説明

情報端末、表示制御方法及び表示制御プログラム

【課題】アイコン等の選択可能要素を表示すると共に、表示された選択可能要素に対する選択操作を受け付ける情報端末において、選択可能要素の選択操作における誤操作を防止する。
【解決手段】情報端末1は、ユーザによるアイコンに対する選択入力が行われると、選択されたアイコンを判定する選択アイコン判定部12と、選択されたアイコンと当該アイコンの隣に位置するアイコンとの間隔が所定距離以上離されて表示されるように表示部18における複数のアイコンの表示態様を変更する表示態様変更部13と、変更された表示態様に従って、複数のアイコンを表示部18に表示させる表示制御部とを有する。これにより、ユーザは、選択したアイコンを容易に認識できる。従って、アイコンの選択操作における誤操作が防止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報端末、表示制御方法及び表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、タッチパネルの機能を有するディスプレイを備えた情報端末が普及している。また、このような情報端末において表示されるコンテンツやメニュー画面は、他のコンテンツに対するリンクやアイコンに例示されるような選択可能要素を含んでいる場合がある。この選択可能要素に対する選択操作は、ディスプレイに表示された選択可能要素を指等により触れることにより実現される。また、タッチパネルに表示されたタッチボタンを選択すると、選択されたタッチボタンが拡大表示される技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−92219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
情報端末の画面に表示された複数のアイコン等から一のアイコン等を選択操作する場合において、1画面に多くの選択可能要素が表示されている場合には、アイコン間の距離の短さ等に起因して誤操作が発生しやすい。かかる問題は、アイコン等が密集して表示されている場合に特に顕著である。また、特許文献1に記載される技術では、選択したアイコン等自体の態様が変化するので、当該アイコンの識別性を損なう可能性がある。さらに、選択したアイコン等が拡大表示されるので、当該アイコンの周囲に位置するアイコンの視認性が低下し、周囲のアイコンの再選択が困難となる。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、アイコン等の選択可能要素を表示すると共に、表示された選択可能要素に対する選択操作を受け付ける情報端末において、選択可能要素の選択操作における誤操作を防止することが可能な情報端末、表示制御方法及び表示制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の情報端末は、複数の選択可能要素を表示領域に表示すると共に、ユーザによる表示領域に対する物理的接触の検知により選択入力を受け付ける表示手段と、表示手段により受け付けられた選択入力の、表示領域における選択位置を取得する選択位置取得手段と、選択位置取得手段により取得された選択位置に基づき、選択された選択可能要素を判定する選択可能要素判定手段と、選択可能要素判定手段により判定された選択可能要素と、該選択可能要素の隣に位置する選択可能要素との間隔が所定距離以上離されて表示手段に表示されるように、複数の選択可能要素の表示態様を変更する表示態様変更手段と、表示態様変更手段により変更された表示態様に従って、複数の選択可能要素を表示手段に表示させる表示制御手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、上記課題を解決するために、本発明の表示制御方法は、複数の選択可能要素を表示手段の表示領域に表示する表示ステップと、ユーザによる表示領域に対する物理的接触の検知により選択入力を受け付ける選択入力受付ステップと、選択入力受付ステップにおいて受け付けられた選択入力の、表示領域における選択位置を取得する選択位置取得ステップと、選択位置取得ステップにおいて取得された選択位置に基づき、選択された選択可能要素を判定する選択可能要素判定ステップと、選択可能要素判定ステップにおいて判定された選択可能要素と、該選択可能要素の隣に位置する選択可能要素との間隔が所定距離以上離されて表示手段に表示されるように、複数の選択可能要素の表示態様を変更する表示態様変更ステップと、表示態様変更ステップにおいて変更された表示態様に従って、複数の選択可能要素を表示手段に表示させる表示制御ステップとを有することを特徴とする。
