基準オブジェクト104が変形され、方向オブジェクト106の変形が制限された、変形後の特定オブジェクトを、表示部に表示させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される技術は、オブジェクトを表示部に表示させるための情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、スキャンによって得られる画像を含むファイルを生成する画像出力システムが開示されている。この技術によると、複数ページ分の原稿のスキャンを実行することによって、2個以上の画像が配置された1個のファイルを生成して表示することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−171369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザが望むレイアウトに従って2個以上の画像が配置されたファイルを生成することが求められている。本明細書では、2個以上の画像を含むファイルが生成されるべき状況において、ユーザが2個以上の画像のレイアウトを容易に理解し得る技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書によって開示される情報処理装置は、メモリと、表示制御部とを備える。メモリは、生成対象の対象ファイルの生成に用いられる基準ファイルを記憶する。基準ファイルは、基準オブジェクトを含む。基準オブジェクトは、対象ファイルに含まれるべき2個以上の画像の配置方向に関係する配置方向情報を含む。表示制御部は、基準オブジェクトと、配置方向を示す方向オブジェクトと、を含む特定オブジェクトを、表示部に表示させる。表示制御部は、特定オブジェクトが表示部に表示されている状態で、特定オブジェクトに変形を加えるための指示が入力される場合に、指示に従って基準オブジェクトに変形が加えられていると共に、指示に関わらず方向オブジェクトの変形が制限されている変形後の特定オブジェクトを、表示部に表示させる。
【0006】
上記の技術によると、ユーザは、表示部に表示された特定オブジェクトに含まれる方向オブジェクトを見ることで、対象ファイルに含まれるべき2個以上の画像の配置方向(以下では単に「配置方向」と呼ぶ)を容易に理解し得る。また、情報処理装置は、特定オブジェクトに変形を加えるための指示が入力される場合に、基準オブジェクトに変形が加えられている変形後の特定オブジェクトを表示させる。従って、ユーザは、変形後の基準オブジェクトを確認することができる。特に、情報処理装置は、上記の指示が入力されても、方向オブジェクトの変形を制限する。従って、ユーザは、上記の指示が入力されても、配置方向を容易に理解することができる。この技術によると、2個以上の画像を含む対象ファイルが生成されるべき状況において、ユーザが2個以上の画像のレイアウトを容易に理解し得る。
【0007】
指示は、特定オブジェクトを所定角度回転させるための回転指示を含んでいてもよい。表示制御部は、回転指示に従って基準オブジェクトが所定角度回転され、方向オブジェクトが回転されていない変形後の特定オブジェクトを、表示部に表示させてもよい。この構成によると、ユーザは、回転指示が入力される場合に、回転後の基準オブジェクトを確認することができる。この場合に、回転後の方向オブジェクトが示す配置方向と配置方向情報に含まれる配置方向とが異なるという状況が発生することを抑制できる。
【0008】
表示制御部は、基準オブジェクトの手前側に、方向オブジェクトが重なるように、特定オブジェクトを表示部に表示させてもよい。この構成によると、ユーザが、方向オブジェクトが示す配置方向を確認し易い。
【0009】
表示制御部は、回転指示が入力される場合に、基準オブジェクトに対する方向オブジェクトの位置関係と、回転後の基準オブジェクトに対する方向オブジェクトの位置関係と、が変化しないように、変形後の特定オブジェクトを表示部に表示させてもよい。この構成によると、回転指示が入力される場合に、ユーザが配置方向を理解し易くなることが期待できる。
【0010】
表示制御部は、回転指示が入力される場合に、基準オブジェクトに対する方向オブジェクトの位置関係と、回転後の基準オブジェクトに対する方向オブジェクトの位置関係と、が所定角度に応じて変化するように、変形後の特定オブジェクトを表示部に表示させてもよい。この構成によると、回転指示が入力される場合に、ユーザが配置方向を理解し易くなることが期待できる。
【0011】
なお、上記の情報処理装置を実現するための制御方法、コンピュータプログラム、及び、当該コンピュータプログラムを格納するコンピュータ読取可能記録媒体も、新規で有用である。また、上記の基準ファイル、特定オブジェクト、及び、それらを格納するコンピュータ読取可能記録媒体も、新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】ネットワークシステムの構成の一例を示す。
【図2】PCが実行する基準ファイル生成処理のフローチャートを示す。
【図3】基準ファイルの第1の例を示す。
【図4】PCが実行する基準ファイル表示処理のフローチャートを示す。
【図5】基準ファイルの第2の例を示す。
【図6】多機能機が実行する新ファイル生成処理のフローチャートを示す。
【図7】図3の基準ファイルに基づいて生成される新ファイルの一例を示す。
【図8】図5の基準ファイルに基づいて生成される新ファイルの一例を示す。
【図9】基準ファイルの第3の例を示す。
【図10】図9の基準ファイルに基づいて生成される新ファイルの一例を示す。
【図11】特定オブジェクトの回転の具体例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1実施例)
(システムの構成:図1)
図1に示されるように、ネットワークシステム2は、PC10と、多機能機60と、を備える。PC10と多機能機60とは、LAN4に接続されており、LAN4を介して相互に通信可能である。
【0014】
(PC10の構成)
PC10は、操作部12と、表示部14と、ネットワークインターフェイス16と、制御部18と、を備える。上記の各部12〜18は、バス線(符号省略)に接続されている。操作部12は、キーボード及びマウスによって構成される。ユーザは、操作部12を操作することによって、様々な指示をPC10に与えることができる。表示部14は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。ネットワークインターフェイス16は、LAN4に接続されている。
【0015】
制御部18は、CPU20とメモリ22とを備える。CPU20は、メモリ22に格納されているプログラムに従って、様々な処理を実行する。メモリ22は、ROM、RAM、ハードディスク等によって構成される。メモリ22は、プログラム記憶領域24と、デフォルトの特定オブジェクト記憶領域26と、基準ファイル記憶領域28と、を備える。プログラム記憶領域24は、表示編集アプリケーションプログラム25を記憶している。
【0016】
表示編集アプリケーションプログラム25は、ファイルを表示部14に表示させたり、ファイルの編集を実行したりするためのプログラムである。デフォルトの特定オブジェクト記憶領域26は、複数個のデフォルトの特定オブジェクト26aを含む。特定オブジェクト26aは、後述の基準ファイルを生成するために利用されるオブジェクトである。この点については、後で詳しく説明する。なお、本実施例では、CPU20が表示編集アプリケーションプログラム25に従って処理を実行することにより、表示制御部40の機能が実現される。
【0017】
基準ファイル記憶領域28は、1個以上の基準ファイル28aを記憶する。基準ファイル28aは、PC10が、後述の基準ファイル生成処理(図2参照)又は基準ファイル表示処理(図4参照)を実行することによって生成される。基準ファイル28aは特定オブジェクト28bを含む。
【0018】
(多機能機60の構成)
多機能機60は、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能、FAX機能等の多機能を備える。多機能機60は、ネットワークインターフェイス62と、操作部64と、表示部66と、スキャン実行部68と、印刷実行部70と、制御部72と、を備える。上記の各部62〜72は、バス線(符号省略)に接続されている。
【0019】
ネットワークインターフェイス62は、LAN4に接続されている。操作部64は、複数のキーによって構成される。ユーザは、操作部64を操作することによって、様々な指示を多機能機60に入力することができる。表示部66は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。スキャン実行部68は、CIS、CCD等のスキャン機構を備え、スキャン対象物をスキャンすることによって画像データを生成する。印刷実行部70は、インクジェット方式、レーザ方式等の印刷機構を備え、制御部72からの指示に従って印刷を行う。制御部72は、メモリ76内のプログラムに従って処理を実行する。メモリ76は、PC10によって生成された1個以上の基準ファイルを記憶する。また、メモリ76は、多機能機60が後述の新ファイル生成処理(図6)を実行することによって生成される新ファイルを記憶する。
【0020】
(基準ファイル生成処理:図2)
続いて、図2を参照して、PC10の制御部18が実行する基準ファイル生成処理について説明する。図2の各処理は、表示編集アプリケーションプログラム25に従って実現される。
【0021】
ユーザは、基準ファイル生成処理を開始するための所定の操作を操作部12に実行することができる。この場合、制御部18は、図2の基準ファイル生成処理を開始する。まず、S10において、制御部18は、新たな基準ファイルを生成するための元となる空ファイルを生成する。空ファイルは、画像、テキスト等のデータを含まないファイルであり、新規に生成されるファイルである。
【0022】
次いで、S12では、制御部18は、デフォルトの特定オブジェクト記憶領域26に含まれる複数個のデフォルトの特定オブジェクト26aから、1個のデフォルトの特定オブジェクトが選択されることを監視する。図3には、基準ファイルに含まれる特定オブジェクト102の一例が開示されている。複数個のデフォルトの特定オブジェクト26aのそれぞれは、異なる形状(例えば、図3の例では特定オブジェクト102は長方形状であるが、正方形状、円形状、楕円形状等)を有する。ユーザは、操作部12を操作して、所望の形状を有する1個のデフォルトの特定オブジェクトが選択することができる。S12でYESの場合(1個のデフォルトの特定オブジェクトが選択される場合)、S14に進む。
【0023】
S14では、制御部18は、選択されたデフォルトの特定オブジェクトを、空ファイル内のユーザによって指定された位置に配置する。この際、制御部18は、ファイル内でのデフォルトの特定オブジェクトの座標と、出力倍率(この時点では「100%」)と、デフォルトの特定オブジェクトの回転角度(この時点では「0°」)とを、描画情報(後述の図3の符号120参照)として、空ファイルに書き込む。なお、特定オブジェクトの座標は、基準ファイル上での特定オブジェクトの左上の隅の座標(図3の符号D1参照)を示す。S14が実行されると、特定オブジェクトを含む基準ファイルが完成する。
【0024】
(基準ファイルの一例:図3)
上記の基準ファイル生成処理(図2)によって生成される基準ファイルの一例を説明する。図3に示されるように、基準ファイル100は、1個以上のサブファイル101を含む。なお、サブファイル101のことを、例えば、「シート」と言い換えることができる。サブファイル101には、1個の特定オブジェクト102が配置されている。特定オブジェクト102は、基準オブジェクト104と、方向オブジェクト106と、を含む。基準オブジェクト104は、画像形式で記述されており、水平方向の辺の長さが鉛直方向の辺の長さよりも長い長方形状を有する。詳しくは後述するが、基準ファイル100に基づいて新ファイル(例えば図7の新ファイル200)が生成される際に、基準オブジェクト104の形状が参照される。即ち、新ファイルに含まれる2個以上の画像のそれぞれの形状は、基準オブジェクト104の形状に一致する。
【0025】
方向オブジェクト106は、基準オブジェクト104の右下の隅に近い領域に配置されている。方向オブジェクト106は、矢印オブジェクト107と、矢印オブジェクト107を囲むための輪郭108と、を含む。矢印オブジェクト107は、テキスト形式の下向きの矢印を示す。矢印オブジェクト107は、基準ファイル100に基づいて生成される新ファイル(例えば図7の新ファイル200)に含まれる2個以上の画像の配置方向を示す。輪郭108は、図形形式で記述されており、水平方向の辺の長さが鉛直方向の辺の長さよりも長い長方形状を有する。なお、輪郭108の形状は、基準オブジェクト104の相似形である。輪郭108及びその内側の領域は透明である。このために、基準オブジェクト104のうち、輪郭108に囲まれる領域が塗りつぶされることがなく、ユーザは、基準オブジェクト104の全体を見ることができる。
【0026】
