説明

情報表示装置

【課題】大型表示画面を有する情報表示装置において、ユーザの操作位置から離れた位置に表示されている対象を操作できるようにした情報表示装置を提供する。
【解決手段】この情報表示装置は、表示画面にタッチセンサを備え、該画面上でのタッチ操作により画面表示の操作が可能な情報表示装置であって、前記画面に表示される画像の縮小画像を表示する小画面領域を設定し、前記小画面領域におけるタッチ操作位置を前記表示画面上の位置に変換することにより、前記小画面領域におけるタッチ操作を前記表示画面における画面表示の操作に置き換えるようにしたので、前記表示画面と前記小画面に対して行われた操作を区別なく実行できるようになった。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報表示装置に関し、特に、大型表示画面を利用して情報表示する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ホワイトボードには、マジックなどの筆記手段によりホワイトボード上に書き込まれた議事内容(イメージ情報)を光学的に走査して、得られたイメージ情報を感熱紙に印刷する印刷手段が備えられており、前記印刷手段を用いて、会議終了後にホワイトボード上に書き込まれた議事内容(イメージ情報)を感熱紙に印刷し、さらに会議参加者への配布のためにそのコピーを配布したりしている。
【0003】
また、従来のホワイトボードを利用した会議においては、印刷された議事内容を、会議終了後、新たにワードプロセッサなどを用いて電子化する作業が必要な場合がある。
特許文献1には、直接入力手段(例えば、タッチペン)を用いて大型ディスプレイ上に議事内容を自由な書式で直接的に書き込み、これらの議事内容を全て電子化することにより、会議終了後の文書管理、参加者への配布、そして内容の加工などが簡単に実行する電子会議システムが提案されている。
【特許文献1】特開2000−56747号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような電子会議システムでは、ある程度の広さのある会議室での使用が想定されており、高さは人の手の届く範囲で、幅も人の移動距離が障害にならないものである。
【0005】
しかし、液晶ディスプレイ等の表示装置の大型化が進んでおり、大学の講義室や国際会議場のような広い場所に大型化された表示装置が設置された場合、上部に手が届かないとか、端まで行って書いたり、操作するのには労力を要するということが発生してきている。
【0006】
本発明は、上述のような実情を考慮してなされたものであって、大型表示画面を有する情報表示装置において、ユーザの操作位置から離れた位置に表示されている対象を操作できるようにした情報表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の情報表示装置は、表示画面にタッチセンサを備え、該画面上でのタッチ操作により画面表示の操作が可能な情報表示装置であって、前記画面に表示される画像の縮小画像を表示する小画面領域を設定し、前記小画面領域におけるタッチ操作位置を前記表示画面上の位置に変換することにより、前記小画面領域におけるタッチ操作を前記表示画面における画面表示の操作に置き換えて、リモート操作可能としたものである。
【0008】
ここで、前記小画面領域におけるタッチ操作位置を前記表示画面上の位置に変換する場合、前記小画面領域におけるドラッグ操作が該小画面領域のいずれかの辺を越えたときには、前記表示画面上では当該辺に対応する辺を越さない位置に変換するようにし、前記小画面へのタッチ操作と前記表示画面へのタッチ操作とが同一となるようにした。
【0009】
また、前記小画面領域の大きさ、位置は予め設定可能としてもよいし、前記小画面領域の大きさや位置を設定以後も再設定できるようにしてもよい。
このとき、前記小画面領域の大きさは、前記小画面領域の縦の大きさを、前記画面の表示領域の下辺から任意のタッチ位置までの高さとし、前記小画面領域の縦横比を、前記表示画面の縦横比と同じに設定する。
前記小画面領域の位置は、前記表示画面のタッチ位置から近い方の左右いずれかの隅、あるいは、情報表示装置を操作する入力部の近傍に設定されるものとしてもよい。
【0010】
さらに、前記小画面領域を移動可能としたり、前記小画面領域の大きさを変更可能としたり、前記小画面領域の設定を任意に解除可能としてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、大型表示画面を有する情報表示装置において、ユーザの操作位置から離れた位置に表示されている対象を容易に操作することができる。
さらに、インタラクティブ・ホワイトボード機能を有する大型表示画面の情報表示装置に適用すると特に効果が発揮される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態について説明する。
