説明

情報端末装置

【課題】端末本体を複数の電子ペンで共用する場合に、実行が許可された機能に変更などが生じても、情報端末装置の利便性が損なわれることを防止する。
【解決手段】電子ペン50は、端末本体10が実行する複数の機能について、自身の電子ペンによる指定を契機とした実行が許可されているか否かを示すフラグを関連付けた機能制限管理テーブル59を記憶し、端末本体10は、電子ペンから機能制限管理テーブル59を取得する端末通信部20と、取得した機能制限管理テーブルを保存する管理テーブル保存部182と、電子ペンにより操作されるタブレット28と、電子ペンがタブレットに対し、いずれ一つの機能を指定したときに、管理テーブル保存部182に保存された機能制限管理テーブルから、指定された機能に関連付けられたフラグを読み出して、当該指定された機能の実行を許可するか否かを判定する実行判定部122と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末本体に対し、電子ペンにより各種の入力や指示を与える情報端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイや電子ペーパーなどの表示体にタブレットの入力面を重ねて配置した端末本体と、上記タブレットに各種の入力や指示を与える電子ペンとにより構成された情報端末装置が知られている。また、情報端末を複数のユーザーで共有して使用する場合、電子ペンの識別情報が端末本体側で登録された識別情報と一致したときに、当該登録された識別情報に付加されている情報を表示体に表示させる技術も知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−328736号公報(図1、段落0012、0013参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、端末本体を複数の電子ペンで共用する場合に、次のような要望がある。例えば、ある電子ペンによる入力や指示に対しては、ページの移動のような機能の実行だけを許可して、当該電子ペンの操作者に対し電子文書を閲覧する権限だけを与える一方で、別の電子ペンによる指示等があったときには、ページの移動に加え、ページの削除および手書きの追加の機能についても許可して、当該別の電子ペンの操作者に対し電子文書の閲覧のみならず編集の権限も与える、などのように電子ペンの操作者毎に端末本体の使用権限に差を設けたい、という要望がある。
【0005】
しかしながら、上記技術を用いて、電子ペン毎に、実行可能(または実行不許可機能)な機能に関する情報を端末本体側で登録すると、許可する機能に変更が生じたり、共用する電子ペンの追加などが発生したりしたときに、その都度、端末本体の登録内容を更新する必要がある。端末本体を更新する場合には、一時的にせよ複数のユーザーの誰もが使用できない状態になるから、利便性が大きく損なわれることになる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、端末本体を複数の電子ペンで共用する場合に、許可された機能に変更などが生じても、情報端末装置の利便性が損なわれることを防止することが可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る情報端末装置にあっては、端末本体と、電子ペンとを有し、前記電子ペンは、前記端末本体が実行する複数の機能について、自身の電子ペンによる指定を契機とした実行が許可されているか否かを示すフラグを関連付けた機能制限管理テーブルを記憶し、前記端末本体は、前記電子ペンから前記機能制限管理テーブルを取得する端末通信部と、取得された機能制限管理テーブルを保存する管理テーブル保存部と、前記電子ペンにより操作されるタブレットと、前記電子ペンが前記タブレットに対し、前記複数の機能のうち、一の機能を指定したときに、前記管理テーブル保存部に保存された機能制限管理テーブルから、前記一の機能に関連付けられたフラグを読み出して、当該指定された機能の実行を許可するか否かを判定する実行判定部と、を具備することを特徴とする。本発明によれば、電子ペンによる指定を契機とした実行が許可されているか否かを示すフラグが機能毎に関連付けられた機能制限管理テーブルを、当該電子ペンから端末本体が取得する。したがって、端末本体側では、電子ペンの機能制限に関する情報を記憶する必要がなく、電子ペンの使用制限に変更などが生じても、当該電子ペンに記憶される機能制限管理テーブルを変更すれば済むので、情報端末装置の利便性が損なわれることを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施形態に係る情報端末装置のハードウェアの構成を示す図である。
【図2】情報端末装置における機能の構成を示すブロック図である。
【図3】電子ペンに記憶される機能制限管理テーブルの一例を示す図である。
【図4】端末本体に記憶される機能参照テーブルの一例を示す図である。