【0008】
また、上記課題を解決するために、本発明の表示制御プログラムは、コンピュータに、複数の選択可能要素を表示領域に表示すると共に、ユーザによる表示領域に対する物理的接触の検知により選択入力を受け付ける表示機能と、表示機能により受け付けられた選択入力の、表示領域における選択位置を取得する選択位置取得機能と、選択位置取得機能により取得された選択位置に基づき、選択された選択可能要素を判定する選択可能要素判定機能と、選択可能要素判定機能により判定された選択可能要素と、該選択可能要素の隣に位置する選択可能要素との間隔が所定距離以上離されて表示機能により表示されるように、複数の選択可能要素の表示態様を変更する表示態様変更機能と、表示態様変更機能により変更された表示態様に従って、複数の選択可能要素を表示機能に表示させる表示制御機能とを実現することを特徴とする。
【0009】
本発明の情報端末、表示制御方法及び表示制御プログラムによれば、ユーザによる選択可能要素に対する選択入力が行われると、選択された選択可能要素と、当該選択可能要素の隣に位置する選択可能要素との間隔が所定距離以上離されて表示されるように、表示手段における複数の選択可能要素の表示態様が変更される。これにより、ユーザは、選択した選択可能要素を容易に認識できる。従って、選択可能要素の選択操作における誤操作が防止される。
【0010】
また、本発明の情報端末では、表示態様変更手段は、選択可能要素判定手段により判定された選択可能要素の隣に位置する選択可能要素を、移動対象の選択可能要素として抽出する移動要素抽出手段と、移動要素抽出手段により抽出された移動対象の選択可能要素の位置を移動させることにより、選択可能要素判定手段により判定された選択可能要素と移動対象の選択可能要素との間隔が所定距離以上離されて表示されるための、移動対象の選択可能要素の移動後の位置を算出する位置算出手段とを有し、表示制御手段は、位置算出手段により算出された移動後の位置に従って、移動対象の選択可能要素を表示手段に表示させることを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、選択された選択可能要素の隣に位置する選択可能要素の表示位置が移動されることにより、選択された選択可能要素と当該選択可能要素の隣に位置する選択可能要素との間に所定距離以上の間隔が設けられる。これにより、ユーザは、選択した選択可能要素を一層容易に認識することができる。
【0012】
また、本発明の情報端末では、位置算出手段は、移動対象の選択可能要素の位置の移動により、移動対象の選択可能要素がその他の選択可能要素に重ならないような位置を移動後の位置として算出することを特徴とする。
【0013】
上記構成によれば、表示手段に表示された複数の選択可能要素のうち、移動された選択可能要素以外の選択可能要素の視認性の低下が防止される。
【0014】
また、本発明の情報端末では、表示態様変更手段は、選択可能要素判定手段により判定された選択可能要素と、該選択可能要素の隣に位置する選択可能要素との間隔に対する所定距離の割合を拡大率として決定する拡大率決定手段を有し、選択可能要素の移動の可否に関する予め記憶された属性情報を参照して、選択可能要素の移動が可能か否かを判定し、選択可能要素の移動が可能である場合には、表示制御手段は、位置算出手段により算出された移動後の位置に従って、移動対象の選択可能要素を表示手段に表示させ、選択可能要素の移動が可能でない場合には、表示制御手段は、拡大率決定手段により決定された拡大率に従って、表示手段に表示された表示内容の全体を拡大して複数の選択可能要素を表示手段に表示させることを特徴とする。
【0015】
上記構成によれば、選択可能要素の移動が可能であれば、選択された選択可能要素の隣に位置する選択可能要素の表示位置が移動されることにより、選択された選択可能要素と当該選択可能要素の隣に位置する選択可能要素との間に所定距離以上の間隔が設けられる。一方、選択可能要素の移動が可能でない場合であっても、決定された拡大率に基づき表示手段に表示された内容の全体が拡大されることにより、選択された選択可能要素と当該選択可能要素の隣に位置する選択可能要素との間に所定距離以上の間隔が設けられる。これにより、選択可能要素の移動が可能及び不可能のいずれの場合であっても、ユーザによる、選択した選択可能要素のユーザによる認識が容易となる。
【0016】
また、本発明の情報端末は、表示態様変更手段は、選択可能要素判定手段により判定された選択可能要素と、該選択可能要素の隣に位置する選択可能要素との間隔に対する所定距離の割合を拡大率として決定する拡大率決定手段を有し、表示制御手段は、拡大率決定手段により決定された拡大率に従って、表示手段に表示された表示内容の全体を拡大して複数の選択可能要素を表示手段に表示させることを特徴とする。
