説明

情報機器、情報表示方法

【課題】公開した画像の評価を知ることができるとともに、撮影技術の向上を促すことができるような情報を表示できる情報機器、情報表示方法、及びこのような情報を提供するための情報提供装置、情報提供方法を提供すること。
【解決手段】制御部302は、登録されているユーザ毎に記録された画像の中で閲覧数の多かった上位何枚かの画像若しくはユーザを区別しない全画像の中で閲覧数の多かった上位何枚かの画像を好評画像として検出する(ステップS32)。このような好評画像は、デジタルカメラ100とサーバ300との通信接続がなされたときに、デジタルカメラ100に送信され、例えば図3(b)で示したようにしてデジタルカメラ100の表示パネル111上に表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報機器、情報表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像をデジタル化して他の人に送ったり多くの人に公開(アップロード)したりすることが、フィルムカメラの時代より容易になっている。さらに、ネットワーク環境の拡充が、こうした状況を促進している。
【0003】
撮影した画像を、従来のように個人的又は内輪で楽しむユーザと上述したようなネットワーク環境を考慮して多くの人に公開するユーザとでは、撮影に対する姿勢が異なるものと考えられる。特に後者の場合、より多くの人が楽しめる普遍的な価値や飽きの来ない変化に富んだ表現力を追求するようになると考えられる。
【0004】
こうしたユーザは、従来のような家族写真や友人たちの集いの写真ばかりを撮るユーザに比べて、特別な機会でなくとも、撮影時の工夫により表現力のある写真撮影を心がけており、その旨が評価されるようになればユーザのモチベーションアップにも繋がる。このような公開した画像の評価を行うシステムに関し、例えば特許文献1では、公開された画像の人気度を画像のダウンロード数によって評価し、ダウンロード数に応じて画像を公開したユーザに料金を支払うシステムが提案されている。
【特許文献1】特開2002−63387号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1の技術は、公開した画像の人気のあるなしの情報は分かるが、この情報だけでは、ユーザは、人気のあった画像が偶然得られたものなのか、本人の実力で得られたものなのかを判断できないため、この情報だけで自身のカメラマンとしての評価を知り、撮影技術の向上を促すことは困難である。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、公開した画像の評価を知ることができるとともに、撮影技術の向上を促すことができるような情報を表示できる情報機器、情報表示方法、及びこのような情報を提供するための情報提供装置、情報提供方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の態様の情報機器は、評価情報を受信して表示する情報機器であって、画像を外部に送信して公開し、ユーザ毎に又はユーザが保有する上記情報機器毎に、公開した画像の閲覧数をもとに生成された評価情報を受信する通信部と、上記評価情報に従って、上記公開した画像のうち閲覧数の高い好評画像を表示する表示部と、を具備することを特徴とする。
【0008】
また、上記の目的を達成するために、本発明の第2の態様の情報機器は、上記第1の態様の情報機器において、記録部と、上記記録部に記録された画像の再生機能をさらに有し、該再生画像表示時に、類似テーマの上記好評画像を判定してサブ画像表示する判定部を有することを特徴とする。
【0009】
また、上記の目的を達成するために、本発明の第3の態様の情報機器は、上記第1の態様の情報機器において、撮影素子をさらに具備し、上記画像は、上記撮像素子から得られた画像であることを特徴とする。
【0010】
また、上記の目的を達成するために、本発明の情報表示方法は、評価情報を受信して表示する情報表示方法であって、画像を外部に送信して公開するステップと、ユーザ毎に又はユーザが保有する上記情報機器毎に、公開した画像の閲覧数をもとに生成された評価情報を受信するステップと、上記評価情報に従って、上記公開した画像のうち閲覧数の高い好評画像を表示する表示ステップと、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、公開した画像の評価を知ることができるとともに、撮影技術の向上を促すことができるような情報を表示できる情報機器、情報表示方法を提供することがでる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る情報機器の一例としてのデジタルカメラ100の構成を示すブロック図である。