また、特定オブジェクト102は、基準オブジェクト104の手前側に方向オブジェクト106が重なるように構成されている。仮に、逆の構成を採用すると、方向オブジェクト106が基準オブジェクト104によって隠れてしまうために、ユーザが、方向オブジェクト106が示す方向を確認しにくくなる。本実施例では、ユーザは、方向オブジェクト106が示す方向(図3の例では下向き)を容易に理解することができる。
【0027】
図2のS14で説明したように、基準ファイル100は、描画情報120を含む。描画情報120は、特定オブジェクト102の座標を示す情報122と、基準ファイル100上での特定オブジェクト102の出力倍率を示す情報123と、特定オブジェクト102の回転角度を示す情報124と、を含む。
【0028】
基準オブジェクト104は、属性情報130を含む。属性情報130のことを、例えば、「メタ情報」と言い換えることができる。属性情報130は、情報139a〜139cと、レイアウト情報140と、を含む。情報139aは、基準オブジェクト104の解像度を示す情報である。情報139bは、基準オブジェクト104のデータサイズを示す情報である。情報139cは、基準オブジェクト104が生成された日時を示す情報である。情報139a〜139cは、デフォルトの特定オブジェクト26aに予め含まれている。
【0029】
レイアウト情報140は、情報150〜154を含む。レイアウト情報140は、ユーザによって入力される。情報150〜154は、基準ファイル100に基づいて図7の新ファイル200を生成するための2個以上の画像のレイアウトに関する情報である。情報150が示す「<Step>」と、情報154が示す「</Step>」と、の組合せは、「2個以上の画像を鉛直方向に並べて配置すること」を意味する。以下では、情報150、154のことを「ステップ」と呼ぶ場合がある。また、情報152が示す「<Max>3</Max>」は、1個のサブファイルに配置される画像の最大数が「3」であることを意味する。即ち、情報150〜154は、「1個のサブファイル内に最大で3個の画像を鉛直方向に並べて配置すること」を意味する。下向きの矢印オブジェクト107は、2個以上の画像が鉛直方向に並ぶことを意味するステップを視覚的に表わすものである。
【0030】
(基準ファイル表示処理:図4)
続いて、図4を参照して、PC10の表示制御部40が実行する基準ファイル表示処理の内容について説明する。図4の各処理は、表示編集アプリケーションプログラム25によって実現される。
【0031】
ユーザは、基準ファイル生成処理により生成され、基準ファイル記憶領域28内に記憶されている1個以上の基準ファイルのうちの1個の基準ファイル(例えば図3の基準ファイル100)を、操作部12を操作して選択することができる。この場合、表示制御部40(図1参照)は、S30でYESと判断して、S32に進む。
【0032】
S32では、表示制御部40は、選択された基準ファイルに含まれる特定オブジェクトを表示部14に表示させる。例えば、S32で図3の特定オブジェクト102が表示される場合(S30で図3の基準ファイル100が選択される場合)には、特定オブジェクト102は、描画情報120に含まれる座標(x1,y1)が示す位置に、出力倍率100%の大きさで配置される。また、特定オブジェクト102は、描画情報120に含まれる回転角度0°が示す姿勢で表示される。上述したように、特定オブジェクト102には、下向きの矢印オブジェクト107を含む方向オブジェクト106が配置されているために、S32では、方向オブジェクト106も表示される。これにより、ユーザは、基準ファイル100を用いて新ファイルが生成される際に、2個以上の画像が鉛直方向に並んで配置されること(即ちステップであること)を容易に理解することができる。なお、以下では、S32で図3の特定オブジェクト102が表示された場合(即ち、図3の基準ファイル100が選択された場合)を例として、以下の各処理を説明する。
【0033】
次いで、S34では、表示制御部40は、表示部14に表示されている特定オブジェクト102を回転させるための回転指示が入力されたか否かを判断する。ユーザは、操作部12を操作して、特定オブジェクト102を所望の角度回転させるための回転指示を入力することができる。S34でYESの場合(ユーザによって回転指示が入力される場合)、S38に進む。一方、S34でNOの場合(ユーザによって回転指示が入力されない場合)、S38の処理をスキップして、S40に進む。
【0034】
S38では、表示制御部40は、ユーザによって指定された角度(以下では「特定角度」と呼ぶ)だけ特定オブジェクト102を回転させる。表示制御部40は、画像形式である基準オブジェクト104を、基準オブジェクト104の中心点を回転軸として、特定角度(例えば時計回りに90°)回転させる。これにより、図5に示されるように、回転後の基準オブジェクト304が表示部14に表示される。一方において、表示制御部40は、図形形式である輪郭108を、基準オブジェクトの回転前と同様に、基準オブジェクト304の右下の隅に維持する。この際、表示制御部40は、輪郭108の形状を、基準オブジェクト304の相似形に変形させる。これにより、図5に示されるように、変形後の輪郭308が基準オブジェクト304の右下の隅に配置される。また、表示制御部40は、テキスト形式である矢印オブジェクト107を、特定角度回転させることなく、輪郭308の内側に配置する。表示制御部40は、矢印オブジェクト107の向き(下向き)を変更しない。これにより、図5に示されるように、矢印オブジェクト107(図3参照)と同じ向きを示す矢印オブジェクト307と、輪郭308と、を含む方向オブジェクト306が基準オブジェクト304の右下の隅に配置される。即ち、図5に示されるように、特定オブジェクト302が表示部14に表示される。
【0035】
さらに、S38では、表示制御部40は、描画情報120に代えて、回転後の特定オブジェクト302の座標(x2,y2)を示す情報322(図5参照)と、特定オブジェクト302の出力倍率(100%)を示す情報323と、特定オブジェクト302の回転角度(即ち90°)を示す情報324(図5参照)を、新たな描画情報320として基準ファイル100に書き込む。この結果、S38では、表示制御部40によって、基準ファイル100が更新される(更新後の基準ファイル100が、図5の基準ファイル300である)。なお、特定オブジェクト302の座標は、特定オブジェクト302の基準ファイル300上での左上の隅の座標(図5の符号D2参照)を示す。一方において、表示制御部40は、属性情報130を書き換えない。
【0036】
上述したように、ユーザによって回転指示が入力されても、方向オブジェクト306に含まれる矢印オブジェクト307の変形(即ち回転)が制限される。従って、方向オブジェクト306の変形が制限されていると言うことができる。この構成によると、ユーザは、回転指示が入力される場合に、回転後の基準オブジェクト304を確認することができると共に、基準ファイル300に基づいて生成される新ファイル400(図8参照)に含まれる2個以上の画像の配置方向を確認することができる。S38を終えると、S40に進む。
【0037】
S40では、表示制御部40は、終了操作が行われることを監視する。ユーザは、操作部12を操作して、所定の終了操作を実行することができる。S40でYESの場合(終了操作が実行される場合)、基準ファイル表示処理が終了する。一方、S40でNOの場合(終了操作が実行されない場合)、S34に戻る。
【0038】
(新ファイル生成処理:図6)
続いて、図6を参照して、多機能機60の制御部72が実行する新ファイル生成処理について説明する。図6の新ファイル生成処理が実行される前提条件として、ユーザは、多機能機60のメモリ76に、PC10の基準ファイル記憶領域28内に記憶されている1個以上の基準ファイルの一部又は全部を予め記憶させる。ユーザは、多機能機60の操作部64を操作して、メモリ76に記憶されている1個以上の基準ファイル28aのうちの1個の基準ファイル(例えば図3の基準ファイル100)を選択することができる。1個の基準ファイルが選択されると(S60でYES)、S62に進む。なお、図3の基準ファイル100が選択された場合を例として、以下の各処理の内容を説明する。
【0039】
S62では、制御部72は、S60で選択された基準ファイルを、メモリ76から読み出して取得する。次いで、S64では、S62で取得された基準ファイルに含まれる描画情報120及びレイアウト情報140(図3参照)を取得する。
【0040】
次いで、S66では、新ファイルを生成するための元となる空ファイルを生成する。空ファイルは、画像、テキスト等のデータを含まないファイルであり、新規に生成されるファイルである。本実施例では、S66で生成される空ファイルは、1個のサブファイルを含む。S66で空ファイルが生成されると、制御部72は、S68〜S82の画像配置処理を実行する。
【0041】
まず、S68では、制御部72は、ユーザによってスキャン開始指示が入力されることを監視する。ユーザは、1枚のスキャン対象物(例えば1枚の原稿)を図示省略の自動原稿搬送装置にセットした状態で、多機能機60の操作部64を操作することによって、スキャン開始指示を多機能機60に入力することができる。この場合、制御部72は、S68でYESと判断し、S70に進む。
【0042】
S70では、制御部72は、1枚のスキャン対象物をスキャン実行部68にスキャンさせる。スキャン実行部68によるスキャンの結果、S72において、制御部72は、1個のスキャン画像データ(以下では簡単に「画像」と呼ぶ)を取得する。次いで、S74では、制御部72は、空ファイルに含まれる処理対象のサブファイル内の画像数が、1個のサブファイルに配置可能な画像の最大数に達しているか否かを判断する。S74では、制御部72は、S62で取得された基準ファイル100内の情報152(図3参照)が示す最大数と、処理対象のサブファイル内に現在配置されている画像数と、を比較し、両者が等しい場合にYESと判断する。なお、「処理対象のサブファイル」は、S66で1個のサブファイルが生成されてからS76で新たなサブファイルが生成されるまでの間は、S66で生成されたサブファイルを意味し、S76で新たなサブファイルが生成された後は、最新のS76で生成されたサブファイルを意味する。
【0043】
S74でYESの場合、S76に進み、制御部72は、S66で生成されたファイルに含まれるべき新たなサブファイルを生成する。S76を終えると、S78に進む。また、S74でNOの場合も、S78に進む。
【0044】
S78では、制御部72は、S72で取得された画像を、処理対象のサブファイル内に配置するための位置及び回転角度を特定する。具体的には、制御部72は、S64で取得された描画情報120及びレイアウト情報140に含まれる各情報に従って、S72で取得された画像が配置されるべき位置、出力倍率、及び回転角度を特定する。S78の処理の内容は、後で詳しく説明する。次いで、S80では、S72で取得された画像を、S78で特定された位置に、S78で特定された出力倍率で、S78で特定された回転角度に従って回転させて、配置する。この際、制御部72は、基準オブジェクト104の出力倍率と形状を参照して、配置される画像のサイズと形状を決定する。即ち、S80で配置される画像の形状は、基準オブジェクト104の形状に一致する。S80を終えると、S82に進む。
【0045】
S82では、制御部72は、画像配置処理を終了するための操作がユーザによって行われたか否かを判断する。ユーザは、多機能機60の操作部64を操作することによって、上記の操作を行うことができる。この場合、制御部72は、S82でYESと判断して、S84に進む。一方、S82でNOの場合、制御部72は、S68に戻り、新たなスキャン開始指示が入力されることを監視する。ユーザは、前回の画像配置処理で自動原稿搬送装置にセットした1枚のスキャン対象物を取り除き、新たな1枚のスキャン対象物を自動原稿搬送装置にセットすることができる。この状態で、ユーザは、スキャン開始指示を多機能機60に入力することができる。この場合、制御部72は、S68で再びYESと判断し、S68〜S82の処理を再び実行して、新たな画像をサブファイルに配置する。
【0046】
S84では、制御部72は、新ファイル生成終了処理を実行する。具体的には、S84では、制御部72は、1回以上の画像配置処理によって、1個以上の画像が配置された新ファイルを、メモリ76内の新ファイル記憶領域(図示省略)に記憶させる。S84の新ファイル生成終了処理を終えると、制御部72は、新ファイル生成処理を終了する。ユーザは、例えば、PC10の操作部12を操作することによって、多機能機60の新ファイル記憶領域にアクセスすることができる。この場合、制御部72は、S84で新ファイル記憶領域に記憶された新ファイルをPC10(即ちユーザ)に提供する。この結果、ユーザは、新ファイルを取得することができる。
【0047】
(新ファイルの具体例)
続いて、多機能機60が上記の新ファイル生成処理(図6)を実行した結果として生成される新ファイルの例を説明する。
【0048】
(第1の例:図3、図7)
