説明

情報提供システム、画像形成装置及びプログラム

【課題】サーバに接続された画像形成装置において、読み取られた原稿に対して正規の利用者であれば、当該原稿の電子データを提供することにより、自由度の高く使い勝手の良い情報提供システム等を提供する。
【解決手段】原稿から画像を読み取る画像読取手段と、画像から、認証情報により認証を行う認証手段と、認証手段により認証された場合には、前記画像から原稿識別情報を認識する原稿識別情報認識手段と、原稿識別情報に対応する電子データがサーバに存在するか否かを確認する確認手段と、原稿識別情報に対応する電子データがサーバに存在する場合には、電子データを要求するための電子データ要求情報を送信する電子データ要求情報送信手段と、前記サーバから電子データが送信された場合には、電子データを受信する電子データ受信手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電子データを記憶するサーバと、当該サーバに接続された画像形成装置とを含む情報提供システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置の一種である複写機は、本や原稿の複写物を提供するものでしかなかった。しかし、最近は複写機能の他にも各種機能を備えたデジタル複合機が一般的である。すなわち、原稿を読み取り、電子的に処理して原稿データ(画像データ)として格納する。画像データを記録紙に高画質の複写物として出力するだけでなく、デジタルカメラや携帯電話等により撮影された画像データを出力する目的でも利用されている。
【0003】
このように、デジタル複合機は、原稿をスキャンしたり、外部から入力されたりした画像を記録紙に印刷したり、画像データとして提供したりすることが可能となって来ている。
【0004】
また、デジタル複合機は、ネットワーク接続により、利用者が所持している画像データ等の情報をプリントアウトするだけではなく、利用者に対して電子データといったコンテンツ情報を提供する機能も備えるようになってきている。
【0005】
例えば、スキャンした原稿が著作物であるか否かを外部サーバに問い合わせて、その結果に応じて利用者に対して著作権料を請求するとともに、支払いが完了したものについては、スキャンした画像に支払い済みの画像を付加して記録したり、スキャンした原稿が書籍である場合に、サーバに著作物の検索を求め、特定の著作物の場合には複写を禁止したり、著作権料を請求するといった技術が開示されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−166334号公報
【特許文献2】特開2003−174531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、画像形成装置において、複写をする画像に関する著作権管理を行う技術は多く知られているが、原則として画像形成装置において生成された画像データに対して行う処理が一般的である。
【0008】
近年、コンピュータやポータブル端末、タブレット端末の普及により、各種端末で表示させる電子書籍(サービス)が多く提供され始めている。電子書籍サービスは、ネットワーク等で電子書籍を購入する場合と、自分が所有している(紙の)書籍について、スキャナ装置等を利用して画像データや電子データを作成する場合が考えられる。
【0009】
このとき、最初から電子化された書籍を購入して利用する場合は問題ないが、最初の段階(例えば書籍を購入して初めて読むとき)は紙に印刷された状態で利用したいという要望がとても高い。このような場合、自分が所有している紙の書籍について、電子データを作成する場合、スキャナ装置やデジタル複合機等で総てのページを電子化する必要が有り、極めて手間がかかってしまうという問題があった。電子データを容易に取得しようとする場合は、同一の書籍について電子データを再度購入する必要が生じてしまい、無駄が生じていた。
【0010】
上述した課題に鑑み、本発明が目的とするところは、サーバに接続された画像形成装置において、読み取られた原稿に対して正規の利用者であれば、当該原稿の電子データを提供することにより、自由度の高く使い勝手の良い情報提供システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題に鑑み、本発明の画像形成装置は、複数の電子データを記憶するサーバと、当該サーバに接続された画像形成装置とを含む情報提供システムにおいて、
前記サーバは、
前記画像形成装置から画像を受信する画像受信手段と、
前記画像から、認証情報により認証を行う認証手段と、
前記画像から、原稿識別情報を認識する原稿識別情報認識手段と、
前記原稿識別情報に対応する電子データが記憶されており、かつ、前記認証手段により認証された場合には、電子データを送信する電子データ送信手段と、
を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の情報提供システムにおいて、
前記サーバは、
前記原稿識別情報に対応する電子データが記憶されている場合には、前記画像形成装置に電子データの情報を含む通知信号を送信する通知信号送信手段を更に有し、
前記画像形成装置は、
前記通知信号に基づいて受信する電子データの情報を含む電子データ要求情報を送信する電子データ要求情報送信手段を有し、
前記電子データ送信手段は、前記電子データ要求情報に含まれる電子データの情報を参照して電子データを送信することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の情報提供システムにおいて、前記電子データ要求情報には、前記サーバが提供可能な電子データの出力方法を含んでいることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の情報提供システムにおいて、前記画像形成装置は、前記サーバから受信された電子データを出力する電子データ出力手段を更に備えることを特徴とする。
【0015】
本発明の画像形成装置は、
複数の電子データを記憶するサーバに接続された画像形成装置において、
原稿から画像を読み取る画像読取手段と、
前記画像から、認証情報により認証を行う認証手段と、