図1に示すデジタルカメラ100は、マイクロプロセッシングユニット(MPU)101と、操作部102と、撮影レンズ103と、オートフォーカス(AF)部104と、絞り機構105と、絞り制御部106と、撮像素子107と、アナログフロントエンド(AFE)部108と、画像処理部109と、表示制御部110と、表示パネル111と、ピント判定部112と、顔検出部113と、圧縮/伸張部114と、記録制御部115と、記録メディア116と、通信部117と、マイクロフォン118とを有し、情報提供装置の一例としてのサーバ300とネットワーク400を介して通信自在に接続されている。
【0013】
MPU101は、ユーザからの操作部102の操作に応じてデジタルカメラ100を構成する各ブロックをシーケンシャルに制御する。操作部102は、デジタルカメラ100による撮影を実行させるためのレリーズスイッチや、デジタルカメラ100の動作モードを撮影モードや再生モード、評価表示モード等の間で切り替えるための切り替えスイッチ等が含まれる。ここで、評価表示モードは、ユーザのカメラマンとしての評価表示を行うためのモードである。
【0014】
また、MPU101は、ユーザによって写真撮影がなされた時刻を計測するためのタイマを有している。これにより、撮影によって得られる画像データに対して撮影時刻が関連付けられる。
【0015】
撮影レンズ103は、被写体200からの像を撮像素子107に結像させる。この撮影レンズ103は、オートフォーカス(ピント合わせ)用のレンズを含んでいる。オートフォーカスの際に、MPU101は、ピント合わせレンズのレンズ位置をモニタしつつ、AF部104を制御してピント合わせレンズのレンズ位置を切り替えて撮影レンズ103のピント合わせを行う。また、絞り機構105は、撮影レンズ103内又はその近傍に設けられ、シャッタや絞りの効果を奏する機構である。絞り機構105は、撮影開始時に絞り制御部106によって所定の口径まで開かれ、撮影終了時に閉じられるものである。撮影時の絞り機構105の口径を変えることによって、撮影レンズ103の被写界深度が変化する。これによって、背景被写体のぼけ具合等を調整して、撮影時に被写体を浮かび上がらせたり、背景被写体をしっかりと描写したりするなどの表現の切替を行うことができる。
【0016】
撮像素子107は、多数の画素が配列されて構成される受光面を有し、撮影レンズ103を介して受光した被写体200からの像を電気的な信号に変換する。本実施形態においては、撮像素子107にはCCD方式及びCMOS方式の何れを用いても良い。
【0017】
AFE部108は、CDS部、ゲイン調整部、AD変換部等を含み、撮像素子107において得られるアナログ電気信号に対し相関二重サンプリング処理、ゲイン調整処理といったアナログ処理を行った後、これによって得られる画像信号をデジタルデータ化して画像処理部109に入力する。また、AFE部108には、撮像素子107を構成する複数の画素からの信号を一括して読み出す機能も設けられている。例えば、AFE部108によって、4画素(2×2画素)や9画素(3×3画素)の信号をまとめて読み出し、これら読み出した電気信号を加算することでS/Nを向上させることができる。このような処理によって、撮像素子107の見かけ上の感度を上げること等ができる。
【0018】
さらに、AFE部108は、撮像素子107からの出力信号を取捨選択する機能も有し、撮像素子107の全有効画素のうち、限られた範囲の画素からの信号のみを抽出することもできる。一般に、撮像素子107は間引きを行うことで高速で信号を読み出すことができる。この機能を利用して、撮像素子107で構図確認用に得られたスルー画像を高速で読み出して画像処理部109において処理してから表示パネル111に表示すれば、ユーザは表示パネル111上に表示されるスルー画像を利用してフレーミングを行うことが可能である。
【0019】
画像処理部109は、AFE部108から入力される画像データにおける色や階調、シャープネス等を補正処理したり、画像データのレベルを所定のレベルに増幅して、正しい濃淡及び正しい灰色レベルに調整したりする各種画像処理を行う。
【0020】
また、上述したようなフレーミング用の画像等の各種の画像を表示するために、画像処理部109は、AFE部108から入力される画像データを表示パネル111に表示可能なようにリサイズ(縮小)する機能も有する。
【0021】
表示制御部110は、画像処理部109で得られた画像データや記録メディア116に記録されている画像データを映像信号に変換し、変換した映像信号に基づいて画像を表示パネル111に表示させる。表示パネル111は液晶表示パネルや有機EL表示パネル等の表示パネルである。