【0017】
上記構成によれば、選択された選択可能要素と、当該選択可能要素の隣に位置する選択可能要素との間隔に対する前記所定距離の割合に応じて決定された拡大率に基づき表示手段に表示された内容の全体が拡大される。これにより、選択された選択可能要素と当該選択可能要素の隣に位置する選択可能要素との間に所定距離以上の間隔が設けられる。これにより、ユーザによる、選択した選択可能要素のユーザによる認識が容易となる。
【発明の効果】
【0018】
選択可能要素を表示すると共に、表示された選択可能要素に対する選択操作を受け付ける情報端末において、選択可能要素の選択操作における誤操作を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】情報端末の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】情報端末のハードブロック図である。
【図3】アイコン座標記憶部の構成及び記憶されているデータの例を示す図である。
【図4】アイコン座標記憶部が有するアイコンの位置、大きさ及び間隔に関する情報を模式的に示す図である。
【図5】表示部におけるアイコンの表示例を示す図である。
【図6】移動後位置算出部により算出された、各アイコンの移動量及び移動後の座標のデータを示す図である。
【図7】アイコンの移動が実施される場合における、表示制御処理実施前のアイコンの表示例及び表示制御処理実施後のアイコンの表示例を示す図である。
【図8】表示部の表示内容の拡大が実施される場合における、表示制御処理実施前のアイコンの表示例及び表示制御処理実施後のアイコンの表示例を示す図である。
【図9】表示制御方法の処理内容を示すフローチャートである。
【図10】表示制御プログラムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明に係る情報端末、表示制御方法及び表示制御プログラムの実施形態について図面を参照して説明する。なお、可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0021】
図1は、情報端末1の機能的構成を示すブロック図である。本実施形態の情報端末1は、複数の選択可能要素を表示領域に表示すると共に、ユーザによる表示領域に対する物理的接触の検知により選択可能要素の選択入力を受け付ける表示部を有する情報端末1であって、例えば、移動体通信網を介した通信が可能な携帯端末である。この表示部18は、例えば、タッチパネルの機能を有するディスプレイといった装置により構成される。また、選択可能要素は、例えば、情報端末1の表示部18に表示されるコンテンツに含まれる他のコンテンツに対するリンク、及びメニュー画面等において表示されるアイコンといったものに例示される。表示部18の表示領域に対する物理的接触は、例えば、ユーザの指等により触れたり、所定の入力器具により画面に触れたりすることにより実現される。なお、本実施形態における以下の説明では、選択可能要素としてアイコンを例示して説明するが、これには限定されない。
【0022】
図1に示すように、情報端末1は、機能的には、選択位置取得部10(選択位置取得手段)、アイコン座標記憶部11、選択アイコン判定部12(選択可能要素判定手段)、表示態様変更部13(表示態様変更手段)、表示制御部17(表示制御手段)及び表示部18(表示手段)を備える。また、表示態様変更部13は、移動アイコン抽出部14(移動要素抽出手段)、移動後位置算出部15(位置算出手段)及び拡大率決定部16(拡大率決定手段)を含む。
【0023】
図2は、情報端末1のハードウエア構成図である。情報端末1は、物理的には、図2に示すように、CPU101、主記憶装置であるRAM102及びROM103、データ送受信デバイスである通信モジュール104、ハードディスク、フラッシュメモリ等に例示される補助記憶装置105、入力デバイスであるキーボード等の入力装置106、ディスプレイ等の出力装置107などを含むコンピュータシステムとして構成されている。図1に示した各機能は、図2に示すCPU101、RAM102等のハードウエア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU101の制御のもとで通信モジュール104、入力装置106、出力装置107を動作させるとともに、RAM102や補助記憶装置105におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。なお、本実施形態の情報端末1は、入力装置106及び出力装置107が一体に構成された表示部18を有する。再び、図1を参照し、情報端末1の各機能部について詳細に説明する。
