説明

情報分電盤の入出線構造

【課題】従来、ケーブルを個々に情報分電盤に設けられた機器取り付け板に固定していたため、大変手間がかかっていたところを、本発明は、簡単な構造で、情報分電盤への入出線作業が容易になる情報分電盤の入出線構造を提供することを目的としている。
【解決手段】機器取り付け板5の端辺に複数の溝を設けると共に、情報分電盤内に入出線されるケーブル6を溝に嵌合させ、溝の前面側にはケーブル6を固定するための固定部材10を取り付け可能としたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基台に設けられた機器取り付け板に情報通信機器を載置し、配線、収納する情報分電盤の入出線構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図5に示すように、情報分電盤31の基台32には入出線孔が設けられており、住宅の壁面や天井から引き出されたケーブル33は入出線孔より情報分電盤31内に引き込まれる。このとき、従来は、入出線孔に通したケーブル33は、情報分電盤31の内部に配置されている情報機器34へ直接接続されていた。
【0003】
しかしながら、情報分電盤を設置するその都度、ケーブル33を適当に接続するため、ケーブル33が整理しにくく、保守作業のときに、どのケーブル33がどの機器34に接続されているかすぐにわからなかったりしていた。そこで、情報分電盤31への入出線時には、基台32に設けられた入出線孔から引き入れたケーブル33は、その都度、均等に割り付け位置決めし、ケーブル支持部材35により機器取り付け板に固定する方法がとられていた。
【特許文献1】特開平11−182888号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記ケーブルを個々に情報分電盤に設けられた機器取り付け板に固定する方法では、情報分電盤内を整理するためにケーブルを確実に固定するために、固定位置を位置決めするのに大変な時間と手間がかかっていた。ケーブル一本一本に同じ作業を繰り返さなくてはならず、大きい情報分電盤であればあるほど、作業が面倒であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明は、簡単な構造で、情報分電盤への入出線作業が容易になる情報分電盤の入出線構造を提供することを目的とし、その構造は、機器取り付け板の端辺に複数の溝を設けると共に、情報分電盤内に入出線されるケーブルを溝に嵌合させ、溝の前面側にはケーブルを固定するための固定部材を取り付け可能としたことを特徴とする。
【0006】
また、機器取り付け板に設けられた溝の、ケーブルを載置する面をテーパー状に形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る情報分電盤の入出線固定構造は、機器取り付け板の端辺に複数の溝を設けると共に、情報分電盤内に入出線されるケーブルを溝に嵌合させ、溝の前面側にはケーブルを固定するための固定部材を取り付け可能としたため、ケーブルを溝に嵌合させるという簡単な作業で、入出線の整理が容易に行え、作業時間の短縮も図ることができる。ケーブルをひとつひとつ固定する必要がなくなり、作業時間の大幅削減が図れる。また、ケーブルを固定するための固定部材は簡単な構造で製作でき、従来のひとつひとつのケーブルに対応させた固定部材に比べて安価に提供できる。
【0008】
また、機器取り付け板に設けられた溝の、ケーブルを載置する面をテーパー状に形成したため、ケーブルを溝に嵌合させるという簡単な作業で、入出線の整理が容易に行え、作業時間の短縮も図ることができる。ケーブルをひとつひとつ固定する必要がなくなり、作業時間の大幅削減が図れる。また、ケーブルを固定するための固定部材は簡単な構造で製作でき、従来のひとつひとつのケーブルに対応させた固定部材に比べて安価に提供できる。ケーブルを溝に沿わせる際、溝がテーパー状に形成されているため、作業がしやすくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明に係る情報分電盤の入出線固定構造の実施例を図1〜図4の添付図面に基いて説明する。
【0010】
近年の情報化に伴い、情報通信機器が家庭内でも使用されるようになってきた。情報通信機器1は、情報分電盤2に収納し住宅の壁面に設置される。情報分電盤2は基台3とカバー4とから成るキャビネットに、機器取り付け板5を取り付け、機器取り付け板5上に情報通信機器1は載置される。住宅の壁面や天井から通信ケーブル6が出線され、情報分電盤2の基台3に設けられた入出線孔(図示せず)より情報分電盤2内に引き込む。
【0011】
機器取り付け板1には、基台3に設けられた入出線孔側の端部に複数の溝7を設ける。溝7は情報分電盤2に入出線されるケーブル6に対向させた寸法とし、溝7にケーブル6を嵌合させ位置決めする。
【0012】
溝7の配列部8の両端には螺子挿通孔9を穿設し、溝7の配列部8表面には板状の固定部材10を渡し、固定部材10の両端に設けた挿通穴11と螺子挿通孔9とを対向させ、螺子12を挿通穴11と螺子挿通孔9とにそれぞれ挿通し固定部材10を機器取り付け板5に固定し、ケーブル6が溝7から抜け出ないように固定する。
【0013】
情報分電盤2に引き込まれた通信ケーブル6を溝7に嵌め込んで位置決めを行い、複数の通信ケーブル6を一つの固定部材10により一度に固定する。従来手間がかかっていた入出線の整理の手間や、保守作業時のケーブル5の区別が容易になり、作業性が向上するものである。
【0014】
機器取り付け板5に設ける溝7をテーパー状に形成することもできる。溝7に通信ケーブル6を嵌合させる作業がしやすくなり、作業性を向上させることができる。
【0015】
情報分電盤の入出線固定構造は上記構造に限定されるものではなく、図4に示すように、入出線固定部材13を機器取り付け板14とは別部材で構成することもできる。入出線固定部材13には複数の溝15を設け、溝15は、情報分電盤に引き込まれるケーブル16が嵌合可能である。溝15の配列部表面には固定部材17を渡し、固定部材17の両端に設けた挿通穴と、溝15の配列部の両端に設けられた螺子挿通孔とにそれぞれ螺子18を挿通し、固定部材17を入出線固定部材13に固定し、ケーブル16が溝15から抜け出ないように固定する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】情報分電盤の外形を示す説明図である。
【図2】情報分電盤の入出線固定構造を示す正面図である。
【図3】図1における入出線固定部の拡大図である。
【図4】情報分電盤の入出線固定構造の変形実施例を示す説明図である。
【図5】従来の情報分電盤の入出線固定構造を示す正面図である。
【符号の説明】
【0017】
1 情報通信機器
2 情報分電盤
3 基台
4 カバー
5 機器取り付け板
6 通信ケーブル
7 溝
8 配列部
9 螺子挿通孔
10 固定部材
11 挿通穴
12 螺子
13 入出線固定部材
14 機器取り付け板
15 溝
16 ケーブル
17 固定部材
18 螺子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台に設けられた機器取り付け板に情報通信機器を載置し、配線、収納する情報分電盤の入出線構造であって、前記機器取り付け板の端辺に複数の溝を設けると共に、前記情報分電盤内に入出線されるケーブルを前記溝に嵌合させ、該溝の前面側には前記ケーブルを固定するための固定部材を取り付け可能としたことを特徴とする情報分電盤の入出線構造。
【請求項2】
前記情報分電盤の入出線構造であって、前記機器取り付け板に設けられた溝の、前記ケーブルを載置する面をテーパー状に形成したことを特徴とする請求項1に記載の情報分電盤の入出線構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2009−22083(P2009−22083A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−181577(P2007−181577)
【出願日】平成19年7月11日(2007.7.11)
【出願人】(000124591)河村電器産業株式会社 (857)
【Fターム(参考)】