図3、図7を参照して、第1の例を説明する。図7は、図3の基準ファイル100に基づいて生成される新ファイル200(即ち、図6のS60で基準ファイル100が選択された場合に生成される新ファイル200)の一例を示す。図6のS66の空ファイル生成処理では、まず、画像210、212、214が配置されていないサブファイル202が生成される。1回目のS74の処理の時点では、サブファイル202に配置されている画像の数が「0」であり、レイアウト情報140に含まれる情報152が示す最大数が「3」であるために、S74でNOと判断される。1回目のS78では、制御部72は、S64で取得された描画情報120に含まれる特定オブジェクト102の座標(x1,y1)を特定する。また、制御部72は、特定オブジェクト102の出力倍率「100%」を特定する。また、制御部72は、特定オブジェクト102の回転角度「0°」を特定する。1回目のS80では、制御部72は、1回目のS72で取得された画像210を、画像210の左上の隅の座標が(x1,y1)に位置するようにサブファイル202に配置する。この際、制御部72は、画像210を、出力倍率100%の大きさで、かつ、回転角度0°が示す姿勢で配置する。また、制御部72は、基準オブジェクト104の形状に一致する形状を有する画像210を配置する。なお、配置される画像210のサイズは、基準ファイル100上の基準オブジェクト104のサイズと同等である。
【0049】
2回目のS78では、制御部72は、S64で取得されたレイアウト情報140に含まれる情報150、154に基づいて、2個以上の画像を鉛直方向に並べて配置すべきこと(即ちステップであること)を知ることができる。従って、2回目のS78では、制御部72は、1個目の画像210の座標(x1,y1)に、予め決められた鉛直方向(即ちy方向)の長さを加算して、2個目の画像212が配置されるべき座標(x1,y1+m)を特定する。また、2回目のS78でも、制御部72は、特定オブジェクト102の出力倍率「100%」と、回転角度「0°」とを特定する。2回目のS80では、制御部72は、2回目のS72で取得された画像212を、出力倍率100%の大きさで、かつ、回転角度0°が示す姿勢で、S78で特定された座標に配置する。
【0050】
同様に、3回目のS78では、制御部72は、2個目の画像212の座標(x1,y1+m)に基づいて、3個目の画像214が配置されるべき座標(x1,y1+m×2)を特定する。そして、3回目のS80では、制御部72は、3個目の画像214を、出力倍率100%の大きさで、かつ、回転角度0°が示す姿勢で、S78で特定された座標に配置する。
【0051】
4回目のS74では、サブファイル202に配置されている画像の数が「3」であり、レイアウト情報140に含まれる情報152が示す最大数が「3」であるために、S74でYESと判断される。このために、制御部72は、新たなサブファイル204を生成する(S76)。この場合、S80では、上記と同様の手法を用いて、制御部72は、4回目のS72で取得された画像216を、画像216の左上の隅の座標が(x1,y1)に位置するように新たなサブファイル204に配置する。これにより、合計4個の画像を含む2個のサブファイル202、204を含む新ファイル200が完成する。
【0052】
(第2の例:図5、図8)
図5、図8を参照して、第2の例を説明する。図8は、図5の基準ファイル300に基づいて生成される新ファイル400(即ち、図6のS60で基準ファイル300が選択された場合に生成される新ファイル400)の一例を示す。図7の新ファイル200のサブファイル202と同様に、図8の新ファイル400のサブファイル402でも、3個の画像410、412、414が鉛直方向に並んで配置されている(即ちステップである)。ただし、図5の特定オブジェクト302の回転角度324が90°であるために、回転角度が90°になるように、各画像410等が配置されている(即ち、各画像410等は、図7の場合と比べて、時計回りに90°回転している)。なお、2個目のサブファイル404には、画像416が配置されている。
【0053】
(第3の例:図9、図10)
図9、図10を参照して、第3の例を説明する。図9の基準ファイル500内のサブファイル501には、1個の特定オブジェクト502が配置されている。特定オブジェクト502は、基準オブジェクト504と方向オブジェクト506とを含む。図9の例では、基準オブジェクト504は、正方形状を有する。方向オブジェクト506は、矢印オブジェクト507と輪郭508とを含む。矢印オブジェクト507は、右方向の矢印を表わすテキストである。輪郭508は、正方形状の図形である。描画情報520は、特定オブジェクト502の左上の隅D3の座標(x3,y3)を示す情報522と、特定オブジェクト502の出力倍率(100%)を示す情報523と、特定オブジェクト502の回転角度(90°)を示す情報524と、を含む。また、図9では、属性情報に含まれるレイアウト情報540のみを図示している。
【0054】
第3の例では、レイアウト情報540の内容が、第1及び第2の例と異なる。レイアウト情報540は、情報550〜554を含む。レイアウト情報540のうち、情報520「<Repeat>」と情報554「</Repeat>」との組合せは、「2個以上の画像を水平方向右向きに並べて配置すること」を意味する。以下では、情報550、554のことを「リピート」と呼ぶ場合がある。即ち、情報550〜554は、「1個のサブファイル内に最大で3個の画像を水平方向に並べて配置すること」を意味する。従って、矢印オブジェクト507は、新ファイル600(図10参照)に含まれる2個以上の画像の配置方向(水平方向右向き)を示す。
【0055】
図10は、図9の基準ファイル500に基づいて生成される新ファイル600(即ち、図6のS60で基準ファイル500が選択された場合に生成される新ファイル600)の一例を示す。図10に示すように、新ファイル600は、2個のサブファイル602、604を含む。レイアウト情報540がリピートであるために、1個目のサブファイル602には、画像610、612、614が水平方向に並んで配置されている。2個目のサブファイル604には、画像616が配置されている。また、各画像の610等の形状は、基準オブジェクト504の形状と同じ正方形状である。
【0056】
なお、本実施例では、基準ファイル100、300はステップの例であり、基準ファイル500はリピートの例である。ただし、2個以上の画像の配置方法は、ステップ及びリピートに限られず、例えば、2個以上の画像が斜め方向に並んで配置されてもよい。この場合、例えば、斜め方向を示す矢印を含む方向オブジェクトが採用されてもよい。また、例えば、2個以上の画像がマトリクス状に並んで配置されてもよい。この場合、例えば、水平方向の矢印と鉛直方向の矢印とを組み合わせた矢印を含む方向オブジェクトが採用されてもよい。
【0057】
(特定オブジェクトの回転の具体例:図11)
続いて、図11を参照して、PC10の表示制御部40が、図4のS38で実行する特定オブジェクトの回転処理の具体例を説明する。ここでは、図3の特定オブジェクト102(図11の「回転前」参照)を回転させる例について説明する。回転前の基準オブジェクト104の右下の隅が符号D5であり、右上の隅がD6である。また、符号140は、基準オブジェクト104の中心点である。基準オブジェクト104は、中心点140を中心として回転する。中心点140を通る鉛直方向の直線と、中心点140を通る水平方向の直線とを、二点鎖線で示している。隅D5は、基準オブジェクト104の中心点140に対する特定の位相αに位置する。
【0058】
図11のケース1〜5は、中心点140を中心として特定オブジェクト102を時計回りに90°回転させた例を示す。このうち、ケース1は、本実施例の図4のS38で表示される回転後の特定オブジェクト302の例である。ケース2〜5は、本実施例の変形例である。なお、ケース1〜5中の破線は、回転前の基準オブジェクト104を示す。
【0059】
(ケース1)
回転後の基準オブジェクト304aは、鉛直方向の辺の長さが水平方向の辺の長さよりも長い長方形である。ケース2〜5においても、回転後の基準オブジェクト304b、304c、304d、304eは、同様の形状を有する。ケース1では、方向オブジェクト306aは、基準オブジェクト304aの右下の隅(隅D6)に近い位置に配置されている。即ち、方向オブジェクト306aは、回転後の基準オブジェクト304aの中心点140に対する特定の位相αに最も近い隅D6に近い位置に配置されている。輪郭308aは、回転が施された基準オブジェクト304aの相似形状を有する。また、矢印オブジェクト307aの形状(向き等)は、回転前の矢印オブジェクト107と同じである。即ち、ケース1では、輪郭308aの変形が許容されるが、矢印オブジェクト307aの変形が制限されている。従って、方向オブジェクト306aの変形が制限されている。
【0060】
(ケース2)
ケース2も、ケース1とほぼ同様であるが、輪郭308bは、輪郭108と同じ形状を有する。即ち、ケース2では、矢印オブジェクト307bと輪郭308bとの両方の変形が制限されている。従って、方向オブジェクト306bの変形が制限されている。
【0061】
ケース1、2の例によると、表示制御部40は、回転指示が入力される場合に、基準オブジェクト104に対する方向オブジェクト106の位置関係(右下の隅D5の近傍に方向オブジェクト106が配置される)と、回転後の基準オブジェクト304a、304bに対する方向オブジェクト306a、306bの位置関係(右下の隅D6の近傍に方向オブジェクト306が配置される)と、が変化しないように、変形後の特定オブジェクト302a、302bを表示部14に表示させる。この構成によると、ユーザが、新ファイルに含まれる2個以上の画像の配置方向を確認し易くなることが期待できる。
【0062】
なお、ケース1、2の構成は、以下のように表現することもできる。即ち、基準オブジェクトは、矩形形状である。方向オブジェクトは、基準オブジェクトの第1の隅(例えばD5)に最も近い位置に配置される。第1の隅は、基準オブジェクトの中心に対する特定の位相(例えばα)に存在する。回転後の基準オブジェクトは、矩形形状である。方向オブジェクトは、回転後の基準オブジェクトの第2の隅(例えばD6)に最も近い位置に配置される。第2の隅(例えばD6)は、回転後の基準オブジェクトの中心に対する上記の特定の位相(例えばα)に最も近い隅である。
【0063】
(ケース3)
ケース3では、方向オブジェクト306cは、基準オブジェクト304cの左下の隅(隅D5)に近い位置に配置されている。回転前の特定オブジェクト102では、隅D5の近傍に方向オブジェクト106が配置されているために、それと同様に、回転後の特定オブジェクト302cでも、同じ隅D5の近傍に方向オブジェクト306cが配置されている。即ち、基準オブジェクト104の時計回り90°の回転に応じて、方向オブジェクト306cが移動している。ただし、矢印オブジェクト307cの形状は、回転前の矢印オブジェクト107の形状と同じである。なお、ケース3では、基準オブジェクト104の回転に伴い、輪郭308cが、基準オブジェクト104cの相似形状の長方形に変形されている。即ち、ケース3でも、ケース1と同様に、輪郭308cの変形が許容されるが、矢印オブジェクト307cの変形が制限されている。従って、ケース3でも、方向オブジェクト306cの変形が制限されている。
【0064】
(ケース4)
ケース4も、ケース3とほぼ同様であるが、輪郭308dは、輪郭108と同じ形状を有する。即ち、ケース4では、ケース2と同様に、矢印オブジェクト307dと輪郭308dとの両方の変形が制限されている。従って、ケース4でも、方向オブジェクト306dの変形が制限されている。
【0065】
ケース3、4の例によると、表示制御部40は、回転指示が入力される場合に、基準オブジェクト104に対する方向オブジェクト106の位置関係(右下の隅D5の近傍に方向オブジェクト106が配置される)と、回転後の基準オブジェクト304c、304dに対する方向オブジェクト306c、306dの位置関係と、が所定角度に応じて変化するように、変形後の特定オブジェクト302c、302dを表示部14に表示させる。この構成によると、ユーザが、新ファイルに含まれる2個以上の画像の配置方向を確認し易くなることが期待できる。
【0066】
なお、ケース3、4の構成は、以下のように表現することもできる。即ち、基準オブジェクトは、矩形形状である。方向オブジェクトは、基準オブジェクトの第1の隅(例えばD5)に最も近い位置に配置される。回転後の基準オブジェクトは、矩形形状である。方向オブジェクトは、回転後の基準オブジェクトの第2の隅(例えばD5)に最も近い位置に配置される。第2の隅(例えばD5)は、第1の隅(例えばD5)を所定角度回転させた隅に相当する隅である。
【0067】
(ケース5)
ケース5では、基準オブジェクト104の回転の前後において、方向オブジェクト306eの位置が変更されない。また、基準オブジェクト104の回転の前後において、矢印オブジェクト307e及び輪郭308eの形状も、変更されない。即ち、ケース5では、矢印オブジェクト307eと輪郭308eとの両方の変形が制限されている。従って、方向オブジェクト306eの変形が制限されている。
【0068】
(本実施例の効果)