【0013】
<実施形態1>
本実施形態1では、インタラクティブ・ホワイトボード機能を有する大型表示画面の情報表示装置を例にして説明する。ここで、インタラクティブ・ホワイトボード機能とは、コンピュータのデスクトップを表示する2次元表面型のデバイスであり、ユーザがその表面上に行った文字や図の書き込みや表示された対象(例えば、表示されたウィンドウ、文字、図や画像等)の編集操作をコンピュータに入力する機能を備えており、電子黒板としての利用も可能であるが、より汎用的な対話型コンピュータスクリーンとして使用可能なものである。このインタラクティブ・ホワイトボード機能による利用場面としては、学校、ビジネスでのプレゼンテーション、共同作業などが考えられる。
【0014】
本実施形態1の大型表示画面は、縦長の表示画面を用いて説明するが、縦長のものであっても、横長のものであっても構わない。
図1に示すように、表示画面の全体領域は、大画面領域と、小画面領域と、システム領域とから構成され、それぞれの画面領域の左下隅を原点、右水平方向をX軸の正方向、垂直上方向をY軸の正方向とみなしたXY座標系で表されるものとする。
ここで、小画面領域は、大画面領域の左下隅に表示されるものとし、大画面と小画面のサイズは、大画面は、横のサイズLx、縦のサイズLyであり、小画面は、横のサイズlx、縦のサイズlyであるものとする。このサイズの単位は、画素単位であっても、m単位であっても構わない。
【0015】
この小画面は、大画面を縮小した画面であり、小画面で行った操作や表示はすべて大画面へ、また逆に、大画面で行った操作や表示はすべて小画面へ反映されるようになっている。したがって、大画面上の位置P1と小画面の位置P2が対応しているとすると、小画面上の位置P2における対象(ウィインドウ、文字、図形や画像等)への操作や表示、書き込みは、大画面上の位置P1における対象への操作や表示、書き込みと同じである。
【0016】
尚、システム領域は、制御プログラムやアプリケーションプログラム等が使う表示モード選択部等の操作メニューや電源ON・OFF等の操作指示に使われる領域であり、右下隅に表示されるものとする。しかし、システム領域を設けずに、情報表示装置の画面外にボタン等を設けて操作するようにしても構わない。また、システム領域自体も大画面中に表示させるようにしても構わない。
【0017】
次に、本実施形態1の大型表示画面の操作概要について説明する。
例えば、図2(A)のように、大画面の上方にウィンドウ1が表示されており、そのウィンドウ1の特定の箇所を指示したいが、ユーザの持つ指示手段(例えば、電子ペン、指や棒等)ではその特定の箇所に届かない場合について考える。
ユーザは、指示手段の届く位置にある小画面上に表示されたウィンドウ2に対して特定の箇所を指示することによって、大画面のウィンドウ1をリモートに指示する。
例えば、ウィンドウ1を大画面の下方へ移動させたいときには、小画面に表示されたウィンドウ2のタイトルバーを指示手段によってドラッグすると、図2(B)のように、ウィンドウ1が大画面の下方に移動されて表示される。
【0018】
次に、情報表示装置のハードウェア構成について説明する。
図3は、情報表示装置のハードウェア構成を表すブロック図であり、同図において、情報表示装置10は、画像表示部11、タッチセンサ12、主制御部13、記憶部14とからなっている。この情報表示装置10では、画像表示部11とタッチセンサ12とからなる表示装置と、主制御部13、記憶部14とからなる情報処理装置とを一体型の装置で構成するものとして説明するが、これらの装置を別々の装置で構成しても構わない。
【0019】
記憶部14は、例えば、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)などで構成され、主制御部13で実行される制御プログラム、各種アプリケーションプログラム、これらのプログラムによって使用されるデータを格納したり、これらのプログラムの実行途中で一時的に発生するデータを格納するバッファとしても使用する。
【0020】
画像表示部11は、大型表示画面を有する液晶ディスプレイ等で構成され、制御プログラムや各種アプリケーションプログラムによって実行された結果の画像データを大型表示画面に表示する。
【0021】
入力部20は、情報表示装置の表面が感圧式であったり、赤外線を使った位置検知システムなどを使用している場合、表面画面の位置(座標)を指示可能な指示手段(ポインティングデバイス)である。この指示手段は、例えば、人間の指、鉛筆、電子ペンや棒等が考えられる。
【0022】
タッチセンサ12は、例えば、赤外線センサや感圧あるいは静電容量の変化により、入力部20の接触位置と接触状況とからなる位置情報を主制御部13へ送信する。