【図5】情報端末装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】情報端末装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】比較例に係る端末本体に記憶されるテーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、実施形態に係る情報端末装置のハードウェアの構成を示す図である。
この図に示されるように、情報端末装置1は、端末本体10と電子ペン50とを備え、このうち、端末本体10は、CPU12、ROM14、RAM16、端末記憶部18、端末通信部20、表示体制御部22、表示体24、タブレット制御部26、タブレット28、電源制御部30およびバッテリー32を含む。
CPU12は、バスを介して各部を制御するものであり、特に本実施形態にあっては後述する機能実行プログラムを実行することによって、電子ペン50による入力や指示などに応じた各種の機能を実行する。ROM14は、BIOS(basic input output system)などを記憶し、RAM16は、CPU12がプログラムを実行する際に一時的に発生するデータ等を記憶する。
【0009】
端末記憶部18は、フラッシュメモリー等の不揮発性メモリーであり、上記機能実行プログラムや、後述する機能参照テーブルなどを記憶したり、管理テーブル保存部としての領域が割り当てられたりする。端末通信部20は、電子ペン50と各種データの送信および受信を制御するものである。表示体制御部22は、表示体24に対する描画をCPU12の指示にしたがって制御するものである。
なお、表示体24は、液晶や電子ペーパーなどのような表示デバイスであり、例えば1以上のページからなる電子文書をページ単位で表示する。
電源制御部30は、端末本体10における電源のオンオフ制御や、充電可能なバッテリー32の残量管理などを行うものである。
【0010】
タブレット28の入力面(電子ペン50によって操作される面)は、透明性を有し、表示体24の表示面よりも観察側に重ねて配置される。このため、表示体24によって表示された画面を電子ペン50によってタップ(軽く突く)したり、なぞたったりすることによって各種の入力や指示を与えることが可能となっている。
タブレット制御部26は、タブレット28の検出信号から、電子ペン50で指定された位置に相当するx、y座標を生成して、CPU12に出力するものである。
【0011】
なお、本実施形態においてタブレット28は、例えば電磁誘導方式によって電子ペン50で指定された座標を検出する。タブレットによる座標検出は、本発明の特徴部分ではないので、詳細については省略するが、タブレット28には、その入力面にループ型のセンサーコイルがx座標検出用とy座標検出用とそれぞれ複数設けられる一方、電子ペン50は、そのペン先の鉄心にコイル55が巻線されるとともに、コイルにコンデンサー(図示省略)が接続された構成となっている。この構成において、センサーコイルに交流電流を流すと、入力面に磁界が発生し、電子ペン50の先端が存在していれば、発生磁界に反応してペン側のコイル55に誘導電流が流れ、コンデンサーに電荷が蓄積される。ここで、ループ型センサーコイルに交流電流を流すのを停止させると、コンデンサーに蓄積された電荷がペン側のコイルに電流が流れ、これにより磁界が発生し、ペンの先端付近に位置するセンサーコイルに誘導電流が流れる。この誘導電流が流れるセンサーコイルをx座標系とy座標系とで特定するとともに、この特定動作を、例えば1秒間に複数回繰り返すことによって、タブレット制御部26は、タブレット28の入力面に電子ペンの先端が位置しているか否かを、さらに位置している場合には、そのx、y座標を求めることができる。
もっともタブレットとしては、電子ペン50の座標を検出できるものであれば、電磁誘導方式以外のものであっても良い。
【0012】
一方、電子ペン50は、コイル55、機能制限管理テーブル59、ペン通信部60を含む。機能制限管理テーブル59は、不揮発性メモリーに記憶されたものであり、詳細については後述する。また、ペン通信部60は、端末通信部20と各種データなどを送信および受信するものである。
【0013】
本実施形態では、電子ペンとして複数の種類が用意されるとともに、電子ペン毎に端末本体で実行可能な機能が異なる。そこで説明便宜のために、本実施形態では、電子ペンとして2種類のものを用意するとともに、電子ペンを区別して説明する場合には、その符号を例えば50a、50bとする。なお、電子ペン50a、50bでは、機能制限管理テーブル59の内容が互いに異なっている。一方、電子ペンを特に区別しないで説明する場合には、その符号を単に50とする。
【0014】
このようなハードウェア構成において、端末本体10にて機能実行プログラムが実行されたときに構築される機能ブロックについて説明する。図2は、この機能ブロックを示す図である。
