説明

情報提供システム、情報提供方法、プログラムおよび端末装置

【課題】表示頻度に応じて操作手順の表示内容を変える。
【解決手段】電子機器と端末装置と情報配信装置とが接続されている情報提供システム1であって、電子機器は異常を含む情報を送信する送信部を備え、端末装置は自機の情報を送信する送信部を備え、情報配信装置は、操作手順情報のうちの少なくとも一部を、前記電子機器及び前記端末装置の少なくともいずれかに送信する送信部を備え、前記電子機器及び前記端末装置の少なくともいずれかは、前記情報配信装置から受信した操作手順を表示する操作表示部と、前記電子機器、前記端末装置又は前記情報配信装置のいずれかにより、所望の記憶領域に記憶された操作手順情報の表示履歴に基づき表示頻度の高低を判断し、前記判断の結果、前記表示頻度の低い操作手順情報については、当該操作手順情報よりも簡略な操作手順情報を前記操作表示部に表示させる制御部とを備える情報提供システム1が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供システム、情報提供方法、プログラムおよび端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、画像形成装置等の通信機能を持たせた電子機器を公衆回線又はインターネット等の通信回線を用いて情報配信サーバに接続し、情報配信サーバから電子機器に必要な情報を提供するシステムが提案されている。
【0003】
上記システムでは、例えば画像形成装置に用紙セットや印刷ジャム等の異常が発生した場合、その異常を解除するための操作手順を情報配信サーバに要求し、情報配信サーバから操作手順のガイダンス情報を得る。
【0004】
近年、画像形成装置の用紙セットやジャム除去などのユーザが実施する作業について、作業に対するガイダンス表示の充実化が進められている。例えば、用紙のセットやジャムを除去するために、作業手順のガイダンスを操作部に表示して、作業終了後に終了したことを操作部に表示する方法が提案されている。
【0005】
特許文献1には、画像形成装置の異常発生時、異常を解除するための適切な操作手順をガイダンス表示することを目的として、画像形成装置の種類とエラー状況に応じた詳細な操作手順を、情報配信サーバより取得し、ガイダンス表示する方法が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1では、画像形成装置は、情報配信サーバより詳細な操作手順を取得し、ガイダンス表示すため、ユーザにとって不要な情報が表示されてしまう場合があった。例えば、従来の作業手順を示すガイダンス表示では、どのユーザに対しても同じ作業手順が表示されるため、作業に慣れたユーザにとっては煩雑なガイダンス表示となっていたり、また作業に不慣れなユーザにとっては不充分なガイダンス表示となっていたりして、ユーザの利便性が低下するという課題を有していた。
【0007】
また、同じ操作手順であっても、異常が発生する度に情報配信サーバより同手順を取得する作業が生じ、この点においてもユーザの利便性が低下するという課題を有していた。
【0008】
上記課題に鑑み、本発明は、表示頻度に応じて表示する操作手順情報を変えることが可能な情報提供システム、情報提供方法、プログラムおよび端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一の態様によれば、電子機器と端末装置と情報配信装置とがネットワークを介して接続されている情報提供システムであって、
前記電子機器は、
前記電子機器の異常を含む情報を送信する送信部を備え、
前記端末装置は、
前記端末装置の情報を送信する送信部を備え、
前記情報配信装置は、
前記異常を解除するための操作手順情報のうちの少なくとも一部を、前記送信部のそれぞれから送信された情報に基づき特定される前記電子機器及び前記端末装置の少なくともいずれかに送信する送信部を備え、
前記電子機器及び前記端末装置の少なくともいずれかは、
前記情報配信装置から送信された操作手順情報を受信する受信部と、
前記受信した操作手順情報を表示する操作表示部と、
前記電子機器、前記端末装置又は前記情報配信装置のいずれかにより、前記操作手順情報の表示履歴を所望の記憶領域に記憶させ、前記記憶された表示履歴に基づき前記異常に対する操作手順情報の表示頻度の高低を判断し、前記判断の結果、前記表示頻度の低い操作手順情報については、当該操作手順情報よりも簡略な操作手順情報を前記操作表示部に表示させる制御部と、を備えることを特徴とする情報提供システムが提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、本発明は、表示頻度に応じて表示する操作手順情報を変えることにより、ユーザの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】一実施形態に係る情報提供システムの全体構成図。
【図2】一実施形態に係る情報提供システムの全体構成図。
【図3】一実施形態に係るスマートフォンの内部構成図。
【図4】一実施形態に係る情報配信サーバの概略構成図。
【図5】一実施形態に係る情報配信サーバの詳細構成図。
【図6】一実施形態に係る情報配信サーバの概略構成図。
【図7】一実施形態に係る情報配信サーバの詳細構成図。
【図8】エラー発生時の操作表示部を示した図。
【図9】一実施形態に係る操作手順表示処理を示したフローチャート。
【図10】一実施形態に係る操作手順表示処理を示したフローチャート。
【図11】撮影時の枠表示を示した図。
【図12】操作手順の階層構造を示した図。
【図13】操作手順の内部データ構造を示した図。
【図14】作業種別毎の操作手順の階層構造を示した図。
【図15】作業種別毎の階層移行条件を示した図。
【図16】操作手順の管理状態を示した図。
【図17】一実施形態に係る操作手順要求処理を示したフローチャート。
【図18】一実施形態に係る作業記録管理処理を示したフローチャート。
【図19】作業記録の一例を示した図。
【図20】操作手順表示の一例を示した図。
【図21】一実施形態に係る要求回数計測処理を示したフローチャート。
【図22】要求回数の計測結果の一例を示した図。
【図23】操作手順の更新を説明するための図。
【図24】一実施形態に係る操作手順更新処理を示したフローチャート。
【図25】一実施形態に係る情報配信サーバの構成図。
【図26】一実施形態に係る情報配信サーバの構成図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く。
【0013】
[システムの全体構成]
まず、本発明の一実施形態に係る情報提供システムの全体構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る情報提供システムの全体構成の一例を示す。
【0014】
情報提供システム1は、画像形成装置100、カメラ付きのスマートフォン300、情報配信サーバ200およびスマートフォン300の通信のための基地局400を有している。ここで、画像形成装置100やカメラ付きスマートフォン300はIPアドレスやSIM(Subscriber Identity Module card)カードに登録された固有のID番号等で管理される為、システム中に複数台存在しても構わない。
【0015】
図1において、画像形成装置100は、制御部101、原稿読取部102、画像処理部103、印字部104、画像記憶部105、検知部106、操作表示部等の操作表示部107、及び通信部108を有している。
【0016】
本実施形態では、通信機能を有する電子機器の一例として画像形成装置を例に挙げて説明するが、通信機能を有する電子機器は、通信機能を備えたプリンタ,ファクシミリ装置,デジタル複写機,スキャナ装置,デジタル複合機等の画像形成装置を始め、ネットワーク家電,自動販売機,医療機器,電源装置,空調システム,ガス・水道・電気等の計量システム等に通信機能を持たせた電子機器であってもよい。
【0017】
また、本実施形態では、端末装置の一例としてスマートフォン300を例に挙げて説明するが、端末装置は、カメラ機能およびネットワーク通信機能を備えることが可能な携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Data Assistance)およびハンディ型のパーソナルコンピュータ、音楽プレーヤ、イーブックリーダ(電子書籍端末)及びディジタルカメラ等であってもよい。
【0018】
制御部101は、いずれも図示しないメインCPU(Central Processing Unit)及びROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶領域を有し、ROMに予め書き込まれたプログラムにしたがって各入出機器を統括して制御し、この間に入出力されるデータをRAMの所定のメモリエリアに一時記憶する。
【0019】
原稿読取部102は、図示しない光源ランプから照射された光を原稿で反射し、この原稿からの反射光をCCD、CIS等の光電変換素子で電気的情報に変換し、画像データとして画像処理部103へ出力する。画像処理部103は、入力した画像データを印字出力に適したデータに変換処理するために、濃度変換や色変換等の画像処理を行い、印字部104へ出力する。
【0020】
印字部104は、入力した画像データに基づき記録用紙上にトナー像を転写し印字出力を行う。画像記憶部105は、画像処理部103で処理された画像データを記憶するメモリである。
【0021】
検知部106は、画像形成装置100の装置の状態を検知する各種のセンサからなり、このセンサで検知した情報を制御部101へ出力する。例えば、用紙のジャムは、用紙搬送路中の各所に設けられた用紙センサを用いて用紙が無いという結果により検出される。また、給紙カセットに設けられたセンサによって記録用紙の有無が検出される。また、トナー濃度センサの出力に基づきトナー切れが解消されたか否かが検出される。また、検知部106は、各種の消耗品が所定期間を経過して使用しているかを検出する。