以上、本実施例のネットワークシステム2について詳しく説明した。本実施例では、ユーザは、表示部14に表示された特定オブジェクト102(図3参照)に含まれる方向オブジェクト106(矢印オブジェクト107)を見ることによって、新ファイルに含まれる2個以上の画像の配置方向を確認することができる(図4のS32)。また、表示制御部40は、特定オブジェクト102を回転させるための回転指示が入力される場合に、基準オブジェクト104が回転された回転後の特定オブジェクト302(図5参照)を表示させる。従って、ユーザは、回転後の基準オブジェクト304を確認することができる。特に、表示制御部40は、上記の回転指示が入力されても、矢印オブジェクト107の変形を制限する。即ち、基準オブジェクト104の回転の前後において、矢印オブジェクト107、307が示す方向が変化しない。従って、ユーザは、上記の回転指示が入力されても、新ファイルに含まれる2個以上の画像の配置方向を確認することができる。本実施例によると、2個以上の画像を含む新ファイルが生成されるべき状況において、ユーザは、2個以上の画像のレイアウトを容易に理解することができる。
【0069】
(対応関係)
PC10が「情報処理装置」の一例である。新ファイル200、400、600が、「対象ファイル」の一例である。情報150、154、550、554が、「配置方向情報」の一例である。表示編集アプリケーションプログラム25を含むソフトウェアが、「所定のプログラム」の一例である。
【0070】
(第2実施例)
第2実施例について、第1実施例と異なる点を中心に説明する。第1実施例では、表示編集アプリケーションプログラム25を含む1個のソフトウェアがPC10に記憶(インストール)される。第2実施例では、図4のS32とS38で実施される方向オブジェクトの表示は、特定アプリケーションプログラム(図示しない)により実施される。特定アプリケーションプログラムは、表示編集アプリケーションプログラム25に含まれる。表示編集アプリケーションプログラム25は、公知の表示編集ソフトウェア(例えば表計算ソフトウェア)であり、特定アプリケーションプログラムは表示編集ソフトウェアに組み込まれる(プラグインされる)アプリケーションプログラムである。特定アプリケーションプログラムは、例えば、多機能機60のベンダによってインターネット上で公開されており、ユーザは、PC10の操作部12に所定の操作を実行することによって、特定アプリケーションプログラムをインターネットからPC10にインストールして、表示編集アプリケーションプログラム25に特定アプリケーションプログラムを組み込むことができる。
【0071】
第2実施例でも、特定アプリケーションプログラムを含む表示編集アプリケーションプログラム25が「所定のプログラム」の一例である。
【0072】
(第3実施例)
第3実施例について、第1実施例と異なる点を中心に説明する。第3実施例では、表示編集アプリケーションプログラム25は、公知の表示編集ソフトウェア(例えば表計算ソフトウェア)である。なお、複数個のデフォルトの特定オブジェクト26aは、例えば、多機能機60のベンダによってインターネット上で公開されている。ユーザは、PC10の操作部12に所定の操作を実行することによって、複数個のデフォルトの特定オブジェクト26aをインターネットからPC10にインストールする。従って、図2のS12において、ユーザは、インストールされた複数個のデフォルトの特定オブジェクト26aの中から、1個のデフォルトの特定オブジェクトを選択する。なお、複数個のデフォルトの特定オブジェクト26aのそれぞれは、上記の第2実施例で示した特定アプリケーションプログラムと同様の処理を実施する表示編集アプリケーションプログラム25のマクロを含む。
【0073】
第3実施例では、図4のS32とS38で実施される方向オブジェクトの表示は、特定オブジェクト26aに含まれるマクロにより実施され、表示編集アプリケーションプログラム25が「所定のプログラム」の一例である。
【0074】
(第4実施例)
第4実施例について、第1実施例と異なる点を中心に説明する。第4実施例では、複数個のデフォルトの特定オブジェクト26aのそれぞれは、方向オブジェクト(例えば図3の符号106)を含んでいない。即ち、複数個のデフォルトの特定オブジェクト26aのそれぞれは、テキスト形式の矢印オブジェクトと図形形式の輪郭とを含んでいない。
【0075】
また、基準ファイル表示処理(図4参照)では、S32において、表示制御部40は、選択された基準ファイル100に含まれる基準オブジェクト104のレイアウト情報140を取得する。次いで、表示制御部40は、レイアウト情報140に含まれる情報150、154を分析し、情報150、154が「ステップ」を意味することを特定する。その場合、表示制御部40は、「ステップ」を表わす下向き矢印の矢印オブジェクト107と、輪郭108と、を生成する。表示制御部40は、矢印オブジェクト107と輪郭108とを含む方向オブジェクト106を、基準オブジェクト104に重ねて表示させる。その後に、回転指示が行われた場合(S34でYES)に、S38において、表示制御部40は、回転後の基準オブジェクト304(図5参照)を表示させる。S38では、表示制御部40は、さらに、情報150、154に基づいて、「ステップ」を表わす下向き矢印の矢印オブジェクト307と、輪郭308と、を生成する。表示制御部40は、矢印オブジェクト307と輪郭308とを含む方向オブジェクト306を、基準オブジェクト304に重ねて表示させる。
【0076】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0077】
(変形例1)
上記の実施例では、基準ファイル表示処理(図4)のS38において、基準ファイル100が更新される。これに代えて、S38において、表示制御部40は、基準ファイル100を更新せずに、基準ファイル100に対する変更を反映させた新たな基準ファイル300を生成してもよい。その場合、元の基準ファイル100は変更されずに維持される。
【0078】
(変形例2)図4のS32、S38において、表示制御部40は、特定オブジェクトを、PC10の表示部14ではなく、他の機器の表示部(例えば多機能機60の表示部66)に表示させてもよい。即ち、一般的に言うと、「表示部」は、情報処理装置の内部の表示部であってもよいし、情報処理装置の外部の表示部であってもよい。
【0079】
(変形例3)上記の各実施例では、図4のS34では、ユーザは、特定オブジェクトを回転させるための回転指示を入力する。これに代えて、ユーザによって入力される指示は、回転指示に限られず、特定オブジェクトを変形させるための他の指示(例えば、特定オブジェクトの拡大、縮小、縦横比の変更、トリミング等の指示)であってもよい。一般的に言うと、「特定オブジェクトに変形を加えるための指示」は、回転指示のみならず、他の指示(上記の拡大、縮小等の指示)を含む。
【0080】
(変形例4)上記の実施例では、特定オブジェクトの回転の前後において、矢印オブジェクトの矢印の向き等が変化しない。しかし、表示制御部40は、特定オブジェクトの回転の前後において、矢印オブジェクトに含まれる矢印の向きを変えない限り、矢印の長さ、幅、色彩等の他の要素を変更してもよい。本変形例の構成は、矢印の向きが変化しないために、「方向オブジェクトの変形が制限される」という構成に含まれる。
【0081】
(変形例5)方向オブジェクト106は、矢印オブジェクト107に代えて、「下」、「右」等の文字を示す文字オブジェクトを含んでいてもよい。一般的に言うと、方向オブジェクトは、対象ファイルに含まれるべき2個以上の画像の配置方向を示せばよい。
【0082】
(変形例6)第1実施例では、図4のS38において、表示制御部40は、基準オブジェクトと矢印オブジェクトが、それぞれ画像とテキストであるとして、画像である基準オブジェクトを回転させ、テキストである矢印オブジェクトの変形を制限する。これに代えて、例えば、基準オブジェクト及び矢印オブジェクトが、画像形式で記述されていてもよい。この場合、基準オブジェクトは、基準オブジェクトを示す特定のフラグを含み、矢印オブジェクトは、基準オブジェクトを示す特定のフラグを含んでいないように、もしくは、矢印オブジェクトを示す特定のフラグを含むように、特定オブジェクトを構成してもよい。その場合、特定オブジェクトを回転させるための回転指示が入力された場合に、表示制御部40は、基準オブジェクトを示す特定のフラグを含む基準オブジェクトを回転させ、基準オブジェクトを示す特定のフラグを含まない矢印オブジェクトの変形を制限してもよい。
【0083】
(変形例7)上記の各実施例では、PC10が基準ファイル生成処理(図2)と基準ファイル表示処理(図4)とを実行するが、多機能機60がこれらの処理を実行してもよい。この場合、多機能機60が「情報処理装置」の一例である。一般的に言うと、「情報処理装置」は、PCに限られず、プリンタ、スキャナ、多機能機、携帯端末、サーバ等であってもよい。
【0084】
(変形例8)上記の各実施例では、PC10のCPU20が、プログラムに従って処理を実行することによって、表示制御部40が実現される。これに代えて、表示制御部40は、論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0085】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0086】
2:ネットワークシステム、4:LAN、10:PC、60:多機能機
【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される技術は、オブジェクトを表示部に表示させるための情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、スキャンによって得られる画像を含むファイルを生成する画像出力システムが開示されている。この技術によると、複数ページ分の原稿のスキャンを実行することによって、2個以上の画像が配置された1個のファイルを生成して表示することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−171369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザが望むレイアウトに従って2個以上の画像が配置されたファイルを生成することが求められている。本明細書では、2個以上の画像を含むファイルが生成されるべき状況において、ユーザが2個以上の画像のレイアウトを容易に理解し得る技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書によって開示される情報処理装置は、メモリと、表示制御部とを備える。メモリは、生成対象の対象ファイルの生成に用いられる基準ファイルを記憶する。基準ファイルは、基準オブジェクトを含む。基準オブジェクトは、対象ファイルに含まれるべき2個以上の画像の配置方向に関係する配置方向情報を含む。表示制御部は、基準オブジェクトと、配置方向を示す方向オブジェクトと、を含む特定オブジェクトを、表示部に表示させる。表示制御部は、特定オブジェクトが表示部に表示されている状態で、特定オブジェクトに変形を加えるための指示が入力される場合に、指示に従って基準オブジェクトに変形が加えられていると共に、指示に関わらず方向オブジェクトの変形が制限されている変形後の特定オブジェクトを、表示部に表示させる。
【0006】
上記の技術によると、ユーザは、表示部に表示された特定オブジェクトに含まれる方向オブジェクトを見ることで、対象ファイルに含まれるべき2個以上の画像の配置方向(以下では単に「配置方向」と呼ぶ)を容易に理解し得る。また、情報処理装置は、特定オブジェクトに変形を加えるための指示が入力される場合に、基準オブジェクトに変形が加えられている変形後の特定オブジェクトを表示させる。従って、ユーザは、変形後の基準オブジェクトを確認することができる。特に、情報処理装置は、上記の指示が入力されても、方向オブジェクトの変形を制限する。従って、ユーザは、上記の指示が入力されても、配置方向を容易に理解することができる。この技術によると、2個以上の画像を含む対象ファイルが生成されるべき状況において、ユーザが2個以上の画像のレイアウトを容易に理解し得る。
【0007】
指示は、特定オブジェクトを所定角度回転させるための回転指示を含んでいてもよい。表示制御部は、回転指示に従って基準オブジェクトが所定角度回転され、方向オブジェクトが回転されていない変形後の特定オブジェクトを、表示部に表示させてもよい。この構成によると、ユーザは、回転指示が入力される場合に、回転後の基準オブジェクトを確認することができる。この場合に、回転後の方向オブジェクトが示す配置方向と配置方向情報に含まれる配置方向とが異なるという状況が発生することを抑制できる。
【0008】
表示制御部は、基準オブジェクトの手前側に、方向オブジェクトが重なるように、特定オブジェクトを表示部に表示させてもよい。この構成によると、ユーザが、方向オブジェクトが示す配置方向を確認し易い。
【0009】
表示制御部は、回転指示が入力される場合に、基準オブジェクトに対する方向オブジェクトの位置関係と、回転後の基準オブジェクトに対する方向オブジェクトの位置関係と、が変化しないように、変形後の特定オブジェクトを表示部に表示させてもよい。この構成によると、回転指示が入力される場合に、ユーザが配置方向を理解し易くなることが期待できる。
【0010】
表示制御部は、回転指示が入力される場合に、基準オブジェクトに対する方向オブジェクトの位置関係と、回転後の基準オブジェクトに対する方向オブジェクトの位置関係と、が所定角度に応じて変化するように、変形後の特定オブジェクトを表示部に表示させてもよい。この構成によると、回転指示が入力される場合に、ユーザが配置方向を理解し易くなることが期待できる。