【0024】
選択位置取得部10は、表示部18により受け付けられた選択入力の、表示部18の表示領域における選択位置を取得する部分である。即ち、表示部18の表示領域に表示された複数のアイコンのうちのいずれかのアイコンに対してユーザが選択入力操作を実施すると、選択位置取得部10は、その選択入力操作において物理的接触があった位置を選択位置として取得する。具体的には、選択位置取得部10は、例えば、表示部18の表示領域における選択位置の座標値を取得する。そして、選択位置取得部10は、選択位置に関する情報を選択アイコン判定部12に送出する。
【0025】
アイコン座標記憶部11は、表示部18に表示されたアイコンの位置、大きさ及び間隔等に関する情報を記憶している部分である。図3は、アイコン座標記憶部11の構成及び記憶されているデータの例を示す図である。図3に示すように、アイコン座標記憶部11は、アイコンごとにX座標及びY座標の値を記憶している。また、図4は、アイコン座標記憶部11が有するアイコンの位置、大きさ及び間隔に関する情報を、表示部18に表示された態様で模式的に示す図である。図4に示すように、9個のアイコンEは、所定のXY座標系において、図3に示した座標値に従って位置されている。また、アイコン座標記憶部11は、アイコンの大きさS及びアイコン間の間隔Cといった情報も有している。なお、図3及び図6における座標値及び移動量の単位は、例えば、表示部18の表示領域を構成する装置のドット数又はピクセル数であることができる。
【0026】
選択アイコン判定部12は、選択位置取得部10により取得された選択位置に基づき、選択されたアイコンを判定する部分である。具体的には、選択アイコン判定部12は、アイコン座標記憶部11を参照して、選択位置の座標がアイコンの表示領域に含まれるアイコンを、選択されたアイコンとして判定する。選択アイコン判定部12は、判定したアイコンに関する情報を表示態様変更部13に送出する。
【0027】
表示態様変更部13は、選択アイコン判定部12により判定されたアイコンと、そのアイコンの隣に位置するアイコンとの間隔が所定距離以上離されて表示部18に表示されるように、複数のアイコンの表示態様を変更する部分である。具体的には、表示態様変更部13は、移動アイコン抽出部14、移動後位置算出部15及び拡大率決定部16により、表示態様を変更する処理を実施する。
【0028】
移動アイコン抽出部14は、選択アイコン判定部12により判定されたアイコンの隣に位置するアイコンを、移動対象のアイコンとして抽出する部分である。図5は、表示部18に表示された複数のアイコン、及びアイコンに対する選択操作が行われた様子を示す図である。図5に示すように、ユーザの指Fによる選択操作が行われると、選択アイコン判定部12は、アイコンEを、選択されたアイコンとして判定する。そして、移動アイコン抽出部14は、アイコンEの隣に位置するアイコンE〜E,E〜Eを移動対象のアイコンとして抽出する。なお、図5におけるアイコンE〜Eは、図3及び図6におけるアイコン1〜9に対応する。
【0029】
移動後位置算出部15は、移動アイコン抽出部14により抽出された移動対象のアイコンの位置を移動させることにより、選択アイコン判定部12により判定されたアイコンと移動対象のアイコンとの間隔が所定距離以上離されて表示されるための、移動対象のアイコンの移動後の位置を算出する部分である。
【0030】
続いて、図5及び図6を参照して、移動後位置算出部15による算出処理を説明する。図6は、移動後位置算出部15により算出された、各アイコンの移動量及び移動後の座標のデータを示す図である。ここで説明する例では、選択されたアイコンと移動対象のアイコンとの間隔に関する所定距離は、「15」に設定されているものとする。また、図5に示されるアイコンEの大きさS及び間隔Cはそれぞれ、「40」及び「10」であるとする。
【0031】
移動後位置算出部15は、アイコンEとアイコンE〜E,E〜Eとの間隔が所定距離「15」以上となるように、アイコンE〜E,E〜Eの移動量を算出する。移動後位置算出部15により算出された移動量は、図6の移動量の項目に示される。そして、移動後位置算出部15は、図3に示される座標値に図6に示される移動量を加算して、移動対象のアイコンE〜E,E〜Eの移動後の位置を算出する。移動後の位置を示す座標は、図6における移動後の座標の項目に示される。
【0032】