ここで、接触状況とは、「接触状態」または「非接触状態」のことを言う。「接触状態」は、入力部20が表示画面へ接触したままの状態のことであり、「非接触状態」は、1度接触したクリック、2度接触したダブルクリック、あるいは、接触状態から入力部20を離した状態のことを言う。
接触位置とは、入力部20が表示画面に接触したときの座標か、あるいは、非接触となったときの座標のことを言い、表示画面の座標系で表される。
また、タッチセンサ12は、入力部20が接触したままとなった場合には、所定の間隔で接触状況を監視し、接触位置と接触状況とからなる位置情報を逐次主制御部13へ送信する。
【0023】
主制御部13は、例えば、CPU(中央処理ユニット)等で構成され、記憶部14に記憶された制御プログラムや各種アプリケーションプログラムを実行することによって、当該装置10の全体を制御する。
この制御プログラムは、当該装置の全体を制御するプログラムであり、該制御プログラムあるいはアプリケーションプログラムで指示された描画命令や描画結果を大画面および小画面へ出力する画像出力部も含まれている。
【0024】
次に、本実施形態1に係る情報表示装置の機能構成について、図4のブロック図に基づいて説明する。同図において、情報表示装置の機能は、制御部31、小画面設定部32、位置情報変換部33、画像出力部34を含んで構成されている。また、これらを動作させるために、画面管理テーブル35を必要とする。
【0025】
制御部31は、制御プログラムの一部として構成され、ここでは、小画面設定部32、位置情報変換部33、画像出力部34を制御するとともに、アプリケーションプログラムの実行管理を行うものである。
【0026】
まず、画像出力部34で大画面と小画面を管理するための画面管理テーブル35について説明する。この画面管理テーブル35は、記憶部14に記録されており、図5に例示したようなデータ項目がある。
【0027】
画面区分:大画面または小画面のいずれかを示す区分データを記憶する。
表示位置:画面区分で表される画面の左下方隅の位置を表す座標を記憶する。大画面は、表示画面の原点に固定されるが、小画面は既定値またはユーザによる設定により、可変である。
画面の大きさ:画面区分で表される画面の大きさを幅と高さで記憶する。ここでは、大画面は幅Lx、高さLyとし、小画面は、幅lx、高さlyとする。
【0028】
さて、画像出力部34は、制御プログラムやアプリケーションプログラムから指令された描画命令を実行することによって、大画面用の画像データを生成して、記憶部14に確保されているメインバッファメモリへ出力する。
次に、メインバッファメモリに記憶されている画像データを、小画面の大きさ(幅と高さ)に一致するように縮小して、小画面用の画像データとして、記憶部14に確保されているサブバッファメモリへ生成する。
そして、サブバッファメモリに生成された小画面の画像データが大画面上の小画面の表示位置に表示されるように、メインバッファメモリに記憶されている大画面の画像データに上書き合成して、記憶部14に確保されている画像メモリへ書き出す。
【0029】
このようにして、画像出力部34は、画像メモリが書き換わると、書き換わった画像メモリの内容を画像表示部11へ送って、大型表示画面に大画面および小画面を表示させる。
【0030】
小画面設定部32は、画面管理テーブル35の小画面の大きさを次のようにして設定する。
ユーザは、システム領域に設定されている表示モード選択の「小画面領域設定」ボタンをクリックする。
制御部31は、タッチセンサ12から受け取った位置情報(接触状況、接触位置)から、ユーザが「小画面領域設定」ボタンをクリックしたと判断すると、小画面設定部32を起動する。
【0031】
小画面設定部32は、起動されると、タッチセンサ12から、ユーザが入力部20によって表示画面(大画面)をクリックした位置情報が送られて来るまで待つ。
ユーザは、ユーザの届く範囲で入力部20により表示画面(大画面)をクリックする。例えば、図6(A)のように、大きさが(Lx×Ly)の大画面に対して、高さlyの位置Qをクリックする。
【0032】
小画面設定部32は、タッチセンサ12から送られた接触位置が大画面であり、接触状況がクリックであると判断すると、大画面の下辺からクリックした接触位置までの高さを小画面の高さとして決定し、この高さを大画面の大きさの縦横比の比率に合わせて小画面の幅を算出する。これにより、小画面領域は、原点(1,1)と点(lx,ly)を対角とする領域となり(図6(B))、画面管理テーブル35の小画面の「大きさ」に高さと幅を設定する。例えば、図6(A)の場合には、Lx=1080、Ly=1920、ly=800とすると、幅lxは次のように算出される。
lx=(Lx/Ly)×ly=(1080/1920)×800=450