【0011】
なお、上記の情報処理装置を実現するための制御方法、コンピュータプログラム、及び、当該コンピュータプログラムを格納するコンピュータ読取可能記録媒体も、新規で有用である。また、上記の基準ファイル、特定オブジェクト、及び、それらを格納するコンピュータ読取可能記録媒体も、新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】ネットワークシステムの構成の一例を示す。
【図2】PCが実行する基準ファイル生成処理のフローチャートを示す。
【図3】基準ファイルの第1の例を示す。
【図4】PCが実行する基準ファイル表示処理のフローチャートを示す。
【図5】基準ファイルの第2の例を示す。
【図6】多機能機が実行する新ファイル生成処理のフローチャートを示す。
【図7】図3の基準ファイルに基づいて生成される新ファイルの一例を示す。
【図8】図5の基準ファイルに基づいて生成される新ファイルの一例を示す。
【図9】基準ファイルの第3の例を示す。
【図10】図9の基準ファイルに基づいて生成される新ファイルの一例を示す。
【図11】特定オブジェクトの回転の具体例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1実施例)
(システムの構成:図1)
図1に示されるように、ネットワークシステム2は、PC10と、多機能機60と、を備える。PC10と多機能機60とは、LAN4に接続されており、LAN4を介して相互に通信可能である。
【0014】
(PC10の構成)
PC10は、操作部12と、表示部14と、ネットワークインターフェイス16と、制御部18と、を備える。上記の各部12〜18は、バス線(符号省略)に接続されている。操作部12は、キーボード及びマウスによって構成される。ユーザは、操作部12を操作することによって、様々な指示をPC10に与えることができる。表示部14は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。ネットワークインターフェイス16は、LAN4に接続されている。
【0015】
制御部18は、CPU20とメモリ22とを備える。CPU20は、メモリ22に格納されているプログラムに従って、様々な処理を実行する。メモリ22は、ROM、RAM、ハードディスク等によって構成される。メモリ22は、プログラム記憶領域24と、デフォルトの特定オブジェクト記憶領域26と、基準ファイル記憶領域28と、を備える。プログラム記憶領域24は、表示編集アプリケーションプログラム25を記憶している。
【0016】
表示編集アプリケーションプログラム25は、ファイルを表示部14に表示させたり、ファイルの編集を実行したりするためのプログラムである。デフォルトの特定オブジェクト記憶領域26は、複数個のデフォルトの特定オブジェクト26aを含む。特定オブジェクト26aは、後述の基準ファイルを生成するために利用されるオブジェクトである。この点については、後で詳しく説明する。なお、本実施例では、CPU20が表示編集アプリケーションプログラム25に従って処理を実行することにより、表示制御部40の機能が実現される。
【0017】
基準ファイル記憶領域28は、1個以上の基準ファイル28aを記憶する。基準ファイル28aは、PC10が、後述の基準ファイル生成処理(図2参照)又は基準ファイル表示処理(図4参照)を実行することによって生成される。基準ファイル28aは特定オブジェクト28bを含む。
【0018】
(多機能機60の構成)
多機能機60は、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能、FAX機能等の多機能を備える。多機能機60は、ネットワークインターフェイス62と、操作部64と、表示部66と、スキャン実行部68と、印刷実行部70と、制御部72と、を備える。上記の各部62〜72は、バス線(符号省略)に接続されている。
【0019】
ネットワークインターフェイス62は、LAN4に接続されている。操作部64は、複数のキーによって構成される。ユーザは、操作部64を操作することによって、様々な指示を多機能機60に入力することができる。表示部66は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。スキャン実行部68は、CIS、CCD等のスキャン機構を備え、スキャン対象物をスキャンすることによって画像データを生成する。印刷実行部70は、インクジェット方式、レーザ方式等の印刷機構を備え、制御部72からの指示に従って印刷を行う。制御部72は、メモリ76内のプログラムに従って処理を実行する。メモリ76は、PC10によって生成された1個以上の基準ファイルを記憶する。また、メモリ76は、多機能機60が後述の新ファイル生成処理(図6)を実行することによって生成される新ファイルを記憶する。
【0020】
(基準ファイル生成処理:図2)
続いて、図2を参照して、PC10の制御部18が実行する基準ファイル生成処理について説明する。図2の各処理は、表示編集アプリケーションプログラム25に従って実現される。
【0021】
ユーザは、基準ファイル生成処理を開始するための所定の操作を操作部12に実行することができる。この場合、制御部18は、図2の基準ファイル生成処理を開始する。まず、S10において、制御部18は、新たな基準ファイルを生成するための元となる空ファイルを生成する。空ファイルは、画像、テキスト等のデータを含まないファイルであり、新規に生成されるファイルである。
【0022】
次いで、S12では、制御部18は、デフォルトの特定オブジェクト記憶領域26に含まれる複数個のデフォルトの特定オブジェクト26aから、1個のデフォルトの特定オブジェクトが選択されることを監視する。図3には、基準ファイルに含まれる特定オブジェクト102の一例が開示されている。複数個のデフォルトの特定オブジェクト26aのそれぞれは、異なる形状(例えば、図3の例では特定オブジェクト102は長方形状であるが、正方形状、円形状、楕円形状等)を有する。ユーザは、操作部12を操作して、所望の形状を有する1個のデフォルトの特定オブジェクトが選択することができる。S12でYESの場合(1個のデフォルトの特定オブジェクトが選択される場合)、S14に進む。
【0023】
S14では、制御部18は、選択されたデフォルトの特定オブジェクトを、空ファイル内のユーザによって指定された位置に配置する。この際、制御部18は、ファイル内でのデフォルトの特定オブジェクトの座標と、出力倍率(この時点では「100%」)と、デフォルトの特定オブジェクトの回転角度(この時点では「0°」)とを、描画情報(後述の図3の符号120参照)として、空ファイルに書き込む。なお、特定オブジェクトの座標は、基準ファイル上での特定オブジェクトの左上の隅の座標(図3の符号D1参照)を示す。S14が実行されると、特定オブジェクトを含む基準ファイルが完成する。
【0024】
(基準ファイルの一例:図3)
上記の基準ファイル生成処理(図2)によって生成される基準ファイルの一例を説明する。図3に示されるように、基準ファイル100は、1個以上のサブファイル101を含む。なお、サブファイル101のことを、例えば、「シート」と言い換えることができる。サブファイル101には、1個の特定オブジェクト102が配置されている。特定オブジェクト102は、基準オブジェクト104と、方向オブジェクト106と、を含む。基準オブジェクト104は、画像形式で記述されており、水平方向の辺の長さが鉛直方向の辺の長さよりも長い長方形状を有する。詳しくは後述するが、基準ファイル100に基づいて新ファイル(例えば図7の新ファイル200)が生成される際に、基準オブジェクト104の形状が参照される。即ち、新ファイルに含まれる2個以上の画像のそれぞれの形状は、基準オブジェクト104の形状に一致する。
【0025】
方向オブジェクト106は、基準オブジェクト104の右下の隅に近い領域に配置されている。方向オブジェクト106は、矢印オブジェクト107と、矢印オブジェクト107を囲むための輪郭108と、を含む。矢印オブジェクト107は、テキスト形式の下向きの矢印を示す。矢印オブジェクト107は、基準ファイル100に基づいて生成される新ファイル(例えば図7の新ファイル200)に含まれる2個以上の画像の配置方向を示す。輪郭108は、図形形式で記述されており、水平方向の辺の長さが鉛直方向の辺の長さよりも長い長方形状を有する。なお、輪郭108の形状は、基準オブジェクト104の相似形である。輪郭108及びその内側の領域は透明である。このために、基準オブジェクト104のうち、輪郭108に囲まれる領域が塗りつぶされることがなく、ユーザは、基準オブジェクト104の全体を見ることができる。
【0026】
また、特定オブジェクト102は、基準オブジェクト104の手前側に方向オブジェクト106が重なるように構成されている。仮に、逆の構成を採用すると、方向オブジェクト106が基準オブジェクト104によって隠れてしまうために、ユーザが、方向オブジェクト106が示す方向を確認しにくくなる。本実施例では、ユーザは、方向オブジェクト106が示す方向(図3の例では下向き)を容易に理解することができる。
【0027】
図2のS14で説明したように、基準ファイル100は、描画情報120を含む。描画情報120は、特定オブジェクト102の座標を示す情報122と、基準ファイル100上での特定オブジェクト102の出力倍率を示す情報123と、特定オブジェクト102の回転角度を示す情報124と、を含む。
【0028】
基準オブジェクト104は、属性情報130を含む。属性情報130のことを、例えば、「メタ情報」と言い換えることができる。属性情報130は、情報139a〜139cと、レイアウト情報140と、を含む。情報139aは、基準オブジェクト104の解像度を示す情報である。情報139bは、基準オブジェクト104のデータサイズを示す情報である。情報139cは、基準オブジェクト104が生成された日時を示す情報である。情報139a〜139cは、デフォルトの特定オブジェクト26aに予め含まれている。
【0029】
レイアウト情報140は、情報150〜154を含む。レイアウト情報140は、ユーザによって入力される。情報150〜154は、基準ファイル100に基づいて図7の新ファイル200を生成するための2個以上の画像のレイアウトに関する情報である。情報150が示す「<Step>」と、情報154が示す「</Step>」と、の組合せは、「2個以上の画像を鉛直方向に並べて配置すること」を意味する。以下では、情報150、154のことを「ステップ」と呼ぶ場合がある。また、情報152が示す「<Max>3</Max>」は、1個のサブファイルに配置される画像の最大数が「3」であることを意味する。即ち、情報150〜154は、「1個のサブファイル内に最大で3個の画像を鉛直方向に並べて配置すること」を意味する。下向きの矢印オブジェクト107は、2個以上の画像が鉛直方向に並ぶことを意味するステップを視覚的に表わすものである。
【0030】
(基準ファイル表示処理:図4)
続いて、図4を参照して、PC10の表示制御部40が実行する基準ファイル表示処理の内容について説明する。図4の各処理は、表示編集アプリケーションプログラム25によって実現される。
【0031】
ユーザは、基準ファイル生成処理により生成され、基準ファイル記憶領域28内に記憶されている1個以上の基準ファイルのうちの1個の基準ファイル(例えば図3の基準ファイル100)を、操作部12を操作して選択することができる。この場合、表示制御部40(図1参照)は、S30でYESと判断して、S32に進む。
【0032】
S32では、表示制御部40は、選択された基準ファイルに含まれる特定オブジェクトを表示部14に表示させる。例えば、S32で図3の特定オブジェクト102が表示される場合(S30で図3の基準ファイル100が選択される場合)には、特定オブジェクト102は、描画情報120に含まれる座標(x1,y1)が示す位置に、出力倍率100%の大きさで配置される。また、特定オブジェクト102は、描画情報120に含まれる回転角度0°が示す姿勢で表示される。上述したように、特定オブジェクト102には、下向きの矢印オブジェクト107を含む方向オブジェクト106が配置されているために、S32では、方向オブジェクト106も表示される。これにより、ユーザは、基準ファイル100を用いて新ファイルが生成される際に、2個以上の画像が鉛直方向に並んで配置されること(即ちステップであること)を容易に理解することができる。なお、以下では、S32で図3の特定オブジェクト102が表示された場合(即ち、図3の基準ファイル100が選択された場合)を例として、以下の各処理を説明する。
【0033】
次いで、S34では、表示制御部40は、表示部14に表示されている特定オブジェクト102を回転させるための回転指示が入力されたか否かを判断する。ユーザは、操作部12を操作して、特定オブジェクト102を所望の角度回転させるための回転指示を入力することができる。S34でYESの場合(ユーザによって回転指示が入力される場合)、S38に進む。一方、S34でNOの場合(ユーザによって回転指示が入力されない場合)、S38の処理をスキップして、S40に進む。
【0034】