【0022】
ピント判定部112は、画像処理部109によって得られる画像のコントラストを検出する。このピント判定部112によって検出されるコントラストはオートフォーカスの際に用いられる。即ち、AF部104によって撮影レンズ103のピント合わせレンズのレンズ位置を変化させながら、ピント判定部112によって画像のコントラストを逐次検出し、検出されるコントラストが最大となるレンズ位置でピント合わせレンズを停止させることで、撮影レンズ103のピント合わせを行うことができる。
【0023】
顔検出部113は、画像処理部109によって得られる画像内の特徴点(例えば、被写体が人物等であれば、目や鼻、口等)の分布から、画像内における被写体の特に顔に相当する部分を検出する。
【0024】
圧縮/伸張部114は、撮影時に、画像処理部109において処理された画像データを圧縮する。また、圧縮/伸張部114は記録メディア116に圧縮記録された画像データを伸張する。記録制御部115は、圧縮/伸張部114で圧縮された画像データに付随データを付随させて記録メディア116に記録する。この付随データは、撮影時の撮影条件等である。また、記録制御部115は、デジタルカメラ100毎に固有のカメラ認識情報(例えばID番号)、総撮影枚数等の情報も記録しており、撮影時にはこれらの情報も付随データとして付随させる。
【0025】
通信部117は、記録メディア116に記録された画像データや撮影によって得られる画像データ等を、ネットワーク400を介してサーバ300に送信したり、サーバ300から各種の情報を受信したりする際の通信制御を行う。
【0026】
マイクロフォン118は、ユーザからの音声を電気信号に変換してMPU101に出力する。MPU101は、マイクロフォン118を介して入力された音声を解析し、その解析結果に従った動作を実行させる。
【0027】
図2は、デジタルカメラ100とサーバ300とを含む情報提供システムの全体のシステムを概観できるようにした図である。
【0028】
デジタルカメラ100を用いて被写体200を撮影し、撮影した画像をサーバ300にアップロードすると、デジタルカメラ100の表示パネル111にユーザのカメラマンとしての評価を得るための表示がなされる。この評価表示は、デジタルカメラ100からサーバ300に画像を公開(アップロード)する毎に更新される情報である。ここでは、評価表示の例として、画像の総撮影枚数、サーバ300への画像の総アップロード枚数、サーバ300にアップロードされた画像の閲覧回数に係る評価を表示させるようにしている。
【0029】
デジタルカメラ100によってアップロードされた画像は、サーバ300の通信部301を介して受信され、受信された画像が制御部302の制御に従って記録部303に記録される。また、他の人物500の所有するパーソナルコンピュータ(PC)600等からの画像の閲覧要求を受け付けた場合には、指定された画像をPC600に送信してPC600のディスプレイ上に表示させる。
【0030】
また、画像が記録部303に記録されると制御部302において前述の評価が行われる。この評価は、例えば、ユーザの総撮影枚数、画像の総アップロード枚数、他の人物500による画像の閲覧回数(総閲覧数)を、サーバ300に登録されている他のカメラユーザのレベルと比較することで行う。例えば、これらがそれぞれサーバ300に登録されている全カメラユーザに対して上位5%程度に入るくらい多いならば5つ星評価、上位20%程度に入るくらいなら4つ星評価、それ以下であれば3つ星評価といった具合の評価を行う。
【0031】
このような評価がなされると、通信部301を介して評価情報がデジタルカメラ100に送られる。これを受けてデジタルカメラ100の表示パネル111に図2で示したような評価表示が行われる。
【0032】
このような評価表示を行うことによって、ユーザは自身のカメラマンとしての実力が、サーバ300に登録されている全カメラユーザに対してどの程度であるかを認識することができる。例えば、総撮影枚数や総アップロード枚数が5つ星評価で、総閲覧数が3つ星評価のような場合、自身の撮影した画像が余り他の人に閲覧されていないことが分かるため、ユーザは自身の撮影技術を向上させるように種々の工夫をこらすようになることが期待される。逆に、総アップロード枚数が3つ星評価で、総閲覧数が5つ星評価のような場合、自身の撮影した画像が好評であるため、ユーザがさらに画像のアップロードを行うようになることが期待される。
【0033】