【0022】
操作表示部107は、入力キーやスイッチ等の入力手段および液晶表示パネル等の表示手段を備え、装置の状態や利用可能な用紙サイズ、複写倍率等の表示を行うと共に、入力手段により操作者の操作を受け付けることができる。表示手段は、液晶画面に触れることで入力が可能な液晶タッチパネルであってもよい。
【0023】
通信部108は、NIC(Network Interface Card)等によって、LAN(Local Area Network)回線等のネットワークに接続するためのインタフェースである。通信部108は、ネットワークを介して、情報配信サーバ(情報配信装置に相当)200と接続されており、画像形成装置100と情報配信サーバ200とが通信するための機能を有する。また、通信部108は、基地局400を介して携帯電話300と通信可能に接続されている。
【0024】
通信部108は、受信部108a及び送信部108bを有する。送信部108bは、画像形成装置100の異常を含む情報を送信する。異常を含む情報には、例えば、画像形成装置100のジャムエラーやトナー切れ、用紙の不足などの異常情報、また複数の画像形成装置100から一の画像形成装置を特定するための情報(IPアドレスや製品情報)が含まれる。受信部108aは、情報配信サーバ200から送信された操作手順情報を受信することができる。
【0025】
情報配信サーバ200は、図示しないCPU(Central Processing Unit)およびその他周辺機器を備えた通常のコンピュータで構成され、ネットワークを介して画像形成装置100と通信可能に接続されている。また、情報配信サーバ200は、基地局400を介して携帯電話300と通信可能に接続されている。
【0026】
情報配信サーバ200は、画像形成装置100から異常を含む画像形成装置100の情報を受信し、スマートフォン300からスマートフォン300の情報、操作手順情報の要求、操作部位情報の要求を受信し、スマートフォン300へ操作手順情報、操作部位情報を送信する。
【0027】
スマートフォン300は、携帯電話網を介して基地局400と通信可能であり、情報配信サーバ200へ画像形成装置100の操作手順の情報や操作部位の情報を要求したり、情報配信サーバ200から送られてくる操作部位情報を受信して、受信した操作部品情報を元に、カメラで撮影した映像上の対象部位に枠表示(図11参照)を行ったり、操作手順情報を、受信して表示する。
【0028】
本実施形態では、図11に示したように、例えばエラー箇所として部位等を特定する表示方法として四角の枠表示W1,W2,W3を行っているが、ユーザがスマートフォン300の操作表示部を見て対象部位がどこかがわかるようになっていれば、丸い枠の表示、ハッチング表示や点滅表示、矢印を表示するなど、表示方法はどのような形でもよい。
【0029】
また、枠表示を行う機能はスマートフォン300でなく、情報配信サーバ200が備えていてもよく、スマートフォン300は撮影した画像を情報配信サーバ200へ転送し、部位の検出、枠表示した画像をスマートフォン300へ転送するようにしてもよい。
【0030】
さらにスマートフォン300は、画像形成装置100の操作表示部107の表示手段に記載されたバーコード(2次元コード、QRコード(登録商標、以下省略))等を撮影し、撮影した画像が表しているコード情報に変換する機能を備えるものとする。
【0031】
本実施形態で説明している部位を特定して枠表示を行う画像処理機能は、画像形成装置100の操作表示部107の表示手段に記載されたバーコードをスマートフォン300のカメラで撮影することにより、スマートフォン300は画像形成装置100を特定することができる。画像形成装置100の形状、操作部位の形状や色、画像形成装置100に対して操作部位の位置が分かっているため、画像認識技術が向上している昨今では、容易に対象部位を検出し枠表示を行うことが可能である。
【0032】
画像形成装置100の特定方法については、本実施形態では、スマートフォン300が操作表示部107に表示されたQR(Quick Response)コードを撮影して読み取ることにより特定しているが、操作対象である画像形成装置100の特定ができればこれに限られず、例えば、ユーザがスマートフォン300を使用して直接、特定の画像形成装置100として認識できる情報(IPアドレスやシリアルナンバー、周辺機器の有無)を入力したり、ネットワーク上に接続されている画像形成装置100をスマートフォン300に一覧表示してユーザに選択させたりして特定する方法でもよい。また、スマートフォン300に表示する操作手順情報については、動画像データ(実写、アニメーション)、静止画像データ、音声ガイダンスのどの方法を用いてもよい。
【0033】
[システムの全体構成の変形例]
図1では、情報配信サーバ200は通常のコンピュータとして画像形成装置100とは別体に設けられていた。しかし、情報配信サーバは、画像形成装置に内蔵されていてもよい。図2では、情報配信サーバ109が、画像形成装置100内に内蔵されたシステム構成例を示す。画像形成装置B500は、情報配信サーバ109を内蔵していない図1に示した画像形成装置200と同様の内部構成を有し、画像形成装置A100やスマートフォン300とネットワークを介して接続されている。
【0034】
[スマートフォンの内部構成]
次に、図3を参照しながら、スマートフォン300の内部構成について説明する。スマートフォン300は、携帯電話網を介して図1に示した基地局400と通信し、この基地局400を介してネットワークに接続可能となっている。スマートフォン300は周知の携帯電話機の構成と同様に、制御部301、入力部302、操作表示部(操作パネル)303、通信部304、操作手順管理部305、及び作業記録保持部306、そして図示しないスピーカ、マイク等が備えられている。
【0035】
制御部301は、図示しないCPUやROMおよびRAM等のメモリ等で構成され得る。入力部302は、カメラ機能を有する。操作表示部(操作パネル)303は、入力キーやスイッチ等の入力手段および液晶表示パネル等の表示手段を備える。
【0036】
通信部304は、受信部304aと送信部304bとを有する。送信部304bは、画像形成装置100の異常に応じて操作手順情報の配信要求を情報配信サーバ200に送信する。受信部304aは、情報配信サーバ200から送信された操作手順情報を受信することができる。
【0037】
操作手順管理部305は、ユーザが行う作業種別毎の操作手順情報を画像、動画、音声の形式で保管する。作業記録保持部306は、ユーザが行う作業種別毎に、操作表示部303が表示した操作手順情報の表示履歴を記録する。作業記録保持部306は、画像形成装置100の操作表示部107に表示された操作手順情報の表示履歴を記録してもよい。
【0038】
スマートフォン300は、画像形成装置100の操作表示部の表示手段に記載されたバーコード(2次元コード、QRコード)等を入力部302のカメラにより撮影し、撮影した画像が表しているコード情報に変換する機能を備えるものとする。
【0039】
さらに、スマートフォン300は画像形成装置100をカメラで撮影し、撮影した画像に対し、特定の操作部位を検出して枠表示することができるカメラ機能のアプリケーションを備えていることが好ましい。備えていない場合は、情報配信サーバ200がスマートフォン300から画像を受け取り、特定の操作部位を検出して枠表示し、その結果を通信部304を経由してスマートフォン300に返信する機能を備えていてもよく、これによっても特定の操作部位を枠表示することができる。
【0040】
なお、画像形成装置100又はスマートフォン300は、情報配信サーバ200から送信された操作手順情報を受信し、受信した操作手順情報を画像形成装置100の操作表示部107やスマートフォン300の操作表示部303に表示することができる。
【0041】
[情報配信サーバの内部構成の概略]
次に、図4を参照しながら、情報配信サーバ200の内部構成の概略を説明する。情報配信サーバ200は、制御部201、通信部202、状態情報登録部203、操作手順/操作部位判定部204及び操作手順/操作部位記憶部205を有する。通信部202は、受信部202a及び送信部202bを有する。
【0042】
制御部201は、図示しないCPUやROMおよびRAM等のメモリ等で構成される。受信部202aは、画像形成装置100の異常を含む情報やスマートフォン300を特定するための情報等を受信する。
【0043】
状態情報登録部203は、通信部202を介して画像形成装置100より受信した、画像形成装置のジャムエラーやトナー切れなどの異常情報、また複数の画像形成装置100から特定の画像形成装置として認識可能な情報(IPアドレスや製品情報)や、各装置にオプションとして接続されている周辺機器(ARDFやソータ、折り機)情報を、情報配信サーバ200の記憶領域に記憶する。受信部202aはまた、スマートフォン300からの操作手順の配信要求を受信する。送信部202bは、前記配信要求に応じて操作手順情報の少なくとも一部を画像形成装置100およびスマートフォン300の少なくともいずれかに送信する。
【0044】
操作手順/操作部位判定部204は、画像形成装置100エラー情報(異常情報)を判断し、そのエラーを解決する為の操作手順及びエラーを解決する為に操作すべき部位を判定する。
【0045】
操作手順/操作部位記憶部205は、RAMなどのメモリで構成され、画像、動画、音声などの操作手順を表示するためのデータ、およびエラーを解決する為に操作すべき部位の情報を保持する。
【0046】
[情報配信サーバの内部構成の詳細]
次に、図5を参照しながら、情報配信サーバ200の内部構成の詳細を説明する。図5は、情報配信サーバ200の内部構成の詳細を示した図である。図5に示したように、情報配信サーバ200は、制御部201、通信部202、状態情報登録部203、操作手順/操作部位判定部204及び操作手順/操作部位記憶部205を有する。