S38では、表示制御部40は、ユーザによって指定された角度(以下では「特定角度」と呼ぶ)だけ特定オブジェクト102を回転させる。表示制御部40は、画像形式である基準オブジェクト104を、基準オブジェクト104の中心点を回転軸として、特定角度(例えば時計回りに90°)回転させる。これにより、図5に示されるように、回転後の基準オブジェクト304が表示部14に表示される。一方において、表示制御部40は、図形形式である輪郭108を、基準オブジェクトの回転前と同様に、基準オブジェクト304の右下の隅に維持する。この際、表示制御部40は、輪郭108の形状を、基準オブジェクト304の相似形に変形させる。これにより、図5に示されるように、変形後の輪郭308が基準オブジェクト304の右下の隅に配置される。また、表示制御部40は、テキスト形式である矢印オブジェクト107を、特定角度回転させることなく、輪郭308の内側に配置する。表示制御部40は、矢印オブジェクト107の向き(下向き)を変更しない。これにより、図5に示されるように、矢印オブジェクト107(図3参照)と同じ向きを示す矢印オブジェクト307と、輪郭308と、を含む方向オブジェクト306が基準オブジェクト304の右下の隅に配置される。即ち、図5に示されるように、特定オブジェクト302が表示部14に表示される。
【0035】
さらに、S38では、表示制御部40は、描画情報120に代えて、回転後の特定オブジェクト302の座標(x2,y2)を示す情報322(図5参照)と、特定オブジェクト302の出力倍率(100%)を示す情報323と、特定オブジェクト302の回転角度(即ち90°)を示す情報324(図5参照)を、新たな描画情報320として基準ファイル100に書き込む。この結果、S38では、表示制御部40によって、基準ファイル100が更新される(更新後の基準ファイル100が、図5の基準ファイル300である)。なお、特定オブジェクト302の座標は、特定オブジェクト302の基準ファイル300上での左上の隅の座標(図5の符号D2参照)を示す。一方において、表示制御部40は、属性情報130を書き換えない。
【0036】
上述したように、ユーザによって回転指示が入力されても、方向オブジェクト306に含まれる矢印オブジェクト307の変形(即ち回転)が制限される。従って、方向オブジェクト306の変形が制限されていると言うことができる。この構成によると、ユーザは、回転指示が入力される場合に、回転後の基準オブジェクト304を確認することができると共に、基準ファイル300に基づいて生成される新ファイル400(図8参照)に含まれる2個以上の画像の配置方向を確認することができる。S38を終えると、S40に進む。
【0037】
S40では、表示制御部40は、終了操作が行われることを監視する。ユーザは、操作部12を操作して、所定の終了操作を実行することができる。S40でYESの場合(終了操作が実行される場合)、基準ファイル表示処理が終了する。一方、S40でNOの場合(終了操作が実行されない場合)、S34に戻る。
【0038】
(新ファイル生成処理:図6)
続いて、図6を参照して、多機能機60の制御部72が実行する新ファイル生成処理について説明する。図6の新ファイル生成処理が実行される前提条件として、ユーザは、多機能機60のメモリ76に、PC10の基準ファイル記憶領域28内に記憶されている1個以上の基準ファイルの一部又は全部を予め記憶させる。ユーザは、多機能機60の操作部64を操作して、メモリ76に記憶されている1個以上の基準ファイル28aのうちの1個の基準ファイル(例えば図3の基準ファイル100)を選択することができる。1個の基準ファイルが選択されると(S60でYES)、S62に進む。なお、図3の基準ファイル100が選択された場合を例として、以下の各処理の内容を説明する。
【0039】
S62では、制御部72は、S60で選択された基準ファイルを、メモリ76から読み出して取得する。次いで、S64では、S62で取得された基準ファイルに含まれる描画情報120及びレイアウト情報140(図3参照)を取得する。
【0040】
次いで、S66では、新ファイルを生成するための元となる空ファイルを生成する。空ファイルは、画像、テキスト等のデータを含まないファイルであり、新規に生成されるファイルである。本実施例では、S66で生成される空ファイルは、1個のサブファイルを含む。S66で空ファイルが生成されると、制御部72は、S68〜S82の画像配置処理を実行する。
【0041】
まず、S68では、制御部72は、ユーザによってスキャン開始指示が入力されることを監視する。ユーザは、1枚のスキャン対象物(例えば1枚の原稿)を図示省略の自動原稿搬送装置にセットした状態で、多機能機60の操作部64を操作することによって、スキャン開始指示を多機能機60に入力することができる。この場合、制御部72は、S68でYESと判断し、S70に進む。
【0042】
S70では、制御部72は、1枚のスキャン対象物をスキャン実行部68にスキャンさせる。スキャン実行部68によるスキャンの結果、S72において、制御部72は、1個のスキャン画像データ(以下では簡単に「画像」と呼ぶ)を取得する。次いで、S74では、制御部72は、空ファイルに含まれる処理対象のサブファイル内の画像数が、1個のサブファイルに配置可能な画像の最大数に達しているか否かを判断する。S74では、制御部72は、S62で取得された基準ファイル100内の情報152(図3参照)が示す最大数と、処理対象のサブファイル内に現在配置されている画像数と、を比較し、両者が等しい場合にYESと判断する。なお、「処理対象のサブファイル」は、S66で1個のサブファイルが生成されてからS76で新たなサブファイルが生成されるまでの間は、S66で生成されたサブファイルを意味し、S76で新たなサブファイルが生成された後は、最新のS76で生成されたサブファイルを意味する。
【0043】
S74でYESの場合、S76に進み、制御部72は、S66で生成されたファイルに含まれるべき新たなサブファイルを生成する。S76を終えると、S78に進む。また、S74でNOの場合も、S78に進む。
【0044】
S78では、制御部72は、S72で取得された画像を、処理対象のサブファイル内に配置するための位置及び回転角度を特定する。具体的には、制御部72は、S64で取得された描画情報120及びレイアウト情報140に含まれる各情報に従って、S72で取得された画像が配置されるべき位置、出力倍率、及び回転角度を特定する。S78の処理の内容は、後で詳しく説明する。次いで、S80では、S72で取得された画像を、S78で特定された位置に、S78で特定された出力倍率で、S78で特定された回転角度に従って回転させて、配置する。この際、制御部72は、基準オブジェクト104の出力倍率と形状を参照して、配置される画像のサイズと形状を決定する。即ち、S80で配置される画像の形状は、基準オブジェクト104の形状に一致する。S80を終えると、S82に進む。
【0045】
S82では、制御部72は、画像配置処理を終了するための操作がユーザによって行われたか否かを判断する。ユーザは、多機能機60の操作部64を操作することによって、上記の操作を行うことができる。この場合、制御部72は、S82でYESと判断して、S84に進む。一方、S82でNOの場合、制御部72は、S68に戻り、新たなスキャン開始指示が入力されることを監視する。ユーザは、前回の画像配置処理で自動原稿搬送装置にセットした1枚のスキャン対象物を取り除き、新たな1枚のスキャン対象物を自動原稿搬送装置にセットすることができる。この状態で、ユーザは、スキャン開始指示を多機能機60に入力することができる。この場合、制御部72は、S68で再びYESと判断し、S68〜S82の処理を再び実行して、新たな画像をサブファイルに配置する。
【0046】
S84では、制御部72は、新ファイル生成終了処理を実行する。具体的には、S84では、制御部72は、1回以上の画像配置処理によって、1個以上の画像が配置された新ファイルを、メモリ76内の新ファイル記憶領域(図示省略)に記憶させる。S84の新ファイル生成終了処理を終えると、制御部72は、新ファイル生成処理を終了する。ユーザは、例えば、PC10の操作部12を操作することによって、多機能機60の新ファイル記憶領域にアクセスすることができる。この場合、制御部72は、S84で新ファイル記憶領域に記憶された新ファイルをPC10(即ちユーザ)に提供する。この結果、ユーザは、新ファイルを取得することができる。
【0047】
(新ファイルの具体例)
続いて、多機能機60が上記の新ファイル生成処理(図6)を実行した結果として生成される新ファイルの例を説明する。
【0048】
(第1の例:図3、図7)
図3、図7を参照して、第1の例を説明する。図7は、図3の基準ファイル100に基づいて生成される新ファイル200(即ち、図6のS60で基準ファイル100が選択された場合に生成される新ファイル200)の一例を示す。図6のS66の空ファイル生成処理では、まず、画像210、212、214が配置されていないサブファイル202が生成される。1回目のS74の処理の時点では、サブファイル202に配置されている画像の数が「0」であり、レイアウト情報140に含まれる情報152が示す最大数が「3」であるために、S74でNOと判断される。1回目のS78では、制御部72は、S64で取得された描画情報120に含まれる特定オブジェクト102の座標(x1,y1)を特定する。また、制御部72は、特定オブジェクト102の出力倍率「100%」を特定する。また、制御部72は、特定オブジェクト102の回転角度「0°」を特定する。1回目のS80では、制御部72は、1回目のS72で取得された画像210を、画像210の左上の隅の座標が(x1,y1)に位置するようにサブファイル202に配置する。この際、制御部72は、画像210を、出力倍率100%の大きさで、かつ、回転角度0°が示す姿勢で配置する。また、制御部72は、基準オブジェクト104の形状に一致する形状を有する画像210を配置する。なお、配置される画像210のサイズは、基準ファイル100上の基準オブジェクト104のサイズと同等である。
【0049】
2回目のS78では、制御部72は、S64で取得されたレイアウト情報140に含まれる情報150、154に基づいて、2個以上の画像を鉛直方向に並べて配置すべきこと(即ちステップであること)を知ることができる。従って、2回目のS78では、制御部72は、1個目の画像210の座標(x1,y1)に、予め決められた鉛直方向(即ちy方向)の長さを加算して、2個目の画像212が配置されるべき座標(x1,y1+m)を特定する。また、2回目のS78でも、制御部72は、特定オブジェクト102の出力倍率「100%」と、回転角度「0°」とを特定する。2回目のS80では、制御部72は、2回目のS72で取得された画像212を、出力倍率100%の大きさで、かつ、回転角度0°が示す姿勢で、S78で特定された座標に配置する。
【0050】
同様に、3回目のS78では、制御部72は、2個目の画像212の座標(x1,y1+m)に基づいて、3個目の画像214が配置されるべき座標(x1,y1+m×2)を特定する。そして、3回目のS80では、制御部72は、3個目の画像214を、出力倍率100%の大きさで、かつ、回転角度0°が示す姿勢で、S78で特定された座標に配置する。
【0051】
4回目のS74では、サブファイル202に配置されている画像の数が「3」であり、レイアウト情報140に含まれる情報152が示す最大数が「3」であるために、S74でYESと判断される。このために、制御部72は、新たなサブファイル204を生成する(S76)。この場合、S80では、上記と同様の手法を用いて、制御部72は、4回目のS72で取得された画像216を、画像216の左上の隅の座標が(x1,y1)に位置するように新たなサブファイル204に配置する。これにより、合計4個の画像を含む2個のサブファイル202、204を含む新ファイル200が完成する。
【0052】
(第2の例:図5、図8)
図5、図8を参照して、第2の例を説明する。図8は、図5の基準ファイル300に基づいて生成される新ファイル400(即ち、図6のS60で基準ファイル300が選択された場合に生成される新ファイル400)の一例を示す。図7の新ファイル200のサブファイル202と同様に、図8の新ファイル400のサブファイル402でも、3個の画像410、412、414が鉛直方向に並んで配置されている(即ちステップである)。ただし、図5の特定オブジェクト302の回転角度324が90°であるために、回転角度が90°になるように、各画像410等が配置されている(即ち、各画像410等は、図7の場合と比べて、時計回りに90°回転している)。なお、2個目のサブファイル404には、画像416が配置されている。
【0053】
(第3の例:図9、図10)
図9、図10を参照して、第3の例を説明する。図9の基準ファイル500内のサブファイル501には、1個の特定オブジェクト502が配置されている。特定オブジェクト502は、基準オブジェクト504と方向オブジェクト506とを含む。図9の例では、基準オブジェクト504は、正方形状を有する。方向オブジェクト506は、矢印オブジェクト507と輪郭508とを含む。矢印オブジェクト507は、右方向の矢印を表わすテキストである。輪郭508は、正方形状の図形である。描画情報520は、特定オブジェクト502の左上の隅D3の座標(x3,y3)を示す情報522と、特定オブジェクト502の出力倍率(100%)を示す情報523と、特定オブジェクト502の回転角度(90°)を示す情報524と、を含む。また、図9では、属性情報に含まれるレイアウト情報540のみを図示している。