このようにして画像を公に公開して評価されやすい環境に置くユーザは単に個人で楽しむ画像しか撮影しないユーザと分けられて、そのカメラマンとしての評価をするための評価表示がデジタルカメラ100の表示パネル111に表示されるので、そのユーザは表示パネル111に表示された評価表示を見て発奮したり満足したり、もっと腕を上げようとしたりするきっかけを作ることができ、また、高評価の表示がなされたユーザは写真家として他の人から認められるようになる。
【0034】
なお、評価表示は、図2の例に限られるものではない。例えば、図3(a)に示すように、サーバ300への画像のアップロード枚数を表示させるときに、全ユーザの平均アップロード枚数や、所定期間(例えば1週間)内に平均して何枚の画像をアップロードしているかを示すアップロード頻度、及び全ユーザの平均のアップロード頻度も併せて表示させるようにしても良い。また、星を表示させるだけでなく、例えば、「ゴールド」、「シルバー」等の抽象的な表現を用いるようにしても良い。さらには、累積すると段々1回の加算数字が増加するようなポイント数表示をしたりしても良い。
【0035】
また、図2や図3(a)で示した評価表示に加えて、図3(b)のようなユーザが過去に送信した画像で閲覧回数の多かった画像(以下、好評画像と称する)を表示させるようにしても良い。このような好評画像を見ることによって、ユーザは、どのような写真が評価されたかを知ることができ、また、それと同様の写真を撮影することによって、受けの良い作風を追求することができるし、さらにそれを超えようと思う気持ちがかき立てられる。また、好評画像とともに、好評画像に対して他のユーザからよせられたコメント等を表示させるようにしても良い。
【0036】
以下、図2の情報提供システムについてさらに詳しく説明する。図4は、図2に示す情報提供システムにおけるデジタルカメラ100側の制御について示したフローチャートである。
【0037】
図4において、MPU101は、デジタルカメラ100の動作モードが撮影モードに設定されているかを判定する(ステップS1)。ステップS1の判定において、デジタルカメラ100の動作モードが撮影モードに設定されている場合に、MPU101は、撮像素子107の出力を常時、表示パネル111に表示させるフレーミング用のスルー画表示を行う(ステップS2)。次に、MPU101は、ユーザによって操作部102のレリーズスイッチが操作されたかを判定することにより、撮影動作を実行するかを判定する(ステップS3)。ステップS3の判定において、レリーズスイッチが操作されていない場合には、ステップS1に戻ってMPU101はデジタルカメラ100の動作モードが撮影モードに設定されているかを再び判定する。一方、ステップS3の判定において、レリーズスイッチが操作された場合に、MPU101は、撮影動作を行う(ステップS4)。撮影動作の終了後、MPU101は、記録制御部115に記録された総撮影枚数を更新する(ステップS5)。
【0038】
この後、ユーザが自身の撮影の上達を後で確認したり、他の人と比較したりしやすくできるように、撮影された画像のテーマを判定する(ステップS6)。これは、例えば、顔検出部113により撮影により得られた画像内における人物の顔を検出し、顔が検出できた場合にはポートレート写真であると判定し、顔が検出できなかった場合には風景写真であると判定する。このような画像のテーマ判定の終了後、MPU101は、撮影により得られた画像データを付随データとともに記録メディア116に記録させる(ステップS7)。
【0039】
また、ステップS1の判定において、撮影モードに設定されていない場合に、MPU101は、デジタルカメラ100の動作モードが再生モードであるかを判定する(ステップS8)。ステップS8の判定において、デジタルカメラ100の動作モードが再生モードに設定されている場合に、MPU101は例えばサムネイル表示された画像の一覧から画像の選択がなされたかを判定する(ステップS9)。ステップS9の判定において、画像の選択がなされていない場合には、ステップS8に戻ってMPU101はデジタルカメラ100の動作モードが再生モードに設定されているかを再び判定する。一方、ステップS9の判定において、画像の選択がなされた場合に、MPU101は、選択された画像を表示制御部110によって表示パネル111に拡大表示させる(ステップS10)。
【0040】
次に、MPU101は、記録制御部115に、表示パネル111に現在表示されている画像のテーマと類似するテーマの好評画像が記録されているかを判定する(ステップS11)。
【0041】