この図において、端末本体10のうち、実行判定部122および機能実行部124は、それぞれ図1におけるCPU12が上記機能実行プログラムを実行することによって構築される機能ブロックである。タブレット検出部262および座標出力部264は、図1におけるタブレット制御部26を機能別に分けたものである。
管理テーブル保存部182は、端末記憶部18に割り当てられる記憶領域であり、機能参照テーブル184は、端末記憶部18において記憶されたテーブルである。
【0015】
次に、電子ペンに記憶される機能制限管理テーブル59について説明する。図3(a)は、電子ペン50aに記憶される機能制限管理テーブルの一例を示す図である。
この図に示されるように、機能制限管理テーブル59では、端末本体10で実行される機能を識別するための機能識別情報(機能ID)毎に、当該機能が電子ペン50aによって指定されたときに、その機能の実行を許可する(OK)か、または、不許可(NG)とするか、を示すフラグが対応付けられている。
図3(b)は、電子ペン50aとは異なる電子ペン50bの機能制限管理テーブルの一例を示す図であり、図3(a)と同様に機能ID毎にフラグが対応付けられている。ただし、電子ペン50bの機能制限管理テーブルは、電子ペン50aの機能制限管理テーブルと比較して、機能IDに対応付けられるフラグが一部異なっている。
なお、図3(a)および図3(b)では、フラグが機能IDに対して一部のみ異なっているが、全部異なっていても良い。
【0016】
続いて、端末本体10に記憶される機能参照テーブル184について説明する。図4は、機能参照テーブル184の一例を示す図である。
この図に示されるように、機能参照テーブル184では、機能ID毎に、その機能を実行するための機能実行プログラムコードが一意に対応付けられているように管理されている。なお、機能参照テーブル184においては、機能ID毎に、機能名も対応付けられているが、これは、機能を概略的に説明するための便宜的なものに過ぎない。
【0017】
次に、端末本体10において機能実行プログラムが実行されたときの動作について説明する。
この機能実行プログラムを実行する際には、他のプログラムによって、例えば、表示体24の画面の一部に電子文書が表示されるとともに、他の部分に、端末本体10で実行予定の機能に各々に対応したメニューボタンが表示されているものとし、これらのメニューボタンを電子ペンによりタップすることで、タップされたメニューボタンに対応する機能が指定されるものとする。なお、電子ペンのタップによって機能が指定されても、許可されていなければ、その機能は端末本体10において実際に実行されることはない。
【0018】
図5および図6は、端末本体10において機能実行プログラムを実行したときの動作を示すフローチャートである。
まず、実行判定部122は、ステップS1において、電子ペン50の先端がタブレット28の入力面にタップされたか否かを判別する。電子ペン50がタップされると、タブレット検出部262がタブレットの入力面においてタップされた座標を出力し、座標出力部264が、タップされた座標を表示体24の表示座標に変換して、実行判定部122に供給する。このため、実行判定部122は、座標出力部264から座標が供給されればタップありと判別し、供給されなければタップなしと判別する。
タップなしと判別したとき、実行判定部122は、処理手順を再びステップS1に戻す。このため、タップがなければ、処理手順がステップS1を循環し続けるので、以降の処理は実行されない。一方、タップありと判別したとき、実行判定部122は、ステップS2において、タップ座標を座標出力部264から取得する。
【0019】
次に、実行判定部122は、ステップS3において、そのタップをした電子ペンから機能制限テーブル59を取得して、管理テーブル保存部182に保存させる。詳細には、実行判定部122は、例えば第1に、端末通信部20に対してテーブル要求命令を送出させ、第2に、このテーブル要求命令を受信したペン通信部60が、機能制限管理テーブル59を読み出して、当該機能制限管理テーブルを端末通信部20に返信し、第3に、実行判定部122は、機能制限管理テーブルの返信を受けた端末通信部20に対して、その機能制限管理テーブルを管理テーブル保存部182に保存させる。
【0020】
実行判定部122は、ステップS4において、タップ座標から、指定された機能を特定する。詳細には、メニューボタンへのタップは、当該メニューボタンの指定であるから、実行判定部122は、取得したタップ座標が表示体24に表示されたメニューボタンの表示領域のうち、いずれかに属しているかを判別する。これによって、指定された機能は、タップ座標が属する表示領域のメニューボタンに対応する機能である旨が特定される。
【0021】
実行判定部122は、ステップS5において、機能を指定した電子ペンに当該機能の実行が許可されているかを判定して、その判定結果に応じた内容をセットする処理(機能の実行判定処理)が実行される。この実行判定処理は、詳細には図6に示したステップS51〜S54である。
【0022】