次に、図7を参照して、移動対象のアイコンの移動について説明する。図7(a)は、移動対象のアイコンの移動前のアイコンの表示例を示す図である。また、図7(b)は、移動対象のアイコンの移動後のアイコンの表示例を示す図である。図7(a)に示すように、選択アイコン判定部12により、アイコンEが、選択されたアイコンとして判定されると、移動アイコン抽出部14により移動対象のアイコンE〜E,E〜Eが抽出される。そして、移動後位置算出部15は、図7(b)のアイコンE〜E,E〜Eに示されるように、これらのアイコンE〜E,E〜Eの移動後の位置を算出する。ここで、移動後位置算出部15は、移動対象のアイコンE〜E,E〜Eの位置の移動により、移動対象のアイコンE〜E,E〜Eがその他のアイコンEに重ならないような位置を、移動対象のアイコンE〜E,E〜Eの移動後の位置として算出する。
【0033】
上述したように移動後のアイコンの位置が算出されるので、選択されたアイコンの隣に位置するアイコンの表示位置が移動されることにより、選択されたアイコンと当該アイコンの隣に位置するアイコンとの間に所定距離以上の間隔が設けられる。これにより、ユーザは、選択したアイコンを容易に認識することができる。また、表示部18に表示された複数のアイコンのうち、移動されたアイコン以外のアイコンの視認性の低下が防止される。
【0034】
なお、図6及び図7に示す例では、アイコンEとアイコンE,E,E,Eとの間隔が所定距離より大きくなっているが、アイコンE〜Eが整然と配列されるように、アイコンE,E,E,Eの座標値は、移動後位置算出部15により調整されている。
【0035】
拡大率決定部16は、選択アイコン判定部12により判定されたアイコンと、当該アイコンの隣に位置するアイコンとの間隔に対する所定距離の割合を拡大率として決定する部分である。具体的には、選択アイコン判定部12により判定されたアイコンと、当該アイコンの隣に位置するアイコンとの間隔が「10」であって、所定距離が「15」である場合には、拡大率決定部16は、1.5(15/10)を拡大率として決定する。
【0036】
このように拡大率が決定されるので、選択されたアイコンと、当該アイコンの隣に位置するアイコンとの間隔に対する前記所定距離の割合に応じて決定された拡大率に基づき表示部18に表示された内容の全体が拡大される。これにより、選択されたアイコンと当該アイコンの隣に位置するアイコンとの間に所定距離以上の間隔が設けられる。これにより、ユーザによる、選択したアイコンのユーザによる認識が容易となる。
【0037】
表示制御部17は、表示態様変更部13により変更された表示態様に従って、複数のアイコンを表示部18に表示させる部分である。
【0038】
なお、表示態様変更部13は、アイコンの移動の可否に関する予め記憶された属性情報を参照して、アイコンの移動が可能か否かを判定する。この属性情報は、例えば、表示態様変更部13により記憶されており、情報端末1により実行されるアプリケーションごとに設定されることとしてもよいし、ユーザにより設定されることとしてもよい。
【0039】
アイコンの移動が可能であると判定された場合には、表示態様変更部13は、移動アイコン抽出部14及び移動後位置算出部15により移動対象のアイコンの移動後の位置を算出する。そして、表示制御部17は、算出された移動後の位置に従って、移動対象のアイコンを表示部18に表示させる。
【0040】
アイコンの移動が可能であると判定されなかった場合には、表示態様変更部13は、拡大率決定部16により拡大率を決定する。そして、表示制御部17は、拡大率決定部16により決定された拡大率に従って、表示部18に表示された表示内容の全体を拡大して複数のアイコンを表示部18に表示させる。ここで、図8を参照して、表示内容の全体を拡大して複数のアイコンを表示部18に表示させる処理について説明する。
【0041】
図8(a)は、表示内容の拡大前の表示例を示す図である。また、図8(b)は、表示内容の拡大後の表示例を示す図である。図8(a)に示すように、選択アイコン判定部12により、アイコンEが選択されたアイコンとして判定されると、拡大率決定部16は、選択されたアイコンEと、当該アイコンEの隣に位置するアイコンEとの間隔Cに対する所定距離の割合を拡大率として決定する。即ち、拡大率は、所定距離を間隔Cで除することにより得られる。そして、表示制御部17は、図8(a)に示されるような表示部18の表示領域Dに表示された表示内容の全体を、決定された拡大率に従って拡大して、図8(b)に示されるように表示領域Dに表示する。図8(b)におけるアイコンの間隔Cは、拡大の結果として、所定距離となっている。
【0042】