小画面設定部32は、画面管理テーブル35を参照して、小画面に大画面の縮小された画像を表示して実行を終了する(図6(C))。
【0033】
次に、制御部31は、タッチセンサ12から受け取った位置情報が、システム領域以外の時には、位置情報変換部33を起動する。
位置情報変換部33は、タッチセンサ12から送られてきた位置情報を受け取り、後述する方法で、接触位置の座標を大画面の座標系に変換し、変換した座標と接触状況とを制御部31に送る。
【0034】
制御部31は、位置情報変換部33から送られてきた入力部20の接触状況および変換された大画面上の接触位置の座標を、動作中のアプリケーションプログラムへ送る。このアプリケーションプログラムとしては、例えば、電子黒板システムがある。
【0035】
これにより、アプリケーションプログラムでは、大画面を入力部20によってポインティングした場合でも、また、小画面をポインティングした場合でも、常に大画面上の座標として与えられるため、ユーザがいずれの画面でポインティング操作を行っても同じ結果が得られることになる。
【0036】
次に、タッチセンサ12で取得した接触位置を大画面の座標系に変換する処理を図7のフローチャートを用いて説明する。
以下、小画面の原点を大画面の原点と同じとし、接触位置の座標を(x,y)、幅をlx、高さをlyとし、また、大画面の幅をLx、高さをLyとし、変換された大画面上の接触位置の座標を(X,Y)として説明する。
【0037】
画面管理テーブル35の小画面の「表示位置」と「表示の大きさ」とで表される小画面領域内に接触位置(x,y)があるかを調べる(ステップS1)。
【0038】
小画面領域内に接触位置(x,y)があれば(ステップS1/YES)、次の式により接触位置(x,y)を大画面上の座標(X,Y)に変換し、変換した座標(X,Y)を出力して処理を終了する(ステップS2)。
【0039】
X=(Lx/lx)×x
Y=(Ly/ly)×y
【0040】
一方、大画面領域内に接触位置(x,y)があれば(ステップS1/NO)、接触位置(x,y)をそのまま大画面上の座標(X,Y)として、出力して処理を終了する(ステップS3)。
【0041】
しかし、入力部20の接触位置が小画面領域内にあったときに、入力部20を接触したまま小画面領域の外に動かした場合、上記の計算では大画面の領域外へ出てしまい、小画面領域での操作と大画面の操作とが一致しなくなる。
このために、上記ステップS2の変換を次のように行って、小画面領域から外へ出るような変換を防ぐ。
【0042】
(1)x<1の場合:
X=1、 Y=(Ly/ly)×y
(2)x>lxの場合:
X=Lx、 Y=(Ly/ly)×y
(3)y<1の場合:
X=(Lx/lx)×x、 Y=1
(4)y>lyの場合:
X=(Lx/lx)×x、 Y=Ly
【0043】
<実施形態1の変形例>
上述の実施形態1では、小画面領域の設定位置は、予め設定された既定値(大画面の左下隅)にしていたが、これに限定されるものではなく、既定値をユーザが設定しても、大画面の中央下、右下隅(システム領域の近傍)としても良いし(図8(A))、また、ユーザのタッチした位置、あるいは、タッチした位置に近い右下隅、中央下、左下隅としてもよい(図8(B))。
また、小画面領域の大きさについても、タッチ位置により自動的に算定するだけでなく、ユーザが予め既定値として設定しておいても構わない。
【0044】
<実施形態2>
上述の実施形態1やその変形例では、小画面領域はユーザが指定した後に、常に表示するものとして説明した。
しかし、大画面に表示されているものを直接ユーザが操作できる場合には、小画面の表示は必要ではなく、また、大画面の一部が小画面によって隠されて見えなくなるという不都合が出てくる。
そこで、実施形態2では、ユーザによって任意に小画面領域を表示あるいは非表示としたり、表示位置を移動したり、リサイズ(拡大・縮小)することができるようにしたものである。
【0045】
図9は、本実施形態2に係る情報表示装置の機能構成を示すブロック図である。同図において、情報表示装置の機能は、制御部31、小画面設定部32、位置情報変換部33、画像出力部34、表示可否設定部36、表示位置移動部37、画面サイズ変更部38を含んで構成されている。また、これらを動作させるために、画面管理テーブル35を必要とする。
ここで、表示可否設定部36、表示位置移動部37、画面サイズ変更部38は、必須の構成要素ではなく、必要に応じて適宜選択されるものである。
また、実施形態1やその変形例と同じ機能構成要素については、同じ符号を付して、その説明は変更や追加についてのみ説明する。
【0046】
まず、図10を参照して、画面管理テーブル35に追加された部分について説明する。
【0047】
画面区分:大画面または小画面のいずれかを示す区分データを記憶する。