まず、実行判定部122は、ステップS51において、管理テーブル保存部182に保存された機能制限テーブルから、指定された機能の機能IDに関連付けられたフラグを読み出す。次に、実行判定部122は、ステップS52において、読み出したフラグが「OK」であるか「NG」であるかを判定する。
実行判定部122は、機能実行部124に対し、フラグが「OK」であればステップS53において、指定された機能の実行を許可するととともに、当該機能を実際に実行させるため、当該機能の機能IDを通知する。また、実行判定部122は、機能実行部124に対し、フラグが「NG」であればステップS54において、指定された機能の実行を不許可(禁止)とする。なお、ステップS53またはS54の後、処理手順が図5のステップS6に移行する。
【0023】
次に、機能実行部124は、ステップS6において、電子ペンによって指定された機能が機能判定部122によって許可されたか、不許可であったかを判定する。
機能実行部124は、電子ペンによって指定された機能が機能判定部122によって許可されていれば、ステップS7において、機能参照テーブルを参照して、通知された機能IDに対応する機能実行プログラムコードを読み込み、ステップS8において、当該機能実行プログラムコードを実行する。
例えば、図3(a)に示されるような機能制限テーブル59を記憶する電子ペン50aが、機能ID「F002」の手書き追加の機能を指定したとき、当該機能に関連付けられるフラグは「OK」であるから、実行判定部122は、当該機能の実行を許可する旨を判定して、機能ID「F002」を機能実行部124に通知し、当該機能実行部124は、機能参照テーブル184を参照して機能ID「F002」の機能実行プログラムコードを読み込んで、これを実行する。これにより、以後、電子ペン50aによってタブレット28の入力面をなぞった軌跡(文字)を表示体24に表示される機能が、実際に実行されることになる。
【0024】
また、機能実行部124は、電子ペンによって指定された機能が機能判定部122によって不許可になっていれば、当該機能を実際に実行することがない。
例えば、電子ペン50aが、機能ID「F004」のページ削除の機能を指定したとき、当該機能に関連付けられるフラグは「NG」であるから、実行判定部122は、当該機能の実行を不許可する旨を判定する。これにより、機能実行部124に通知し、当該機能実行部124は、機能ID「F004」の機能実行プログラムコードを読み込むことはないので、表示体24に表示された電子文書のページを削除する機能が実行されることはない。
なお、このとき、指定された機能が実行されないことをユーザーに告知すべく、機能判定部122は、表示体制御部22に対し、その旨の表示の作成を依頼して、表示体24に表示させても良い(ステップS9)。
【0025】
ところで、電子ペンの機能制限に関する情報を端末本体側で登録する場合、その登録の内容は、例えば図7に示されるように、電子ペン毎に許可(または不許可)する機能の一覧を示すテーブルとなる。したがって、電子ペンの機能制限に関する情報を端末本体側で登録する構成において、電子ペンに許可する機能に変更が生じたとき、端末本体の登録内容を更新する必要があり、その更新の間、その端末本体をすべてのユーザーが使用できない状態になる。
これに対して、本実施形態では、端末本体10が、電子ペン毎に記憶された機能制限管理テーブルを当該電子ペンから取得するとともに、機能が指定されたときには、取得した機能制限管理テーブルを参照して当該機能の実行が許可されているか否かを判定する。したがって、本実施形態では、電子ペンに許可する機能に変更が生じても、その電子ペンの機能制限管理テーブルの内容を更新するだけで済み、他の電子ペンのみならず、端末本体の設定を変更しなくて良い。このため、許可する機能に変更が生じた電子ペン以外のユーザーは、なんら変わることなく普段通り、端末本体を使用できるから、利便性が損なわれることを防止することが可能となる。また、共用する電子ペンの追加が発生したときであっても、その追加する電子ペンに新たに機能制限テーブルを記憶させるだけで済む。
【0026】
一方、図7に示されるようなテーブルを端末本体側に記憶する構成において、複数の端末本体が用意されるときに、たとえ1つの端末本体のテーブルであっても更新し忘れてしまうと、実行する機能の制限内容が管理者の意図と異なってしまう。
これに対して、本実施形態によれば、電子ペンの機能制限に関する情報を端末本体側で登録する必要がないので、複数の端末本体と複数の電子ペンとを用いる場合でもあって、上述したような、実行する機能の制限内容が管理者の意図と異なってしまう事態を防止することもできる。
【0027】
特に、本実施形態によれば、端末本体10では、指定された機能が実行判定部124によって許可されなければ、当該指定された機能は実行されないので、電子ペンからみて、自身の電子ペンによる指定を契機として実行される機能を、端末本体で実行可能な機能の一部に制限することができるとともに、この制限内容を電子ペン毎に異ならせることも可能となる。
【0028】