前記認証手段により認証された場合には、前記画像から原稿識別情報を認識する原稿識別情報認識手段と、
前記原稿識別情報に対応する電子データが前記サーバに存在するか否かを確認する確認手段と、
前記原稿識別情報に対応する電子データが前記サーバに存在する場合には、電子データを要求するための電子データ要求情報を送信する電子データ要求情報送信手段と、
前記サーバから電子データが送信された場合には、電子データを受信する電子データ受信手段と、
を備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の画像形成装置は、
前記サーバに原稿識別情報に対応する電子データの種類が含まれる通知情報を受信する通知情報受信手段を更に有し、
前記電子データ要求情報送信手段は、前記通知情報に含まれる電子データの種類を選択し、前記電子データ要求情報に含めて送信することを特徴とする。
【0017】
また、本発明の画像形成装置において、前記通知情報には、電子データに対する課金情報が含まれていることを特徴とする。
【0018】
本発明の画像形成装置は、
原稿識別情報に対応づけられた電子データが記憶された画像形成装置において、
原稿から画像を読み取る画像読取手段と、
前記画像から、認証情報により認証を行う認証手段と、
前記認証手段により認証された場合には、前記画像から原稿識別情報を認識する原稿識別情報認識手段と、
前記原稿識別情報に対応する電子データが記憶されているか否かを確認する確認手段と、
前記原稿識別情報に対応する電子データが記憶されている場合には、当該電子データを出力する電子データ出力手段と、
を備えることを特徴とする。
【0019】
本発明のプログラムは、
複数の電子データを記憶するサーバに接続されたコンピュータに、
入力された画像から、認証情報により認証を行う認証機能と、
前記認証機能により認証された場合には、前記画像から原稿識別情報を認識する原稿識別情報認識機能と、
前記原稿識別情報に対応する電子データが前記サーバに存在するか否かを確認する確認機能と、
前記原稿識別情報に対応する電子データが前記サーバに存在する場合には、電子データを要求するための電子データ要求情報を送信する電子データ要求情報送信機能と、
前記サーバから電子データが送信された場合には、電子データを受信する電子データ受信機能と、
を実現させることを特徴とする。
【0020】
本発明のプログラムは、
原稿識別情報に対応づけられた電子データが記憶されたコンピュータに、
入力された画像から、認証情報により認証を行う認証機能と、
前記認証機能により認証された場合には、前記画像から原稿識別情報を認識する原稿識別情報認識機能と、
前記原稿識別情報に対応する電子データが記憶されているか否かを確認する確認機能と、
前記原稿識別情報に対応する電子データが記憶されている場合には、当該電子データを出力する電子データ出力機能と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、複数の電子データを記憶するサーバと、当該サーバに接続された画像形成装置とを含む情報提供システムにおいて、サーバは、画像形成装置から受信された画像から、認証情報により認証を行い、原稿識別情報を認識する。そして、原稿識別情報に対応する電子データが記憶されており、かつ、正しい利用者と認証された場合には、電子データを送信することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】情報提供システムの概略を説明するための図である。
【図2】本発明を適用した場合におけるデジタル複合機の外観図である。
【図3】第1実施形態におけるデジタル複合機の機能構成を説明するための図である。
【図4】第1実施形態における電子データ要求情報の一例を示す図である。
【図5】第1実施形態におけるサーバの機能構成を説明するための図である。
【図6】第1実施形態における電子データ格納領域の一例を示す図である。
【図7】第1実施形態におけるデジタル複合機の処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図8】第1実施形態におけるサーバの処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図9】原稿識別情報認識処理の動作について説明するための図である。
【図10】第1実施形態における情報提供システムの処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図11】第1実施形態における表示画面の一例を示す図である。
【図12】第1実施形態における表示画面の一例を示す図である。
【図13】第1実施形態における表示画面の一例を示す図である。
【図14】第1実施形態における表示画面の一例を示す図である。
【図15】第1実施形態における表示画面の一例を示す図である。
【図16】第2実施形態におけるデジタル複合機の処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図17】第2実施形態におけるサーバの処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図18】第2実施形態における情報提供システムの処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図19】第2実施形態における表示画面の一例を示す図である。
【図20】第3実施形態におけるデジタル複合機の処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図21】第4実施形態における表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、本実施形態では、一例として、本発明における画像形成装置を、デジタル複合機に適用した場合について説明する。
【0024】
[1.第1実施形態]
[1.1 システム構成]
まず本発明を適用した第1実施形態における情報提供システム全体の構成について図1を用いて説明する。図1に示す用に、情報提供システム1は、ネットワークに、画像形成装置としてデジタル複合機10と、情報(コンテンツ)として電子データを提供するサーバ20とが接続されている。