上述したように表示部18における表示態様の変更が行われるので、アイコンの移動が可能であれば、選択されたアイコンの隣に位置するアイコンの表示位置が移動されることにより、選択されたアイコンと当該アイコンの隣に位置するアイコンとの間に所定距離以上の間隔が設けられる。一方、アイコンの移動が可能でない場合であっても、決定された拡大率に基づき表示部18に表示された内容の全体が拡大されることにより、選択されたアイコンと当該アイコンの隣に位置するアイコンとの間に所定距離以上の間隔が設けられる。これにより、アイコンの移動が可能及び不可能のいずれの場合であっても、ユーザによる、選択したアイコンのユーザによる認識が容易となる。
【0043】
再び図1を参照して、表示部18は、表示制御部17の制御下で、アイコンを表示する部分である。
【0044】
次に、図9を参照して、情報端末1における表示制御方法について説明する。図9は、表示制御方法の処理内容を示すフローチャートである。
【0045】
まず、選択位置取得部10は、表示部18により受け付けられた選択入力の(選択入力受付ステップ)、表示部18の表示領域における選択位置を取得する(S1、選択位置取得ステップ)。続いて、選択アイコン判定部12は、選択位置取得部10により取得された選択位置に基づき、選択されたアイコンを判定する(S2、選択可能要素判定ステップ)。
【0046】
次に、表示態様変更部13は、表示態様変更部13は、アイコンの移動の可否に関する予め記憶された属性情報を参照して、アイコンの移動が許容されるか否かを判定する(S3)。アイコンの移動が許容される場合には、処理手順はステップS4に進められる。一方、アイコンの移動が許容されない場合には、処理手順はステップS7に進められる。
【0047】
ステップS4において、移動アイコン抽出部14は、選択アイコン判定部12により判定されたアイコンの隣に位置するアイコンを、移動対象のアイコンとして抽出する(S4)。続いて、移動後位置算出部15は、移動アイコン抽出部14により抽出された移動対象のアイコンの位置を移動させることにより、選択アイコン判定部12により判定されたアイコンと移動対象のアイコンとの間隔が所定距離以上離されて表示されるための、移動対象のアイコンの移動量を算出する(S5)。さらに、移動後位置算出部15は、算出された移動量を用いて、移動対象のアイコンの移動後の座標を算出する(S6、表示態様変更ステップ)。
【0048】
一方、ステップS7において、表示態様変更部13は、選択されたアイコンと、そのアイコンの隣に位置するアイコンとの間隔が所定値より小さいか否かを判定する(S7)。アイコン間の間隔が所定値より小さいと判定された場合には、処理手順はステップS8に進められる。一方、アイコン間の間隔が所定値より小さいと判定されなかった場合には、処理手順はステップS9に進められる。
【0049】
ステップS8において、拡大率決定部16は、選択されたアイコンと隣に位置するアイコンとの間隔が所定値に達するような、表示内容に対する拡大率を決定する(S8、表示態様変更ステップ)。
【0050】
そして、ステップS4〜S6が実施された場合には、ステップS9において、表示制御部17は、ステップS6において算出された移動後の座標に従って、移動対象のアイコンを表示部18に表示させる(S9、表示制御ステップ)。また、ステップS8が実施された場合には、ステップS9において、表示制御部17は、拡大率決定部16により決定された拡大率に従って、表示部18に表示された表示内容の全体を拡大して複数のアイコンを表示部18に表示させる(S9、表示制御ステップ)。また、ステップS7が実施された後にステップS8が実施されなかった場合には、ステップS9において、表示制御部17は、表示内容の変更を実施せずに、複数のアイコンを表示部18に表示させる(S9、表示制御ステップ)。
【0051】
なお、選択したアイコンに対する選択入力の確定は、例えば、表示部18のアイコンが表示された領域に接触していたユーザの指等を表示部18から離すことにより実現される。一方、表示部18のアイコンが表示された領域に接触していたユーザの指等を、表示部18に表示領域に接触させたままアイコンが表示された領域外に移動させることにより、選択したアイコンに対する選択入力が確定されないこととすることができる。
【0052】
また、選択したアイコンに対する選択入力が確定されなかった場合に、表示制御部17は、表示態様変更部13により変更された表示態様が維持されるように、表示部18に対する制御を実施することとしてもよい。表示態様の変更により、アイコン間の間隔が広げられているので、かかる制御により、選択したアイコン以外のアイコンの再選択が容易となる。
【0053】