換言すれば、端末本体10では、指定された機能の実行が実行判定部124によって許可されているときだけ、当該指定された機能が実行されるので、電子ペンからみて、自身の電子ペンによる指定を契機として実行される機能を、端末本体で実行可能な機能から選択することができる。
【0029】
本実施形態によれば、端末本体は、指定された機能の判定および実行にあたって、機能参照テーブルのように、各機能(プログラムコード)に機能IDを割り当てるだけで済むので、端末本体側の構成の複雑化したり、設定が煩雑化したりすることもない。
【0030】
なお、例えば図3(a)に示した機能制限テーブル59において、機能IDが「F001」〜「F005」以外のフラグは、「上記以外」として括られて「NG」となっている。これは、端末本体10で実行可能な機能が多数である場合であっても、その機能のすべてにわたってそれぞれフラグを関連付ける必要がないことを意味している。したがって、この意味においては、図3(a)の例では、機能ID「F001」および「F002」のフラグを「OK」として、これら以外のフラグを「上記以外」として括って「NG」とした内容であっても良い。
【0031】
また、上述した実施形態では、電子ペン50a、50bを用いる例を示したが、3種類以上の電子ペンを用いても良いのはもちろんである。3種類以上の電子ペンを用いる場合には、電子ペンの種類毎に図3(a)や図3(b)に示されるような機能制限テーブルが、電子ペンに記憶される。
さらに、電子ペンに、複数の機能制限テーブルを記憶させておくとともに、いずれか1つの機能制限管理テーブルをスイッチのような切り替え機構によって選択する構成としても良い。
くわえて、実施形態では、実行判定部122が、フラグが「OK」であれば、機能実行部124に機能IDを通知し、機能実行部124が、通知された機能IDに対応する機能実行プログラムコードを読み込む構成としたが、実行判定部122が、先に機能実行部124に機能IDを通知し、当該機能IDに対応するフラグが「OK」であったことを条件として、機能実行部124が、通知された機能IDに対応する機能実行プログラムコードを読み込む構成としても良い。
【符号の説明】
【0032】
1…情報端末装置、10…端末本体、12…CPU、20…端末通信部、24…表示体、28…タブレット、50…電子ペン、59…機能制限管理テーブル、122…実行判定部、124…機能実行部、182…管理テーブル保存部、184…機能参照テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末本体と、電子ペンとを有し、
前記電子ペンは、
前記端末本体が実行する複数の機能について、自身の電子ペンによる指定を契機とした実行が許可されているか否かを示すフラグを関連付けた機能制限管理テーブルを記憶し、
前記端末本体は、
前記電子ペンから前記機能制限管理テーブルを取得する端末通信部と、
取得された機能制限管理テーブルを保存する管理テーブル保存部と、
前記電子ペンにより操作されるタブレットと、
前記電子ペンが前記タブレットに対し、前記複数の機能のうち、一の機能を指定したときに、前記管理テーブル保存部に保存された機能制限管理テーブルから、前記一の機能に関連付けられたフラグを読み出して、当該指定された機能の実行を許可するか否かを判定する実行判定部と、
を具備することを特徴とする情報端末装置。
【請求項2】
前記端末本体は、
当該指定された機能が前記実行判定部によって許可されなければ、当該指定された機能を実行しない
ことを特徴とする請求項1に記載の情報端末装置。
【請求項3】
前記端末本体は、
当該指定された機能の実行が前記実行判定部によって許可されれば、当該指定された機能を実行する機能実行部を備える
ことを特徴とする請求項2に記載の情報端末装置。
【請求項4】
前記機能制限管理テーブルでは、前記複数の機能を識別する機能識別情報毎に前記フラグが関連付けられ、
前記端末本体は、前記機能識別情報毎に、前記機能を実行するためのプログラムコードを参照するための機能管理テーブルを有し、
前記電子ペンが前記タブレットに対し、前記複数の機能のうち、一の機能を指定したときに、
前記実行判定部は、保存された機能制限管理テーブルから、当該指定された機能の機能識別情報を特定し、
前記機能実行部は、前記機能管理テーブルから、当該特定された機能識別情報に対応するプログラムコードを参照する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報端末装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−28622(P2011−28622A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−175273(P2009−175273)
【出願日】平成21年7月28日(2009.7.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】