【0025】
本実施形態において、ネットワークは構内に設けられたLAN(Local Area Network)として説明する。ここでネットワークは、例えば、100BASE−TXや、1000BASE−T等のEthernet(登録商標)を利用した有線LANであっても良いし、IEEE802.11aや、IEEE802.11bといった無線LANであっても良い。更に、インターネットや、光回線等を利用したWANであっても良い。すなわち、デジタル複合機10と、サーバ20とが通信可能なネットワークで有れば良い。
【0026】
[1.2 装置構成]
続いて、情報提供システム1に含まれる各装置の構成についての図を用いて説明する。
【0027】
[1.2.1 デジタル複合機]
まず、デジタル複合機10の構成について説明する。図2はデジタル複合機10の外観斜視図であり、図3はデジタル複合機10の機能構成図である。
【0028】
図3に示すように、デジタル複合機10は、制御部100に、画像入力部110と、画像形成部120と、画像出力部130と、通信部140と、記憶部150と、操作部160と、表示画面生成部170とが接続されている。
【0029】
制御部100は、デジタル複合機10の全体を制御するための機能部である。制御部100は、記憶部150に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、例えばCPU(Central Process Unit)等により構成されている。
【0030】
画像入力部110は、原稿の画像を読み取って画像データを生成するものであり、例えばCCD(Charge Coupled Device)等の光学情報を電気信号に変換するデバイスを備えたスキャナ装置等により構成されている。なお、画像入力部110は、スキャナ装置等の他にもデジタルカメラ等で撮像された画像を外部から取り込むようにしてもよいし、USBメモリや、コンパクトフラッシュ(登録商標)等の記憶媒体、他の情報端末から原稿データを入力しても良い。
【0031】
画像形成部120は、画像データを記録媒体(例えば記録用紙)に形成するための機能部である。例えば、図2の給紙トレイ132から記録用紙を給紙し、画像形成部120に記録用紙の表面に画像が形成された後に排紙トレイ134から排紙される。画像形成部120は、例えば電子写真方式を利用したレーザプリンタ等により構成されている。
【0032】
画像出力部130は、入力された画像データを処理し、出力する為の機能部である。画像出力部は、画像入力部110から出力された原稿データや、通信部140から受信された電子データから、画像データを出力する。本実施形態における出力先としては、画像形成部120に出力して印刷する場合と、他の記憶装置や端末等に画像データを出力する場合とがある。
【0033】
通信部140は、デジタル複合機10と外部の端末とが通信を行う為のインタフェースを提供する機能部である。例えば、Ethernetに接続可能なNIC(Network Interface Card)等により構成されている。
【0034】
記憶部150は、デジタル複合機10の動作に必要な各種プログラムや、各種データが記憶されている機能部である。記憶部150は、例えば、半導体メモリや、HDD(Hard Disk Drive)等により構成されている。また、記憶部150には、原稿データを記憶する為の原稿データ格納領域152が確保されており、電子データ要求情報154が記憶される。
【0035】
原稿データ格納領域152は、画像入力部110から入力された原稿データ(画像)を記憶する為の領域である。サーバ20において、原稿を識別するために必要となる原稿データ(画像)が一時的に記憶される。この原稿データは、サーバ20に送信される。
【0036】
電子データ要求情報154は、デジタル複合機10からサーバ20に対して電子データを要求するときの、要求する電子データに関する情報である。制御部100は、後述する電子データ出力設定処理において電子データ要求情報154を作成し、サーバ20に送信する。
【0037】
ここで、電子データ要求情報154の一例を図4に示す。図4に示すように、要求する電子データの名前(例えば、「電子データA」)と、取得する電子データの種類(例えば、「提供情報A」)と、出力方法(例えば、「無線」)とを含んで記憶している。
【0038】
操作部160は、利用者が動作を指示したり、設定を指示したりするための入力装置である。例えば、各種キースイッチや、利用者に対して各種情報等を表示するLCD等で構成されている表示部を含んだタッチパネル等により構成されている。
【0039】
本実施形態においては、部数や動作スタート等を入力するキースイッチ(ハードキー)と、表示されている内容に基づいて指示を入力可能なタッチパネルの組み合わせで構成されることとするが、例えばハードキーのみによって構成されても良い。また、タッチパネルを用いずに、別に表示部を設けることとしても良い。
【0040】
表示画面生成部170は、利用者に対して各種情報等を表示する表示画面を生成するための機能部である。表示画面生成部170で生成された表示画面は、本実施形態においては操作部160のタッチパネルに表示される。
【0041】
[1.2.2 サーバ]
続いて、サーバ20の構成について、図5を用いて説明する。図5に示すように、サーバ20は、制御部200に通信部240と、記憶部250とが接続されている。
【0042】
制御部200は、サーバ20の全体を制御するための機能部である。制御部200は、記憶部250に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、例えばCPU(Central Process Unit)等により構成されている。
【0043】
通信部240は、サーバ20と外部の端末とが通信を行う為のインタフェースを提供する機能部である。例えば、Ethernetに接続可能なNIC(Network Interface Card)等により構成されている。
【0044】
記憶部250は、サーバ20の動作に必要な各種プログラムや、各種データが記憶されている機能部である。記憶部250は、例えば、半導体メモリや、HDD(Hard Disk Drive)等により構成されている。また、記憶部250には電子データを記憶する電子データ格納領域252が確保されている。