表示位置:画面区分で表される画面の左下方隅の位置を表す座標を記憶する。大画面は、表示画面の原点に固定されるが、小画面は既定値またはユーザによる設定により、可変である。
表示の大きさ:画面区分で表される画面の大きさを幅と高さで記憶する。ここでは、大画面は幅Lx、高さLyとし、小画面は、幅lx、高さlyとする。
表示可否:画面区分で表される画面が表示可であるときにはON、あるいは、非表示であるときにはOFFのフラグを記憶する。大画面の場合には、常に表示するためONに固定である。この項目は、小画面を常に表示させる場合には不要であるが、本実施形態2では、小画面を表示させたり、非表示とするため必要なデータ項目である。
【0048】
表示可否設定部36は、画面管理テーブル35の小画面領域の表示可否のフラグを次のようにして設定する。
ユーザは、システム領域のうちの表示モード選択の「小画面の表示」の項目のうち「する」または「しない」のいずれかのボタンをクリックする。
制御部31は、タッチセンサ12から受け取った位置情報(接触状況、接触位置)から、ユーザがシステム領域のうちの表示モード選択の「小画面の表示」の項目のいずれかのボタンをクリックしたと判断すると、表示可否設定部36を起動する。
表示可否設定部36は、起動されると、ユーザが「する」のボタンをクリックしたと判断すると、画面管理テーブル35の小画面の「表示可否」にONを設定し、「しない」のボタンをクリックしたと判断するとOFFを設定して実行を終了する。
【0049】
これにより、画像出力部34では、画面管理テーブル35の小画面の表示可否のフラグがONの場合、メインバッファメモリに記憶されている画像データを、小画面の大きさ(幅と高さ)に一致するように縮小して、小画面用の画像データとして、記憶部14に確保されているサブバッファメモリへ生成する。
そして、サブバッファメモリに生成された小画面の画像データが大画面上の小画面の表示位置に表示されるように、メインバッファメモリに記憶されている大画面の画像データに上書き合成して、記憶部14に確保されている画像メモリへ書き出す。
【0050】
また、画面管理テーブル35の小画面の表示可否のフラグがOFFの場合、メインバッファメモリに記憶されている画像データを画像メモリへ書き込む。
このようにして、画像出力部34は、画像メモリが書き換わると、書き換わった画像メモリの内容を画像表示部11へ送って、大型表示画面に大画面および小画面、あるいは、大画面だけを表示させる。
【0051】
表示位置移動部37は、画面管理テーブル35の小画面の表示位置の変更を次のようにして設定する。
ユーザは、入力部20により、小画面のいずれかの辺を掴んで所望の位置までドラッグして、掴んだ辺を開放する。
制御部31は、ドラッグを開始した時の位置情報(接触状況、接触位置)から、小画面領域の4辺のうちのいずれかが掴まれたと判断すると、表示位置移動部37を起動する。
表示位置移動部37は、起動されると、小画面領域の掴んだ辺が放されたことを検出するまで、タッチセンサ12から送信される位置情報を得る。この間、表示位置移動部37は、ドラッグされる小画面の輪郭を移動表示する。
そして、表示位置移動部37は、小画面領域の掴んだ辺が放されたことを検出すると、現在表示されている小画面の左下隅の座標を画面管理テーブル35の小画面の「表示位置」に設定し、小画面の中に大画面の縮小した画像を表示して実行を終了する。
【0052】
画面サイズ変更部38は、画面管理テーブル35の小画面領域の大きさの変更を次のようにして設定する。
ユーザは、入力部20によって、小画面領域のいずれかの隅を掴んで所望の大きさになるまでドラッグして、掴んだ隅を開放する。
制御部31は、タッチセンサ12から受け取った位置情報(接触状況、接触位置)から、小画面の4隅のうちのいずれかが掴まれたと判断すると、画面サイズ変更部38を起動する。
画面サイズ変更部38は、起動されると、小画面領域の掴んだ隅が放されたことを検出するまで、タッチセンサ12から送信される位置情報を得る。この間、画面サイズ変更部38は、ラバーバンドで伸縮する小画面の輪郭を表示する。
そして、画面サイズ変更部38は、小画面領域の掴んだ隅が放されたことを検出すると、現在表示されている小画面の高さと幅を画面管理テーブル35の小画面の「表示の大きさ」に設定し、小画面の中に大画面の縮小した画像を表示して実行を終了する。
【0053】
また、位置情報変換部33は、画面管理テーブル35の小画面の「表示可否」のフラグがOFFであれば、接触位置をそのまま大画面上の座標として出力する。また、画面管理テーブル35の小画面の「表示可否」のフラグがONであれば、実施形態1と同様に、接触位置が小画面内か大画面内かによって、接触位置の座標を大画面の座標へ変換する。
【0054】
また、上述のように小画面領域の表示位置が可変になった場合には、位置情報変換部33における座標変換は、小画面領域の原点を(x,y)とした場合、実施形態1で説明した変換式のx、yの代わりにそれぞれ(x−x)、(y−y)とすることによって利用可能である。