ステップS11の判定において、類似テーマの好評画像が記録されている場合に、MPU101は、表示制御部110により、類似テーマの好評画像を、現在表示させている画像に重ねて表示パネル111に表示させるサブ表示を行う(ステップS12)。次に、MPU101は、現在表示パネル111に表示されている画像の送信指示がなされたかを判定する(ステップS13)。ステップS13の判定において、画像の送信指示がなされた場合には、ユーザに対して画像の送り先の入力を促し(ステップS14)、画像の送り先が入力されるまで待機する。ステップS14において、例えばマイクロフォン118を介して送り先が入力されると、MPU101は、入力された音声を解析して送り先を識別し、識別した送り先の情報を画像データに関連付けて記録メディア116に記録させる(ステップS15)。このような処理を行っておくことによって、デジタルカメラ100がネットワーク400に接続されたときに、記録メディア116に記録された画像データがユーザによって指定された送り先に送信される。
【0042】
また、ステップS8の判定において、再生モードに設定されていない場合に、MPU101は、デジタルカメラ100の動作モードが評価表示モードに設定されているかを判定する(ステップS16)。ステップS16の判定において、デジタルカメラ100の動作モードが評価表示モードに設定されている場合に、MPU101は、図2や図3(a)、図3(b)で示したような評価表示を行う(ステップS17)。なお、評価表示は、撮影モード時等にユーザによって所定の操作がなされた場合にも行うようにしても良い。
【0043】
また、ステップS16の判定において、評価表示モードに設定されていない場合に、MPU101は、デジタルカメラ100がネットワーク400に接続されたかを判定する(ステップS18)。ステップS18の判定において、デジタルカメラ100がネットワーク400に接続された場合に、MPU101はサーバ300と通信を行い、記録メディア116に記録された画像データをサーバ300に送信するとともに、サーバ300から評価表示を行うための評価データを受信する(ステップS19)。
【0044】
図5は、図2に示す情報提供システムにおけるサーバ300側の制御について示したフローチャートである。
【0045】
サーバ300の制御部302は、デジタルカメラ100から画像が送信されてきたかを判定している(ステップS21)。ステップS21の判定において、デジタルカメラ100から画像が送信されてきた場合に、制御部302は、画像データの付随データを読み取り、読み取った付随データに従って画像データを、サーバ300に登録されているユーザ毎に整理して記録部303に記録させる(ステップS22)。
【0046】
ステップS22の後、制御部302は、評価表示を行うためのカメラマン評価を、ユーザ毎に行うか又はユーザが保有するカメラ毎に行うか判定する(ステップS23)。例えば、ユーザが複数のカメラを保有する場合や1つのカメラが複数の人によって利用される場合には、カメラ毎の評価を行うよりもユーザ毎の評価を行ったほうが他の人との比較の上では好ましい。そこで、このような場合には、カメラの種類を区別せずにユーザ毎の評価を行うようにする。勿論、カメラ毎に画像の総撮影枚数、総アップロード枚数、総閲覧回数の評価を行うようにしても良い。このようなカメラ毎の評価を行うようにすれば、ユーザがどの機種のデジタルカメラを用いて撮影を行った場合に好評価が得られたか等を判断することが可能である。なお、ユーザ毎とカメラ毎の何れの評価を行うかはユーザが選択することができる。このような選択を行うためには、例えば、画像データの送信時に、カメラ毎の評価を行うか、ユーザ毎の評価を行うかを識別するための情報も付随情報として送信しておくようにすれば良い。
【0047】
ステップS23の判定において、カメラ毎のカメラマン評価を行う場合には、画像データに付随された付随データに従って、カメラ認識情報に従って認識されるカメラ毎に記録部303に記録された総撮影枚数Npcを更新するとともに、送信された画像データ数を、カメラ毎に記録部303に記録された総アップロード枚数Nucに累積することで総アップロード枚数Nucを更新する(ステップS24)。その後、制御部302は、総撮影枚数Npc、総アップロード枚数Nuc、及び後述する総閲覧数Nacを用いてカメラ毎のカメラマン評価処理を行う(ステップS25)。このカメラマン評価処理については後述する。
【0048】
また、ステップS23の判定において、ユーザ毎のカメラマン評価を行う場合には、画像データに付随された付随データに従って、サーバ300に登録されたユーザ毎に記録部303に記録された総撮影枚数Npuを更新するとともに、送信された画像データ数を、ユーザ毎に記録部303に記録された総アップロード枚数Nuuに累積することで総アップロード枚数Nuuを更新する(ステップS26)。その後、制御部302は、総撮影枚数Npu、総アップロード枚数Nuu、及び後述する総閲覧数Nauを用いてユーザ毎のカメラマン評価処理を行う(ステップS27)。
【0049】