【0045】
電子データ格納領域252は、電子データと、電子データに関する情報が記憶されるための領域である。電子データ格納領域252の一例を図6に示す。電子データ格納領域252は、電子データ名(例えば、「電子データA」)と、識別情報(例えば、「4999987658」)と、ページ数(例えば、「250ページ」)と、電子データとがそれぞれ対応づけられて記憶されている。
【0046】
電子データは、原稿の電子データが記憶されており、一又は複数の種類が記憶されている。図6で示した電子データの種類としては、提供情報A、提供情報B、提供情報Cが記憶されている。
【0047】
そして、この電子データの種類とは、例えば、画像データのデータ形式(ファイル形式)であったり、解像度等の画質であったり、色情報の種類であったり種々のものが考えられる。このように複数の種類を記憶することにより、コンピュータで利用するデータ、モバイル端末で利用するデータ、印刷用に利用するデータ等と用途毎に記憶する事が可能である。
【0048】
また、記憶されるデータ形式として、本実施形態においてはページ毎のPDF(Portable Document Format)ファイルで記憶されている。ここで、電子データの格納形式としては、例えばPDFやTIFF(Tagged Image File Format)形式や、画像形式であるJPEGやGIF、テキスト、HTML(HyperText Markup Language)、XML(Extensible Markup Language)等の形式、XMDF(ever-eXtending Mobile Document Format)形式等の電子ブック形式、その他独自ファイル形式といったものの何れかが採用されている。
【0049】
また、電子データの種類とは、他にも例えば付録情報や詳細情報といった利用方法も考えられる。例えば、原稿の識別情報に対応づけて、要約を提供する提供情報A、詳細な記事を提供する提供情報B、付録を提供する提供情報Cといった異なるコンテンツであってもよい。また、例えば提供情報Aとして日本語、提供情報Bとして英語、提供情報Cとしてドイツ語といった異なる言語の電子データを提供するといった利用方法も可能である。
【0050】
[1.3 処理の流れ]
続いて第1実施形態における処理の流れについて図を用いて説明する。
【0051】
[1.3.1 デジタル複合機の処理]
デジタル複合機10の処理の流れについて、図7のフローチャートを用いて説明する。まず、制御部100は、画像入力部110に原稿がセットされた状態であるか否かを検出する(ステップS100)。
【0052】
ここで、原稿がセットされた状態を検出すると、次にスタートキーがONとなったか否かを判定する(ステップS102)。スタートキーとは、利用者がデジタル複合機10に対してジョブの開始を指示するキーであり、操作部160に含まれている。
【0053】
スタートキーがONとなると(ステップS102;Yes)、原稿読取処理が実行される(ステップS104)。原稿読取処理とは、原稿を画像入力部110により読み取り、原稿データとして出力する処理である。出力された原稿データは、原稿データ格納領域152に一時記憶されることとなる。
【0054】
この原稿データ格納領域152に記憶された原稿データは、サーバ20に送信される(ステップS106)。ここで、送信される原稿データは、サーバ20において原稿が識別されるために用いられる画像である。詳細は後述するが、例えば背表紙に印刷されたバーコードを含んでいる画像や、背表紙、書籍の奥付等、原稿を特定出来るための情報が含まれている。
【0055】
続いて、デジタル複合機10において、通信部140を介してサーバ20から通知信号が受信されると、受信された通知信号に基づいて制御部100はサーバ20が電子データを提供可能か否かを判定する(ステップS108)。ここで、通知信号は、サーバ20から送信される信号であり、電子データがサーバ20に存在するか否かの情報等が含まれている信号である。
【0056】
ここで、通知信号から電子データをサーバ20が提供出来ないと判定された場合には(ステップS108;No)、再度原稿を読み取る指示があった場合はステップS104から繰り返し実行する(ステップS110;Yes→ステップS104)。また、再度読み取る指示が成されなかった場合には(ステップS110;No)、本処理を終了する。
【0057】
他方、ステップS108において、サーバ20から電子データの提供が可能であると判定された場合には(ステップS108;Yes)、利用者にその旨を報知し、提供される電子データの選択をさせる(ステップS112)。
【0058】
ここで、提供される電子データの種類は、サーバ20から送信された通知信号に含まれていることとして説明する。提供される電子データの種類は、用途別に予め電子データの種類が複数有り、その中から選択させたり、画質、カラー情報、テキスト付加情報、データ形式といった任意の状態にて選択させたりするといったことが可能である。
【0059】
更に、利用者により、提供を受ける電子データの出力方法が選択される(ステップS114)。具体的には、プリント要求をしたり、USBメモリ等の外部機器に画像データとして保存する要求をしたり、無線等により他の端末装置に転送したりといった出力方法を選択させる。
【0060】
なお、出力方法に応じて、要求する画像データの種類、画質等を設定することとしても良い。例えばプリントの場合には独自画像データを要求したり、画像データとして保存する場合にはPDF形式を要求したりすることが可能である。更に、例えば200dpiや400dpiといった画質も合わせて設定出来ることとしても良い。そして、選択された内容に基づいて、電子データ要求情報154が作成され(ステップS116)、サーバ20に電子データ要求情報154を送信する(ステップS118)。
【0061】
そして、サーバ20から電子データを受信した場合には(ステップS120)、ステップS114において選択された電子データの出力方法に基づいて、電子データを出力する(ステップS122)。
【0062】