【0055】
また、上記の実施形態では、小画面の表示はユーザの指示によって表示の可否を指示するようにしたが、小画面を操作して、大画面に表示された対象をユーザが直接操作できるようになったときには、画面管理テーブル35の小画面の「表示可否」のフラグをOFFに設定し、自動的に小画面を表示させないようにしても良い。
例えば、図2のようにウィンドウ2を画面の下方に移動させた結果、ウィンドウ1が大画面の下方に移動し、ユーザが直接大画面のウィンドウ1を操作できるようになったときに、小画面の表示を自動的にOFFにするようにする。
【0056】
尚、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で各種の変形、修正が可能であるのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】表示画面における各画面領域および座標軸を説明する図である。
【図2】大型表示画面の操作概要を説明する図である。
【図3】情報表示装置のハードウェア構成を表すブロック図である。
【図4】実施形態1に係る情報表示装置の機能構成を表すブロック図である。
【図5】実施形態1における画面管理テーブルのデータ構造例である。
【図6】小画面領域の設定操作を説明する図である。
【図7】接触位置を大画面の座標系に変換する処理を説明するフローチャートである。
【図8】小画面領域の設定位置を説明する図である。
【図9】実施形態2に係る情報表示装置の機能構成を表すブロック図である。
【図10】実施形態2における画面管理テーブルのデータ構造例である。
【符号の説明】
【0058】
10…情報表示装置、11…画像表示部、12…タッチセンサ、13…主制御部、14…記憶部、20…入力部、31…制御部、32…小画面設定部、33…位置情報変換部、34…画像出力部、35…画面管理テーブル、36…表示可否設定部、37…表示位置移動部、38…画面サイズ変更部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面にタッチセンサを備え、該画面上でのタッチ操作により画面表示の操作が可能な情報表示装置において、前記画面に表示される画像の縮小画像を表示する小画面領域を設定し、前記小画面領域におけるタッチ操作位置を前記表示画面上の位置に変換することにより、前記小画面領域におけるタッチ操作を前記表示画面における画面表示の操作に置き換えて、リモート操作可能としたことを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報表示装置において、前記小画面領域におけるドラッグ操作が該小画面領域のいずれかの辺を越えた場合、前記表示画面上では当該辺に対応する辺を越さない位置に変換することを特徴とする情報表示装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の情報表示装置において、前記小画面領域の大きさ、位置は予め設定可能であること特徴とする情報表示装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の情報表示装置において、前記小画面領域の縦の大きさを、前記画面の表示領域の下辺から任意のタッチ位置までの高さとし、前記小画面領域の縦横比を、前記表示画面の縦横比と同じに設定することを特徴とする情報表示装置。
【請求項5】
請求項4に記載の情報表示装置において、前記小画面領域は、前記表示画面のタッチ位置から近い方の左右いずれかの隅に設定されることを特徴とする情報表示装置。
【請求項6】
請求項4に記載の情報表示装置において、前記小画面領域は、情報表示装置を操作する入力部の近傍に設定されることを特徴とする情報表示装置。
【請求項7】
請求項4に記載の情報表示装置において、前記小画面領域を移動可能としたことを特徴とする情報表示装置。
【請求項8】
請求項4に記載の情報表示装置において、前記小画面領域の大きさを変更可能としたことを特徴とする情報表示装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載の情報表示装置において、前記表示画面上に設定された前記小画面領域の設定は任意に解除可能であることを特徴とする情報表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−64209(P2009−64209A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−230949(P2007−230949)
【出願日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】