【0047】
制御部201は、情報配信サーバ200の全体を制御する。通信部202は、図1に示したように、画像形成装置100の通信部108よりネットワークを介して、画像形成装置100の異常に関する状態情報や画像形成装置100を特定するための情報を受信する。
【0048】
状態情報登録部203は、通信部202により受信された状態情報を、情報配信サーバ200に登録する。操作手順/操作部位判定部204は、状態情報登録部203の情報から画像形成装置100のエラー情報(異常情報)を判断し、そのエラーを解決する為の操作手順、及び、エラーを解決する為に操作すべき部位を判定する。
【0049】
通信部202は、スマートフォン300の通信部304とネットワークを介して接続され、スマートフォン300から操作部位情報の要求を受信する。この要求を受信すると、操作手順/操作部位判定部204は、状態情報登録部203の状態情報から画像形成装置100のエラー情報を判断し、そのエラーを解決する為の操作手順の判定結果から、エラーを解決する為に操作すべき部位を判定する。制御部201は、操作手順/操作部位記憶部205から必要な操作部位情報を取り出し、通信部202を介して操作部位情報をスマートフォン300に送信する。
【0050】
また、スマートフォン300から操作手順情報の配信要求を受信すると、操作手順/操作部位判定部204は、状態情報登録部203の状態情報から画像形成装置のエラー情報を判断し、そのエラーを解決する為の操作手順を判定する。制御部201は、操作手順/操作部位記憶部205から必要な操作手順情報を取り出し、通信部202を介して操作手順情報をスマートフォン300に送信する。
【0051】
[情報配信サーバの内部構成の変形例]
次に、図6を参照しながら、情報配信サーバ200の内部構成の変形例について説明する。図6は、情報配信サーバ200の内部構成の変形例を示した図である。
【0052】
変形例に係る情報配信サーバ200は、制御部201、通信部202、状態情報登録部203、操作手順/操作部位判定部204及び操作手順/操作部位記憶部205に加えて、画像処理部206を有している。
【0053】
制御部201は、図示しないCPUやROMおよびRAM等のメモリ等で構成される。状態情報登録部203は、通信部202を介して画像形成装置100より受信した、画像形成装置100のジャムエラー、トナー切れなどの情報、また複数の画像形成装置から一の画像形成装置を特定可能な情報(IPアドレスや製品情報)や、各装置にオプションとして接続されている周辺機器(ARDFやソータ、折り機)情報を、情報配信サーバ200の記憶領域に記憶する。
【0054】
操作手順/操作部位判定部204は、画像形成装置100のエラー情報を判断し、そのエラーを解決する為の操作手順及び、エラーを解決する為に操作すべき部位を判定する。操作手順/操作部位記憶部205は、RAMなどのメモリで構成され、画像、動画、音声などの操作手順を表示するためのデータ、およびエラーを解決する為に操作すべき部位の情報を保持する。
【0055】
画像処理部206は、ネットワーク上に複数ある画像形成装置100の中から画像と一致する画像形成装置100の情報を操作手順/操作部位判定部204から得ることができ、画像処理を使って操作すべき部位を検出する。
【0056】
[情報配信サーバの内部構成の変形例の詳細]
次に、図7を参照しながら、情報配信サーバ200の内部構成の変形例の詳細について説明する。図7は、情報配信サーバ200の内部構成の変形例の詳細を示した図である。
【0057】
図7で示したように、情報配信サーバ200は、制御部201、通信部202、状態情報登録部203、操作手順/操作部位判定部204、操作手順/操作部位記憶部205及び画像処理部206を有する。
【0058】
制御部201は、情報配信サーバ200の全体を制御する。通信部202は、画像形成装置100の通信部108より、図1に示したようにネットワークを介し、画像形成装置100の状態に関する情報を受信する。
【0059】
状態情報登録部203は、通信部202により受信された状態情報を、情報配信サーバ200の記憶領域に登録する。操作手順/操作部位判定部204は、状態情報登録部203の情報から画像形成装置100のエラー情報(異常情報)を判断し、そのエラーを解決する為の操作手順、及び、エラーを解決する為に操作すべき部位を判定する。
【0060】
通信部202は、スマートフォン300の通信部304とネットワークを介して接続され、スマートフォン300から操作部位情報の配信要求を受信する。このとき、スマートフォン300から送信されるデータにはスマートフォン300が取得した画像形成装置100を特定できる情報(IPアドレスや画像形成装置のシリアルナンバーなど)も含まれている。
【0061】
通信部202は画像を受信すると、画像を画像処理部206へ渡す。画像処理部206は、操作手順/操作部位判定部204より操作すべき部位の情報を取得し、その情報とスマートフォン300より送られた画像で一致する部位を検出する。
【0062】
このとき、スマートフォン300が送信した画像データと共に画像形成装置100を特定する情報が送られており、この情報から、画像形成装置100の機種名やオプション設置の有無がわかっている。よって、画像処理部206は、画像形成装置100の機種毎にそれぞれ異なる操作すべき部位の情報を取得できる。また、画像処理部206は、ネットワーク上に複数ある画像形成装置100の中から画像と一致する画像形成装置100の情報を操作手順/操作部位判定部204から得ることができる。この結果、画像処理を使って操作すべき部位を検出することが可能となる。
【0063】
また、スマートフォン300から操作手順の配信要求を受信すると、操作手順/操作部位判定部204は、状態情報登録部203の情報から画像形成装置100のエラー情報を判断し、そのエラーを解決する為の操作手順を判定する。制御部201は、判定結果に基づき操作手順/操作部位記憶部205から必要な操作手順情報を取り出し、通信部202を介して操作手順情報をスマートフォン300に送信する。
【0064】
このときも、操作手順の配信要求と共に画像形成装置100の特定する情報が送られており、この情報から、画像形成装置100の機種名やオプション設置の有無がわかっている。よって、画像処理部206は、機種毎にそれぞれ異なる操作手順の情報を取得でき、ネットワーク上に複数ある画像形成装置100の操作手順の中から、スマートフォンが撮影した機種固有の操作手順を送信することが可能となる。
【0065】
[エラー発生時の表示画面例]
次に、図8を参照しながら、図1及び図2に示した画像形成装置100のエラー発生時の操作表示部107の機能について説明する。図8は、エラー発生時の画像形成装置100の操作表示部107を示した図である。
【0066】
操作表示部107は、表示手段601と入力手段602、603を備えている。画像形成装置100は、用紙ジャムが発生すると、例えば図8に示したような画像を操作表示107の表示手段601に表示する。
【0067】
このとき、操作表示107は、表示手段601に製品情報表示604を表示する。製品情報表示604はQRコードで表示されており、画像形成装置100のIPアドレスや、シリアルナンバー、機種型番、周辺機の有無など、画像形成装置100を特定する情報が記載されている。
【0068】
ユーザはスマートフォン300の入力手段であるカメラ機能を利用して、このQRコードを読み取る。これにより、スマートフォン300は、撮影する画像形成装置100を固有の画像形成装置100と認識できる。
【0069】
ここでは、製品情報表示604をQRコードとしているが、操作している画像形成装置100が特定できれば、IPアドレスやシリアルナンバーや周辺機の有無などを表示してもよい。この場合、スマートフォン300は、直接、IPアドレスやシリアルナンバー、周辺機器の有無を入力してもよい。
【0070】
また、製品情報表示がない場合には、ネットワーク上に接続されている画像形成装置100をスマートフォン300に一覧表示してユーザに選択させることにより、画像形成装置100を特定する方法を用いてもよい。
【0071】
さらには、一度QRコードを読み取って、スマートフォン300が画像形成装置100を特定できている場合は、スマートフォン300はその情報特定の画像形成装置100の固有情報を記憶しておくことで、エラー発生時に毎回QRコードを読み取らなくてもかまわない構成としてもよい。
【0072】
また、図8に記載はないが、操作表示部107の表示手段601に最初にスマートフォン300のカメラで「画像形成装置の右側を撮影してください。」などの撮影する方向や位置の指示を表示してもよい。
【0073】
[スマートフォンにおける操作手順処理]
次に、図9を参照しながら、一実施形態に係るスマートフォンにおける操作手順処理について説明する。図9は、スマートフォンにおける操作手順処理を示したフローチャートである。ここでは、スマートフォン300の入力部302のカメラ機能を用いて、画像形成装置100の操作手順を表示させる。スマートフォン300は事前に画像形成装置100の操作表示部107に表示されたQRコードを読み取ることにより、撮影する画像形成装置100の特定ができている。
【0074】
まず、図9のS100にて、スマートフォン300の入力部302のカメラで画像形成装置100の撮影を開始すると、スマートフォン300は、情報配信サーバ200に操作部位情報要求を送信する(S101)。このときスマートフォン300は、事前にQRコード等から読み取った、撮影している画像形成装置100の固有情報(IPアドレス、シリアルナンバー、周辺機器の有無情報など)を一緒に送信している。
【0075】
情報配信サーバ200は操作部位情報要求を受信すると(S102)、画像形成装置100の固有情報と画像形成装置100の状態情報から操作部位情報の判定を行う(S103)。操作部位情報の判定が終了すると、情報配信サーバ200は、スマートフォン300に操作部位情報を送信する(S104)。