ここで、本実施形態において電子データを出力する処理としては、印刷する処理(画像形成部120から出力される処理)、USBメモリ等の接続された外部機器に電子データとして出力する処理、無線等を介して他の装置(例えば携帯電話等)に出力する処理等が実行される。
【0063】
[1.3.2 サーバの処理]
続いて、サーバ20の処理について、図8を用いて説明する。まず、サーバ20は、デジタル複合機10から原稿データを受信したか否かを判定する(ステップS200)。
【0064】
続いて、原稿データが正規データであるか認証を行う(ステップS202)。正規データであるとは、原稿データの所有者、正規購入者であるか否かを認証する処理である。そして、正規データの認証が行われた(原稿データの所有者、電子データを取得する権限を有するものである認証が行われた)場合には、原稿識別情報認識処理を実行し、原稿識別情報を取得する(ステップS204;Yes→ステップS206)。原稿識別情報とは、原稿を識別するための情報であり、例えば書籍コードであったり、書籍タイトル、著者、出版社等の情報であったり、整理番号であったりする。
【0065】
他方、正規データと認証出来なかった場合には、電子データの提供が不能である通知信号を生成し、デジタル複合機10に送信する(ステップS204;No→ステップS220)。
【0066】
ここで、受信された原稿データに基づいて実行される正規データ認証処理及び原稿識別情報認識処理について、図9を用いて説明する。
【0067】
図9(a)は書籍の表紙(裏表紙)を表した図である。書籍は、領域R100に書籍を識別するための書籍コード(ISBNコード)が印刷されていたり、領域R102に書籍を識別するためのバーコードが印刷されていたりする。
【0068】
この、ISBNコードをOCR処理で読み取ったり、バーコードを読み取ったりすることにより、原稿識別情報が認識される。
【0069】
なお、本実施形態においては書籍について説明したが、例えば原稿に二次元バーコードを付加することとしても良いし、所定の注文伝票に識別可能な記号を印刷し、それを読み取るようにしても良い。また、書籍のタイトル、出版社、著者名等を表紙や背表紙や奥付から認識しても良い。例えば、図9(a)の領域R110の背表紙が読み込まれたり、図9(b)の奥付のページが読み込まれたりした場合に、印刷されている文字(内容)をOCR処理でテキスト認識し、タイトル、出版社、著者名等を原稿識別情報として認識してもよい。
【0070】
本実施形態においては、領域R100に印刷されたISBNコードをOCRで認識することにより原稿識別情報として認識する。
【0071】
また、正規データ認証処理の場合には、例えば、原稿データから所定の領域(図9(a)の領域R104)に印刷された、購入したことを証明するコードを特殊なインク(利用者からは透明なインクとして認識されるが、原稿データとしては認識できるインク)で印刷しておき、当該領域を読み取る事によって正規の購入者であることを認証するといった方法を利用する。
【0072】
図8のフローに戻って説明をすると、ステップS206において認識された原稿識別情報に基づいて、当該原稿識別情報に該当する電子データが、電子データ格納領域252に記憶されているか検索する(ステップS208)。
【0073】
ここで、原稿識別情報は、完全一致するものが記憶されているか検索することとしても良いし、部分一致の電子データを検索して、候補として出力することとしても良い。
【0074】
ここで、原稿識別情報に該当する電子データが記憶されていない場合には(ステップS210;No)、電子データが存在しない(電子データ格納領域252に記憶されていない)ために、電子データが提供不能である旨の通知信号をデジタル複合機10に送信する(ステップS220)。
【0075】
他方、電子データが存在している(電子データ格納領域252に記憶されている)場合には(ステップS210;Yes)、電子データが存在する旨の通知信号を送信する(ステップS212)。
【0076】
ここで、本実施形態における通知信号には、電子データが存在する旨の識別情報と合わせて、電子データ名や、提供可能な電子データの種類等も含まれていているものとして説明する。しかし、デジタル複合機10の動作に合わせて、通知信号に含まれる情報の組み合わせは変えることが出来る。例えば、デジタル複合機10においてページ数が設定出来る場合には、ページ数の情報を通知信号に更に含めて送信してもよい。
【0077】
次に、デジタル複合機10から電子データ要求情報154が受信された場合には(ステップS214;Yes)、受信された電子データ要求情報154に基づいて電子データをデジタル複合機10に送信する(ステップS216)。他方、電子データ要求情報154が所定時間受信されない場合には(ステップS214;No→ステップS218;Yes)、制御部200は、電子データが不要であると判定し、本処理を終了する。
【0078】
[1.3.3 システムの処理]
ここで、デジタル複合機10と、サーバ20とが含まれる情報提供システム1の全体の流れについて、図10を用いて全体的に説明する。
【0079】
まず、デジタル複合機10において原稿読取処理が実行され(ステップS1000)、原稿から原稿データが生成される。そして、生成された原稿データは、サーバ20に送信される(ステップS1002)。
【0080】
サーバ20は、原稿データを受信すると(ステップS2000)、正規データ認証処理が実行される(ステップS2002)。ここで、原稿データが正規データであると認証された場合には、原稿識別情報認識処理が実行され、読み取られた原稿から原稿識別情報が認識される(ステップS2004)。
【0081】
続いて、認識された原稿識別情報に該当する電子データを、電子データ格納領域252から検索する(ステップS2006)。そして、電子データが存在しているか否かを含めて、通知信号をデジタル複合機10に送信する(ステップS2008)。
【0082】
デジタル複合機10は、通知信号を受信すると(ステップS1004)、電子データ要求情報154を作成する処理を実行する(ステップS1006)。そして、電子データ要求情報154をサーバ20に送信する(ステップS1008)。
【0083】
サーバ20は、電子データ要求情報154を受信すると(ステップS2010)、受信された電子データ要求情報154に基づき、電子データを読み出してデジタル複合機10に電子データを送信する(ステップS2012)。