カメラ毎又はユーザ毎のカメラマン評価の終了後、制御部302は、評価データをデジタルカメラ100に送信する(ステップS28)。これにより、評価データがデジタルカメラ100において受信され、その後、デジタルカメラ100の動作モードが評価表示モードになったときに評価表示がなされる。
【0050】
ここで、図3(a)のような評価表示を行う場合には、さらに、画像のアップロード頻度を求める必要がある。アップロード頻度は、所定期間内のアップロード枚数の平均値で求められる。例えば、1週間の画像のアップロード頻度Nfは、7日分の総アップロード枚数Nuを7で割ることにより求めることが可能である。
【0051】
ステップS21の判定において、デジタルカメラ100から画像が送信されてきていない場合に、制御部302は、PC600(或いは携帯電話機等でも良い)から画像の送信要求がなされたかを判定する(ステップS29)。ステップS29の判定において、PC600からの画像の送信要求がなされた場合、制御部302は、選択された画像を記録部303から読み出してPC600に送信し(ステップS30)、送信した画像をPC600のディスプレイ上で閲覧できるようにする。その後、制御部302は、送信した画像が閲覧されたかを、例えば所定時間以上その画像が閲覧されたかどうかで判定し、画像の閲覧がなされた場合にはその画像の閲覧数を1つカウントアップする。また、ユーザ毎の閲覧数の累積値である総閲覧数Nau及びカメラ毎の閲覧数の累積値である総閲覧数Nacを更新する(ステップS31)。次に、制御部302は、登録されているユーザ毎に記録された画像の中で閲覧数の多かった上位何枚かの画像若しくはユーザを区別しない全画像の中で閲覧数の多かった上位何枚かの画像を好評画像として検出する(ステップS32)。このような好評画像は、デジタルカメラ100とサーバ300との通信接続がなされたときに、デジタルカメラ100に送信され、例えば図3(b)で示したようにしてデジタルカメラ100の表示パネル111上に表示される。なお、好評画像は、ユーザ毎だけでなく、テーマ毎に検出するようにしても良い。
【0052】
また、ステップS29の判定において、PC600からの画像の送信要求がなされていない場合に、制御部302は、画像の記録や画像の閲覧以外のその他のサービスを実行するための要求がなされたかを判定する(ステップS33)。ステップS33の判定において、その他のサービスの実行要求がなされていない場合には、処理がステップS21に戻る。一方、ステップS33の判定において、その他のサービスの実行要求がなされた場合に、制御部302は、その他のサービスに係る処理を実行する。ここでは、その他のサービスの一例としてブログの作成又は閲覧について説明する。勿論、これ以外であっても良い。ステップS33の判定において、その他のサービスの実行要求がなされた場合に、制御部302は、要求されたその他のサービスがブログの作成要求であったかを判定する(ステップS34)。ステップS34の判定において、ブログの作成要求であった場合に、制御部302は、ユーザがブログの作成を可能なように各種の処理を実行する(ステップS35)。一方、ステップS34の判定において、その他のサービスの実行指示がブログの作成指示でない場合に、制御部302は、ユーザが、画像等の各種コンテンツをブログ上で閲覧可能なように処理する(ステップS36)。
【0053】
図6は、図5のステップS25又はS27のカメラマン評価処理の詳細について示すフローチャートである。ここで、ステップS25とステップS27では、総撮影枚数Np、総アップロード枚数Nu、総閲覧数Naを、ユーザ毎に記録されたものを用いるか又はカメラ毎に記録されたものを用いるかのみが異なり、処理の内容自体は変わらないので、ここでは両者を区別せずに説明する。また、図6に示すカメララマン評価を行うに当たり、サーバ300の記録部303には、総撮影枚数Np、総アップロード枚数Nu、総閲覧数Naの全ユーザの平均値(Npav、Nuav、Naav)も記録されているものとする。
【0054】
カメラマン評価を行う際に、サーバ300の制御部302は、記録部303に記録されている総撮影枚数Np(ユーザ毎の場合にはNpu、カメラ毎の場合にはNpc)及びその平均値Npavを読み出す(ステップS41)。次に、制御部302は、記録部303に記録されている総アップロード枚数Nu(ユーザ毎の場合にはNuu、カメラ毎の場合にはNuc)及びその平均値Nuavを読み出す(ステップS42)。さらに、制御部302は、記録部303に記録されている総閲覧数Na(ユーザ毎の場合にはNau、カメラ毎の場合にはNac)及びその平均値Naavを読み出す(ステップS43)。
【0055】