【0076】
スマートフォン300は、操作部位情報を取得すると(S105)、カメラに撮影された画像形成装置100の映像から操作部位情報と一致するものを検索する。スマートフォン300は、操作部位情報とカメラに撮影された画像形成装置100の映像から一致する部位を検出すると(S106)、スマートフォン300の操作表示部303に表示されている画像形成装置100の操作部位に対し枠表示を行う(S107)。
【0077】
これにより、ユーザはネットワーク上に画像形成装置100が複数存在しても、特定された画像形成装置100の状態に適した操作すべき部位を確実に知る事ができる。
【0078】
スマートフォン300では、ユーザがスマートフォン300の操作表示部303内の入力手段により、枠表示された操作部位の画像を触るなどすることで特定の操作部位を選択すると(S108)、操作手順の配信要求が、スマートフォン300から情報配信サーバ200に送信される(S109)。
【0079】
情報配信サーバ200は、スマートフォン300から操作手順の配信要求を受信すると(S110)、画像形成装置100の固有情報と画像形成装置100の状態情報、操作部位情報から操作手順を判定する(S111)。操作手順の判定が終了すると、情報配信サーバ200はスマートフォン300に所望の操作手順情報を送信する(S112)。
【0080】
スマートフォン300は、情報配信サーバ200より、操作手順情報を取得し(S113)、取得した操作手順情報をスマートフォン300の操作表示部303に表示する(S114)。スマートフォン300は、取得した操作手順情報を画像形成装置100の操作表示部107に表示することもできる。
【0081】
これにより、ユーザはその操作手順情報を見ながらエラーを解除するための操作を行う事ができる。そして、ユーザがより詳細な操作手順情報を取得したければ、さらに操作手順情報の要求を行う事ができる(S115)。
【0082】
また、S108の部位選択において、所定期間内にユーザが枠表示された部位の選択を行わない場合は、スマートフォン300は撮影を続け、操作部位情報を取得し続け、枠表示が行われた状態を維持する。たとえば、ユーザが枠表示された部位の操作手順を見ることなく、その部位を操作(カバーを開けるなど)すると、画像形成装置100は、情報配信サーバ200に新しい状態情報(カバーが空いているという情報)を送信するので、情報配信サーバ200は状態情報が変わった事により、操作部位の判定結果も変更される。この場合、スマートフォン300は新しい操作部位情報を取得し、新しい操作部位、すなわち次の手順の部位の枠表示を行う(図11参照)。
【0083】
この方法により、ユーザは画像形成装置100の用紙ジャムやトナー切れなどのエラーに対し、エラーを解除する為の操作すべき部位を操作手順毎に一つ一つ順番に確認することができ、操作手順を見ながら操作を行う事ができる。
【0084】
また、操作手順を見る必要がないものは、S108にて選択しないことにより、その表示をスキップさせる事ができる。ひとつの操作を終了すると、次の部位に枠表示が移る為、ユーザが操作して操作手順をスキップさせる作業必要はなく、ユーザは意識せずに見る必要のない操作手順表示をスキップさせる事ができる。
【0085】
[スマートフォンにおける操作手順処理の変形例]
次に、図10を参照しながら、一実施形態に係るスマートフォンにおける操作手順処理の変形例について説明する。図10は、一実施形態に係る操作手順表示処理の変形例を示したフローチャートである。図10では、スマートフォン300の入力部302のカメラ機能を用いて、画像形成装置100の操作手順を表示させる。
【0086】
図9で示した操作手順処理との相違は、本変形例では、操作部位の検出を情報配信サーバ側で行っているところである。
【0087】
前述したようにスマートフォン300は、事前に画像形成装置100の操作表示部107に表示されたQRコードを読み取ることにより、撮影する画像形成装置100の特定ができている。
【0088】
図10のS200にて、スマートフォン300の入力部302のカメラで画像形成装置100の撮影を開始すると、スマートフォン300は、情報配信サーバ200に画像を転送する(S201)。
【0089】
このときスマートフォン300は、事前にQRコード等から読み取った、撮影している画像形成装置の固有情報(IPアドレス、シリアルナンバー、周辺機器の有無情報など)を一緒に送信している。
【0090】
情報配信サーバ200は、スマートフォン300から画像を受信し(S202)、受け取った画像形成装置100の固有情報と画像形成装置100の状態情報から操作部位情報を判定し、取得する(S203)。そして、画像形成装置100の画像と操作部位情報を比較し、操作部位の検出を行う(S204)。操作部位の検出が終わると情報配信サーバ200は操作部位に枠表示を行い(S205)、枠表示された画像をスマートフォン300に転送する(S206)。
【0091】
スマートフォン300は、情報配信サーバ200から操作部位が枠表示された画像を受信し、表示する(S207)。これにより、ユーザはネットワーク上に画像形成装置100が複数存在しても、特定された画像形成装置100の状態に適した操作すべき部位を確実に知る事ができる。
【0092】
ユーザがスマートフォン300の操作表示部303内の入力手段により、枠表示された操作部位の画像を触るなどすることで特定の操作部位を選択すると(S208)、スマートフォン300は操作手順の配信要求を情報配信サーバ200に送信する(S209)。
【0093】
情報配信サーバ200は、スマートフォン300より操作手順の配信要求を受信すると(S210)、画像形成装置100の固有情報と画像形成装置100の状態情報、操作部位情報から操作手順を判定する(S211)。操作手順の判定が終了すると、情報配信サーバ200はスマートフォン300に操作手順情報を送信する(S212)。
【0094】
スマートフォン300は、情報配信サーバ200から操作手順情報を取得し(S213)、取得した操作手順情報をスマートフォン300の操作表示部303に表示する(S214)。ユーザはその操作手順情報を見ながら操作を行う事ができる。そして、ユーザがより詳細な操作手順情報を取得したければ、さらに操作手順情報の要求を行う事ができる(S215)。
【0095】
また、S208の部位選択において、所定期間内にユーザが枠表示された部位の選択を行わない場合は、撮影を続け、操作部位情報を取得し続け、枠表示が行われた状態を維持する。たとえば、ユーザが枠表示された操作部位の操作手順を見ることなく、その操作部位を操作(カバーを開けるなど)すると、画像形成装置は、情報配信サーバに新しい状態情報(カバーが空いたという情報)を送信するので、情報配信サーバ200は状態情報が変わった事により、操作部位の判定結果も変更され、スマートフォン300は新しい操作部位情報を取得するので、新しい操作部位、すなわち次の手順の部位の枠表示を行う(図11参照)。
【0096】
この方法により、ユーザは画像形成装置100の用紙ジャムやトナー切れなどのエラーに対し、エラーを解除する為の操作すべき部位を操作手順毎に一つ一つ順番に確認することができ、操作手順を見ながら復旧操作を行う事ができる。
【0097】
また、操作手順を見る必要のないものは表示することをスキップさせる事ができ、ひとつの操作を終了すると、次の部位に枠表示が移る為、ユーザが操作して操作手順をスキップさせる作業の必要はなく、ユーザは意識せずに見る必要のない操作手順表示をスキップさせる事ができる。なお、部位の枠表示は、その部位が操作手順のガイダンス表示の選択対象であることを示す。
【0098】
[撮影時の枠表示例]
以上、図1〜図10までで一実施形態に係る各装置の構成及び動作を説明した。図11はスマートフォン300で画像形成装置100を撮影した時に操作すべき部位を枠表示している図である。スマートフォン300は、情報配信サーバ200や画像形成装置100とネットワークを介して接続されていて、画像形成装置100を撮影する事で、画像形成装置100の状態に応じた操作部位を図11のように表示画面に枠表示できるようになっている。
【0099】
図11では、枠表示の例を記載したが、対象部位がスマートフォン300の操作表示部303を見てわかるようになっていれば、丸い枠の表示、ハッチング表示や点滅表示、矢印を表示するなど、表示方法は問わず、どのような形でもよい。たとえば、左側に図示された撮影図310が操作手順1、右側に図示された撮影図311が操作手順2であるとすると、ユーザが撮影開始時に正面を撮影した場合は、操作部位が撮影されていないので、枠表示はされない。その場合、ユーザは枠表示が表示されるまで、上部や左右からなど、方向を変えて画像形成装置100を撮影する事で、枠表示W1がスマートフォン300の操作表示部303に現れるまで撮影すれば、操作手順1で操作すべき部位を見つけることができる。そして、ユーザが指やタッチペンでこの枠表示された領域をタッチすることにより、スマートフォン300は操作手順を情報配信サーバ200から取得し、表示する事ができる。
【0100】
また、たとえば撮影図310が手順1、撮影図311が手順2である場合に、撮影図310で枠表示W1がされた部位を選択することなく、操作し続けた場合に、映像は撮影図311になり、手順2の部位を枠表示W2、W3する。これにより、ユーザは、意識することなく操作手順1の表示をスキップさせることができる。また、画像形成装置100の操作手順が進んでも画像形成装置100の状態に適した操作部位W2、W3を枠表示することができる。
【0101】
[操作手順のデータの階層構造]
次に、図12を参照しながら、操作手順を示すデータの階層構造について説明する。図12は、情報配信サーバ200が備える操作手順/操作部位記憶部205、およびスマートフォン300が備える操作手順管理部305に保管される、操作手順情報のデータ構造図である。