【0054】
第3の例では、レイアウト情報540の内容が、第1及び第2の例と異なる。レイアウト情報540は、情報550〜554を含む。レイアウト情報540のうち、情報520「<Repeat>」と情報554「</Repeat>」との組合せは、「2個以上の画像を水平方向右向きに並べて配置すること」を意味する。以下では、情報550、554のことを「リピート」と呼ぶ場合がある。即ち、情報550〜554は、「1個のサブファイル内に最大で3個の画像を水平方向に並べて配置すること」を意味する。従って、矢印オブジェクト507は、新ファイル600(図10参照)に含まれる2個以上の画像の配置方向(水平方向右向き)を示す。
【0055】
図10は、図9の基準ファイル500に基づいて生成される新ファイル600(即ち、図6のS60で基準ファイル500が選択された場合に生成される新ファイル600)の一例を示す。図10に示すように、新ファイル600は、2個のサブファイル602、604を含む。レイアウト情報540がリピートであるために、1個目のサブファイル602には、画像610、612、614が水平方向に並んで配置されている。2個目のサブファイル604には、画像616が配置されている。また、各画像の610等の形状は、基準オブジェクト504の形状と同じ正方形状である。
【0056】
なお、本実施例では、基準ファイル100、300はステップの例であり、基準ファイル500はリピートの例である。ただし、2個以上の画像の配置方法は、ステップ及びリピートに限られず、例えば、2個以上の画像が斜め方向に並んで配置されてもよい。この場合、例えば、斜め方向を示す矢印を含む方向オブジェクトが採用されてもよい。また、例えば、2個以上の画像がマトリクス状に並んで配置されてもよい。この場合、例えば、水平方向の矢印と鉛直方向の矢印とを組み合わせた矢印を含む方向オブジェクトが採用されてもよい。
【0057】
(特定オブジェクトの回転の具体例:図11)
続いて、図11を参照して、PC10の表示制御部40が、図4のS38で実行する特定オブジェクトの回転処理の具体例を説明する。ここでは、図3の特定オブジェクト102(図11の「回転前」参照)を回転させる例について説明する。回転前の基準オブジェクト104の右下の隅が符号D5であり、右上の隅がD6である。また、符号140は、基準オブジェクト104の中心点である。基準オブジェクト104は、中心点140を中心として回転する。中心点140を通る鉛直方向の直線と、中心点140を通る水平方向の直線とを、二点鎖線で示している。隅D5は、基準オブジェクト104の中心点140に対する特定の位相αに位置する。
【0058】
図11のケース1〜5は、中心点140を中心として特定オブジェクト102を時計回りに90°回転させた例を示す。このうち、ケース1は、本実施例の図4のS38で表示される回転後の特定オブジェクト302の例である。ケース2〜5は、本実施例の変形例である。なお、ケース1〜5中の破線は、回転前の基準オブジェクト104を示す。
【0059】
(ケース1)
回転後の基準オブジェクト304aは、鉛直方向の辺の長さが水平方向の辺の長さよりも長い長方形である。ケース2〜5においても、回転後の基準オブジェクト304b、304c、304d、304eは、同様の形状を有する。ケース1では、方向オブジェクト306aは、基準オブジェクト304aの右下の隅(隅D6)に近い位置に配置されている。即ち、方向オブジェクト306aは、回転後の基準オブジェクト304aの中心点140に対する特定の位相αに最も近い隅D6に近い位置に配置されている。輪郭308aは、回転が施された基準オブジェクト304aの相似形状を有する。また、矢印オブジェクト307aの形状(向き等)は、回転前の矢印オブジェクト107と同じである。即ち、ケース1では、輪郭308aの変形が許容されるが、矢印オブジェクト307aの変形が制限されている。従って、方向オブジェクト306aの変形が制限されている。
【0060】
(ケース2)
ケース2も、ケース1とほぼ同様であるが、輪郭308bは、輪郭108と同じ形状を有する。即ち、ケース2では、矢印オブジェクト307bと輪郭308bとの両方の変形が制限されている。従って、方向オブジェクト306bの変形が制限されている。
【0061】
ケース1、2の例によると、表示制御部40は、回転指示が入力される場合に、基準オブジェクト104に対する方向オブジェクト106の位置関係(右下の隅D5の近傍に方向オブジェクト106が配置される)と、回転後の基準オブジェクト304a、304bに対する方向オブジェクト306a、306bの位置関係(右下の隅D6の近傍に方向オブジェクト306が配置される)と、が変化しないように、変形後の特定オブジェクト302a、302bを表示部14に表示させる。この構成によると、ユーザが、新ファイルに含まれる2個以上の画像の配置方向を確認し易くなることが期待できる。
【0062】
なお、ケース1、2の構成は、以下のように表現することもできる。即ち、基準オブジェクトは、矩形形状である。方向オブジェクトは、基準オブジェクトの第1の隅(例えばD5)に最も近い位置に配置される。第1の隅は、基準オブジェクトの中心に対する特定の位相(例えばα)に存在する。回転後の基準オブジェクトは、矩形形状である。方向オブジェクトは、回転後の基準オブジェクトの第2の隅(例えばD6)に最も近い位置に配置される。第2の隅(例えばD6)は、回転後の基準オブジェクトの中心に対する上記の特定の位相(例えばα)に最も近い隅である。
【0063】
(ケース3)
ケース3では、方向オブジェクト306cは、基準オブジェクト304cの左下の隅(隅D5)に近い位置に配置されている。回転前の特定オブジェクト102では、隅D5の近傍に方向オブジェクト106が配置されているために、それと同様に、回転後の特定オブジェクト302cでも、同じ隅D5の近傍に方向オブジェクト306cが配置されている。即ち、基準オブジェクト104の時計回り90°の回転に応じて、方向オブジェクト306cが移動している。ただし、矢印オブジェクト307cの形状は、回転前の矢印オブジェクト107の形状と同じである。なお、ケース3では、基準オブジェクト104の回転に伴い、輪郭308cが、基準オブジェクト104cの相似形状の長方形に変形されている。即ち、ケース3でも、ケース1と同様に、輪郭308cの変形が許容されるが、矢印オブジェクト307cの変形が制限されている。従って、ケース3でも、方向オブジェクト306cの変形が制限されている。
【0064】
(ケース4)
ケース4も、ケース3とほぼ同様であるが、輪郭308dは、輪郭108と同じ形状を有する。即ち、ケース4では、ケース2と同様に、矢印オブジェクト307dと輪郭308dとの両方の変形が制限されている。従って、ケース4でも、方向オブジェクト306dの変形が制限されている。
【0065】
ケース3、4の例によると、表示制御部40は、回転指示が入力される場合に、基準オブジェクト104に対する方向オブジェクト106の位置関係(右下の隅D5の近傍に方向オブジェクト106が配置される)と、回転後の基準オブジェクト304c、304dに対する方向オブジェクト306c、306dの位置関係と、が所定角度に応じて変化するように、変形後の特定オブジェクト302c、302dを表示部14に表示させる。この構成によると、ユーザが、新ファイルに含まれる2個以上の画像の配置方向を確認し易くなることが期待できる。
【0066】
なお、ケース3、4の構成は、以下のように表現することもできる。即ち、基準オブジェクトは、矩形形状である。方向オブジェクトは、基準オブジェクトの第1の隅(例えばD5)に最も近い位置に配置される。回転後の基準オブジェクトは、矩形形状である。方向オブジェクトは、回転後の基準オブジェクトの第2の隅(例えばD5)に最も近い位置に配置される。第2の隅(例えばD5)は、第1の隅(例えばD5)を所定角度回転させた隅に相当する隅である。
【0067】
(ケース5)
ケース5では、基準オブジェクト104の回転の前後において、方向オブジェクト306eの位置が変更されない。また、基準オブジェクト104の回転の前後において、矢印オブジェクト307e及び輪郭308eの形状も、変更されない。即ち、ケース5では、矢印オブジェクト307eと輪郭308eとの両方の変形が制限されている。従って、方向オブジェクト306eの変形が制限されている。
【0068】
(本実施例の効果)
以上、本実施例のネットワークシステム2について詳しく説明した。本実施例では、ユーザは、表示部14に表示された特定オブジェクト102(図3参照)に含まれる方向オブジェクト106(矢印オブジェクト107)を見ることによって、新ファイルに含まれる2個以上の画像の配置方向を確認することができる(図4のS32)。また、表示制御部40は、特定オブジェクト102を回転させるための回転指示が入力される場合に、基準オブジェクト104が回転された回転後の特定オブジェクト302(図5参照)を表示させる。従って、ユーザは、回転後の基準オブジェクト304を確認することができる。特に、表示制御部40は、上記の回転指示が入力されても、矢印オブジェクト107の変形を制限する。即ち、基準オブジェクト104の回転の前後において、矢印オブジェクト107、307が示す方向が変化しない。従って、ユーザは、上記の回転指示が入力されても、新ファイルに含まれる2個以上の画像の配置方向を確認することができる。本実施例によると、2個以上の画像を含む新ファイルが生成されるべき状況において、ユーザは、2個以上の画像のレイアウトを容易に理解することができる。
【0069】
(対応関係)
PC10が「情報処理装置」の一例である。新ファイル200、400、600が、「対象ファイル」の一例である。情報150、154、550、554が、「配置方向情報」の一例である。表示編集アプリケーションプログラム25を含むソフトウェアが、「所定のプログラム」の一例である。
【0070】
(第2実施例)
第2実施例について、第1実施例と異なる点を中心に説明する。第1実施例では、表示編集アプリケーションプログラム25を含む1個のソフトウェアがPC10に記憶(インストール)される。第2実施例では、図4のS32とS38で実施される方向オブジェクトの表示は、特定アプリケーションプログラム(図示しない)により実施される。特定アプリケーションプログラムは、表示編集アプリケーションプログラム25に含まれる。表示編集アプリケーションプログラム25は、公知の表示編集ソフトウェア(例えば表計算ソフトウェア)であり、特定アプリケーションプログラムは表示編集ソフトウェアに組み込まれる(プラグインされる)アプリケーションプログラムである。特定アプリケーションプログラムは、例えば、多機能機60のベンダによってインターネット上で公開されており、ユーザは、PC10の操作部12に所定の操作を実行することによって、特定アプリケーションプログラムをインターネットからPC10にインストールして、表示編集アプリケーションプログラム25に特定アプリケーションプログラムを組み込むことができる。
【0071】
第2実施例でも、特定アプリケーションプログラムを含む表示編集アプリケーションプログラム25が「所定のプログラム」の一例である。
【0072】
(第3実施例)
第3実施例について、第1実施例と異なる点を中心に説明する。第3実施例では、表示編集アプリケーションプログラム25は、公知の表示編集ソフトウェア(例えば表計算ソフトウェア)である。なお、複数個のデフォルトの特定オブジェクト26aは、例えば、多機能機60のベンダによってインターネット上で公開されている。ユーザは、PC10の操作部12に所定の操作を実行することによって、複数個のデフォルトの特定オブジェクト26aをインターネットからPC10にインストールする。従って、図2のS12において、ユーザは、インストールされた複数個のデフォルトの特定オブジェクト26aの中から、1個のデフォルトの特定オブジェクトを選択する。なお、複数個のデフォルトの特定オブジェクト26aのそれぞれは、上記の第2実施例で示した特定アプリケーションプログラムと同様の処理を実施する表示編集アプリケーションプログラム25のマクロを含む。
【0073】
第3実施例では、図4のS32とS38で実施される方向オブジェクトの表示は、特定オブジェクト26aに含まれるマクロにより実施され、表示編集アプリケーションプログラム25が「所定のプログラム」の一例である。
【0074】
(第4実施例)
第4実施例について、第1実施例と異なる点を中心に説明する。第4実施例では、複数個のデフォルトの特定オブジェクト26aのそれぞれは、方向オブジェクト(例えば図3の符号106)を含んでいない。即ち、複数個のデフォルトの特定オブジェクト26aのそれぞれは、テキスト形式の矢印オブジェクトと図形形式の輪郭とを含んでいない。
【0075】
また、基準ファイル表示処理(図4参照)では、S32において、表示制御部40は、選択された基準ファイル100に含まれる基準オブジェクト104のレイアウト情報140を取得する。次いで、表示制御部40は、レイアウト情報140に含まれる情報150、154を分析し、情報150、154が「ステップ」を意味することを特定する。その場合、表示制御部40は、「ステップ」を表わす下向き矢印の矢印オブジェクト107と、輪郭108と、を生成する。表示制御部40は、矢印オブジェクト107と輪郭108とを含む方向オブジェクト106を、基準オブジェクト104に重ねて表示させる。その後に、回転指示が行われた場合(S34でYES)に、S38において、表示制御部40は、回転後の基準オブジェクト304(図5参照)を表示させる。S38では、表示制御部40は、さらに、情報150、154に基づいて、「ステップ」を表わす下向き矢印の矢印オブジェクト307と、輪郭308と、を生成する。表示制御部40は、矢印オブジェクト307と輪郭308とを含む方向オブジェクト306を、基準オブジェクト304に重ねて表示させる。