【0084】
デジタル複合機10は、電子データを受信すると(ステップS1010)、受信された電子データを所定の方法にて出力する(ステップS1012)。
【0085】
[1.4 動作例]
続いて、動作例について図を用いて説明する。図11は、デジタル複合機10における操作部160の表示装置(タッチパネル)に表示される表示画面W100の一例である。表示画面W100のとき、原稿を画像入力部110から読み込むことが可能である。
【0086】
ここで、表示画面W100に表示されている情報提供ボタンB100を押す(タッチする)ことにより、情報提供を受けるプログラムが起動し、アプリケーションが実行される。本実施形態においては、このようにコピーモードから電子データの情報提供を受ける動作モードに切り替えて実行するが、スタートキーを押下したときに自動的に切り替わっても良い。
【0087】
図12は、原稿を読み込み中の表示画面W110の一例である。原稿読取処理(図7のステップS104)により読み取られた原稿データがサーバ10に送信される(ステップS106)。このとき、利用者に対して電子データの情報提供がサーバ20から可能か否かを問い合わせている状態を領域R110において報知している。これにより、利用者は、現在読み取り中の原稿に関する電子データについてサーバ20に問い合わせ中であることが解る。
【0088】
そして、図13は、電子データが存在している場合(電子データの提供が可能である)場合の表示画面W120の一例である。電子データがサーバ20から提供可能であることから、利用者に対して報知処理を行っている。図13の場合、領域R120に、「情報提供」が「提供可能」と表示されている。
【0089】
図14は、正規のデータと認証された後に、提供可能な情報(電子データ)の中から、提供する情報(電子データ)を選択させる画面を表示している表示画面W130の一例である。領域R130には、提供される電子データが表示され、矢印B130により取得する電子データが選択されている。
【0090】
そして、ボタンB132が押される(タッチされる)ことにより、矢印B130にて選択されている電子データの種類が選択される。
【0091】
そして、図14において、ボタンB132がタッチされると、図15に遷移する。図15は、電子データの出力方法を選択させるための表示画面W140の一例を示した図である。領域R140には、電子データを出力先が表示されており、利用者に選択させる。
【0092】
利用者により選択されると、電子データ要求情報154が作成され(ステップS116)、電子データ要求情報154がサーバ20に送信される(ステップS118)。
【0093】
これにより、デジタル複合機10は、サーバ20より、電子データ要求情報154に基づいた電子データを受信し、選択された出力方法にて電子データが出力される。
【0094】
このように、本実施形態によれば、書籍等の原稿を正規に購入された利用者に対しては、書籍の電子データを所定の範囲内で提供する事が可能となる。これにより、本の購読に限らず、電子的な活用(応用)が可能となり、書籍等の楽しみ方が広がるといった効果が期待出来る。更に、このようなサービスを出版社等のコンテンツ提供者と連携して行うことにより、利用者の書籍の購入意欲が高まり、書籍自体の売り上げに貢献することが出来る。
【0095】
また正規の購入者(利用者)か否かを認証することにより、書籍の著作権の侵害に当たらない場合にのみ電子データを提供する事が可能となる。
【0096】
[2.第2実施形態]
続いて、第2実施形態について説明する。第1実施形態は、原稿から読み取った原稿データをサーバ20に送信し、サーバ20において正規データ認証処理及び原稿識別処理を実行していたが、デジタル複合機10において処理を実行しても良い。
【0097】
[2.1 処理の流れ]
ここで、第2実施形態におけるデジタル複合機10及びサーバ20の動作(処理の流れ)について、図を用いて説明する。なお、第2実施形態におけるデジタル複合機10及びサーバ20の機能構成は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。また、処理の流れについて、第1実施形態と同一の処理については、同一の符号を付すこととし、その説明を省略する。
【0098】
[2.1.1 デジタル複合機の処理]
まず、デジタル複合機10の処理の流れについて図16を用いて説明する。図16に示すように、まず原稿から原稿読取処理により、原稿データが読み取られる(ステップS100〜S104)。
【0099】
次に、制御部100は、原稿データに基づいて正規データ認証処理を実行する(ステップS300)。ここで、原稿データが正規データか否かを認証する方法としては、第1実施形態で説明したように特殊なインクで識別マークが予め印刷されており、この識別マークを認識することにより認証しても良いし、例えば書籍にICタグ、ICタグを埋め込んでおり、未購入の状態では、購入フラグが「オフ」となっており、購入した時点で購入フラグを「オン」にしたりしても良い。
【0100】
ここで、正規データ認証に失敗した場合(すなわち、原稿の正規の利用者、購入者ではない)と判定された場合には(ステップS302;No)、エラー出力を表示画面に表示する(ステップS308)。
【0101】
他方、正規データ認証に成功した場合には(ステップS302;Yes)、今度は原稿データから原稿識別情報認識を実行し(ステップS304)、認識された原稿識別情報をサーバ20に送信する(ステップS306)。
【0102】
[2.1.2 サーバの処理]
続いて、サーバ20の処理の流れについて図17を用いて説明する。図17に示すように、サーバ20は、デジタル複合機10から、原稿データの代わりに原稿識別情報を受信する(ステップS400)。
【0103】
そして、受信された原稿識別情報に基づき、サーバ20は原稿識別情報に対応する電子データを、電子データ格納領域252から検索する。
【0104】
[2.1.3 システムの処理]
ここで、システム全体の処理の流れを図18に示す。図18に示すように、デジタル複合機10は、原稿読取処理(ステップS1000)を実行した後、正規データ認証処理(ステップS3000)を実行する。