【0102】
操作手順情報701は、複数の作業操作手順702によって構成される。作業操作手順702は、操作手順を表示するための情報であり、画像、動画、音声などのデータである。操作手順情報701は、複数の階層で分類されており、ユーザが行う作業の進捗が進む毎に下の階層の作業操作手順702を表示するものとする。
【0103】
また、矢印で接続された作業操作手順同士は、互いに関連性のある操作手順情報であることを表しており、階層1の操作手順によって表示する作業が進捗すると、次にその操作手順と関連性のある、階層2の操作手順を表示可能となる。下層にて複数の操作手順情報と関連性がある場合に、次にどの作業操作手順702を表示するのかは作業の種別により異なる。各作業における作業操作手順の構成については、図14で述べる。
【0104】
下の階層へ進むほど、作業操作手順情報は、細かな部位単位のガイダンス情報となる。図12の例では、階層1〜4までの記載であるが、階層の数は4に限定されない。
【0105】
スマートフォン300が備える操作手順管理部305の機能を画像形成装置100に備え、画像形成装置100に操作手順情報701を保管するとしても良い。よって、作業操作手順情報は、画像形成装置100、スマートフォン300、情報配信サーバ200の少なくともいずれかにより保存することができる。保存する記憶領域についても、画像形成装置100、スマートフォン300、情報配信サーバ200の少なくともいずれかの内部記憶領域であってもよいし、ネットワークで接続されたそれ以外の装置の記憶領域であってもよい。
【0106】
[操作手順の内部データ構造]
次に、図13を参照しながら、作業操作手順の内部データ構造について説明する。作業操作手順702は、概要操作手順703と、1つ又は複数の詳細操作手順704とから構成される。概要操作手順703は、操作手順の概要を表すための操作手順情報である。概要操作手順703は、詳細操作手順704よりも簡略な操作手順であり、主に手順のおおまかな情報を表すものである。また、概要操作手順703は、作業に慣れたユーザを対象として表示するのに好ましい情報である。
【0107】
詳細操作手順704は、操作手順の詳細を表すための操作手順情報である。詳細操作手順704は、概要操作手順703と同じ作業内容について操作手順を説明するための情報であるが、主に手順の詳細な情報を表すものとし、作業に不慣れなユーザを対象として表示するのに好ましい情報である。詳細操作手順704はここでは3つ設けられているが、これに限らず、作業操作手順702が説明する手順をより細かく分解した内容を説明するものとして複数設けられ得る。
【0108】
[作業種別毎の操作手順のデータ構造]
次に、図14を参照しながら、作業種別毎の操作手順のデータ構造について説明する。
図14は、作業種別毎に操作手順が階層化されたデータ構造を示した図である。
【0109】
作業種別801は、作業内容毎の識別子、例えばエラーコード等の異常の種別毎に分類される。図14では、作業種別毎に、各階層で表示する作業操作手順702の配置が示されており、また各作業操作手順702は、複数の作業種別の操作手順の表示に用いることができる。
【0110】
情報配信サーバ200の操作手順/操作部位判定部204は、操作手順の配信要求を受信した場合、作業種別、階層を参照し、対象となる作業操作手順702を送信すべき操作手順情報として送信する。
【0111】
階層数、階層の移行条件は作業種別によって異なる。作業種別は、画像形成装置100から送信された画像形成装置100の状態を情報配信サーバ200の通信部202で受信し、これを受け取った操作手順/操作部位判定部204は、移行条件を満たしたと判定した場合、別の階層へと移行する。移行条件については、図15に例を示す。
【0112】
つまり、階層はユーザの作業進捗度合いを示すものであり、作業進捗によって、表示する操作手順情報を切り替える構造をとる。また、ユーザは任意に別の階層の操作手順を表示させることも可能である。
【0113】
[作業種別毎の階層移行条件例]
図15は、作業種別毎の階層移行条件について示した図である。各作業種別において、ユーザの作業が進捗した際に画像形成装置100の検知部106で検知する情報を予め、情報配信サーバ200の操作手順/操作部位判定部204に設定する。情報配信サーバ200の操作手順/操作部位判定部204は、図15に示した条件に従い、操作手順の階層を、別の階層へと移行する。
【0114】
[操作手順の管理状態例]
図16は、情報配信サーバ200の操作手順/操作部位記録部205及びスマートフォン300の操作手順管理部305が保持する作業操作手順の一例を示す。
【0115】
表705は、操作手順/操作部位記録部205が保持する、作業種別毎の作業操作手順である。表705中の「概要」は概要操作手順703の略であり、「詳細」は詳細操作手順704の略である。
【0116】
表705中の「保持」は、該当する操作手順を保持していることを示し、「−」(ハイフン)」は、保持していないことを表す。操作手順/操作部位記録部205は、全ての作業種別、階層における、概要操作手順703及び詳細操作手順704を保持している。
【0117】
一方、表706は、操作手順管理部305が保持する、作業種別毎の作業操作手順である。表706中の記号については、表705と同じである。操作手順管理部305は、一部の作業操作手順についてのみ保持する。また、作業種別毎に、作業操作手順を全く保持しない保持状態と、全階層の概要操作手順703と、一部の又は全階層の詳細操作手順704とを保持する状態、の2種類の保持状態となる。
【0118】
前述したように、作業操作手順情報は画像、動画、音声等の情報であり、全作業種別の全情報を保持するためには、記録媒体の容量が必要とされる。図16は、携帯端末の記録容量を鑑みた保持方式により、スマートフォン300の操作手順管理部305が保持する作業操作手順の一例を示した。
【0119】
なお、作業操作手順を保持するか保持しないかは、作業記録保持部305によって決められるが、詳細については後述する。また、図16ではスマートフォン300の操作手順管理部305について記載したが、スマートフォン300の替わりに又はスマートフォン300とともに操作手順管理部を画像形成装置100に備えるようにすることもできる。
【0120】
[スマートフォンの動作]
次に、スマートフォン300を中心とした動作について、一実施形態に係る操作手順要求処理を示した図17を参照しながら説明する。図17は、図9のS109に示した操作手順要求から終了まで、および、図10のS209に示した操作手順要求から終了までの動作についての詳細を示したフローである。
【0121】
本フローを用いると、ユーザは初回の作業時、まず概要操作手順703の表示を見ることができ、必要であれば詳細操作手順704を情報配信サーバ200より取得し、詳細操作手順704を見ることができる。
【0122】
ユーザによる2回目以降の作業時、前回までの操作手順表示において詳細操作手順704の表示頻度が高い場合、情報配信サーバ200から詳細操作手順704を取得せずに、スマートフォン300の操作手順管理部305に保持されている詳細操作手順704が自動的に表示されることとなる。
【0123】
また、前回までの操作手順表示の際に、詳細操作手順704の表示頻度が低い場合、概要操作手順703が表示されることとなり、必要であれば情報配信サーバ200から詳細操作手順704を取得することにより、詳細操作手順を表示することができる。また、ユーザは次回の同作業時には詳細操作手順704が表示されないように、詳細操作手順704の破棄を選択することができる。以上を、操作手順情報701の階層毎に実施可能である。
【0124】
なお、これらの操作手順の表示については、ユーザが任意に表示を終了させることができる。詳細操作手順の表示頻度の管理については、後述する。以下に、本フローの詳細な動作について説明する。
【0125】
スマートフォン300は、図9の操作手順要求S109を開始すると(S300)、作業種別、および表示すべき操作手順情報を判定する。図9のS105、および図10のS207のステップで、スマートフォン300は、作業種別の情報を情報配信サーバ200から取得している。また、スマートフォン300は、同S109、S207のステップで、操作手順情報の階層を判定できる情報を取得している(S301)。
【0126】
次に、スマートフォン300は、作業記録保持部306で管理している、作業種別毎の操作手順の総表示回数を加算する(S302)。この回数は、S323の作業記録管理で用いられる。判定された作業種別における概要操作手順703が、スマートフォン300の操作手順管理部305に保持されているかどうかを判定し(S303)、保持されていない場合、概要操作手順703を送信するように、情報配信サーバ200に対し要求を行い(S304)、概要操作手順703を取得し、操作手順管理部305に保持する(S309)。本フローによると、概要操作手順703はスマートフォン300の(スマートフォン300を操作するユーザの)初回の操作手順表示の時にのみ、要求および取得が実施される。
【0127】
情報配信サーバ200は、概要操作手順703の配信要求を受信し(S305)、操作手順/操作部位記憶部205に保持された該当する操作手順情報を読み出し(S306)、該当操作手順情報をスマートフォン300に送信する。(S307)
概要操作手順703が保持されていた場合(S303でYES)、これは以前に同作業の操作手順を表示していた事を意味する。このとき、スマートフォン300の作業記録保持部306は、詳細操作手順704の表示頻度が低いかどうか、すなわち詳細な操作手順を表示せずに、ユーザが操作を完了しているかどうかをチェックする(S308)。詳細操作手順704の表示頻度については、作業記録保持部306によって管理されており、作業記録管理(S323)で逐次更新される。
【0128】