【0076】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0077】
(変形例1)
上記の実施例では、基準ファイル表示処理(図4)のS38において、基準ファイル100が更新される。これに代えて、S38において、表示制御部40は、基準ファイル100を更新せずに、基準ファイル100に対する変更を反映させた新たな基準ファイル300を生成してもよい。その場合、元の基準ファイル100は変更されずに維持される。
【0078】
(変形例2)図4のS32、S38において、表示制御部40は、特定オブジェクトを、PC10の表示部14ではなく、他の機器の表示部(例えば多機能機60の表示部66)に表示させてもよい。即ち、一般的に言うと、「表示部」は、情報処理装置の内部の表示部であってもよいし、情報処理装置の外部の表示部であってもよい。
【0079】
(変形例3)上記の各実施例では、図4のS34では、ユーザは、特定オブジェクトを回転させるための回転指示を入力する。これに代えて、ユーザによって入力される指示は、回転指示に限られず、特定オブジェクトを変形させるための他の指示(例えば、特定オブジェクトの拡大、縮小、縦横比の変更、トリミング等の指示)であってもよい。一般的に言うと、「特定オブジェクトに変形を加えるための指示」は、回転指示のみならず、他の指示(上記の拡大、縮小等の指示)を含む。
【0080】
(変形例4)上記の実施例では、特定オブジェクトの回転の前後において、矢印オブジェクトの矢印の向き等が変化しない。しかし、表示制御部40は、特定オブジェクトの回転の前後において、矢印オブジェクトに含まれる矢印の向きを変えない限り、矢印の長さ、幅、色彩等の他の要素を変更してもよい。本変形例の構成は、矢印の向きが変化しないために、「方向オブジェクトの変形が制限される」という構成に含まれる。
【0081】
(変形例5)方向オブジェクト106は、矢印オブジェクト107に代えて、「下」、「右」等の文字を示す文字オブジェクトを含んでいてもよい。一般的に言うと、方向オブジェクトは、対象ファイルに含まれるべき2個以上の画像の配置方向を示せばよい。
【0082】
(変形例6)第1実施例では、図4のS38において、表示制御部40は、基準オブジェクトと矢印オブジェクトが、それぞれ画像とテキストであるとして、画像である基準オブジェクトを回転させ、テキストである矢印オブジェクトの変形を制限する。これに代えて、例えば、基準オブジェクト及び矢印オブジェクトが、画像形式で記述されていてもよい。この場合、基準オブジェクトは、基準オブジェクトを示す特定のフラグを含み、矢印オブジェクトは、基準オブジェクトを示す特定のフラグを含んでいないように、もしくは、矢印オブジェクトを示す特定のフラグを含むように、特定オブジェクトを構成してもよい。その場合、特定オブジェクトを回転させるための回転指示が入力された場合に、表示制御部40は、基準オブジェクトを示す特定のフラグを含む基準オブジェクトを回転させ、基準オブジェクトを示す特定のフラグを含まない矢印オブジェクトの変形を制限してもよい。
【0083】
(変形例7)上記の各実施例では、PC10が基準ファイル生成処理(図2)と基準ファイル表示処理(図4)とを実行するが、多機能機60がこれらの処理を実行してもよい。この場合、多機能機60が「情報処理装置」の一例である。一般的に言うと、「情報処理装置」は、PCに限られず、プリンタ、スキャナ、多機能機、携帯端末、サーバ等であってもよい。
【0084】
(変形例8)上記の各実施例では、PC10のCPU20が、プログラムに従って処理を実行することによって、表示制御部40が実現される。これに代えて、表示制御部40は、論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0085】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0086】
2:ネットワークシステム、4:LAN、10:PC、60:多機能機
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
生成対象の対象ファイルの生成に用いられる基準ファイルを記憶するためのメモリであって、
前記基準ファイルは、基準オブジェクトを含み、
前記基準オブジェクトは、前記対象ファイルに含まれるべき2個以上の画像の配置方向に関係する配置方向情報を含む、前記メモリと、
前記基準オブジェクトと、前記配置方向を示す方向オブジェクトと、を含む特定オブジェクトを、表示部に表示させる表示制御部であって、
前記特定オブジェクトが前記表示部に表示されている状態で、前記特定オブジェクトに変形を加えるための指示が入力される場合に、前記指示に従って前記基準オブジェクトに変形が加えられていると共に、前記指示に関わらず前記方向オブジェクトの変形が制限されている変形後の特定オブジェクトを、前記表示部に表示させる、前記表示制御部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記指示は、前記特定オブジェクトを所定角度回転させるための回転指示を含み、
前記表示制御部は、前記回転指示に従って前記基準オブジェクトが前記所定角度回転され、方向オブジェクトが回転されていない前記変形後の特定オブジェクトを、前記表示部に表示させる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記基準オブジェクトの手前側に前記方向オブジェクトが重なるように、前記特定オブジェクトを前記表示部に表示させる、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記回転指示が入力される場合に、前記基準オブジェクトに対する前記方向オブジェクトの位置関係と、回転後の前記基準オブジェクトに対する前記方向オブジェクトの位置関係と、が変化しないように、前記変形後の特定オブジェクトを前記表示部に表示させる、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記回転指示が入力される場合に、前記基準オブジェクトに対する前記方向オブジェクトの位置関係と、回転後の前記基準オブジェクトに対する前記方向オブジェクトの位置関係と、が前記所定角度に応じて変化するように、前記変形後の特定オブジェクトを前記表示部に表示させる、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
生成対象の対象ファイルの生成に用いられる基準ファイルであって、
前記基準ファイルは、
前記対象ファイルに含まれるべき2個以上の画像の配置方向に関係する配置方向情報を含む基準オブジェクトと、前記配置方向を示す方向オブジェクトと、を含む特定オブジェクトを含み、
情報処理装置において所定のプログラムが実行される場合に、前記特定オブジェクトが表示部に表示されるように、前記基準ファイルが構成されており、
前記特定オブジェクトが前記表示部に表示されている状態で、前記特定オブジェクトに変形を加えるための指示が入力される場合に、前記指示に従って前記基準オブジェクトに変形が加えられると共に、前記指示に関わらず前記方向オブジェクトの変形が制限されている変形後の特定オブジェクトが前記表示部に表示されるように、前記基準ファイルが構成されている、
基準ファイル。
【請求項7】
生成対象の対象ファイルの生成に用いられる基準ファイルに含まれる特定オブジェクトであって、
前記対象ファイルに含まれるべき2個以上の画像の配置方向に関係する配置方向情報を含む基準オブジェクトと、
前記配置方向を示す方向オブジェクトと、を含み、
情報処理装置において所定のプログラムが実行される場合に、前記特定オブジェクトが表示部に表示されるように、前記特定オブジェクトが構成されており、
前記特定オブジェクトが前記表示部に表示されている状態で、前記特定オブジェクトに変形を加えるための指示が入力される場合に、前記指示に従って前記基準オブジェクトに変形が加えられると共に、前記指示に関わらず前記方向オブジェクトの変形が制限されている変形後の特定オブジェクトが前記表示部に表示されるように、前記特定オブジェクトが構成されている、
特定オブジェクト。
【請求項1】
情報処理装置であって、
生成対象の対象ファイルの生成に用いられる基準ファイルを記憶するためのメモリであって、
前記基準ファイルは、基準オブジェクトを含み、
前記基準オブジェクトは、前記対象ファイルに含まれるべき2個以上の画像の配置方向に関係する配置方向情報を含む、前記メモリと、
前記基準オブジェクトと、前記配置方向を示す方向オブジェクトと、を含む特定オブジェクトを、表示部に表示させる表示制御部であって、
前記特定オブジェクトが前記表示部に表示されている状態で、前記特定オブジェクトに変形を加えるための指示が入力される場合に、前記指示に従って前記基準オブジェクトに変形が加えられていると共に、前記指示に関わらず前記方向オブジェクトの変形が制限されている変形後の特定オブジェクトを、前記表示部に表示させる、前記表示制御部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記指示は、前記特定オブジェクトを所定角度回転させるための回転指示を含み、
前記表示制御部は、前記回転指示に従って前記基準オブジェクトが前記所定角度回転され、方向オブジェクトが回転されていない前記変形後の特定オブジェクトを、前記表示部に表示させる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記基準オブジェクトの手前側に前記方向オブジェクトが重なるように、前記特定オブジェクトを前記表示部に表示させる、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記回転指示が入力される場合に、前記基準オブジェクトに対する前記方向オブジェクトの位置関係と、回転後の前記基準オブジェクトに対する前記方向オブジェクトの位置関係と、が変化しないように、前記変形後の特定オブジェクトを前記表示部に表示させる、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記回転指示が入力される場合に、前記基準オブジェクトに対する前記方向オブジェクトの位置関係と、回転後の前記基準オブジェクトに対する前記方向オブジェクトの位置関係と、が前記所定角度に応じて変化するように、前記変形後の特定オブジェクトを前記表示部に表示させる、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
生成対象の対象ファイルの生成に用いられる基準ファイルであって、
前記基準ファイルは、
前記対象ファイルに含まれるべき2個以上の画像の配置方向に関係する配置方向情報を含む基準オブジェクトと、前記配置方向を示す方向オブジェクトと、を含む特定オブジェクトを含み、
情報処理装置において所定のプログラムが実行される場合に、前記特定オブジェクトが表示部に表示されるように、前記基準ファイルが構成されており、
前記特定オブジェクトが前記表示部に表示されている状態で、前記特定オブジェクトに変形を加えるための指示が入力される場合に、前記指示に従って前記基準オブジェクトに変形が加えられると共に、前記指示に関わらず前記方向オブジェクトの変形が制限されている変形後の特定オブジェクトが前記表示部に表示されるように、前記基準ファイルが構成されている、
基準ファイル。
【請求項7】
生成対象の対象ファイルの生成に用いられる基準ファイルに含まれる特定オブジェクトであって、
前記対象ファイルに含まれるべき2個以上の画像の配置方向に関係する配置方向情報を含む基準オブジェクトと、
前記配置方向を示す方向オブジェクトと、を含み、
情報処理装置において所定のプログラムが実行される場合に、前記特定オブジェクトが表示部に表示されるように、前記特定オブジェクトが構成されており、
前記特定オブジェクトが前記表示部に表示されている状態で、前記特定オブジェクトに変形を加えるための指示が入力される場合に、前記指示に従って前記基準オブジェクトに変形が加えられると共に、前記指示に関わらず前記方向オブジェクトの変形が制限されている変形後の特定オブジェクトが前記表示部に表示されるように、前記特定オブジェクトが構成されている、
特定オブジェクト。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−55603(P2013−55603A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−194080(P2011−194080)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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