【0105】
そして、正規データと判定された場合には、原稿データから原稿識別情報認識処理により原稿識別情報が認識される(ステップS3002)。この認識された原稿識別情報は、サーバ20に送信される(ステップS3004)。
【0106】
サーバ20は、原稿識別情報を受信すると(ステップS4000)、当該原稿識別情報に基づいて電子データを検索し(ステップS2006)、通知信号を送信する(ステップS2008)。
【0107】
[2.2 動作例]
ここで、正規データ認証処理の結果、正規の原稿(利用者)と確認されなかった場合の表示画面W200の一例を図19に示す。図19の表示画面W200には、認証エラーであったことを利用者に報知させる内容が領域R200に表示されている。
【0108】
これは、サーバに接続する前にエラーメッセージを表示画面に表示していることより、より高速に動作させることが可能となる。
【0109】
このように、第2実施形態によれば、正規データ認証処理や、原稿識別情報認識処理がデジタル複合機10において実行されることとなる。この場合、正規データ認証処理を先ず実行することにより、認証されなかった場合の不要のデータ送信を行わない事が可能である。この場合、ネットワークのリソースや、サーバ20のリソースを節約するといったことが可能となる。
【0110】
また、正規データ認証処理をまずデジタル複合機10側で行うことにより、サーバにその都度照会するより、高速に動作させると行った事が可能となる。
【0111】
[3.第3実施形態]
続いて第3実施形態について説明する。第1実施形態及び第2実施形態では、電子データの有無をサーバに問い合わせに行ったり、サーバから電子データを取得する事として説明したりしたが、本実施形態ではサーバを利用しない実施形態について説明する。
【0112】
まず、図5においてサーバ20の記憶部250に確保されている電子データ格納領域252を、デジタル複合機10の記憶部150に確保する。すなわち、電子データがデジタル複合機10に記憶される事となる。
【0113】
この電子データ格納領域に記憶される電子データは、予め記憶されている事としても良いし、サービスマン等がメンテナンス時に更新記憶する事としても良い。また、ネットワーク経由で接続されている電子データ配信装置から、所定のタイミングで、デジタル複合機10にダウンロードされて更新記憶される事としてもよい。
【0114】
図20は、第3実施形態におけるデジタル複合機の動作について説明するためのフローチャートである。処理の流れについて、第2実施形態と同一の処理については、同一の符号を付すこととし、その説明を省略する。
【0115】
すなわち、制御部100は、原稿データに基づいて正規データ認証処理により正規の原稿データであると判定された場合には、原稿識別情報認識処理を実行する(ステップS100〜S304)。そして、原稿データの原稿識別情報が認識されたら、当該原稿識別情報に対応する電子データを記憶部150から検索する。
【0116】
そして、電子データが記憶部150に記憶されている場合には(ステップS500;Yes)、出力する電子データを選択させる(ステップS502)。更に、電子データの出力方法を選択させ(ステップS114)、当該選択された電子データを、選択された出力方法により記憶部150から読み出して出力する(ステップS504)。
【0117】
このように、本実施形態によれば、サーバ20を利用することなく、デジタル複合機のみで電子データを提供する事ができる。
【0118】
[4.第4実施形態]
第4実施形態としては、上述した実施形態に合わせて課金制御を行う場合について説明する。例えば、サーバ20において、電子データ格納領域252において、電子データ名に対応づけて課金情報を記憶する。例えば、一つの電子データに対する金額であったり、電子データ(コンテンツ)の種類に関する金額(単価)であったりを記憶する。
【0119】
そして、サーバ20において、提供可能な電子データを通知信号としてデジタル複合機10に送信するが、ここに課金情報も含めて送信する。
【0120】
デジタル複合機10では、取得する電子データと合わせて課金情報を表示させることが可能となる。例えば、図21は、表示画面W200の領域R200に課金情報が表示されている。
【0121】
利用者は、領域R200に表示された課金情報に基づいて、電子データの種類を選択することが出来る。このように、例えば電子書籍サービス等のコンテンツ提供サービスにおいて、有効な情報を利用者に提供することが可能となる。
【0122】
[5.変形例]
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。
【0123】
また、上述した実施形態は、画像形成装置をデジタル複合機に適用した場合について説明したが、例えばコンピュータ等の情報処理装置においても実現可能なことは勿論である。すなわち、本発明を提供可能なプログラムを実行したコンピュータにおいて、入力された画像から、原稿識別情報を認識し、当該原稿識別情報に対応する電子データがサーバに存在するか否かを確認する。そして、サーバに電子データが存在する場合には、サーバから電子データの提供を受けることにより、実現される。
【0124】
また、上述した実施形態では、利用者が所望する電子データを取得することとして説明したが、この取得する電子データについては、全部取得したとしても良いし、一部のみを取得する事としても良い。
【0125】
例えば、複数の章に別れている書籍において、必要とする章のデータのみを取得したり、雑誌等において必要な記事のみを取得することとしても良い。
【0126】
また、上述の実施形態においては、電子データの種類として、複数の種類を記憶する事として説明したが、必ずしも複数記憶しておく必要は無い。例えば、電子データとして、基本的なデータ(例えば、電子書籍形式のXMDF形式)で格納しておき、利用者が選択した電子データの種類に応じて適宜変換・圧縮等の処理を行っても良い。
【0127】
例えば、XMDF形式の電子データから、圧縮率の高いPDF形式に変換したり、解像度の大きいTIFF形式に変換したりしても良い。この場合、変換処理を行う分の時間はかかるが、電子データを一つ記憶しておけば十分である。
【符号の説明】