なお、以上説明した実施形態では、表示態様変更部13は、移動アイコン抽出部14及び移動後位置算出部15並びに拡大率決定部16を有することとしているが、拡大率決定部16を有さずに、移動アイコン抽出部14及び移動後位置算出部15だけを有することとしてもよい。即ち、図9に示すフローチャートにおいて、ステップS3,S7〜S8が実施されないこととしてもよい。
【0054】
また、表示態様変更部13は、移動アイコン抽出部14及び移動後位置算出部15を有さずに、拡大率決定部16だけを有することとしてもよい。即ち、図9に示すフローチャートにおいて、ステップS3〜S6が実施されないこととしてもよい。
【0055】
次に、コンピュータを、本実施形態の情報端末1として機能させるための表示制御プログラムについて説明する。図10は、表示制御プログラム1mの構成を示す図である。
【0056】
表示制御プログラム1mは、表示制御処理を統括的に制御するメインモジュール100m、選択位置取得モジュール10m、アイコン座標記憶モジュール11m、選択アイコン判定モジュール12m、表示態様変更モジュール13m、表示制御モジュール17m及び表示モジュール18mを備えて構成される。また、表示態様変更モジュール13mは、移動アイコン抽出モジュール14m、移動後位置算出モジュール15m及び拡大率決定モジュール16mを含む。そして、各モジュール10m〜18mにより、情報端末1における各機能部10〜18のための各機能が実現される。なお、表示制御プログラム1mは、通信回線等の伝送媒体を介して伝送される態様であってもよいし、図7に示されるように、記録媒体1dのプログラム格納領域1rに記憶される態様であってもよい。
【0057】
以上説明した本実施形態の情報端末1、表示制御方法及び表示制御プログラムでは、ユーザによるアイコンに対する選択入力が行われると、選択されたアイコンと当該アイコンの隣に位置するアイコンとの間隔が所定距離以上離されて表示されるように、表示態様変更部13により表示部18における複数のアイコンの表示態様が変更される。これにより、ユーザは、選択したアイコンを容易に認識できる。従って、アイコンの選択操作における誤操作が防止される。
【0058】
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。例えば、以上説明した実施形態では、表示態様変更部13は、移動アイコン抽出部14及び移動後位置算出部15並びに拡大率決定部16を有することとしているが、拡大率決定部16を有さずに、移動アイコン抽出部14及び移動後位置算出部15だけを有することとしてもよい。即ち、図9に示すフローチャートにおいて、ステップS3,S7〜S8が実施されないこととしてもよい。
【0059】
また、表示態様変更部13は、移動アイコン抽出部14及び移動後位置算出部15を有さずに、拡大率決定部16だけを有することとしてもよい。即ち、図9に示すフローチャートにおいて、ステップS3〜S6が実施されないこととしてもよい。
【符号の説明】
【0060】
1…情報端末、10…選択位置取得部、11…アイコン座標記憶部、12…選択アイコン判定部、13…表示態様変更部、14…移動アイコン抽出部、15…移動後位置算出部、16…拡大率決定部、17…表示制御部、18…表示部、10m…選択位置取得モジュール、11m…アイコン座標記憶モジュール、12m…選択アイコン判定モジュール、13m…表示態様変更モジュール、14m…移動アイコン抽出モジュール、15m…移動後位置算出モジュール、16m…拡大率決定モジュール、17m…表示制御モジュール、18m…表示モジュール、1d…記録媒体、1m…表示制御プログラム、1r…プログラム格納領域、100m…メインモジュール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の選択可能要素を表示領域に表示すると共に、ユーザによる前記表示領域に対する物理的接触の検知により選択入力を受け付ける表示手段と、
前記表示手段により受け付けられた選択入力の、前記表示領域における選択位置を取得する選択位置取得手段と、
前記選択位置取得手段により取得された選択位置に基づき、選択された選択可能要素を判定する選択可能要素判定手段と、
前記選択可能要素判定手段により判定された選択可能要素と、該選択可能要素の隣に位置する選択可能要素との間隔が所定距離以上離されて前記表示手段に表示されるように、前記複数の選択可能要素の表示態様を変更する表示態様変更手段と、
前記表示態様変更手段により変更された表示態様に従って、前記複数の選択可能要素を前記表示手段に表示させる表示制御手段と
を備えることを特徴とする情報端末。
【請求項2】
前記表示態様変更手段は、
前記選択可能要素判定手段により判定された選択可能要素の隣に位置する選択可能要素を、移動対象の選択可能要素として抽出する移動要素抽出手段と、