次に、制御部302は、総撮影枚数Npが平均値Npavよりも大きいかを判定する(ステップS44)。ステップS44の判定において、総撮影枚数Npが平均値Npavよりも大きい場合に、制御部302は、その総撮影枚数Npが全ユーザの中の上位5%内であるかを判定する(ステップS45)。ステップS45の判定において、総撮影枚数Npが全ユーザの中の上位5%内である場合に、制御部302は、そのユーザの総撮影枚数の評価を5つ星評価とする(ステップS46)。一方、ステップS45の判定において、総撮影枚数Npが全ユーザの中の上位5%内でない場合に、制御部302は、その総撮影枚数Npが全ユーザの中の上位20%内であるかを判定する(ステップS47)。ステップS47の判定において、総撮影枚数Npが全ユーザの中の上位20%内である場合に、制御部302は、そのユーザの総撮影枚数の評価を4つ星評価とする(ステップS48)。一方、ステップS47の判定において、総撮影枚数Npが全ユーザの中の上位20%内でない場合に、制御部302は、そのユーザの総撮影枚数の評価を3つ星評価とする(ステップS49)。
【0056】
次に、制御部302は、総アップロード枚数Nuが平均値Nuavよりも大きいかを判定する(ステップS50)。ステップS50の判定において、総アップロード枚数Nuが平均値Nuavよりも大きい場合に、制御部302は、その総アップロード枚数Nuが全ユーザの中の上位5%内であるかを判定する(ステップS51)。ステップS51の判定において、総アップロード枚数Nuが全ユーザの中の上位5%内である場合に、制御部302は、そのユーザの総アップロード枚数の評価を5つ星評価とする(ステップS52)。一方、ステップS51の判定において、総アップロード枚数Nuが全ユーザの中の上位5%内でない場合に、制御部302は、その総アップロード枚数Nuが全ユーザの中の上位20%内であるかを判定する(ステップS53)。ステップS53の判定において、総アップロード枚数Nuが全ユーザの中の上位20%内である場合に、制御部302は、そのユーザの総アップロード枚数の評価を4つ星評価とする(ステップS54)。一方、ステップS53の判定において、総アップロード枚数Nuが全ユーザの中の上位20%内でない場合に、制御部302は、そのユーザの総アップロード枚数の評価を3つ星評価とする(ステップS55)。
【0057】
次に、制御部302は、総閲覧数Naが平均値Naavよりも大きいかを判定する(ステップS56)。ステップS56の判定において、総閲覧数Naが平均値Naavよりも大きい場合に、制御部302は、その総閲覧数Naが全ユーザの中の上位5%内であるかを判定する(ステップS57)。ステップS57の判定において、総閲覧数Naが全ユーザの中の上位5%内である場合に、制御部302は、そのユーザの総閲覧数の評価を5つ星評価とする(ステップS58)。一方、ステップS57の判定において、総閲覧数Naが全ユーザの中の上位5%内でない場合に、制御部302は、その総閲覧数Naが全ユーザの中の上位20%内であるかを判定する(ステップS59)。ステップS59の判定において、総閲覧数Naが全ユーザの中の上位20%内である場合に、制御部302は、そのユーザの総閲覧数の評価を4つ星評価とする(ステップS60)。一方、ステップS59の判定において、総閲覧数Naが全ユーザの中の上位20%内でない場合に、制御部302は、そのユーザの総閲覧数の評価を3つ星評価とする(ステップS61)。
【0058】
なお、本実施形態では、総撮影枚数Np、総アップロード枚数Nu、総閲覧数Naがそれぞれ平均値未満の場合には評価を行わないようにしているが、このような場合の評価を行うようにしても良い。また、図6において、画像アップロード頻度に関する評価も行うようにしても良い。
【0059】
図6に示すようなカメラマン評価を行うことによって、ユーザの撮影や画像公開のモチベーションを向上させることができる。また、ここではユーザ毎若しくはカメラ毎のカメラマン評価について説明したが、写真のテーマ毎に上述した評価を行うようにしても良い。このようにすれば、新規なテーマでの撮影画像であれば、ネットワーク上の世界で一番になることも可能になる。こうした工夫によって、さらに貴重な写真画像が、多くの人の目に触れやすくなり、それにインスパイアされて、また優れた写真撮影がなされる等、好条件の環境を創出することが期待される。
【0060】
以上説明したように、本実施形態によれば、写真を撮影するユーザは他の人からの評価を受けやすい環境に画像データをアップロードし、また、多くの人からの評価を受けることによって、自身の視点や腕前を向上させ、ネットワーク上に流通する画像の質を高めることが可能である。また、評価表示をデジタルカメラ上で行うことで、そのデジタルカメラで撮影される被写体の人物は、安心して経験豊かなユーザに撮影を委ねることができる。
【0061】