【0128】
10 デジタル複合機
100 制御部
110 画像入力部
120 画像形成部
130 画像出力部
140 通信部
150 記憶部
152 原稿データ格納領域
154 電子データ要求情報
160 操作部
170 電子データ要求情報
20 サーバ
200 制御部
240 通信部
250 記憶部
252 電子データ格納領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電子データを記憶するサーバと、当該サーバに接続された画像形成装置とを含む情報提供システムにおいて、
前記サーバは、
前記画像形成装置から画像を受信する画像受信手段と、
前記画像から、認証情報により認証を行う認証手段と、
前記画像から、原稿識別情報を認識する原稿識別情報認識手段と、
前記原稿識別情報に対応する電子データが記憶されており、かつ、前記認証手段により認証された場合には、電子データを送信する電子データ送信手段と、
を備えることを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
前記サーバは、
前記原稿識別情報に対応する電子データが記憶されている場合には、前記画像形成装置に電子データの情報を含む通知信号を送信する通知信号送信手段を更に有し、
前記画像形成装置は、
前記通知信号に基づいて受信する電子データの情報を含む電子データ要求情報を送信する電子データ要求情報送信手段を有し、
前記電子データ送信手段は、前記電子データ要求情報に含まれる電子データの情報を参照して電子データを送信することを特徴とする請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記電子データ要求情報には、前記サーバが提供可能な電子データの出力方法を含んでいることを特徴とする請求項2に記載の情報提供システム。
【請求項4】
前記画像形成装置は、前記サーバから受信された電子データを出力する電子データ出力手段を更に備えることを特徴とする請求項1から3の何れ一項に記載の情報提供システム。
【請求項5】
複数の電子データを記憶するサーバに接続された画像形成装置において、
原稿から画像を読み取る画像読取手段と、
前記画像から、認証情報により認証を行う認証手段と、
前記認証手段により認証された場合には、前記画像から原稿識別情報を認識する原稿識別情報認識手段と、
前記原稿識別情報に対応する電子データが前記サーバに存在するか否かを確認する確認手段と、
前記原稿識別情報に対応する電子データが前記サーバに存在する場合には、電子データを要求するための電子データ要求情報を送信する電子データ要求情報送信手段と、
前記サーバから電子データが送信された場合には、電子データを受信する電子データ受信手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記サーバに原稿識別情報に対応する電子データの種類が含まれる通知情報を受信する通知情報受信手段を更に有し、
前記電子データ要求情報送信手段は、前記通知情報に含まれる電子データの種類を選択し、前記電子データ要求情報に含めて送信することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記通知情報には、電子データに対する課金情報が含まれていることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
原稿識別情報に対応づけられた電子データが記憶された画像形成装置において、
原稿から画像を読み取る画像読取手段と、
前記画像から、認証情報により認証を行う認証手段と、
前記認証手段により認証された場合には、前記画像から原稿識別情報を認識する原稿識別情報認識手段と、
前記原稿識別情報に対応する電子データが記憶されているか否かを確認する確認手段と、
前記原稿識別情報に対応する電子データが記憶されている場合には、当該電子データを出力する電子データ出力手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
複数の電子データを記憶するサーバに接続されたコンピュータに、
入力された画像から、認証情報により認証を行う認証機能と、
前記認証機能により認証された場合には、前記画像から原稿識別情報を認識する原稿識別情報認識機能と、
前記原稿識別情報に対応する電子データが前記サーバに存在するか否かを確認する確認機能と、
前記原稿識別情報に対応する電子データが前記サーバに存在する場合には、電子データを要求するための電子データ要求情報を送信する電子データ要求情報送信機能と、
前記サーバから電子データが送信された場合には、電子データを受信する電子データ受信機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
原稿識別情報に対応づけられた電子データが記憶されたコンピュータに、
入力された画像から、認証情報により認証を行う認証機能と、
前記認証機能により認証された場合には、前記画像から原稿識別情報を認識する原稿識別情報認識機能と、
前記原稿識別情報に対応する電子データが記憶されているか否かを確認する確認機能と、
前記原稿識別情報に対応する電子データが記憶されている場合には、当該電子データを出力する電子データ出力機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図20】
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【図1】
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【図9】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図19】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−235186(P2012−235186A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−100491(P2011−100491)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】