詳細操作手順の表示頻度が低い場合、もしくは概要操作手順703を取得した場合(初回の操作手順表示の場合)、概要操作手順を操作表示部303により表示し(S310)、ユーザにより操作手順表示の再要求があるか否かを確認する(S322)。再要求の有無は、例えばユーザによりガイダンス表示の終了を促すメッセージが選択されたかどうか、もしくはボタンが押下されたかなどにより確認する。
【0129】
再要求をしない事が選択された場合は、スマートフォン300は作業記録管理(S323)を実施し、操作手順表示を終了する。作業記録管理の詳細については、後述する。
【0130】
再要求をしない事が選択されなかった場合は、スマートフォン300の制御部301は、詳細操作手順704が表示済みか否かを判定し(S311)、表示済みであれば再要求の有無を確認する(S322)ループ状態となる。
【0131】
未表示であれば、制御部301は詳細操作手順の取得が選択されたかどうかを確認し(S312)、選択されなかった際は再要求の有無を確認する(S322)ループ状態となる。詳細操作手順の取得の選択有無は、例えばユーザにより詳細操作情報を取得するか否かを決定するメッセージが選択されたかどうか、もしくはボタンが押下されたかなどにより確認を行う。
【0132】
詳細操作手順の取得が選択された場合、スマートフォン300は詳細操作手順704を情報配信サーバ200に対して要求し(S313)、詳細操作手順703を取得し、操作手順管理部305に保持する(S317)。
【0133】
情報配信サーバ200は、詳細操作手順704の要求を受信し(S314)、操作手順/操作部位記憶部205に保持された該当する操作手順情報を読み出し(S315)、スマートフォン300に対して送信する(S316)。
【0134】
詳細手順の更新頻度が高い場合、もしくは詳細操作手順を取得した場合、スマートフォン300の操作手順管理部305に保持された詳細操作手順704を操作表示部303により表示し(S318)、詳細操作手順の破棄がユーザにより選択されたか否かを確認する(S319)。詳細操作手順の破棄の選択有無は、例えばユーザにより詳細操作情報を破棄するか否かを決定するメッセージが選択されたかどうか、もしくはボタンが押下されたかなどにより確認を行う。
【0135】
詳細操作手順の破棄が選択されていない場合、詳細操作手順の表示回数を1回分加算し(S320)、再要求の有無の確認を行う(S322)。詳細操作手順の破棄が選択された場合、詳細操作手順の表示回数を0回とし(S321)、再要求の有無の確認を行う(S322)。詳細操作手順の表示回数は、詳細操作手順の表示頻度を管理するために用い、作業記録管理(S323)にて使用される。
【0136】
以上に説明したように、複数回の操作手順表示が繰り返し行われることにより、ユーザの作業レベルに合わせた必要な操作手順のみが表示されることとなる。
【0137】
また、情報配信サーバ200の送信部は、異常を解除するための操作手順情報のうちの少なくとも一部として、スマートフォン300又は画像形成装置100の記憶領域に記憶されていない操作手順情報を送信することができる。
【0138】
なお、本フローではスマートフォン300での実施形態を記載したが、これは画像形成装置100に操作手順管理部305を備えることで、スマートフォン300を画像形成装置100に置き換える又はスマートフォン300の作業記録保持部306とともに配置されることも可能であることは明らかである。
【0139】
[作業記録管理]
次に、スマートフォン300の作業記録保持部306により実行される作業記録の管理について、図18を参照しながら説明する。図18は、作業記録の管理のフローを示す。
【0140】
作業記録保持部306は、操作手順情報の表示の終了時に作業記録の管理処理を開始し(S400)、詳細操作手順704の表示頻度を確認及び設定し、操作手順管理部305に記録された詳細操作手順704の削除を行う。
【0141】
作業記録保持部306は、今回の操作手順表示の作業種別と、表示した作業操作手順702の階層を判定し(S401)、作業記録保持部306が記憶する、詳細操作手順704の表示回数を取得し、同じく作業記録保持部306が記憶する、作業種別の総表示回数を参照し(S402)、詳細操作手順704の表示頻度が80%以上であるか否かを判定する(S403)。
【0142】
表示頻度が80%以上である場合、作業記録保持部306は、現作業における現階層の詳細操作手順の表示頻度を高いと設定し(S406)、作業記録の管理を終了する。一方、表示頻度が80%未満である場合、作業記録保持部306は、現作業における現階層の詳細操作手順を作業記録保持部306から削除し(S404)、詳細操作手順の表示頻度を低いと設定し(S405)、作業記録の管理を終了する。
【0143】
なお、本フローでは表示頻度の高低の設定のしきい値を80%としたが、これは一例であり、ユーザ、もしくはサービスによって可変とすることができる。また、スマートフォン300のメモリ容量値によって可変にする事もできる。また、本フローではスマートフォン300を用いた実施形態について説明したが、これは画像形成装置100に作業記録保持部を備えることで、画像形成装置100に置き換える又はスマートフォン300の作業記録保持部306とともに配置されることも可能であることは明らかである。
【0144】
以上から、図16に示したように、各作業種別の各階層毎に、操作手順情報の保持、非保持を管理し、必要最低限の情報のみを操作手順管理部305に保持する事が可能となる。
【0145】
[作業記録例]
図19は、スマートフォン300の作業記録保持部306に記録される、作業記録結果の一例を表す図である。作業記録の結果が、作業種別毎に記録されている。表中の総表示回数は、作業種別毎の総表示回数を表し、回数は各階層の詳細操作手順704の表示回数を表し、頻度は詳細操作手順704の表示頻度の高低を表す。作業種別「0000」では、総表示回数は10、階層1,2,3,4での表示回数は、10,8,0,2、階層1,2,3,4での表示頻度は、高,高,低,低である。
【0146】
以上により、本実施形態によれば、ユーザ毎、エラー種別毎に、作業発生時からエラーが解除されるまでの間、操作の対象となる部位の操作手順をユーザ側が情報配信サーバ200から取得したか又は取得しなかったか、という作業記録を「表示回数」として、スマートフォン300に保持する。これらの作業記録は、スマートフォン300だけでなく、画像形成装置100や情報配信サーバ200により所望の記憶領域に保持してもよい。ここで、所望の記憶領域とは、スマートフォン300、画像形成装置100および情報配信サーバ200のそれぞれに設けられた内部記憶領域に限られず、ネットワークを介してこれらの装置に接続されている外部装置の記憶領域であってもよい。
【0147】
そして、ユーザの参照頻度が高い操作手順はスマートフォン300もしくは画像形成装置100の操作表示部に詳細に表示し、参照頻度の低い操作手順は、ユーザ側が情報配信サーバ200から取得しない限り、詳細を表示部に表示せず、概要のみ表示するような操作手順表示を行う。
【0148】
[スマートフォンでの操作手順表示例]
図20は、スマートフォン300で操作手順を表示した際の概念図である。左側に図示した操作手順800は、概要操作手順703を表示した際の概念図で、大まかな作業手順が操作表示部303に表示される。また、表示箇所801で示したような、操作手順表示の終了と記載された箇所をユーザが触れることで表示を終了させ、次の手順表示部位の要求を行うことが可能となる。 表示箇所801は、図17に示したフローの再要求有無の確認(S322)にあたり、表示箇所801の部位にユーザが触れたことを検知すると、再要求なしと判定されることとすることができる。
【0149】
表示箇所802は、ユーザに詳細操作手順704の取得有無を選択するための表示である。表示箇所802にユーザが触れることで、詳細操作手順を操作表示部303に表示させることが可能となる。
【0150】
表示箇所802は、図17に示したフローの詳細操作手順の取得選択有無(S312)にあたり、表示箇所802にユーザが触れると、情報配信サーバ200より詳細操作手順704が取得されることとなる。
【0151】
右側に図示した操作手順803は、詳細操作手順704を表示した際の概念図で、より詳細な作業手順が操作表示部303に表示される。作業操作手順内に詳細操作手順704が複数ある場合、表示箇所804に示したような箇所をユーザが触れることで、別の詳細操作手順を参照する事もできる。また、表示箇所805をユーザが触れることで、次回の詳細操作表示を行わないことが選択可能である。これは、図17の詳細操作手順破棄の有無(S319)にあたる。なお、以上の図29の左図及び右図に示した作業手順は、画像形成装置100の操作表示部107に表示されてもよい。
【0152】
[配信要求回数の集計]
図21は、情報配信サーバ200における、詳細操作手順704の要求回数の計測(集計)方法を示し、図22は、その計測結果の一例を示す図である。情報配信サーバ200は、画像形成装置100の通信部108より、画像形成装置100を種別する機種コード、画像形成装置の個体を種別するシリアルNo等の情報を取得することが可能である。情報配信サーバ200は、詳細操作手順704の要求回数を記録すると共に画像形成装置100の状態情報も合わせて記録する。
【0153】
本処理が開始すると(S500)、情報配信サーバ200は、図17のS306に示したように操作手順を判定し(S315)、画像形成装置100の機種コード、シリアルNo等の機種情報を取得する(S501)。機種情報は、画像形成装置100の通信部108より取得することが可能であり、また情報配信サーバ200が既に取得している場合、情報配信サーバ200は、取得済みの機種情報を参照する。情報配信サーバ200は、判定された操作手順の要求回数と、画像形成装置100の状態情報を記録する(S502)。
【0154】
要求回数の計測結果を表したのが、図22の表900である。操作手順の要求毎に、作業種別、階層を記録すると共に、機種コード、シリアルNo等の機種情報も併せて記録する。