前記移動要素抽出手段により抽出された移動対象の選択可能要素の位置を移動させることにより、前記選択可能要素判定手段により判定された選択可能要素と前記移動対象の選択可能要素との間隔が前記所定距離以上離されて表示されるための、前記移動対象の選択可能要素の移動後の位置を算出する位置算出手段とを有し、
前記表示制御手段は、前記位置算出手段により算出された移動後の位置に従って、前記移動対象の選択可能要素を前記表示手段に表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の情報端末。
【請求項3】
前記位置算出手段は、移動対象の選択可能要素の位置の移動により、前記移動対象の選択可能要素がその他の前記選択可能要素に重ならない位置を前記移動後の位置として算出する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報端末。
【請求項4】
前記表示態様変更手段は、
前記選択可能要素判定手段により判定された選択可能要素と、該選択可能要素の隣に位置する選択可能要素との間隔に対する前記所定距離の割合を拡大率として決定する拡大率決定手段を有し、
前記選択可能要素の移動の可否に関する予め記憶された属性情報を参照して、前記選択可能要素の移動が可能か否かを判定し、
前記選択可能要素の移動が可能である場合には、
前記表示制御手段は、前記位置算出手段により算出された移動後の位置に従って、前記移動対象の選択可能要素を前記表示手段に表示させ、
前記選択可能要素の移動が可能でない場合には、
前記表示制御手段は、前記拡大率決定手段により決定された拡大率に従って、前記表示手段に表示された表示内容の全体を拡大して前記複数の選択可能要素を前記表示手段に表示させる
ことを特徴とする請求項2または3に記載の情報端末。
【請求項5】
前記表示態様変更手段は、
前記選択可能要素判定手段により判定された選択可能要素と、該選択可能要素の隣に位置する選択可能要素との間隔に対する前記所定距離の割合を拡大率として決定する拡大率決定手段を有し、
前記表示制御手段は、前記拡大率決定手段により決定された拡大率に従って、前記表示手段に表示された表示内容の全体を拡大して前記複数の選択可能要素を前記表示手段に表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の情報端末。
【請求項6】
複数の選択可能要素を表示手段の表示領域に表示する表示ステップと、
ユーザによる前記表示領域に対する物理的接触の検知により選択入力を受け付ける選択入力受付ステップと、
前記選択入力受付ステップにおいて受け付けられた選択入力の、前記表示領域における選択位置を取得する選択位置取得ステップと、
前記選択位置取得ステップにおいて取得された選択位置に基づき、選択された選択可能要素を判定する選択可能要素判定ステップと、
前記選択可能要素判定ステップにおいて判定された選択可能要素と、該選択可能要素の隣に位置する選択可能要素との間隔が所定距離以上離されて前記表示手段に表示されるように、前記複数の選択可能要素の表示態様を変更する表示態様変更ステップと、
前記表示態様変更ステップにおいて変更された表示態様に従って、前記複数の選択可能要素を前記表示手段に表示させる表示制御ステップと
を有することを特徴とする情報端末における表示制御方法。
【請求項7】
コンピュータに、
複数の選択可能要素を表示領域に表示すると共に、ユーザによる前記表示領域に対する物理的接触の検知により選択入力を受け付ける表示機能と、
前記表示機能により受け付けられた選択入力の、前記表示領域における選択位置を取得する選択位置取得機能と、
前記選択位置取得機能により取得された選択位置に基づき、選択された選択可能要素を判定する選択可能要素判定機能と、
前記選択可能要素判定機能により判定された選択可能要素と、該選択可能要素の隣に位置する選択可能要素との間隔が所定距離以上離されて前記表示機能により表示されるように、前記複数の選択可能要素の表示態様を変更する表示態様変更機能と、
前記表示態様変更機能により変更された表示態様に従って、前記複数の選択可能要素を前記表示機能に表示させる表示制御機能と
を実現することを特徴とする表示制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−208633(P2012−208633A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−72671(P2011−72671)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】