また、カメラ毎の撮影枚数、アップロード枚数、閲覧数のカウントも行っているので、例えば自身がどのカメラを用いて画像をアップロードした回数が多かったか、またどのカメラで撮影したときの画像が好評であったか等の情報を知ることができる。
【0062】
以上実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。例えば、上述した実施形態においては、画像データを公開する情報機器の一例としてデジタルカメラの例について説明したが、画像データを公開する情報機器はユーザが保有するパーソナルコンピュータ(PC)等の情報機器であっても良い。
【0063】
さらに、上記した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、上述したような課題を解決でき、上述したような効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報機器の一例としてのデジタルカメラの構成を 示すブロック図である。
【図2】デジタルカメラとサーバとを含む情報提供システムの全体のシステムを概観 できるようにした図である。
【図3】図3(a)は評価表示の変形例について示す図であり、図3(b)は好評画 像表示の例を示す図である。
【図4】図2に示す情報提供システムにおけるデジタルカメラ側の制御について示し たフローチャートである。
【図5】図2に示す情報提供システムにおけるサーバ側の制御について示したフロー チャートである。
【図6】カメラマン評価処理の詳細について示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0065】
100…デジタルカメラ、101…マイクロプロセッシングユニット(MPU)、10
2…操作部、103…撮影レンズ、104…オートフォーカス(AF)部、105…絞り
機構、106…絞り制御部、107…撮像素子、108…アナログフロントエンド(AF
E)部、109…画像処理部、110…表示制御部、111…表示パネル、112…ピン
ト判定部、113…顔検出部、114…圧縮/伸張部、115…記録制御部、116…記
録メディア、117…通信部、118…マイクロフォン、300…サーバ、301…通信
部、302…制御部、303…記録部、400…ネットワーク、600…パーソナルコン
ピュータ(PC)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
評価情報を受信して表示する情報機器であって、
画像を外部に送信して公開し、ユーザ毎に又はユーザが保有する上記情報機器毎に、公開した画像の閲覧数をもとに生成された評価情報を受信する通信部と、
上記評価情報に従って、上記公開した画像のうち閲覧数の高い好評画像を表示する表示部と、
を具備することを特徴とする情報機器。
【請求項2】
上記情報機器は、記録部と、上記記録部に記録された画像の再生機能を有し、該再生画像の類似テーマの上記好評画像を判定してサブ画像表示する判定部を有することを特徴とする請求項1に記載の情報機器。
【請求項3】
上記情報機器は撮影素子を有し、上記外部に送信する画像は、上記撮像素子から得られた画像であることを特徴とする請求項1に記載の情報機器。
【請求項4】
評価情報を受信して表示する情報表示方法であって、
画像を外部に送信して公開するステップと、
ユーザ毎に又はユーザが保有する上記情報機器毎に、公開した画像の閲覧数をもとに生成された評価情報を受信するステップと、
上記評価情報に従って、上記公開した画像のうち閲覧数の高い好評画像を表示する表示ステップと、
を具備することを特徴とする情報表示方法。
【請求項5】
上記情報表示方法は、記録部に記録された画像の再生画像表示ステップを有し、上記再生画像表示ステップにおいて、該再生画像の類似テーマの上記好評画像を判定してサブ画像表示することを特徴とする請求項4に記載の情報表示方法。
【請求項6】
上記情報表示方法は撮影ステップを有し、上記外部に送信する画像は、上記撮像ステップで得られた画像であることを特徴とする請求項4に記載の情報表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−252710(P2012−252710A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−155713(P2012−155713)
【出願日】平成24年7月11日(2012.7.11)
【分割の表示】特願2007−162635(P2007−162635)の分割
【原出願日】平成19年6月20日(2007.6.20)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】