【0155】
これによれば、詳細操作手順704のサービス提供者は、上記計測結果の記録から、詳細操作手順704の要求回数を、作業種別毎もしくは機種毎、または個体毎に把握できる。
【0156】
[操作手順の更新]
次に、図23を参照しながら操作手順の更新について説明する。図23は、情報配信サーバ200が備える操作手順/操作部位記憶部205に保管される、操作手順情報の更新を説明するための図である。操作手順情報は、図12および図14で示したように複数の作業操作手順702と、作業種別801によって管理されている。作業操作手順の更新を行う場合、以下の方法で実施する事ができる。
【0157】
操作手順702のいずれかを差し替える場合、例えば図23に示したように作業操作手順2Bを別の作業操作手順2B'に置き換える、もしくは作業種別801に新たな識別子を割り当て、任意の操作において表示する操作手順を、新たに追加した作業種別の操作手順とすることで実現できる。
【0158】
以上により、一部の作業操作手順702を更新する、もしくは作業種別801を追加するのみで、容易に操作手順情報を更新することが可能となる。
【0159】
[操作手順更新処理]
次に、図24を参照しながら、操作手順更新処理について説明する。図24は、詳細操作手順704を情報配信サーバ200上で更新した場合の処理について記載したフローである。
【0160】
詳細操作手順704をスマートフォン300が取得済みであった場合は、スマートフォン300から前回の取得日時等の情報を受信し、詳細操作手順704が取得時より情報が更新されている場合、これを差し替えるようにスマートフォン300に送信することもできる。図24は、図17に記載したフローに、以下の手順が追加されている。
【0161】
詳細操作手順の更新頻度が高いと判定(S308)された際に、スマートフォン300は現作業の現階層における詳細操作手順704を取得した日時情報を、情報配信サーバ200へ送信する(S324)。
【0162】
情報配信サーバ200は、詳細操作手順の取得日時情報を受信し(S325)、詳細操作手順が最新か否かを判定する(S326)。判定は、取得日時情報がサーバ内の詳細操作手順の更新日時以前であるか否かによって判定することもできる。
【0163】
最新であった場合、スマートフォン300は詳細操作手順の表示(S318)、および以降の処理フローに従い処理を実施する。最新でなかった場合、情報配信サーバ200は通常の詳細操作手順要求がきたものとし(S314)、操作手順判定(S315)、操作手順送信(S316)を行い、スマートフォン300は、情報配信サーバ200から送信された詳細操作手順を取得し(S317)、詳細操作手順704を最新の情報に更新する。
【0164】
以上により、詳細操作手順情報を最新の状態に保つことが可能となる。
【0165】
[効果]
以上に説明したように、上記実施形態に係る情報提供システム1によれば、ジャム除去などのエラーの解除作業についての操作手順を表示する際に、ユーザの作業進捗に合わせて、画像形成装置100やスマートフォン200の各操作表示部に操作手順を表示する。その際、情報配信サーバ200から部品毎の詳細な操作手順を取得でき、取得した操作手順をそれらの操作表示部に表示するとともに、各操作手順情報を各装置内外の記憶領域に蓄積する。その際、ユーザ毎、エラー種別毎に、作業発生時からエラーが解除されるまでの間、操作の対象となる部品の操作手順をユーザが情報配信サーバ200から取得したか、取得しなかったか、という作業記録を、スマートフォン200等の携帯端末もしくは画像形成装置100等の本体、および情報配信サーバ200に保持する。
【0166】
そして、ユーザの参照頻度の高い操作手順のみをスマートフォン300等の端末装置に表示し、参照頻度の低い操作手順は、ユーザが情報配信サーバ200から取得しない限り、操作表示部に表示しないという操作手順の表示を行う。具体的には、画像形成装置100、スマートフォン200、情報配信サーバ200等の所望の記憶領域に記憶された表示履歴に基づき、異常に対する操作手順情報の表示頻度の高低を判定し、表示頻度が高いと判定した場合には、低いと判定した場合よりも操作手順の説明が詳細な操作手順情報(詳細操作手順704)を表示させる。一方、表示頻度が低いと判定した場合には、高いと判定した場合よりも操作手順の説明が簡略な操作手順情報(概要操作手順703)を表示させる。
【0167】
このようにして、表示頻度の低い操作手順情報については、その操作手順情報よりも簡略な操作手順情報を操作表示部に表示させることにより、作業に不慣れなユーザには詳細なガイダンスを表示し、作業に慣れたユーザには簡易なガイダンスを表示することにより、ユーザの利便性を向上させることができる。また、表示頻度に応じて表示する操作手順情報を簡略又は詳細に変化させることにより、ユーザの個人単位での操作手順表示の管理が可能になる。
<補足1>
以下では、図5に示した情報配信サーバ200について、図25を参照しながら補足する。図25は、図5で示した情報配信サーバ200の通信部の構成を、より詳細に示した図である。図25では、図5に比べて通信部202の受信部及び送信部が詳細に描かれている。
【0168】
情報配信サーバ200は、制御部201、通信部202、状態情報登録部203、操作手順/操作部位判定部204、操作手順/操作部位記憶部205を有する。制御部201は、情報配信サーバ200の全体を制御する。通信部202には、状態情報受信部212、操作部位情報要求受信部218、操作部位情報送信部217、操作手順情報送信部216、操作手順要求受信部215が含まれる。
【0169】
通信部202内の状態情報受信部212は、図1に示した画像形成装置100の通信部108からネットワークを介して、画像形成装置100のジャムエラー、トナー切れなどの情報、また複数の画像形成装置100から特定の画像形成装置として認識できる情報(IPアドレスや製品情報)や、各装置にオプションとして接続されている周辺機器(ARDFやソータ、折り機)情報を受信する。
【0170】
状態情報登録部203は、状態情報受信部212により受信された情報を、情報配信サーバ200の記憶領域に登録する。
【0171】
操作手順/操作部位判定部204は、状態情報登録部203の情報から画像形成装置100のエラー情報を判断し、そのエラーを解決する為の操作手順、及び、エラーを解決する為に操作すべき部位を判定する。
【0172】
情報送信サーバ200は、スマートフォン300の通信部304とネットワークを介して接続され、スマートフォン300からの操作部位の配信要求を操作部位情報要求受信部218にて受信し、操作手順の配信要求を操作手順要求受信部215にて受信する。
【0173】
操作部位情報要求を操作部位情報要求受信部218にて受信すると、操作手順/操作部位判定部204は、状態情報登録部203の情報から画像形成装置100のエラー情報を判断し、そのエラーを解決する為の操作手順の判定結果から、エラーを解決する為に操作すべき部位を判定し、操作手順/操作部位記憶部205より、必要な操作部位情報を取り出し、操作部位情報送信部217より操作部位情報をスマートフォン300に送信する。
【0174】
また、操作手順情報要求を操作手順要求受信部215にて受信すると、操作手順/操作部位判定部204は、状態情報登録部203の情報から画像形成装置100のエラー情報を判断し、そのエラーを解決する為の操作手順を判定し、操作手順/操作部位記憶部205より、必要な操作手順情報を取り出し、操作手順情報送信部216より操作手順情報をスマートフォン300に送信する。
【0175】
なお、操作手順情報送信部216は、操作手順情報の少なくとも一部をスマートフォン300に送信する送信部の一例である。
<補足2>
次に、図7に示した情報配信サーバ200について、図26を参照しながら補足する。図26は、図7で示した情報配信サーバ200の構成を、より詳細に示した図である。図26では、図7に比べて通信部202の受信部及び送信部が詳細に描かれている。
【0176】
情報配信サーバ200は、制御部201、通信部202、操作手順/操作部位記憶部205、状態情報登録部203、操作手順/操作部位判定部204、画像処理部221を有する。通信部202内には状態情報受信部212、操作手順要求受信部215、操作手順情報送信部216、画像送受信部220が含まれる。
【0177】
通信部202内の状態情報受信部212は、図1に示した画像形成装置100の通信部108からネットワークを介して、画像形成装置100のジャムエラー、トナー切れなどの情報、また複数の画像形成装置100から特定の画像形成装置100として認識できる情報(IPアドレスや製品情報)や、各装置にオプションとして接続されている周辺機器(ARDFやソータ、折り機)情報を受信する。
【0178】
状態情報登録部203は、状態情報受信部212により受信された情報を、情報配信サーバ200に登録する。
【0179】
操作手順/操作部位判定部204は、状態情報登録部203の情報から画像形成装置100のエラー情報を判断し、そのエラーを解決する為の操作手順、及び、エラーを解決する為に操作すべき部位を判定する。
【0180】
情報送信サーバ200は、スマートフォン300の通信部304とネットワークを介して接続され、スマートフォン300から、送信した画像を画像送受信部220にて受信し、操作手順の配信要求を操作手順要求受信部215にて受信する。
【0181】
このとき、スマートフォン300から送信されるデータには、スマートフォン300が取得した画像形成装置100を特定可能な情報(IPアドレスや画像形成装置のシリアルナンバーなど)も含まれている。
【0182】
情報送信サーバ200は、画像送受信部210で画像を受信すると、画像処理部211は操作手順/操作部位判定部204より、操作すべき部位の情報を取得し、その情報とスマートフォン300より送られた画像で一致する部位を検出する。
【0183】
このとき、スマートフォン300から送信された画像データと共に画像形成装置100の特定する情報が送られており、この情報から、画像形成装置100の機種名やオプション設置の有無がわかり、機種それぞれ異なる操作すべき部位の情報を取得できる。画像処理部221は、ネットワーク上に複数ある画像形成装置100の中から画像と一致する画像形成装置100の情報を操作手順/操作部位判定部204から得ることができ、画像処理を使って操作すべき部位を検出することが可能となる。
【0184】
また、操作手順情報要求を操作手順要求受信部215にて受信すると、操作手順/操作部位判定部204は、状態情報登録部203の情報から画像形成装置100のエラー情報を判断し、そのエラーを解決する為の操作手順を判定し、操作手順/操作部位記憶部205より、必要な操作手順情報を取り出し、操作手順情報送信部216より操作手順情報をスマートフォン300に送信する。
【0185】
この場合にも、操作手順要求受信部215と共に画像形成装置100の特定する情報が送られており、この情報から、画像形成装置100の機種名やオプション設置の有無がわかり、機種それぞれ異なる操作手順の情報を取得できる。操作手順情報送信部216はネットワーク上に複数ある画像形成装置100の操作手順の中から、スマートフォン300が撮影した機種固有の操作手順を送信する事が可能となる。
【0186】
なお、操作手順情報送信部216は、操作手順情報の少なくとも一部をスマートフォン300に送信する送信部の一例である。
【0187】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明の技術的範囲はかかる例に限定されない。本発明の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属する。
【0188】
例えば、画像形成装置100に代えて、スマートフォン300が画像形成装置100の異常を情報配信サーバ200に伝えてもよい。
【0189】
本発明に係る電子機器、端末装置、情報配信装置の各機能を実現する各部は、各機能を実行するプログラム群からなるソフトウエアにより実現されてもよい。本発明に係る電子機器、端末装置、情報配信装置の各機能を実現する各部は、上記各機能ブロックを含むLSI(Large Scale Integration)チップなどの半導体デバイスとしてハードウエアにより実現されてもよいし、ソフトウエアとハードウエアとの両方を用いて実現されてもよい。
【0190】
このような各装置の各機能を実行するためのプログラムは、はじめからコンピュータに備えられたROMあるいはHDD等の記憶手段に格納されていてもよいし、記録媒体であるCD−ROMあるいはフレキシブルディスク,SRAM,EEPROM,メモリカード等の不揮発性記録媒体(メモリ)に記録され、メモリに記録されたプログラムをコンピュータにインストールしてCPUに実行させるか、又はCPUにそのメモリからこのプログラムを読み出して実行させることにより、上述した各手順を実行させてもよい。さらに、ネットワークに接続され、プログラムを記録した記録媒体を備える外部機器あるいはプログラムを記憶手段に記憶した外部機器からダウンロードして上述した各手順を実行させることもできる。
【符号の説明】
【0191】
1 情報提供システム
100 画像形成装置
101 制御部
106 検地部
107 操作表示部
108 通信部
108a 受信部
108b 送信部
109、200 情報配信サーバ
201 制御部
202 通信部
202a 受信部
202b 送信部
203 状態情報登録部
204 操作手順/操作部位判定部
205 操作手順/操作部位記憶部
206 画像処理部
300 スマートフォン
301 制御部
303 操作表示部
304 通信部
304a 受信部
304b 送信部
305 操作手順管理部
306 作業記録保持部
702 作業操作手順
703 概要操作手順
704 詳細操作手順
801 作業種別
【先行技術文献】
【特許文献】
【0192】
【特許文献1】特許第4362578号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器と端末装置と情報配信装置とがネットワークを介して接続されている情報提供システムであって、
前記電子機器は、
前記電子機器の異常を含む情報を送信する送信部を備え、
前記端末装置は、
前記端末装置の情報を送信する送信部を備え、
前記情報配信装置は、
前記異常を解除するための操作手順情報のうちの少なくとも一部を、前記送信部のそれぞれから送信された情報に基づき特定される前記電子機器及び前記端末装置の少なくともいずれかに送信する送信部を備え、
前記電子機器及び前記端末装置の少なくともいずれかは、
前記情報配信装置から送信された操作手順情報を受信する受信部と、
前記受信した操作手順情報を表示する操作表示部と、
前記電子機器、前記端末装置又は前記情報配信装置のいずれかにより、前記操作手順情報の表示履歴を所望の記憶領域に記憶させ、前記記憶された表示履歴に基づき前記異常に対する操作手順情報の表示頻度の高低を判断し、前記判断の結果、前記表示頻度の低い操作手順情報については、当該操作手順情報よりも簡略な操作手順情報を前記操作表示部に表示させる制御部と、を備えることを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
電子機器と情報配信装置とがネットワークを介して接続されている情報提供システムであって、
前記電子機器は、
前記電子機器の異常を含む情報を送信する送信部を備え、
前記情報配信装置は、
前記異常を解除するための操作手順情報のうちの少なくとも一部を、前記送信部から送信された情報に基づき特定される前記電子機器に送信する送信部を備え、
前記電子機器は、
前記情報配信装置から送信された操作手順情報を受信する受信部と、
前記受信した操作手順情報を表示する操作表示部と、
前記電子機器又は前記情報配信装置のいずれかにより、前記操作手順情報の表示履歴を所望の記憶領域に記憶させ、前記記憶された表示履歴に基づき前記異常に対する操作手順情報の表示頻度の高低を判断し、前記判断の結果、前記表示頻度の低い操作手順情報については、当該操作手順情報よりも簡略な操作手順情報を前記操作表示部に表示させる制御部と、を備えることを特徴とする情報提供システム。
【請求項3】
前記情報提供システムには、複数の電子機器が接続され、
前記情報配信装置は、
前記複数の電子機器のすべてを対象として、各電子機器の異常が発生した場合になされる前記操作手順情報の配信要求の回数を集計することを特徴とする請求項1又は2のいずれか一項に記載の情報提供システム。
【請求項4】
前記情報配信装置は、前記各電子機器の機種及び前記異常の種別毎に前記配信要求の回数を集計することを特徴とする請求項3に記載の情報提供システム。
【請求項5】
前記操作手順情報は、ユーザの指示に応じてその一部又は全部を更新可能なデータ構造を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の情報提供システム。
【請求項6】
前記操作手順情報が更新された場合であって、前記操作手順情報と同一の情報が前記端末装置及び前記情報配信装置に記憶されている場合、一方の更新済の操作手順情報にて他方の操作手順情報を更新することを特徴とする請求項5に記載の情報提供システム。
【請求項7】
前記制御部は、選択対象の部位の選択の有無に基づき前記操作手順の表示の一部をスキップすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の情報提供システム。
【請求項8】
電子機器と端末装置と情報配信装置とがネットワークを介して接続されている情報提供システムであって、
前記電子機器が、前記電子機器の異常を含む情報を送信するステップと、
前記端末装置が、前記端末装置の情報を送信するステップと、
前記情報配信装置が、前記異常を解除するための操作手順情報のうちの少なくとも一部を、前記送信された情報に基づき特定される前記電子機器及び前記端末装置の少なくともいずれかに送信するステップと、
前記電子機器及び前記端末装置の少なくともいずれが、
前記情報配信装置から送信された操作手順情報を受信するステップと、
前記受信した操作手順情報を操作表示部に表示するステップと、
前記電子機器、前記端末装置又は前記情報配信装置のいずれかにより、前記操作手順情報の表示履歴を所望の記憶領域に記憶させるステップと、
前記記憶された表示履歴に基づき前記異常に対する操作手順情報の表示頻度の高低を判断し、前記判断の結果、前記表示頻度の低い操作手順情報については、当該操作手順情報よりも簡略な操作手順情報を前記操作表示部に表示させるステップと、を含むことを特徴とする情報提供方法。
【請求項9】
ネットワークを介して接続されている電子機器を支援する端末装置であって、
前記電子機器に発生した異常を解除するための操作手順情報を要求する送信部と、
前記要求に基づき情報配信装置から前記操作手順情報の少なくとも一部を受信する受信部と、
前記受信した操作手順情報を前記電子機器に表示させるか又は前記端末装置に表示する操作表示部と、
前記電子機器、前記端末装置又は前記情報配信装置のいずれかにより、前記操作手順情報の表示履歴を所望の記憶領域に記憶させ、前記記憶された表示履歴に基づき前記異常に対する操作手順情報の表示頻度の高低を判断し、前記判断の結果、前記表示頻度の低い操作手順情報については、当該操作手順情報よりも簡略な操作手順情報を前記操作表示部に表示させる制御部と、を備えたことを特徴とする端末装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2013−89017(P2013−89017A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−228809(P2011−228809)
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】